(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】挿入装置及びナット部材挿入方法
(51)【国際特許分類】
B23P 21/00 20060101AFI20230705BHJP
B23P 19/06 20060101ALI20230705BHJP
F16B 37/04 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
B23P21/00 301Z
B23P19/06 A
F16B37/04 K
(21)【出願番号】P 2019088388
(22)【出願日】2019-05-08
【審査請求日】2021-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】594185097
【氏名又は名称】伸和コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】横山 光秀
(72)【発明者】
【氏名】中村 末弘
(72)【発明者】
【氏名】溝口 浩平
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸口 弘晃
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-190802(JP,A)
【文献】特開2006-070965(JP,A)
【文献】特開2002-105731(JP,A)
【文献】特開平06-247548(JP,A)
【文献】特開2010-037024(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0177366(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 21/00
B23P 19/06
F16B 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム部材の溝部内にナット部材を挿入する挿入装置であって、
前記ナット部材を供給する供給部と、
前記供給部から供給された前記ナット部材を前記溝部内に挿入する挿入部と、を備え
、
前記挿入部は、
前記ナット部材を前記溝部へ向けて押出す押出し機構と、
前記押出し機構により押出された前記ナット部材を、前記フレーム部材の長手方向に沿って移動させて前記溝部内に配置する移動機構と、を有し、
前記押出し機構は、
前記ナット部材を受容する受容部と、
前記受容部に受容された前記ナット部材を押出す押出し部材と、
前記押出し部材で押出された前記ナット部材を前記溝部へ向けてガイドするガイド部と、
前記押出し部材により押出された前記ナット部材を、前記ガイド部内へ誘導する誘導ローラと、を有する、
挿入装置。
【請求項2】
フレーム部材の溝部内にナット部材を挿入する挿入装置であって、
前記ナット部材を供給する供給部と、
前記供給部から供給された前記ナット部材を前記溝部内に挿入する挿入部と、を備え、
前記挿入部は、
前記ナット部材を前記溝部へ向けて押出す押出し機構と、
前記押出し機構により押出された前記ナット部材を、前記フレーム部材の長手方向に沿って移動させて前記溝部内に配置する移動機構と、を有し、
前記移動機構は、
前記溝部内に進入可能に構成され、前記押出し機構により押出された前記ナット部材に接触して前記ナット部材を前記溝部内に移動させる接触部を有する、
挿入装置。
【請求項3】
フレーム部材の溝部内にナット部材を挿入する挿入装置であって、
前記ナット部材を供給する供給部と、
前記供給部から供給された前記ナット部材を前記溝部内に挿入する挿入部と、
前記フレーム部材の長手方向に平行な軸線周りに前記フレーム部材を回転させる回転部と、を備えた、
挿入装置。
【請求項4】
前記供給部は、
複数の前記ナット部材を収容可能な収容部と、
前記収容部から前記挿入部へ前記ナット部材を移載する移載機構と、を有する、請求項1
~3のいずれか一項に記載の挿入装置。
【請求項5】
前記挿入部は、
前記ナット部材を前記溝部へ向けて押出す押出し機構と、
前記押出し機構により押出された前記ナット部材を、前記フレーム部材の長手方向に沿って移動させて前記溝部内に配置する移動機構と、を有する、請求項
3に記載の挿入装置。
【請求項6】
前記押出し機構は、
前記ナット部材を受容する受容部と、
前記受容部に受容された前記ナット部材を押出す押出し部材と、
前記押出し部材で押出された前記ナット部材を前記溝部へ向けてガイドするガイド部と、を有する、請求項
2又は5に記載の挿入装置。
【請求項7】
前記押出し機構は、前記押出し部材により押出された前記ナット部材を、前記ガイド部内へ誘導する誘導ローラを有する、請求項
6に記載の挿入装置。
【請求項8】
前記移動機構は、前記溝部内に進入可能に構成され、前記押出し機構により押出された前記ナット部材に接触して前記ナット部材を前記溝部内に移動させる接触部を有する、請求項
1又は5に記載の挿入装置。
【請求項9】
前記フレーム部材の長手方向に平行な軸線周りに前記フレーム部材を回転させる回転部を有する、請求項
1又は2に記載の挿入装置。
【請求項10】
前記回転部は、
前記フレーム部材に前記軸線周りの回転力を作用させる作用部と、
前記回転力により回転した前記フレーム部材を支持する支持部材と、を有する、請求項
9に記載の挿入装置。
【請求項11】
前記作用部は、前記フレーム部材の幅方向の一側を押し上げる、請求項
10に記載の挿入装置。
【請求項12】
前記作用部は、前記フレーム部材と当接するローラを有する、請求項
10又は
11に記載の挿入装置。
【請求項13】
前記支持部材は、回転軸線を有し、
前記支持部材は、前記回転力により回転した前記フレーム部材を支持し、前記フレーム部材を支持したまま前記回転軸線周りに回転して、前記フレーム部材を所定の角度まで回転させる、請求項
10~
12のいずれか一項に記載の挿入装置。
【請求項14】
前記支持部材は、前記フレーム部材の角部を支持する凹部を有する、請求項
10~
13のいずれか一項に記載の挿入装置。
【請求項15】
供給部と挿入部とを備えた挿入装置を用いた、フレーム部材の溝部内へのナット部材の挿入方法であって、
前記供給部により、ナット部材を供給する供給工程と、
前記挿入部により、前記供給工程で供給された前記ナット部材を前記溝部内に挿入する挿入工程と、を備え、
前記挿入工程は、
押出し機構により、前記ナット部材を前記溝部へ向けて押出す押出し工程と、
移動機構により、前記押出し工程で押出された前記ナット部材を、前記フレーム部材の長手方向に沿って移動させて前記溝部内に配置する移動工程と、を有し、
前記押出し機構は、
前記ナット部材を受容する受容部と、
前記受容部に受容された前記ナット部材を押出す押出し部材と、
前記押出し部材で押出された前記ナット部材を前記溝部へ向けてガイドするガイド部と、
前記押出し部材により押出された前記ナット部材を、前記ガイド部内へ誘導する誘導ローラと、を有する、
挿入方法。
【請求項16】
供給部と挿入部とを備えた挿入装置を用いた、フレーム部材の溝部内へのナット部材の挿入方法であって、
前記供給部により、ナット部材を供給する供給工程と、
前記挿入部により、前記供給工程で供給された前記ナット部材を前記溝部内に挿入する挿入工程と、を備え、
前記挿入工程は、
押出し機構により、前記ナット部材を前記溝部へ向けて押出す押出し工程と、
移動機構により、前記押出し工程で押出された前記ナット部材を、前記フレーム部材の長手方向に沿って移動させて前記溝部内に配置する移動工程と、を有し、
前記移動機構は、
前記溝部内に進入可能に構成され、前記押出し機構により押出された前記ナット部材に接触して前記ナット部材を前記溝部内に移動させる接触部を有する、
挿入方法。
【請求項17】
供給部と挿入部とを備えた挿入装置を用いた、フレーム部材の溝部内へのナット部材の挿入方法であって、
前記供給部により、ナット部材を供給する供給工程と、
前記挿入部により、前記供給工程で供給された前記ナット部材を前記溝部内に挿入する挿入工程と、
前記フレーム部材の長手方向に平行な軸線周りに前記フレーム部材を回転させる回転工程と、を備えた、
挿入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレームの溝部内にナット部材を挿入する挿入装置及び該挿入装置を用いたナット部材挿入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造工程等において、雰囲気の温度及び湿度を精密に制御するために、空気調和装置が用いられている。空気調和装置は、アルミニウム製等のフレームを有した筐体内に、例えば、冷却装置、加熱装置、加湿装置及び送風機を備えている。空気調和装置内に導入された空気は、冷却装置で冷却及び除湿され、加熱装置で温度が調整され、加湿装置で湿度が調整され、送風機により半導体製造装置等の外部装置に送出される。
【0003】
特許文献1には、フレームを有するケーシングを備えた空気調和機が開示されている。ケーシングでは、側壁をなす複数の外壁パネルと、天井部をなす複数の天板パネルと、ケーシングの内部の空間を複数の室に仕切る隔壁をなす内部パネルが、フレームに固定されている。フレームは、ケーシングの構造材をなす主部材を各架台の四隅に柱上に建てた状態に配置するとともに、立てた主部材の間に横木状に主部材を寝かせて配置し、さらに平行な一対の主部材の間に補助材をなす中間部材を配置し、主部材と主部材とを連結し、主部材に中間部材を固定し、あるいは中間部材と中間部材とを連結している。
【0004】
フレームを構成する部材どうしを連結するための技術として、特許文献2に開示された技術が知られている。特許文献2では、まず、柱材のT字溝内にT字ナット部材を挿入して、T字ナット部材を所定位置に配置する。次に、ブラケットを柱材のT字ナット部材を挿入した側の側面に載置する。その後、ブラケットの柱材と反対側からボルトをブラケットの貫通孔を貫通させてT字ナット部材の雌ネジ部に螺合させる。同様にして、当該ブラケットと他の柱材とを連結する。これにより、2つの柱材がブラケットを介して互いに連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-146148号公報
【文献】特開2014-084993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フレーム構造体を構成するフレーム部材の溝部内にナット部材を挿入する際、従来は、フレーム部材の所定の位置に印をつけ、この印に合わせてナット部材を溝部内の所定の位置に配置する作業を、作業者が手作業により行っていた。しかし、連結箇所が増えるにつれて使用されるナット部材の数が増大し、フレーム部材の溝部内にナット部材を挿入する作業に大きな手間と時間を要していた。
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、フレーム部材の溝部内にナット部材を挿入する作業を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による挿入装置は、
フレーム部材の溝部内にナット部材を挿入する挿入装置であって、
前記ナット部材を供給する供給部と、
前記供給部から供給された前記ナット部材を前記溝部内に挿入する挿入部と、を備える。
【0009】
本発明による挿入装置において、
前記供給部は、
複数の前記ナット部材を収容可能な収容部と、
前記収容部から前記挿入部へ前記ナット部材を移載する移載機構と、を有してもよい。
【0010】
本発明による挿入装置において、
前記挿入部は、
前記ナット部材を前記溝部へ向けて押出す押出し機構と、
前記押出し機構により押出された前記ナット部材を、前記フレーム部材の長手方向に沿って移動させて前記溝部内に配置する移動機構と、を有してもよい。
【0011】
本発明による挿入装置において、
前記押出し機構は、
前記ナット部材を受容する受容部と、
前記受容部に受容された前記ナット部材を押出す押出し部材と、
前記押出し部材で押出された前記ナット部材を前記溝部へ向けてガイドするガイド部と、を有してもよい。
【0012】
本発明による挿入装置において、
前記押出し機構は、前記押出し部材により押出された前記ナット部材を、前記ガイド部内へ誘導する誘導ローラを有してもよい。
【0013】
本発明による挿入装置において、
前記移動機構は、前記溝部内に進入可能に構成され、前記押出し機構により押出された前記ナット部材に接触して前記ナット部材を前記溝部内に移動させる接触部を有してもよい。
【0014】
本発明による挿入装置において、
前記フレーム部材の長手方向に平行な軸線周りに前記フレーム部材を回転させる回転部を有してもよい。
【0015】
本発明による挿入装置において、
前記回転部は、
前記フレーム部材に前記軸線周りの回転力を作用させる作用部と、
前記回転力により回転した前記フレーム部材を支持する支持部材と、を有してもよい。
【0016】
本発明による挿入装置において、
前記作用部は、前記フレーム部材の幅方向の一側を押し上げてもよい。
【0017】
本発明による挿入装置において、
前記作用部は、前記フレーム部材と当接する当接ローラを有してもよい。
【0018】
本発明による挿入装置において、
前記支持部材は、回転軸線を有し、
前記支持部材は、前記回転力により回転した前記フレーム部材を支持し、前記フレーム部材を支持したまま前記回転軸線周りに回転して、前記フレーム部材を所定の角度まで回転させてもよい。
【0019】
本発明による挿入装置において、
前記支持部材は、前記フレーム部材の角部を支持する凹部を有してもよい。
【0020】
本発明によるナット部材挿入方法は、
供給部と挿入部とを備えた挿入装置を用いた、フレーム部材の溝部内へのナット部材の挿入方法であって、
前記供給部により、ナット部材を供給する供給工程と、
前記挿入部により、前記供給工程で供給された前記ナット部材を前記溝部内に挿入する挿入工程と、を備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、フレーム部材の溝部内にナット部材部材を挿入する作業を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、複数のフレーム部材で構成されたフレーム構造体の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、溝部を有する2つのフレーム部材間の連結部の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、溝部内にナット部材が挿入された状態でフレーム部材を示す図である。
【
図5】
図5は、ナット部材の一例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、溝部内にナット部材を挿入する挿入装置の一例を概略的に示す図である。
【
図8】
図8は、挿入装置の供給部の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、供給部の移載機構の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、挿入装置の挿入部の押出し機構の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0024】
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
【0025】
図1~
図17は、本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち
図1は、複数のフレーム部材2で構成されたフレーム構造体1の一例を示す斜視図であり、
図2は、溝部4を有する2つのフレーム部材2間の連結部の一例を示す斜視図であり、
図3は、溝部4内にナット部材10が挿入された状態でフレーム部材2を示す図である。なお、
図1では、ブラケット6の図示は省略されている。
【0026】
本実施の形態のフレーム構造体1は、空気調和装置の筐体の一部として用いられる。フレーム構造体1は複数のフレーム部材2を有しており、複数のフレーム部材2は互いに連結されている。フレーム構造体1には、必要に応じてパネル部材や扉部材がフレーム部材2に取り付けられる。フレーム構造体1を有する筐体内には、例えば、冷却装置、加熱装置、加湿装置及び送風装置が配置される。フレーム構造体1は、筐体内に配置される各装置を支持する支持部材として機能するとともに、パネル部材及び扉部材を支持する支持部材としても機能する。なお、フレーム構造体1の適用対象は、空気調和装置に限られない。すなわち、フレーム構造体1は、種々の装置における構造体として使用することができる。
【0027】
図2に示されているように、複数のフレーム部材2は、ブラケット6を介して互いに連結される。フレーム部材2は、長手方向に沿って直線状に延びる長尺状の部材である。フレーム部材2の長手方向に直交する断面は略矩形状、とりわけ略正方形状、の輪郭を有している。すなわち、フレーム部材2は、長手方向に沿って延びる4つの側面3を有している。各側面3には、長手方向に沿って直線状に延びる溝部4が形成されている。
【0028】
図2に示されたブラケット6は、2つのフレーム部材2を連結するために用いられる。とりわけブラケット6は、2つのフレーム部材2の長手方向が互いに直交するように、当該2つのフレーム部材2を連結する。ブラケット6は、それぞれ貫通孔8を有する2つの主板7と、2つの主板7を連結する2つの側板9と、を有している。2つの主板7の板面は互いに直交している。ブラケット6は、一方の主板7が一方のフレーム部材2の1つの側面3に対面し、他方の主板7が他方のフレーム部材2の1つの側面3に対面するように配置される。
図3に示されているように、各フレーム部材2における、主板7に対面する側面3に形成された溝部4内には、雌ネジ穴16を有するナット部材10が配置されている。主板7のフレーム部材2と反対側から貫通孔8内に図示しないボルトを挿入し、対応するナット部材10の雌ネジ穴16とボルトの雄ネジ部とを螺合させることにより、ブラケット6とフレーム部材2とが連結される。このようにして、ブラケット6と一方のフレーム部材2とが連結され、ブラケット6と他方のフレーム部材2とが連結されることにより、2つのフレーム部材2がブラケット6を介して互いに連結される。
【0029】
図4は、
図3のIV-IV線に対応する断面図であり、フレーム部材2の溝部4内にナット部材10が配置された状態において、フレーム部材2及びナット部材10の断面が示されている。フレーム部材2の溝部4は、ナット部材10の一部を収容する主溝部4aと、対応する側面3及び主溝部4aを連通させる連通部4bと、を有している。連通部4b内には、ナット部材10における後述の突出部14が配置され、主溝部4a内には、ナット部材10における突出部14以外の部分が配置される。フレーム部材2の長手方向に直交し且つ対応する側面3に対して平行な方向において、主溝部4aの幅W
4aは連通部4bの幅W
4bよりも大きくなっている。また、フレーム部材2は、長手方向に沿って直線状に延び、フレーム部材2を貫通する孔部5を有している。孔部5は、長手方向に直交する断面におけるフレーム部材2の中心を通っている。図示された例では、孔部5は、円形の断面形状を有している。フレーム部材2の材料は特に限られないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料を用いることができる。
【0030】
図5は、ナット部材10の一例を示す斜視図である。ナット部材10は、ナット本体12と滑り止め部材18とを有している。ナット本体12には突出部14が形成されている。突出部14は、フレーム部材2の溝部4の連通部4b内に配置されることが意図されている。また、ナット本体12の突出部14を除く部分は、フレーム部材2の溝部4の主溝部4a内に配置されることが意図されている。そのため、突出部14の幅W
14は、連通部4bの幅W
4bよりも小さくなっている。また、ナット本体12の最大幅W
12は、主溝部4aの幅W
4aよりも小さく連通部4bの幅W
4bよりも大きくなっている。これにより、ナット本体12は、フレーム部材2の溝部4内に配置された状態において、フレーム部材2の長手方向に沿って移動可能であるが、当該長手方向に交差する方向に溝部4から抜け出ることはない。ナット本体12の材料は特に限られないが、例えば、鉄鋼材、ステンレス材等の金属材料を用いることができる。
【0031】
滑り止め部材18は、樹脂やゴム等で形成された部材であり、ナット本体12が溝部4に対してフレーム部材2の長手方向に滑動することを抑制するために設けられる。
図5に示された例では、滑り止め部材18は、ナット本体12の周囲に配置され、ナット本体12に対して固定されている。ナット部材10は、後述の挿入装置20の移動機構40の接触部46に押された際には溝部4内をフレーム部材2の長手方向に沿って移動可能である。その一方、ナット部材10が滑り止め部材18を有していることにより、接触部46に押されていない場合には、例えばフレーム部材2の長手方向の一端が持ち上げられるなどによりフレーム部材2が傾斜しても、ナット部材10の溝部4内の移動が妨げられる。
【0032】
次に、フレーム部材2の溝部4内にナット部材10を挿入する挿入装置20について説明する。
図6は、挿入装置20の一例を概略的に示す平面図であり、
図7は、
図6のVII-VII線に対応する図である。
【0033】
挿入装置20は、ナット部材10を供給する供給部21と、供給部21から供給されたナット部材10をフレーム部材2の溝部4内に挿入する挿入部30と、を備えている。
図6に示された挿入装置20は、フレーム部材2の長手方向に平行な軸線A周りにフレーム部材2を回転させる回転部50と、供給部21、挿入部30及び回転部50の動作を制御する制御部60と、をさらに備えている。本実施形態の挿入装置20では、フレーム部材2は、その長手方向が第1方向d1と平行をなすように挿入部30に配置される。一例として、第1方向d1は水平方向と平行をなす。本実施形態では、第1方向d1と直交し且つ水平方向と平行をなす方向を第2方向d2とし、第1方向d1及び第2方向d2と直交する方向(図示された例では垂直方向)を第3方向d3とする。
【0034】
図8は、供給部21の一例を示す平面図である。供給部21は、複数のナット部材10を収容可能な収容部23と、収容部23から挿入部30へナット部材10を移載する移載機構25と、を有している。
図8に示された例では、供給部21は2つの収容部23を有している。収容部23は、複数のナット部材10を第1方向d1に沿って並んだ状態で収容する。移載機構25は、収容部23に収容された複数のナット部材10のうち、最も移載機構25に近接したナット部材10を挿入部30へ移載する。
【0035】
図9は、移載機構25の一例を示す図である。移載機構25は、ナット部材10を把持する一対の把持爪27と、把持爪27を開閉駆動させる駆動部29と、を有している。移載機構25は、収容部23において一対の把持爪27を閉じる(
図9において実線で示す)ことによりナット部材10を把持し、当該ナット部材10を挿入部30(受容部33)へ移動させて、一対の把持爪27を開く(
図9において破線で示す)ことにより、ナット部材10を解放する。
【0036】
挿入部30は、ナット部材10をフレーム部材2の溝部4へ向けて押出す押出し機構31と、押出し機構31により押出されたナット部材10を、フレーム部材2の長手方向に沿って移動させて溝部4内に配置する移動機構40と、を有している。
【0037】
押出し機構31は、本体32と、本体32に設けられナット部材10を受容する受容部33と、受容部33に受容されたナット部材10を押出す押出し部材35と、本体32に設けられ押出し部材35で押出されたナット部材10をフレーム部材2の溝部4へ向けてガイドするガイド部37と、を有している。
図10は、押出し機構31の一例を示す図であり、
図11A~
図11Cは、押出し機構31の動作の一例を説明するための図である。とりわけ、
図11Aは、ナット部材10が配置されていない状態で押出し機構31を示し、
図11Bは、受容部33にナット部材10が配置された状態で押出し機構31を示し、
図11Cは、ナット部材10が押出し部材35によりガイド部37に沿って押出された状態で押出し機構31を示している。
【0038】
受容部33は、供給部21の収容部23から移載機構25により移動されたナット部材10を受容する(
図11B参照)。受容部33は切欠き34を有しており(
図11A参照)、移載機構25がナット部材10を受容部33に配置する際には、移載機構25の各把持爪27の先端部分が切欠き34内に位置するようになる。受容部33は、第3方向d3の上側(
図11A~
図11Cにおける上側)に、長手方向(第1方向d1)に沿って延びる開口部33aを有している。受容部33の開口部33aの第2方向d2に沿った幅は、例えばナット部材10が挿入されるべきフレーム部材2の溝部4の主溝部4aの幅W
4aと同程度(例えば同一)、又は、幅W
4aよりも大きくなっている。これにより、ナット部材10の受容部33への配置が妨げられることがない。
【0039】
押出し部材35は、駆動部36により駆動されることにより、ガイド部37の長手方向(本実施の形態では第1方向d1)に沿って進退移動可能に構成されている。駆動部36の駆動力により押出し部材35が進出することにより、受容部33内に位置するナット部材10が、押出し部材35に押されて、ガイド部37に沿ってガイド部37の先端側(
図10及び
図11A~
図11Cでは左側)へ向けて移動される(
図11C参照)。移動されたナット部材10は、待機位置に位置する。
【0040】
ガイド部37は、押出し部材35に押されたナット部材10を、当該ナット部材10が挿入されるべきフレーム部材2の溝部4へ向けて案内する。ガイド部37は、第3方向d3の上側に、長手方向に沿って延びる開口部37aを有している。ガイド部37の開口部37aの第2方向d2に沿った幅は、例えばナット部材10が挿入されるべきフレーム部材2の溝部4の連通部4bの幅W4bと同程度(例えば同一)になっている。これにより、ナット部材10がガイド部37に位置しているときには、当該ナット部材10がガイド部37内に確実に保持され得る。
【0041】
受容部33とガイド部37との間には誘導ローラ38が設けられている。誘導ローラ38は、押出し部材35により押出されたナット部材10を、ガイド部37内へ誘導する。誘導ローラ38は、第2方向d2に平行に延びる回転軸線38aの周りに回転自在に配置されている。受容部33に位置するナット部材10が、押出し部材35によりガイド部37の先端側へ向けて押される際、当該ナット部材10が上方へ進んでしまい、ガイド部37の先端側へ適切に移動されないことがあり得る。本実施の形態では、押出し機構31が誘導ローラ38を有していることにより、上方へ進んだナット部材10が、誘導ローラ38により先端側におけるガイド部37内へ適切に誘導される。
【0042】
図10及び
図11A~
図11Cに示された例では、挿入部30は、第2方向d2に配列された2つの押出し機構31を有している。この場合、1つの側面3に幅方向に配列された2つの溝部4を有するフレーム部材2の各溝部4にナット部材10を挿入する場合に、フレーム部材2を幅方向(挿入装置20では第2方向d2)に移動させることなく、各溝部4へのナット部材10の挿入を行うことが可能になる。したがって、各溝部4へのナット部材10の挿入に要する時間をさらに短縮することができる。
【0043】
本体32の先端面32aには、凸部39が設けられている。凸部39は、ナット部材10が挿入されるべきフレーム部材2の孔部5内に挿入されることにより、フレーム部材2と本体32との位置合わせを行う(
図13A及び
図14A参照)。
【0044】
移動機構40は、フレーム部材2の溝部4内に進入可能に構成され、押出し機構31により押出されたナット部材10に接触して当該ナット部材10を溝部4内に移動させる接触部46を有している。本実施の形態では、移動機構40は、第2方向d2に延びる回転軸線42a周りに回転可能に構成された軸部材42と、軸部材42に対して固定された爪部材44を有しており、爪部材44の先端部におけるナット部材10と対面する面が接触部46をなす。
【0045】
図13A及び
図14Aは、移動機構40の動作の一例を説明するための図であり、とりわけ
図13Aは、ナット部材10の移動前における移動機構40を示し、
図14Aは、ナット部材10の移動後における移動機構40を示している。
図13Bは、
図13Aに対応する平面図であり、
図14Bは、
図14Aに対応する平面図である。なお、
図13B及び
図14Bでは、爪部材44が、押出し機構31の本体32の上面及びフレーム部材2の上面に対応する断面で示されている。
【0046】
軸部材42は、フレーム部材2の長手方向(第1方向d1)に沿って移動可能に構成されている。ナット部材10を溝部4内の所定の位置まで移動させる際には、まず、
図13A及び
図13Bに示されているように、移動機構40の爪部材44の先端部を、接触部46が待機位置にあるナット部材10と対面するようにして、当該ナット部材10に対してフレーム部材2と反対側のガイド部37内に進入させる。次に、
図14A及び
図14Bに示されているように、軸部材42を第1方向d1に沿って所定の位置まで移動させて停止させる。これにより、ナット部材10は、接触部46に押されて待機位置から溝部4内へ移動され所定の位置で停止する。
【0047】
回転部50は、フレーム部材2の長手方向に平行な軸線A周りにフレーム部材2を回転させる。
図15は、回転部50の一例を示す図であり、
図16A~
図16Cは、回転部50の動作の一例を説明するための図であり、
図17は、
図16CのXVII-XVII線に対応する断面図である。
【0048】
図示された例では、回転部50は、開口部52を有する基台51と、フレーム部材2に軸線A周りの回転力を作用させる作用部53と、回転力により回転したフレーム部材2を支持する支持部材57と、を有する。作用部53は、フレーム部材2と当接する当接ローラ55を有しており、当接ローラ55でフレーム部材2の幅方向(図示された例では第2方向d2)の一側を押し上げることにより、フレーム部材2に軸線A周りの回転力を作用させる。当接ローラ55は、第3方向d3に沿って移動可能に構成されており、これにより基台51の開口部52から上方へ出没可能とされている。当接ローラ55は、第1方向d1に延びる軸線周りに回転可能である。当接ローラ55が回転可能であることにより、フレーム部材2に当接した当接ローラ55が当該フレーム部材2の側面3上で転がるので、フレーム部材2に傷が生じることを抑制することができる。なお、
図15~
図16Cでは、フレーム部材2を、当該フレーム部材2の角部近傍に位置する軸線A周りに回転させる例について説明するが、軸線Aの位置はこれに限られず任意である。
【0049】
支持部材57は、回転軸線57aを有している。支持部材57は、回転軸線57a周りの一側に(
図16A~
図16Cに示された例では時計回りに)回転することにより、基台51の上面51aから突出し、回転軸線57a周りの他側に(
図16A~
図16Cに示された例では反時計回りに)回転することにより、開口部52内に没入することができる。支持部材57は、軸線A周りに回転したフレーム部材2を支持し、当該フレーム部材2を支持したまま回転軸線57a周りに回転して、フレーム部材2を所定の角度まで回転させる。とりわけ図示された例では、支持部材57は、フレーム部材2の角部を支持する凹部59を有している。
【0050】
回転部50において軸線A周りにフレーム部材2を回転させる際には、まず、支持部材57が基台51の開口部52内に位置した状態において、回転させるべきフレーム部材2を挿入部30から回転部50へ移動させる。例えば、フレーム部材2の長手方向と直交する第2方向d2に沿って、フレーム部材2を挿入部30から回転部50へ移動させる(
図15参照)。次に、
図16Aに示されているように、支持部材57が基台51の上面51aから突出するように、支持部材57を回転軸線57a周りの一側に回転させる。これにより、凹部59におけるフレーム部材2の側面3を支持する面58aが第2方向d2及び第3方向d3の両方に対して傾斜する。次に、
図16Bに示されているように、作用部53の当接ローラ55を上方に移動させ、当接ローラ55でフレーム部材2の幅方向の一側を押し上げることにより、フレーム部材2を軸線A周りに回転させる。このとき、フレーム部材2の1つの角部が支持部材57の凹部59に接触し、当該角部が凹部59に支持される。その後、
図16Cに示されているように、支持部材57を回転軸線57a周りの他側に回転させて、支持部材57を開口部52内に没入させる。
図17によく示されているように、フレーム部材2は、基台51の上面51aで支持される。以上により、フレーム部材2は、軸線A周りに90度回転される。
【0051】
制御部60は、挿入装置20の各部分、とりわけ供給部21、挿入部30及び回転部50、の動作を制御する。制御部60は、各種の情報を表示するための図示しない表示装置及び各種の情報を入力するための入力装置を有していてもよい。
【0052】
次に、上述した挿入装置20を用いてフレーム部材2の溝部4内へナット部材10を挿入する方法について説明する。本実施の形態のナット部材10の挿入方法は、供給部21により、ナット部材10を供給する供給工程と、挿入部30により、供給工程で供給されたナット部材10をフレーム部材2の溝部4内に挿入する挿入工程と、を備える。以下、各工程について詳述する。
【0053】
(フレーム部材配置工程)
まず、ナット部材10が挿入されるべきフレーム部材2を挿入装置20の挿入部30に配置する。本実施の形態では、フレーム部材2の長手方向が第1方向d1と平行になるようにして、フレーム部材2を挿入部30に配置する。このとき、押出し機構31の本体32の先端面32aに設けられた凸部39をフレーム部材2の孔部5内に挿入するようにすることにより、フレーム部材2と本体32との位置合わせが行われる。
【0054】
(供給工程)
供給部21を用いて、ナット部材10を供給する。収容部23に収容された複数のナット部材10のうちの1つのナット部材10を、移載機構25を用いて挿入部30へ移載する。移載機構25は、ナット部材10を把持する一対の把持爪27と、把持爪27を開閉駆動させる駆動部29と、を有しており、収容部23において一対の把持爪27を閉じることによりナット部材10を把持し、当該ナット部材10を挿入部30(受容部33)へ移動させて、一対の把持爪27を開くことにより、ナット部材10を解放する。
【0055】
(挿入工程)
挿入工程は、押出し工程と、移動工程を含んでいる。まず、押出し機構31を用いて、ナット部材10を待機位置へ押出す(押出し工程)。押出し機構31は、駆動部36により駆動されることにより、ガイド部37の長手方向(本実施の形態では第1方向d1)に沿って進退移動可能に構成された押出し部材35を有している。駆動部36の駆動力により押出し部材35が進出することにより、受容部33内に位置するナット部材10が、押出し部材35に押されて、ガイド部37に沿って待機位置へ移動される(
図11B及び
図11C参照)。
【0056】
次に、移動機構40を用いて待機位置にあるナット部材10をフレーム部材2の溝部4内の所定の位置に移動させる(移動工程)。まず、
図13A及び
図13Bに示されているように、移動機構40の爪部材44の先端部を、接触部46が待機位置にあるナット部材10と対面するようにして、当該ナット部材10に対してフレーム部材2と反対側のガイド部37内に進入させる。次に、
図14A及び
図14Bに示されているように、軸部材42を第1方向d1に沿って所定の位置まで移動させて停止させる。これにより、ナット部材10は、接触部46に押されて待機位置から溝部4内へ移動され所定の位置で停止する。
【0057】
なお、供給工程及び挿入工程を繰り返すことにより、1つの溝部4内に複数のナット部材10を配置することも可能である。この場合、溝部4内に配置される複数のナット部材10は、押出し機構31から最も遠くに配置されるべきナット部材10から、押出し機構31の最も近くに配置されるべきナット部材10へ、順に挿入されることが好ましい。
【0058】
(回転工程)
フレーム部材2の他の側面3に設けられた溝部4に、さらにナット部材10を挿入する場合には、当該ナット部材10が挿入されるべき溝部4が上方を向くように、フレーム部材2を回転させる。とりわけ、本実施の形態では、フレーム部材2の長手方向に平行な軸線A周りにフレーム部材2を回転させる。
【0059】
まず、支持部材57が基台51の開口部52内に位置した状態において、回転させるべきフレーム部材2を挿入部30から回転部50へ移動させる。次に、支持部材57が基台51の上面51aから突出するように、支持部材57を回転軸線57a周りの一側に回転させる(
図16A参照)。これにより、凹部59におけるフレーム部材2の側面3を支持する面58aが第2方向d2及び第3方向d3の両方に対して傾斜する。例えば、面58aが、第2方向d2及び第3方向d3の両方に対して45度の角度を有するように傾斜する。次に、作用部53の当接ローラ55を上方に移動させ、当接ローラ55でフレーム部材2の幅方向の一側を押し上げることにより、フレーム部材2を軸線A周りに回転させる(
図16B参照)。このとき、フレーム部材2の1つの角部が支持部材57の凹部59に接触し、当該角部が凹部59に支持される。その後、支持部材57を回転軸線57a周りの他側に回転させて、支持部材57を開口部52内に没入させるとともに、当接ローラ55を下方に移動させて開口部52内に没入させる(
図16C参照)。これにより、フレーム部材2は、基台51の上面51aで支持される(
図17参照)。以上により、フレーム部材2は、軸線A周りに90度回転される。その後、回転したフレーム部材2を、回転部50から挿入部30へ移動させる。
【0060】
その後、当該フレーム部材2についてフレーム部材配置工程、供給工程及び挿入工程、並びに、必要に応じて回転工程を行う。
【0061】
本実施の形態の挿入装置20は、フレーム部材2の溝部4内にナット部材10を挿入する挿入装置20であって、ナット部材10を供給する供給部21と、供給部21から供給されたナット部材10を溝部4内に挿入する挿入部30と、を備える。
【0062】
本実施の形態の挿入方法は、供給部21と挿入部30とを備えた挿入装置20を用いた、フレーム部材2の溝部4内へのナット部材10の挿入方法であって、供給部21により、ナット部材10を供給する供給工程と、挿入部30により、供給工程で供給されたナット部材10を溝部4内に挿入する挿入工程と、を備える。
【0063】
このような挿入装置20及び挿入方法によれば、供給部21と挿入部30とを備えた挿入装置20を用いることにより、フレーム部材2の溝部4内へのナット部材10の挿入作業にかかる手間及び時間を効果的に削減することができる。すなわち、フレーム部材2の溝部4内にナット部材10を挿入する作業を効率化することが可能になる。
【0064】
本実施の形態の挿入装置20では、供給部21は、複数のナット部材10を収容可能な収容部23と、収容部23から挿入部30へナット部材10を移載する移載機構25と、を有する。
【0065】
このような挿入装置20によれば、挿入部30へのナット部材10の供給を効率化することができる。
【0066】
本実施の形態の挿入装置20では、挿入部30は、ナット部材10を溝部4へ向けて押出す押出し機構31と、押出し機構31により押出されたナット部材10を、フレーム部材2の長手方向に沿って移動させて溝部4内に配置する移動機構40と、を有する。
【0067】
このような挿入装置20によれば、溝部4内へのナット部材10の挿入作業を効率化することができる。
【0068】
本実施の形態の挿入装置20では、押出し機構31は、ナット部材10を受容する受容部33と、受容部33に受容されたナット部材10を押出す押出し部材35と、押出し部材35で押出されたナット部材10を溝部4へ向けてガイドするガイド部37と、を有する。
【0069】
このような挿入装置20によれば、溝部4内へナット部材10を安定して挿入することができる。
【0070】
本実施の形態の挿入装置20では、押出し機構31は、押出し部材35により押出されたナット部材10を、ガイド部37内へ誘導する誘導ローラ38を有する。
【0071】
このような挿入装置20によれば、溝部4内へナット部材10をさらに安定して挿入することができる。
【0072】
本実施の形態の挿入装置20では、移動機構40は、溝部4内に進入可能に構成され、押出し機構31により押出されたナット部材10に接触してナット部材10を溝部4内に移動させる接触部46を有する。
【0073】
このような挿入装置20によれば、ナット部材10を溝部4内の所望の位置へ正確に移動させることができる。
【0074】
本実施の形態の挿入装置20は、フレーム部材2の長手方向に平行な軸線A周りにフレーム部材2を回転させる回転部50を有する。
【0075】
このような挿入装置20によれば、フレーム部材2を回転させることにより、当該フレーム部材2の他の側面3に設けられた溝部4に、さらにナット部材10を挿入することが可能になる。したがって、溝部4内にナット部材10を挿入する作業をさらに効率化することができる。
【0076】
本実施の形態の挿入装置20では、回転部50は、フレーム部材2に軸線A周りの回転力を作用させる作用部53と、回転力により回転したフレーム部材2を支持する支持部材57と、を有する。
【0077】
このような挿入装置20によれば、フレーム部材2回転させる作業を効率化することができる。
【0078】
本実施の形態の挿入装置20では、作用部53は、フレーム部材2の幅方向の一側を押し上げる。
【0079】
本実施の形態の挿入装置20では、作用部53は、フレーム部材2と当接する当接ローラ55を有する。
【0080】
このような挿入装置20によれば、簡単な構成により、フレーム部材2に軸線A周りの回転力を作用させることができる。
【0081】
本実施の形態の挿入装置20では、支持部材57は、回転軸線57aを有し、支持部材57は、回転力により回転したフレーム部材2を支持し、フレーム部材2を支持したまま回転軸線57a周りに回転して、フレーム部材2を所定の角度まで回転させる。
【0082】
このような挿入装置20によれば、支持部材57が、フレーム部材2を支持したまま回転軸線57a周りに回転するので、フレーム部材2の自重により当該フレーム部材2の回転速度が増加し、フレーム部材2の側面3が基台51の上面51aに衝突することを抑制することができる。したがって、フレーム部材2の側面3の衝突によりフレーム部材2に変形が生じることを効果的に抑制することができる。
【0083】
本実施の形態の挿入装置20では、支持部材57は、フレーム部材2の角部を支持する凹部59を有する。
【0084】
このような挿入装置20によれば、凹部59により、フレーム部材2を安定して支持することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 フレーム構造体
2 フレーム部材
3 側面
4 溝部
6 ブラケット
10 ナット部材
12 ナット本体
14 突出部
18 滑り止め部材
20 挿入装置
21 供給部
23 収容部
25 移載機構
30 挿入部
31 押出し機構
33 受容部
35 押出し部材
37 ガイド部
38 誘導ローラ
40 移動機構
42 軸部材
44 爪部材
46 接触部
50 回転部
51 基台
53 作用部
55 当接ローラ
57 支持部材
59 凹部
60 制御部