(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグ
(51)【国際特許分類】
H01R 24/38 20110101AFI20230705BHJP
H01R 13/633 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
H01R24/38
H01R13/633
(21)【出願番号】P 2021081162
(22)【出願日】2021-05-12
【審査請求日】2021-05-12
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501164676
【氏名又は名称】周 文三
(73)【特許権者】
【識別番号】519443952
【氏名又は名称】周 承賢
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】周 文三
(72)【発明者】
【氏名】周 承賢
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3233078(JP,U)
【文献】中国実用新案第208028250(CN,U)
【文献】特表昭63-502231(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0035667(US,A1)
【文献】登録実用新案第3022442(JP,U)
【文献】特開2010-017857(JP,A)
【文献】実開昭60-092477(JP,U)
【文献】特表平04-501481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R24/00-24/86
H01R13/56-13/72
H01R13/40-13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を備えた、自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグであって、
前記筐体内には、エアポンプが配設され、シガレットライタープラグが電源供給箇所に挿されると電気が供給され、
シガレットライタープラグは、上蓋、下蓋及び電源線を有し、
前記電源線は、元々正負極導線が含まれた電源線を加工して剥かれた正極導線及び負極導線に分離され、前記下蓋の末端ベースの前方には、後縦ピンが設けられ、末端ベースと前記後縦ピンとの間には収納空間が形成され、前記下蓋内には、中縦ピンが設けられ、前記中縦ピンと前記後縦ピンとの間にはもう一つの収納空間が形成され、前記下蓋の一側辺には、弾性を有して導電可能な弾性アーチ体が設けられ、前記下蓋の前記弾性アーチ体に対向した他辺にはサイドウィングが設けられ、前記サイドウィングと前記中縦ピンとの間にはもう一つの収納空間が形成され、前記弾性アーチ体の前記下蓋
の内部の導電ピンと前記中縦ピンとの間にはもう一つの収納空間が同様に形成され、収納空間には、前記電源線が挿設され、前記上蓋及び前記下蓋が係合され、シガレットライタープラグ内の前記電源線は、巻き付けられても折り曲げられてもおらずS字状に形成され
、
前記上蓋は、半円筒状であるとともに、前端及び末端ベースを有し、
前記上蓋の前端には、半円切欠きが凹設され、
末端ベースは、リテイナーを有し、
上蓋の内周壁の前端に隣接した箇所には、対称位置に形成された2つの係合孔が形成され、上蓋の内周壁には、複数の上分離板と、少なくとも1つの位置決め孔とが設けられ、複数の上分離板は、前端当接板及び中段当接板を有し、
上蓋の末端ベースに隣接した箇所には、切欠きが凹設され、上蓋の末端ベースに隣接した箇所には、切欠溝が凹設され、
下蓋は、半円筒状を呈するとともに、前端及び末端ベースを有し、下蓋の前端には、上蓋の半円切欠きに対応した半円切欠きが凹設され、末端ベースは、リテイナーを有し、下蓋の内周壁には、上蓋の係合孔に対応した2つの係合板が設けられ、下蓋の内周壁には、複数の下分離板と、上蓋の少なくとも1つの位置決め孔に対応した位置決めピンと、が設けられ、
前記下蓋の複数の下分離板は、左L字状前分離板、右L字状前分離板、アーチ型板、中支持底板、中縦ピン、後支持底板、後縦ピン、L字状後分離板及び後縦板を有し、
左L字状前分離板及び右L字状前分離板は、互いに対向するように間隔を置いて配列され、左L字状前分離板及び右L字状前分離板は、第1の長さを有する端部が互いに対応した2つの係合板に接続され、第1の長さより大きい第2の長さを有する端部が揃えられるとともに下蓋の前端の半円切欠きに接続され、左L字状前分離板と右L字状前分離板との間には、アーチ型板が横設され、下蓋の内周壁の左L字状前分離板と下蓋の末端ベースとの間には、中支持底板が設けられ、中支持底板上の下蓋中央に隣接した箇所には、上方に延びた中縦ピンが延設され、下蓋の内周壁の中支持底板と下蓋の末端ベースとの間には、後支持底板が設けられ、後支持底板上には、下蓋の末端ベースとの間に間隙が形成されるとともに、上方に延びた後縦ピンが延設され、下蓋の末端ベースと後縦ピンとの間には収納空間が形成され、中縦ピンと後縦ピンとの間にはもう一つの収納空間が形成され、下蓋の内周壁は、中支持底板の対向端にL字状後分離板が設けられ、L字状後分離板は、下蓋の末端ベースとの間に間隙が形成されるとともに、上方に延びた後縦板が延設され、下蓋の末端ベースに隣接した箇所には切欠きが凹設され、切欠きの下蓋の他辺には、サイドウィングが設けられ、サイドウィングと中縦ピンとの間には、もう一つの収納空間が形成され、L字状後分離板と中縦ピンとの間には、同様にもう一つの収納空間が形成され、下蓋の末端ベースに隣接した箇所には、切欠溝が凹設され、切欠溝は、後縦ピンと下蓋の末端ベースとの間に位置することを特徴とする自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグ。
【請求項2】
前記上蓋及び前記下蓋の末端ベースに隣接した箇所には、互いに対応した2つの穿孔が形成され、
プルリングは、2つの末端に設けられた上先端及び下先端が上蓋及び下蓋の穿孔に挿設され、放置状態のプルリングが、上蓋及び下蓋の末端ベースの外周に形成された凹状収納槽に係合され、プルリングと上先端及び下先端との接続箇所には折り曲げ角が形成され、
プルリングの上先端の中心回転軸点を中心点とし、中心点から折り曲げ角の頂点までには距離が規定されることを特徴とする請求項1に記載の自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグ。
【請求項3】
正負極導線が含まれた電源線を下蓋の切欠溝から挿入し、後縦ピンと下蓋の末端ベースとの間の収納空間に挿通して後支持底板上に配線し、中縦ピンと後縦ピンとの間の収納空間と、中縦ピンと下蓋のサイドウィングとの間の収納空間に挿通されて中支持底板上に配線され、L字状後分離板と中縦ピンとの間の収納空間に挿通され、正負極導線が含まれた電源線を加工して剥かれた正極導線及び負極導線に分離し、正極導線及び負極導線は、巻き付けられても折り曲げられてもいないS字状に形成され、正極導線の一端には、正極先端が設けられ、負極導線の一端には、負極先端が設けられ、電源線は、シガレットライタープラグ内に設けられるとともに、巻き付けられても折り曲げられてもいないS字状に形成されることを特徴とする請求項
1又は2に記載の自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグ。
【請求項4】
シガレットライタープラグは小型であり、タイヤのパンク修理装置の空気圧縮機の筐体上に凹設された収納槽に容易に収納され、
シガレットライタープラグは、正極導電ステムを有し、正極導電ステムは、第1口径を有する中間部と、第1口径より大きい第2口径を有する2つの外端とを有するステム体であり、正極導電ステムは、一端にピンが設けられ、他端に外先端が設けられ、ばねは、ピンから正極導電ステムに嵌設されるともに、外先端に当接され、下蓋内に取付けられてS字状に形成された電源線が剥かれて分離された正極導線の正極先端は、正極導電ステムのピンに当接され、ばねが嵌設された正極導電ステムは、下蓋の左L字状前分離板と右L字状前分離板との間に着座されて収容され、アーチ型板上に掛け渡すように設けられ、巻き付けられても折り曲げられてもいないS字状に形成された正極導線は、下蓋の複数の下分離板の間に着座して収容され、
半円弧状の弾性アーチ体は、導電材料で形成され、弾性アーチ体は、一端に適宜な長さの直線状ピンを有し、他端にL字状シートが延設され、L字状シートの末端には、導電ピンが延設され、弾性アーチ体のL字状シートは、下蓋のL字状後分離板と後縦板との間に挟持され、弾性アーチ体の直線状ピンは、L字状後分離板上に当接され、
下蓋内に取付けられてS字状に形成された電源線の剥かれて分離された負極導線の負極先端は、弾性アーチ体の導電ピンに接続され、巻き付けられても折り曲げられてもいない負極導線は、下蓋の複数の下分離板間に着座されて収容され、剥かれて分離された正負極導線は、正極導電ステム、弾性アーチ体の導電ピンにそれぞれ半田付けされるとともに、正負極導線の長さが等しく、短く切る必要も無いし、巻き取って短くすることも必要なく、
電源線が接続された正極導電ステム、ばね及び弾性アーチ体は、下蓋に設けられた複数の下分離板上に収容され、正極導電ステムの外先端は、延ばされて下蓋の前端外側に露出され、正極導電ステム上に設置されたばねは、下蓋の左L字状前分離板と右L字状前分離板との間のアーチ型板上に係合され、弾性アーチ体は、下蓋の切欠きから露出されることを特徴とする請求項
3に記載の自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグ。
【請求項5】
前記上蓋は、電源線の正極導電ステム、ばね及び弾性アーチ体の下蓋と組立てられ、
前記上蓋の位置決め孔は、下蓋の位置決めピンに対応し、
前記上蓋の係合孔、リテイナーは、同時に下蓋の係合板、リテイナーとそれぞれ係合され、上蓋と下蓋とを確実に結合する上、上蓋の前端当接板は、下蓋のアーチ型板上の正極導電ステムに当接され、上蓋の中段当接板は、下蓋の中支持底板上の電源線に押し当てられることを特徴とする請求項
4に記載の自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグ。
【請求項6】
前記上蓋の外周壁には、突出部が設けられ、
上蓋の切欠きの対向端には、サイド切欠が凹設され、
下蓋の外周壁には、上蓋の突出部に対応した突出部が設けられ、
下蓋の切欠きの対向端には、サイドウィングが突設され、
上蓋は、電源線が接続された正極導電ステム、ばね及び弾性アーチ体の下蓋と組み合わされて組立てられると、上蓋のサイド切欠が下蓋のサイドウィングに収容され、上蓋の突出部の最外頂端は端点であり、下蓋の突出部の最外頂端は端点であり、下蓋のサイドウィングの最外頂端は端点であり、サイドウィングの対向端の弾性アーチ体の最外頂端は端点であり、シガレットライタープラグを車内ソケットに抜き挿しするとき、シガレットライタープラグの4つの最外頂端の端点と、車内ソケットの内壁とがバランスして支え合うことを特徴とする請求項
4に記載の自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグに関し、特に、自動車用タイヤのパンク修理装置内に取付けるとともに、自動車のシガレットライターソケットに挿し込むシガレットライタープラグであり、そのシガレットライタープラグが小型であるため、タイヤのパンク修理装置の空気圧縮機の筐体上に凹設された収納槽に容易に収納することができる、自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の自動車で使用される電気製品には、携帯電話、ドライブレコーダー、カーナビなどが含まれ、使用者が自動車で使用するか電気製品の消費電力を節約するために、シガレットライタープラグを自動車のシガレットライターソケットに挿し込んで使用するようになっているが、現在、自動車用タイヤのパンク修理装置にも広く利用されている。従来技術に関するためここでは詳しく述べないが、従来のシガレットライタープラグは、電源線の配線及び使用方式に欠点があり、それは元々正負極導線が含まれた電源線を加工して正極導線及び負極導線を剥き出して分離し、正極導線及び負極導線の先端をシガレットライタープラグ内の正負極導電部にそれぞれ半田付けし、シガレットライタープラグ内の正負極導電部の位置が異なるため、正負極導線を含む先端が揃った電源線を加工して正負極導線を剥き出して分離してから、そのうち一つの極性導線を短く切断するか、巻き取って長さを短くする必要があった。そのため、手間と時間がかかって加工が容易でない上、使用者の習慣により、シガレットライタープラグ外の正負極導線が含まれた電源線全体を抜き出すことによりシガレットライタープラグを抜き出していたため、シガレットライタープラグ内の正負極導線が緩んだり接触不良となったりし、最悪の場合、短絡が発生する虞もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、シガレットライタープラグが小型であるため、タイヤのパンク修理装置の空気圧縮機の筐体上に凹設された収納槽に容易に収納することができ、シガレットライタープラグは、プルリングを有し、シガレットライタープラグを車内ソケットに挿すと、プルリングの折り曲げ角の箇所が車内ソケットの外縁に当接され、プルリングが所定の角度で外方に回転され、シガレットライタープラグを抜く際、所定角度で回転されたプルリングを引抜くことができ、上蓋及び下蓋は、上蓋の係合孔及びリテイナーにより、同時に下蓋の係合板及びリテイナーに確実に係合され、シガレットライタープラグを引抜く際、上蓋及び下蓋が加えられた力により分離したり損壊したりすることを防ぐとともに、回転して緩むことも防ぎ、接触不良、損壊、緩みなどを略完全に無くして従来の問題点を改善する、自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグを提供することにある。
本発明のもう一つの課題は、シガレットライタープラグ内に電源線が設けられ、電源線が剥き出されて正負極導線に分離され、巻き付けられても折り曲げられてもいないS字状に形成され、使用者が電源線を直接抜いて緩んだり接触不良となったりすることを防ぎ、最悪の場合、短絡が発生して大きな危険が発生することを防ぐことができ、電源線は、巻き付けられても折り曲げられてもいないS字状に形成されているため、大きな力で引っ張られて事故が発生することを防ぐ、自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグを提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグを筐体に収納した状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグ及び筐体を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグを筐体に収納した状態を示す断面斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグを示す分解斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグの一部の部品を示す分解斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグの電源線の正極導電ステム、ばね及び弾性アーチ体を下蓋上に配設した状態を示す平面図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグを示す断面斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る上蓋、下蓋及びプルリングを示す分解斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグを示す平面図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグを示す断面図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグを車内ソケットに挿した状態を示す説明図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグを車内ソケットに挿したときに、プルリングの折り曲げ角の箇所が車内ソケット外縁に当接され、プルリングが外方に所定角度で回転される状態を示す説明図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施形態に係るシガレットライタープラグを車内ソケットから抜くときの状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1~
図11を参照する。
図1~
図11に示すように、本発明の一実施形態に係る自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグは、シガレットライタープラグ10を含む。シガレットライタープラグ10は、小型であるため、タイヤのパンク修理装置の空気圧縮機の筐体7上に凹設された収納槽70に容易に収納することができる。タイヤのパンク修理装置の空気圧縮機は、エアポンプ71、シーラントボトル72などの部材を含んでもよい。エアポンプ71は、シーラントボトル72に接続されてもよい。シガレットライタープラグ10を電源供給箇所に挿すと電気が供給される。電源供給箇所は、車内ソケット8でもよい(
図12を参照する)。シガレットライタープラグ10は、上蓋1、下蓋2及び電源線3を含む。上蓋1は、半円筒状であるとともに、前端11及び末端ベース12を有する。上蓋1の前端11には、半円切欠き110が凹設される。末端ベース12は、リテイナー121を有する。上蓋1の内周壁の前端11に隣接した箇所には、対称位置に形成された2つの係合孔13が形成される。上蓋1の内周壁には、複数の上分離板と、少なくとも1つの位置決め孔15とが設けられる。複数の上分離板は、前端当接板141及び中段当接板142を含む。上蓋1の末端ベース12に隣接した箇所には、切欠き16が凹設される。上蓋1の末端ベース12に隣接した箇所には、切欠溝17が凹設される。下蓋2は、半円筒状を呈するとともに、前端21及び末端ベース22を有する。下蓋2の前端21には、上蓋1の半円切欠き110に対応した半円切欠き210が凹設される。末端ベース22は、リテイナー221を有する。下蓋2の内周壁には、上蓋1の係合孔13に対応した2つの係合板23が設けられる。下蓋2の内周壁には、複数の下分離板と、上蓋1の少なくとも1つの位置決め孔15に対応した位置決めピン25と、が設けられる。複数の下分離板は、左L字状前分離板241、右L字状前分離板242、アーチ型板243、中支持底板244、中縦ピン245、後支持底板246、後縦ピン247、L字状後分離板248及び後縦板249を含む。左L字状前分離板241及び右L字状前分離板242は、互いに対向するように間隔を置いて配列される。左L字状前分離板241及び右L字状前分離板242は、短めの端部が互いに対応した2つの係合板23に接続され、長めの端部が揃えられ、下蓋2の前端21の半円切欠き210に接続される。左L字状前分離板241と右L字状前分離板242との間には、アーチ型板243が横設される。下蓋2の内周壁の左L字状前分離板241と下蓋2の末端ベース22との間には、中支持底板244が設けられる。中支持底板244上の下蓋2の中央に隣接した箇所には、上方に延びた中縦ピン245が延設される。下蓋2の内周壁の中支持底板244と下蓋2の末端ベース22との間には、後支持底板246が設けられる。後支持底板246上には、下蓋2の末端ベース22と間隔をおいて上方に延びた後縦ピン247が延設され、下蓋2の末端ベース22と後縦ピン247との間には収納空間91が形成される。中縦ピン245と後縦ピン247との間にはもう一つの収納空間92が形成される。下蓋2の内周壁は、中支持底板244の対向端にL字状後分離板248が設けられる。L字状後分離板248は、下蓋2の末端ベース22との間に間隙が形成されるとともに、上方に延びた後縦板249が延設される。下蓋2の末端ベース22に隣接した箇所には切欠き26が凹設され、切欠き26に対向した下蓋2の他辺には、サイドウィング292が設けられる。サイドウィング292と中縦ピン245との間には、もう一つの収納空間93が形成される。L字状後分離板248と中縦ピン245との間には、もう一つの収納空間94が同様に形成される。下蓋2の末端ベース22に隣接した箇所には、切欠溝27が凹設される。切欠溝27は、後縦ピン247と下蓋2の末端ベース22との間に位置する。電源線3は、元々正負極導線が含まれていた電源線3を加工して剥かれた正極導線31及び負極導線32に分離し、長めと短めの長さの導線に分ける必要がなく、正極導線31及び負極導線32の長さを同じにしてもよいため、非常に加工し易い。電源線3は、下蓋2の複数の下分離板間の収納空間91,92,93,94中に着座されて挿設される。即ち、正負極導線が含まれた電源線3を下蓋2の切欠溝27から挿入し、後縦ピン247と下蓋2の末端ベース22との間の収納空間91に挿通して後支持底板246上に配線し、中縦ピン245と後縦ピン247との間の収納空間92と、中縦ピン245と下蓋2のサイドウィング292との間の収納空間93に挿通されて中支持底板244上に配線され、L字状後分離板248と中縦ピン245との間の収納空間94に挿通され、正負極導線が含まれた電源線3を加工して剥かれた正極導線31及び負極導線32に分離する。正極導線31及び負極導線32は、巻き付けられても折り曲げられてもいないS字状に形成される。正極導線31の一端には、正極先端311が設けられる。負極導線32の一端には、負極先端321が設けられる。電源線3は、シガレットライタープラグ10内に設けられるとともに、巻き付けられても折り曲げられてもいないS字状に形成され、使用者が電源線3を直接抜いて緩んだり接触不良となったりすることを防ぎ、最悪の場合、短絡が発生して大きな危険が発生することも防ぐことができる。電源線3は、巻き付けられても折り曲げられてもいないS字状に形成されているため、大きな力で引っ張られて事故が起きることを防ぐことができる。
【0006】
正極導電ステム4は、口径が小さめの中間部と、口径が大きめの2つの外端とを有するステム体である。正極導電ステム4は、一端にピン41が設けられ、他端に外先端42が設けられる。ばね43は、ピン41から正極導電ステム4に嵌設されるとともに、外先端42に当接される。下蓋2内に取付けられてS字状に形成された電源線3を剥いて分離した正極導線31の正極先端311は、正極導電ステム4のピン41に当接される。ばね43が嵌設された正極導電ステム4は、下蓋2の左L字状前分離板241と右L字状前分離板242との間に着座されて収容され、アーチ型板243上に掛け渡すように設けられる。巻き付けられても折り曲げられてもいないS字状に形成された正極導線31は、下蓋2の複数の下分離板間に着座されて収容される。
【0007】
半円弧状の弾性アーチ体5は、導電材料からなる。弾性アーチ体5は、一端に適宜な長さの直線状ピン51を有し、他端にL字状シート52が延設される。L字状シート52の末端には、導電ピン53が延設される。弾性アーチ体5のL字状シート52は、下蓋2のL字状後分離板248と後縦板249との間に挟持される。弾性アーチ体5の直線状ピン51は、L字状後分離板248上に当接される。弾性アーチ体5の導電ピン53は、L字状後分離板248と中縦ピン245との間の収納空間94に位置する。前述した下蓋2内に取付けられてS字状に形成された電源線3は、剥かれて分離された負極導線32の負極先端321が弾性アーチ体5の導電ピン53に接続される。巻き付けられても折り曲げられてもおらずS字状に形成された負極導線32は、下蓋2の複数の下分離板間に着座して収容され、剥かれて分離された正極導線31及び負極導線32は、正極導電ステム4、弾性アーチ体5の導電ピン53にそれぞれ半田付けされるとともに、正極導線31及び負極導線32の長さが等しく、短く切る必要も無いし、巻き取って長さを短くする必要もないため実用的である。
【0008】
図7及び
図8を参照する。
図7及び
図8に示すように、電源線3が接続された正極導電ステム4と、ばね43と、弾性アーチ体5とは、下蓋2の複数の下分離板上に配設される。正極導電ステム4の外先端42は、延ばされて下蓋2の前端21の半円切欠き210から露出される。正極導電ステム4上に設置されたばね43は、下蓋2の左L字状前分離板241と右L字状前分離板242との間のアーチ型板243上に係合される。弾性アーチ体5は、下蓋2の切欠き26から露出される。
【0009】
上述した上蓋1は、電源線3が接続された正極導電ステム4、ばね43及び弾性アーチ体5の下蓋2と組み合わされて組立てられる。上蓋1の位置決め孔15は、下蓋2の位置決めピン25に対応する。上蓋1の係合孔13、リテイナー121は、下蓋2の係合板23、リテイナー221と同時にそれぞれ係合され、上蓋1と下蓋2とを確実に結合する上、上蓋1の前端当接板141は、下蓋2のアーチ型板243上の正極導電ステム4に当接されて固定される。上蓋1の中段当接板142は、下蓋2の中支持底板244上の電源線3に押し当てられ、本発明の組立構造が完成する。正極導電ステム4、ばね43及び弾性アーチ体5が接続された電源線3の他端は、結合された上蓋1及び下蓋2の末端ベース12,22の切欠溝17,27から挿出され、タイヤのパンク修理装置の空気圧縮機の筐体筐体7に外付けされる(
図2を参照する)。
【0010】
図9及び
図10を参照する。
図9及び
図10に示すように、上蓋1及び下蓋2の末端ベース12,22に隣接した箇所には、互いに対応した2つの穿孔182,282が形成される。下蓋2の穿孔282の構造は、上蓋1に対応した穿孔182の構造と同じである。プルリング6は、2つの末端に設けられた上先端61及び下先端62が上蓋1及び下蓋2の穿孔182,282に挿通され、放置状態のプルリング6が、上蓋1及び下蓋2の末端ベース12,22の外周に形成された凹状収納槽181,281に係合される。プルリング6と、上先端61及び下先端62との接続箇所には折り曲げ角63,64が形成される。前述した上蓋1の外周壁には、突出部191が設けられ、上蓋1の切欠き16の対向端には、サイド切欠192が凹設される。下蓋2の外周壁には、上蓋1の突出部191に対応した突出部291が設けられる。下蓋2の切欠き26の対向端には、前述したサイドウィング292が突設される。上蓋1が、電源線3が接続された正極導電ステム4、ばね43及び弾性アーチ体5の下蓋2と組み合わされて組立てられると、上蓋1のサイド切欠192が下蓋2のサイドウィング292に収容され、
図11で示された方向で見ると、上蓋1の突出部191の最外頂端は端点Aであり、下蓋2の突出部291の最外頂端は端点Bであり、下蓋2のサイドウィング292の最外頂端は端点Pであり、サイドウィング292の対向端の弾性アーチ体5の最外頂端は端点Qであり、シガレットライタープラグ10を車内ソケット8に抜き挿しするとき、シガレットライタープラグ10の4つの最外頂端の端点A,B,P,Qと、車内ソケット8の内壁とがバランスして支え合うことができる。
【0011】
図12及び
図13を参照する。
図12及び
図13に示すように、本発明の一実施形態に係る自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグ10を車内ソケット8に抜き挿しする際、弾性アーチ体5の外側面を押圧すると、弾性アーチ体5のL字状シート52が、下蓋2のL字状後分離板248と後縦板249との間に挟持され、弾性アーチ体5の直線状ピン51がL字状後分離板248に当接されるため、弾性アーチ体5の直線状ピン51及びもう一つの導電ピン53が捻じれて偏移することがなく(
図7を併せて参照する)、弾性アーチ体5に力が加えられても摺動して外れることを防ぎ、
図10で示された方向で見ると、プルリング6の上先端61の中心回転軸点を中心点Cとし、中心点Cから折り曲げ角64の頂点までには距離Dが規定される。シガレットライタープラグ10を車内ソケット8に挿入すると(
図13を併せて参照する)、折り曲げ角64の部分の中心点Cが距離Dで偏移し、プルリング6が中心点Cを支点として外方に揺動し、プルリング6の折り曲げ角63,64の箇所を車内ソケット8の外縁81に押し当てて外方に押圧すると、プルリング6が所定角度で外方に回転される。シガレットライタープラグ10を抜くときは、所定角度で回転されたプルリング6を引き出すことができる(
図14を参照する)。上蓋1及び下蓋2は、上蓋1の係合孔13及びリテイナー121により、同時に下蓋2の係合板23及びリテイナー221が確実に係合され(
図6を併せて参照する)、シガレットライタープラグ10を抜く際、上蓋1及び下蓋2に加えられた力により分離して損壊したり、回転して外れたりすることを防ぎ、接触不良を完全に無くし、損壊したり緩んだりする問題を改善することができるため、使用し易い。
【0012】
上述したことから分かるように、本発明に係る自動車用タイヤのパンク修理装置のシガレットライタープラグ10は、小型であるため、タイヤのパンク修理装置の空気圧縮機の筐体7上に凹設された収納槽70に収納することが容易であり、シガレットライタープラグ10内の電源線3は、巻き付けられても折り曲げられてもいないS字状に形成され、使用者が直接、電源線3を抜いても、緩んだり接触不良が発生したりすることを防ぐ。電源線3は、巻き付けられても折り曲げられてもいないS字状に形成されているため、大きな力で引抜いても問題は発生せず、シガレットライタープラグ10がプルリング6を有し、シガレットライタープラグ10を車内ソケット8に挿す際、プルリング6の折り曲げ角63,64の箇所が車内ソケット8の外縁81に当接され、プルリング6を所定の角度で外方に回転させ、シガレットライタープラグ10を抜くときに、所定角度で回転されたプルリング6を引抜くことができる。上蓋1及び下蓋2は、上蓋1の係合孔13及びリテイナー121により、同時に下蓋2の係合板23及びリテイナー221に確実に係合され、シガレットライタープラグ10を引抜く際、上蓋1及び下蓋2が受けた力により分離したり損壊したりし、回転して緩むことを防ぎ、接触不良、損壊、緩みなどを略完全に無くすことができるため、使用し易い。
【符号の説明】
【0013】
1:上蓋
2:下蓋
3:電源線
4:正極導電ステム
5:弾性アーチ体
6:プルリング
7:筐体
8:車内ソケット
10:シガレットライタープラグ
11:前端
12:末端ベース
13:係合孔
15:位置決め孔
16:切欠き
17:切欠溝
21:前端
22:末端ベース
23:係合板
25:位置決めピン
26:切欠き
27:切欠溝
31:正極導線
32:負極導線
41:ピン
42:外先端
43:ばね
51:直線状ピン
52:L字状シート
53:導電ピン
61:上先端
62:下先端
63:折り曲げ角
64:折り曲げ角
70:収納槽
71:エアポンプ
72:シーラントボトル
81:外縁
91:収納空間
92:収納空間
93:収納空間
94:収納空間
110:半円切欠き
121:リテイナー
141:前端当接板
142:中段当接板
181:凹状収納槽
182:穿孔
191:突出部
192:サイド切欠
210:半円切欠き
221:リテイナー
241:左L字状前分離板
242:右L字状前分離板
243:アーチ型板
244:中支持底板
245:中縦ピン
246:後支持底板
247:後縦ピン
248:L字状後分離板
249:後縦板
281:凹状収納槽
282:穿孔
291:突出部
292:サイドウィング
311:正極先端
321:負極先端
A:支持点
B:支持点
C:中心点
D:距離
P:支持点
Q:支持点