(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】モーションキャプチャーシステム、モーションキャプチャープログラム及びモーションキャプチャー方法
(51)【国際特許分類】
A63B 69/16 20060101AFI20230705BHJP
【FI】
A63B69/16
(21)【出願番号】P 2018205106
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2021-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】514224699
【氏名又は名称】リオモ インク
【氏名又は名称原語表記】LEOMO,Inc.
【住所又は居所原語表記】2000 Central Avenue, Boulder, Colorado 80301 United States of America
【日本における営業所】東京都品川区西五反田7-22-17
(74)【代理人】
【識別番号】100117514
【氏名又は名称】佐々木 敦朗
(72)【発明者】
【氏名】加地 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】福間 晋一
【審査官】姫島 あや乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-085575(JP,A)
【文献】特開2013-192591(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0065984(US,A1)
【文献】特開2005-110850(JP,A)
【文献】小島 慶太 Keita Kojima,加速度分析結果と同期した技能動作映像の提示が技能向上に与える効果の評価 Effect On Workers' Skill By,ヒューマンインタフェース学会 研究報告集 2011 Correspondences on Human Interface,日本,Human Interface Society,2011年02月28日,第13巻,41-48ページ,特に第42ページ右欄第20行から第43ページ左欄第5行, 第46ページ右欄第39行から左欄第3行,
図7
【文献】上田 祥平 Shohei Ueda,実映像オプティックフローと足裏振動による歩行感覚記録・体験手法の基礎検討 Feasibility study on recor,日本バーチャルリアリティ学会論文誌 Transactions of the Virtual Reality Society of Japan,日本,特定非営利活動法人日本バーチャルリアリティ学会 Th,2016年03月31日,第21巻, 第1号,15-22ページ,特に第16ページ右欄第13行から第26行
【文献】吉田 健太郎 Kentaro Yoshida,機械学習を用いた一人称映像に基づく振動触覚の推定と提示,第22回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集 The 22st Annual Conference of the Virtual Reality So,日本,2017年09月27日,特に2D1-05第2ページ右欄第1行から第12行
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/00-71/16
G06T 7/00-7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の体動を検出するモーションキャプチャーシステムであって、
前記装着者の任意の部位に装着され、各部位の三次元的な変位又は加速度を測定可能な複数の体動センサーと、
前記体動センサーによる各検出結果と、前記体動センサー同士の相対位置関係の変化に基づいて、前記装着者の体動を体動再現データとして算出するとともに、前記体動再現データに基づいて周期的な変化を抽出する周期抽出部と、
前記装着者の体動を撮影し記録する撮影手段と、
前記体動センサーによる検出結果を体動データとして、前記撮影手段が記録した映像と対比可能に同期させて表示する出力デバイスと、
前記体動データを表示する時間軸と、前記映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行する同期処理部と、
前記体動再現データに基づいて前記装着者の体動を解析するとともに、前記同期処理部によって前記同期処理を実行する解析部と
を備え、
前記同期処理部は、前記体動センサーを反応させる前記装着者による所定の特徴的行為を前記映像又は音声中から抽出するとともに、前記体動データ中の前記特徴的行為による特徴的反応を抽出し、抽出された前記特徴的行為のタイミングと前記特徴的反応のタイミングとを合致させることにより前記同期処理を行う
ことを特徴とするモーションキャプチャーシステム。
【請求項2】
前記特徴的行為は、短時間中に前記体動センサーに所定回数振動を加えるものであることを特徴とする請求項1に記載のモーションキャプチャーシステム。
【請求項3】
装着者の体動を検出するモーションキャプチャーシステムであって、
前記装着者の任意の部位に装着され、各部位の三次元的な変位又は加速度を測定可能な複数の体動センサーと、
前記体動センサーによる各検出結果と、前記体動センサー同士の相対位置関係の変化に基づいて、前記装着者の体動を体動再現データとして算出するとともに、前記体動再現データに基づいて周期的な変化を抽出する周期抽出部と、
前記装着者の体動を撮影し記録する撮影手段と、
前記体動センサーによる検出結果を体動データとして、前記撮影手段が記録した映像と対比可能に同期させて表示する出力デバイスと、
発光又は音声信号の出力によるキャリブレーション信号を発信するキャリブレーション信号発信部と、
前記キャリブレーション信号を発信したタイミングを示すキャリブレーション制御信号を取得するキャリブレーション制御信号取得部と、
前記体動データを表示する時間軸と、前記映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行する同期処理部と、
前記体動再現データに基づいて前記装着者の体動を解析するとともに、前記同期処理部によって前記同期処理を実行する解析部と
を備え、
前記同期処理部は、前記キャリブレーション信号発信部が発信した前記キャリブレーション信号を前記映像又は音声中から抽出するとともに、抽出された前記キャリブレーション信号のタイミングと前記キャリブレーション制御信号取得部が取得した前記キャリブレーション制御信号が示す前記タイミングとを合致させることにより前記同期処理を行う
ことを特徴とするモーションキャプチャーシステム。
【請求項4】
装着者の体動を検出するモーションキャプチャープログラムであって、情報処理端末を、
前記装着者の任意の部位に装着され、各部位の三次元的な変位又は加速度を測定可能な複数の体動センサーによる検出結果を体動データとして記録する体動記録部と、
前記体動センサーによる各検出結果と、前記体動センサー同士の相対位置関係の変化に基づいて、前記装着者の体動を体動再現データとして算出するとともに、前記体動再現データに基づいて周期的な変化を抽出する周期抽出部と、
前記体動センサーによる検出結果を体動データとして、前記装着者の体動を撮影し記録する撮影手段が記録した映像と対比可能に同期させて表示する出力デバイスと、
前記体動データを表示する時間軸と、前記映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行する同期処理部、
前記体動再現データに基づいて前記装着者の体動を解析するとともに、前記同期処理部によって前記同期処理を実行する解析部
として機能させ、
前記同期処理部は、前記体動センサーを反応させる前記装着者による所定の特徴的行為を前記映像又は音声中から抽出するとともに、前記体動データ中の前記特徴的行為による特徴的反応を抽出し、抽出された前記特徴的行為のタイミングと前記特徴的反応のタイミングとを合致させることにより前記同期処理を行う
ことを特徴とするモーションキャプチャープログラム。
【請求項5】
前記特徴的行為は、短時間中に前記体動センサーに所定回数振動を加えるものであることを特徴とする請求項4に記載のモーションキャプチャープログラム。
【請求項6】
装着者の体動を検出するモーションキャプチャープログラムであって、情報処理端末を、
前記装着者の任意の部位に装着され、各部位の三次元的な変位又は加速度を測定可能な複数の体動センサーと、
前記体動センサーによる各検出結果と、前記体動センサー同士の相対位置関係の変化に基づいて、前記装着者の体動を体動再現データとして算出するとともに、前記体動再現データに基づいて周期的な変化を抽出する周期抽出部と、
前記装着者の体動を撮影し記録する撮影手段と、
前記体動センサーによる検出結果を体動データとして、前記撮影手段が記録した映像と対比可能に同期させて表示する出力デバイスと、
発光又は音声信号の出力によるキャリブレーション信号を発信するキャリブレーション信号発信部が、前記キャリブレーション信号を発信したタイミングを示すキャリブレーション制御信号を取得するキャリブレーション制御信号取得部と、
前記体動データを表示する時間軸と、前記映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行する同期処理部、
前記体動再現データに基づいて前記装着者の体動を解析するとともに、前記同期処理部によって前記同期処理を実行する解析部
として機能させ、
前記同期処理部は、前記キャリブレーション信号発信部が発信した前記キャリブレーション信号を前記映像又は音声中から抽出するとともに、抽出された前記キャリブレーション信号のタイミングと前記キャリブレーション制御信号取得部が取得した前記キャリブレーション制御信号が示す前記タイミングとを合致させることにより前記同期処理を行う
ことを特徴とするモーションキャプチャープログラム。
【請求項7】
装着者の体動を検出するモーションキャプチャー方法であって、
前記装着者の任意の部位に装着された体動センサーにより、各部位の三次元的な変位又は加速度を測定するとともに、前記体動センサーによる検出結果を体動データとして体動記録部に記録する体動記録ステップと、
周期抽出部が、前記体動センサーによる各検出結果と、前記体動センサー同士の相対位置関係の変化に基づいて、前記装着者の体動を体動再現データとして算出するとともに、前記体動再現データに基づいて周期的な変化を抽出するステップと、
撮影手段が前記装着者の体動を撮影し記録する撮影ステップと、
解析部が、前記体動再現データに基づいて前記装着者の体動を解析するとともに
、同期処理部によって、前記体動センサーによる検出結果を体動データとして表示する時間軸と、前記撮影手段が記録した映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行するとともに、前記体動データを前記映像と対比可能に同期させて出力デバイスが表示する出力ステップと、
を含み、
前記出力ステップでは、前記体動センサーを反応させる前記装着者による所定の特徴的行為を前記映像又は音声中から抽出するとともに、前記体動データ中の前記特徴的行為による特徴的反応を抽出し、抽出された前記特徴的行為のタイミングと前記特徴的反応のタイミングとを合致させることにより前記同期処理を行う
ことを特徴とするモーションキャプチャー方法。
【請求項8】
前記特徴的行為は、短時間中に前記体動センサーに所定回数振動を加えるものであることを特徴とする請求項7に記載のモーションキャプチャー方法。
【請求項9】
装着者の体動を検出するモーションキャプチャー方法であって、
前記装着者の任意の部位に装着された体動センサーにより、各部位の三次元的な変位又は加速度を測定するとともに、前記体動センサーによる検出結果を体動データとして体動記録部に記録する体動記録ステップと、
周期抽出部が、前記体動センサーによる各検出結果と、前記体動センサー同士の相対位置関係の変化に基づいて、前記装着者の体動を体動再現データとして算出するとともに、前記体動再現データに基づいて周期的な変化を抽出するステップと、
撮影手段が前記装着者の体動を撮影し記録する撮影ステップと、
発光又は音声信号の出力によるキャリブレーション信号を発信するキャリブレーション信号発信部が、前記キャリブレーション信号を発信したタイミングを示すキャリブレーション制御信号を、キャリブレーション制御信号取得部が取得するキャリブレーション制御信号取得ステップと、
解析部が、前記体動再現データに基づいて前記装着者の体動を解析するとともに、同期処理部によって、前記体動センサーによる検出結果を体動データとして表示する時間軸と、前記撮影手段が記録した映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行するとともに、前記体動データを前記映像と対比可能に同期させて出力デバイスが表示する出力ステップと
を含み、
前記出力ステップにおいて前記同期処理部は、前記キャリブレーション信号発信部が発信した前記キャリブレーション信号を前記映像又は音声中から抽出するとともに、抽出された前記キャリブレーション信号のタイミングと前記キャリブレーション制御信号取得部が取得した前記キャリブレーション制御信号が示す前記タイミングとを合致させることにより前記同期処理を行う
ことを特徴とするモーションキャプチャー方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるスマートフォンやウェアラブルタイプ、その他の情報端末装置を用い、装着者の体動を検出するモーションキャプチャーシステム、モーションキャプチャープログラム及びモーションキャプチャー方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報端末装置の小型・軽量化、多機能化が進み、ユーザーの身体に装着可能ないわゆるウェアラブル端末と呼ばれる装着型情報処理端末が普及しつつあり、このウェアラブル端末は、軽量であるうえ、時計機能やGPS機能の他、心拍センサー等の各種センサー類との通信機能などを備えていることから、ランニングやウォーキング、自転車等のスポーツトレーニングやエクササイズ時に装着して、その体動を記録したりモニタリングしたりするシステムが開発されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この特許文献1に開示されたシステムによれば、ユーザーに運動パラメーターを測定する装置を取り付け、運動活動中の運動者のモニタリングにより得られる運動パラメーターを、基本的なベースラインデータと比較して、その比較結果が許容範囲内にあるか否かに応じて、再生される音楽を変化させるなどして、運動活動時におけるリアルタイムのフィードバックをユーザーに与えることができる。
【0004】
ところで、運動パラメーターは数値やグラフで表現されるものであるため、詳細な動きを記録することができるものの、実際の体動をイメージしづらいことから、運動活動中のユーザーの姿をビデオカメラ等で撮影し、その映像とパラメーターとを比較しながら体動を確認したいという要請がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、運動時のユーザーの体動は瞬間的に複雑に変化するものであることから、撮影機器や動画処理の特性によっては、再生した映像と運動パラメーターの表示とに微妙な時間的ズレが生じる可能性がある。再生した映像と運動パラメーターの表示とに時間的ズレが生じた場合には、体動の解析精度が低下し、適切なトレーニングやコーチングができなくなる惧れがある。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、ユーザーの身体の運動活動をキャプチャーするシステムにおいて、複雑な体動を映像と性格に同期させ、比較しながら詳細に理解できるように表示・出力するモーションキャプチャーシステム、モーションキャプチャープログラム及びモーションキャプチャー方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、装着者の体動を検出するモーションキャプチャーシステムであって、装着者の任意の部位に装着され、各部位の三次元的な変位又は加速度を測定可能な複数の体動センサーと、体動センサーによる各検出結果と、体動センサー同士の相対位置関係の変化に基づいて、装着者の体動を体動再現データとして算出するとともに、体動再現データに基づいて周期的な変化を抽出する周期抽出部と、装着者の体動を撮影し記録する撮影手段と、体動センサーによる検出結果を体動データとして、撮影手段が記録した映像と対比可能に同期させて表示する出力デバイスと、体動データを表示する時間軸と、映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行する同期処理部と、体動再現データに基づいて装着者の体動を解析するとともに、同期処理部によって同期処理を実行する解析部とを備え、同期処理部は、体動センサーを反応させる装着者による所定の特徴的行為を映像又は音声中から抽出するとともに、体動データ中の特徴的行為による特徴的反応を抽出し、抽出された特徴的行為のタイミングと特徴的反応のタイミングとを合致させることにより同期処理を行う。
【0009】
本発明は、装着者の体動を検出するモーションキャプチャーシステムであって、装着者の任意の部位に装着され、各部位の三次元的な変位又は加速度を測定可能な複数の体動センサーと、体動センサーによる各検出結果と、体動センサー同士の相対位置関係の変化に基づいて、装着者の体動を体動再現データとして算出するとともに、体動再現データに基づいて周期的な変化を抽出する周期抽出部と、装着者の体動を撮影し記録する撮影手段と、体動センサーによる検出結果を体動データとして、撮影手段が記録した映像と対比可能に同期させて表示する出力デバイスと発光又は音声信号の出力によるキャリブレーション信号を発信するキャリブレーション信号発信部と、キャリブレーション信号を発信したタイミングを示すキャリブレーション制御信号を取得するキャリブレーション制御信号取得部と、体動データを表示する時間軸と、映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行する同期処理部と、体動再現データに基づいて装着者の体動を解析するとともに、同期処理部によって同期処理を実行する解析部とを備え、同期処理部は、キャリブレーション信号発信部が発信したキャリブレーション信号を映像又は音声中から抽出するとともに、抽出されたキャリブレーション信号のタイミングとキャリブレーション制御信号取得部が取得したキャリブレーション制御信号が示すタイミングとを合致させることにより同期処理を行う。
【0010】
本発明は、装着者の体動を検出するモーションキャプチャー方法であって、
・装着者の任意の部位に装着された体動センサーにより、各部位の三次元的な変位又は加速度を測定するとともに、体動センサーによる検出結果を体動データとして体動記録部に記録する体動記録ステップと、
・周期抽出部が、体動センサーによる各検出結果と、体動センサー同士の相対位置関係の変化に基づいて、装着者の体動を体動再現データとして算出するとともに、体動再現データに基づいて周期的な変化を抽出するステップと、
・撮影手段が装着者の体動を撮影し記録する撮影ステップと、
・解析部が、前記体動再現データに基づいて前記装着者の体動を解析するとともに、前記同期処理部によって、体動センサーによる検出結果を体動データとして表示する時間軸と、撮影手段が記録した映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行するとともに、体動データを映像と対比可能に同期させて出力デバイスが表示する出力ステップと
を含み、
出力ステップにおいて同期処理部は、体動センサーを反応させる装着者による所定の特徴的行為を映像又は音声中から抽出するとともに、体動データ中の特徴的行為による特徴的反応を抽出し、抽出された特徴的行為のタイミングと特徴的反応のタイミングとを合致させることにより同期処理を行う。
【0011】
また、本発明は、装着者の体動を検出するモーションキャプチャー方法であって、
・装着者の任意の部位に装着された体動センサーにより、各部位の三次元的な変位又は加速度を測定するとともに、体動センサーによる検出結果を体動データとして体動記録部に記録する体動記録ステップと、
・周期抽出部が、体動センサーによる各検出結果と、体動センサー同士の相対位置関係の変化に基づいて、装着者の体動を体動再現データとして算出するとともに、体動再現データに基づいて周期的な変化を抽出するステップと、
・撮影手段が装着者の体動を撮影し記録する撮影ステップと、
・発光又は音声信号の出力によるキャリブレーション信号を発信するキャリブレーション信号発信部が、キャリブレーション信号を発信したタイミングを示すキャリブレーション制御信号を、キャリブレーション制御信号取得部が取得するキャリブレーション制御信号取得ステップと、
・解析部が、前記体動再現データに基づいて前記装着者の体動を解析するとともに、前記同期処理部によって、体動センサーによる検出結果を体動データとして表示する時間軸と、撮影手段が記録した映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行するとともに、体動データを映像と対比可能に同期させて出力デバイスが表示する出力ステップと
を含み、
出力ステップにおいて同期処理部は、キャリブレーション信号発信部が発信したキャリブレーション信号を映像又は音声中から抽出するとともに、抽出されたキャリブレーション信号のタイミングとキャリブレーション制御信号取得部が取得したキャリブレーション制御信号が示すタイミングとを合致させることにより同期処理を行う。
【0012】
なお、上述した本発明に係るシステムや方法は、所定の言語で記述された本発明のプログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明に係るプログラムは、通信機能及び情報出力機能を有する複数の情報処理端末を用い、移動体に対して速度に関する情報を提示するペースメーカープログラムであって、情報処理端末を、複数の情報処理端末がそれぞれ有する通信機能を通じて、各情報処理端末の情報出力機能から速度に関する情報を出力するタイミングを制御する連携制御部として機能させる。
【0013】
このような本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、タブレットPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピューターやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを構築して、本発明に係る方法を実施することができる。
【0014】
すなわち、本発明は、装着者の体動を検出するモーションキャプチャープログラムであって、情報処理端末を、装着者の任意の部位に装着され、各部位の三次元的な変位又は加速度を測定可能な複数の体動センサーによる検出結果を体動データとして記録する体動記録部と、体動センサーによる検出結果を体動データとして、装着者の体動を撮影し記録する撮影手段が記録した映像と対比可能に同期させて表示する出力デバイスと体動データを表示する時間軸と、映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行する同期処理部として機能させ、同期処理部は、体動センサーを反応させる装着者による所定の特徴的行為を映像又は音声中から抽出するとともに、体動データ中の特徴的行為による特徴的反応を抽出し、抽出された特徴的行為のタイミングと特徴的反応のタイミングとを合致させることにより同期処理を行うことを特徴とする。
【0015】
本発明は、装着者の体動を検出するモーションキャプチャープログラムであって、情報処理端末を、装着者の任意の部位に装着され、各部位の三次元的な変位又は加速度を測定可能な複数の体動センサーと、装着者の体動を撮影し記録する撮影手段と、体動センサーによる検出結果を体動データとして、撮影手段が記録した映像と対比可能に同期させて表示する出力デバイスと発光又は音声信号の出力によるキャリブレーション信号を発信するキャリブレーション信号発信部が、キャリブレーション信号を発信したタイミングを示すキャリブレーション制御信号を取得するキャリブレーション制御信号取得部と、体動データを表示する時間軸と、映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行する同期処理部として機能させ、同期処理部は、キャリブレーション信号発信部が発信したキャリブレーション信号を映像又は音声中から抽出するとともに、抽出されたキャリブレーション信号のタイミングとキャリブレーション制御信号取得部が取得したキャリブレーション制御信号が示すタイミングとを合致させることにより同期処理を行う。
【発明の効果】
【0016】
以上述べたように、この発明によれば、装着者の体動を記録する際、予め、体動センサーを反応させる装着者による所定の特徴的行為を映像に映し込んでおいたり、発光又は音声信号によるキャリブレーション信号の発信を録画若しくは録音を記録しておく。そして、記録された特徴的行為又はキャリブレーション信号を映像又は音声中から抽出するとともに、抽出された特徴的行為又はキャリブレーション信号のタイミングとキャリブレーション制御信号が示すタイミングとを合致させることにより、体動データを表示する時間軸と、映像を表示する時間軸とを同期させる処理を行う。これにより、記録された体動データと撮影した映像とを同期させたうえで対比可能に表示させることができる。この結果、本発明によれば、撮影機器や動画処理の特性によって、再生した映像と体動データ中の運動パラメーターの表示とに微妙な時間的ズレが生じるような場合でも、装着者の運動活動による体動を映像と正確に同期させて表示・出力でき、体動の解析精度を高めて、適切なトレーニングやコーチングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1及び第2実施形態に係るモーションキャプチャーシステムの使用態様を示す説明図である。
【
図2】第1及び第2実施形態で取得される体動再現データの一例である。
【
図3】第1実施形態に係る各装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係るモーションキャプチャー方法を示すシーケンス図である。
【
図5】第1実施形態に係るモーションキャプチャーにおけるデータ再生処理を示すフロー図である。
【
図6】第1及び第2実施形態に係るモーションキャプチャーシステムの表示画面(個別波形)を示す画面構成図である。
【
図7】第1及び第2実施形態に係るモーションキャプチャーシステムの表示画面(波形重ね合わせ)を示す画面構成図である。
【
図8】第2実施形態に係る各装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図9】第2実施形態に係るモーションキャプチャー方法を示すシーケンス図である。
【
図10】第2実施形態に係るモーションキャプチャーにおける同期処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、情報端末装置100を用いて、自転車競技に本発明を適用し、自転車競技についての体動計測及びコーチングを可能とするシステムを提供する。なお、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置などを例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0019】
(モーションキャプチャーシステムの構成)
図1は、本実施形態に係る情報端末装置100を用いたモーションキャプチャーシステムの使用態様を示す説明図であり、
図2は、本実施形態に係るモーションキャプチャーシステムにより取得された体動再現データの一例である。また、
図3は、各装置の内部構成を示すブロック図である。
【0020】
図1~
図3に示すように、本実施形態に係るモーションキャプチャーシステムは、装着者1に装着される情報端末装置100と、装着者の身体各部位に装着され情報端末装置100に対して無線接続される体動センサー40(40a~40c)とから構成されている。なお、本実施形態では、基本的に情報端末装置100と体動センサー40との間における近距離無線通信で構築される範囲でシステムが構築可能となっており、通信ネットワーク上のサーバー等とは実際の測定時には接続されず、いわゆるオフラインでのスタンドアローンとして、システムの運用が可能となっている。
【0021】
(各装置の構成)
(1)体動センサー
体動センサー40a~40cは、装着者1の運動が行われる部位に装着され各部位の三次元的な変位又は加速度を検出するセンサーである。本実施形態において体動センサー40は、装着者の右足の甲に取り付けられる右足体動センサー40aと、装着者の左足の甲に取り付けられる左足体動センサー40bと、装着者の腰に取り付けられる腰部体動センサー40cとから構成されている。これら体動センサー40a~41cは、物体の加速度を計測する3軸加速度計と、物体の角速度を検出する3軸ジャイロスコープ、磁場の大きさ・方向を計測する3軸磁気センサーが搭載され、9軸の動きを検知可能となっている。なお、各体動センサー40は、クリップ等の部材などによって装着者の靴やベルト、衣服などに着脱可能であり、容易に各センサーを着脱して測定を行うことができ、装着者に負担を与えずに継続的な測定を行うことが容易である。
【0022】
そして、これらの体動センサー40(各体動センサー40a~40c)は、
図3に示すように、それぞれ無線通信部を有している。この無線通信部は、内部にアンテナを有し、BTLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy,Bluetooth(登録商標) 4.0)等による近距離無線通信のデータ通信用プロトコルを実行する機能によって、情報端末装置100と通信処理が可能となっている。なお、本実施形態において、各体動センサー40の無線通信部は、低消費電力通信用のプロトコルとしてBTLEを採用したが、例えば、ANT、ANT+等を採用することもできる。また、通常のBluetooth(登録商標)を採用することもできる。
【0023】
(2)情報端末装置
図3に本実施形態に係る情報端末装置の内部構成を示す。本実施形態に係る情報端末装置100は、
図1に示すように、スマートフォンなどの小型の端末装置であり、走行中に他の機能を使えるように自転車のハンドル部分等にマウントして用いるが、走行中に体動データの記録のみを行うときにはバッグなどの収納具にしまっておいてもよい。
【0024】
情報端末装置100は、
図3に示すように、無線インターフェース113と、制御部170と、メモリ114と、出力インターフェース111と、入力インターフェース112とを備えている。詳述すると、本実施形態に係る情報端末装置100は、各体動センサー40によって検出された検出結果を収集する機能を有し、無線インターフェース113によって各体動センサー40と相互に通信処理を行って、各体動センサー40による検出結果を取得できるようになっている。情報端末装置100のメモリ114は、体動センサー40による検出結果を体動データとして記録する体動記録部としての機能を果たしている。ここで、体動データとは、各種センサーが検出した生データであり、この体動データを記録し解析し、必要な情報を抽出したり、補正したりしたデータが体動再現データである。
【0025】
なお、各体動センサー40から送信される検出結果には、各体動センサー40を識別するセンサー識別情報が付加されており、情報端末装置100のメモリ114には、当該識別情報が蓄積され、制御部170では無線インターフェース113から取得した際、いずれの体動センサー40から取得した検出結果であるかを判別可能となっている。なお、この識別情報には、各センサーの装着部位を特定する装着部位情報が含まれており、この装着部位情報に基づいて、体動再現データの算出が可能となっている。さらに体動データ内には、各体動センサー40から検出結果を取得した際の時刻情報も含まれている。
【0026】
無線インターフェース113は、通信ネットワークを介した各種情報の送受信や、wifiやBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を制御するモジュールであり、種々のプロトコルにより、各体動センサー40と通信をしたり、3G通信により上記サーバー装置等との間でデータの送受信を行う。
【0027】
さらに、情報端末装置100は、出力インターフェース111と入力インターフェース112とを備えている。入力インターフェース112は、マウス、キーボード、操作ボタンやタッチパネルなどユーザー操作を入力するデバイスである。また、出力インターフェース111には、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスが含まれる。特に、この出力インターフェース111には、液晶ディスプレイなどの表示部が含まれるとともに、この表示部は、入力インターフェースであるタッチパネルに重畳されている。
【0028】
出力インターフェース111に接続された表示部は、体動再現データに対する解析結果を表示又は出力する出力デバイスであり、表示情報生成部170eによって生成された表示情報を、出力インターフェース111を通じて表示する。この表示部に掌は、情報端末装置100に内蔵されたディスプレイや、外部に接続された外部ディスプレイに表示される。
【0029】
一方、入力インターフェース112は、動画取得部112aを備えている。この動画取得部112aは、装着者の体動を撮影し記録した動画データを取得するモジュールである。この動画取得部112aが取得する動画データには、映像が記録された映像データと、その映像とともに録音された音声データ、撮影時刻、終了時刻、時間経過などのタイムスタンプ等のメタデータが含まれる。入力インターフェース112には、情報端末装置100に内蔵された内蔵カメラ115や、外部の外部カメラ20が接続可能となっており、これらの撮影手段で撮影された動画データが動画取得部112aによって取得され、メモリ114に蓄積されたり、制御部170における処理に供される。なお、外部カメラ20から取得される動画データには、撮影時に逐次リアルタイムで取得されるストリーミングデータの他、外部カメラ20で撮影され蓄積されたファイル形式の動画データを撮影後にダウンロードして取得されるものも含まれる。
【0030】
また、情報端末装置100は、本実施形態において、各センサーから取得した体動データに基づいて、装着者の体動を解析し、体動再現データを生成する機能を有している。具体的に情報端末装置100は、
図3に示すように、制御部170を備えており、この制御部170は、各部を制御する際に必要な種々の演算を行うCPU等の演算処理装置である。なお、情報端末装置100の各機能は、この制御部170において、本発明のモーションキャプチャープログラムを実行することにより、制御部170上に仮想的に構築される。詳述すると、制御部170は、モーションキャプチャーアプリケーションが実行されることによって、体動データ取得部170aと、体動算出部170bと、解析部170dと、表示情報生成部170eとが仮想的に構築される。
【0031】
体動データ取得部170aは、無線インターフェース113を介して、各体動センサー40から体動データを取得するモジュールであり、本実施形態では、各体動センサー40a~40cと無線通信を行って、これらの検出結果である体動データを取得する。この体動データは、一時的にメモリ114内に蓄積され、その後、体動センサー40による各検出結果は、体動算出部170bに送信される。
【0032】
体動算出部170bは、メモリ114(体動記録部)に蓄積された体動センサー40a~40cによる各検出結果と、各体動センサー40a~40cの変位や回転、それらの加速度に基づいて、装着者の体動を体動再現データとして算出するモジュールである。ここで、体動センサー40による各検出結果とは、いわゆる9軸センサーで測定される値であり、本実施形態では、物体に作用する加速度(重力加速度を含む。)の方向と大きさ、物体の角速度(大きさ、方向、中心位置)、磁場の大きさ・方向(方角)である。
【0033】
ここで、算出される体動としては、ペダリングのスムーズさの指標、自転車のペダル軸の角速度ω、この角速度ωの時間的変化、及びその変化の滑らかさが含まれる。なお、本実施形態では、体動センサー40a及び40bは左右のシューズに取り付けられ、
図2に示すように、センサーによって検出される回転運動はシューズの回転となるが、自転車を漕ぐ場合、シューズはペダル軸を中心として回転するので、このペダル軸の角速度をωとする。また、腰部体動センサー40cは、装着者のベルトの背中側に取り付けられ、ペダルを漕ぐ動作に追従して左右に揺動することになる。
【0034】
さらに、本実施形態では、体動算出部170bは、メモリ114に蓄積された体動再現データに基づいて、体動に含まれる周期的な変化を抽出する。この周期的な変化としては、単純な円運動だけではなく、
図2に示すように、立体的で且つ8の字や波状運動が複合された複雑な自由周回軌跡C1~C3が含まれ、この周回軌跡を振幅及び時間で表された波形として出力する。詳述すると、本実施形態では、装着者1の右足の甲に取り付けられる右足体動センサー40aによる周回運動がC1、装着者の左足の甲に取り付けられる左足体動センサー40bによる周回運動がC2、装着者1の腰部の揺動がC3として抽出される。
【0035】
なお、本実施形態において、体動算出部170bは、体動センサー40による各検出結果と、これら体動センサー40の周回運動の変化特性に基づいて、装着者の体動を体動再現データとして算出する。このとき、体動算出部170bは、例えば、
図2に示すように、各体動センサー40の三次元的な自由周回軌跡C1~C3を算出する。そして、体動算出部170bは、算出した自由周回軌跡C1~C3の特性変化に基づいて、装着者の左右の脚それぞれにおける周回運動や要部の揺動の振幅やタイミング、崩れ等を評価する。そして、このようにして算出された自由周回軌跡C1~C3に基づいて体動再現データを算出する。
【0036】
解析部170dは、体動再現データに基づいて、装着者1の体動の各要素を項目毎に解析するモジュールである。本実施形態では、解析部170dは、体動算出部170bが抽出した周期運動における角速度変化や揺動の振幅やゆらぎの特性を解析する特性解析部としての機能を果たし、ここで解析された特性は、例えば、
図7及び
図8に示すような振幅-時間で定義されるタイムラインW2上に波形として表現され、ビデオデータと同期されたうえで、表示情報生成部170eを介して出力デバイスで表示又は出力される。
【0037】
具体的に、解析部170dによる解析では、自転車を漕ぐ動作、いわゆるペダリングの解析を行う。具体的には、各センサーの相対的な変位や角速度・角加速度の変化、ペダルクランクや装着者の骨格等に基づいて、体動再現データを解析し、力(Power)の時間変化、リズム(Cadence)、上半身角度の変化(Torso Angle)、腿の角度的な可動域(LAR:Leg Angular Range)の変化、左右の足首(Foot)・膝(Knee)のX方向・Y方向の変位、ウエスト(Waist)のX方向・Y方向の変位を推定する。
【0038】
なお、この解析部170dによる他の解析方法としては、装着者1を3次元的に表示させた立体的なデータを生成するものであってもよく、また、XY平面に投影した2次元的なデータを生成するものであってもよい。また、例えば、模範となる体動データが蓄積されたメモリ114から、模範となる体動データを抽出し、装着者の体動再現データと比較することで、正常な体動とのズレなどを示した改善データを生成してもよい。さらには、予め、性別、身長、体重、年齢などユーザー情報を登録しておくことで、各ユーザー情報に基づいた解析を行ってもよい。そして、解析部170dは、この立体画像データや改善データなどの解析結果を情報端末装置100に送信する。
【0039】
さらに、本実施形態において解析部170dは、同期処理部170fを備えている。同期処理部170fは、体動データを表示する時間軸と、カメラで撮影された映像を表示する時間軸とを合致させる同期処理を実行するために、キャリブレーション処理を実行するモジュールである。具体的に、本実施形態にかかる同期処理部170fは、体動センサー40を反応させる装着者1による所定の特徴的行為(キャリブレーション行為)を映像又は音声中から抽出するとともに、体動データ中の特徴的行為による特徴的反応を抽出し、抽出された特徴的行為のタイミングと特徴的反応のタイミングとを合致させることにより同期処理を行う。この特徴的行為としては、例えば、装着者1がカメラの前で自身の体や体動センサー40自体を所定か数だけ叩いたり揺すったりするなど、短時間中に体動センサー40に対して所定回数振動を加えるような行為が挙げられる。
【0040】
このような特徴的行為の抽出処理としては、例えば画像認識処理によって所定時間長内において所定の形状や色の図形が一定の振幅やリズムで変位するのを検出することで、装着者1が「手で叩く」という行為をしていることを認識して、その間の最大変位となった映像中のフレームの撮影時刻を読み出し、その時間情報をキャリブレーション信号として検出する。また、動画データに音声データが含まれているときには、装着者1が叩く音を抽出して、その抽出された時間情報をキャリブレーション信号として検出してもよい。
【0041】
さらに、録画データが長時間にわたるサイズであるときには、ユーザー操作を補助的に行い、ユーザー操作によって指定された時間幅に絞って上記特徴的行為の抽出を行うようにしてもよい。一方、上述した体動センサー40の特徴的反応の検出は、体動センサー40に備えられた各種センサー、例えば加速度センサーの検出値を走査して、一定の振幅以上の反応が所定の時間幅内において所定回数繰り返されている箇所を抽出することにより行う。なお、この特徴的行為及び特徴的反応の検出は、いずれか一方を先に行い、検出された一方のタイムスタンプを参考にして、他方の走査範囲を絞って検出処理を実行するようにしてもよい。
【0042】
そして、抽出された特徴的行為のタイミングと特徴的反応のタイミングとを合致させるには、上述した特徴的行為が行われた時刻のタイムスタンプ(時間情報)と、特徴的反応が検出された時刻のタイムスタンプを整合させるように、両者の再生開始時刻を揃えることにより同期処理を行う。その際、繰り返し行われた行為や反応の間隔に差異がある場合には、動画の再生時間又は体動センサーのタイムラインの長さを伸張させて、動画データと体動再現データの再生開始時刻と終了時刻を整合させるようにして、同期させる。
【0043】
表示情報生成部170eは、出力インターフェース111で表示される表示情報を生成するモジュールであり、解析部170dが解析した体動再現データを動画に対応させて表示又は出力する表示情報を生成する。この表示情報は、本実施形態では
図6及び
図7に示すように、内蔵カメラ115や外部カメラ20で撮影した動画をウィンドウW1に表示するとともに、解析部170dが解析した体動再現データを平面的な円形で表し、解析部170dが解析した体動再現データを表示するタイムラインW2とを、対比可能に同期させて表示する。なお、この表示情報には表示データとともに、音響信号やその他の出力制御信号が含まれる。
【0044】
また、表示画面には、タッチ操作のためのGUI(Graphical User Interface)W3が含まれ、このGUIが表示されるタッチパネルに対する操作は、入力インターフェース112に入力され表示情報生成部170eによる表示を切り替えることができる。図示した例では、
図6に示すように、外部カメラ20で撮影した装着者1を背後から撮影した動画をW1に表示し、タイムラインW2には体動再現データに含まれる各運動パラメーターを個別的に表示し、表示モードを切り替えることにより、
図7に示すように、情報端末装置100の内蔵カメラ115で撮影した装着者1を正面から撮影した動画をW1に表示し、タイムラインW2には体動再現データに含まれる各運動パラメーターを重ね合わせて表示ている。なお、表示モードを切り替える他の様式としては、例えば、動画にタイムラインを重ね合わせて全画面表示するなど種々の方法を採用することができる。
【0045】
そして、同期された動画と体動再現データとを対比可能に同期させて出力する際は、
図6及び
図7に示すような、タイムライン上に表示された再生ポイントカーソルPPを左右にスライドさせることにより、そのタイムラインが示す時刻の動画中のフレームが表示される。この再生ポイントカーソルPPは、動画の再生と同期してタイムライン上を移動して時間進行を表示することができ、再生開始ポイントを指定してそこから動画の再生を指示したり、所定の時間幅を設定して、その間を繰り返し再生させるように設定させることもできる。
【0046】
メモリ114は、各種のデータを記録する記憶装置であり、各情報端末装置100を識別する識別情報や、各体動センサー40の装着部位情報、各部位に装着された体動センサー40の相対位置関係、及び上述したユーザー情報や模範となる体動データなどが蓄積されている。
【0047】
(モーションキャプチャー方法)
以上の構成を有するモーションキャプチャーシステムを動作させることによって、本実施形態に係るモーションキャプチャー方法を実施することができる。
図4に記録動作を示し、
図5にデータ再生時の動作を示す。
【0048】
(1)記録動作
先ず、装着者1は、両足や腰などの任意の部位に各体動センサー40a~40cを装着する。また、装着者1は、マウント器具を介して情報端末装置100を自転車のハンドルに固定するとともに、外部カメラ20を自転車の後部に取り付けて、モーションキャプチャーを実行する。
【0049】
そして、情報端末装置100側で本発明のプログラムであるアプリケーションを起動し、各体動センサー40から検出結果を取得すべくアプリケーションに対して計測開始操作を入力するとともに、外部カメラ20の撮影開始操作を行う(S201)。この計測開始操作を受けて、情報端末装置100の制御部170は、各体動センサー40と接続処理を行う(S101)。接続処理された後、各体動センサー40では、装着者1の動作の検出を開始する(S102)。具体的には、装着者の身体各部位に取り付けられた体動センサー40により、各部位の三次元的な変位、又は加速度を検出する。
【0050】
次いで、取得された各検出結果は、各体動センサー40の無線通信部を介して、微弱電波により情報端末装置100の無線インターフェース113へと送信される(S103)。情報端末装置100の無線インターフェース113が各検出結果の取得が開始されると(S202)、体動記録部であるメモリ114は、体動センサー40a~40cによる検出結果を体動データとして順次記録してゆく(S203)。
【0051】
そして、自転車走行などの競技を開始する前に、操作者はキャリブレーション操作を行う(S204)。具体的には、例えば、装着者1がカメラの前で自身の体や体動センサー40自体を所定か数だけ叩いたり揺すったりするなど、短時間中に体動センサー40に対して所定回数振動を加えるような行為を行う。次いで、競技を開始し、競技中は継続して体動センサー40の検出値の取得、及び録画処理が継続して実行され、メモリ114等に記録される(S205における「N」)。
【0052】
具体的には、情報端末装置100に内蔵された内蔵カメラ115や、外部に接続された外部カメラ20で撮影された動画データが動画取得部112aによって取得され、メモリ114に蓄積されたり、制御部170における処理に供される。この間、体動センサー40による検出データや録画された映像を、リアルタイムで解析して情報端末装置100の表示部に表示するようにしてもよい。その後、競技が終了次第計測を終了するとともに(S205における「Y」)、必要に応じて録画処理を停止する(S206)。その後、各センサーとの通信を切断する(S104)。
【0053】
(2)再生同期処理
このようにして記録された動画及び体動データは、以下のように再生される。すなわち、
図5に示すように、体動データ取得部170aにより体動データが取得され、動画取得部112aにより動画データが取得されると、体動算出部170b及び解析部170dでは、メモリ114に蓄積された体動センサー40による各検出結果と、各体動センサー40の相対位置関係に基づいて、装着者の体動を体動再現データとして算出及び解析する(S301)。
【0054】
次いで、動画中に映っている装着者1によるキャリブレーション行為及び体動データ中の特徴的波形を抽出する(S302及びS303)。具体的には、同期処理部170fが、体動センサー40を反応させる装着者1による所定の特徴的行為(キャリブレーション行為)を映像又は音声中から抽出するとともに、体動データ中の特徴的行為による特徴的反応を抽出する。例えば、画像認識処理によって所定時間長内において所定の形状や色の図形が一定の振幅やリズムで変位するのを検出することで、装着者1が「手で叩く」という行為をしていることを認識して、その間の最大変位となった映像中のフレームの撮影時刻を読み出し、その時間情報をキャリブレーション信号として検出する。また、動画データに音声データが含まれているときには、装着者1が叩く音を抽出して、その抽出された時間情報をキャリブレーション信号として検出してもよい。一方、上述した体動センサー40の特徴的反応の検出は、体動センサー40に備えられた各種センサー、例えば加速度センサーの検出値を走査して、一定の振幅以上の反応が所定の時間幅内において所定回数繰り返されている箇所を抽出することにより行う。
【0055】
次いで、抽出された特徴的行為のタイミングと特徴的反応のタイミングとを合致させることにより動画と体動データの同期処理を行う(S305)。具体的には、上述した特徴的行為が行われた時刻のタイムスタンプ(時間情報)と、特徴的反応が検出された時刻のタイムスタンプを整合させるように、両者の再生開始時刻を揃えることにより同期処理を行う。その際、繰り返し行われた行為や反応の間隔に差異がある場合には、動画の再生時間又は体動センサーのタイムラインの長さを伸張させて、動画データと体動再現データの再生開始時刻と終了時刻を整合させるようにして、同期させる。このように、解析され対比可能に同期された動画及び体動再現データは、解析結果を情報端末装置100のディスプレイやスピーカーによる音響等によって表示又は出力される(S305)。
【0056】
(モーションキャプチャープログラム)
なお、上述した本実施形態に係るモーションキャプチャーシステム及びモーションキャプチャー方法は、上述したモーションキャプチャーアプリケーションのように、所定の言語で記述された本発明のモーションキャプチャープログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、モバイルPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピューターやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを構築してモーションキャプチャー方法を実施することができる。
【0057】
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、装着者1の体動を記録する際、予め、体動センサー40を反応させる装着者1によるキャリブレーション行為(所定の特徴的行為)を映像に映し込んでおき、記録された特徴的行為を映像又は音声中から抽出するとともに、抽出された特徴的行為のタイミングとキャリブレーション制御信号が示すタイミングとを合致させることにより、体動データを表示する時間軸と、映像を表示する時間軸とを同期させる処理を行う。これにより、本実施形態によれば、記録された体動データと撮影した映像とを同期させたうえで対比可能に表示させることができ、装着者1の運動活動による体動を映像と正確に同期させて表示・出力でき、体動の解析精度を高めて、適切なトレーニングやコーチングが可能となる。
【0058】
また、本実施形態に係るモーションキャプチャープログラムでは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、また、コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することにより、スタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。この記録媒体として、具体的には、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD-ROMやDVD-ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、このプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステム及び方法を簡便に実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【0059】
[第2実施形態]
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、上述した第1実施形態では、撮影した動画と体動データとの同期処理を、装着者1が行うキャリブレーション行為に基づいて行うようにしたが、本実施形態では、体動センサー40に組み込まれたキャリブレーション信号発信部により自動的に行うことを要旨とする。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
【0060】
(各装置の構成)
(1)体動センサー
本実施形態にかかる体動センサー40a~40cは、上述した第1実施形態で説明した構成に加え、
図8に示すように、発光又は音声信号の出力によるキャリブレーション信号を発信するキャリブレーション信号発信部401(401a~401c)を備えている。このキャリブレーション信号発信部401は、例えばLED等の発光体をセンサー本体の外表面に視認可能に設けたり、スピーカー等の音声発信手段を設けたりして、光や音によるキャリブレーション信号を出力する。このキャリブレーション信号発信部401によるキャリブレーション信号の発信は、キャリブレーション制御信号取得部170cから送信されるキャリブレーション実行信号に基づいて実行されたり、装着者1の任意の操作に基づいて実行されたりする。装着者1の任意による操作としては、体動センサー40本体に設けられた操作ボタンやその他の機器から制御信号を送信するなどがあり、キャリブレーション信号発信部401は、実際にキャリブレーション信号を発信した時刻をキャリブレーション制御信号としてキャリブレーション制御信号取得部170cに送信する。
【0061】
(2)情報端末装置
本実施形態にかかる情報端末装置100は、上述した第1実施形態で説明した構成に加え、
図8に示すように、キャリブレーション制御信号取得部170cを備えている。このキャリブレーション制御信号取得部170cは、キャリブレーション信号発信部401に対してキャリブレーション信号発信部401からキャリブレーション信号の発信を実行させるキャリブレーション実行信号を送信したり、実際にキャリブレーション信号を発信した時刻をキャリブレーション制御信号として取得する。このキャリブレーション制御信号取得部170cで取得されたキャリブレーション制御信号は解析部170dに入力される。
【0062】
本実施形態において、同期処理部170fは、キャリブレーション信号発信部401が発信したキャリブレーション信号を映像又は音声中から抽出する。また、同期処理部170fは、映像又は音声中から抽出されたキャリブレーション信号の発信タイミングと、キャリブレーション制御信号取得部170cが取得したキャリブレーション制御信号が示す実際の発信タイミングとを合致させることにより同期処理を行う。
【0063】
(モーションキャプチャー方法)
以上の構成を有するモーションキャプチャーシステムを動作させることによって、本実施形態に係るモーションキャプチャー方法を実施することができる。
図9及び
図10に第2実施形態にかかる記録動作及びデータ再生時の動作を示す。
【0064】
(1)記録動作
先ず、装着者1は、両足や腰などの任意の部位に各体動センサー40a~40cを装着する。また、装着者1は、マウント器具を介して情報端末装置100を自転車のハンドルに固定するとともに、外部カメラ20を自転車の後部に取り付けて、モーションキャプチャーを実行する。
【0065】
そして、情報端末装置100側で本発明のプログラムであるアプリケーションを起動し、各体動センサー40から検出結果を取得すべくアプリケーションに対して計測開始操作を入力するとともに、外部カメラ20の撮影開始操作を行う(S501)。この計測開始操作を受けて、情報端末装置100の制御部170は、各体動センサー40と接続処理を行う(S401)。接続処理された後、各体動センサー40では、装着者1の動作の検出を開始する(S402)。具体的には、装着者の身体各部位に取り付けられた体動センサー40により、各部位の三次元的な変位、又は加速度を検出する。
【0066】
次いで、取得された各検出結果は、各体動センサー40の無線通信部を介して、微弱電波により情報端末装置100の無線インターフェース113へと送信される(S403)。情報端末装置100の無線インターフェース113が各検出結果の取得が開始されると(S502)、体動記録部であるメモリ114は、体動センサー40a~40cによる検出結果を体動データとして順次記録してゆく(S503)。
【0067】
そして、自転車走行などの競技を開始する前に、キャリブレーション動作を行う(S504)。本実施形態では、このキャリブレーション操作は、情報端末装置100側のキャリブレーション制御信号取得部170c主導で自動的に実行される。具体的には、例えば、キャリブレーション制御信号取得部170cから送信されるキャリブレーション実行信号に基づいて、光や音によるキャリブレーション信号をキャリブレーション信号発信部401から出力する。なお、このキャリブレーション信号発信部401によるキャリブレーション信号の発信は、装着者1の任意の操作に基づいて実行してもよく、他の機器から制御信号に基づいて実行してもよい。キャリブレーション信号発信部401は、実際にキャリブレーション信号を発信した時刻をキャリブレーション制御信号としてキャリブレーション制御信号取得部170cに送信し、このキャリブレーション制御信号はキャリブレーション制御信号取得部170cによって受信され、解析部170dを通じてメモリ114に記録される(S505)。
【0068】
次いで、競技を開始し、競技中は継続して体動センサー40の検出値の取得、及び録画処理が継続して実行され、メモリ114等に記録される(S506における「N」)。具体的には、情報端末装置100に内蔵された内蔵カメラ115や、外部に接続された外部カメラ20で撮影された動画データが動画取得部112aによって取得され、メモリ114に蓄積されたり、制御部170における処理に供される。この間、体動センサー40による検出データや録画された映像を、リアルタイムで解析して情報端末装置100の表示部に表示するようにしてもよい。その後、競技が終了次第計測を終了するとともに(S506における「Y」)、必要に応じて録画処理を停止する(S507)。その後、各センサーとの通信を切断する(S405)。
【0069】
(2)再生同期処理
このようにして記録された動画及び体動データは、以下のように再生される。すなわち、
図10に示すように、体動データ取得部170aにより体動データが取得され、動画取得部112aにより動画データが取得されると、体動算出部170b及び解析部170dでは、メモリ114に蓄積された体動センサー40による各検出結果と、各体動センサー40の相対位置関係に基づいて、装着者の体動を体動再現データとして算出及び解析する(S601)。
【0070】
次いで、動画に映っている体動センサー40の発光や発信音出力によるキャリブレーション信号を抽出するとともに(S602)、キャリブレーション制御信号が示すキャリブレーション信号の発信記録をメモリ114から読み出す(S603)。具体的には、同期処理部170fが、体動センサー40による発光や発信音出力(キャリブレーション信号)を映像又は音声中から抽出するとともに、キャリブレーション制御信号中に記されたキャリブレーション信号の発信時刻を読み出す。例えば、画像認識処理によって所定時間長内において所定の波長の光が一定の振幅やリズムで発光したのを認識し、その時間情報をキャリブレーション信号として検出する。また、動画データに音声データが含まれているときには、キャリブレーション信号発信部401が発した音声信号を抽出して、その抽出された時間情報をキャリブレーション信号として検出してもよい。
【0071】
次いで、抽出されたキャリブレーション信号のタイミングと、キャリブレーション制御信号のタイミングとを合致させることにより動画と体動データの同期処理を行う(S605)。具体的には、上述したキャリブレーション信号が発信された時刻のタイムスタンプ(時間情報)と、キャリブレーション制御信号の発信記録に記された時刻のタイムスタンプを整合させるように、両者の再生開始時刻を揃えることにより同期処理を行う。その際、繰り返し行われた行為や反応の間隔に差異がある場合には、動画の再生時間又は体動センサーのタイムラインの長さを伸張させて、動画データと体動再現データの再生開始時刻と終了時刻を整合させるようにして、同期させる。このように、解析され対比可能に同期された動画及び体動再現データは、解析結果を情報端末装置100のディスプレイやスピーカーによる音響等によって表示又は出力される(S605)。
【0072】
(モーションキャプチャープログラム)
なお、上述した本実施形態に係るモーションキャプチャーシステム及びモーションキャプチャー方法も、上述したモーションキャプチャーアプリケーションのように、所定の言語で記述された本発明のモーションキャプチャープログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、モバイルPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピューターやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを構築してモーションキャプチャー方法を実施することができる。
【0073】
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、装着者の体動を記録する際、予め、発光又は音声信号によるキャリブレーション信号の発信を自動的に行うとともに、その信号による特徴的な反応を録画若しくは録音を記録しておく。そして、記録されたキャリブレーション信号を映像又は音声中から抽出するとともに、抽出されたキャリブレーション信号のタイミングとキャリブレーション制御信号が示すタイミングとを合致させることにより、体動データを表示する時間軸と、映像を表示する時間軸とを同期させる処理を行う。これにより、記録された体動データと撮影した映像とを同期させたうえで対比可能に表示させることができる。この結果、本実施形態によれば、撮影機器や動画処理の特性によって、再生した映像と体動データ中の運動パラメーターの表示とに微妙な時間的ズレが生じるような場合でも、装着者の運動活動による体動を映像と正確に同期させて表示・出力でき、体動の解析精度を高めて、適切なトレーニングやコーチングが可能となる。
【0074】
なお、本発明は、上記した各実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0075】
C1~C3…自由周回・揺動軌跡
PP…再生ポイントカーソル
W1…ウィンドウ
W2…タイムライン
W3…GUI
X…進行方向
Y…鉛直方向
1…装着者
20…外部カメラ
40…体動センサー
40a…右足体動センサー
40b…左足体動センサー
40c…腰部体動センサー
100…情報端末装置
111…出力インターフェース
112…入力インターフェース
112a…動画取得部
113…無線インターフェース
114…メモリ
115…内蔵カメラ
170…制御部
170a…体動データ取得部
170b…体動算出部
170c…キャリブレーション制御信号取得部
170d…解析部
170e…表示情報生成部
170f…同期処理部
401…キャリブレーション信号発信部