(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】炊飯器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20230705BHJP
【FI】
A47J27/00 103E
A47J27/00 103N
(21)【出願番号】P 2019141310
(22)【出願日】2019-07-31
【審査請求日】2022-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】小林 真輝
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-112886(JP,A)
【文献】国際公開第2017/073141(WO,A1)
【文献】実開昭59-095925(JP,U)
【文献】特開2010-240196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00-27/64、36/00-36/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の内部に収容される内鍋と、
前記本体を開閉可能に覆う外蓋と、前記外蓋の内側に取り付けられ前記外蓋が閉状態である際において前記内鍋の開口部を覆う内蓋と、を有する蓋体と、を備え、
前記内蓋は、前記内鍋内の圧力を調整する調圧部と、第1孔部と、前記第1孔部の近傍に形成される第2孔部と、前記第2孔部の上側の周辺部から前記外蓋側に向かって延びる周壁部と、を有し、
弁本体部と、前記弁本体部から延びる差込部と、を有する弁体をさらに備え、
前記差込部は、前記第2孔部の下側から前記周壁部の上側に向かって前記第2孔部および前記周壁部の内孔に差し込まれており、
前記弁体の前記弁本体部は、前記内鍋内の内圧が大気圧より高い場合に前記第1孔部の下側および前記第2孔部の下側を塞ぎ、前記内鍋内の内圧が大気圧より低い場合に前記第1孔部の下側および前記第2孔部の下側を塞がず、
前記周壁部には、前記周壁部の外周面と内周面とを貫く少なくとも1つの切り欠き部が設けられている、
炊飯器。
【請求項2】
本体と、
前記本体の内部に収容される内鍋と、
前記本体を開閉可能に覆う外蓋と、前記外蓋の内側に取り付けられ前記外蓋が閉状態である際において前記内鍋の開口部を覆う内蓋と、を有する蓋体と、を備え、
前記内蓋は、前記内鍋内の圧力を調整する調圧部と、第1孔部と、前記第1孔部の近傍に形成される第2孔部と、前記第2孔部の上側の周辺部から前記外蓋側に向かって延びる周壁部と、を有し、
弁本体部と、前記弁本体部から延びる差込部と、を有する弁体をさらに備え、
前記差込部は、前記第2孔部の下側から前記周壁部の上側に向かって前記第2孔部および前記周壁部の内孔に差し込まれており、
前記弁体の前記弁本体部は、前記内鍋内の内圧が大気圧より高い場合に前記第1孔部の下側および前記第2孔部の下側を塞ぎ、前記内鍋内の内圧が大気圧より低い場合に前記第1孔部の下側および前記第2孔部の下側を塞がず、
前記第2孔部は、2つ形成されており、
前記弁本体部は、矩形状であり、
前記差込部は、前記弁本体部の上面の対角位置から上側に向かって延びるように2つ形成されており、
前記差込部のそれぞれが、前記第2孔部の下側から前記周壁部の上側に向かって
前記第2孔部および前記周壁部の内孔に差し込まれている、
炊飯器。
【請求項3】
前記内蓋は、前記外蓋側に設けられる受け皿部をさらに有しており、
前記第1孔部および前記第2孔部は、前記受け皿部に形成されており、
前記受け皿部は、前記第1孔部に向かうに従って前記内蓋の下面方向に傾斜している、
請求項1
または2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記受け皿部は、縁部から前記外蓋側に向かって延びる囲み壁部を有する、
請求項
3に記載の炊飯器。
【請求項5】
前記切り欠き部の少なくとも1つは、前記第2孔部のうち前記第1孔部側の反対側の部位に形成される、
請求項
1に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器、特に圧力式炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
本体と、該本体内に着脱自在に収納される内釜と、前記本体の上部を覆う外蓋と、前記内釜を加熱する加熱手段と、前記外蓋には前記内釜の上部開口を覆う内蓋と、該内蓋に設けられ前記内釜内部を所定の圧力に維持する調圧弁と、前記外蓋に形成し前記調圧弁を通して前記内釜で発生した蒸気を外部に導く蒸気通路と、前記外蓋に取り付けられ前記蒸気通路に連通して外部に排出される前に前記蒸気を回収する蒸気回収ユニットと、を備え、前記蒸気回収ユニットは、上ケースと下ケースから構成され、該下ケースには蒸気が結露した水が前記蒸気通路内に戻る水戻し穴を有し、前記内蓋には前記蒸気通路部に戻った前記結露した水を受ける水受け台を設け、該水受け台には前記内釜内部と連通する内釜水戻し穴と該内釜水戻し穴に向かって水を導き集中させる傾斜部を有し、前記内蓋水戻し穴には前記内釜内部の圧力が大気圧より高いときは塞がれ、大気圧より低いときは開放する弁を設け、さらに、前記内蓋の下面には前記内蓋水戻し穴からの水を受ける水受け皿を設け、該水受け皿には前記内釜内部と連通する穴を設けたことを特徴とする炊飯器が過去に提案されている(例えば、特開2011-234899号公報等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、炊飯器を用いた炊飯時に蒸気と共に蓋体内に浸入してくる「おねば(御粘)」を内鍋内に戻すことで美味しいご飯を炊き上げることができることが知られている。このため、上述のような圧力式炊飯器には、通常、内蓋におねば及び蒸気を通すための弁孔(例えば、特許文献1における蒸気通路、内蓋水戻し穴)が形成されている。そして、圧力炊飯運転時に内鍋内の圧力が高まるとその圧力によって弁体が持ち上げられその弁孔が塞がれてその圧力がさらに高められる。一方、圧力炊飯運転が終了して内鍋内の圧力が低下すると、弁体が自然に落下することによってその弁孔が開放され、その弁孔を介して蓋体内に溜まった「おねば」が内鍋内に戻される。
【0005】
また、近年、炊飯器製造会社各社から複数機種の炊飯器が製造販売されており、各社において異機種の炊飯器の部品の共通化が進められている。そして、上述のような圧力式炊飯器において弁体を共通化することが試みられている。ところで、通常、弁体は、弁本体部と、弁本体部から延びる一対の差込部とから構成されており、弁本体部が内鍋側に位置するように差込部が、上述の弁孔の脇に形成される一対の差込孔に差し込まれることによって上下移動可能な状態とされている。ここで、異機種において上述の差込孔の長さが短くなる場合、圧力炊飯運転前の弁本体部の位置が下がりすぎて、圧力炊飯運転時に弁体が持ち上げられずいつまでも圧力が上がらないという不具合が生じる。
【0006】
本発明の課題は、異機種の炊飯器間で弁体を共通化することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る炊飯器は、
本体と、
前記本体の内部に収容される内鍋と、
前記本体を開閉可能に覆う外蓋と、前記外蓋の内側に取り付けられ前記外蓋が閉状態である際において前記内鍋の開口部を覆う内蓋と、を有する蓋体と、を備え、
前記内蓋は、前記内鍋内の圧力を調整する調圧部と、第1孔部と、前記第1孔部の近傍に形成される第2孔部と、前記第2孔部の上側の周辺部から前記外蓋側に向かって延びる周壁部と、を有し、
弁本体部と、前記弁本体部から延びる差込部と、を有する弁体をさらに備え、
前記差込部は、前記第2孔部の下側から前記周壁部の上側に向かって前記第2孔部および前記周壁部の内孔に差し込まれており、
前記弁体の前記弁本体部は、前記内鍋内の内圧が大気圧より高い場合に前記第1孔部の下側および前記第2孔部の下側を塞ぎ、前記内鍋内の内圧が大気圧より低い場合に前記第1孔部の下側および前記第2孔部の下側を塞がず、
前記周壁部には、前記周壁部の外周面と内周面とを貫く少なくとも1つの切り欠き部が設けられている。
【0008】
上記構成によれば、内蓋は、第2孔部の上側の周辺部から外蓋側に向かって延びる周壁部を有している。このため、複数機種の炊飯器のうち第2孔部の下端から周壁部の上端までの距離が最も長いものに合わせて(周壁部を設けない機種がある場合は、第2孔部の長さも比較する。)弁体の差込部の長さを決定しておけば、周壁部の高さを調整することによって圧力炊飯運転前の弁本体の位置を最適な位置とすることができ、延いては圧力炊飯運転時に圧力で弁体が持ち上がるようにすることができる。したがって、この炊飯器の構造を利用することによって、異機種の炊飯器間で弁体を共通化することができる。また、上記構成によれば、例えば、上述した弁体の差込部の脱落防止部が周壁部の上面に乗っている場合であっても、切り欠き部を通じて第2孔部におねばを流すことができる。このため、この炊飯器では、周壁部の存在により第1孔部におねばを流しにくい状態となったとしても第2孔部からおねばを内鍋内に戻すことができる。
【0009】
本発明に係る炊飯器は、
本体と、
前記本体の内部に収容される内鍋と、
前記本体を開閉可能に覆う外蓋と、前記外蓋の内側に取り付けられ前記外蓋が閉状態である際において前記内鍋の開口部を覆う内蓋と、を有する蓋体と、を備え、
前記内蓋は、前記内鍋内の圧力を調整する調圧部と、第1孔部と、前記第1孔部の近傍に形成される第2孔部と、前記第2孔部の上側の周辺部から前記外蓋側に向かって延びる周壁部と、を有し、
弁本体部と、前記弁本体部から延びる差込部と、を有する弁体をさらに備え、
前記差込部は、前記第2孔部の下側から前記周壁部の上側に向かって前記第2孔部および前記周壁部の内孔に差し込まれており、
前記弁体の前記弁本体部は、前記内鍋内の内圧が大気圧より高い場合に前記第1孔部の下側および前記第2孔部の下側を塞ぎ、前記内鍋内の内圧が大気圧より低い場合に前記第1孔部の下側および前記第2孔部の下側を塞がず、
前記第2孔部は、2つ形成されており、
前記弁本体部は、矩形状であり、
前記差込部は、前記弁本体部の上面の対角位置から上側に向かって延びるように2つ形成されており、
前記差込部のそれぞれが、前記第2孔部の下側から前記周壁部の上側に向かって第2孔部および前記周壁部の内孔に差し込まれている。
【0010】
上記構成によれば、内蓋は、第2孔部の上側の周辺部から外蓋側に向かって延びる周壁部を有している。このため、複数機種の炊飯器のうち第2孔部の下端から周壁部の上端までの距離が最も長いものに合わせて(周壁部を設けない機種がある場合は、第2孔部の長さも比較する。)弁体の差込部の長さを決定しておけば、周壁部の高さを調整することによって圧力炊飯運転前の弁本体の位置を最適な位置とすることができ、延いては圧力炊飯運転時に圧力で弁体が持ち上がるようにすることができる。したがって、この炊飯器の構造を利用することによって、異機種の炊飯器間で弁体を共通化することができる。また、上記構成によれば、弁体の矩形状の弁本体部の上面の対角位置から上側に向かって2つの差込部が延びているので、同寸法の弁本体部の対辺部中央に2つの差込部を設ける場合に比べて平面視における差込部間の距離を長くすることができる。このため、ここでは、上述の場合に比べて、第2孔部間の距離を長くとることができ、延いては第1孔部から離れた位置に第2孔部および周壁部を形成することができる。したがって、この構成では、周壁部によって第1孔部におねばが流れにくくなることを軽減することができる。
【0011】
本発明では、
前記内蓋は、前記外蓋側に設けられる受け皿部をさらに有しており、
前記第1孔部および前記第2孔部は、前記受け皿部に形成されており、
前記受け皿部は、前記第1孔部に向かうに従って前記内蓋の下面方向に傾斜していると好適である。
【0012】
ここで、圧力炊飯運転時においておねばが受け皿部に溜まるようにこの炊飯器を設計しておけば、圧力炊飯運転時に内鍋内に戻すおねばを効率的に溜めておくことができる。また、上記構成によれば、傾斜面によりおねばを第1孔部に向けて効率よく流すことができる。
【0013】
本発明では、
前記受け皿部は、縁部から前記外蓋側に向かって延びる囲み壁部を有すると好適である。
【0014】
上記構成によれば、受け皿部からおねばが流出することを抑制することができる。
【0015】
本発明では、
前記切り欠き部の少なくとも1つは、前記第2孔部のうち前記第1孔部側の反対側の部位に形成されると好適である。
【0016】
上記構成によれば、周壁部の存在により第1孔部におねばを流しにくい状態となり、且つ、おねばの量が周壁部を取り囲むほど多い状況でも第2孔部から積極的におねばを内鍋内に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態に係る炊飯器の正面図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する内鍋の上方斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する内鍋の下方斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する内鍋の下方分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する受け皿部の上方斜視図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する受け皿部の下方斜視図である。
【
図8】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する負圧パッキンの上方斜視図である。
【
図9】本発明の実施の形態に係る炊飯器を構成する蓋体の内側を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<本発明の実施の形態に係る炊飯器の構造>
本発明の実施の形態に係る炊飯器100は、誘導加熱式の圧力炊飯器であって、
図1および
図2に示されるように、主に、本体110、内鍋130、蓋体140およびヒンジ機構150から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0019】
1.本体
本体110は、
図1および
図2に示されるように、主に、筐体111、取っ手112、断熱材(図示せず)、誘導加熱コイル113、サーミスタ114、送風ファン115、ヒートシンク116、操作パネル117、電源回路基板118、制御回路基板119および自動巻取式電源コードユニット120から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0020】
(1)筐体
筐体111は、
図1および
図2に示されるように、主に、側壁111a、底壁111b、肩部材111c、保護枠111dおよび基板支持部材111eから構成されており、断熱材(図示せず)、誘導加熱コイル113、フェライトコア組立体121、サーミスタ114、送風ファン115、ヒートシンク116、電源回路基板118、制御回路基板119および自動巻取式電源コードユニット120等を収容している。また、肩部材111cの前側の上側には操作パネル117が配設されている。
【0021】
側壁111aは、平面視において略長方形を呈する囲い壁であって、
図1および
図2に示されるように本体110の側面を覆っている。また、この側壁111aには、
図1および
図2に示されるように取っ手112が回動自在に取り付けられる。
【0022】
底壁111bは、略方形の板状体であって、
図1および
図2に示されるように側壁111aの下側に嵌め込まれており、側壁111aの下側の開口を覆っている。そして、この底壁111bには、
図2に示されるように、筐体111の外部の空気を内部に吸い込むための吸気口Os、および、筐体111の内部の空気を外部に排出するための排気口(図示せず)が形成されている。なお、
図2に示されるように、吸気口Osの直上には、送風ファン115が配設されている。この送風ファン115が駆動されると、吸気口Osを通って外部の空気が筐体111の内部に吸い込まれ、それによって生じる空気流れにより内部の加熱空気が排気口から系外に排出される。
【0023】
肩部材111cは、略方形状の枠体であって、
図1および
図2に示されるように側壁111aの上側に嵌合されており、側壁111aの上側の開口の縁部を覆っている。そして、
図2に示されるように、この肩部材111cの下側には、保護枠111dが取り付けられている。なお、
図2に示されるように、保護枠111dは保護枠フランジ部FP(後述)で肩部材111cに取り付けられており、保護枠フランジ部FPは肩部材111cを外側に向かって張り出させている。
【0024】
保護枠111dは、内鍋130の外周を保護すると共に肩部材111cの形状を保つ役目を担う部材であって、
図2に示されるように、主に、内鍋収容部PAおよび保護枠フランジ部FPから形成されている。内鍋収容部PAは、内鍋130の外周を覆う椀状の部位である。保護枠フランジ部FPは、上述の通り、肩部材111cの下側に配設されており、肩部材111cを外側に向かって張ることにより肩部材111cの形状を維持している。
【0025】
(2)取っ手
取っ手112は、使用者が炊飯器100を手で持ち運ぶために設けられている部材であって、本体部(図示せず)および軸部(図示せず)から構成されている。本体部はコの字状を呈している。軸部は本体部の両端から内側に向かって延びている。なお、この炊飯器100において、この軸部は、側壁111aの長手方向中央の上部に形成される孔(図示せず)を通って、保護枠111dに形成される嵌合部(図示せず)に嵌合されている。
【0026】
(3)断熱材
断熱材は、保護枠111dの内鍋収容部PAの側壁および誘導加熱コイル113の外周に巻き付けられており、炊飯時において内鍋130から生じる熱が内鍋収容部PAの外側に流出するのを抑制する役割を担っている。
【0027】
(4)誘導加熱コイル
誘導加熱コイル113は、内鍋130を誘導加熱する誘導加熱源であって、
図2に示されるように保護枠111dの内鍋収容部PAの底壁部および側壁下端部の外側に配設されている。
【0028】
(5)サーミスタ
サーミスタ114は、温度センサであって、
図2に示されるように、保護枠111dの内鍋収容部PAの底壁部の中央部に形成された開口を通って、上方に向かって突出している。なお、このサーミスタ114は、コイルバネ等の付勢部材によって上方に付勢されている。すなわち、このサーミスタ114は、上下方向に沿って出没自在な状態とされている。また、このサーミスタ114は、内鍋検知センサ(図示せず)に組み込まれている。内鍋検知センサは、炊飯器内に内鍋130が存在するか否かを判断するためのものであって、サーミスタ114が下端位置まで下がると、検知信号を制御回路基板119のマイクロコンピュータに送信する。マイクロコンピュータは、検知信号を受信すると、炊飯器内に内鍋130が存在すると判断する。なお、マイクロコンピュータが、炊飯器内に内鍋130が存在しないと判断した場合、炊飯運転が開始されない。ところで、このサーミスタ114は、
図2に示されるように略円盤状のカバー部材127によって支持されている。このカバー部材127は、保護枠111dの内鍋収容部PAの底壁にネジ止めされている。
【0029】
(6)送風ファン
送風ファン115は、上述の通り、筐体111の底壁111bに形成される吸気口Osの直上に、回転軸が略上下方向に沿うようにして配設されている(
図2参照)。すなわち、この送風ファン115が駆動されると、外部の空気が吸気口Osから吸い込まれて筐体内に流入し、そのまま上方に向かって送られる。上方に向かって送られた外部の空気は、ヒートシンク116を通って電源回路基板118および制御回路基板119などに供給されて、それらの部材等を冷却する。
【0030】
(7)ヒートシンク
ヒートシンク116は、外部の空気と効率よく熱交換を行わせる部品である。
【0031】
(8)操作パネル
操作パネル117は、炊飯器100の運転方法を決定して実行するためのものであって、
図1および
図2に示されるように、主に、パネル本体117aおよび押圧ボタンBT等から構成されており、上述の通り、肩部材111cの前側の上側に配設されている。
【0032】
(9)電源回路基板
電源回路基板118は、電源回路を構成する基板であって、いくつかの発熱部品を実装している。なお、この電源回路基板118は、後述する制御回路基板119と同様に筐体111の前側空間SPfに収容されている。
【0033】
(10)制御回路基板
制御回路基板119は、制御回路を構成する基板であって、マイクロコンピュータ等の電子部品を実装している。この制御回路基板119は、
図2に示されるように筐体111の前側空間SPfに収容されており、ヒートシンク116の上方、操作パネル117の下側に配設されている。
【0034】
(11)自動巻取式電源コードユニット
自動巻取式電源コードユニット120は、電源コードおよび自動巻取機構(図示せず)等から構成されており、
図2に示されるように筐体111の後側の空間に収容されている。電源コードは、差込プラグ(図示せず)および電気線(図示せず)から構成されている。差込プラグ(図示せず)は、電気線の先端に配設されている。電気線は、伸展自在に自動巻取機構に巻回されている。
【0035】
2.内鍋
内鍋130は、上方に開口する椀状の鍋であって、肩部材111cの開口に挿通されると共に、保護枠111dの内鍋収容部PAに所定の隙間をもって収容される。なお、ここで、内鍋130は、種々のアルミニウム合金およびステンレス合金の多層体(クラッド材)であって、誘導加熱コイル113によって誘導加熱され得る。
【0036】
3.蓋体
蓋体140は、
図1および
図2に示されるように、主に、外装体141、開閉ボタン142、補強部材(図示せず)、内蓋145およびレバー部材146から構成されている。ヒンジ機構150を介して本体110に回動自在に取り付けられている。
【0037】
(1)外装体
外装体141は、
図1および
図2に示されるように、略直方体状の部材であって、開閉ボタン142、圧力調整機構143およびレバー部材146等を収容している。なお、ここで、開閉ボタン142は、
図1および
図2に示されるように、上面が外装体141の上側に露出するように外装体141に配設されている。また、ここで、この外装体141は、使用時の内圧に耐えることができるように補強部材によって補強されている。さらに、この外装体141の下面には、着脱自在に内蓋145が配設されている。
【0038】
(2)開閉ボタン
開閉ボタン142は、蓋体140を開閉するための角丸長方形状のボタンであって、レバー部材146の上側に配設されている。なお、この開閉ボタン142は、コイルバネ(図示せず)によって上方に向かって付勢されている。
【0039】
(3)レバー部材
レバー部材146は、当接板部(図示せず)と、当接板部の前側から下方に延びる左右一対の延設板部(図示せず)と、各延設板部の下部から後方に向かって延びる爪部(図示せず)とから形成される金属板部材であって、外装体141に軸支されていると共に、当接板部の後端でコイルバネ(図示せず)によって上方に向かって付勢されている。なお、ここで、使用者によって開閉ボタン142が押し下げられると、開閉ボタン142は、レバー部材146の当接板部のうち回動軸の後側の部位に当接する。
【0040】
そして、使用者が蓋体140を閉状態としようとするとき、使用者は開閉ボタン142を操作する必要がなく、そのまま蓋体140を本体110に向かって倒し込めばよい。このとき、レバー部材146の爪部が、肩部材111cに形成される傾斜面(図示せず)に接触しながら下方に移動していく。この間、レバー部材146は、コイルバネの付勢力に逆らって前方に向かって回動する。そして、爪部が、肩部材111cに形成される爪受孔(図示せず)まで達すると、コイルバネの付勢力により爪部がその爪受孔に嵌り込む。このようにして蓋体140が閉状態となる。一方、蓋体140を開状態とするとき、使用者は、開閉ボタン142を押し下げる。すると、開閉ボタン142の下端部位がレバー部材146の当接部に当接し、レバー部材146がコイルバネの付勢力に逆らって前方に向かって回動する。このとき、爪受孔に嵌り込んでいた爪部が爪受孔から引き出される。そして、ヒンジ機構150の付勢力により蓋体140が上方に持ち上げられ、蓋体140が開状態となる。
【0041】
(5)補強部材
補強部材は、蓋体140の強度を高めるためのものである。なお、本実施の形態において、補強部材は、特に限定されず、金属板そのものであってもよいし、金属板を複雑形状にしたものであってもよい。
【0042】
(6)内蓋
内蓋145は、
図2~5に示されるように、内鍋130の上部を覆って密閉するための部材であって、主に、基板部145k、外周パッキン145l、受け皿部145a、負圧パッキン145gおよび圧力調整機構143から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0043】
(6-1)基板部
基板部145kは、
図3および
図4等に示されるように逆円盤状の部位である。そして、この基板部145kには、
図3~
図5に示されるように受け皿部145aや圧力調整機構143が配設されている。また、この基板部145kの外周には、外周パッキン145lが着脱自在に取り付けられている。
【0044】
(6-2)外周パッキン
外周パッキン145lは、
図2に示されるように蓋体140が閉状態とされている際において内鍋130のフランジ部に当接して内鍋130の内部空間を密閉するための部材であって、
図3~
図5に示されるようには基板部145kの外周部に着脱自在に取り付けられている。
【0045】
(6-3)受け皿部
受け皿部145aは、
図3~
図5に示されるように基板部145kの略中央に配設されており、圧力炊飯運転時に内鍋130内に戻すおねばを効率的に溜める役目を担っている。受け皿部145aには、
図3および
図6に示されるように、受け皿部145aの縁部から上方に向かって延びる囲み壁部145bが形成されている。また、受け皿部145aには、
図3、
図5および
図6に示されるように中央孔145c、周辺孔145dおよび周壁部145eが形成されており、前方部の上側に圧力調整機構143(後述)が配設されている。なお、受け皿部145aの上面は、中央孔145cに向かうに従って下方に傾斜している。
【0046】
中央孔145cは、圧力炊飯運転終了時に内鍋130内の蒸気を外に排出すると共に受け皿部145aで溜めたおねばを内鍋130内に戻すための円柱状の孔であって、
図3、
図5~7に示されるように、基板部145kおよび受け皿部145aの後方部に形成されている。なお、この中央孔145cの直径は、
図6および
図7に示されるように、周辺孔145dの直径よりも大きくなるように設計されている。
【0047】
周辺孔145dは、後述する負圧パッキン145gの差込部145iを受け入れるのみならず受け皿部145aで溜めたおねばを内鍋130内に戻すための円柱状の孔であって、
図5~7に示されるように、基板部145kおよび受け皿部145aの後方部において中央孔145cを挟むように2つ形成されている。また、平面視において、2つの周辺孔145dは、中央孔145cの孔軸を中心に点対称になるように形成されている。さらに、平面視において、周辺孔145dの円周と中央孔145cの円周とは互いに接しないように設計されている。
【0048】
周壁部145eは、圧力炊飯運転前の負圧パッキン145g(後述)の本体部145hの高さ位置を最適な位置とするための部位であって、
図3および
図6に示されるように、各周辺孔145dの上側の周辺部から上方に向かって延びるように形成されている。なお、
図3および
図6に示されるように、この周壁部145eには、切り欠き部145fが形成されている。また、この切り欠き部145fは、
図3および
図6に示されるように、周壁部145eの外周と内周とを貫いており、各周壁部145eに一定間隔で3つ形成されている。また、3つの切り欠き部145fのうち1つは、
図6に示されるように中央孔側に形成されており、もう一つは周壁部145eの後方側に形成されており、残りの一つは周壁部145eのうち中央孔の反対側の部位に形成されている。そして、切り欠き部145fの高さは、周壁部145eの高さと同じになるように設計されている。このように切り欠き部145fが形成されていることで、受け皿部145aに溜められたおねばが、切り欠き部145fを通じて周辺孔145dに流されて内鍋130内に戻されることになる。
【0049】
(6-4)負圧パッキン
負圧パッキン145gは、中央孔145cの下側および周辺孔145dの下側を塞いで内鍋130内の圧力を高めるための部材であって、弾性物質(例えば、ゴム等)から形成されている。そして、この負圧パッキン145gは、
図8に示されるように、主に本体部145h、差込部145iおよび脱落防止部145jから構成されている。本体部145hは、角丸長方形状の板状部位である。差込部145iは、本体部145hの上面の対角位置から上側に向かって延びるように形成された略円柱状の部位である。そして、この差込部145iは、
図3および
図5に示されるように、周辺孔145dの下側から周壁部145eの上側に向かって周辺孔145dおよび周壁部145eの内孔に差し込まれる。脱落防止部145jは、負圧パッキン145gの差込部145iが周辺孔145dおよび周壁部145eの内孔に差し込まれている状態を維持するための略切頭円錐形状の部位であって、差込部145iの中央部に形成されている。つまり、周辺孔145dの下側から周壁部145eの上側に向かって周辺孔145dおよび周壁部145eの内孔に差込部145iが差し込まれる際に、脱落防止部145jも同様に周辺孔145dおよび周壁部145eの内孔に差し込まれる。なお、脱落防止部145jの底面の直径は、周壁部145eの内周の直径よりも大きくなるように設計されている。しかし、負圧パッキン145gは弾性物質から成る部材であるため、脱落防止部145jは、伸縮することで周辺孔145dおよび周壁部145eの内孔を通り抜けることができる。そして、脱落防止部145jが周壁部145eの上面に乗ることで、周辺孔145dおよび周壁部145eの内孔に差し込まれている状態が維持される。
【0050】
上述のように負圧パッキン145gが受け皿部145aに取り付けられることで、圧力炊飯運転時に内鍋130内の圧力が高まるとその圧力によって負圧パッキン145gが持ち上げられ、中央孔145cの下側および周辺孔145dの下側が塞がれて内鍋130内の圧力がさらに高められる。一方、圧力炊飯運転が終了して内鍋130内の圧力が低下すると、負圧パッキン145gが自然に落下して脱落防止部145jが周壁部145eの上面に乗ることによって、中央孔145cの下側および周辺孔145dの下側が開放され、中央孔145cの下側および周辺孔145dの下側を介して受け皿部145aに溜まったおねばが内鍋130内に戻される。
【0051】
(6-5)圧力調整機構
圧力調整機構143は、蓋体140が閉状態とされ圧力炊飯運転されている状態において、内鍋130の内部の圧力を1.03~1.3気圧に調整する機構であって、
図3、
図5~
図7および
図9に示されるように、主に、調圧ボール143d、調圧ボール収容部143a、往復動アクチュエータ143bおよび作用ロッド143cから構成されている。調圧ボール143dは、調圧ボール収容部143aに収容されており、基板部145kに形成されている調圧孔143eの上側に配設されている。そして、この調圧ボール143dは、作用ロッド143cの押棒部(図示せず)に押されていない状態において調圧孔143eを塞ぐように弁座に鎮座して内鍋130の内圧を調整し(内鍋130の内圧が所定値以上になると、この調圧ボール143dが押し上げられ、一時的に内圧が低下させられる。)、押棒部に押された状態において調圧孔143eを常時開放する。往復動アクチュエータ143bは、ソレノイドを利用した電磁式ピストンであり、
図9に示されるようにそのピストンPTの先端に作用ロッド143cが取り付けられている。なお、ここで、往復動アクチュエータ143bのピストンPTが後退すると作用ロッド143cが前方に移動し、往復動アクチュエータ143bのピストンPTが前進すると作用ロッド143cが後方に移動する。そして、作用ロッド143cが前方に移動すると、調圧ボール143dが、調圧孔143eを塞ぐように弁座に鎮座する状態となる(すなわち圧力炊飯運転状態となる)と共に、作用ロッド143cの開閉ロック部(後述)RCによりレバー部材146の回動運動が規制されて蓋体140が開かない状態となる。一方、作用ロッド143cが後方に移動すると、作用ロッド143cの押棒部(後述)によって調圧ボール143dが調圧孔143eから押し除けられ、調圧孔143eを常時開放する状態となると共に、作用ロッド143cの開閉ロック部RCによるレバー部材146の回動運動の規制が解除されて蓋体140が開く状態となる。作用ロッド143cは、
図9に示されるように、主に、押棒部、延設部EPおよび開閉ロック部RCから形成されている。押棒部は、調圧ボール収容部143aに出没自在であって、上述の通り、圧力炊飯運転以外において調圧ボール143dを押して調圧孔143eを常時開放する役目を担っている。延設部EPは、押棒部と開閉ロック部RCとを物理的に連結する部位であって、平面視において略L字形を呈している。開閉ロック部RCは、
図9に示されるように、延設部EPの前端に設けられている部位であって、レバー部材146のうちコイルバネに対向する部位の下側の隙間に出没自在とされている。なお、この開閉ロック部RCは、圧力炊飯運転時すなわち作用ロッド143cが前方に移動するとき、前述の隙間に進入し、作用ロッド143cが後方に移動するとき、前述の隙間から抜き出ることになる。なお、本実施の形態において、この圧力調整機構としては、特に限定されず、従前のものが採用されてもかまわない。
【0052】
4.ヒンジ機構
ヒンジ機構150は、上述の通り、蓋体140が本体110に対して回動自在となるように蓋体140を本体110に取り付けている(
図2参照)。なお、上述の通り、このヒンジ機構150は、蓋体140を開方向に向かって付勢している。
【0053】
<本発明の実施の形態に係る炊飯器の特徴>
(1)
本発明の実施の形態に係る炊飯器100では、受け皿部145aの後方部に形成される2つの周辺孔145dそれぞれの上側の周辺部から上方に向かって延びるように周壁部145eが2つ形成されている。このため、この炊飯器100では、周壁部145eの高さを調整することによって圧力炊飯運転前の負圧パッキン145gの本体部145hの高さ位置を最適な位置とすることができ、延いては圧力炊飯運転時に圧力で負圧パッキン145gが持ち上がるようにすることができる。したがって、この炊飯器100の構造を利用することによって、異機種の炊飯器間で負圧パッキン145gを共通化することができる。
【0054】
(2)
本発明の実施の形態に係る炊飯器100では、周壁部145eの外周と内周とを貫く切り欠き部145fが、周壁部145eのそれぞれに一定間隔で3つずつ形成されている。このため、この炊飯器100では、負圧パッキン145gの脱落防止部145jが周壁部145eの上面に乗っている場合であっても、切り欠き部145fを通じて周辺孔145dにおねばを流すことができる。
【0055】
(3)
本発明の実施の形態に係る炊飯器100では、それぞれの周壁部145eにおいて切り欠き部145fの1つが、周辺孔145dのうち中央孔145c側の反対側の周壁部145eの部位に形成される。このため、この炊飯器100では、周壁部145eの存在により第1孔部におねばを流しにくい状態となり、且つ、おねばの量が周壁部145eを取り囲むほど多い状況でも周辺孔145dから積極的におねばを内鍋130内に戻すことができる。
【0056】
(4)
本発明の実施の形態に係る炊飯器100では、内蓋145の上面の中央部から後方部にかけて受け皿部145aが配設されており、その受け皿部145aには、受け皿部145aの縁部から上方に向かって延びる囲み壁部145bが形成されている。このため、この炊飯器100では、圧力炊飯運転時に内鍋130内に戻すおねばを効率的に溜めておくことができる。
【0057】
(5)
本発明の実施の形態に係る炊飯器100では、受け皿部145aの上面が中央孔145cに向かうに従って内蓋145の下方に傾斜している。このため、この炊飯器100では、受け皿部145aの傾斜によりおねばを中央孔145cおよび周辺孔145dに向けて効率よく流すことができる。
【0058】
(6)
本発明の実施の形態に係る炊飯器100では、負圧パッキン145gの本体部145hの上面の対角位置から上側に向かって2つの差込部145iが延びている。つまり、本体部145hの短辺部中央に2つの差込部145iを設ける場合に比べて平面視における差込部145i間の距離を長くすることができる。このため、この炊飯器100では、周辺孔145d間の距離を長くとることができ、延いては中央孔145cから離れた位置に周辺孔145dおよび周壁部145eを形成することができる。したがって、この炊飯器100では、周壁部145eによって中央孔145cにおねばが流れにくくなることを軽減することができる。
【0059】
<変形例>
(A)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、周辺孔145dの上側の周辺部から上方に向かって延びる周壁部145eおよび周壁部145eの外周と内周とを貫く切り欠き部145fが形成されていた。しかし、周壁部145eを形成せずに、周辺孔145dの上面の円周上に切り欠き部が形成されてもよい。かかる場合、圧力炊飯運転前の負圧パッキン145gの位置を最適な位置とするために、周辺孔145dの長さが調節されることが好ましい。
【0060】
(B)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、周辺孔145dは受け皿部145aの後方部にそれぞれ2つずつ形成されていた。しかし、周辺孔145dは、中央孔145cに隣接するように1つ形成されてもよいし、中央孔145cを囲むように3つ以上に形成されてもよい。
【0061】
(C)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、中央孔145cの直径は周辺孔145dの直径よりも大きかった。しかし、中央孔145cの直径および周辺孔145dの直径は同じであってもよいし、中央孔145cの直径が周辺孔145dの直径よりも小さくなってもよい。
【0062】
(D)
先の実施の形態に係る炊飯器100では、周壁部145eに一定間隔で3つずつ切り欠き部145fが形成されていた。しかし、周辺孔145dのうち中央孔145c側の反対側の周壁部145eの部位に切り欠き部145fが少なくとも1つ形成されていれば、切り欠き部145fの数は限定されないし、切り欠き部145fは周壁部145eに一定間隔で形成されなくてもよい。
【0063】
(E)
先の実施形態に係る炊飯器100では、切り欠き部145fの高さは、周壁部145eの高さと同じになるように設計されていた。しかし、切り欠き部145fの高さは、周壁部145eの高さよりも低くなるように設計されてもよい。
【符号の説明】
【0064】
100 :炊飯器
110 :本体
130 :内鍋
140 :蓋体
141 :外装体(外蓋)
143 :圧力調整機構(調圧部)
145 :内蓋
145a :受け皿部
145b :囲み壁部
145c :中央孔(第1孔部)
145d :周辺孔(第2孔部)
145e :周壁部
145f :切り欠き部
145g :負圧パッキン(弁体)
145h :本体部(弁本体部)
145i :差込部