(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】プライミング装置
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20230705BHJP
A61M 39/20 20060101ALI20230705BHJP
A61M 39/04 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
A61M39/10 110
A61M39/20
A61M39/04 100
A61M39/10 100
A61M39/10 120
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021145076
(22)【出願日】2021-09-07
(62)【分割の表示】P 2018514973の分割
【原出願日】2016-09-09
【審査請求日】2021-10-01
(32)【優先日】2015-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イエ、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、ジョージ
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特許第6976932(JP,B2)
【文献】国際公開第2015/114428(WO,A1)
【文献】特開平05-099386(JP,A)
【文献】特表2008-522736(JP,A)
【文献】国際公開第2015/127285(WO,A1)
【文献】特開2014-030489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
A61M 39/20
A61M 39/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライミング装置であって、
チャンバおよび入口ポートを定めており、前記チャンバおよび前記入口ポートは流体に関してつながっているハウジングであって、前記チャンバの中から該ハウジングの外部へと延びており、ガスを前記チャンバから出すことができるように構成された開口部を備えるハウジングと、
雄のルアーコネクタと結合するように構成された開いた第1の端部と、前記ハウジングに結合した第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間の軸とを有しており、少なくとも1つのウインドウを定めているスリーブと、
各々のウインドウの底部から前記第1の端部に向かって延びているアームと、
各々のアームの内面から半径方向に延びており、各々が斜面と、前記軸に垂直な係合面と、前記斜面と前記係合面との間を移行する頂点領域とを備えている部材と、
を備え、
前記スリーブの前記開いた第1の端部は、前記雄のルアーコネクタの出口ポートを受け入れるように構成された内側断面幅を備え、
前記プライミング装置がプライミングの準備ができた状態にあるとき、各々の部材の前記係合面が、前記出口ポートの縁部に接触して、前記雄のルアーコネクタの前記部材を越えての挿入を妨げる、
プライミング装置。
【請求項2】
当該プライミング装置がプライミングの状態にあるとき、各々のアームは、前記頂点領域の間の断面幅が前記雄のルアーコネクタの外面に少なくとも等しくなるよう、前記軸から離れるように撓む、請求項1に記載のプライミング装置。
【請求項3】
前記入口ポートが、雄のルアーコネクタのステムの一部分を覆って前進させられて、前記ハウジングを前記雄のルアーコネクタに流体に関して接続することにより、前記雄のルアーコネクタと前記チャンバとの間の流体経路が生じる、請求項2に記載のプライミング装置。
【請求項4】
フィルタが、前記開口部に配置されている、請求項1に記載のプライミング装置。
【請求項5】
前記フィルタが疎水性フィルタを備える、請求項4に記載のプライミング装置。
【請求項6】
前記開口部は、前記ハウジングのうちの前記入口ポートとは反対側の部分を通って延在する、請求項1に記載のプライミング装置。
【請求項7】
前記第1の端部の前記内側断面幅は、前記出口ポートが前記スリーブの前記第2の端部に向かって部分的に前記スリーブへと圧入されるように、前記出口ポートの外側断面幅に等しい、請求項1に記載のプライミング装置。
【請求項8】
前記雄のルアーコネクタが、入口ポートと、出口ポートと、前記入口ポートと前記出口ポートとの間の本体と、
前記本体の中から前記出口ポートに向かって延在するルアー部分であって、流体経路が前記入口ポートから前記本体及び前記ルアー部分を通って延在する、ルアー部分と、
前記流体経路を通って前記ルアー部分に延在するポストと、を備える、請求項1に記載のプライミング装置。
【請求項9】
閉位置では、前記ポストは、前記ルアー部分の開いた先端部を封じることで、前記流体経路を閉鎖し、
開位置では、前記ポストが前記雄のルアーコネクタの前記入口ポートに向かって前記ルアー部分の中へと後退させられることで、前記流体経路が開かれる、請求項8に記載のプライミング装置。
【請求項10】
前記ハウジングに画定される前記入口ポートは、その外面から周状に外側へと延びているねじ山を有し、前記ねじ山は、前記出口ポートの内面に位置する相手方のねじ山に係合し、前記ハウジングを前記雄のルアーコネクタに螺合させるように構成される、請求項8に記載のプライミング装置。
【請求項11】
前記プライミング装置の剛性を高めるとともに、前記スリーブを、前記雄のルアーコネクタに結合させ、又は切り離す際に、より大きなねじりのてこ比を提供するように、前記ハウジングの外面は、前記スリーブの前記第2の端部と、前記開口部との間に、1つ以上のチャネルを備える、請求項1に記載のプライミング装置。
【請求項12】
前記プライミング装置の剛性を高めるとともに、前記スリーブを、前記雄のルアーコネクタに結合させ、又は切り離す際に、より大きなねじりのてこ比を提供するように、前記スリーブの前記第2の端部と、前記開口部との間の前記ハウジングの外面に沿って延在する、1つ以上のリブを更に備える、請求項1に記載のプライミング装置。
【請求項13】
プライミング装置であって、
チャンバおよび前記チャンバに流体に関してつながっている入口ポートを定めているハウジングであって、前記ハウジングのうちの前記入口ポートとは反対側の部分を通って延在する開口部を備え、前記開口部は、ガスを前記チャンバから出すことができるように構成される、ハウジングと、
雄のルアーコネクタと結合するように構成された開いた第1の端部と、前記ハウジングに結合した第2の端部と、を有するスリーブと、
前記スリーブを通して画定される少なくとも1つのウインドウであって、前記第1の端部に向かって延びているアームを備え、前記アームは、各々のアームの内面から半径方向に延びている少なくとも1つの部材を含む、少なくとも1つのウインドウと、
を備え、
前記スリーブの前記開いた第1の端部は、前記雄のルアーコネクタの出口ポートを受け入れるように構成された内側断面幅を備え、
前記プライミング装置がプライミングの準備ができた状態にあるとき、各々の部材
の係合面が、前記出口ポートの縁部に接触して、前記雄のルアーコネクタの前記部材を越えての挿入を妨げる、
プライミング装置。
【請求項14】
各々の部材が斜面と、係合面と、前記斜面と前記係合面との間を移行する頂点領域とを備える、請求項13に記載のプライミング装置。
【請求項15】
前記プライミング装置が、プライミングの準備ができた状態にあるとき、前記雄のルアーコネクタは、前記スリーブへと部分的に挿入され、前記部材の前記係合面が、前記雄のルアーコネクタの下向きの縁部に係合する請求項14に記載のプライミング装置。
【請求項16】
前記スリーブの前記第1の端部と前記第2の端部との間に軸が画定され、当該プライミング装置がプライミングの状態にあるとき、各々のアームは、前記頂点領域の間の断面幅が前記雄のルアーコネクタの外面に少なくとも等しくなるよう、前記軸から離れるように撓む、請求項14に記載のプライミング装置。
【請求項17】
前記プライミング装置の剛性を高めるとともに、前記スリーブを、前記雄のルアーコネクタに結合させ、又は切り離す際に、より大きなねじりのてこ比を提供するように、前記スリーブの前記第2の端部と、前記開口部との間の前記ハウジングの外面に沿って延在する、1つ以上のリブを更に備える、請求項13に記載のプライミング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くには、流体送達用途に使用される医療用コネクタに関する。より具体的には、本開示は、閉じ込められた空気および流体を医療用コネクタを通って医療用コネクタから流すことを可能にすることによって流体送達システムをプライミングし、医療用コネクタを汚染から保護するために、医療用コネクタに接続されるように構成されたプライミング用キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
流体送達システムは、医療処置および血液などの医療流体を患者へと伝達および送達するために広く使用されている。流体が静脈内に送達されるとき、患者の血流への空気の導入を防止するために、流体送達システムから空気を取り除くことが重要である。一般的には、医療従事者は、閉じ込められた空気が放出されるまで開口部を通って流体送達システム内の流体を押すことによって、システムに閉じ込められた空気を取り除く。空気が取り除かれると、システム内の流体が放出され始める。ひとたび医療流体が放出され始めたならば、流体の流路が閉じられる。
【発明の概要】
【0003】
空気が、皮下注射針を必要とせず、代わりにシリンジまたはIVラインの端部のルアーなどのアクティベータを使用してコネクタ内のバルブを通る流体経路を生じさせるルアー作動式コネクタを使用して、流体送達システムから放出される。コネクタを取り外すことで、ラインが切り離されるときにバルブが閉じる。次いで、流体送達システムを患者に結合させる前に、流体送達システムのコネクタを消毒しなければならない。コネクタの消毒は、患者の血流の汚染または感染の防止に役立つ。
【0004】
化学療法の処置など、いくつかの事例においては、医療流体との繰り返しの接触が、医療従事者にとって有害になる可能性がある。したがって、システムから排出された医療流体を容器内に保持することで、医療流体への曝露を防止することが重要である。
【0005】
本開示の一態様は、チャンバおよび入口ポートを定めており、チャンバおよび入口ポートは流体に関してつながっているハウジングであって、チャンバの中からハウジングの外部へと延びており、ガスをチャンバから出すことができるように構成された開口部と、入口ポートからチャンバに向かって延びており、封止位置において入口ポートを封じ、開位置においては入口ポートを封じないバルブと、を備えているハウジングと;開いた第1の端部と、開いた第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の軸とを有しており、第1の端部は雄のルアーコネクタと結合するように構成され、第2の端部はハウジングの入口ポートに結合するように構成されたカバー本体と;を備えるプライミング装置を提供する。
【0006】
いくつかの実施形態においては、プライミング装置がプライミングの準備ができた状態にあるとき、入口ポートが、カバー本体の第2の端部の内側に位置し、バルブは、封止位置にある。特定の態様においては、プライミング装置がプライミングの状態にあるとき、入口ポートが、雄のルアーコネクタのステムの一部分を覆って前進させられて、ハウジングを雄のルアーコネクタに流体に関して接続することにより、バルブが開き、雄のルアーコネクタとチャンバとの間の流体経路が生じる。いくつかの態様においては、プライミング装置がプライミング後の状態にあるとき、ハウジングは、カバー本体から切り離され、カバー本体は、雄のルアーコネクタに結合したままである。
【0007】
本開示の特定の場合において、カバー本体は、カバー本体の内面から軸方向内側へと延びる1つ以上の突起を備え、突起は、内側断面幅を定める内面を有する。いくつかの実施形態において、突起は、1つ以上のタブである。いくつかの場合において、カバー本体の第1の端部は、雄のルアーコネクタの外面を受け入れるように構成された内側断面幅を備える。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態は、ヒンジによってカバー本体の第2の端部に結合した蓋を提供し、蓋は、ハウジングがカバー本体から切り離されたときにカバー本体の第2の端部を封じるように構成される。いくつかの実施形態においては、疎水性フィルタが、開口部内に配置される。本開示の特定の実施例によれば、ハウジングは、入口ポートとチャンバ入口との間に形成された通路を備え、チャンバ入口は、通路をチャンバから隔てる。いくつかの場合、チャンバ入口は、チャンバと通路とを流体に関して接続する入口ポートに向かって延びる管腔を備える。
【0009】
本開示の特定の実施例によれば、ねじ山が、入口ポートから周状に外側へと延び、ねじ山は、プライミングの準備ができた状態およびプライミングの状態において雄のルアーコネクタと第2の端部との間に位置する。いくつかの実施例において、ねじ山は、カバー本体の内面から軸方向内側に延びる突起の内側断面幅よりも大きい外側断面幅を備える。
【0010】
本開示の一態様は、チャンバおよび入口ポートを定めており、チャンバおよび入口ポートは流体に関してつながっているハウジングであって、チャンバの中からハウジングの外部へと延びており、ガスをチャンバから出すことができるように構成された開口部を備えているハウジングと;雄のルアーコネクタと結合するように構成された開いた第1の端部と、ハウジングに結合した第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の軸とを有しており、少なくとも1つのウインドウを定めているスリーブと;各々のウインドウの底部から第1の端部に向かって延びているアームと;各々のアームの内面から半径方向に延びており、各々が斜面と、斜面に対して横方向に延びる係合面と、斜面と係合面との間を移行する頂点領域とを備えている部材と;を備えるプライミング装置を提供する。
【0011】
いくつかの実施形態においては、プライミング装置がプライミングの準備ができた状態にあるとき、雄のルアーコネクタは、スリーブへと部分的に挿入され、部材の係合面が、雄のルアーコネクタの下向きの縁部に係合する。特定の態様においては、プライミング装置がプライミングの状態にあるとき、各々のアームは、頂点領域の間の断面幅が雄のルアーコネクタの外面に少なくとも等しくなるよう、軸から離れるように撓む。本開示の特定の場合においては、入口ポートが、雄のルアーコネクタのステムの一部分を覆って前進させられて、ハウジングを雄のルアーコネクタに流体に関して接続することにより、バルブが開き、雄のルアーコネクタとチャンバとの間の流体経路が生じる。いくつかの場合には、疎水性フィルタが、開口部内に配置される。
【0012】
本主題の技術のさらなる特徴および利点が、以下の説明に記載され、一部は以下の説明から明らかになり、あるいは本主題の技術を実施することによって習得可能である。本主題の技術の利点は、本明細書および特許請求の範囲ならびに添付の図面に特に指摘される構造によって、実現および達成されるであろう。
【0013】
上述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方が、例示および説明のためのものであり、特許請求の範囲に記載のとおりの本主題の技術のさらなる説明の提供を意図していることを、理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本主題の技術のさらなる理解を提供するために用意され、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する添付の図面は、本主題の技術のいくつかの態様を示しており、本明細書と併せて、本主題の技術の原理を説明する役割を果たす。
【0015】
【
図1】ルアーコネクタおよび本開示の態様によるプライミング装置の実施形態の正面図を示している。
【
図2A】プライミングの準備ができた状態の
図1のルアーコネクタおよびプライミング装置の正面断面図を示している。
【
図2B】プライミングの状態の
図1のルアーコネクタおよびプライミング装置の正面断面図を示している。
【
図3】本開示の態様によるプライミング後の状態の
図1のルアーコネクタおよびプライミング装置の正面斜視図を示している。
【
図4】本開示の態様によるプライミング後の状態の
図1のルアーコネクタおよびプライミング装置の正面図を示している。
【
図5】ルアーコネクタおよび本開示の態様によるプライミング装置の実施形態の正面斜視図を示している。
【
図6】プライミングの準備ができた状態の
図5のルアーコネクタおよびプライミング装置の正面断面図を示している。
【
図7】ルアーコネクタおよび本開示の態様によるプライミング装置の実施形態の正面斜視図を示している。
【
図8】プライミングの準備ができた状態の
図7のルアーコネクタおよびプライミング装置の正面断面図を示している。
【
図9A】本開示の態様によるプライミングの準備ができた状態のルアーコネクタおよびプライミング装置の実施形態の正面図を示している。
【
図9B】本開示の態様によるプライミングの状態のルアーコネクタおよびプライミング装置の実施形態の正面図を示している。
【
図10】
図9のプライミング装置の正面斜視図を示している。
【
図11】
図9のプライミング装置の正面断面図を示している。
【
図12A】プライミングの準備ができた状態の
図9のルアーコネクタおよびプライミング装置の正面断面図を示している。
【
図12B】プライミングの状態の
図9のルアーコネクタおよびプライミング装置の正面断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明においては、本主題の技術の理解をもたらすために、具体的な詳細が説明される。しかしながら、本主題の技術をこれらの具体的な詳細の一部を用いずに実施できることは、当業者にとって明らかであろう。他の場合には、本主題の技術を不明瞭にしてしまうことがないよう、周知の構造および技術は、詳細には示されていない。
【0017】
「一態様」などの表現は、そのような態様が本主題の技術に必須であることを意味するものではなく、そのような態様が本主題の技術のすべての構成に当てはまることを意味するものでもない。一態様に関する開示が、すべての構成に当てはまり得る、あるいは1つの構成または複数の構成に当てはまり得る。一態様は、本開示の1つ以上の実施例を提供し得る。「一態様」などの表現は、1つの態様または複数の態様を指すことができ、逆もまた同様である。「一実施形態」などの表現は、そのような実施形態が本主題の技術に不可欠であることを意味するものではなく、そのような実施形態が本主題の技術のすべての構成に当てはまることを意味するものでもない。一実施形態に関する開示が、すべての実施形態に当てはまり得る、あるいは1つの実施形態または複数の実施形態に当てはまり得る。一実施形態は、本開示の1つ以上の実施例を提供し得る。「一実施形態」などの表現は、1つの実施形態または複数の実施形態を指すことができ、逆もまた同様である。「一構成」などの表現は、そのような構成が本主題の技術に不可欠であることを意味するものではなく、そのような構成が本主題の技術のすべての構成に当てはまることを意味するものでもない。一構成に関する開示が、すべての構成に当てはまり得る、あるいは1つの構成または複数の構成に当てはまり得る。一構成は、本開示の1つ以上の実施例を提供し得る。「一構成」などの表現は、1つの構成または複数の構成を指すことができ、逆もまた同様である。
【0018】
ここで
図1を参照すると、医療用コネクタ900および本開示の態様によるプライミング装置100の実施形態が示されている。プライミング装置100は、ハウジング102とカバー本体104とを備え、カバー本体104は、ハウジング102を医療用コネクタ900と相互接続する。いくつかの実施形態において、カバー本体104は、蓋106を備える。医療用コネクタ900をハウジング102へとプライミングした後で、ハウジング102をカバー本体104から分離させることができ、カバー本体104を、医療用コネクタ900の汚染を防止するために蓋106によって閉じることができる。
【0019】
図2Aを参照すると、プライミングの準備ができた状態の
図1のプライミング装置100が示されている。説明の目的で、医療用コネクタ900は、入口ポート902と、出口ポート912と、入口ポート902と出口ポート912との間の本体904とを有する雄のルアーコネクタとして示されている。ルアー部分906が、本体904の内部から出口ポート912に向かって延びている。流体経路908が、入口ポート902から本体904およびルアー部分906を通って延びている。ポスト910が、医療用コネクタ900が閉状態にあるとき、ルアー部分906の流体経路を通って延びる。閉状態において、ポスト910は、ルアー部分906の開いた先端部を封じることで、流体経路908を閉鎖する。弾性ベローズ919が、入口ポート902とポスト910との間を延びている。いくつかの実施形態においては、細長い円筒形のアセンブリまたはフィンガであってよい細長い部材920が、ポスト910に接続され、ルアー部分906の外側に沿って出口ポート912に向かって延びている。医療用コネクタ900が開状態にあるとき、細長い部材920は、ベローズ919が細長い部材920と入口ポート902との間で圧縮され、ポスト910が入口ポート902に向かってルアー部分906の中へと後退させられることで、流体経路908が開かれるように、係合によって本体904内に後退させられる。
【0020】
ハウジング102は、チャンバ108および入口ポート110を定めており、ここでチャンバ108および入口ポート110は、ハウジング102内で流体に関してつながっている。さらに、ハウジング102は、チャンバ108内からハウジング102の外部へと延びる開口部112を定めている。いくつかの実施形態において、開口部112は、ハウジング102のうちの入口ポート110とは反対側の部分を通って延びる。開口部112は、ガスをチャンバ108から出すことを可能にする。開口部112には、フィルタ(図示せず)が配置される。いくつかの実施形態において、フィルタは、プライミング装置100が医療用コネクタ900のプライミングに利用されるときに、ガスをチャンバ108から出すことを可能にする疎水性フィルタである。
【0021】
バルブ114が、ハウジング102内に配置され、入口ポート110からチャンバ108に向かって延びている。いくつかの実施形態において、バルブ114は、流体経路を定め、一実施形態においては、ヘッド部116およびベローズ部118を含む。
図2Aに示される封止位置において、バルブ114は、入口ポート110を封じる。
図2Bに示される開位置において、バルブ114は、入口ポート110を封じない。
【0022】
いくつかの実施形態において、チャンバ108は、入口ポート110と開口部112との間のチャンバ入口122によって通路120から分離される。チャンバ入口122は、ハウジング102の内面から半径方向内側へと延びることで、通路120をチャンバ108から分離するとともに、通路120をチャンバ108へと流体に関して接続するオリフィスまたは管腔124を形成している。一実施形態において、チャンバ入口122は、ベローズの一部分がハウジング102の内面とチャンバ入口122の外面との間に据えられるように、バルブ114のべローズ部118へと部分的に延びている。いくつかの実施形態において、バルブ114は、チャンバ入口122に連結され、チャンバ入口122は、バルブ114とチャンバ入口122との間に密封された界面をもたらすようにベローズ内へと延びる。プライミングの準備ができた状態において(すなわち、ベローズ部118が伸びているとき)、ヘッド部116は、入口ポート110へと延び、バルブ114と入口ポート110との間の密封された界面をもたらす。
【0023】
図2Aに示されているプライミングの準備ができた状態において、カバー本体104は、ハウジング102を医療用コネクタ900と相互接続する。カバー本体104は、開いた第1の端部126と、開いた第2の端部128と、第1の端部126と第2の端部128との間の軸130とを備える。プライミングの準備ができた状態において、医療用コネクタ900の出口ポート912およびハウジング102の入口ポート110は、カバー本体104に連結され、軸130に沿って整列させられる。しかしながら、医療用コネクタ900の流体経路908およびハウジング102の通路120は、依然として封じられたままである。
【0024】
いくつかの実施形態において、カバー本体104は、第1の端部126と第2の端部128との間で円筒状に形作られる。第1の端部126は、出口ポート912を受け入れるように構成された内側断面幅を備える。いくつかの実施形態において、第1の端部126の内側断面幅は、出口ポート912が第2の端部128に向かって部分的にカバー本体104へと圧入されるように、出口ポート912の外側断面幅に等しい。
【0025】
第2の端部128は、入口ポート110を第1の端部126に向かって部分的に受け入れるように構成された内側断面幅を備える。いくつかの実施形態において、カバー本体104は、第2の端部128においてカバー本体104の内面から軸方向内側へと延びる1つ以上の突起132を備える。突起132は、内側断面幅を定める内面を有する。突起132の内側断面幅は、入口ポート110の外側断面幅よりも小さい。いくつかの実施形態において、突起132は、1つ以上の可撓性タブである。可撓性タブは、入口ポート110を第1の端部126に向かって前進させることができるように撓む。入口ポート110の外側断面幅よりも小さい外側断面幅を有しているハウジング102の一部分により、タブは、プライミングの準備ができた状態において、入口ポート110をタブと第1の端部126との間に保持することができる。
【0026】
図2Bに示されるプライミング状態において、医療用コネクタ900の出口ポート912およびハウジング102の入口ポート110は、互いに結合し、カバー本体104の内側に依然として位置する。プライミング状態においては、流体の経路が、医療用コネクタ900の流体経路908とハウジング102の通路120との間に開かれる。
【0027】
プライミング装置100をプライミング状態にするために、医療用コネクタ900をハウジング102に向かって移動させることで、ルアー部分906を入口ポート110の中へと前進させて、医療用コネクタ900をハウジング102に流体に関して結合させることにより、バルブ114が開かれ、医療用コネクタ900とチャンバ108との間の流体経路が生み出される。いくつかの実施形態においては、ルアー部分906が入口ポート110に向かって前進させられるとき、入口ポート110の上面134が細長い部材920に係合し、ベローズ919を圧縮するとともに、ポスト910を入口ポート902に向かって移動させることにより、流体経路908が開かれる。ルアー部分906が入口ポート110の中へと前進させられるにつれて、ルアー部分906が通路120内に受け入れられ、入口ポート110が開かれる。いくつかの実施形態において、ルアー部分906は、バルブ114のヘッド部116をチャンバ入口122に向かって押すことで、ベローズ部118をつぶし、バルブ114を通る流体経路を開く。
【0028】
いくつかの実施形態においては、ねじ山136が、入口ポート110の外面から周状に外側へと延びている。医療用コネクタ900およびハウジング102がお互いに向かって移動させられ、軸130を中心にして回転させられるとき、ねじ山136は、出口ポート912の内面に位置する相手方のねじ山914に係合し、ハウジング102を医療用コネクタ900に螺合させる。
【0029】
プライミング状態において、医療用コネクタ900へと接続されたシステムが、システムから医療用コネクタ900を通ってプライミング装置100のチャンバ108へとガスを移すことによってプライミングされる。ガスが流体経路を通ってチャンバ108へと移されるとき、ガスを、開口部112を通ってチャンバ108から出すことができる。いくつかの実施形態において、ガスは、システム内の流体およびガスをプライミング装置100へと移動させることによってプライミング装置100へと移される。開口部112に配置された疎水性フィルタによって、チャンバ108内に流体を保持しつつハウジング102からガスを出すことができ、プライミング装置100を任意の向きで使用することが可能になる。
【0030】
図3を参照すると、プライミング後の状態のプライミング装置100が示されている。プライミング後の状態において、ハウジング102がカバー本体104から切り離されている一方で、カバー本体104は医療用コネクタ900に結合したままである。プライミング装置100は、タブ132を乗り越え(
図3において、102で指し示されている造作が、この乗り越えを実際に行う)、プライミング装置100を第1の端部126から遠ざかる方向に移動させることによって、カバー本体104から切り離される。いくつかの実施形態においては、1つ以上のリブ140が、ハウジング102の外面に沿って延びている。あるいは、ハウジング102の外面は、第2の端部128と開口部112との間の1つ以上のチャネルを備える。いくつかの実施形態においては、リブ140が、ハウジング102の外面のうちのチャンバ入口122から開口部112までの部分に沿って延びる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のチャネル142が、カバー本体104の外面に沿って延びる。あるいは、カバー本体104の外面は、1つ以上のリブを備える。リブ140およびチャネル142の各々は、ハウジング102およびカバー本体104の剛性を高めるとともに、軸130を中心にしてハウジング102およびカバー本体104のいずれかを結合させ、切り離し、あるいは回転させる際により大きなねじりのてこ比を提供する。
【0031】
さらに
図3を参照すると、蓋106は、カバー本体104に結合している。いくつかの実施形態において、蓋106は、ヒンジ144によってカバー本体104の第2の端部128に回転可能に結合している。いくつかの実施形態において、ヒンジ144は、リビングヒンジ(living hinge)である。ハウジング102がカバー本体104から切り離された後に、蓋106は、ヒンジ144を中心にして回転させられ、
図4に最も良く示されているように第2の端部128を覆う。いくつかの実施形態においては、第2の端部128から延びるカバー本体104の外面の一部分146が、小さくされた断面幅を備える。蓋106が第2の端部128を覆うように回転させられるとき、蓋の外面がカバー本体104の外面と同一面になるように、カバー本体104の外面148の小さくされた断面幅を有する部分146が、蓋106に受け入れられる。
【0032】
次に
図5および
図6を参照すると、医療用コネクタ900および本開示の態様によるプライミング装置200のいくつかの実施形態が示されている。プライミング装置200は、ハウジング202とカバー本体204とを備え、カバー本体204は、ハウジング202を医療用コネクタ900と相互接続する。いくつかの実施形態において、カバー本体204は、蓋206を備える。医療用コネクタ900をハウジング202へとプライミングした後で、ハウジング202をカバー本体204から分離させることができ、カバー本体204を、医療用コネクタ900の汚染を防止するために蓋206によって閉じることができる。
【0033】
図6を参照すると、プライミングの準備ができた状態のプライミング装置200が示されている。説明の目的で、医療用コネクタ900は、入口ポート902と、出口ポート912と、入口ポート902と出口ポート912との間の本体904とを有する雄のルアーコネクタとして示されている。ルアー部分906が、本体904の内部から出口ポート912に向かって延びている。流体経路908が、入口ポート902から本体904およびルアー部分906を通って延びている。ポスト910が、医療用コネクタ900が閉状態にあるとき、ルアー部分906の流体経路を通って延びる。閉状態において、ポスト910は、ルアー部分906の開いた先端部を封じることで、流体経路908を閉鎖する。弾性ベローズ919が、入口ポート902とポスト910との間を延びている。いくつかの実施形態においては、細長い部材920(
図6では見て取ることができない)が、ポスト910に接続され、ルアー部分906の外側に沿って出口ポート912に向かって延びている。医療用コネクタ900が開状態にあるとき、ベローズ919が圧縮され、ポスト910が入口ポート902に向かってルアー部分906の中へと後退させられることで、流体経路908が開かれる。
【0034】
ハウジング202は、チャンバ208および入口ポート210を定めており、ここでチャンバ208および入口ポート210は、ハウジング202内で流体に関してつながっている。さらに、ハウジング202は、チャンバ208内からハウジング202の外部へと延びる開口部212を定めている。いくつかの実施形態において、開口部212は、ハウジング202のうちの入口ポート210とは反対側の部分を通って延びる。開口部212は、ガスをチャンバ208から出すことを可能にする。フィルタ238が、開口部212に配置されている。いくつかの実施形態において、フィルタは、プライミング装置200が医療用コネクタ900のプライミングに利用されるときに、ガスをチャンバ208から出すことを可能にする疎水性フィルタである。
【0035】
バルブ214が、ハウジング202内に配置され、入口ポート210からチャンバ208に向かって延びている。いくつかの実施形態において、バルブ214は、流体経路を定め、いくつかの実施形態においては、ヘッド部218およびベローズ部218を含む。
図6に示される封止位置において、バルブ214は、入口ポート210を封じる。開位置(図示せず)において、バルブ214は、入口ポート210を封じない。
【0036】
チャンバ208は、入口ポート210と開口部212との間のチャンバ入口222によって通路220から分離される。チャンバ入口222は、ハウジング202の内面から半径方向内側へと延びることで、通路220をチャンバ208から分離するとともに、通路220をチャンバ208へと流体に関して接続するオリフィスまたは管腔224を形成している。いくつかの実施形態において、チャンバ入口222は、ベローズの一部分がハウジング102の内面とチャンバ入口222の外面との間に据えられるように、バルブ214のべローズ部216へと部分的に延びている。いくつかの実施形態において、バルブ214は、チャンバ入口222に連結され、チャンバ入口222は、バルブ214とチャンバ入口222との間に密封された界面をもたらすようにベローズ内へと延びる。プライミングの準備ができた状態において(すなわち、ベローズ部218が伸びているとき)、ヘッド部218は、入口ポート210へと延び、バルブ214と入口ポート210との間の密封された界面をもたらす。
【0037】
チャンバ208の外面は、通路220の外側断面幅よりも大きい断面幅を備える。開口部212を定めているハウジング202の外面は、チャンバ208よりも大きい外側断面幅を備え、外側リッジ250を形成する。棚状部252が、リッジ250の内面とチャンバ208との間に形成されている。フィルタ238の外側断面幅は、リッジ250の内側断面幅以上であり、フィルタ238を開口部212内に据えることを可能にしている。開口部212に据えられたとき、棚状部252が、チャンバ208へと向かうフィルタ238の移動を防止する。
【0038】
カバー本体204は、ハウジング202を医療用コネクタ900と相互接続する。カバー本体204は、開いた第1の端部226と、開いた第2の端部228と、第1の端部226と第2の端部228との間の軸230とを備える。プライミングの準備ができた状態において、医療用コネクタ900の出口ポート912およびハウジング202の入口ポート210は、カバー本体204に連結され、軸230に沿って整列させられる。プライミングの準備ができた状態において、医療用コネクタ200の流体経路908およびハウジング202の通路220は、依然として封じられたままである。
【0039】
カバー本体204は、第1の端部226と第2の端部228との間で円筒状に形作られる。第1の端部226は、医療用コネクタ900の出口ポート912を受け入れるように構成された内側断面幅を備える(出口ポートに新たな番号を与える)。いくつかの実施形態において、第1の端部226の内側断面幅は、出口ポート912が第2の端部228に向かって部分的にカバー本体204へと圧入されるように、出口ポート912の外側断面幅に等しい。
【0040】
第2の端部228は、入口ポート210を第1の端部226に向かって部分的に受け入れるように構成された内側断面幅を備える。いくつかの実施形態において、カバー本体204は、第2の端部228においてカバー本体204の内面から軸方向内側へと延びる1つ以上の突起232を備える。突起232は、内側断面幅を定める内面を有する。突起232の内側断面幅は、入口ポート210の外側断面幅よりも小さい。いくつかの実施形態において、突起232は、1つ以上の可撓性タブである。可撓性タブは、入口ポート210を第1の端部226に向かって前進させることができるように撓む。入口ポート210の外側断面幅よりも小さい外側断面幅を有しているハウジング202の一部分により、タブは、プライミングの準備ができた状態において、入口ポート200をタブと第1の端部226との間に保持することができる。
【0041】
プライミング装置200をプライミング状態にするために、医療用コネクタ900をハウジング202に向かって移動させることで、ルアー部分906を入口ポート210の中へと前進させて、ハウジング202を医療用コネクタ900に流体に関して結合させることにより、バルブ214が開かれ、医療用コネクタ900とチャンバ208との間の流体経路が生み出される。いくつかの実施形態においては、ルアー部分906が入口ポート210に向かって前進させられるとき、入口ポート210の上面234が細長い部材920に係合し、ポスト910を入口ポート902に向かって移動させることにより、経路908が開かれる。ルアー部分906が入口ポート210の中へと前進させられるにつれて、ルアー部分906が通路220内に受け入れられ、入口ポート210が開かれる。いくつかの実施形態において、ルアー部分906は、バルブ214のヘッド部218をチャンバ入口222に向かって押すことで、ベローズ部218をつぶし、バルブ214を開く。
【0042】
ねじ山236が、入口ポート210の外面から周状に外側へと延びている。医療用コネクタ900がハウジング202に向かって移動させられ、軸230を中心にして回転させられるとき、ねじ山236は、出口ポート912の内面に位置する相手方のねじ山914に係合し、ハウジング202を医療用コネクタ900に螺合させる。
【0043】
プライミング状態において、医療用コネクタ900へと接続されたシステムが、システムから医療用コネクタ900を通ってプライミング装置200のチャンバ208へとガスを移すことによってプライミングされる。ガスが流体経路を通ってチャンバ208へと移されるとき、ガスを、開口部212を通ってチャンバ208から出すことができる。いくつかの実施形態において、ガスは、システム内の流体をプライミング装置200へと移動させることによってプライミング装置200へと移される。フィルタ238が疎水性フィルタである場合、開口部212に配置されたフィルタ238は、チャンバ208内に流体を保持しつつハウジング202からガスを出すことを可能にし、プライミング装置200を任意の向きで使用することを可能にする。
【0044】
プライミング後の状態において、ハウジング202がカバー本体204から切り離される一方で、カバー本体204は医療用コネクタ900に結合したままである。プライミング装置200は、入口ポート210のねじ山236を医療用コネクタ900のねじ山914から外し、プライミング装置200を第1の端部226から遠ざかるように動かすことによって、カバー本体204から切り離される。1つ以上のチャネル242が、カバー本体204の外面に沿って延びる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のチャネル242およびリブ254が、カバー本体204の外面を巡って交互に配置される。リブ254およびチャネル242の各々は、カバー本体204の剛性を高めるとともに、軸230を中心にしてハウジング202およびカバー本体204のいずれかを結合させ、切り離し、あるいは回転させる際により大きなねじりのてこ比を提供する。
【0045】
蓋206が、ヒンジ244によってカバー本体204の第2の端部228に回転可能に結合している。いくつかの実施形態において、ヒンジ244は、リビングヒンジであり、すなわち隣接する部分を結合させるために可撓性材料が使用され、この材料が、ヒンジにおいて相対的にスライドする別個の構成要素に代わって、相対の回転運動をもたらすように撓み、あるいは変形する。いくつかの実施形態において、蓋206の一部分256は、カバー本体204の第2の端部228の内側断面幅に等しい断面幅を有する。ハウジング202がカバー本体204から切り離された後、蓋206は、蓋206の小さくされた断面幅を有する部分256がカバー本体204の第2の端部228に受け入れられて、第2の端部228を覆うように、ヒンジ244を中心にして回転させられる。
【0046】
次に
図7および
図8を参照すると、医療用コネクタ900および本開示の態様によるプライミング装置300のいくつかの実施形態が示されている。プライミング装置300は、ハウジング302とカバー本体304とを備え、カバー本体304は、ハウジング302を医療用コネクタ900と相互接続する。いくつかの実施形態において、カバー本体304は、蓋306を備える。医療用コネクタ900をハウジング302へとプライミングした後で、ハウジング302をカバー本体304から分離させることができ、カバー本体304を、医療用コネクタ900の汚染を防止するために蓋306によって閉じることができる。
【0047】
図8を参照すると、プライミングの準備ができた状態のプライミング装置300が示されている。説明の目的で、医療用コネクタ900は、入口ポート902と、出口ポート912と、入口ポート902と出口ポート912との間の本体904とを有する雄のルアーコネクタとして示されている。ルアー部分906が、本体904の内部から出口ポート912に向かって延びている。流体経路908が、入口ポート902から本体904およびルアー部分906を通って延びている。ポスト910が、医療用コネクタ900が閉状態にあるとき、ルアー部分906の流体経路を通って延びる。閉状態において、ポスト910は、ルアー部分906の開いた先端部を封じることで、流体経路908を閉鎖する。弾性ベローズ919が、入口ポート902とポスト910との間を延びている。いくつかの実施形態においては、細長い部材920が、ポスト910に接続され、ルアー部分906の外側に沿って出口ポート912に向かって延びている。医療用コネクタ900が開状態にあるとき、ポスト910が入口ポート902に向かってルアー部分906の中へと位置することで、流体経路908が開かれる。
【0048】
ハウジング302は、チャンバ308および入口ポート310を定めており、ここでチャンバ308および入口ポート310は、ハウジング302内で流体に関してつながっている。チャンバ308の外面は、通路320の外側断面幅よりも大きい断面幅を備える。チャンバ308と通路320との間のハウジング302の外面は、チャンバ308と入口ポート310との間に定められた軸330から周状に外側へと延びる表面258を含む。表面258を貫く開口部が、チャンバ308内からハウジング302の外側まで延びている。開口部312は、ガスをチャンバ308から出すことを可能にする。フィルタ338が、開口部312に配置されている。いくつかの実施形態において、フィルタは、プライミング装置300が医療用コネクタ900のプライミングに利用されるときに、ガスをチャンバ308から出すことを可能にする疎水性フィルタである。
【0049】
カバー本体304は、ハウジング302を医療用コネクタ900と相互接続する。カバー本体304は、開いた第1の端部326および開いた第2の端部328を備え、軸330が第1の端部326と第2の端部328との間を延びている。プライミングの準備ができた状態において、医療用コネクタ900の出口ポート912およびハウジング302の入口ポート310は、カバー本体304に連結され、軸330に沿って整列させられる。プライミングの準備ができた状態において、医療用コネクタ900の流体経路908およびハウジング302の通路320は、依然として封じられたままである。
【0050】
カバー本体304は、第1の端部326と第2の端部328との間で円筒状に形作られる。第1の端部326は、出口ポート912を受け入れるように構成された内側断面幅を備える。いくつかの実施形態において、第1の端部326の内側断面幅は、出口ポート912が第2の端部328に向かって部分的にカバー本体304へと圧入されるように、出口ポート912の外側断面幅に等しい。
【0051】
第2の端部328は、入口ポート310を第1の端部326に向かって部分的に受け入れるように構成された内側断面幅を備える。いくつかの実施形態において、カバー本体304は、第2の端部328においてカバー本体304の内面から軸方向内側へと延びる1つ以上の突起332を備える。突起332は、内側断面幅を定める内面を有する。突起332の内側断面幅は、入口ポート310の外側断面幅よりも小さい。いくつかの実施形態において、突起332は、1つ以上の可撓性タブである。可撓性タブは、入口ポート310を第1の端部326に向かって前進させることができるように撓む。入口ポート310の外側断面幅よりも小さい外側断面幅を有しているハウジング302の一部分により、タブは、プライミングの準備ができた状態において、入口ポート300をタブと第1の端部326との間に保持することができる。
【0052】
プライミング装置300をプライミング状態にするために、医療用コネクタ900をハウジング302に向かって移動させることで、ルアー部分906を入口ポート310の中へと前進させて、ハウジング302を医療用コネクタ900に流体に関して結合させることにより、バルブ314が開かれ、医療用コネクタ900とチャンバ308との間の流体経路が生み出される。いくつかの実施形態においては、ルアー部分906が入口ポート310に向かって前進させられるとき、入口ポート310の上面334が細長い部材920に係合し、ポスト910を入口ポート902に向かって移動させることにより、経路908が開かれる。ルアー部分906が入口ポート310の中へと前進させられるにつれて、ルアー部分906が通路320内に受け入れられ、入口ポート310が開かれる。いくつかの実施形態において、ルアー部分906は、バルブ314のヘッド部318をチャンバ入口322に向かって押すことで、ベローズ部316をつぶし、バルブ314を開く。
【0053】
ねじ山336が、入口ポート310の外面から周状に外側へと延びている。医療用コネクタ900がハウジング302に向かって移動させられ、軸330を中心にして回転させられるとき、ねじ山336は、出口ポート912の内面に位置する相手方のねじ山914に係合し、ハウジング302を医療用コネクタ900に螺合させる。
【0054】
プライミング状態において、医療用コネクタ900へと接続されたシステムが、システムから医療用コネクタ900を通ってプライミング装置300のチャンバ308へとガスを移すことによってプライミングされる。システムからの流体および気体が、チャンバ308に進入する。開口部は、チャンバ308の上方の表面258を貫いて配置されているため、ガスを、チャンバ308に溜まる流体によって妨げられることなく、表面258の開口を通ってチャンバ308から排出することができる。フィルタ338が疎水性フィルタである場合、開口部312に配置されたフィルタ338は、チャンバ308内に流体を保持しつつハウジング302からガスを出すことを可能にし、プライミング装置300を任意の向きで使用することを可能にする。
【0055】
プライミング後の状態において、ハウジング302がカバー本体304から切り離される一方で、カバー本体304は医療用コネクタ900に結合したままである。プライミング装置300は、入口ポート310のねじ山336を医療用コネクタ900のねじ山914から外し、プライミング装置300を第1の端部326から遠ざかるように動かすことによって、カバー本体304から切り離される。1つ以上のチャネル342が、カバー本体304の外面に沿って延びる。いくつかの実施形態においては、1つ以上のチャネル342およびリブ354が、カバー本体304の外面を巡って交互に配置される。リブ354およびチャネル342の各々は、カバー本体304の剛性を高めるとともに、軸330を中心にしてハウジング302およびカバー本体304のいずれかを結合させ、切り離し、あるいは回転させる際により大きなねじりのてこ比を提供する。
【0056】
蓋306が、ヒンジ344によってカバー本体304の第2の端部328に回転可能に結合している。いくつかの実施形態において、ヒンジ344は、リビングヒンジである。いくつかの実施形態において、蓋306の一部分356は、カバー本体304の第2の端部328の内側断面幅に等しい断面幅を有する。ハウジング302がカバー本体304から切り離された後、蓋306は、蓋306の小さくされた断面幅を有する部分356がカバー本体304の第2の端部328に受け入れられて、第2の端部328を覆うように、ヒンジ344を中心にして回転させられる。
【0057】
次に
図9A~
図12Bを参照すると、医療用コネクタ900および本開示の態様によるプライミング装置400のいくつかの実施形態が示されている。プライミング装置400は、ハウジング402とスリーブ404とを備え、スリーブ404は、ハウジング402を医療用コネクタ900と相互接続する。スリーブ404は、開いた第1の端部426と、ハウジング402に結合した閉じた第2の端部428と、第1の端部426と第2の端部428との間の軸430とを備える。スリーブ404は、スリーブ404を貫く1つ以上のウインドウ460を定めている。各々のウインドウ460は、各々のウインドウの底部から軸430に平行に第1の端部426に向かって途中まで延びるアーム462を備える。
【0058】
図10および
図11を参照すると、ハウジング402は、チャンバ408および入口ポート410を定めており、ここでチャンバ408および入口ポート410は、ハウジング402内で流体に関してつながっている。さらに、ハウジング402は、チャンバ408内からハウジング402の外部へと延びる開口部412を定めている。開口部412は、ハウジング402のうちの入口ポート410とは反対側の部分を通って延びる。開口部412は、ガスをチャンバ408から出すことを可能にする。フィルタ438が、開口部412に配置されている。いくつかの実施形態において、フィルタは、プライミング装置400が医療用コネクタのプライミングに利用されるときに、ガスをチャンバ408から出すことを可能にするように構成された疎水性フィルタである。
【0059】
各々のウインドウの底部の反対側の各々のアーム462の端部は、各々のアーム462の内面から軸430に向かって半径方向に延びる部材464を含む。各々の部材464は、斜面466と、斜面466に対して横方向に延びている係合面468と、斜面と係合面との間を移行する頂点領域470とを備える。いくつかの実施形態において、係合面468は、軸430に対して垂直である。
【0060】
図12Aおよび
図12Bを参照すると、プライミング装置400に結合した医療用コネクタ900の一部分が示されている。説明の目的で、医療用コネクタ900は、入口ポート(図示せず)と、出口ポート912と、入口ポートと出口ポート912との間の本体904とを有する雄のルアーコネクタとして示されている。ルアー部分906が、本体904の内部から出口ポート912に向かって延びている。流体経路が、入口ポート902から本体904およびルアー部分906を通って延びている。ポスト910が、医療用コネクタ900が閉状態にあるとき、ルアー部分906の流体経路を通って延びる。
図12Aに示される閉状態において、ポスト910は、ルアー部分906の開いた先端部を封じることで、流体経路を閉鎖する。いくつかの実施形態においては、細長い部材920が、ポスト910に接続され、ルアー部分906の外側に沿って出口ポート912に向かって延びている。医療用コネクタ900が
図12Bに示される開状態にあるとき、ポスト910が入口ポート902に向かってルアー部分906の中へと後退させられることで、経路908が開かれる。
【0061】
スリーブ404は、第1の端部426と第2の端部428との間で円筒状に形作られる。第1の端部426は、出口ポート912を受け入れるように構成された内側断面幅を備える。いくつかの実施形態において、第1の端部426の内側断面幅は、出口ポート912が第2の端部428に向かって部分的にカバー本体404へと圧入されるように、出口ポート912の外側断面幅に等しい。
図9Aおよび
図12Aに示されるプライミングの準備ができた状態において、各々のアーム462の係合面468が、出口ポート912の縁部に接触して、医療用コネクタ900が部材464を越えて挿入されることがないようにする。
【0062】
プライミング装置400を
図9Bおよび
図12Bに示されるプライミング状態にするために、医療用コネクタ900がプライミング装置400に向かって移動させられ、各々の部材464の頂点領域470の間の断面幅が出口ポート912における本体904の外面以上となるように、アーム462を軸430から遠ざかる方向に撓ませる。各々のアーム462が撓むことで、医療用コネクタ900を、各々の部材464の頂点領域470が本体904の外面に接触した状態で、部材464を越えて挿入することができる。医療用コネクタ900がプライミング装置400に向かって移動するとき、ルアー部分906が入口ポート410を過ぎて前進し、上面434が細長い部材920に係合する。医療用コネクタ900がプライミング装置400に向かって移動するとき、細長い部材920およびポスト910が入口ポート902に向かって後退することで、医療用コネクタ900とチャンバ408との間の流体経路が生み出される。いくつかの実施形態においては、バルブが、ハウジング402内に配置され、入口ポート410からチャンバ408に向かって延びる。ルアー部分906が入口ポート410の中へと前進させられるにつれて、ルアー部分906が通路420内に受け入れられ、バルブを変位させ、入口ポート410を開く。いくつかの実施形態において、バルブは、ヘッド部およびベローズ部を含む。ルアー部分906が通路420内に受け入れられるとき、バルブのヘッド部がチャンバに向かって押されることで、ベローズ部がつぶれ、バルブが開く。
【0063】
いくつかの実施形態においては、ねじ山(図示せず)が、入口ポート410の外面から周状に外側へと延びている。医療用コネクタ900がハウジング402に向かって移動させられ、軸430を中心にして回転させられるとき、ねじ山は、出口ポート912の内面に位置する相手方のねじ山914に係合し、ハウジング402を医療用コネクタ900に螺合させる。
【0064】
プライミング状態において、医療用コネクタ900へと接続されたシステムが、システムから医療用コネクタ900を通ってプライミング装置400のチャンバ408へとガスを移すことによってプライミングされる。ガスが流体経路を通ってチャンバ408へと移されるとき、ガスを、開口部412を通ってチャンバ408から出すことができる。いくつかの実施形態において、ガスは、システム内の流体をプライミング装置400へと移動させることによってプライミング装置400へと移される。フィルタ438が疎水性フィルタである場合、開口部412に配置されたフィルタ438は、チャンバ408内に流体を保持しつつハウジング402からガスを出すことを可能にし、プライミング装置400を任意の向きで使用することを可能にする。
【0065】
いくつかの実施形態においては、1つ以上のリブ440が、ハウジング402の外面に沿って第2の端部428と開口部412との間を延びる。あるいは、ハウジング402の外面が、第2の端部428と開口部412との間の1つ以上のチャネルを備える。リブ440またはチャネルは、プライミング装置400の剛性を高めるとともに、プライミング装置400を医療用コネクタ900に結合させ、あるいは医療用コネクタ900から切り離すときに、より大きなねじりのてこ比を提供する。
【0066】
以上の説明は、本明細書に記載の種々の構成の実施を当業者にとって可能にするために提示されている。本主題の技術が、種々の図および構成を参照して詳細に記載されているが、これらがあくまでも説明の目的のためのものにすぎず、本主題の技術の範囲を限定するものとして解釈されてはならないことを、理解すべきである。
【0067】
本主題の技術の実施について、多数の他のやり方が存在し得る。本明細書に記載の種々の機能および構成要素を、本主題の技術の範囲から逸脱することなく、本明細書に示されたやり方とは異なるやり方で実施することができる。これらの構成に対する種々の変更は、当業者にとって容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、他の構成にも適用可能である。したがって、本主題の技術の範囲から逸脱することなく、当業者であれば、本主題の技術に多数の変更および修正を加えることができる。
【0068】
本明細書において使用されるとき、「および(and)」または「または(or)」という用語によっていずれかを隔ててなる項目の列挙に関し、そのような項目の列挙に先行する「…のうちの少なくとも1つ」という表現は、全体としての列挙の全体を修飾するのではなく、むしろ列挙の各々の構成員(すなわち、各々の項目)を修飾する。「…のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙された各々の項目を少なくとも1つを選択することを必要とせず、むしろこの表現は、項目のうちの任意の1つを少なくとも1つ含むこと、および/または項目の任意の組み合わせを少なくとも1つ含むこと、および/または各々の項目を少なくとも1つ含むことを意味することができる。例として、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」という表現は、それぞれ、Aだけ、Bだけ、またはCだけ、A、B、およびCの任意の組み合わせ、ならびに/あるいはA、B、およびCの各々を少なくとも1つを指す。
【0069】
さらに、「…を含む(include)」、「…を有する(have)」、などの用語が本明細書または特許請求の範囲で使用される限りにおいて、そのような用語は、請求項においてつなぎの語として使用されるときの用語「…を備える(comprise)」の解釈と同様のやり方で、包括的であるように意図される。「典型的」という用語は、本明細書において、「例、事例、または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。本明細書で「典型的」として説明されたいかなる実施形態も、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0070】
単数形での要素への言及は、特に具体的に述べられない限り、「1つだけ」を意味するのではなく、むしろ「1つ以上」を意味するように意図される。「いくつか」という用語は、1つ以上を指す。本開示の各所において説明した種々の構成の構成要素の構造的および機能的な等価物であって、当業者にとって公知であり、あるいは後に当業者に知られることになるすべての構造的および機能的な等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、本主題の技術に包含されるように意図される。さらに、本明細書に開示したいかなる内容も、そのような開示が以上の説明において明示的に述べられているか否かにかかわらず、公衆への開放は意図されていない。
【0071】
本主題の技術の特定の態様および実施形態を説明したが、これらはあくまでも例として提示されているにすぎず、本主題の技術の範囲を限定しようとするものではない。実際、本明細書に記載の新規な方法およびシステムは、その精神から逸脱することなく、さまざまな他の形態で具体化され得る。添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物は、本主題の技術の範囲および精神に含まれるようなそのような形態または改変を包含するように意図されている。