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特許7307358情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20230705BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20230705BHJP
【FI】
A63F13/79 520
A63F13/69 520
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021140341
(22)【出願日】2021-08-30
(65)【公開番号】P2023034214
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2021-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 文子
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-119306(JP,A)
【文献】特開2017-136348(JP,A)
【文献】特開2000-010896(JP,A)
【文献】特開2021-152815(JP,A)
【文献】 ブロックチェーン業界5つの注目テーマとDappsゲーム3つの課題[online],coindeskJAPAN,2020年06月26日,https://www.coindeskjapan.com/31767/,[検索日:2022年11月18日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、管理ステップと、生成ステップと、受付ステップと、移転ステップと、付与ステップとを実行するように構成され、
前記管理ステップでは、第1コンテンツの所有者を示す所有情報が記述された非代替トークンを、ブロックチェーン上で管理させ、
前記生成ステップでは、前記第1コンテンツが移転された結果、前記第1コンテンツが同じ所有者に必要数以上所有されることで、必要数の前記第1コンテンツ同士を関連付けることにより、ユニークな第2コンテンツを生成し、
前記受付ステップでは、他のプレイヤから、前記第2コンテンツの生成から所定時間が経過するまでの間に限り、前記第2コンテンツの移転要求を受け付け、
前記移転ステップでは、前記他のプレイヤが所定条件を満たした場合、前記第2コンテンツを前記他のプレイヤに移転し、
前記付与ステップでは、前記所定時間経過した時における前記第2コンテンツの所有者に利益を与える、
もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1コンテンツは、属性を有し、
前記生成ステップでは、同じ属性の前記第1コンテンツが同じ所有者に必要数以上所有されることで、必要数の前記第1コンテンツ同士を関連付けることにより、ユニークな前記第2コンテンツを生成する、
もの。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記受付ステップでは、前記第2コンテンツの生成に用いた前記第1コンテンツの所有歴を有する前記他のプレイヤから、前記第2コンテンツの前記移転要求を受け付ける、
もの。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記受付ステップでは、必要数以上の前記第1コンテンツを所有する前記所有者から、前記第2コンテンツの生成要求を受け付け、
前記生成ステップでは、前記生成要求を受け付けた場合、必要数の前記第1コンテンツを用いて、ユニークな前記第2コンテンツを生成する、
もの。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記所定時間経過した時における前記第2コンテンツの所有者に対して、前記第2コンテンツのゲーム効果を利用可能とする、
もの。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記管理ステップでは、前記第2コンテンツの所有情報が記述された非代替トークンを、ブロックチェーン上で管理させる、
もの。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記受付ステップでは、前記第2コンテンツの所有歴を有する前記他のプレイヤから、前記第2コンテンツの前記移転要求を受け付ける、
もの。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記所定時間経過した時における前記第2コンテンツの所有者に、前記第2コンテンツの移転回数に応じた利益を付与する、
もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記所定時間経過した時における前記第2コンテンツの所有者に、ユニークな第3コンテンツを付与する、
もの。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記第3コンテンツを付与する際、前記第2コンテンツの所有者から、前記第2コンテンツの関連付けを削除する、
もの。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記生成ステップでは、前記第1コンテンツが同じ所有者に必要数以上所有されることで、必要数の前記第1コンテンツを合成して、ユニークな第2コンテンツを生成する、
もの。
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、対戦ステップをさらに実行するように構成され、
前記対戦ステップでは、他のプレイヤから前記第2コンテンツの前記移転要求を受け付けた場合、他のプレイヤと、前記第2コンテンツの所有者との間で対戦ゲームを実行させ、
前記移転ステップでは、前記対戦ゲームで他のプレイヤが勝利した場合、前記第2コンテンツを他のプレイヤに移転する、
もの。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記対戦ゲームの実行中、前記第2コンテンツの合成時における所有者に、有利なゲーム効果を付与する、
もの。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記所定時間経過した時における前記第2コンテンツの所有者に、前記対戦ゲームの勝利回数に応じた利益を付与する、
もの。
【請求項15】
請求項12~請求項14の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、貸与ステップをさらに実行するように構成され、
前記受付ステップでは、前記第2コンテンツの所有者から、所望のプレイヤに対して前記第2コンテンツの貸与要求を受け付け、
前記貸与ステップでは、前記貸与要求に基づき、前記所定時間が経過するまでの間、前記所望のプレイヤに前記第2コンテンツを貸与し、
前記対戦ステップでは、前記移転要求を行った他のプレイヤと、前記第2コンテンツの貸与を受けたプレイヤとの間で前記対戦ゲームを実行させる、
もの。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記対戦ゲームの結果または前記貸与要求があった前記所有者が前記第2コンテンツのゲーム効果を利用可能になったことに応じて、前記第2コンテンツの貸与を受けた前記プレイヤに利益を与える、
もの。
【請求項17】
請求項12~請求項13の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記所定時間経過するまでの少なくとも一部において、前記第2コンテンツの所有者に、その所有者の現在位置に応じた利益を付与する、
もの。
【請求項18】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項17の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを備える、
方法。
【請求項19】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項17の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを実行させる、
もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ゲームの過程で入手した仮想商品等を売買することを可能にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-110596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では上記事情を鑑み、ブロックチェーン技術を用いて、ゲームをプレイするプレイヤの興趣性を向上させることができる技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、管理ステップと、生成ステップと、受付ステップと、移転ステップと、付与ステップとを実行するように構成される。管理ステップでは、第1コンテンツの所有者を示す所有情報が記述された非代替トークンを、ブロックチェーン上で管理させる。生成ステップでは、第1コンテンツが同じ所有者に必要数以上所有されることで、必要数の第1コンテンツ同士を関連付けることにより、ユニークな第2コンテンツを生成可能である。受付ステップでは、他のプレイヤから、第2コンテンツの移転要求を受け付ける。移転ステップでは、他のプレイヤが所定条件を満たした場合、第2コンテンツを他のプレイヤに移転する。付与ステップでは、第2コンテンツの生成から所定時間経過時における第2コンテンツの所有者に利益を与える。
【0006】
これにより、ブロックチェーン技術を用いて、ゲームをプレイするプレイヤの興趣性を向上させることができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報処理システム1の全体構成を示す図である。
図2】BCノード装置10のハードウェア構成を示す図である。
図3】ゲームサーバ装置20のハードウェア構成を示す図である。
図4】各装置の制御部の機能構成を示す図である。
図5】本実施形態に係る情報処理システム1の情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図6】ゲーム端末10に表示される画面の一例であって、第1プレイヤに付与された第1コンテンツC1を示す。
図7】ゲーム端末10に表示される画面の一例であり、第1コンテンツC1aを用いて第2コンテンツC2が生成される態様を示している。
図8】ゲーム端末10に表示される画面の一例であり、第1コンテンツC1aを用いて第2コンテンツC2が生成される態様を示している。
図9】第2コンテンツC2の生成から所定時間が経過するまでの間、ゲーム端末10に表示される画面の一例である。
図10】ゲーム端末10に表示される画面の一例であって、第3コンテンツC3が付与される態様を示している。
図11】第1コンテンツC1の付与処理の一例を示すアクティビティ図である。
図12】対戦結果に基づく第1コンテンツC1の移転処理の一例を示すアクティビティ図である。
図13】第1コンテンツC1の売買処理の一例を示すアクティビティ図である。
図14】所有権管理画面の一例を示す図である。
図15】第1コンテンツC1の所有状況を示す図である。
図16】第2コンテンツC2の貸与処理の一例を示すアクティビティ図である。
図17】他の実施形態における情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0009】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係る権利管理システムのハードウェア構成について説明する。
【0013】
1.1 情報処理システム1
図1は、情報処理システム1の全体構成を示す図である。情報処理システム1は、P2Pネットワーク2と、通信回線3と、取引所4と、複数のBCノード装置10(BCノード装置10-1~BCノード装置10-N)と、ゲームサーバ装置20と、取引サーバ装置40と、複数の取引者端末50(取引者端末50-1~取引者端末50-N)とを備える。
【0014】
情報処理システム1は、ゲームをプレイするプレイヤと、コンテンツCを取引する取引者とによって使用される。BCノード装置10は、プレイヤによって使用され、取引者端末50は、コンテンツCの取引を行う取引者によって使用される。
【0015】
P2Pネットワーク2(P2P=Peer to Peer)は、端末同士が互いの持つデータや機能を利用しあうために対等な関係で直に接続しあっている分散型のネットワークである。通信回線3は、インターネット等を含み、自回線に接続する装置同士のデータのやり取りを仲介する。なお、P2Pネットワーク2は、通信回線3の一部であることが通常であるが、図1では、説明を分かりやすくするため別々に表している。複数のBCノード装置10(BC=Block Chain=ブロックチェーン)は、P2Pネットワーク2によって互いに接続され、BCシステム100を形成する。
【0016】
BCシステム100は、過去の処理の履歴等を示すトランザクションデータを一定容量のブロックに区切り、それらのブロックを順番に並べて繋げたブロックチェーンを生成する。BCシステム100は、各ブロックに直前のブロックのハッシュ値を持たせ、生成したブロックチェーンを複数のBCノード装置10のそれぞれに分散させて記憶させる。これにより、BCシステム100は、ブロックチェーンの耐改ざん性を向上させている。これら複数のBCノード装置10が接続されたP2Pネットワーク2は、ブロックチェーンを共有するネットワークである。また、BCノード装置10は、ゲームのプレイヤが使用する装置を兼ねており、ゲームサーバ装置20から提供されるゲームの画面を表示する。
【0017】
ゲームサーバ装置20は、BCノード装置10を介してプレイヤにゲームの機能を提供する装置である。ゲームサーバ装置20の記憶部22には、ゲームプログラムやコンテンツCの画像データなどが記憶され、ゲーム進行などの高速な処理が要求される処理を実行する。
【0018】
取引サーバ装置40は、P2Pネットワーク2に接続することで、ブロックチェーンを共有するネットワークに参加して、NFT(ノンファンジブルトークン:Non-Fungible Token)を管理する処理を行う。
【0019】
NFTとは、ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークン(「非代替性トークン」とも呼ばれる)である。取引サーバ装置40は、例えば、コンテンツCの内容を記述したNFTを生成してブロックチェーンに登録することで、そのコンテンツCを管理する。また、取引サーバ装置40は、取引所4(マーケットプレイス)を介してコンテンツCを取引する。取引所4は、ブロックチェーンを用いた取引を仲介するシステムである。
【0020】
取引サーバ装置40は、取引所4で用いられる仮想通貨を購入してウォレットW1で保管しておき、ウォレットW1を取引所4に接続することでNFTの登録等に必要なコストを仮想通貨等で支払う。
【0021】
取引者端末50は、コンテンツCの取引を行う取引者が使用する装置である。コンテンツCは、デジタルデータ全般を含むが、本実施形態では、取引されるコンテンツCの例として、ゲーム内で使用可能なアイテム等を含むゲームデータが取引される。コンテンツCの取引には、BCノード装置10を用いることも可能である。例えば、プレイヤがBCノード装置10を操作して、コンテンツCを取得することや、取得したコンテンツCの所有権を売りに出すことができる。
【0022】
1.2 BCノード装置10
図2は、BCノード装置10のハードウェア構成を示す図である。BCノード装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、バス14と、入力部15と、表示部16とを備える。バス14は、BCノード装置10が備える各部を電気的に接続する。なお、取引者端末50は、性能および細かな仕様等は異なっていてもよいが、BCノード装置10と同様のハードウェア構成を備える。
【0023】
(制御部11)
制御部11は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理システム1に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0024】
(記憶部12)
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行される情報処理システム1に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行される情報処理システム1に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0025】
(通信部13)
通信部13は、BCノード装置10から種々の電気信号を外部の構成要素に送信可能に構成される。また、通信部13は、外部の構成要素からBCノード装置10への種々の電気信号を受信可能に構成される。さらに好ましくは、通信部13がネットワーク通信機能を有し、これによりP2Pネットワーク2または通信回線3を介して、BCノード装置10と外部機器との間で種々の情報を通信可能に実施してもよい。
【0026】
(入力部15)
入力部15は、ボタンおよびタッチスクリーン等を有し、プレイヤによる入力を受け付ける。ゲームのプレイに適したコントローラーが入力部15として用いられてもよい。
【0027】
(表示部16)
表示部16は、ディスプレイ等を有し、表示面に画像を表示する。なお、表示部16がゲームに登場するキャラクタ、アイテムおよび背景等の各種の画像を表示することを「ゲーム画面を表示する」とも言う。
【0028】
1.3 ゲームサーバ装置20
図3は、ゲームサーバ装置20のハードウェア構成を示す図である。ゲームサーバ装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、バス24とを備える。バス24は、ゲームサーバ装置20が備える各部を電気的に接続する。制御部21と、記憶部22および通信部23の具体的な説明については、BCノード装置10と同様であるので、制御部11、記憶部12および通信部13の記載を参照されたい。なお、取引サーバ装置40は、性能および細かな仕様等は異なっていてもよいが、ゲームサーバ装置20と同様のハードウェア構成を備える。
【0029】
2.機能構成
本節では、図4を参照して、本実施形態の機能構成について説明する。図4は、各装置の制御部の機能構成を示す図である。前述の通り、各装置の記憶部に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部によって具体的に実現されることで、制御部は、以下に示す各機能部として機能する。
【0030】
2.1 BCノード装置10(ゲーム端末)
BCノード装置10の制御部11は、BC記憶手段111と、マイニング処理手段112と、BC通信手段113と、ゲーム通信手段114と、ゲーム処理手段115と、権利処理手段116として機能する。
【0031】
BC記憶手段111は、BCシステム100において生成されたブロックを記憶する。BC記憶手段111は、図1では、ブロックチェーンB10を含む台帳D10を登録している。
【0032】
マイニング処理手段112は、それまでに生成されたブロックおよび新たなトランザクションデータに基づいて新たなブロックを生成するというマイニング処理を実行する。図1では、BCノード装置10がブロックB11、B12、B13を有するブロックチェーンB10に追加する新たなブロックB14を生成するマイニング処理を実行している。
【0033】
複数のBCノード装置10のうち、最も早くマイニング処理を完了したBCノード装置10が生成したブロックB14が、新たにブロックチェーンB10に加えられる。新たなブロックの生成には膨大な計算および冷却等のコストが必要なので、新たなブロックを生成したBCノード装置10にはインセンティブとして仮想通貨等が与えられる。BC記憶手段111は、そうしていずれかのBCノード装置10により新たにブロックチェーンが生成されるたびに、その新たなブロックチェーンを含む台帳を登録する。
【0034】
BC通信手段113は、BCシステム100が備える他のBCノード装置10との間で、ブロックチェーンに関する通信を行う。BC通信手段113は、例えば、新たなブロックに格納するトランザクションデータ、新たに生成されたブロックチェーンおよびそのブロックチェーンを含む台帳等の通信をブロックチェーンに関する通信として行う。
【0035】
ゲーム通信手段114は、ゲームに関する通信を行う。ゲーム処理手段115は、ゲームに関する処理を実行する。権利処理手段116は、コンテンツCの管理、取引および行使等を行うための処理(以下「権利処理」と言う)を実行する。BCノード装置10は、これらの機能を用いて、プレイヤにゲームをプレイさせるゲーム端末として機能することに加え、コンテンツCの取引を行わせる。
【0036】
2.2 ゲームサーバ装置20
ゲームサーバ装置20の制御部21は、ゲーム通信手段211と、ゲーム処理手段212と、ゲームデータ記憶手段213と、管理手段214と、生成手段215と、受付手段216と、移転手段217と、付与手段218と、対戦手段219と、貸与手段220と、して機能する。
【0037】
ゲーム通信手段211は、BCノード装置10との間でゲームに関する通信を行う。ゲーム処理手段212は、ゲームに関する処理を実行する。ゲームデータ記憶手段213は、ゲームに関するデータを記憶する。ゲームサーバ装置20は、これらの機能を用いて、プレイヤにゲームを提供する。ゲームサーバ装置20が提供するゲームは、格闘ゲーム、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、パズルゲーム、レーシングゲームおよび音楽ゲーム等、あらゆるジャンルが対象となりうる。
【0038】
管理手段214は、コンテンツCの所有者を示す所有情報が記述された非代替トークンのブロックチェーンへの登録をBCシステム100に要求する。また、コンテンツCの所有権が移転する際、管理手段214を介して該当のコンテンツCの所有者情報を示すNFTが移転され、この移転のトランザクションがブロックチェーンに登録される。すなわち、管理手段214は、コンテンツCの所有者を示す所有情報が記述された非代替トークンを、ブロックチェーン上で管理させる。
【0039】
生成手段215は、自律分散型アプリケーション(Decentralized Applications:DApps)を介して、コンテンツCを生成する。生成手段215は、第1コンテンツC1が同じ所有者に必要数以上所有されることで、必要数の第1コンテンツC1同士を関連付けることにより、ユニークな第2コンテンツC2を生成する。
【0040】
受付手段216は、コンテンツCの所有者ではない他のプレイヤから、コンテンツCの所有情報(所有権)の移転要求を受け付ける。特に、受付手段216は、第2コンテンツC2の所有者ではない他のプレイヤから、第2コンテンツの移転要求を受け付ける。また、受付手段216は、プレイヤの現在地を取得する。
【0041】
2.3 取引サーバ装置40
取引サーバ装置40の制御部は、コンテンツ記憶手段411と、BC処理手段412と、権利処理手段413と、BC通信手段414とを備える。
【0042】
コンテンツ記憶手段411は、ブロックチェーンで所有権等の権利を管理する対象となるコンテンツCの情報を記憶する。BC処理手段412は、ブロックチェーンに関する処理を実行する。BC処理手段412は、例えば、NFTをブロックチェーンに登録する処理を実行する。BC処理手段412は、他にも、仮想通貨を購入してウォレットW1に保管する処理およびウォレットW1からの支払い処理等を実行する。権利処理手段413は、BCノード装置10と同様に、前述した権利処理を実行する。
【0043】
BC通信手段414は、BCシステム100および取引所4等との間で、ブロックチェーンに関する通信を行う。取引サーバ装置40は、これらの機能を用いて、コンテンツCの内容を記述したNFTを管理する。
【0044】
2.4 取引者端末50
取引者端末50の制御部は、権利処理手段511と、BC通信手段512とを備える。権利処理手段511は、BCノード装置10と同様に、前述した権利処理を実行する。BC通信手段414は、BCシステム100および取引所4等との間で、ブロックチェーンに関する通信を行う。取引サーバ装置40は、これらの機能を用いて、取引者にコンテンツCの取引を行わせる。
【0045】
3.種々の情報と用語の説明
第3節では、情報処理システム1によって扱われる種々の情報と用語とについて説明する。
【0046】
「コンテンツC」とは、ゲームサーバ装置20によって生成され、その所有情報がブロックチェーン上で管理されるデジタルデータである。コンテンツCが生成されることに伴い、コンテンツCの内容およびその所有者情報を記述したNFTが生成され、ブロックチェーンに登録される。また、このコンテンツCの所有権が取引されると、この取引データ(トランザクション)がブロックに記憶される。所有者報には、ギルドID、プレイヤID、所有期間、その他コンテンツC所有時の情報等が含まれる。本実施形態では、コンテンツCは、ゲーム内で利用可能なアイテム、キャラクター、モンスター等のゲームデータである場合を例に説明するが、これに限らず、ゲームキャラクターの姿が描かれた画像データや、ゲーム以外の一般的な風景や写真のデータであってもよい。また、これらのデータ(著作物)がユーザによって制作され提供される場合は、ゲームサーバ装置20に限らず、取引サーバ装置40にデータが記憶されてもよい。なお、ゲーム装置20によって生成されたコンテンツCのデータが取引サーバ装置40に送信され、記憶されてもよい。コンテンツCの所有権は、いずれもゲームのプレイヤおよび取引者間で譲渡(売買取引)可能である。本実施形態では、プレイヤや取引者が入手可能なコンテンツCの一例として、第1コンテンツC1と、第2コンテンツC2と、第3コンテンツC3とが例示される。
【0047】
「第1コンテンツC1」とは、ゲームを開始したプレイヤにログインボーナス(報酬)として付与されるコンテンツCである。第1コンテンツC1は、原則として属性を有し、各第1コンテンツC1はいずれもユニークなもの(NFTで管理されているもの)であるが、属性を有しない汎用的な第1コンテンツC1が一部に含まれてもよい。
【0048】
「第2コンテンツC2」とは、その生成後から所定時間が経過すると、所有者に利益が与えられるコンテンツCである。利益とは、例えば第3コンテンツC3である。
【0049】
「第3コンテンツC3」とは、プレイヤが所定条件を満たした場合に、利益として付与されるコンテンツCである。
【0050】
「タワーディフェンスゲーム」とは、第2コンテンツC2の所有プレイヤと、第2コンテンツC2をしない他のプレイヤとの間で実行される対戦ゲームの一例であって、自分の領土(エリア)に侵入してくる敵を倒す防衛ゲームである。タワーディフェンスゲームでは、各プレイヤには領土が割り当てられており、領土には、敵プレイヤからの侵入を防ぐ壁や、敵プレイヤに対抗するための建物(砲台など)、攻撃キャラクタ等が配置されている。各プレイヤは、ゲーム内通貨やゲームアイテム等を用いて自己の領土を発展させて、敵プレイヤとの対戦に備える。第2コンテンツC2を取得したいプレイヤは、第2コンテンツC2を所有するプレイヤの領土に攻め込み、城を落とすことで第2コンテンツC2を獲得することができる。一方、第2コンテンツC2の所有プレイヤは、敵プレイヤからの攻撃を阻むことで、第2コンテンツC2の防衛を行う。本実施形態では、第2コンテンツC2が生成されてから所定時間が経過するまでの間、第2コンテンツC2を争奪するタワーディフェンスゲームが行われるものとする。
【0051】
「格闘ゲーム」とは、プレイヤ同士で実行される対戦ゲームの一例であって、各プレイヤが操作するプレイヤキャラクタ同士を、ゲーム仮想空間内で対戦させる対戦型アクションゲームである。対戦手段219は、第1コンテンツC1を所持するプレイヤ同士をマッチングさせ、格闘ゲームを実行させる。マッチングされたプレイヤのキャラクタ同士は、所定のゲーム空間を舞台として、格闘試合を行う。
【0052】
「ターン制バトルゲーム」とは、プレイヤ同士で実行される対戦ゲームの一例であって、各プレイヤが操作するプレイヤキャラクタ同士を、交互に行動させて攻撃を繰り返すターン制バトルシステムである。
【0053】
「フレンド」とは、ゲーム内で知人友人関係にあるプレイヤを示す。複数人でゲームを進行させる際、協力プレイを行ったり、フレンド同士で気軽にコミュニケーションを取り合ったり、特別な条件でアイテムやコンテンツCの交換をすることができる。
【0054】
「ギルド」とは、プレイヤが所属するゲーム内グループを示す。ギルドのメンバー同士で交流をしながら、ギルド単位でクエストを請け負ってゲームを進行させたり、フレンドと同様に特別な条件でアイテムやコンテンツCの交換をすることができる。
【0055】
4. 情報処理の概要
図5は、本実施形態に係る情報処理システム1の情報処理の流れを示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図に沿って、情報処理の流れを概説する。本実施形態に係る情報処理方法は、情報処理システム1における以下の各ステップを備える。
【0056】
まず、BCノード装置10-1(以下、ゲーム端末10-1と言う)のゲーム処理手段115は、第1プレイヤの操作に基づき、ゲームを開始および進行させる(A101)。たとえば、ゲーム端末10-1がゲームにログインする要求をゲームサーバ装置20に送信することにより、ゲームサーバ装置20からゲームに必要なデータを受信する。そして、ゲーム端末10-1とゲームサーバ装置20とでゲーム進行に必要なデータを送受信することによりゲームが進行する。ゲームサーバ装置20の付与手段218は、所定のタイミングで第1コンテンツC1を第1プレイヤに付与し(A102)、第1プレイヤはこれを取得する(A103)。付与とは、第1プレイヤによってゲーム上で第1コンテンツC1を利用できることをいう。第1コンテンツC1の付与に伴い、管理手段214を介して、その所有者を示す所有情報が記述された非代替トークンが発行されブロックチェーンに登録される。これにより、第1コンテンツC1の所有情報は、第1プレイヤを所有者としてブロックチェーン上で管理される。すなわち、ブロックチェーン上には第1コンテンツC1の所有情報が記憶される。
【0057】
また、生成手段215は、第1コンテンツC1が同じ所有者に必要数以上所有され、この必要数の第1コンテンツC1同士を関連付けることにより、ユニークな第2コンテンツC2を生成可能とする。第1プレイヤは、第1コンテンツC1を所定数以上取得した場合、A104に進む。第2コンテンツC2の生成に必要な第1コンテンツC1の数は、具体的には例えば、5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,95,100個であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0058】
第1プレイヤは、必要数以上の第1コンテンツC1を所有すると、第1コンテンツC1を用いて、第2コンテンツC2の生成要求をすることができる(A104)。受付手段216は、第1プレイヤから第2コンテンツC2の生成要求を受け付ける。また、生成手段215は、生成要求を受け付けた場合、必要数の第1コンテンツC1を用いて、ユニークな第2コンテンツC2を生成する(A105)。そして、管理手段214を介して、第2コンテンツC2に対応する非代替トークンが発行されブロックチェーンに登録される。これにより、第2コンテンツC2の所有情報は、第1プレイヤを所有者としてブロックチェーン上で管理される。すなわち、ブロックチェーン上には第2コンテンツC2の所有情報が記憶される。
【0059】
第2コンテンツC2の生成要求をしたプレイヤは、第2コンテンツC2の生成から所定時間が経過したタイミングでこれを所持している場合(第2コンテンツC2の所有者である場合)、特典を取得することができる。
【0060】
ここで、第2コンテンツC2の生成から所定時間が経過するまでの間、第2コンテンツC2を所望する他のプレイヤは、第2コンテンツC2を所有するプレイヤに対して移転要求をすることができる。第2プレイヤから第2コンテンツC2の移転要求が行われると(A107)、受付手段216がこれを受け付け(A108)、移転手段217は、他のプレイヤが所定条件を満たした場合、第2コンテンツC2(の所有権)を他のプレイヤに移転する。より具体的には、対戦手段219は、他のプレイヤから第2コンテンツC2の移転要求を受け付けた場合、他のプレイヤと、第2コンテンツC2の所有者との間で対戦ゲームを実行させる(A109)。このときに実行される対戦ゲームは、例えばタワーディフェンスゲームである。
【0061】
対戦した結果、対戦ゲームで他のプレイヤ(第2プレイヤ)が勝利した場合、移転手段217は、第2コンテンツC2の所有権を他のプレイヤ(第2プレイヤ)に移転し(A110)、第2プレイヤは勝利報酬として第2コンテンツC2を取得する(A111)。このとき、管理手段214を介して第2コンテンツC2の所有者情報を示すNFTが移転され、この移転のトランザクションがブロックチェーンに登録される。対戦ゲームに第1プレイヤが勝利すると、第2コンテンツC2の所有権(NFT)は第1プレイヤの元に維持され、防衛に成功する。
【0062】
その後、第2コンテンツC2の生成から所定時間が経過すると、付与手段218は、第2コンテンツC2の生成から所定時間経過時における第2コンテンツC2の所有者に利益を与える(A112)。例えば、第1プレイヤが所定時間が経過するまでの間、第2コンテンツC2の死守に成功した場合(第2コンテンツC2の所有権を維持した場合)、特典として、第3コンテンツC3を取得する(A113)。第3コンテンツC3(第3コンテンツC3の所有権(NFT))を取得すると、第1コンテンツC1および第2コンテンツC2を取得したときと同様に、その所有情報がブロックチェーン上で管理されることとなる。
【0063】
5. 情報処理の詳細
続いて、図6図10を参照しながら、前述した情報処理の詳細をさらに説明する。図6は、ゲーム端末10に表示される画面の一例であって、第1プレイヤに付与された第1コンテンツC1を示す。図7および図8は、ゲーム端末10に表示される画面の一例であり、第1コンテンツC1aを用いて第2コンテンツC2が生成される態様を示している。図9は、第2コンテンツC2の生成から所定時間が経過するまでの間、ゲーム端末10に表示される画面の一例である。図10は、ゲーム端末10に表示される画面の一例であって、第3コンテンツC3が付与される態様を示している。
【0064】
まず、第1プレイヤの操作に基づき、ゲーム処理手段115によってゲームが開始されることに伴い(A101)、生成手段215は、第1コンテンツC1を第1プレイヤに付与する(A102)。ゲームを開始したプレイヤは、第1コンテンツC1をログインボーナスとして取得可能である(A103)。
【0065】
図6において、第1プレイヤは、6つの第1コンテンツC1(第1コンテンツC1aaと、第1コンテンツC1abと、第1コンテンツC1bと、第1コンテンツC1cと、第1コンテンツC1dと、第1コンテンツC1e)が付与される例が示される。ただし、第1コンテンツC1aaおよび第1コンテンツC1abは同属性であるので、第1プレイヤが取得する第1コンテンツC1の属性の種類は5種類である。
【0066】
特に、各第1コンテンツC1が同じ属性である場合、プレイヤは、各第1コンテンツC1が同じ属性であることを識別可能である。図6において、同じ属性である第1コンテンツC1aaおよび第1コンテンツC1abは、同じ形状で示される一方、属性が異なる他の第1コンテンツC1の形状は、いずれも異なる表示態様となる。
【0067】
ここで、第1コンテンツC1を素材に合成される第2コンテンツC2の種類や、合成に用いられる第1コンテンツC1それぞれが、第2コンテンツC2のゲーム内での潜在能力値に与える影響等は予め定められているが、プレイヤには秘匿されている。ただし、第1コンテンツC1のデザイン(色、形状を含む)がこれを暗示するものとなっていたり、アイコンやマーク等の示唆情報6が表示されるため、プレイヤは、これらの情報をヒントとすることができる。例えば、第1コンテンツC1によって生成される第2コンテンツC2の種類が、通常と異なるものとなる場合、第1コンテンツC1とともに示唆情報6が表示されることで、プレイヤは第1コンテンツC1が特殊なものであることを推測することができる。
【0068】
生成手段215は、第1コンテンツC1が同じ所有者に必要数以上所有されることで、必要数の第1コンテンツC1を合成して、ユニークな第2コンテンツC2を生成可能である。具体的には、第1プレイヤは、必要数以上の第1コンテンツC1を所有すると、第2コンテンツC2の合成要求をすることができる(A104)。受付手段216が生成要求を受け付けた場合、生成手段215は、第1コンテンツC1を用いて、ユニークな第2コンテンツC2を生成する(A105)。すなわち、第1プレイヤは、第1コンテンツC1を必要数集めることにより、第1コンテンツC1を合成素材として、第2コンテンツC2を合成することができる。
【0069】
図7で示されるように、第2コンテンツC2の生成に同属性の第1コンテンツC1が6つ必要であり、これらを素材として第2コンテンツC2を合成可能である。また、図7および図8で表されるとおり、第2コンテンツC2の生成に用いられた第1コンテンツC1の属性が同じでも、素材とした第1コンテンツC1はそれぞれ異なるので、合成される第2コンテンツC2は異なり、ユニークな第2コンテンツC2が生成される。
【0070】
例えば、第2コンテンツC2に、ゲーム内で効果を発揮させる能力の値と種類を示すものとして、複数のパラメータやスキルが割り振られているとする。第2コンテンツC2の合成素材となる第1コンテンツC1は、それぞれ第2コンテンツC2に影響を与えるパラメータと、その数値が関連付けられており、合成の際、素材となる複数の第1コンテンツC1が相互に影響しあって、第2コンテンツC2のパラメータやスキルが変化する。このとき、素材となる第1コンテンツC1は、第2コンテンツC2のデザインに影響を与えるものであってもよい。このように、生成手段215は、同じ属性の第1コンテンツC1が同じ所有者に必要数以上所有されることで、必要数の第1コンテンツC1同士を関連付けることにより、ユニークな第2コンテンツC2を生成することができる。
【0071】
ここで、プレイヤは、ログインボーナスとして第1コンテンツC1を入手する方法の他、他プレイヤから第1コンテンツC1の移転を受けることで第1コンテンツC1を入手することができる。具体的には、プレイヤは、他プレイヤとの対戦に勝利して第1コンテンツC1を奪ったり、他プレイヤと売買取引したり、第1コンテンツC1を交換することによって、所望の第1コンテンツC1を入手することができる。なお、このとき、管理手段214を介して第1コンテンツC1の所有者情報を示すNFTが移転され、この移転のトランザクションがブロックチェーンに登録される。これによって、第1コンテンツC1の入手、取引等が成立する。
【0072】
例えば、プレイヤは、他プレイヤから第1コンテンツC1を奪いたい場合、他プレイヤに対して対戦を申し込むことができる。対戦手段219は、対戦するプレイヤのマッチングを行うとともに、対戦ゲームを実行させる。そして、対戦の勝敗に応じて、移転手段217は、対戦に負けたプレイヤが所持する第1コンテンツC1のうち少なくとも一つを、対戦に勝利したプレイヤに移転する。このような態様によれば、対戦の勝者は、敗者から第1コンテンツC1を奪うことができる。なお、対戦結果に基づく第1コンテンツC1の移転処理の詳細ついては、後述する。
【0073】
また、プレイヤ同士で売買取引が行われた場合、移転手段217は、第1コンテンツC1を購入したプレイヤに対して、売買取引対象の第1コンテンツC1を移転させることができる。このとき、第1コンテンツC1を売却するプレイヤは、出品する第1コンテンツC1の売買価格を自由に決定できる。なお、第1コンテンツC1の売買処理の詳細ついては、後述する。
【0074】
プレイヤ同士で第1コンテンツC1を交換したい場合、プレイヤは、自身が所有する第1コンテンツC1のうち、交換に出したい第1コンテンツC1と、所望する第1コンテンツC1の種類とを他プレイヤに公開し、移転要求することができる。取引が成立すると、移転手段217は、交換対象の第1コンテンツC1を移転させる。
【0075】
このように、様々な方法でプレイヤが第1コンテンツC1を必要数集め、集めた第1コンテンツC1を合成することによって複数の第1コンテンツC1から第2コンテンツC2に変化させるという構成により、プレイヤに対して、第1コンテンツC1を集める楽しみ、集めた第1コンテンツC1を第2コンテンツC2に合成させる楽しみが提供される。
【0076】
第2コンテンツC2を生成したプレイヤは、第2コンテンツC2の生成から所定時間が経過したタイミングでこれを所持している場合、特典を取得することができる。所定時間とは、具体的には例えば、1,2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24時間である。また例えば、5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60秒であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0077】
第2コンテンツC2の生成から所定時間が経過するまでの間、図9に示されるように、第2コンテンツC2からどのような特典が得られるのかを示す示唆情報6が表示される。これにより、第2コンテンツC2を所持するプレイヤは、どのような特典が得られるのかを推測することができる。
【0078】
ここで、第2コンテンツC2の生成から所定時間が経過するまでの間、第2コンテンツC2の生成に用いた第1コンテンツC1の所有歴を有する他のプレイヤは、第2コンテンツC2を取得するため、第2コンテンツC2を所有するプレイヤに対戦ゲームを申し込むことができる。受付手段216が移転要求を受け付けると(A108)、対戦手段219は、他のプレイヤから第2コンテンツC2の移転要求を受け付けた場合、他のプレイヤと、第2コンテンツC2の所有者との間で対戦ゲームを実行させる(A109)。
【0079】
対戦した結果、対戦ゲームで他のプレイヤが勝利した場合、移転手段217は、第2コンテンツC2を他のプレイヤ(第2プレイヤ)に移転し(A110)、第2プレイヤはこれを取得する(A111)。すなわち、対戦ゲームを申し込んだプレイヤが勝利すると、第2コンテンツC2の所有権は勝利したプレイヤへと移転され、第2コンテンツC2の所有者となる。これによって、第1プレイヤは、第2コンテンツC2を第2プレイヤに奪われることとなる。このとき、管理手段214を介して、第2コンテンツC2の所有者情報を示すNFTは移転され、この移転のトランザクションがブロックチェーンに登録される。これにより、第2コンテンツC2の所有履歴(トランザクション)は、ブロックチェーン上で管理される。一方、第1コンテンツC1の所持者が対戦ゲームに勝利すると、第2コンテンツC2の所有権(NFT)は第1プレイヤの元に維持され、防衛に成功する。
【0080】
対戦ゲームによって第2コンテンツC2が奪われた場合、第2コンテンツC2の元所有者は、第2コンテンツC2を奪い返すため、第2コンテンツC2の新たな所有者に対して対戦ゲームを申し込むことができる。
【0081】
例えば、対戦ゲームによって第2コンテンツC2の所有権が第1プレイヤから第2プレイヤに移転した場合、第1プレイヤは、新たな所有者である第2プレイヤに対して、対戦ゲームを申し込むことができる。このように、受付手段216は、第2コンテンツC2の生成に用いた第1コンテンツC1の所有歴を有する他のプレイヤだけでなく、第2コンテンツC2の所有歴を有する他のプレイヤからも、第2コンテンツC2の移転要求を受け付け、所定時間が経過するまでの間、第2コンテンツC2の奪い合いが行われる。
【0082】
その後、所定時間が経過すると、付与手段218は、第2コンテンツC2の生成から所定時間経過時における第2コンテンツC2の所有者に、ユニークな第3コンテンツC3を付与する(A112)。第3コンテンツC3が付与された場合、管理手段214を介して、第3コンテンツC3の所有情報を示すNFTがブロックチェーンに登録される。また、付与手段218は、第3コンテンツC3を付与する際、第2コンテンツC2の所有者から、第2コンテンツC2の関連付けを削除する。すなわち、第3コンテンツC3を取得したプレイヤは、第3コンテンツC3を取得するための媒体となった第2コンテンツC2の所有権を失う。
【0083】
付与手段218は、第2コンテンツC2の生成から所定時間経過時における第2コンテンツC2の所有者に利益を与える(A112)。すなわち、第1プレイヤが所定時間が経過するまでの間、第2コンテンツC2の死守に成功した場合(第2コンテンツC2の所有権を維持した場合)、特典として、第3コンテンツC3を取得する。第3コンテンツC3を取得すると、第1コンテンツC1および第2コンテンツC2を取得したときと同様に、その所有情報がブロックチェーン上で管理されることとなる。すなわち、素材である第1コンテンツC1(の所有権)を他のユーザから移転させ、合成することによって複数の第1コンテンツC1から第2コンテンツC2に変化させ、所定のタイミングでこの第2コンテンツC2が第3コンテンツC3に変化し、この第3コンテンツC3をゲーム内で利用できるようになる。これにより、プレイヤに対して、第1コンテンツC1を集める楽しみ、第2コンテンツC2を奪う/奪われないようにする楽しみ、および第3コンテンツC3を所有する楽しみを与えることができる。さらに、これらはブロックチェーン上で管理されるため、改ざんなどの不正行為が行われず、ユーザは安心したゲームプレイができるようになる。なお、図10の例において、第3コンテンツC3は、ゲーム内で使用可能なキャラクタであるが、これに限らず、アイテムでもよいし、プレイヤが閲覧して楽しむことができる画像データや動画データでもよい。
【0084】
<変形例>
以下、前述した実施形態の変形例を、さらに説明する。
【0085】
上記の例において、第1コンテンツC1は、プレイヤがゲームを開始させたときに、ログインボーナスとして付与される例を示したが、これに限らず、プレイヤがゲームを進行させることで入手可能でもよい。例えば、付与手段218は、プレイヤが他プレイヤや敵モンスターとの対戦に勝利したり、クエストをクリアしたりすることで報酬として付与してもよい。また、プレイヤは、上述した入手方法の他、ゲーム内のストア(対価と引き換えに購入)や他プレイヤまたは外部ユーザと売買取引したりと様々な方法で入手可能である。ただし、少なくとも1人のプレイヤに対して第1コンテンツC1を付与可能することで、ゲーム内(ブロックチェーン上)でこの第1コンテンツC1を流通させることにより、プレイヤがゲームのプレイを続ける中でおのずと獲得可能であることが好ましい。
【0086】
図6の例では、第1コンテンツC1の形状によって属性が識別可能である例を示したが、これに限らず、第1コンテンツC1とともに表示されるアイコンやマークによって識別可能であってもよいし、第1コンテンツC1の名称やID等の文字情報によって識別可能であってもよい。また、属性にはレアリティを含むようにしてもよい。
【0087】
図7および図8の例では、素材となる第1コンテンツC1がいずれも同じ属性である場合を示したが、第2コンテンツC2の合成に使用される第1コンテンツC1の一部に、他の第1コンテンツC1と同属性でない、汎用的な第1コンテンツC1(例えば、第1コンテンツC1e)が合成素材の一部として含まれてもよい。
【0088】
第1コンテンツC1が合成されて第2コンテンツC2が生成された場合、素材とした第1コンテンツC1の所有権を喪失する例を示したが、これに限らず、合成に使用した第1コンテンツC1が残ってもよい。また、第1コンテンツC1自体もゲーム内で利用できるキャラクタであってもよい。
【0089】
合成に用いた第1コンテンツC1の属性に応じた第2コンテンツC2が生成されてもよい。また、第2コンテンツC2または第3コンテンツC3を素材として、さらに第1コンテンツC1を合成可能であってもよい。
【0090】
第2コンテンツC2の合成の際、プレイヤ間で取引された履歴のある第1コンテンツC1が素材に含まれる場合、ゲーム通信手段114は、その第1コンテンツC1を過去に所有した履歴がある所有者のゲーム端末10に通知してもよい。ここでいう「過去」とは、一度でも該当する第1コンテンツC1を所有した者であればよい。これらの履歴はブロックチェーン上のトランザクションにより管理される。
【0091】
対戦手段219は、第2コンテンツC2を生成の際に合成した第1コンテンツC1を所有していた他プレイヤからの第2コンテンツC2の移転要求を受け付けた場合、対戦ゲームを実行させる場合を示したが、実施態様はこれに限られない。例えば、所有履歴に関わらず、移転要求は、生成後の第2コンテンツC2が属性(レア度)に応じて全プレイヤ間、フレンド内限定、ギルド内限定にリスト表示され、各対象者が選択可能としてもよい。
【0092】
また、移転要求の際、プレイヤの居住地域(GPS連動、登録情報)、プレイヤレベル、ギルドレベル等に応じて対応する属性の第2コンテンツC2を選択可能としてもよい。もしくは、他プレイヤが希望する第2コンテンツC2を事前に登録し、登録情報と合致する第2コンテンツC2が生成されたタイミングで、対戦要求が両者に自動送信されてもよい。
【0093】
また、上述の例において、対戦結果に応じて移転される第1コンテンツC1の種類は、対戦要求時にプレイヤが選択できる例を示したが、これに限らず、移転手段217は、対戦に負けたプレイヤが所持している第1コンテンツC1のうち少なくとも一つをランダムに移転させてもよい。また、移転手段217は、対戦の内容に応じて、移転させる第1コンテンツC1の種類や数を変動させてもよい。例えば、異なるレベルのプレイヤ同士が対戦した場合において、レベルが対戦相手よりも低いプレイヤが対戦に勝利した場合、移転手段217は、移転させる第1コンテンツC1の数を増加させたり、レアリティの高い第1コンテンツC1を移転させてもよい。
【0094】
上記の例では、付与手段218は、第2コンテンツC2の生成から所定時間経過時における第2コンテンツC2の所有者に対して、第3コンテンツC3を付与する場合を例に説明したが、これに限らず、所定時間が経過するまで利用できなかった第2コンテンツC2のゲーム効果を利用可能してもよい。例えば、付与手段218は、所定時間経過後、第2コンテンツC2に対して新たな能力を開放させる。
【0095】
付与手段218は、対戦ゲームにおいて、コンテンツCの所有数に応じて、対戦ゲームの勝敗に関わるプレイヤ情報が変化させてもよい。「プレイヤ情報」とは、プレイヤまたはプレイヤが所持するキャラクタのレベル、能力値、スキル、対戦ゲーム中にプレイヤに与えられるゲーム効果等を含む。すなわち、付与手段218は、コンテンツCの所持数に応じたゲーム効果を付与する。例えば、前述した防衛ゲームにおいて、プレイヤが所持する第1コンテンツC1または第3コンテンツC3が多いほど、プレイヤが有利になるように、プレイヤキャラクタのレベルを上げたり、パラメータを変化させたり、第1コンテンツC1または第3コンテンツC3自体を防衛ゲームに利用することができたりする。
【0096】
付与手段218は、対戦ゲームの実行中、第2コンテンツC2の合成時における所有者に、有利なゲーム効果を付与してもよい。すなわち、付与手段218は、第2コンテンツC2を生成させたプレイヤに対して、対戦ゲームにおいて有利なゲーム効果を付与する。例えば、付与手段218は、防衛ゲームにおいて、プレイヤが第2コンテンツC2の防衛に成功しやすいように、防衛ゲームで配置可能な武器やアイテム等のオブジェクトの個数を増やしたり、他プレイやからの侵入を防ぐキャラクタのパラメータを上げたりする。また、付与手段218は、第2コンテンツC2を合成した数に応じて、有利なゲーム効果を付与してもよい。または、防衛する側の能力(レベル)に応じて、攻撃する側の能力(レベル)を調整するようにしてもよい。
【0097】
付与手段218は、第2コンテンツC2の生成から所定時間経過時における第2コンテンツC2の所有者に、第2コンテンツC2の移転回数に応じた利益を付与してもよい。例えば、付与手段218は、第2コンテンツC2の移転回数または移転率が少ないほど、パラメータの高い第3コンテンツC3を付与する。これにより、プレイヤは、対戦ゲームにおける第2コンテンツC2の防衛回数が多いほど、能力値の高い第3コンテンツC3を獲得することができる。なお、ここでいう「防衛回数」とは、第3コンテンツC3を獲得したプレイヤ自身が防衛ゲームに勝利し、防衛に成功した回数であることが望ましい。ここでいう「移転率」とは、防衛ゲーム実行回数に対して移転された回数の割合であることが望ましい。すなわち、第2コンテンツC2を生成したプレイヤが、この第2コンテンツC2を他のプレイヤに奪われずに守り抜いた場合に、能力値の高い第3コンテンツC3を獲得することができる。その一方、この第2コンテンツC2が何度も移転されている場合は、能力値の高い第3コンテンツC3を獲得する可能性が低くなることが望ましい。
【0098】
付与手段218は、第2コンテンツC2の合成から所定時間経過時における第2コンテンツC2の所有者に、対戦ゲームの勝利回数に応じた利益を付与してもよい。例えば、付与手段218は、防衛ゲームに勝利した回数が多いほど、第3コンテンツC3のゲーム内での能力値を高くする。
【0099】
付与手段218は、前記第2コンテンツC2の生成から所定時間経過するまでの少なくとも一部において、第2コンテンツC2の所有者に、その所有者の現在位置に応じた利益を付与してもよい。例えば、付与手段218は、対戦ゲーム進行中、第2コンテンツC2の所有者が、任意に自宅と設定した場所に位置する期間は、有利なゲーム効果を付与する。受付手段216は、第2コンテンツC2の所有者の現在位置を取得し、付与手段218は、この取得した現在位置情報に基づき、現在位置に応じた利益を付与する。また、付与手段218は、第2コンテンツC2の所有者の自宅から現在地までの距離に応じて、プレイヤキャラクタの能力値を変化させてもよい。なお、有利なゲーム効果とは、第2コンテンツC2の所有者が勝利しやすくなる等の対戦ゲーム進行中のゲーム効果に限らず、第2コンテンツC2の所有者の現在位置が自宅である場合、対戦ゲームを拒否できる(他のプレイヤは対戦要求をできない)など、対戦ゲームが進行していないときに効果を発揮する利益が与えられてもよい。このような態様によれば、例えば、第2コンテンツC2の所有者の現在地が自宅に近いほど、ゲームが有利に進められる。
【0100】
5.1 第1コンテンツC1の付与処理
図11は、第1コンテンツC1の付与処理の一例を示すアクティビティ図である。
【0101】
まず、A101において、BCノード装置10-1(以下、ゲーム端末10-1と言う)は、第1プレイヤによるゲームの開始操作を受け付ける。ゲーム端末10-1は、第1コンテンツC1の取得要求(例えば、ログイン要求やゲーム結果)をゲームサーバ装置20に送信する(A202)。ゲームサーバ装置20の生成手段215は、第1コンテンツC1をプレイヤに付与する(A203)。管理手段214は、第1コンテンツC1の所有者を示す所有情報を取引サーバ装置40に送信する(A204)。
【0102】
取引サーバ装置40は、受信した所有情報に基づき、第1コンテンツC1の所有権を示すNFT情報を生成する。また、取引サーバ装置40は、生成したNFT情報を記憶する(A205)。BC処理手段412は、そのNFT情報が示す内容を記述したNFTをブロックチェーンに登録することを要求する要求データをBCシステム100に送信する。BCシステム100は、受信した要求データが示すNFT情報に基づき、第1コンテンツC1の所有情報を示すNFTをトランザクションデータ(ゲームサーバ装置が、第1コンテンツC1をゲーム端末10-1にログインしているプレイヤに譲渡した取引情報)としてブロック(台帳)に記憶する要求をする。台帳は、複数のBCノード装置10のBC記憶手段111により、分散して記録される(A206)。
【0103】
取引サーバ装置40は、登録された所有情報に係る第1コンテンツC1を、付与された第1コンテンツC1としてゲーム端末10-1に表示させる。そして、ゲーム端末10-1は、第1コンテンツC1を画面に表示させることで、第1プレイヤが第1コンテンツC1の所有権を取得したことを通知する(A207)。
【0104】
以上のとおり、ゲームサーバ装置20の管理手段214は、コンテンツCの所有者を示す所有情報が記述された非代替トークンを、ブロックチェーン上で管理させる。取引サーバ装置40は、ゲーム端末10-1への第1コンテンツC1の表示を、BCシステム100への要求データの送信と同じタイミングで行ってもよいし、NFTのブロックチェーンへの登録が完了してから行ってもよい。
【0105】
5.2 対戦結果に基づく第1コンテンツC1の移転処理
第1コンテンツC1は、プレイヤ間による対戦ゲームの対戦結果に応じて、取引され得る。本節では、対戦結果に基づく第1コンテンツC1の移転処理を説明する。図12は、対戦結果に基づく第1コンテンツC1の移転処理の一例を示すアクティビティ図である。
【0106】
第1コンテンツC1を他のプレイヤから獲得したい各プレイヤは、所有する第1コンテンツC1を賭けた対戦要求(A301aおよびA301b)をすることができる。ゲーム端末10は、ゲーム通信手段114を介して対戦要求をゲームサーバ装置20に送信する。対戦手段219は、各プレイヤから対戦要求を受け付けた場合、同属性の第1コンテンツC1を賭けたプレイヤ同士をマッチングさせて、対戦ゲームを実行させる。
【0107】
特に、対戦手段219は、対戦の対価とする第1コンテンツC1の個数が同じプレイヤ同士をマッチングする。例えば、第1プレイヤが同属性の第1コンテンツC1を4つ賭けた場合、対戦手段219は、第1プレイヤと同じ属性の第1コンテンツC1を4つ賭けたプレイヤをマッチングさせる。このように、対戦手段219は、同じ属性の第1コンテンツC1を所持するプレイヤ同士をマッチングさせることで、第1コンテンツC1の奪い合いが行われる。なお、賭けるコンテンツCの種類や数は、対戦要求時に任意に選択できる。
【0108】
このとき、第1プレイヤの対戦相手が提供する第1コンテンツC1の個数が不足する場合、第1プレイヤが提供する第1コンテンツC1と属性が同じでなくても、代わりとして提供する第1コンテンツC1の属性が、第1プレイヤが所持する第1コンテンツC1と同一であれば、これを代わりとして不足分を補うことができる。以上のとおり、対戦相手が提供する属性の第1コンテンツC1を所持していない場合、その差分と同等の対価を提供することで、所望の第1コンテンツC1を所持する相手と対戦することができる。
【0109】
マッチングが完了すると、対戦手段219は、対戦ゲームを実行する。ここで実行される対戦ゲームは、例えば、防衛ゲームのほか、格闘ゲームやターン制バトルシステムである。移転手段217は、対戦に勝利したプレイヤに、敗北したプレイヤが賭けた第1コンテンツC1の所有権(NFT)を移転させる処理を実行する。例えば、第1プレイヤと第2プレイヤが対戦し、第2プレイヤが勝利した場合、移転手段217は、第1プレイヤが賭した第1コンテンツC1を、第2プレイヤに移転させる処理を行う。具体的には、移転手段217は、取引対象となる第1コンテンツC1と、譲渡人となるプレイヤを示す要求データを取引所4に送信する(第1プレイヤから、第2プレイヤに該当する第1コンテンツC1を移転させる要求を送信する)。
【0110】
取引所4は、受信した要求データに基づき、第1コンテンツC1の譲渡処理をスマートコントラクトなどにより行う(A303)。取引所4は、第1コンテンツC1のID、第1コンテンツC1の譲渡人ID(図12の例では第1プレイヤを表す)および譲受人ID(図12の例では第2プレイヤを表す)を含む取引関連情報とを対応付けた取引情報(トランザクション)を生成する。この取引情報は、第1コンテンツC1の所有者の変更を表す。取引関連情報とは、取引が行われた取引所4を識別する情報とを示す情報を含む。
【0111】
また、取引所4は、取引成立に伴い、この取引情報(トランザクション)をブロックに登録することを要求する要求データをBCシステム100に送信する。
【0112】
BCシステム100では、ブロックを生成したマイナーにより、取引所4(BC上)で成立した取引情報(トランザクション)が承認されてブロックに記述される。このブロックには本発明のコンテンツの移転などの各情報のトランザクション群が記述され、各ノードにこのブロック(トランザクション群)が分散して共有されることにより、台帳としてBCシステム100にて管理される(A304)。BCシステム100は、このようにして、第1コンテンツC1の所有権(NFT)の移転を示すトランザクションをブロックチェーンに登録する。取引所4は、取引情報をゲーム端末10-1およびゲーム端末10-2に送信する。このように、コンテンツの所有権(NFT)の移転は、取引所4またはBCシステム100で成立し、その取引情報(トランザクション)がブロックに記憶される。すなわち、これらの取引情報(トランザクション)はゲームサーバ装置20にて記憶されない。ゲームサーバ装置20またはゲーム端末10は、BCシステム100に記憶されている所有権の情報に基づいて、コンテンツCの所有(どのプレイヤがどのコンテンツを取得したか/喪失したか)に関する表示やゲーム処理を行う。なお、ゲームサーバ装置20はこの取引所4を介せずに(またはゲームサーバ装置20が取引所4の役割を担って)、BCシステム100に接続され、移転に関するトランザクションを成立させてもよい。そして、このトランザクションがマイナーによって承認されBCシステム100上のブロック(台帳)に記憶されるようにしてもよい。
【0113】
ゲーム端末10-1は、第1プレイヤが第1コンテンツC1を喪失したことを通知する(A305)。また、ゲーム端末10-2は、第2プレイヤが第1コンテンツC1を取得したことを通知する(A306)。これらの取引情報の送信は、取引サーバ装置40への送信と同時であってもよいし、NFTの移転についてブロックチェーンへの登録が完了してからであってもよい。また、ゲーム端末10への取引情報の送信が取引サーバ装置40によって行われてもよい。
【0114】
このように、対戦結果に応じて第1コンテンツC1の所有者が変更される度に、その取引情報(トランザクション)はブロックチェーンに登録され、過去の所有者の所有情報(トランザクション群)を含む取引歴(台帳)として蓄積される。
【0115】
5.3 コンテンツCの売買処理
本節では、第1コンテンツC1の移転の例として、売買処理を説明する。図13は、第1コンテンツC1の売買処理の一例を示すアクティビティ図である。図14は、所有権管理画面の一例を示す図である。図15は、第1コンテンツC1の所有状況を示す図である。以下、第1プレイヤが第2プレイヤに第1コンテンツC1を売却するものとして、説明を続ける。
【0116】
まず、ゲーム端末10-1は、第1コンテンツC1の所有権を管理するための操作を受け付ける所有権管理画面(図14参照)を表示する。所有権管理画面では、第1プレイヤが所有している第1コンテンツC1の一覧が表示され、第1コンテンツC1の売り要求の操作が受け付けられる。第1プレイヤは、自己の所有する第1コンテンツC1のうち、いずれかの出品ボタン7を押下することで、売り要求の操作を行う。
【0117】
このとき、第1プレイヤは、売りに出す第1コンテンツC1の価格を設定可能である。図15で示されるように、プレイヤは、他のプレイヤによる第1コンテンツC1の所有状況を確認可能である。この例では、各プレイヤの所有数が、第1コンテンツC1の属性ごとに表示される。これにより、第1プレイヤは、他のプレイヤによる第1コンテンツC1の所有状況から、売りに出したい第1コンテンツC1の需要を確認し、価格を調整することができる。
【0118】
ゲーム端末10-1は、所有権管理画面において第1コンテンツC1の売り要求の操作を受け付けた場合、BC通信手段113および権利処理手段116により、第1コンテンツC1の売りを要求する処理を実行する(A401)。
【0119】
具体的には、ゲーム端末10-1は、第1コンテンツC1(NFT)の所有情報と売りの要求と売る際の価格(例えば所定の額の仮想通貨)とを示す要求データを取引所4に送信する。取引所4は、NFTの取引を行うための仲介サイトを提供しており、受信した要求データが示す第1コンテンツC1を取引対象とした売り要求およびその価格を仲介サイトに公開する(A402)。一方、ゲームサーバ装置20は、ゲームへの参加や進行をする公開サイトを提供しているものとする。
【0120】
他のプレイヤ(以下、第2プレイヤ)または取引者は、取引所4の仲介サイトにアクセスし、売られているNFTに対して買い要求を送信することもできるし、売られていないNFTに対して買い要求を公開することもできる。A301における売りの要求は、その買い要求を見た第1プレイヤが自分の第1コンテンツC1を売ると判断した場合に行われることもある。
【0121】
ここで、ゲーム端末10―2が仲介サイトにアクセスして第1コンテンツC1の一覧を表示する第2プレイヤの操作を受け付けたとする。ゲーム端末10―2は、A303において、BC通信手段113および権利処理手段116により、取引所4から提供される取引対象の一覧を表示する。ゲーム端末10―1は、第2プレイヤにより一覧から指定された第1コンテンツC1の買い要求の操作を受け付けた場合、A304において、権利処理部313およびBC通信部314により、第1コンテンツC1の買いを要求する処理を実行する。具体的には、ゲーム端末10-1は、指定された第1コンテンツC1と買いの要求とを示す要求データを取引所4に送信する。
【0122】
取引所4は、受信した要求データに基づき、第1コンテンツC1の譲渡処理をスマートコントラクトなどにより行う(A405)。取引所4は、例えば、まず、第1コンテンツC1のID、第1コンテンツC1の譲渡人ID(図13の例では第1プレイヤを表す)および譲受人ID(図13の例では第2プレイヤを表す)を含む取引関連情報とを対応付けた取引情報を生成する。取引関連情報は、例えば、取引の方法(図13の例では仮想通貨による取引)と、譲渡された第1コンテンツC1の取引額とを含む。この取引情報は、第1コンテンツC1の所有者の変更を表している。
【0123】
取引所4は、接続されている譲受人のウォレットから譲渡人のウォレットへの料金の支払い処理を行う。取引所4および双方のウォレットには、支払いの履歴が記録される。なお、支払い方法は、仮想通貨、NFTまたは現金等、取引所4において定められたものであればどのような方法であってもよいし、無償であってもよい。また、前述した貨幣的価値に限らず、例えば、譲渡人および譲受人がともに承諾するのであれば、不動産のような物的価値または何らかのNFTの使用権のような情報的価値等が第1コンテンツC1の料金として用いられてもよい。
【0124】
また、取引所4は、取引成立に伴い、この取引情報(トランザクション)をブロックに登録することを要求する要求データをBCシステム100に送信する。
【0125】
BCシステム100では、ブロックを生成したマイナーにより、取引所4(BC上)で成立した取引情報(トランザクション)が承認されてブロックに記述される。各ノードにこのブロック(トランザクション群)が分散して共有されることにより、台帳としてBCシステム100にて管理される(A406)。第1コンテンツC1の売買が行われた場合、このようにして、第1コンテンツC1の所有権(NFT)の移転を示すトランザクションがブロックチェーンに登録される。
【0126】
また取引所4は、取引情報をゲーム端末10-1およびゲーム端末10-2に送信する。これに伴い、ゲーム端末10-1は、第1コンテンツC1の所有権が売却されたことを第1プレイヤに通知する(A407)。ゲーム端末10-2は、第2プレイヤが第1コンテンツC1の所有権を購入したことを通知する(A408)。
【0127】
このように、第1コンテンツC1を入手したいプレイヤは、対戦をせずに第1コンテンツC1を獲得することができる。また、第2コンテンツC2が合成される度に第1コンテンツC1が消費され、第1コンテンツC1に属性がある場合は、同一属性の第1コンテンツC1を収集する必要があるので、第1コンテンツC1を売却したいプレイヤは、他のプレイヤの所持数を確認しながら、需要と供給の関係を見計らって価格設定することができる。なお、ゲーム端末10-1への取引情報の送信は、取引サーバ装置40への送信と同時であってもよいし、NFTの移転についてブロックチェーンへの登録が完了してからであってもよい。また、ゲーム端末10-2への取引情報の送信が取引サーバ装置40によって行われてもよい。
【0128】
<変形例>
プレイヤがコンテンツCの売買を行う際、オークション形式でコンテンツCの価格が決定されてもよい。具体的には、コンテンツCを出品するプレイヤは、予めオークションの終了時間を決定し、終了時間までに最も高い金額で入札を行ったプレイヤを、コンテンツCの購入者としてもよい。
【0129】
5.2 第2コンテンツC2の貸与処理
第2コンテンツC2の生成から所定時間が経過するまでの間、対戦ゲームを有利に進めたいプレイヤは、所望のプレイヤに第2コンテンツC2を貸与して、対戦ゲームを代行してもらうことができる。図16は、第2コンテンツC2の貸与処理の一例を示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図に沿って第2コンテンツC2の貸与処理について説明する。
【0130】
まず、第2コンテンツC2(NFT)の所有者である第1プレイヤは、貸与したい所望のプレイヤを指定し、第2コンテンツC2(NFT)の貸与要求を行う。このとき、第1プレイヤは、第2コンテンツC2を貸与する期間を指定してもよい。以下、第1プレイヤは、第3プレイヤを指定したものとして説明を続ける。受付手段216は、この貸与要求を受け付ける(A501)。
【0131】
ゲーム通信手段114は、第3プレイヤにその旨を通知し(A502)、第3プレイヤが了承した場合(A503)、貸与手段220は、貸与要求に基づき、第2コンテンツC2の生成から所定時間が経過するまでの間、所望のユーザに第2コンテンツC2のNFTを貸与する処理を行う(A504)。これに伴い、第2コンテンツC2のNFTが貸与されると、貸与情報がトランザクションとしてブロック(台帳)に記憶されて、BCシステム100で管理される。
【0132】
貸与期間中、他のプレイヤが第2コンテンツC2の移転要求を行って受付手段216がこれを受け付けた場合(A505およびA506)、対戦手段219は、移転要求を行った他のプレイヤ(第2プレイヤ)と、第2コンテンツC2の貸与を受けた第3プレイヤとの間で対戦ゲームを実行させる(A507)。
【0133】
対戦の結果、第2プレイヤが勝利した場合、第2コンテンツC2は移転され(A508)、第2プレイヤはこれを取得する(A509)。このように、貸与期間中は、第2コンテンツC2の所有者の代わりに、第2コンテンツC2の貸与を受けた第3プレイヤが挑戦者と対戦ゲームを行う。
【0134】
そして、付与手段218は、対戦ゲームの結果に応じて、第2コンテンツC2の貸与を受けた第3プレイヤに利益を与える。また、例えば、付与手段218は、第3プレイヤが対戦ゲームに勝利した場合、第1プレイヤのゲーム内通貨または第1コンテンツC1などの利益を第3プレイヤに付与する。また、付与手段218は、第2第3プレイヤが対戦ゲームに敗北した場合でも、貸与要求があった所有者(第1プレイヤ)が第2コンテンツC2のゲーム効果を利用可能になった場合、第2コンテンツC2の貸与を受けた第3プレイヤに利益を与えてもよい。さらに、貸与要求には第1プレイヤの所定の対価を必要としてもよいし、対戦ゲームの結果に応じた利益は第1プレイヤから第3プレイヤに与えられても良い。
【0135】
<変形例>
付与手段218は、前記第2コンテンツC2の生成から所定時間経過するまでの少なくとも一部において、第2コンテンツC2の所有者に、その所有者の現在位置に応じた利益を付与するとともに、第2コンテンツC2の貸与を受けた第3プレイヤの現在位置に応じた利益を付与してもよい。例えば、付与手段218は、第2コンテンツC2の貸与を受けた第3プレイヤの現在位置に応じて、有利なゲーム効果を付与する。なお、
付与手段218は、第2コンテンツC2の貸与を受けた第3プレイヤが勝利しやすくなる等の対戦ゲーム進行中のゲーム効果に限らず、第3プレイヤの現在位置が自宅である場合、対戦ゲームを拒否できるなどの利益を付与してもよい。このような態様によれば、例えば、プレイヤの現在位置が自宅に近いほど有利なゲーム効果が与えられる場合、第1プレイヤが外出するタイミングで、自宅に待機する第3プレイヤに第2コンテンツC2を貸与することで、対戦ゲームを有利に進めることができる。
【0136】
[その他]
(1)本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。このプログラムは、コンピュータに、情報処理システム1における各ステップを実行させる。
(2)上述の実施形態において、BCノード装置10は、プレイヤにゲームをプレイさせるゲーム端末として機能する例を示したが、BCノード装置10と、ゲーム端末とは別装置であってもよい。図17は、他の実施形態における情報処理システム1の全体構成を示す図である。この場合、情報処理システム1は、P2Pネットワーク2と、通信回線3と、取引所4と、複数のBCノード装置10(BCノード装置10-1~BCノード装置10-N)と、ゲームサーバ装置20と、第1ゲーム端末30-1および第2ゲーム端末30-2(各々を区別しない場合「ゲーム端末30」と言う)と、取引サーバ装置40と、複数の取引者端末50(取引者端末50-1~取引者端末50-N)とを備える。特に、ゲームサーバ装置20は、BCノード装置10と、ゲーム端末とネットワークを介して通信可能に構成される。
(3)上述の実施形態では、コンテンツCの所有者はプレイヤ一人である場合を例に説明したが、複数のプレイヤがグループ等を結成し、コンテンツCを共同で所有してもよい。これにより、協力プレイをしながら、対戦ゲームを進めたり、コンテンツCを生成して利益を得ることができる。
【0137】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記第1コンテンツは、属性を有し、前記生成ステップでは、同じ属性の前記第1コンテンツが同じ所有者に必要数以上所有されることで、必要数の前記第1コンテンツ同士を関連付けることにより、ユニークな前記第2コンテンツを生成可能である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記受付ステップでは、前記第2コンテンツの生成に用いた前記第1コンテンツの所有歴を有する前記他のプレイヤから、前記第2コンテンツの前記移転要求を受け付ける、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記受付ステップでは、必要数以上の前記第1コンテンツを所有する前記所有者から、前記第2コンテンツの生成要求を受け付け、前記生成ステップでは、前記生成要求を受け付けた場合、必要数の前記第1コンテンツを用いて、ユニークな前記第2コンテンツを生成する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記第2コンテンツの生成から所定時間経過時における前記第2コンテンツの所有者に対して、前記第2コンテンツのゲーム効果を利用可能とする、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記管理ステップでは、前記第2コンテンツの所有情報が記述された非代替トークンを、ブロックチェーン上で管理させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記受付ステップでは、前記第2コンテンツの所有歴を有する前記他のプレイヤから、前記第2コンテンツの前記移転要求を受け付ける、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記第2コンテンツの生成から所定時間経過時における前記第2コンテンツの所有者に、前記第2コンテンツの移転回数に応じた利益を付与する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記第2コンテンツの生成から所定時間経過時における前記第2コンテンツの所有者に、ユニークな第3コンテンツを付与する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記第3コンテンツを付与する際、前記第2コンテンツの所有者から、前記第2コンテンツの関連付けを削除する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記生成ステップでは、前記第1コンテンツが同じ所有者に必要数以上所有されることで、必要数の前記第1コンテンツを合成して、ユニークな第2コンテンツを生成可能である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、対戦ステップをさらに実行するように構成され、前記対戦ステップでは、他のプレイヤから前記第2コンテンツの前記移転要求を受け付けた場合、他のプレイヤと、前記第2コンテンツの所有者との間で対戦ゲームを実行させ、前記移転ステップでは、前記対戦ゲームで他のプレイヤが勝利した場合、前記第2コンテンツを他のプレイヤに移転する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記対戦ゲームの実行中、前記第2コンテンツの合成時における所有者に、有利なゲーム効果を付与する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記第2コンテンツの合成から所定時間経過時における前記第2コンテンツの所有者に、前記対戦ゲームの勝利回数に応じた利益を付与する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、貸与ステップをさらに実行するように構成され、前記受付ステップでは、前記第2コンテンツの所有者から、所望のプレイヤに対して前記第2コンテンツの貸与要求を受け付け、前記貸与ステップでは、前記貸与要求に基づき、前記第2コンテンツの生成から所定時間が経過するまでの間、前記所望のプレイヤに前記第2コンテンツを貸与し、前記対戦ステップでは、前記移転要求を行った他のプレイヤと、前記第2コンテンツの貸与を受けたプレイヤとの間で前記対戦ゲームを実行させる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記対戦ゲームの結果または前記貸与要求があった前記所有者が前記第2コンテンツのゲーム効果を利用可能になったことに応じて、前記第2コンテンツの貸与を受けた前記プレイヤに利益を与える、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記第2コンテンツの生成から所定時間経過するまでの少なくとも一部において、前記第2コンテンツの所有者に、その所有者の現在位置に応じた利益を付与する、もの。
情報処理方法であって、前記情報処理システムにおける各ステップを備える、方法。
プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理システムにおける各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0138】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0139】
1 :情報処理システム
1 :情報処理システム
2 :P2Pネットワーク
3 :通信回線
4 :取引所
6 :示唆情報
7 :出品ボタン
10 :BCノード装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :バス
15 :入力部
16 :表示部
20 :ゲームサーバ装置
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
24 :バス
40 :取引サーバ装置
50 :取引者端末
100 :BCシステム
111 :BC記憶手段
112 :マイニング処理手段
113 :BC通信手段
114 :ゲーム通信手段
115 :ゲーム処理手段
116 :権利処理手段
211 :ゲーム通信手段
212 :ゲーム処理手段
213 :ゲームデータ記憶手段
214 :管理手段
215 :生成手段
216 :受付手段
217 :移転手段
218 :付与手段
219 :対戦手段
220 :貸与手段
313 :権利処理部
314 :BC通信部
411 :コンテンツ記憶手段
412 :BC処理手段
413 :権利処理手段
414 :BC通信手段
511 :権利処理手段
512 :BC通信手段
B10 :ブロックチェーン
B11 :ブロック
B12 :ブロック
B13 :ブロック
B14 :ブロック
C :コンテンツ
C :コンテンツ
C1 :第1コンテンツ
C1a :第1コンテンツ
C1aa :第1コンテンツ
C1ab :第1コンテンツ
C1b :第1コンテンツ
C1c :第1コンテンツ
C1d :第1コンテンツ
C1e :第1コンテンツ
C2 :第2コンテンツ
C3 :第3コンテンツ
D10 :台帳
W1 :ウォレット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17