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特許7307275絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20230704BHJP
   H03K 17/00 20060101ALI20230704BHJP
【FI】
G01R31/26 A
H03K17/00 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022520292
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 CN2020131427
(87)【国際公開番号】W WO2021104297
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】201911190671.8
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521082075
【氏名又は名称】グレート ウォール モーター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】シャン,マン
(72)【発明者】
【氏名】スー,チュンシン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,シーヤン
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-121068(JP,A)
【文献】特許第6300964(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0248646(US,A1)
【文献】特開2011-29818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/26
G01R 31/00
G01R 19/165
H03K 17/00
H03K 17/08
H03K 17/56
H02M 1/00
H02M 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路であって、
信号入力装置の入力信号を整形するためのパルス整形回路であって、前記入力信号がハイレベルである場合、ハイレベルの第一方形波信号及びローレベルの第二方形波信号を出力し、前記入力信号がローレベルである場合、ローレベルの第一方形波信号及びハイレベルの第二方形波信号を出力するパルス整形回路と、
前記第一方形波信号がハイレベルである場合、第一所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、かつ前記第一所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい場合、ローレベルを出力し、前記第二方形波信号がハイレベルである場合、第二所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、かつ前記第二所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい場合、ローレベルを出力するための比較回路と、
前記比較回路がローレベルを出力する場合、ゲート故障信号を出力するための故障出力回路と、を含む
ことを特徴とする絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路。
【請求項2】
前記比較回路が、
前記第一方形波信号がハイレベルである場合にオンになるための第一トランジスタと、
前記第二方形波信号がハイレベルである場合にオンになるための第二トランジスタと、
前記第一トランジスタに接続され、前記第一トランジスタがオンになる時、前記第一所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較するための第一コンパレータと、
前記第二トランジスタに接続され、前記第二トランジスタがオンになる時、前記第二所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較するための第二コンパレータと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路。
【請求項3】
前記信号入力装置と前記パルス整形回路との間に接続され、前記入力信号を光電分離するためのフォトカプラ分離回路をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路。
【請求項4】
前記パルス整形回路と前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタとの間に接続され、前記第一方形波信号を増幅して前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタを駆動するためのパルス増幅回路をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路。
【請求項5】
前記比較回路に接続され、電源の電圧を前記第一所定の電圧及び前記第二所定の電圧に変換するための分圧回路をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路。
【請求項6】
検出電源回路をさらに含み、
該検出電源回路は、負極が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートに接続され、正極が前記比較回路に接続されるダイオードと、一端が前記ダイオードの正極に接続され、他端が電源の正電源出力端に接続される第一抵抗と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路。
【請求項7】
前記電源が+15Vの正電源及び-5Vの負電源を出力する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路。
【請求項8】
前記第一所定の電圧は7.5Vであり、前記第二所定の電圧は-2.5Vである
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路。
【請求項9】
前記比較回路が、
前記第一方形波信号がハイレベルである場合、前記第一所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい場合、ハイレベルを出力し、
前記第二方形波信号がハイレベルである場合、前記第二所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい場合、ハイレベルを出力する、ために用いられる
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路。
【請求項10】
前記故障出力回路はさらに前記比較回路がハイレベルを出力する場合、故障信号を出力しないために用いられる
ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路。
【請求項11】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出方法であって、
パルス整形回路は信号入力装置の入力信号を整形し、かつ前記入力信号がハイレベルである場合、ハイレベルの第一方形波信号及びローレベルの第二方形波信号を出力し、前記入力信号がローレベルである場合、ローレベルの第一方形波信号及びハイレベルの第二方形波信号を出力すること、
比較回路は前記第一方形波信号がハイレベルである場合、第一所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、かつ前記第一所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい場合、ローレベルを出力し、前記第二方形波信号がハイレベルである場合、第二所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、かつ前記第二所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい場合、ローレベルを出力すること、
故障出力回路は前記比較回路がローレベルを出力する場合、ゲート故障信号を出力すること、を含む
ことを特徴とする絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出方法。
【請求項12】
前記比較回路は前記第一方形波信号がハイレベルである場合、前記第一所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい場合、ハイレベルを出力し、前記第二方形波信号がハイレベルである場合、前記第二所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい場合、ハイレベルを出力することをさらに含む
ことを特徴とする請求項11に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出方法。
【請求項13】
請求項1-10のいずれか一項に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路を含むことを特徴とする電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は2019年11月28日に提出された、出願番号が201911190671.8であり、名称が「絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本願に組み込んでいる。
【0002】
本開示は電子回路の技術分野に関し、特に絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路に関する。
【背景技術】
【0003】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)は、バイポーラトランジスタと絶縁ゲート型電界効果トランジスタで構成された複合完全制御型電圧駆動式電力半導体装置である。IGBTを適用する駆動ユニットは複数のIGBTを有し、そのうちの一つのゲートが破壊された後、他のIGBTも破壊される可能性がある。しかし現在IGBTのゲート故障を検出する技術がない。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑みて、本開示は絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路を提供することにより、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障を検出することを目的とする。
【0005】
上記目的を達成するために、本開示の技術的解決手段は以下のように実現される。
【0006】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路であって、前記回路が、信号入力装置の入力信号を整形するためのパルス整形回路であって、前記入力信号がハイレベルである場合、ハイレベルの第一方形波信号及びローレベルの第二方形波信号を出力し、前記入力信号がローレベルである場合、ローレベルの第一方形波信号及びハイレベルの第二方形波信号を出力するパルス整形回路と、前記第一方形波信号がハイレベルである場合、第一所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、かつ前記第一所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい場合、ローレベルを出力し、前記第二方形波信号がハイレベルである場合、第二所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、かつ前記第二所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい場合、ローレベルを出力するための比較回路と、前記比較回路がローレベルを出力する場合、ゲート故障信号を出力するための故障出力回路と、を含む。
【0007】
さらに、前記比較回路が、前記第一方形波信号がハイレベルである場合にオンになるための第一トランジスタと、前記第二方形波信号がハイレベルである場合にオンになるための第二トランジスタと、前記第一トランジスタに接続され、前記第一トランジスタがオンになる時、前記第一所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較するための第一コンパレータと、前記第二トランジスタに接続され、前記第二トランジスタがオンになる時、前記第二所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較するための第二コンパレータと、を含む。
【0008】
さらに、該回路が、前記信号入力装置と前記パルス整形回路との間に接続され、前記入力信号を光電分離するためのフォトカプラ分離回路をさらに含む。
【0009】
さらに、該回路が、前記パルス整形回路と前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタとの間に接続され、前記第一方形波信号を増幅して前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタを駆動するためのパルス増幅回路をさらに含む。
【0010】
さらに、該回路が、前記比較回路に接続され、電源の電圧を前記第一所定の電圧及び前記第二所定の電圧に変換するための分圧回路をさらに含む。
【0011】
さらに、該回路が、検出電源回路をさらに含み、該検出電源回路は、負極が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートに接続され、正極が前記比較回路に接続されるダイオードと、一端が前記ダイオードの正極に接続され、他端が電源の正電源出力端に接続される第一抵抗と、を含む。
【0012】
さらに、前記電源が+15Vの正電源及び-5Vの負電源を出力する。
【0013】
さらに、前記第一所定の電圧は7.5Vであり、前記第二所定の電圧は-2.5Vである。
【0014】
さらに、前記比較回路が、前記第一方形波信号がハイレベルである場合、前記第一所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい場合、ハイレベルを出力し、前記第二方形波信号がハイレベルである場合、前記第二所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい場合、ハイレベルを出力する、ために用いられる。
【0015】
さらに、前記故障出力回路はさらに前記比較回路がハイレベルを出力する場合、故障信号を出力しないために用いられる。
【0016】
従来の技術に比べて、本開示に記載された絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路は以下の利点を有する。
【0017】
パルス整形回路、比較回路及び故障出力回路を採用し、パルス整形回路によりハイ/ローレベルの第一方形波信号及びハイ/ローレベルの第二方形波信号を出力するために用いられ、かつ比較回路を採用して第一所定の電圧を絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較するか又は第二所定の電圧を絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、第一所定の電圧が絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい場合、又は第二所定の電圧が絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい場合、ローレベルを出力し、最後に故障出力回路により比較回路がローレベルを出力する場合、ゲート故障信号を出力し、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障を検出することができる。
【0018】
本開示はさらに絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出方法を提供することにより、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障を検出する。
【0019】
上記目的を達成するために、本開示の技術的解決手段は以下のように実現される。
【0020】
絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出方法であって、前記方法が、パルス整形回路は信号入力装置の入力信号を整形し、かつ前記入力信号がハイレベルである場合、ハイレベルの第一方形波信号及びローレベルの第二方形波信号を出力し、前記入力信号がローレベルである場合、ローレベルの第一方形波信号及びハイレベルの第二方形波信号を出力すること、比較回路は前記第一方形波信号がハイレベルである場合、第一所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、かつ前記第一所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい場合、ローレベルを出力し、前記第二方形波信号がハイレベルである場合、第二所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、かつ前記第二所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい場合、ローレベルを出力すること、故障出力回路は前記比較回路がローレベルを出力する場合、ゲート故障信号を出力すること、を含む。
【0021】
さらに、該方法が、前記比較回路は前記第一方形波信号がハイレベルである場合、前記第一所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい場合、ハイレベルを出力し、前記第二方形波信号がハイレベルである場合、前記第二所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい場合、ハイレベルを出力することをさらに含む。
【0022】
前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出方法の利点は前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路の利点と類似し、ここでは説明を省略する。
【0023】
本開示はさらに電気自動車を提供することにより、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障を検出する。
【0024】
上記目的を達成するために、本開示の技術的解決手段は以下のように実現される。
【0025】
前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路を含む電気自動車。
【0026】
前記電気自動車の利点は前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路の利点と類似し、ここでは説明を省略する。
【0027】
本開示の他の特徴及び利点は以下の具体的な実施形態の部分で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示の一部を構成する図面は本開示に対するさらなる理解を提供するために用いられ、本開示の例示的な実施形態及びその説明は本開示を説明するために用いられ、本開示を不当に限定するものではない。
【0029】
図1】本開示の一実施例による絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路の構造ブロック図である。
図2】本開示の別の実施例による絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路の構造ブロック図である。
図3】本開示の一実施例による絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路の模式図である。
図4】本開示の一実施例による電源の模式図である。
図5】本開示の一実施例による分圧回路の模式図である。
【符号の説明】
【0030】
1:パルス整形回路
2:比較回路
3:故障出力回路
4:フォトカプラ分離回路
5:パルス増幅回路
6:分圧回路
7:検出電源回路
【発明を実施するための形態】
【0031】
なお、衝突しない場合に、本開示における実施形態及び実施形態における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0032】
以下、本開示を実施の形態をもとに図面を参照しながら詳細に説明する。
【0033】
図1は本開示の一実施例による絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路の構成ブロック図である。図1に示すように、前記回路はパルス整形回路1、比較回路2及び故障出力回路3を含む。
【0034】
前記パルス整形回路1は信号入力装置の入力信号を整形し、かつ前記入力信号がハイレベルである場合、ハイレベルの第一方形波信号及びローレベルの第二方形波信号を出力し、前記入力信号がローレベルである場合、ローレベルの第一方形波信号及びハイレベルの第二方形波信号を出力するために用いられる。
【0035】
具体的には、信号入力装置は例えば電気自動車のモータ駆動コントローラであり、入力信号は例えば駆動板のパルス幅変調(Pulse Width Modulation、PWM)信号であるが、これに限定されない。パルス整形回路1は入力信号を方形波に整形することができ、かつ入力信号のレベル状態の異なりに基づいて、異なるレベル状態の相補的な第一方形波信号及び第二方形波信号を出力し、第一方形波信号及び第二方形波信号のレベル状態は比較回路2がどのような所定の電圧を用いて比較することに影響を与えることができる。
【0036】
前記比較回路2は前記第一方形波信号がハイレベルである場合、第一所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、かつ前記第一所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい場合、ローレベルを出力し、前記第二方形波信号がハイレベルである場合、第二所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、かつ前記第二所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい場合、ローレベルを出力するために用いられる。
【0037】
具体的には、比較回路2は二種類の所定の電圧を用いて絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較することができ、信号入力装置の入力信号のレベル状態の相違に応じて、正常な絶縁ゲートバイポーラトランジスタもオンとオフの二種類の状態があり、ゲートの電圧も異なるためである。例えば、15Vを有する外部電源の作用で、入力信号がハイレベルである場合、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧は15Vであってもよく、入力信号がローレベルである場合、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧は-5Vであってもよい。また、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートが故障する時、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧は0である。これに対して、第一所定の電圧を7.5Vに設定し、第二所定の電圧を-2.5Vに設定することにより、絶縁ゲートバイポーラトランジスタにオン及びオフの二種類の状態でのゲート故障があることを効果的に判断することができる。理解できるように、以上のデータは例示的なもの(以下同じである)に過ぎず、本開示はこれを限定せず、例えば第一所定の電圧は0より大きく15Vより小さい電圧を選択してもよく、第二所定の電圧は-5Vより大きく-2.5Vより小さい電圧を選択してもよい。
【0038】
前記故障出力回路3は前記比較回路2がローレベルを出力する時、ゲート故障信号を出力するために用いられる。
【0039】
具体的には、本開示の実施例のゲート故障は例えばゲート破壊である。故障出力回路3は比較回路2がローレベルを出力する時、ゲート故障信号を信号入力装置に出力する。
【0040】
図2は本開示の他の実施例による絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路の構成ブロック図である。図2に示すように、該回路は、前記信号入力装置と前記パルス整形回路1との間に接続され、前記入力信号を光電分離するためのフォトカプラ分離回路4と、前記パルス整形回路1と前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタとの間に接続され、前記第一方形波信号を増幅して前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタを駆動するためのパルス増幅回路5と、前記比較回路2に接続され、電源の電圧を前記第一所定の電圧及び前記第二所定の電圧に変換するための分圧回路6と、比較回路2及び絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートに接続され、比較回路2及び絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートに外部電源を供給するための検出電源回路7と、さらに含む。
【0041】
上記各部のより具体的な機能については、後に詳細な回路部品により詳述する。
【0042】
図3は本開示の一実施例による絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路の模式図である。図3に示すように、S+及びS-は、駆動基板のPWMの入力信号である。
【0043】
U1はフォトカプラ分離回路4の分離フォトカプラであり、信号分離作用を果たし、かつ電源、例えば+15Vの正電源及び-5Vの負電源に接続することができ、抵抗R1は分離フォトカプラU1の入力側の電流制限抵抗である。
【0044】
U2はパルス整形回路1のパルス整形器であり、分離フォトカプラU1の出力信号を方形波に整形し、相補的な二つの信号PH及びPLを出力する。
【0045】
U3はパルス増幅回路5のプッシュプルドライバであり、PH信号を増幅することができ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタをオンにするように駆動するために用いられる。
【0046】
抵抗Rgは絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート抵抗であり、図中のGは絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートGに接続され、VEは絶縁ゲートバイポーラトランジスタのエミッタEに接続され、抵抗Rgeは絶縁ゲートバイポーラトランジスタG、Eの両端の間に並列接続された開放防止抵抗である。
【0047】
ダイオードD1及び抵抗R3は検出電源回路7を構成し、ダイオードD1の負極は絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートに接続され、正極は比較回路2に接続され、抵抗R3の一端は前記ダイオードD1の正極に接続され、他端は電源の正電源出力端に接続され、正電源は例えば+15Vである。
【0048】
第一トランジスタQ1、第二トランジスタQ2、第一コンパレータU6及び第二コンパレータU7は比較回路2を構成する。ここで、第一トランジスタQ1は第一方形波信号PHがハイレベルである時に導通するために用いられる。第二トランジスタQ2は第二方形波信号PLがハイレベルである時に導通するために用いられる。第一コンパレータU6は第一トランジスタQ1に接続され、第一トランジスタQ1が導通する時に、第一所定の電圧(例えば7.5V)を絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、第一所定の電圧が絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい時にローレベルを出力し、第一所定の電圧が絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい時にハイレベルを出力するために用いられる。第二コンパレータU7は第二トランジスタQ2に接続され、第二トランジスタQ2が導通する時に、第二所定の電圧(例えば-2.5V)を絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、第二所定の電圧が絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい時にローレベルを出力し、第二所定の電圧が絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい時にハイレベルを出力するために用いられる。
【0049】
U5は故障出力回路3の一般的なフォトカプラであり、正電源+15Vに接続することができ、抵抗R2はフォトカプラU5の電流制限抵抗であり、比較回路2がローレベルを出力する時、ゲート故障信号GZ+及びGZ-を出力する。
【0050】
図4は本開示の一実施例による電源の模式図である。図4に示すように、U4は電源であり、電源は+15Vの正電源及び-5Vの負電源を出力することができる。コンデンサC1-C3は電源のフィルタコンデンサであり、VE端は絶縁ゲートバイポーラトランジスタのエミッタEに接続される。
【0051】
図5は本開示の一実施例による分圧回路の模式図である。図5に示すように、分圧回路6は電源から出力された+15Vの正電源及び-5Vの負電源を受信し、かつR4-R7により分圧し、+7.5V及び-2.5Vの第一所定の電圧及び第二所定の電圧を比較回路2に出力することができる。同様に、VE端は絶縁ゲートバイポーラトランジスタのエミッタEに接続される。
【0052】
以下に本開示の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路の動作過程を詳細に説明する。
【0053】
PWM入力信号がハイレベルである場合、分離フォトカプラU1がオンにされ、第一方形波信号PHが1(ハイレベル)であり、第二方形波信号PLが0(ローレベル)であり、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートが正常である場合に電圧が15Vであり、第一トランジスタQ1がオンにされ、第二トランジスタQ2がオフにされ、第一コンパレータU6の5ピンが15Vであり、第一所定の電圧である7.5Vが15Vより小さく、第一コンパレータU6の1ピン出力がハイレベルであり、第二コンパレータU7の1ピン出力が遮断され、フォトカプラU5がオフにされ、故障信号が出力されない。この時に絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートが破壊されると、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート電圧がVE(0V)に低下し、第一コンパレータU6の5ピンが0Vであり、第一所定の電圧である7.5Vより小さく、第一コンパレータU6の1ピン出力がローレベルであり、フォトカプラU5がオンにされ、故障信号を出力する。
【0054】
PWM入力信号がローレベルである場合、分離フォトカプラU1がオフにされ、第一方形波信号PHが0(ローレベル)であり、第二方形波信号PLが1(ハイレベル)であり、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートが正常である場合に電圧が-5Vであり、第一トランジスタQ1がオフにされ、第二トランジスタQ2がオンにされ、第二コンパレータU7の4ピンが-5Vであり、第二所定の電圧である-2.5Vより小さく、第二コンパレータU7の1ピン出力がハイレベルであり、第一コンパレータU6の1ピン出力が遮断され、フォトカプラU5がオフにされ、故障信号が出力されない。この時に絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートが破壊されると、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート電圧がVE(0V)に上昇し、第二コンパレータU7の4ピンが0Vであり、第二所定の電圧である-2.5Vより大きく、第二コンパレータU7の1ピン出力がローレベルであり、フォトカプラU5がオンにされ、故障信号を出力する。
【0055】
本開示の絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート故障検出回路は絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートが破壊された後、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのオン又はオフにかかわらず、ゲート故障をリアルタイムに検出することができ、それによりシャットダウン等の措置をタイムリーに取り、他の絶縁ゲートバイポーラトランジスタの損傷を回避する。
【0056】
本開示はさらに絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出方法を提供し、前記方法は、パルス整形回路は信号入力装置の入力信号を整形し、かつ前記入力信号がハイレベルである場合、ハイレベルの第一方形波信号及びローレベルの第二方形波信号を出力すること、前記入力信号がローレベルである場合、ローレベルの第一方形波信号及びハイレベルの第二方形波信号を出力すること、比較回路は前記第一方形波信号がハイレベルである場合、第一所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、かつ前記第一所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい場合、ローレベルを出力すること、前記第二方形波信号がハイレベルである場合、第二所定の電圧を前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧と比較し、かつ前記第二所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい場合、ローレベルを出力すること、及び故障出力回路は前記比較回路がローレベルを出力する場合、ゲート故障信号を出力すること、を含む。
【0057】
さらに、該方法は、前記比較回路は前記第一方形波信号がハイレベルである場合、前記第一所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より小さい場合、ハイレベルを出力すること、及び前記第二方形波信号がハイレベルである場合、前記第二所定の電圧が前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲートの電圧より大きい場合、ハイレベルを出力すること、をさらに含む。
【0058】
本開示はさらに電気自動車を提供し、該電気自動車は前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲート検出回路を含む。
【0059】
以上の記載は本開示の好ましい実施形態に過ぎず、本開示を限定するものではなく、本開示の精神及び原則内で、行われたいかなる修正、同等置換、改善等は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5