IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キャタピラー エス エー アール エルの特許一覧

特許7307522建設機械におけるセンサ自動特定システム及び特定方法
<>
  • 特許-建設機械におけるセンサ自動特定システム及び特定方法 図1
  • 特許-建設機械におけるセンサ自動特定システム及び特定方法 図2
  • 特許-建設機械におけるセンサ自動特定システム及び特定方法 図3
  • 特許-建設機械におけるセンサ自動特定システム及び特定方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】建設機械におけるセンサ自動特定システム及び特定方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20230705BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
E02F9/20 M
E02F9/26 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019110906
(22)【出願日】2019-06-14
(65)【公開番号】P2020204160
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】505236469
【氏名又は名称】キャタピラー エス エー アール エル
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(74)【代理人】
【識別番号】100206106
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】守屋 直行
(72)【発明者】
【氏名】白仁 啓介
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-027062(JP,A)
【文献】国際公開第2018/180115(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
E02F 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体に取り付けられ、複数のフロント部材を回動自在に連結して構成される多関節型の作業機と、前記複数のフロント部材をそれぞれ駆動せしめるフロント部材駆動手段と、前記複数のフロント部材にそれぞれ搭載されて当該フロント部材の姿勢情報を検出する複数の姿勢情報検出センサと、これら姿勢情報検出センサからの検出信号に基づいてフロント部材の姿勢を演算する制御装置とを備えてなる建設機械において、前記複数の姿勢情報検出センサがそれぞれ何れのフロント部材に搭載された姿勢情報検出センサであるかの対応関係が特定されていない状態で該対応関係を特定するための特定作業を行う自動特定システムを設けるにあたり、該自動特定システムは、特定作業を開始するべく操作される作業開始操作手段と、前記複数のフロント部材を順次単独で自動的に駆動、停止せしめるべく前記フロント部材駆動手段に制御指令を出力するフロント部材制御手段と、該フロント部材制御手段による各フロント部材の駆動に伴う姿勢情報検出センサの検出値の変化に基づいて当該フロント部材に搭載されている姿勢情報検出センサを特定するセンサ特定手段とを備えるとともに、前記対応関係が特定されていない状態でのフロント部材制御手段によるフロント部材の自動的な駆動、停止のプロセスは、該プロセスを進行させるべく操作される作業進行操作手段をオペレータが操作し続けている間のみ進行することを特徴とする建設機械におけるセンサ自動特定システム。
【請求項2】
請求項1において、自動特定システムは、該自動特定システムを起動させるモードを選択するためのモード選択手段を備えることを特徴とする建設機械におけるセンサ自動特定システム。
【請求項3】
請求項1または2において、作業開始操作手段は、作業進行操作手段を兼用することを特徴とする建設機械におけるセンサ自動特定システム。
【請求項4】
車両本体に取り付けられ、複数のフロント部材を回動自在に連結して構成される多関節型の作業機と、前記複数のフロント部材をそれぞれ駆動せしめるフロント部材駆動手段と、前記複数のフロント部材にそれぞれ搭載されて当該フロント部材の姿勢情報を検出する複数の姿勢情報検出センサと、これら姿勢情報検出センサからの検出信号に基づいてフロント部材の姿勢を演算する制御装置とを備えてなる建設機械において、前記複数の姿勢情報検出センサがそれぞれ何れのフロント部材に搭載された姿勢情報検出センサであるかの対応関係が特定されていない状態で該対応関係を特定するための特定方法であって、該特定方法は、特定作業を開始するべく作業開始操作手段を操作するステップと、フロント部材制御手段から前記フロント部材駆動手段に制御指令を出力して複数のフロント部材を順次単独で自動的に駆動、停止せしめるステップと、フロント部材制御手段による各フロント部材の駆動に伴う姿勢情報検出センサの検出値の変化に基づいて当該フロント部材に搭載されている姿勢情報検出センサを特定するステップとを含むとともに、前記対応関係が特定されていない状態でのフロント部材制御手段によるフロント部材の自動的な駆動、停止のプロセスは、該プロセスを進行させるべく操作される作業進行操作手段をオペレータが操作し続けている間のみ進行することを特徴とする建設機械におけるセンサ自動特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械におけるセンサ自動特定システム及び特定方法の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械のなかには、例えば油圧ショベルのように、複数のフロント部材を回動自在に連結して構成される多関節型の作業機を備えたものがある。さらに、このような多関節型の作業機を備えた建設機械において、作業機を構成する複数のフロント部材(例えば油圧ショベルでは、フロント作業機を構成するブーム、スティック、バケット等)に、各フロント部材の姿勢情報を検出する姿勢情報検出センサ(例えばIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置))をそれぞれ搭載し、これら姿勢情報検出センサからの検出信号を車載ネットワークを介して制御装置に入力して該制御装置でフロント部材の姿勢を演算するとともに、該演算されたフロント部材の姿勢を、モニター等の表示装置に表示したり、作業機の可動範囲制限や自動制御に利用したりするようにしたものも知られている。
ところで、前記IMUのような複数の姿勢情報検出センサを複数のフロント部材にそれぞれ搭載するとともに、該姿勢情報検出センサからの検出信号を車載ネットワークを介して制御装置に入力して該制御装置でフロント部材の姿勢を演算するように構成するにあたり、種々のフロント部材に搭載可能な共通仕様の姿勢情報検出センサを用いる場合には、入力された検出信号が何れのフロント部材の姿勢情報であるかを識別可能にするために、複数の姿勢情報検出センサがそれぞれ何れのフロント部材に搭載された姿勢情報検出センサであるかを特定する必要がある。この場合に、姿勢情報検出センサを一個づつ順次フロント部材に搭載して特定作業を行うようにすると、姿勢情報検出センサの取り付け作業と特定作業とを姿勢情報検出センサの搭載数だけ繰り返し行わなければならず、手間と時間がかかる。一方、各フロント部材別に専用の識別情報が付与された姿勢情報検出センサを用いるようにすると、前述したような特定作業は必要なくなるが、姿勢情報検出センサの共通化が図れず、部品管理に手間やコストがかかるうえ、姿勢情報検出センサをフロント部材に搭載する際に誤って他のフロント部材用の姿勢情報検出センサを搭載してしまう懸念もある。
そこで、従来、複数のフロント部材のうちの1つを単独で駆動するための操作を行った結果得られたフロント部材の動作と、姿勢情報検出センサで検出された姿勢情報の変動の有無とに基づいて、操作信号検出装置で検出された操作信号に対応するフロント部材に搭載された姿勢情報検出センサの搭載箇所を判定する搭載箇所判定装置を設けた技術が提唱されている(例えば、特許文献1参照)。このものでは、複数の姿勢情報検出センサをそれぞれフロント部材に搭載した状態で、何れの姿勢情報検出センサが何れのフロント部材に搭載されたものであるかを特定することができることになって、姿勢情報検出センサの共通化が図れるとともに、姿勢情報検出センサの搭載時における取り違えの発生をなくすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-27062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1のものは、何れの姿勢情報検出センサが何れのフロント部材に搭載されたものであるかを特定するにあたり、複数のうちのフロント部材のうちの一つを単独で順次駆動させるという操作を、オペレータが行う構成となっている。しかも、姿勢情報検出センサの特定は、作業機のより先端のフロント部材に搭載された姿勢情報検出センサから順に行われることになるから、特許文献1の第1の実施の形態のように油圧ショベルの掘削等の一般的な作業と平行して特定が進行するような構成であると、掘削等の一般的な作業ではフロント部材を同時に複数駆動させることが多いため特定が完了するまでに時間を要することがあり、完了するまではフロント部材の姿勢情報を取得できないという問題がある。一方、特許文献1の第3の実施の形態では、特定作業を行うモードを設定し、該モードで特定に関するフロント部材の操作をオペレータに促す表示を行うように構成されているが、操作手順が表示されていても、該操作手順に従ってオペレータが複数のフロント部材を単独で順次駆動させるという操作は行わなければならず、手間がかかってオペレータの負担になるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、車両本体に取り付けられ、複数のフロント部材を回動自在に連結して構成される多関節型の作業機と、前記複数のフロント部材をそれぞれ駆動せしめるフロント部材駆動手段と、前記複数のフロント部材にそれぞれ搭載されて当該フロント部材の姿勢情報を検出する複数の姿勢情報検出センサと、これら姿勢情報検出センサからの検出信号に基づいてフロント部材の姿勢を演算する制御装置とを備えてなる建設機械において、前記複数の姿勢情報検出センサがそれぞれ何れのフロント部材に搭載された姿勢情報検出センサであるかの対応関係が特定されていない状態で該対応関係を特定するための特定作業を行う自動特定システムを設けるにあたり、該自動特定システムは、特定作業を開始するべく操作される作業開始操作手段と、前記複数のフロント部材を順次単独で自動的に駆動、停止せしめるべく前記フロント部材駆動手段に制御指令を出力するフロント部材制御手段と、該フロント部材制御手段による各フロント部材の駆動に伴う姿勢情報検出センサの検出値の変化に基づいて当該フロント部材に搭載されている姿勢情報検出センサを特定するセンサ特定手段とを備えるとともに、前記対応関係が特定されていない状態でのフロント部材制御手段によるフロント部材の自動的な駆動、停止のプロセスは、該プロセスを進行させるべく操作される作業進行操作手段をオペレータが操作し続けている間のみ進行することを特徴とする建設機械におけるセンサ自動特定システムである。
請求項2の発明は、請求項1において、自動特定システムは、該自動特定システムを起動させるモードを選択するためのモード選択手段を備えることを特徴とする建設機械におけるセンサ自動特定システムである。
請求項の発明は、請求項1または2において、作業開始操作手段は、作業進行操作手段を兼用することを特徴とする建設機械におけるセンサ自動特定システムである。
請求項の発明は、車両本体に取り付けられ、複数のフロント部材を回動自在に連結して構成される多関節型の作業機と、前記複数のフロント部材をそれぞれ駆動せしめるフロント部材駆動手段と、前記複数のフロント部材にそれぞれ搭載されて当該フロント部材の姿勢情報を検出する複数の姿勢情報検出センサと、これら姿勢情報検出センサからの検出信号に基づいてフロント部材の姿勢を演算する制御装置とを備えてなる建設機械において、前記複数の姿勢情報検出センサがそれぞれ何れのフロント部材に搭載された姿勢情報検出センサであるかの対応関係が特定されていない状態で該対応関係を特定するための特定方法であって、該特定方法は、特定作業を開始するべく作業開始操作手段を操作するステップと、フロント部材制御手段から前記フロント部材駆動手段に制御指令を出力して複数のフロント部材を順次単独で自動的に駆動、停止せしめるステップと、フロント部材制御手段による各フロント部材の駆動に伴う姿勢情報検出センサの検出値の変化に基づいて当該フロント部材に搭載されている姿勢情報検出センサを特定するステップとを含むとともに、前記対応関係が特定されていない状態でのフロント部材制御手段によるフロント部材の自動的な駆動、停止のプロセスは、該プロセスを進行させるべく操作される作業進行操作手段をオペレータが操作し続けている間のみ進行することを特徴とする建設機械におけるセンサ自動特定方法である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1、の発明とすることにより、オペレータが作業開始操作手段を操作するだけで、自動的に姿勢情報検出センサの特定作業が行われることになって、手間を大幅に削減できてオペレータの負担を軽減できるとともに、オペレータの操作ミスによる誤特定の惧れも回避できる。しかも、フロント部材の駆動、停止が自動的に行われるものであっても、オペレータがフロント部材の駆動、停止のプロセスを意識できるとともに、オペレータが作業進行操作手段の操作を停止すれば、フロント部材の自動的な駆動、停止の進行も停止することになって、不測の事態に対応できる。
請求項2の発明とすることにより、モードが選択されていない場合には自動特定システムは起動しないことになって、作業開始操作手段の誤操作による意図しない自動特定作業の開始を回避することができる。
請求項の発明とすることにより、部材の兼用化が図れるとともに、オペレータは特定作業の開始操作と進行操作とを一つの操作手段で連続して行えることになって、操作性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】油圧ショベルの側面図である。
図2】ブームシリンダとスティックシリンダの概略油圧回路図である。
図3】IMUおよび自動特定システムに係るコントローラの構成ブロック図である。
図4】自動特定作業制御部の制御を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は建設機械の一例である油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3に取り付けられる多関節型のフロント作業機4等から構成されており、該フロント作業機4は、基端部が上部旋回体3に回動自在に軸支され、該軸支部を支点として上下方向に駆動するブーム5、該ブーム5の先端部に回動自在に軸支され、該軸支部を支点としてイン側(上部旋回体3に近づく方向)、アウト側(上部旋回体3から遠ざかる方向)に駆動するスティック6、該スティック6の先端部に回動自在に軸支されるバケット7等を備えて構成されているとともに、油圧ショベル1には、下部走行体2を走行せしめるための走行モータ(図示せず)、上部旋回体2を旋回せしめるための旋回モータ(図示せず)、ブーム5、スティック6、バケット7をそれぞれ駆動せしめるためのブームシリンダ8、スティックシリンダ9、バケットシリンダ10等の各種油圧アクチュエータが具備されている。尚、本実施の形態において、前記上部旋回体3は本発明の車両本体に相当し、フロント作業機4は本発明の多関節型の作業機に相当し、ブーム5およびスティック6は本発明のフロント部材に相当する。
【0009】
前記上部旋回体3には、オペレータの運転室となるキャブ11や、エンジン等の各種機器類が収納されるエンジンルーム12が搭載されているとともに、前記油圧ショベル1に具備される各種油圧アクチュエータを駆動させるための油圧システム(図1には図示せず)が設けられている。前記キャプ11には、オペレータが座する運転席(図示せず)や、走行用、旋回用、ブーム用、スティック用、バケット用等の各操作具(図示せず)、各種表示や設定を行うためのモニター装置13(図1には図示せず)等が配設されている。
【0010】
ここで、前記ブームシリンダ8およびスティックシリンダ9に対する油圧制御の概略について図2に基づいて説明する。図2において、14はブームシリンダ8、スティックシリンダ9の油圧供給源となる油圧ポンプ、15はパイロット圧の供給源となるパイロットポンプ、16は油タンク、17、18はブームシリンダ8、スティックシリンダ9に対する油給排制御をそれぞれ行うブーム用、スティック用コントロールバルブである。ブーム用コントロールバルブ17は、伸長側、縮小側のパイロットポート17a、17bを備えたスプール弁であって、両方のパイロットポート17a、17bにパイロット圧が入力されていない状態ではブームシリンダ8に対する油給排を行わない中立位置Nに位置しているが、伸長側または縮小側パイロットポート17aまたは17bにパイロット圧が入力されることによりブームシリンダ8に対する油給排制御を行う伸長側作動位置Xまたは縮小側作動位置Yに切換わり、これによりブームシリンダ8が伸縮してブーム5が上下方向に駆動するようになっている。スティック用コントロールバルブ18は、前記ブーム用コントロールバルブ17と同様の構成のものであって、伸長側、縮小側のパイロットポート18a、18bを備え、これら伸長側または縮小側のパイロットポート18aまたは18bにパイロット圧が入力されることによりスティックシリンダ9に対する油給排制御を行う伸長側作動位置Xまたは縮小側作動位置Yに切換わり、これによりスティックシリンダ9が伸縮してスティック6がイン側、アウト側に駆動するようになっている。また、19A、19Bはブーム用伸長側、ブーム用縮小側電磁比例弁、20A、20Bはスティック用伸長側、スティック用縮小側電磁比例弁であって、これらブーム用伸長側、ブーム用縮小側、スティック用伸長側、スティック用縮小側電磁比例弁19A、19B、20A、20Bは、後述するコントローラ21からの制御指令に基づいて作動して前記ブーム用、スティック用コントロールバルブ17、18の伸長側、縮小側パイロットポート17a、17b、18a、18bにそれぞれパイロット圧を出力するように構成されている。そしてコントローラ21は、ブーム用、スティック用操作具(何れも図示せず)の操作を電気的に検出する操作具操作検出手段(図示せず)からの検出信号を入力し、該検出信号に基づいて前記ブーム用伸長側、ブーム用縮小側、スティック用伸長側、スティック用縮小側電磁比例弁19A、19B、20A、20Bにパイロット圧出力の制御指令を出力してブームシリンダ8、スティックシリンダ9を伸縮せしめ、これによりブーム用、スティック用操作具の操作に対応したブーム5、スティック6の駆動が行われるようになっているが、さらにコントローラ21は、後述する自動特定作業の実行時に、ブーム用、スティック用操作具が操作されていない状態でブーム用伸長側、スティック用伸長側電磁比例弁19A、20Aに制御指令を出力してブーム5、スティック6を駆動せしめるように構成されている。尚、本実施の形態において、ブームシリンダ8,ブーム用コントロールバルブ17、ブーム用伸長側、ブーム縮小側電磁比例弁19A、19Bは、ブーム5を駆動せしめるためのブーム用駆動手段、スティックシリンダ9、スティック用コントロールバルブ18、スティック用伸長側、スティック用縮小側電磁比例弁20A、20Bは、スティック6を駆動せしめるためのスティック用駆動手段であって、これらブーム用、スティック用駆動手段は本発明のフロント部材駆動手段に相当する。
【0011】
一方、22a~22cは角速度及び加速度を計測するIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)であって、これらIMU22a~22cは、本発明の姿勢情報検出センサに相当するが、本実施の形態では、図1に示す如く、スティック6と、ブーム5と、上部旋回体3の架台を構成する旋回フレーム3aとにそれぞれ搭載されている。そして、これらIMU22a~22cは、スティック6、ブーム5、上部旋回体3のそれぞれの姿勢に関する情報を検出し、その検出信号をCAN通信等の車載ネットワーク23を経由して前記コントローラ(本発明の制御装置に相当する)21に出力するように構成されている。各IMU22a~22cは、それぞれ個別の個体識別番号を有しており、該個体識別番号を検出情報に付加して出力することにより、コントローラ21に入力された検出信号が何れのIMU22a~22cからの検出信号であるかを識別できるようになっているが、搭載部材(本実施の形態では、IMU22a~22cが搭載されるスティック6、ブーム5、上部旋回体3であって、以降、スティック6、ブーム5、上部旋回体3を搭載部材6、5、3と称する場合もある)専用の識別情報は予め付与されておらず、後述する自動特定システムによる特定作業が完了するまでは、コントローラ21は何れのIMU22が何れの搭載部材6、5、3に搭載されたものであるかは特定できないようになっている。尚、本実施の形態において、前記特定作業が完了していないIMU22a~22cをまとめてIMU22と記する場合もある。
【0012】
次に、前記コントローラ21の行う制御のうち、前記IMU22a~22cおよび自動特定システムに係る制御について、図3の構成ブロック図および図4のフローチャート図に基づいて説明する。
図3の構成ブロック図に示す如く、コントローラ21は、入力側に、前記IMU22a~22cが車載ネットワーク23を経由して接続され、出力側に、前記ブーム用伸長側、ブーム用縮小側、スティック用伸長側、スティック用縮小側電磁比例弁19A、19B、20A、20Bが接続され、さらに前記モニター装置13が入出力可能に接続されているとともに、コントローラ21には、IMU22の自動特定作業を制御する自動特定制御部25、自動特定作業で特定されたIMU22a~22cと搭載部材6、5、3との対応関係を保存するメモリ26、IMU22a~22cからの検出信号に基づいて油圧ショベル1の姿勢を演算する姿勢演算部27等が設けられており、さらに前記自動特定制御部25は、フロント部材制御手段25aおよびセンサ特定手段25bを備えている。
【0013】
前記自動特定制御部25の制御に基づいて実行される自動特定作業は、何れのIMU22が何れの搭載部材6、5、3に搭載されたものであるかを特定するための作業であって、該自動特定作業は、IMU22を油圧ショベル1に新規に搭載した場合等、IMU22と搭載部材6、5、3との対応関係がメモリ26に保存されていない場合や、IMU22の交換時等、既にメモリ26に保存されている前記対応関係を書き換えたい場合等に行われるが、本実施の形態では、自動特定作業はモニター装置13の操作に基づいて開始されるように構成されている。
【0014】
前記モニター装置13は、前述したようにキャブ11内に配設されていて、画面に各種画像や各種機体情報を表示したり、各種設定等を行えるものであるが、このものは、画面に表示されるタッチ操作部や、画面に隣接して配設される操作キーや操作ボタン等、オペレータが操作できる各種操作手段を備えており、該モニター装置13の操作手段として、自動特定作業に用いる後述のモード選択スイッチ13aおよび特定作業開始ボタン13bが設けられているとともに、モニター装置13の画面には、自動特定作業の経過や結果が図や文字で表示されるようになっている。尚、前記モード選択スイッチ13a、特定作業開始ボタン13bは、本発明のモード選択手段、作業開始操作手段に相当する。
【0015】
次いで、前記自動特定制御部25が行う自動特定作業の制御について、図4のフローチャート図に基づいて説明する。コントローラ21(自動特定制御部25)は、まず、「自動特定作業モード」が選択されているか否かを判断する(ステップS1)。該「自動特定作業モード」は、モニター装置13に設けられたモード選択スイッチ13aをオペレータが操作することで選択されるが、本実施の形態では、モニター装置13の画面にサービス用画面を表示させることで各種モードの選択を行えるようになっており、これら各種モードのなかからモード選択スイッチ13aで「自動特定作業モード」を選択できるようになっている。そして、該「自動特定作業モード」が選択されている場合のみ自動特定作業を行えるようになっている。
【0016】
前記ステップS1の判断で「YES」、つまり「自動特定作業モード」が選択されている場合には、続けて、特定作業開始の操作が行われたか否かが判断される(ステップS2)。該特定作業開始の操作は、本実施の形態では、オペレータがモニター装置13に設けられた特定作業開始ボタン13bを押すことで行われるようになっている。
【0017】
前記ステップS1の判断で「NO」、つまり「自動特定作業モード」が選択されていない場合には、ステップS1の判断に戻る。また、ステップS2の判断で「NO」、つまり特定作業開始の操作が行われていない場合には、ステップS2の判断に戻る。
【0018】
一方、前記ステップS2の判断で「YES」、つまり特定作業開始の操作が行われた(特定作業開始ボタン13b押された)場合、コントローラ21は、スティック6を単独でイン側に駆動させるための制御指令を出力する(ステップS3)。具体的には、コントローラ21からスティック用伸長側電磁比例弁20Aにパイロット圧出力の制御指令が出力され、これによりスティック用コントロールバルブ18が伸長側作動位置Xに切換わってスティックシリンダ9を伸長させ、これによってスティック6がイン側に駆動する。
【0019】
次いでコントローラ21は、検出値が入力される複数のIMU22のうち、検出値の変化が予め設定される閾値以上のIMU22があるか否かを判断する(ステップS4)。このステップS4の判断は、何れかのIMU22の検出値の変化が閾値以上となるまで行われる。
【0020】
前記ステップS4の判断で「YES」、つまり検出値の変化が予め設定される閾値以上のIMU22があった場合には、そのIMU22をスティック6に搭載されているスティック用IMU22aであると特定し、該スティック用IMU22aの個体識別番号とスティック6との対応関係をメモリ26に登録して保存する(ステップS5)。つまり、ステップS3の処理によりスティック6が単独で駆動した場合に、該スティック6に搭載されているIMU22aは検出値が変化する一方、ブーム5および上部旋回体3に搭載されているIMU22は検出値が変化しないはずであるから、検出値が変化したIMU22aをスティック用IMU22aであると特定できることになるが、この場合に、検出値の変化を閾値以上とすることで、振動等で検出値が微変動した場合の誤判断を排除できる。
【0021】
前記ステップS5の処理の終了後、コントローラ21は、スティック6のイン側への駆動を停止させる制御指令を出力する(ステップS6)。具体的には、スティック用伸長側電磁比例弁20Aへのパイロット圧出力の制御指令を停止し、これによりスティック用コントロールバルブ18が中立位置Nに復帰してスティックシリンダ9を停止させ、これによってスティック6の駆動が停止する。
【0022】
前記ステップS6の処理の終了後、続けてコントローラ21は、ブーム5を単独で駆動させるための制御指令を出力する(ステップS7)。具体的には、コントローラ21からブーム用伸長側電磁比例弁19Aにパイロット圧出力の制御指令が出力され、これによりブーム用コントロールバルブ17が伸長側作動位置Xに切換わってブームシリンダ8を伸長させ、これによってブーム5が上動する。
【0023】
次いでコントローラ21は、検出値が入力される複数のIMU22のうち、前記スティック用IMU22aを除いて、検出値の変化が予め設定される閾値以上のIMU22があるか否かを判断する(ステップS8)。このステップS8の判断は、スティック用IMU22a以外の何れかのIMU22の検出値の変化が閾値以上となるまで行われる。
【0024】
前記ステップS8の判断で「YES」、つまりスティック用IMU22aを除いて検出値の変化が予め設定される閾値以上のIMU22があった場合には、そのIMU22をブーム5に搭載されているブーム用IMU22bであると特定し、該ブーム用IMU22bの個体識別番号とブーム5との対応関係をメモリ26に登録して保存する(ステップS9)。つまり、ステップS7の処理によりブーム5が単独で駆動した場合に、該ブーム5に搭載されているIMU22b、およびブーム5の先端部に連結されたスティック6に搭載されているIMU22aは検出値が変化する一方、上部旋回体3に搭載されているIMU22cは検出値が変化しないはずであるから、スティック用IMU22aを除いて検出値が変化したIMU22bをブーム用IMU22bであると特定できることになるが、この場合に、スティック用IMU22aの場合と同様に、検出値の変化を閾値以上とすることで、振動等で検出値が微変動した場合の誤判断を排除できる。
【0025】
前記ステップS9の処理の終了後、コントローラ21は、ブーム5の駆動を停止させる制御指令を出力する(ステップS10)。具体的には、ブーム用伸長側電磁比例弁19Aへのパイロット圧出力の制御指令を停止し、これによりブーム用コントロールバルブ17が中立位置Nに復帰してブームシリンダ8を停止させ、これによってブーム5の駆動が停止する。
【0026】
前記ステップS10の処理の終了後、コントローラ21は、前記ステップS5、ステップS9でそれぞれスティック用IMU22a、ブーム用IMU22bであると特定された以外のIMU22cを上部旋回体3に搭載されている車体用IMU22cであると特定し、該車体用IMU22cの個体識別番号と上部旋回体3との対応関係をメモリ26に登録して保存する(ステップS10)。これにより、すべてのIMU22a~22cが何れの搭載部材(スティック6,ブーム5、上部旋回体3)に搭載されているかが特定されて、自動特定作業は終了する。
尚、前記自動特定制御部25が行う制御において、ステップS3、S6、S7、S10の制御は自動特定制御部25に備えられたフロント部材制御手段25aによって実行され、ステップS4、S5、S8、S9、S11の制御は自動特定制御部25aに備えられたセンサ特定手段25bによって実行される。
また、特定作業開始の操作、つまり、オペレータが特定作業開始ボタン13bを押す操作は、本発明の特定作業を開始するべく作業開始操作手段を操作するステップに相当し、前記ステップS3、S6、S7、S10は、本発明のフロント部材制御手段からフロント部材駆動手段に制御指令を出力して複数のフロント部材を順次単独で自動的に駆動、停止せしめるステップに相当し、ステップS4、S5、S8、S9は、フロント部材制御手段による各フロント部材の駆動に伴う姿勢情報検出センサの検出値の変化に基づいて当該フロント部材に搭載されている姿勢情報検出センサを特定するステップに相当する。
【0027】
前記メモリ26に登録された各IMU22a~22cと搭載部材6、5、3との対応関係は、姿勢演算部27においてスティック6、ブーム5、上部旋回体3の姿勢を演算するときに用いられる。つまり、姿勢演算部27は、IMU22a~22cから入力される検出信号に付加された固定識別番号と、メモリ26に保存された対応関係とにより、入力された検出信号が何れの搭載部材6、5、3に搭載されたIMU22a~22cのものであるかを識別する。そして、姿勢演算部27は、IMU22a~22cの計測値に基づいて、該IMU22a~22cが搭載された搭載部材6、5、3の姿勢を演算する。例えば、本実施の形態では、スティック6に搭載されたスティック用IMU22aの計測値によってスティック6の傾斜角度が演算され、ブーム5に搭載されたブーム用IMU22bの計測値に基づいてブーム5の傾斜角度が演算され、上部旋回体3の旋回フレーム3aに搭載された車体用IMU22cによって上部旋回体3の傾斜角度が演算される。さらに姿勢演算部27は、これら演算された搭載部材6,5、3の姿勢と、予め入力されている各種データ(例えば、上部旋回体3に対するブーム5の軸支部位置や、ブーム5、スティック6、バケット7の軸支部間の長さ等)とに基づいて、油圧ショベル1の各種姿勢や位置(例えば、上部旋回体3の傾きや、上部旋回体3を基準とした座標系におけるブーム5、スティック6、バケット7の位置等)を演算し、該演された各種姿勢や位置情報をモニター装置13に表示したり、フロント作業機4の可動範囲制限制御等の各種自動制御に利用するべく各種制御手段(図示せず)に出力したりするように構成されている。
【0028】
叙述の如く構成された本実施の形態において、車体本体となる上部旋回体3には、スティック6、ブーム5等の複数のフロント部材を回動自在に連結してなる多関節型のフロント作業機4が取り付けられているとともに、前記スティック6、ブーム5および上部旋回体3には、姿勢情報を検出するための姿勢情報検出センサとしてのIMU22a~22cがそれぞれ搭載されている。そして、これらIMU22a~22cからの検出信号に基づいてコントローラ(制御装置)21によりスティック6、ブーム5、および上部旋回体3の姿勢が演算され、該演算結果は、モニター装置13等の表示装置に表示されたり、各種自動制御に用いられたりすることになるが、このものには、複数のIMU22が新規に搭載された場合等に、各IMU22がそれぞれ何れのフロント部材(スティック6、ブーム5)に搭載されたIMU22であるかを特定するための特定作業を行う自動特定システムが設けられているとともに、該自動特定システムは、特定作業を開始するべく操作される特定作業開始ボタン13b(作業開始操作手段)と、スティック6、ブーム5を順次単独で自動的に駆動、停止せしめるべくスティック用駆動手段、ブーム用駆動手段(本実施の形態では、スティック用駆動手段を構成するスティック用伸長側電磁比例弁20A、ブーム用駆動手段を構成するブーム用伸長側電磁比例弁19A)に制御指令を出力するフロント部材制御手段25aと、該フロント部材制御手段25aによるスティック6、ブーム5の駆動に伴うIMU22の検出値の変化に基づいてスティック6、ブーム5に搭載されているIMU22a、22bを特定するセンサ特定手段25bとを備えて構成されている。
【0029】
この様に、本実施の形態にあっては、各IMU22がそれぞれ何れのフロント部材(スティック6、ブーム5)に搭載されたIMU22であるかを特定するための特定作業を行う場合、該特定作業を開始するべく特定作業開始ボタン13bを操作すると、フロント部材制御手段25aからスティック用駆動手段、ブーム用駆動手段に制御指令が出力されてスティック6、ブーム5が順次単独で自動的に駆動、停止するとともに、これらスティック6、ブーム5の駆動に伴うIMU22の検出値の変化に基づいてセンサ特定手段25bによりIMU22a、22bの特定がなされることになる。この結果、オペレータが特定作業開始ボタン13bを操作するだけで、自動的にIMU22の特定作業が行われることになって、フロント部材を順次駆動させるというオペレータの操作は必要なく、手間を大幅に削減できてオペレータの負担を軽減できるとともに、オペレータの操作ミスによる誤特定の惧れも回避できる。
【0030】
さらに、前記自動特定システムは、該自動特定システムを起動させるモード(「自動特定作業モード」)を選択するためのモード選択手段(モード選択スイッチ13a)が設けられている。これにより、「自動特定作業モード」が選択されていない状態では自動特定作業は行われないことになって、作業開始操作手段(特定作業開始ボタン13b)の誤操作による意図しない自動特定作業の開始を回避することができる。
【0031】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、例えば、フロント部材制御手段による複数のフロント部材の自動的な駆動、停止のプロセスを、作業進行操作手段の操作中のみ進行するように構成することもできる。このように構成することにより、フロント部材の駆動、停止が自動的に行われるものであっても、オペレータがフロント部材の自動的な駆動、停止のプロセスの進行を意識できるとともに、オペレータが作業進行操作手段の操作を停止すれば、フロント部材の自動的な駆動、停止の進行も停止することになって、不測の事態にも対応できることになる。この場合に、作業進行操作手段を、作業開始操作手段と兼用させることができる。例えば、上記実施の形態の作業開始操作手段である特定作業開始ボタン13bを作業進行操作手段に兼用して、特定作業開始ボタン13bを押すことで特定作業を開始するとともに、該特定作業開始ボタン13bを押し続けることで、フロント部材の自動的な駆動、停止のプロセスを進行させるように構成しても良い。この様に作業開始操作手段を作業進行操作手段に兼用することで、部材の兼用化が図れるとともに、オペレータは特定作業の開始操作と進行操作とを一つの操作手段で連続して行えることになって、操作性に優れることになる。尚、作業進行操作手段を作業開始操作手段とは別に設けることもできるし、建設機械に設けられている他の操作具(操作レバー等)を、特定作業時のみ作業進行操作手段として兼用できる構成にしてもよい。
【0032】
さらに、上記実施の形態では、モード選択手段(モード選択スイッチ13a)、作業開始操作手段(特定作業開始ボタン13b)は共にモニター装置13に設けられているが、これに限定されることなく、キャブ内の適宜箇所、例えば各種操作スイッチ等が集中して配設される操作パネル等に設けることもできる。
【0033】
また、フロント部材の姿勢情報を検出する姿勢情報検出センサとしては、IMUに限定されることなく、例えば、傾斜角センサやジャイロセンサであっても良い。
【0034】
さらに、本実施の形態では、姿勢情報検出センサが搭載されるフロント部材としてスティックとブームとを例示したが、本実施の形態のようにスティックの先端部にバケット等の作業アタッチメントが回動自在に設けられており、該作業アタッチメントに姿勢情報検出センサを設ける場合、あるいは、ブームが車体本体に対して左右方向揺動自在に設けられており、該左右方向揺動自在なブームに姿勢情報検出センサを設ける場合、あるいは、油圧ショベル以外の建設機械に設けられる多関節型の作業機を構成する各種フロント部材に姿勢情報検出センサを設ける場合にも、本発明を実施できる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に複数の姿勢情報検出センサを搭載する場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
3 上部旋回体
4 フロント作業機
5 ブーム
6 スティック
8 ブームシリンダ
9 スティックシリンダ
13a モード選択スイッチ
13b 特定作業開始ボタン
19A ブーム用伸長側電磁比例弁
20A スティック用伸長側電磁比例弁
21 コントローラ
22a~22c IMU
25 自動特定制御部
25a フロント部材制御手段
25b センサ特定手段
図1
図2
図3
図4