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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/63 20180101AFI20230705BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
F24F11/63
F24F1/0007 361Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019034437
(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公開番号】P2020139664
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 芳尚
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-292066(JP,A)
【文献】特開2007-046864(JP,A)
【文献】特開2018-200171(JP,A)
【文献】再公表特許第2019/097613(JP,A1)
【文献】特許第5612168(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00 - 11/89
F24F 1/0007
F24F 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機(1)内に設けられるドレンパン(50)を撮影可能なカメラ(70)と、前記カメラ(70)により撮影された撮影データをサーバ(SV)にアップロードするコンピュータ(80)とを備える空気調和機(1)であって、
前記コンピュータ(80)は、アップロード対象となる前記撮影データを決めるアップロード撮影条件を保持し、
前記コンピュータ(80)が、
前記カメラ(70)により撮影された前記撮影データにおいて、前記アップロード撮影条件に応じた前記アップロード対象を抽出し、前記アップロード対象の前記撮影データを前記サーバ(SV)にアップロードする、又は、
前記アップロード撮影条件に応じた撮影タイミングにおいて前記カメラ(70)が撮影し、前記カメラ(70)により撮影された前記アップロード対象の前記撮影データを前記サーバ(SV)にアップロードするように構成され、
前記アップロード撮影条件は、前記空気調和機(1)の運転状態に関する条件として、前記空気調和機(1)が運転中であるという条件を含み、
前記アップロード撮影条件が、前記空気調和機(1)が運転中であるという条件である場合において、前記コンピュータ(80)は、前記空気調和機(1)が運転中の前記撮影データを前記アップロード対象として抽出する、又は、前記空気調和機(1)が運転中に前記カメラ(70)が撮影する
空気調和機。
【請求項2】
前記アップロード撮影条件は、前記カメラ(70)の曇り度に関する条件を含み、
前記コンピュータ(80)が、前記アップロード撮影条件に応じて、前記曇り度が所定曇り度未満の前記撮影データを前記アップロード対象として抽出する
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記アップロード撮影条件は、前記撮影データに含まれる撮影画像の変化に関する条件を含み、
前記コンピュータ(80)が、前記アップロード撮影条件に応じて、基準画像に対する前記撮影画像の差分が所定差分以上の前記撮影データを前記アップロード対象として抽出する
請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記コンピュータ(80)が、前記アップロード撮影条件に応じて、前記空気調和機(1)内に水が流れている状態の前記撮影データを前記アップロード対象として抽出する
請求項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記カメラ(70)により撮影された前記撮影データを記憶する記憶部(90)をさらに備え、
前記コンピュータ(80)が、前記記憶部(90)に記憶された前記撮影データにおいて、前記アップロード撮影条件に応じた前記アップロード対象を抽出し、前記アップロード対象の前記撮影データを前記サーバ(SV)にアップロードする
請求項1~のいずれか一項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記コンピュータ(80)が、前記アップロード撮影条件に応じて前記撮影タイミングを設定する
請求項1に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の内部状態を撮影可能なカメラを備える空気調和機が知られている。この空気調和機では、空気調和機内に設置された部品の状態を監視するために、カメラにより撮影された撮影データが集中監視装置に送信される。特許文献1は、従来の空気調和機の一例を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-46864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラにより定期的に撮影された撮影データの全てが集中監視装置に送信されると、通信量が増大する。なお、ここでは、撮影データが集中監視装置に送信される場合を例にその課題について検討しているが、撮影データがサーバ等の外部装置に送信される場合においても同様の課題が存在する。
【0005】
本開示の目的は、通信量の低減に貢献できる空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決する空気調和機は、空気調和機の内部状態を撮影可能なカメラと、前記カメラにより撮影された撮影データをサーバにアップロードするコンピュータとを備える空気調和機であって、前記コンピュータは、アップロード対象となる前記撮影データを決めるアップロード撮影条件を保持し、前記コンピュータが、前記カメラにより撮影された前記撮影データにおいて、前記アップロード撮影条件に応じた前記アップロード対象を抽出し、前記アップロード対象の前記撮影データを前記サーバにアップロードする、又は、前記アップロード撮影条件に応じた撮影タイミングにおいて前記カメラが撮影し、前記カメラにより撮影された前記アップロード対象の前記撮影データを前記サーバにアップロードする。
【0007】
この構成によれば、アップロード対象の撮影データがアップロード撮影条件に応じて抽出される、又はアップロード撮影条件に応じた撮影タイミングで撮影された撮影データのみが取得されるため、必要な撮影データのみをサーバにアップロードできる。このため、通信量の低減に貢献できる。
【0008】
上記空気調和機において、前記アップロード撮影条件は、前記空気調和機の運転状態に関する条件を含み、前記コンピュータが、前記アップロード撮影条件に応じて、前記空気調和機が運転中の前記撮影データを前記アップロード対象として抽出する、又は、前記空気調和機が運転中に前記カメラが撮影することが好ましい。
【0009】
この構成によれば、空気調和機の運転中の撮影データがアップロード対象として抽出される、又は空気調和機が運転中に撮影された撮影データのみが取得されるため、空気調和機が運転中の撮影データのみをサーバにアップロードできる。このため、通信量の低減に貢献できる。
【0010】
上記空気調和機において、前記アップロード撮影条件は、前記カメラの曇り度に関する条件を含み、前記コンピュータが、前記アップロード撮影条件に応じて、前記曇り度が所定曇り度未満の前記撮影データを前記アップロード対象として抽出することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、カメラの曇り度が低い撮影データがサーバにアップロードされ、カメラの曇り度が高い不要な撮影データがサーバにアップロードされない。このため、通信量の低減に貢献できる。
【0012】
上記空気調和機において、前記アップロード撮影条件は、前記撮影データに含まれる撮影画像の変化に関する条件を含み、前記コンピュータが、前記アップロード撮影条件に応じて、基準画像に対する前記撮影画像の差分が所定差分以上の前記撮影データを前記アップロード対象として抽出することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、撮影画像の変化が大きい撮影データがサーバにアップロードされ、撮影画像の変化が小さい不要な撮影データがサーバにアップロードされない。このため、通信量の低減に貢献できる。
【0014】
上記空気調和機において、前記コンピュータが、前記アップロード撮影条件に応じて、前記空気調和機内に水が流れている状態の前記撮影データを前記アップロード対象として抽出することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、空気調和機内に水が流れている状態の撮影データがサーバにアップロードされ、空気調和機内に水が流れていない状態の不要な撮影データがサーバにアップロードされない。このため、通信量の低減に貢献できる。
【0016】
上記空気調和機において、前記カメラにより撮影された前記撮影データを記憶する記憶部をさらに備え、前記コンピュータが、前記記憶部に記憶された前記撮影データにおいて、前記アップロード撮影条件に応じた前記アップロード対象を抽出し、前記アップロード対象の前記撮影データを前記サーバにアップロードすることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、記憶部に記憶された撮影データにおいて、アップロード対象の撮影データがアップロード撮影条件に応じて抽出されるため、必要な撮影データのみをサーバにアップロードできる。このため、通信量の低減に貢献できる。
【0018】
上記空気調和機において、前記コンピュータが、前記アップロード撮影条件に応じて前記撮影タイミングを設定することが好ましい。
この構成によれば、アップロード撮影条件に応じた撮影タイミングがコンピュータにより設定されるため、撮影タイミングを設定するための要素を省略できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態の空気調和機の室内機の内部構造を示す平面図。
図2図1の室内機の正面図。
図3図1の室内機の内部構造を示す断面図。
図4図1の空気調和機の概略構成を示すブロック図。
図5図4のコンピュータが実行する処理の一例を示すフローチャート。
図6】第2実施形態の空気調和機において、コンピュータが実行する処理の一例を示すフローチャート。
図7】第3実施形態の空気調和機において、コンピュータが実行する処理の一例を示すフローチャート。
図8】第4実施形態の空気調和機において、コンピュータが実行する処理の一例を示すフローチャート。
図9】第5実施形態の空気調和機において、コンピュータが実行する処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の空気調和機1について説明する。なお、本開示は、以下に記載する例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0021】
図1に示されるように、空気調和機1は、天井吊型の室内機10を備える。室内機10は、冷媒配管を介して室外機に接続されている。本実施形態の空気調和機1は、充填された冷媒が循環することにより蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる冷媒回路を構成する。室外機は、冷媒回路に接続される圧縮機及び室外熱交換器と、室外熱交換器に対して送風する室外ファンとを備える。空気調和機1は、室内空気RAを吸気し、吸気した室内空気RAの温度を冷媒回路により調節し、温度を調節した空気を供給空気SAとして室内に供給する。
【0022】
室内機10は、天井に吊り下げられるケーシング20、室内ファン30、室内熱交換器41、電装品箱42、ドレンパン50、及びドレンポンプ60を備える。室内ファン30、室内熱交換器41、電装品箱42、ドレンパン50、及びドレンポンプ60は、ケーシング20に収容されている。
【0023】
空気調和機1は、例えば暖房運転及び冷房運転を実行可能に構成されている。
冷房運転では、室外機の圧縮機で圧縮された冷媒が室外熱交換器で凝縮し、膨張弁で減圧される。減圧された冷媒は、室内機10の室内熱交換器41で蒸発し、圧縮機で再び圧縮される。室内ファン30が運転されると、室内空気RAがケーシング20の吸込口25Aからケーシング20の内部に吸い込まれる。吸込口25Aから吸い込まれた空気は、室内熱交換器41を通過する。室内熱交換器41では、冷媒が空気から吸熱することにより空気が冷却される。冷却された空気は、ケーシング20の吹出口26Aを通過した後、供給空気SAとして室内空間へ供給される。
【0024】
ここで、室内熱交換器41で空気が露点温度以下まで冷却されると、空気中の水分が凝縮する。このように発生した凝縮水であるドレン水は、ドレンパン50に貯留される。ドレンパン50に貯留されたドレン水は、ドレンポンプ60によってケーシング20の外部に排出される。
【0025】
暖房運転では、室外機の圧縮機で圧縮された冷媒が室内熱交換器41で凝縮し、膨張弁で減圧される。減圧された冷媒は、室外機の室外熱交換器で蒸発し、圧縮機で再び圧縮される。このため、室内熱交換器41では、冷媒が空気に放熱し、空気が加熱される。室内ファン30が運転されると、室内熱交換器41により加熱された空気が供給空気SAとして室内空間へ供給される。
【0026】
次に、図1図3を参照して、室内機10の構成について説明する。なお、図1の室内機10は一部を断面で示している。
ケーシング20は、例えば直方体の中空箱形に形成されている。ケーシング20を構成する材料の一例は、金属である。ケーシング20は、天板21、底板22、及び4つの側板として前面パネル23、後面パネル24、第1側面パネル25、第2側面パネル26を含む。ケーシング20が天井に設置された状態において、天板21及び底板22は鉛直方向において対向している。前面パネル23及び後面パネル24は、鉛直方向と直交する方向のうちの所定方向において対向している。第1側面パネル25及び第2側面パネル26は、所定方向及び鉛直方向と直交する方向において対向している。
【0027】
図1に示されるように、前面パネル23は、サービス業者等の作業者が室内機10をメンテナンスするためのメンテナンス用空間MSに面している。前面パネル23には、第1開口部23A及び第2開口部23Bが設けられている。第1開口部23Aは、前面パネル23における第2側面パネル26寄りの部分に設けられている。第2開口部23Bは、前面パネル23における第1側面パネル25寄りの部分に設けられている。第1側面パネル25には、吸込口25Aが形成されている。吸込口25Aは、吸込ダクトに接続されている。吸込ダクトの流入端は、室内空間に繋がっている。第2側面パネル26には、吹出口26Aが形成されている。吹出口26Aは、吹出ダクトに接続されている。吹出ダクトの流出端は、室内空間に繋がっている。ケーシング20の内部には、吸込口25Aから吹出口26Aまでの間に空気流路が形成されている。
【0028】
第1開口部23Aは、例えば前面パネル23においてドレンパン50に対応する部分に設けられている。第1開口部23Aは、作業者がメンテナンス用空間MSからドレンパン50の状態を確認する点検口として構成される。図2に示されるように、第1開口部23Aは、長方形部分23Xと、長方形部分23Xの鉛直方向の下方の一方の角部と連続する三角形部分23Yとによって構成されている。三角形部分23Yは、長方形部分23Xからケーシング20の第2側面パネル26側に突出している。前面パネル23には、第1開口部23Aを覆うように点検蓋27が取り付けられている。
【0029】
点検蓋27は、第1開口部23Aと略相似形であり、かつ第1開口部23Aよりも大きい形状を有する。点検蓋27は、第1開口部23Aを開閉するように前面パネル23に着脱可能に取り付けられている。点検蓋27は、例えば複数のボルトによって前面パネル23に取り付けられている。点検蓋27が前面パネル23から取り外されることによって、作業者がメンテナンス用空間MSからドレンパン50の内部を点検できる。
【0030】
図1に示されるように、室内ファン30は、ケーシング20における第1側面パネル25寄りの部分に設けられている。室内ファン30は、吸込口25Aから吸気された室内空気RAを搬送する。本実施形態では、室内ファン30は、3台のシロッコファン31が1つのモータ32によって駆動されるように構成されている。なお、シロッコファン31に対するモータ32の配置は、任意に変更可能である。一例では、モータ32がシロッコファン31よりも前面パネル23側又は後面パネル24側に配置されてもよい。
【0031】
室内熱交換器41は、ケーシング20における第2側面パネル26寄りの部分に設けられている。室内熱交換器41は、例えばフィンアンドチューブ式の熱交換器によって構成されている。本実施形態の室内熱交換器41は、第2側面パネル26から第1側面パネル25に向かうにつれて、底板22側に傾斜する斜め置きとなるように配置されている(図3参照)。
【0032】
電装品箱42は、ケーシング20において、前面パネル23寄りかつ第1側面パネル25寄りの部分に設けられている。電装品箱42は、前面パネル23側に向けて開口する箱本体42Aと、箱本体42Aの開口面を開閉する電装品蓋42Bとを含む。箱本体42Aは、前面パネル23の第2開口部23Bに取り付けられている。箱本体42Aの内部には、電源回路、制御回路等が搭載されたプリント基板43、プリント基板43を介して電源回路、制御回路等に電気的に接続される配線、電源回路に電力を供給する強電側電源部、制御回路に電力を供給する弱電側電源部等が収容されている。電装品蓋42Bは、第2開口部23B及び箱本体42Aの開口面を覆うように前面パネル23に着脱可能に取り付けられている。電装品蓋42Bは、前面パネル23の一部を構成している。電装品蓋42Bが前面パネル23から取り外されることによって、箱本体42Aの内部がメンテナンス用空間MSに露出される。
【0033】
図3に示されるように、ドレンパン50は、ケーシング20において室内ファン30よりも第2側面パネル26寄りに設けられている。ドレンパン50は、ケーシング20の底板22に沿うように、鉛直方向において室内熱交換器41の下方に配置されている。ドレンパン50は、前面壁51(図1参照)、後面壁52(図1参照)、第1側壁53、第2側壁54、及び底壁55を含む。前面壁51は、ケーシング20の前面パネル23側に設けられている。一例では、前面壁51は、室内熱交換器41よりも前面パネル23側に配置されている(図1参照)。後面壁52は、ケーシング20の後面パネル24側に設けられている。一例では、後面壁52は、室内熱交換器41よりも後面パネル24側に配置されている(図1参照)。第1側壁53は、ケーシング20の室内ファン30側に設けられている。一例では、第1側壁53は、ケーシング20内の空気流路において室内熱交換器41の上流側に配置されている。第2側壁54は、ケーシング20の第2側面パネル26側に設けられている。一例では、第2側壁54は、ケーシング20内の空気流路において室内熱交換器41の下流側に配置されている。
【0034】
底壁55は、例えば後面壁52から前面壁51に向かうにつれて鉛直方向の下方に向けて傾斜し、かつ第1側壁53から第2側壁54に向かうにつれて鉛直方向の下方に向けて傾斜するように構成されている。ドレンパン50では、後面壁52及び第1側壁53がドレン水の上流側となり、前面壁51及び第2側壁54がドレン水の下流側となる。ドレンパン50において前面壁51に最も近くかつ第2側壁54に最も近い部分がドレン水の最下流となる。底壁55のうちの前面壁51に最も近くかつ第2側壁54に最も近い部分には、凹部56が設けられている。凹部56は、ドレンパン50を前面パネル23と平行な平面で切った断面視において略台形状となる。凹部56の底面の高さは、底壁55において最も低くなる。換言すれば、凹部56は、ドレンパン50において最も深い最深部を構成している。
【0035】
ドレンポンプ60は、ドレンパン50の内部に設けられている。一例では、ドレンポンプ60は、ドレンパン50の底壁55よりも鉛直方向の上方かつ凹部56に対向するように配置されている。ドレンポンプ60の吸込部61は、凹部56の内部に配置されている。ドレンポンプ60の吐出部には、ドレン配管62の流入端が接続されている。ドレン配管62は、ケーシング20の前面パネル23を貫通して延びている(図1参照)。ドレンポンプ60が運転されると、ドレンパン50に貯留されたドレン水が汲み上げられる。汲み上げられたドレン水は、ドレン配管62を介してケーシング20の外部に排出される。
【0036】
空気調和機1は、空気調和機1の内部状態を撮影可能なカメラ70をさらに備える。カメラ70は、例えばアナログカメラである。カメラ70は、室内機10の内部状態を撮影するようにケーシング20に収容されている。カメラ70は、点検蓋27の内壁27Aにステー28を介して取り付けられている(図1参照)。ステー28は、点検蓋27の内壁27Aにカメラ70を取り付けるための取付部材であり、内壁27Aに固定されている。一例では、ステー28は、点検蓋27の内壁27Aの略中央部分に固定されている。
【0037】
カメラ70は、例えばドレンパン50の上方からドレンパン50を撮影する。一例では、カメラ70は、ドレンパン50の汚れ及びドレン水に含まれる異物等を撮影する。カメラ70は、ドレンパン50の流路に沿って撮影する。カメラ70は、例えばドレンパン50よりも鉛直方向の上側に設けられ、かつドレンパン50の第1側壁53から第2側壁54に向かって斜め下方を向くように配置されている。カメラ70は、レンズ71及び光源を含む。レンズ71は、例えば超広角レンズである。光源は、カメラ70がドレンパン50を撮影するタイミングで発光するフラッシュ光源である。
【0038】
カメラ70のレンズ71は、点検蓋27が前面パネル23に取り付けられた状態において、ドレンパン50におけるドレン水の最下流を含む領域に向けられている。具体的には、レンズ71は、ドレンパン50の凹部56に向けられている。カメラ70は、点検蓋27が前面パネル23に取り付けられた状態において、ドレンパン50におけるドレン水の最下流を含む領域を撮影可能な位置に配置されている。具体的には、カメラ70は、ドレンパン50の底壁55よりも鉛直方向の上方かつ前面壁51寄りの部分に配置されている。カメラ70は、ドレンパン50に貯留されるドレン水に浸されないように、ドレンパン50の底壁55から鉛直方向の上方に離れて配置されることが好ましい。本実施形態では、カメラ70は、ドレンパン50におけるドレン水の最下流を含む領域、及びドレンポンプ60の吸込部61を少なくとも撮影する。ドレンパン50におけるドレン水の最下流を含む領域は、ドレンパン50の凹部56を中心として、凹部56及びその周辺の領域である。
【0039】
次に、図4を参照して、空気調和機1の詳細な構成について説明する。
電装品箱42は、カメラ70に電力を供給する電源部44を収容している。カメラ70と電源部44とを繋ぐ電源線45は、例えばケーシング20の第1開口部23Aを介してケーシング20の外部に引き出され、ケーシング20の外部から電装品箱42の内部に引き込まれる。このような配線によって、ケーシング20内のカメラ70と、電装品箱42内の電源部44とが電源線45を介して電気的に接続されている。これにより、電源部44からカメラ70に電力が供給される。電源部44は、空気調和機1を構成する他の機器の電源を兼用していてもよい。他の機器の一例は、室内ファン30である。
【0040】
カメラ70は、撮影制御部72及び送受信部73をさらに含む。撮影制御部72は、例えば予め設定された撮影指令に応じて、カメラ70の撮影の動作を制御する。本実施形態では、撮影制御部72は、予め設定された撮影指令に応じて、カメラ70が定期的にドレンパン50を撮影するようにカメラ70の撮影の動作を制御する。撮影制御部72は、通信端末100等の外部から入力された撮像指令に応じて、カメラ70の撮影の動作を制御することもできる。送受信部73は、例えば伝送線74に接続されている。一例では、送受信部73は、カメラ70により撮影された撮影データを、伝送線74を介して出力する。送受信部73は、カメラ70により撮影された撮影データを、無線通信によって出力してもよい。
【0041】
空気調和機1は、カメラ70により撮影された撮影データをサーバSVにアップロードするコンピュータ80をさらに備える。コンピュータ80は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)である。コンピュータ80は、室内機10に搭載されてもよく、室外機に搭載されてもよい。コンピュータ80は、空気調和機1を構成する各種の要素において、室内機10及び室外機とは別の要素に搭載されてもよい。一例では、コンピュータ80は、室外機内に収容されている。コンピュータ80は、ネットワークNを介してサーバSVに接続されている。サーバSVの一例は、クラウドサーバである。
【0042】
コンピュータ80は、アップロード対象となる撮影データを決めるアップロード撮影条件を保持する。コンピュータ80が、カメラ70により撮影された撮影データにおいて、アップロード撮影条件に応じたアップロード対象を抽出する。アップロード撮影条件は、空気調和機1に関連する条件を含む。本実施形態では、アップロード撮影条件は、空気調和機1の運転状態に関する条件を含む。空気調和機1の運転状態に関する条件に応じた撮影データは有用性が高い。具体的には、空気調和機1が運転中の撮影データは有用性が高い。コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、空気調和機1が運転中の撮影データをアップロード対象として抽出する。室内機10が運転中の撮影データは、例えば室外機の圧縮機の回転率等に応じて抽出される。コンピュータ80が、アップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。
【0043】
空気調和機1は、カメラ70により撮影された撮影データを記憶する記憶部90をさらに備える。記憶部90は、室内機10に搭載されてもよく、室外機に搭載されてもよい。記憶部90は、空気調和機1を構成する各種の要素において、室内機10及び室外機とは別の要素に搭載されてもよい。一例では、記憶部90は、室外機内に収容されている。記憶部90は、例えばカメラ70により撮影された撮影データの全てを記憶する。本実施形態では、コンピュータ80が、記憶部90に記憶された撮影データにおいて、アップロード撮影条件に応じたアップロード対象を抽出し、アップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。記憶部90は、アップロード撮影条件をさらに記憶していてもよい。コンピュータ80は、抽出したアップロード対象の撮影データを記憶部90に記憶させ、アップロード対象の撮影データをまとめてサーバSVにアップロードしてもよい。空気調和機1は、記憶部90を省略して構成されてもよい。
【0044】
サーバSVにアップロードされた撮影データは、例えば通信端末100で取得可能である。通信端末100は、無線LAN等の接続可能なスマートフォン、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ等で構成されている。通信端末100は、マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウェアと、メモリデバイスと、撮影データを受信する受信部と、所定の指令を出力する送信部とを含む。また、通信端末100は、操作部101及び表示部102をさらに含む。サービス業者等の作業者は、キーボード、タッチパネル等の操作部101によって所定のアプリケーションソフトを操作する。表示部102に表示されたアプリケーションソフト上では、例えばサーバSVにアップロードされた撮影データをダウンロードできる。
【0045】
次に、図5を参照して、コンピュータ80が実行する処理の一例について説明する。
コンピュータ80は、ステップS11において、撮影データを取得する。コンピュータ80は、カメラ70により撮影された撮影データを直接的に取得してもよく、記憶部90に記憶された撮影データを取得してもよい。コンピュータ80は、ステップS12において、空気調和機1が運転中の撮影データか否かを判定する。具体的には、コンピュータ80は、ステップS11において取得した撮影データが、空気調和機1が運転中に撮影された撮影データか否かを判定する。コンピュータ80は、ステップS12において、空気調和機1が停止中の撮影データであると判定した場合、ステップS11に処理を戻す。一例では、空気調和機1が停止中の撮影データは、サーバSVにアップロードされずに破棄される。
【0046】
コンピュータ80は、ステップS12において、空気調和機1が運転中の撮影データであると判定した場合、ステップS13の処理に移行する。コンピュータ80は、ステップS13において、空気調和機1が運転中の撮影データをアップロード対象として抽出する。コンピュータ80は、ステップS14において、アップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。以上の処理を経て、ステップS11~ステップS14の処理を終了する。
【0047】
本実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
(1-1)カメラ70により定期的に撮影された撮影データの全てがサーバSVにアップロードされると、アップロードに要する通信量が増大する。本実施形態の空気調和機1では、アップロード対象の撮影データがアップロード撮影条件に応じて抽出されるため、必要な撮影データのみをサーバSVにアップロードできる。このため、通信量の低減に貢献できる。
【0048】
(1-2)コンピュータ80が、記憶部90に記憶された撮影データにおいて、アップロード撮影条件に応じたアップロード対象を抽出する。この構成によれば、必要な撮影データのみがサーバSVにアップロードされるため、通信量の低減に貢献できる。また、カメラ70により撮影された撮影データの全てが記憶部90に記憶されるため、撮影データの抽出漏れが生じにくい。
【0049】
(1-3)コンピュータ80が、空気調和機1が運転中の撮影データをアップロード対象として抽出する。この構成によれば、空気調和機が運転中の撮影データのみがサーバにアップロードされるため、通信量の低減に貢献できる。また、空気調和機1が運転中の撮影データは有用性が高い。このため、作業者の作業効率の向上に貢献できる。
【0050】
(第2実施形態)
図6を参照して、第2実施形態の空気調和機1について説明する。本実施形態の空気調和機1は、第1実施形態の空気調和機1と比較して、コンピュータ80の処理内容が異なる。以下の説明において、便宜上、第1実施形態の空気調和機1の構成要素の機能と共通する構成要素には同一符号を付し、その機能の説明を省略する。
【0051】
本実施形態では、アップロード撮影条件は、カメラ70の曇り度に関する条件を含む。カメラ70の曇り度は、カメラ70のレンズ71の曇り度である。カメラ70の曇り度に関する条件に応じた撮影データは有用性が高い。具体的には、カメラ70の曇り度が低い撮影データは有用性が高い。コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、カメラ70の曇り度が所定曇り度未満の撮影データをアップロード対象として抽出する。カメラ70の曇り度が所定曇り度未満の撮影データは、例えば撮影データに含まれる撮影画像と鮮明画像との比較によって抽出される。鮮明画像は、例えば所定曇り度未満のカメラ70により撮影された撮影画像である。鮮明画像は、記憶部90に予め記憶されている。コンピュータ80が、アップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。
【0052】
次に、図6を参照して、コンピュータ80が実行する処理の一例について説明する。
コンピュータ80は、ステップS21において、撮影データを取得する。コンピュータ80は、カメラ70により撮影された撮影データを直接的に取得してもよく、記憶部90に記憶された撮影データを取得してもよい。コンピュータ80は、ステップS22において、カメラ70の曇り度が所定曇り度未満の撮影データか否かを判定する。具体的には、コンピュータ80は、ステップS21において取得した撮影データが、カメラの曇り度が所定曇り度未満の状態で撮影された撮影データか否かを判定する。コンピュータ80は、ステップS22において、カメラ70の曇り度が所定曇り度以上の撮影データであると判定した場合、ステップS31に処理を戻す。一例では、カメラ70の曇り度が所定曇り度以上の撮影データは、サーバSVにアップロードされずに破棄される。
【0053】
コンピュータ80は、ステップS22において、カメラ70の曇り度が所定曇り度未満の撮影データであると判定した場合、ステップS23の処理に移行する。コンピュータ80は、ステップS33において、カメラ70の曇り度が所定曇り度未満の撮影データをアップロード対象として抽出する。コンピュータ80は、ステップS24において、アップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。以上の処理を経て、ステップS21~ステップS24の処理を終了する。
【0054】
本実施形態によれば、第1実施形態の(1-1)~(1-2)と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果がさらに得られる。
(2-1)コンピュータ80が、カメラ70の曇り度が所定曇り度未満の撮影データをアップロード対象として抽出する。この構成によれば、カメラ70の曇り度が低い撮影データがサーバSVにアップロードされ、カメラ70の曇り度が高い不要な撮影データがサーバSVにアップロードされない。このため、通信量の低減に貢献できる。また、カメラ70の曇り度が低い撮影データは有用性が高い。このため、作業者の作業効率の向上に貢献できる。
【0055】
(第3実施形態)
図7を参照して、第3実施形態の空気調和機1について説明する。本実施形態の空気調和機1は、第1実施形態の空気調和機1と比較して、コンピュータ80の処理内容が異なる。以下の説明において、便宜上、第1実施形態の空気調和機1の構成要素の機能と共通する構成要素には同一符号を付し、その機能の説明を省略する。
【0056】
本実施形態では、アップロード撮影条件は、撮影データに含まれる撮影画像の変化に関する条件を含む。撮影画像の変化に関する条件に応じた撮影データは有用性が高い。具体的には、撮影画像の変化が大きい撮影データは有用性が高い。コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、基準画像に対する撮影画像の差分が所定差分以上の撮影データをアップロード対象として抽出する。基準画像に対する撮影画像の差分が所定差分以上の撮影データは、例えば撮影画像の特徴点と基準画像の特徴点との比較によって抽出される。基準画像は、例えばカメラ70により前回撮影された撮影画像である。基準画像は、記憶部90に予め記憶されている。コンピュータ80が、アップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。
【0057】
次に、図7を参照して、コンピュータ80が実行する処理の一例について説明する。
コンピュータ80は、ステップS31において、撮影データを取得する。コンピュータ80は、カメラ70により撮影された撮影データを直接的に取得してもよく、記憶部90に記憶された撮影データを取得してもよい。コンピュータ80は、ステップS32において、基準画像に対する撮影画像の差分が所定差分以上の撮影データか否かを判定する。具体的には、コンピュータ80は、ステップS31において取得した撮影データが、基準画像に対する撮影画像の差分が所定差分以上の撮影データか否かを判定する。コンピュータ80は、ステップS32において、基準画像に対する撮影画像の差分が所定差分未満の撮影データであると判定した場合、ステップS31に処理を戻す。一例では、基準画像に対する撮影画像の差分が所定差分未満の撮影データは、サーバSVにアップロードされずに破棄される。
【0058】
コンピュータ80は、ステップS32において、基準画像に対する撮影画像の差分が所定差分以上の撮影データであると判定した場合、ステップS33の処理に移行する。コンピュータ80は、ステップS33において、基準画像に対する撮影画像の差分が所定差分以上の撮影データをアップロード対象として抽出する。コンピュータ80は、ステップS34において、アップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。以上の処理を経て、ステップS31~ステップS34の処理を終了する。
【0059】
本実施形態によれば、第1実施形態の(1-1)~(1-2)と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果がさらに得られる。
(3-1)コンピュータ80が、基準画像に対する撮影画像の差分が所定差分以上の撮影データをアップロード対象として抽出する。この構成によれば、撮影画像の変化が大きい撮影データがサーバSVにアプロードされ、撮影画像の変化が小さい不要な撮影データがサーバSVにアップロードされない。このため、通信量の低減に貢献できる。また、撮影画像の変化が大きい撮影データは有用性が高い。このため、作業者の作業効率の向上に貢献できる。
【0060】
(第4実施形態)
図8を参照して、第4実施形態の空気調和機1について説明する。本実施形態の空気調和機1は、第1実施形態の空気調和機1と比較して、コンピュータ80の処理内容が異なる。以下の説明において、便宜上、第1実施形態の空気調和機1の構成要素の機能と共通する構成要素には同一符号を付し、その機能の説明を省略する。
【0061】
本実施形態では、アップロード撮影条件は、撮影データに含まれる撮影画像の変化に関する条件を含む。撮影画像の変化に関する条件に応じた撮影データは有用性が高い。具体的には、撮影画像の変化が大きい撮影データは有用性が高い。コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、空気調和機1内に水が流れている状態の撮影データをアップロード対象として抽出する。一例では、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、ドレンパン50にドレン水が流れている状態の撮影データをアップロード対象として抽出する。ドレンパン50にドレン水が流れている状態の撮影データは、例えば撮影データに含まれる撮影画像と止水画像との比較によって抽出される。止水画像は、例えばドレンパン50にドレン水が流れていない状態で撮影された撮影画像である。止水画像は、記憶部90に予め記憶されている。コンピュータ80が、アップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。
【0062】
次に、図8を参照して、コンピュータ80が実行する処理の一例について説明する。
コンピュータ80は、ステップS41において、撮影データを取得する。コンピュータ80は、カメラ70により撮影された撮影データを直接的に取得してもよく、記憶部90に記憶された撮影データを取得してもよい。コンピュータ80は、ステップS42において、ドレンパン50にドレン水が流れている状態の撮影データか否かを判定する。具体的には、コンピュータ80は、ステップS41において取得した撮影データが、ドレンパン50にドレン水が流れている状態で撮影された撮影データか否かを判定する。コンピュータ80は、ステップS42において、ドレンパン50にドレン水が流れていない状態の撮影データであると判定した場合、ステップS41に処理を戻す。一例では、ドレンパン50にドレン水が流れていない状態の撮影データは、サーバSVにアップロードされずに破棄される。
【0063】
コンピュータ80は、ステップS42において、ドレンパン50にドレン水が流れている状態の撮影データであると判定した場合、ステップS43の処理に移行する。コンピュータ80は、ステップS43において、ドレンパン50にドレン水が流れている状態の撮影データをアップロード対象として抽出する。コンピュータ80は、ステップS44において、アップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。以上の処理を経て、ステップS41~ステップS44の処理を終了する。
【0064】
本実施形態によれば、第1実施形態の(1-1)~(1-2)と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果がさらに得られる。
(4-1)コンピュータ80が、ドレンパン50にドレン水が流れている状態の撮影データをアップロード対象として抽出する。この構成によれば、ドレンパン50にドレン水が流れている状態の撮影データがサーバSVにアップロードされ、ドレンパン50にドレン水が流れていない状態の不要な撮影データがサーバSVにアップロードされない。このため、通信量の低減に貢献できる。また、撮影画像の変化が大きい撮影データは有用性が高い。このため、作業者の作業効率の向上に貢献できる。
【0065】
(第5実施形態)
図9を参照して、第5実施形態の空気調和機1について説明する。本実施形態の空気調和機1は、第1実施形態の空気調和機1と比較して、コンピュータ80の処理内容が異なる。以下の説明において、便宜上、第1実施形態の空気調和機1の構成要素の機能と共通する構成要素には同一符号を付し、その機能の説明を省略する。
【0066】
コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じた撮影タイミングにおいてカメラ70が撮影し、カメラ70により撮影されたアップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。本実施形態では、アップロード撮影条件は、空気調和機1の運転状態に関する条件を含む。コンピュータ80が、空気調和機1が運転中にカメラ70が撮影し、カメラ70により撮影されたアップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。本実施形態では、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて撮影タイミングを設定する。具体的には、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、空気調和機1が運転中にカメラ70により撮影されるように撮影タイミングを設定し、撮影タイミングに応じて撮影されたアップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。
【0067】
撮影制御部72は、コンピュータ80から入力された撮影タイミングに関する情報を含む撮影指令に応じて、カメラ70の撮影の動作を制御する。撮影制御部72は、撮影タイミングが成立すると、カメラ70が撮影するようにカメラ70の撮影の動作を制御する。撮影制御部72は、例えば空気調和機1に搭載されるセンサから取得した情報に基づいて撮影タイミングの成立を判定する。撮影タイミングは、空気調和機1に搭載されるコンピュータ80とは別の要素により設定されてもよい。この場合、撮影制御部72は、空気調和機1に搭載されるコンピュータ80とは別の要素から入力された撮影タイミングに関する情報を含む撮影指令に応じて、カメラ70の撮影の動作を制御する。
【0068】
次に、図9を参照して、コンピュータ80が実行する処理の一例について説明する。
コンピュータ80は、ステップS51において、アップロード撮影条件に応じて撮影タイミングを設定する。具体的には、コンピュータ80は、空気調和機1が運転中にカメラ70により撮影されるように撮影タイミングを設定する。コンピュータ80は、ステップS52において、撮影タイミングに関する情報を含む撮影指令をカメラ70に送信する。撮影制御部72は、撮影指令に含まれる撮影タイミングに応じて、空気調和機1が運転中にカメラ70が撮影するようにカメラ70の撮影の動作を制御する。
【0069】
コンピュータ80は、ステップS53において、撮影データを取得する。コンピュータ80は、カメラ70により撮影された撮影データを直接的に取得してもよく、記憶部90に記憶された撮影データを取得してもよい。コンピュータ80は、アップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。具体的には、コンピュータ80は、ステップS53において取得した撮影データを、アップロード対象の撮影データとしてサーバSVにアップロードする。以上の処理を経て、ステップS51~ステップS54の処理を終了する。
【0070】
本実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
(5-1)カメラ70により定期的に撮影された撮影データの全てがサーバSVにアップロードされると、アップロードに要する通信量が増大する。本実施形態の空気調和機1では、アップロード撮影条件に応じた撮影タイミングで撮影された撮影データのみが取得されるため、必要な撮影データのみをサーバSVにアップロードできる。このため、通信量の低減に貢献できる。
【0071】
(5-2)コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて撮影タイミングを設定する。この構成によれば、アップロード撮影条件に応じた撮影タイミングがコンピュータ80により設定されるため、撮影タイミングを設定するための要素を省略できる。
【0072】
(変形例)
上記各実施形態は、本開示に関する空気調和機が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に関する空気調和機は、上記各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、上記各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、又は上記各実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下の変更例において、上記各実施形態の形態と共通する部分については、上記各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0073】
・上記第1~第4実施形態において、コンピュータ80の処理内容は任意に変更可能である。コンピュータ80が、以下の第1例~第5例のいずれかに従って、アップロード撮影条件に応じた撮影データを抽出し、アップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。第1例では、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、空気調和機1が冷房運転中の撮影データをアップロード対象として抽出する。第2例では、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、ドレンポンプ60が運転中の撮影データをアップロード対象として抽出する。第3例では、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、前回のアップロードから所定期間以上経過した後で取得した撮影データを、アップロード対象として抽出する。第4例では、コンピュータ80が、記憶部90に記憶された撮影データにおいて、アップロード撮影条件に応じた特異データをアップロード対象として抽出する。第5例では、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、通信端末100等の外部から指定された撮影データをアップロード対象として抽出する。
【0074】
・上記第5実施形態において、コンピュータ80の処理内容は任意に変更可能である。コンピュータ80が、以下の第1例~第6例のいずれかに従って、アップロード撮影条件に応じた撮影タイミングを設定する。第1例では、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、空気調和機1が冷房運転中にカメラ70により撮影されるように撮影タイミングを設定する。第2例では、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、ドレンポンプ60が運転中にカメラ70により撮影されるように撮影タイミングを設定する。第3例では、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、空気調和機1が停止してから所定時間経過後にカメラ70により撮影されるように撮影タイミングを設定する。第4例では、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、ドレンポンプ60が停止してから所定時間経過後にカメラ70により撮影されるように撮影タイミングを設定する。第5例では、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、室内機10の冷媒温度が異常温度になった場合にカメラ70により撮影されるように撮影タイミングを設定する。第6例では、コンピュータ80が、アップロード撮影条件に応じて、カメラ70の曇り度が所定曇り度未満となること想定される時間帯にカメラ70により撮影されるように撮影タイミングを設定する。
【0075】
・上記各実施形態において、コンピュータ80の処理内容は任意に変更可能である。一例では、コンピュータ80が、第1アップロード撮影条件に応じて撮影タイミングを設定する。そして、コンピュータ80は、撮影タイミングに応じて撮影された撮影データにおいて、第2アップロード撮影条件に応じたアップロード対象を抽出し、アップロード対象の撮影データをサーバSVにアップロードする。第1アップロード撮影条件は、上記第5実施形態に対応するアップロード撮影条件である。第2アップロード撮影条件は、上記第1~第4実施形態に対応するアップロード撮影条件である。
【0076】
以上、本装置の実施の形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本装置の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0077】
1 空気調和機
70 カメラ
80 コンピュータ
90 記憶部
SV サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9