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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】温水装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/00 20060101AFI20230705BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20230705BHJP
   C02F 1/461 20230101ALI20230705BHJP
   C02F 1/28 20230101ALI20230705BHJP
【FI】
A47K3/00 E
A47K3/00 M
A47K3/00 J
A47K3/00 Q
F24H15/196 301L
C02F1/461 Z
C02F1/28 D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019154887
(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公開番号】P2021029734
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 雅也
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-145113(JP,A)
【文献】特開2013-002669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
F24H 15/196
C02F 1/461
C02F 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を供給する給湯管路と、
浴槽水を循環させる循環管路と、
前記給湯管路と前記循環管路とを接続している注湯管路と、
湯水を除菌する添加物を発生させる添加物発生装置と、
前記添加物を除去するフィルタと、
前記浴槽水を前記循環管路に循環させるためのポンプとを備え、
前記注湯管路は、前記給湯管路に接続されている第1管路と、前記循環管路と前記第1管路とを接続している第2管路及び第3管路と、第1弁部とを有し、
前記第2管路と前記循環管路との接続位置である第1位置は、前記第3管路と前記循環管路との接続位置である第2位置よりも前記ポンプで前記浴槽水を前記循環管路に循環させる際の上流側にあり、
前記循環管路は、前記第1位置と前記第2位置との間に配置されている第2弁を有し、
前記第1弁部は、前記第1管路と前記第2管路との間で通水可能な第1状態と、前記第1管路と前記第3管路との間で通水可能な第2状態と、前記第2管路と前記第3管路との間で通水可能な第3状態とを切り替え可能に構成されており、
前記第2弁は、前記第1位置と前記第2位置との間で通水を可能な第4状態と、前記第1位置と前記第2位置との間で通水不能な第5状態とを切り替え可能に構成されており、
前記添加物発生装置は、前記第2管路及び前記第3管路を通って前記第1位置から前記第2位置へと向かう経路上において、前記フィルタよりも前記第1位置の近くにある、温水装置。
【請求項2】
前記添加物発生装置は、前記第2管路に配置されている、請求項1に記載の温水装置。
【請求項3】
前記添加物発生装置は、前記第1位置に配置されている、請求項1又は請求項2に記載の温水装置。
【請求項4】
前記フィルタは、前記第3管路に配置されている、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の温水装置。
【請求項5】
前記第3管路は、前記第2位置からの通水を不能にするとともに、前記第2位置への通水を可能になる逆止弁を含み、
前記逆止弁は、前記経路上において、前記フィルタよりも前記第2位置の近くにある、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の温水装置。
【請求項6】
前記給湯管路から供給される湯水は、塩素を含み、
前記フィルタは、前記塩素をさらに除去するように構成されている、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の温水装置。
【請求項7】
前記添加物発生装置は、前記添加物として、オゾンを発生させる、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の温水装置。
【請求項8】
前記フィルタは、活性炭フィルタである、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の温水装置。
【請求項9】
制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記給湯管路から供給される湯水により前記循環管路の洗浄を行う際に前記第1弁部を前記第1状態に切り替えるとともに、前記第2弁を前記第4状態に切り替え、前記浴槽水を前記循環管路に循環させる際に前記第1弁部を前記第3状態に切り替えるとともに、前記第2弁を前記第5状態に切り替える、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の温水装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記給湯管路から供給される湯水の浴槽への注湯を行う際に前記第1弁部を前記第2状態に切り替えるとともに、前記第2弁を前記第4状態に切り替えるように構成されている、請求項9に記載の温水装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記給湯管路から供給される湯水の浴槽への注湯を行う際に、前記第1弁部及び前記第2弁をそれぞれ前記第1状態及び前記第4状態に切り替えるとともに、前記添加物発生装置の動作を停止させる、請求項9に記載の温水装置。
【請求項12】
前記添加物発生装置及び前記フィルタは、前記第2管路に配置されている、請求項1に記載の温水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2009-156470号公報)には、風呂給湯システムが記載されている。特許文献1に記載されている風呂給湯システムは、湯水を供給する給湯管路と、浴槽水を循環させる循環管路と、給湯管路と循環管路とを接続している湯張り管とを有している。湯張り管には、銀(Ag)イオン発生装置が配置されている。
【0003】
特許文献1に記載されている風呂給湯システムにおいては、浴槽水が排水された際に、循環管路の洗浄が行われる。循環管路の洗浄の際には、給湯管路及び湯張り管を介して循環管路に湯水が供給されるとともに、銀イオン発生装置が動作される。そのため、特許文献1に記載されている風呂給湯システムによると、銀イオン発生装置から発生した銀イオンを含む湯水により、循環管路の洗浄を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-156470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている風呂給湯システムでは、銀イオン発生装置の配置上、循環管路を介して浴槽水を循環させる(追い焚き動作を行う)際に、銀イオン発生装置から発生した銀イオンにより浴槽水を除菌することはできない。また、銀イオン等の添加物が循環管路を流れる浴槽水に加えられたとしても、浴槽水が浴槽に戻る前に添加物が除去されないと、種々の弊害は発生するおそれがある(例えば、浴槽水に銀イオンが含まれていると、銀イオンが酸化されて浴槽に付着し、浴槽が黒ずむおそれがある)。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、添加物が加えられた湯水により循環管路の洗浄が可能であるとともに、浴槽水を循環させる際に浴槽に添加物を残存させることなく添加物による浴槽水の除菌が可能である温水装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る温水装置は、湯水を供給する給湯管路と、浴槽水を循環させる循環管路と、給湯管路と循環管路とを接続している注湯管路と、湯水を除菌する添加物を発生させる添加物発生装置と、添加物を除去するフィルタと、浴槽水を循環管路に循環管路に循環させるためのポンプとを備える。注湯管路は、給湯管路に接続されている第1管路と、循環管路と第1管路とを接続している第2管路及び第3管路と、第1弁部とを有している。第2管路と循環管路との接続位置である第1位置は、第3管路と循環管路との接続位置である第2位置よりもポンプで浴槽水を循環管路に循環させる際の上流側にある。循環管路は、第1位置と第2位置との間に配置されている第2弁を含む。第1弁部は、第1管路と第2管路との間で通水可能な第1状態と、第1管路と第3管路との間で通水可能な第2状態と、第2管路と第3管路との間で通水可能な第3状態とを切り替え可能に構成されている。第2弁は、第1位置と第2位置との間で通水可能な第4状態と、第1位置と第2位置との間で通水不能な第5状態とを切り替え可能に構成されている。添加物発生装置は、第2管路及び第3管路を通って第1位置から第2位置へと向かう経路上においてフィルタよりも第1位置の近くにある。
【0008】
上記の温水装置において、添加物発生装置は、第2管路に配置されていてもよい。上記の温水装置において、フィルタは、第3管路に配置されていてもよい。
【0009】
上記の温水装置において、添加物発生装置は、第1位置に配置されていてもよい。フィルタは、第3管路に配置されていてもよい。
【0010】
上記の温水装置において、第3管路は、第2位置からの通水を不能にするとともに、第2位置への通水を可能になる逆止弁を含んでいてもよい。逆止弁は、経路上においてフィルタよりも第2位置の近くにあってもよい。
【0011】
上記の温水装置において、給湯管路から供給される湯水は、塩素を含んでいてもよい。フィルタは、塩素をさらに除去するように構成されていてもよい。
【0012】
上記の温水装置において、添加物発生装置は、添加物として、オゾンを発生させてもよい。上記の温水装置において、フィルタは、活性炭フィルタであってもよい。
【0013】
上記の温水装置は、制御部をさらに備えていてもよい。制御部は、給湯管路から供給される湯水により循環管路の洗浄を行う際に第1弁部を第1状態に切り替えるとともに、第2弁を第4状態に切り替え、浴槽水を循環管路に循環させる際に第1弁部を第3状態に切り替えるとともに、第2弁を第5状態に切り替えてもよい。
【0014】
上記の温水装置において、制御部は、給湯管路から供給される湯水の浴槽への注湯を行う際に第1弁部を第2状態に切り替えるとともに、第2弁を第4状態に切り替えるように構成されていてもよい。
【0015】
上記の温水装置において、制御部は、給湯管路から供給される湯水の浴槽への注湯を行う際に第1弁部及び第2弁をそれぞれ第1状態及び第4状態に切り替えるとともに、添加物発生装置の動作を停止させてもよい。
【0016】
上記の温水装置において、添加物発生装置及びフィルタは、第2管路に配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様に係る温水装置によると、添加物が加えられた湯水により循環管路の洗浄が可能になるとともに、浴槽水を循環させる際に浴槽に添加物を残存させることなく添加物による浴槽水の除菌が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る温水装置の模式図である。
図2】実施形態に係る温水装置の機能ブロック図である。
図3】実施形態の第1変形例に係る温水装置の模式図である。
図4】実施形態の第2変形例に係る温水装置の模式図である。
図5】実施形態の第3変形例に係る温水装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
【0020】
(実施形態に係る温水装置の構成)
以下に、実施形態に係る温水装置の構成を説明する。
【0021】
図1に示されるように、実施形態に係る温水装置は、給湯管路1と、循環管路2と、注湯管路3と、添加物発生装置4と、フィルタ5とを有している。実施形態に係る温水装置は、ポンプ7と、水位センサ8とをさらに有している。図1中において図示は省略されているが、実施形態に係る温水装置は、さらに、制御部9aと、操作部9bとを有している(図2参照)。
【0022】
給湯管路1は、湯水を供給するための管路である。給湯管路1は、一方端において、上水道に接続されている。給湯管路1は、他方端において、カラン等に接続されている。なお、上水道から供給される湯水には、塩素が含まれている。給湯管路1は、熱交換器11を有している。熱交換器11は、熱交換器11を流れる湯水とバーナ11aから発生する燃焼ガスとの間で熱交換を行う。バーナ11aは、例えば、ブンゼンバーナである。
【0023】
循環管路2は、浴槽10に貯留されている湯水(以下において、「浴槽水」とする)を循環させるための管路である。循環管路2は、一方端及び他方端において、循環アダプタ6に接続される。より具体的には、循環管路2の一方端は循環アダプタ6の吸入口に接続され、循環管路2の他方端は循環アダプタ6の吐出口に接続される。
【0024】
循環管路2は、戻り管路21と、往き管路22と、熱交換器23と、第2弁24とを有している。戻り管路21は、一方端において循環アダプタ6の吸入口に接続され、他方端において熱交換器23に接続されている。往き管路22は、一方端において熱交換器23に接続されており、他方端において循環アダプタ6の吐出口に接続される。熱交換器23は、熱交換器23を流れる湯水とバーナ23aから発生する燃焼ガスとの間で熱交換を行う。バーナ23aは、例えば、ブンゼンバーナである。
【0025】
第2弁24は、後述する第1位置P1と第2位置P2との間にある循環管路2(戻り管路21)に配置されている。第2弁24は、第1位置P1と第2位置P2との間の通水可能な状態(第4状態)と、第1位置P1と第2位置P2との間で通水不能な状態(第5状態)とを切り替え可能に構成されている。第2弁24は、例えば、ボールバルブ型の二方弁であり、当該二方弁の通水状態は、ステッピングモータ等により切り替え可能になっている。
【0026】
注湯管路3は、給湯管路1と循環管路2とを接続している。注湯管路3は、第1弁部31と、第1管路32と、第2管路33と、第3管路34と、逆止弁35と、注湯弁36とを有している。第1弁部31は、第1弁31aにより構成されている。
【0027】
第1管路32は、給湯管路1に接続されている。第2管路33は、第1管路32と循環管路2とを接続している。より具体的には、第2管路33は、第1管路32と戻り管路21とを接続している。第3管路34は、第1管路32と循環管路2とを接続している。より具体的には、第3管路34は、第1管路32と戻り管路21とを接続している。第1弁31aは、第1管路32と第2管路33及び第3管路34とが接続されている位置に配置されている。このことを別の観点から言えば、第2管路33及び第3管路34は、第1弁31aにより第1管路32に接続されている。
【0028】
第2管路33と循環管路2(戻り管路21)とが接続されている位置を、「第1位置P1」という。また、第3管路34と循環管路2(戻り管路21)とが接続されている位置を、「第2位置P2」という。第1位置P1は、第2位置P2よりも浴槽水をポンプ7で循環管路2に循環させる際の上流側にある。
【0029】
第1弁部31(より具体的には、第1弁31a)は、第1管路32と第2管路33との間で通水可能な状態(第1状態)と、第1管路32と第3管路34との間で通水可能な状態(第2状態)と、第2管路33と第3管路34との間で通水可能な状態(第3状態)とを切り替え可能に構成されている。第1弁31aは、例えばボールバルブ型の三方弁であり、当該三方弁の通水状態は、ステッピングモータ等により切り替え可能になっている。
【0030】
逆止弁35は、第3管路34に配置されている。逆止弁35は、第2位置P2からの通水が不能とされている一方、第2位置P2への通水が可能になっている。逆止弁35は、フィルタ5よりも第2位置P2の近くにある。
【0031】
注湯弁36は、第1管路32に配置されている。注湯弁36が開閉されることにより、第1管路32が通水可能になる。注湯弁36は、例えば、電磁弁により構成されている。
【0032】
添加物発生装置4は、湯水を除菌するための添加物を発生させる装置である。添加物発生装置4から発生する添加物は、オゾン(O)である。添加物発生装置4は、第2管路33に配置されている。添加物発生装置4は、第2管路33の内部に差し込まれた一対の電極間に電圧を印加することにより第2管路33を流れる湯水にオゾンを発生させる。なお、添加物発生装置4は、オゾンを発生させる装置に限られない。添加物発生装置4は、例えば、添加物として銀イオンを発生させてもよい。
【0033】
フィルタ5は、第3管路34に配置されている。すなわち、添加物発生装置4は、第2管路33及び第3管路34を通って第1位置P1から第2位置P2へと向かう経路上において、フィルタ5よりも第1位置P1の近くに配置されている。フィルタ5は、添加物発生装置4から発生した添加物を除去可能に構成されている。フィルタ5は、湯水中に含まれている塩素を除去可能に構成されていてもよい。フィルタ5は、例えば、活性炭フィルタである。
【0034】
循環アダプタ6は、浴槽10に取り付けられている。循環アダプタ6は、浴槽10に貯留されている浴槽水を吸入する吸入口と、循環管路2を循環した浴槽水が浴槽10へと吐出される吐出口とを有している。
【0035】
ポンプ7は、循環管路2に配置されている。より具体的には、ポンプ7は、第1位置P1よりも循環アダプタ6の吸入口に近い位置において、戻り管路21に配置されている。ポンプ7が駆動されることにより、循環アダプタ6の吸入口から戻り管路21へと浴槽水が吸入される。
【0036】
水位センサ8は、循環管路2に配置されている。より具体的には、水位センサ8は、戻り管路21に配置されている。水位センサ8は、浴槽10に貯留されている浴槽水の水位を検知する。水位センサ8は、循環管路2(戻り管路21)における湯水の圧力を検知することにより、浴槽10に貯留されている浴槽水の水位を検知する。
【0037】
制御部9aは、例えば、マイクロコントローラにより構成されている。図2に示されるように、制御部9aは、第2弁24、第1弁31a(第1弁部31)、注湯弁36、ポンプ7及び水位センサ8に接続されている。制御部9aは、さらに、バーナ11a及びバーナ23aにも接続されている。
【0038】
操作部9bは、温水装置が行う動作に関する指示が入力可能に構成されている。この動作には、湯張り動作及び追い焚き動作が含まれる。操作部9bは、制御部9aに接続されており、操作部9bに入力された指示に対応する信号が制御部9aへと入力される。
【0039】
<変形例>
以下に、実施形態の第1変形例、第2変形例及び第3変形例に係る温水装置の構成を説明する。ここでは、実施形態に係る温水装置の構成と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0040】
図3に示されるように、実施形態の第1変形例に係る温水装置において、添加物発生装置4及びフィルタ5は、第2管路33に配置されている。添加物発生装置4は、フィルタ5よりも第1位置P1の近くにある。図4に示されるように、実施形態の第2変形例に係る温水装置において、添加物発生装置4は、第1位置P1に配置されており、フィルタ5は、第3管路34に配置されている。
【0041】
すなわち、添加物発生装置4が第2管路33及び第3管路34を通って第1位置P1から第2位置P2へと向かう経路上においてフィルタ5よりも第1位置P1の近くに配置されていれば、添加物発生装置4及びフィルタ5の配置は、限定されない。
【0042】
図5に示されるように、実施形態の第3変形例に係る温水装置において、第1弁部31は、第3弁31bと、第4弁31cと、第5弁31dにより構成されている。第3弁31bは第1管路32に配置されており、第4弁31cは第2管路33に配置されており、第5弁31dは第3管路34に配置されている。第3弁31b、第4弁31c及び第5弁31dは、例えばボールバルブ型の二方弁である。実施形態の第3変形例に係る温水装置において、第1弁部31は、第3弁31b及び第4弁31cを開状態にするとともに、第5弁31dを閉状態とすることにより第1状態になり、第3弁31b及び第5弁31dを開状態とするとともに、第4弁31cを閉状態とすることにより第2状態になり、第4弁31c及び第5弁31dを開状態とするとともに、第3弁31bを閉状態とすることにより第3状態になる。
【0043】
(実施形態に係る温水装置の動作)
以下に、実施形態に係る温水装置の動作を説明する。
【0044】
<湯張り動作>
操作部9bに湯張り操作の指示が入力されることにより、制御部9aは、湯張り動作を開始する。湯張り動作が行われている際、制御部9aは、バーナ11aを動作するように制御しているため、給湯管路1の一方端から供給された湯水は、熱交換器11を流れる際にバーナ11aから発生する燃焼ガスとの間で熱交換を行うことにより、昇温される。
【0045】
湯張り動作が行われている際、制御部9aは、注湯弁36を開状態に制御している。また、湯張り動作が行われている際、制御部9aは、第1弁31aを第2状態に制御しているとともに、第2弁24を第4状態に制御している。そのため、給湯管路1から供給される湯水は、第1弁31a、第1管路32、第3管路34及び逆止弁35を介して、第2位置P2から循環管路2に供給される。給湯管路1から供給される湯水に含まれる塩素は、第3管路34を流れる際に、フィルタ5により除去される。
【0046】
塩素が除去されて循環管路2に供給された湯水は、循環管路2(戻り管路21、熱交換器23及び往き管路22)を介して、循環アダプタ6の吸入口及び吐出口から、浴槽10に供給される。以上のように湯張り動作が行われる。
【0047】
なお、湯張り動作が行われている際、制御部9aは、第1弁31a及び第2弁24をそれぞれ第1状態及び第4状態に制御するとともに、添加物発生装置4を停止するように制御していてもよい。これにより、塩素が除去されていない湯水を浴槽10に供給することができる。
【0048】
<追い焚き動作>
操作部9bに追い焚き動作の指示が入力されることにより、制御部9aは、追い焚き動作を開始する。追い焚き動作が行われている際、制御部9aは、注湯弁36を閉状態に制御している。また、追い焚き動作が行われている際、制御部9aは、第1弁31aを第3状態に制御しているとともに、第2弁24を第5状態に制御している。そのため、制御部9aがポンプ7を動作させることにより循環アダプタ6の吸入口から戻り管路21へと吸入された浴槽水は、第2管路33、第1弁31a及び第3管路34を通って第1位置P1から第2位置P2へと流れる。
【0049】
追い焚き動作が行われている際、制御部9aは、添加物発生装置4を動作するように制御している。そのため、浴槽水が第2管路33を流れる際に、浴槽水に添加物が加えられることにより、浴槽水の除菌が行われる。また、浴槽水が第3管路34を流れる際に、加えられた添加物がフィルタ5により除去される。
【0050】
第2位置P2に達した浴槽水は、戻り管路21の残部、熱交換器23及び往き管路22を流れて浴槽10へと戻る。追い焚き動作が行われている際、制御部9aは、バーナ23aを動作するように制御しているため、浴槽水は、熱交換器23を流れる際に、バーナ23aから発生する燃焼ガスとの間で熱交換を行うことにより昇温される。
【0051】
以上のように追い焚き動作が行われるため、循環管路2を循環して浴槽10に戻った浴槽水は、除菌が行われているとともに、添加物が除去されている。なお、実施形態に係る温水装置は、追い焚き動作によらず浴槽水を循環管路2を介して循環させる(循環動作)こともできる。循環動作は、制御部9aがバーナ23aを停止するように制御している点を除き、追い焚き動作と同様である。
【0052】
<洗浄動作>
浴槽水が浴槽10から排水されて浴槽10に貯留されている浴槽水の水位が所定の閾値以下になったことを水位センサ8によって検知されると、制御部9aは、循環管路2の洗浄動作を開始する。
【0053】
循環管路2の洗浄動作が行われている際、制御部9aは、注湯弁36を開状態に制御している。また、循環管路2の洗浄動作が行われている際、制御部9aは、第1弁31a及び第2弁24をそれぞれ第1状態及び第4状態に制御している。そのため、給湯管路1から供給された湯水は、第1管路32、第1弁31a及び第2管路33を介して、循環管路2に供給される。さらに、循環管路2の洗浄動作が行われている際、制御部9aは、添加物発生装置4を動作するように制御している。そのため、湯水が第2管路33を流れる際に、添加物が湯水に加えられている。
【0054】
循環管路2に供給された湯水は、循環管路2(戻り管路21、熱交換器23及び往き管路22)を介して、循環アダプタ6の吸入口及び吐出口から、浴槽10に供給される。なお、循環管路2の洗浄動作が行われている際、制御部9aは、バーナ11aを停止するように制御しているため、給湯管路1から供給される湯水は、昇温されていない。
【0055】
以上のように循環管路2の洗浄動作が行われるため、添加物及び塩素を含んでいる湯水により、循環管路2を洗浄することができる。
【0056】
<変形例>
以下に、実施形態の第1変形例及び第2変形例に係る温水装置の動作を説明する。ここでは、実施形態に係る温水装置の動作と異なる点を主に説明し、重複する説明は繰り返さないものとする。
【0057】
実施形態の第1変形例に係る温水装置においては、湯張り動作が行われている際に、制御部9aが第1弁31a及び第2弁24をそれぞれ第1状態及び第4状態に制御しているため、湯水は、第1管路32、第1弁31a及び第2管路33を介して循環管路2に供給される。また、実施形態の第1変形例に係る温水装置においては、湯張り動作が行われている際に、制御部9aが添加物発生装置4を停止するように制御している。そのため、実施形態の第1変形例に係る温水装置の湯張り動作でも、塩素が除去された湯水が浴槽10に供給される。
【0058】
実施形態の第1変形例に係る温水装置における追い焚き動作は、浴槽水が第2管路33を流れる際に添加物の除去が行われる点を除き、実施形態に係る温水装置の追い焚き動作と同様である。
【0059】
実施形態の第1変形例に係る温水装置における洗浄動作は、湯水が第2管路33を流れる際にフィルタ5により塩素の除去が行われるため、循環管路2を流れる湯水が塩素を含んでいない。この点を除き、実施形態の第1変形例に係る温水装置における洗浄動作は、実施形態に係る温水装置の洗浄動作と同様である。
【0060】
実施形態の第2変形例に係る温水装置における湯張り動作、追い焚き動作及び洗浄動作は、実施形態に係る温水装置における湯張り動作、追い焚き動作及び洗浄動作とそれぞれ同様である。
【0061】
実施形態の第3変形例に係る温水装置における湯張り動作、追い焚き動作及び洗浄動作は、実施形態に係る温水装置における湯張り動作、追い焚き動作及び洗浄動作とそれぞれ同様である。
【0062】
(実施形態に係る温水装置の効果)
以下に、実施形態に係る温水装置の効果を説明する。
【0063】
実施形態に係る温水装置の追い焚き動作においては、浴槽水が第2管路33を通過する際に、添加物発生装置4から発生した添加物により浴槽水を除菌することが可能であるとともに、浴槽水が第3管路34を通過する際に、浴槽水から当該添加物をフィルタ5により除去することが可能である。
【0064】
実施形態に係る温水装置の洗浄動作においては、湯水が第2管路33を通過する際に、湯水に添加物発生装置4から発生した添加物が加えられるため、当該添加物及び塩素を含んでいる湯水、すなわち除菌力の高い湯水により循環管路2の洗浄を行うことが可能である。その結果、添加物がオゾンである場合には浴槽水にオゾン臭が残らず、添加物が銀イオンである場合には浴槽10が黒ずみにくい。
【0065】
このように、実施形態に係る温水装置によると、添加物が加えられた湯水により循環管路2の洗浄が可能であるとともに、浴槽水の循環を行う際に浴槽10に添加物を残存させることなく添加物による浴槽水の除菌が可能である。
【0066】
実施形態に係る温水装置の給湯動作においては、湯水が第3管路34を通過する際に、フィルタ5により湯水から塩素が除去されるため、浴槽10に塩素が除去された湯水を供給することが可能である。また、実施形態に係る温水装置の給湯動作においては、湯水を第2管路33に流すとともに、その際に添加物発生装置4を動作させないことにより、通常の湯水を浴槽10に供給することができる。このように、実施形態に係る温水装置によると、給湯動作を行う際に湯水から塩素を除去するか否かを選択することが可能である。
【0067】
添加物発生装置4が発生させる添加物がオゾンであり、フィルタ5が活性炭フィルタである場合、添加物がフィルタ5によく吸着されるため、添加物の除去をフィルタ5により効率よく行うことができる。
【0068】
なお、実施形態の第1変形例に係る温水装置の効果は、洗浄動作において、循環管路2を洗浄する湯水が塩素を含まない点を除いて、実施形態に係る温水装置の効果と同様である。また、実施形態の第2変形例に係る温水装置の効果は、実施形態に係る温水装置の効果と同様である。さらに、実施形態の第3変形例に係る温水装置の効果は、実施形態に係る温水装置の効果と同様である。
【0069】
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0070】
上記の実施形態は、洗浄動作、追い焚き動作及び給湯動作を行う温水装置に特に有利に適用される。
【符号の説明】
【0071】
1 給湯管路、2 循環管路、3 注湯管路、4 添加物発生装置、5 フィルタ、6 循環アダプタ、7 ポンプ、8 水位センサ、9a 制御部、9b 操作部、10 浴槽、11 熱交換器、11a バーナ、21 管路、22 往き管路、23 熱交換器、23a バーナ、24 第2弁、31 第1弁部、31a 第1弁、31b 第3弁、31c 第4弁、31d 第5弁、32 第1管路、33 第2管路、34 第3管路、35 逆止弁、36 注湯弁、P1 第1位置、P2 第2位置。
図1
図2
図3
図4
図5