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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】袋詰ユニットの段積み構造
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/08 20060101AFI20230705BHJP
【FI】
E02B3/08 301
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022117157
(22)【出願日】2022-07-22
【審査請求日】2022-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501204525
【氏名又は名称】国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000201490
【氏名又は名称】前田工繊株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 高二朗
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 修己
(72)【発明者】
【氏名】土橋 和敬
(72)【発明者】
【氏名】小林 航
(72)【発明者】
【氏名】新 正行
(72)【発明者】
【氏名】丹澤 文秀
【審査官】佐久間 友梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-169625(JP,A)
【文献】特開2003-171922(JP,A)
【文献】特開2021-173041(JP,A)
【文献】特開2007-327324(JP,A)
【文献】特開昭52-113030(JP,A)
【文献】特開平07-102540(JP,A)
【文献】特許第7044335(JP,B1)
【文献】特開2003-171918(JP,A)
【文献】特開2018-188805(JP,A)
【文献】特開平09-137422(JP,A)
【文献】登録実用新案第3102715(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/04
E02D 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
編地製の袋体と該袋体に収容した中詰材とよりなり、透水性を有する複数の袋詰ユニットを、海洋構造物または河川構造物の傾斜した側面を覆うように同一面上に敷設しながら所定の勾配で高さ方向に段積みして構築する袋詰ユニットの段積み構造において、
外側に敷設する外側袋詰ユニットの上部中央の結束部と、該外側袋詰ユニットの背面側に敷設する内側袋詰ユニットの上部中央の結束部の間を引張材で緊張して連結し、
上段に位置する別途の外側袋詰ユニットが下段に位置する外側袋詰ユニットと内側袋詰ユニットの上部中央の結束部の間に緊張して連結した下段に位置する前記引張材を踏み締めることで、下段に位置する前記引張材の緊張力を増すと共に、下段に位置する前記外側袋詰ユニットの袋体の編地を結束部側へ向けて引き寄せて中詰材の拘束力を増すように段積みし、
内側袋詰ユニットの自重に上載荷重を加えた総重量を瞬時に伝えて前記外側袋詰ユニットに作用する吸出力に抵抗することを特徴とする、
袋詰ユニットの段積み構造。
【請求項2】
同一面上に並列した前記外側袋詰ユニットと内側袋詰ユニットの上部中央の結束部の間に引張材をジグザク状に配索して連結したことを特徴とする、請求項1に記載の袋詰ユニットの段積み構造。
【請求項3】
一対の内側袋詰ユニットで外側袋詰ユニットの単体を支持し得るように、同一面上に並列した前記外側袋詰ユニットの単体と一対の内側袋詰ユニットの上部中央の結束部の間に引張材を逆V状に配索して連結したことを特徴とする、請求項1に記載の袋詰ユニットの段積み構造。
【請求項4】
単体の内側袋詰ユニットで一対の外側袋詰ユニットを支持し得るように、同一面上に並列した一対の前記外側袋詰ユニットと単体の内側袋詰ユニットの上部中央の結束部の間に引張材をV状に配索して連結したことを特徴とする、請求項1に記載の袋詰ユニットの段積み構造。
【請求項5】
単体の内側袋詰ユニットで外側袋詰ユニットの単体を支持し得るように、同一面上に並列した前記外側袋詰ユニットの単体と単体の内側袋詰ユニットの上部中央の結束部の間に引張材をI字状に配索して連結したことを特徴とする、請求項1に記載の袋詰ユニットの段積み構造。
【請求項6】
前記海洋構造物または河川構造物の両側面または一側面に複数の袋詰ユニットを同一面上に敷設しながら段積みしたことを特徴とする、請求項に記載の袋詰ユニットの段積み構造。
【請求項7】
前記海洋構造物または河川構造物の側面の周囲に複数の袋詰ユニットを同一面上に敷設しながら段積みして環状に形成したことを特徴とする、請求項に記載の袋詰ユニットの段積み構造。
【請求項8】
前記袋詰ユニットが編地製の袋体と該袋体に収容した中詰材とよりなり、前記袋体がメッシュ状の袋本体と該袋本体の開口部の近くに周回して取り付けた吊りロープとを具備することを特徴とする、請求項1に記載の袋詰ユニットの段積み構造。
【請求項9】
ループ状に引き出した前記吊りロープを互いに結びつけることで袋詰ユニットの上部中央に結束部を形成し、該結束部に引張材の一端を連結したことを特徴とする、請求項に記載の袋詰ユニットの段積み構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は仮設道路工、堤防工、護岸工、モノパイル等の海洋構造物または各種の河川構造物の周りの根固め工等に適用可能な袋詰ユニットの段積み構造に関し、特に積み上げた袋詰ユニットの吸出しを防止する袋詰ユニットの段積み構造に関する。
【背景技術】
【0002】
編地製の袋体に塊状の中詰材を収容した透水性を有する袋詰ユニットは、広く知られている(特許文献1,2)。
袋詰ユニットの敷設形態の一つとして、複数の袋詰ユニットを積み重ねる「段積み構造」が知られている(特許文献3,4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭64-19623号公報
【文献】特開平11-131447号公報
【文献】特開2014-169625号公報
【文献】特開2017-206843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の袋詰ユニットの段積み構造はつぎの問題点を内包する。
<1>波浪により積層体には揚圧力と波力が作用するが、波の荒い海域においては引き波や揚圧力等による吸出力によって、積層体の表層に位置する袋詰ユニットが沖合側へ吸い出され易い。
積層体の表層に位置する一部の袋詰ユニットが抜け出すと周囲の袋詰ユニットが連鎖的に抜け出して積層体の崩壊を引き起こす。
<2>積層体が急勾配(1:1.5以下)である場合は、直上の袋詰ユニットの重量が直下の袋詰ユニットに対する上載荷重として加わる比率が大きいが、緩勾配(1:1.5以上)では直上の袋詰ユニットの重量が上載荷重として加わる比率が小さくなる。
そのため、積層体の勾配が緩くなるにしたがって、袋詰ユニットが吸出され易くなる。
<3>袋詰ユニットの安定性を高めるために、隣り合う袋詰ユニットの袋体の周面間をロープ等で連結する方法が考えられる。
この方法は、袋詰ユニットに吸出力が作用したときに、袋体を構成する編地素材が大きく伸びることで袋詰ユニットの吸出しを許容する問題と、編地の一部に荷重が集中して編地素材が破れるといった問題が生じるため、袋詰ユニットの吸出防止手段として適切ではない。
【0005】
本発明は既述した課題を解決できる袋詰ユニットの段積み構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、編地製の袋体と該袋体に収容した中詰材とよりなり、透水性を有する複数の袋詰ユニットを、海洋構造物または河川構造物の傾斜した側面を覆うように同一面上に敷設しながら所定の勾配で高さ方向に段積みして構築する袋詰ユニットの段積み構造において、外側に敷設する外側袋詰ユニットの上部中央の結束部と、該外側袋詰ユニットの背面側に敷設する内側袋詰ユニットの上部中央の結束部の間を引張材で緊張して連結し、上段に位置する別途の外側袋詰ユニットが下段に位置する外側袋詰ユニットと内側袋詰ユニットの上部中央の結束部の間に緊張して連結した下段に位置する前記引張材を踏み締めることで、下段に位置する前記引張材の緊張力を増すと共に、下段に位置する前記外側袋詰ユニットの袋体の編地を結束部側へ向けて引き寄せて中詰材の拘束力を増すように段積みし、内側袋詰ユニットの自重に上載荷重を加えた総重量を瞬時に伝えて前記外側袋詰ユニットに作用する吸出力に抵抗するするように構成した
発明の他の形態において、同一面上に並列した前記外側袋詰ユニットと内側袋詰ユニットの上部中央の結束部の間に引張材をジグザク状に配索して連結してもよい。
本発明の他の形態において、一対の内側袋詰ユニットで外側袋詰ユニットの単体を支持し得るように、同一面上に並列した前記外側袋詰ユニットの単体と一対の内側袋詰ユニットの上部中央の結束部の間に引張材を逆V状に配索して連結してもよい。
本発明の他の形態において、単体の内側袋詰ユニットで一対の外側袋詰ユニットを支持し得るように、同一面上に並列した一対の前記外側袋詰ユニットと単体の内側袋詰ユニットの上部中央の結束部の間に引張材をV状に配索して連結してもよい。
本発明の他の形態において、単体の内側袋詰ユニットで外側袋詰ユニットの単体を支持し得るように、同一面上に並列した前記外側袋詰ユニットの単体と単体の内側袋詰ユニットの上部中央の結束部の間に引張材をI字状に配索して連結してもよい。
本発明の他の形態において、同一面上に位置したすべての袋詰ユニットの相互間における荷重の伝達をし得るように、隣り合う袋詰ユニットの上部中央の間に複数の引張材を蜘蛛の巣状に配索して連結してもよい。
本発明の他の形態において、前記海洋構造物または河川構造物の両側面または一側面に複数の袋詰ユニットを同一面上に敷設しながら段積みするか、前記海洋構造物または河川構造物の側面の周囲に複数の袋詰ユニットを同一面上に敷設しながら段積みして環状に形成する。
本発明の他の形態において、前記袋詰ユニットが編地製の袋体と該袋体に収容した中詰材とよりなり、前記袋体がメッシュ状の袋本体と該袋本体の開口部の近くに周回して取り付けた吊りロープとを具備する。
本発明の他の形態において、ループ状に引き出した前記吊りロープを互いに結びつけることで袋詰ユニットの上部中央に結束部を形成し、該結束部に引張材の一端を連結する。
本発明は、編地製の袋体と該袋体に収容した中詰材とよりなり、透水性を有する複数の袋詰ユニットを同一面上に敷設しながら所定の勾配で高さ方向に段積みして構築する袋詰ユニットの段積み方法において、外側に敷設する外側袋詰ユニットの上部中央と、該外側袋詰ユニットの背面側に敷設する内側袋詰ユニットの上部中央の間を引張材で緊張して連結し、上段に位置する別途の外側袋詰ユニットが外側袋詰ユニットと内側袋詰ユニットの上部中央の間に緊張して連結した下段に位置する前記引張材を踏み締めることで、下段に位置する前記引張材の緊張力が増して、下段に位置する前記外側袋詰ユニットの袋体による中詰材の拘束力を増すように、上段に別途の外側袋詰ユニットを段積みし、内側袋詰ユニットの自重に上載荷重を加えた総重量を瞬時に伝えて前記外側袋詰ユニットに作用する吸出力に抵抗するように構成した。
【発明の効果】
【0007】
本発明は以上の構成により、次の効果のうち少なくとも一つを備える。
<1>外側に敷設する外側袋詰ユニットと内側袋詰ユニットの上部中央の間に引張材を緊張して連結しつつ、上段に別途の外側袋詰ユニットを積み重ねて下段に位置する前記引張材を踏み締めて、下段に位置する引張材の緊張力を増すことで、内側袋詰ユニットの自重に上載荷重を加えた総重量を瞬時に伝達して外側袋詰ユニットの吸出防止の抵抗力として活用することができる。
そのため、外側袋詰ユニットの連鎖的な吸出しを確実に防止できて、複数の袋詰ユニットを段積みした積層体の崩落を防止できる。
<2>積層体が緩勾配となり、上載荷重が小さくなっても、上載荷重の不足分を背面の内側袋詰ユニットの自重で補える。
したがって、複数の袋詰ユニットの勾配が緩勾配であっても、勾配の影響を受けずに外側袋詰ユニットの吸出しを効果的に防止できる。
<3>袋詰ユニットの上部中央は、袋本体を構成する編地の伸びの影響が受け難い箇所である。
引張材の連結対象を袋詰ユニットの上部中央とすることで、外側袋詰ユニットの支持機能を高め、さらに編地の引張破損を回避することができる。
<4>複数の袋詰ユニットを段積みすることに伴い、上段に位置する外側袋詰ユニットが下段に位置する引張材を踏み締めて引張材を緊張する。
下段に位置する引張材の緊張力が増すと、外側袋詰ユニットを構成する袋本体の編地が引っ張られて中詰材の拘束効果が高まり、袋本体の摩耗抑制効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】仮設道路に適用した本発明の実施例1の説明図
図2】一部を省略した仮設道路の平面図
図3】袋詰ユニットの説明図で、(A)は袋詰ユニットの全体斜視図、(B)は袋詰ユニットの平面図、(C)は袋詰ユニットの上部中央部の拡大図
図4】仮設道路の施工方法の説明図で、(A)は路盤の構築工程の説明図、(B)は沖側積層体の構築工程の説明図
図5】実施例1に係る内側袋詰めユニットと外側袋詰めユニット間の連結形態の説明図で、(A)は2本の引張材で連結した内側袋詰めユニットと一対の外側袋詰めユニットの斜視図、(B)は複数の引張材で連結した内側袋詰めユニットと外側袋詰めユニットの平面図
図6】引張材の緊張作用と袋本体の引き寄せ作用を説明するための内側袋詰めユニットと外側袋詰めユニットを段積みしたモデル図
図7】外側袋詰めユニットの吸出し防止作用の説明図で、(A)は内側袋詰めユニットと外側袋詰めユニットの断面図、(B)は2本の引張材で連結した内側袋詰めユニットと外側袋詰めユニットを平面から見たモデル図
図8】実施例2に係る複数の袋詰めユニットを平面から見たモデル図
図9】実施例3に係る複数の袋詰めユニットを平面から見たモデル図
図10】実施例4に係る説明図で、(A)は1本の引張材で連結した内側袋詰めユニットと一対の外側袋詰めユニットの斜視図、(B)は1本の引張材で連結した内側袋詰めユニットと外側袋詰めユニットの平面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照しながら本発明について説明する。
【0010】
[実施例1]
<1>袋詰ユニットの敷設対象
本発明は複数の所定の勾配を持たせて段積みする袋詰ユニット10の段積み構造に関する。
袋詰ユニット10の段積み対象は、構造物(海洋構造物または河川構造物)の側面または周面に限らず、構造物が存在しない水底に複数の袋詰ユニット10のみを段積みする構造も含むものである。
【0011】
本例では構造物が海洋構造物の一種である仮設道路である形態について説明するが、海洋構造物はその他に堤防、護岸、モノパイル等であってもよい。
また河川構造物としては、例えば護岸や橋脚などを含む。
【0012】
<2>仮設道路
図1,2を参照して説明すると、海洋構造物である仮設道路は、断面台形を呈する路盤21と、路盤21の両側を被覆する積層体20(沖側積層体20a、岸側積層体20b)と、天端を覆工する路面22とを具備する。
【0013】
<2.1>路盤
路盤21は捨石、コンクリートブロック等の硬質材で構成する。
【0014】
<2.2>積層体
本発明に係る袋詰ユニット10の段積み構造は、同一面上に複数の袋詰ユニット10を敷設しつつ、所定の勾配で高さ方向に段積みした積層体20を前提とする。
【0015】
本例では、沖合側に面した積層体20を沖側積層体20a、岸側に面した積層体20を岸側積層体20bと定義して説明する。
【0016】
さらに本例では、各積層体20a,20bを構成する袋詰ユニット10のうち、外側(表側)に敷設するものを外側袋詰ユニット10、外側袋詰ユニット10の内側(背面側)に敷設するものを内側袋詰ユニット10と定義して説明する。
【0017】
<2.3>路面
路面22は車両等の走行面であり、金属製またはコンクリート製のパネル、アスファルト層等で構成する。
波浪の激しい現場では、走行に悪影響を及ぼさない程度の小径孔を有する有孔パネルを使用すると、波力による路面22の浮上を防止できる。
【0018】
<2.4>吸出し防止手段を設ける積層体
本例では沖側積層体20aの外側袋詰ユニット10に吸出しが発生し易いことから、沖側積層体20aに外側袋詰ユニット10の吸出し防止手段を設けた形態について説明するが、袋詰ユニット10の吸出し手段は両積層体20a,20bに設けてもよい。
【0019】
<3>袋詰ユニット
図3を参照して本例で例示した袋詰ユニット10について説明する。
袋詰ユニット10は透水性を有する公知の土木工事用構造体であり、編地製の袋体11と、袋体11に収容した中詰材14とよりなる。
【0020】
<3.1>袋体
袋体11は、中詰材14を充填するメッシュ状の袋本体12と、袋本体12の開口部13の近くの位置に周回して取り付けた複数のロープ15,16とを具備する。
【0021】
<3.1.1>袋本体
袋本体12は開口部13を有する有底袋であり、可撓性および通水性を有するメッシュ(編地)構造を呈する繊維製の編地からなる。
【0022】
袋本体12の編地の編糸としては、例えばポリエステル繊維糸、ポリアミド繊維糸、ポリアクリル繊維糸等の合成繊維糸、又は綿糸、麻糸等の天然繊維糸等を単独又は混繊して使用できる。実用上はポリエステル等の合成繊維糸を一重または二重に編成したラッセル網を使用できる。
【0023】
袋体11は六角形または菱形形等の網目を有する。網目は中詰材14が抜け出ない寸法に設定してある。
<3.1.2>袋本体が具備するロープ材
少なくとも口絞りロープ15と無端構造の吊りロープ16の2本のロープが袋本体12の開口部13の近くに周回して取り付けてある。
袋本体12の開口部13から底部へ向けて口絞りロープ15、吊りロープ16の順序で取り付けてある。
【0024】
口絞りロープ15を吊りロープ16の上方に位置させたのは、吊りロープ16の影響を受けずに袋本体12の開口部13を閉じるためと、開口部13を囲んだ編地の収束箇所が袋本体12の上方へ出っ張るのを回避するためである。
【0025】
<3.2>中詰材
中詰材14は、例えば玉石等の自然骨材、コンクリートガラ等を使用できる。
中詰材14の大きさは使途に応じて適宜選択する。根固工に使用する場合、中詰材14には直径150~200mm程度の塊状物を使用する。
中詰材14の収容量は袋本体12の容量に応じて適宜選択が可能である。市販の袋本体12は1~11tの中詰材14の収容が可能である。
【0026】
<3.3>袋詰ユニットの製作方法
図3を参照して袋詰ユニット10の製作方法を説明する。
すり鉢を呈する型枠内(図示省略)に口開きした袋本体12を収容する。
バックホウ等を用いて袋本体12に所定量の中詰材14を投入する。
【0027】
型枠内にセットしたまま、口絞りロープ15を絞り込んで袋本体12の開口部24を閉じ、解けないように口絞りロープ15の引き出し部分を結んでおく(図3(B))。
【0028】
つぎに袋本体12の網目に挿通した吊りロープ16の途中を袋本体12の複数箇所(例えば6箇所)からループ状に引出し、引き出した吊りロープ16の複数個所をバックホウ等に付設したフックに吊り掛ける。
吊りロープ16を吊上げて袋詰ユニット10を型枠から取り出す。
【0029】
袋詰ユニット10を所定の敷設現場へ吊り降ろした後は、吊りロープ16が網目内をズレ動かないように、袋本体12の網目からループ状に引き出した吊りロープ16を互いに結んでおく。
ループ状に引き出した吊りロープ16を互いに結びつけることで、袋詰ユニット10の上部中央に結束部17が形成される(図3(C))。
【0030】
<4>引張材
図2を参照して説明すると、引張材30は外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10との相互間を連結するための荷重伝達部材である。
【0031】
<4.1>引張材の配索形態
本例では、一つの外側袋詰ユニット10に対して背面側の二つの内側袋詰ユニット10,10で支持できるように、仮設道路の長手方向に向けて隣り合う外側袋詰ユニット10の結束部17と内側袋詰ユニット10の結束部17の間に2本の引張材30を逆V字状に連続して配索した形態について説明する。
すなわち、前後する各袋詰ユニット10,10に対して複数の引張材30をジグザグ状に配索する。
【0032】
<4.2>引張材の例示
引張材30は伸び量が小さな引張材であり、例えば三打ちロープやブレードロープ等の繊維製ロープ、シート織等の繊維製ベルトを使用できる。
【0033】
さらに引張材30としては、鋼製ロープや鋼製チェーン等も適用できる。
引張材30として金属製素材を用いる場合は、金属製素材の両端部にシャックル等の補助金具を設けておき、補助金具を介して各袋詰ユニット10,10の結束部17と連結可能に構成する。
【0034】
<4.3>引張材の連結位置を袋詰ユニットの結束部にした理由
本発明では前後する各袋詰ユニット10,10の間を引張材30で連結するにあたり、引張材30の連結対象を袋詰ユニット10,10の上部中央に形成した結束部17とした。
【0035】
引張材30の連結対象を袋詰ユニット10,10の結束部17にしたのは、袋本体12を構成する編地の伸びの影響を受け難くするためと、引張材30に導入した緊張力を利用して外側袋詰ユニット10を構成する袋本体12の編地を結束部17側へ向けて引き寄せるためである。 袋詰ユニット10,10の結束部17は、袋本体12の編地を集結して束ねた箇所であるため、編地の伸び量が少ない部位である。
なお、段積みに伴う引張材30の緊張作用と袋本体12の引張作用については後述する。
【0036】
例えば、引張材30の連結対象を袋本体12の周面の編地にした場合には、外側袋詰ユニット10に対して吸出力が作用したときに袋本体12の編地が伸び、編地の伸びた分だけ外側袋詰ユニット10が吸出方向に移動して抜け出すおそれがある。
本発明では、外側袋詰ユニット10の抜け出しを防止するために、引張材30の取付位置を袋詰ユニット10,10の結束部17とした。
【0037】
[仮設道路の構築方法]
図4,5を参照して仮設道路の構築方法について説明する。
【0038】
<1>路盤の構築(図4(A))
海底Gに捨石、コンクリートブロック等を投入して断面台形を呈する路盤21を構築する。
【0039】
<2>積層体の構築
路盤21の両側面に複数の袋詰ユニット10を積み上げて、所定の勾配の沖側積層体20aと岸側積層体20bを構築する。
【0040】
<2.1>沖側積層体の構築(図4(B))
外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10とをそれぞれ段積みしながら沖側積層体20aを構築する際に、引張材30を使用する。
【0041】
<2.2>袋詰ユニットの敷設方法
各袋詰ユニット10,10の敷設作業は、複数組の袋詰ユニット10,10を一括して垂下可能な吊り枠装置等を使用して敷設してもよいし、各袋詰ユニット10,10を個別に吊り込んで敷設してもよい。
【0042】
図2に示すように、各袋詰ユニット10,10を上下に積み重ねる際に千鳥状に配置する。
各袋詰ユニット10,10の上下の重なり量は、沖側積層体20aの勾配に合わせて調整する。
【0043】
<2.3>引張材の配索(図5
複数の外側袋詰ユニット10および内側袋詰ユニット10をそれぞれ段積みしながら沖側積層体20aを構築する。
沖側積層体20aを構築する際、外側袋詰ユニット10の結束部17と背面側の二つの内側袋詰ユニット10,10の結束部17の間を引張材30でジグザグ状に配索して連結する。
連結に際し、引張材30に大きな弛みがあると荷重伝達機能を発揮できないので、引張材30を弛みの少ない状態で連結する。
【0044】
本例では結束部17に結んだ吊りロープ16に引張材30の端部を結びつけて固定する形態について説明するが、吊りロープ16を活用せずに、引張材30の端部を結束部17に直接連結するようにしてもよい。
要は、引張材30の端部が結束部17に対して荷重を伝達可能に連結してあればよい。
【0045】
<2.4>引張材の取付け時期
引張材30の連結作業は、袋詰ユニット10,10の敷設前に船上または陸上で行ってもよいし、袋詰ユニット10,10を海中に敷設した後に行ってもよい。
例えば、複数組の袋詰ユニット10,10を一括して垂下可能な吊り枠装置等を使用して敷設する場合、各袋詰ユニット10,10が着床したときに引張材30が緊張するように長さを調整した引張材30を、予め各袋詰ユニット10,10の間に連結しておくと、複数組の袋詰ユニット10,10の吊り込み作業を効率よく行える。
【0046】
<2.5>引張材の緊張作用と袋本体の引き寄せ作用
図6を参照して引張材30の緊張作用と袋本体12の引き寄せ作用について説明する。
同一面上に前後して配置した外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10の上面には起伏が形成あり、起伏のある両袋詰ユニット10,10の結束部17間に引張材30が連結してある。
【0047】
下段に前後して配置した両袋詰ユニット10,10の上面には、その境界部が窪んでいるので、上段に位置する外側袋詰ユニット10の底面がこの窪み形状に追従して変形する。
上段の外側袋詰ユニット10が変形することで、上段の外側袋詰ユニット10が下段の両袋詰ユニット10,10に連結した引張材30を踏み締める。
換言すれば上段の外側袋詰ユニット10の自重で下段の引張材30を押し付ける。その結果、下段に位置する引張材30が撓んで緊張力が増す。
【0048】
下段に位置する引張材30の緊張力が増すことで、外側袋詰ユニット10を構成する袋本体12の編地を結束部17側へ向けて引き寄せて、中詰材14の拘束効果が高まる。
【0049】
沖側積層体20aの表層に位置する外側袋詰ユニット10は、常時、波力を受けることから、内部で中詰材が転動して袋本体12の摩耗を促進する傾向にあるが、本発明では引張材30を通じて中詰材14の拘束効果が高まるので、袋本体12の摩耗を効果的に抑制することができる。
【0050】
<3>路面の形成(図1,2)
路盤21の両側に積層体20a、20bを構築したら、路盤21および積層体20a、20bの天端面に跨って路面22を形成する。
【0051】
[袋詰ユニットの吸出し防止作用]
図7を参照して袋詰ユニットの吸出し防止作用について説明する。
【0052】
<1>前提とする積層体の構造
図7は沖側積層体20aを構成する外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10のモデル図を示している。
自重Wを有する外側袋詰ユニット10と、自重Wを有する内側袋詰ユニット10,10との間を引張材30が連結してある。
下段に位置する外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10には、上段(真上)に位置する別途の外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10の自重の一部が上載荷重Wとして作用している。
【0053】
<2>波浪の影響について
波浪により沖側積層体20aには波力が作用する。
波の荒い海域においては、沖側積層体20aの表層に位置する袋詰ユニット10に対して引き波と揚圧力が吸出力Fとして作用する。
【0054】
<2.1>吸出力が小さいとき
外側袋詰ユニット10に作用する吸出力Fが、外側袋詰ユニット10の自重Wに上載荷重Wを加えた重量と比べて小さいときは、吸出力Fによって外側袋詰ユニット10は移動しない。すなわち、外側袋詰ユニット10に吸出しは生じない。
【0055】
<2.2>吸出力が大きいとき
外側袋詰ユニット10に作用する吸出力Fが、外側袋詰ユニット10の自重Wに上載荷重Wを合算した重量を超えると、外側袋詰ユニット10を沖側へ引き出そうとして引張材30に張力が発生する。
【0056】
背面に位置する内側袋詰ユニット10は、引張材30を介して外側袋詰ユニット10と実質的に一体化しているため、内側袋詰ユニット10の自重Wが吸出力Fの抵抗力として機能する。
すなわち、外側袋詰ユニット10の自重Wと、上載荷重Wと、背面の二つの内側袋詰ユニット10の自重W,Wを加算した総重量(W+W+W+W)が、外側袋詰ユニット10の吸出力Fに抵抗する。
【0057】
さらに引張材30が緊張状態にあることから、背面側の二つの内側袋詰ユニット10の自重W,Wが外側袋詰ユニット10へ瞬時に伝達する。
外側袋詰ユニット10に作用する吸出力Fに対して、外側袋詰ユニット10の保持力が卓越することで、外側袋詰ユニット10の吸出しを確実に防止できる。
【0058】
このように、外側袋詰ユニット10に対して巨大な吸出力Fが作用しても、外側袋詰ユニット10の吸出しを規制して、沖側積層体20aの崩壊を確実に防止できる。
【0059】
例えば、沖側積層体20aが緩勾配となり、上載荷重Wが小さくなっても、上載荷重Wの不足分を背面の内側袋詰ユニット10の自重Wで補える。
したがって、沖側積層体20aが緩勾配であっても外側袋詰ユニット10の吸出しを効果的に防止できる。
換言すれば、外側袋詰ユニット10の吸出し防止効果は、沖側積層体20aの勾配の影響を受けない。
【0060】
さらに沖側積層体20aの中腹に小段を形成した場合、小段位置に敷設した外側袋詰ユニット10の上位に袋詰ユニットが存在しない。
小段に位置する外側袋詰ユニット10は、その上面が露出しているために上載荷重Wが得られない。
上載荷重Wが得られない場合でも、背面の二つの内側袋詰ユニット10の自重W,Wを加算した総重量(W+W+W)で以て外側袋詰ユニット10を支持できるので、小段に位置する外側袋詰ユニット10の吸出しを効果的に防止できる。
【0061】
[変形例]
以上は海洋構造物が仮設道路の場合について説明したが、海洋構造物が護岸や堤防である場合には、護岸や堤防の片側面に沿って沖側積層体20aと同構造の積層体20を構築する。
また海洋構造物がモノパイルである場合は、モノパイルの周囲に沖側積層体20aと同構造の積層体20を環状に構築する。
また構造物が河川構造物である場合の積層体20についても、既述した海洋構造物の積層体20と同様である。
【0062】
[実施例2]
以降に他の実施例について説明するが、その説明に際し、前記した実施例1と同一の部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0063】
<1>引張材による他の連結形態
先の実施例1では、前後に配置したすべての袋詰ユニット10,10の間に引張材30をジグザグ状に配索した形態について説明したが、引張材30の配索形態はこの形態に限定されない。
【0064】
図8は一部の外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10の間に引張材30を逆V字状に配索して連結した形態を示している。
【0065】
具体的には、同一面上に前後して配置した複数の外側袋詰ユニット10と複数の内側袋詰ユニット10の集合体である積層体において、その一部の外側袋詰ユニット10と一対の内側袋詰ユニット10,10の結束部17間に2本の引張材30を逆V字状に配索して連結した。
【0066】
本例では引張材30の使用本数が2本止まりであり、2本の引張材30を介して、前面側に位置する一つの外側袋詰ユニット10を背面側に位置する二つの内側袋詰ユニット10,10で支持するように構成した。
【0067】
<2>吸出力の抵抗力について
図7(A)を参照して説明すると、本例にあっては、引張材30を介して外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10との間が荷重伝達可能になっているため、一対の内側袋詰ユニット10,10の自重W2,が外側袋詰ユニット10に対する吸出力Fの抵抗力として機能する。
【0068】
<3>本例の効果
本例にあっては、既述した実施例1と同様の作用効果が得られることにくわえてつぎの効果を奏する。
(1)本例では、一対の内側袋詰ユニット10,10で外側袋詰ユニット10を支持できるので、外側袋詰ユニット10の単体の吸出しを防止できる。
(2)すべての袋詰ユニット10の間を連結せずに、一部の袋詰ユニット10に対して連結することで、積層体全体の安定性が向上する。
(3)一本が連結機能を喪失しても、残り一本の引張材が機能するので外側袋詰ユニット10の単体の吸出しを防止できる。
【0069】
[実施例3]
<1>引張材による他の連結形態
図9は一部の外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10の間に引張材30をV字状に配索して連結した形態を示している。
【0070】
具体的には、同一面上に前後して配置した複数の外側袋詰ユニット10と複数の内側袋詰ユニット10の集合体である積層体において、一対の外側袋詰ユニット10,10と単体の内側袋詰ユニット10の結束部17間に2本の引張材30をV字状に配索して連結した。
【0071】
本例では、引張材30の使用本数が2本止まりであり、2本の引張材30を介して、前面側に位置する二つの外側袋詰ユニット10,10を背面側に位置する一つの内側袋詰ユニット10で支持するように構成した。
【0072】
<2>吸出力の抵抗力について
図7(A)を参照して説明すると、本例にあっては、引張材30を介して一対の外側袋詰ユニット10,10と単体の内側袋詰ユニット10との間が荷重伝達可能になっているため、例えば波力が直入射(垂直入射)の場合には、単体の内側袋詰ユニット10の自重Wの1/2が外側袋詰ユニット10に対する吸出力Fの抵抗力として機能する。
【0073】
<3>本例の効果
本例にあっては、既述した実施例1と同様の作用効果が得られることにくわえてつぎの効果を奏する。
(1)本例では、単体の内側袋詰ユニット10の自重を活用して前面側に位置する一対の外側袋詰ユニット10,10の吸出しを防止できる。
(2)すべての袋詰ユニット10の間を連結せずに、一部の袋詰ユニット10に対して連結することで、積層体全体の安定性が向上する。
【0074】
[実施例4]
<1>引張材による他の連結形態
図10は一部の外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10の間に引張材30をI字状に配索して連結した形態を示している。
【0075】
具体的には、同一面上に前後して配置した複数の外側袋詰ユニット10と複数の内側袋詰ユニット10の集合体である積層体において、外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10の結束部17,17間に引張材30をI字状に配索して連結した。
【0076】
本例では、引張材30の使用本数が1本止まりであり、1本の引張材30を介して、前面側に位置する一つの外側袋詰ユニット10を背面側に位置する一つの内側袋詰ユニット10で支持するように構成した。
【0077】
<2>吸出力の抵抗力について
図7(A)で説明したように、引張材30を介して外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10との間が荷重伝達可能になっているため、内側袋詰ユニット10の自重Wが外側袋詰ユニット10に対する吸出力Fの抵抗力として機能する。
本例では、外側袋詰ユニット10の自重Wと、上載荷重Wと、背面の一つの内側袋詰ユニット10の自重Wを加算した総重量(W+W+W)が、外側袋詰ユニット10の吸出力Fに抵抗する。
したがって、外側袋詰ユニット10の吸出しを確実に防止できる。
【0078】
<3>本例の効果
本例にあっては、既述した実施例1と同様の作用効果を奏することにくわえてつぎの効果を奏する。
(1)単体の内側袋詰ユニット10の自重を活用して前面側に位置する単体の外側袋詰ユニット10,10の吸出しを防止できる。
(2)外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10とを一対一の関係で連結できるので、吊り枠装置に複数組の袋詰ユニット10,10を垂下する際の重量バランスがとり易くなって、袋詰ユニット10,10の敷設作業性がよくなる。
【符号の説明】
【0079】
10・・・・袋詰ユニット
11・・・・袋体
12・・・・袋本体
13・・・・開口部
14・・・・中詰材
15・・・・口絞りロープ
16・・・・吊りロープ
17・・・・結束部
20・・・・積層体
20a・・・沖側積層体
20b・・・岸側積層体
21・・・・路盤
22・・・・路面
・・・・外側袋詰ユニットの自重
・・・・内側袋詰ユニットの自重
・・・・上載荷重
【要約】
【課題】簡易な構造により袋詰ユニットの吸出し防止効果を向上できて、複数の袋詰ユニットを段積みした積層体の崩落を防止できる、袋詰ユニットの段積み構造を提供すること。
【解決手段】外側袋詰ユニット10と内側袋詰ユニット10の上部中央17の間に引張材30を配索して連結し、引張材30を介して内側袋詰ユニット10の自重を外側袋詰ユニット10に伝達可能に構成し、少なくとも外側袋詰ユニット10および内側袋詰ユニット10の自重10が外側袋詰ユニット10に作用する吸出力に抵抗するように構成した。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10