(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-03
(45)【発行日】2023-07-11
(54)【発明の名称】電子エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20230704BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20230704BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230704BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/57
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2022531373
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2020083799
(87)【国際公開番号】W WO2021105477
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-25
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アビ アウン, ワリド
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-504127(JP,A)
【文献】特表2014-525237(JP,A)
【文献】特表2019-519198(JP,A)
【文献】特表2019-531740(JP,A)
【文献】特表2014-518096(JP,A)
【文献】特表2019-504671(JP,A)
【文献】特表2016-516402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/57
A24F 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料の複数の部分を備える物品からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
エアロゾル生成材料の複数の部分を備える前記物品を受け入れるための受け部と、
前記受け部に流体的に結合された出口と、
前記物品が前記受け部に受け入れられているとき、エアロゾル生成材料の前記複数の部分のうちの1つ以上にエアロゾル化プロセスを行うように構成された少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素と、
前記エアロゾル生成構成要素を制御するための制御回路とを具備し、
前記制御回路が、前記少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素に、前記出口からエアロゾル生成材料のそれぞれの部分までの距離に基づいて、エアロゾル生成材料の前記それぞれの部分からある量のエアロゾルを生成させるように構成された、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記制御回路が、前記出口からエアロゾル生成材料の前記それぞれの部分までの距離にかかわらず、実質的に一定の量のエアロゾルが前記出口を通過するように、エアロゾル生成材料の前記それぞれの部分からある量のエアロゾルを生成するように構成された、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記制御回路が、前記エアロゾル生成構成要素に、エアロゾル生成材料の前記それぞれの部分の配置が前記出口から離れるほど、エアロゾル生成材料の前記それぞれの部分からより多くの量のエアロゾルを生成させるように構成された、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記制御回路が、前記エアロゾル生成構成要素に、前記出口から前記エアロゾル生成材料の前記部分までの距離の関数に基づいて、エアロゾル生成材料の前記部分からある量のエアロゾルを生成させるように構成された、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素が、エアロゾル生成材料の前記部分を加熱するように配置された少なくとも1つの加熱要素である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記制御回路が、前記出口からエアロゾル生成材料の前記それぞれの部分までの距離に基づいて、前記少なくとも1つの加熱要素の動作温度を設定するように構成された、請求項5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記制御回路が、前記出口により近い前記加熱要素の動作温度を、前記出口からより遠い前記加熱要素の動作温度より低く設定するように構成された、請求項6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記制御回路が、前記出口からエアロゾル生成材料の前記それぞれの部分までの距離に基づいて、前記少なくとも1つの加熱要素の加熱時間を設定するように構成された、請求項5~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
エアロゾル生成材料の前記部分が、前記受け部に受け入れられているとき、前記出口に対してN×Mの配列に配置され、前記制御回路が、前記エアロゾル生成構成要素にX個の異なる量のエアロゾルを生成させるように構成され、Xが、
【数1】
に従って決定される、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素が、N×Mの配列に配置された複数のエアロゾル生成構成要素を備え、前記制御回路が、前記複数のエアロゾル生成構成要素の前記それぞれに、X個の異なる電力レベルのうちの1つで動作させるように構成され、Xが、
【数2】
に従って決定される、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスを具備し、エアロゾル生成材料の複数の部分を備える物品をさらに具備するエアロゾル供給システム。
【請求項12】
エアロゾル生成材料の各部分が実質的に同じである、請求項11に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項13】
前記エアロゾル生成材料の特性が、前記エアロゾル生成材料が前記受け部に受け入れられているときの、前記出口からの距離に基づいて異なる、請求項11に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項14】
前記エアロゾル生成材料がアモルファス固体である、請求項11~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項15】
エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾルを生成する方法であって、
エアロゾル生成材料の部分と、前記デバイスの出口であって、生成されたエアロゾルが前記出口を通って使用者によって吸引され得る、出口との間の距離を決定するステップと、
決定された前記距離に基づいて、前記エアロゾル生成材料の前記部分から生成されるエアロゾルの量を設定するステップと、
エアロゾル生成材料の前記部分からエアロゾルを生成するステップと、
を含む方法。
【請求項16】
エアロゾル生成材料の複数の部分を備える物品からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給手段であって、
エアロゾル生成材料の複数の部分を備える前記物品を受け入れるための受入手段と、
前記受入手段に流体的に結合された出口手段と、
前記物品が前記受入手段に受け入れられているとき、エアロゾル生成材料の前記複数の部分のうちの1つ以上にエアロゾル化プロセスを行うように構成された少なくとも1つのエアロゾル生成手段と、
前記エアロゾル生成手段を制御するための制御手段と、
を具備し、
前記制御手段が、前記少なくとも1つのエアロゾル生成手段に、前記出口手段からエアロゾル生成材料のそれぞれの部分までの距離に基づいて、エアロゾル生成材料の前記それぞれの部分からある量のエアロゾルを生成させるように構成された、エアロゾル供給手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非燃焼性エアロゾル供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ(eシガレット)などの電子エアロゾル供給システムは一般に、典型的にはニコチンを含む配合物を含む原料液体のリザーバを含み、エアロゾルは、それから、例えば加熱気化によって生成される。したがって、エアロゾル供給システム用のエアロゾル供給源は、例えばウィッキング/毛細管作用によってリザーバから原料液体を受け取るように配置された加熱要素を有するヒーターを備えてもよい。使用者がデバイスで吸引する間、電力が加熱要素に供給されて、加熱要素の近くにある原料液体を気化して、使用者による吸引のためのエアロゾルを生成する。このようなデバイスは通常、システムの吸い口端部から離れたところに配置された1つ以上の空気入口穴を備える。使用者が、システムの吸い口端部に接続された吸い口で吸うと、空気は入口穴を通って引き込まれ、エアロゾル供給源を通過する。エアロゾル供給源と吸い口の開口との間を接続する流路があり、その結果、エアロゾル供給源を通過する空気は、エアロゾル供給源からエアロゾルの一部を運びながら、流路に沿って吸い口開口に引き込まれ続ける。エアロゾルを運ぶ空気は、使用者による吸引のための吸い口の開口を通ってエアロゾル供給システムを出る。
【0003】
他のエアロゾル供給デバイスは、タバコ又はタバコ派生物などの固体材料からエアロゾルを生成する。このようなデバイスは、上記の液体をベースにしたシステムとほぼ同様な態様で動作し、この場合、固体タバコ材料は、気化温度まで加熱されてエアロゾルを生成し、その後、使用者によって吸引される。
【0004】
ほとんどのエアロゾル供給デバイスにおいて、使用者は、各パフで同じ味がするように、及び/又は同じ所望の効果が得られるように、パフ毎の一貫した送達を求める。しかしながら、上記のデバイスはいつも一貫した送達を提供することができるとは限らない。
【0005】
これらの課題のいくつかに対処することを助けようとする様々な手法を説明する。
【発明の概要】
【0006】
特定の実施形態の第1の態様によれば、エアロゾル生成材料の部分を備える物品からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供される。本デバイスは、エアロゾル生成材料の部分を備える物品を受け入れるための受け部と、受け部に流体的に結合された出口と、物品が受け部に受け入れられているとき、エアロゾル生成材料の部分のうちの1つ以上にエアロゾル化プロセスを行うように構成された少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素と、エアロゾル生成構成要素を制御するための制御回路とを具備する。ここで、制御回路は、少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素に、出口からエアロゾル生成材料のそれぞれの部分までの距離に基づいて、エアロゾル生成材料のそれぞれの部分からある量のエアロゾルを生成させるように構成される。
【0007】
いくつかの例では、制御回路は、出口からエアロゾル生成材料のそれぞれの部分までの距離にかかわらず、実質的に一定の量のエアロゾルが出口を通過するように、エアロゾル生成材料のそれぞれの部分からある量のエアロゾルを生成するように構成される。
【0008】
いくつかの例では、制御回路は、エアロゾル生成構成要素に、エアロゾル生成材料のそれぞれの部分の配置が出口から離れるほど、エアロゾル生成材料のそれぞれの部分からより多くの量のエアロゾルを生成させるように構成される。
【0009】
いくつかの例では、制御回路は、エアロゾル生成構成要素に、出口からエアロゾル生成材料の部分までの距離の関数に基づいて、エアロゾル生成材料の部分からある量のエアロゾルを生成させるように構成される。
【0010】
いくつかの例では、少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料の部分を加熱するように配置された少なくとも1つの加熱要素である。
【0011】
いくつかの例では、制御回路は、出口からエアロゾル生成材料のそれぞれの部分までの距離に基づいて、少なくとも1つの加熱要素の動作温度を設定するように構成される。
【0012】
いくつかの例では、制御回路は、出口により近い加熱要素の動作温度を、出口からより遠い加熱要素の動作温度より低く設定するように構成される。
【0013】
いくつかの例では、制御回路は、出口からエアロゾル生成材料のそれぞれの部分までの距離に基づいて、少なくとも1つの加熱要素の加熱時間を設定するように構成される。
【0014】
いくつかの例では、エアロゾル生成材料の部分は、受け部に受け入れられているとき、出口に対してN×Mの配列に配置され、制御回路は、エアロゾル生成構成要素にX個の異なる量のエアロゾルを生成させるように構成される。ここで、Xは、
【数1】
に従って決定される。
【0015】
いくつかの例では、少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素は、N×Mの配列に配置された複数のエアロゾル生成構成要素を備え、制御回路は、複数のエアロゾル生成構成要素のそれぞれに、X個の異なる電力レベルのうちの1つで動作させるように構成される。ここで、Xは、
【数2】
に従って決定される。
【0016】
特定の実施形態の第2の態様によれば、エアロゾル供給システムが提供され、本システムは、第1の態様によるエアロゾル供給デバイスを具備し、エアロゾル生成材料の部分を備える物品をさらに具備する。
【0017】
いくつかの例では、エアロゾル生成材料の各部分は実質的に同じである。
【0018】
いくつかの例では、エアロゾル生成材料の特性は、エアロゾル生成材料が受け部に受け入れられているときの、出口からの距離に基づいて異なる。
【0019】
いくつかの例では、エアロゾル生成材料はアモルファス固体である。
【0020】
特定の実施形態の第3の態様によれば、エアロゾル生成デバイスを用いてエアロゾルを生成する方法が提供される。本方法は、エアロゾル生成材料の部分と、デバイスの出口であって、生成されたエアロゾルがこの出口を通って使用者によって吸引され得る、出口との間の距離を決定するステップと、決定された距離に基づいて、エアロゾル生成材料の部分から生成されるエアロゾルの量を設定するステップと、エアロゾル生成材料の部分からエアロゾルを生成するステップとを含む。
【0021】
特定の実施形態の第4の態様では、エアロゾル生成材料の部分を備える物品からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給手段が提供される。本手段は、エアロゾル生成材料の部分を備える物品を受け入れるための受入手段と、受入手段に流体的に結合された出口手段と、物品が受入手段に受け入れられているとき、エアロゾル生成材料の部分のうちの1つ以上にエアロゾル化プロセスを行うように構成された少なくとも1つのエアロゾル生成手段と、エアロゾル生成手段を制御するための制御手段とを具備する。ここで、制御手段は、少なくとも1つのエアロゾル生成手段に、出口手段からエアロゾル生成材料のそれぞれの部分までの距離に基づいて、エアロゾル生成材料のそれぞれの部分からある量のエアロゾルを生成させるように構成される。
【0022】
本発明の第1及び他の態様に関して上で説明した本発明の特徴及び態様は、本発明の他の態様による本発明の実施形態に等しく適用可能であり、上記の特定の組合せに限らずそれらと適宜組み合わされてもよいことは認識されよう。
【0023】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】エアロゾル供給デバイス及びエアロゾル生成品を備えるエアロゾル供給システムの概略断面図であり、デバイスは、複数の加熱要素を備え、物品は、エアロゾル生成材料の複数の部分を備える。
【
図2A】
図1のエアロゾル供給品を異なる角度から見た図である。
【
図2B】
図1のエアロゾル供給品を異なる角度から見た図である。
【
図2C】
図1のエアロゾル供給品を異なる角度から見た図である。
【
図3】
図1のエアロゾル供給デバイスの加熱要素の断面上面図である。
【
図4】エアロゾル供給システムの様々な機能を動作させるための例示的な接触感知パネルの上面図である。
【
図5】
図1のデバイスの加熱要素と出口との間の距離を示す矢印をさらに追加した
図3の複製図である。
【
図6】エアロゾル供給デバイス及びエアロゾル生成品を備えるエアロゾル供給システムの概略断面の例の図であり、デバイスは、複数の誘導作用コイルを備え、物品は、エアロゾル生成材料の複数の部分及びそれらに対応するサセプタ部分を備える。
【
図7A】
図6のエアロゾル供給品を異なる角度から見た図である。
【
図7B】
図6のエアロゾル供給品を異なる角度から見た図である。
【
図7C】
図6のエアロゾル供給品を異なる角度から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書では、特定の例及び実施形態の態様及び特徴を論じる/説明する。特定の例及び実施形態におけるいくつかの態様及び特徴は、従来から具現化されている場合もあり、それらについては、説明を簡略にするために、詳細を論じる/説明することはしない。したがって、詳細に説明しない、本明細書で論じる装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を具現化するための任意の従来技術に従って具現化することができることは認識されよう。
【0026】
本開示は、「非燃焼性」エアロゾル供給システムに関する。「非燃焼性」エアロゾル供給システムとは、使用者へのエアロゾルの送達を促進するために、エアロゾル供給システムのエアロゾル化可能材料構成物(又はその成分)を燃焼させない、又は燃やさないシステムである。さらに、当該技術分野では一般的であるように、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語、並びに「気化する」、「揮発させる」、及び「エアロゾル化する」等の関連の用語は概ね互換的に使用することができる。
【0027】
いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、ベイピング(vaping)デバイス又は電子ニコチン送達システム(END:electronic nicotine delivery system)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル化可能材料内にニコチンが存在することは必要条件ではないことに留意されたい。以下の説明全体を通して、「eシガレット」又は「電子タバコ」という用語が使用されることがあるが、この用語は、エアロゾル(蒸気)供給システムと交換可能に使用することができる。
【0028】
典型的には、非燃焼性エアロゾル供給システムは、非燃焼性エアロゾル供給デバイスと、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品(消耗品と呼ばれることもある)とを備えてもよい。しかしながら、それ自体がエアロゾル生成構成要素にパワーを与えるための手段を備える物品は、それ自体、非燃焼性エアロゾル供給システムを形成することができると考えられる。
【0029】
物品は、その一部又は全部が、使用者の使用中に消費されることが意図される。物品は、エアロゾル化可能材料を含んでもよいし、エアロゾル化可能材料のみからなってもよい。物品は、フィルター又はエアロゾル改質物質(例えば、エアロゾル改質物質の中若しくは上を通るエアロゾルに香味を加える、又はその他特性を変えるための成分)などの1つ以上の他の要素を含んでもよい。
【0030】
非燃焼性エアロゾル供給システムは、いつもというわけではないが、再使用可能なエアロゾル供給デバイス及び交換可能な物品の両方を含むモジュール式アセンブリを備えることが多い。いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、パワー源及び制御器(又は制御回路)を備えてもよい。パワー源は、例えば、バッテリー又は再充電可能なバッテリーなどの電源であってもよい。いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスはまた、エアロゾル生成構成要素を備えてもよい。しかしながら、他の実施様態では、物品が、エアロゾル生成構成要素を部分的に又は完全に備えてもよい。
【0031】
いくつかの実施様態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能材料から1つ以上の揮発成分を放出させてエアロゾルを形成するようにエアロゾル化可能材料と相互作用することができるヒーターである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、加熱することなくエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することができる。例えば、エアロゾル生成構成要素は、例えば、振動的手段、機械的手段、加圧手段、又は静電気的手段のうちの1つ以上によって、熱を加えることなくエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することができる。
【0032】
いくつかの実施様態では、ヒーターは、例えば、1つ以上のニクロム抵抗ヒーター(複数可)及び/又は1つ以上のセラミックヒーター(複数可)を含む1つ以上の電気抵抗ヒーターを備えてもよい。1つ以上のヒーターは、使用時に、エアロゾル化可能材料を備える物品が挿入又はその他配置されるチャンバを形成することができる1つ以上のサセプタを備える構成体を含む1つ以上の誘導ヒーターを備えてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、1つ以上のサセプタは、エアロゾル化可能材料に備えられてもよい。他のヒーター構成体も使用されてもよい。
【0033】
非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、一般的にエアロゾル化可能材料を備える。本明細書ではエアロゾル生成材料とも呼ばれることがあるエアロゾル化可能材料は、例えば、加熱される、照射される、又は任意の他の方法でエネルギーを加えられると、エアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル化可能材料は、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、それはニコチン及び/又は香味料を含んでもよいし含まなくてもよい。以下の開示では、エアロゾル化可能材料は、代替的に「モノリシック固体」(すなわち、非繊維状)と呼ばれることがある「アモルファス固体」を含むものとして説明される。いくつかの実施様態では、アモルファス固体は乾燥ゲルであってもよい。アモルファス固体は、その中に液体などの何らかの流体を保持することができる固体材料である。いくつかの実施様態では、エアロゾル化可能材料は、例えば、約50重量%、60重量%、又は70重量%から約90重量%、95重量%、又は100重量%までのアモルファス固体を含んでもよい。しかしながら、本開示の原理は、タバコ、再生タバコ、eリキッド等の液体などの他のエアロゾル化可能材料に適用することができることを認識すべきである。
【0034】
必要に応じて、エアロゾル化可能材料は、活性成分、キャリア成分、香料、及び1つ以上の他の機能成分のうちの任意の1つ以上を含んでもよい。
【0035】
本明細書で使用されるとき、活性成分は、生理学的反応を達成又は強化するように意図された材料である生理学的活性材料であってもよい。活性成分は、例えば、栄養補助食品、向知性薬、及び向精神薬から選択されてもよい。活性成分は、天然に存在するものでも、又は合成して得られるものでもよい。活性成分は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、ビタミン(B6又はB12又はCなど)、メラトニン、カンナビノイド、又はそれらの成分、誘導体、若しくは組合せを含んでもよい。活性成分は、タバコ、大麻、又は別の植物性材料の1つ以上の成分、誘導体、又は抽出物を含んでもよい。本明細書で説明するように、活性成分は、1つ以上のカンナビノイド又はテルペンなどの大麻の1つ以上の成分、誘導体、又は抽出物を含んでもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料又はアモルファス固体は、カンナビジオール(CBD:cannabidiol)、テトラヒドロカンナビノール(THC:tetrahydrocannabinol)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA:tetrahydrocannabinolic)、カンナビジオール酸(CBDA:cannabidiolic acid)、カンナビノール(CBN:cannabinol)、カンナビゲロール(CBG:cannabigerol)、カンナビクロメン(CBC:cannabichromene)、カンナビシクロール(CBL:cannabicyclol)、カンナビバリン(CBV:cannabivarin)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV:tetrahydrocannabivarin)、カンナビジバリン(CBDV:cannabidivarin)、カンナビクロムバリン(CBCV:cannabichromevarin)、カンナビゲロバリン(CBGV:cannabigerovarin)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM:cannabigerol monomethyl ether)、及びカンナビエルソイン(CBE:cannabielsoin)、カンナビシトラン(CBT:cannabicitran)からなる群から選択された1つ以上のカンナビノイド化合物を含む。
【0037】
エアロゾル化可能材料又はアモルファス固体は、カンナビジオール(CBD)及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)からなる群から選択された1つ以上のカンナビノイド化合物を含んでもよい。
【0038】
エアロゾル化可能材料又はアモルファス固体は、カンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
【0039】
エアロゾル化可能材料又はアモルファス固体は、ニコチン及びカンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
【0040】
エアロゾル化可能材料又はアモルファス固体は、ニコチン、カンナビジオール(CBD)、及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含んでもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、活性成分はニコチンを含む。いくつかの実施形態では、活性成分は、カフェイン、メラトニン、又はビタミンB12を含む。
【0042】
本明細書で説明するように、活性成分は、1つ以上の植物性材料、又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含んでもよい、或いはそれらに由来してもよい。本明細書で使用されるとき、「植物性材料」という用語は、限定するものではないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、殻、皮などを含む、植物に由来した任意の材料を含む。これに代えて、この材料は、植物性材料中に天然に存在する、又は合成により得られる活性化合物を含んでもよい。この材料は、液体、気体、固体、粉末、粉塵、破砕粒子、顆粒、ペレット、断片、細片、シートなどの形態であってもよい。植物性材料の例は、タバコ、ユーカリノキ、スターアニス、麻、カカオ、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ショウガ、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、甘草、抹茶、マテ、オレンジの皮、パパイヤ、バラ、セージ、茶(緑茶又は紅茶など)、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、ニワトコの花、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、ウコン、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、マルベリー、チョウセンニンジン、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はそれらの任意の組合せである。ミントは、以下のミント品種、すなわち、ヨウシュハッカ(Mentha Arventis)、グレープフルーツミント(Mentha c.v.)、エジプシャンミント(Mentha niliaca)、ペパーミント(Mentha piperita)、ライムミント(Mentha piperita citrata c.v.)、チョコレートミント(Mentha piperita c.v.)、カーリーミント(Mentha spicata crispa)、ワイルドミント(Mentha cardifolia)、ホースミント(Mentha longifolia)、パイナップルミント(Mentha suaveolens variegata)、ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)、イングリッシュスペアミント(Mentha spicata c.v.)、及びアップルミント(Mentha suaveolens)から選択されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、活性成分は、1つ以上の植物性材料、又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含み、或いはそれらに由来し、その植物性材料はタバコである。
【0044】
いくつかの実施形態では、活性成分は、1つ以上の植物性材料、又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含み、或いはそれらに由来し、その植物性物質は、ユーカリノキ、スターアニス、カカオ、及び麻から選択される。
【0045】
いくつかの実施形態では、活性成分は、1つ以上の植物性材料、又はその成分、誘導体、若しくは抽出物を含み、或いはそれらに由来し、その植物性材料は、ルイボス及びウイキョウから選択される。
【0046】
特定の実施形態では、エアロゾル化可能材料又はアモルファス固体はゲル化剤を含む。ゲル化剤は、セルロース系ゲル化剤、非セルロース系ゲル化剤、グアーガム、アカシアゴム、及びそれらの混合物から選択された1つ以上の化合物を含んでもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、セルロース系ゲル化剤は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC:carboxymethylcellulose)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC:hydroxypropyl methylcellulose)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート(CA:cellulose acetate)、セルロースアセテートブチレート(CAB:cellulose acetate butyrate)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP:cellulose acetate propionate)、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0048】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、又はアカシアゴムのうちの1つ以上を含む(又は、それらのうちの1つ以上である)。
【0049】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、限定するものではないが、寒天、キサンタンゴム、アラビアゴム、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン、デンプン、アルギン酸塩、及びそれらの組合せを含む1つ以上の非セルロース系ゲル化剤を含む(又は、それらの非セルロース系ゲル化剤である)。好ましい実施形態では、非セルロース系ゲル化剤はアルギン酸塩又は寒天である。
【0050】
エアロゾル化可能材料又はアモルファス固体は酸を含んでもよい。酸は有機酸であってもよい。これらの実施形態のいくつかでは、酸は、一塩基酸、二塩基酸、及び三塩基酸のうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかのこのような実施形態では、酸は、少なくとも1つのカルボキシル官能基を含んでもよい。いくつかのこのような実施形態では、酸は、α-ヒドロキシ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、及びケト酸のうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかのこのような実施形態では、酸はα-ケト酸であってもよい。
【0051】
いくつかのこのような実施形態では、酸は、コハク酸、乳酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、レブリン酸、酢酸、リンゴ酸、ギ酸、ソルビン酸、安息香酸、プロパン酸、及びピルビン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0052】
酸は乳酸であることが好適である。他の実施形態では、酸は安息香酸である。他の実施形態では、酸は無機酸であってもよい。これらの実施形態のいくつかでは、酸は鉱酸であってもよい。いくつかのこのような実施形態では、酸は、硫酸、塩酸、ホウ酸、及びリン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかの実施形態では、酸はレブリン酸である。
【0053】
特定の実施形態では、エアロゾル化可能材料又はアモルファス固体は、セルロース系ゲル化剤及び/又は非セルロース系ゲル化剤を含むゲル化剤、活性物質、並びに酸を含む。
【0054】
いくつかの実施様態では、エアロゾル化可能材料は香料(又は香味料)を含む。
【0055】
本明細書で使用されるとき、「香料」及び「香味料」という用語は、成人消費者用の製品において、現地の規制によって許可される場合に、所望の味、香り、又は他の体性感覚を作り出すために使用することができる材料を指す。それらは、天然に存在する香味材料、植物性材料、植物性材料の抽出物、合成して得られる材料、又はそれらの組合せ(例えば、タバコ、大麻、甘草、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インディアンスパイス、アジアンスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、ピーチ、アップル、オレンジ、マンゴー、クレメンティン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、マルベリー、柑橘類、ドランブイ(Drambuie)、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、カート(khat)、ナスワール(naswar)、キンマ(betel)、シーシャ(shisha)、パイン、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、ミント属の任意の品種から得られるミント油、ユーカリノキ、スターアニス、カカオ、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジの皮、バラ、茶(緑茶又は紅茶など)、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤、若しくは刺激剤、糖類及び/若しくは代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに他の添加剤、例えば、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性材料、又は息清涼剤を含んでもよい。それらは、模造成分、合成成分、若しくは天然成分、又はそれらのブレンドであってもよい。それらは、任意の適切な形態、例えば、液体(油など)、固体(粉末など)、又は気体であってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、香料は、メンソール、スペアミント、及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態では、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類、及び/又はレッドベリーの香味成分を含む。いくつかの実施形態では、香料はオイゲノールを含む。いくつかの実施形態では、香料は、タバコから抽出された香味成分を含む。いくつかの実施形態では、香料は、大麻から抽出された香味成分を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、香料は、嗅神経又は味覚神経に加えて、又はその代わりに、第5脳神経(三叉神経)を刺激することによって通常化学的に誘起され、知覚される体性感覚を達成することを目的とした感覚剤を含んでもよく、これらは、加熱効果、冷却効果、ひりつき効果、麻痺効果を提供する薬剤を含んでもよい。適切な熱効果剤は、限定されるものではないが、バニリルエチルエーテルであってもよく、適切な冷却剤は、限定されるものではないが、ユーカリプトール、WS-3であってもよい。
【0058】
キャリア成分は、エアロゾルを形成することができる1つ以上の成分を含んでもよい。いくつかの実施形態では、キャリア成分は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1、3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、キャリア成分は、1つ以上の多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオール、及びグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート、又はグリセロールトリアセテートなど)、及び/又はモノカルボン酸、ジカルボン酸、若しくはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル及びテトラデカン二酸ジメチルなど)を含む。
【0060】
1つ以上の他の機能成分は、pH調整剤、着色剤、保存剤、結合剤、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0061】
エアロゾル化可能材料は、キャリア支持体(又はキャリア構成要素)上に、又はその中に存在して基体を形成してもよい。キャリア支持体は、例えば、紙、カード、段ボール、厚紙、再生エアロゾル化可能材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、若しくは合金であってもよい、又はそれらを含んでもよい。
【0062】
いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は、エアロゾル化可能材料、又はエアロゾル化可能材料を受け入れるための領域を備えてもよい。いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための物品は吸い口を備えてもよい、又は、これに代えて、非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、物品と連通する吸い口を備えてもよい。エアロゾル化可能材料を受け入れるための領域は、エアロゾル化可能材料を収納するための収納領域であってもよい。例えば、この収納領域はリザーバであってもよい。
【0063】
図1は、本開示の特定の実施形態によるエアロゾル供給システム1の概略断面図である。エアロゾル供給システム1は、2つの主要な構成要素、すなわちエアロゾル供給デバイス2及びエアロゾル生成品4を備える。
【0064】
エアロゾル供給デバイス2は、外側ハウジング21、電源22、制御回路23、複数のエアロゾル生成構成要素24、受け部25、吸い口端部26、空気入口27、空気出口28、接触感知パネル29、吸引センサ30、及び使用終了表示器31を備える。
【0065】
外側ハウジング21は、任意の適切な材料、例えばプラスチック材料から形成されてもよい。外側ハウジング21は、外側ハウジング21内に電源22、制御回路23、エアロゾル生成構成要素24、受け部25、及び吸引センサ30が配置されるように構成される。外側ハウジング21はまた、以下でより詳細に説明する空気入口27及び空気出口28を画定する。接触感知パネル29及び使用終了表示器は、外側ハウジング21の外側に配置される。
【0066】
外側ハウジング21は、吸い口端部26をさらに含む。外側ハウジング21及び吸い口端部26は、単一の構成要素として形成される(すなわち、吸い口端部26は外側ハウジング21の一部を形成する)。吸い口端部26は、空気出口28を含む外側ハウジング21の領域として画定され、使用者が吸い口端部26の周りに唇を快適に置いて空気出口28と係合することができるような形状である。
図1では、外側ハウジング21の厚さは、空気出口28に向かって薄くなって、使用者の唇によってより容易に収めることができるデバイス2の相対的に薄い部分を提供する。しかしながら、他の実施様態では、吸い口端部26は、外側ハウジング21とは別個のものであるが外側ハウジング21に結合することができる取外し可能な構成要素であってもよく、それは、洗浄及び/又は別の吸い口端部26との交換のために取り外すことができる。
【0067】
電源22は、エアロゾル供給デバイス2に動作電力を供給するように構成される。電源22は、バッテリーなどの任意の適切な電源であってもよい。例えば、電源22は、リチウムイオン電池などの再充電可能なバッテリーを備えてもよい。電源22は、取外し可能であってもよいし、エアロゾル供給デバイス2の一体化した部分を形成してもよい。いくつかの実施様態では、電源22は、USBポート(図示せず)などの関連する接続ポートを介して、又は適切な無線レシーバ(図示せず)を介して、デバイス2を外部電源(主電源など)と接続することによって再充電されてもよい。
【0068】
制御回路23は、エアロゾル供給デバイスの動作を制御してエアロゾル供給デバイス2の特定の動作機能を提供するように適切に構成/プログラムされる。制御回路23は、エアロゾル供給デバイスの動作の様々な態様に関連する様々なサブユニット/回路要素を論理的に備えるように考慮されてもよい。例えば、制御回路23は、電源22の再充電を制御するための論理サブユニットを備えてもよい。これに加えて、制御回路23は、例えば、デバイス2から、又はデバイス2へのデータ転送を容易にするために通信用の論理サブユニットを備えてもよい。しかしながら、制御回路23の主要な機能は、以下でより詳細に説明するように、エアロゾル生成材料のエアロゾル化を制御することである。制御回路23の機能は、例えば、所望の機能を提供するように構成された、1つ以上の適切にプログラムされたプログラム可能なコンピュータ(複数可)、及び/又は、1つ以上の適切に構成された特定用途向け集積回路(複数可)/回路/チップ(複数可)/チップセット(複数可)を使用して、様々な異なる方法で提供することができることは認識されよう。制御回路23は、電源23に接続され、電源22から電力を受け取り、エアロゾル供給デバイス2の他の構成要素への電源供給を分配又は制御するように構成されてもよい。
【0069】
説明されている実施様態では、エアロゾル供給デバイス2は、エアロゾル生成品4を受け入れるように配置された受け部25をさらに備える。
【0070】
エアロゾル生成品4は、キャリア構成要素42及びエアロゾル生成材料44を備える。エアロゾル生成品4は、
図2A~
図2Cにさらに詳細に示される。
図2Aは、物品4の上面図であり、
図2Bは、物品4の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図であり、
図2Cは、物品4の幅方向軸線に沿った側面図である。
【0071】
物品4は、この実施様態ではカードで形成されたキャリア構成要素42を備える。キャリア構成要素42は物品4の大部分を形成し、エアロゾル生成材料44が配置される基部として機能する。
【0072】
キャリア構成要素42は、
図2A~
図2Cに示すように、長さl、幅w、及び厚さt
cを有するほぼ立方体の形状である。具体的な例として、キャリア構成要素42の長さは30~80mmであってもよく、幅は7~25mmであってもよく、厚さは0.2~1mmであってもよい。しかしながら、上記はキャリア構成要素42の例示的な寸法であり、他の実施様態では、キャリア構成要素42は、必要に応じて、異なる寸法を有してもよいことを認識すべきである。いくつかの実施様態では、キャリア構成要素42は、使用者による物品4の取り扱いを容易にするのを助けるために、キャリア構成要素42の長さ方向及び/又は幅方向に延在する1つ以上の突起を備えてもよい。
【0073】
図1及び
図2に示す例では、物品4は、キャリア構成要素42の表面に配置されたエアロゾル生成材料44の複数の個別部分を備える。より詳細には、物品4は、2×3の配列に配置された、44a~44fと符号が付けられたエアロゾル生成材料44の6つの個別部分を備える。しかしながら、他の実施様態では、これより多い若しくは少ない数の個別部分が設けられてもよく、及び/又は、これらの部分は異なる配列(例えば、1×6の配列)に配置されてもよいことを認識すべきである。図示の例では、エアロゾル生成材料44は、構成要素キャリア42の単一の表面上の離散的な別々の位置に配置される。エアロゾル生成材料44の個別部分は、円形のフットプリントを有するように示されているが、エアロゾル生成材料44の個別部分は、必要に応じて、正方形又は長方形などの任意の他のフットプリントを採り得ることを認識すべきである。エアロゾル生成材料44の個別部分は、
図2A~
図2Cに示すように、直径d及び厚さt
aを有する。厚さt
aは、任意の適切な値を採ってもよく、例えば、厚さt
aは、50μm~1.5mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態では、厚さt
aは、約50μm~約200μm、又は約50μm~約100μm、又は約60μm~約90μmであり、約77μmが適切である。他の実施形態では、厚さt
aは、200μmより厚くてもよく、例えば、約50μm~約400μm、又は~約1mm、又は~約1.5mmであってもよい。
【0074】
エアロゾル生成材料44の個別部分は、個別部分のそれぞれが個別に/選択的にエネルギーを与えられて(例えば、加熱されて)エアロゾルを生成することができるように互いから離れている。いくつかの実施様態では、エアロゾル生成材44のこれらの部分は20mg以下の質量を有してもよく、その結果、所与のエアロゾル生成品24によって、任意の1回でエアロゾル化される材料の量は比較的少ない。例えば、1つの部分の質量は、20mg以下、又は10mg以下、又は5mg以下であってもよい。もちろん、物品4の全質量は20mgより重くてもよいことは認識すべきである。
【0075】
説明されている実施様態では、エアロゾル生成材料44はアモルファス固体である。一般に、アモルファス固体は、ゲル化剤(結合剤と呼ばれることもある)及びエアロゾル生成剤(例えば、グリセロールを含む場合がある)を含んでもよい。任意選択的に、エアロゾル生成材料は、活性物質(タバコ抽出物を含んでもよい)、香味料、酸、及び充填剤のうちの1つ以上を含んでもよい。所望により他の成分も存在してもよい。適切な活性物質、香味料、酸、及び充填剤は、エアロゾル化可能材料との関連で上で説明されている。
【0076】
したがって、エアロゾル生成剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1、3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成剤は、1つ以上の多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオール、及びグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート、又はグリセロールトリアセテートなど)、及び/又はモノカルボン酸、ジカルボン酸、若しくはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル及びテトラデカン二酸ジメチルなど)を含む。
【0078】
ゲル化剤は、セルロース系ゲル化剤、非セルロース系ゲル化剤、グアーガム、アカシアガム、及びそれらの混合物から選択された1つ以上の化合物を含んでもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、セルロース系ゲル化剤は、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0080】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、又はアカシアゴムのうちの1つ以上を含む(又は、それらのうちの1つ以上である)。
【0081】
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は、限定するものではないが、寒天、キサンタンゴム、アラビアゴム、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン、デンプン、アルギン酸塩、及びそれらの組合せを含む1つ以上の非セルロース系ゲル化剤を含む(又は、それらの非セルロース系ゲル化剤である)。好ましい実施形態では、非セルロース系ゲル化剤はアルギン酸塩又は寒天である。
【0082】
エアロゾル生成材料は酸を含んでもよい。酸は有機酸であってもよい。これらの実施形態のいくつかでは、酸は、一塩基酸、二塩基酸、及び三塩基酸のうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかのこのような実施形態では、酸は、少なくとも1つのカルボキシル官能基を含んでもよい。いくつかのこのような実施形態では、酸は、α-ヒドロキシ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、及びケト酸のうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかのこのような実施形態では、酸はα-ケト酸であってもよい。
【0083】
いくつかのこのような実施形態では、酸は、コハク酸、乳酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、レブリン酸、酢酸、リンゴ酸、ギ酸、ソルビン酸、安息香酸、プロパン酸、及びピルビン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0084】
酸は乳酸であることが好適である。他の実施形態では、酸は安息香酸である。他の実施形態では、酸は無機酸であってもよい。これらの実施形態のいくつかでは、酸は鉱酸であってもよい。いくつかのこのような実施形態では、酸は、硫酸、塩酸、ホウ酸、及びリン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。いくつかの実施形態では、酸はレブリン酸である。
【0085】
特定の実施形態では、エアロゾル生成材料は、セルロース系ゲル化剤及び/又は非セルロース系ゲル化剤を含むゲル化剤、活性物質、並びに酸を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、及びカンナビエルソイン(CBE)、カンナビシトラン(CBT)からなる群から選択された1つ以上のカンナビノイド化合物を含む。
【0087】
エアロゾル生成材料は、カンナビジオール(CBD)及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)からなる群から選択された1つ以上のカンナビノイド化合物を含んでもよい。
【0088】
エアロゾル生成材料は、カンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
【0089】
エアロゾル生成材料は、ニコチン及びカンナビジオール(CBD)を含んでもよい。
【0090】
エアロゾル生成材料は、ニコチン、カンナビジオール(CBD)、及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含んでもよい。
【0091】
アモルファス固体エアロゾル化可能材料は、いくつかの電子エアロゾル供給デバイスに一般的に見られる他のタイプのエアロゾル化可能材料を超えるいくつかの利点を提供する。例えば、液体のエアロゾル化可能材料をエアロゾル化する電子エアロゾル供給デバイスと比較すると、アモルファス固体が収納されている場所から漏れる、又はその他流れる可能性は大幅に低減される。このことは、これらの構成要素が必ずしも同じ液密シールなどを使用する必要がないため、エアロゾル供給デバイス又は物品をより安価に製造することができることを意味する。
【0092】
固体エアロゾル化可能材料、例えばタバコをエアロゾル化する電子エアロゾル供給デバイスと比較すると、比較的小さな質量のアモルファス固体材料をエアロゾル化して同等の量のエアロゾルを生成する(又はエアロゾル中に同等の量の成分、例えばニコチンを提供する)ことができる。これは、アモルファス固体を、他の固体エアロゾル化可能材料(例えば、タバコ中のセルロース系材料)に見出されることがある不適切な成分を含まないように調整することができるという事実に部分的による。例えば、いくつかの実施様態では、アモルファス固体の1つの部分あたりの質量は、20mg以下、又は10mg以下、又は5mg以下である。したがって、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成構成要素に供給する電力を比較的少なくすることができ、及び/又は、エアロゾル生成構成要素は、同様のエアロゾルを生成するために比較的小さくすることができ、したがって、これは、エアロゾル供給デバイスに対するエネルギー要件を下げることができることを意味する。
【0093】
いくつかの実施形態では、アモルファス固体はタバコ抽出物を含む。これらの実施形態では、アモルファス固体は、以下の成分(乾燥重量基準(DWB:Dry Weight Basis)による)を有してもよい。すなわち、約1重量%~約60重量%、又は約10重量%~30重量%、又は約15重量%~約25重量%の量のゲル化剤(アルギン酸塩を含むことが好ましい)、約10重量%~約60重量%、又は約40重量%~55重量%、又は約45重量%~約50重量%の量のタバコ抽出物、約5重量%~約60重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約25重量%~約35重量%(DWB)の量のエアロゾル生成剤(グリセロールを含むことが好ましい)。タバコ抽出物は、単一の品種のタバコからのものであってもよいし、異なる品種のタバコからの抽出物のブレンドであってもよい。このようなアモルファス固体は、「タバコアモルファス固体」と呼ばれることがあり、エアロゾル化されたときにタバコのような体験を与えるために設計されることがある。
【0094】
一実施形態では、アモルファス固体は、約20重量%のアルギン酸ゲル化剤、約48重量%のバージニアタバコ抽出物、及び約32重量%のグリセロール(DWB)を含む。
【0095】
これらの実施形態のアモルファス固体は、任意の適切な水分含有量を有してもよい。例えば、アモルファス固体は、約5重量%~約15重量%、又は約7重量%~約13重量%、又は約10重量%の水分含有量を有してもよい。
【0096】
これらの実施形態のいずれも、アモルファス固体は、約50μm~約200μm、又は約50μm~約100μm、又は約60μm~約90μmの厚さtaを有することが好適であり、約77μmの厚さtaを有することが好適である。
【0097】
いくつかの実施様態では、アモルファス固体は、乾燥重量基準で計算された重量で、0.5~60重量%のゲル化剤、及び5~80重量%のエアロゾル生成剤を含んでもよい。このようなアモルファス固体は、香料、酸、及び活性物質を含まない場合がある。このようなアモルファス固体は、「エアロゾル生成剤リッチ」又は「エアロゾル生成剤アモルファス固体」と呼ばれることがある。より一般的には、これは、エアロゾル生成材料の一部分であるエアロゾル生成剤リッチのエアロゾル生成材料の例であり、その名が示すように、エアロゾル化されるとエアロゾル生成剤を送達するように設計されたエアロゾル生成材料の一部分である。
【0098】
これらの実施様態では、アモルファス固体は以下の成分(DWB)を有してもよい。すなわち、約5重量%~約40重量%、又は約10重量%~30重量%、又は約15重量%~約25重量%の量のゲル化剤、約10重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約25重量%~約35重量%(DWB)の量のエアロゾル生成剤。
【0099】
いくつかの他の実施様態では、アモルファス固体は、乾燥重量基準で計算された重量で、0.5~60重量%のゲル化剤、5~80重量%のエアロゾル生成剤、及び1~60重量%の香料を含んでよい。このようなアモルファス固体は香料を含むが、活性物質又は酸を含まない場合がある。このようなアモルファス固体は、「香味料リッチ」又は「香料アモルファス固体」と呼ばれることがある。より一般的には、これは、香味料リッチのエアロゾル生成材料の例であり、その名が示すように、エアロゾル化されると香味料を送達するように設計されたエアロゾル生成材料の一部分である。
【0100】
これらの実施様態では、アモルファス固体は以下の成分(DWB)を有してもよい。すなわち、約5重量%~約40重量%、又は約10重量%~30重量%、又は約15重量%~約25重量%の量のゲル化剤、約10重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約25重量%~約35重量%(DWB)の量のエアロゾル生成剤、約30重量%~約60重量%、又は約40重量%~55重量%、又は約45重量%~約50重量%の量の香料。
【0101】
いくつかの他の実施様態では、アモルファス固体は、乾燥重量基準で計算された重量で、0.5~60重量%のゲル化剤、5~80重量%のエアロゾル生成剤、及び5~60重量%の少なくとも1つの活性物質を含んでよい。このようなアモルファス固体は活性物質を含むが、香料又は酸を含まない場合がある。このようなアモルファス固体は、「活性物質リッチ」又は「活性物質アモルファス固体」と呼ばれることがある。例えば、一実施様態では、活性物質はニコチンの場合があり、したがって、ニコチンを含む上記のようなアモルファス固体は、「ニコチンアモルファス固体」と呼ばれることがある。より一般的には、これは、活性物質リッチのエアロゾル生成材料の例であり、その名が示すように、エアロゾル化されると活性物質を送達するように設計されたエアロゾル生成材料の一部分である。
【0102】
これらの実施様態では、アモルファス固体は以下の成分(DWB)を有してもよい。すなわち、約5重量%~約40重量%、又は約10重量%~30重量%、又は約15重量%~約25重量%の量のゲル化剤、約10重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約25重量%~約35重量%(DWB)の量のエアロゾル生成剤、約30重量%~約60重量%、又は約40重量%~55重量%、又は約45重量%~約50重量%の量の活性物質。
【0103】
いくつかの他の実施様態では、アモルファス固体は、乾燥重量基準で計算された重量で、0.5~60重量%のゲル化剤、5~80重量%のエアロゾル生成剤、及び0.1~10重量%の酸を含んでよい。このようなアモルファス固体は酸を含むが、活性物質又は香味料を含まない場合がある。このようなアモルファス固体は、「酸リッチ」又は「酸アモルファス固体」と呼ばれることがある。より一般的には、これは、酸リッチのエアロゾル生成材料の例であり、その名が示すように、エアロゾル化されると酸を送達するように設計されたエアロゾル生成材料の一部分である。
【0104】
これらの実施様態では、アモルファス固体は以下の成分(DWB)を有してもよい。すなわち、約5重量%~約40重量%、又は約10重量%~30重量%、又は約15重量%~約25重量%の量のゲル化剤、約10重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約25重量%~約35重量%(DWB)の量のエアロゾル生成剤、約0.1重量%~約8重量%、又は約0.5重量%~7重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約3重量%の量の酸。
【0105】
いくつかの実施様態では、アモルファス固体は着色剤を含む場合がある。着色剤を加えると、アモルファス固体の外観を変えることができる。アモルファス固体に着色剤が存在すると、アモルファス固体及びエアロゾル生成材料の外観を向上させることができる。アモルファス固体に着色剤を加えることによって、アモルファス固体は、エアロゾル生成材料の他の成分又はアモルファス固体を含む物品の他の成分の色に合わせることができる。
【0106】
いくつかの実施様態では、様々な着色剤が、アモルファス固体の所望の色に応じて使用されてもよい。アモルファス固体の色は、例えば、白、緑、赤、紫、青、茶、又は黒とすることができる。他の色もまた考えられる。天然又は合成染料、食品用着色剤、及び医薬品用着色剤などの天然又は合成の着色剤が使用されてもよい。特定の実施形態では、着色剤はカラメルであり、これはアモルファス固体に茶色の外観を与えることができる。このような実施形態では、アモルファス固体の色は、アモルファス固体を含むエアロゾル生成材料中の他の成分(タバコ材料など)の色に類似していてもよい。いくつかの実施形態では、アモルファス固体に着色剤を加えると、エアロゾル生成材料中の他の成分と視覚的に区別できなくなる。
【0107】
いくつかの実施様態では、着色剤は、アモルファス固体の形成中に(例えば、アモルファス固体を形成する材料を含むスラリーを形成するときに)組み込まれてもよいし、その形成後に(例えば、アモルファス固体に噴霧することによって)アモルファス固体に塗布されてもよい。
【0108】
物品4は、すべてが同じエアロゾル生成材料(例えば、上記のアモルファス固体のうちの1つ)から形成されたエアロゾル生成材料の複数の部分を備えてもよい。これに代えて、物品4は、少なくとも2つの部分が異なるエアロゾル生成材料(例えば、上記のアモルファス固体のうちの1つ)から形成された、エアロゾル生成材料44の複数の部分を含んでもよい。
【0109】
受け部25は、物品4を取外し可能に受け入れるのに適した大きさである。図示されていないが、デバイス2は、受け部25へのアクセスを可能にするためにヒンジ付きドア又は外側ハウジング21の取外し可能な部分を備えてもよく、その結果、使用者は、受け部25に物品4を挿入すること、及び/又は受け部25から物品4を取り外すことができる。ヒンジ付きドア又は外側ハウジング21の取外し可能な部分はまた、閉じたときに受け部25内に物品4を保持するように機能することができる。エアロゾル生成品4が使い尽くされたとき、又は使用者が単に異なるエアロゾル生成品4に切り替えることを望むとき、エアロゾル生成品4は、エアロゾル供給デバイス2から取り外され、その場所に交換のエアロゾル生成品4を受け部25に配置することができる。これに代えて、デバイス2は、受け部25と連通し、物品4を受け部25に挿入することができる永久的な開口を含んでもよい。このような実施様態では、物品4をデバイス2の受け部25内に保持するための保持機構が設けられてもよい。
【0110】
図1に見られるように、デバイス2は、いくつかのエアロゾル生成構成要素24を備える。説明されている実施様態では、エアロゾル生成構成要素24は加熱要素24であり、より詳細には、抵抗加熱要素24である。抵抗加熱要素24は、電流を受け取り、その電気エネルギーを熱に変換する。抵抗加熱要素24は、電流を受け取ると熱を生成するニクロム(Ni20Cr80)などの任意の適切な抵抗加熱材料から形成されてもよい、又はそれらを含んでもよい。一実施様態では、加熱要素24は、抵抗通路が配置された電気絶縁基板を備えてもよい。
【0111】
図3は、加熱要素24の配置をより詳細に示すエアロゾル供給デバイス2の断面上面図である。
図1及び
図3では、加熱要素24は、加熱要素24の表面が受け部25の表面の一部を形成するように配置されている。すなわち、加熱要素24の外面は、受け部の内面と面一になっている。より詳細には、受け部25の内面と面一になっている加熱要素24の外面は、加熱要素24に電流を通したときに加熱される(すなわち、その温度が上昇する)加熱要素24の表面である。
【0112】
加熱要素24は、物品4が受け部25に受け入れられたときに、各加熱要素24がエアロゾル生成材料44の対応する個別部分と位置が合うように配置される。したがって、この例では、6つの加熱要素24が、
図2A~
図2Cに示したエアロゾル生成材料44の6つの個別部分の2×3の配列の配置に大まかに対応した2×3の配列で配置されている。しかしながら、上で論じたように、加熱要素24の数は、異なる実施様態では異なっていてもよく、例えば、8、10、12、14個などの加熱要素24があってもよい。いくつかの実施様態では、加熱要素24の数は、6個以上であるが、20個以下である。
【0113】
より詳細には、加熱要素24は、
図3では24a~24fの符号が付けられており、各加熱要素24は、参照符号24/44の後の対応する文字によって示されるように、エアロゾル生成材料44の対応する部分と位置が合うように配置されていると理解すべきである。したがって、加熱要素24のそれぞれは、エアロゾル生成材料44の対応する部分を加熱するために個別に作動させることができる。
【0114】
加熱要素24は、受け部25の内面と面一に示されているが、他の実施様態では、加熱要素24は、受け部25内に突出してもよい。いずれの場合も、物品4は、受け部25内に存在するときに、加熱要素24の表面と接触し、その結果、加熱要素24によって生成された熱は、キャリア構成要素42を通ってエアロゾル生成材料44に伝導される。
【0115】
いくつかの実施様態では、熱伝達効率を改善するために、受け部は、キャリア構成要素42をヒーター要素24に押し付けるようにキャリア構成要素42の表面に力を加える構成要素を備えてもよく、以て、エアロゾル生成材料44への伝導による熱伝達効率を上昇させる。これに加えて、又はこれに代えて、ヒーター要素24は、物品4に向かう方向/物品4から離れる方向に移動するように構成されてもよく、エアロゾル生成材料44を備えないキャリア構成要素42の表面に押し付けられてもよい。
【0116】
使用時、デバイス2(より詳細には制御回路23)は、使用者の入力に応答して加熱要素24に電力を供給するように構成される。概して、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の対応する部分を加熱してエアロゾルを生成するように加熱要素24に選択的に電力を印加するように構成される。使用者がデバイス2で吸引する(すなわち、吸い口端部26で吸引する)と、空気は空気入口27を通ってデバイス2に引かれ、受け部25に入り、ここで、エアロゾル生成材料44を加熱することによって生成されたエアロゾルと混合し、次いで、空気出口28を経て使用者の口へ引かれる。すなわち、エアロゾルは、吸い口端部26及び空気出口28を通って使用者に送達される。
【0117】
図1のデバイス2は、接触感知パネル29及び吸引センサ30を含む。接触感知パネル29及び吸引センサ30は、共に、エアロゾルの生成を引き起こすために使用者の入力を受け取るための機構として機能し、したがって、より広くは、使用者入力機構と呼ばれることがある。受け取られた使用者の入力は、使用者がエアロゾルを生成したいことを示していると言える。
【0118】
接触感知パネル29は、静電容量式タッチセンサであってもよく、デバイス2の使用者が指又は別の適切な導電性の物体(例えばスタイラス)を接触感知パネルに置くことによって操作することができる。説明されている実施様態では、接触感知パネルは、エアロゾル生成を開始するために使用者が押すことができる領域を含む。制御回路23は、接触感知パネル29からの信号を受け、この信号を用いて、使用者が接触感知パネル29のこの領域を押しているかどうか(すなわち、作動させているかどうか)を判定するように構成することができる。制御回路23がこの信号を受けた場合、制御回路23は、電源22から加熱要素24のうちの1つ以上に電力を供給するように構成される。電力は、接触が検出された瞬間から予め定められた時間(例えば3秒間)供給されてもよいし、接触が検出された時間の長さに対応して供給されてもよい。他の実施様態では、接触感知パネル29は、使用者が作動することができるボタンなどに置き換えられてもよい。
【0119】
吸引センサ30は、使用者がデバイス2で吸引することによって生じる圧力の低下又は空気の流れを検出するように構成された圧力センサ又はマイクロフォン等であってもよい。吸引センサ30は、空気流路と流体連通して(すなわち、入口27と出口28との間の空気流路と流体連通して)配置される。上記と同様の態様で、制御回路23は、吸引センサからの信号を受け、この信号を用いて、使用者がエアロゾル供給システム1で吸引しているかを判定するように構成することができる。制御回路23がこの信号を受けた場合、制御回路23は、電源22から加熱要素24のうちの1つ以上に電力を供給するように構成される。電力は、吸引が検出された瞬間から予め定められた時間(例えば3秒間)供給されてもよいし、吸引が検出された時間の長さに対応して供給されてもよい。
【0120】
説明されている例では、接触感知パネル29及び吸引センサ30の両方が、吸引のためのエアロゾルの生成を開始したいと使用者が思っていることを検出する。制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30の両方からの信号が検出されたときのみ、加熱要素24に電力を供給するように構成されてもよい。これは、使用者入力機構の1つが偶発的に作動することから加熱要素24が意図せずに作動することを防止するのを助けることができる。しかしながら、他の実施様態では、エアロゾル供給システム1は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のうちの一方のみを有してもよい。
【0121】
エアロゾル供給システム1の動作のこれらの態様(すなわち、パフ検出及び接触検出)は、それ自体、確立した技法に従って(例えば、従来の吸引センサ及び吸引センサ信号処理技法を用いて、並びに、従来のタッチセンサ及びタッチセンサ信号処理技法を用いて)実行することができる。
【0122】
いくつかの実施様態では、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号を検出したことに応答して、制御回路23は、個々の加熱要素24のそれぞれに電力を順次供給するように構成される。
【0123】
より詳細には、制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方から受けた信号の検出の順序に応答して、個々の加熱要素23のそれぞれに順次電力を供給するように構成される。例えば、制御回路23は、(例えば、デバイス2のスイッチが最初に入れられたときから)信号が最初に検出されたとき、複数の加熱要素24のうちの第1の加熱要素24に電力を供給するように構成されてもよい。信号が止まると、又は信号が検出されてから予め定められた時間が経過したことに応答して、制御回路23は、第1の加熱要素24が作動された(したがって、エアロゾル生成材料44の対応する個別部分が加熱された)ことを記録する。制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの次の信号を受けたことに応答して、第2の加熱要素24を作動させることを決定する。したがって、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号を制御回路23が受けたとき、制御回路23は、第2の加熱要素24を作動させる。この処理は、残りの加熱要素24に対して繰り返され、その結果、すべての加熱要素24が順次作動させられる。
【0124】
事実上、この操作は、各吸引に対して、エアロゾル生成材料44の個別部分の異なる部分が加熱され、エアロゾルはそれから生成されることを意味する。言い換えれば、エアロゾル生成材料の単一の個別部分は、使用者の吸引ごとに加熱される。
【0125】
他の実施様態では、制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方若しくは両方からの次の信号に応答して第2の加熱要素24を作動させるべきであると決定する前に、第1の加熱要素24を複数回(例えば2回)作動させる、又は、複数の加熱要素24のそれぞれを1回作動させ、すべての加熱要素24が1回作動されたときに、次の信号が検出されると、加熱要素を順次2回目作動させるように構成されてもよい。
【0126】
このような順次作動させることは、「順次作動モード」と呼ばれることがあり、これは主に、吸引ごとに一貫したエアロゾルを送達するように設計される(これは、例えば、生成された全エアロゾル、又は送達された全成分によって測定することができる)。したがって、このモードは、エアロゾル生成品4のエアロゾル生成材料44の各部分が実質的に同一であるとき、すなわち、部分44a~44fが同じ材料から形成されているときに最も有効であり得る。
【0127】
いくつかの他の実施様態では、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号の検出に応答して、制御回路23は、加熱要素24の1つ以上に同時に電力を供給するように構成される。
【0128】
そのような実施様態では、制御回路23は、予め定められた構成に対応して、加熱要素24のうちの選択された加熱要素に電力を供給するように構成されてもよい。予め定められた構成は、使用者によって選択又は決定された構成であってもよい。例えば、接触感知パネル29は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号を制御回路23が受けたときに、加熱要素24のどれを作動させるかを使用者が個別に選択できる領域を備えてもよい。いくつかの実施様態では、使用者はまた、信号を受けたことに応答して加熱要素24に供給されるように、各加熱要素24に対する電力レベルを設定することもできる。
【0129】
図4は、そのような実施様態による接触感知パネル29の上面図である。
図4は、前述したような外側ハウジング21及び接触感知パネル29を概略的に示している。接触感知パネル29は、6つの加熱要素24のそれぞれに対応する6つの領域29a~29f、及び前述のように、使用者が吸引を開始すること、又はエアロゾルを生成することを望んでいることを示すための領域に対応する領域29gを備える。6つの領域29a~29fはそれぞれ、6つの対応する加熱要素24のそれぞれへの電力供給を制御するために使用者が触れることができる接触感知領域に対応する。説明されている実施様態では、各加熱要素24は、複数の状態、例えば、加熱要素24に電力が供給されないオフ状態、加熱要素24に第1のレベルの電力が供給される低電力状態、及び加熱要素24に、第1のレベルの電力より大きい第2のレベルの電力が供給される高電力状態を有することができる。しかしながら、他の実施様態では、これより少ない又は多い状態が、加熱要素24に利用可能であってよい。例えば、各加熱要素24は、加熱要素24に電力が供給されないオフ状態、及び加熱要素24に電力が供給されるオン状態を有してもよい。
【0130】
したがって、使用者は、エアロゾルを生成する前に、接触感知パネル29と対話することによって、どの加熱要素24(及び、それに続いてエアロゾル生成材料44のどの部分)を加熱するか(及び、任意選択的に、それらをどの程度まで加熱するか)を設定することができる。例えば、使用者は、異なる状態(例えば、オフ、低電力、高電力、オフなど)を循環させるために領域29a~29fを繰り返しタップしてもよい。これに代えて、使用者は、異なる状態を循環させるために領域29a~29fを押して保持してもよい。この場合、押されている時間が状態を決定する。
【0131】
接触感知パネル29は、それぞれの領域29a~29fごとに、加熱要素24が現在どの状態であるかを示す1つ以上の表示器を備えてもよい。例えば、接触感知パネルは、1つ以上のLED又は同様の照明要素を備えてもよく、LEDの強度は、加熱要素24の現在の状態を示す。これに代えて、カラーのLED又は同様の照明要素が設けられてもよく、色が現在の状態を示す。これに代えて、接触感知パネル29は、加熱要素24の現在の状態を表示する表示要素(例えば、透明な接触感知パネル29の下にあってもよく、又は接触感知パネル29の領域29a~29fに隣り合って設けられてもよい)を備えてもよい。
【0132】
使用者が加熱要素24の構成を設定すると、接触感知パネル29(より詳細には接触感知パネル29の領域29g)及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号の検出に応答して、制御回路23が、予め設定された構成に従って、選択された加熱要素24に電力を供給するように構成される。
【0133】
したがって、このような同時に加熱要素24を作動させることは、「同時作動モード」と呼ばれることがあり、これは主に、使用者にセッションごとに、又はパフごとでさえ、その体験のカスタマイズを可能にさせるという意図で、所与の物品4からカスタマイズ可能なエアロゾルを送達するように設計される。したがって、このモードは、エアロゾル生成品4のエアロゾル生成材料44の部分が互いに異なる場合に最も効果的であり得る。例えば、部分44a及び44bが1つの材料で形成され、部分44c及び44dが異なる材料で形成されている場合などである。したがって、この動作モードでは、使用者は、任意の所与の瞬間にどの部分をエアロゾル化するか、したがってエアロゾルのどの組合せを供給するかを選択することができる。
【0134】
同時作動モード及び順次作動モードの両方において、制御回路23は、例えば、加熱要素24のそれぞれが予め定められた回数、順次作動させられたとき、又は、所与の加熱要素24が予め定められた回数及び/若しくは所与の累積作動時間及び/若しくは所与の累積作動電力で作動させられたとき、物品4の使用の終了を示す警告信号を生成するように構成されてもよい。
図1では、デバイス2は使用終了表示器31を含み、これは、この実施様態ではLEDである。しかしながら、他の実施様態では、使用終了表示器31は、使用者に警告信号を与えることができる任意の機構を備えてもよい、すなわち、使用終了表示器31は、光学信号を送達する光学要素、音声信号を送達する音発生器、及び/又は触覚信号を送達する振動器であってもよい。いくつかの実施様態では、表示器31は、(例えば、接触感知パネルが表示要素を含む場合)接触感知パネルと組み合わせられてもよい、又は他の態様で提供されてもよい。デバイス2は、警告信号が出力されているときには、デバイス2の次の作動を妨げることができる。使用者が物品4を交換するとき、及び/又は、ボタン(図示せず)などの手動手段を介して警告信号を切ると、警告信号を切ることができ、制御回路23がリセットされる。
【0135】
より詳細には、順次作動モードが使われる実施様態では、制御回路23は、使用期間中に受け取った接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号の回数を数え、回数が予め定められた数に到達すると、物品4がその寿命の終わりに到達したと決定されるように構成されてもよい。例えば、6つのエアロゾル生成材料44の個別部分を備える物品4に対しては、予め定められた数は、目下のその実施様態に応じて、6、12、18などとすることができる。
【0136】
同時作動モードが使われる実施様態では、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の個別部分の1つ又はそれぞれが加熱される回数を数えるように構成されてもよい。例えば、制御回路23は、ニコチン含有部分が何回加熱されたかを数え、それが予め定められた数に到達すると、物品4の寿命の終わりを決定することができる。これに代えて、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の各個別部分に対して、その部分が加熱されたときに別々に数えるように構成されてもよい。各部分は、同じ又は異なる予め定められた回数を有するものとしてもよく、エアロゾル生成材料の各部分に対する回数のいずれか1つが予め定められた数に到達すると、制御回路23は、物品4の寿命の終わりを決定する。
【0137】
実施様態のいずれにおいても、制御回路23はまた、エアロゾル生成材料の部分が加熱された時間の長さ、及び/又は、エアロゾル生成材料の部分が加熱された温度を計算に入れてもよい。この点について、制御回路23は、個別の作動を数えるのではなく、エアロゾル生成材料44の各部分が受けた加熱状態を示す累積パラメータを計算するように構成されてもよい。このパラメータは、例えば、累積時間であってもよく、その材料への温度は、累積時間に加えられる時間の長さを調節するために使用される。例えば、200℃で3秒間加熱された部分は、累積時間に3秒寄与することができ、一方、250℃で3秒間加熱された部分は、累積時間に4.5秒寄与することができる。
【0138】
物品4の寿命の終わりを決定するための上記の技法は、物品4の寿命の終わりを決定する方法の網羅的なリストとして理解すべきではなく、実際には、任意の他の適切な方法が、本開示の原理に従って使用されてもよい。
【0139】
上記のエアロゾル供給システム1の実施様態では、エアロゾル生成構成要素24を使用して選択的にエアロゾル化することができる、エアロゾル生成材料44の複数の(個別)部分が設けられる。このようなエアロゾル供給システム1は、より大きな大きさの材料を加熱するように設計された他のシステムを超える利点を提供する。特に、所与の吸引に対して、エアロゾル生成材料の選択された部分(複数可)のみがエアロゾル化されることは、全体としてよりエネルギー効率の高いシステムをもたらす。
【0140】
加熱システムでは、パフごとに十分な量のエアロゾルを使用者に送達する際、いくつかのパラメータがこのシステムの全体的な有効性に影響を与える。一方では、エアロゾル生成材料の厚さは、エアロゾル生成材料が動作温度に到達する(そしてその後、エアロゾルを生成する)速さに影響するので重要である。これは、いくつかの理由で重要であるが、材料のより厚い部分を加熱する場合と比較して同じほど長く加熱要素が作動する必要がないことがあるので、電源22からのエネルギーのより効率的な使用につながることがある。他方では、加熱されるエアロゾル生成材料の総質量は、生成され、その後使用者に送達することができるエアロゾルの総量に影響を与える。加えて、エアロゾル生成材料が加熱される温度もまた、エアロゾル生成材料が動作温度に到達する速さ及び生成されるエアロゾルの量の両方に影響を与えることがある。
【0141】
アモルファス固体(例えば、上記のようなもの)は上記の用途に特に適している。その理由の一部は、アモルファス固体は、選択された構成要素/成分から形成され、したがって、質量の比較的高い割合が有用な(又は送達可能な)成分(例えば、ニコチン及びグリセロール)であるように設計することができるからである。したがって、アモルファス固体は、いくつかの他のエアロゾル生成材料(例えば、タバコ)と比較して、所与の質量から相対的に高い割合のエアロゾルを生成することができ、これは、アモルファス固体の相対的に小さな部分が同等のエアロゾルの量を出力できることを意味する。加えて、アモルファス固体は(流れるとしても)容易には流れにくく、これは、例えば、液体のエアロゾル生成材料を使用する場合の漏れに関する問題がほとんど軽減されることを意味する。
【0142】
しかしながら、本開示によれば、本発明者らは、エアロゾル生成材料の部分の異なる部分を加熱してパフごとにエアロゾルを生成するように設計されたエアロゾル生成構成要素24(加熱要素24など)の配列を有するデバイス2が、いくつかの例において、加熱条件がほぼ同じであっても、1パフ当たりに使用者に送達されるエアロゾルの量に不一致が生じ得ることを見出した。
【0143】
これは、エアロゾル生成材料44のいくつかの部分が、吸い口26の開口28に対して相対的に異なる空間距離に設けられ、その結果、エアロゾルがエアロゾル生成材料の部分に隣り合う場所で最初に形成されたとき、そのエアロゾルが移動しなければならない距離が異なることがあるという事実に部分的に起因していると考えられる。
【0144】
図5は、
図3を複製したものであるが、これに加えて、D1及びD2と符号が付けられた2つの矢印を含む。D1は、加熱要素24aから吸い口端部26の出口28まで延在し、一方、D2は、加熱要素24fから出口28まで延在している。認識すべきように、矢印D1及びD2は、エアロゾル生成材料44a及び44fのそれぞれの部分によってそれぞれの加熱要素24a及び24fを使用して生成されたエアロゾルが通る距離を表す。
【0145】
一般に、高温のエアロゾルは移動するにつれて温度が下がり凝縮する。したがって、エアロゾルが移動しなければならない距離が長ければ長いほど、エアロゾルは温度が下がり凝縮する可能性が高くなる。凝縮物はまた、例えば、
図5の例の受け部25の表面など、移動中に接する表面に堆積することがある。エアロゾルが移動する距離が長いほど、エアロゾルが表面に接する機会が増えることが一因となり、また、エアロゾルが移動して温度が下がると粒子の大きさが大きくなることにより、堆積する可能性はさらに高くなる。
図5では、D1はD2よりもかなり長いことが分かり、したがって、例えば、加熱要素24aにおいて部分44aによって生成されたエアロゾルは、加熱要素24fにおいて部分44fによって生成されたエアロゾルと比較すると、デバイス2の出口28を出るときにエアロゾル量/体積が少ない可能性が高い。同様に、加熱要素24c及び24dにおいて部分44c及び44dによって生成されたエアロゾルは、加熱要素24e及び24fにおいて部分44e及び44fによって生成されたエアロゾルと比較すると、出口を出るエアロゾルの量が少ない可能性が高くなり得るが、加熱要素24a及び24bにおいて部分44a及び44bによって生成されたエアロゾルと比較すると、出口28を出るエアロゾルの量が多い可能性が高くなり得る。この影響は、加熱要素の数が増加すると(例えば、2×6の配列)、さらにより顕著になることがある。
【0146】
距離D1及びD2は、出口28に配置された共通点に対して評価されてもよい。例えば、共通点は、出口28によって画定される断面積の中心であってもよい。
【0147】
したがって、本発明者らは、エアロゾル生成材料44の部分を備える物品4からエアロゾルを生成するためのデバイス2を提示した。本デバイスは、物品4を受け入れるための受け部25と、受け部25に流体的に結合された出口28と、物品4が受け部に受け入れられているとき、エアロゾル生成材料44の部分のうちの1つ以上にエアロゾル化プロセス(すなわち、エアロゾルをエアロゾル生成材料から生成することができるプロセス、例えば、加熱)を行うように構成された少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素24と、エアロゾル生成構成要素44を制御するための制御回路とを具備する。これに加えて、制御回路23は、少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素24に、出口28からエアロゾル生成材料44のそれぞれの部分までの距離に基づいて、エアロゾル生成材料44のそれぞれの部分からある量のエアロゾルを生成させるように構成される。
【0148】
このように、エアロゾルが出口28に移動するときに凝縮することによるエアロゾルの損失を補償するように、エアロゾル生成材料44のそれぞれの部分から生成されるエアロゾルの量を設定することができる。
【0149】
言い換えれば、エアロゾル生成構成要素24は、出口28からエアロゾル生成材料44のそれぞれの部分までの距離にかかわらず、実質的に一定の量のエアロゾルが出口28を通過するように、エアロゾル生成材料44のそれぞれの部分からある量のエアロゾルを生成するように構成される。したがって、使用者は、より一貫した吸引体験を得ることができる。
【0150】
この点について、「より一貫した吸引体験」という表現によって、除外されるものではないが、セッションにおける各パフが、味、又は送達される成分の割合において同じであることを必ずしも示唆するのではないことをここでは認識すべきである。
【0151】
一方では、物品4は、同じ配合/組成を有するエアロゾル生成材料の部分を備えてもよく、作動の「順次モード」に従ってエアロゾル化されてもよい。この場合、本開示の原理に従って、エアロゾル生成材料44の各部分は、模擬標準吸引を用いて(例えば、Coresta推奨法81、CRM81に従って)測定されたときに出口28を出るエアロゾルの量が実質的に同じになるように、出口28からの距離に応じた量だけエアロゾル化される。この場合、それぞれ順次作動されて、出口28を出るエアロゾルの量が実質的に同じになる。
【0152】
他方では、エアロゾルが上記のようにカスタマイズ可能であるように、物品4が、異なるエアロゾル生成材料の部分を備える場合、本開示の原則は、同じタイプのエアロゾル生成材料の部分に対して適用される。言い換えれば、エアロゾル生成材料の所与のタイプ(例えば、ニコチンリッチアモルファス固体)に対しては、デバイス2は、出口28からのその部分までの距離にかかわらず、その部分から生成されるエアロゾルの一貫した量を出力するように構成される。これらの実施様態では、エアロゾルの総量は、(例えば、エアロゾル生成材料の他の部分が同時に加熱されるため)変わることがある。言い換えれば、出口28を出るエアロゾル全体に寄与するエアロゾルの量は実質的に同じであり、したがって、その特定の部分からの送達は一貫している。
【0153】
出口からエアロゾル生成材料の部分までの距離に基づいて生成されるエアロゾルの量は、関係する距離の長さ、材料のタイプ、及び出力する目標エアロゾルに依存すると思われる。しかしながら、いくつかの実施様態では、出力されるエアロゾル量の増加は、出力される目標エアロゾル量の50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、又は10%以下のことがある。
【0154】
図5を参照すると、ほとんどの例では、制御回路23は、エアロゾル生成構成要素24に、エアロゾル生成材料44のそれぞれの部分の配置が出口28から離れるほど、エアロゾル生成材料44のそれぞれの部分からより多くの量のエアロゾルを生成させるように構成されることを認識すべきである。したがって、出口28からより離れたエアロゾル生成材料の部分からより多くのエアロゾルを生成することによって、運ばれるエアロゾルの相対的により多くが出口28に到達する可能性がより高い。言い換えれば、より多くのエアロゾルが生成されて、エアロゾルが出口に移動するときのエアロゾルの損失を補償する。
【0155】
これに加えて、又はこれに代えて、システム1の詳細に応じて、エアロゾル生成材料の部分の一部のみが、出口28からの距離に基づいてエアロゾル化されることがある。例えば、所与のシステム1に対して、出口28からの距離に最も大きな影響を受けるのは、出口28から最も遠いエアロゾル生成の部分、すなわち部分44a及び44b(加熱要素24a及び24bに対応)であることを経験的に見出すことができる。すなわち、例えば、エアロゾル化されたとき、部分44c~44fは、出口28からの距離が異なるにもかかわらず、出口28から出るときに同様の量のエアロゾルを生じるが、部分44a及び44bはエアロゾル化されたとき、部分44c~44fと比較して、生成されるエアロゾルの量が例えば20%少ないことがある。したがって、制御回路23は、共通のエアロゾル化/加熱プロファイルに従ってエアロゾル生成材料のいくつかの部分のエアロゾル化をさせるように構成されてもよく、一方、エアロゾル生成材料の残りの部分のエアロゾル化/加熱プロファイルは、出口28からその部分までの距離に従って設定される。
【0156】
出口28からより遠い部分は、より多くのエアロゾルを生成するために、より多くエアロゾル化又は加熱されるように構成されることを論じたが、制御回路23は、出口28により近いエアロゾル生成材料の部分から相対的により少ないエアロゾルを生成するように構成されてもよいことを同様に認識すべきである。
【0157】
追加的に生成されるエアロゾルの量は、失われるエアロゾルの量と全く同じでないことがあることを認識すべきである。例えば、4mgのエアロゾルがエアロゾル生成材料のある部分から生成され、そのエアロゾルが出口28に移動するときにそのエアロゾルの1mgが失われると想定する。同じ部分44から5mgのエアロゾルを生成するようにエアロゾル生成構成要素を制御することが、出口28で4mgのエアロゾルが出力されることにつながるとは限らないことがある。実際には、生じる損失は生成されるエアロゾルの量に比例すると考えられる。上記の例では、生じた4mgのうちの25%が、エアロゾルが出口28に運ばれるときに失われる。したがって、生成されるエアロゾルの量を5mgに増大させたとき、損失は依然として25%であり、それによって、出口28に到達するのは3.75mgになる。
【0158】
より一般的に言えば、制御回路23は、エアロゾル生成構成要素24に、出口28からエアロゾル生成材料44の部分までの距離の関数に基づいて、エアロゾル生成材料44の部分からある量のエアロゾルを生成させるように構成される。
【0159】
この関数は、エアロゾル生成材料44のいくつかの部分を試験して、エアロゾルの損失が出口からの距離によってどのように変化するかを決定することによって経験的に見出すことができる。この関数はまた、一般的に、受け部及び/又は空気流路の形状に依存することがあることを認識すべきである。第一次近似として、生成されるエアロゾルと距離との間の関係は線形とすることができる。例えば、距離1mm増加あたり追加で生成されるエアロゾルの量は、例えば、0.01mg/mmに設定することができる。
【0160】
上記の実施様態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料の部分を加熱するように配置された加熱要素24である。加熱要素24を使用してエアロゾル生成材料の部分から生成されるエアロゾルの量を調節しようとするとき、加熱要素24の目標上昇温度を調節することができる、及び/又はエアロゾル生成材料を加熱する時間を調節することができる。
【0161】
すなわち、いくつかの実施様態では、制御回路23は、出口28からエアロゾル生成材料のそれぞれの部分までの距離に基づいて、少なくとも1つの加熱要素24の動作温度を設定するように構成される。動作温度は、加熱要素24が到達するように制御される目標温度として定められてもよい。言い換えれば、加熱要素24に供給される電力は、その電力が加熱要素24を目標温度に到達させるのに十分であるように設定される。目標温度を上げると、エアロゾル生成材料に伝達されるエネルギー量が実質的に増加する。しかしながら、ほとんどの実施様態では、目標動作温度に対する上限が課される。その理由は、その上限を超えて材料を加熱するとエアロゾル生成材料44が炭化する、又は燃えることがあるからである。
【0162】
これに加えて、又はこれに代えて、いくつかの実施様態では、制御回路23は、出口28からエアロゾル生成材料のそれぞれの部分までの距離に基づいて、少なくとも1つの加熱要素24の加熱時間を設定するように構成される。加熱時間(すなわち、加熱要素が作動している時間)はまた、生成されるエアロゾルの量を変更するように設定されてもよく、それによって、加熱時間を長くすると、一般に、生成されるエアロゾルが相対的に多くなる。上記のように、加熱要素24は、吸引センサ30若しくは接触感知パネル29の一方若しくは両方からの信号が止まったとき、又は信号を受けてから予め定められた時間が経過したときのいずれかでスイッチが切られてもよい。しかしながら、上記の実施様態によれば、コントロールユニット23は、例えば、加熱要素を予め定められた閾値を超えて加熱させることによって(又は、これに代えて、閾値を上げることによって)、又は、信号が止まってからも加熱させ続けることによって、加熱要素24をより長い時間作動させてもよい。この技法はまた、上記のような動作温度の調節と組み合わされてもよい。
【0163】
図5を参照すると、説明されている実施様態の加熱要素24は、配列(この場合は2×3の配列)で配置されている。したがって、
図5から導き出すことができるように、6つの加熱要素がある一方で、単一の出口28(受け部25の長手方向軸線と同軸に配置されている)に対して、加熱要素24(したがって、エアロゾル生成部分44)と出口28との間には3つの異なる経路長があることが分かる。2つの経路長は矢印D1及びD2で示されているが、3番目の経路長は加熱要素24c(又は加熱要素24d)と出口28との間の距離である。
【0164】
したがって、この実施様態では、出口28で出力される所与の量のエアロゾルに対して、エアロゾル生成材料によって生成され得る3つの異なる量のエアロゾルがあり得る。したがって、この実施様態では、制御回路23は、加熱要素24を、3つの異なるレベルのエアロゾルのうちの1つを生成するように作動させるように構成される。より詳細には、加熱要素24a及び24bは、第1のレベルに設定されて第1の量のエアロゾルを出力することができ、加熱要素24c及び24dは、第2のレベルに設定されて(第1の量のエアロゾルより少ない)第2の量のエアロゾルを出力することができ、加熱要素24e及び24fは、第3のレベルに設定されて(第2の量よりも少ない)第3の量のエアロゾルを出力することができる。
【0165】
より一般的には、加熱要素及び/又はエアロゾル生成材料の部分は、単一の出口28に対してN×Mの配列に配置されてもよい。ここで、(
図5のような配列を見たとき)Nは行の数を示し、Mは列の数を示す。制御回路23は、加熱要素24にX個の異なる量のエアロゾルを生成させる(すなわち、X個の異なる電力レベルのうちの1つで動作させる、及び/又はX個の異なるヒーター持続時間のうちの1つの持続時間動作させる)ように構成される。ここで、Xは以下の式に従って決定される。
【0166】
【数3】
加えて、加熱要素24の動作は、出口から部分44までの距離を考慮して調節することができることを上で論じたが、エアロゾル生成材料の部分自体も変更してもよい。例えば、いくつかの実施様態では、厚さ及び/又は面積範囲を変更してもよい。厚さは、出口からより遠い部分に対しては厚くしてもよく、その結果、その部分がより高い温度、又はより長い時間加熱されるときに、エアロゾル化される出発材料がより多く存在することになる。同様に、エアロゾル生成材料の部分の面積範囲(及び、潜在的に加熱要素の面積範囲)も、同様の理由で増加させてもよい。したがって、温度の上昇及び加熱時間の増大は、相対的により多くのエアロゾルの出力につながることがある。
【0167】
したがって、上記では、出口28からの距離に基づいて、エアロゾル生成材料の部分でのエアロゾル生成構成要素によるエアロゾル化の程度を調節することによって、エアロゾル生成の場所(すなわち、エアロゾル生成部分44において、又はその上方の場所)から移動中に失われるエアロゾルを補償することができるデバイス2が説明された。
【0168】
上記は、使用者がデバイス2で吸引するときにエアロゾルが通り抜ける共通の出口が1つあることを想定している。しかしながら、本開示の原理は、複数の出口を有するデバイスに等しく適用可能である。この状況では、方法はより複雑であるが、それにもかかわらず、原理は同じである。ほとんどのデバイスでは、使用者は、任意の所与の時点で1つの吸い口端部26/1つの出口28で吸引する。コントロールユニットは、どの出口が現在使用中であるかを決定し、それに従ってエアロゾル化の程度を調節するように構成することができる。
【0169】
これに加えて、吸い口26が外側ハウジング21の一部を形成すること、及び/又は外側ハウジング21に結合されていることが上で説明されたが、いくつかの実施様態では、吸い口26が物品4の一部を形成することがあることを認識すべきである。これは、物品4が、空気及び/又はエアロゾルが通過することができるチャンバを備え、このチャンバがエアロゾル生成材料を含む場合に、特に該当することがある。これらの実施様態では、物品4は、受け部25内に配置され、物品の吸い口がエアロゾル供給デバイス2から延在するように受け部25から突出する。これらの例では、受け部25は、吸い口26が突き抜ける開口を備える。これらの実施様態の開口は、デバイス2の出口28と呼ぶことができ、したがって、制御回路23は、上記のように、デバイス2の出口28からの距離に基づいてエアロゾル生成材料の部分の加熱プロファイルを調節するように構成することができる。
【0170】
図6は、本開示の別の実施形態によるエアロゾル供給システム200の概略断面図である。エアロゾル供給システム200は、
図1に関連して説明したものと大まかに類似する構成要素を含むが、参照番号は200を加えられている。効率化のために、類似の参照番号を有する構成要素は、特に断らない限り、
図1及び
図2A~
図2Cの対応するものとほぼ同じであると理解すべきである。
【0171】
エアロゾル供給デバイス202は、外側ハウジング221、電源222、制御回路223、誘導作用コイル224a、受け部225、吸い口端部226、空気入口227、空気出口228、接触感知パネル229、吸引センサ230、及び使用終了表示器231を備える。
【0172】
エアロゾル生成品204は、
図7A~
図7Cにさらに詳細に示すように、キャリア構成要素242、エアロゾル生成材料244、及びサセプタ要素244bを備える。
図7Aは、物品4の上面図であり、
図7Bは、物品204の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図であり、
図7Cは、物品204の幅方向軸線に沿った側面図である。
【0173】
図6及び
図7は、誘導を用いてエアロゾル生成材料244を加熱して吸引用のエアロゾルを生成するエアロゾル供給システム200を表す。
【0174】
説明されている実施様態では、エアロゾル生成構成要素224は、2つの部品、すなわち、エアロゾル供給デバイス202に配置された誘導作用コイル224a及びエアロゾル生成品204に配置されたサセプタ224bから形成される。したがって、説明されているこの実施様態では、各エアロゾル生成構成要素224は、エアロゾル生成品204とエアロゾル供給デバイス202との間で分散された要素を備える。
【0175】
誘導加熱は、サセプタと呼ばれる導電性物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すためのデバイスとを備えることがある。電磁石及び加熱しようとする物体が、電磁石によって生じた変動磁場がこの物体に侵入するように適切な相対位置に配置されると、この物体内に1つ以上の渦電流が発生する。この物体は電流の流れに対して抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が生成されると、物体の電気抵抗に抗して流れ、それによってこの物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。
【0176】
サセプタは、交流磁場などの変動磁場の侵入によって加熱可能な材料である。加熱材料は、導電性材料であってよく、その結果、変動磁場がそれに侵入することによって、加熱材料が誘導加熱される。加熱材料は、磁性体であってもよく、その結果、変動磁場がそれに侵入することによって、加熱材料が磁気ヒステリシス加熱される。加熱材料は、導電性及び磁性の両方を有してもよく、その結果、加熱材料は両方の加熱機構によって加熱可能である。
【0177】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料からなる物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石すなわち磁気双極子を多く含んでいると考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、交流磁場(例えば、電磁石によって生じるもの)などの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場に応じて変化する。このような磁気双極子の再配向によって、磁性材料内に熱が生成される。
【0178】
物体が導電性及び磁性の両方を有するときは、その物体に変動磁場を侵入させると、その物体にジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用すると、磁場を強めることができ、それによりジュール加熱を強めることができる。
【0179】
説明されたこの実施様態では、サセプタ224bはアルミニウム箔から形成されているが、他の実施様態では他の金属及び/又は導電性材料が使用されてもよいことを認識すべきである。
図7に見られるように、キャリア構成要素242は、キャリア構成要素242の表面に配置されたエアロゾル生成材料244の個別部分に大きさ及び位置が対応するいくつかのサセプタ224bを備える。すなわち、サセプタ224bは、エアロゾル生成材料244の個別部分と同様の幅及び長さを有する。
【0180】
サセプタは、キャリア構成要素242に埋め込まれて示されている。しかしながら、他の実施様態では、サセプタ224bは、キャリア構成要素242の表面に配置されてもよい。
【0181】
エアロゾル供給デバイス202は、
図6に概略的に示された複数の誘導作用コイル224aを備える。作用コイル224aは、受け部225に隣り合って示されており、所与のコイルが周りに巻かれている回転軸線が、受け部225内に延び、物品204のキャリア構成要素242の平面にほぼ垂直であるように配置された概ね平坦なコイルである。
図6では、巻線は正確には示されておらず、任意の適切な誘導コイルが使用されてもよいことを認識すべきである。
【0182】
制御回路223は、誘導コイル224aのいずれか1つ以上に流す交流電流を生成するような機構を備える。この交流電流は、上記のように交流磁場を生成し、これが対応するサセプタ224b(複数可)の温度を上げる。サセプタ224b(複数可)によって生成された熱は、それに応じてエアロゾル生成材料244の部分に伝達される。
【0183】
図1及び
図2A~
図2Cに関連して上で説明したように、制御回路223は、接触感知パネル229及び/又は吸引センサ230からの信号を受けたことに応答して、作用コイル224aに電流を供給するように構成される。前に説明したように、どの加熱要素24が制御回路23によって加熱されるかを選択するための技法のいずれも、使用者の吸引用のエアロゾルを生成するために、制御回路223による接触感知パネル229及び/又は吸引センサ230からの信号を受けることに応答して、どの作用コイル224aがエネルギーを与えられる(したがって、エアロゾル生成材料244のどの部分がそれに続いて加熱される)かを選択することに類似して適用することができる。
【0184】
上記では、作用コイル224a及びサセプタ224bが物品204とデバイス202との間に分散された誘導加熱エアロゾル供給システムを説明したが、作用コイル224a及びサセプタ224bがデバイス202内にのみ配置された誘導加熱エアロゾル供給システムが提供されてもよい。例えば、
図6を参照して、サセプタ224bは、誘導作用コイル224aの上方に設けられて、(
図1に示したエアロゾル供給システム1と類似の方法で)サセプタ224bがキャリア構成要素242の下面に接触するように配置されてもよい。
【0185】
したがって、
図6は、本開示に説明した技法を適用することができ、誘導加熱がエアロゾル供給デバイス202に使用されて、使用者の吸引用のエアロゾルを生成することができる、より具体的な実施様態を説明している。
【0186】
上記では、エアロゾル生成材料の個別部分にエネルギーを与えるためにエアロゾル生成構成要素24(例えば、ヒーター要素)の配列が設けられたシステムを説明したが、他の実施様態では、物品4及び/又はエアロゾル生成構成要素24は互いに対して移動するように構成されてもよい。すなわち、物品4のキャリア構成要素42に設けられたエアロゾル生成材料44の個別部分よりもエアロゾル生成構成要素24が少なくてもよく、その結果、エアロゾル生成材料44の個別部分のそれぞれに個別にエネルギーを与えることができるようにするために、物品4とエアロゾル生成構成要素24との相対移動が必要となる。例えば、可動加熱要素24が受け部25に対して移動することができるように、可動加熱要素24は受け部25内に設けられてもよい。このようにして、可動加熱要素24は、加熱要素24がエアロゾル生成材料44の個別部分のそれぞれと位置合わせすることができるように、(例えば、キャリア構成要素42の幅方向及び長さ方向に)並進移動することができる。この手法は、同様の使用者体験を提供しながら、必要とするエアロゾル生成構成要素42の数を減少させることができる。
【0187】
上記では、エアロゾル生成材料44の離散的、空間的に別の部分がキャリア構成要素42に配置される実施様態を説明したが、他の実施様態では、エアロゾル生成材料が離散的、空間的に別の部分に設けられず、その代わりにエアロゾル生成材料44の連続シートとして設けられてもよいことを認識すべきである。これらの実施様態では、エアロゾル生成材料44のシートの特定の領域は、上記とほぼ同じ態様でエアロゾルを生成するように選択的に加熱されてもよい。しかしながら、これらの部分が空間的に別であるかどうかにかかわらず、本開示は、エアロゾル生成材料44の部分を加熱(又はエアロゾル化)することを説明した。特に、加熱要素24(又は、より詳細には、温度が上昇するように設計された加熱要素24の表面)の寸法に基づいて、エアロゾル生成材料の連続シート上に(エアロゾル生成材料の部分に相当する)領域が画定されてもよい。この点について、加熱要素24の対応する領域が、エアロゾル生成材料のシートに投影されたとき、エアロゾル生成材料の領域又は部分を画定すると考えられてもよい。本開示によれば、エアロゾル生成材料の各領域又は各部分は20mg以下の質量を有することがあるが、連続シート全体は20mgより大きい質量を有してもよい。
【0188】
上記では、デバイス2に取り付けられた接触感知パネル29を用いてデバイス2を設定又は操作することができる実施様態を説明したが、その代わりにデバイス2は遠隔で設定又は制御されてもよい。例えば、制御回路23は、制御回路23にスマートフォンなどの遠隔デバイスと通信することを可能にする、対応する通信回路(例えば、Bluetooth)を備えてもよい。したがって、接触感知パネル29は、実質的に、スマートフォン上で走るアプリなどを用いて実装されてもよい。次いで、スマートフォンは、使用者の入力又は設定を制御回路23に送信することができ、制御回路23は、受信した入力又は設定に基づいて動作するように構成されてもよい。
【0189】
上記では、エアロゾル生成材料44にエネルギーを与える(例えば、エアロゾル生成材料44を加熱する)ことによってエアロゾルが生成され、その後、使用者によって吸引される実施様態を説明したが、いくつかの実施様態では、使用者によって吸引される前にエアロゾルの1つ以上の特性を改変するために、生成されたエアロゾルがエアロゾル改質構成要素の中又は上を通ってもよいことを認識すべきである。例えば、エアロゾル供給デバイス2、202は、エアロゾル生成材料44の下流の空気流路に挿入された空気透過性インサート(図示せず)を備えてもよい(例えば、インサートは出口28に配置されてもよい)。インサートは、エアロゾルが使用者の口に入る前、インサートを通過するときに、エアロゾルの香味、温度、粒子の大きさ、ニコチン濃度などのいずれか1つ以上を変化させる材料を含んでもよい。例えば、インサートは、タバコ又は処理済みタバコを含んでもよい。このようなシステムは、ハイブリッドシステムと呼ばれることがある。インサートは、任意の適切なエアロゾル改質材料を含んでもよく、これは上記のエアロゾル生成材料を含んでもよい。
【0190】
加熱要素24が、エアロゾル生成材料の部分からエアロゾルが生成される動作温度になるようにエアロゾル生成材料(又はその部分)に熱を供給するように構成されていることを上述したが、いくつかの実施様態では、加熱要素24は、エアロゾル生成材料の部分を予熱温度(これは動作温度より低い)に予熱するように構成される。予熱温度においては、これらの部分が予熱温度に加熱されると、より少ない量のエアロゾルが生成される、又はエアロゾルは生成されない。特に、いくつかの実施様態では、制御回路は、第1の予め定められた期間が始まる前に(すなわち、上のステップS1のように、エアロゾルを吸引しようとする使用者の意図を示す信号を受け取る前に)電力/エネルギーを供給するように構成される。しかしながら、エアロゾル生成材料の温度を予熱温度から動作温度まで上げるために必要なエネルギー量はより少なく、したがってシステムの応答性は向上するが、総エネルギー消費量は増加する。これは、動作温度に到達するために比較的大きなエネルギー量を供給する必要のあるエアロゾル生成材料の比較的厚い部分、例えば、400μmを超える厚さを有する部分に対して特に適していることがある。しかしながら、このような実施様態では、(例えば、電源22からの)エネルギー消費は、比較的高いことがある。
【0191】
上記では、エアロゾル供給デバイス2が使用終了表示器31を備える実施様態を説明したが、使用終了表示器31は、エアロゾル供給デバイス2から離れた別のデバイスによって提供されてもよいことを認識すべきである。例えば、いくつかの実施様態では、エアロゾル供給デバイス2の制御回路23は、例えば、エアロゾル供給デバイス2とスマートフォン又はスマートウォッチなどの遠隔デバイスとの間のデータ転送を可能にする通信機構を備えてもよい。これらの実施様態では、物品4が使用終了に到達したと制御回路23が決定すると、制御回路23は信号を遠隔デバイスに送信するように構成され、遠隔デバイスは、(例えば、スマートフォンのディスプレイを使用して)警告信号を生成するように構成される。他の遠隔デバイス、及び警告信号を生成するための他の機構が、上記のように使用されてもよい。
【0192】
加えて、エアロゾル生成材料の部分がキャリア構成要素42上に設けられるとき、これらの部分は、いくつかの実施様態では、キャリア構成要素42の平面にほぼ垂直な方向に脆弱領域、例えば、貫通孔又は比較的薄いエアロゾル生成材料の領域を含んでもよい。これは、エアロゾル生成材料の最も熱い部分がキャリア構成要素に直接接触する領域である場合(言い換えれば、熱が、キャリア構成要素42に接触するエアロゾル生成材料の表面に主に加えられるシナリオ)にあり得る。したがって、貫通孔は、キャリア構成要素42とエアロゾル生成材料44との間にエアロゾルを潜在的に蓄積させるのではなく、生成されたエアロゾルが逃げ、環境/デバイス2を通る空気の流れに放出されるための経路を提供することができる。エアロゾルのこのような蓄積は、いくつかの実施様態では、エアロゾル生成材料をキャリア構成要素42から浮き上がらせ、したがってエアロゾル生成材料への熱伝達の効率を下げるので、システムの加熱効率を下げ得る。エアロゾル生成材料の各部分は、必要に応じて1つ以上の脆弱領域を備えてもよい。
【0193】
いくつかの実施様態では、物品4は、読取可能なバーコード又はRFIDタグなどの識別子を備えてもよく、エアロゾル供給デバイス2は、対応する読取器を備える。物品がデバイス2の受け部25に挿入されると、デバイス2は、物品4に付いている識別子を読み取るように構成されてもよい。制御回路23は、物品4の存在を認識する(したがって、加熱を許可する及び/又は寿命終了表示器をリセットする)、又はエアロゾル生成材料の部分のタイプ及び/若しくは物品4に対する位置を識別するように構成されてもよい。これは、制御回路23がどの部分をエアロゾル化するか、並びに/又は、例えば、エアロゾル生成温度及び/若しくは加熱時間を調節することによって、これらの部分がエアロゾル化される方法に影響を与えることができる。物品4を認識するための任意の適切な技法が使用されてもよい。
【0194】
したがって、エアロゾル生成材料の部分を備える物品からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが説明された。本デバイスは、エアロゾル生成材料の部分を備える物品を受け入れるための受け部、及び受け部に流体的に結合された出口を備える。少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素は、物品が受け部に受け入れられているとき、エアロゾル生成材料の部分のうちの1つ以上にエアロゾル化プロセスを行うように構成される。本デバイスは、エアロゾル生成構成要素を制御するための制御回路をさらに備える。制御回路は、少なくとも1つのエアロゾル生成構成要素に、出口からエアロゾル生成材料のそれぞれの部分までの距離に基づいて、エアロゾル生成材料のそれぞれの部分からある量のエアロゾルを生成させるように構成される。したがって、本デバイスは、エアロゾル生成の相対的な位置に応じた、使用者への移行中のエアロゾルの損失を考慮することを可能にすることができる。エアロゾル供給システム及びエアロゾルを生成するための方法についても説明されている。
【0195】
上記の実施形態は、いくつかの点で、いくつかの特定の例示的なエアロゾル供給システムに注目したが、同じ原理を他の技術を使ったエアロゾル供給システムに対して適用することができることは認識されよう。すなわち、エアロゾル供給システムの様々な態様が機能する特定の態様は、本明細書で説明した例の基本的な原理には直接関係しない。
【0196】
様々な課題に対処し、技術を進歩させるため、本開示は、特許請求される発明(複数可)を実施することが可能な様々な実施形態を例証によって示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態のうちの代表的な例にすぎず、すべての利点や特徴を網羅したものでもなければ、他の利点や特徴を排除するものでもない。これらは、特許請求される発明(複数可)の理解及び教示を助けるためだけに提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定されたとおりに本開示を限定するもの、又は特許請求の範囲の均等物を制限するものと考えるべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができること、及び変形を施すことができることを理解されたい。様々な実施形態が、本明細書で詳細に説明されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に備えてもよく、それらのみから構成されてもよく、又は実質的にそれらから構成されてもよく、したがって、従属請求項の特徴は、特許請求の範囲に明示的に記載されたもの以外の組合せで、独立請求項の特徴と組み合わされてもよいことは認識されよう。本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性のある他の発明を含む可能性がある。