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特許7307428自動運転車両管理システム、及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】自動運転車両管理システム、及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20230705BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
G05D1/02 K
B65G1/137 G
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021510468
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2018102639
(87)【国際公開番号】W WO2020041964
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】519232057
【氏名又は名称】霊動科技(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】LINGDONG TECHNOLOGY (BEIJING) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】C4, Beijing Shangde Intelligent Manufacturing Industrial Park,No.10 Jiancaicheg East Road, Xisanqi, Haidian District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン グァンプォン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ツァンリン
【審査官】永田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0053141(US,A1)
【文献】特開2015-225624(JP,A)
【文献】特開平10-149217(JP,A)
【文献】特開昭59-146313(JP,A)
【文献】特開2003-76422(JP,A)
【文献】特開平11-296227(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103562(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0058556(US,A1)
【文献】特開平11-184521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00-1/12,
B65G 1/00-1/20,
B25J 5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御システム又はシステム管理者から、自動運転車両によって受信される正式なルーティング及びタスクの指示を受信することと、
自動運転車両に結合されるカメラを使用して、1つ又は複数のマーカーに含まれる情報を読み取ることで取得される、前記正式なルーティング及びタスクの指示とは異なる非正式ルーティング及びタスクの指示を検出して取得することと、
自動運転車両は、前記非正式ルーティング及びタスクの指示を確認後に、マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示を制御システム又はシステム管理者に送信し、制御システム又はシステム管理者は、前記非正式ルーティング及びタスクの指示がもはや必要とされないように、前記正式なルーティング及びタスクの指示をマーカーから取得されたルーティング及びタスクの指示と一致するように更新することと
を含む、自動運転システムを操作する方法。
【請求項2】
前記マーカーは、作業スペースから除去され得るように、また追加のマーカーが作業スペース内に配置され得るように、作業スペース内に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マーカーは、バーコードである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示は、自動運転車両を作業スペースに反転させる指示を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示は、作業スペース内で自動運転システムを180度回転させる指示を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示は、自動運転車両を使用して在庫を別の場所に輸送する指示を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示は、辿るべき移動経路に関する指示及び/又は情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記辿るべき移動経路に関する指示及び/又は情報が、倉庫又は倉庫内の品目の位置及び位置情報を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示は、実行すべき動作に関する指示及び/又は情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記実行すべき動作に関する指示及び/又は情報は、作業スペースに反転すること、作業スペース内で180度回転すること、滞在すること、離れること、持ち去ること、所定の時間を待機してから移動すること、戻ること、別の場所に移動すること、又は自動運転車両の高さを調整すること、を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示は、作業スペースに関する指示及び/又は情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記作業スペースに関する指示及び/又は情報は、自動運転車両が通過できるかどうか、作業領域の深さ、幅、サイズ、作業台の高さ、 又は、自動運転車両を作業台とどれだけの距離を開けてその近くで駐車すること、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記自動運転車両は、在庫と共に在庫ホルダーをある場所から別の場所に輸送するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記自動運転車両は、直立位置で、自動運転車両を動かすための電動ホイールを有する可動ベースに結合されるコンソールを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記可動ベースは、在庫と共に在庫ホルダーを上下させるように構成される上面を備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記カメラが、前記コンソールに結合される少なくとも3つのカメラを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
制御システム又はシステム管理者から、自動運転車両によって受信される正式なルーティング及びタスクの指示を受信することと、
自動運転車両に結合されるカメラを使用して、1つ又は複数のマーカーに含まれる情報を読み取ることで取得される、前記正式なルーティング及びタスクの指示とは異なる非正式ルーティング及びタスクの指示を検出して取得することと、
自動運転車両は、前記非正式ルーティング及びタスクの指示に従った後に、マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示を制御システム又はシステム管理者に送信し、制御システム又はシステム管理者は、前記非正式ルーティング及びタスクの指示がもはや必要とされないように、前記正式なルーティング及びタスクの指示をマーカーから取得されたルーティング及びタスクの指示と一致するように更新することと
を含む、自動運転システムを操作する方法。
【請求項18】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示は、自動運転車両を作業スペースに反転させる指示を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示は、作業スペース内で自動運転システムを180度回転させる指示を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示は、自動運転車両を使用して在庫を別の場所に輸送する指示を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示は、辿るべき移動経路に関する指示及び/又は情報を含み、前記指示及び/又は辿るべき移動経路に関する情報は、倉庫又は倉庫内の品目の位置及び位置情報を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示は、実行すべき動作に関する指示及び/又は情報を含み、前記実行すべき動作に関する指示及び/又は情報は、作業スペースに反転すること、作業スペース内で180回転すること、滞在すること、離れること、持ち去ること、所定の時間を待機してから移動すること、戻ること、別の場所に移動すること、又は自動運転車両の高さを調整すること、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示は、作業スペースに関する指示及び/又は情報を含み、前記作業スペースに関する指示及び/又は情報は、自動運転車両が通過できるかどうか、作業領域の深さ、幅、サイズ、作業台の高さ、又は自動運転車両を作業台とどれだけの距離を開けてその近くで駐車すること、を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記マーカーから取得された前記非正式ルーティング及びタスクの指示を制御システム又はシステム管理者に送信して、正式なルーティング及びタスクの指示を更新することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記マーカーは、作業スペースから除去され得るように、また追加のマーカーが作業スペース内に配置され得るように、作業スペース内に配置されるバーコードである、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、自動運転車両管理システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無人搬送車(AGV)は、様々な異なる環境で使用される自動運転車両である。例えば、AGVは倉庫で使用され、あるエリアから別のエリアへの在庫の移動を支援する。ただし、オペレーターが直面する問題の1つは、倉庫環境に棚や作業台の配置や高さの変更などの変更がある場合には、常にAGVをオフラインにして変更を対応するよう再プログラミングする必要があることがある。AGVに割り当てられたタスクに変更がある場合、又はAGVの前に障害物が配置されてしまう場合にも、同じ問題が発生してしまう。このような変更や障害物に合わせてAGVをすばやく再プログラミングする方法はない。これらの問題により、生産性と効率の低下に繋がる。
【0003】
従って、新たな改良された自動運転車両管理システム及びその方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、自動運転システムを操作する方法は、制御システム又はシステム管理者から、自動運転車両によって受信される正式なルーティング及びタスクの指示を受信することと、自動運転車両に結合されるカメラを使用して、1つ又は複数のマーカーから、正式なルーティング及びタスクの指示とは異なるルーティング及びタスクの指示を検出して取得することと、マーカーから取得されたルーティング及びタスクの指示を制御システム又はシステム管理者に送信し、正式なルーティング及びタスクの指示を更新することと、を含む。
【0005】
一実施形態では、自動運転システムを操作する方法は、制御システム又はシステム管理者から、自動運転車両によって受信される正式なルーティング及びタスクの指示を受信することと、自動運転車両に結合されるカメラを使用して、1つ又は複数のマーカーから、正式なルーティング及びタスクの指示とは異なるルーティング及びタスクの指示を検出して取得することと、自動運転車両を使用してマーカーから取得されたルーティングとタスクの指示に従うことと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態による無人搬送車(AGV)の斜視図である。
図2】別の一実施形態によるAGVの上面図である。
図3】一実施形態による、AGV上に配置される在庫ホルダーの斜視図である。
図4】一実施形態による、作業スペースに移動するAGVの模式図である。
図5A】一実施形態による作業スペース内のAGVの模式図である。
図5B】一実施形態による作業スペース内のAGVの模式図である。
図6A】一実施形態による、作業スペース内で回転するAGVの模式図である。
図6B】一実施形態による、作業スペースから外へ移動するAGVの模式図である。
図7】一実施形態による、作業スペースに反転するAGVの模式図である。
図8】一実施形態によるAGVの動作シーケンスの模式図である。
図9】一実施形態によるAGVの動作シーケンスの模式図である。
図10】一実施形態によるAGVの動作シーケンスのフローチャートである。
【0007】
理解しやすくするために、可能な限り、同一の参照番号を使用して図に共通の同一の要素を示す。一実施形態で開示される要素は、特に言及されずに他の実施形態でも利用され得ることが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態は、無人搬送車(AGV)に正式なルーティング及びタスクの指示を提供し、並びに再プログラミングのためにAGVをオフラインにすることなくルーティング又はタスクの指示に永続的又は一時的な変更を提供するように構成される自動運転車両管理システム及びその方法を含む。正式なルーティング及びタスクの指示、並びにルーティング又はタスクの指示の永続的又は一時的な変更は、オペレーター及び/又はバーコードのような1つ以上のマーカーによって提供される。
【0009】
AGVは、自動運転車両であり、自律的にナビゲートする移動ロボット、慣性誘導型ロボット、遠隔制御式移動ロボット、及び/又はレーザーターゲティング、ビジョンシステム及び/又はロードマップによって誘導されるロボットのような移動ロボットを含むが、これらに限定されない。自動運転車両管理システム及びその方法の実施形態は、倉庫環境において在庫を移動するAGVに関して本明細書で説明及び図示されるが、実施形態は、任意の環境での任意タイプの自動運転システム及びその方法に使用されることができる。
【0010】
図1は、無人搬送車(AGV)100の斜視図である。AGV100は、直立位置で可動ベース20に結合されるコンソール30を備える。コンソール30は、情報を表示し、オペレーターによるAGV100の動作を制御することを許可するように構成されるディスプレイ50を有する。可動ベース20は、AGV100を任意の方向に回転及び/又は転がるように構成される複数の電動ホイール40を有する。可動ベース20は、在庫を支持するために用いる上面25を有する。
【0011】
AGV100のコンソール30の上端に結合される1つ又は複数のカメラ10が示される。1つのカメラ10は、コンソール30の上部中央に配置され、他の1つのカメラ30は、コンソール30の右側に配置され、さらに他の1つのカメラ30は、コンソール30の左側に配置されている。3台のカメラ30のみが示されるが、任意の数又は配置のカメラを使用することができる。
【0012】
図2は、一実施形態によるAGV100の上面図である。図2に示すように、カメラ30は、AGV100上に配置され、AGV100の前面及び両側の領域を含む画像キャプチャ範囲15を提供する。画像キャプチャ範囲15は、180度の視野領域、270度の視野領域、360度の視野領域、又は180度から360度の間の任意の視野領域を含み得る。カメラ30は、視覚画像をスキャン及び記録するだけでなく、近くの物体の存在を検出するように構成される。カメラ30は、単眼カメラ、双眼カメラ、及び/又はステレオカメラを含み得るが、これらに限定されない。
【0013】
図3は、一実施形態による、AGV100の可動ベース20の上面25に配置される在庫ホルダー60の斜視図である。在庫は、移動台20の上面25に直接配置されてもよいし、在庫ホルダー60に直接配置されてもよい。AGV100は、在庫及び/又は在庫ホルダー60をある場所から別の場所に移動することができる。在庫ホルダー60は、車輪を有する手押し車として示されるが、在庫ホルダー60は、バスケット、ビン、又は在庫のような品目を収容、運搬、及び/又は輸送するために使用できる任意の他のタイプの車輪付きカート又はコンテナであってもよい。
【0014】
図4は、一実施形態による、倉庫の作業スペース80に移動するAGV100の模式図である。AGV100は、移動経路90を辿り在庫65と在庫ホルダー60を作業員200が位置する作業スペース80に運ぶための正式なルーティング及びタスクの指示を提供され得る。参照矢印71、72によって示されるように、AGV100は、カメラ10の画像キャプチャ範囲内にあるバーコードのような1つ又は複数のマーカー70、75から、ルーティング及びタスクの指示を検出して取得する。
【0015】
マーカー70、75は、正式なルーティング及びタスクの指示と同じ又は異なるルーティング及びタスクの指示を含むことができる。マーカー70、75を使用して、正式なルーティング及びタスクの指示を確認し、正式なルーティング及びタスクの指示を変更し、及び/又は正式なルーティング及びタスクの指示を追加することができる。作業員200は、任意の数のマーカー70、75を配置及び除去して、正式なルーティング及びタスクの指示を確認、変更、及び/又は追加することができる。マーカー70、75は、作業台85の端に配置されると示されるが、作業スペース80内又はその近くのどこに配置されてもよい。
【0016】
図5A及び5Bは、一実施形態による作業スペース80内のAGV100の模式図である。AGV100は、マーカー70からルーティング及びタスクの指示を取得することができる。ルーティング及びタスクの指示は、辿るべき移動経路、実行すべき動作、及び/又は作業スペース80に関する指示及び/又は情報を含むことができる。
【0017】
移動経路に関する指示及び/又は情報は、作業スペース80及び/又は作業台85の水平又は垂直座標などの、倉庫及び/又は倉庫内の品目の位置及び/又は位置情報を含み得るが、これらに限定されない。
【0018】
実行すべき動作に関する指示及び/又は情報には、作業スペース80内に反転すること、作業スペース80内で180度回転すること、滞在すること、離れること、持ち去ること、所定の時間を待機してから行くこと、戻ること、別の場所に移動すること、及び/又はAGV100の可動ベース20の上面25の高さを調整することが含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
作業スペース80に関する指示及び/又は情報は、AGV100が作業スペース80を通過できるかどうか、作業員200のための作業領域(参照矢印88)の深さ(参照矢印87)、幅(参照矢印86)、サイズ、作業台85の高さ(参照矢印89)、及び/又は作業台85とどれだけの距離を開けてその近くで駐車(park)することを含むが、これらに限定されない。
【0020】
ルーティング及びタスクの指示に基づいて、AGV100は、AGV100がそれ自体、在庫、及び/又は在庫ホルダーを作業員200及び/又は作業台85と衝突することなく作業スペース80に移動するのに十分なスペースがあるかどうかを判断するように構成される。AGV100が十分なスペースがあると判断した場合、AGV100は、ルーティング及びタスクの指示を続行し、作業スペース80に移動するように構成される。さらに、AGV100は、可動ベース20の上面25の高さを作業台80に対して適切な高さに調整し、在庫ホルダー60及び在庫65を上下させて、在庫65を扱いやすくするように構成される。AGV100が十分なスペースがないと判断した場合、AGV100は、ルーティング及びタスクの指示を停止し、作業員200及び/又はシステム管理者にエラー通知を送信するように構成される。
【0021】
図6Aは、一実施形態による、作業スペース80内で180度回転するAGV100の模式図であり、図6Bは、作業スペース80から外へ移動するAGV100の模式図である。幅(参照矢印86)及び/又は作業領域(参照矢印88)のような作業スペース80に関してマーカー70から取得されたルーティング及びタスクの指示に基づいて、AGV100は、180度回転し、在庫ホルダー60を地面に下げ、作業スペース80からまっすぐ移動するのに十分なスペースがあるかどうかを判断するように構成される。十分なスペースがあるとAGV100が判断した場合、AGV100は、参照矢印91によって示されるように180度回転し、在庫65と共に在庫ホルダー60を地面に降ろし、参照矢印92によって示されるように作業スペース80から外へまっすぐ移動するように構成される。
【0022】
図7は、一実施形態による、作業スペース80に反転するAGV100の模式図である。作業スペース80に関してマーカー70から取得されたルーティング及びタスクの指示に基づいて、180度回転するのに十分なスペースがないとAGV100が判断した場合、AGV100は、参照矢印93、94によって示されるように作業スペース80に反転するように構成される。AGV100は、作業スペース80に反転(例えば、後方に移動)し、在庫65と共に在庫ホルダー60を地面へ降ろし、次いで、作業スペース80から外へまっすぐ移動することができる。
【0023】
図8は、一実施形態によるAGV100の動作シーケンスの模式図である。AGV100は、移動経路95に辿り、在庫65を取り、次に移動経路96に沿って作業台85で在庫65を待つ作業員200に辿り着くような、正式な経路及びタスクの指示を提供され得る。正式なルーティング及びタスクの指示は、作業スペース80に180度回転するのに十分なスペースがあることをAGV100に示すことができる。しかしながら、作業員200は、AGV100が作業スペース80内を通過する又は180度回転するのを妨げるさらなる在庫品目66を作業台80に配置する恐れがある。AGV100と通信するために、作業員200は、AGV100がさらなる在庫品目66に関するルーティング及びタスクの指示を検出して取得するように、1つ又は複数のマーカー70を作業台85の端に配置することができる。
【0024】
AGV100が作業台85に近づくと、AGV100上のカメラ10は、参照矢印71によって示されるように、マーカー70からルーティング及びタスクの指示を検出して取得する。マーカー70から取得されたルーティング及びタスクの指示は、AGV100の正式なルーティング及びタスクの指示、具体的には作業スペース80に反転する(例えば、後方に移動する)指示と異なる情報を提供する。それに応じて、AGV100は、マーカー70から取得されたルーティング及びタスクの指示に従い、参照矢印97、98で示されるように作業スペース80に反転する。
【0025】
図9は、一実施形態によるAGV100の動作シーケンスの模式図である。AGV100は、参照矢印77によって示されるように、有線又は無線通信を介して、制御システム210(事前にプログラミングされた指示を備えるローカルサーバーなど)及び/又はシステム管理者220からの正式なルーティング及びタスクの指示を提供され得る。システム管理者220は、遠隔地にいて、参照矢印76によって示されるように、有線又は無線通信を介して制御システム210を通じてAGV100と通信することができる。AGV100は、カメラ10、自動車輪40、制御システム210、及び/又はシステム管理者220と通信し、並びに制御システム210、システム管理者220、及び/又は1つ又は複数のマーカー70から受信したルーティング及びタスクの指示に基づいてAGV100の動作を制御するように構成される、中央処理ユニットのようなコントローラを備える。
【0026】
制御システム210及び/又はシステム管理者220から受信した正式なルーティング及びタスクの指示に基づいて、AGV100は、移動経路99に辿り、作業台85で在庫65を降ろすように指示され得る。在庫65が不要になった場合、又は作業台で作業員がいない場合は、1つ又は複数のマーカー70を作業台85に配置して、AGV100に在庫65を返却するか、在庫65を別の作業台に運ぶように指示され得る。AGV100が作業台85に近づくと、AGV100上のカメラ10は、参照矢印71によって示されるように、マーカー70からルーティング及びタスクの指示を検出して取得する。マーカー70から取得されたルーティング及びタスクの指示は、AGV100の正式なルーティング及びタスクの指示を変更して、移動経路101を辿り、次に在庫65を返却するか、在庫65を別の作業台85に移動するような情報を提供する。これに応じて、AGV100は、マーカー70から取得されたルーティング及びタスクの指示に従うように構成される。
【0027】
さらに、AGV100は、参照矢印78によって示されるように、マーカー70から取得されたルーティング及びタスクの指示を制御システム210及び/又はシステム管理者220に通知するように構成される。確認後、システム管理者220は、マーカー70がもはや必要とされないように、マーカー70から取得されたルーティング及びタスクの指示と一致するように正式なルーティング及びタスクの指示を更新することができる。
【0028】
図10は、一実施形態による、AGV100の動作シーケンス300のフローチャートである。ステップ310において、AGV100は、制御システム210及び/又はシステム管理者220から正式なルーティング及びタスクの指示を受信する。ステップ320において、AGV100は、制御システム210及び/又はシステム管理者220から受信した正式なルーティング及びタスクの指示に従う。ステップ330において、AGV100は、1つ又は複数のマーカー70を検出し、1つ又は複数のマーカー70からルーティング及びタスクの指示を取得する。
【0029】
ステップ340において、AGV100は、1つ又は複数のマーカー70から取得されたルーティング及びタスクの指示に従う。ステップ350において、AGV100は、1つ又は複数のマーカー70から取得されたルーティング及びタスクの指示を制御システム及び/又はシステム管理者220に送信する。ステップ360において、制御システム210及び/又はシステム管理者220による確認後、1つ又は複数のマーカー70からAGV100を介して取得されたルーティング及びタスクの指示が更新され、制御システム210に格納された正式なルーティング及びタスクの指示の一部となる。
【0030】
図8~10は、本明細書に開示される無人搬送車管理システム及びその方法を使用するAGV100の動作のいくつかのシーケンスを示すが、AGV100は、任意の数のルーティング及びタスクの指示に従って、任意の数の移動経路を辿り、任意の数の動作を実行し、任意の回数で作業スペースへの出入りを作業員や作業台に衝突することなく行うことができる。
【0031】
上記は本開示の諸実施態様を対象としているが、本開示の他のさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく創出されることができ、その範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10