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特許7307177ワイヤ被覆剥離装置及びワイヤ被覆剥離システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】ワイヤ被覆剥離装置及びワイヤ被覆剥離システム
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/12 20060101AFI20230704BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20230704BHJP
   B26D 3/00 20060101ALI20230704BHJP
   B26B 27/00 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
H02G1/12 056
H02G1/12 053
H02G1/02
B26D3/00 603Z
B26B27/00 G
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021538758
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2020102588
(87)【国際公開番号】W WO2021068590
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】201910958220.8
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521288138
【氏名又は名称】国網安徽省電力有限公司電力科学研究院
【氏名又は名称原語表記】STATE GRID ANHUI ELECTRIC POWER RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No. 299 Ziyun Road, Economic and Technological Development Zone, Hefei, Anhui Province, China
(73)【特許権者】
【識別番号】521288149
【氏名又は名称】合肥匯優科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hefei Huiyou Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 702, Building 2, Wantong Industrial Park, No. 520 Wangjiangxi Road, Gaoxin District, Hefei, Anhui Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】呉少雷
(72)【発明者】
【氏名】馮玉
(72)【発明者】
【氏名】呉凱
(72)【発明者】
【氏名】凌松
(72)【発明者】
【氏名】戚振彪
(72)【発明者】
【氏名】李珍宝
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109510118(CN,A)
【文献】国際公開第2017/183614(WO,A1)
【文献】特開2007-185085(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108512142(CN,A)
【文献】特開平1-99424(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109244967(CN,A)
【文献】特開2018-082513(JP,A)
【文献】特開2017-046433(JP,A)
【文献】特開平04-101605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/12
H02G 1/00-1/10
B26D 3/00
B26B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤ被覆剥離装置であって、
固定部(1)と、
前記固定部(1)に対して回動する回動部(2)と、
チャックブロック(4)とチャックブロック調整機構(5)とが設けられ、前記回動部(2)に固定接続され、ワイヤを挟持する挟持部(3)と、
ワイヤの絶縁層を切削する切削部(6)と
を含み、
前記チャックブロック(4)はV字型であり、直歯が設けられた第1チャックブロック(400)、及び、斜歯が設けられ、高さが前記第1チャックブロック(400)と異なる第2チャックブロック(401)を含み、
前記チャックブロック調整機構(5)は、前記第1チャックブロック(400)でワイヤを挟むか又は前記第2チャックブロック(401)でワイヤを挟むように、前記チャックブロック(4)を調整する
ことを特徴とするワイヤ被覆剥離装置。
【請求項2】
前記チャックブロック調整機構(5)は、
トランスミッションシャフト(500)と、
前記トランスミッションシャフト(500)を回動するように駆動する第1モータ(501)と、
前記トランスミッションシャフト(500)に設けられ、位置は前記第1チャックブロック(400)に対応する第1カム(502)と、
前記トランスミッションシャフト(500)に設けられ、位置は前記第2チャックブロック(401)に対応する第2カム(503)と、
前記第1チャックブロック(400)に接続され、前記第1カム(502)に接触する第1伝達ロッド(504)と、
前記第2チャックブロック(401)に接続され、前記第2カム(503)に接触する第2伝達ロッド(505)と、
前記第1チャックブロック(400)を初期位置に戻させる第1リターンスプリング(506)と、
前記第2チャックブロック(401)を初期位置に戻させる第2リターンスプリング(507)と
を含むことを特徴とする請求項に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項3】
ワイヤ被覆剥離装置であって、
固定部(1)と、
前記固定部(1)に対して回動する回動部(2)と、
チャックブロック(4)とチャックブロック調整機構(5)とが設けられ、前記回動部(2)に固定接続され、ワイヤを挟持する挟持部(3)と、
ワイヤの絶縁層を切削する切削部(6)と
を含み、
前記チャックブロック(4)はV字型であり、それぞれに複数の挟持部材(402)が設けられた第1クランプセットと第2クランプセットを含み、前記第1クランプセット及び前記第2クランプセットはそれぞれ前記チャックブロック(4)のV字状の溝を形成する二つの面に設けられ、前記挟持部材(402)に線状突起が設けられ、
前記チャックブロック調整機構(5)は、前記チャックブロック(4)が、前記突起がワイヤの延在方向に直交してワイヤを向く状態でワイヤを挟むか、又は、前記突起がワイヤの延在方向に対して傾いてワイヤを向く状態でワイヤを挟むように、前記チャックブロック(4)を調整する
ことを特徴とするワイヤ被覆剥離装置。
【請求項4】
前記チャックブロック調整機構(5)は、
前記第1クランプセットの複数の挟持部材(402)にヒンジ接続される第3伝達ロッド(508)と、
前記第2クランプセットの複数の挟持部材(402)にヒンジ接続される第4伝達ロッド(509)と、
両端には前記第3伝達ロッド(508)と前記第4伝達ロッド(509)が接続されるコネクタ(510)と、
前記コネクタ(510)を回動するように駆動する第2モータ(511)と
を含むことを特徴とする請求項に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項5】
前記固定部(1)はワイヤを収納する空洞を備える第1歯車であって、本体(100)と前記本体(100)にヒンジ接続される可動部材(101)とを含む
ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項6】
前記可動部材(101)は前記本体(100)に係合する初期位置と前記本体(100)から離れた終了位置とを備え、前記固定部(1)は前記可動部材(101)を前記終了位置から前記初期位置に移動させるトーションスプリング(105)を更に備える
ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項7】
前記固定部(1)は前記可動部材(101)を終了位置にロックするロックレバー(102)を更に備え、前記ロックレバー(102)は前記本体(100)にヒンジ接続される
ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項8】
前記可動部材(101)は回動ラッチブロック(103)に介して前記本体(100)にヒンジ接続され、前記回動ラッチブロック(103)には一つの溝があり、前記ロックレバー(102)の一端は前記回動ラッチブロック(103)の溝に係止され、前記ロックレバー(102)の他端と前記本体(100)との間に第1圧縮ばね(104)が設けられる
ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項9】
前記回動部(2)は、前記固定部(1)に外歯合してドライブする第2歯車(200)と前記第2歯車(200)を回動するように駆動する第3モータ(201)とを含む
ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項10】
前記回動部(2)は、前記第2歯車(200)と対称に設けられる第3歯車(202)を更に含む
ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項11】
前記挟持部(3)は、
第1挟持部(300)と、
第2挟持部(301)と、
前記第1挟持部(300)及び/又は前記第2挟持部(301)に螺合される第1ねじ付き伝達ロッド(302)と、
前記第1ねじ付き伝達ロッド(302)を回動するように駆動する第4モータ(303)と、
を含み、
前記チャックブロック(4)は前記第1挟持部(300)と前記第2挟持部(301)のうちのいずれか一つに設けられる
ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項12】
前記切削部(6)は、
台座(600)と、
前記台座(600)にヒンジ接続されるナイフ(601)と、
前記ナイフ(601)の一端と前記台座(600)との間に設けられる第2圧縮ばね(602)と、
一端に自身の回動を制限するリミット部材(604)が設けられる第2ねじ付き伝達ロッド(603)と、
前記第2ねじ付き伝達ロッド(603)に螺合する回動部材(605)と、
前記回動部材(605)を回動するように駆動する第5モータ(606)と、
を含み、
前記リミット部材(604)は前記ナイフ(601)の他端に接触する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項13】
前記ワイヤ被覆剥離装置は、ワイヤの反射光の光強度を検出する光ファイバセンサー(7)と、前記光ファイバセンサー(7)及び前記第5モータ(606)に接続するプロセッサー(8)とを更に含み、
前記光ファイバセンサー(7)が検出された光強度が予定値より大きい場合に、前記プロセッサー(8)は前記第5モータ(606)の回動を停止させ、前記チャックブロック調整機構(5)を制御して前記チャックブロック(4)の状態を変える
ことを特徴とする請求項12に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項14】
前記ワイヤ被覆剥離装置は、前記固定部(1)に接続する装着部(9)と、前記装着部(9)に接続する絶縁棒(10)とを更に含む
ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項15】
前記ワイヤ被覆剥離装置はワイヤの芯材外面の酸化物層を除去するスチールブラシ(11)を更に含む
ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項16】
前記ワイヤ被覆剥離装置は前記固定部(1)に接続するフック(12)を更に含む
ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のワイヤ被覆剥離装置。
【請求項17】
請求項に記載のワイヤ被覆剥離装置と、ハンドヘルドリモコン(14)とを含むワイヤ被覆剥離システムであって、
前記ワイヤ被覆剥離装置はプロセッサー(8)に接続する通信モジュール(13)を含み、前記プロセッサー(8)は前記第1モータ(501)に接続し、
前記ハンドヘルドリモコン(14)は無線ネットワークに介して前記通信モジュール(13)に接続する
ことを特徴とするワイヤ被覆剥離システム。
【請求項18】
請求項4に記載のワイヤ被覆剥離装置と、ハンドヘルドリモコン(14)とを含むワイヤ被覆剥離システムであって、
前記ワイヤ被覆剥離装置はプロセッサー(8)に接続する通信モジュール(13)を含み、前記プロセッサー(8)は前記第2モータ(511)に接続し、
前記ハンドヘルドリモコン(14)は無線ネットワークに介して前記通信モジュール(13)に接続する
ことを特徴とするワイヤ被覆剥離システム。
【請求項19】
請求項9に記載のワイヤ被覆剥離装置と、ハンドヘルドリモコン(14)とを含むワイヤ被覆剥離システムであって、
前記ワイヤ被覆剥離装置はプロセッサー(8)に接続する通信モジュール(13)を含み、前記プロセッサー(8)は前記第3モータ(201)に接続し、
前記ハンドヘルドリモコン(14)は無線ネットワークに介して前記通信モジュール(13)に接続する
ことを特徴とするワイヤ被覆剥離システム。
【請求項20】
請求項11に記載のワイヤ被覆剥離装置と、ハンドヘルドリモコン(14)とを含むワイヤ被覆剥離システムであって、
前記ワイヤ被覆剥離装置はプロセッサー(8)に接続する通信モジュール(13)を含み、前記プロセッサー(8)は前記第4モータ(303)に接続し、
前記ハンドヘルドリモコン(14)は無線ネットワークに介して前記通信モジュール(13)に接続する
ことを特徴とするワイヤ被覆剥離システム。
【請求項21】
前記ハンドヘルドリモコン(14)を置くためのクランプブラケット(15)が前記ワイヤ被覆剥離装置の絶縁棒(10)に設けられる
ことを特徴とする請求項17~請求項20のいずれか一項に記載のワイヤ被覆剥離システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力作業分野に関わり、特にワイヤ被覆剥離装置及びワイヤ被覆剥離システムに関わる。
【背景技術】
【0002】
帯電状態で架空絶縁ワイヤの絶縁層を剥く時に、今はハンドヘルドワイヤ被覆剥離装置と手動絶縁棒型ワイヤ被覆剥離装置がよく使われる。ハンドヘルドワイヤ被覆剥離装置の場合、人と絶縁バケットカーとが組み合わせて操作する必要がある。帯電操作において、人の近距離操作にはセキュリティリスクが伴い、絶縁バケットカーの使用も現場に制限されるので、汎用性が悪い。手動絶縁棒型ワイヤ被覆剥離装置の場合、人工棒のぼり遠距離作業が行われ、ハンドヘルドワイヤ被覆剥離装置に比べて安全性が高く、しかも現場に制限されないが、今使用されている手動絶縁棒型ワイヤ被覆剥離装置は人工でクランクを回動させることで動力を出す。先行技術では、所要長さまで被覆を剥離すると、切削部によってその場で絶縁被覆を切断する際に、外部からのワイヤ方向に沿った的横向きブレーキ力が必要になる。ハンドヘルドワイヤ被覆剥離装置の場合、人の手でこのブレーキ力を提供するが、手動絶縁棒型ワイヤ被覆剥離装置の場合、別のロックレバーをワイヤ上の被覆剥離装置前進方向の前にロックする必要があり、操作が面倒なので、棒のぼり作業の際にやり難い。また、先行技術では、切削部ナイフの位置を手動で調整することで被覆剥離の深さをコントロールする必要があるが、ワイヤ絶縁層の厚さの仕様が様々で、しかも既に設置されたワイヤは絶縁層の厚さが直接に測定できないので、調整操作は不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は先行技術の被覆剥離装置の操作が不安全又は不便、効率が低いという問題点を解決し、固定部と、固定部に対して回動する回動部と、回動部に接続される挟持部と、切削部とを含むワイヤ被覆剥離装置を提供する。当該ワイヤ被覆剥離装置は挟持部によってワイヤを挟持し、回動部によって切削部にワイヤの被覆を剥離させる。挟持部と回動部との組み合わせによって、ワイヤ上の回転動力を提供するだけでなく、作業フローに合わせて必要な横向きロック力と横向き移動力を提供することもできる。手動で操作する必要がなく、安全、素早く、効率的に被覆を剥離する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を実現するために、本発明の実施形態の一側面に係るワイヤ被覆剥離装置は、
固定部と、
前記固定部に対して回動する回動部と、
チャックブロックと前記チャックブロックの状態を変えるチャックブロック調整機構とが設けられ、前記回動部に固定接続され、ワイヤを挟持する挟持部と、
ワイヤの絶縁層を切削する切削部と
を含む。
好ましくは、前記チャックブロック(4)はV字型であり、直歯が設けられた第1チャックブロック及び斜歯が設けられ、高さが前記第1チャックブロックと異なる第2チャックブロックを含む。
好ましくは、前記チャックブロック調整機構は、
トランスミッションシャフトと、
前記トランスミッションシャフトを回動するように駆動する第1モータと、
前記トランスミッションシャフトに設けられ、位置は前記第1チャックブロックに対応する第1カムと、
前記トランスミッションシャフトに設けられ、位置は前記第2チャックブロックに対応する第2カムと、
前記第1チャックブロックに接続され、前記第1カムに接触する第1伝達ロッドと、
前記第2チャックブロックに接続され、前記第2カムに接触する第2伝達ロッドと、
前記第1チャックブロックを初期位置に戻させる第1リターンスプリングと、
前記第2チャックブロックを初期位置に戻させる第2リターンスプリングと
を含む。
好ましくは、前記チャックブロックはV字型であり、それぞれに複数の挟持部材が設けられた第1クランプセットと第2クランプセットを含み、前記挟持部材に突起が設けられる。
好ましくは、前記チャックブロック調整機構は、
前記第1クランプセットの複数の挟持部材にヒンジ接続される第3伝達ロッドと、
前記第2クランプセットの複数の挟持部材にヒンジ接続される第4伝達ロッドと、
両端には前記第3伝達ロッドと前記第4伝達ロッドが接続されるコネクタと、
前記コネクタを回動するように駆動する第2モータと
を含む。
好ましくは、前記固定部はワイヤを収納する空洞を備える第1歯車であって、本体と前記本体にヒンジ接続される可動部材とを含む。
好ましくは、前記可動部材は前記本体に係合する初期位置と前記本体から離れた終了位置とを備え、前記固定部は前記可動部材を前記終了位置から前記初期位置に移動させるトーションスプリングを更に備える。
好ましくは、前記固定部は前記可動部材を終了位置にロックするロックレバーを更に備え、前記ロックレバーは前記本体にヒンジ接続される。
好ましくは、前記可動部材は回動ラッチブロックに介して前記本体にヒンジ接続され、前記回動ラッチブロックには一つの溝があり、前記ロックレバーの一端は前記回動ラッチブロックの溝に係止され、前記ロックレバーの他端と前記本体との間に第1圧縮ばねが設けられる。
好ましくは、前記回動部は、前記固定部に外歯合してドライブする第2歯車と前記第2歯車を回動するように駆動する第3モータとを含む。
好ましくは、前記回動部は、前記第2歯車と対称に設けられる第3歯車を更に含む。
好ましくは、前記挟持部は、
第1挟持部と、
第2挟持部と、
前記第1挟持部及び/又は前記第2挟持部に螺合される第1ねじ付き伝達ロッドと、
前記第1ねじ付き伝達ロッドを回動するように駆動する第4モータと、
を含み、
前記チャックブロックは前記第1挟持部と前記第2挟持部のうちのいずれか一つに設けられる。
好ましくは、前記切削部は、
台座と、
前記台座にヒンジ接続されるナイフと、
前記ナイフの一端と前記台座との間に設けられる第2圧縮ばねと、
一端に自身の回動を制限するリミット部材が設けられる第2ねじ付き伝達ロッドと、
前記第2ねじ付き伝達ロッドに螺合する回動部材と、
前記回動部材を回動するように駆動する第5モータと、
を含み、
前記リミット部材は前記ナイフの他端に接触する。
好ましくは、前記ワイヤ被覆剥離装置は、ワイヤの反射光の光強度を検出する光ファイバセンサーと、前記光ファイバセンサー及び前記第5モータに接続するプロセッサーとを更に含み、
前記光ファイバセンサーが検出された光強度が予定値より大きい場合に、前記プロセッサーは前記第5モータの回動を停止させ、前記チャックブロック調整機構を制御して前記チャックブロックの状態を変える。
好ましくは、前記ワイヤ被覆剥離装置は、前記固定部に接続する装着部と、前記装着部に接続する絶縁棒とを更に含む。
好ましくは、前記ワイヤ被覆剥離装置はワイヤの芯材外面の酸化物層を除去するスチールブラシを更に含む。
好ましくは、前記ワイヤ被覆剥離装置は前記固定部に接続するフックを更に含む。
本発明の実施形態の別の一側面に係るワイヤ被覆剥離システムは、
前文に記載のワイヤ被覆剥離装置と、ハンドヘルドリモコンとを含むワイヤ被覆剥離システムであって、
前記ワイヤ被覆剥離装置はプロセッサーに接続する通信モジュールを含み、前記プロセッサーは前記第1モータ又は前記第2モータ、前記第3モータ及び前記第4モータに接続し、
前記ハンドヘルドリモコンは無線ネットワークに介して前記通信モジュールに接続する。
好ましくは、前記ハンドヘルドリモコンを置くためのクランプブラケットが前記ワイヤ被覆剥離装置の絶縁棒に設けられる。
【0005】
前記技術案により、本発明の実施形態では、固定部と、固定部に対して回動する回動部と、回動部に接続される挟持部と、切削部とを含むワイヤ被覆剥離装置を提供する。当該ワイヤ被覆剥離装置は挟持部によってワイヤを挟持し、回動部によって切削部にワイヤの被覆を剥離させる。挟持部と回動部との組み合わせによって、ワイヤ上のフリップ動力を提供するだけでなく、作業フローに合わせて必要な横向きロック力と横向き移動力を提供する。手動で操作する必要がなく、安全、素早く、効率的に被覆を剥離する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の構成を示す模式図である。
図1B】は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の正面図である。
図2A】は本発明の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置のチャックブロック及びチャックブロック調整機構の正面図である。
図2B】は本発明の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置のチャックブロック及びチャックブロック調整機構の右側面図である。
図3A】は本発明の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置が本来の位置での回転切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の正面図である。
図3B】は本発明の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置が本来の位置での回転切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の右側面図である。
図4A】は本発明の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置のスパイラル切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の正面図である。
図4B】は本発明の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置のスパイラル切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の右側面図である。
図5A】は本発明の別の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置が本来の位置での回転切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の正面図である。
図5B】は本発明の別の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置が本来の位置での回転切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の右側面図である。
図6A】は本発明の別の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置のスパイラル切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の正面図である。
図6B】は本発明の別の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置のスパイラル切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の右側面図である。
図7A】は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の固定部の1つの状態模式図(可動部材は初期位置にある)である。
図7B】は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の固定部の別の1つの状態模式図(可動部材は終了位置にある)である。
図7C】は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の固定部のもう1つの状態模式図(可動部材は初期位置にある)である。
図8】は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の固定部及び回転部の構成を示す模式図である。
図9A】は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の挟持部の構成を示す一つの模式図(挟持前の状態)である。
図9B】は本発明の別の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の挟持部の構成を示す別の一つの模式図(挟持後の状態)である。
図10A】は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の切削部の構成を示す模式図である。
図10B】は図10AのA-A方向に沿って切断した一つの断面図(切削前)である。
図10C】は図10AのA-A方向に沿って切断した別の一つの断面図(切削中)である。
図11】は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の構成を示すブロック図である。
図12A】は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の1つの斜視図(被覆剥離前)である。
図12B】は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の1つの斜視図(被覆剥離後)である。
図13】は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離システムの構成を示すブロック図である。
図14】本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離システムの一部の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。なお、ここで説明する実施形態は本発明を説明又は解釈するためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0008】
図1Aは本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の構成を示す模式図であり、図1Bは本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の正面図である。図1A又は図1Bに示すように、本発明の実施形態の一側面においてワイヤ被覆剥離装置が提供され、当該ワイヤ被覆剥離装置は、
固定部1と、
固定部1に対して回動する回動部2、
チャックブロック4とチャックブロック4の状態を変えるチャックブロック調整機構5とが設けられ、回動部2に固定接続され、ワイヤを挟持する挟持部3と、
ワイヤの絶縁層を切削する切削部6と、
を含む。
本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置は、固定部1と、固定部1に対して回動する回動部2と、回動部2に接続される挟持部3と、切削部6とを含む。当該ワイヤ被覆剥離装置は挟持部3によってワイヤを挟持し、回動部2によって切削部6にワイヤの被覆を剥離させ、手動で操作する必要がなく、安全、素早く、効率的に被覆を剥離する。
当該ワイヤ被覆剥離装置はチャックブロック調整機構5によって調整チャックブロック4の状態を調整することで、異なる切削動作を完成させ、本発明の統一された技術思想の元で、当該ワイヤ被覆剥離装置のチャックブロック4及びチャックブロック調整機構5は色んな相応しい構造を有する。
【0009】
図2Aは本発明の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置のチャックブロック及びチャックブロック調整機構の正面図であり、図2Bは本発明の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置のチャックブロック及びチャックブロック調整機構の右側面図である。図2A及び図2Bに示すように、本発明の一実施形態において、当該ワイヤ被覆剥離装置のチャックブロック4はV字型であるため、ワイヤを容易に挟持する。チャックブロック4は直歯が設けられた第1チャックブロック400及び斜歯が設けられ、高さが第1チャックブロック400と異なる第2チャックブロック401を含んでもいい。
【0010】
図3Aは本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置が本来の位置での回転切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の正面図であり、図3Bは本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置が本来の位置での回転切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の右側面図である。図4Aは本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置のスパイラル切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の正面図であり、図4Bは本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置のスパイラル切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の右側面図である。図3A及び4Bに示すように、本発明の一実施形態において、当該ワイヤ被覆剥離装置のチャックブロック調整機構5は、
トランスミッションシャフト500と、
トランスミッションシャフト500を回動するように駆動する第1モータ501と、
トランスミッションシャフト500に設けられ、位置は第1チャックブロック400に対応する第1カム502と、
トランスミッションシャフト500に設けられ、位置は第2チャックブロック401に対応する第2カム503と、
第1チャックブロック400に接続され、第1カム502に接触する第1伝達ロッド504と、
第2チャックブロック401に接続され、第2カム503に接触する第2伝達ロッド505と、
第1チャックブロック400を初期位置に戻させる第1リターンスプリング506と、
第2チャックブロック401を初期位置に戻させる第2リターンスプリング507と、
を含んでもいい。
【0011】
図3A及び図3Bに示すように、第1モータ501はトランスミッションシャフト500を回動させることで第1カム502が第1伝達ロッド504を下方に押して、そうすると、第1チャックブロック400を下方に押してワイヤを挟む。この際に、第2チャックブロック401の高さは第1チャックブロック400の高さより高く、第2チャックブロック401はワイヤに接触しない。第1チャックブロック400には直歯が設けられるので、挟持の後に横向きロック力を提供して当該ワイヤ被覆剥離装置に本来の位置でワイヤに対して回転切削を行わせる。図4A及び図4Bに示すように、本来の位置で芯材を露出するまで回転切削した後、第1モータ501はトランスミッションシャフト500を回動させることで第2カム503が第2伝達ロッド505を下方に押して、そうすると、第2チャックブロック401を下方に押してワイヤを挟む。この際に、第1チャックブロック400の高さは第2チャックブロック401の高さより高く、第1チャックブロック400はワイヤに接触しない。第2チャックブロック401には斜歯が設けられるので、当業者に分かるように、ワイヤ絶縁層からの第2チャックブロック401の斜歯に対する反力によって、挟持の後に横向き移動力を提供して当該ワイヤ被覆剥離装置にワイヤをスパイラル切削させることで、配線作業の準備として、ワイヤの表面の一部を切削して芯材を露出させる。
本発明の実施形態において、第1モータ501はトランスミッションシャフト500に直接に接続して、トランスミッションシャフト500を回動するように駆動してもいい。勿論、図3A乃至4Bに示すように、当該ワイヤ被覆剥離装置の体積を節約するために、第1モータ501は歯車によってドライブすることで、トランスミッションシャフト500を回動するように駆動する。
【0012】
図5Aは本発明の別の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置が本来の位置での回転切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の正面図であり、図5Bは本発明の別の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置が本来の位置での回転切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の右側面図である。図6Aは本発明の別の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置のスパイラル切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の正面図であり、図6Bは本発明の別の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置のスパイラル切削状態においてのチャックブロック及びチャックブロック調整機構の右側面図である。本発明の別の一実施形態において、当該ワイヤ被覆剥離装置のチャックブロック4はV字型であり、それぞれに複数の挟持部材402が設けられた第1クランプセットと第2クランプセットを含み、挟持部材(402)に突起が設けられてもいい。具体的に、第1クランプセットと第2クランプセットはそれぞれチャックブロック4の二つのV字型面に設けられ、挟持部材402に設けられた突起によってワイヤを挟持する。
更に、当該ワイヤ被覆剥離装置のチャックブロック調整機構5は、
第1クランプセットの複数の挟持部材402にヒンジ接続される第3伝達ロッド508と、
前記第2クランプセットの複数の挟持部材402にヒンジ接続される第4伝達ロッド509と、
両端には前記第3伝達ロッド508と前記第4伝達ロッド509が接続されるコネクタ510と、
コネクタ510を回動するように駆動する第2モータ511と、
を含んでもいい。
図5A及び図5Bに示しように、第2モータ511はコネクタ510を回動させることで第3伝達ロッド508と第4伝達ロッド509とを相対的に移動させて、そうすると、第1クランプセットと第2クランプセットの複数の挟持部材402の突起がワイヤに向くように直立してワイヤを挟持する。この際に、挟持の後、横向きロック力を提供して当該ワイヤ被覆剥離装置に本来の位置でワイヤを回転切削させる。図6A及び図6Bに示すように、本来の位置で芯材が露出するまで回転切削した後、第2モータ511はコネクタ510を回動させることで第3伝達ロッド508と第4伝達ロッド509を相対的に移動させ、そうすると、第1クランプセットと第2クランプセットの複数の挟持部材402の突起がワイヤに向くように傾けてワイヤを挟持する(第1クランプセットと第2クランプセットの複数の挟持部材402の突起の傾斜方向が一致する)。この際に、ワイヤ絶縁層からの挟持部材402の突起に対する反力によって、挟持の後に横向き移動力を提供して当該ワイヤ被覆剥離装置にワイヤをスパイラル切削させることで、配線作業の準備として、ワイヤの表面の一部を切削して芯材を露出させる。
ワイヤ被覆を剥離する際に、ワイヤを挟持して固定した後に、本来の位置で回転切削とスパイラル切削を行う。そのため、回転軌道としての構造に開口を設けてワイヤを回転軌道としての構造に入れられる必要がある。しかし、この開口は必然的に回転切削の連続性を邪魔するので、先行技術では通常複数の小さい歯車を含む歯車セットと開口を有する大きい歯車とを組み合わせて、歯車セットに基づくドライブで回転切削の連続性を保証するが、先行技術の欠点として、歯車セットによって被覆剥離装置全体の体積及び重量が大きく、開口を有する大きい歯車の開口寸法を制限した。
【0013】
図7Aは本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の固定部の1つの状態模式図(可動部材は初期位置にある)であり、図7Bは本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の固定部の別の1つの状態模式図(可動部材は終了位置にある)である。前記技術課題について、本発明の一実施形態において、図7A及び7Bに示すように、当該ワイヤ被覆剥離装置の固定部1はワイヤを収納する空洞を備える第1歯車であって、本体100と前記本体100にヒンジ接続される可動部材101とを含んでもいい。固定部1の可動部材101は本体100に係合する初期位置(図7Aに示すように)と本体100から離れた終了位置(図7Bに示すように)とを備え、当該ワイヤ被覆剥離装置の固定部1は可動部材101を終了位置から初期位置に移動させるトーションスプリング105を更に備えてもいい。当業者に分かるように、可動部材101が初期位置にあるときに、固定部1は完全な歯車であるため、当該ワイヤ被覆剥離装置の回転切削の連続性が保証される。
更に、図7A及び7Bに示すように、当該ワイヤ被覆剥離装置の固定部1は可動部材101を終了位置にロックするロックレバー102を更に備え、ロックレバー(102)は本体(100)にヒンジ接続されてもいい。
具体的に、図7A及び7Bに示すように、可動部材101は回動ラッチブロック103に介して本体100にヒンジ接続され、回動ラッチブロック103には一つの溝があり、ロックレバー102の一端は回動ラッチブロック103の溝に係止され、ロックレバー102の他端と本体100との間に第1圧縮ばね104が設けられてもいい。本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置が使用される際に、固定部1の可動部材101はトーションスプリング105によって本体100に係合する初期位置(図7Aに示すように)に制限され、操作者は手動で可動部材101を本体100から離れた終了位置(図7Bに示すように)に回動させることができる。この際に、第1圧縮ばね104によって、ロックレバー102が回動してロックレバー102の一端を回動ラッチブロック103の溝に係止させることで可動部材101を終了位置にロックする。そして、可動部材101が回動した後に形成された開口を利用して、ワイヤは固定部1の内部に入れられる。操作者はワイヤをロックレバー102の突出した他端(図7Bに示すように)に接触させ、更に圧力をかけることで、ロックレバー102を回動させ、ロックレバー102の一端を回動ラッチブロック103の溝から抜け出させて、トーションスプリング105によって、可動部材101は終了位置から初期位置に回動して、固定部1は完全な歯車に戻る。このような巧みな設計によって、本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置は回転切削の連続性を保証するだけでなく、装置全体の体積と重量が増大することをも避けられ、使用も便利であるため、操作者の作業に有利する。
【0014】
図8は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の固定部及び回転部の構成を示す模式図である。図8に示すように、本発明の一実施形態において、当該ワイヤ被覆剥離装置の回動部2は、固定部1に外歯合してドライブする第2歯車200と第2歯車200を回動するように駆動する第3モータ201とを含んでもいい。第3モータ201に駆動されて、第2歯車200は固定部1の本体100の周りに回動し、そして挟持部3、チャックブロック4、チャックブロック調整機構5及び切削部6を回動させる。
更に、図8に示すように、当該ワイヤ被覆剥離装置の回動部2は第2歯車(200)と対称に設けられる第3歯車202を更に含む。第2歯車200はドライビング歯車であり、第3歯車202はドリブン歯車である。このような構造によって、当該ワイヤ被覆剥離装置の回転切削が更に安定的、均衡的になる。
【0015】
図9Aは本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の挟持部の構成を示す一つの模式図(挟持前の状態)であり、図9Bは本発明の別の一実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の挟持部の構成を示す別の一つの模式図(挟持後の状態)である。図9A及び図9Bに示すように、当該ワイヤ被覆剥離装置の挟持部は、
第1挟持部300と、
第2挟持部301と、
第1挟持部300及び/又は第2挟持部301に螺合される第1ねじ付き伝達ロッド302と、
第1ねじ付き伝達ロッド302を回動するように駆動する第4モータ303と、
を含み、
チャックブロック4は第1挟持部300と第2挟持部301のうちのいずれか一つに設けられる。例えば、図9A及び図9Bに示すように、第1挟持部300に設けられる。
本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置が使用される場合に、ワイヤが固定部1の内部に入れた後に、第4モータ303が第1ねじ付き伝達ロッド302を回動するように駆動することで、第1挟持部300と第2挟持部301のうちの一方が他方に向けて移動させ、或いは、第1挟持部300と第2挟持部301を相対的に移動させて、ワイヤを挟持する。
本発明の実施形態において、第4モータ303は第1ねじ付き伝達ロッド302に直接に接続して第1ねじ付き伝達ロッド302を回動するように駆動するが、勿論、図9A及び図9Bに示すように、当該ワイヤ被覆剥離装置の体積を節約するために、第4モータ303が歯車によってドライブすることで、第1ねじ付き伝達ロッド302を回動するように駆動してもいい。
【0016】
図10Aは本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の切削部の構成を示す模式図であり、図10B図10AのA-A方向に沿って切断した一つの断面図(切削前)であり、図10C図10AのA-A方向に沿って切断した別の一つの断面図(切削中)である。図10A及び10Cに示すように、本発明の一実施形態において、当該ワイヤ被覆剥離装置の切削部6は、
台座600と、
台座600にヒンジ接続されるナイフ601と、
ナイフ601の一端と台座600との間に設けられる第2圧縮ばね602と、
一端に自身の回動を制限するリミット部材604が設けられる第2ねじ付き伝達ロッド603と、
第2ねじ付き伝達ロッド603に螺合する回動部材605と、
回動部材605を回動するように駆動する第5モータ606と、
を含み、
リミット部材604はナイフ601の他端に接触する。
本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置が使用される場合、ワイヤが挟持部3及びチャックブロック4に挟持され固定された後、回動部2の第3モータ201がスタートし、第2歯車200及び第3歯車201は固定部1の本体100の周りに回動し、そして挟持部3、チャックブロック4、チャックブロック調整機構5及び切削部6を回動させて、切削部6が回転するにつれ、徐々に切り込んで、ワイヤの絶縁層を切削する。具体的に、切削部6の第5モータ606は回動部材605を回動するように駆動し、ねじのドライブ機能及びリミット部材604の制限機能により第2ねじ付き伝達ロッド603をナイフ601から離れる方向に移動させ、第2圧縮ばね602によって、ナイフ601が回動し、ナイフ601をワイヤの一端に向けて移動させ、切り込み作業を完成させる。
先行技術では、手動絶縁棒型ワイヤ被覆剥離装置がワイヤの被覆を剥離する際に、手動で切削部ナイフの位置を調整して被覆剥離の深さを制御するが、ワイヤ絶縁層の厚さの仕様が様々であり、しかも既に設置されたワイヤの絶縁層の厚さは直接に測定できないので、調整操作が不便であり、しかも調整がタイムリーではないと芯材が損傷してしまう。
【0017】
図11は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の構成を示すブロック図である。前記技術課題について、本発明の一実施形態において、図11に示すように、当該ワイヤ被覆剥離装置は、ワイヤの反射光の光強度を検出する光ファイバセンサー7と、光ファイバセンサー7及び第5モータ606に接続するプロセッサー8とを更に含み、
光ファイバセンサー7が検出された光強度が予定値より大きい場合に、プロセッサー8は第5モータ606の回動を停止させ、チャックブロック調整機構5を制御してチャックブロック(4)の状態を変える。
本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置が使用される場合、ワイヤの絶縁層に対する切削は以下の三つの段階に分けられる。第1段階では、芯材が露出するまで本来の位置で回転切削する。第2段階では、ワイヤの一部をスパイラル切削して芯材を露出する。第3段階では、本来の位置で数回回転切削して絶縁層を切断する。先行技術における直接にスパイラル切削する技術案に比べると、本発明の実施形態に係る切削作業の長所は、本来の位置で回転切削すると、絶縁層を直接に切り取る切り込み量が得られるので、スパイラル切削によって絶縁層を直接に切り取ることで、ワイヤの一部においてすべての絶縁層が切り取られなかった状況が避けられ、切削作業自体がもっと素早く、効率的になる。しかも、本発明の実施形態において、当該ワイヤ被覆剥離装置は光ファイバセンサー7を利用してワイヤの反射光の光強度を検出する。芯材が露出すると、反射光の光強度が予定値より大きいので、この際に、プロセッサー8が第5モータ606の回動を停止するように制御して切り込みを停止させ、芯材を損害しないようにする。同時に、プロセッサー8はチャックブロック調整機構5を制御してチャックブロック4の状態を変えることで、第1段階の本来の位置での回転切削を終了して、第2段階のスパイラル切削に入る。光ファイバセンサー7の検出及びプロセッサー8の自動制御によって、切削作業全体の作業効率を更に高める。
【0018】
図12Aは本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の1つの斜視図(被覆剥離前)であり、図12Bは本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離装置の1つの斜視図(被覆剥離後)である。図12A及び図12Bに示すように、当該ワイヤ被覆剥離装置は、固定部1に接続する装着部9と、装着部9に接続する絶縁棒10とを更に含んでもいい。絶縁棒10は架空線路の配線作業に使われ、操作者は絶縁棒10を使って装置全体を持ち上げてワイヤ被覆を剥離する。好ましくは、絶縁棒10は多段式絶縁棒である。
図1A及び図1Bに示すように、本発明の一実施形態において、当該ワイヤ被覆剥離装置はスチールブラシ11を更に含んでもいい。ワイヤの芯材外面の酸化物層を除去するスチールブラシ(11)を更に含む。スチールブラシ11はナイフ601に対向する位置に設置され、切削後のワイヤの芯材外面における酸化物層を除去することで、ワイヤ接続作業のために準備を整える。
図12A及び図12Bに示すように、本発明の一実施形態において、当該ワイヤ被覆剥離装置は固定部1に接続するフック12を更に含んでもいい。フック12は当該ワイヤ被覆剥離装置をどこかに吊るために使われ、操作者の作業を便利にする。高所での作業の場合に、特にそうである。
【0019】
図13は本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離システムの構成を示すブロック図である。本発明の実施形態の別の一側面においてワイヤ被覆剥離システムが提供される。
当該ワイヤ被覆剥離システムは、前文に記載のワイヤ被覆剥離装置と、ハンドヘルドリモコン14とを含むワイヤ被覆剥離システムであり、ワイヤ被覆剥離装置はプロセッサー8に接続する通信モジュール13を含み、ハンドヘルドリモコン14は無線ネットワークに介してワイヤ被覆剥離装置の通信モジュール13に接続してもいい。
本発明の一実施形態において、当該ワイヤ被覆剥離装置のプロセッサー8は第5モータ606に接続するだけでなく、第1モータ501又は第2モータ511、第3モータ201及び第4モータ303に接続してもよく、そうすることで、ワイヤ被覆剥離作業全体の自動制御を実現する。
本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離システムが使用される場合、操作者はハンドヘルドリモコン14に通じで指令を出し、ワイヤ被覆剥離装置のプロセッサー8が通信モジュール13によってハンドヘルドリモコン14からの指令を受信し、指令に従い第1モータ501又は第2モータ511、第3モータ201、第4モータ303及び第5モータ606をスタートして操作を完成させる。例えば、プロセッサー8はハンドヘルドリモコン14からの指令に従い、第4モータ303を制御して第1挟持部300及び/又は第2挟持部301を移動するように駆動してワイヤを挟持固定する。また、プロセッサー8はハンドヘルドリモコン14からの指令に従い、第3モータ201を制御して第2歯車200及び第3歯車201を固定部1の本体100の周りに回動するように駆動して、そして挟持部3、チャックブロック4、チャックブロック調整機構5及び切削部6を回動させる。更に、プロセッサー8はハンドヘルドリモコン14からの指令に従い、第5モータ606を制御して回動部材605を回動するように駆動して切り込みを完成させる。また、プロセッサー8はハンドヘルドリモコン14からの指令に従い、第1モータ501又は第2モータ511を回動するように制御することで、チャックブロック4の状態を変える。前記のような色んなことを行う。本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離システムはリモコン方式でワイヤ被覆剥離の切削作業全体を完成させ、使用が便利且つ効率的であって、配線作業の作業効率及び完成度を大幅に高める。
【0020】
図14本発明の実施形態に係るワイヤ被覆剥離システムの一部の構成を示す模式図である。図14に示すように、本発明の一実施形態において、ハンドヘルドリモコン14を置くためのクランプブラケット15が当該ワイヤ被覆剥離装置の絶縁棒10に設けられる。ハンドヘルドリモコン14からの指令が不要の場合に、ハンドヘルドリモコン14をクランプブラケット15に置くことができ、操作者の作業が便利になる。勿論、操作者はハンドヘルドリモコン14をクランプブラケット15に置いたままで指令を出してもいい。
以上は図面に合わせて本発明の好ましい実施形態を詳しく説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の技術思想の範囲内に、各具体的な技術特徴を任意の方法で組み合わせるなど、本発明の技術案に対して色んな簡単な変形を行うことができる。説明を簡略するために、本発明において色んな可能な組み合わせに対して説明しないが、これらの簡単な変形及び組み合わせも本発明に開示された内容であって、本発明の保護範囲にあるとみなすべきである。
【符号の説明】
【0021】
1 固定部
2 回動部
3 挟持部
4 チャックブロック
5 チャックブロック調整機構
6 切削部
7 光ファイバセンサー
8 プロセッサー
9 装着部
10 絶縁棒
11 スチールブラシ
12 フック
13 通信モジュール
14 ハンドヘルドリモコン
15 クランプブラケット
100 本体
101 可動部材
102 ロックレバー
103 回動ラッチブロック
104 第1圧縮ばね
105 トーションスプリング
200 第2歯車
201 第3モータ
202 第3歯車
300 第1挟持部
301 第2挟持部
302 第1ねじ付き伝達ロッド
303 第4モータ
400 第1チャックブロック
401 第2チャックブロック
402 挟持部材
500 トランスミッションシャフト
501 第1モータ
502 第1カム
503 第2カム
504 第1伝達ロッド
505 第2伝達ロッド
506 第1リターンスプリング
507 第2リターンスプリング
508 第3伝達ロッド
509 第4伝達ロッド
510 コネクタ
511 第2モータ
600 台座
601 ナイフ
602 第2圧縮ばね
603 第2ねじ付き伝達ロッド
604 リミット部材
605 回動部材
606 第5モータ
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11
図12A
図12B
図13
図14