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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】成形機及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/32 20060101AFI20230705BHJP
   B22D 17/22 20060101ALI20230705BHJP
   B22D 46/00 20060101ALI20230705BHJP
   B29C 45/76 20060101ALI20230705BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
B22D17/32 Z
B22D17/22 Z
B22D17/32
B22D46/00
B29C45/76
B29C45/17
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019122743
(22)【出願日】2019-07-01
(65)【公開番号】P2021007968
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】芝浦機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 和樹
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-088921(JP,A)
【文献】特開平04-115922(JP,A)
【文献】国際公開第2014/192049(WO,A1)
【文献】特開2015-139940(JP,A)
【文献】特開2009-262411(JP,A)
【文献】登録実用新案第3048818(JP,U)
【文献】特開2015-098136(JP,A)
【文献】特開2008-246712(JP,A)
【文献】特開2016-185694(JP,A)
【文献】特開2010-105369(JP,A)
【文献】特開平09-248664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 1/00-47-02
B29C 45/00-45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
型締装置と、
射出装置と、
前記型締装置及び前記射出装置を用いた成形動作を制御する制御装置と、
金型の識別子ごとに分類された金型関連情報を記憶する記憶装置と、
前記成形動作で使用する特定の金型の識別子を前記制御装置に登録可能で、前記記憶装置から前記金型関連情報を呼び出して表示する際に、前記特定の金型の識別子に対応する前記金型関連情報のみを呼び出して表示することが可能である表示装置と、
を備え
前記金型関連情報は、金型の修理履歴を含むことを特徴とする成形機。
【請求項2】
前記特定の金型の識別子に対応する前記金型関連情報のみを呼び出して表示することは、前記金型関連情報を呼び出して表示する時点で自動的に行われることを特徴とする請求項1記載の成形機。
【請求項3】
前記記憶装置は、全ての金型に共通する前記成形機の一般情報を記憶し、
前記表示装置は、前記特定の金型の識別子とは無関係に前記記憶装置から前記一般情報を呼び出して表示することが可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の成形機。
【請求項4】
型締装置と、
射出装置と、
前記型締装置及び前記射出装置を用いた成形動作を制御する制御装置と、
金型の識別子ごとに分類された金型関連情報を記憶する記憶装置と、
前記成形動作で使用する特定の金型の識別子を前記制御装置に登録可能で、前記記憶装置から前記金型関連情報を呼び出して表示する際に、前記特定の金型の識別子に対応する前記金型関連情報のみを呼び出して表示することが可能である表示装置と、
を備え、
前記記憶装置は、前記成形動作で生じるアラームの識別子ごとに分類されたアラーム関連情報を記憶し、
前記表示装置は、前記成形動作で特定のアラームが生じた後に、前記記憶装置から前記アラーム関連情報を呼び出して表示する際に、前記特定のアラームの識別子に対応する前記アラーム関連情報のみを呼び出して表示することが可能であり、
前記特定のアラームの識別子に対応する前記アラーム関連情報のみを呼び出して表示することは、前記アラーム関連情報を呼び出して表示する時点で自動的に行われることを特徴とする成形機。
【請求項5】
前記記憶装置と前記表示装置との間は、無線通信で接続されることを特徴とする請求項1ないし請求項いずれか一項記載の成形機。
【請求項6】
前記記憶装置に、前記金型関連情報を入力する入力装置を、更に備えることを特徴とする請求項1ないし請求項いずれか一項記載の成形機。
【請求項7】
型締装置と、
射出装置と、
前記型締装置及び前記射出装置を用いた成形動作を制御する制御装置と、
金型の識別子ごとに分類された金型関連情報を記憶する記憶装置と、を備える成形機に用いられる表示装置であって、
前記成形動作で使用する特定の金型の識別子を前記制御装置に登録可能で、前記記憶装置から前記金型関連情報を呼び出して表示する際に、前記特定の金型の識別子に対応する前記金型関連情報のみを呼び出して表示することが可能であり、
前記金型関連情報は、金型の修理履歴を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記特定の金型の識別子に対応する前記金型関連情報のみを呼び出して表示することは、前記金型関連情報を呼び出して表示する時点で自動的に行われることを特徴とする請求項記載の表示装置。
【請求項9】
前記記憶装置は、全ての金型に共通する前記成形機の一般情報を記憶し、
前記表示装置は、前記特定の金型の識別子とは無関係に前記記憶装置から前記一般情報を呼び出して表示することが可能であることを特徴とする請求項又は請求項記載の表示装置。
【請求項10】
型締装置と、
射出装置と、
前記型締装置及び前記射出装置を用いた成形動作を制御する制御装置と、
金型の識別子ごとに分類された金型関連情報を記憶する記憶装置と、を備える成形機に用いられる表示装置であって、
前記成形動作で使用する特定の金型の識別子を前記制御装置に登録可能で、前記記憶装置から前記金型関連情報を呼び出して表示する際に、前記特定の金型の識別子に対応する前記金型関連情報のみを呼び出して表示することが可能であり、
前記記憶装置は、前記成形動作で生じるアラームの識別子ごとに分類されたアラーム関連情報を記憶し、
前記表示装置は、前記成形動作で特定のアラームが生じた後に、前記記憶装置から前記アラーム関連情報を呼び出して表示する際に、前記特定のアラームの識別子に対応する前記アラーム関連情報のみを呼び出して表示することが可能であり、
前記特定のアラームの識別子に対応する前記アラーム関連情報のみを呼び出して表示することは、前記アラーム関連情報を呼び出して表示する時点で自動的に行われることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形機及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイカストマシンや射出成形機などの成形機では、所定の金型を用使用して、所定の動作条件に従って制御装置が射出装置や型締装置を制御し、製品を製造する。例えば、成形機を動作させる際に、成形機のオペレータが成形機に関する特定の情報を参照したい場合がある。特定の情報とは、例えば、成形機の操作マニュアルや、使用する金型のチックポイントを記載した金型チェックポイントドキュメント等である。
【0003】
上記の特定の情報は、例えば、紙文書又は電子データとして分散して保管されていたり、成形機に備えられた制御装置の中に電子データとして保存されていたりする。上記の特定の情報を探し出すことは、オペレータにとっては、必ずしも容易ではない。このため、特定の情報を参照するために長い時間がかかり、成形機の生産性が低下するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-246712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、情報を容易に参照することが可能な成形機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の成形機は、型締装置と、射出装置と、前記型締装置及び前記射出装置を用いた成形動作を制御する制御装置と、金型の識別子ごとに分類された金型関連情報を記憶する記憶装置と、前記成形動作で使用する特定の金型の識別子を前記制御装置に登録可能で、前記記憶装置から前記金型関連情報を呼び出して表示する際に、前記特定の金型の識別子に対応する前記金型関連情報のみを呼び出して表示することが可能である表示装置と、を備え、前記金型関連情報は、金型の修理履歴を含む
【0007】
上記態様の成形機において、前記特定の金型の識別子に対応する前記金型関連情報のみを呼び出して表示することは、前記金型関連情報を呼び出して表示する時点で自動的に行われることが好ましい。
【0008】
上記態様の成形機において、前記記憶装置は、全ての金型に共通する前記成形機の一般情報を記憶し、前記表示装置は、前記特定の金型の識別子とは無関係に前記記憶装置から前記一般情報を呼び出して表示することが可能であることが好ましい。
【0010】
本発明の一態様の成形機は、型締装置と、射出装置と、前記型締装置及び前記射出装置を用いた成形動作を制御する制御装置と、金型の識別子ごとに分類された金型関連情報を記憶する記憶装置と、前記成形動作で使用する特定の金型の識別子を前記制御装置に登録可能で、前記記憶装置から前記金型関連情報を呼び出して表示する際に、前記特定の金型の識別子に対応する前記金型関連情報のみを呼び出して表示することが可能である表示装置と、を備え、前記記憶装置は、前記成形動作で生じるアラームの識別子ごとに分類されたアラーム関連情報を記憶し、前記表示装置は、前記成形動作で特定のアラームが生じた後に、前記記憶装置から前記アラーム関連情報を呼び出して表示する際に、前記特定のアラームの識別子に対応する前記アラーム関連情報のみを呼び出して表示することが可能であり、前記特定のアラームの識別子に対応する前記アラーム関連情報のみを呼び出して表示することは、前記アラーム関連情報を呼び出して表示する時点で自動的に行われる。
【0011】
上記態様の成形機において、前記記憶装置と前記表示装置との間は、無線通信で接続されることが好ましい。
【0012】
上記態様の成形機において、前記記憶装置に、前記金型関連情報を入力する入力装置を、更に備えることが好ましい。
【0013】
本発明の一態様の表示装置は、型締装置と、射出装置と、前記型締装置及び前記射出装置を用いた成形動作を制御する制御装置と、金型の識別子ごとに分類された金型関連情報を記憶する記憶装置と、を備える成形機に用いられる表示装置であって、前記成形動作で使用する特定の金型の識別子を前記制御装置に登録可能で、前記記憶装置から前記金型関連情報を呼び出して表示する際に、前記特定の金型の識別子に対応する前記金型関連情報のみを呼び出して表示することが可能であり、前記金型関連情報は、金型の修理履歴を含む
【0014】
上記態様の表示装置において、前記特定の金型の識別子に対応する前記金型関連情報のみを呼び出して表示することは、前記金型関連情報を呼び出して表示する時点で自動的に行われることが好ましい。
【0015】
上記態様の表示装置において、前記記憶装置は、全ての金型に共通する前記成形機の一般情報を記憶し、前記表示装置は、前記特定の金型の識別子とは無関係に前記記憶装置から前記一般情報を呼び出して表示することが可能であることが好ましい。
【0017】
本発明の一態様の表示装置は、型締装置と、射出装置と、前記型締装置及び前記射出装置を用いた成形動作を制御する制御装置と、金型の識別子ごとに分類された金型関連情報を記憶する記憶装置と、を備える成形機に用いられる表示装置であって、前記成形動作で使用する特定の金型の識別子を前記制御装置に登録可能で、前記記憶装置から前記金型関連情報を呼び出して表示する際に、前記特定の金型の識別子に対応する前記金型関連情報のみを呼び出して表示することが可能であり、前記記憶装置は、前記成形動作で生じるアラームの識別子ごとに分類されたアラーム関連情報を記憶し、前記表示装置は、前記成形動作で特定のアラームが生じた後に、前記記憶装置から前記アラーム関連情報を呼び出して表示する際に、前記特定のアラームの識別子に対応する前記アラーム関連情報のみを呼び出して表示することが可能であり、前記特定のアラームの識別子に対応する前記アラーム関連情報のみを呼び出して表示することは、前記アラーム関連情報を呼び出して表示する時点で自動的に行われる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、情報を容易に参照することが可能な成形機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態の成形機を示す模式図。
図2】第1の実施形態の記憶装置に記憶される情報の階層構造の一例を示す図。
図3】第1の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
図4】第1の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
図5】第1の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
図6】第1の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
図7】第1の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
図8】第1の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
図9】第1の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
図10】第1の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
図11】第1の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
図12】第1の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図。
図13】第2の実施形態の成形機を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の成形機は、型締装置と、射出装置と、型締装置及び射出装置を用いた成形動作を制御する制御装置と、金型の識別子ごとに分類された金型関連情報を記憶する記憶装置と、成形動作で使用する特定の金型の識別子を制御装置に登録可能で、記憶装置から金型関連情報を呼び出して表示する際に、特定の金型の識別子に対応する金型関連情報のみを呼び出して表示することが可能である表示装置と、を備える。
【0022】
また、第1の実施形態の表示装置は、型締装置と、射出装置と、型締装置及び射出装置を用いた成形動作を制御する制御装置と、金型の識別子ごとに分類された金型関連情報を記憶する記憶装置と、を備える成形機に用いられる表示装置であって、成形動作で使用する特定の金型の識別子を制御装置に登録可能で、記憶装置から金型関連情報を呼び出して表示する際に、特定の金型の識別子に対応する金型関連情報のみを呼び出して表示することが可能である。
【0023】
図1は、第1の実施形態の成形機を示す模式図である。図1は、第1の実施形態の成形機の平面図を示す。第1の実施形態の成形機は、ダイカストマシン100である。ダイカストマシン100は、成形機の一例である。
【0024】
図1に示すように、ダイカストマシン100は、型締装置10、押出装置12、射出装置14、金型16、制御装置18、スプレイ装置20、給湯装置22、操作装置24、排出部26、記憶装置28、表示装置30、入力装置32を備える。
【0025】
ダイカストマシン100は、金型16の内部に液状金属(溶湯)を射出し、その金属を金型16内で凝固させることにより、ダイカスト品を製造する機械である。金属は、例えば、アルミニウム合金、亜鉛合金、又は、マグネシウム合金である。
【0026】
金型16は、型締装置10と射出装置14との間に設けられる。金型16は、例えば、図示しない固定金型と移動金型を含む。
【0027】
型締装置10は、金型16の開閉及び型締めを行う機能を有する。射出装置14は、金型16の内部に液状金属を射出する機能を有する。押出装置12は、ダイカスト品を固定金型又は移動金型から押し出し、離脱させる機能を有する。型締装置10、射出装置14、及び、押出装置12には、例えば、油圧シリンダが用いられる。
【0028】
スプレイ装置20は、金型16を清掃するための空気を、金型16にスプレイする機能を有する。また、スプレイ装置20は、ダイカスト品の金型16からの押し出しを容易にするための離型剤を、金型16にスプレイする機能を有する。
【0029】
給湯装置22は、射出装置14の射出スリーブに液状金属を供給する機能を有する。ダイカスト品の製造の1サイクル毎に、射出スリーブに液状金属が供給される。
【0030】
操作装置24は、型締装置10、押出装置12、及び、射出装置14の機械的動作を操作するための操作スイッチを有する。操作装置24には、例えば、型締装置10、押出装置12、及び、射出装置14の電源スイッチ、動作開始スイッチ、停止スイッチなどが設けられる。また、操作装置24には、例えば、金型16の開閉スイッチが設けられる。
【0031】
排出部26は、型締装置10、押出装置12、及び、射出装置14により製造されたダイカスト品を、ダイカストマシン100から最終的に排出する部分である。排出部26は、例えば、金型16から押し出されたダイカスト品が載置されたベルトコンベアの末端である。
【0032】
制御装置18は、型締装置10、押出装置12、及び、射出装置14を用いた鋳造動作(成形動作)を、所定の射出条件に基づき制御する機能を有する。制御装置18は、あらかじめ設定された射出条件で鋳造動作が行われるように、型締装置10、押出装置12、及び、射出装置14に対して指令を出力する。
【0033】
制御装置18は、例えば、モニタされる型締装置10、押出装置12、及び、射出装置14の動作状況をフィードバックして、型締装置10、押出装置12、及び、射出装置14の鋳造動作を制御する。制御装置18は、例えば、ダイカストマシン100の鋳造動作をモニタし、動作に問題が生じた際に、アラームを発する機能を有する。
【0034】
制御装置18は、例えば、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで構成される。制御装置18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリ及び半導体メモリに記憶された制御プログラムを含む。
【0035】
記憶装置28は、型締装置10、押出装置12、射出装置14、制御装置18、及び、表示装置30等で構成される本体部から離間して設けられる。記憶装置28は、例えば、本体部とは別の、サーバ内に設けられる。
【0036】
記憶装置28は、ダイカストマシン100に関連する情報を分類して記憶する機能を有する。情報は、例えば、文書データ、動画データ、又は、音声データの形式で記憶される。情報は、例えば、ダイカストマシン100のメーカ側で準備された情報のみならず、ダイカストマシン100のユーザ側で作成された情報も含む。
【0037】
記憶装置28は、鋳造動作で使用する金型の識別子ごとに分類された金型関連情報を記憶する。金型の識別子は、例えば、金型の番号、又は、金型の名称である。金型関連情報は、例えば、金型固有のエラーに関する対応マニュアル、金型の修理履歴、金型の注意すべき点を示す金型チックポイントマニュアル、金型固有の鋳造動作手順等である。
【0038】
また、記憶装置28は、例えば、全ての金型に共通するダイカストマシン100の一般情報を記憶する。ダイカストマシン100の一般情報は、例えば、ダイカストマシン100の取り扱い説明書、ダイカストマシン100の簡単操作マニュアル、動作エラー対策マニュアル等である。ダイカストマシン100の一般情報は、使用される全ての金型に共通する情報である。
【0039】
また、記憶装置28は、例えば、鋳造動作で生じるアラームの識別子ごとに分類されたアラーム関連情報を記憶する。アラームは、例えば、制御装置18により発せられる。アラームの識別子は、例えば、アラームの番号、又は、アラームの名称である。アラーム関連情報は、例えば、アラームの解説、アラーム対応マニュアル等である。
【0040】
また、記憶装置28は、例えば、スプレイ装置20、給湯装置22等の周辺装置関連情報を記憶する。周辺装置関連情報は、例えば、周辺装置の取り扱い説明書、周辺装置の簡単操作マニュアル、周辺装置のエラー対策マニュアル等である。
【0041】
記憶装置28は、例えば、半導体メモリ又はハードディスクである。
【0042】
図2は、第1の実施形態の記憶装置に記憶される情報の階層構造の一例を示す図である。図2は、ダイカストマシン100の記憶装置28の中に記憶される情報の階層構造の一例を示す。
【0043】
記憶装置28の中に記憶される情報の最上層には、例えば、図2に示すように「一般情報」、「金型関連情報」、「アラーム関連情報」、「周辺装置関連情報」のフォルダが設けられる。
【0044】
「一般情報」フォルダの下層には、「一般情報」に紐付けされた情報である文書G01、文書G02が設けられる。なお、「一般情報」フォルダの下層の情報は、図2のように2個に限られるものではなく、1個であっても、3個以上であっても構わない。
【0045】
「金型関連情報」フォルダの下層には、金型の識別子ごとのフォルダが設けられる。図2では、使用される金型が2個の場合を例に示しているが、使用される金型は、3個以上であっても構わない。すなわち、金型の識別子ごとのフォルダは3個以上であっても構わない。
【0046】
「金型No.1」のフォルダの下層に、「No.1」の金型に紐付された情報である文書M11、文書M12、文書M13が設けられる。また、「金型No.2」のフォルダの下層に、「No.2」の金型に紐付された情報である文書M21、文書M22が設けられる。「金型関連情報」は、金型の識別子ごとに分類されている。
【0047】
「アラーム関連情報」フォルダの下層には、アラームの識別子ごとのフォルダが設けられる。図2では、アラームが2個の場合を例に示しているが、アラームは、3個以上であっても構わない。すなわち、アラームの識別子ごとのフォルダは3個以上であっても構わない。
【0048】
「アラームNo.1」のフォルダの下層に、「No.1」のアラームに紐付された情報である文書A11、文書A12、文書A13が設けられる。また、「アラームNo.2」のフォルダの下層に、「No.2」のアラームに紐付された情報である文書A21、文書A22が設けられる。「アラーム関連情報」は、アラームの識別子ごとに分類されている。
【0049】
「周辺装置関連情報」フォルダの下層には、周辺装置の一例である「スプレイ装置」、「給湯装置」のフォルダが設けられる。図2では、周辺装置が2個の場合を例に示しているが、周辺装置は、3個以上であっても構わない。すなわち、周辺装置のフォルダは3個以上であっても構わない。
【0050】
「スプレイ装置」のフォルダの下層に、「スプレイ装置」に紐付された情報である文書P11、文書P12、文書P13が設けられる。また、「給湯装置」のフォルダの下層に、「給湯装置」に紐付された情報である文書P21、文書P22が設けられる。「アラーム関連情報」は、周辺装置の種類ごとに分類されている。
【0051】
表示装置30は、例えば、制御装置18の前面側に取り付けられる。表示装置30は、例えば、制御装置18の入出力装置である。表示装置30は、鋳造動作で使用する特定の金型の条件や識別子を制御装置18に登録することが可能である。
【0052】
表示装置30は、例えば、射出条件の入力や射出条件の表示をする機能を備える。表示装置30は、例えば、鋳造動作の射出波形、アラームメッセージ、製品の生産数、生産の進捗度、品質データ、及び、運転時間を表示することが可能である。
【0053】
また、表示装置30は記憶装置28に記憶された情報を呼び出し表示する機能を備える。記憶装置28と表示装置30との間は、無線通信で接続され情報がやりとりされる。
【0054】
表示装置30は、記憶装置28から金型関連情報を呼び出して表示する際に、鋳造動作に使用する特定の金型の識別子に対応する金型関連情報のみを呼び出して表示することが可能である。表示装置30は、例えば、制御装置18に登録された特定の金型の識別子に紐付された金型関連情報のみを呼び出して表示する。例えば、特定の金型の識別子に対応する金型関連情報のみを呼び出して表示することは、金型関連情報を呼び出して表示する時点で自動的に行われる。
【0055】
また、表示装置30は、特定の金型の識別子とは無関係に記憶装置28からダイカストマシン100の一般情報を呼び出して表示することが可能である。
【0056】
また、表示装置30は、鋳造動作で特定のアラームが生じた後に、記憶装置28からアラーム関連情報を呼び出して表示する際に、特定のアラームの識別子に対応するアラーム関連情報のみを呼び出して表示することが可能である。表示装置30は、例えば、制御装置18の発した特定のアラームの識別子に紐付されたアラーム関連情報のみを呼び出して表示する。例えば、特定のアラームの識別子に対応するエラー関連情報のみを呼び出して表示することは、アラーム関連情報を呼び出して表示する時点で自動的に行われる。
【0057】
また、表示装置30は、周辺装置ごとに分類された周辺装置関連情報を、表示することが可能である。
【0058】
表示装置30は、例えば、タッチパネルの液晶ディスプレイを含む。表示装置30は、例えば、タッチパネルの有機ELディスプレイを含む。
【0059】
入力装置32は、記憶装置28にダイカストマシン100に関連する情報を入力する機能を有する。情報は、例えば、ユーザによって入力される。情報は、例えば、ダイカストマシン100の一般情報、金型関連情報、アラーム関連情報、周辺装置関連情報である。
【0060】
情報が、ユーザによって記憶装置28に入力される際に、情報は分類されて入力される。例えば、金型関連情報は金型の識別子ごとに分類されて入力される。例えば、金型関連情報は金型の識別子に紐付されて入力される。例えば、アラーム関連情報はアラームの識別子ごとに分類されて入力される。例えば、アラーム関連情報は金型の識別子に紐付されて入力される。
【0061】
入力装置32は、例えば、記憶装置28に隣接して設けられる。入力装置32を表示装置30と共通化することも可能である。
【0062】
入力装置32は、例えば、キーボードとマウス、スキャナー、ペンタブレット、デジタルカメラ、データ媒体の接続端子等である。
【0063】
図3図4図5図6図7図8図9図10図11図12は、第1の実施形態の表示装置の表示画面の一例を示す図である。例えば、表示装置30を用いて、オペレータとの対話形式で、記憶装置28に記憶された情報を呼び出し、表示させることが可能である。
【0064】
図3は、記憶装置28の情報を表示させるための初期画面である。「一般情報」、「金型関連情報」、「アラーム関連情報」、「周辺装置関連情報」が選択肢として表示される。また、初期画面には、例えば、制御装置18に登録された鋳造動作で使用する特定の金型の識別子が表示される。図3では、使用金型No.1として表示される。
【0065】
図4は、初期画面で「一般情報」を選択した状態を示す。「一般情報」が強調されている。
【0066】
図5は、初期画面で「一般情報」を選択した後に表示される画面を示す。「一般情報」に紐付された情報である文書G01、文書G02が選択肢として表示される。例えば、文書G01を選択すると、文書G01の内容が表示されることになる。
【0067】
図6は、初期画面で「金型関連情報」を選択した状態を示す。「金型関連情報」が強調されている。
【0068】
図7は、初期画面で「金型関連情報」を選択した後に表示される画面を示す。使用金型No.1に紐付された情報である文書M11、文書M12、文書M13が自動的に選択肢として表示される。例えば、文書M11を選択すると、文書M11の内容が表示されることになる。
【0069】
なお、例えば、初期画面で「金型関連情報」を選択した後に金型の識別子を選択する場面を、別途設けることも可能である。
【0070】
図8は、初期画面で「アラーム関連情報」を選択した状態を示す。「アラーム関連情報」が強調されている。
【0071】
図9は、初期画面で「アラーム関連情報」を選択した後に表示される画面を示す。例えば、制御装置18が発しているアラームの識別子がNo.1であった場合、アラームNo.1に紐付された情報である文書A11、文書A12、文書A13が選択肢として自動的に表示される。例えば、文書A11を選択すると、文書A11の内容が表示されることになる。
【0072】
図10は、初期画面で「周辺装置関連情報」を選択した状態を示す。「周辺装置関連情報」が強調されている。
【0073】
図11は、初期画面で「周辺装置関連情報」を選択した後に表示される画面を示す。周辺装置として使用されている「スプレイ装置」と「給湯装置」が選択肢として表示される。
【0074】
図12は、図11で「スプレイ装置」を選択した後に表示される画面を示す。「スプレイ装置」に紐付された情報である文書P11、文書P12、文書P13が選択してとして表示される。例えば、文書P11を選択すると、文書P11の内容が表示されることになる。
【0075】
次に、第1の実施形態のダイカストマシン及び表示装置の作用及び効果について説明する。
【0076】
ダイカストマシンでは、所定の金型を使用して、所定の動作条件に従って制御装置が射出装置や型締装置を制御し、製品を製造する。例えば、ダイカストマシンを動作させる際に、ダイカストマシンのオペレータがダイカストマシンに関する特定の情報を参照したい場合がある。特定の情報とは、例えば、ダイカストマシンの操作マニュアルや、使用する金型のチックポイントを記載した金型チェックポイントドキュメント等である。
【0077】
上記の特定の情報は、例えば、紙文書又は電子データとして分散して保管されていたり、成形機に備えられた制御装置の中に電子データとして保存されていたりする。上記の特定の情報を探し出すことは、オペレータにとっては、必ずしも容易ではない。このため、特定の情報を参照するために長い時間がかかり、ダイカストマシンの生産性が低下するおそれがある。
【0078】
第1の実施形態のダイカストマシン100は、ダイカストマシン100に関連する情報を分類して記憶する機能を有する記憶装置28を備える。記憶装置28は、金型の識別子ごとに分類された金型関連情報を記憶することが可能である。
【0079】
また、第1の実施形態のダイカストマシン100は、ダイカストマシン100に関連する情報を記憶装置28から呼び出して表示する表示装置30を備える。表示装置30は、鋳造動作で使用する特定の金型の識別子を制御装置18に登録可能である。そして、記憶装置28から金型関連情報を呼び出して表示する際に、制御装置18に登録された特定の金型の識別子に対応する金型関連情報のみを呼び出して表示することが可能である。
【0080】
したがって、オペレータがダイカストマシン100の金型関連情報を参照することが容易になる。よって、金型関連情報を参照するためにかかる時間が短縮され、ダイカストマシン100の生産性が向上する。
【0081】
特定の金型の識別子に対応する金型関連情報のみを呼び出して表示することは、金型関連情報を呼び出して表示する時点で自動的に行われることが好ましい。金型関連情報を参照するためにかかる時間を更に短縮することが可能となる。
【0082】
記憶装置28は、全ての金型に共通するダイカストマシン100の一般情報を記憶することが好ましい。そして、表示装置30は、制御装置18に登録された金型の識別子とは無関係に記憶装置28からダイカストマシン100の一般情報を呼び出して表示することが可能であることが好ましい。オペレータがダイカストマシン100の一般情報を参照することが容易になる。よって、ダイカストマシン100の一般情報を参照するためにかかる時間が短縮され、ダイカストマシン100の生産性が向上する。
【0083】
記憶装置28は、鋳造動作で生じるアラームの識別子ごとに分類されたアラーム関連情報を記憶することが好ましい。そして、表示装置30は、鋳造動作で特定のアラームが生じた後に、記憶装置28からアラーム関連情報を呼び出して表示する際に、特定のアラームの識別子に対応するアラーム関連情報のみを呼び出して表示することが可能であることが好ましい。オペレータがダイカストマシン100のアラーム関連情報を参照することが容易になる。よって、アラーム関連情報を参照するためにかかる時間が短縮され、ダイカストマシン100の生産性が向上する。
【0084】
特定のアラームの識別子に対応するアラーム関連情報のみを呼び出して表示することは、アラーム関連情報を呼び出して表示する時点で自動的に行われることが好ましい。アラーム関連情報を参照するためにかかる時間を更に短縮することが可能となる。
【0085】
記憶装置28は、スプレイ装置20、給湯装置22等の周辺装置関連情報を記憶することが好ましい。そして、表示装置30は、周辺装置ごとに分類された周辺装置関連情報を、表示することが可能であることが好ましい。オペレータがダイカストマシン100の周辺装置関連情報を参照することが容易になる。よって、周辺装置関連情報を参照するためにかかる時間が短縮され、ダイカストマシン100の生産性が向上する。
【0086】
ダイカストマシン100は、記憶装置28に、金型関連情報等の情報を入力する入力装置32を、備えることが好ましい。例えば、ユーザが作成した情報を、ユーザによって記憶装置28に入力することが可能となる。また、情報を入力する際に、情報を分類して入力することが可能となる。
【0087】
以上、第1の実施形態のダイカストマシン及び表示装置によれば、オペレータがダイカストマシンの情報を参照することが容易になる。よって、ダイカストマシンの情報を参照するためにかかる時間が短縮され、ダイカストマシンの生産性が向上する。
【0088】
(第2の実施形態)
第2の実施形態のダイカストマシン及び表示装置は、記憶装置28と制御装置18とが隣接する点で、第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態と重複する内容については、記述を一部省略する。
【0089】
図13は、第2の実施形態の成形機を示す模式図である。図13は、第2の実施形態の成形機の平面図を示す。第2の実施形態の成形機は、ダイカストマシン200である。ダイカストマシン200は、成形機の一例である。
【0090】
図13に示すように、ダイカストマシン100は、型締装置10、押出装置12、射出装置14、金型16、制御装置18、スプレイ装置20、給湯装置22、操作装置24、排出部26、記憶装置28、表示装置30、入力装置32を備える。
【0091】
表示装置30及び入力装置32は、制御装置18に隣接する。記憶装置28と表示装置30は、例えば有線ケーブルで接続される。記憶装置28と表示装置30との間は、有線ケーブルで接続され情報がやりとりされる。なお、表示装置30の機能を制御装置18の中に持たせることも可能である。
【0092】
以上、第2の実施形態のダイカストマシン及び表示装置によれば、第1の実施形態と同様、オペレータがダイカストマシンの情報を参照することが容易になる。よって、ダイカストマシンの情報を参照するためにかかる時間が短縮され、ダイカストマシンの生産性が向上する。
【0093】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。実施形態においては、ダイカストマシン又は表示装置などで、本発明の説明に直接必要としない部分については記載を省略したが、必要とされる、ダイカストマシン又は表示装置などに関わる要素を適宜選択して用いることができる。
【0094】
例えば、第1及び第2の実施形態では、成形機としてダイカストマシンを例に説明したが、成形機は、ダイカストマシンに限定されるものではない。例えば、成形機は、射出成形機であっても構わない。
【0095】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのダイカストマシン及び表示装置は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物の範囲によって定義されるものである。
【符号の説明】
【0096】
10 型締装置
12 押出装置
14 射出装置
16 金型
18 制御装置
20 スプレイ装置
22 給湯装置
24 操作装置
26 排出部
28 記憶装置
30 表示装置
32 入力装置
100 ダイカストマシン
200 ダイカストマシン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13