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特許7307164蒸気化器及びそれを含むエアロゾル生成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】蒸気化器及びそれを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20230704BHJP
   A24F 40/30 20200101ALI20230704BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/30
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021524341
(86)(22)【出願日】2020-10-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 KR2020013572
(87)【国際公開番号】W WO2021071201
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-05-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0126294
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】キム,テフン
(72)【発明者】
【氏名】イム,ハンイル
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヒョンジン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジェソン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ジュンホ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/208078(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2019/0022345(US,A1)
【文献】特表2019-509110(JP,A)
【文献】国際公開第2018/206940(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物質を保存するように構成された液体保存部と、
前記エアロゾル生成物質が流入される液体流入口が形成された上部キャップと、
エアロゾル生成空間が下部キャップ及び前記上部キャップの間に形成されるように前記上部キャップと結合する前記下部キャップと、
前記エアロゾル生成空間に配置され、前記液体保存部から伝達された前記エアロゾル生成物質を吸収するように構成された液体伝達手段と、
前記液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを生成するように構成された加熱要素と、を含み、
前記下部キャップは、前記液体伝達手段の少なくとも一部を支持する支持溝及び前記液体伝達手段の端部と対向する内壁を含み、
前記液体伝達手段の端部は、前記内壁から離隔され、
前記液体伝達手段の端部と前記内壁との間の空間にエアロゾル生成物質が保持され、
前記液体伝達手段は、前記液体保存部及び前記空間から前記エアロゾル生成物質を伝達され、
前記液体流入口は、既設定の面積を有し、
前記液体伝達手段の端部が、前記内壁から既設定の長さ離隔され
前記上部キャップは、前記液体伝達手段に一方向に圧力を加えるように構成された加圧部を含み、
前記液体伝達手段は、前記加圧部によって前記一方向に加圧されて変形され、
前記液体伝達手段が変形される前の前記一方向の液体伝達手段の長さに対する前記液体伝達手段が変形された後の前記一方向の液体伝達手段の長さの比率は、0.6~0.9の範囲に含まれる、蒸気化器。
【請求項2】
前記支持溝は、前記液体伝達手段の端部を支持するように前記下部キャップの前記内壁から前記下部キャップの中心に向かって延びる、請求項1に記載の蒸気化器。
【請求項3】
前記液体伝達手段の端部と前記内壁との距離に対する前記支持溝の長さの比率は、1.1~35の範囲である、請求項1に記載の蒸気化器。
【請求項4】
前記液体伝達手段の端部が前記内壁から離隔される前記既設定の長さは、0.1mm~3mmの範囲である、請求項1に記載の蒸気化器。
【請求項5】
前記液体流入口の既設定の面積は、5mm~10mmの範囲である、請求項1に記載の蒸気化器。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の蒸気化器と、
外部空気が流入される空気流入口と、
前記空気流入口と前記エアロゾル生成空間とを連通する空気通路と、を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項7】
シガレットが挿入されるケースと、
前記ケースに挿入された前記シガレットを加熱するように構成されたヒータと、
前記エアロゾル生成空間で生成されたエアロゾルを前記シガレットの一端部に伝達するように構成された伝達通路と、をさらに含む、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気化器及びそれを含むエアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、エアロゾル発生量が増加した蒸気化器及びそれを含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、従来の加熱式シガレットの代替品に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させる代わりにエアロゾル生成物質を加熱することでエアロゾルを生成させるエアロゾル生成装置に係わる需要が増加している。これにより、加熱式エアロゾル生成物品及び加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
加熱式エアロゾル生成装置は、例えば、エアロゾル生成装置の内部にエアロゾル生成物質を収容することができる。この際、エアロゾル生成物質が円滑に伝達されない場合、エアロゾルの発生が十分になされない問題が発生しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、前述した問題点を解決することができる蒸気化器及びそれを含むエアロゾル生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した技術的課題を達成するための技術的手段として、一実施例に係わる蒸気化器は、エアロゾル生成物質を収容する液体保存部、エアロゾル生成物質が流入される液体流入口が形成された上部キャップ、上部キャップと結合して上部キャップと下部キャップとの間にエアロゾル生成空間を形成する下部キャップ、エアロゾル生成空間に配置され、液体保存部から伝達されたエアロゾル生成物質を吸収する液体伝達手段及び液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを生成する加熱要素を含み、下部キャップは、液体伝達手段の少なくとも一部を支持する支持溝及び液体伝達手段の両側端部と対向する内壁を含んでもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の蒸気化器及びそれを含むエアロゾル生成装置は、液体伝達手段を通じる液状移送を円滑にすることで、エアロゾル発生量を増加させると共に、蒸気化器の液漏れを防止することができる。
【0007】
実施例による効果が上述した効果に制限されず、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施例に係わるエアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図2】一実施例に係わるエアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図3図1及び図2に示されたシガレットの一実施例を示す分解図である。
図4図1及び図2に示された蒸気化器の側面に対する断面図である。
図5図1及び図2に示された蒸気化器の上面に対する断面図である。
図6図4に示された方向と垂直方向で示された蒸気化器の側面に対する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上述した技術的課題を達成するための技術的手段として、一実施例に係わる蒸気化器は、エアロゾル生成物質を収容する液体保存部、エアロゾル生成物質が流入される液体流入口が形成された上部キャップ、上部キャップと結合して上部キャップと下部キャップとの間にエアロゾル生成空間を形成する下部キャップ、エアロゾル生成空間に配置され、液体保存部から伝達されたエアロゾル生成物質を吸収する液体伝達手段及び液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを生成する加熱要素を含み、下部キャップは、液体伝達手段の少なくとも一部を支持する支持溝及び液体伝達手段の両側端部と対向する内壁を含んでもよい。
【0010】
また、液体伝達手段の端部は、内壁から離隔されうる。
【0011】
また、支持溝は、液体伝達手段の端部を支持するように下部キャップの内壁から下部キャップの中心方向に向かって延びていてもよい。
【0012】
また、液体伝達手段の端部と内壁との距離に対する支持溝の長さの比率は、1.1~35の範囲でもある。
【0013】
また、液体伝達手段の端部と内壁との距離は、0.1mm~3mmの範囲でもある。
【0014】
また、液体流入口の面積は、液体伝達手段の端部と内壁との距離が増加するほど減少する。
【0015】
また、流入口の面積は、5mm~10mmの範囲でもある。
【0016】
また、上部キャップは、液体伝達手段を下部キャップに向かって加圧する加圧部を含んでもよい。
【0017】
また、液体伝達手段の加圧部による変形が発生する前の高さに対する液体伝達手段の加圧部による変形が発生した後の高さの比率は、0.6~0.9の範囲でもある。
【0018】
一実施例に係わるエアロゾル生成装置は、前述した蒸気化器、外部空気が流入される空気流入口及び空気流入口とエアロゾル生成空間を連通する空気通路を含んでもよい。
【0019】
また、エアロゾル生成装置は、シガレットが挿入されるケース、ケースに挿入されたシガレットを加熱するヒータ及びエアロゾル生成空間で生成されたエアロゾルをシガレットの一端部に伝達する伝達通路をさらに含んでもよい。
【0020】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0021】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0022】
明細書全体において、用語「上下方向」は、例えば、ユーザがエアロゾル生成装置を使用するとき、重力が作用する方向を基準にして定義する。また、「上下方向」と垂直方向は、「側面方向」とも記述される。
【0023】
本明細書で使用されたように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくともいずれか1つ」という表現は、a、b、c、またはaとb、aとc、bとc、またはaとbとcを含むと解釈せねばならない。
【0024】
構成要素またはレイヤが他の構成要素またはレイヤの「上方の」、「上の」、「連結された」または「結合された」と言及されるとき、構成要素またはレイヤは、他の構成要素またはレイヤに直上にあるか、上にあるか、連結されるか、結合されるか、またはその間の構成要素またはレイヤが存在してもよい。対照的に、構成要素が他の構成要素またはレイヤの「直ぐ上の」、「直上の」、「直接連結された」、または「直接結合された」と言及されるとき、その間の構成要素またはレイヤが存在しない。同じ参照番号は、全体として同じ構成要素を指称する。
【0025】
以下、添付した図面に基づいて、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態として具現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0027】
図1及び図2は、一実施例に係わるエアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0028】
図1及び2を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、制御部120、蒸気化器130、及びヒータ140を含む。また、エアロゾル生成装置100の内部空間には、シガレット200が挿入されてもよい。
【0029】
一実施例によるエアロゾル生成装置100の構成要素が図1及び図2に示されている。ここにおいて、図1及び図2に示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれるということを、技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。例えば、エアロゾル生成装置100は、外観を形成してシガレットが挿入されるケースをさらに含んでもよい。
【0030】
また、図1及び図2には、エアロゾル生成装置100にヒータ140が含まれていると示されているが、必要に応じて、ヒータ140は省略されてもよい。
【0031】
図1には、バッテリ110、制御部120、蒸気化器130及びヒータ140が一列に配置されたように示されている。また、図2には、蒸気化器130及びヒータ140が並列に配置されたように示されている。しかし、エアロゾル生成装置100の内部構造は、図1及び図2に示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置100の設計によって、バッテリ110、制御部120、蒸気化器130及びヒータ140の配置は、変更されてもよい。
【0032】
シガレット200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、エアロゾル生成装置100は、エアロゾルを生成するために蒸気化器130、または蒸気化器130とヒータ140を作動させうる。蒸気化器130、または蒸気化器130とヒータ140によって生成されたエアロゾルは、シガレット200を通過してユーザに伝達される。
【0033】
必要に応じて、シガレット200がエアロゾル生成装置100に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置100は、ヒータ140を加熱することができる。
【0034】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ110は、蒸気化器130、またはヒータ140が加熱されるように電力を供給し、制御部120の動作に必要な電力を供給する。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給する。
【0035】
例えば、バッテリ110は、リチウムイオンバッテリ、ニッケル系バッテリ(例えば、ニッケル金属ハイドライドバッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ)、またはリチウム系バッテリ(例えば、リチウムコバルトバッテリ、リン酸鉄リチウムバッテリ、チタン酸リチウムバッテリまたはリチウムポリマーバッテリ)でもある。
【0036】
制御部120は、エアロゾル生成装置100の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部120は、バッテリ110、蒸気化器130及びヒータ140だけではなく、エアロゾル生成装置100に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部120は、エアロゾル生成装置100の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100が動作可能な状態であるか否かを判断しうる。
【0037】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとしても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0038】
蒸気化器130は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレットを通過してユーザに伝達されうる。例えば、エアロゾル生成装置100は、蒸気化器130で生成されるエアロゾルをエアロゾル生成装置100に挿入されたシガレット200の一端部に伝達する伝達通路(図示せず)をさらに含んでもよい。すなわち、蒸気化器130によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置100の伝達通路に沿って移動し、伝達通路は、蒸気化器130によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるようにも構成される。
【0039】
例えば、蒸気化器130は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含んでもよいが、それに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置100に含まれてもよい。
【0040】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。また液状組成物は、エアロゾルを生成することができるエアロゾル生成物質でもある。液体保存部は、蒸気化器130から/に脱/付着されるように作製されてもよく、蒸気化器130と一体として作製されてもよい。
【0041】
液体保存部は、液状組成物を直接収容するコンテナとして機能するか、スポンジ、綿、布地、または多孔性セラミックス構造体のような液状組成物を含む構成要素を含んでもよい。
【0042】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0043】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素として伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それに限定されない。
【0044】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0045】
例えば、蒸気化器130は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されない。
【0046】
ヒータ140は、バッテリ110から供給された電力によって加熱されてエアロゾル生成装置100に挿入されたシガレットを加熱することができる。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置100に挿入されれば、ヒータ140は、シガレットに挿入されるか、シガレットの外部に位置する。したがって、加熱されたヒータ140は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0047】
ヒータ140は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ140には、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることによりヒータ140が加熱されうる。しかし、ヒータ140は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置100に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0048】
他の例で、ヒータ140は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ140には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0049】
図1及び図2には、ヒータ140がシガレット200の外部に配置されると示されているが、その限りではない。例えば、ヒータ140は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレットの内部または外部を加熱することができる。
【0050】
また、エアロゾル生成装置100には、ヒータ140が複数個配置されてもよい。この際、複数個のヒータ140は、シガレットの内部に挿入されるように配置されてもよく、シガレットの外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ140のうち、一部は、シガレットの内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット200の外部に配置されてもよい。また、ヒータ140の形状は、図1及び図2に示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0051】
一方、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、制御部120、蒸気化器130及びヒータ140以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置100は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置100は、少なくとも1つのセンサを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置100は、シガレットが挿入された状態でも、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造によっても作製される。
【0052】
図1及び図2には、示されていないが、エアロゾル生成装置100は、別途のクレードルと共に、システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置100のバッテリ110の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル生成装置100が結合された状態で蒸気化器130及びヒータ140が作動することもできる。
【0053】
シガレット200は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット200は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分されうる。または、シガレット200の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれる。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されうる。
【0054】
エアロゾル生成装置100の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置100の内部に第1部分の一部だけ挿入されてもよく、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0055】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置100に形成された少なくとも1つの空気流入口を通じても流入される。例えば、エアロゾル生成装置100に形成された空気流入口の開閉及び/または空気流入口の大きさは、ユーザによって制御されてもよい。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。また空気流入口を通じて流入された空気は、空気通路を通じて蒸気化器130、例えば、後述するエアロゾル生成空間に伝達されうる。他の例として、外部空気は、シガレット200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてシガレット200の内部に流入されうる。
【0056】
図3は、図1及び図2に示されたシガレットの一実施例を示した分解図である。
【0057】
図3を参照すれば、シガレット200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。図1及び図2を参照して上述した第1部分は、タバコロッド210を含み、第2部分は、フィルタロッド220を含む。
【0058】
図3には、フィルタロッド220が単一セグメントと示されているが、それに限定されない。すなわち、フィルタロッド220は、複数のセグメントで構成されてもよい。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却するセグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングするセグメントを含んでもよい。また、必要に応じて、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0059】
シガレット200は、少なくとも1枚のラッパ240によっても包装される。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されてもよい。一例として、シガレット200は、1枚のラッパ240によっても包装される。他の例として、シガレット200は、2以上のラッパ240によって重畳して包装されてもよい。例えば、第1ラッパによってタバコロッド210が包装され、第2ラッパによってフィルタロッド220が包装される。そして、個別ラッパによって包装されたタバコロッド210及びフィルタロッド220が結合され、第3ラッパによってシガレット200全体が再包装されてもよい。もし、タバコロッド210またはフィルタロッド220それぞれが複数のセグメントで構成されているならば、それぞれのセグメントが個別ラッパによっても包装される。そして、個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたシガレット200全体が他のラッパによっても再包装される。
【0060】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド210に噴射されることによっても添加される。
【0061】
タバコロッド210は、多様に作製されてもよい。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。
【0062】
タバコロッド210は、熱伝導物質によっても覆い包まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を押し並べて分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ風味を向上させうる。また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が行える。この際、図面に示されていないが、タバコロッド210は、外部を覆い包む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0063】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド220が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0064】
フィルタロッド220は、フィルタロッド220で香味が発生するように作製されてもよい。例えば、フィルタロッド220に加香液が噴射されてもよく、加香液が塗布される別途の繊維がフィルタロッド220の内部に挿入されてもよい。
【0065】
また、フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれてもよい。ここで、カプセル230は、香味を発生させる機能を行ってもよく、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル230は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0066】
フィルタロッド220にエアロゾルを冷却する冷却セグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸(polylactic acid)だけでも作製される。または、冷却セグメントは、複数の穿孔を含むセルロースアセテートフィルタによっても作製される。但し、冷却セグメントは、上述した例に限定されず、冷却セグメントは、エアロゾルを冷却する構造及び物質で構成されてもよい。
【0067】
一方、図3には、示されていないが、シガレット200は、前端プラグをさらに含んでもよい。前端プラグは、タバコロッド210において、フィルタロッド220に反対となる一側に位置してもよい。前端プラグは、タバコロッド210の外部への離脱を防止し、喫煙中にタバコロッド210から液状化されたエアロゾルがエアロゾル生成装置100に流れて行くことを防止することができる。
【0068】
図4は、図1及び図2に示された蒸気化器の側面に対する断面図である。
【0069】
図4を参照すれば、蒸気化器130は、エアロゾル生成物質を収容する液体保存部1300、上部キャップ131、上部キャップ131と結合して上部キャップ131と共にエアロゾル生成空間を形成する下部キャップ132、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態に保持する液体伝達手段133及び液体伝達手段133を加熱してエアロゾルを発生させる加熱要素134を含んでもよい。上部キャップ131には、液体保存部1300からエアロゾル生成物質が液体伝達手段133に伝達されるようにエアロゾル生成物質が流入される液体流入口1312が形成されてもよい。
【0070】
図4に示された実施例において、液体伝達手段133は、例えば、エアロゾル生成空間に配置されてもよい。加熱要素134は、液体伝達手段133に巻き取られ、加熱要素134によって液体伝達手段133が加熱されれば、液体伝達手段133に保持されているエアロゾル生成物質が気化してエアロゾルが生成される。
【0071】
図4に示された液体伝達手段133、加熱要素134、上部キャップ131、及び下部キャップ132の構造は、例示的に、さまざまな形態に変形されうる。例えば、加熱要素134は、液体伝達手段133に巻き取られず、液体伝達手段133に隣接して配置され、液体伝達手段133の構造がメッシュ状や板状に変形され、加熱要素134と液体伝達手段133が1つの構成要素に統合されて具現されてもよい。例えば、加熱要素134と液体伝達手段133は、メッシュ状を有する金属ヒータとして具現されてもよい。
【0072】
下部キャップ132は、支持溝1321及び内壁1322を含み、これについて下記図5及び図6を参照して詳細に説明する。
【0073】
図5は、図1及び図2に示された蒸気化器の上面に対する水平方向断面図であり、図6は、図4に示された方向と垂直方向で示された蒸気化器の側面に対する垂直方向断面図である。
【0074】
図5及び図6を参照すれば、下部キャップ132は、液体伝達手段133を支持している。下部キャップ132は、液体伝達手段133の少なくとも一部を支持する支持溝1321と液体伝達手段133の両側端部とそれぞれ対向する内壁1322が形成されている。この際、液体伝達手段133の両側端部は、内壁1322からそれぞれ離隔されうる。すなわち、液体伝達手段133の両側端部とそれぞれの内壁1322との間には、空間が形成され、該空間で液体保存部1300から伝達されたエアロゾル生成物質が保持されてもいる。したがって、エアロゾルの発生量が増加しうる。例えば、液体伝達手段133の一端部が内壁32から離隔される長さdは、0.1mm~3mmの範囲であり、望ましくは、0.5mm~2.5mmの範囲であり、さらに望ましくは、1mm~2mmの範囲である。
【0075】
下部キャップ132の支持溝1321は、液体伝達手段133の両側端部を支持する。支持溝1321は、内壁1322から下部キャップ132の中心に向かって延びる。エアロゾル生成空間で外部空気が流入される気流通路61が下部キャップ132の中心と連通するので、エアロゾル生成物質が下部キャップ132の中心に流入されないように防止することが望ましい。例えば、液体伝達手段133と支持溝1321との接触面積を増加させることで、エアロゾル生成物質の液漏れを防止することができる。支持溝1321が内壁1322から下部キャップ132の中心方向に向かって延びる長さを増加させることで、液体伝達手段133と支持溝1321との接触面積が増加しうる。例えば、液体伝達手段133の一端部と、液体伝達手段133の一端部に向かう内壁1322との長さdに対する支持溝1321の長さdの比率が1.1~35の範囲に設定されれば、エアロゾルの発生量が増加し、エアロゾルの漏出が防止されうる。
【0076】
エアロゾル生成物質は、上部キャップ131の液体流入口1312を通じて液体伝達手段133に伝達される。したがって、上部キャップ131の液体流入口1312の面積が増加するほど液体伝達手段133に伝達されるエアロゾル生成物質の量が増加する。前述したように、液体伝達手段133の両側端部とそれぞれの内壁1322との空間にもエアロゾル生成物質が保持される。この点から、上部キャップ131の液体流入口1312を通じて伝達されるエアロゾル生成物質の量が多ければ、エアロゾル生成物質が漏出されうる。また、上部キャップ131の液体流入口1312を通じて伝達されるエアロゾル生成物質の量が少なければ、エアロゾルが十分に生成されるように、液体伝達手段133の両側端部とそれぞれの内壁1322との空間でエアロゾル生成物質を保持する必要がある。したがって、上部キャップ131の液体流入口1312の面積は、液体伝達手段133の一端部と内壁1322との距離が増加するほど減少する。例えば、上部キャップ131の液体流入口1312の面積は、5mm~10mmの範囲でもあり、その面積は、液体伝達手段133の一端部と内壁1322との距離と反比例関係である。
【0077】
図4及び図6を参照すれば、上部キャップ131は、下部キャップ132に向かって延び、液体伝達手段133を下部キャップ132に向かって加圧する加圧部1311を含んでもよい。加圧部1311は、上部キャップ131と一体に形成されるか、別途に形成されて上部キャップ131と結合されうる。液体伝達手段133は、加圧部1311によって加圧されることで、液体伝達手段133は、エアロゾル生成空間62で安定して支持されうる。
【0078】
液体伝達手段133は、加圧部1311によって加圧される部位で加圧による変形が発生しうる。加圧された部位の密度は、変形の程度と比例して増加する。その場合、液体伝達手段133は、液体(例えば、エアロゾル生成物質)を円滑に伝達することができず、これは、エアロゾル量の減少を招く。したがって、液体伝達手段133の変形程度を所定の範囲に調節することで、エアロゾルの発生量を適切なレベルに保持しつつ、液体伝達手段133を安定して支持させる。例えば、変形前の液体伝達手段133の高さlに対する加圧部1311による変形後の液体伝達手段133の高さ1の比率は、0.6~0.9の範囲である。
【0079】
図4及び図5は、対称的構造を有する支持溝1321及び内壁1322を図示しているが、実施例によれば、支持溝1321及び内壁1322は、非対称的構造を有してもよい。
【0080】
図1及び図2の制御部120のようにブロックで表現される構成、構成要素、モジュール、またはユニット(この段落において総称して「構成」)のうち、少なくとも1つは、例示的な実施例によって前述したそれぞれの機能を行う多様な個数のハードウェア、ソフトウェア、及び/またはファームウェアストラクチャとしても具現される。例えば、これら構成のうち、少なくとも1つは、メモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置の制御を通じてそれぞれの機能が行える直接回路構造を使用することができる。また、これら構成のうち、少なくとも1つは、特定論理機能を遂行するための1つ以上の実行可能な命令を含み、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置によって実行されるモジュール、プログラム、またはコードの一部によっても具体的に具現される。また、これら構成のうち、少なくとも1つは、それぞれの機能を遂行する中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサなどのプロセッサを含むか、それらによっても具現される。これら構成のうち、2以上は、1以上の単一構成に結合され、結合になった2以上の構成の全動作または機能を遂行することができる。また、これら構成のうち、少なくとも1つの機能の少なくとも一部は、これら構成のうち、他の構成によっても行われる。また、バス(bus)は、ブロック図に示されていないが、構成の通信は、バスを通じて遂行されうる。前記例示的な実施例の機能的側面は、1つ以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムによってもで具現される。また、ブロックまたはプロセッシング段階で表現された構成は、電子構成、信号プロセッシング、及び/または制御、データプロセッシングのための任意の関連技術を利用してもよい。
【0081】
上述した実施例に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、それらから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点が理解できるであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、請求範囲によって決定されねばならず、請求範囲に記載された内容と同等な範囲にある全ての相違点は、請求範囲によって決定される保護範囲に含まれると解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6