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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】農作業用の作業台車
(51)【国際特許分類】
   B60F 1/04 20060101AFI20230705BHJP
   B61D 15/00 20060101ALI20230705BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20230705BHJP
   E04G 1/24 20060101ALN20230705BHJP
【FI】
B60F1/04
B61D15/00 A
B62B3/00 J
E04G1/24 301B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019085015
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020179797
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000245830
【氏名又は名称】矢崎化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090114
【弁理士】
【氏名又は名称】山名 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100174207
【弁理士】
【氏名又は名称】筬島 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】門脇 浩美
(72)【発明者】
【氏名】中田 順也
(72)【発明者】
【氏名】萩原 信吾
【審査官】金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-039921(JP,A)
【文献】登録実用新案第3090386(JP,U)
【文献】特開平11-009011(JP,A)
【文献】特開2001-039311(JP,A)
【文献】特開2014-166117(JP,A)
【文献】実開平06-047073(JP,U)
【文献】特開2016-215764(JP,A)
【文献】特開2018-040174(JP,A)
【文献】特開2012-205441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60F 1/02
B61D 15/00,15/12
B62B 3/00
E04G 1/24
A01B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール上を走行車輪で走行して農作業が行われる作業台車において、
前記作業台車には、前記走行車輪とは別に駆動部で駆動する独立駆動車輪と前記独立駆動車輪を下方に押圧しながら支持する弾性支持部が設けられ、前記独立駆動車輪はレール上に接地し、かつ前記走行車輪の地面接地レベルよりも若干上方に位置するように作業台車の下面に取り付けられており、前記独立駆動車輪は、レールを押圧しながら駆動部により駆動されて走行車輪と共にレール上を走行してそのままレールを降りると、前記独立駆動車輪が地面から浮いて前記走行車輪で手押し走行が可能な構成であることを特徴とする農作業用の作業台車。
【請求項2】
前記走行車輪の一部は、取付け座の下に下向きの車輪支持脚が、垂直な軸部材で回転自在に取り付けられ、前記車輪支持脚の下部に回転自在に支持されて成る自由車輪であって、固定手段により前記車輪支持脚の回転を止めて固定車輪に切替え自在な構成とされていることを特徴とする、請求項1に記載した農作業用の作業台車。
【請求項3】
弾性支持された前記独立駆動車輪を上下移動させる昇降装置が設けられており、地面走行時には、前記昇降装置により前記独立駆動車輪のそれ以上の降下が防止されて地面から浮いた状態が保持され、レール走行時には、前記昇降装置に接続された操作部操作、前記独立駆動車輪が前記レールに接地する状態と前記レールから浮いた状態とに切替え自在な構成とされていることを特徴とする、請求項1又2に記載した農作業用の作業台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業用の作業台車の技術分野に属し、さらに言えば、ハウス栽培に使用する複数のベンチ間をレール走行して移動する高所作業台車や、レール上を走るシャトルカート、畝間のレールをまたがったレールまたぎ台車等が、レールから降りた地面走行と、次のレールへの移動をスムーズに行え、部品交換やメンテナンス作業が楽な作業台車に関する。
【背景技術】
【0002】
施設園芸ハウス栽培農業等において、トマトやキュウリのように背が高く成長する作物の手入れや収穫作業等を容易に能率良く行うのに適した高所作業台車が種々知られている。
例えば、特開2016-215764公報に開示された作業台車(特許文献1)は、基台とその四隅の支柱とを具備する台車本体と、支柱に高さ位置を変更可能に支持される足場板とを具備し、台車本体は、前方の操舵車輪と後方の駆動車輪とステアリング軸とを備え、前方左右の支柱間は横桟で接続され、ステアリング軸支持部材が固着され、後方左右の支柱間は、後部横桟で接続される。後部に左右一対の手押しハンドルが延出し、その間が水平の足掛けバーで接続され、前後の各支柱間に複数の水平の支持桟が接続され、足場板が支持される。かくして、はしごにて昇り降りする高所用足場を設け、モーターの回転を、左右一対の車輪に通された車軸に伝動機構(チェーン)で伝える駆動方式で走行する構造体である。
【0003】
また、栽培ベンチ等の間の通路に軌道(レール)を敷設して、この軌道上を走行する作業台車も、種々提案され公知である。
例えば、特開2018-40174公報に開示された作業台車(特許文献2)は、台車本体の支柱に高さ位置を変更可能に水平に支持される平面視概略矩形の足場板を具備し、台車本体は、基台の前方の左右に、地面を前後に直進走行する前方接地車輪と、軌道を走行する前方軌道車輪とを具備すると共に、基台の後方の左右に、前方軌道車輪と共に軌道を前後に直進走行する後方軌道車輪を具備し、後方左右の支柱の下部から後方へ、台車本体の後部を持ち上げて前方接地車輪又は軌道車輪にて地面又は軌道上を人力移動させるための手押しハンドルが延出されている。かように、接地車輪と軌道車輪を設け、後部に手押しハンドルを具備し、該手押しハンドルで後部を持ち上げて移動させる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-215764公報
【文献】特開2018-40174公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の特開2016-215764公報に記載の作業台車は、車輪駆動の方法がチェーン駆動のため、そのままでは手押し走行が不可能である。また、メンテナンスを行う際、分解等の作業工程が多く、すべての部品を取り外して交換作業を行う必要があり、大変面倒で煩わしい作業を強いられる。
特許文献2の特開2018-40174公報に記載の作業台車は、軌道(レール)上を走行する4輪の固定車輪が装備されているが、軌道から外れてレーン移動する際、4輪固定車輪のため、2輪を持ち上げて移動する作業が大変面倒である。
また、駆動輪をレール接地させたまま早く動かすと、逆起電力によるモーターの焼き付きが起こる心配があるし、台車を早くレールから降ろしたい場合には、駆動部の駆動力の速さに制限されるといった問題点も指摘されている。
【0006】
本発明の目的は、上記の課題を鑑みてなされたもので、レール上を走行して農作業を行う作業台車の走行車輪とは別に駆動部で駆動する独立駆動車輪を設け、部品交換やメンテナンス作業の効率化を図ると共に、独立駆動車輪の接地面への接地状態と浮いた状態とを簡単に切替えられ、レールから降りた当該作業台車の方向転換や地面走行をスムーズに行えて、次のレールへの移動が楽な農作業用の作業台車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る農作業用の作業台車は、レール7上を走行車輪2で走行して農作業が行われる作業台車1において、
前記作業台車1には、前記走行車輪2とは別に駆動部4で駆動する独立駆動車輪3と前記独立駆動車輪3を下方に押圧しながら支持する弾性支持部5が設けられ、前記独立駆動車輪3はレール7上に接地し、かつ前記走行車輪2の地面8の接地レベルよりも若干上方に位置するように作業台車1の下面10に取り付けられており、前記独立駆動車輪3は、レール7を押圧しながら駆動部4により駆動されて走行車輪2と共にレール7上を走行してそのままレール7を降りると、前記独立駆動車輪3が地面8から浮いて前記走行車輪2で手押し走行が可能な構成であることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した農作業用の作業台車1において、前記走行車輪2の一部は、取付け座11の下に下向きの車輪支持脚12が、垂直な軸部材13で回転自在に取り付けられ、前記車輪支持脚12の下部に回転自在に支持されて成る自由車輪2Aであって、固定手段14により前記車輪支持脚12の回転を止めて固定車輪に切替え自在な構成とされていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載した発明は、請求項1又2に記載した農作業用の作業台車1において、 弾性支持された前記独立駆動車輪3を上下移動させる昇降装置6が設けられており、地面8の走行時には、前記昇降装置6により前記独立駆動車輪3のそれ以上の降下が防止されて地面8から浮いた状態が保持され、レール7の走行時には、前記昇降装置6に接続された操作部60操作、前記独立駆動車輪3が前記レール7に接地する状態と前記レール7から浮いた状態とに切替え自在な構成とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の農作業用の作業台車は、以下の効果を奏する。
(1)当該作業台車は、走行車輪とは別に駆動部で駆動する独立駆動車輪を設けて、車輪と駆動を分離し、駆動部分をユニット化したので、部品交換やメンテナンス工数の削減に繋がり、作業効率が向上される。特に、ブラシレスモーターを使用した車輪駆動にしたので、分解が簡単になりメンテナンスを行い易い。
(2)駆動部を支持する弾性支持部を設けたので、接地面との駆動力が安定的に発揮でき、またレールから降りると独立駆動車輪が浮き、走行車輪(前輪と後輪)が地面に接地するため、人の手押しが可能となる自在性にも優れている。
(3)走行車輪の一部(前後のどちらか)が旋回を止めた自由車輪としたので、レール上で走行時の直進性を確保しながら、レールから降りての地面走行時には、自由車輪で旋回ができ、移動が楽になって、老齢化対策急務な農作業の労働負荷の低減が実現される。
(4)昇降装置により接地面から独立駆動車輪を浮かせられるようにしたため、早急にレール上から降ろしたい時等に、その独立駆動車輪に左右されずに作業台車をレール上で手押し移動させられる上、レールからの車輪回転を起こさせず、逆起電力による焼き付きが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る農作業用の作業台車の全体構成を示した正面図である。
図2図1の作業台車の右側面図である。
図3】農作業用の作業台車の平面図である。
図4】Aは、作業台車がレール上を走行する際の走行車輪と独立駆動車輪を示した一部切欠正面図、Bは、作業台車が地面上を走行する際の走行車輪と独立駆動車輪を示した一部切欠正面図、Cは、Bの後部を示した拡大図である。
図5】異なる農作業用の作業台車とその昇降装置を示した正面図である。
図6】異なる昇降装置を示した正面図である。
図7】畝間のレールをまたぐ作業台車を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る農作業用の作業台車の実施形態を、以下図面にしたがって説明する。
例えば、図7に示した並列する複数の畝9の間で敷設されたレール7をまたがって走行車輪2で走行するレールまたぎ台車や、並列する栽培ベンチ(図示は省略)間で敷設されたレール7上を走行車輪2で走行して高所の農作業を行う作業台車1等に実施される。
図1図5に示した本実施形態の作業台車1は、トマトやキュウリ等の作物のように成長すると地上高さが人間の背をはるかに超す程の高さとなる作物の姿勢調整や、防虫剤散布、或いは花芽の摘除調整や収穫等の高所での農作業を楽な姿勢で能率良く安全に行うため、作業員が乗り込み、所望の高さ位置の踏み板15上で、前記各種の農作業を行うのに好適である。
【0013】
図2に例示した如く、敷設された一対の丸管形状のレール7、7上を走行する作業台車1であって、レール7の長さは作業する栽培ベンチの一端から他端までの長さと等しく設定される。当該レール7の始端と終端部分には、図4Aに例示した如く、先端に向かって適度な下り(又は上り)勾配部分7aを形成しておく。
【0014】
図1に示した作業台車1は、合成樹脂被覆鋼管たるパイプ材と各種形態の継手を接続し接着して、前記高所の農作業に適した高さに踏み板15(作業台)が位置するように同踏み板15に至る階段部16を備えた剛強な背の高い階段部付き塔状構造物1’が、軽量に組立てられている(但し、この構造の限りではない)。前記踏み板15(作業台)上に立つ作業者にとって、安全に農作業が行えるように防護柵17が設けられている。下部には前記レール7上を走行する走行車輪2が設けられている。図示例の本実施形態は、後輪2つが固定車輪2B、前輪2つが自由車輪2Aで実施する形態を示している。
【0015】
前輪の自由車輪2Aは、取付け座11の下に、下向きの車輪支持脚12が、垂直な軸部材13で回転自在に取り付けられ、前記車輪支持脚12の下部に車輪が回転自在に支持されている。そして、ピン等の固定手段14により前記車輪支持脚12の回転を止めて固定車輪に切替えが自在となっている。
従って、作業台車1のレール7上の走行時の直進走行の安定化を図るためには、ピン14を車輪支持脚12に挿して固定し、作業台車1が地面8上で自由に方向転換できるようにするには、旋回を止めている自由車輪2Aのピン14を抜いてやればよい。
【0016】
作業台車1には、図1図3等に示したように、前記走行車輪2とは別に駆動部4によって単独で駆動する独立駆動車輪3が1つ設けられている。この独立駆動車輪3は、図3に示した如く、進行方向(同図の右方向)に向かって右側に縦列する前後の走行車輪2の自由車輪2Aと固定車輪2B間の線上に載るように配置されている。と共に、レール7上に車輪が接地し、かつ前記走行車輪2の地面接地レベルよりも若干上方に位置するように、具体的には、図4Cに符号Sで示した数mm程度、地面8から上方に位置するように、作業台車1の下面10(ベース部10B)に弾性支持部5で取り付けられている。
より詳細には、レール走行時に、走行車輪2の自由車輪2Aと固定車輪2Bは、図2に示したように、接地部である車輪外周がレール7に嵌まる形の溝部に形成されており、その外周溝部がレール7の上面を各々またぐように走行する。これに対し、独立駆動車輪3は、外周が平坦なフラット状に形成されており、その外周平坦部がレール7の上面を適度な力で押圧しつつ駆動することで当該作業台車1に駆動力を与えて、作業台車1がレール7上を走行するものである(図1図6参照)。
【0017】
すなわち、当該作業台車1の下面10には、床板を敷設した前方のベース部10Aと後方のベース部10Bが設けられ、その後方ベース部10Bの上に、当該作業台車1の独立した走行動力源となる駆動部4(ブラシレスモーター)のバッテリー装置18と充電器19が設置され、前記独立駆動車輪3のみがブラシレスモーター4で駆動される構造である。また、このブラシレスモーター(駆動部)4には、図1に示したように、バネ体の弾性支持部5が設けられており、独立駆動車輪3がレール7に対して適度な下方の押圧力で安定的に支持され、常にレール7との接地圧が維持されるから、作業台車1に適切な駆動力が与えられ安定した走行が可能である。
そして、この独立駆動車輪3は、前記ブラシレスモーター4の中空軸40に嵌められて突出する車軸3aに固定されて駆動される。こうする事で、モーターの回転をチェーンで車輪に伝達する方式と比較して、部品点数が減りチェーンを外す等の作業がいらないため分解に手間がかからずにメンテナンスがやり易くなる。
【0018】
なお、独立駆動車輪3は、本実施形態のように、1台の作業台車1に1つ設ける形態で通常実施されるが、例えば図7に示した如く大きな畝9の間のレール7、7にまたがるレールまたぎ台車のように、各レール7上をそれぞれ走行する独立駆動車輪3を2つ設けて実施するこことも勿論可能である。
したがって、作業台車1は、前記独立駆動車輪3がレール7を押圧しながら駆動部4により駆動されて走行車輪2と共にレール7上を走行する(図4A)。そして、作業台車1が地面8を走行する時は、図4B、Cに示したように、走行車輪2が地面8に接地する一方、独立駆動車輪3は、地面8から符号Sで示した間隔分浮くように設計されているから、手押し走行が可能な構成となっている。
【0019】
また、この作業台車1には、図5図6に例示したような前記駆動部4を上下移動する昇降装置6が設けられており、操作部であるレバー60又は60’の操作で、前記独立駆動車輪3が接地面のレール7又は地面8に接地する状態と、前記接地面から浮いた状態とに簡単に切替えることができる。
図5の昇降装置6は、独立駆動車輪3が後述する地面8に接地して走行するタイプでの適用例を示しているが、上述したレール7上を走行するタイプにも当然適用される。
下面10に設置された取り付け板65に、略中間部をトラニオン軸61で回動自在に支持された左右両側(紙面の奥側と紙面上)の2本のアームバー62の後端部に、ピン63により可動板64の後部両端が連結して支持されている。前記可動板64の前部両端はピン63aにより取り付け板65に連結して固定(支点)されている。接続されたアームバー62の前端部62aは、取り付け板65の前端部に突出する手動用の切り替えレバー(操作部)60の回動により下がると、アームバー62がトラニオン軸61を支点としてシーソーのように反対側が上がり、可動板64に弾性支持された独立駆動車輪3が接地面(地面8)から上昇される構成である。
【0020】
図6に示した昇降装置6は、下面10に、独立駆動車輪3が取付けられた車輪取付け部66の基端がピン67により回転可能に支持され、前記車輪取付け部66の前端部を垂直な支持杆69で支持し、ピン67を支点に車輪取付け部66が上下方向に移動自在に下面10へ弾性支持されている。支持杆69の下端部にはストッパー69aが設けられ、そのストッパー69aに車輪取付け部66が当接してそれ以上の降下が防止され、地面走行時に独立駆動車輪3の浮いた状態が保持される。
下面10の前方側には、前記車輪取付け部66の前端部を上向き状態で固定自在な押さえ部68と、その押さえ部68を後押しするクランプ金具のレバー(操作部)60’がそれぞれ吊設されている。そして、独立駆動車輪3がレール7上を走行する時は、レバー60’が前方方向に持ち上がっていて、押さえ部68を遊ばせておく。一方、作業台車1がレール7上で駆動部4から切り離したい場合は、レバー60’により押さえ部68を後押しし、後押された押さえ部68が車輪取り付け部66の前端部を若干上方に押し上げて、ベース部の下面10に当接して固定する。しかるに、独立駆動車輪3はレール7から浮いた状態が保持されて、駆動部4がレール7から切り離されるから、作業台車1は走行車輪2によってレール7上を手押し走行することが出来、そのまま地面8まで降りて手押しで連続的に走行させて行くことが可能である。
従って、早急にレール7上から作業台車1を降ろしたい時等に、モーター駆動が切り離せるから、駆動力に左右されずに、レール7上の作業台車1を早い速度で手押しができるし、逆起電力によるモーターの焼き付きの心配もなくなる。
また、作業台車1がレール7の終端で通常に降りて地面走行する場合は、車輪取り付け部66が、支持杆69のストッパー69aによりそれ以上下降しない設計なので、独立駆動車輪3が地面8から浮き、作業台車1は、走行車輪2で地面8上を手押し走行が可能となっている。
更に、走行車輪2Aの固定手段14のネジをもどして、車輪支持脚12との嵌め合いを解除すれば、走行車輪2Aが旋回自在となって、作業台車1を自由な方向に手押しができる構成である。
【0021】
<異なる実施形態>
上述した独立駆動車輪3が、レール7上ではなく、地面8上を走行する実施形態も採用可能である。つまり、図5に示したように、レール7上を走行車輪2で走行して農作業が行われる作業台車1において、当該作業台車1には、やはり前記走行車輪2とは別に駆動部4で駆動する独立駆動車輪3を設けるが、この前記独立駆動車輪3は地面8に接地するように作業台車1の下面10に取り付けられている。
したがって、駆動部4により駆動する当該独立駆動車輪3によって地面8を走行しつつ、当該作業台車1の走行車輪2がレール7上を走行自在に構成されており、上記実施形態と同様に、部品交換やメンテナンスが非常に楽であると共に、レール走行と、同レール走行から降りた地面走行の切替えをスムーズに行うことができる。
【0022】
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、例えば、本体カートと補助カートを連結したシャトルカートに実施することも可能であり、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【符号の説明】
【0023】
1 作業台車
1’ 階段部付き塔状構造物
10 下面
11 取付け座
12 車輪支持脚
13 垂直な軸部材
14 固定手段(ピン)
15 踏み板
16 階段部
17 防護柵
18 バッテリー装置
19 充電器
2 走行車輪
2A 自由車輪
2B 固定車輪
3 独立駆動車輪
3a 車軸
4 駆動部(ブラシレスモーター)
40 中空軸
5 弾性支持部
6 昇降装置
60 操作部
7 レール(接地面)
8 地面(接地面)
9 畝
S 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7