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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】通信装置及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/00 20090101AFI20230704BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20230704BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20230704BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20230704BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20230704BHJP
【FI】
H04W8/00 110
H04B7/06 952
H04W16/28
H04W84/12
H04W88/02 140
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022000520
(22)【出願日】2022-01-05
(62)【分割の表示】P 2017038599の分割
【原出願日】2017-03-01
(65)【公開番号】P2022050525
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2022-01-05
(31)【優先権主張番号】62/307,281
(32)【優先日】2016-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィー ヤオ ハン ガイアス
(72)【発明者】
【氏名】シム ホン チェン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】入江 誠隆
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/069090(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/124237(WO,A1)
【文献】James Wang et al.,11ay MIMO BF Training Enhancements,IEEE 802.11-16/0100r1,2016年01月18日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 8/00
H04B 7/06
H04W 16/28
H04W 84/12
H04W 88/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信相手装置によりDMGビーコン毎に指向性を変えながら指向性送信された、デバイス発見のための複数のDMGビーコンを含む送信フレームを受信し、送信ビームフォーミングトレーニングを完了する前であって、少なくともビーコン送信間隔の最後に、疑似オムニ送信されたDMGビーコンであるプローブ応答要求を受信する受信部と、
前記プローブ応答要求に対して、TRN-Rシーケンスを付加したプローブ応答を疑似オムニ送信する送信部と、
を含む、通信装置。
【請求項2】
前記送信部が前記プローブ応答を送信した後に、前記受信部は、前記通信相手装置から指向性送信によって送信されたフレームを受信する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記受信した前記フレームは、ACKフレームである、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記受信部は、前記ビーコン送信間隔中において、前記複数のDMGビーコンを受信した後に、前記プローブ応答要求を受信する、
請求項1乃至3いずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
通信相手装置によりDMGビーコン毎に指向性を変えながら指向性送信された、デバイス発見のための複数のDMGビーコンを含む送信フレームを受信し、送信ビームフォーミングトレーニングを完了する前であって、少なくともビーコン送信間隔の最後に、疑似オムニ送信されたDMGビーコンであるプローブ応答要求を受信し、
前記プローブ応答要求に対して、TRN-Rシーケンスを付加したプローブ応答を疑似オムニ送信する、
通信方法。
【請求項6】
前記プローブ応答を送信した後に、前記通信相手装置から指向性送信によって送信されたフレームを受信する、
請求項に記載の通信方法。
【請求項7】
前記受信した前記フレームは、ACKフレームである、
請求項に記載の通信方法。
【請求項8】
前記ビーコン送信間隔中において、前記複数のDMGビーコンを受信した後に前記プローブ応答要求を受信する、
請求項乃至いずれか一項に記載の通信方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE 802.11adにおいて、ミリ波帯域を用いて無線通信を行う無線通信装置は、DMG(directional multi-gigabit)ビーコンによるデバイス発見手順では、ビーコン送信間隔(Beacon Transmission Interval:BTI)を次のように使用する。
【0003】
(1)DMGに対応したSTA(station)(以後、DMG-STA、またはSTA)は、DMGに対応したAP(アクセスポイント)/PCP(Personal basic service set Central Point)(以後、DMG-AP/PCP、または、AP/PCP)、のBTIにおいてDMGビーコンを受信する。
【0004】
(2)DMG-STAは、発見モードフィールドを1に設定したDMGビーコン(以下では「発見DMGビーコン」)を、DMG-STAのBTIにおいて送信する。
【0005】
(3)DMGにおける指向性を考慮して、BTIは、送信セクタスイープとして送信される1つ以上の(最大128の)DMGビーコンにより構成される。
【0006】
(4)オーバーヘッドを減らすため、DMGビーコンでは、発見に必要なフィールド(例:SSID(Service Set IDentifier)、DMG能力)を含むいくつかのフィールドが省略される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】IEEE 802.11adTM -2012 329~341頁 10.1 Synchronization
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のミリ波帯域を用いた通信において、DMGビーコンによる発見では、発見対象であるSTAが増加した場合、高速な発見(200msec未満)については、十分考慮されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る通信装置は、通信相手装置によりDMGビーコン毎に指向性を変えながら指向性送信された、送信ビームトレーニングのための複数のDMGビーコンを含む送信フレームを受信し、前記送信ビームトレーニングを実行する前に、疑似オムニ送信されたプローブ応答要求を受信する受信部と、前記プローブ応答要求に対して、プローブ応答を疑似オムニ送信する送信部と、を含む。
【0010】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様によれば、DMGビーコンによる発見において、発見対象であるSTAが増加した場合であっても、高速な発見(200msec未満)を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示に係る指向性送信によるDMGビーコンを用いたデバイス発見手順の一例を示す図
図2】本開示に係る指向性送信によるDMGビーコンを用いたデバイス発見手順の他の一例を示す図
図3】本開示に係る指向性送信によるDMGビーコンを用いたデバイス発見手順の他の一例を示す図
図4】本開示の実施の形態1に係るAP/PCPまたはSTAの構成を示す図
図5】本開示の実施の形態1に係る疑似オムニ送信によるDMGビーコンを用いたデバイス発見手順の一例を示す図
図6】本開示の実施の形態1に係るSSWフィールド(DMGビーコン:DBcn)のフォーマットの一例を示す図
図7】本開示の実施の形態2に係る疑似オムニ送信によるDMGビーコンを用いたデバイス発見手順の他の一例を示す図
図8】本開示の実施の形態3に係る疑似オムニ送信によるDMGビーコンを用いたデバイス発見手順の他の一例を示す図
図9】本開示の実施の形態3に係るSSWフィールド(DMGビーコン:DBcn)のフォーマットの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
多くのアプリケーションでは高速な発見(200ms未満)が望ましい。このため、高速な発見のためにはパッシブ(静的)スキャンは理想的ではない。
【0014】
なお、AP/PCPは、発見情報が含まれる送信セクタスイープの頻度を増加することによってオーバーヘッドが大きくなる。
【0015】
このため、アクティブ(動的)スキャンでは、プローブ応答を取得する前にビームフォーミングを実施するため、発見時間が増大する。
【0016】
図1は、指向性送信によるDMGビーコンを用いたデバイス発見手順の一例を示す図である。
【0017】
図1では、STAはビームフォーミング(A-BFT:Association BeamForming Training)を実行する。なぜならBTIには発見情報を含まないためである。なお、A-BFTは省略してもよい。
【0018】
A-BFTを頻繁に実行する場合、オーバーヘッドが加わる(少なくとも99.1μs/BI)ためである。このため、いくつかのデバイス(STA,AP/PCP)が,A-BFTの使用する場合、衝突率が上昇し、結果としてさらなる遅延が生じる。
【0019】
図3は、DTIにおけるSLS(Sector Level Sweep)を示す図である。ここで、図3では、DTIにおいて、SLS(Sector Level Sweep)を実行する。STAは、図3のSLSによって、発見情報を得ることができるが、少なくとも数ミリ秒かかる。
【0020】
図2は、指向性送信によるDMGビーコンを用いたデバイス発見手順の他の一例を示す図である。
【0021】
図2では、STAは、BTIにおいて、発見モードを1に設定するため、A-BFTにおいて、ピアSTAから応答を予測するが、例えば、割り当てられたにおいて、他のSTAとの衝突が発生し、ピアSTA(AP/PCP)がA-BFTを使用困難となる場合がある。
【0022】
また、AP/PCPは、基地局装置としての動作を優先させる可能性が高く、STAによるビームフォーミングを遅らせることがある。このため、複数のデバイス(STA)がA-BFTの使用を試みる場合、衝突率が上昇し、結果としてさらなる遅延が生じる。
【0023】
なお、STAは、AP/PCPがビームフォーミングを開始するまでAP/PCPを認識しない。
【0024】
ここで、完全なオムニ(全方位)送信をDMGにおいて達成することは困難であり、擬似オムニ送信は、指向性送信の十分な範囲をカバーすることも困難である。なお、擬似オムニ送信とは、オムニ送信の一部のエリアについて送信するビームであり、1つの送信セクタに送信する指向性送信よりも、広いエリアに送信する、つまり、複数の送信セクタに送信することを意味する。
【0025】
(実施の形態1)
図4は、AP/PCPまたはSTA(無線通信装置)の構成を示す図である。
AP/PCPまたはSTAは、制御部101、フレーム信号生成部102、フレーム構成部103、変調部104、送信無線部105、送信アンテナ部106、受信アンテナ部107、受信無線部108、復調部109、フレーム解析部110、を含む。
【0026】
制御部101は、送信するフレーム構成をフレーム信号生成部102に指示し、送信フレームに合わせて、送信無線部105を制御して、送信アンテナ部106及び受信アンテナ部107に指向性送信、疑似オムニ送信を実行させる。また、制御部101は、受信無線部108及び復調部109を制御して受信処理を実行させる。なお、制御部101は、発見情報を図示しない上位層に報告し、報告に基づく接続命令が入力される。なお、接続命令は、上位層での判断であってもよいし、ユーザによる決定であってもよい。ユーザの決定は、図示しない外部入力部から入力される。
【0027】
フレーム信号生成部102は、制御部101の指示に従い、送信フレームに用いるフレーム構成信号を生成する。
【0028】
フレーム構成部103は、フレーム構成信号及びデータを用いて、送信フレームを生成する。
【0029】
変調部104は、制御部101の指示に従い、送信フレームを、例えば、QPSKなどの変調方式を用いて、変調信号を生成する。
【0030】
送信無線部105は、送信アンテナ部106から任意の送信セクタに指向性送信または、疑似オムニ送信を行うために、変調信号の位相調整を行い、位相調整後の変調信号の周波数変換を行い無線信号に変換する。
【0031】
送信アンテナ部106は、無線信号を、指向性送信または疑似オムニ送信によって送信する。
【0032】
受信アンテナ部107は、指向性送信または疑似オムニ送信によって送信された無線信号を、任意の受信セクタにおいて指向性受信または疑似オムニ受信することによって、受信する。受信無線部108は、制御部101の指示に従い、受信した無線信号を、周波数変換を行い、ベースバンド信号に変換する。
【0033】
復調部109は、制御部101の指示に従い、ベースバンド信号を、復調し、送信フレームを出力する。
【0034】
フレーム解析部110は、送信フレームに含まれるフレーム構成信号を解析し、発見情報(プローブ要求、プローブ応答、発見DMGビーコン(DBcn))を制御部101に出力する。
【0035】
図5は、疑似オムニ送信によるDMGビーコンを用いたデバイス発見手順の一例を示す図である。
【0036】
デバイス発見を実行するSTAが、BTI中にDMGビーコンの擬似オムニ送信を含める。DMGビーコン(DBcn)は、例えば、発見モードフィールドを1に設定することによって、STAが発見用に使用されることを示す。各DMGビーコンの1ビットを使用して、BTIに1つ以上の擬似オムニ送信が含まれるか否かを示す。
【0037】
なお、STAの擬似オムニ送信するDMGビーコンは、制御MCSで送信される。例えば、制御MCSは、11adで規定されているMCS0でもよい。疑似オムニ送信は、MSC0を用いることで、送信エリアを最大限拡大することができる。
【0038】
図6は、SSWフィールドのフォーマットの一例を示す図である。例えば、BTIにおいて予約されているRXSS長さフィールドの2ビットを使用して、BTIに1つ以上の擬似オムニ送信が含まれるか否かを示す。なお、SSWフィールドは、BTIにおけるDMGビーコン(DMGビーコン)の一構成要素としても使用でき、A-BFTにおけるSSWフレームの一構成要素としても使用できる。
【0039】
図5において、STAは、擬似オムニ送信DMGビーコンを、BTIの少なくとも最後に送信し、APからのプローブ応答を(暗黙的または明示的に)要求する。
【0040】
ここで、APは、複数の指向性送信と1つ以上の擬似オムニ送信とによるDMGビーコンを受信する場合、例えば、別のデバイスとの衝突、または、APのスケジュールとの矛盾によって、STAによるA-BFTビームフォーミングを完了しない。
【0041】
なお、衝突は、限られた時間に複数のSTAが一斉にAPにアクセスを行うことによって生じる状態を指す。また矛盾は、APが指定していたスケジュール(SLSを送信するSTAの順番)があるにも関わらず、スケジュールを知らないSTAが任意の時刻にビームフォーミングトレーニングを行うことによって生じる状態を指す。
【0042】
次に、DTIにおいて、APは、相互アンテナトレーニングを実行するためのTRN-Rシーケンスを付加した(例えば1つの)擬似オムニ送信によって、プローブ応答を送信する。なお、TRN-Rシーケンスは、擬似オムニ送信の範囲において、指向性送信としてスイープしてもよい。
【0043】
STAは、プローブ応答を受信し、なお、TRN-Rシーケンスを付加したACKを指向性送信で応答してもよい。STAは、TRN-Rシーケンスの受信から最良の受信セクタを識別して格納し、アンテナの相互関係に基づいて最良の受信セクタから最良の送信セクタを識別して格納する。
【0044】
なお、STAは、時間内に求めることができた場合、最良の送信セクタによってACKを送り、そうでない場合、擬似オムニ送信として送る。
【0045】
APは、ACKを受信し、TRN-Rシーケンスの受信から最良の受信セクタを識別して格納する。なお、APは、アンテナの相互関係に基づいて最良の受信セクタから最良の送信セクタを識別して格納する。
【0046】
以上より、STAは、BTIにおける(DMGビーコンの)送信セクタスイープ(TXSS)に含まれる擬似オムニ送信を、DMGビーコンフレームとすることができる。
【0047】
なお、相互アンテナトレーニングのために指向性送信されるTRNシーケンスを、DTIにおいて、DMGビーコンの擬似オムニ送信に付加してもよい。
【0048】
また、DMGビーコンの擬似オムニ送信によって、ピアデバイス(ピアSTA)からのプローブ応答を要求することができる。
【0049】
また、DMGビーコンの擬似オムニ送信は、STAが擬似オムニ送信であることを示すことができる。
【0050】
また、擬似オムニ送信の位置が固定されている場合(例:BTIの最後)、明示的な指示情報(例えば、発見モードに1を設定すること)を含まなくてもよい。
【0051】
DMGビーコンの擬似オムニ送信は、擬似オムニ送信の数を示す、または複数の擬似オムニ送信が1つのBTIに含まれることを示すことができる。
【0052】
DMGビーコンの指向性送信は、BTI/TXSSに擬似オムニ送信が含まれることを示すことができる。
【0053】
DMGビーコンの指向性送信は、1つ以上のBTIにわたり断片化(フラグメンテーション)することができ、1つ以上のBTIにDMGビーコンの擬似オムニ送信が含まれてもよい。
【0054】
デバイス発見を実行するSTAは、BTIにおいてDMGビーコンを送信することができる(図5参照)。
【0055】
デバイス(STA、AP/PCP)は、1つ以上のDMGビーコンに対して擬似オムニ送信を用いた場合(図5参照)、A-BFTに対して、全てのDMGビーコンに対して指向性送信を用いた場合(図1図2参照)とは異なる設定(長さ/頻度/存在の有無/その他)を示すことができる。
【0056】
デバイス(AP)は、図5のBTIにおいて、送信セクタスイープ(TXSS)の一部として、擬似オムニ送信によって送信される1つ以上のDMGビーコンを受信する。
【0057】
図5において、擬似オムニ送信が受信された場合、デバイス(AP)は、正常なビームフォーミング交換の前(A-BFTでのSLSが衝突、矛盾の発生なしに完了すること)に、フレーム(例えば、プローブ応答、ACK返信)を送信することができる。なお、送信するフレーム(APにプローブ応答)は、制御MCSにおける擬似オムニ送信とすることができる。
【0058】
STAは、受信された擬似オムニ送信のプローブ応答に指向性TRNシーケンスが含まれている場合、送信するフレーム(図5ではDTIにおけるACK)を指向性送信とすることができる。
【0059】
送信するフレームは、発見情報を要求するフレーム、または、発見情報を含むフレーム、例えば、プローブ要求、プローブ応答、発見DMGビーコン(DBcn)である。
【0060】
図5のDTIにおいて、APは、送信するフレーム(プローブ応答)に、TRN-Rシーケンスの代わりに、ビーム微調整を要求/開始するBRP(beam refinement protocol)フレームを付加してもよい。
【0061】
送信するフレームは、ピアデバイスへのビームフォーミングフィードバック、例えば、最良の送信セクタを含めることができる。
【0062】
送信するフレームは、相互アンテナトレーニングのために指向性送信されるTRNシーケンスを付加することができる。
【0063】
擬似オムニDMGビーコンが受信されない場合、デバイス(STA)はピアデバイス(AP)への擬似オムニ送信を回避してもよく、ピアデバイスの発見及びピアデバイスへの接続を回避してもよい。
【0064】
以上より、APは、制御MCSによる疑似オムニ送信の範囲内のデバイス(STA)を、高速に発見することができる。
【0065】
また、BTIにおいて擬似オムニ送信を含めることによって、ピアデバイス(AP)は、デバイス(STA)の発見及びデバイス(STA)との接続を実行するかどうか否かを認識することができる。
【0066】
また、デバイス(STA)が、BTIにおいて、擬似オムニ送信に発見情報を含めることによって、ピアデバイス(AP)は、最小限のオーバーヘッドでデバイス(STA)を発見することができる。
【0067】
(実施の形態2)
実施の形態1では、BTIにおいて、指向性送信によるDMGビーコンの送信の後に、STAによる、疑似オムニ送信によるDMGビーコンの送信について説明したが、実施の形態2では、指向性送信によるDMGビーコンの送信のそれぞれに、STAによる1つ以上のTRNシーケンスを付加について説明する。
【0068】
図7は、疑似オムニ送信によるDMGビーコンを用いたデバイス発見手順の他の一例を示す図である。
【0069】
図7のBTIでは、まず、デバイス発見を実行するSTAが、BTIにおいて指向性送信DMGビーコンそれぞれに、1つ以上のTRNシーケンスを付加し、制御MCSによって疑似オムニ送信される。
【0070】
DMGビーコンは、例えば、発見モードフィールドを1に設定することによって、STAの発見に使用されることを示し、また、PHYヘッダ内に付加される1×TRN(例:TRN-T)シーケンスを含む。なお、TRN-Tは複数のシーケンスであってもよい。
【0071】
なお、DMGビーコンは、APからのプローブ応答を暗黙的または明示的に要求する。
【0072】
次に、APは、1つ以上の指向性送信DMGビーコンとそれぞれに付加された1つ以上のTRN-Tシーケンスを受信し、1つの以上のTRN-Tシーケンスを擬似オムニ送信において使用することを認識する。
【0073】
次に、APは、DTIにおいて、例えば複数の擬似オムニ送信によってプローブ応答を送信する。
【0074】
STAは、プローブ応答を受信する。なお、STAがACKで応答した場合、APがACKを受信する。
【0075】
これによって、A-BFTにおいて、衝突、矛盾が発生した場合であっても、ビームフォーミングトレーニング(TRN)シーケンスを、BTIにおける指向性送信される複数のDMGビーコンに付加することができる。
【0076】
また、TRNシーケンスの送信を、複数のBTIにわたって断片化(フラグメンテーション)、つまり、DTIに続くBTIにおいても、TRNシーケンスを送信することができる。
【0077】
なお、TRNシーケンスの擬似オムニ送信が付加された指向性送信されるDMGビーコンは、TRNシーケンスのために擬似オムニ送信が使用されることを明示的に示さなくてもよい。
【0078】
また、STAは、TRNシーケンスの擬似オムニ送信が付加された指向性送信されるDMGビーコンによって、ピアデバイスからのプローブ応答を要求することができる。
【0079】
以上より、制御MCSによる擬似オムニ送信の範囲内のデバイスを、高速または優先的に発見することができる。
【0080】
なお、BTIにおいて擬似オムニ送信を含めることによって、ピアデバイスは、デバイスの発見/デバイスとの接続を実行するかどうかを認識することができる。
【0081】
APは、BTIにおける擬似オムニ送信に発見情報を含めることによって、最小限のオーバーヘッドで、デバイス(STA)を発見することができる。
【0082】
(実施の形態3)
実施の形態3は、BTIにおいて、APによる疑似オムニ送信によるDMGビーコンの送信について説明する。
【0083】
図8は、疑似オムニ送信によるDMGビーコンを用いたデバイス発見手順の他の一例を示す図である。
【0084】
APは、BTIにおけるDMGビーコンに1つ以上の擬似オムニ送信を含める。なお、DMGビーコンは、各DMGビーコンの1ビットを使用して、BTIに擬似オムニ送信が含まれるか否かを示す。なお、DMGビーコンは、各DMGビーコンの1ビットを使用して、フレームが擬似オムニ送信であるか否かを示してもよい。なお、各DMGビーコンの擬似オムニ送信の送信セクタは、送信毎に異なってもよい。
【0085】
図9は、SSWフィールドのフォーマットの一例を示す図である。擬似オムニ送信DMGビーコンの1ビット、例えば、(BTIにおいて予約されている)RXSS長さフィールドの3ビットを使用することによって、複数の擬似オムニ送信を示す。なお、SSWフィールドは、BTIにおけるDMGビーコンの一構成要素としても使用でき、A-BFTにおけるSSWフレームの一構成要素としても使用できる。
【0086】
なお、擬似オムニ送信DMGビーコンは、BTIの先頭において送信され、迅速な発見のため、SSID、DMG能力、および、その他の情報を含み、相互アンテナトレーニングに用いるTRN-Rシーケンスが付加される。なお、TRN-Rシーケンスは、例えば、疑似オムニ送信の範囲において指向性送信される。
【0087】
なお、擬似オムニ送信DMGビーコンの後段において送信される指向性送信DMGビーコンは、BTIの時間長を短くするために、SSID、DMG能力、およびその他の情報を省略してもよい。
【0088】
次に、STAは、1つ以上の擬似オムニ送信および1つ以上の指向性送信であるDMGビーコンを受信し、擬似オムニ送信の範囲において指向性送信されたTRN-Rシーケンスの受信から最良の受信セクタを識別して格納する。なお、STAは、アンテナの相互関係に基づいて最良の受信セクタから最良の送信セクタを識別して格納する。
【0089】
STAは、発見情報を、例えば、上位層、または、サプリカントなどの接続管理ソフトウェアに報告し、AP/PCPへの接続命令を上位層、接続管理ソフトウェアまたは、ユーザから受信する。
【0090】
次いで、DTIにおいて、STAは、TRN-Rシーケンスを付加したアソシエーション要求を、APに指向性送信することによって接続する。なお、STAは、TRN-Rシーケンスを疑似オムニ送信する。
【0091】
APは、擬似オムニ受信によって、アソシエーション要求を受信し、TRN-Rシーケンスの受信から最良の受信セクタを識別して格納する。なお、APは、アンテナの相互関係に基づいて最良の受信セクタから最良の送信セクタを識別して格納する。
【0092】
APは、STAからのアソシエーション要求に対してACKを指向性送信し、その後、アソシエーション応答を送信することによって、STAの要求に応答する。
【0093】
STAは、アソシエーション要求に対するACKおよびアソシエーション応答を受信し、APからのアソシエーション応答に対してACKで応答する。
【0094】
APは、アソシエーション応答に対するACKを受信することで、STAおよびAPが、接続確立を完了する。
【0095】
以上より、DMGビーコンフレームを擬似オムニ送信する、または、指向性送信されるビームフォーミングトレーニング(TRN)シーケンスをDMGビーコンフレームに付加することができる。
【0096】
相互アンテナトレーニングのために指向性送信されるTRNシーケンスを、BTIにおいて、DMGビーコンの擬似オムニ送信に付加してもよい。
【0097】
また、擬似オムニ送信の位置が固定されている場合(例:BTIの先頭)、明示的な指示情報を含まなくてもよい。
【0098】
例えば、A-BFTを省略する場合、擬似オムニ送信に、デバイスの発見に用いる追加情報を含めることができる。
【0099】
追加情報を含むDMGビーコンの擬似オムニ送信は、BTIの先頭において送信することができる。これにより、例えば、レガシーデバイスが追加情報を解析できる。
【0100】
デバイス(STA)は、送信するフレームを、リンク確立フレーム(例:アソシエーション要求)とすることができる。
【0101】
以上より、制御MCSによる擬似オムニ送信の範囲内のデバイスを、高速または優先的に発見することができる。
【0102】
ピアデバイス(AP)は、BTIにおいて擬似オムニ送信を含めることによって、デバイスの発見/デバイスとの接続を実行するかどうかを認識することができる。
【0103】
ピアデバイス(AP)は、BTIの擬似オムニ送信に発見情報を含めることによって、最小限のオーバーヘッドでデバイス(STA)を発見することができる。
【0104】
ピアデバイスは、擬似オムニ送信および指向性TRNシーケンスを使用することにより、A-BFTを省略できるため、ビームフォーミング時間を短縮することができる。
【0105】
なお、ピアデバイスによって複数の擬似オムニ送信が使用される場合、デバイスは、ピアデバイスの発見/ピアデバイスへの応答を優先させることができる。
【0106】
上記各実施の形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0107】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0108】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル プロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
【0109】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0110】
本開示に係る実施の形態の種々の態様として、以下のものが含まれる。
【0111】
本開示の第1の開示に係る無線通信装置は、複数のDMGビーコンを含む送信フレームを生成するフレーム構成部と、BTIにおいて、前記複数のDMGビーコンのうち、1つ以上の第1のDMGビーコンに対して、第1の位相調整を行うことによって指向性送信を1つ以上の送信セクタを用いて行い、前記複数のDMGビーコンのうち、1つ以上の第2のDMGビーコンに対して、第2の位相調整を行うことによって疑似オムニ送信を行う、送信無線部と、を含む。
【0112】
本開示の第2の開示に係る無線通信装置は、DTIにおいて、前記複数のDMGビーコンを送信した通信相手より、疑似オムニ送信により送信されたプローブ応答及び相互アンテナトレーニングに用いるシーケンス信号を受信する受信部と、前記シーケンス信号に示される通信相手の受信セクタに対応する送信セクタを前記1つ以上の送信セクタから選択する制御部と、を含む。
【0113】
本開示の第3の開示に係る無線通信装置は、前記フレーム構成部は、前記プローブ応答に対するack信号を生成し、前記送信無線部は、前記ack信号を前記選択した送信セクタを用いて、指向性送信を行う。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本開示は、無線通信装置に用いるのに好適である。
【符号の説明】
【0115】
101 制御部
102 フレーム信号生成部
103 フレーム構成部
104 変調部
105 送信無線部
106 送信アンテナ部
107 受信アンテナ部
108 受信無線部
109 復調部
110 フレーム解析部
図1
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