(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】リストバンド型電圧検出器
(51)【国際特許分類】
G01R 19/155 20060101AFI20230705BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
G01R19/155
G08B21/02
(21)【出願番号】P 2022550911
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(86)【国際出願番号】 IB2021051547
(87)【国際公開番号】W WO2021171199
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-09-22
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522261031
【氏名又は名称】ステイプルズ,グラント エドワード
【氏名又は名称原語表記】STAPLES, Grant Edward
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【氏名又は名称】三宅 章子
(72)【発明者】
【氏名】ステイプルズ,グラント エドワード
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0024265(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0398620(KR,Y1)
【文献】中国特許出願公開第104574809(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0099888(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1538663(KR,B1)
【文献】米国特許第10247763(US,B1)
【文献】特表2022-554040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/00-19/32
G08B 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体基板と、前記誘電体基板に実装された複数の電子コンポーネントと、を有する回路基板アセンブリであって、前記複数の電子コンポーネントは、電圧検出コンポーネント、電源部、およびアナンシエータを含む、回路基板アセンブリと、
第1セグメントおよび第2セグメントを有するリストバンドであって、各セグメントは、外層、誘電体基板上に印刷された単極のアンテナ、誘電体層、内層、およびリストバンドセグメントコネクタを有し、各セグメントは、近位端および遠位端を有する、リストバンドと、
接地ボタンと、
を備えるウェアラブルな交流電圧用の電圧検出器であって、
各セグメントの前記近位端は、前記回路基板アセンブリに物理的に接続され、
各セグメントの前記遠位端は、前記リストバンドセグメントコネクタに物理的に接続され、
各セグメントの前記アンテナは、そのセグメントの前記誘電体基板上に蛇行パターンで印刷された導電材料を含み、かつ、前記電圧検出コンポーネントに電気的に接続され、
前記接地ボタンは、前記電圧検出コンポーネントに電気的に接続され、
各セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタは、前記電圧検出器がユーザの手首に装着されたときに前記接地ボタンが前記ユーザの皮膚に接触するように、前記第1セグメントの前記遠位端を前記第2セグメントの前記遠位端に取り付けるように構成されており、
前記複数の電子コンポーネントと前記アンテナとが協働して、交流電圧の近接を前記ユーザに警告する、電圧検出器。
【請求項2】
前記第1セグメントの前記誘電体基板、前記第2セグメントの前記誘電体基板、および前記回路基板アセンブリの前記誘電体基板は、ディスクリート基板から構成されている、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項3】
前記第1セグメントの前記誘電体基板、前記第2セグメントの前記誘電体基板、および前記回路基板アセンブリの前記誘電体基板は、単一の連続した基板から構成されている、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項4】
前記接地ボタンは、前記回路基板アセンブリの下方に配置されている、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項5】
前記接地ボタンは、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントのうちの一方の前記内層に配置されている、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項6】
前記第1セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタは、バックルであり、
前記第2セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタは、前記バックルとかみ合うように構成された複数の穴である、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項7】
前記第1セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタは、
面ファスナーのフックであり、
前記第2セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタは、
面ファスナーのループである、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項8】
各セグメントの前記内層および前記外層は、弾性材料を含み、
前記第1セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタは、前記第2セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタに直接接続されている、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項9】
前記電圧検出コンポーネントは、バンドパスフィルタ、周波数比較器、ピーク検出器、およびアナンシエータ駆動回路を含み、
前記バンドパスフィルタ、前記周波数比較器、前記ピーク検出器、および前記アナンシエータ駆動回路は特定用途向け集積回路に実装されている、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項10】
前記電圧検出コンポーネントは、バンドパスフィルタ、周波数比較器、ピーク検出器、およびアナンシエータ駆動回路を含み、
前記バンドパスフィルタ、前記周波数比較器、前記ピーク検出器、および前記アナンシエータ駆動回路は、ディスクリート部品として実装されている、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項11】
前記複数の電子コンポーネントは、プロセッサと不揮発性メモリとを有するマイクロコントローラをさらに含み、
前記不揮発性メモリは、前記電圧検出コンポーネントの機能を実現するための動作を実行するための命令を格納している、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項12】
前記マイクロコントローラは、トランシーバをさらに有し、
前記不揮発性メモリは、前記トランシーバを用いて外部装置との通信を行うための命令をさらに有し、
前記通信を行うための命令は、前記アンテナへの前記交流電圧の近接の検出に関する情報を送信するための命令をさらに含む、請求項11に記載の電圧検出器。
【請求項13】
各セグメントの前記誘電体層は、厚さが約3mmのネオプレンを含む、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項14】
各セグメントにおける前記誘電体層は、そのセグメントにおける前記誘電体基板を含む、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項15】
各セグメントの前記外層および前記内層は、オーバーモールドの可撓性プラスチック筐体として形成されている、請求項1に記載の電圧検出器。
【請求項16】
誘電体基板と、前記誘電体基板に実装された複数の電子コンポーネントとを備えるフレキシブル回路基板であって、前記複数の電子コンポーネントは、電圧検出コンポーネント、電源部、アナンシエータ、および前記誘電体基板に印刷された蛇行状の単極のアンテナを含む、フレキシブル回路基板と、
前記電圧検出コンポーネントに電気的に接続された接地ボタンと、
前記フレキシブル回路基板を囲む可撓性のオーバーモールドのプラスチック筐体と、
前記プラスチック筐体の一端に配置されたバックルであって、前記プラスチック筐体の他端にある複数の穴のうちの1つに取り付けられるように構成されて、装着可能なリストバンドを形成する、バックルと、
を備える電圧検出器であって、
前記接地ボタンは、前記リストバンドがユーザに装着されたときに前記ユーザの皮膚と直接物理的に接触するように配置されており、
前記複数の電子コンポーネントが協働して、交流電圧の近接を前記ユーザに警告する、電圧検出器。
【請求項17】
前記誘電体基板と前記プラスチック筐体との間に位置するネオプレン層をさらに備え、
前記ネオプレン層は、前記ユーザの皮膚から前記アンテナを電気的にさらに絶縁させる、請求項16に記載の電圧検出器。
【請求項18】
電圧検出コンポーネント、電源部、アナンシエータ、および蛇行状の単極のアンテナを有するフレキシブル回路基板であって、前記アンテナは、前記フレキシブル回路基板に印刷されている、フレキシブル回路基板と、
前記電圧検出コンポーネント、電源部およびアナンシエータを囲む保護筐体と、
前記保護筐体に物理的に接続され、前記アンテナを囲むリストバンドと、
前記リストバンドの内側に配置された接地ボタンと、
を備える電圧検出器であって、
前記アンテナは、前記電圧検出コンポーネントに電気的に接続され、
前記接地ボタンは、前記電圧検出コンポーネントに電気的に接続され、
前記リストバンドは、誘電性の弾性材料を含み、前記電圧検出器がユーザに装着されたとき、前記接地ボタンは前記ユーザの皮膚に直接物理的に接触するように保持され、
前記電圧検出器は、交流電圧の近接を前記ユーザに警告する、電圧検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、米国仮出願番号62981147号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
交流の商用利用は、1世紀以上にわたって世界を変え続け、世界のあらゆる近代的成長の大きな原動力となっている。住宅、オフィスビル、工場、船舶は全て交流を使用している。しかしながら、交流は五感で簡単に検出できる存在ではないため、作業者が無意識に交流の露出源に接触する可能性のある環境では、交流によって作業者が負傷したり死亡したりする危険がある。例えば、配電盤で作業している電気技師が、電源がオフになっていると伝えられていたとしても、その後、別の作業者が配電盤に再通電した可能性がある。別の例として、送電線が暴風によってダウンしていた可能性のある場合、最初の応答者は送電線が「生きて(通電状態で)」いるかどうか分からない。別の例として、壊れた銅管を修理している配管工は、建物の他の場所で露出した電線が、同じ銅管の遠端に接触したことに気付かない場合がある。毎年、何千件もの偶発的な感電死が発生している。電気事故は、労災関連の外傷性死亡事故原因の第4位を占める。
【0003】
交流の存在を検出するために、作業者は、交流導体の周りで変化する電界および磁界を検出する非接触型交流電圧検出器を使用することがある。非接触で交流電圧を検出する技術はよく理解されており、市販の携帯型検出器も容易に入手可能である。しかし、市販の携帯型検出器は、ユーザが工具箱やポケットから検出器を取り出し、検出器のプローブを導電材料に近づけてから、検出器を工具箱やポケットに戻す必要があるという点で不便である。この不便さが、偶発的な感電死の実際のリスクに発展する可能性がある。例えば、作業の開始時に、電気技師は、携帯型検出器を用いて、回路ボックスが通電されていないことを確認することができる。しかし、回路ボックスの作業中に、誰かが回路ボックスに電源を再接続する危険性がある。最善策としては、電気技師が定期的にライブ電圧(live voltage)の存在を確認する必要があるが、実際問題として、電気技師は最善策に従わないことを選択したり、ライブ電圧の存在を必要なだけ頻繁に確認することを単に忘れたりする場合がある。
【0004】
別途に携帯する装置を使用する代わりに、非接触型交流電圧検出器を、作業者が作業遂行の一部として携帯または装着するものに組み込むことも可能である。一つの選択肢として、作業者が手や手首に装着するものが考えられる。これにより、作業者は、作業を中断することなく定期的に活電圧を監視することができる。例えば、係属中の出願PCT/IB2019/001379は、十分な機能を有する手袋であり、かつ、十分な機能を有する電圧検出器であるように、手袋に組み込まれた電圧検出器を開示している。しかしながら、作業環境によっては、手袋の着用が不快または面倒であることが判明している。また、着用可能な電圧検出器の利点にもかかわらず、作業者は安全性よりも快適性および使いやすさを選択する場合がある。手袋型電圧検出器の代替として、手首に装着可能な電圧検出器は、安全性を犠牲にすることなく、より高い快適性と利便性を提供することができる。米国特許出願公開第2008/0024265号、米国特許出願公開第2004/0080320、および米国特許第4983954号などの先行技術は、手首に装着する電圧検出器の概念を開示している。しかし、これらの装置および先行技術の他の装置では、人体が検出信号の品質および強度に及ぼす影響については考慮されていない。
【0005】
そのため、人体が検出信号の品質および強度に及ぼす影響が考慮され、かつ、手首に装着可能な電圧検出器が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明によるリストバンド型電圧検出器の実施形態は、交流電圧の検出に対する人体の影響を考慮しつつ、交流電圧検出器をウェアラブルデバイスに組み込むという課題を解決するものである。より詳細には、本発明によるリストバンド型電圧検出器の実施形態は、リストバンドを通って延在する薄くて軽量の単極のアンテナ(monopole aerials)を用いる。このアンテナは、電気的バリアとして機能する誘電体材料の薄い層でユーザの手首から分離されている。このため、安全な距離から、近くの交流電圧に対して適切な感度が得られる。また、ユーザは、導電材料に対して特定の角度で検出器を保持する必要がない。
【0007】
さらに、本発明のリストバンド型電圧検出器の実施形態は、アンテナに接続された交流(AC)電圧検出・警告回路を備える。この回路は、少なくとも、交流電圧の存在を検出し、バックグラウンドノイズを除去し、危険な交流電圧の存在をユーザに警告する機能を提供する。先行技術とは異なり、この回路は、ユーザの身体に物理的に接触する接地接続部を備えている。これにより、検出回路は交流電圧の存在に対してより敏感になる。この感度の向上により、ユーザの手首からアンテナを分離する誘電体層をより薄くすることができる。
【0008】
さらに、いくつかの実施形態では、検出回路は、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ、不揮発性メモリ、加速度計、GPS受信機、モーションパワー(motion-powered)充電器、視覚、音声、および/または触覚警告コンポーネント、有線または無線の通信インターフェース、時計、ユーザディスプレイ、および/またはアクティブトラッカー(活動量計)を備えてもよい。このような追加のコンポーネントは、交流電圧の検出には不要であるが、本発明のリストバンド型電圧検出器にさらなる有益な利便性および動作特性を与える。
【0009】
図面および以下の詳細な説明を参照すれば、当業者は、本発明のリストバンド型電圧検出器手の他の代替実施形態を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のリストバンド型電圧検出器の一実施形態の側面の切断面図である。
【
図2】本発明のリストバンド型電圧検出器の一実施形態の上面の切断面図である。
【
図3】本発明のリストバンド型電圧検出器の一実施形態における回路基板の論理レイアウト図である。
【
図4】本発明のリストバンド型電圧検出器の一実施形態における回路基板のコンポーネントによって実行される機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(発明の詳細な説明)
本発明によるリストバンド型電圧検出器は、様々な実施形態で実施され得る。様々な実施形態は、当業者が大規模な実験をすることなく本発明を製造および使用できるように十分な詳細を提供する以下の第1実施形態、および、特定の用途および構成に有益であることが示され得る第1実施形態の変形を含む。
【0012】
<第1実施形態>
図1に示される本発明のリストバンド型電圧検出器の第1の実施形態において、検出器100は、外側リストバンド層110a、110b、単極アンテナ120a、120b、誘電体層130a、130b、内側リストバンド層140a、140b、回路基板アセンブリ150、接地ボタン160、およびバックル170を備える。
【0013】
外側リストバンド層110a、110bは可撓性の樹脂(プラスチック)を含み、検出器100に構造的な形状を与え、かつ、アンテナ120a、120bを物理的に保護する。
【0014】
アンテナ120a、120bは、ポリイミド又はポリエステルなどの単層又は多層のフレキシブル誘電体基板上の導電性プリント回路を含む。導電性プリント回路は、
図2に示されるように、蛇行したパターンで配置されている。アンテナ120a、120bの導電性プリント回路は、それぞれアンテナコネクタ152(
図3)に電気的に接続されている。アンテナ120a、120bは、それらの遠位端では接続されていない。
【0015】
誘電体層130a、130bは3mmのネオプレン層を含む。ネオプレン層は、アンテナ120a、120bで検出された交流電圧のユーザの手首への漏れを防ぐ。
【0016】
内側リストバンド層140a、140bは、可撓性の樹脂(プラスチック)を含み、検出器100に構造的な形状を与える。
【0017】
図3に示すように、回路基板アセンブリ150は、プリント回路基板151、アンテナコネクタ152、接地コネクタ153、交流電圧検出コンポーネント154(これは、
図4に示すブロック
図180に記載の機能を果たすために必要な種々のレジスタ、コンデンサ、トランジスタ、トレースなどを含む。)、表面実装ブザー155、表面実装コイン電池ホルダー156(回路基板151に電源を供給するCR2032 3vコイン電池を保持するのに適している)を備える。回路基板151のコンポーネント(構成要素)は、回路基板のレイアウトを設計する技術分野における通常の当業者に知られているように、最適な性能を提供するように物理的に配置されている。回路基板アセンブリ150は、保護ケース(図示せず)と、保護ケースを外側リストバンド層110a、110bおよび内側リストバンド層140a、140bに物理的に取り付けるための適切な機構(図示せず)とをさらに備える。
【0018】
接地ボタン160は、導電材料を含み、装着時にユーザの手首でユーザの手の皮膚に接触するように意図されている。接地ボタン160は、接地コネクタ153と電気的に接続している。
【0019】
バックル170は、当業者に知られているように、リストバンドの2つの側部を互いに着脱するための適切な機構を提供する。
【0020】
図4に示されるブロック
図180は、信号がアンテナ120a、120bからアンテナコネクタ152に到達したときの回路基板151のコンポーネントの機能を説明するものである。電気信号は、まず、バンドパスフィルタ181を通過し、非常に低い周波数および非常に高い周波数の信号、例えば、低周波の静電界およびスイッチモード電源による高周波の電界を除去する。バンドパスフィルタ181から出力された信号は、次に周波数比較器182を通過する。周波数比較器182は、フィルタリングされた信号と基準信号とを比較する。フィルタリングされた信号が基準信号よりも高い周波数を有していると、比較器(コンパレータ)182の出力は低くなり、フィルタリングされた信号が基準信号よりも低い周波数を有しているとき、比較器182の出力は高くなる。このため、十分に強い交流電圧が存在する場合、比較器182から出力される信号は、アンテナ120a、120bによって受信される電気信号の周波数と同じ周波数を有する方形波となる。この信号は、ピーク検出器183に入力される。ピーク検出器183は、比較器182からの信号のピーク値に等しい直流電圧を出力する。ピーク検出器183の出力は、音声アナンシエータ回路184の回路を駆動する。音声アナンシエータ回路184は、十分な信号を受信すると、ブザー155に可聴警報を発させる。したがって、アンテナ120a、120bが交流電圧に近接しているとき、検出された電圧によってブザー155は可聴警報を発し、アンテナ120a、120bが交流電圧に近接していないとき、ブザー155は無音のままである。
【0021】
<代替・追加実施形態>
前述の実施形態で説明した本発明リストバンド型電圧検出器は、(a)アンテナ120a、120bがユーザの手から電気的に絶縁され、(b)接地ボタン160がユーザの手との接触を維持する限り、本発明による電圧検出器の精神を逸脱することなく当業者によって変更及び/又は拡張されることが可能である。これらの修正および拡張のうちのいくつかを選択すると、特定の用途に使用される場合の性能の観点から、本発明のリストバンド型電圧検出器の一般的な動作の質に影響を与える可能性がある。他の修正および拡張の選択は、製造コスト、材料の入手可能性、物理的制約、および本発明のリストバンド型電圧検出器の一般的な動作とは無関係な他の要因によって決定されてもよい。以下の変形例では、本発明のリストバンド型電圧検出器の一般的な機能に影響を与えることなく、必要に応じて、かつ技術的に実現可能であるように混合し組み合わせることができる他の実施形態の例を非排他的に説明する。
【0022】
いくつかの実施形態では、誘電体層130a、130bの絶縁機能は、アンテナ120a、120bに使用される誘電体フレキシブルプリント回路基板基材によってもたらされてもよい。他の実施形態では、誘電体層130a、130bの絶縁機能は、内側リストバンド層140a、140bによってもたらされてもよい。他の実施形態では、誘電体層130a、130bおよび内側リストバンド層140a、140bは、両方とも存在してもよく、両方ともが、ユーザの手首からアンテナ120a、120bを電気的に分離する何らかの手段を提供してもよい。他の実施形態では、誘電体層130a、130bは、ネオプレン以外の可撓性絶縁材料を含んでもよい。他の実施形態では、誘電体層130a、130bは、0.25mmと3mmとの間の範囲の厚さを有してもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、外側リストバンド層110a、110b、アンテナ120a、120b、誘電体層130a、130b、および内側リストバンド層140a、140bは、一緒に積層されて単一の固体部品を形成してよい。他の実施形態では、上記の各々は、別個の部品(ディスクリート部品)であってよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、アンテナ120a、120bは、回路基板アセンブリ150とバックル170との間のスパン全体に亘って延在している。他の実施形態では、アンテナ120a、120bは、回路基板アセンブリ150とバックル170との間のスパンの一部のみに延在している。
【0025】
いくつかの実施形態において、アンテナ120a、120bは、40ゲージポリウレタン絶縁銅リッツ線を含んでもよい。このリッツ線は、外側リストバンド層110a、110bと誘電体層130a、130bとの間に平たく(フラットに)横たわるコイル状に配置されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、外側リストバンド層110a、110bおよび内側リストバンド層140a、140bは、弾性材料を含んでもよい。これにより、バックル170を必要とせずに、本発明のリストバンド型電圧検出器をユーザの手首に対してぴったりとフィットさせるようにしてもよい。他の実施形態では、外側リストバンド層110a、110bおよび/または内側リストバンド層140a、140bは、ベルクロ(Velcro)(登録商標)、あるいは、リストストラップの取り付け、取り外し、及び調節に一般的に用いられる他の機構をさらに有してもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、接地ボタン160は、回路基板アセンブリ150の直下ではなく、本発明リストバンド型電圧検出器の他の場所に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の接地ボタンが設けられていてもよい。いくつかの実施形態では、接地ボタン160は、バックル170に組み込まれてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、回路基板アセンブリ150は、例えば、「安全」及び「危険」状態を示す表示画面をさらに備えてもよい。さらに、表示画面は、時間、テキストメッセージ、タイマーの期限切れ、ステップカウンタ、及び/又はユーザの脈拍数などの便利な機能を有し得る。さらに、ブザー155は、表面実装マイクロスピーカーに置き換えられ得る。これによって、アナンシエータ回路184は、スピーカーに、交流電圧の近接および/または強さに比例してピッチまたは音量が変わる警報を出させることができる。マイクロスピーカーは、また、音声の警報を発するために使用され得る。さらに、回路基板アセンブリ150は、危険な交流電圧が検出されたときに振動する触覚インジケータを有してもよい。このような触覚インジケータは、騒がしい環境において有用であり得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、プリント回路基板151の個別の部品(ディスクリート部品)のいくつかまたは全部によって与えられる機能は、特定用途向け集積回路(ASIC)によって実行され得る。ASICを使用することにより、プリント回路基板151に実装された回路の占有面積を減少させることができ、したがって、プリント回路基板151のサイズおよび重量を減少させることができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、プリント回路基板151の個別の部品(ディスクリート部品)のいくつかまたは全部によって与えられる機能は、低電力マイクロコントローラによって実行され得る。プログラム可能なマイクロコントローラを使用することにより、例えば、検出された信号をより良く分析して誤検出を減らすことができる。また、特定の動作環境に対して検出器100を最適化し、強度、周波数、および高調波歪みなどの検出された信号に関する追加情報を抽出し、後のアクセスのためにマイクロコントローラの不揮発性メモリに重要なイベントを記録する(logging)など、より高度なカスタマイズ可能な機能を提供することができる。重要なイベントは、例えば、危険電圧の検出、電源のオン/オフ、設定(configuration)の変更、再校正などを含む。さらに、回路基板151にGPS受信機を追加することにより、重要なイベントに関して記録された情報に位置情報を提供することができる。さらに、プログラム可能なマイクロコントローラの存在によって、以下の段落で説明するように外部接続を簡素化することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、回路基板151は、検出器100をポータブルコンピュータ、スマートフォン、またはコンピュータネットワークなどの外部デバイスに接続するための通信ハードウェアをさらに備える。通信ハードウェアは、USB若しくはLightningポートなどの有線コネクタを含んでもよく、またはBluetooth、ZigBee、IEEE 802.11x、若しくは他の無線プロトコルでの使用に適した無線トランシーバを含んでもよい。回路基板151上に回路の一部としてのマイクロコントローラが存在すると、そのようなマイクロコントローラが統合(integrated)トランシーバおよび埋め込みプロトコルスタックを含み得るので、外部通信が簡素化される。検出器100は、例えば作業者の上司に即時の報告を行うために、リアルタイムで重要なイベントの発生を外部デバイスに送信し得る。または、検出器100は、例えば作業日の終わりに、検出器100が再充電のために外部デバイスにプラグインされるときに、非リアルタイムで重要なイベントの発生を外部デバイスに送信し得る。さらに、外部デバイスは、外部デバイス上で実行されるアプリケーションソフトウェアを介して、設定、ソフトウェア更新、および他の動作情報をマイクロプロセッサに送信し得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、回路基板151の電源部は、再充電可能な電池(充電式電池)を備えてもよい。充電式電池の再充電は、例えば、USBケーブルを介して検出器100を電源に物理的に接続することによって、検出器100を無線充電パッドに近接して置くことによって、検出器100に組み込まれた運動エネルギー充電器によって、または検出器100が検出するように設計されている電界によって、行うことができる。後者の実施形態では、電界によって集められた少量のエネルギーを蓄えるためのエネルギー貯蔵回路(蓄電回路)が必要になる場合がある。
【0033】
いくつかの実施形態では、回路基板151でアンテナ120a、120bを介して受信された信号は、バンドパスフィルタ(帯域通過フィルタ)181を通過する前にコンディショニングされ得る。例えば、そのようなコンディショニングとして、接地された大きなレジスタを使用して、バンドパスフィルタ181への入力が、交流電圧が存在しない場合を除いて低いまま維持されていることを確実にしてもよい。回路基板151は、また、バンドパスフィルタ181によって受信される信号を最大化するために、アンテナ120a、120bのインピーダンスを一致させるためのコンポーネントを備えてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、アンテナ120a、120bを介して受信された信号は、個別に処理および分析され得る。そのような個別の信号処理によって、例えば、アンテナ120a、120bに対する交流電圧の物理的位置に関する追加情報が提供され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、回路基板151のコンポーネントの機能は、手動または動的に設定可能であってよい。例えば、米国では、交流電圧は60Hzであるが、オーストラリアでは、交流電圧は50Hzである。検出器100上の手動スイッチは、回路をある周波数から別の周波数に変更することができてもよい。あるいは、回路は、検出器100をアクティブな交流電圧導体の近くに保持することによって、自動的に適切な周波数となるように構成されていてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、低電圧検出回路が、回路基板151のコンポーネントに組み込まれ得る。これにより、電源(例えば、オンボードバッテリー)が弱すぎて適切な動作ができないことをユーザに警告することが可能になる。
【0037】
いくつかの実施形態では、加速度計などの運動検出器は、検出器100が使用されていないときを感知して、回路基板151のコンポーネントを低電力スリープモードに設定し得る。運動検出器はまた、検出器100が使用されているときを感知して、回路基板151のコンポーネントを通常の動作モードに戻し得る。他の実施形態では、検出器100は、ユーザが回路基板151への電力のオン/オフを可能にする電源スイッチを備えてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、アンテナ120a、120bは、2つの単極アンテナではなく、それらの遠位端が接続されてループアンテナを形成していてもよい。そのような構成では、バックル170を使用しなくてすむが、以下の(a)、(b)の使用が求められる場合がある。
(a)接地ボタン160とユーザの皮膚との間の予想し得る接触を確実にするために、リストバンドに伸縮素材(ゴム)を使用すること、
(b)例えば、アコーディオンスタイルのフレキシブル回路基板、アンテナ120a、120bを接続するコイル状のリッツ線、または他の適切な機構を用いて、長手方向に伸び得る、フレキシブル回路基板を含むアンテナ120a、120b用の基材を使用すること。
【0039】
いくつかの実施形態において、回路基板150は、アンテナ120a、120bの銅回路が取り付けられているのと同じフレキシブルプリント回路の一部であり得る。これにより、アンテナコネクタ152または接地コネクタ153の必要性をなくすことができる。他の実施形態において、回路基板150は、アンテナ120a、120bの銅回路が取り付けられているフレキシブルプリント回路とは別個の基板(フレキシブルプリント回路から分離された基板)であってもよい。そのような実施形態において、回路基板150は、フレキシブル又はリジッドな回路基板材料のいずれかを利用することができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、外側リストバンド層110a、110bおよび内側リストバンド層140a、140bは、オーバーモールド(over-molded)のプラスチック筐体の一部として形成されてもよい。いくつかの関連する実施形態では、筐体はまた、回路基板150を囲んでもよい。このような構成によると、特にアンテナ120a、120bの回路が、回路基板150と同じフレキシブルプリント回路上にある場合、製造が簡素化され、コストが下がる可能性がある。ただし、検出器100がLED、時計盤、又はビデオディスプレイなどの任意の視覚インターフェース要素を含む場合、オーバーモールド工程が多少複雑になる可能性がある。他の実施形態では、取り外し可能なストラップを有していると、壊れた部品の修理および交換がより簡単になるため、より有利であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、電圧検出コンポーネント154、表面実装ブザー155、表面実装コイン電池ホルダー156、およびアンテナ120a、120bの導電性プリント回路は、すべて単一のフレキシブル回路基板に実装され得る。フレキシブル回路基板は、耐久性弾性材料を含む中空リストバンドの内側に挿入され、電圧検出コンポーネント154、表面実装ブザー155、および表面実装コイン電池ホルダー156の周りには保護筐体が配置され得る。このような実施形態は、おそらく耐久性及び/又は効果に劣るものの、他の実施形態よりもコストを抑えられる可能性がある。
【0042】
本願発明の電圧検出器は、例えば以下の項目の電圧検出器である。
[項目1]
誘電体基板と、前記誘電体基板に実装された複数の電子コンポーネントと、を有する回路基板アセンブリであって、前記複数の電子コンポーネントは、電圧検出コンポーネント、電源部、およびアナンシエータを含む、回路基板アセンブリと、
第1セグメントおよび第2セグメントを有するリストバンドであって、各セグメントは、外層、誘電体基板上に印刷された単極のアンテナ、誘電体層、内層、およびリストバンドセグメントコネクタを有し、各セグメントは、近位端および遠位端を有する、リストバンドと、
接地ボタンと、
を備えるウェアラブルな交流電圧用の電圧検出器であって、
各セグメントの前記近位端は、前記回路基板アセンブリに物理的に接続され、
各セグメントの前記遠位端は、前記リストバンドセグメントコネクタに物理的に接続され、
各セグメントの前記アンテナは、前記電圧検出コンポーネントに電気的に接続され、
前記接地ボタンは、前記電圧検出コンポーネントに電気的に接続され、
各セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタは、前記電圧検出器がユーザの手首に装着されたときに前記接地ボタンが前記ユーザの皮膚に接触するように、前記第1セグメントの前記遠位端を前記第2セグメントの前記遠位端に取り付けるように構成されており、
前記複数の電子コンポーネントと前記アンテナとが協働して、交流電圧の近接を前記ユーザに警告する、電圧検出器。
【0043】
[項目2]
前記第1セグメントの前記誘電体基板、前記第2セグメントの前記誘電体基板、および前記回路基板アセンブリの前記誘電体基板は、ディスクリート基板から構成されている、項目1に記載の電圧検出器。
【0044】
[項目3]
前記第1セグメントの前記誘電体基板、前記第2セグメントの前記誘電体基板、および前記回路基板アセンブリの前記誘電体基板は、単一の連続した基板から構成されている、項目1に記載の電圧検出器。
【0045】
[項目4]
各セグメントの前記アンテナは、そのセグメントの前記誘電体基板上に蛇行パターンで印刷された導電材料を含む、項目1に記載の電圧検出器。
【0046】
[項目5]
各セグメントの前記アンテナは、そのセグメントの前記外層と前記誘電体層との間に平たく横たわるコイル状に配置されたリッツ線を有する、項目1に記載の電圧検出器。
【0047】
[項目6]
前記接地ボタンは、前記回路基板アセンブリの下方に配置されている、項目1に記載の電圧検出器。
【0048】
[項目7]
前記接地ボタンは、前記第1セグメントおよび前記第2セグメントのうちの一方の前記内層に配置されている、項目1に記載の電圧検出器。
【0049】
[項目8]
前記第1セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタは、バックルであり、
前記第2セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタは、前記バックルとかみ合うように構成された複数の穴である、項目1に記載の電圧検出器。
【0050】
[項目9]
前記第1セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタは、ベルクロ(登録商標)フックであり、
前記第2セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタは、ベルクロ(登録商標)ループである、項目1に記載の電圧検出器。
【0051】
[項目10]
各セグメントの前記内層および前記外層は、弾性材料を含み、
前記第1セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタは、前記第2セグメントの前記リストバンドセグメントコネクタに直接接続されている、項目1に記載の電圧検出器。
【0052】
[項目11]
前記電圧検出コンポーネントは、バンドパスフィルタ、周波数比較器、ピーク検出器、およびアナンシエータ駆動回路を含み、
前記バンドパスフィルタ、前記周波数比較器、前記ピーク検出器、および前記アナンシエータ駆動回路は特定用途向け集積回路に実装されている、項目1に記載の電圧検出器。
【0053】
[項目12]
前記電圧検出コンポーネントは、バンドパスフィルタ、周波数比較器、ピーク検出器、およびアナンシエータ駆動回路を含み、
前記バンドパスフィルタ、前記周波数比較器、前記ピーク検出器、および前記アナンシエータ駆動回路は、ディスクリート部品として実装されている、項目1に記載の電圧検出器。
【0054】
[項目13]
前記複数の電子コンポーネントは、プロセッサと不揮発性メモリとを有するマイクロコントローラをさらに含み、
前記不揮発性メモリは、前記電圧検出コンポーネントの機能を実現するための動作を実行するための命令を格納している、項目1に記載の電圧検出器。
【0055】
[項目14]
前記不揮発性メモリは、外部基準電圧の周波数に応じて交流電圧を検出するように設定する命令をさらに有する、項目13に記載の電圧検出器。
【0056】
[項目15]
前記マイクロコントローラは、トランシーバをさらに有し
前記不揮発性メモリは、前記トランシーバを用いて外部装置との通信を行うための命令をさらに有する、項目13に記載の電圧検出器。
【0057】
[項目16]
前記通信を行うための命令は、前記アンテナへの前記交流電圧の近接の検出に関する情報を送信するための命令をさらに含む、項目15に記載の電圧検出器。
【0058】
[項目17]
各セグメントの前記誘電体層は、厚さが約3mmのネオプレンを含む、項目1に記載の電圧検出器。
【0059】
[項目18]
各セグメントの前記誘電体層は、誘電体材料でコーティングされた可撓性材料を含む、項目1に記載の電圧検出器。
【0060】
[項目19]
各セグメントにおける前記誘電体層は、そのセグメントにおける前記誘電体基板を含む、項目1に記載の電圧検出器。
【0061】
[項目20]
前記電源部は、非充電式の電池を備える、項目1に記載の電圧検出器。
【0062】
[項目21]
前記電源部は、充電式の電池を備える、項目1に記載の電圧検出器。
【0063】
[項目22]
前記アナンシエータは、前記交流電圧の近接を前記ユーザに警告するために音を発する、項目1に記載の電圧検出器。
【0064】
[項目23]
前記アナンシエータは、前記交流電圧の近接を前記ユーザに警告するための視覚インジケータを表示する、項目1に記載の電圧検出器。
【0065】
[項目24]
前記アナンシエータは、前記交流電圧の近接を前記ユーザに警告するための触覚インジケータを表示する、項目1に記載の電圧検出器。
【0066】
[項目25]
前記複数の電子コンポーネントは、運動検出器をさらに備え、
前記運動検出器は、運動が検出されない期間が長くなると、他の電子コンポーネントを通常電力モードから低電力モードにし、運動が検出されると、前記他の電子コンポーネントを前記低電力モードから前記通常電力モードにするように構成されている、項目1に記載の電圧検出器。
【0067】
[項目26]
前記ユーザが前記電源部のオン/オフを行うことができるように構成されたスイッチをさらに備える、項目1に記載の電圧検出器。
【0068】
[項目27]
前記ユーザが検出する交流電圧の周波数を選択できるように構成されたスイッチをさらに備える、項目1に記載の電圧検出器。
【0069】
[項目28]
各セグメントの前記外層および前記内層は、オーバーモールドの可撓性プラスチック筐体として形成されている、項目1に記載の電圧検出器。
【0070】
[項目29]
前記オーバーモールドの可撓性プラスチック筐体は、前記回路基板アセンブリの一部も囲んでいる、項目28に記載の電圧検出器。
【0071】
[項目30]
誘電体基板と、前記誘電体基板に実装された複数の電子コンポーネントとを備えるフレキシブル回路基板であって、前記複数の電子コンポーネントは、電圧検出コンポーネント、電源部、アナンシエータ、および前記誘電体基板に印刷された蛇行状の単極のアンテナを含む、フレキシブル回路基板と、
前記電圧検出コンポーネントに電気的に接続された接地ボタンと、
前記フレキシブル回路基板を囲む可撓性のオーバーモールドのプラスチック筐体と、
前記プラスチック筐体の一端に配置されたバックルであって、前記プラスチック筐体の他端にある複数の穴のうちの1つに取り付けられるように構成されて、装着可能なリストバンドを形成する、バックルと、
を備える電圧検出器であって、
前記接地ボタンは、前記リストバンドがユーザに装着されたときに前記ユーザの皮膚と直接物理的に接触するように配置されており、
前記複数の電子コンポーネントが協働して、交流電圧の近接を前記ユーザに警告する、電圧検出器。
【0072】
[項目31]
前記誘電体層と前記プラスチック筐体との間に位置するネオプレン層をさらに備え、
前記ネオプレン層は、前記ユーザの皮膚から前記アンテナを電気的にさらに絶縁させる、項目30に記載の電圧検出器。
【0073】
[項目32]
電圧検出回路、電源部、アナンシエータ、および蛇行状の単極のアンテナを有するフレキシブル回路基板であって、前記アンテナは、前記フレキシブル回路基板に印刷されている、フレキシブル回路基板と、
前記電圧検出コンポーネント、電源部およびアナンシエータを囲む保護筐体と、
前記保護筐体に物理的に接続され、前記アンテナを囲むリストバンドと、
前記リストバンドの内側に配置された接地ボタンと、
を備える電圧検出器であって、
前記アンテナは、前記電圧検出コンポーネントに電気的に接続され、
前記接地ボタンは、前記電圧検出コンポーネントに電気的に接続され、
前記リストバンドは、誘電性の弾性材料を含み、前記電圧検出器がユーザに装着されたとき、前記接地ボタンは前記ユーザの皮膚に直接物理的に接触するように保持され、
前記電圧検出器は、交流電圧の近接を前記ユーザに警告する、電圧検出器。