(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】ハウジングアセンブリ、アンテナアセンブリ及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H04B 1/38 20150101AFI20230704BHJP
H01Q 15/10 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
H04B1/38
H01Q15/10
(21)【出願番号】P 2021576172
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2020096621
(87)【国際公開番号】W WO2021000733
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2021-12-20
(31)【優先権主張番号】201910588886.9
(32)【優先日】2019-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】チア、ユーフー
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0201014(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0352948(US,A1)
【文献】中国実用新案第205303676(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38-1/58
H01Q 15/00-19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングアセンブリであって、
誘電体基板と電波透過構造を含み、
前記誘電体基板は、予め設定された周波数帯の無線周波数(RF)信号に対して第一等価波動インピーダンスを有し、前記第一等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第一差値の差があり、
前記電波透過構造は前記誘電体基板に載せられ、且つ少なくとも前記誘電体基板の一部をカバーし、
前記誘電体基板の上にある前記電波透過構造は、前記予め設定された周波数帯の前記RF信号に励磁され、前記予め設定された周波数帯の前記RF信号に基づいて前記予め設定された周波数帯と同じ周波数帯のRF信号を生成し、前記電波透過構造によって生成される前記RF信号及び前記予め設定された周波数帯の前記RF信号は、前記誘電体基板を通過して前記自由空間に放射され、
前記ハウジングアセンブリは、前記電波透過構造に対応するところにおいて、前記予め設定された周波数帯のRF信号に対して第二等価波動インピーダンスを有し、前記第二等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第二差値の差があり、前記第二差値は前記第一差値より小さい、
ことを特徴とするハウジングアセンブリ。
【請求項2】
前記ハウジングアセンブリは接着剤層をさらに含み、前記電波透過構造を前記誘電体基板に接着させるために、前記接着剤層は前記電波透過構造と前記誘電体基板の間に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項3】
前記ハウジングアセンブリはベアリングフィルムをさらに含み、前記ベアリングフィルムは前記電波透過構造を載せるように構成されており、前記ベアリングフィルムは前記接着剤層から遠い前記電波透過構造の片側に配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項4】
前記誘電体基板は第一表面と、前記第一表面に対向する第二表面とを含み
、
前記電波透過構造は前記第一表面に配置されており、
又は、前記電波透過構造は第二表面に配置されており、
又は、前記電波透過構造は前記誘電体基板に埋め込まれている、
ことを特徴とする請求項1に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項5】
前記電波透過構造は第一方向に沿って隔てて配列された複数の導電線と、第二方向に沿って隔てて配列された複数の導電線とを含み、
前記第一方向に沿って隔てて配列された導電線と前記第二方向に沿って隔てて配列された導電線は交差して配置され、且つアレイ状に配置された複数のグリッド構造を共に形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項6】
前記電波透過構造はアレイ状に配置された複数のグリッド構造を含み、各前記グリッド構造は少なくとも一つの導電線に囲まれて形成され、隣接する二つの前記グリッド構造は少なくとも前記導電線の一部を共有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項7】
アンテナアセンブリであって、
アンテナモジュールと請求項1~6のいずれか一項に記載のハウジングアセンブリを含み、
前記アンテナモジュールは予め設定された方向範囲内で、予め設定された周波数帯の無線周波数(RF)信号を受送信するように構成されており、
前記ハウジングアセンブリにおける電波透過構造の少なくとも一部は前記予め設定された方向範囲内に位置する、
ことを特徴とするアンテナアセンブリ。
【請求項8】
電子デバイスであって、
請求項7に記載のアンテナアセンブリを含み、
前記誘電体基板は前記電子デバイスの電池カバーを含み、前記電子デバイスの電池カバーはリアプレートと、前記リアプレートの外縁から曲げられて延長されたフレームとを含み、
前記電波透過構造は前記リアプレートに対応して配置されており、又は、前記電波透過構造は前記フレームに対応して配置されており、
又は、前記誘電体基板は前記電子デバイスの画面を含み、前記画面は画面本体と、前記画面本体の外縁から曲げられて延長された延長部とを含み、
前記電波透過構造は前記画面本体に対応して配置されており、又は、前記電波透過構造は前記延長部に対応して配置されている、
ことを特徴とする電子デバイス。
【請求項9】
前記誘電体基板は前記電子デバイスの画面を含み、前記画面は積層配置される表示パネル及びカバープレートを含み、前記電波透過構造は前記カバープレートの上に配置されている、
ことを特徴とする請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記電波透過構造は、前記表示パネルと対向する前記カバープレートの表面に配置されている、
ことを特徴とする請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記表示パネルはカラーフィルター基板を含み、前記カラーフィルター基板の上にカラーレジストユニットがマトリクス状に配置されており、
隣接するカラーレジストユニットの間にブラックマトリクスが配置されており、
前記電波透過構造の少なくとも一部は前記ブラックマトリクスに対応して配置されている、
ことを特徴とする請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項12】
電子デバイスであって、
第一アンテナモジュール、誘電体基板、及び第一電波透過構造を含み、
前記第一アンテナモジュールは、第一予め設定された方向範囲内で、第一周波数帯の第一無線周波数(RF)信号を受送信するように構成されており、
前記誘電体基板は前記第一アンテナモジュールと隔てて配置されており、且つ前記誘電体基板の少なくとも一部は、前記第一予め設定された方向範囲内に位置し、前記第一予め設定された方向範囲内に位置する一部の前記誘電体基板は、前記第一周波数帯の第一RF信号に対して第一等価波動インピーダンスを有し、前記第一等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第一差値の差があり、
前記第一電波透過構造は前記誘電体基板に載せられ、且つ、第一電波透過構造の少なくとも一部は第一予め設定された方向範囲内に位置し、
前記誘電体基板の上にある前記第一電波透過構造は、前記第一周波数帯の前記第一RF信号に励磁され、前記第一周波数帯の前記第一RF信号に基づいて前記第一周波数帯と同じ周波数帯のRF信号を生成し、前記第一電波透過構造によって生成される前記RF信号及び前記第一周波数帯の前記第一RF信号は、前記誘電体基板を通過して前記自由空間に放射され、
前記電子デバイスは前記第一電波透過構造に対応するところで、前記第一周波数帯の第一RF信号に対して第二等価波動インピーダンスを有し、前記第二等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第二差値の差があり、前記第二差値は前記第一差値より小さい、
ことを特徴とする電子デバイス。
【請求項13】
前記電子デバイスは第二アンテナモジュールと第二電波透過構造をさらに含み、
前記第二アンテナモジュールは前記第一アンテナモジュールと隔てて配置されており、且つ前記第二アンテナモジュールは前記第一予め設定された方向範囲以外のところに位置し、前記第二アンテナモジュールは第二予め設定された方向範囲内で、第二周波数帯の第二RF信号を受送信するように構成されており、
前記誘電体基板は前記第二アンテナモジュールと隔てて配置されており、且つ前記誘電体基板の少なくとも一部は、第二予め設定された方向範囲内に位置し、前記第二予め設定された方向範囲内に位置する一部の前記誘電体基板は、前記第二周波数帯の第二RF信号に対して第三等価波動インピーダンスを有し、前記第三等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第三差値の差があり、
前記第二電波透過構造は前記誘電体基板に載せられ、且つ前記第二電波透過構造の少なくとも一部は前記第二予め設定された方向範囲内に位置し、
前記誘電体基板の上にある前記第二電波透過構造は、前記第二周波数帯の前記第二RF信号に励磁され、前記第二周波数帯の前記第二RF信号に基づいて前記第二周波数帯と同じ周波数帯のRF信号を生成し、前記第二電波透過構造によって生成される前記RF信号及び前記第二周波数帯の前記第二RF信号は、前記誘電体基板を通過して前記自由空間に放射され、
前記電子デバイスは前記第二電波透過構造に対応するところで、前記第二周波数帯の第二RF信号に対して第四等価波動インピーダンスを有し、前記第四等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第四差値の差があり、前記第四等価波動インピーダンスは前記第三等価波動インピーダンスより小さい、
ことを特徴とする請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記誘電体基板は前記電子デバイスの電池カバーを含み、前記電子デバイスの電池カバーはリアプレートと、前記リアプレートの外縁から曲げられて延長されたフレームとを含み、
前記第一アンテナモジュールと前記第二アンテナモジュールはいずれも前記リアプレートに対応して配置されており、
又は、前記第一アンテナモジュールと前記第二アンテナモジュールはいずれも前記フレームに対応して配置されており、
又は、前記第一アンテナモジュールは前記リアプレートに対応して配置されており、前記第二アンテナモジュールは前記フレームに対応して配置されている、
ことを特徴とする請求項13に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記誘電体基板は前記電子デバイスの画面を含み、前記画面は画面本体と、前記画面本体の外縁から曲げられて延長された延長部とを含み、
前記第一アンテナモジュールと前記第二アンテナモジュールはいずれも前記画面本体に対応して配置されており、
又は、前記第一アンテナモジュールと前記第二アンテナモジュールはいずれも前記延長部に対応して配置されており、
又は、前記第一アンテナモジュールは前記画面本体に対応して配置されており、前記第二アンテナモジュールは前記延長部に対応して配置されている、
ことを特徴とする請求項13に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、発明の名称を「ハウジングアセンブリ、アンテナアセンブリ及び電子デバイス」とする、2019年6月30日に出願された中国特許出願第201910588886.9号の優先権を主張し、そのすべての内容が参照として本出願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本出願は、電子デバイス分野に関し、特にハウジングアセンブリ、アンテナアセンブリ及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
移動通信技術の発展に伴い、従来の第4世代(4th-Generation、4G)移動通信は既に人々のニーズを満たせない。第5世代(5th-Generation、5G)移動通信は高い通信速度を有するため、ユーザーに好まれている。例えば、5G移動通信におけるデータ送信速度は、4G移動通信におけるデータ送信速度より百倍速い。ミリ波信号は5G移動通信を実現する主な手段である。しかしながら、ミリ波アンテナが電子デバイスに応用される場合、ミリ波アンテナは通常、電子デバイスの内部の収容空間に配置されており、電子デバイスから放射されるミリ波信号アンテナの透過率が低く、アンテナ放射の要求を満たせない。又は、電子デバイスを通過する外部のミリ波信号の透過率が低い。従って、従来の技術では、5Gミリ波通信の性能が悪い。
【発明の概要】
【0004】
従来のミリ波信号の通信性能が悪いという技術課題を解決するために、本出願はハウジングアセンブリ(housing assembly)、アンテナアセンブリ(antenna assembly)及び電子デバイスを提供する。
【0005】
第一様態において、本出願はハウジングアセンブリを提供する。
ハウジングアセンブリは誘電体基板と電波透過構造を含む。
誘電体基板は、予め設定された周波数帯の無線周波数(RF)信号に対して第一等価波動インピーダンス(equivalent wave impedance)を有し、第一等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第一差値の差がある。
電波透過構造は誘電体基板に載せられ、且つ少なくとも誘電体基板の一部をカバーする。
ハウジングアセンブリは、電波透過構造に対応するところにおいて、予め設定された周波数帯のRF信号に対して第二等価波動インピーダンスを有し、第二等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第二差値の差があり、第二差値は第一差値より小さい。
【0006】
第二様態において、本出願はアンテナアセンブリをさらに提供する。
アンテナアセンブリはアンテナモジュールと上記ハウジングアセンブリを含む。
アンテナモジュールは予め設定された方向範囲内で、予め設定された周波数帯の無線周波数(RF)信号を受送信するように構成されている。ハウジングアセンブリにおける電波透過構造の少なくとも一部は予め設定された方向範囲内に位置する。
【0007】
第三様態において、本出願は電子デバイスをさらに提供する。
電子デバイスは上記アンテナアセンブリを含む。誘電体基板は電子デバイスの電池カバー又は画面を含む。
【0008】
第四様態において、本出願は電子デバイスをさらに提供する。
電子デバイスは、第一アンテナモジュール、誘電体基板、及び第一電波透過構造を含む。
第一アンテナモジュールは、第一予め設定された方向範囲内で、第一周波数帯の第一無線周波数(RF)信号を受送信するように構成されている。
誘電体基板は、第一アンテナモジュールと隔てて配置されており、且つ誘電体基板の少なくとも一部は、第一予め設定された方向範囲内に位置する。第一予め設定された方向範囲内に位置する一部の誘電体基板は、第一周波数帯の第一RF信号に対して第一等価波動インピーダンスを有し、第一等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第一差値の差がある。
第一電波透過構造は誘電体基板に載せられ、また、第一電波透過構造の少なくとも一部は第一予め設定された方向範囲内に位置する。
電子デバイスは第一電波透過構造に対応するところで、第一周波数帯の第一RF信号に対して第二等価波動インピーダンスを有する。第二等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第二差値の差がある。第二差値は第一差値より小さい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本出願の実施形態の技術方案を明らかに説明するために、以下、実施形態の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、説明される図面は本出願のいくつかの実施形態にすぎず、当業者にとって、創造的な努力なしに、これらの図面によって他の図面を得ることができる。
【
図1】
図1は、本出願の第一実施形態に係るハウジングアセンブリの構造を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本出願の第二実施形態に係るハウジングアセンブリの構造を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本出願の第三実施形態に係るハウジングアセンブリの構造を示す概略図である。
【
図4】
図4は、本出願の第四実施形態に係るハウジングアセンブリの構造を示す概略図である。
【
図5】
図5は、本出願の第一実施形態に係る電波透過構造を示す概略図である。
【
図6】
図6は、本出願の第五実施形態に係るハウジングアセンブリの構造を示す概略図である。
【
図7】
図7は、本出願の第二実施形態に係る電波透過構造を示す概略図である。
【
図8】
図8は、本出願の第三実施形態に係る電波透過構造を示す概略図である。
【
図9】
図9は、本出願の第四実施形態に係る電波透過構造の断面構造図である。
【
図10】
図10は、本出願の第四実施形態に係る電波透過構造における第一電波透過層の構造を示す概略図である。
【
図11】
図11は、本出願の第四実施形態に係る電波透過構造における第二電波透過層の構造を示す概略図である。
【
図12】
図12は、本出願の第四実施形態に係る電波透過構造の等価回路図を示す図である。
【
図13】
図13は、本出願の第一実施形態に係るアンテナアセンブリの構造を示す概略図である。
【
図14】
図14は、アンテナモジュールが従来の0.7mmのガラス製電池カバーの下に配置される場合に、アンテナモジュールから放射される20~34GHzの無線周波数(RF)信号に対する反射係数の曲線及び透過係数の曲線を示す概略図である。
【
図15】
図15は、アンテナモジュールが電波透過構造を備えた電池カバーの下に配置される場合の反射係数の曲線を示す概略図である。
【
図16】
図16は、アンテナモジュールが電波透過構造を備えた電池カバーの下に配置される場合の透過係数の曲線を示す概略図である。
【
図17】
図17は、本出願の第一実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図19】
図19は、自由空間におけるアンテナモジュールの定在波を示す概略図である。
【
図20】
図20は、自由空間におけるアンテナモジュールのアンテナ指向性図(radiation pattern)である。
【
図21】
図21は、従来の電池カバーの下に配置されるアンテナモジュールの定在波を示す概略図である。
【
図22】
図22は、従来の電池カバーの下に配置されるアンテナモジュールのアンテナ指向性図である。
【
図23】
図23は、本出願の電池カバーの下に配置されるアンテナモジュールの定在波を示す概略図である。
【
図24】
図24は、本出願の電池カバーの下に配置されるアンテナモジュールのアンテナ指向性図である。
【
図25】
図25は、本出願の第五実施形態に係る電波透過構造における第一電波透過層の構造を示す概略図である。
【
図26】
図26は、本出願の第六実施形態に係る電波透過構造における第一電波透過層の構造を示す概略図である。
【
図27】
図27は、本出願の第七実施形態に係る電波透過構造における第一電波透過層の構造を示す概略図である。
【
図28】
図28は、本出願の第八実施形態に係る電波透過構造における第一電波透過層の構造を示す概略図である。
【
図29】
図29は、本出願の第九実施形態に係る電波透過構造を示す概略図である。
【
図30】
図30は、本出願の第十実施形態に係る電波透過構造を示す概略図である。
【
図31】
図31は、本出願の第十一実施形態に係る電波透過構造を示す概略図である。
【
図32】
図32は、本出願の第二実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図34】
図34は、本出願の第三実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図36】
図36は、本出願の第四実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図38】
図38は、本出願の第五実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図40】
図40は、本出願の一つの実施形態に係るアンテナモジュールの断面構造図である。
【
図41】
図41は、本出願の別の実施形態に係るアンテナモジュールの断面構造図である。
【
図42】
図42は、本出願の一つの実施形態に係るM×N個のアンテナアセンブリで構築された無線周波数アンテナアレイを示す概略図である。
【
図43】
図43は、本出願の一つの実施形態に係るパッケージ化されたアンテナモジュールで構築された無線周波数アンテナアレイの構造を示す概略図である。
【
図44】
図44は、本出願の第六実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図45】
図45は、本出願の第七実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図46】
図46は、本出願の第八実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図47】
図47は、本出願の第九実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図48】
図48は、本出願の第十実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図49】
図49は、本出願の第十一実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図50】
図50は、本出願の第十二実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図51】
図51は、本出願の第十三実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
【
図52】
図52は、本出願の第十四実施形態に係る電子デバイスにおける画面の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第一様態において、本出願はハウジングアセンブリを提供する。
ハウジングアセンブリは誘電体基板と電波透過構造を含み、
誘電体基板は、予め設定された周波数帯の無線周波数(RF)信号に対して第一等価波動インピーダンスを有し、第一等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第一差値の差があり、
電波透過構造は誘電体基板に載せられ、且つ少なくとも誘電体基板の一部をカバーし、
ハウジングアセンブリは、電波透過構造に対応するところにおいて、予め設定された周波数帯のRF信号に対して第二等価波動インピーダンスを有し、第二等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第二差値の差があり、第二差値は第一差値より小さい。
【0011】
第一様態の第一実施形態において、ハウジングアセンブリは接着剤層をさらに含み、電波透過構造を誘電体基板に接着させるために、接着剤層は電波透過構造と誘電体基板の間に配置されている。
【0012】
第一様態の第一実施形態と結びつけて、第二実施形態において、ハウジングアセンブリはベアリングフィルムをさらに含み、ベアリングフィルムは電波透過構造を載せるように構成されており、ベアリングフィルムは接着剤層から遠い電波透過構造の片側に配置されている。
【0013】
第一様態の第二実施形態と結びつけて、第三実施形態において、ベアリングフィルムが厚ければ厚いほど、予め設定された周波数帯は低周波へ移る。
【0014】
第一様態の第四実施形態において、誘電体基板は第一表面と、第一表面に対向する第二表面とを含む。電波透過構造は第一表面に配置されており、又は、電波透過構造は第二表面に配置されており、又は、電波透過構造は誘電体基板に埋め込まれている。
【0015】
第一様態の第五実施形態において、電波透過構造は第一方向に沿って隔てて配列された複数の導電線と、第二方向に沿って隔てて配列された複数の導電線とを含み、第一方向に沿って隔てて配列された導電線と第二方向に沿って隔てて配列された導電線は交差して配置され、且つアレイ状に配置された複数のグリッド構造を共に形成する。
【0016】
第一様態の第六実施形態において、電波透過構造はアレイ状に配置された複数のグリッド構造を含み、各グリッド構造は少なくとも一つの導電線に囲まれて形成され、隣接する二つのグリッド構造は少なくとも導電線の一部を共有する。
【0017】
第一様態の第六実施形態と結びつけて、第七実施形態において、グリッド構造の形は円形、矩形、三角形、多角形、楕円形のうちの任意の一つである。
【0018】
第一様態の第五実施形態から第七実施形態までの任意の一つの実施形態と結びつけて、第八実施形態において、導電線の幅が小さければ小さいほど、予め設定された周波数は低周波へ移り、且つ帯域幅が広くなり、
グリッド構造の辺長又は内径が大きければ大きいほど、予め設定された周波数は低周波へ移り、且つ帯域幅が広くなり、
誘電体基板が厚ければ厚いほど、予め設定された周波数は低周波へ移り、且つ帯域幅が狭くなる。
【0019】
第二様態において、本出願はアンテナアセンブリを提供する。アンテナアセンブリはアンテナモジュールと第一様態、又は第一様態における第一実施形態から第八実施形態までの任意の一つの実施形態に記載のハウジングアセンブリとを含み、アンテナモジュールは予め設定された方向範囲内で、予め設定された周波数帯の無線周波数(RF)信号を受送信するように構成されており、ハウジングアセンブリにおける電波透過構造の少なくとも一部は予め設定された方向範囲内に位置する。
【0020】
第三様態において、本出願は電子デバイスを提供する。電子デバイスは第二様態に記載のアンテナアセンブリを含み、誘電体基板は電子デバイスの電池カバー又は画面を含む。
【0021】
第三様態の第一実施形態において、誘電体基板は電子デバイスの電池カバーを含み、電子デバイスの電池カバーはリアプレートと、リアプレートの外縁から曲げられて延長されたフレームとを含み、
電波透過構造はリアプレートに対応して配置されており、又は、電波透過構造はフレームに対応して配置されている。
【0022】
第三様態の第二実施形態において、誘電体基板は電子デバイスの画面を含み、画面は画面本体と、画面本体の外縁から曲げられて延長された延長部とを含み、
電波透過構造は画面本体に対応して配置されており、又は、電波透過構造は延長部に対応して配置されている。
【0023】
第三様態の第三実施形態において、誘電体基板は電子デバイスの画面を含み、画面は積層配置される表示パネル及びカバープレートを含み、電波透過構造はカバープレートの上に配置されている。
【0024】
第三様態の第三実施形態と結びつけて、第四実施形態において、電波透過構造は、表示パネルと対向するカバープレートの表面に配置されている。
【0025】
第三様態の第四実施形態と結びつけて、第五実施形態において、表示パネルはカラーフィルター基板を含み、カラーフィルター基板の上にカラーレジストユニットがマトリクス状に配置されており、
隣接するカラーレジストユニットの間にブラックマトリクスが配置されており、
電波透過構造の少なくとも一部はブラックマトリクスに対応して配置されている。
【0026】
第四様態において、本出願は電子デバイスを提供する。
電子デバイスは第一アンテナモジュール、誘電体基板、及び第一電波透過構造を含み、
第一アンテナモジュールは、第一予め設定された方向範囲内で、第一周波数帯の第一無線周波数(RF)信号を受送信するように構成されており、
誘電体基板は第一アンテナモジュールと隔てて配置されており、且つ誘電体基板の少なくとも一部は、第一予め設定された方向範囲内に位置し、第一予め設定された方向範囲内に位置する一部の誘電体基板は、第一周波数帯の第一RF信号に対して第一等価波動インピーダンスを有し、第一等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第一差値の差があり、
第一電波透過構造は誘電体基板に載せられ、また、第一電波透過構造の少なくとも一部は第一予め設定された方向範囲内に位置し、
電子デバイスは第一電波透過構造に対応するところで、第一周波数帯の第一RF信号に対して第二等価波動インピーダンスを有し、第二等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第二差値の差があり、第二差値は第一差値より小さい。
【0027】
第四様態の第一実施形態において、
電子デバイスは第二アンテナモジュールと第二電波透過構造をさらに含み、
第二アンテナモジュールは第一アンテナモジュールと隔てて配置されており、且つ第二アンテナモジュールは第一予め設定された方向範囲以外のところに位置し、第二アンテナモジュールは第二予め設定された方向範囲内で、第二周波数帯の第二RF信号を受送信するように構成されており、
誘電体基板は第二アンテナモジュールと隔てて配置されており、且つ誘電体基板の少なくとも一部は、第二予め設定された方向範囲内に位置し、第二予め設定された方向範囲内に位置する一部の誘電体基板は、第二周波数帯の第二RF信号に対して第三等価波動インピーダンスを有し、第三等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第三差値の差があり、
第二電波透過構造は誘電体基板に載せられ、且つ第二電波透過構造の少なくとも一部は第二予め設定された方向範囲内に位置し、
電子デバイスは第二電波透過構造に対応するところで、第二周波数帯の第二RF信号に対して第四等価波動インピーダンスを有し、第四等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第四差値の差があり、第四等価波動インピーダンスは第三等価波動インピーダンスより小さい。
【0028】
第四様態の第一実施形態と結びつけて、第二実施形態において、誘電体基板は電子デバイスの電池カバーを含み、電子デバイスの電池カバーはリアプレートと、リアプレートの外縁から曲げられて延長されたフレームとを含み、第一アンテナモジュールと第二アンテナモジュールはいずれもリアプレートに対応して配置されており、又は、第一アンテナモジュールと第二アンテナモジュールはいずれもフレームに対応して配置されており、又は、第一アンテナモジュールはリアプレートに対応して配置されており、第二アンテナモジュールはフレームに対応して配置されている。
【0029】
第四様態の第一実施形態と結びつけて、第三実施形態において、誘電体基板は電子デバイスの画面を含み、画面は画面本体と、画面本体の外縁から曲げられて延長された延長部とを含み、第一アンテナモジュールと第二アンテナモジュールはいずれも画面本体に対応して配置されており、又は、第一アンテナモジュールと第二アンテナモジュールはいずれも延長部に対応して配置されており、又は、第一アンテナモジュールは画面本体に対応して配置されており、第二アンテナモジュールは延長部に対応して配置されている。
【0030】
以下、本出願の実施形態の図面を参照しながら本出願の実施形態の技術方案を明晰に、全面的に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本出願の一部の実施形態だけのものであり、全ての実施形態ではない。本出願に記載された実施形態に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得ることができるすべての別の実施形態は、皆本出願の保護範囲に属する。
【0031】
図1を参照すると、
図1は、本出願の第一実施形態に係るハウジングアセンブリの構造を示す概略図である。ハウジングアセンブリ100は、誘電体基板110と電波透過構造120を含む。誘電体基板110は、予め設定された周波数帯の無線周波数(Radio Frequency、RF)信号に対して第一等価波動インピーダンス(equivalent wave impedance)を有する。第一等価波動インピーダンスは自由空間の
波動インピーダンスとは第一差値の差がある。電波透過構造120は誘電体基板110に載せられ、且つ少なくとも誘電体基板110の一部をカバーする。ハウジングアセンブリ100は、電波透過構造120に対応するところにおいて、予め設定された周波数帯のRF信号に対して第二等価波動インピーダンスを有する。第二等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第二差値の差がある。第二差値は第一差値より小さい。
【0032】
図1では、例示として、電波透過構造120は誘電体基板110の全部をカバーする。上記RF信号は、ミリ波周波数帯のRF信号、又はテラヘルツ周波数帯のRF信号であることができるが、これらに限られていない。現在、第五世代無線通信システム(5th generation wireless systems)では、3GPP TS38.101プロトコルの規定において、5Gニューラディオ(new radio、NR)は主に、周波数帯(frequency range、FR)1と周波数帯(frequency range、FR)2を用いる。FR1はサブ6GHz帯とも呼ばれ、周波数帯の範囲が450MHz~6GHzである。FR2はミリ波(mm Wave)周波数帯に属し、周波数帯の範囲が24.25GHz~52.6GHzである。3GPPリリース15バージョンに、5Gミリ波周波数帯は現在、n257(26.5~29.5GHz)、n258(24.25~27.5GHz)、n261(27.5~28.35GHz)とn260(37~40GHz)を含むと定められている。
【0033】
電波透過構造120は単一周波数単一偏波(single-frequency single-polarization)、単一周波数二重偏波(single-frequency dual-polarization)、二周波数二重偏波(dual-frequency dual-polarization)、二周波数単一偏波(dual-frequency single-polarization)、広帯域単一偏波(wide-band single-polarization)、広帯域二重偏波(wide-band dual-polarization)などの特性のうちの任意の一つを有することができる。従って、電波透過構造120は、二周波数共振応答(dual-frequency resonance response)、又は単一周波数共振応答(single-frequency resonance respons)、又は広帯域共振応答(wide-frequency resonance response)、又は多重周波数共振応答(multi-frequency resonance response)のうちの任意の一つを有することができる。電波透過構造120は、金属材料で作られてもよく、非金属の導電性材料で作られてもよい。
【0034】
一方、誘電体基板110の上にある電波透過構造120は、予め設定された周波数帯のRF信号に励磁され、電波透過構造120は、予め設定された周波数帯のRF信号に基づいて、予め設定された周波数帯と同じ周波数帯のRF信号を生成する。電波透過構造120によって生成されるRF信号は、誘電体基板110を通過して自由空間に放射される。電波透過構造120は励磁され、且つ予め設定された周波数帯と同じ周波数帯のRF信号を生成するため、誘電体基板110を通過して自由空間に放射される予め設定された周波数帯のRF信号の量が増える。
【0035】
他方、ハウジングアセンブリ100は電波透過構造120及び誘電体基板110を含む。そのため、ハウジングアセンブリ100の誘電率は、予め設定された材料の誘電率に相当する。誘電率を有する予め設定された材料は予め設定された周波数帯のRF信号に対する透過率が高く、且つ予め設定された材料の等価波動インピーダンス(equivalent wave impedance)は自由空間の波動インピーダンスに等しい又はほぼ等しい。
【0036】
本出願に係るハウジングアセンブリ100は、電波透過構造120が誘電体基板110に載せられることによって、電波透過構造120の働きで、ハウジングアセンブリ100の予め設定された周波数帯のRF信号に対する等価波動インピーダンスと自由空間の波動インピーダンスとの差を下げることができる。それによって、ハウジングアセンブリ100の予め設定された周波数帯のRF信号に対する透過率を上げることができる。ハウジングアセンブリ100が電子デバイスに応用される場合、ハウジングアセンブリ100の内部に配置されたアンテナモジュールの放射性能に対するハウジングアセンブリ100の影響を低減することができる。これで、電子デバイスの通信性能を高めることができる。
【0037】
さらに、誘電体基板110は第一表面110aと、第一表面110aに対向する第二表面110bとを含む。電波透過構造120は第一表面110aに配置されている。ハウジングアセンブリ100が電子デバイスに応用される場合、電子デバイスはアンテナモジュール200をさらに含む。第二表面110bと比べて、第一表面110aはアンテナモジュール200からより遠く配置されている。
【0038】
ハウジングアセンブリ100は接着剤層140をさらに含む。電波透過構造120を誘電体基板110に接着させるために、接着剤層140は電波透過構造120と誘電体基板110の間に配置されている。本実施形態の図において、例示として、電波透過構造120は接着剤層140を介して、誘電体基板110の第一表面110aに接着され且つ第一表面110aの全部をカバーする。他の実施形態において、電波透過構造120は誘電体基板110の第一表面110aの上に直接に配置されてもよく、又は、誘電体基板110の第二表面110bの上に直接に配置されてもよい。他の実施形態において、電波透過構造120は誘電体基板110に埋め込まれてもよい。
【0039】
図2を参照すると、
図2は、本出願の第二実施形態に係るハウジングアセンブリの構造を示す概略図である。ハウジングアセンブリ100は、誘電体基板110と電波透過構造120を含む。誘電体基板110は、予め設定された周波数帯のRF信号に対して第一等価波動インピーダンスを有する。第一等価波動インピーダンスは自由空間の
波動インピーダンスとは第一差値の差がある。電波透過構造120は誘電体基板110に載せられ、且つ少なくとも誘電体基板110の一部をカバーする。ハウジングアセンブリ100は、電波透過構造120に対応するところにおいて、予め設定された周波数帯のRF信号に対して第二等価波動インピーダンスを有する。第二等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第二差値の差がある。第二差値は第一差値より小さい。さらに、本実施形態において、電波透過構造120は第二表面110bに配置されている。ハウジングアセンブリ100が電子デバイスに応用される場合、電子デバイスはアンテナモジュール200をさらに含む。第二表面110bと比べて、第一表面110aはアンテナモジュール200からより遠く配置されている。
【0040】
図3を参照すると、
図3は、本出願の第三実施形態に係るハウジングアセンブリの構造を示す概略図である。ハウジングアセンブリ100は、誘電体基板110と電波透過構造120を含む。誘電体基板110は、予め設定された周波数帯のRF信号に対して第一等価波動インピーダンスを有する。第一等価波動インピーダンスは自由空間の
波動インピーダンスとは第一差値の差がある。電波透過構造120は誘電体基板110に載せられ、且つ少なくとも誘電体基板110の一部をカバーする。ハウジングアセンブリ100は、電波透過構造120に対応するところにおいて、予め設定された周波数帯のRF信号に対して第二等価波動インピーダンスを有する。第二等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第二差値の差がある。第二差値は第一差値より小さい。本実施形態において、電波透過構造120は誘電体基板110に埋め込まれている。ハウジングアセンブリ100が電子デバイス1に応用される場合、電子デバイス1はアンテナモジュール200をさらに含む。第二表面110bと比べて、第一表面110aはアンテナモジュール200からより遠く配置されている。
【0041】
図4を参照すると、
図4は、本出願の第四実施形態に係るハウジングアセンブリの構造を示す概略図である。ハウジングアセンブリ100は、誘電体基板110と電波透過構造120を含む。誘電体基板110は、予め設定された周波数帯のRF信号に対して第一等価波動インピーダンスを有する。第一等価波動インピーダンスは自由空間の
波動インピーダンスとは第一差値の差がある。電波透過構造120は誘電体基板110に載せられ、且つ少なくとも誘電体基板110の一部をカバーする。ハウジングアセンブリ100は、電波透過構造120に対応するところにおいて、予め設定された周波数帯のRF信号に対して第二等価波動インピーダンスを有する。第二等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第二差値の差がある。第二差値は第一差値より小さい。ハウジングアセンブリ100はベアリングフィルム(bearing film)130をさらに含む。ベアリングフィルム130は電波透過構造120を載せるように構成されている。ベアリングフィルム130は接着剤層140から遠い電波透過構造120の片側に配置されている。ベアリングフィルム130は、プラスチック(例えば、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET))フィルム、フレキシブル回路基板(flexible circuit board)、プリント回路基板(printed circuit board)であることができるが、これらに限られていない。PETフィルムはカラーフィルム(color film)、防爆フィルム(explosion-proof film)であることができるが、これらに限られていない。具体的に、電波透過構造120は、ベアリングフィルム130の上に配置される。電波透過構造120の作成プロセスにおいて、ベアリングフィルム130は電波透過構造120の支持体として機能することができる。作成後、電波透過構造120は接着剤層140を介して誘電体基板110に接着されることができる。ベアリングフィルム130が接着剤層140から遠い電波透過構造120の片側に配置されることで、電波透過構造120を保護することができる。さらに、誘電体基板110は第一表面110aと、第一表面110aに対向する第二表面110bとを含む。第二表面110bと比べて、第一表面110aはアンテナモジュール200からより遠く配置されている。本実施形態の図において、例示として、電波透過構造120は接着剤層140を介して、
第一表面110aに接着されている。他の実施形態において、電波透過構造120は接着剤層140を介して
第二表面110bに接着されてもよい。実験によると、ベアリングフィルム130が厚ければ厚いほど、予め設定された周波数帯は低周波へ移る。
【0042】
図5を参照すると、
図5は、本出願の第一実施形態に係る電波透過構造を示す概略図である。電波透過構造120は一つ又は複数の電波透過層120aを含む。電波透過構造120が複数の電波透過層120aを含む場合、複数の電波透過層120aは予め設定された方向に隔てて積層配置される。電波透過構造120が複数の電波透過層120aを含む場合、隣接する二つの電波透過層120aの間に誘電体層110cが配置され、誘電体基板110は全ての誘電体層110cによって構成される。
図5では、例示として、電波透過構造120は三つの電波透過層120a、二つの誘電体層110cを含む。さらに、予め設定された方向は上記RF信号の主極の放射方向と平行する。主極とは、RF信号における放射強度が最大のビームである。
【0043】
図6を参照すると、
図6は、本出願の第五実施形態に係るハウジングアセンブリの構造を示す概略図である。誘電体基板110は第一表面110aと、第一表面110aに対向する第二表面110bとを含む。電波透過構造120の一部は第一表面110aに配置されており、電波透過構造120の残りの部分は誘電体基板110に埋め込まれている。ハウジングアセンブリ100が電子デバイスに応用される場合、電子デバイスはアンテナモジュール200をさらに含む。第二表面110bと比べて、第一表面110aはアンテナモジュール200からより遠く配置されている。
【0044】
上記任意の実施形態に係るハウジングアセンブリ100において、電波透過構造120は、金属材料で作られてもよく、非金属の導電性材料で作られてもよい。
【0045】
上記任意の実施形態に係るハウジングアセンブリ100において、誘電体基板110の材料はプラスチック、グラス、サファイア(sapphire)、セラミック(ceramic)のうちの一つ又は複数の組み合わせであることができる。
【0046】
図7を参照すると、
図7は、本出願の第二実施形態に係る電波透過構造を示す概略図である。電波透過構造120は、上記任意の実施形態に係るハウジングアセンブリ100に応用されることができる。電波透過構造120は複数の共振素子120bを含む。共振素子120bは周期的に配置されている。
【0047】
図8を参照すると、
図8は、本出願の第三実施形態に係る電波透過構造を示す概略図である。電波透過構造120は、上記任意の実施形態に係るハウジングアセンブリ100に応用されることができる。電波透過構造120は複数の共振素子120bを含む。共振素子120bは非周期的に配置されている。
【0048】
図9、
図10と
図11を参照すると、
図20は、本出願の第四実施形態に係る電波透過断面構造図である。
図10は、本出願の第四実施形態に係る電波透過構造における第一電波透過層の構造を示す概略図である。
図11は、本出願の第四実施形態に係る電波透過構造における第二電波透過層の構造を示す概略図である。電波透過構造120は、上記任意の実施形態に係るハウジングアセンブリ100に応用されることができる。電波透過構造120は隔てて配置されている第一電波透過層121、第二電波透過層122と第三電波透過層123を含む。誘電体基板110は第一誘電体層111と第二誘電体層112を含む。第一電波透過層121、第一誘電体層111、第二電波透過層122、第二誘電体層112と第三電波透過層123は順に積層配置されている。第一電波透過層121はアレイ状に配置された複数の第一パッチ(patch)1211を含む。第二電波透過層122は周期的に配置されたグリッド構造1221を含む。第三電波透過層123はアレイ状に配置された複数の第二パッチ1231を含む。第一パッチ1211又は第二パッチ1231のサイズL1が小さければ小さいほど、予め設定された周波数帯は低周波へ移り、且つ帯域幅が狭くなる。第二電波透過層122におけるグリッド構造1221の導電線の幅W1が小さければ小さいほど、予め設定された周波数帯は低周波へ移り、且つ帯域幅が広くなる。電波透過構造120の周期Pが大きければ大きいほど、予め設定された周波数帯は高周波へ移り、且つ帯域幅が広くなる。電波透過構造120が厚ければ厚いほど、予め設定された周波数帯は低周波へ移り、帯域幅が狭くなる。誘電体基板110の誘電率が大きければ大きいほど、予め設定された周波数帯は低周波へ移り、且つ帯域幅が狭くなる。本実施形態において、一つのグリッド構造1221は四つの第一パッチ1211に対応し、四つの第
二パッチ1231に対応し、且つ電波透過構造120の一つの周期とされる。
【0049】
図12を参照すると、
図12は、本出願の第四実施形態に係る電波透過構造の等価回路図を示す図である。この等価回路図では、予め設定された周波数帯への影響が小さい要素を考慮に入れなかった。例えば、第一電波透過層121のインダクタンス(inductance)、第三電波透過層123のインダクタンス、及び第二電波透過層122のキャパシタンス(capacitance)が挙げられる。第一電波透過層121はキャパシタ(capacitor)C1に相当し、第二電波透過層122はキャパシタC2に相当し、第一電波透過層121と第二電波透過層122の結合容量はキャパシタC3に相当し、第三電波透過層123はインダクタ(inductor)Lに相当する。Z0は自由空間のインピーダンス(impedance)を示し、Z1は誘電体基板110のインピーダンスを示し、Z1=Z0/(Dk)
1/2。予め設定された周波数帯は中心周波数f0を有し、f0=1/[2π/(LC)
1/2]。帯域幅Δfと中心周波数f0の比率は、(L/C)
1/2に正比例する。第一パッチ1211又は第二パッチ1231のサイズが小さければ小さいほど、予め設定された周波数帯は低周波へ移り、且つ帯域幅が狭くなる。第二電波透過層122におけるグリッド構造1221の幅が小さければ小さいほど、予め設定された周波数帯は低周波へ移り、且つ帯域幅が広くなる。電波透過層120aの周期が大きければ大きいほど、予め設定された周波数帯は高周波へ移り、且つ帯域幅が広くなる。電波透過層120aが厚ければ厚いほど、予め設定された周波数帯は低周波へ移り、帯域幅が狭くなる。誘電体基板110の誘電率が大きければ大きいほど、予め設定された周波数帯は低周波へ移り、且つ帯域幅が狭くなる。
【0050】
第一誘電体層111と第二誘電体層112の材料がガラスである場合、ガラスの誘電率は通常6~7.6の範囲にある。予め設定された周波数帯が20~35GHzの範囲にある場合、第一パッチ1211のサイズは通常0.5~0.8mmの範囲にある。第二電波透過構造128におけるグリッドの実体の部分の幅は通常0.1~0.5mmの範囲にある。一つの周期の長さは通常1.5~3.0mmの範囲にある。電波透過構造120が電子デバイスの電池カバーに応用される場合、アンテナモジュール200の上部表面と電池カバーの内表面の間の距離は通常、零以上であればいい。本出願では、通常は0.5~1.2mmの範囲にある。
【0051】
図13を参照すると、
図13は、本出願の第一実施形態に係るアンテナアセンブリの構造を示す概略図である。アンテナアセンブリ10はアンテナモジュール200とハウジングアセンブリ100を含む。アンテナモジュール200は予め設定された方向範囲内で、予め設定された周波数帯のRF信号を受送信するように構成されている。ハウジングアセンブリ100における電波透過構造120の少なくとも一部は予め設定された方向範囲内に位置する。ハウジングアセンブリ100については、上記各実施形態で説明されたハウジングアセンブリ100を参照することができる。ここでは繰り返さない。説明を簡単にするために、本実施形態に示されたアンテナアセンブリ10は、第一実施形態に示されたハウジングアセンブリ100を例示とする。
【0052】
図14を参照すると、
図14は、アンテナモジュールが従来の0.7mmのガラス製電池カバーの下に配置される場合に、アンテナモジュールから放射される20~34GHzの無線周波数(RF)信号に対する反射係数の曲線及び透過係数の曲線を示す概略図である。従来のガラス製電池カバーには本出願の電波透過構造120が配置されていない。
図14では、横軸はGHzを単位とする周波数を示し、縦軸はdBを単位とするゲインを示す。曲線
(1)が反射係数の曲線である。曲線
(1)から見ると、20~34GHzの周波数帯において、ゲインが-10dB以上であり、即ち、RF信号に対する反射が比較的に大きく、且つ周波数が高ければ高いほど、反射が大きくなる。曲線
(2)は透過係数の曲線である。曲線
(2)から見ると、22~30GHzの周波数帯において、ゲイン損失が-2.3dB以上に達した。曲線
(1)及び曲線
(2)から見ると、アンテナモジュールが従来のガラス製電池カバーの下に配置される場合に、反射且つ透過損失が比較的に大きい。
【0053】
図15及び
図16を参照すると、
図15は、アンテナモジュールが電波透過構造を備えた電池カバーの下に配置される場合の反射係数の曲線を示す概略図である。
図16は、アンテナモジュールが電波透過構造を備えた電池カバーの下に配置される場合の透過係数の曲線を示す概略図である。
図15では、横軸はGHzを単位とする周波数を示し、縦軸はdBを単位とするゲインを示す。ゲインが-10dB以下である周波数帯域において、電池カバーは比較的に小さい反射係数を有する。そのため、通常、ゲインが-10dB以下である周波数帯域はアンテナモジュールの動作周波数帯域と定義される。
図15の曲線から見ると、アンテナモジュール200の動作周波数帯域は22.288~30.511GHzである。
図16では、横軸はGHzを単位とする周波数を示し、縦軸はdBを単位とするゲインを示す。ゲインが-1dBより大きい周波数帯域において、
電池カバーは比較的に大きい反射係数を有する。
図16の曲線から見ると、22.148~29.538GHzの周波数帯域において、
電池カバーは比較的に大きい反射係数を有する。
【0054】
図17及び
図18を参照すると、
図17は、本出願の第一実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
図18は、
図17のI-I線に沿った断面構造図である。電子デバイス1はアンテナアセンブリ10を含む。アンテナアセンブリ10については、上記内容を参照することができる。ここでは繰り返さない。誘電体基板110は電子デバイス1の電池カバー30を含む。収容空間は電池カバー30と画面(screen)40に囲まれて形成される。上記収容空間は電子デバイス1の機能要素を収容するために用いられる。電子デバイス1は上記任意の実施形態に記載されたアンテナアセンブリ10を含む。
【0055】
図17及び
図18を参照すると、誘電体基板110は電子デバイス1の電池カバー30を含み、電子デバイス1の電池カバー30はリアプレート(rear plate)310と、リアプレート310の外縁から曲げられて延長されたフレーム320とを含む。電波透過構造120はリアプレート310に対応して配置されている。
【0056】
電子デバイス1はスマートフォン、携帯インターネット機器(mobile internet device、MID)、電子書籍、PSP(play station portable)、又はパーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)などのようなブレスライト(breathing light)機能を有する電子デバイス1を含むが、これらに限られていない。以下、本出願に係る電子デバイス1を詳しく説明する。
【0057】
図19及び
図20を参照すると、
図19は、自由空間におけるアンテナモジュールの定在波を示す概略図である。
図20は、自由空間におけるアンテナモジュールのアンテナ指向性図(radiation pattern)である。
図19と
図20において、アンテナモジュール200が2×2アレイを有することを例としてシミュレーションを行う。
図19では、横軸はGHzを単位とする周波数を示し、縦軸はdBを単位とするゲインを示す。定在波の曲線において、ゲインが-10dB以下である周波数帯域はアンテナモジュールの動作周波数帯域とされる。
図19から見ると、アンテナモジュールの動作周波数帯域は26.71-~29.974GHzである。
図20から見ると、27GHz、28GHz及び29GHzの周波数において、アンテナモジュールは比較的に高いゲインを有する。27GHzの周波数において、アンテナモジュール200は9.73dBのゲインを有する。28GHzの周波数において、アンテナモジュール200は10.1dBのゲインを有する。29GHzの周波数において、アンテナモジュール200は10.3dBのゲインを有する。27GHz、28GHz、及び29GHzの周波数において、アンテナモジュール200は比較的に大きいゲインを有することが分かる。2×2アレイのアンテナモジュール200が対称的に設計されているため、自由空間において、2×2アレイのアンテナモジュール200における四つのアンテナ素子の定在波パラメータの曲線が重なる。
図19に示されたS11、S22、S33、S44はそれぞれ2×2アレイのアンテナモジュール200における四つのアンテナ素子のリターンロスを表す。
【0058】
図21及び
図22を参照すると、
図21は、従来の電池カバーの下に配置されるアンテナモジュールの定在波を示す概略図である。
図22は、従来の電池カバーの下に配置されるアンテナモジュールのアンテナ指向性図である。
図21と
図22において、アンテナモジュール200が2×2アレイを有することを例としてシミュレーションを行う。
図21では、横軸はGHzを単位とする周波数を示し、縦軸はdBを単位とするゲインを示す。定在波の曲線において、ゲインが-10dB以下である周波数帯域はアンテナモジュールの動作周波数帯域とされる。
図21から見ると、24~32GHzの周波数帯域におけるRF信号の定在波は全部-10dB以上であり、即ち、24~32GHzの周波数帯域におけるRF信号に対する反射が大きいことが分かる。
図22から見ると、27GHzの周波数において、アンテナモジュール200は5.58dBのゲインを有する。28GHzの周波数において、アンテナモジュール200は6.68dBのゲインを有する。29GHzの周波数において、アンテナモジュール200は7.12dBのゲインを有する。アンテナモジュールが従来の電池カバーの下に配置される場合、反射係数が比較的に大きい且つゲインが比較的に小さいことが分かる。
【0059】
2×2アレイのアンテナモジュール200が対称的に設計されているため、
図21において、2×2アレイのアンテナモジュール200において、定在波パラメータの曲線S11と定在波パラメータのS33とが重なる。定在波パラメータの曲線S22と定在波パラメータのS44とが重なる。
図21に示されたS11、S22、S33、S44はそれぞれ2×2アレイのアンテナモジュール200における四つのアンテナ素子のリターンロスを表す。
【0060】
図23及び
図24を参照すると、
図23は、本出願の電池カバーの下に配置されるアンテナモジュールの定在波を示す概略図である。
図24は、本出願の電池カバーの下に配置されるアンテナモジュールのアンテナ指向性図である。
図23と
図24において、アンテナモジュール200が2×2アレイを有することを例としてシミュレーションを行う。
図23では、横軸はGHzを単位とする周波数を示し、縦軸はdBを単位とするゲインを示す。定在波の曲線において、ゲインが-10dB以下である周波数帯域はアンテナモジュールの動作周波数帯域とされる。
図23の定在波曲線から見ると、アンテナモジュール200は比較的に広い動作周波数帯域を有する。
図24から見ると、27GHzの周波数において、アンテナモジュール200は9.55dBのゲインを有する。28GHzの周波数において、アンテナモジュール200は10.1dBのゲインを有する。29GHzの周波数において、アンテナモジュール200は10.6dBのゲインを有する。本出願の電池カバー30の下に配置される場合、アンテナモジュール200は比較的に広い動作周波数帯域と比較的に高いゲインを有し、それらはそれぞれアンテナモジュール200の自由空間における動作周波数帯域と自由空間におけるゲインとほぼ同じであることが分かる。
【0061】
2×2アレイのアンテナモジュール200が対称的に設計されているため、
図23において、2×2アレイのアンテナモジュール200において、定在波パラメータの曲線S11と定在波パラメータのS33とが重なる。定在波パラメータの曲線S22と定在波パラメータのS44とが重なる。
図23に示されたS11、S22、S33、S44はそれぞれ2×2アレイのアンテナモジュール200における四つのアンテナ素子のリターンロスを表す。
【0062】
図25を参照すると、
図25は、本出願の第五実施形態に係る電波透過構造における第一電波透過層の構造を示す概略図である。本実施形態に係る電波透過構造120は第四実施形態に係る電波透過構造120と大体同じである。しかしながら、下記のところが違う。第四実施形態では、第一パッチ1211は矩形パッチであり、本実施形態では、第一電波透過層121はアレイ状に配置された複数の第一パッチ1211を含み、第一パッチ1211は円形である。選択的に、円形の第一パッチ1211の直径Dの範囲は0.5~0.8mmである。
【0063】
本実施形態において、第三電波透過層123はアレイ状に配置された複数の第二パッチ1231を含む。第二パッチ1231は円形である。選択的に、円形の第二パッチ1231の直径Dの範囲は0.5~0.8mmである。第三電波透過層123の構造は第一電波透過層121の構造と同じであることができる。
【0064】
図26を参照すると、
図26は、本出願の第六実施形態に係る電波透過構造における第一電波透過層の構造を示す概略図である。本実施形態に係る電波透過構造120は第四実施形態に係る電波透過構造120と大体同じである。しかしながら、下記のところが違う。第四実施形態では、第一パッチ1211は矩形パッチであり、本実施形態では、第一電波透過層121はアレイ状に配置された複数の第一パッチ1211を含み、第一パッチ1211は環状である。第一パッチ1211は環状で且つ材料が金属である場合、電波透過構造120の透明度(可視光透過率)は上げられることができる。環状の第一パッチ1211は外径Doと内径Diを有する。外径Doは通常0.5~0.8mmの範囲にある。一般的に、外径Doと内径Diの差(即ち、Do-Di)の値が小さければ小さいほど、電波透過構造120の可視光透過率が高くなるが、挿入損失が大きくなる。電波透過構造120の可視光透過率と挿入損失のバランスを考慮に入れて、Do-Diの値は通常0.5mm以上である。第三電波透過層123の構造は第一電波透過層121の構造と同じであることができる。
【0065】
図27を参照すると、
図27は、本出願の第七実施形態に係る電波透過構造における第一電波透過層の構造を示す概略図である。本実施形態に係る電波透過構造120は第四実施形態に係る電波透過構造120と大体同じである。しかしながら、下記のところが違う。第四実施形態では、第一パッチ1211は矩形パッチであり、本実施形態では、第一電波透過層121はアレイ状に配置された複数の第一パッチ1211を含み、第一パッチ1211は正方形の環状である。正方形の環状の第一パッチ1211は外側の辺長Loと内側の辺長Liを有する。外側の辺長Loは通常0.5~0.8mmの範囲にある。一般的に、外側の辺長Loと内側の辺長Liの差(即ち、Lo-Li)の値が小さければ小さいほど、電波透過構造120の可視光透過率が高くなるが、挿入損失が大きくなる。電波透過構造120の可視光透過率と挿入損失のバランスを考慮に入れて、Lo-Liの値は通常0.5mm以上である。第三電波透過層123の構造は第一電波透過層121の構造と同じであることができる。
【0066】
図28を参照すると、
図28は、本出願の第八実施形態に係る電波透過構造における第一電波透過層の構造を示す概略図である。本実施形態に係る電波透過構造120はアレイ状に配置された複数の第一パッチ1211を含む。各第一パッチ1211はいずれも正方形の金属メッシュグリッド(mesh grid)パッチである。具体的に、第一パッチ1211は複数の第一ブランチ1212と複数の第二ブランチ1213を含む。複数の第一ブランチ1212は隔てて配列されており、複数の第二ブランチ1213は隔てて配列されており、且つ第二ブランチ1213と第一ブランチ1212は交差して接続される。選択的に、第一ブランチ1212は第一方向に沿って延長し、且つ複数の第一ブランチ1212は第二方向に沿って隔てて配列される。選択的に、第二ブランチ1213は第一ブランチ1212と垂直に交差する。選択的に、第一パッチ1211の辺長は0.5~0.8mmの範囲にある。
【0067】
図29を参照すると、
図29は、本出願の第九実施形態に係る電波透過構造を示す概略図である。本実施形態において、電波透過構造120は第一方向に沿って隔てて配列された複数の導電線151と、第二方向に沿って隔てて配列された複数の導電線161とを含む。第一方向に沿って隔てて配列された導電線151と第二方向に沿って隔てて配列された導電線161は交差して配置され、且つアレイ状に配置された複数のグリッド構造163を共に形成する。
【0068】
具体的に、第一方向に沿って隔てて配列された二つの導電線151と第二方向に沿って隔てて配列された二つの導電線161は交差して一つのグリッド構造163を形成する。一つの実施形態において、第一方向は第二方向に対して垂直である。他の実施形態において、第一方向は第二方向に対して垂直ではない。第一方向に沿って隔てて配列された複数の導電線151において、隣接する二つの導電線151の間の距離は同じであってもよく、同じではなくてもよい。相応に、第二方向に沿って隔てて配列された複数の導電線161において、隣接する二つの導電線161の間の距離は同じであってもよく、同じではなくてもよい。隣接する二つの導電線151の間の距離と隣接する二つの導電線161の間の距離は同じであってもよく、同じではなくてもよい。
図29において、例示として、第一方向は第二方向に対して垂直であり、且つ隣接する二つの導電線151の間の距離は隣接する二つの導電線161の間の距離に等しい。
【0069】
さらに、導電線151(161)の幅が小さければ小さいほど、予め設定された周波数は低周波へ移り、且つ帯域幅が広くなる。グリッド構造163の辺長又は内径が大きければ大きいほど、予め設定された周波数は低周波へ移り、且つ帯域幅が広くなる。電波透過構造120が配置された誘電体基板110が厚ければ厚いほど、予め設定された周波数は低周波へ移り、且つ帯域幅が狭くなる。
【0070】
図30を参照すると、
図30は、本出願の第十実施形態に係る電波透過構造を示す概略図である。電波透過構造120はアレイ状に配置された複数のグリッド構造163を含む。各グリッド構造163は少なくとも一つの導電線151に囲まれて形成される。隣接する二つのグリッド構造163は少なくとも導電線151の一部を共有する。
【0071】
具体的に、グリッド構造163の形は円形、矩形、三角形、多角形、楕円形のうちの任意の一つであることができるが、これらに限られていない。グリッド構造163の形は多角形である場合、グリッド構造163の辺の数は3より大きい正の整数である。
図30では、例示として、グリッド構造163の形は三角形である。
【0072】
さらに、導電線151(161)の幅が小さければ小さいほど、予め設定された周波数は低周波へ移り、且つ帯域幅が広くなる。グリッド構造163の辺長又は内径が大きければ大きいほど、予め設定された周波数は低周波へ移り、且つ帯域幅が広くなる。電波透過構造120が配置された誘電体基板110が厚ければ厚いほど、予め設定された周波数は低周波へ移り、且つ帯域幅が狭くなる。
【0073】
グリッド構造163の形は三角形である場合、グリッド構造163的周期はグリッド構造163の辺長に等しい。グリッド構造163は多角形である場合、グリッド構造163の周期はグリッド構造163の内径に等しい。
【0074】
図31を参照すると、
図31は、本出願の第十一実施形態に係る電波透過構造を示す概略図である。
図31では、例示として、グリッド構造163の形は正六角形である。さらに、導電線151(161)の幅が小さければ小さいほど、予め設定された周波数は低周波へ移り、且つ帯域幅が広くなる。グリッド構造163の辺長又は内径が大きければ大きいほど、予め設定された周波数は低周波へ移り、且つ帯域幅が広くなる。電波透過構造120が配置された誘電体基板110が厚ければ厚いほど、予め設定された周波数は低周波へ移り、且つ帯域幅が狭くなる。
【0075】
図32及び
図33を参照すると、
図32は、本出願の第二実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
図33は、
図32のII-II線に沿った断面構造図である。電子デバイス1はアンテナアセンブリ10を含む。アンテナアセンブリ10については、上記内容を参照することができる。ここでは繰り返さない。誘電体基板110は電子デバイス1の電池カバー30を含む。電子デバイス1の電池カバー30はリアプレート310と、リアプレート310の外縁から曲げられて延長されたフレーム320とを含む。電波透過構造120はフレーム320に対応して配置されている。
【0076】
図34と
図35を参照すると、
図34は、本出願の第三実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
図35は、
図34のIII-III線に沿った断面構造図である。電子デバイス1はアンテナアセンブリ10を含む。アンテナアセンブリ10については、上記内容を参照することができる。ここでは繰り返さない。本実施形態において、誘電体基板110は電子デバイス1の画面40を含む。
【0077】
誘電体基板110は電子デバイス1の画面40を含む場合、画面40は画面本体410と、画面本体410の外縁から曲げられて延長された延長部420とを含む。電波透過構造120は画面本体410に対応して配置されている。
【0078】
図36と
図37を参照すると、
図36は、本出願の第四実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
図37は、
図36のIV-IV線に沿った断面構造図である。電子デバイス1はアンテナアセンブリ10を含む。アンテナアセンブリ10については、上記内容を参照することができる。ここで繰り返さない。本実施形態において、誘電体基板110は電子デバイス1の画面40を含む。画面40は画面本体410と、画面本体410の外縁から曲げられて延長された延長部420とを含む。電波透過構造120は延長部420に対応して配置されている。
【0079】
図38及び
図39を参照すると、
図38は、本出願の第五実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。
図39は、
図38のV-V線に沿った断面構造図である。電子デバイス1はアンテナアセンブリ10を含む。アンテナアセンブリ10については、上記内容を参照することができる。ここでは繰り返さない。電子デバイス1は電池カバー30及び保護カバー50を含む。保護カバー50は電池カバー30の表面をカバーして電池カバー30を保護する。誘電体基板110は保護カバー50を含むことができる。電波透過構造120は保護カバー50に対応して配置されることができる。
【0080】
図40を参照すると、
図40は、本出願の一つの実施形態に係るアンテナモジュールの断面構造図である。アンテナモジュール200は、無線周波数(Radio Frequency、RF)チップ230、絶縁基板240、及び一つ又は複数の第一アンテナ放射体250を含む。RFチップ230は励磁信号(RF信号とも呼ばれる)を生成するように構成されている。一つ又は複数の第一アンテナ放射体250と比べて、RFチップ230は電波透過構造120からより遠く配置されている。絶縁基板240は一つ又は複数の第一アンテナ放射体250を載せるように構成されている。RFチップ230は、絶縁基板240に埋め込まれる伝送線を介して、一つ又は複数の第一アンテナ放射体250と電気的に結合する。具体的に、絶縁基板240は第三表面240aと、第三表面240aに対向する第四表面240bとを含む。一つ又は複数の第一アンテナ放射体250は第三表面240aに配置されている。又は、一つ又は複数の第一アンテナ放射体250は絶縁基板240に埋め込まれる。
図40では、例示として、一つ又は複数の第一アンテナ放射体250は第三表面240aに配置されており、RFチップ230は第四表面240bに配置されている。RFチップ230によって生成された励磁信号は、絶縁基板240に埋め込まれる伝送線を介して、一つ又は複数の第一アンテナ放射体250に送信される。RFチップ230は絶縁基板240にはんだ付けされることができる。これで、励磁信号は絶縁基板240に埋め込まれる伝送線を介して、第一アンテナ放射体250に送信される。第一アンテナ放射体250は励磁信号を受信し、且つ励磁信号に基づいてミリ波信号を生成する。第一アンテナ放射体250はパッチアンテナであることができるが、これに限られていない。
【0081】
さらに、第一アンテナ放射体250と比べて、RFチップ230は電波透過構造120からより遠く配置されている。且つRFチップ230が励磁信号を出力する出力端子は、電波透過構造120から遠い絶縁基板240の片側に配置されている。即ち、RFチップ230は絶縁基板240の第四表面240bに隣接して絶縁基板240の第三表面240aから遠く配置されている。
【0082】
さらに、各第一アンテナ放射体250は少なくとも一つの給電点251を含む。各給電点251は伝送線を介して、RFチップ230と電気的に結合する。各給電点251と各給電点251に対応する第一アンテナ放射体250の中心との間の距離は予め設定された距離より大きい。給電点251の位置を調整することで、第一アンテナ放射体250の入力インピーダンスを変えることができる。本実施形態において、各給電点251と各給電点251に対応する第一アンテナ放射体250の中心との間の距離を予め設定された距離より大きく設定することで、第一アンテナ放射体250の入力インピーダンスを調整する。第一アンテナ放射体250の入力インピーダンスとRFチップ230の出力インピーダンスがマッチするように、第一アンテナ放射体250の入力インピーダンスを調整する。第一アンテナ放射体250の入力インピーダンスとRFチップ230の出力インピーダンスがマッチする場合、RF信号によって生成された励磁信号の反射量が最小である。
【0083】
図41を参照すると、
図41は、本出願の別の実施形態に係るアンテナモジュールの断面構造図である。本実施形態に係るアンテナモジュール200は第一実施形態に係るアンテナモジュール200と大体同じである。しかしながら、下記のところが違う。本実施形態では、アンテナモジュール200は第二アンテナ放射体260をさらに含む。即ち、本実施形態では、アンテナモジュール200は、RFチップ230、絶縁基板240、一つ又は複数の第一アンテナ放射体250、及び第二アンテナ放射体260を含む。RFチップ230は励磁信号を生成するように構成されている。絶縁基板240は第三表面240aと、第三表面240aに対向する第四表面240bとを含む。一つ又は複数の第一アンテナ放射体250は第三表面240aに配置されている。RFチップ230は第四表面240bに配置されている。RFチップ230によって生成された励磁信号は、絶縁基板240に埋め込まれる伝送線を介して、一つ又は複数の第一アンテナ放射体250に送信される。RFチップ230は絶縁基板240にはんだ付けされることができる。これで、励磁信号は絶縁基板240に埋め込まれる伝送線を介して、第一アンテナ放射体250に送信される。第一アンテナ放射体250は励磁信号を受信し、且つ励磁信号に基づいてミリ波信号を生成する。
【0084】
さらに、第一アンテナ放射体250と比べて、RFチップ230は電波透過構造120からより遠く配置されている。且つRFチップ230が励磁信号を出力する出力端子は、電波透過構造120から遠い絶縁基板240の片側に配置されている。
【0085】
さらに、各第一アンテナ放射体250は少なくとも一つの給電点251を含む。各給電点251は伝送線を介して、RFチップ230と電気的に結合する。各給電点251と各給電点251に対応する第一アンテナ放射体250の中心との間の距離は予め設定された距離より大きい。
【0086】
本実施形態において、第二アンテナ放射体260は、絶縁基板240に埋め込まれる。第二アンテナ放射体260は第一アンテナ放射体250と隔てて配置されている。且つ第二アンテナ放射体260は第一アンテナ放射体250と結合して積層アンテナを形成する。第二アンテナ放射体260が第一アンテナ放射体250と結合して積層アンテナを形成する場合、第一アンテナ放射体250はRFチップ230と電気的に結合し、且つ第二アンテナ放射体260はRFチップ230と電気的に結合しない。第二アンテナ放射体260は、第一アンテナ放射体250によって放射されるミリ波信号と結合する。また、第二アンテナ放射体260は、結合した第一アンテナ放射体250によって放射されるミリ波信号に基づいて新しいミリ波信号を生成する。
【0087】
具体的に、以下、アンテナモジュール200が高密度相互接続(high density interconnection、HDI)プロセスで製造されることを例として説明する。絶縁基板240はコア層241、及びコア層241の対向する両側に積層配置されている複数の配線層242を含む。コア層241は絶縁層であり、一般的に、各配線層242の間に絶縁層243が配置されている。電波透過構造120に隣接するコア層241の片側に、且つコア層241から一番遠く配置された配線層242の外表面は、絶縁基板240の第三表面240aを形成する。電波透過構造120から遠いコア層241の片側に、且つコア層241から一番遠く配置された配線層242の外表面は、絶縁基板240の第四表面240bを形成する。第一アンテナ放射体250は第三表面240aに配置されている。第二アンテナ放射体260は絶縁基板240に埋め込まれる。即ち、第二アンテナ放射体260は、アンテナ放射体を配列するために用いられる他の配線層242に配置されることができる。且つ第二アンテナ放射体260は、絶縁基板240の表面に配置されていない。
【0088】
本実施形態では、例示として、絶縁基板240は8層構造である。他の実施形態において、絶縁基板240は別の層数を有することができる。絶縁基板240はコア層241、第一配線層TM1、第二配線層TM2、第三配線層TM3、第四配線層TM4、第五配線層TM5、第六配線層TM6、第七配線層TM7、及び第八配線層TM8を含む。第一配線層TM1、第二配線層TM2、第三配線層TM3、及び第四配線層TM4はコア層241の一つの表面に順に積層配置されている。また、第四配線層TM4と比べて、第一配線層TM1はコア層241からより遠く配置されている。コア層241から遠い第一配線層TM1の表面は絶縁基板240的第三表面240aである。第五配線層TM5、第六配線層TM6、第七配線層TM7、及び第八配線層TM8はコア層241の一つの表面に順に積層配置されている。また、第五配線層TM5と比べて、第八配線層TM8はコア層241からより遠く配置されている。コア層241から遠い第八配線層TM8の表面は絶縁基板240の第四表面240bである。通常では、第一配線層TM1、第二配線層TM2、第三配線層TM3、及び第四配線層TM4はアンテナ放射体が配置された配線層であり、第五配線層TM5は接地電極が配置された接地層であり、第六配線層TM6、第七配線層TM7、及び第八配線層TM8はアンテナモジュール200における給電系統及び制御線が配置された配線層である。本実施形態において、第一アンテナ放射体250はコア層241から遠い第一配線層TM1の表面に配置され、第二アンテナ放射体260は第三配線層TM3に配置されることができる。
図41では、例示として、第一アンテナ放射体250は第一配線層TM1の表面に配置されており、第二アンテナ放射体260は第三配線層TM3に配置されている。他の実施形態において、第一アンテナ放射体250はコア層241から遠い第一配線層TM1の表面に配置されることができ、第二アンテナ放射体260は第二配線層TM2に配置されることができ、又は第二アンテナ放射体260は第四配線層TM4に配置されることができる。
【0089】
さらに、絶縁基板240における第一配線層TM1、第二配線層TM2、第三配線層TM3、第四配線層TM4、第六配線層TM6、第七配線層TM7、及び第八配線層TM8はいずれも第五配線層TM5における接地電極と電気的に結合する。具体的に、絶縁基板240における第一配線層TM1、第二配線層TM2、第三配線層TM3、第四配線層TM4、第六配線層TM6、第七配線層TM7、及び第八配線層TM8はいずれもスルーホールを有する。スルーホールに金属材料を配置することによって第五配線層TM5における接地電極と電気的に結合する。これで、各配線層242におけるコンポーネントが接地する。
【0090】
さらに、第七配線層TM7及び第八配線層TM8には、電力線271と制御線272が配置されている。電力線271と制御線272はそれぞれRFチップ230と電気的に結合する。電力線271はRFチップ230に必要な電力を提供するために用いられる。制御線272は、制御信号をRFチップ230に送信することによって、RFチップ230の作動をコントロールするために用いられる。
【0091】
さらに、
図42を参照すると、
図42は、本出願の一つの実施形態に係るM×N個のアンテナアセンブリで構築された無線周波数アンテナアレイを示す概略図である。電子デバイス1はM×N個のアンテナアセンブリ10で構築された無線周波数(Radio Frequency、RF)アンテナアレイを含む。Mは正の整数であり、Nは正の整数である。
図42では、4×1個のアンテナアセンブリ10で構築されたアンテナアレイを示した。アンテナアセンブリ10におけるアンテナモジュール200において、絶縁基板240は複数の金属化ビアホールグリッド(metallized via hole grid)244をさらに含む。金属化ビアホールグリッド244が各第一アンテナ放射体250を囲んで配置されることによって、隣接する二つの第一アンテナ放射体250の間のアイソレイション(isolation)を高める。
図43を参照すると、
図43は、本出願の一つの実施形態に係るパッケージ化されたアンテナモジュールで構築された無線周波数アンテナアレイの構造を示す概略図である。金属化ビアホールグリッド244は複数のアンテナモジュール200でRFアンテナアレイを形成するために用いられる場合、金属化ビアホールグリッド244は隣接するアンテナモジュール200の間のアイソレイションを高めるために用いられる。これで、各アンテナモジュール200によって生成されたミリ波信号の干渉を低減し、さらに回避する。
【0092】
上記アンテナモジュール200については、アンテナモジュール200がパッチアンテナ、又は積層アンテナであることを例として説明した。アンテナモジュール200はダイポールアンテナ、磁気電気ダイポールアンテナアレイ、準八木アンテナなどをさらに含むことができる。アンテナアセンブリ10はパッチアンテナ、積層アンテナ、ダイポールアンテナ、磁気電気ダイポールアンテナアレイ、準八木アンテナのうちの少なくとも一つ又は複数の組み合わせを含む。さらに、M×N個のアンテナアセンブリ10における誘電体基板110は互いに接続されて統合構造になることができる。
【0093】
図44を参照すると、
図44は、本出願の第六実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。電子デバイス1は第一アンテナモジュール210、誘電体基板110、及び第一電波透過構造127を含む。第一アンテナモジュール210は、第一予め設定された方向範囲内で、第一周波数帯の第一無線周波数(Radio Frequency、RF)信号を受送信するように構成されている。誘電体基板110は第一アンテナモジュール210と隔てて配置されており、且つ誘電体基板110の少なくとも一部は、第一予め設定された方向範囲内に位置する。第一予め設定された方向範囲内に位置する一部の誘電体基板110は、第一周波数帯の第一RF信号に対して第一等価波動インピーダンスを有する。第一等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第一差値の差がある。第一電波透過構造127は誘電体基板110に載せられる。また、第一電波透過構造127の少なくとも一部は第一予め設定された方向範囲内に位置する。電子デバイス1は第一電波透過構造127に対応するところで、第一周波数帯の第一RF信号に対して第二等価波動インピーダンスを有する。第二等価波動インピーダンスは自由空間の波動インピーダンスとは第二差値の差がある。第二差値は第一差値より小さい。
図44では、例示として、破線a1と破線b1の間の範囲は第一予め設定された方向範囲とされる。
【0094】
図45を参照すると、
図45は、本出願の第七実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。電子デバイス1は第二アンテナモジュール220と第二電波透過構造128をさらに含む。第二アンテナモジュール220は第一アンテナモジュール210と隔てて配置されており、且つ第二アンテナモジュール220は第一予め設定された方向範囲以外のところに位置する。第二アンテナモジュール220は第二予め設定された方向範囲内で、第二周波数帯の第二RF信号を受送信するように構成されている。誘電体基板110は第二アンテナモジュール220と隔てて配置されており、且つ誘電体基板110の少なくとも一部は、第二予め設定された方向範囲内に位置する。第二予め設定された方向範囲内に位置する一部の誘電体基板110は、第二周波数帯の第二RF信号に対して第三透過率を有する。第二電波透過構造128は誘電体基板110に載せられる。また、第二電波透過構造128の少なくとも一部は第二予め設定された方向範囲内に位置する。電子デバイス1は第二電波透過構造128に対応するところで、第
二周波数帯の第二RF信号に対して第四透過率を有する。第四透過率は第三透過率より大きい。
図45では、例示として、破線a1と破線b1の間の範囲は第一予め設定された方向範囲とされ、破線a2と破線b2の間の範囲は第二予め設定された方向範囲とされる。
【0095】
図46を参照すると、
図46は、本出願の第八実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。誘電体基板110は電子デバイス1の電池カバー30を含む場合、電子デバイス1の電池カバー30はリアプレート310と、リアプレート310の外縁から曲げられて延長されたフレーム320とを含む。第一アンテナモジュール210と第二アンテナモジュール220はいずれもリアプレート310に対応して配置されている。相応に、第一電波透過構造127と第二電波透過構造128はいずれもリアプレート310に対応して配置されている。
【0096】
図47を参照すると、
図47は、本出願の第九実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。本実施形態に係る電子デバイス1は第八実施形態に係る電子デバイス1と大体同じである。しかしながら、下記のところが違う。第九実施形態において、第一アンテナモジュール210と第二アンテナモジュール220はいずれもフレーム320に対応して配置されている。相応に、第一電波透過構造127と第二電波透過構造128はいずれもフレーム320に対応して配置されている。
図47では、例示として、第一電波透過構造127と第二電波透過構造128は対向して配置されている。
【0097】
図48を参照すると、
図48は、本出願の第十実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。第十実施形態に係る電子デバイス1は第八実施形態に係る電子デバイス1と大体同じである。しかしながら、下記のところが違う。第十実施形態において、第一アンテナモジュール210はリアプレート310に対応して配置されており、第二アンテナモジュール220はフレーム320に対応して配置されている。相応に、第一電波透過構造127はリアプレート310に対応して配置されており、第二電波透過構造128ははフレーム320に対応して配置されている。
【0098】
図49を参照すると、
図49は、本出願の第十一実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。誘電体基板110は電子デバイス1の画面40を含む場合、画面40は画面本体410と、画面本体410の外縁から曲げられて延長された延長部420とを含む。第一アンテナモジュール210と第二アンテナモジュール220はいずれも画面本体410に対応して配置されている。相応に、第一電波透過構造127と第二電波透過構造128はいずれも画面本体410に対応して配置されている。
【0099】
図50を参照すると、
図50は、本出願の第十二実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。第一アンテナモジュール210と第二アンテナモジュール220はいずれも延長部420に対応して配置されている。相応に、第一電波透過構造127と第二電波透過構造128はいずれも延長部420に対応して配置されている。
【0100】
図51を参照すると、
図51は、本出願の第十三実施形態に係る電子デバイスの構造を示す概略図である。第一アンテナモジュール210は画面本体410に対応して配置されており、第二アンテナモジュール220は延長部420に対応して配置されている。相応に、第一電波透過構造127は画面本体410に対応して配置されており、第二電波透過構造128は延長部420に対応して配置されている。
【0101】
図52を参照すると、
図52は、本出願の第十四実施形態に係る電子デバイスにおける画面の構造を示す概略図である。本実施形態において、誘電体基板110は電子デバイス1の画面40を含む。画面40は積層配置される表示パネル430及びカバープレート440を含む。電波透過構造120はカバープレート440の上に配置されている。
【0102】
画面40は電子デバイス1における表示機能を実行するコンポーネントである。表示パネル430は、液晶ディスプレイであってもよく、有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)ディスプレイであってもよい。カバープレート440は表示パネル430の上に配置されており、表示パネル430を保護するために用いられる。本実施形態では、電波透過構造120はカバープレート440の上に配置されている。電波透過構造120は、表示パネル430に近いカバープレート440の表面に配置されてもよい。又は、電波透過構造120は、表示パネル430から遠いカバープレート440の表面に配置されてもよい。又は、電波透過構造120は、カバープレート440に埋め込まれてもよい。カバープレート440が独立なコンポーネントであるため、電波透過構造120はカバープレート440の上に配置されており、且つ電波透過構造120は、
表示パネル430に近いカバープレート440の表面に配置されており、又は電波透過構造120は、表示パネル430から遠いカバープレート440の表面に配置されている場合、電波透過構造120と
カバープレート440を結びつける難易度は下げられることができる。
図52では、例示として、電波透過構造120はカバープレート440の全部をカバーし、且つ電波透過構造120は、表示パネル430に近いカバープレート440の表面に直接に配置されている。
【0103】
さらに、表示パネル430はカラーフィルター基板431、アレイ基板433、及び液晶層432を含む。カラーフィルター基板431とアレイ基板433は隔てて対向配置されている。液晶層432はカラーフィルター基板431及びアレイ基板433の間に挟まれている。
【0104】
さらに、カラーフィルター基板431の上にカラーレジストユニット(color resist unit)431aがマトリクス状に配置されている。隣接するカラーレジストユニット431aの間にブラックマトリクス(black matrix)431bが配置されている。電波透過構造120の少なくとも一部はブラックマトリクス431bに対応して配置されている。
【0105】
本実施形態において、電波透過構造120の少なくとも一部がブラックマトリクス431bに対応して配置されることにより、電波透過構造120の配置が表示パネル430の光透過率に与える影響を低減することができる。
【0106】
以上、本出願の実施形態を示し、説明したが、上記実施形態は例示的であり、本出願を限定するものであると理解されるべきではない。当業者であれば、本出願の範囲内で、上記実施形態を変更、修正、置換及び変形することができる。これらの改善と潤色も本出願の保護範囲に属すべきである。