(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】情報処理システム及びその制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20230705BHJP
H04N 23/66 20230101ALI20230705BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20230705BHJP
H04N 5/92 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
H04N7/18 U
H04N23/66
H04N23/60 300
H04N5/92 010
(21)【出願番号】P 2023007147
(22)【出願日】2023-01-20
【審査請求日】2023-05-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【氏名又は名称】木村 友輔
(74)【代理人】
【識別番号】100227857
【氏名又は名称】中山 圭
(72)【発明者】
【氏名】井上 農悟
(72)【発明者】
【氏名】山口 遼一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 岳志
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-166158(JP,A)
【文献】特開2021-100193(JP,A)
【文献】特開2016-206802(JP,A)
【文献】特開2015-46937(JP,A)
【文献】特開2012-141467(JP,A)
【文献】特開2007-101682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 23/40-23/76
H04N 5/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上の目標物の指定を受け付ける第1の受付手段と、
撮像装置による撮影範囲の調整操作を受け付ける第2の受付手段と、
前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御する表示制御手段と、
前記第1の受付手段で受け付けた目標物の位置と、
前記第2の受付手段により受け付けた操作により特定される撮影範囲に係る設定情報とに基づき、新たに指定された目標物が前記撮像装置により撮影されるよう制御する制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記第2の受付手段により撮影範囲の調整操作を受け付ける画面において前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御し、当該画像に前記第1の受付手段により受け付けた目標物を収めるべき位置を示すガイドを表示するよう制御することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記ガイドは、枠線、垂直線、水平線
の少なくともいずれかを含み、当該ガイドにより特定される領域に前記目標物を含めるように促すものであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記ガイドにより特定される領域の中心を示す情報を表示するよう制御することを特徴とする請求項
2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
地図上の目標物の指定を受け付ける第1の受付手段と、
撮像装置による撮影範囲の調整操作を受け付ける第2の受付手段と、
前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御する表示制御手段と、
前記第1の受付手段で受け付けた目標物の位置と、
前記第2の受付手段により受け付けた操作により特定される撮影範囲に係る設定情報とに基づき、新たに指定された目標物が前記撮像装置により撮影されるよう制御する制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記地図上に、前記撮像装置の位置に基づき特定される範囲から前記目標物の指定を受け付けるよう促すガイドを表示するよう制御することを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
前記ガイドは、前記撮像装置の位置からの距離が所定の範囲である領域から前記目標物の指定を受け付けるよう促すものであることを特徴とする請求項
4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記所定の範囲は、前記撮像装置の位置から第1の距離より遠くかつ第2の距離より近い範囲であることを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
地図上の目標物の指定を受け付ける第1の受付手段と、
撮像装置による撮影範囲の調整操作を受け付ける第2の受付手段と、
前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御する表示制御手段と、
前記第1の受付手段で受け付けた目標物の位置と、
前記第2の受付手段により受け付けた操作により特定される撮影範囲に係る設定情報とに基づき、新たに指定された目標物が前記撮像装置により撮影されるよう制御する制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記地図上に、前記目標物の候補を示す情報を表示するよう制御することを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、
前記候補となる目標物を示すアイコンを、前記地図上の当該目標物に係る位置に表示するよう制御することを特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
地図上の目標物の指定を受け付ける第1の受付手段と、
撮像装置による撮影範囲の調整操作を受け付ける第2の受付手段と、
前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御する表示制御手段と、
前記第1の受付手段で受け付けた目標物の位置と、
前記第2の受付手段により受け付けた操作により特定される撮影範囲に係る設定情報とに基づき、新たに指定された目標物が前記撮像装置により撮影されるよう制御する制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記第2の受付手段により
撮影範囲の調整操作を受け付ける画面において前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御し、当該画面に前記第1の受付手段で受け付けた目標物に係る画像を表示するよう制御することを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
前記第1の受付手段で受け付けた目標物に係る画像を取得する取得手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記取得手段により取得した画像を前記第2の受付手段により撮影範囲の調整操作を受け付ける画面に表示するよう制御することを特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第2の受付手段は、撮像装置のパン、チルト、ズームの調整操作を受け付けることを特徴とする請求項1乃至
10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記表示制御手段は、地図及び撮像装置により撮影された画像を、一つの画面上に表示するよう制御することを特徴とする請求項1乃至
10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
地図上の目標物の指定を受け付ける第1の受付ステップと、
撮像装置による撮影範囲の調整操作を受け付ける第2の受付ステップと、
前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御する表示制御ステップと、
前記第1の受付ステップで受け付けた目標物の位置と、
前記第2の受付ステップにより受け付けた操作により特定される撮影範囲に係る設定情報とに基づき、新たに指定された目標物が前記撮像装置により撮影されるよう制御する制御ステップと、
を備え、
前記表示制御ステップは、
前記第2の受付ステップにより撮影範囲の調整操作を受け付ける画面において前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御し、当該画像に前記第1の受付ステップにより受け付けた目標物を収めるべき位置を示すガイドを表示するよう制御することを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項14】
地図上の目標物の指定を受け付ける第1の受付ステップと、
撮像装置による撮影範囲の調整操作を受け付ける第2の受付ステップと、
前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御する表示制御ステップと、
前記第1の受付ステップで受け付けた目標物の位置と、
前記第2の受付ステップにより受け付けた操作により特定される撮影範囲に係る設定情報とに基づき、新たに指定された目標物が前記撮像装置により撮影されるよう制御する制御ステップと、
を備え、
前記表示制御ステップは、前記地図上に、前記撮像装置の位置に基づき特定される範囲から前記目標物の指定を受け付けるよう促すガイドを表示するよう制御することを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項15】
地図上の目標物の指定を受け付ける第1の受付ステップと、
撮像装置による撮影範囲の調整操作を受け付ける第2の受付ステップと、
前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御する表示制御ステップと、
前記第1の受付ステップで受け付けた目標物の位置と、
前記第2の受付ステップにより受け付けた操作により特定される撮影範囲に係る設定情報とに基づき、新たに指定された目標物が前記撮像装置により撮影されるよう制御する制御ステップと、
を備え、
前記表示制御ステップは、前記地図上に、前記目標物の候補を示す情報を表示するよう制御することを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項16】
地図上の目標物の指定を受け付ける第1の受付ステップと、
撮像装置による撮影範囲の調整操作を受け付ける第2の受付ステップと、
前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御する表示制御ステップと、
前記第1の受付ステップで受け付けた目標物の位置と、
前記第2の受付ステップにより受け付けた操作により特定される撮影範囲に係る設定情報とに基づき、新たに指定された目標物が前記撮像装置により撮影されるよう制御する制御ステップと、
を備え、
前記表示制御ステップは、
前記第2の受付ステップにより撮影範囲の調整操作を受け付ける画面において前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御し、当該画面に前記第1の受付ステップで受け付けた目標物に係る画像を表示するよう制御することを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項17】
少なくとも1つのコンピュータを、請求項1乃至
10のいずれか1項に記載の情報処理システムの各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置の制御に係る情報処理システム及びその制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影された画像から、地図上に撮影情報を表示する技術が知られている。特許文献1には、メモリに記憶済みの画像と、その画像とともに記録されているその画像が撮影された位置や方向から、地図上にその画像が撮影された位置、撮影した位置及びその位置からの撮影方向を重畳して表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋外に設置された撮像装置は1台で広い範囲を撮影するために設置されているものも多い。そのような撮像装置では、撮影したい被写体が画角に入るようにカメラのPTZ(パン・チルト・ズーム)を管理者が調整する必要があるが、撮影可能範囲が広いためPTZを調整しながら撮影したい被写体を探すのは難しい。
【0005】
そこで、本発明は、所望の被写体を撮影できるよう効率的に撮像装置の駆動制御の調整を行う仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
地図上の目標物の指定を受け付ける第1の受付手段と、
撮像装置による撮影範囲の設定を受け付ける第2の受付手段と、
前記撮像装置により撮影された画像を表示するよう制御する表示制御手段と、
前記第1の受付手段で受け付けた目標物の位置と、前記第2の受付手段により受け付けた設定情報とを対応付けて記録するよう制御する記録制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記第2の受付手段により撮影範囲の設定を受け付けるときに、前記撮像装置により撮影された画像に対して、前記第1の受付手段により受け付けた目標物を収めるべき位置を示すガイドを表示するよう制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮像装置の駆動制御の調整を容易に設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】各種装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】クライアント端末100の処理の概要を示すフローチャートである。
【
図4】撮像装置の選択を受け付ける画面の一例を示す図である。
【
図5】撮像装置の設定を受け付ける画面の一例を示す図である。
【
図6】設置済みの撮像装置の指定を受け付ける画面の一例を示す図である。
【
図7】被写体の位置の設定を受け付ける画面の一例を示す図である。
【
図8】撮像装置のPTZの調整設定を受け付ける画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0010】
まず、
図1を参照して、本発明の実施形態における情報処理システムの構成の一例について説明する。
図1はクライアント端末100に、地図情報と撮像装置から撮影された映像とを表示し、撮像装置のPTZを調整するためのシステム構成である。
【0011】
本発明の情報処理システムは、クライアント端末100、サーバ101、撮像装置102がネットワーク110によって通信可能に接続されて構成されている。
【0012】
複数の撮像装置102は、監視カメラとして施設内外問わず各所に設置されており、映像を取得しサーバ101に送信している。撮像装置102は、ネットワーク110に接続可能な装置である。
【0013】
サーバ101には、映像管理ソフトウェアと地図ソフトウェアが予めインストールされている。映像管理ソフトウェアでは、撮像装置102から取得した映像を録画・管理・閲覧することができる。地図ソフトウェアは、全国の地図を閲覧可能であり、例えばGPSを使って現在地を表示したり住所検索したりすることができる。サーバ101は、映像管理ソフトウェアと地図ソフトウェアを連携することで、映像と地図を対応付けてクライアント端末100に表示するように制御する。なお、表示先はクライアント端末100だけでなくマルチディスプレイのような複数台のディスプレイであってもよい。
【0014】
クライアント端末100は、例えばパーソナルコンピュータやスマートフォンのような情報処理装置であり、サーバ101とネットワーク110を介して通信可能に接続される。また、映像や地図を制御するためのソフトウェアがインストールされている。クライアント端末100は、サーバ101から送信された映像や地図を操作することができ、例えば撮像装置102の位置を選択したり、撮像装置102のPTZを設定したりすることができる。なお、ソフトウェアがインストールされている例を説明したが、Webアプリケーションを用いて映像や地図を制御可能であってもよい。
【0015】
次に
図2を参照して、本発明を適用可能な装置の一例としてのクライアント端末100の構成の一例を示す。
【0016】
図2において、内部バス250に対してCPU201、メモリ202、不揮発性メモリ203、画像処理部204、ディスプレイ205、操作部206、記録媒体I/F207、外部I/F209、通信I/F210が接続されている。内部バス250に接続される各部は、内部バス250を介して互いにデータのやりとりを行うことができるようにされている。
【0017】
メモリ202は、例えばRAM(半導体素子を利用した揮発性のメモリなど)からなる。CPU201は、例えば不揮発性メモリ203に格納されるプログラムに従い、メモリ202をワークメモリとして用いて、クライアント端末100の各部を制御する。不揮発性メモリ203には、画像データや音声データ、その他のデータ、CPU201が動作するための各種プログラムなどが格納される。不揮発性メモリ203は例えばハードディスク(HD)やROMなどで構成される。
【0018】
画像処理部204は、CPU201の制御に基づいて、不揮発性メモリ203や記録媒体208に格納された画像データや、外部I/F209を介して取得した映像信号、通信I/F210を介して取得した画像データ、撮像された画像などに対して各種画像処理を施す。画像処理部204が行う画像処理には、A/D変換処理、D/A変換処理、画像データの符号化処理、圧縮処理、デコード処理、拡大/縮小処理(リサイズ)、ノイズ低減処理、色変換処理などが含まれる。画像処理部204は特定の画像処理を施すための専用の回路ブロックで構成しても良い。また、画像処理の種別によっては画像処理部204を用いずにCPU201がプログラムに従って画像処理を施すことも可能である。画像から認識すべき対象を認識する処理は、CPU201が画像処理部204と協働して行う。
【0019】
ディスプレイ205は、CPU201の制御に基づいて、画像やGUI(Graphical User Interface)を構成するGUI画面などを表示する。CPU201は、プログラムに従い表示制御信号を生成し、ディスプレイ205に表示するための映像信号を生成してディスプレイ205に出力するようにクライアント端末100の各部を制御する。ディスプレイ205は出力された映像信号に基づいて映像を表示する。なお、クライアント端末100自体が備える構成としてはディスプレイ205に表示させるための映像信号を出力するためのインターフェースまでとし、ディスプレイ205は外付けのモニタ(テレビなど)で構成してもよい。
【0020】
操作部206は、キーボードなどの文字情報入力デバイスや、マウスやタッチパネルといったポインティングデバイス、ボタン、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパッドなどを含む、ユーザ操作を受け付けるための入力デバイスである。なお、タッチパネルは、ディスプレイ205に重ね合わせて平面的に構成され、接触された位置に応じた座標情報が出力されるようにした入力デバイスである。
【0021】
記録媒体I/F207は、メモリーカードやCD、DVDといった記録媒体208が装着可能とされ、CPU201の制御に基づき、装着された記録媒体208からのデータの読み出しや、当該記録媒体208に対するデータの書き込みを行う。外部I/F209は、外部機器と有線ケーブルや無線によって接続し、映像信号や音声信号の入出力を行うためのインターフェースである。通信I/F210は、外部機器やインターネット211などと通信して、ファイルやコマンドなどの各種データの送受信を行うためのインターフェースである。
【0022】
カメラ部212は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子(撮像センサー)等で構成されるカメラユニットである。
【0023】
次に
図3を参照して、本発明の実施形態におけるクライアント端末100の基本処理について説明する。なお、各ステップの処理は、クライアント端末100のCPU201が、不揮発性メモリ203に記録されたプログラムをメモリ202に展開して実行することにより実現する。ユーザがクライアント端末100内のソフトウェアを起動し、撮像装置102の設定を受け付ける操作が実行されると、
図3の処理が開始される。
【0024】
S301では、CPU201は、撮像装置102の選択画面とPTZ初期設定画面をディスプレイ205上に表示し、ユーザによる操作を受け付ける。
【0025】
撮像装置102の選択画面の一例を
図4に示す。
図4では、サーバ101で記憶されている複数台の撮像装置102からPTZの設定を受け付ける撮像装置102をプルダウンリスト401から選択を受け付ける。選択された撮像装置102について、角度範囲、設置情報やプロトコル情報等の各種設定402を受け付ける。なお、
図4~
図8に示す点線枠は、領域を図示するための補助線であって、表示されるものではない。次へボタン403の押下を受け付けると、
図5へ遷移する。なお、後述するステップにおいて表示する場合の表示先は、特に説明がない限りディスプレイ205であるものとする。
【0026】
撮像装置102のPTZの初期設定の一例を示す画面を
図5に示す。
図5では、取得ボタン501の押下を受け付けると、パン方向及びチルト方向の移動に関する定義情報をサーバ101から取得する。また、取得ボタン502の押下を受け付けると、PTZの初期値に関する定義情報をサーバ101から取得する。なお、サーバから取得する方法以外にも、初期値を手入力により決定しても良い。次へボタン503の押下を受け付けると、
図6へ遷移する。
【0027】
S302では、CPU201は、地図上から、ステップS301で各種設定を行った撮像装置102の選択を受け付ける。
【0028】
設置済みの撮像装置102の指定を受け付ける画面一例を
図6に示す。地図表示領域601に表示される地図は、初期画面では任意の地点が表示される。地図表示領域601は、ユーザによる操作を受け付け、例えば地図を拡大や縮小したり移動させたりすることができる。また、検索窓603に住所を入力し、検索ボタン604の押下を受け付けると、候補となる住所が検索結果表示エリア605に表示される。検索結果表示エリア605に表示された住所の選択を受け付けると、選択された住所の周辺地図を地図表示領域601に表示する。地図表示領域601には、表示されている地図の中心地点を示すためのガイド602が表示される。撮像装置102が選択されると、ガイド602が当該撮像装置の位置に移動し、当該撮像装置102の位置情報としてガイド602が示す緯度と経度を取得し、位置情報表示エリア606に表示する。なお、位置情報表示エリア606の緯度と経度は値の入力が可能であり、任意の値を入力し移動ボタン607の押下を受け付けることで、その緯度及び経度が示す地点へガイド602を移動させることもできる。
【0029】
S303では、CPU201は、次へボタン608の押下を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合にはS304へ進み、そうでない場合はS302へ戻り撮像装置102の位置の設定を受け付ける。
【0030】
S304では、CPU201は、S302で指定された撮像装置102の周辺地図を地図表示領域601に表示し、当該撮像装置102により撮影された画像を表示する(705)。
【0031】
S305では、CPU201は、地図表示領域601からランドマーク(目標物)の位置の指定を受け付ける。
【0032】
ステップS304、S305の処理について、
図7を用いて説明する。
図7はステップS304で表示される画面の一例である。
【0033】
図7に示すように、ステップS302で指定された撮像装置102の周辺地図が地図表示領域601に表示され(撮像装置102の位置は、S302で取得された緯度・経度情報から特定されるものとする。)、当該撮像装置102により撮影された画像が画像表示領域705に表示されている。
【0034】
また、地図表示領域601には、S302で選択された撮像装置102を示すカメラアイコン704や、当該撮像装置102の位置から特定されるランドマーク選択領域701(薄墨色で示した領域)が表示される。ランドマーク選択領域701は、後述するPTZ調整に用いるランドマーク(目標物)の位置として適切な範囲を示す領域である。撮像装置102からあまりにも近すぎたり遠すぎたりするランドマークが選択されると、適切なPTZ調整が困難になることから、ユーザに対して適切な領域を提示するものである。ランドマーク選択領域701としては、撮像装置102を中心として所定の距離の範囲(例えば撮像装置から5キロ以上、10キロ以下の範囲等)が設定されるものとする。また、地図表示領域601周辺の任意の箇所に「この範囲内から被写体を選択してください」といったガイドを表示してもよい。これにより、S305で被写体の位置の指定を受け付ける際に、当該撮像装置102からは遠すぎて撮影できないような被写体を選択するというリスクが減少する。
【0035】
また、不図示であるが、表示された地図上(特にランドマーク選択領域)にあるランドマークとなり得る建築物(例えば東京タワーや都庁のような一定の高さのある建築物や国会議事堂のような著名な建築物など、撮像装置により撮影された画像から見つけやすい建築物)をアイコンなどで地図上に表示しても良い。これにより、ランドマークとして適切な建築物等をユーザが認識できるため、ランドマークの指定作業を効率化することが可能となる。
【0036】
また、ランドマークの指定方法としては、ランドマークの位置やアイコンに対してクリック操作やタップ操作が行われることで受け付けることができる。指定された位置にはガイド602が表示され、当該位置に係る緯度・経度の情報が取得される。すなわち、指定されたランドマークの位置情報が取得される(S305)。なお、緯度・経度の情報を被写体位置情報表示エリア702に直接入力することで指定を受け付けても良い。この際、入力できる値はランドマーク選択領域701の範囲内に限るように制限してもよい。
【0037】
画像表示領域705には、S302で指定された撮像装置102により撮影されている画像が表示される。PTZ情報表示エリア706には、その時点で表示されている映像のPTZに関する情報が表示される。撮像装置102のPTZは、操作ボタン707が操作されることで調整することができる。
【0038】
ステップS306では、次へボタン(710)が押下されたかを判定する。押下された場合は処理をステップS307に移行し、押下されていない場合はステップS305に移行する。
【0039】
ステップS307では、
図8に示す画面を表示し、当該画面を介したユーザからの指示により撮像装置102のPTZを調整する。
【0040】
具体的には、ユーザは操作ボタン707を操作することで撮像装置102のPTZを調整し、
図7の地図表示領域601で指定したランドマークが撮影できる画角となるよう調整する。ランドマークが撮影できる画角となるよう調整するにあたり、適切な位置・大きさでランドマークが撮影されるように、ガイド709を表示し、ガイド709で示す領域内にランドマークが収まるよう促しても良い。
【0041】
ガイド709の表示方法には例えば、枠線や垂直線、水平線を表示し枠内に被写体が収まるようなガイドを表示したり、バツ印等のマークを表示しその中心に被写体が位置するようなガイドを表示するなど、被写体の位置が映像から容易に判断できるような表示であればどのような方法でもよい。また、被写体が枠内に入ったりマークの中心に位置した場合、それがわかるようにガイドを識別表示してもよい。これにより、映像表示エリア801内の映像から被写体を見つけやすくすることが可能になり、PTZの調整をより容易にすることができる。
【0042】
また、PTZを調整する際にS305で指定されたランドマークを映像から探しやすくするために、インターネット等から取得したランドマークの画像を映像表示エリア801の近傍などに表示してもよい。これにより、S305で指定されたランドマークが見つけにくいようなものである場合に、画像と見比べながら探すことが出来るようになるので、より効率的に探すことが出来る。
【0043】
ステップS308では、ユーザから保存ボタン803が押下されたかを判定する。押下された場合は処理をステップS309に移行し、押下されていない場合はステップS307に移行する。
【0044】
ステップS309では、S305で取得したランドマークの位置情報と、当該ランドマークを撮影できる画角となるPTZ情報(S307による調整結果)とが対応付けて登録される。
【0045】
S310では、CPU201は、別カメラの設定が必要か否かに関してユーザによる操作を受け付ける。必要であればS301へ戻り、そうでない場合は
図3の処理を終了する。
【0046】
本実施形態によれば、撮像装置の駆動制御の調整を容易に設定することができる仕組みを提供する。
【0047】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0048】
なお、CPU201、CPU111が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサーや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0049】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0050】
また、上述した実施形態は、クライアント端末100をパーソナルコンピュータや携帯電話端末(スマートフォン)に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、地図と撮像装置によって取得した映像を表示可能な装置であれば適用可能である。すなわち、マルチディスプレイ、PDA、携帯型の画像ビューワー、タブレット端末、ゲーム機、電子ブックリーダー、ヘッドマウントディスプレイなどに適用可能である。
(他の実施形態)
【0051】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0052】
100 クライアント端末
101 サーバ
102 撮像装置
110 ネットワーク
【要約】 (修正有)
【課題】所望の被写体を撮影できるよう効率的に撮像装置の駆動制御の調整を行う情報処理システム、その制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、クライアント端末が被写体の位置設定を受け付ける方法では、撮像装置の選択画面とPTZ(パン・チルト・ズーム)初期設定画面をディスプレイ上に表示し、ユーザによる操作を受け付け、地図上から、前記撮像装置の選択を受け付け、選択した撮像装置の周辺地図を地図表示領域601に表示し、画像表示領域705に、当該撮像装置が撮影した画像を表示し、地図表示領域から目標物の位置の指定を受け付け、当該画面を介したユーザからの指示により撮像装置のPTZを調整し、取得したランドマークの位置情報と、当該ランドマークを撮影できる画角となるPTZ情報表示エリア706の情報とを対応付けて登録し、別の撮像装置の設定が必要か否かに関してユーザによる操作を受け付ける。
【選択図】
図7