(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】自律神経機能評価装置及び自律神経機能評価プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/352 20210101AFI20230705BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
A61B5/352 100
A61B5/16 100
(21)【出願番号】P 2019211767
(22)【出願日】2019-11-22
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】516269216
【氏名又は名称】株式会社BDASH
(74)【代理人】
【識別番号】100134706
【氏名又は名称】中山 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】有城 正彦
(72)【発明者】
【氏名】日浦 公彰
(72)【発明者】
【氏名】後小路 美佳
【審査官】山口 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-264138(JP,A)
【文献】特開2009-22610(JP,A)
【文献】特開2009-95552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/346
A61B 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心拍間隔データに基づいて第1ウェーブレット変換処理で得られるLF/HFの時系列波形データについて、周期の第1基本値を記憶する基本値記憶部と、
得られたLF/HFの時系列波形データに対して第2ウェーブレット変換処理を行うことにより求められた周期毎のエネルギの中から、最もエネルギが大きい周期を周期の中心値として特定する特定部と、
前記第1基本値と前記周期の中心値との相違度に基づいて、自律神経機能を評価する評価部と、
を備える自律神経機能評価装置。
【請求項2】
前記基本値記憶部は、心拍間隔データに基づいて第1ウェーブレット変換処理で得られるLF/HFの時系列波形データについて、振幅の中心値を第2基本値として記憶し、
前記特定部は、得られたLF/HFの時系列波形データの振幅の平均値を特定し、
前記評価部は、前記第2基本値と前記振幅の平均値との相違度に基づいて、自律神経機能を評価する請求項1に記載の自律神経機能評価装置。
【請求項3】
前記基本値記憶部は、心拍間隔データに基づいて第1ウェーブレット変換処理で得られるLF/HFの時系列波形データについて、振幅を第3基本値として記憶し、
前記特定部は、得られたLF/HFの時系列波形データの振幅を特定し、
前記評価部は、前記第3基本値と前記振幅との相違度に基づいて、自律神経機能を評価する請求項1に記載の自律神経機能評価装置。
【請求項4】
前記評価部で得られた評価結果の画像を生成する画像生成部を、さらに備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自律神経機能評価装置。
【請求項5】
心拍間隔データに基づいて第1ウェーブレット変換処理で得られるLF/HFの時系列波形データについて、周期の第1基本値を記憶させる基本値記憶ステップと、
得られたLF/HFの時系列波形データに対して第2ウェーブレット変換処理を行うことにより求められた周期毎のエネルギの中から、最もエネルギが大きい周期を周期の中心値として特定する特定ステップと、
前記第1基本値と前記周期の中心値との相違度に基づいて、自律神経機能を評価する評価ステップと
を、コンピュータに実行させる自律神経機能評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律神経機能評価装置及び自律神経機能評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓の機能は、交感神経と副交感神経とによって拮抗的に制御されており、心拍間隔(RRI,R-R Interval)は絶えず変動している。時系列の心拍間隔データで構成された心拍間隔の変動情報を周波数解析すると、0.15Hzを境界として2つの主要な周波数成分が確認できる。一方は低周波数(LF)成分と呼ばれる概ね0.05Hz以上0.15Hz以下の周波数成分であり、主に交感神経及び副交感神経の活動状態を反映している。他方は高周波数(HF)成分と呼ばれる概ね0.15Hz以上0.45Hz以下の周波数成分であり、主に副交感神経の活動状態を反映している。これら各周波数成分は自立神経の状態を反映しているため、そのスペクトルのパワーが自律神経の機能状況を示す指標として自律神経機能評価などに利用されている。
【0003】
自律神経機能評価は、交感神経と副交感神経との状態のバランスを例えば大きく4つに分類して行われる。つまり、交感神経と副交感神経とのパワーの高低などの直流成分の諸条件で評価がなされており、4つの分類とは、以下の(1)~(4)である。
(1)交感神経と副交感神経とのパワーがともに高い。
(2)交感神経のパワーが高く、副交感神経のパワーが極度に低い。
(3)交感神経のパワーが低く、副交感神経のパワーが極度に高い。
(4)交感神経と副交感神経とのパワーがともに低い
【0004】
心拍間隔の変動情報の周波数解析に、高速フーリエ変換(FFT,Fast Fourier Ttransform)を用いる手法がある。しかし、フーリエ変換では、知られているとおり、時間と周波数との両方のファクタに関わる精度をともには上げられないという欠点がある。また、周波数解析に関しては、高周波成分のエネルギを得るために測定時間を短くしなければならない。逆に低周波成分のエネルギを得るには、測定時間を長くしないと1周期分が得られないという問題がある。このように、フーリエ変換は、時間のファクタに関わる精度、すなわち時間領域を犠牲にした手法といえる。また、脈飛びが起きた場合は、変則的なデータとなりうるため正しく周波数変換ができず、脈飛びがあった時点から前後20秒程度に計算誤差が生ずる。さらに、フーリエ変換では、測定時間毎の自律神経指標が得られないから、概ね30秒以上の測定が必要となる。フーリエ変換では、このように一定時間の測定が終了した後、測定した瞬時の周波数分析ができず、また、それら経時的測定結果である全体の数値を平均化して表すから時間的な変動を確認できない。フーリエ変換を用いた手法の場合には、時間的な自律神経の変動の数を数えたものを基本にして個人の自律神経を評価することになる。そのため、職業や生活習慣、環境など個々人の特性に応じた自律神経の評価ができない。
【0005】
そこで、心拍間隔の変動情報の周波数解析に、ウェーブレット変換を用いる手法が例えば特許文献1に提案されている。ウェーブレット変換は、対象とする時系列のデータが非定常状態である場合の解析に適しているからである。特許文献1の手法では、生体信号時系列データを、複素数ウェーブレット変換により、1または複数の周波数帯域の複素数のウェーブレット係数に分割している。そして、分割により得られた複素数のウェーブレット係数の絶対値を2乗してパワーを算出し、生体信号に含まれている周波数成分のパワーの時間的変動を求めている。
【0006】
また、特許文献2には、心拍間隔の変動情報に対するウェーブレット変換処理により、前述のLF成分とHF成分を求め、これに基づいてリラックス度を算出する手法が記載されている。特許文献2の手法は、ウェーブレット変換処理された脈波解析データに、周波数補正をかけて脈波補正データとし、各周波数時間領域で比較し、脈象を示す脈象データを求めている。
【0007】
また、特許文献3には、心拍間隔の変動情報に含まれる周波数成分のパワーを高い時間分解能で求める手法が提案されている。特許文献3の手法では、不等間隔である心拍間隔の間を補完して等間隔のデータを生成し、この等間隔のデータにウェーブレット変換処理を施し、複数の周波数帯域のウェーブレット帯域に分割している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2000-296118号公報
【文献】特開平10-248819号公報
【文献】特開平11-128185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1~3に記載される手法では、ウェーブレット変換処理で周波数解析したデータから自律神経機能を評価するためには、解析データを分析する専門的な知識が必要とされ、自律神経機能の状態を簡易に把握することはできない。
【0010】
そこで、本発明は、ウェーブレット変換処理で周波数解析したデータから、自律神経機能の状態を簡易に把握する自律神経機能評価装置、及び自律神経機能評価プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の自律神経機能評価装置は、基本値記憶部と、特定部と、評価部とを備える。基本値記憶部は、心拍間隔データに基づいて第1ウェーブレット変換処理で得られるLF/HFの時系列波形データについて、周期の第1基本値を記憶する。特定部は、得られたLF/HFの時系列波形データに対して第2ウェーブレット変換処理を行うことにより求められた周期毎のエネルギの中から、最もエネルギが大きい周期を周期の中心値として特定する。評価部は、第1基本値と周期の中心値との相違度に基づいて、自律神経機能を評価する。
【0012】
基本値記憶部は、心拍間隔データに基づいて第1ウェーブレット変換処理で得られるLF/HFの時系列波形データについて、振幅の中心値を第2基本値として記憶し、特定部は、得られたLF/HFの時系列波形データの振幅の平均値を特定し、評価部は、第2基本値と上記振幅の平均値との相違度に基づいて、自律神経機能を評価することが好ましい。
【0013】
基本値記憶部は、心拍間隔データに基づいて第1ウェーブレット変換処理で得られるLF/HFの時系列波形データについて、振幅を第3基本値として記憶し、特定部は、得られたLF/HFの時系列波形データの振幅を特定し、評価部は、第3基本値と振幅との相違度に基づいて、自律神経機能を評価することが好ましい。
【0014】
評価部で得られた評価結果の画像を生成する画像生成部を、さらに備えることが好ましい。
【0015】
本発明の自律神経機能評価プログラムは、基本値記憶ステップと、特定ステップと、評価ステップとを、コンピュータに実行させる。基本値記憶ステップは、心拍間隔データに基づいて第1ウェーブレット変換処理で得られるLF/HFの時系列波形データについて、周期の第1基本値を記憶させる。特定ステップは、得られたLF/HFの時系列波形データに対して第2ウェーブレット変換処理を行うことにより求められた周期毎のエネルギの中から、最もエネルギが大きい周期を周期の中心値として特定する。評価ステップは、第1基本値と周期の中心値との相違度に基づいて、自律神経機能を評価する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ウェーブレット変換処理で周波数解析したデータから、自律神経機能の状態を、簡易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態である自律神経機能評価装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】LF/HFの時系列データの一例を示すグラフである。
【
図5】LFとHFとの各パワー、及び、LF/HFの時系列データのグラフである。
【
図8】第1基準値を用いた自律神経機能の評価方法の説明図である。
【
図9】第2基準値を用いた自律神経機能の評価方法の説明図である。
【
図10】第3基準値を用いた自律神経機能の評価方法の説明図である。
【
図14】自律神経機能評価装置の電気的構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示す自律神経機能評価装置(以下、単に「評価装置」と称する)10は、本発明の実施形態の一例である。評価装置10は、LF/HFの時系列波形データ(
図2参照)を用いて、自律神経機能を評価するためのものである。LF/HFの時系列波形データは、心拍間隔データに基づいて第1ウェーブレット(以下、「WLと記載する」)変換処理で得られる。
図1においては、第1WL変換処理を行う第1WL変換処理部に符号13を付している。
【0019】
LF/HFの時系列波形データは、ウェーブレット変換処理を用いた公知の方法で得ることができ、例えば下記の方法で得られる。まず、耳たぶや指先等に装着して心拍(脈波)を検出する心拍検出センサを用いて心拍を検出し、その心拍データ(
図3参照)に基づき心拍間隔(以下、RRIと称する)を求めることにより、RRIデータ(
図4参照)が得られる。心拍データはタイムスタンプによる時間情報を含んでおり、これにより、RRIデータを構成するRRI値(RRI1,RRI2,RRI3,・・・)が次々と求められるようになっている。心拍検出センサ及びRRIデータを生成する装置は、公知のものを用いてよく、市販品でもよい。第1WL変換処理は、得られたRRIデータに対して周波数解析を行う。これにより、低周波数(以下、LFと称する)領域の成分(LF成分)と高周波数(以下、HFと称する)領域の成分(HF成分)との各パワーを求める(
図5参照)。
図5の破線はLF成分のパワーのグラフ、実線はHF成分のパワーのグラフである。本例の第1WL変換処理部13は、LF成分とHF成分とのパワーの比(LF/HFで算出され、以下、LF/HFと称する)を求めるように構成されており、第1WL変換処理部13によってLF/HFを求めている。
図5の二点鎖線はLF/HFを示す。
【0020】
LF成分とHF成分との各パワーは時系列データとして求められ、グラフ化した場合には
図5に示すように時系列波形データとなる。そのため、LF/HFも時系列データとして得られ、グラフ化した場合には
図5に示すように時系列波形データとなる。なお、LF領域は、0.04Hz以上0.15Hz以下の周波数領域、HF領域は0.15Hz以上0.4Hz以下の周波数領域としているが、LF領域とHF領域との各下限値及び各上限値はこれらに限定されない。例えば、本例では、後述の入力部17により、LF領域とHF領域との各下限値及び各上限値を再設定できるようにしており、これにより、例えば研究用や医療診断用として、より高度な解析や評価ができるようになっている。
【0021】
評価装置10は、評価ユニット16と、入力部17と、出力部18とを備える。評価ユニット16はLF/HFの時系列波形データに基づいて自律神経機能を評価する評価装置本体である。入力部17は評価ユニット16に対して各種の設定や処理実行の指示等の入力を行い、出力部18は評価ユニット16で得られた評価結果や、入力部17で行う入力操作の案内などを出力する。
【0022】
評価ユニット16は、制御部20と、基本値記憶部21と、特定部22と、評価部23とを備える。評価ユニット16は、LF/HFデータ記憶部26と、第2WL変換処理部27と、画像生成部28とを備えることが好ましく、本例でもそのようにしている。
【0023】
評価装置10は、コンピュータで構成されており、ハードディスクなどの記憶部(図示無し)に記憶されたプログラム(自律神経機能評価プログラム)を実行することにより、評価ユニット16の制御部20,基本値記憶部21,特定部22,評価部23,LF/HFデータ記憶部26,第2WL変換処理部27,画像生成部28、入力部17、出力部18などとして機能する。なお、評価装置10の電気的構成は別の図面を用いて後述する。
【0024】
制御部20は、評価ユニット16の各部を統括的に制御する。
【0025】
基本値記憶部21は、LF/HFの時系列波形データについて、周期の基本値(第1基本値)を記憶する。第1基本値と、後述の第2基本値及び第3基本値とは、心身ともに健康なヒトを被評価者として想定した場合の仮想の値であり、すなわち、理想としたLF/HFの時系列波形データ(以下、理想波形データと称する)における仮想値である。理想波形データは、
図6に示すように、周期T、振幅の中心値Ac、振幅Aが、それぞれ概ね一定の波形として想定したものである。第1基本値は、理想波形データの周期Tである。なお、周波数は周期の逆数であるから、周波数の設定を周期Tの設定とみなしてもよい。
【0026】
第1基本値は、自律神経機能評価プログラムにおいて予め設定されていてもよいし、例えば入力部17での入力により設定されてもよい。自律神経機能評価プログラムにデフォルト(初期値)を設定し、入力部17での入力により再設定可能としてもよい。本例は、第1基準値を100秒に設定した場合として説明する。
【0027】
特定部22は、得られたLF/HFの時系列波形データに対して第2WL変換処理を行うことにより求められた周期毎のエネルギの中から、最もエネルギが大きい周期を周期の中心値として特定する。具体的には、被評価者の実測データである心拍データを基に
図2に示すようなLF/HFの時系列波形データ(以下、実測波形データと称する)が求められた場合において、この実測波形データに対して第2WL変換処理を行うことにより、周期毎のエネルギが求められる。周期を横軸、エネルギを縦軸に、周期毎のエネルギをグラフ化すると、例えば
図7のような山形のグラフになる。特定部22は、これらの周期毎のエネルギのうち最も大きいエネルギを示す周期を、周期の中心値として特定する。
図7に示す例は、周期が110秒でエネルギが最大になった場合としており、この「110秒」を周期の中心値とする。なお、周期の代わりに、周期の逆数である周波数を用いてもよい。すなわち、周波数毎のエネルギを求め、エネルギが最も大きい周波数を、周波数の中心値として特定し、この特定を、周期の中心値の特定とみなしてもよい。
【0028】
本例では、第2WL変換処理部27に供する実測波形データは、LF/HFデータ記憶部26に記憶している。LF/HFデータ記憶部26は、第1WL変換処理部13と接続(電気的に接続)しており、第1WL変換処理部13により得られたLF/HFの時系列データを記憶している。すなわち、被評価者の実測データである心拍データから求めたRRIデータに基づき、第1WL変換処理部13はLF成分とHF成分とLF/HFとの各時系列データを求め、これらの時系列データがLF/HFデータ記憶部26に記憶されている。LF/HFの時系列データは、グラフ化した場合に波形のデータとなるから、LF/HFの時系列データを記憶していれば、グラフの生成と生成したグラフの記憶とを実際には行っていなくても、実測波形データを記憶したものとみなしてよい。
【0029】
LF/HFデータ記憶部26は、実測波形データとしてのLF/HFの時系列データに加えて、第1WL変換処理部13で得られたLF成分とHF成分との各パワーの時系列データを記憶していてもよい。なお、第1WL変換処理部13は、LF/HFデータ記憶部26と接続していなくてもよい。その場合には、例えば、第1WL変換処理部13で求めた実測波形データとしてのLF/HFの時系列データを、例えば入力部17により入力し、制御部20を介してLF/HFデータ記憶部26へ記憶すればよい。
【0030】
評価部23は、第1基本値と特定部22で特定した周期の中心値との相違度に基づいて、自律神経機能を評価する。具体的には、第1基本値と周期の中心値との相違度と、自律神経機能の評価の点数とを関連付けた評価用の第1基準データBD1(
図8参照)を生成して、記憶しておく。なお、この例では、入力部17からの自律神経機能評価の指示の入力に第2WL変換処理部27が応答して第2WL変換処理を行い、特定部22による特定処理、評価部23による評価処理を行っているものとしている。しかし、この例に限られず、例えば、入力部17における自律神経機能評価の指示の入力に評価部23が応答して、評価部23が制御部20を介して第2WL変換処理の実行要求を第2WL変換処理部27に送り、その実行要求を受けて第2WL変換処理部27が第2WL変換処理を行い、特定部22による特定処理、評価部23による評価処理と続く構成及び作用でもよい。
【0031】
第1基準データBD1は、自律神経機能評価プログラムにおいてデフォルトとして予め設定されていてもよいし、入力部17の入力により、例えば制御部20の制御の下、評価部23で再設定可能としてもよい。なお、第1基準データBD1は基本値記憶部21に記憶してもよいし、基本値記憶部21と異なる記憶部(図示無し)をさらに設けてその記憶部に記憶してもよい。ここでは基本値記憶部21に第1基準データBD1を記憶しているものとする。
【0032】
第1基準データBD1における点数の最低点(最も悪い評価の点数)と最高点(最も良い評価の点数)とは適宜設定すればよく、本例では
図8に示すように最低点を0(ゼロ)点、最高点を100点としている。第1基準データBD1は、第1基本値に対して最高点を関連付け、第1基本値よりも小さい側と大きい側とのそれぞれに離れた周期ほど、低い点数を関連付ける。第1基準値を100秒としている本例の場合には、100秒の周期Tに100点を関連付け、周期25秒と周期400秒とをそれぞれ0点とし、100秒から25秒と400秒とのそれぞれに向かうほど点数を連続的に漸減させている。
【0033】
第1基本値と特定部22で特定した周期の中心値との相違度(以下、第1相違度と称する)DD1は、周期の中心値の第1基本値との差の絶対値であり、第1基準データBD1に基づいて、特定部22で特定した周期の中心値の点数を求めることができる。例えば、周期の中心値(
図8において符号MV1を付してある)を110秒と特定した本例では、
図8に示すように、自律神経機能の点数は概ね93点と評価される。なお、
図8においては、評価として求められた点数には符号EV1を付してある。
【0034】
このように、本例の構成によると、自律神経機能は第1相違度DD1に基づいて評価される。このため、被評価者の自律神経機能の状態を、簡易に把握することができる。第1相違度DD1に基づいて評価される自律神経機能を、以下、第1自律神経機能と称する。
【0035】
第1基準データBD1について、第1基本値から第1基本値よりも小さい側において最低点を関連付ける周期までの範囲R1と、第1基本値から第1基本値よりも大きい側において最低点を関連付ける周期までの範囲R2とは、互いに異なっていてもよい。例えば本例では、具体的には範囲R2を範囲R1より大きく設定しており、範囲R1は100秒から25(=100×2-2)秒までの300秒とし、範囲R2は100秒から400(=100×22)秒までの300秒としてある。これにより、第1基本値よりも小さい側と大きい側との評価結果がよりバランスがとれたものとして得られる。
【0036】
図1に示す基本値記憶部21は、理想波形データについて、振幅の中心値を第2基本値として記憶することが好ましく、本例でもそのようにしている。第2基本値は、理想波形データの振幅Aの中心値Ac(
図6参照)である。
【0037】
第2基本値は、自律神経機能評価プログラムにおいて予め設定されていてもよいし、例えば入力部17での入力により設定されてもよい。自律神経機能評価プログラムにデフォルト(初期値)を設定し、入力部17での入力により再設定可能としてもよい。本例は、第2基本値を1(つまり、LF/HF=1)に設定した場合として説明する。
【0038】
特定部22は、実測波形データの振幅の平均値を特定する。例えば本例では、特定部22は、入力部17での入力に応答して、制御部20の制御の下、LF/HFデータ記憶部26から実測波形データを読み出し、振幅の平均値を特定する。振幅の平均値は、例えば、実測波形データを構成するすべてのLF/HFの値の平均値である。ここでは、すべてのLF/HFの値の平均値を振幅の平均値として求め、0.7と特定されたものとして説明する。
【0039】
評価部23は、第2基本値と特定部22で特定した振幅の平均値との相違度に基づいて、自律神経機能を評価することが好ましく、本例でもそのようにしている。具体的には、第2基本値と振幅の平均値との相違度と、自律神経機能の評価の点数とを関連付けた評価用の第2基準データBD2(
図9参照)を生成して、記憶しておく。第2基準データBD2は、自律神経機能評価プログラムにおいてデフォルトとして予め設定されていてもよいし、入力部17の入力により、例えば制御部20の制御の下、評価部23で再設定可能としてもよい。なお、第2基準データBD2は基本値記憶部21に記憶してもよいし、基本値記憶部21と異なる記憶部(図示無し)をさらに設けてその記憶部に記憶してもよい。ここでは基本値記憶部21に第2基準データBD2を記憶しているものとする。
【0040】
第2基準データBD2における点数の最低点(最も悪い評価の点数)と最高点(最も良い評価の点数)とは適宜設定すればよく、本例では
図9に示すように最低点を0(ゼロ)点、最高点を100点としている。第2基準データBD2は、第2基本値に対して最高点を関連付け、第2基本値よりも小さい側と大きい側とのそれぞれに離れた振幅の平均値ほど、低い点数を関連付ける。第2基準値を1としている本例の場合には、この1に対して100点を関連付け、0と2とをそれぞれ0点とし、1から0と2とのそれぞれに向かうほど点数を連続的に漸減させている。
【0041】
第2基本値と特定部22で特定した振幅の平均値との第2相違度DD2は、振幅の平均値の第2基本値との差の絶対値であり、第2基準データBD2に基づいて、特定部22で特定した振幅の平均値の点数を求めることができる。例えば、振幅の平均値(
図9において符号MV2を付してある)を0.7と特定した本例では、
図9に示すように、自律神経機能の点数は概ね70点と評価される。なお、
図9においては、評価として求めた点数には符号EV2を付してある。
【0042】
このように、本例の構成によると、自律神経機能は、第1相違度DD1に加えて第2相違度DD2に基づいて評価される。このため、被評価者の自律神経機能の状態を、簡易、かつ、より詳細に、知ることができる。第2相違度DD2に基づいて評価される自律神経機能を、以下、第2自律神経機能と称する。
【0043】
図1に示す基本値記憶部21は、理想波形データについて、振幅A(
図6参照)を第3基本値として記憶することが好ましく、本例でもそのようにしている。第3基本値は、理想波形データの振幅Aである。
【0044】
第3基本値は、自律神経機能評価プログラムにおいて予め設定されていてもよいし、例えば入力部17での入力により設定されてもよい。自律神経機能評価プログラムにデフォルト(初期値)を設定し、入力部17での入力により再設定可能としてもよい。本例は、第3基本値を1.2に設定した場合として説明する。
【0045】
特定部22は、実測波形データの振幅を特定する。例えば本例では、特定部22は、入力部17での入力に応答して、制御部20の制御の下、LF/HFデータ記憶部26から実測波形データを読み出し、振幅を特定する。振幅は、実測波形データを構成するすべてのLF/HFの値の中から最大値と最小値とを特定し、最大値から最小値を減算した値でもよいし、ガウス分布で平均的に80%など閾値を使って求めてもよい。本例では、基本的には(最大値)-(最小値)で求めている。ただし、明らかな測定誤差を排除するために、データ全体の標準偏差(平均値等でもよい)とを予め求め、標準偏差よりも大きな値または小さな値があったときは、その値やその値の近傍の値は選択しないようにしてもよい。ちなみに(最大値)-(最小値)は、得られたデータを微分し、傾きが0になる点で求めている。
【0046】
評価部23は、第3基本値と特定部22で特定した振幅との相違度に基づいて、自律神経機能を評価することが好ましく、本例でもそのようにしている。具体的には、第3基本値と振幅との相違度と、自律神経機能の評価の点数とを関連付けた評価用の第3基準データBD3(
図10参照)を生成して、記憶しておく。第3基準データBD3は、自律神経機能評価プログラムにおいてデフォルトとして予め設定されていてもよいし、入力部17の入力により、例えば制御部20の制御の下、評価部23で再設定可能としてもよい。なお、第3基準データBD3は基本値記憶部21に記憶してもよいし、基本値記憶部21と異なる記憶部(図示無し)をさらに設けてその記憶部に記憶してもよい。ここでは基本値記憶部21に第3基準データBD3を記憶しているものとする。
【0047】
第3基準データBD3における点数の最低点(最も悪い評価の点数)と最高点(最も良い評価の点数)とは適宜設定すればよく、本例では
図10に示すように最低点を0(ゼロ)点、最高点を100点としている。第3基準データBD3は、第3基本値に対して最高点を関連付け、第3基本値よりも小さい側と大きい側とのそれぞれに離れた振幅ほど、低い点数を関連付ける。第3基準値を1.2としている本例の場合には、この1.2に対して100点を関連付け、0と2とをそれぞれ0点とし、1.2から0と2とのそれぞれに向かうほど点数を連続的に漸減させている。
【0048】
第3基本値と特定部22で特定した振幅との第3相違度DD3は、振幅の第3基本値との差の絶対値であり、第3基準データBD3に基づいて、特定部22で特定した振幅の点数を求めることができる。なお、振幅は
図10において符号MV3を付してあり、本例で求めた自律神経機能の点数には符号EV3を付してある。
【0049】
このように、本例の構成によると、自律神経機能は、第1相違度DD1に加えて第3相違度DD3に基づいて評価される。このため、被評価者の自律神経機能の状態を、簡易、かつ、より詳細に知ることができる。第3相違度DD3に基づいて評価される自律神経機能を、以下、第3自律神経機能と称する。
【0050】
図1に示す画像生成部28は、評価部23で得られた評価結果の画像を生成し、生成した画像を出力部18に出力、すなわち、出力部18としてのディスプレイに表示させる。生成する画像は、第1相違度DD1(
図8)に基づいて得られた評価結果と、第2相違度DD2(
図9参照)に基づいて得られた評価結果と、第3相違度DD3(
図10)に基づいて得られた評価結果との各々を個別に示す画像であってもよいし、これらの評価結果に基づいて1つの評価結果にした画像であってもよい。この例ではこれらのうち後者としており、例えば
図11に示すように、円形のグラフを画像G11として生成している。画像G11のグラフは、交感神経の切り替え周期を横軸とし、交感神経の働きの強さを縦軸としている。横軸は、紙面右側に向かうほど切替周期が短い(切り替えが早い)ことを意味し、左側に向かうほど切替周期が長い(切り替えが遅い)ことを意味する。また、縦軸は、紙面上方に向かうほど交感神経の働きが強いことを意味し、下方に向かうほど交感神経の働きが弱いことを意味する。
【0051】
このグラフにおいて、自律神経機能が理想に近い場合ほど、原点0(ゼロ)に近い位置に、評価結果としての点Pが表示される。理想波形データと同じ実測波形データが得られた場合、すなわち、第1及び第2自律神経機能の評価結果が満点(本例では100点)であった場合には、このグラフにおいて原点0に評価結果としての点Pが表示される。これに対して、第1及び第2自律神経機能評価のいずれかひとつが0点であった場合には、
図11に示すように、最外郭の円周上に点Pが表示される。第1及び第2自律神経機能評価のうち、第1自律神経機能の評価結果のみが満点(100)未満である場合には、第1律神経機能の点数が低く、かつ、設定した基準値よりも低い場合には左方向へ、設定した基準値よりも高い場合には右方向へ、それぞれ原点から離れて、点Pが表示される。また、第1及び第2自律神経機能評価のうち、第2自律神経機能の評価結果のみが満点(100)未満である場合には、第2自神経機能の点数が低く、かつ、設定した基準値よりも低い場合には下方向へ、設定した基準値よりも高い場合には上方向へ原点から離れて、点Pが表示される。なお、第3自律神経機能の評価結果は、例えば、
図11に示す円形グラフを三次元化することにより示すことができる。例えば、
図11に示すグラフの原点0を通り、紙面手前側に延びる軸(図示無し)を、第3自律神経機能の評価結果を示す軸として生成する。そして、第3自律神経機能の評価結果が満点(100)の場合には点Pは縦軸と横軸とで設定された
図11の紙面に表示され、第3自律神経機能の点数が低いほど、紙面から手前方向に離れて、点Pが表示される。
【0052】
この例の画像生成部28は、画像G11の他に、実測波形データ(LF/HFの時系列波形データ)と、実測波形データの基としたLF成分及びHF成分の各パワーの時系列波形データとを表示したグラフ(
図5参照)を、画像G12(
図12参照)として生成し、出力部18としてのディスプレイに表示させている。画像G12は、画像G11と同じ画面上に表示してもよいし、画像G11と切り替えて表示してもよい。本例では、画像G12を画像G11と同じ画面上に表示させている。
【0053】
この例の画像生成部28は、画像G11の他に、特定の時間における周波数解析結果のグラフを、画像G13(
図13参照)として生成し、出力部18としてのディスプレイに表示させている。「特定の時間」は、入力部17による入力により指定することができる。このグラフは、縦軸がパワー、横軸が周波数(単位はHz)となっており、LF成分の積算値と、HF成分の積算値とが示されている。
図13において、斜線のハッチング部分はLF成分の積算値、ドットのハッチング部分はHFの積算値である。画像G13は、画像G11と同じ画面上に表示してもよいし、画像G11と切り替えて表示してもよい。本例では、画像G13を画像G11及び画像G12と同じ画面上に表示させている。
【0054】
第1WL変換処理及び第2WL変換処理に用いるマザーウェーブレットは、特に限定されない。マザーウェーブレットとして例えばガウス関数(正規分布)を用いる場合には、ピーク値から離れるに従って値が0に近づくため、一定値になるまでを計算対象の範囲とすることが、計算量を削減できる観点で好ましい。例えば、正規分布の最小値が0.01になるまでを計算対象の範囲とする。ここで、ガウス関数の値を配列に格納し、上記最小値までの範囲を算出する。WL変換は測定対象となるデータとマザーウェーブレットのスケールを拡大または縮小し、平行移動したものとの畳み込み計算を行うため、上記のように、計算対象の範囲を予め求めておくことで畳み込み計算量が大幅に削減される。
【0055】
第1WL変換処理及び第2WL変換処理の演算は、公知のWL変換の式を用いて行うことができ、本例ではgaborをマザーウェーブレット(Ψ)として実装している(下記数1参照)。他のマザーウェーブレットでも周波数解析の結果は異なるが、同様の作用効果がえられる。
【0056】
【0057】
第1WL変換処理及び第2WL変換処理において、数1における各記号の意味は下記の通りである。
a(単位;秒):周波数の逆数
b(単位;秒):シフト
t(単位;秒):時間
σ(単位;-):減衰係数
【0058】
第1WL変換処理と第2WL変換処理とでは、求める周波数成分が異なり、求める周波数成分に応じて、上記のa、t等の各パラメータを設定する。例えば、第1WL変換処理では、0.04Hz以上0.15Hz以下の領域をLF成分として求める。0.04Hzから0.15Hzまでにおいて、値の取得の間隔は任意であり、例えば0.01Hzごと取得してもよいし、0.02Hzごとに取得してもよく、この間隔を用いた除算によりaは設定される。例えば、0.04Hzごとに値を取得する場合のaについては、a=1/0.04として求められる。一方、第2WL変換処理の場合には、
図8の第1基本値である周期Tを100秒とした場合には、a=100となる。tは、時系列のRRIデータの内、周波数成分として取得したい時間である。したがって、測定を開始してから2秒後のデータの周波数特性を解析したい場合には、t=2秒となる。σは任意の値に設定することができで、大きいほど周波数特性が正確になり、小さいほど時間的な変化が正確になり、例えばσ=1になる。
【0059】
評価装置10の電気的構成の一例は、
図14に示すように、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)を含む制御処理装置51と、RAM(Random Access Memory)を含む主記憶装置52と、HDD(Hard Disc Drive)を含む補助記憶装置53と、マウスやキーボードを含む入力装置54と、ディスプレイやスピーカを含む出力装置55と、ネットワークカード(Network Interface Card)等を含む通信装置56と、を有する。なお、CPUの代わりにMPU(Micro-Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の装置を用いてもよい。通信装置56は、USB(Universal Serial Bus)を用いた有線接続装置であってもよい。
【0060】
主記憶装置52、補助記憶装置53、入力装置54、出力装置55及び通信装置56は、バスラインを介して制御処理装置51とそれぞれ接続される。制御処理装置51は、(1)補助記憶装置53に記憶された自律神経機能評価プログラムを主記憶装置52上に読み込み、(2)上記プログラムの指示に従って入力装置54と補助記憶装置53と通信装置56との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータを上記プログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータを補助記憶装置53と出力装置55と通信装置56との少なくともいずれかに提供する。
【0061】
前述の第2WL変換処理部27と特定部22と評価部23とは、制御処理装置51を含んで構成される。制御部20と画像生成部28とは、制御処理装置51と通信装置56とを含んで構成される。LF/HFデータ記憶部26と基本値記憶部21とは、補助記憶装置53と主記憶装置52とを含んで構成されている。入力部17は入力装置54を含んで構成され、出力部18は出力装置55を含んで構成される。
【0062】
自律神経機能評価プログラムは、基本値記憶ステップと、特定ステップと、評価ステップとを、コンピュータに実行させる。基本値記憶ステップは、心拍間隔データに基づいて第1ウェーブレット変換処理で得られるLF/HFの時系列波形データについて、周期の第1基本値を記憶させる。特定ステップは、得られたLF/HFの時系列波形データに対して第2ウェーブレット変換処理を行うことにより求められた周期毎のエネルギの中から、最もエネルギが大きい周期を周期の中心値として特定する。評価ステップは、第1基本値と周期の中心値との相違度に基づいて、自律神経機能を評価する。
【0063】
評価装置10を、実測波形データを求める解析装置(図示無し)と組み合わせて接続させてもよい。解析装置は第1WL変換処理部13(
図1参照)を備える。さらに、解析装置に、心拍を検出してRRIを求める検出ユニット(図示無し)を組み合わせて接続させてもよい。検出ユニットはセンサと心拍データ処理部と有する。センサとしては、例えば、クリップ状に形成されており、耳たぶを挟持した状態で心拍(脈波)を検出し、心拍データ(
図3参照)を心拍データ処理部に送る光電変換式のセンサを用いることができる。心拍データ処理部としては、例えば、センサからの心拍データに基づきRRIを求め、例えば
図4に示すRRIデータRRI1,RRI2,RRI3,・・・を解析装置に送るものを用いることができる。
【0064】
評価装置10に解析装置を組み合わせて接続させる場合には、入力部17及び出力部18(
図1参照)は、解析装置の入力部及び出力部として併用してもよい。すなわち、入力部17及び出力部18を、評価装置10の構成部分とするとともに、解析装置の構成部分としてもよい。
【0065】
解析装置は、検出ユニットからのRRIに対して、予め設定した所定値をバイアス値として加算し、第1WL変換処理部13により実測波形データを求める。なお、バイアス値を加算する対象の複数のRRIから構成されるRRIデータには、所定値に設定したパラメータで調整処理を行う。こうした解析装置を評価装置10を組み合わせて接続させることにより、本例では、次々と取得されたRRI(
図4参照)を画像(図示無し)として表示し、かつ、
図12に示す画像G12とを、概ね同期して生成させ、同じ画面上に並べて出力させることができるようになっている。
【符号の説明】
【0066】
10 自律神経機能評価装置
13 第1WL変換処理部
16 評価ユニット
17 入力部
18 出力部
20 制御部
21 基本値記憶部
22 特定部
23 評価部
26 LF/HFデータ記憶部
27 第2WL変換処理部
28 画像生成部
BD1~3 第1基準データ~第3基準データ
DD1~DD3 第1相違度~第3相違度
EV1~EV3 点数
MV1 周期の中心値
MV2 振幅の平均値
MV3 振幅