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特許7307214レンタル売上利益予測システム、レンタル売上利益予測方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】レンタル売上利益予測システム、レンタル売上利益予測方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20230704BHJP
   G06Q 40/12 20230101ALI20230704BHJP
【FI】
G06Q30/0645
G06Q40/12
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022013898
(22)【出願日】2022-02-01
【審査請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000153546
【氏名又は名称】ロジスティード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】花輪 直之
(72)【発明者】
【氏名】石橋 愛
(72)【発明者】
【氏名】和田 康宏
(72)【発明者】
【氏名】南雲 秀明
(72)【発明者】
【氏名】浦瀬 大河
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-035994(JP,A)
【文献】特開2001-160101(JP,A)
【文献】特開2004-030519(JP,A)
【文献】特開2020-107034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測するレンタル売上利益予測システムであって、
荷主から前記レンタル商品を預かって保管管理する保管管理部と、
保管管理する前記レンタル商品に関する商品情報、および当該レンタル商品のレンタルに関するレンタル情報を取得する第1取得部と、
レンタルするユーザ宛に、保管管理する前記レンタル商品の配送の手配を行う配送部と、
レンタル終了後に、前記ユーザから返却された前記レンタル商品を受取る受取部と、
受け取った前記レンタル商品を検品した検品情報を取得する第2取得部と、
取得した前記商品情報、前記レンタル情報、および前記検品情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測する予測部と、
を備えるレンタル売上利益予測システム。
【請求項2】
前記レンタル商品のレンタルに必要な売上原価情報を取得する第3取得部を備え、
前記予測部は、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、前記検品情報、および前記売上原価情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上総利益を予測する請求項1に記載のレンタル売上利益予測システム。
【請求項3】
前記レンタル商品のレンタルに必要な売上原価情報、販売費情報、および一般管理費情報を取得する第3取得部を備え、
前記予測部は、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、前記検品情報、前記売上原価情報、前記販売費情報、および前記一般管理費情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の営業利益を予測する請求項1に記載のレンタル売上利益予測システム。
【請求項4】
前記荷主の株価情報を取得する第3取得部を備え、
前記予測部は、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、前記検品情報、および前記株価情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の株価売上高倍率を予測する請求項1に記載のレンタル売上利益予測システム。
【請求項5】
前記レンタル商品のレンタルに必要な売上原価情報、販売費情報、および一般管理費情報、および前記荷主の株価情報を取得する第3取得部を備え、
前記予測部は、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、前記検品情報、前記売上原価情報、前期販売費情報、前記一般管理費情報、および前記株価情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の株価収益率および/または将来の株価純資産倍率を予測する請求項1に記載のレンタル売上利益予測システム。
【請求項6】
前記レンタル商品の転売価格を取得する第3取得部を備え、
前記予測部は、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、および前記検品情報に基づいて、レンタルを継続した回数ごとの将来の売上および/または利益を予測し、
取得した前記転売価格と、予測したレンタルを継続した回数ごとの将来の売上および/または利益を、前記荷主に提供する提供部を備える請求項1に記載のレンタル売上利益予
測システム。
【請求項7】
前記レンタル商品の転売価格を取得する第3取得部を備え、
前記予測部は、取得した前記転売価格と、予測した前記将来の売上および/または利益とに基づいて、前記レンタル商品のレンタル回数を予測する請求項1に記載のレンタル売上利益予測システム。
【請求項8】
予測した前記将来の売上および/または利益を、前記荷主に提供する提供部を備える請求項1に記載のレンタル売上利益予測システム。
【請求項9】
レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測するコンピュータが実行するレンタル売上利益予測方法であって、
荷主から前記レンタル商品を預かって保管管理するステップと、
保管管理する前記レンタル商品に関する商品情報、および当該レンタル商品のレンタルに関するレンタル情報を取得するステップと、
レンタルするユーザ宛に、保管管理する前記レンタル商品の配送の手配を行うステップと、
レンタル終了後に、前記ユーザから返却された前記レンタル商品を受取るステップと、
受け取った前記レンタル商品を検品した検品情報を取得するステップと、
取得した前記商品情報、前記レンタル情報、および前記検品情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測するステップと、
を備えるレンタル売上利益予測方法
【請求項10】
レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測するコンピュータに、
荷主から前記レンタル商品を預かって保管管理するステップと、
保管管理する前記レンタル商品に関する商品情報、および当該レンタル商品のレンタルに関するレンタル情報を取得するステップと、
レンタルするユーザ宛に、保管管理する前記レンタル商品の配送の手配を行うステップと、
レンタル終了後に、前記ユーザから返却された前記レンタル商品を受取るステップと、
受け取った前記レンタル商品を検品した検品情報を取得するステップと、
取得した前記商品情報、前記レンタル情報、および前記検品情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測するステップと、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンタル売上利益予測システム、レンタル売上利益予測方法、およびプログラムに関し、特に、商品を継続的にレンタルすることにより得られる将来の売上および利益を予測するレンタル売上利益予測システム、レンタル売上利益予測方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者ニーズの変化により、消費者が商品を購入して所有するのではなく、商品をレンタルして使いたい時に使えるようにするサービスに関する技術が注目されている。
例えば、特許文献1では、レンタル業者が借入先から借入した商品を貸出先に貸出する場合における、貸出先に対する売上額、および借入に要した原価額の概算額である借入概算原価を算出する技術が開示されている。
また、特許文献2では、レンタル商品ごとの貸出予測と在庫情報とに基づいて、在庫不足となるレンタル商品がある場合に、在庫不足のレンタル商品の貸出利益と在庫不足のレンタル商品が存在する返却ボックスに対する回収コストを比較して、貸出利益が回収コストを上回る返却ボックスを回収対象の返却ボックスと決定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-033453号公報
【文献】特開2017-134614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一度、商品のレンタルが行われると、商品ごとに返却後の状態が異なるため、商品の状態ごとにレンタルを継続するか否かの判断が難しいという問題がある。しかしながら、特許文献1,2の技術では、レンタル返却後の商品の状態を反映して、その商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測することはできなかった。
【0005】
発明者らは、レンタル返却後の商品の状態および状況を反映して、その商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測することが可能なレンタル売上利益予測システム、レンタル売上利益予測方法、およびプログラムが必要であることに着目した。
【0006】
そこで、本発明は、レンタル返却後の商品の状態および状況を反映して、その商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測することが可能なレンタル売上利益予測システム、レンタル売上利益予測方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測するレンタル売上利益予測システムであって、荷主から前記レンタル商品を預かって保管管理する保管管理部と、保管管理する前記レンタル商品に関する商品情報、および当該レンタル商品のレンタルに関するレンタル情報を取得する第1取得部と、レンタルするユーザ宛に、保管管理する前記レンタル商品の配送の手配を行う配送部と、レンタル終了後に、前記ユーザから返却された前記レンタル商品を受取る受取部と、受け取った前記レンタル商品を検品した検品情報を取得する第2取得部と、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、および前記検品情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測する予測部と、を備えるレンタル売上利益予測システムを提供する。
【0008】
(2)(1)のレンタル売上利益予測システムであって、前記レンタル商品のレンタルに必要な売上原価情報を取得する第3取得部を備え、前記予測部は、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、前記検品情報、および前記売上原価情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上総利益を予測するレンタル売上利益予測システムを提供する。
【0009】
(3)(1)のレンタル売上利益予測システムであって、前記レンタル商品のレンタルに必要な売上原価情報、販売費情報、および一般管理費情報を取得する第3取得部を備え、前記予測部は、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、前記検品情報、前記売上原価情報、前記販売費情報、および前記一般管理費情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の営業利益を予測するレンタル売上利益予測システムを提供する。
【0010】
(4)(1)のレンタル売上利益予測システムであって、前記荷主の株価情報を取得する第3取得部を備え、前記予測部は、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、前記検品情報、および前記株価情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の株価売上高倍率(PSR)を予測するレンタル売上利益予測システムを提供する。
【0011】
(5)(1)のレンタル売上利益予測システムであって、前記レンタル商品のレンタルに必要な売上原価情報、販売費情報、および一般管理費情報、および前記荷主の株価情報を取得する第3取得部を備え、前記予測部は、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、前記検品情報、前記売上原価情報、前期販売費情報、前記一般管理費情報、および前記株価情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる、将来の株価収益率(PER)および/または将来の株価純資産倍率(PBR)を予測するレンタル売上利益予測システムを提供する。
【0013】
)(1)のレンタル売上利益予測システムであって、前記レンタル商品の転売価格を取得する第3取得部を備え、前記予測部は、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、および前記検品情報に基づいて、レンタルを継続した回数ごとの将来の売上および/または利益を予測し、取得した前記転売価格と、予測したレンタルを継続した回数ごとの将来の売上および/または利益を、前記荷主に提供する提供部を備えるレンタル売上利益予測システムを提供する。
【0014】
)(1)のレンタル売上利益予測システムであって、前記レンタル商品の転売価格を取得する第3取得部を備え、前記予測部は、取得した前記転売価格と、予測した前記将来の売上および/または利益とに基づいて、前記レンタル商品のレンタル回数を予測するレンタル売上利益予測システムを提供する。
【0015】
)(1)から()のレンタル売上利益予測システムであって、予測した前記将来の売上および/または利益を、前記荷主に提供する提供部を備えるレンタル売上利益予測システムを提供する。
【0016】
)レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測するコンピュータが実行するレンタル売上利益予測方法であって、荷主から前記レンタル商品を預かって保管管理するステップと、保管管理する前記レンタル商品に関する商品情報、および当該レンタル商品のレンタルに関するレンタル情報を取得するステップと、レンタルするユーザ宛に、保管管理する前記レンタル商品の配送の手配を行うステップと、レンタル終了後に、前記ユーザから返却された前記レンタル商品を受取るステップと、受け取った前記レンタル商品を検品した検品情報を取得するステップと、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、および前記検品情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測するステップと、を備えるレンタル売上利益予測方法を提供する。
【0017】
10)レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測するコンピュータに、荷主から前記レンタル商品を預かって保管管理するステップと、保管管理する前記レンタル商品に関する商品情報、および当該レンタル商品のレンタルに関するレンタル情報を取得するステップと、レンタルするユーザ宛に、保管管理する前記レンタル商品の配送の手配を行うステップと、レンタル終了後に、前記ユーザから返却された前記レンタル商品を受取るステップと、受け取った前記レンタル商品を検品した検品情報を取得するステップと、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、および前記検品情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測するステップと、を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、レンタル返却後の商品の状態を反映して、その商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】レンタル売上利益予測システム1の概要を説明する図である。
図2】レンタル売上利益予測システム1の機能構成を示す図である。
図3】レンタル売上利益予測システム1が実行する第1取得処理のフローチャートを示す図である。
図4】コンピュータ10が記憶する商品情報/レンタル情報一覧の一例を模式的に示したものである。
図5】レンタル売上利益予測システム1が実行する配送処理のフローチャートを示す図である。。
図6】レンタル売上利益予測システム1が実行する第2取得処理のフローチャートを示す図である。
図7】第2の情報記憶モジュールが記憶する検品情報を対応付けたレンタル商品一覧の一例を模式的に示した図である。
図8】コンピュータ10が実行する売上および/または利益の予測処理のフローチャートを示す図である
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0021】
[基本概念/基本構成]
図1は、レンタル売上利益予測システム1の概要を説明するための図である。レンタル売上利益予測システム1は、少なくともコンピュータ10および保管管理システム30を含み、商品(例えば、移動体(車)、衣服、家電、日用品、家具、装飾品、宝飾品、ビジネス用品、スポーツ用品、オフィス用品、アウトドア用品、イベント用品、旅行用品、医療用品、建設工事用品、調理用品、理化学装置、幼児童用品、動力機械装置(ドローン、ロボット))を、顧客にレンタルし、返却された後の商品の状態を反映させて、その商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測システムである。なお本明細書において「顧客」とは、荷主の商品をシステムを介してレンタルする個人または法人からなる借り手であり、システムおよび商品のユーザである。
【0022】
本実施形態では、レンタル売上利益予測システム1は、コンピュータ10と、レンタルを希望する顧客が所持する顧客端末40、荷主から預かった商品を保管する倉庫32を管理するシステムであるWMS(Warehouse Management System)31、倉庫32に保管中の商品の所有者である荷主が所持する荷主端末20が、データ通信可能に接続されている。なお、倉庫32とWMS31とを合わせて、保管管理システム30という。
【0023】
レンタル売上利益予測システム1が、商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測する場合についての処理ステップについて、図1に基づいて説明する。なお、実線はデータの流れを、点線は商品の流れを示す。
初めに、倉庫32は、荷主から商品を預かり、預かった商品を保管する。倉庫32に保管された商品は、WMS31で管理される。(ステップS1)。
【0024】
次に、コンピュータ10は、ステップS1で倉庫32に保管された商品に関する商品情報、および商品のレンタルに関するレンタル情報を取得する(ステップS2)。
商品情報は、例えば、商品ID、商品名、メーカー名、型番、製造番号、年式、発売日(発売時期)、市場価格、購入価格などに関する情報である。また、レンタル情報は、個々の商品に関するレンタル履歴情報であり、例えば、レンタル回数、レンタル日数(トータルのレンタル日数)、レンタル価格、修繕回数、クリーニング回数に関する情報である。また更に、レンタルされた顧客の履歴を保有していても良い。本発明においては商品ごとに個別にレンタルされた情報の履歴が記録される。
コンピュータ10は、WMS31から商品情報を取得する。なお、コンピュータ10は、荷主端末20から商品情報を取得してもよい。また、コンピュータは、予め自身が記憶する各商品に設定されたレンタルに関する情報に基づいて、各商品のレンタル情報を取得する。なお、コンピュータ10は、WMS31または荷主端末20からレンタル情報を取得してもよい。
【0025】
コンピュータ10は、顧客端末40から商品のレンタル要求を受信すると、レンタルごとに個別にレンタルIDを発行し、倉庫32に保管している商品の配送の手配を行い、顧客(個人、法人等)に商品を配送する(ステップS3)。顧客から商品が返却されると、保管管理システム30は、倉庫32に返却された商品を保管し、商品を保管する倉庫32をWMS31で管理することで、返却された商品を保管管理する(ステップS4)。
【0026】
コンピュータ10は、返却された商品の検品情報を、WMS31から取得する(ステップS5)。
検品情報は、顧客から返却された商品の状態を検品した結果であって、例えば、レンタル発生ごとに発行するレンタルIDに紐づけし、商品ごとにかつレンタルごとに記録される情報である。具体的には、返却された商品の傷/汚れのサイズ、傷/汚れの酷さ、傷/汚れの色、動作確認に関する情報、付属品の状態(紛失の有無)などであって、作業者が目視、触接等によって、予め設定された項目を検品し、それぞれ項目ごとに規格化された数値により評価値を入力したものである。図1の検品情報には、それぞれ項目の評価値と、評価値が示す各項目の状態を示す。
【0027】
コンピュータ10は、商品情報、レンタル情報および検品情報に基づいて、レンタルされた商品について、レンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測する(ステップS6)。予測された将来の売上および/または利益は、その商品の荷主に提供する(ステップS7)。なお、必ずしも荷主に提供しなくてもよく、荷主以外に提供してもよく、その商品と同一類似の商品を預ける/預けようとしている荷主等に提供してもよい。
【0028】
商品情報、レンタル情報、および検品情報に基づいて、レンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益の予測にレンタル返却後の商品の状態および/または状況を反映させることで、精度の高い予測を行うことが可能となる。
【0029】
[機能構成]
図2に基づいて、レンタル売上利益予測システム1の機能構成について説明する。
レンタル売上利益予測システム1は、コンピュータ10を少なくとも備え、コンピュータ10が、レンタルを希望する顧客が所持する携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の顧客端末40、倉庫32を管理するシステムであるWMS31、倉庫32に保管する商品の所有者である荷主が所持する携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の荷主端末20と、公衆回線網等のネットワーク50等を介して、データ通信可能に接続されたシステムである。
レンタル売上利益予測システム1は、上述した顧客端末40、WMS31、荷主端末20、その他の端末や装置類等が含まれていても良い。この場合、レンタル売上利益予測システム1は、後述する処理を、コンピュータ10、その他の端末や装置類等の何れか又は複数の組み合わせにより実行する。
【0030】
コンピュータ10は、商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測するサーバ機能を有するコンピュータやパーソナルコンピュータである。コンピュータ10は、例えば、1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能モジュールを含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであってもよい。
【0031】
コンピュータ10は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス等を備える。
また、コンピュータ10は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリ、記憶媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。
また、コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行するデバイス、商品情報およびレンタル情報を取得する第1取得部11、レンタルする商品を顧客に配送する配送部12、検品情報を取得する第2取得部13、将来の売上および/または利益を予測する予測部14、予測部14で更なる将来の売上および/または利益を予測するために用いる情報を取得する第3取得部15等を備える。コンピュータ10の第1取得部11は、倉庫32に保管された商品に関する商品情報、および商品のレンタルに関するレンタル情報を取得する。第2取得部13は、返却された商品の検品情報を、WMS31から取得する。また、第3取得部15は、売上原価情報、販売費情報、一般管理費情報、および荷主の株価情報など、荷主の将来の売上および/または利益を予測するのに必要な、決算関連情報を取得する。
【0032】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、商品情報取得モジュール、レンタル希望取得モジュール、配送モジュール、検品情報取得モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部と協働して、第1情報記憶モジュール、第2情報記憶モジュール、第3情報記憶モジュール、学習結果記憶モジュールを実現する。
さらに、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、レンタル情報取得モジュール、商品抽出モジュール、予測基情報取得モジュール、予測モジュール、学習モジュールを実現する。
【0033】
[コンピュータ10が実行する第1取得処理]
図3に基づいて、コンピュータ10が実行する第1取得処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第1取得処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本第1取得処理は、上述した商品情報およびレンタル情報の取得処理(ステップS2)の詳細である。
【0034】
商品情報取得モジュールは、商品に関する商品情報を取得する(ステップS10)。
商品情報取得モジュールは、倉庫32に保管された商品の商品情報がWMS31から送信されたことに応じて、商品情報を取得する。WMS31は、自身が管理する倉庫32に保管した商品の商品情報を、商品を保管したことに応じてや、コンピュータ10や荷主端末20からの指示や、WMS31の管理者からの入力等に基づいて、コンピュータ10に送信する。
また、商品情報取得モジュールは、倉庫32に保管した商品の荷主の荷主端末20から、その商品の商品情報が送信されたことに応じて、商品情報を取得してもよい。なお、WMS31および荷主端末20の両方から商品情報を取得してもよい。
【0035】
レンタル情報取得モジュールは、商品のレンタルに関するレンタル情報を取得する(ステップS11)。
レンタル情報取得モジュールは、予め自身が記憶する各商品に設定されたレンタル情報を取得する。なお、レンタル情報取得モジュールは、レンタル情報をWMS31や荷主端末20から取得してもよく、この場合、WMS31や荷主端末20からレンタル情報が送信されたことに応じて取得する。WMS31や荷主端末20は、コンピュータ10からの指示や、WMS31は自身の管理者、荷主端末20は荷主から入力に応じて、コンピュータ10にレンタル情報を送信する。
【0036】
第1情報記憶モジュールは、商品情報およびレンタル情報を対応付けて記憶する(ステップS12)。
図4は、第1情報記憶モジュールが記憶する商品情報およびレンタル情報(以下、商品情報/レンタル情報一覧という)の一例を模式的に示した図である。同図において、各商品は、商品名、取得した商品情報およびレンタル情報が対応付けられている。
なお、第1情報記憶モジュールが、商品情報/レンタル情報一覧を記憶する形式は、上述したものに限らず、適宜変更可能である。
【0037】
[コンピュータ10が実行する配送処理]
図5に基づいて、コンピュータ10が実行する配送処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する配送処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本配送処理は、上述したレンタル商品の顧客への配送処理(ステップS3)の詳細である。
【0038】
レンタル希望取得モジュールは、顧客端末40から、顧客がレンタルを希望する商品の商品情報および配送先情報を取得する(ステップS20)。
顧客端末40は、顧客から、自身がレンタルを希望する商品の入力を受け付ける。顧客端末40は、例えば、レンタル可能な商品の一覧の中から、自身が希望する商品の選択の入力や、自身が希望する商品の名称等の入力を受け付ける。併せて、顧客端末40は、レンタルを希望する商品の配送先の入力を受け付ける。そして、顧客がレンタルを希望する商品の商品情報および配送先情報を、コンピュータ10に送信する。
【0039】
なお、コンピュータ10が、予め顧客の識別子と商品の配送先情報とを対応付けて登録した顧客情報データベースを有する場合には、顧客端末40は、受け付けた商品の配送先に代わり、顧客の識別子の入力を受け付けて、コンピュータ10に送信する。そして、レンタル希望取得モジュールが、受信した顧客の識別子に基づいて、顧客情報データベースを参照し、配送先情報を取得する。
【0040】
商品抽出モジュールは、顧客がレンタルを希望する商品を、第1情報記憶モジュールが記憶する商品情報/レンタル情報一覧から抽出する(ステップS21)。
商品抽出モジュールは、取得した商品情報に基づいて、第1情報記憶モジュールが記憶する商品情報/レンタル情報一覧を参照し、この商品情報に対応する商品を、商品情報/レンタル情報一覧から抽出する。商品抽出モジュールは、商品情報/レンタル情報一覧中にこの商品情報が一つのみ存在する場合、この一の商品情報に対応する商品を抽出する。また、商品抽出モジュールは、商品情報/レンタル情報一覧中にこの商品情報が複数存在する場合、任意の要件、例えばレンタル商品一覧の上にあるものを選択することや優先順位が高い荷主の商品を選択すること、等の予め設定された条件に従って、一の商品を抽出する。
【0041】
配送モジュールは、抽出した商品の商品情報および配送先情報を、WMS31に送信する(ステップS22)。
抽出した商品の商品情報および配送先情報を受信したWMS31は、倉庫32に保管されている商品の中から抽出した商品の商品情報に該当する商品を選び出し、当該商品に対するレンタルの履歴管理のためレンタルIDを作成して、配送先情報に基づいて、顧客に配送する。
【0042】
[コンピュータ10が実行する第2取得処理]
図6に基づいて、コンピュータ10が実行する第2情報取得処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第2取得処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本第2取得処理は、上述した検品情報の取得処理(ステップS4,S5)の詳細である。
【0043】
検品情報取得モジュールは、レンタルから返却された商品の状態を示す検品情報を取得する(ステップS30)。
検品情報取得モジュールは、WMS31から検品情報が送信されたことに応じて、要求された商品のレンタルIDに該当する検品情報を取得する。WMS31は、顧客にレンタルされていた商品が倉庫32に返却されたことに応じて、返却された商品のレンタルIDに対して行われた検品結果を検品情報として、コンピュータ10に送信する。
【0044】
第2情報記憶モジュールは、取得した検品情報をレンタルIDとともに商品情報/レンタル情報一覧に対応付けて記憶する(ステップS31)。
図7は、第2情報記憶モジュールが記憶する検品情報を対応付けたレンタル商品一覧の一例を模式的に示した図である。同図において、各商品は、商品名、商品情報、レンタル情報、および検品情報が対応付けられている。なお、図7において、商品情報およびレンタル情報は、図4と同一のため省略して記載している。
なお、第2情報記憶モジュールが、検品情報を対応付けた商品情報/レンタル情報一覧を記憶する形式は、上述したものに限らず、適宜変更可能である。
【0045】
[コンピュータ10が実行する予測処理]
図8に基づいて、コンピュータ10が実行する売上および/または利益の予測処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する売上および/または利益の予測処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。本予測処理は、上述したレンタル商品の顧客への予測処理(ステップS6)の詳細であり、第2情報取得処理がされた商品について行われる。
【0046】
予測基情報取得モジュールは、売上および/または利益の予測を行う商品について、予測の基となる情報である、第2情報記憶モジュールが記憶する検品情報を対応付けたレンタル商品一覧を取得する(ステップS40)。
予測基情報取得モジュールは、任意のタイミングで予測の基となる情報を取得すればよく、例えば、第2情報記憶モジュールに検品情報を対応付けたレンタル商品一覧が記憶されたことに応じて、コンピュータ10や荷主端末20からの指示に応じて、所定のタイミング(例えば、3週間ごと)に応じて、等がある。
【0047】
予測モジュールは、売上および/または利益の予測を行う商品について、取得した検品情報を対応付けたレンタル商品一覧に基づいて、レンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測する(ステップS41)。
予測モジュールが予測する将来の売上および/または利益は、将来の売上高、将来の売上総利益、将来の営業利益、将来の株価売上高倍率(PSR)、将来の株価収益率(PER)、将来の株価純資産倍率(PBR)である。但し、これらに限らなくてもよい。
予測モジュールが予測する将来の売上高、将来の売上総利益、将来の営業利益、将来の株価売上高倍率(PSR)、将来の株価収益率(PER)、将来の株価純資産倍率(PBR)それぞれについて、説明する。
【0048】
(将来の売上高予測)
予測モジュールによる、レンタルを継続した時に得られる将来の売上高の予測方法の一例を説明する。
将来の売上高は、以下の(1)式で算出できる。
将来の売上高=レンタル料金×レンタル回数 ・・・(1)
ところで、商品の返却後の状態や状況によって、予め設定したレンタル回数は変動し、また、予め設定したレンタル料金も変動することが実際には望ましい。そのため、予め設定したレンタル料金およびレンタル回数では、将来の売上高を、高い精度では予測できない。そこで、予測モジュールは、商品の返却後の状態および/または状況に基づいて、将来のレンタル回数および/または将来のレンタル料金を予測し、これらの値を用いて将来の売上高を算出することで精度の高い予測を行うことが可能となる。
【0049】
そこで、予測モジュールは、まず、将来のレンタル回数および/または将来のレンタル料金の予測を行い、その予測方法の一例を説明する。
商品の返却後の状態は、商品の耐久度合として数値化して表すことができる。
耐久度合を、検品情報を用いて算出すると、以下の(2)式となる。
消耗度合=(検品情報の各項目の数値の和)÷(検品情報の各項目の最大数値の和)
耐久度合=1-消耗度合 ・・・(2)
商品を修繕したりクリーニングしたりすることで、商品の耐久度合は回復するので、レンタル情報の修繕回数やクリーニング回数を加味すると、以下の(3)式となる。
耐久度合=1-消耗度合+修繕による回復度合×修繕回数
+クリーニングによる回復度合×クリーニング回数 ・・・(3)
なお、修繕による回復度合やクリーニングによる回復度合は、同一類似の商品について修繕やクリーニングを行った際の実績に基づいて決定されるのが望ましい。
将来のレンタル回数は、レンタル情報のレンタル回数と、商品の返却後の状態を数値化した(2)式または(3)式で得られる耐久度合とを用いると、以下の(4)式で算出できる。
将来のレンタル回数=レンタル回数×耐久度合 ・・・(4)
【0050】
一方、将来のレンタル料金も、レンタル情報のレンタル料金と、商品の返却後の状態を数値化して表した(2)式または(3)式で得られる耐久度合とから、以下の(5)式で算出できる。なお、(5)式では、耐久度合はレンタルされるごとに下がり、耐久度に応じてレンタル料金が変動するとすると仮定している。

【0051】
次に、商品の返却後の状況は、商品の人気状況である。商品の人気状況は、発売日から時間が経過するに従って低下するのが一般的であるので、商品の人気がどの程度維持されているかを示す人気維持度合として数値化して表すことができる。人気維持度合を、商品情報の発売日と予測時の日を用いて算出すると、以下の式(6)となる。
人気維持度合=(人気が0になると想定する日数-発売日から予測時の日までの日数)÷人気が0になると想定する日数 ・・・(6)
人気が0になると想定する日数には、例えば、新商品と言われなくなるまでの日数や、次の新商品が発売されるまでの日数を用いる。新商品でなくなるまたは次の新商品がでる頃には人気はかなり低下しているためである。なお、新商品と言われなくなるまでの日数や、次の新商品が発売されるまでの日数は、商品のカテゴリー、例えば、家電、車、おもちゃなど、によって異なるので、商品のカテゴリーごとに設定されるのが望ましい。
商品の人気低下の仕方は、徐々に低下する場合も、あるタイミングで急に下がる場合も、上がったり下がったりを繰り返しながら低下する場合もあるので、低下の仕方を人気維持度合に加味してもよい。
【0052】
将来のレンタル回数は、レンタル情報のレンタル回数と商品の返却後の状況を数値化で表した人気維持度合とを用いると、以下の(7)式で算出できる。
将来のレンタル回数=レンタル回数×人気維持度合い ・・・(7)
一方、将来のレンタル料金も、レンタル情報のレンタル料金と人気維持度合とから、(5)式と同様に、以下の(8)式で算出できる。


なお、将来のレンタル回数および将来のレンタル料金を、耐久度合および人気維持度合の両方を用いて算出してもよい。
【0053】
予測モジュールは、上述した式により将来のレンタル回数および/または将来のレンタル料金を算出した後、将来の売上高を予測する。将来の売上高を予測する方法として、以下の3つの場合を例示する。
1つは、予測モジュールは、レンタル料金はレンタル情報に設定されたまま固定とする場合に、将来の売上高を、以下の(9)式で算出する。
将来の売上高=レンタル料金×将来のレンタル回数 ・・・(9)
2つは、予測モジュールは、レンタル回数はレンタル情報に設定されたまま固定とする場合に、将来の売上高を、以下の(10)式で算出する。
将来の売上高=将来のレンタル料金×レンタル回数 ・・・(10)
さらに、3つとして、予測モジュールは、レンタル料金もレンタル回数も変動する場合に、将来の売上高を、以下の(11)式で算出する。
将来の売上高=将来のレンタル料金×将来のレンタル回数 ・・・(11)
【0054】
(将来の売上総利益予測)
次に、予測モジュールによる、レンタルを継続した時に得られる将来の売上総利益の予測方法の一例を説明する。
ここで、売上利益とは、売上から売上原価を差し引いた金額であり、売上総利益が大きい商品はレンタルを継続することで利益を上げられる商品であると判断することができる。ここで、売上原価情報とは、商品の仕入れや製造、提供に係った原価であり、例えば、商品購入価格、修繕費用、クリーニング費用、配送料などである。
【0055】
予測モジュールは、第3情報取得モジュールにより売上原価情報を取得し、自身が予測した将来の売上高から取得した売上原価情報を引いて、売上総利益を予測する。第3情報取得モジュールは、売上原価情報が、商品情報/レンタル情報一覧に含まれる場合には、商品情報/レンタル情報一覧から取得し、ないまたは情報が不足する場合には、荷主端末20、WMS31、またはその他の端末から取得する。
【0056】
(将来の営業利益予測)
また次に、予測モジュールによる、レンタルを継続した時に得られる将来の営業利益の予測方法の一例を説明する。
ここで営業利益は、上述した売上から売上原価、販売費および一般経費を差し引いて算出でき、営業利益が大きい商品はレンタルを継続することで儲かる商品であると判断することができる。
【0057】
予測モジュールは、第3情報取得モジュールにより売上原価情報、販売費情報および一般経費情報を取得し、自身が予測した将来の売上高から取得した売上原価情報を引いて、営業利益を予測する。第3情報取得モジュールは、売上原価情報、販売費情報および一般経費情報を、荷主端末20、WMS31、またはその他の端末から取得する。
【0058】
(将来の株価売上高倍率(PSR)予測)
さらに次に、予測モジュールによる、レンタルを継続した時に得られる将来の株価売上高倍率(PSR)の予測方法の一例を説明する。
ここで、株価売上高倍率(PSR)とは、時価総額を年間売上で割って算出される指標であり、新興企業同士の株価水準を判断する場合に使用されることなどがあり、PSRが低い商品ほど、株価が割安と判断することができる。
【0059】
予測モジュールは、第3情報取得モジュールにより荷主の株価情報を取得し、株価情報から得られた時価総額を自身が予測した将来の売上高で割って、株価売上高倍率(PSR)を予測する。第3情報取得モジュールは、荷主の株価情報を、荷主端末20、WMS31、またはその他の端末から取得する。
【0060】
(将来の株価収益率(PER)予測)
さらにまた次に、予測モジュールによる、レンタルを継続した時に得られる将来の株価収益率(PER)の予測方法の一例を説明する。
ここで、株価収益率(PER)とは、「1株当たり純利益」で、会社の最終利益である純利益を、発行済み株式数で割ったであり、株価収益率PERが低いほど会社の利益に対して株価が割安であると判断することができる。
【0061】
予測モジュールは、第3情報取得モジュールにより売上原価情報、販売費情報、および一般管理費情報、および前記荷主の株価情報を取得し、自身が予測した将来の売上高と取得した情報とに基づいて純利益を算出し、算出した純利益を株式数で割って、将来の株価収益率(PER)を予測する。第3情報取得モジュールは、売上原価情報、販売費情報、および一般管理費情報、および前記荷主の株価情報を、荷主端末20、WMS31、またはその他の端末から取得する。
【0062】
(将来の株価純資産倍率(PBR)予測)
最後に、予測モジュールによる、レンタルを継続した時に得られる将来の株価純資産倍率(PBR)の予測方法の一例を説明する。
ここで、株価純資産倍率(PBR)とは、株価を1株当たり純資産(BPS)で割ったものであって、株価が割安か割高かを判断することができる。
【0063】
予測モジュールは、第3情報取得モジュールにより売上原価情報、販売費情報、および一般管理費情報、および前記荷主の株価情報を取得し、上述した株価収益率(PER)予測で算出した純利益を純資産とみなし、荷主の株価を純資産でわることで、将来の株価純資産倍率(PBR)を予測する。第3情報取得モジュールは、売上原価情報、販売費情報、および一般管理費情報、および前記荷主の株価情報を、荷主端末20、WMS31、またはその他の端末から取得する。
【0064】
(転売価格)
予測モジュールは、レンタルに使用した商品を転売した場合も反映して、将来の売上および/または利益を予測することができる。
予測モジュールは、第3情報取得モジュールにより転売価格を取得する。ここで、転売価格とは、レンタルされていた商品を販売する際の価格である。
予測モジュールは、レンタル料金または将来のレンタル料金に基づいて、1回から上述した将来の予測レンタル回数までレンタル回数ごとに、商品のレンタルを継続した場合の将来の売上および/または利益を予測し、取得して転売価格と併せて荷主に提供する。
【0065】
また、予測モジュールは、取得した転売価格と、自身が予測した将来の売上および/または利益に基づいて、商品を転売する際に最も売上および/または利益が得られる将来のレンタル回数を予測する。
例えば、予測モジュールは、自身が予測した将来の売上および/または利益から転売価格を引いた額となるレンタル回数を予測する。将来の売上および/または利益から転売価格を引いた額となるレンタル回数以下のレンタル回数で、レンタルしていた商品を転売してしまうと、得られる売上および/または利益が、転売しなければ得られたはずの売上および/または利益よりも少なくなってしまうためである。
【0066】
以上説明したように、将来の様々な経済的な指標を算出することにより、商品のレンタルを継続するか否かを様々視点から検討することが可能となる。
【0067】
[コンピュータ10が実行する学習処理]
コンピュータ10が実行する学習処理について説明する。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。上述したレンタル処理の結果に基づいて行われる処理である。
【0068】
第3情報取得モジュールは、レンタルが継続された商品について、実際に決算等の経理処理後に得られた売上および/または利益の情報を取得する。第3情報取得モジュールは、実際に得られた売上および/または利益の情報が、WMS31や荷主端末20から送信されたことに応じて取得する。WMS31や荷主端末20は、コンピュータ10からの指示や、WMS31は自身の管理者、荷主端末20は荷主から入力に応じて、コンピュータ10にリアル情報を送信する。
【0069】
学習モジュールは、予測モジュールで予測した将来の売上および/または利益と、取得したリアル情報とを対応付けて学習する。
学習の方法は、教師あり学習、教師なし学習、強化学習等による機械学習や、畳み込みニューラルネットワーク、再起型ニューラルネットワーク、長・短期記憶等によるディープラーニング等が挙げられる。
学習結果記憶モジュールは、学習結果を記憶する。
【0070】
コンピュータ10は、上述した予測モジュールにおける将来の売上および/または利益の予測において、本学習処理による学習の結果を加味することで、予測精度を上げることが可能である。
【0071】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されてよい。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されてよい。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0073】
1 レンタル売上利益予測システム
10 コンピュータ
11 第1取得部
12 配送部
13 第2取得部
14 予測部
15 第3取得部
30 保管管理システム
31 WMS
32 倉庫
50 ネットワーク
【要約】
【課題】レンタル返却後の商品の状態を反映して、その商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測することができる
【解決手段】レンタル売上利益予測システムは、荷主から前記レンタル商品を預かって保管管理する保管管理部と、保管管理する前記レンタル商品に関する商品情報、および当該レンタル商品のレンタルに関するレンタル情報を取得する第1取得部と、レンタルするユーザ宛に、保管管理する前記レンタル商品の配送の手配を行う配送部と、レンタル終了後に、前記ユーザから返却された前記レンタル商品を受取る受取部と、受け取った前記レンタル商品を検品した検品情報を取得する第2取得部と、取得した前記商品情報、前記レンタル情報、および前記検品情報に基づいて、前記レンタル商品のレンタルを継続した時に得られる将来の売上および/または利益を予測する予測部と、を備える。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8