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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】炉及び材料を処理する方法
(51)【国際特許分類】
   D01F 9/32 20060101AFI20230705BHJP
   F27B 9/04 20060101ALI20230705BHJP
   F27B 9/40 20060101ALI20230705BHJP
   F27D 7/06 20060101ALI20230705BHJP
   F27D 21/00 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
D01F9/32
F27B9/04
F27B9/40
F27D7/06 B
F27D21/00 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020520526
(86)(22)【出願日】2018-10-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 EP2018077920
(87)【国際公開番号】W WO2019073053
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】102017123739.9
(32)【優先日】2017-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520086885
【氏名又は名称】ウォンチュン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ラルス マイネッケ
【審査官】斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-519915(JP,A)
【文献】特開2006-028680(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102758270(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0209115(US,A1)
【文献】特表2019-512613(JP,A)
【文献】特開2001-316946(JP,A)
【文献】特開2004-332155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F 9/08 - 9/32
F27B 9/00 - 9/40
F27D 7/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にファイバー材料を酸化処理する、特にカーボンファイバーを形成する、材料を処理する炉であって、
a)ハウジング内部空間(14)を有するハウジング(12)であって、ファイバー(22)用の通過領域(12;20)を除いて気密であるハウジング(12)と、
b)前記ハウジング(12)の前記ハウジング内部空間(14)内に配置されたプロセス室(28)と、
c)雰囲気装置(42)であって、該雰囲気装置によって熱い作業雰囲気(40)が生成可能であり、かつ前記雰囲気装置が流路(48)を備えた流れシステム(46)を有し、前記流路は、前記ハウジング内部空間(14)内に配置され、それぞれ流れ空間(50)を画成し、かつ流れ通過部を有し、それぞれの流れ空間(50)は流体力学的にプロセス室(28)に接続しており、熱い作業雰囲気(40)が、少なくとも1つの主流れ方向(44)でプロセス室(28)へ供給可能であり、かつプロセス室(28)から導出可能である、雰囲気装置(42)と、
を有する材料を処理する炉において、
d)点検システム(72)を備え、該点検システムによって前記流路(48)の流れ空間(50)は前記ハウジング(12)を通して接近可能であり、
e)前記流路(48)が、前記流れ空間(50)への少なくとも1つの点検出入り口(74)を有しており、
f)前記ハウジング(12)が少なくとも1つの点検入口(76)を有し、該点検入口が前記プロセス室(28)へ向いた内側(76a)を定め、該内側(76a)に前記流路(48)が配置され、前記点検出入り口(74)に前記点検入口(76)を通って到達できるようにする、ことを特徴とする材料を処理する炉。
【請求項2】
それぞれの流路(48)は、主流れ方向(44)に対して横の方向で、長手軸(48a)と、第1の前側(48b)と、対向する第2の前側(48c)とを定め、前記点検出入り口(74)は、前記第1の前側(48b)及び/又は第2の前側(48c)に設けられている、ことを特徴とする請求項に記載の炉。
【請求項3】
それぞれの流路(48)は、前記第1の前側(48b)及び/又はその第2の前側(48c)において、前記ハウジング(12)の前記点検入口(76)と気密に接続されている、ことを特徴とする請求項に記載の炉。
【請求項4】
前記ハウジング(12)は側壁(12c、12d)内に少なくとも1つの点検入口(76)を有している、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の炉。
【請求項5】
前記点検入口(76)は、前記ハウジング(12)内のハウジング通過部(78)と点検ゲート装置(80)とを有し、該点検ゲート装置によって前記ハウジング通過部(78)が解放可能又は閉鎖可能である、ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の炉。
【請求項6】
前記点検ゲート装置(80)は点検ドア(86)を有し、該点検ドアは軸受装置(90)によって軸承され、該軸受装置は次のように、すなわち点検ドア(86)は、特に垂直の揺動軸(88)を中心に揺動可能に、及び/又は水平の縦運動によって、前記ハウジング通過部(78)内へ移動し、かつ再びそこから出るように移動できるように設けられている、ことを特徴とする請求項に記載の炉。
【請求項7】
前記点検入口(76)の内側(76a)に配置されている流路(48)は、通路通過開口部(82)を有し、前記点検システム(72)はシール装置(84)を有し、該シール装置によって1つ又は複数の通路通過開口部(82)が解放可能又は閉鎖可能である、ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の炉。
【請求項8】
前記シール装置(84)は、次のように、すなわち前記点検入口(76)の内側(76a)に配置された流路(48)の通路通過開口部(82)が、必ずすべて同時に、あるいは互いに独立したグループで、あるいは互いに独立して個別に、解放可能又は閉鎖可能であるように設けられている、ことを特徴とする請求項に記載の炉。
【請求項9】
前記点検ドア(86)が前記シール装置(84)を伴って移動する、ことを特徴とする請求項を参照する、請求項に記載の炉。
【請求項10】
前記点検システム(72)が自動化された清掃装置(102)を有している、ことを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の炉。
【請求項11】
特にファイバー材料を酸化処理する、特にカーボンファイバーを形成する、材料を処理する方法において、
ファイバー(22)は請求項1~10の何れか一項に記載の炉内で処理される、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にファイバー材料を酸化処理する、特にカーボンファイバーを形成する、材料を処理する炉に関するものであり、
a)ファイバー用の通過領域を除いて気密なハウジング内部空間を有するハウジングと、
b)ハウジング内部空間内にあるプロセス室と、
c)雰囲気装置であって、これを用いて熱い作業雰囲気が生成可能であり、かつ雰囲気装置が流路を備えた流れシステムを有し、その流路がハウジング内部空間内に配置されており、かつ流れ空間を画成し、かつ流れ通過部を有し、それぞれの流れ空間が次のように、すなわち熱い作業雰囲気が少なくとも1つの主流れ方向をもってプロセス室へ供給可能であり、かつプロセス室から導出可能であるように、流体力学的にプロセス室と接続されている、雰囲気装置と、を有する。
【0002】
さらに、本発明は材料を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
市場で知られている、冒頭で挙げた種類の、カーボンファイバーを酸化処理するために使用される炉において、流路はたとえば吹き込み装置の吹き込みボックスとして、かつ吸い出し装置の吸い出しボックスとして形成されており、それらを通して作業雰囲気がプロセス室を通って循環される。
【0004】
流路の流れ空間は、時間の経過と共に汚れ、特に、プロセス室から作業雰囲気が吸い出されるような流路内には、ファイバー材料が沈積する。ファイバー材料は、プロセス室内で遊離して、循環される作業雰囲気によって吸収されて、導出される。したがって流路もしくはその流れ空間は、点検時に規則的な間隔で検査され、かつ清掃されなければならない。
【0005】
市場で知られた酸化炉において、流れ空間は流れ通過部を通してのみ接近することができ、その流れ通過部自体はプロセス室からのみ達することができる。そのためにこの種の炉は、プロセス室への出入口を有しており、それを通って労働者がプロセス室内へ進入して、そこで流路の流れ空間を手動で清掃することができる。流路の流れ通過部は、通常、流れ方向及び/又は流れ体積を調節するために、流れフラップを有している。この種の流れフラップは、清掃プロセスのために清掃位置へ移動され、その清掃位置において流れ通過部は可能な限り広く開放されており、それによって労働者に流路の流れ空間へのほぼバリアフリーの接近が提供される。清掃プロセス後に、流れフラップは再びその駆動位置へ移動される。常に、流れフラップの調節ミスのリスクが存在する。
【0006】
しかし、流路の流れ通過部は、大体において比較的幅狭であるので、流路の流れ空間への接近は、全体として制限されている。さらに、プロセス室内のスペース状況は、通常どちらかというと狭く、プロセス室内の視認状況はどちらかというと好ましくないので、清掃は面倒であり、清掃結果はたやすく検査することはできない。また労働者は清掃プロセスの前に、プロセス室内が踏み込むことができるために受け入れられる温度になるまで、待たなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、このような考えを考慮する、冒頭で挙げた種類の材料を処理するための炉及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、冒頭で挙げた種類の炉においては、
d)点検システムが設けられており、その点検システムによって流路の流れ空間はハウジングを通って接近可能である、ことによって解決される。
【0009】
本発明によれば、それによって労働者は、流路の流れ空間へ接近するために、もはやプロセス室へ踏み入る必要がないことが可能になる。ハウジングの外部から清掃する場合に、労働者にとってスペース及び視野の状況が著しく改良されている。また、プロセス室内をまだ、労働者によって受け入れられないような高い温度が支配している時に、すでに清掃を開始することができる。流れフラップの再調節も省くことができるので、清掃後の流れフラップの調整ミスのリスクも除かれている。
【0010】
a)流路が、流れ空間への少なくとも1つの点検出入口を有し、
b)ハウジングが少なくとも1つの点検入口を有し、その点検入口が、プロセス室へ向いた内側を定め、その内側に流路が、その点検出入口が点検入口を通して到達可能であるように、配置されていると効果的である。
【0011】
既知の炉内では、流路はハウジングの側壁の間に延びている。したがって、それぞれの流路が主流れ方向に対して横の方向に長手軸と第1の前側及び対向する第2の前側を定め、かつ点検出入り口が第1及び/又は第2の前側に設けられていると、特に効果的である。したがって、接近は流路の少なくとも1つの前側において行われる。
【0012】
好ましくはそれぞれの流路は、その第1の前側及び/又はその第2の前側において、ハウジングの点検入口と気密に接続されている。
【0013】
好ましくはハウジングは側壁内に少なくとも1つの点検入口を有している。これが同様に、ハウジングの側壁の間の流路の上述した配置を考慮している。
【0014】
自由な接近のためには、点検入口がハウジング内のハウジング通過部と点検ゲート装置を有しており、その点検ゲート装置によってハウジング通過部が解放可能又は閉鎖可能であると、効果的である。
【0015】
点検ゲート装置は、好ましくは点検ドアを有し、その点検ドアが軸受装置によって軸承されており、その軸受装置は、点検ドアが特に垂直の揺動軸を中心に揺動可能であり、かつ/又は水平の縦移動によってハウジング通過部内へ移動し、かつそこから再び出るように移動できるように、整えられている
【0016】
実際においては、点検入口の内側に配置された流路が通路通過開口部を有し、かつ点検システムがシール装置を有しており、そのシール装置によって1つ又は複数の通路通過開口部が解放可能又は閉鎖可能であると、効果的である。
【0017】
代替案として、シール装置が次のように、すなわち点検入口の内側に配置された流路の通路通過開口部が、必ずすべて同時に、あるいは互いに独立してグループで、あるいは互いに独立して個別に、解放可能又は閉鎖可能であるように、整えられていると、効果的である。ハウジングの種々の点検入口に、異なるシール装置を設けることができる。
【0018】
点検ドアがシール装置を伴って移動する場合に、シール装置の別体の固定を省くことができる。シール装置は、特に取り外して、清掃プロセス後に再び固定する必要がない。
【0019】
点検システムが自動化された清掃装置を有する場合には、流れ空間は自動的に保証された品質で清掃することができる。
【0020】
上述した課題は、冒頭で挙げた方法においては、ファイバーが上述した特徴のいくつか、あるいはすべてを有する炉内で処理されることによって、解決される。
【0021】
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、カーボンファイバーを形成するための酸化炉を、図2のI-I線に沿って示す垂直縦断面図であって、酸化炉がハウジングを有し、そのハウジングがプロセス室を画成しており、そのプロセス室を通って熱い作業雰囲気が流路によって循環され、その流路はハウジングの側壁の間に延びている。
図2図2は、図1に示す酸化炉を、切断線II-IIに沿って示す水平断面図であって、ハウジング内の点検入口と流路の点検出入口とを有する点検システムが示されているので、1つ又は複数の流路の内部の流れ空間はハウジングを通して接近することができる。
図3図3は、垂直断面図のIIIで示す部分を図2の矢印IIIの視線方向から示し、示された点検システムがハウジングの側壁内の点検ドアの形式の点検ゲート装置を有し、その側壁が透視して示されており、かつその側壁の後方にシール装置と流路が認識される。
図4図4は、図2にIVで示される部分の水平断面の詳細を示しており、点検システムの点検ドアの機能が明らかにされている。
図5図5は、図3に示す、点検システムの開放された点検ドアを有する部分を示し、シール装置はすべての流路の前側の通路通過開口部を唯一のカバー部材によって閉鎖している。
図6図6は、図3及び図5に示す部分を、カバー部材を取り去って、流路の通路通過開口部が見えるように示している。
図7図7は、開放された点検ドアを有する、図5に相当する部分を示し、シール装置を有する変形された点検システムを示し、そのシール装置は流路のそれぞれのグループのための複数のカバー部材を有している。
図8図8は、開放された点検ドアを有する、図5に相当する部分を示し、シール装置を有するさらに変形された点検システムを示し、そのシール装置はそれぞれ唯一の流路のために複数のカバー部材を有している。
図9図9は、図4に相当する部分を示しており、変形された点検ドアが示されている。
図10図10図4図9に相当する部分を示し、変形された点検ゲート装置が示し、それにおいてシール装置は点検ドアに結合されている。
図11図11は、図4図9に相当する部分を示し、流路の2つの前側を介しての接近と手動の清掃プロセスを示す。
図12図12は、図11に示す、変形された点検システムを有する部分が示されており、その点検システムは自動化された清掃システムを有している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1及び図2は、材料を処理するための炉の垂直縦断面と水平断面を示しており、その炉は例として酸化炉10として示され、その酸化炉はカーボンファイバーを形成するために使用され、かつその酸化炉内でファイバー材料が酸化処理される。酸化炉10はハウジング12を有しており、そのハウジングは底壁12a、天井壁12b及び2つの側壁12cと12dによって、酸化炉10のハウジング内部空間14を形成する通過空間を画成している。
【0024】
ハウジング内部空間14を画成するハウジング12は、同時に酸化炉のアウターハウジングを形成することができる。代替的に、このハウジング12は内側のハウジングジャケットを形成することができ、かつそれ自体1つ又は複数の外側のハウジングジャケットによって包囲することができる。
【0025】
ハウジング12は、その前端部にそれぞれ前壁16a、16bを有しており、前壁16a内に下から上へ向かって交互に水平の入口スリット18と出口スリット20の形式の通過開口部が、そして対向する前壁16b内には下から上へ向かって交互に水平の出口スリット20と入口スリット18の形式の通過開口部が設けられており、見やすくするためにそれらすべてには参照符号はつけられていない。入口スリットと出口スリット18もしくは20を通ってファイバー22がハウジング内部空間14内へ導入され、かつふたたびそこから導出される。入口スリットと出口スリット18、20は、一般的に、カーボンファイバー22のためのハウジング12の通過領域を形成する。この通過開口部を別にして、酸化炉10のハウジング12は気密である。
【0026】
ハウジング内部空間14自体は、長手方向に3つの領域に分割されており、かつ、前壁16aのすぐ隣に配置されている第1の前チャンバ24、対向する前壁16bのすぐ隣に隣接する第2の前チャンバ26を有している。ハウジング内部空間14内にプロセス室28が存在し、そのプロセス室はこの実施例において前チャンバ24、26の間に設けられている。
【0027】
そのようにして前チャンバ24、26は、同時にハウジング内部空間14もしくはプロセス室28内へのファイバー22のための入口ロックと出口ロックを形成している。
【0028】
処理すべきカーボンファイバーは、酸化炉10のハウジング内部空間14へ、ファイバーカーペット30の形式で平行に延びるように供給される。そのためにファイバー22は、ハウジング12の外部で前壁16aの隣に位置する第1の方向変換領域32から前壁16a内の一番上の入口スリット18を通って前チャンバ24内へ進入する。ファイバー32はその後、プロセス室18を通り、かつ反対側の前壁26を通って、ハウジング12の外部で前壁16bの隣に位置する第2の方向変換領域34へ案内され、そこから再び戻るように案内される。
【0029】
全体としてファイバー22は、プロセス室28を上から下へ向かって互いに連続する方向変換ローラ36を介して蛇行して通過し、その方向変換ローラのうち2つだけに符号が設けられている。方向変換ローラ36の間で、互いに並んで延びる多数のファイバー22によって形成されるファイバーカーペット30が、それぞれ平面38を形成する。図1に示す実施例において、この種の平面38が6つ設けられている。ファイバー22の推移は、下から上へ向かって行うこともでき、図1に示されるよりも多い、あるいは少ない平面38を形成することもできる。図2においては、上から見て、第3の平面38.3が認識され、したがってこの平面は図1においてもそれとして示されており、ファイバーカーペット30を示唆するために、少ないファイバー22のみが大きな間隔で示されている。実際においては、ファイバー22はファイバーカーペット30の平面38内で互いに対してわずかな間隔で延びている。
【0030】
この実施例において、ファイバー22はプロセス室28を全部が通過した後に、前壁16a内の一番下の出口スリット20を通って酸化炉10を出てゆく。ファイバー22は、前壁16b内の一番上の入口スリット18に達する前及び前壁16b内の一番下の出口スリット20を通って酸化炉10を出た後に、ハウジング12の外部で他の、それとして図示されないガイドローラを介して案内される。
【0031】
プロセス室28は、プロセス条件のもとで、雰囲気装置42によって構築される熱い作業雰囲気40によって貫流される。一般的に表現すると、雰囲気装置42によって熱い作業雰囲気40が形成されて、プロセス室28を通って案内されるので、この作業雰囲気がプロセス室28をプロセス条件のもとで貫流すると言える。実際においては、作業雰囲気は空気であり、したがって以下においては、酸化炉10の雰囲気収支に寄与するすべてのガスについて同義語として、空気という概念が選択され、かつプロセス空気、循環空気、排気、新鮮空気などに言及される。しかしプロセス室28を通して他のガスを案内することもできる。
【0032】
プロセス室28内では、それぞれ主流れ方向44を有する2つの逆方向の空気流が維持される。そのために雰囲気装置42は、流路48を備えた流れシステム46を有しており、それらの流路はハウジング内部空間14内に配置されており、かつそれぞれ流れ空間50を画成し、その流路を用いて作業雰囲気40をプロセス室28を通して案内することができる。
【0033】
逆方向の空気流を生成させるために、流れシステム46はプロセス室28の中央の領域内に2つの吹き込み装置52を有し、かつプロセス室28の前側の2つの終端領域内にそれぞれ吸い出し装置54を有している。吸い出し装置54は、それぞれ前チャンバ24、26に隣接して配置されている。吹き込み装置52は、それぞれ上で挙げた、それぞれ複数の吹き込み通路56の形式の流路48を有し、吸い出し装置54はそれぞれ上で挙げた、それぞれ複数の吸い出し通路58の形式の流路48を有している。流路48、したがってここでは吹き込み通路56と吸い出し通路58は、それぞれファイバーカーペット30の間に形成される平面38の間に配置されており、かつ主流れ方向44に対して横方向に延びているので、流路48は主流れ方向44に対して横方向に長手軸48aと第1の前側48b及び対向する前側48cを定め、それらは図2においてのみ、そしてそこだけで流路48に符号が設けられている。
【0034】
主流れ方向44に対して横方向というのは、ここに記述される実施例において、主流れ方向44に対して直角を意味する。図示されない変形例においては、流路48は斜めに、かつ主流れ方向44に対して直角とは異なって延びることもできる。
【0035】
この実施例において、流路48はハウジング12の側壁12cと12dの間に延びている。流路48は、その長手軸48aのこの延び方向に沿ってそれぞれ流れ通過部を有しており、それらは図では断面に基づいて認識できないので、流路48のそれぞれの流れ空間50は流体力学的にプロセス室28と次のように、すなわち作業雰囲気がプロセス室28へ供給され、あるいはプロセス室28から搬出されるように、接続されている。流れ通過部内には、それ自体知られたやり方で、冒頭に記述されるように、変位可能な流れフラップが配置されている。
【0036】
したがって吹き込み通路56において、この流れ通過部が吹き込み開口部を形成し、それを通してプロセス空気が吹き込み通路56のそれぞれの流れ空間50からプロセス室28内へ達する。吸い出し通路58において、この流れ通過部が同様にして吸い出し開口部を形成し、それを通してプロセス室28から雰囲気が吸い出し通路58のそれぞれの流れ空間50内へ流入する。
【0037】
吹き込み通路56と吸い出し通路58は、ここに図示する酸化炉10において、吹き込みボックスもしくは吸い出しボックスとして、したがってボックス形状の流路として形成されている。しかし、それとは異なる幾何学配置も、まったくもって可能である。
【0038】
雰囲気装置42による調整のために、作業雰囲気40が吸い出し装置54と吹き込み装置52の間で循環導管60を通して送風機62によって移送されて、調整装置64を貫流する。調整装置64は、たとえば熱交換器66として示されている。というのは、調整として特に作業雰囲気40の温度が調節されるからである。調整装置64の上流において排気導管68がそれとして図示されない弁によって循環導管60から分岐し、その循環導管を介して循環される作業雰囲気40のある割合を導出することができる。
【0039】
酸化炉10の空気収支を維持するために、割合的に流出する排気体積が新鮮空気供給装置70によって補償され、その新鮮空気供給装置によって吹き込み装置52に新鮮空気を供給することができる。
【0040】
したがって全体として、2つの循環空気回路が閉成されており、かつ酸化炉10は流体力学的にいわゆる「センター・ツー・エンド(center to end)」原理に従って駆動される。しかしまた他のすべての流れ原理、特に「エンド・ツー・センター」又は「エンド・ツー・エンド」の原理も具現することができる。
【0041】
冒頭で説明したように、流れシステム46の流路48の流れ空間50は、かつ特に吸い出し装置54の吸い出し通路58の流れ空間50は、規則的な間隔で清掃されなければならない。
【0042】
この目的のために、酸化炉10は点検システム72を有しており、その点検システムによって流路48の流れ空間50がハウジング12を通して接近可能である。
【0043】
そのために、流路48が流れ空間50への点検出入り口74を有し、ハウジング12が点検入口76を有しており、それらがそれぞれハウジング内部空間14を向いた内側76aとハウジング12の周囲へ向いた外側76bとを定める。ハウジング12の点検入口76のそれぞれの内側76aにおいて流路48は、点検入口76を通ってその点検出入り口74へ達することができるように、配置されている。
【0044】
流路48の点検出入り口74は、認識できない流れ通過部とは別に、かつそれを補うように設けられている。流路48の点検出入り口74は、片方又は両方の前側48aもしくは48bに設けられている。流路48が点検出入り口74をその前側48c、48dの片方に有するか、両方に有するかに従って、ハウジング12は点検入口76を側壁12cと12dの片方又は両方に有し、それらはそれぞれ付属の流路48の長手軸48aの延長上においてそのそれぞれの点検出入り口に対向して配置されている。
【0045】
まず、記述される実施例において、各流路48は側壁12cを向いた前側48aに1つの点検出入り口74のみを有しており、したがってハウジング12はこの前壁12cにのみ点検入口76を有している。しかし図2においてはすでに、ハウジング12の点検入口76は対向する側壁12dに破線で示唆されている。
【0046】
点検システム72は、ハウジング12の各点検入口76のためにハウジング12内のハウジング通過部78と点検ゲート装置80とを有しており、その点検ゲート装置によってこのハウジング通過部78を解放し、あるへは閉鎖することができる。点検システム72は、さらに、流路48の各点検出入口74のために、通路通過開口部82とシール装置84とを有しており、そのシール装置によってこの種の通路通過開口部82の1つ又は複数を解放し、あるいは閉鎖することができる。通路通過開口部82は、図6のみにシール装置84が取り除かれて認識される。シール装置84によって、プロセス空気が点検出入り口74を通って付属の流路48の流れ空間50からプロセス室28内へ流出し、あるいはプロセス室28から流れ空間50内へ流入し得ること(これはプロセス室28内に望ましくない旋回と乱流をもたらすことになる)が、阻止される。
【0047】
シール装置84は、必ずしもそうする必要はないが、通路通過開口部82を流体密に閉鎖するように整えることができる。しかし原則的には、それぞれの通路通過開口部82の凹凸のあるカバーで充分である。
【0048】
図3図6には、実施例が示されており、それにおいて点検ドア装置80はハウジング12の点検入口76に点検ドア86として形成されており、その点検ドアが軸受装置88によってハウジング12の側壁12cに固定されている。軸受装置88は、点検ドア86が揺動軸90を中心に揺動できるように、整えられている。そのために軸受装置88は、たとえば単純な揺動継ぎ手として形成することができる。揺動軸90は垂直に方向づけされているが、揺動軸90が水平に方向づけされる変形例も可能である。
【0049】
ハウジング通過部78は、流路48の長手軸48aの方向に見てこのハウジング通過部が、ハウジング内部空間14内で点検入口76の内側76aにおいて点検ドア86の後方に配置されるすべての流路48をカバーするように、寸法設計されている。点検ドア86は、熱的に絶縁し、かつその仕様において酸化炉10のハウジング12に相当する。
【0050】
シール装置84は、すべての通路通過開口部82が必ず同時に解放又は閉鎖できるように、整えられている。そのためにシール装置84は、カバープレートの形式のカバー部材92を有しており、そのカバー部材が点検入口76の内側76aに設けられたすべての流路48の前側48bをカバーし、かつ流路48の存在している通路通過開口部82を覆う。
【0051】
通路通過開口部82は、軸受フレーム94にっよって包囲されているので、通路通過開口部82の横断面は付属の流路48の流れ空間50の横断面よりも小さい。シール装置84、すなわちここではカバー部材92は、固定手段96によってこの種の軸受フレーム94の1つ又は複数に取り外し可能に固定されている。この実施例において、固定手段96はねじとして示されているが、取り外し可能な適切な固定のために、たとえば係止結合又はクランプ結合のような、他の既知のすべての固定手段を利用することができる。またカバー部材自体は揺動部材として形成することができ、かつしかるべき継ぎ手を介して流路48に支承することができる。
【0052】
軸受フレーム94は省くこともできる。この場合においては、通路通過開口部82は付属の流路48の流れ空間50と同じ横断面を有する。シール装置84、すなわちここではカバー部材92の固定は、流路48の外側に、たとえばフランジ結合を介して行うことができる。
【0053】
流路48の、すなわち吹き込み通路56及び/又は吸い出し通路58の点検のみを実施しようとする場合には、清掃すべき又は保守すべき流路がその後ろにある、ハウジング12の点検入口76の点検ドア86が開放される。これに続いてシール装置84が手動で次のように、すなわち流路48がいまや露出された通路通過開口部82を通してハウジング10の外部から接近でき、かつ到達することができるように、取り除かれ、あるいは移動される。
【0054】
いまや、労働者は、それ自体知られているように、流れ空間50の清掃又は保守を行うことができる。清掃又は保守が行われた後に、シール装置84が再びそのシール位置に固定されて、ハウジング12の点検ドア86が閉鎖される。
【0055】
図7は、変形例を示しており、それにおいてシール装置84は、通路通過開口部82の個々のグループが互いに独立して解放又は閉鎖することができるように、整えられている。図7に示す実施例において、点検入口76の後方に設けられた全部で7つの流路48が、3つの流路48を有する第1のグループ98a及びそれぞれ2つの流路48を有する第2と第3のグループ98b、98cを定める。これらのグループ98a、98b及び98cのために、シール装置84は3つのカバー部材92a、92b、92cを有しており、それらが点検入口76の内側76aに設けられた流路48のグループ98a、98b、98cのそれぞれの前側48bをカバーし、かつ流路48の存在する通路通過開口部82を覆う。
【0056】
図8は、他の変形例を示しており、それにおいてシール装置84は、個々の通路通過開口部82が独立して解放又は閉鎖できるように整えられている。したがって各通路通過開口部82のために、該当する流路48の軸受フレーム94に別々に固定された、付属のカバー部材92が設けられている。
【0057】
点検ドア86が揺動軸90を中心に揺動可能であるだけの、図3図8に示す軸受装置88においては、揺動運動のために必要な運動自由空間を得るために、点検ドア86の垂直の長手端縁はプロセス室28の方向に先細りにならなければならない。それによって、点検ドア86が閉鎖されている場合には、点検ドア86の長手端縁と側壁12cとの間に間隙が残る。これが図8に、そして下で説明する図10においても認識される。
【0058】
しかし、この間隙の領域内では、ハウジング12の絶縁作用が低下し、外側への漏れが生じることがあり得る。このドアコンセプトにおいても密閉性は原則的に保証することはできるが、図9に示す変形された軸受装置88は、代替案を提供し、それにおいてより高い密閉性を保証することができる。
【0059】
そこの軸受装置88は、点検ドア86が水平の縦運動によってハウジング通過部78内へ進入し、かつそこから出ることができるように整えられている。点検ドア86がハウジング通過部78から出るように移動されている場合に、それは揺動し、したがってハウジング通過部78から離れるように移動することができる。点検ドアは、垂直の揺動軸を中心に揺動され、あるいは平行摺動で移動することができる。後者が、図9に示されている。図9において軸受装置88は、平行四辺形ガイドとして示唆されており、それを用いて記述された運動シーケンスが可能である。
【0060】
図10は、図3図8に示す軸受装置88を、再び変形例で示しており、それにおいてシール装置84が点検ドア86によって連動される。これは、点検ドア86の軸受コンセプトとは関係なく可能である。
【0061】
具体的な実施例において、図3図6に示すカバー部材92は、点検ドア86の、流路48を向いた内側において、この点検ドアと結合されている。点検ドア86がハウジング通過部78を閉鎖した場合に、カバー部材92が流路48の通路通過開口部82を覆う。点検ドア86が開放された場合には、カバー部材92は点検ドア86と共に移動し、かつ流路48から離れるように移動され、それによって通路通過開口部82は接近可能になる。
【0062】
図11及び図12は、実施例の変形例を示しており、それにおいて流路48は両方の前側48bと48cに通路通過開口部82を有しており、かつ酸化炉10のハウジング12は、2つの側壁12c、12d内のしかるべき位置に付属の点検入口76を有しており、その点検ドアは図示されていない。そのほかにおいて、上述した実施例について述べたことは必要な変更を加えて適用する。
【0063】
図11が示すように、流れ空間50は、ハウジング通過部78と通路通過開口部82が解放された場合に、1人又は複数人の労働者によって点検システム72の手動の清掃装置100により清掃することができる。図11においては例として2つのモップが示されおり、実際においては掃除機を使用することもでき、それによってファイバー材料が吸い出される。
【0064】
代替的に、点検システム72は、自動化された清掃装置102を有することもできる。これを示すのが、この種の清掃装置102の例としてスプレー及び吸い出し装置104を示す図12である。この装置は、スプレーヘッド106を有しており、そのスプレーヘッドは流路48の第1の前側48bに位置決めされる。スプレーヘッド106に、接続ユニット108を介して電気エネルギ、圧縮空気、洗浄剤などのような駆動手段を供給することができる。
【0065】
スプレーヘッド106を用いて、清掃手段として、純粋な洗浄剤、圧縮空気又は洗浄剤/圧縮空気混合物を高圧下で流れ空間50内へ吹き込むことができ、それによって流れ空間50の内側の汚れが剥がされて、吹き込まれた清掃媒体によって収容されて、一緒に案内される。
【0066】
該当する流路48の対向する前側48cに、スプレー及び吸い出し装置104の吸い出しヘッド110が位置決めされており、その吸い出しヘッドが汚れを含んだ清掃媒体を吸い出して、導出する。それに関する導管は、簡単にするために図示されていない。
【0067】
流路48の前側48b、48cに、かつ/又はハウジング通過部78内のしかるべき領域に、スプレーヘッド106及び/又は吸い出しヘッド110用の適切な固定手段が設けられている。
【0068】
図3図12に示す上述した実施例において、清掃すべき流路48は吸い出し通路58によって形成されている。この吸い出し通路内で汚れは主として剥がれた繊維材料によって生じ、その繊維材料はファイバー22がプロセス室28を通過する際に遊離する。
【0069】
吹き込み通路56として用いられる流路48も、時間の経過と共に汚れるので、そこでも規則的な間隔で清掃及び/又は保守が必要である。
【0070】
上述した実施例において、前側48b、48cとハウジング12のそれぞれ対向する側壁12c、12dとの間に細い間隙が残る。この場合においてプロセス室28は、点検ドア86が開放され、かつ点検入口76が解放された場合に、ハウジング12の外部と流れ接続される。
【0071】
しかしこれは、作業雰囲気が腐食性かつ/又は環境又は健康を害するものである場合に、望ましくないことがあり得る。したがって図には示されていない変形例において、流路48はハウジング通過部78まで、あるいはその中までも延びることができ、それぞれの移行領域は気密である。言い換えると、流路48はその第1の前側48b及び/又はその第2の前側48cにおいて、ハウジング12の点検入口76と気密に接続されている。
【0072】
この種の形成において、流路48の清掃又は保守は、駆動の進行中でも少なくとも吹き込み通路56において、しかし場合によっては吹き出し通路58においても、実施することができる。温度差の補償は、清掃すべき流路48内に一時的に挿入される、付加的な加熱装置によって行うことができる。
【0073】
酸化炉10はさらに、監視システムを有することができ、その監視システムはセンサ装置及び付属の制御によって、ハウジング12の点検入口76を開放してよいか否か、あるいは点検入口76が解放されるかを監視する。それが酸化炉10の駆動中に生じることを阻止するために、点検入口76にロック装置を設けることができ、そのロック装置は、監視システムの制御による先立つ承認なしに、しかるべき点検入口76が解放されることを、阻止する。
[構成1]
特にファイバー材料を酸化処理する、特にカーボンファイバーを形成する、材料を処理する炉であって、
a)ハウジング内部空間(14)を有するハウジング(12)であって、ファイバー(22)用の通過領域(12;20)を除いて気密であるハウジング(12)と、
b)前記ハウジング(12)の前記ハウジング内部空間(14)内に配置されたプロセス室(28)と、
c)雰囲気装置(42)であって、該雰囲気装置によって熱い作業雰囲気(40)が生成可能であり、かつ前記雰囲気装置が流路(48)を備えた流れシステム(46)を有し、前記流路は、前記ハウジング内部空間(14)内に配置され、それぞれ流れ空間(50)を画成し、かつ流れ通過部を有し、それぞれの流れ空間(50)は流体力学的にプロセス室(28)に接続しており、熱い作業雰囲気(40)が、少なくとも1つの主流れ方向(44)でプロセス室(28)へ供給可能であり、かつプロセス室(28)から導出可能である、雰囲気装置(42)と、
を有する材料を処理する炉において、
d)点検システム(72)を備え、該点検システムによって前記流路(48)の流れ空間(50)は前記ハウジング(12)を通して接近可能である、ことを特徴とする材料を処理する炉。
[構成2]
a)流路(48)が、前記流れ空間(50)への少なくとも1つの点検出入り口(74)を有しており、
b)前記ハウジング(12)が少なくとも1つの点検入口(76)を有し、該点検入口が前記プロセス室(28)へ向いた内側(76a)を定め、該内側に前記流路(48)が配置され、点検出入り口(74)が前記点検入口(76)を通って到達できるようにする、ことを特徴とする構成1に記載の炉。
[構成3]
それぞれの流路(48)は、主流れ方向(44)に対して横の方向で、長手軸(48a)と、第1の前側(48b)と、対向する第2の前側(48c)とを定め、前記点検出入り口(74)は、前記第1の前側(48b)及び/又は第2の前側(48c)に設けられている、ことを特徴とする構成2に記載の炉。
[構成4]
それぞれの流路(48)は、前記第1の前側(48b)及び/又はその第2の前側(48c)において、前記ハウジング(12)の前記点検入口(76)と気密に接続されている、ことを特徴とする構成3に記載の炉。
[構成5]
前記ハウジング(12)は側壁(12c、12d)内に少なくとも1つの点検入口(76)を有している、ことを特徴とする構成3又は4に記載の炉。
[構成6]
前記点検入口(76)は、前記ハウジング(12)内のハウジング通過部(78)と点検ゲート装置(80)とを有し、該点検ゲート装置によって前記ハウジング通過部(78)が解放可能又は閉鎖可能である、ことを特徴とする構成2~5の何れか一項に記載の炉。
[構成7]
前記点検ゲート装置(80)は点検ドア(86)を有し、該点検ドアは軸受装置(90)によって軸承され、該軸受装置は次のように、すなわち点検ドア(86)は、特に垂直の揺動軸(88)を中心に揺動可能に、及び/又は水平の縦運動によって、前記ハウジング通過部(78)内へ移動し、かつ再びそこから出るように移動できるように設けられている、ことを特徴とする構成6に記載の炉。
[構成8]
前記点検入口(76)の内側(76a)に配置されている流路(48)は、通路通過開口部(82)を有し、前記点検システム(72)はシール装置(84)を有し、該シール装置によって1つ又は複数の通路通過開口部(82)が解放可能又は閉鎖可能である、ことを特徴とする構成2を参照する、構成3~7の何れか一項に記載の炉。
[構成9]
前記シール装置(84)は、次のように、すなわち前記点検入口(76)の内側(76a)に配置された流路(48)の通路通過開口部(82)が、必ずすべて同時に、あるいは互いに独立したグループで、あるいは互いに独立して個別に、解放可能又は閉鎖可能であるように設けられている、ことを特徴とする構成8に記載の炉。
[構成10]
前記点検ドア(86)が前記シール装置(84)を伴って移動する、ことを特徴とする構成7を参照する、構成8又は9に記載の炉。
[構成11]
前記点検システム(72)が自動化された清掃装置(102)を有している、ことを特徴とする構成1~10の何れか一項に記載の炉。
[構成12]
特にファイバー材料を酸化処理する、特にカーボンファイバーを形成する、材料を処理する方法において、
ファイバー(22)は構成1~11の何れか一項に記載の炉内で処理される、ことを特徴とする方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12