(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20230704BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230704BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20230704BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230704BHJP
【FI】
G02F1/13357
F21S2/00 480
G02F1/133 535
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2022085127
(22)【出願日】2022-05-25
(62)【分割の表示】P 2017198039の分割
【原出願日】2017-10-11
【審査請求日】2022-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】迫 和彦
(72)【発明者】
【氏名】原田 勉
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-203225(JP,A)
【文献】特開2009-105070(JP,A)
【文献】特開2013-149542(JP,A)
【文献】特開2013-143239(JP,A)
【文献】特開2011-243330(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0363817(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0160749(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0033001(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する表示領域を有する表示パネルと、
前記表示パネルと重なるよう設けられて前記表示領域を照明する光源部と、を備え、
輝度を個別に制御可能である複数の分割ブロックが前記光源部に設定され、
前記光源部は、第1方向に並ぶ複数の第1光源と、前記第1方向に並ぶ複数の第2光源と、前記第1方向に並ぶ複数の第3光源を有し、
前記複数の第1光源の各々と前記複数の第2光源の各々とは、前記第1方向に直交する第2方向に沿う同一直線上になく、
前記複数の第2光源の各々と前記複数の第3光源の各々とは、前記第2方向に沿う同一直線上に位置
し、
前記第2方向の一方側から他方側に向かって、前記複数の第1光源、前記複数の第2光源、前記複数の第3光源の順に並び、
前記複数の第1光源の数は、前記複数の第2光源の数及び前記複数の第3光源の数よりも多く、
前記複数の第2光源の数と前記複数の第3光源の数とは同じである、
表示装置。
【請求項2】
前記複数の第1光源が並ぶ第1列と、前記複数の第2光源が並ぶ第2列と、は前記第2方向に隣接し、
前記第2列と、前記複数の第3光源が並ぶ第3列と、は前記第2方向に隣接している、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1列に含まれる光源と、前記第2列に含まれる光源と、は千鳥配置されている、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記
複数の分割ブロックは、前記表示領域内における位置がそれぞれ異な
り、
前記複数の分割ブロックは、所定条件を満たす分割ブロックを含み、
前記所定条件は、前記第1方向に並ぶ複数の光源を有する光源列が2つ隣り合って並び、かつ、隣り合う2つの光源列を構成する光源が、前記第2方向に沿う同一直線上にないことであり、
前記所定条件を満たす分割ブロックに含まれる複数の光源列の各々が有する光源同士の前記第1方向の間隔は、同じである、
請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネル、前記表示領域及び前記光源部は、前記第1方向及び前記第2方向に沿う平面形状が矩形以外の形状である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
複数の画素を有する表示領域を有する表示パネルと、
前記表示パネルと重なるよう設けられて前記表示領域を照明する光源部と、を備え、
輝度を個別に制御可能である複数の分割ブロックが前記光源部に設定され、
前記光源部は、第1方向に並ぶ複数の第1光源と、前記第1方向に並ぶ複数の第2光源と、前記第1方向に並ぶ複数の第3光源を有し、
前記複数の第1光源の各々と前記複数の第2光源の各々とは、前記第1方向に直交する第2方向に沿う同一直線上になく、
前記複数の第2光源の各々と前記複数の第3光源の各々とは、前記第2方向に沿う同一直線上に位置し、
前記複数の第1光源が並ぶ第1列と、前記複数の第2光源が並ぶ第2列と、は前記第2方向に隣接し、
前記第2列と、前記複数の第3光源が並ぶ第3列と、は前記第2方向に隣接し、
前記複数の分割ブロックは、前記表示領域内における位置がそれぞれ異なり、
前記複数の分割ブロックは、所定条件を満たす分割ブロックを含み、
前記所定条件は、前記第1方向に並ぶ複数の光源を有する光源列が2つ隣り合って並び、かつ、隣り合う2つの光源列を構成する光源が、前記第2方向に沿う同一直線上にないことであり、
前記所定条件を満たす分割ブロックに含まれる複数の光源列の各々が有する光源同士の前記第1方向の間隔は、同じである、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示される画像の明暗に応じて、表示パネル内の異なる位置を照明する複数の光源から発せられる光の輝度を光源毎に制御可能なバックライトを備えた所謂ローカルディミングを行う表示装置が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のバックライトでは、光の輝度の制御単位である複数の光源がマトリクス状に配置されている。このような複数の光源の配置は、矩形の表示領域を照明することを想定した配置である。このため、例えば矩形以外の表示領域を照明する異形の表示パネルを用いる場合等、特許文献1のバックライトが想定していない条件下では、マトリクス状に配置された複数の光源を有する特許文献1のバックライトをそのまま採用することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、矩形に限らない任意の形の表示パネルにより対応しやすい光の輝度の制御単位を設定可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による表示装置は、複数の画素を有する表示領域を有する表示パネルと、前記表示パネルと重なるよう設けられて前記表示領域を照明する光源部と、を備え、前記光源部は、第1方向に並ぶ複数の第1光源と、前記第1方向に並ぶ複数の第2光源と、前記第1方向に並ぶ複数の第3光源を有し、前記複数の第1光源の各々と前記複数の第2光源の各々とは、前記第1方向に直交する第2方向に沿う同一直線上になく、前記複数の第2光源の各々と前記複数の第3光源の各々とは、前記第2方向に沿う同一直線上に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置の主要構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、表示パネルの平面形状の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、表示パネルに設けられている画素配列の一例を表す回路図である。
【
図4】
図4は、表示パネルと光源部との積層構造を示す模式図である。
【
図5】
図5は、光源部の平面形状の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、光源部における複数の光源の配置及び複数の分割ブロックの設定の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、信号処理部の機能構成例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、必要輝度算出部による必要輝度の算出単位を複数の論理ブロックに区切る表示領域の分割線と光源との関係を示す模式図である。
【
図9】
図9は、論理ブロックと分割ブロックとを対応付ける変換テーブルが示すデータの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、1つの分割ブロックと対応付けられた複数の論理ブロックに関する処理の流れの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、1つの論理ブロックに配置される複数の光源の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の主要構成例を示す図である。本実施形態の表示装置1は、信号処理部10、表示部20、光源部50及び光源制御回路60を備える。信号処理部10は、外部の制御装置2から入力される入力信号IPに基づいた各種の出力を行い、表示部20及び光源部50の動作を制御する。入力信号IPは、表示装置1に画像を表示出力させるためのデータとして機能する信号であり、例えばRGB画像信号である。信号処理部10は、入力信号IPに基づいて生成された出力信号OPを表示部20に出力する。また、信号処理部10は、入力信号IPが入力されると、光源部50が有する光源51(
図5参照)の各々の点灯量を制御するための光源駆動信号BLを光源制御回路60に出力する。光源制御回路60は、例えば光源部50が有する光源51を点灯させるためのドライバ回路であり、光源駆動信号BLに応じて光源部50を動作させる。
【0010】
表示部20は、表示パネル30及び表示パネル駆動部40を有する。表示パネル30は、複数の画素48が設けられた表示領域OAを有する。複数の画素48は、例えば、後述する台形状の表示パネル30の表示領域OA内においてマトリクス状に配置されている。本実施形態の表示パネル30は、液晶画像表示パネルである。
図1に示す表示パネル30の形状は実際の形状を示すものでなく、模式的な形状である。表示パネル駆動部40は、信号出力回路41及び走査回路42を有する。信号出力回路41は、出力信号OPに応じて複数の画素48を駆動する。走査回路42は、マトリクス状に配置された複数の画素48を所定行(例えば、1行)単位で走査する走査信号を出力する。画素48は、走査信号が出力されたタイミングで出力信号OPに応じた階調値の出力が行われるよう駆動される。
【0011】
図2は、表示パネル30の平面形状の一例を示す図である。本実施形態の説明では、表示パネル30の表示面に沿う一方向をX方向とし、表示パネル30の表示面に沿い、X方向に直交する方向をY方向とし、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。本実施形態の説明で単に平面形状といった場合、X-Y平面形状をさす。複数の画素48は、X方向とY方向に沿ってマトリクス状に配置されている。
【0012】
本実施形態の表示パネル30及び表示領域OAは、第1方向(例えば、X方向)及び第2方向(例えば、Y方向)に沿う平面形状が矩形以外の形状である。具体的には、表示パネル30の平面形状は、例えば
図2に示すように、台形状である。具体的には、表示パネル30は、台形の4頂点が丸みを帯びた平面形状を有する。また、本実施形態の表示パネル30は、X方向に沿う長辺30aの中央付近に設けられた窪み30cを有する。長辺30aは、表示パネル30の4辺のうち平行に設けられて対向する2辺の一方であり、他方の短辺30bより長い辺である。
図2に示す表示パネル及び表示領域OAは、例示であり、本実施形態の表示パネル及び表示領域は、
図2の形状に限定されない。
【0013】
図3は、表示パネル30に設けられている画素配列の一例を表す回路図である。表示パネル30が有する画素基板には、各副画素SPixのスイッチング素子Tr、各画素電極に画素信号を供給する信号線SGL、各スイッチング素子Trを駆動する駆動信号を供給するゲート線GCL等の配線が形成されている。複数のゲート線GCLと、これら複数の信号線SGLとは交差して設けられる。これらゲート線GCLと信号線SGLが行列状に区画されている。この1区画領域が、副画素SPixの形成されている領域である。
【0014】
表示パネル30は、マトリクス状に配列された複数の副画素SPixを有する。副画素SPixは、それぞれスイッチング素子Tr、液晶素子52及び保持容量53を備えている。副画素SPixには画素電極が設けられ、各画素電極はスイッチング素子Trに接続されている。スイッチング素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。液晶素子52は、画素電極と共通電極COMとの間で発生する液晶容量を含む。共通電極COMは、例えば表示領域OAに設けられて複数の副画素SPixで共有される板状の電極である。保持容量53は、画素電極と共通電極COMとは別の電極との間に形成される容量を用いることができる。当該別の電極は、副画素SPixで個別に設けられる。保持容量53として、容量素子を設けてもよい。
【0015】
複数のゲート線GCLは、走査回路42に接続される。走査回路42は、ゲート線GCLを順次選択する。走査回路42は、選択されたゲート線GCLを介して走査信号をスイッチング素子Trのゲートに印加する。これにより、副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)が表示駆動の対象として順次選択される。また、複数の信号線SGLは、信号出力回路41に接続される。信号出力回路41は、選択された1水平ラインを構成する副画素SPixに、信号線SGLを介して画素信号Vpixを供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じて1水平ラインずつ表示が行われる。
【0016】
表示動作を行う際、共通電極COMに対して表示駆動信号Vcomdcが印加されている。これにより、各共通電極COMは、表示動作時には画素電極の電位に対する基準電位を示す電極として機能する。画素電極と共通電極COMとの電位差に応じて液晶素子52の配向が制御されることで、各副画素SPixにおける光の透過率が制御される。
【0017】
図3に示す各副画素SPixに、例えば、R、G、Bの3色の色領域32R、32G、32Bが1組として対応付けられている。本実施形態では、3色の色領域32R、32G、32Bに対応する副画素SPixを1組として画素48が構成される。本実施形態の説明における1つの画素48を構成する副画素SPixの数及び色の組み合わせはあくまで一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。例えば、1つの画素48を構成する副画素SPixとして、白(W)の副画素SPixを設けるようにしてもよい。
【0018】
図4は、表示パネル30と光源部50との積層構造を示す模式図である。
図4は、表示パネル30の短辺30b側から見た場合の積層構造を示している。
図4に示すように、表示パネル30と光源部50とはZ方向に重なるよう設けられている。以下、光源部50と対向する側を表示パネル30の背面側とし、その反対側を表示面側とする。光源部50は、背面側から表示パネル30を照明するように光を照射する。表示パネル30は、各副画素SPixを駆動させて光源部50からの光が背面側から表示面側に透過する度合いを各副画素SPixで個別に制御することで、画像を表示する。このように、本実施形態の光源部50は、表示領域OAを照明する。
【0019】
図5は、光源部50の平面形状の一例を示す図である。光源部50の平面形状は、表示パネル30の平面形状と同様である。すなわち、
図1に示す光源部50の形状は実際の形状を示すものでない。このように、本実施形態の光源部50は、第1方向及び第2方向に沿う平面形状が矩形以外の形状である。
【0020】
図6は、光源部50における複数の光源51の配置及び複数の分割ブロックの設定の一例を示す図である。
図5及び
図6に示すように、光源部50は、複数の光源51を有する。具体的には、光源51は、例えば白色光を発する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)である。光源部50は、第1方向に複数の光源51が並ぶ光源列を有する。光源列は、第2方向に並列している。
【0021】
以下の説明では、
図6に付されたY方向の座標a,b,c,d,e,f,g,hを用いて複数の光源列を区別することがある。具体的には、光源部50の長辺50a側から短辺50b側に向かって順に、Y方向の座標a,b,c,d,e,f,g,hを付している。また、
図6では、複数の光源51がそれぞれ設けられている位置を区別する目的で、Y方向の座標を示す符号とX方向の位置を示す番号とを含む符号を複数の光源51の各々に付している。例えば、光源51a1は、Y方向の座標がaである光源列に含まれ、X方向の一端側(
図6における左側)から数えて1番目の光源51である。また、光源51b2は、Y方向の座標がbである光源列に含まれ、X方向の一端側から数えて2番目の光源51である。
図6では、同様のルールで光源51に符号が付されている。
【0022】
本実施形態では、配置に関わらず、複数の光源51の形状及び大きさは同じである。具体的には、光源51の平面形状は、例えば
図5及び
図6に示すように円状である。また、本実施形態では、座標a,b,c,d,e,f,g,hの光源列は、Y方向に等間隔に並列している。
【0023】
光源部50には、表示領域OA内における位置がそれぞれ異なる複数の分割ブロック(例えば、分割ブロックP1,P2,・・・,P22)が設定されている。
図6では、分割ブロックP1,P2,・・・,P22が設定された光源部50を例示している。
【0024】
複数の分割ブロックにはそれぞれ、1つ以上の光源51が配置されている。例えば、分割ブロックP1には、光源51a1、光源51a2、光源51b1、光源51b2が配置されている。また、分割ブロックP2には、光源51a3、光源51a4、光源51b3、光源51b4が配置されている。複数の分割ブロックは、輝度を個別に制御可能に設けられている。分割ブロック毎の輝度制御の仕組みについては後述する。
【0025】
複数の分割ブロックのうち少なくとも1つの分割ブロックでは、第1方向に並ぶ複数の光源51を有する光源列が、第1方向に交差する第2方向に少なくとも2つ並んでいる。例えば、分割ブロックP1は、座標aの光源列に含まれる光源51a1、光源51a2と、座標bの光源列に含まれる光源51b1、光源51b2とを含んでいる。すなわち、分割ブロックP1では、光源51a1と、光源51a2とがX方向に並ぶ光源列と、光源51b1と、光源51b2とがX方向に並ぶ光源列とが、Y方向に並んでいる。光源51a1と、光源51a2とがX方向に並ぶ光源列は、座標aの光源列の一部分である。光源51b1と、光源51b2とがX方向に並ぶ光源列は、座標bの光源列の一部分である。
【0026】
また、複数の分割ブロックのうち少なくとも1つの分割ブロックでは、第2方向に隣接する2つの光源列を構成する光源51が第2方向に沿う同一直線上にない。例えば、分割ブロックP1に含まれる光源51b1のX方向の位置は、光源51a1のX方向の位置と光源51a2のX方向の位置との中間位置である。具体的には、光源51a1のX方向の中心と光源51a2のX方向の中心との距離L1をX方向に2分割する分割線をY方向に沿って延出させた場合、光源51b1の中心は、当該分割線上に位置する。なお、光源51b1の中心は、光源51a1の中心とY方向においてずれていればよいので、当該分割線上に位置しなくてもよい。当該分割線と光源51a1のX方向の中心の距離L3と、当該分割線と光源51a2のX方向の中心の距離L3とは等しい。このように、本実施形態では、所定条件を満たす1つの分割ブロックにおいて第2方向に隣接する2つの光源列のうち一方の光源列が有する1つの光源51は、他方の光源列において第1方向に隣接する2つの光源51の中間位置で第1方向に直交する直線上に位置する。また、分割ブロックP1に含まれる光源51b2のX方向の位置は、光源51a2のX方向の位置に対して距離L3だけX方向の他端側(
図6における右側)にずれている。このように、本実施形態では、所定条件を満たす1つの分割ブロックにおいて第2方向に隣接する2つの光源列を構成する光源51は、千鳥状に配置されている。
【0027】
第1方向に並ぶ複数の光源51を有する光源列が、第1方向に交差する第2方向に少なくとも2つ並び、かつ、第2方向に隣接する2つの光源列を構成する光源51が第2方向に沿う同一直線上にないことを所定条件とすると、複数の分割ブロックのうち少なくとも1つは、所定条件を満たしている。
図6に示す例では、分割ブロックP1,P2,P5,P8,P9,P10,P11,P18,P19,P20,P21は、所定条件を満たしている。
【0028】
所定条件を満たす分割ブロック同士が隣接する境界線を分割ブロックの外縁として考えた場合、所定条件を満たす分割ブロックの外縁の形状は、必ずしも矩形状にならない。例えば、
図6に示すように、分割ブロックP9と、当該分割ブロックP9とX方向に隣接する分割ブロックP8及び分割ブロックP10との間の境界線は、階段状になっている。このため、
図6に示す分割ブロックP9の外縁の形状は、X方向の両端が階段状になった多角形状である。ただし、
図6に示す階段状の境界線はあくまで概念的なものであり、分割ブロックの境界線をこれに限定するものでない。例えば、分割ブロックP8と分割ブロックP9との境界線は、分割ブロックP8に含まれる光源51c3及び光源51d3と、分割ブロックP9に含まれる光源51c4及び光源51d4との間を区切る斜めの直線であってもよい。斜めの直線とは、X-Y平面上でX方向及びY方向に交差する直線である。
【0029】
上記のように、複数の光源列ではそれぞれ、第1方向に沿って複数の光源51が並んでいる。すなわち、本実施形態では、複数の分割ブロックが有する光源列のうち第1方向に隣接する2つの光源列を構成する光源51が第1方向に沿う同一直線上に位置する。具体的には、例えば
図6に示すように、1つの光源列に含まれる光源51の中心同士を結ぶ線は、X方向に沿う一直線状の直線になる。
【0030】
本実施形態では、所定条件を満たす分割ブロックに含まれる複数の光源列の各々が有する光源51同士の第1方向の間隔は、同じである。例えば、分割ブロックP1において、光源51a1と光源51a2との中心間の距離L1は、距離L1を2等分した距離L3の2倍の距離である。また、光源51b1と光源51b2との中心間の距離は、距離L3の2倍の距離である。ここで、本実施形態では複数の光源51は平面形状が同一の大きさの円である。このため、各光源列が有する複数の光源51同士のX方向の中心間距離が等しいということは、各光源列が有する複数の光源51同士のX方向の間隔が等しいということを示す。このように、分割ブロックP1において、光源51a1と、光源51a2とがX方向に並ぶ光源列と、光源51b1と、光源51b2とがX方向に並ぶ光源列は、光源51同士のX方向の間隔が同じである。
【0031】
本実施形態では、座標b,c,d,e,f,g,hの光源列の各々が有する光源51同士の第1方向の間隔は、同じである。例えば、
図6に示すように、座標bの光源列が有する光源51同士のX方向の中心間の距離は、距離L1(距離L3の2倍の距離)である。図示しないが、座標c,d,e,f,g,hの光源列の各々が有する光源51同士の第1方向の間隔も、距離L1(距離L3の2倍の距離)である。また、座標aの光源列が有する光源51同士の第1方向の間隔は、窪み50cが介在している光源51a5と光源51a6との間隔を除いて、距離L1(距離L3の2倍の距離)である。また、窪み50cが介在している光源51同士の中心間の距離(光源51a5と光源51a6の間隔)は、他の光源51同士の中心間の距離(距離L1)の整数倍(例えば、距離L1の3倍)である。
【0032】
本実施形態では、複数の分割ブロックのうち少なくとも1つは、所定条件を満たさない。
図6に示す例では、分割ブロックP3,P4,P6,P7,P12,P13,P14,P15,P16,P17,P22は、所定条件を満たしていない。具体的には、分割ブロックP3,P4,P6,P7,P12,P22では、X方向に複数の光源51が並ぶ光源列の数が2未満である。また、分割ブロックP13,P14,P15,P16,P17では、隣接する2つの光源列を構成する光源51が第2方向に沿う同一直線上にある。
【0033】
図7は、信号処理部10の機能構成例を示すブロック図である。信号処理部10は、例えば、必要輝度算出部11、バックライト点灯量計算部12、バックライト制御変換部13、輝度分布計算部14、画像処理部15等の機能を有する回路である。
【0034】
図8は、必要輝度算出部11による必要輝度の算出単位を複数の論理ブロックに区切る表示領域OAの分割線と光源51との関係を示す模式図である。必要輝度算出部11は、入力信号IPに対応する画像の表示出力を行うために必要な光の輝度を論理ブロック単位で算出する。具体的には、複数の画素を有する表示領域OAは、例えば
図8に示すように、複数の論理ブロックに区切られている。複数の論理ブロックにはそれぞれ1つ以上の画素が配置されている。必要輝度算出部11は、1つの論理ブロックに含まれる画素のうち、入力信号IPに対応する表示出力のために必要な光の輝度が最高である画素を特定する。必要輝度算出部11は、特定された画素に必要な光の輝度を、当該1つの論理ブロックに必要な光の輝度として算出する。必要輝度算出部11は、複数の論理ブロックで個別に、必要な光の輝度の算出を行う。論理ブロックと画素との関係を示すデータは、例えば必要輝度算出部11が参照可能な形式で信号処理部10内に実装されているが、これはデータの管理方法の一例であってこれに限られるものでない。論理ブロックと画素48との関係を示すデータは、例えば、制御装置2からのパラメータPMの一部として入力されてもよい。
【0035】
図8では、1つの論理ブロックと1つの光源51とが重なるように複数の論理ブロックが設定されている例を示している。
図8では、論理ブロックに付された符号と、光源51に付された符号のうち「Y方向の座標を示す符号とX方向の位置を示す番号」とを統一している。例えば、論理ブロックa1は、光源51a1と重なる。
【0036】
バックライト点灯量計算部12は、必要輝度算出部11が算出した論理ブロックに必要な光の輝度に対応する光源51の点灯量を計算する。バックライト点灯量計算部12は、複数の論理ブロックの各々と重なる光源51毎に、点灯量の計算を行う。論理ブロックに必要な光の輝度と光源51の点灯量との関係を示すデータは、例えばバックライト点灯量計算部12が参照可能な形式で信号処理部10内に実装されている。
【0037】
図9は、論理ブロックと分割ブロックとを対応付ける変換テーブルが示すデータの一例を示す図である。バックライト制御変換部13は、バックライト点灯量計算部12の計算結果に基づいて、分割ブロック単位で光源51の点灯量を制御するための光源駆動信号BLを出力する。具体的には、バックライト制御変換部13は、例えば
図9に示すような変換テーブルを参照し、論理ブロック毎に計算された光源51の点灯量をいずれかの分割ブロックの光源51の点灯量を決定するための情報として読み出す。
【0038】
例えば、
図8に示すように、光源51a1は、論理ブロックa1と重なる。光源51a2は、論理ブロックa2と重なる。光源51b1は、論理ブロックb1と重なる。光源51b2は、論理ブロックb2と重なる。また、
図6に示すように、分割ブロックP1には、光源51a1、光源51a2、光源51b1、光源51b2が配置されている。このため、
図9に示す変換テーブルでは、論理ブロックa1,a2,b1,b2と分割ブロックP1とが対応付けられている。同様の仕組みで、変換テーブルは、分割ブロックに含まれる光源51と重なる論理ブロックを当該分割ブロックと対応付ける。変換テーブルは、例えば、論理ブロックa3,a4,b3,b4と分割ブロックP2とを対応付ける。また、変換テーブルは、論理ブロックc1,d1と分割ブロックP7とを対応付ける。また、変換テーブルは、論理ブロックc2,c3,d2,d3と分割ブロックP8とを対応付ける。また、変換テーブルは、論理ブロックc4,c5,d4,d5と分割ブロックP9とを対応付ける。この他、
図9では図示しないが、変換テーブルは、論理ブロック(
図8参照)と、各論理ブロックと重なる光源51が含まれる分割ブロック(
図6参照)とを対応付ける。変換テーブルは、例えばバックライト制御変換部13が参照可能な形式で信号処理部10内に実装されている。
【0039】
本実施形態のバックライト制御変換部13は、1つの分割ブロックに含まれる複数の論理ブロックの各々と重なる複数の光源51の点灯量のうち最高の点灯量を当該1つの分割ブロックの点灯量として採用する処理を、複数の分割ブロック毎に行う。本実施形態のバックライト点灯量計算部12は、1つの分割ブロックに含まれる複数の論理ブロックの各々と重なる複数の光源51の点灯量を、当該1つの分割ブロックに含まれる複数の論理ブロックに反映する処理を、複数の分割ブロック毎に行う。以下、論理ブロックと重なる光源51の点灯量を論理ブロックの点灯量と記載することがある。
【0040】
図10は、1つの分割ブロックと対応付けられた複数の論理ブロックに関する処理の流れの一例を示す図である。
図10では、バックライト点灯量計算部12が行う論理ブロック単位での点灯量の決定処理と、バックライト制御変換部13が行う論理ブロックから分割ブロックへの変換処理及び分割ブロック単位での点灯量の決定処理との関係を例示している。
【0041】
例えば、バックライト点灯量計算部12は、ある1つの論理ブロックの点灯量を計算する(ステップS1)。バックライト制御変換部13は、変換テーブルを参照してステップS1の処理で点灯量が決定された論理ブロックと対応付けられた分割ブロックを特定する(ステップS2)。バックライト制御変換部13は、ステップS1の処理で計算した点灯量を、ステップS2の処理で特定された1つの分割ブロックの点灯量の候補値として記憶する。
【0042】
バックライト点灯量計算部12は、次の論理ブロックの点灯量を計算する(ステップS4)。バックライト制御変換部13は、変換テーブルを参照してステップS4の処理で点灯量が決定された論理ブロックと対応付けられた分割ブロックを特定する(ステップS5)。バックライト制御変換部13は、ステップS4の処理で計算した点灯量を、ステップS5の処理で特定された1つの分割ブロックの点灯量の候補値として記憶する。
【0043】
バックライト点灯量計算部12は、次の論理ブロックの点灯量を計算する(ステップS7)。バックライト制御変換部13は、変換テーブルを参照してステップS7の処理で点灯量が決定された論理ブロックと対応付けられた分割ブロックを特定する(ステップS8)。バックライト制御変換部13は、ステップS7の処理で計算した点灯量を、ステップS8の処理で特定された1つの分割ブロックの点灯量の候補値として記憶する。
【0044】
バックライト点灯量計算部12は、次の論理ブロックの点灯量を計算する(ステップS10)。バックライト制御変換部13は、変換テーブルを参照してステップS10の処理で点灯量が決定された論理ブロックと対応付けられた分割ブロックを特定する(ステップS11)。バックライト制御変換部13は、ステップS10の処理で計算した点灯量を、ステップS11の処理で特定された1つの分割ブロックの点灯量の候補値として記憶する。
【0045】
また、バックライト点灯量計算部12は、同じ1つの分割ブロックにおいて、ステップS3、ステップS6、ステップS9、ステップS12の処理により記憶された複数の点灯量の候補値を比較する。同じ1つの分割ブロックにおいて、最大値となる点灯量の候補値を当該分割ブロックの点灯量として記憶する(ステップS15)。
【0046】
上述した処理の流れについて、分割ブロックP1に含まれる論理ブロックa1,a2,b1,b2を例として、より具体的に説明する。バックライト点灯量計算部12は、論理ブロックa1の点灯量を計算する(ステップS1)。バックライト制御変換部13は、変換テーブルを参照して論理ブロックa1と対応付けられた分割ブロックP1を特定する(ステップS2)。バックライト制御変換部13は、ステップS1の処理で計算した点灯量を、ステップS2の処理で特定された分割ブロックP1の点灯量の候補値1として記憶する。
【0047】
バックライト点灯量計算部12は、次の論理ブロックa2の点灯量を計算する(ステップS4)。バックライト制御変換部13は、変換テーブルを参照して論理ブロックa2と対応付けられた分割ブロックP1を特定する(ステップS5)。バックライト制御変換部13は、ステップS4の処理で計算した点灯量を、ステップS5の処理で特定された分割ブロックP1の点灯量の候補値2として記憶する。
【0048】
バックライト点灯量計算部12は、次の論理ブロックb1の点灯量を計算する(ステップS7)。バックライト制御変換部13は、変換テーブルを参照して論理ブロックb1と対応付けられた分割ブロックP1を特定する(ステップS8)。バックライト制御変換部13は、ステップS7の処理で計算した点灯量を、ステップS8の処理で特定された分割ブロックP1の点灯量の候補値3として記憶する。
【0049】
バックライト点灯量計算部12は、次の論理ブロックb2の点灯量を計算する(ステップS10)。バックライト制御変換部13は、変換テーブルを参照して論理ブロックb2と対応付けられた分割ブロックP1を特定する(ステップS11)。バックライト制御変換部13は、ステップS10の処理で計算した点灯量を、ステップS11の処理で特定された分割ブロックP1の点灯量の候補値4として記憶する。
【0050】
また、バックライト点灯量計算部12は、同じ1つの分割ブロックP1において、ステップS3、ステップS6、ステップS9、ステップS12の処理により記憶された点灯量の複数の候補値1,2,3,4を比較する。同じ1つの分割ブロックP1において、最大値となる点灯量の候補値を当該分割ブロックの点灯量として記憶する(ステップS15)。このように、ステップS15の処理において、点灯量の複数の候補値1,2,3,4のうちより高い点灯量が論理ブロックP1の点灯量として決定される。
【0051】
バックライト点灯量計算部12は、全論理ブロックの点灯量の計算が終了していない場合(ステップS20;No)、処理をステップS1に戻す。バックライト点灯量計算部12は、全論理ブロックの点灯量の計算が終了している場合(ステップS20;Yes)、処理をステップS21に進める。
【0052】
輝度分布計算部14は、バックライト点灯量計算部12が計算して記憶した全分割ブロックの点灯量に基づいて、光源部50が表示領域OAを照明する光の輝度分布を計算する(ステップS21)。
【0053】
画像処理部15は、入力信号IPと輝度分布計算部14により計算された光の輝度分布とに基づいて、出力信号OPを出力する(ステップS22)。
【0054】
上記の例では、分割ブロックP1に含まれる論理ブロックa1,a2,b1,b2を例としたが、他の分割ブロックに含まれる論理ブロックについても同様の処理がされる。
【0055】
図10を参照して説明した処理の流れは一例であってこれに限られるものでない。例えば、ステップS6、ステップS9、ステップS12の処理において、ステップS15の処理の代わりに、バックライト点灯量計算部12は、既に記憶されている分割ブロックの点灯量の候補値よりも高い値のみを記憶するようにしてもよい。
【0056】
図7に示すように、バックライト制御変換部13は、分割ブロックの点灯量に基づいて、光源駆動信号BLの生成及び出力を行う。具体的には、バックライト制御変換部は、13論理ブロックの点灯量に基づいて決定された分割ブロックの点灯量に応じて当該分割ブロックに含まれる複数の光源51を点灯させる命令として機能する光源駆動信号BLを出力する。これによって、複数の分割ブロックは、点灯量が個別に制御される。すなわち、複数の分割ブロックは、点灯量に応じた光の輝度を個別に制御可能に設けられている。
【0057】
輝度分布計算部14は、バックライト制御変換部13によって出力される光源駆動信号BLに応じて動作する光源部50が表示領域OAを照明する光の輝度分布を計算する。輝度分布計算部14は、分割ブロック毎の点灯量と表示領域OAを照明する光の輝度分布との対応関係を示す輝度分布データを参照し、光源部50が表示領域OAを照明する光の輝度分布を計算する。輝度分布データは、予め計測又はシミュレーションにより導出されている。輝度分布データは、例えば輝度分布計算部14が参照可能な形式で信号処理部10内に実装されている。
【0058】
画像処理部15は、入力信号IPと輝度分布計算部14により計算された光の輝度分布とに基づいて、出力信号OPを出力する。具体的には、画像処理部15は、入力信号IPが示す画素の階調値と、当該画素を照明する光の輝度とに基づいて、出力信号OPにおける当該画素の階調値を決定する処理を複数の画素毎に行う。
【0059】
例えば、(R,G,B)=(255,255,255)の階調値に対応するよう制御された画素において、当該階調値通りの表示出力が得られるよう当該画素を照明する光の輝度を100[%]とする。また、画素の制御状態に関わらず、表示出力が(R,G,B)=(0,0,0)の階調値に対応する状態になる光の輝度を0[%]とする。ある画素を照明する光の輝度をn[%]とした場合、画像処理部15は、入力信号IPが示す当該画素の階調値を(100/n)倍して出力信号OPが示す当該画素の階調値とする。例えば、入力信号IPにおいて(R,G,B)=(100,100,100)の階調値である画素を照明する光の輝度が50[%]である場合、画像処理部15は、当該画素の階調値を(R,G,B)=(200,200,200)とした出力信号OPを生成し、出力する。これによって、各画素を照明する光の輝度に応じた階調値制御を行うことができる。すなわち、複数の分割ブロックの点灯量を個別に制御した条件下で、入力信号IPに対応する表示出力を得ることができる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1方向に並ぶ複数の光源51を有する光源列が、第1方向に交差する第2方向に少なくとも2つ並び、かつ、第2方向に隣接する2つの光源列を構成する光源51が第2方向に沿う同一直線上にない分割ブロックを含む複数の分割ブロック単位で輝度を個別に制御可能とすることができる。このため、マトリクス状の光源51の配置に限定されないより多様な形状の分割ブロック単位で輝度を個別に制御して表示パネルを照明することができる。これにより、マトリクス状の光源51の配置を単純に採用することが困難な、異形の表示パネルを照明する場合であっても、光源51の配置をより柔軟にすることができる。従って、矩形に限らない任意の形の表示パネルにより対応しやすい光の輝度の制御単位を設定することができる。
【0061】
また、複数の分割ブロックが有する光源列のうち第1方向に隣接する2つの光源列を構成する光源51は、第1方向に沿う同一直線上に位置する。このため、光源51の配置をより単純化しやすくなる。また、隣接する光源列を構成する光源51同士の第2方向の距離を統一することができる。従って、複数の光源51同士の輝度と表示領域OAを照明する輝度分布との関係をより単純化しやすくなる。
【0062】
また、所定条件を満たす分割ブロックに含まれる複数の光源列の各々が有する光源51同士の第1方向の間隔は、同じである。このため、隣接する光源51同士の距離の管理をより単純化することができる。従って、複数の光源51同士の輝度と表示領域OAを照明する輝度分布との関係をより単純化しやすくなる。
【0063】
また、所定条件を満たす1つの分割ブロックにおいて第2方向に隣接する2つの光源列を構成する光源51は、千鳥状に配置されている。このため、光源列毎の光源51の配置が不規則であるために隣接する光源列の各々で光源51同士の第1方向の間隔が大幅に異なる場合に比して、千鳥状に配置されていることで光源列毎の第1方向の光源51の位置関係がより近似した位置関係になる。従って、所定条件を満たす1つの分割ブロックにおいて、隣接する光源列の各々から発せられる光の第1方向の輝度分布を均一化しやすくなる。
【0064】
また、所定条件を満たす1つの分割ブロックにおいて第2方向に隣接する2つの光源列のうち一方の光源列が有する1つの光源51は、他方の光源列において第1方向に隣接する2つの光源51の中間位置で第1方向に直交する直線上に位置する。このため、当該2つの光源51に対する当該1つの光源51の距離を等距離にすることができる。従って、複数の光源51同士の輝度と表示領域OAを照明する輝度分布との関係をより単純化しやすくなる。
【0065】
特に、光源51がLEDである場合、1つの光源51からの光の輝度分布は同心円状になる。従って、当該2つの光源51に対する当該1つの光源51の距離を等距離にすることで、光源部50からの光の輝度分布の画一性(ユニフォーミティ)をより確保しやすくなる。さらに、当該2つの光源51同士の距離と、当該2つの光源51に対する当該1つの光源51の距離とを等距離にすることで、光の輝度分布の画一性(ユニフォーミティ)をさらに確保しやすくなる。
【0066】
また、表示パネル30、表示領域OA及び光源部50は、第1方向及び第2方向に沿う平面形状が矩形以外の形状である。このため、表示装置1を矩形以外の形状とすることができる。従って、矩形以外の表示出力面を有する筐体に収められる表示装置1の需要に対応することができる。
【0067】
また、複数の分割ブロックのうち少なくとも1つは、所定条件を満たさない。このため、所定条件に制約されることなく、より柔軟に光源51を配置することができる。
【0068】
なお、上記で説明した実施形態はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、請求の範囲を逸脱しない範囲内で、適宜変更可能である。
【0069】
図11は、1つの論理ブロックに配置される複数の光源51の配置例を示す図である。上記の実施形態では、1つの論理ブロックに1つの光源51が配置されていたが、これは一例であってこれに限られるものでない。1つの論理ブロックに配置される光源51は単一の光源51に限定されない。例えば、
図11の例1に示すように、三角形の頂点を描くように配置された3つの発光素子54を一纏まりの光源51Aとして扱ってもよい。また、1又は複数の列状に配置された複数の発光素子54を一纏まりの光源51Bとして扱ってもよい。
図11の例2では、各列に3つの発光素子54が並ぶ2列の発光素子54を一纏まりの光源51Bとして扱っている場合を例示しているが、列数及び各列の発光素子54の数は適宜変更可能である。
図11で例示する一纏まりの光源51A,51Bは、上記の実施形態における1つの光源51として取り扱うことが可能である。
【0070】
図12は、
図6とは異なる複数の分割ブロックの設定例を示す図である。
図12に示すように、光源部50Aには、所定条件を満たす分割ブロックが少なくとも2つあり、所定条件を満たす分割ブロックの各々が有する光源51の数が異なるようにしてもよい。
図12に示す例では、
図6における3つの分割ブロックP8,P9,P10に代えて、2つの分割ブロックP31,P32が設定されている点を除いて、
図6に示す例と同様である。分割ブロックP31は、座標cの光源列に含まれる光源51c2、光源51c3、光源51c4と、座標dの光源列に含まれる光源51d2、光源51d3、光源51d4とを含んでいる。分割ブロックP32は、座標cの光源列に含まれる光源51c5、光源51c6、光源51c7と、座標dの光源列に含まれる光源51d5、光源51d6、光源51d7とを含んでいる。
【0071】
このように、
図12に示す例において所定条件を満たす分割ブロックは、例えば分割ブロックP1等のように4つの光源51を有する分割ブロックと、分割ブロックP31,P32のように6つの光源51を有する分割ブロックとが混在している。すなわち、
図12に示す例では、所定条件を満たす分割ブロックが有する光源51の数が異なる。このような非統一を許容することで、分割ブロックの設定をより柔軟にすることができる。なお、所定条件を満たす分割ブロックが有する光源列の数及び各光源列が有する光源51の数は適宜変更可能である。
【0072】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0073】
1 表示装置
20 表示部
30 表示パネル
30a 長辺
30b 短辺
30c 窪み
40 表示パネル駆動部
41 信号出力回路
42 走査回路
48 画素
50 光源部
50a 長辺
50b 短辺
50c 窪み
51 光源
60 光源制御回路
OA 表示領域
P1,P2,・・・,P22,P31,P32 分割ブロック
SPix 副画素