(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】タッチディスプレイ装置、タッチ駆動回路およびディスプレイパネル
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230705BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230705BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
G06F3/041 522
G06F3/041 422
G06F3/041 410
G06F3/041 512
G09F9/00 366A
G09G3/20 691D
G09G3/20 612T
G09G3/20 642P
G09G3/20 621M
G09G3/20 680G
G09G3/20 611J
G09G3/20 624C
G09G3/20 641P
G09G3/20 611C
(21)【出願番号】P 2021202183
(22)【出願日】2021-12-14
【審査請求日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0184904
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】金 眞 星
(72)【発明者】
【氏名】金 周 漢
(72)【発明者】
【氏名】李 海 源
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09223425(US,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0068286(KR,A)
【文献】特開2016-118767(JP,A)
【文献】特開2015-106411(JP,A)
【文献】特開2001-147420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G09F 9/00
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示領域内において、第1方向に延長される複数のタッチラインに電気的に接続される複数のタッチ電極を含むディスプレイパネルと、
前記第1方向とは異なる第2方向に延長される複数のゲートラインを介して前記ディスプレイパネルにスキャン信号を供給するように構成されたゲート駆動回路と、
タッチ駆動期間に前記複数のタッチ電極からタッチ信号を検出してタッチをセンシングし、ディスプレイ駆動期間に映像を表示するために前記複数のタッチラインを介して前記複数のタッチ電極に共通電圧を供給するように構成されたタッチ駆動回路と、
前記ディスプレイパネルの非表示領域に配置され、前記複数のタッチラインに電気的に接続されるか、または前記ディスプレイパネルの非表示領域で前記複数のゲートラインに重畳するように配置される共通電圧フィードバックラインと、
前記共通電圧フィードバックラインの前記共通電圧の歪みを検出し、前記共通電圧の歪みに基づいて生成された補償共通電圧を前記複数のタッチラインを介して供給するように構成された共通電圧補償回路と、を含
み、
前記複数のタッチ電極は、前記第2方向に第1長さを有する第1タッチ電極と前記第2方向に前記第1長さよりも長い第2長さを有する第2タッチ電極とを含み、
前記複数のゲートラインは、前記第1タッチ電極と重畳する第1ゲートラインと前記第2タッチ電極と重畳する第2ゲートラインとを含み、
前記共通電圧フィードバックラインは、前記第1ゲートラインと重畳するとともに第1幅を有する第1部分と、前記第2ゲートラインと重畳するとともに前記第1幅よりも長い第2幅を有する第2部分とを含む、タッチディスプレイ装置。
【請求項2】
前記複数のタッチ電極は、
同じ大きさを有する少なくとも2つ以上のタッチ電極からなるスプリットタイプのタッチ電極である請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項3】
前記複数のタッチ電極は、
前記第2方向について
前記第1長さの
前記第1タッチ電極と前記第1長さよりも
長い前記第2長さの
前記第2タッチ電極が前記第1方向に交互に配置され、前記第1方向に配置された複数の第2タッチ電極のうち、少なくとも一部が前記複数のタッチラインのうち、1つのタッチラインによって同じラインに接続された製織タイプのタッチ電極である請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項4】
前記複数のタッチラインに電気的に接続される前記共通電圧フィードバックラインは、
前記表示領域が前記共通電圧フィードバックラインと前記タッチ駆動回路との間に位置するように配置される請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項5】
前記共通電圧フィードバックラインと前記複数のタッチラインとの間に配置されたノイズ遮断回路をさらに含む請求項4に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項6】
前記ノイズ遮断回路は、
並列に接続された抵抗とキャパシターからなる請求項5に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項7】
前記複数のゲートラインに重畳する前記共通電圧フィードバックラインは、
前記表示領域が前記ゲート駆動回路と前記共通電圧フィードバックラインとの間に位置するように配置される請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項8】
前記複数のゲートラインのうち、
前記第1ゲートラインに重畳する前記共通電圧フィードバックラインの幅および前記複数のゲートラインのうち、
前記第2ゲートラインに重畳する前記共通電圧フィードバックラインの幅の割合は、
複数のタッチ電極のうち、前記第1ゲートラインに重畳する
前記第1タッチ電極の長さおよび複数のタッチ電極のうち、前記第2ゲートラインに重畳する
前記第2タッチ電極の長さの割合と同じである請求項
1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項9】
前記補償共通電圧は、
前記複数のゲートラインのうち、隣接するゲートラインを介して供給される前記スキャン信号の重畳によって引き起される寄生キャパシタンスによる前記共通電圧の歪みを相殺させる信号である請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項10】
前記共通電圧補償回路は、
前記共通電圧フィードバックラインを介してフィードバックされた前記共通電圧が第1抵抗を通じて反転入力端子に入力され、基準電圧が非反転入力端子に入力される演算増幅器を含む請求項1に記載のタッチディスプレイ装置。
【請求項11】
第1方向に延長され、複数のタッチ電極を含むディスプレイパネルにタッチ信号を伝達するように構成された複数のタッチラインと、
タッチ駆動期間に前記タッチラインを介して前記複数のタッチ電極にタッチ駆動信号を供給して前記複数のタッチ電極からタッチセンシング信号を受信し、ディスプレイ駆動期間に前記複数のタッチラインを介して前記複数のタッチ電極に共通電圧を供給するように構成されたタッチセンシング回路と、
前記タッチセンシング信号によってタッチの存在を検出し、タッチの座標を計算するタッチコントローラと、
前記複数のタッチラインに電気的に接続されるか、または複数のゲートラインに重畳するように配置される共通電圧フィードバックラインと、
前記共通電圧フィードバックラインの前記共通電圧の歪みを検出し、前記共通電圧の歪みに基づいて生成された補償共通電圧を前記複数のタッチラインを介して供給する共通電圧補償回路と、を含
み、
前記複数のタッチ電極は、前記第1方向とは異なる第2方向に第1長さを有する第1タッチ電極と前記第2方向に前記第1長さよりも長い第2長さを有する第2タッチ電極とを含み、
前記複数のゲートラインは、前記第1タッチ電極と重畳する第1ゲートラインと前記第2タッチ電極と重畳する第2ゲートラインとを含み、
前記共通電圧フィードバックラインは、前記第1ゲートラインと重畳するとともに第1幅を有する第1部分と、前記第2ゲートラインと重畳するとともに前記第1幅よりも長い第2幅を有する第2部分とを含む、タッチ駆動回路。
【請求項12】
前記補償共通電圧は、
前記複数のゲートラインのうち、隣接するゲートラインを介して供給されるスキャン信号の重畳によって引き起される寄生キャパシタンスによる前記共通電圧の歪みを相殺させる信号である請求項11に記載のタッチ駆動回路。
【請求項13】
前記共通電圧補償回路は、
前記共通電圧フィードバックラインを介してフィードバックされた
前記共通電圧が第1抵抗を通じて反転入力端子に入力され、基準電圧が非反転入力端子に入力される演算増幅器を含む請求項11に記載のタッチ駆動回路。
【請求項14】
複数のサブピクセルにそれぞれ対応するように形成された複数のタッチ電極と、
第1方向に延長され、前記複数のタッチ電極にタッチ信号を伝達する複数のタッチラインと、
前記第1方向とは異なる第2方向に延長され、前記複数のサブピクセルにスキャン信号を伝達する複数のゲートラインと、
非表示領域において、前記複数のタッチラインに電気的に接続されるか、または前記複数のゲートラインに重畳するように配置される共通電圧フィードバックラインと、
前記共通電圧フィードバックラインの前記共通電圧の歪みを検出し、前記共通電圧の歪みに基づいて生成された補償共通電圧を前記複数のタッチラインを介して供給するように構成された共通電圧補償回路と、を含み、
前記複数のタッチ電極は、前記第2方向に第1長さを有する第1タッチ電極と前記第2方向に前記第1長さよりも長い第2長さを有する第2タッチ電極とを含み、
前記複数のゲートラインは、前記第1タッチ電極と重畳する第1ゲートラインと前記第2タッチ電極と重畳する第2ゲートラインとを含み、
前記共通電圧フィードバックラインは、前記第1ゲートラインと重畳するとともに第1幅を有する第1部分と、前記第2ゲートラインと重畳するとともに前記第1幅よりも長い第2幅を有する第2部分とを含む、ディスプレイパネル。
【請求項15】
前記複数のタッチラインに電気的に接続される前記共通電圧フィードバックラインは、
表示領域が前記共通電圧フィードバックラインとタッチ駆動回路との間に位置するように配置される請求項14に記載のディスプレイパネル。
【請求項16】
前記共通電圧フィードバックラインと前記複数のタッチラインとの間に配置されたノイズ遮断回路をさらに含む請求項14に記載のディスプレイパネル。
【請求項17】
前記ノイズ遮断回路は、
並列に接続された抵抗とキャパシターからなる請求項16に記載のディスプレイパネル。
【請求項18】
前記複数のゲートラインに重畳する前記共通電圧フィードバックラインは、
表示領域がゲート駆動回路と前記共通電圧フィードバックラインとの間に位置するように配置される請求項14に記載のディスプレイパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、タッチディスプレイ装置、タッチ駆動回路およびディスプレイパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチメディアの発達とともに平板ディスプレイ装置の重要性が増大している。これに応じて液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)、有機発光ディスプレイ(Organic Light Emitting Display)などの平板ディスプレイ装置が常用化されている。
【0003】
また、このようなディスプレイ装置にタッチパネルを積層し、手やスタイラスペン(Stylus Pen)などが接触するタッチ地点に抵抗や静電容量のような電気的な特性が変わる場合に、タッチ地点を感知してタッチ地点に対応する情報を出力するか、または演算を行うタッチディスプレイ装置が広く使用されている。
【0004】
このようなタッチディスプレイ装置は、ユーザーインターフェース(User Interface)の1つとして、その応用範囲が小型携帯端末、オフィス機器、モバイル機器などに拡大されている。
【0005】
しかし、このようなタッチディスプレイ装置に別のタッチスクリーンパネルを積層する場合、ディスプレイ装置の厚さが厚くなり、これを薄く製作するのに限界があり、積層されたタッチスクリーンパネルを通過しながら光の透過効率が減少し、生産費が増加する短所がある。これらの問題点を解決するために、最近は、ディスプレイパネルのピクセル領域の内部にタッチ電極が内蔵されるインセルタッチ(Advanced In-cell Touch:AIT)タイプのタッチディスプレイ装置が提案されている。
【0006】
一方、このようなタッチディスプレイ装置は、その大きさおよび解像度が増加するにつれてディスプレイパネルに内蔵されたタッチ電極の負荷(Load)が増加する。このため、タッチ電極に供給される共通電圧に歪み現象が発生し、ディスプレイパネルに表示される映像にエラーを発生させる問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施例は、タッチ電極の負荷によって引き起される共通電圧の歪み現象を減少させることができるタッチディスプレイ装置、タッチ駆動回路およびディスプレイパネルを提供し得る。
【0009】
また、本発明の実施例は、タッチ電極に印加される共通電圧のフィードバック構造を通じて共通電圧の歪み現象を減少させることができるタッチディスプレイ装置、タッチ駆動回路およびディスプレイパネルを提供し得る。
【0010】
また、本発明の実施例は、タッチ電極の構造に応じて共通電圧フィードバックラインの構造を異にすることによって、共通電圧の歪みを効果的に検出かつ補償できるタッチディスプレイ装置、タッチ駆動回路およびディスプレイパネルを提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一側面において、本発明の実施例は、映像を表示する表示領域内において、第1方向に延長される複数のタッチラインが電気的に接続される複数のタッチ電極を含むディスプレイパネルと、前記第1方向とは異なる第2方向に延長される複数のゲートラインを介してディスプレイパネルにスキャン信号を供給するように構成されたゲート駆動回路と、タッチ駆動期間に複数のタッチ電極からタッチ信号を検出してタッチをセンシングし、ディスプレイ駆動期間に映像を表示するために、複数のタッチラインを介して複数のタッチ電極に共通電圧を供給するように構成されたタッチ駆動回路と、ディスプレイパネルの非表示領域に配置され、複数のタッチラインに電気的に接続されるか、またはディスプレイパネルの非表示領域で複数のゲートラインに重畳するように配置される共通電圧フィードバックラインと、前記共通電圧の歪みを検出し、共通電圧の歪みに基づいて生成された補償共通電圧を複数のタッチラインを介して供給するように構成された共通電圧補償回路と、を含むタッチディスプレイ装置を提供し得る。
【0012】
一側面において、タッチ電極は、同じ大きさを有する少なくとも2つ以上のタッチ電極からなるスプリットタイプのタッチ電極であるタッチディスプレイ装置を提供し得る。
【0013】
一側面において、複数のタッチ電極は、第2方向について第1長さの第1タッチ電極と第1長さよりも短い第2長さの第2タッチ電極が第1方向に交互に配置され、第1方向に配置された複数の第2タッチ電極のうち、少なくとも一部が複数のタッチラインのうち、1つのタッチラインによって同じラインに接続された製織タイプのタッチ電極であるタッチディスプレイ装置を提供し得る。
【0014】
一側面において、複数のタッチラインに電気的に接続される共通電圧フィードバックラインは、表示領域が共通電圧フィードバックラインとタッチ駆動回路との間に位置するように配置されるタッチディスプレイ装置を提供し得る。
【0015】
一側面において、共通電圧フィードバックラインと複数のタッチラインとの間に配置されたノイズ遮断回路をさらに含むタッチディスプレイ装置を提供し得る。
【0016】
一側面において、ノイズ遮断回路は、並列に接続された抵抗とキャパシターからなるタッチディスプレイ装置を提供し得る。
【0017】
一側面において、複数のゲートラインに重畳する共通電圧フィードバックラインは、表示領域がゲート駆動回路と共通電圧フィードバックラインとの間に位置するように配置されるタッチディスプレイ装置を提供し得る。
【0018】
一側面において、共通電圧フィードバックラインは、第2方向について、複数のゲートラインと重畳する複数のタッチ電極のうち、いずれか1つのタッチ電極の長さに対応するように幅が決定されるタッチディスプレイ装置を提供し得る。
【0019】
一側面において、複数のゲートラインのうち、第1ゲートラインに重畳する共通電圧フィードバックラインの幅および複数のゲートラインのうち、第2ゲートラインに重畳する共通電圧フィードバックラインの幅の割合は、複数のタッチ電極のうち、第1ゲートラインに重畳する第1タッチ電極の長さおよび複数のタッチ電極のうち、第2ゲートラインに重畳する第2タッチ電極の長さの割合と同じタッチディスプレイ装置を提供し得る。
【0020】
一側面において、補償共通電圧は、複数のゲートラインのうち、隣接するゲートラインを介して供給されるスキャン信号の重畳によって引き起される寄生キャパシタンスによる共通電圧の歪みを相殺させる信号であるタッチディスプレイ装置を提供し得る。
【0021】
一側面において、共通電圧補償回路は、共通電圧フィードバックラインを介してフィードバックされた共通電圧が第1抵抗を通じて反転入力端子に入力され、基準電圧が非反転入力端子に入力される演算増幅器を含むタッチディスプレイ装置を提供し得る。
【0022】
他の側面において、本発明の実施例は、第1方向に延長され、複数のタッチ電極を含むディスプレイパネルにタッチ信号を伝達するように構成された複数のタッチラインと、タッチ駆動期間にタッチラインを介して複数のタッチ電極にタッチ駆動信号を供給して複数のタッチ電極からタッチセンシング信号を受信し、ディスプレイ駆動期間に前記複数のタッチラインを介して前記複数のタッチ電極に共通電圧を供給するように構成されたタッチセンシング回路と、タッチセンシング信号によってタッチの存在を検出し、タッチの座標を計算するタッチコントローラと、複数のタッチラインに電気的に接続されるか、または複数のゲートラインに重畳するように配置される共通電圧フィードバックラインと、共通電圧の歪みを検出し、共通電圧の歪みに基づいて生成された補償共通電圧を複数のタッチラインを介して供給する共通電圧補償回路と、を含むタッチ駆動回路を提供し得る。
【0023】
また他の側面において、本発明の実施例は、複数のサブピクセルにそれぞれ対応するように形成された複数のタッチ電極と、第1方向に延長され、複数のタッチ電極にタッチ信号を伝達する複数のタッチラインと、第1方向とは異なる第2方向に延長され、複数のサブピクセルにスキャン信号を伝達する複数のゲートラインと、非表示領域において、複数のタッチラインに電気的に接続されるか、または複数のゲートラインに重畳するように配置される共通電圧フィードバックラインを含むディスプレイパネルを提供し得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施例によると、タッチ電極の負荷によって引き起される共通電圧の歪み現象を減少させることができるタッチディスプレイ装置、タッチ駆動回路およびディスプレイパネルを提供し得る。
【0025】
また、本発明の実施例によると、タッチ電極の印加される共通電圧のフィードバック構造を通じて共通電圧の歪み現象を減少させることができるタッチディスプレイ装置、タッチ駆動回路およびディスプレイパネルを提供し得る。
【0026】
また、本発明の実施例によると、タッチ電極の構造に応じて共通電圧フィードバックラインの構造を異にすることによって、共通電圧の歪みを効果的に検出かつ補償できるタッチディスプレイ装置、タッチ駆動回路およびディスプレイパネルを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置を概略的に示した図面。
【
図2】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、タッチ電極の構造を例示として示した図面。
【
図3】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、ディスプレイ駆動期間とタッチ駆動期間のタイミングを示した例示の図面。
【
図4】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、タッチ電極領域の一部を示した図面。
【
図5】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、スキャン信号の重畳によって共通電圧に歪みが発生する現象を概念的に示した図面。
【
図6】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、タッチラインと接続されるように共通電圧フィードバックラインが配置された構造を例示として示した図面。
【
図7】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、共通電圧の歪みを補償するために補償共通電圧を生成する共通電圧補償回路の例示を示した図面。
【
図8】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、ゲートラインとキャパシタンスを形成するように、共通電圧フィードバックラインが配置された構造を例示として示した図面。
【
図9】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、製織タイプタッチ電極が配置されたディスプレイパネルを例示として示した図面。
【
図10】本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、ゲートラインと重畳するタッチ電極の構造を反映して形成された共通電圧フィードバックラインの構造を例示的に示した図面。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本実施例の一部実施例を例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付け加えるにおいて、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても可能な限り同じ符号を有し得る。また、本実施例を説明するにおいて、関連される公知構成または機能に対する具体的な説明が本実施例の要旨を濁すことがあると判断される場合には、その詳細な説明は略し得る。 本明細書上で言及した「含む」、「有する」、「行われる」などが使用される場合、「~のみ」が使用されない以上、他の部分が追加され得る。
【0029】
また、本発明の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用し得る。このような構成用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであって、その用語によって当該構成要素の本質、手順、順序又は個数などは限定されない。
【0030】
構成要素の位置関係についての説明において、2つ以上の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」などになると記載された場合、2つ以上の構成要素が直接的に「連結」、「結合」または「接続」され得るが、2つ以上の構成要素と他の構成要素がさらに「介在」されて「連結」、「結合」または「接続」され得ると理解されるべきである。ここで、他の構成要素は、互いに「連結」、「結合」または「接続」される2つ以上の構成要素のうち、1つ以上に含まれ得る。
【0031】
構成要素や、動作方法や製作方法などに関連した時間的流れの関係についての説明において、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」などで時間的先後関係または流れ的先後関係が説明される場合、「すぐに」または「直接」が使用されない以上、連続的ではない場合も含み得る。
【0032】
一方、構成要素についての数値またはその対応情報(例:レベルなど)を言及した場合、別の明示的な記載がなくても、数値またはその対応情報は、各種要因(例:工程上の要因、内部または外部の衝撃、ノイズなど)によって発生し得る誤差の範囲を含むものと解釈され得る。
【0033】
図1は、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置を概略的に示した図面である。
【0034】
図1を参照すると、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置100は、ディスプレイパネル110、ゲート駆動回路120、データ駆動回路130、タッチ駆動回路160、タイミングコントローラ(T-CON)140、およびマイクロコントロールユニット(MCU)150を含み得る。
【0035】
ディスプレイパネル110は、ゲートラインGLを介してゲート駆動回路120から送信されるスキャン信号とデータラインDLを介してデータ駆動回路130から送信されるデジタル映像データDataに基づいて映像を表示する。
【0036】
液晶ディスプレイの場合、ディスプレイパネル110は、2枚の基板の間に形成された液晶層を含み、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モードなど公知されたいかなるモードでも動作できるであろう。一方、有機発光ディスプレイの場合、ディスプレイパネル110は、前面発光(Top Emission)方式、背面発光(Bottom Emission)方式または両面発光(Dual Emission)方式などで実装できるであろう。
【0037】
ディスプレイパネル110を構成する多数のサブピクセルSPは、多数のデータラインDLと多数のゲートラインGLによって定義できる。1つのサブピクセルSPは、1つのデータラインDLと1つのゲートラインGLが交差する領域に形成された薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)、データ電圧を充電する有機発光ダイオード(OLED)のような発光素子、および発光素子に電気的に接続されて電圧を維持させるためのストレージキャパシター(Storage Capacitor、Cst)などを含み得る。
【0038】
ディスプレイパネル110の上部基板には、ブラックマトリックス、カラーフィルタなどが形成され、ディスプレイパネル110の下部基板には、薄膜トランジスタ、サブピクセルSPおよび共通電極などが形成され得る。ディスプレイパネル110は、COT(Color filter On TFT)構造で実装でき、この場合、ブラックマトリックスとカラーフィルタは、ディスプレイパネル110の下部基板に形成され得る。
【0039】
共通電圧が供給される共通電極は、ディスプレイパネル110の上部基板や下部基板に形成され得る。ディスプレイパネル110の上部基板と下部基板には、それぞれ偏光板を付着し、液晶と接する内面に液晶の傾斜(Tilt)角度を設定するための配向膜が形成され得る。
【0040】
ディスプレイパネル110の上部基板と下部基板との間には、液晶セルのセルギャップ(Cell Gap)を維持するためのカラムスペーサーが形成される。液晶ディスプレイの場合、ディスプレイパネル110の下部偏光板の背面の下には、バックライト(Back Light)ユニットが配置され、バックライトユニットは、エッジ型(Edge Type)または直下型(Direct Type)などで実装してディスプレイパネル110を発光する。
【0041】
このとき、タッチスクリーンパネルは、ディスプレイパネル110のピクセルアレイエリアにインセルタッチ方式で内蔵されるように実装できる。インセルタッチ方式のタッチスクリーンパネルは、ディスプレイパネル110の内部に形成された電極などによってブロック(またはポイント)形で構成された電極をタッチ電極として用いる。
【0042】
タイミングコントローラ140は、ゲート駆動回路120とデータ駆動回路130を制御する。タイミングコントローラ140は、ホストシステム(画面に図示せず)から垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、データイネーブル信号DE(Data Enable)、メインクロック信号MCLKなどのタイミング信号と映像信号に該当するデジタル映像データDataの供給を受ける。
【0043】
タイミングコントローラ140は、ゲートスタートパルスGSP(Gate Start Pulse)、ゲートシフトクロックGSC(Gate Shift Clock)およびゲート出力イネーブル信号GOE(Gate Output Enable)などのスキャンタイミング制御信号に基づいてゲート駆動回路120を制御する。また、タイミングコントローラ140は、ソースサンプリングクロックSSC(Source Sampling Clock)、ソーススタートパルスSSP(Source Start Pulse)、およびソース出力イネーブル信号SOE(Source Output Enable)などのデータタイミング制御信号に基づいてデータ駆動回路130を制御する。
【0044】
ゲート駆動回路120は、多数のゲートラインGLを介してスキャン信号をディスプレイパネル110に順次に供給することによって、多数のゲートラインGLを順次に駆動する。ここで、ゲート駆動回路120は、スキャン駆動回路またはゲート駆動集積回路(Gate Driving Integrated Circuit、GDIC)とも言う。
【0045】
ゲート駆動回路120は、1つ以上のゲート駆動集積回路(GDIC)を含み得るが、駆動方式に応じて、ディスプレイパネル110の一側にのみ位置することがあり、両側に位置することもある。または、ゲート駆動回路120がディスプレイパネル110のベゼル(Bezel)領域に内蔵されてGIP(Gate In Panel)形として実装できる。
【0046】
ゲート駆動回路120は、タイミングコントローラ140の制御によって、オン(On)電圧またはオフ(Off)電圧のスキャン信号を多数のゲートラインGLに順次に供給する。このために、ゲート駆動回路120は、シフトレジスタ(Shift Register)、またはレベルシフタ(Level Shifter)などを含み得る。
【0047】
データ駆動回路130は、タイミングコントローラ140からデジタル映像データDataの入力を受けて多数のデータラインDLにこれを供給することによって、多数のデータラインDLを駆動する。ここで、データ駆動回路130は、ソース駆動回路またはソース駆動集積回路(Source Driving Integrated Circuit、SDIC)とも言う。
【0048】
データ駆動回路130は、1つ以上のソース駆動集積回路(SDIC)を含み得るが、ソース駆動集積回路(SDIC)は、TAB(Tape Automated Bonding)方式またはCOG(Chip On Glass)方式でディスプレイパネル110のボンディングパッド(Bonding Pad)に接続されるか、またはディスプレイパネル110上に直接配置され得る。場合によって、各ソース駆動集積回路(SDIC)は、ディスプレイパネル110に集積化されて配置され得る。また、各ソース駆動集積回路(SDIC)は、COF(Chip On Film)方式で実装できるが、この場合に、各ソース駆動集積回路(SDIC)は、回路フィルム上に実装し、回路フィルムを介してディスプレイパネル110のデータラインDLと電気的に接続され得る。
【0049】
データ駆動回路130は、ゲート駆動回路120によって特定のゲートラインGLがターンオンされると、タイミングコントローラ140から受信したデジタル映像データDataをアナログ形態のデータ電圧に変換して多数のデータラインDLに供給する。
【0050】
データ駆動回路130は、ディスプレイパネル110の上部または下部にのみ位置することもあり、駆動方式や設計方式などに応じてディスプレイパネル110の上部と下部の両方に位置することもある。
【0051】
データ駆動回路130は、シフトレジスタ(Shift Register)、ラッチ回路(Latch Circuit)、デジタルアナログコンバーター(DAC:Digital to Analog Converter)、出力バッファ(Output Buffer)などを含み得る。ここでデジタルアナログコンバーター(DAC)は、タイミングコントローラ140から受信されたデジタル映像データDataをデータラインDLに供給するためにアナログ形態のデータ電圧に変換するための構成である。
【0052】
タッチ駆動回路160は、ディスプレイパネル110でタッチの有無およびタッチが行われた位置をセンシングする。タッチ駆動回路160には、タッチ電極を駆動するためにタッチ駆動信号を生成し、タッチ電極から生成されたタッチセンシング信号を受信するタッチセンシング回路と、タッチの存在およびタッチの座標などを検出するためにタッチセンシング信号を処理するタッチコントローラと、を含み得る。タッチ駆動回路160のタッチセンシング回路とタッチコントローラは、リードアウト集積回路(Read Out Integrated Circuit、ROIC)と呼ばれる1つの集積回路の形で形成されるか、または機能別に区分されて分離し得る。
【0053】
一方、データ駆動回路130を実装するソース駆動集積回路(SDIC)とタッチ駆動回路160を実装するリードアウト集積回路(ROIC)が1つに合されて統合集積回路(SRIC)で構成され得る。
【0054】
タッチ駆動回路160は、ディスプレイパネル110と接続される外部基板上に形成され得る。タッチ駆動回路160は、多数のタッチラインTLを介してディスプレイパネル110に接続される。タッチ駆動回路160は、ディスプレイパネル110に形成されたタッチ電極の間のキャパシタンス偏差に基づいてタッチの存在および位置をセンシングできる。すなわち、ユーザーの指が接触した位置と非接触した位置との間にキャパシタンス偏差が発生するが、タッチ駆動回路160は、このようなキャパシタンス偏差を感知する方式でタッチの存在および位置をセンシングする。タッチ駆動回路160は、タッチの有無および位置についてのタッチセンシング信号を生成し、これをマイクロコントロールユニット150に伝達する。
【0055】
マイクロコントロールユニット150は、タッチ駆動回路160を制御する。マイクロコントロールユニット150は、タイミングコントローラ140からコントロール同期信号Csyncの供給を受け、これに基づいてタッチ駆動回路160を制御するタッチ同期信号Tsyncを生成し得る。マイクロコントロールユニット150は、タッチ駆動回路160との間に定義されたインターフェースIFに基づいてタッチセンシング信号などを取り交わす。
【0056】
ここで、マイクロコントロールユニット150は、タッチ駆動回路160とともに1つの集積回路(IC)の形からなるタッチ制御回路に形成され得、タイミングコントローラ140とともに1つの集積回路の形からなる制御回路に形成され得る。
【0057】
一方、タッチディスプレイ装置は、メモリをさらに含み得る。メモリは、タイミングコントローラ140から出力されるデジタル映像データDataを一時的に保存し、指定されたタイミングにデジタル映像データDataをデータ駆動回路130に出力し得る。メモリは、データ駆動回路130の内部または外部に配置され得、データ駆動回路130の外部に配置される場合には、タイミングコントローラ140とデータ駆動回路130との間に配置され得る。また、メモリは、外部から受信されたデジタル映像データDataを保存し、保存されたデジタル映像データDataをタイミングコントローラ140に供給するバッファメモリをさらに含み得る。
【0058】
その他に、タッチディスプレイ装置100は、外部の他の電子装置または電子部品との信号入出力、または通信のためのインターフェースを含み得る。インターフェースは、例えば、SPI(Serial Peripheral Interface)、LVDS(Low-Voltage Differential Signaling)インターフェース、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)のうち、1つ以上を含み得る。
【0059】
一方、タッチディスプレイ装置100は、タッチ電極に形成されるキャパシタンスに基づいてタッチの存在およびタッチの座標をセンシングできる。
【0060】
タッチディスプレイ装置100は、キャパシタンス基板のタッチセンシング方式として、ミューチュアルキャパシタンス(Mutual-Capacitance)方式でタッチをセンシングすることができ、セルフキャパシタンス(Self-Capacitance)方式でタッチをセンシングすることもできる。
【0061】
ミューチュアルキャパシタンス(Mutual-Capacitance)基板のタッチセンシング方式の場合、多数のタッチ電極は、タッチ駆動ラインを介してタッチ駆動信号が印加されるタッチ駆動電極と、タッチセンシングラインを介してタッチセンシング信号がセンシングされ、タッチ駆動電極とキャパシタンスを形成するタッチセンシング電極に分類され得る。このとき、タッチ駆動ラインとタッチセンシングラインを含めてタッチラインと指称し得る。
【0062】
このようなミューチュアルキャパシタンス基板のタッチセンシング方式の場合、指、ペンなどのポインタの存在によって、タッチ駆動電極とタッチセンシング電極との間に発生するミューチュアルキャパシタンスの変化に基づいてタッチの存在およびタッチの座標などを検出する。
【0063】
セルフキャパシタンス基板のタッチセンシング方式の場合、各タッチ電極は、タッチ駆動電極の役割とタッチセンシング電極の役割を全てすることになる。すなわち、1つのタッチラインを介してタッチ電極にタッチ駆動信号が印加され、タッチ駆動信号が印加されたタッチ電極から伝達されるタッチセンシング信号を同じタッチラインを介して受信する。したがって、セルフキャパシタンス基板のタッチセンシング方式では、タッチ駆動電極とタッチセンシング電極の区別およびタッチ駆動ラインとタッチセンシングラインの区別がなくなる。
【0064】
このようなセルフキャパシタンス基板のタッチセンシング方式の場合、指、ペンなどのポインタとタッチ電極との間に発生するキャパシタンスの変化に基づいてタッチの存在およびタッチの座標などを検出する。
【0065】
このように、タッチディスプレイ装置100は、ミューチュアルキャパシタンス基板のタッチセンシング方式でタッチをセンシングすることができ、セルフキャパシタンス基板のタッチセンシング方式でタッチをセンシングすることもできる。
【0066】
また、このようなタッチディスプレイ装置100は、液晶ディスプレイ装置(Liquid Crystal Display Device)、有機発光ディスプレイ装置(Organic Light Emitting Display Device)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)、量子ドットディスプレイ(Quantum Dot Display)などの多様なタイプの装置であり得る。
【0067】
本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置100において、多数のタッチ電極は、ディスプレイパネル110に配置され、ディスプレイ駆動のための共通電圧が印加される共通電極であり得る。
【0068】
本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置100が有機発光ディスプレイ装置の場合、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)を構成する第1電極(アノード電極)、有機発光層、第2電極(カソード電極)、その上部に位置して密封機能を有する封止層(Encapsulation Layer)、およびその上部に位置するタッチセンサ金属層(Touch Sensor Metal Layer)を含み得る。このとき、複数のタッチ電極は、タッチセンサ金属層に形成されていることもあり、有機発光ダイオードのカソード電極を構成する第2電極層に形成されていることもある。
【0069】
一方、共通電極またはタッチ電極に印加される共通電圧は、ディスプレイ駆動期間内でディスプレイパネル110に供給されるデータ電圧のレベルが変更されるとき、一定時間の間、特定電圧のレベルに印加される直流電圧に設定され得る。また、共通電極またはタッチ電極に印加される共通電圧は、液晶ディスプレイ装置または有機発光ディスプレイ装置などの種類に応じて、ディスプレイ電圧やその他の名称として使用できるであろう。
【0070】
図2は、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、タッチ電極の構造を例示した図面である。
【0071】
図2を参照すると、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置100において、タッチスクリーンパネルは、ディスプレイパネル110のピクセルアレイエリアにインセルタッチ方式で内蔵されるように実装できる。このとき、インセルタッチ方式のディスプレイパネル110は、内部にブロックまたはポイントの形で構成された共通電極CEをタッチ電極TEとして用い得る。
【0072】
インセル(In-Cell)セルフタッチ方式のディスプレイパネル110は、内部に形成された複数のサブピクセルSPに対応する共通電極CEが1つのタッチ電極TEを成すようになる。タッチ電極TEは、ディスプレイパネル110から分離形成された共通電極CEによって定義できる。
【0073】
多数のタッチ電極TEは、ディスプレイパネル110の表示領域に横列に配置され得、各タッチ電極TEには、タッチ駆動信号TDSを供給し、タッチセンシング信号を受信するためのタッチラインTLが接続され得る。
【0074】
タッチ電極TEは、キャパシタンス基板のタッチセンシング方式でタッチ入力を感知するタッチセンサ金属として実装できる。このとき、タッチ電極TEは、ディスプレイ駆動期間の間、共通電圧Vcomが供給され、タッチ駆動期間の間、タッチ駆動信号TDSが印加され得る。
【0075】
図3は、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、ディスプレイ駆動期間とタッチ駆動期間のタイミングを例示した図面である。
【0076】
図3を参照すると、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置100は、1つのディスプレイフレーム期間(Display Frame)内で定められたディスプレイ駆動期間DPの間、映像表示のためのディスプレイ駆動を行い、定められたタッチ駆動期間TPの間、指またはスタイラスによるタッチ入力をセンシングするためのタッチ駆動を行い得る。
【0077】
このようなタッチディスプレイ装置100は、タッチ感知のための電極として各ピクセル駆動のための共通電極CEを一緒に使用する。したがって、ディスプレイ駆動期間DPの間は、共通電極CEに接続された薄膜トランジスタに共通電圧Vcomが供給され、タッチ駆動期間TPの間は、タッチ電極TEで動作する共通電極CEにタッチ駆動信号TDSが供給される。
【0078】
ディスプレイ駆動期間DPとタッチ駆動期間TPは、時間的に同じか、または重畳する期間であり得、時間的に分離した期間であり得る。
【0079】
ディスプレイ駆動期間DPとタッチ駆動期間TPが時間的に分離する場合を時間分割駆動(Time Division Driving)動作と言える。
【0080】
一方、ディスプレイ駆動期間DPとタッチ駆動期間TPが時間的に同じである場合、ディスプレイ駆動とタッチ駆動が同時に行われ得、このような駆動方式を時間フリー駆動(Time Free Driving)動作と言える。
【0081】
時間分割駆動動作の場合、ディスプレイ駆動期間DPとタッチ駆動期間TPは、交互に進行し得る。
【0082】
このように、ディスプレイ駆動期間DPとタッチ駆動期間TPが交互に行いながら時間的に分離する場合、タッチ駆動期間TPは、ディスプレイ駆動が行われないブランク期間(Blank)に該当し得る。
【0083】
一方、タッチディスプレイ装置100は、ハイレベルとローレベルにスイングされるタッチ同期信号Tsyncを発生させ、これを通じてディスプレイ駆動期間DPとタッチ駆動期間TPを識別するか、または制御できる。すなわち、タッチ同期信号Tsyncは、タッチ駆動期間TPを定義するタイミング制御信号になり得る。
【0084】
例えば、タッチ同期信号Tsyncのハイレベル区間(またはローレベル区間)は、ディスプレイ駆動期間DPに対応し得、タッチ同期信号Tsyncのローレベル区間(またはハイレベル区間)は、タッチ駆動期間TPに対応し得る。
【0085】
この場合、タッチ駆動回路160は、タッチ同期信号Tsyncがローレベルであるタッチ駆動期間TPにタッチ駆動信号TDSをタッチ電極TEに印加し、タッチ電極TEから受信されるタッチセンシング信号を用いてパッシブスタイラスまたはアクティブスタイラスのタッチの存在およびタッチの位置をセンシングできる。
【0086】
一方、1つのディスプレイフレーム期間(Display Frame)内でディスプレイ駆動期間DPおよびタッチ駆動期間TPを割り当てる方式に関連して、1つのディスプレイフレーム期間(Display Frame)を1つのディスプレイ駆動期間DPと1つのタッチ駆動期間TPに分割し、1つのディスプレイ駆動期間DPの間、ディスプレイ駆動を進行し、ブランク期間(Blank)に該当する1つのタッチ駆動期間TPの間、パッシブスタイラスおよびアクティブスタイラスによるタッチ入力をセンシングするためのタッチ駆動動作を進行し得る。
【0087】
すなわち、タッチディスプレイ装置100は、ディスプレイパネル110の画面変更周期(Refresh Rate)またはフレーム周波数の1周期であるディスプレイフレーム期間(Display Frame)の間、タッチのための駆動動作が1回行われ得る。
【0088】
例えば、フレーム周波数が60Hzである場合には、1/60sの期間内でディスプレイパネル110を構成するN個のゲートラインを介してピクセルをターンオンまたはターンオフするディスプレイ駆動動作を行った後に、一定間隔の間にタッチセンシングのためのタッチ駆動期間TPを進行する。この場合、タッチ感知頻度(Touch Report Rate)は、60Hzになるであろう。
【0089】
他の例として、1つのディスプレイフレーム期間(Display Frame)を2つ以上のディスプレイ駆動期間DPと2つ以上のタッチ駆動期間TPに分割し、1つのディスプレイフレーム期間(Display Frame)内に2つ以上のディスプレイ駆動期間DPの間にディスプレイ駆動動作を進行し、2つ以上のタッチ駆動期間TPの間、画面の全領域または一部の領域でパッシブスタイラスとアクティブスタイラスによるタッチ入力を1回または2回以上センシングするためのタッチ駆動動作を進行し得る。
【0090】
このように、1つのディスプレイフレーム期間(Display Frame)を2つ以上のディスプレイ駆動期間DPと2つ以上のタッチ駆動期間TPに分割してディスプレイ駆動動作およびタッチ駆動動作を進行する場合に、1つのディスプレイフレーム期間(Display Frame)内で2つ以上のタッチ駆動期間TPに該当する2つ以上のブランク期間(Blank)のそれぞれをLHB(Long Horizontal Blank)と言う。
【0091】
したがって、ディスプレイフレーム期間(Display Frame)内でスタイラスまたは指についてのタッチセンシングが行われる2つ以上の期間をLHBまたはタッチ駆動期間TPと言え、1つのディスプレイフレーム期間(Display Frame)内に2つ以上のLHBの間に行われるタッチ駆動動作を「LHB駆動動作」と言える。
【0092】
図4は、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、タッチ電極領域の一部を示した図面である。
【0093】
図4を参照すると、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置100は、基板上に形成される複数の薄膜トランジスタTFTと、複数の薄膜トランジスタTFTのドレインノードまたはソースノードに接続される複数の画素電極P11-P44と複数の画素電極P11-P44に重畳するように形成されて電界を形成するタッチ電極TEと、を含み得る。
【0094】
薄膜トランジスタTFTのゲートノードは、ゲートラインに接続されてスキャン信号に応じてオンオフが制御され、ソースノードまたはドレインノードは、データ電圧が供給されるデータラインDLに接続される。
【0095】
このとき、指のようなパッシブスタイラスまたはアクティブスタイラスがディスプレイパネル110にタッチされる場合、タッチディスプレイ装置100は、スタイラスの接触位置に近接したタッチ電極TEのキャパシタンス変化を認識してタッチの位置を感知できる。すなわち、タッチディスプレイ装置100は、ディスプレイパネル110に形成されたタッチ電極TEにタッチ駆動信号TDSを印加した後、タッチ電極TEから受信されるタッチセンシング信号を検出し、タッチ電極TEのそれぞれのキャパシタンスの変化を検出することによって、タッチの位置を感知できる。
【0096】
このとき、タッチディスプレイ装置100のタッチ電極TEには、共通電圧Vcomまたはタッチ駆動信号TDSが印加されるが、これによって、タッチ電極TEとカップリング(Coupling)された寄生キャパシタンスが発生し得る。
【0097】
例えば、ゲートラインを介してディスプレイパネル110に印加されるスキャン信号によって、ゲートラインとタッチ電極TEとの間に寄生キャパシタンスが発生し得る。このような寄生キャパシタンスによってタッチ電極TEに負荷が増加してタッチ電極TEに供給される共通電圧に歪みが発生し、ディスプレイパネル110に不良線が現れることがある。
【0098】
図5は、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、スキャン信号の重畳によって共通電圧に歪みが発生する現象を概念的に示した図面である。
【0099】
図5を参照すると、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置100において、ゲート駆動回路120は、ゲートラインGLを介してディスプレイパネル110に供給されるスキャン信号SCANを1水平期間1Hの間隔で順次に供給し得る。
【0100】
このとき、ゲート駆動回路120からディスプレイパネル110に供給されるスキャン信号SCANは、一定の区間の間にハイレベルを維持できる。ここでは、5水平期間5Hのハイレベル区間を有する場合を例示として示している。
【0101】
このように、ゲートラインGLを介してディスプレイパネル110に供給されるスキャン信号SCANが一定のハイレベル区間を有しながら1水平期間1Hの間隔で供給される場合に、隣接するスキャン信号SCANの間には、重畳する区間が発生することになる。
【0102】
このようなスキャン信号SCANの重畳区間によって薄膜トランジスタTFTのゲートノードと共通電圧Vcomが印加されるタッチ電極TEとの間には、寄生キャパシタンスCgcが蓄積され、タッチ電極TEについての負荷が増加されて共通電圧Vcomの歪みを発生させ得る。
【0103】
特に、多数のタッチ電極TEが配置されるタッチディスプレイ装置100では、タッチ感度に及ぼす影響によってタッチ電極TEに印加される共通電圧Vcomの歪みを検出できるフィードバックラインを形成するのに困難があった。
【0104】
これによって、本発明は、タッチ電極TEに及ぼす影響を最小化しながら、共通電圧Vcomの歪みを検出できる共通電圧フィードバックラインが配置されたタッチディスプレイ装置100を提供できるようにする。
【0105】
図6は、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、タッチラインと接続されるように共通電圧フィードバックラインが配置された構造を例示した図面である。
【0106】
図6を参照すると、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置100において、ディスプレイパネル110は、内部にブロックまたはポイントの形で構成された共通電極CEをタッチ電極TEとして用い得る。
【0107】
ディスプレイパネル110において、表示領域AAに形成された複数のサブピクセルSPに該当する共通電極CEが1つのタッチ電極TEを成すようになる。
【0108】
多数のタッチ電極TEは、ディスプレイパネル110の表示領域AAに横列に配置され得る。各タッチ電極TEには、タッチ駆動期間TPにタッチ駆動信号TDSを供給し、タッチセンシング信号を受信するためのタッチラインTLが接続され得る。ここでは、2×2の4つのタッチ電極TE1~TE4がマトリックスの形に配列された場合を例示として示している。
【0109】
このとき、タッチ駆動回路160は、タッチラインTLを介してディスプレイ駆動期間DPの間サブピクセルSPに共通電圧Vcomを供給し、タッチ駆動期間TPの間にタッチ駆動信号TDSを供給する。
【0110】
このとき、ディスプレイ駆動期間DPの間にタッチラインTLを介して印加される共通電圧Vcomは、ゲートラインGL1、GL2を介して供給されるスキャン信号SCANの重畳によって形成されるゲートラインGL1、GL2とタッチ電極TE1~TE4との間の寄生キャパシタンスCgc1~Cgc4によって歪みが発生し得る。
【0111】
本発明のタッチディスプレイ装置100は、共通電圧Vcomの歪みを検出するために、表示領域AAを基準にタッチ駆動回路160の反対側に位置する非表示領域に沿ってタッチラインTLから延長される共通電圧フィードバックラインFLを含み得る。
【0112】
具体的に、タッチ駆動回路160の反対側に位置する非表示領域に沿って延長される共通電圧フィードバックラインFLは、複数のタッチ電極TE1~TE4と接触する複数のタッチラインTL1~TL4と電気的に接続され得る。
【0113】
このために、共通電圧フィードバックラインFLは、複数のタッチラインTL1~TL4がタッチ電極TE1~TE4から延長される方向と直交する方向に配置され得る。したがって、ゲートラインGL1、GL2がタッチラインTL1~TL4と直交する場合、共通電圧フィードバックラインFLは、非表示領域でゲートラインGL1、GL2と並び合うように配置され、タッチラインTL1~TL4と電気的に接続され得る。
【0114】
このとき、共通電圧フィードバックラインFLは、非表示領域に沿って延長され、共通電圧補償回路に接続され得る。共通電圧補償回路は、共通電圧フィードバックラインFLを介して共通電圧Vcomの歪み波形を検出し、これを相殺させることができる補償共通電圧を生成してタッチラインTLを介して補償共通電圧が供給されるようにする。
【0115】
共通電圧補償回路は、タッチ駆動回路160の内部に位置し得、タッチ駆動回路160の外部に位置し得る。
【0116】
一方、タッチラインTLと非表示領域に延長される共通電圧フィードバックラインFLとの間には、共通電圧フィードバックラインFLによってタッチ電極TEに及ぼす影響を最小化できるようにそれぞれノイズ遮断回路170が含まれ得る。
図6に示すように、各タッチラインTLは、ノイズ遮断回路170を介して共通電圧フィードバックラインFLに接続される。したがって、複数のノイズ遮断回路170は、タッチディスプレイ装置100に位置する。
【0117】
それぞれのノイズ遮断回路170は、タッチラインTLと共通電圧フィードバックラインFLとの間に並列に接続された抵抗RとキャパシターCからなり得る。
【0118】
このとき、ノイズ遮断回路170を構成する抵抗RとキャパシターCは、共通電圧フィードバックラインFLによる影響がタッチ電極TEに伝達されることを遮断できるように高い抵抗値と高いキャパシタンスを有することが好ましい。
【0119】
これによって、ゲートラインGL1、GL2を介して供給されるスキャン信号SCANによってゲートラインGL1、GL2とタッチ電極TE1~TE4との間に形成される寄生キャパシタンスCgc1~Cgc4による共通電圧Vcomの歪みが発生する場合、共通電圧補償回路は、共通電圧フィードバックラインFLを介して共通電圧Vcomの歪みを検出し、歪んだ共通電圧Vcomを補償できる補償共通電圧を供給することによって、共通電圧Vcomの歪みによる映像のエラーを防止できる。
【0120】
図7は、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、共通電圧の歪みを補償するために補償共通電圧を生成する共通電圧補償回路を例示した図面である。
【0121】
図7を参照すると、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置100において、共通電圧補償回路162は、タッチ電極TEから延長される共通電圧フィードバックラインFLを介してフィードバックされた共通電圧Vcomが第1抵抗R1を介して反転入力端子-に入力され、基準電圧Vrefが非反転入力端子+に供給される演算増幅器OPを含み得る。共通電圧補償回路162は、共通電圧Vcomと基準電圧Vrefを比較することによって、共通電圧フィードバックラインFLを介してフィードバックされた共通電圧Vcomの歪みを検出する。共通電圧Vcomと基準電圧Vrefの比較値は、共通電圧Vcomの歪みを示す信号間の偏差を示す。
【0122】
このとき、非反転入力端子+に供給される基準電圧Vrefは、タッチラインTLを介して印加される共通電圧Vcomと同じ信号であり得、異なる信号であり得る。
【0123】
演算増幅器OPの反転入力端子-と出力端子との間には、第2抵抗R2が接続されるため、第1抵抗R1および第2抵抗R2の割合に応じて演算増幅器OPは、フィードバックされた共通電圧Vcomを反転増幅することによって、補償が行われた補償共通電圧Vcom_compを出力する。
【0124】
したがって、共通電圧補償回路162が反転増幅された補償共通電圧Vcom_compをタッチラインTLを介してタッチ電極TEに供給することによって、補償共通電圧Vcom_compによって共通電圧Vcomの歪んだ成分が補償され得る。共通電圧補償回路162による共通電圧Vcomの補償動作は、毎フレームごとに行われ得る。
【0125】
一方、本発明のタッチディスプレイ装置100は、ゲートラインGLとタッチ電極TEとの間に形成される寄生キャパシタンスCgcによる共通電圧Vcomの歪みを検出するために、ゲートラインGLとキャパシタンスを形成するように、ゲートラインGLの延長線上に共通電圧フィードバックラインFLを配置し得る。
【0126】
図8は、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、ゲートラインとキャパシタンスを形成するように、共通電圧フィードバックラインが配置された構造を例示した図面である。
【0127】
図8を参照すると、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置100において、ディスプレイパネル110は、内部にブロックまたはポイントの形で構成された共通電極CEをタッチ電極TEとして用い得る。
【0128】
多数のタッチ電極TEは、ディスプレイパネル110の表示領域AAに横列に配置され得る。各タッチ電極TEには、タッチ駆動期間TPにタッチ駆動信号TDSを供給し、タッチセンシング信号を受信するためのタッチラインTLが接続され得る。ここでは、2×2の4つのタッチ電極TE1~TE4がマトリックスの形に配列された場合を例示として示している。
【0129】
このとき、タッチ駆動回路160は、タッチラインTLを介してディスプレイ駆動期間DPの間サブピクセルSPに共通電圧Vcomを供給し、タッチ駆動期間TPの間にタッチ駆動信号TDSを供給する。
【0130】
前述したように、ディスプレイ駆動期間DPの間にゲートラインGL1、GL2を介して供給されるスキャン信号SCANの重畳によって形成されるゲートラインGL1、GL2とタッチ電極TE1~TE4との間の寄生キャパシタンスCgc1~Cgc4によってタッチラインTLを介して印加される共通電圧Vcomが歪むことがある。
【0131】
このような共通電圧Vcomの歪みを検出するために、本発明のタッチディスプレイ装置100は、ゲートラインGL1、GL2が延長される非表示領域でゲートラインGL1、GL2と交差する方向に配置される共通電圧フィードバックラインFLを含み得る。
【0132】
このとき、共通電圧フィードバックラインFLが配置される非表示領域は、表示領域AAを基準にゲート駆動回路120の反対側の領域であり得、共通電圧フィードバックラインFLは、ゲートラインGL1、GL2と交差する方向に延長され得る。
【0133】
ゲートラインGL1、GL2がタッチラインTL1~TL4と直交する場合、共通電圧フィードバックラインFLは、非表示領域でタッチラインTL1~TL4と並び合うように配置され得る。
【0134】
このように、ゲート駆動回路120の反対側に位置する非表示領域にゲートラインGL1、GL2と交差する方向に共通電圧フィードバックラインFLが配置される場合、共通電圧フィードバックラインFLは、ゲートラインGL1、GL2との交差領域にそれぞれフィードバックキャパシタンスCfb1、Cfb2を形成し得る。
【0135】
したがって、ゲートラインGL1、GL2を介して印加されるスキャン信号によってゲートラインGL1、GL2とタッチ電極TE1~TE4との間に寄生キャパシタンスCgc1~Cgc4が形成される場合、これらの寄生キャパシタンスCgc1~Cgc4に対応するフィードバックキャパシタンスCfb1、Cfb2が共通電圧フィードバックラインFLに形成される。
【0136】
したがって、共通電圧フィードバックラインFLに形成されたフィードバックキャパシタンスCfb1、Cfb2を通じてゲートラインGL1、GL2とタッチ電極TE1~TE4との間に寄生キャパシタンスCgc1~Cgc4を計算できるため、フィードバックキャパシタンスCfb1、Cfb2を検出し、これに基づいて共通電圧Vcomの歪み波形を相殺させることができる補償共通電圧Vcom_compを生成し得る。
【0137】
このために、共通電圧フィードバックラインFLは、非表示領域に沿って延長されて共通電圧補償回路162に接続され得る。共通電圧補償回路162は、共通電圧フィードバックラインFLを介して検出された共通電圧Vcomの歪み波形を相殺させることができる補償共通電圧Vcom_compを生成し、タッチラインTLを介して補償共通電圧Vcom_compが供給されるようにする。
【0138】
共通電圧補償回路162は、タッチ駆動回路160の内部に位置し得、タッチ駆動回路160の外部に位置し得る。
【0139】
このように、ゲートラインGL1、GL2を介して供給されるスキャン信号SCANによって、ゲートラインGL1、GL2とタッチ電極TE1~TE4との間に形成される寄生キャパシタンスCgc1~Cgc4によって共通電圧Vcomの歪みが発生する場合、共通電圧補償回路162は、共通電圧フィードバックラインFLを介して共通電圧Vcomの歪みを検出し、歪んだ共通電圧Vcomを補償できる補償共通電圧Vcom_compを供給することによって、共通電圧Vcomの歪みによる映像のエラーを防止できる。
【0140】
一方、ゲートラインGLと共通電圧Vcomが印加されるタッチ電極TEとの間に形成される寄生キャパシタンスCgcによる共通電圧Vcomの歪みは、タッチ信号が供給されるタッチ電極TEの形状に応じて異なり得る。
【0141】
ディスプレイパネル110に配置されるタッチ電極TEの大きさは、1つのサブピクセルSPの領域の大きさに対応することもあり、2つ以上のサブピクセルSPの領域の大きさに対応することもある。また、各タッチ電極TEは、開口部がない板(Plate)タイプであるか、または1つ以上の開口部があるメッシュ(Mesh)タイプであり得る。
【0142】
もし、1つのタッチ電極TEがメッシュタイプであり、2つ以上のサブピクセルSPの領域の大きさに対応する大きさを有する場合、1つのタッチ電極TEは、2つ以上の開口部を有し、2つ以上の開口部のそれぞれの位置および大きさは、サブピクセルSPの発光領域の位置および大きさに対応し得る。
【0143】
このとき、ディスプレイパネル110は、多数のタッチ電極TEのそれぞれが互いに分離したスプリットタイプ(Split Type)であるか、または隣接する行(または列)に互いに異なる大きさのタッチ電極TEが配置される製織タイプ(Woven Type)であり得る。
【0144】
本発明のタッチディスプレイ装置100は、タッチ電極TEの構造に応じて共通電圧Vcomの歪みを検出するための共通電圧フィードバックラインFLの形状を異にし得る。
【0145】
先に例示したタッチ電極TEの構造は、スプリットタイプのタッチ電極TEに該当するため、以下では、製織タイプのタッチ電極の構造を追加で説明する。
【0146】
図9は、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、製織タイプのタッチ電極が配置されたディスプレイパネルを例示した図面である。
【0147】
図9を参照すると、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置100において、製織タイプのディスプレイパネル110は、4つの長形タッチ電極TE1_L~TE4_Lと同じラインで接続された4つの短形タッチ電極TE1_S~TE4_Sで構成された複数のタッチ電極グループTEGで構成され得る。
【0148】
言い換えれば、行方向に長さが長い長形タッチ電極TE1_L、TE2_L、TE3_L、TE4_Lは、4つの短形タッチ電極TE(1)1_S、TE(1)2_S、TE(1)3_S、TE(1)4_Sの長さに対応し得る。この場合に、列方向の4つの短形タッチ電極(例えば、TE(1)1_S、TE(2)1_S、TE(3)1_S、TE(4)1_S)が1つの短形タッチライン(例えば、TL1_S)に接続され得る。したがって、列方向に配列された4つの短形タッチ電極が1つの同じラインで接続された1つの短形タッチ電極ブロックを構成し得る。また、4つの長形タッチ電極とこれに対応する同じラインで接続された4つの短形タッチ電極ブロックが1つのタッチ電極グループTEGを形成し得る。
【0149】
製織タイプの4×4タッチ電極構造の場合、互いに隣接する2つの行のうち、短形タッチ電極が配置される行におけるタッチ電極の数は、長形タッチ電極が配置される行におけるタッチ電極の数の1/4に該当する。これによって、長形タッチ電極TE1_L、TE2_L、TE3_L、TE4_Lの長さは、短形タッチ電極TE1_S~TE4_Sの長さよりも約4倍程度となる。
【0150】
この場合、製織タイプの4×4タッチ電極の構造は、4つの長形タッチ電極TE1_L、TE2_L、TE3_L、TE4_Lと16個の短形タッチ電極TE(1)1_S、TE(1)2_S、TE(1)3_S、TE(1)4_S~TE(4)1_S、TE(4)2_S、TE(4)3_S、TE(4)4_Sからなるが、列方向の4つの短形タッチ電極(例えば、TE(1)1_S、TE(2)1_S、TE(3)1_S、TE(4)1_S)が1つの短形タッチライン(例えば、TL1_S)に接続される。
【0151】
したがって、短形タッチライン(例えば、TL1_S)に接続される4つの短形タッチ電極(例えば、TE(1)1_S、TE(2)1_S、TE(3)1_S、TE(4)1_S)が同じラインで接続された1つの短形タッチ電極ブロックを形成することになるため、16個の短形タッチ電極TE(1)1_S、TE(1)2_S、TE(1)3_S、TE(1)4_S~TE(4)1_S、TE(4)2_S、TE(4)3_S、TE(4)4_Sは、同じラインで接続された4つの短形タッチ電極ブロックを構成することになる。
【0152】
その結果、4つの長形タッチ電極TE1_L、TE2_L、TE3_L、TE4_Lにそれぞれ1つの長形タッチラインTL1_L、TL2_L、TL3_L、TL4_Lが接続され、同じラインで接続された4つの短形タッチ電極ブロックには、短形タッチラインTL1_S、TL2_S、TL3_S、TL4_Sが1つずつ接続される。したがって、製織タイプの4×4タッチ電極構造の場合、8つのタッチラインTL1_L、TL2_L、TL3_L、TL4_L、TL1_S、TL2_S、TL3_S、TL4_Sと8つのタッチチャンネルが必要になる。
【0153】
したがって、スプリットタイプのタッチ電極の構造と比較すると、製織タイプのタッチ電極の構造は、タッチラインおよびタッチチャンネルの数を減らすことができる効果がある。
【0154】
一方、タッチ電極グループTEGの大きさは、様々に変更され得るが、タッチ電極TEをディスプレイパネル110に効率的に配置し、マルチタッチについての検出の正確度を高めるために、マルチタッチを検出するための指またはスタイラスの間の距離を考慮してタッチ電極グループTEGの大きさが決定され得る。
【0155】
一方、このような製織タイプのタッチ電極グループTEGは、ディスプレイパネル110内に横方向および縦方向に多数配置され得る。このとき、各タッチ電極グループTEGは、ディスプレイパネル110で映像がディスプレイされる表示領域では、電気的に分離するが、映像が表示されない非表示領域でタッチラインTLを介してタッチ駆動回路160に接続され得る。
【0156】
このように、隣接する行(または列)に互いに異なる大きさのタッチ電極TEが配置される製織タイプの場合、長形タッチ電極TE_Lに沿って延長されるゲートラインGLにおける共通電圧Vcomの歪みと短形タッチ電極TE_Sに沿って延長されるゲートラインGLにおける共通電圧Vcomの歪みは、異なり得る。
【0157】
したがって、隣接する行(または列)に互いに異なる大きさのタッチ電極TEが配置される製織タイプの場合、ゲートラインGLと重畳するタッチ電極TEの構造を反映し、歪んだ共通電圧Vcomを検出するための共通電圧フィードバックラインFLの構造を異にし得る。
【0158】
図10は、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置において、ゲートラインと重畳するタッチ電極の構造を反映して形成された共通電圧フィードバックラインの構造を例示的に示した図面である。
【0159】
図10を参照すると、本発明の実施例によるタッチディスプレイ装置100において、ディスプレイパネル110のタッチ電極TEは、隣接する行(または列)に互いに異なる大きさのタッチ電極TEが配置される製織タイプとして行われ得る。
【0160】
例えば、行方向に長さが長い長形タッチ電極TE1_L、TE2_L、TE3_Lは、それぞれ4つの短形タッチ電極TE(1)1_S、TE(1)2_S、TE(1)3_S、TE(1)4_Sの長さに対応し得る。
【0161】
この場合、1つの行に配置される短形タッチ電極(例えば、TE(1)1_S、TE(1)2_S、TE(1)3_S、TE(1)4_S)の数は、隣接する長形タッチ電極(例えば、TE1_L)の数の1/4に該当する。これによって、1つの長形タッチ電極(TE1_L)の長さL2は、隣接する短形タッチ電極TE(1)1_S~TE(1)4_Sの長さL1よりも約4倍程度となる。
【0162】
例えば、第1長形タッチ電極TE1_Lと重畳する領域に配置されるゲートラインGL1および第1長形タッチ電極TE1_Lの間に形成される寄生キャパシタンスCgcは、隣接する第1短形タッチ電極TE(1)1_Sと重畳する領域に配置されるゲートラインGL2および第1短形タッチ電極TE(1)1_Sの間に形成される寄生キャパシタンスCgcよりも約4倍の大きさを有することになる。
【0163】
このとき、共通電圧Vcomの検出のために形成される共通電圧フィードバックラインFLと第1ゲートラインGL1が重畳する幅W2が共通電圧フィードバックラインFLと第2ゲートラインGL2が重畳する幅W1よりも約4倍になるように、共通電圧フィードバックラインFLの構造を形成し得る。
【0164】
すなわち、1つのタッチ電極グループTEGを基準に、隣接する長形タッチ電極(例えば、TE1_L)および短形タッチ電極(例えば、TE(1)1_S)の長さの割合(例えば、1:4)によって、非表示領域でゲートラインGLと重畳する共通電圧フィードバックラインFLの幅の割合が変更され得る。
【0165】
言い換えれば、ゲートラインGLとタッチ電極TEが重畳する長さ(L1またはL2)に比例するように、ゲートラインGLと重畳する幅(W1またはW2)を有する共通電圧フィードバックラインFLを形成し得る。
【0166】
例えば、第1ゲートラインGL1が長形タッチ電極TE1_Lに重畳する長さL2および第2ゲートラインGL2が短形タッチ電極TE(1)1_S~TE(1)4_Sに重畳する長さL1の割合(L1/L2)は、共通電圧フィードバックラインFLが第1ゲートラインGL1に重畳する幅W2および共通電圧フィードバックラインFLが第2ゲートラインGL2に重畳する幅W1の割合(W1/W2)と同一に形成され得る。
【0167】
ただし、ゲートラインGLがタッチ電極TEと重畳する長さの割合(L1/L2)とゲートラインGLが共通電圧フィードバックラインFLに重畳する幅の割合(W1/W2)は、設計構造で同じであっても製造工程における誤差またはオフセットによって一定の割合の誤差の範囲内で差が発生し得る。
【0168】
一方、長形タッチ電極TE1_L~TE4_Lまたは短形タッチ電極TE(1)1_S~TE(3)4_Sと重畳するゲートラインGLは、1つであることもあるが、複数個であることもある。したがって、共通電圧フィードバックラインFLの幅(例えば、W1、W2)は、該当するゲートラインGLと全て重畳しながら、ゲートラインGLが重畳する長形タッチ電極TE1_L~TE4_Lまたは短形タッチ電極TE(1)1_S~TE(3)4_Sの厚さに対応する値を有し得る。
【0169】
このように、本発明のタッチディスプレイ装置100は、ゲートラインGLが重畳するタッチ電極TEの長さによって、ゲートラインGLと重畳する共通電圧フィードバックラインFLの幅を異にすることによって、ゲートラインGLとタッチ電極TEとの間に形成される寄生キャパシタンスCgcに比例するフィードバックキャパシタンスを検出できる。
【0170】
ここでは、便宜上、行方向の長形タッチ電極TE1_L~TE3_Lおよび短形タッチ電極TE(1)1_S~TE(3)4_Sにそれぞれ1つのゲートラインGL1~GL6が配置される場合を例に挙げて示したが、1つの長形タッチ電極TE1_L~TE3_Lおよび短形タッチ電極TE(1)1_S~TE(3)4_Sに複数のゲートラインGLが配置され得る。
【0171】
このとき、ゲートラインGLとタッチ電極TEが重畳する長さ(L1またはL2)に比例するように、ゲートラインGLと重畳する幅(W1またはW2)を有する共通電圧フィードバックラインFLは、ゲートラインGLが延長される非表示領域でゲートラインGLと交差する方向に配置され得る。
【0172】
ゲートラインGLがタッチラインTLと直交する場合、共通電圧フィードバックラインFLは、非表示領域でタッチラインTLと並び合うように配置され得る。
【0173】
ここで、共通電圧フィードバックラインFLが配置される非表示領域は、表示領域AAを基準にゲート駆動回路120の反対側の領域であり得る。
【0174】
したがって、共通電圧フィードバックラインFLに形成されたフィードバックキャパシタンスCfbを介してゲートラインGLとタッチ電極TEとの間に寄生キャパシタンスCgcを検出することによって、これに基づいて共通電圧Vcomの歪み波形を相殺させることができる補償共通電圧Vcom_compを生成し得る。
【0175】
このために、共通電圧フィードバックラインFLは、非表示領域に沿って延長され、共通電圧補償回路162に接続され得る。共通電圧補償回路162は、共通電圧フィードバックラインFLを介して検出された共通電圧Vcomの歪み波形によってこれを相殺させることができる補償共通電圧Vcom_compを生成し、タッチラインTLを介して補償共通電圧Vcom_compが供給されるようにする。
【0176】
共通電圧補償回路162は、タッチ駆動回路160の内部に位置し得、タッチ駆動回路160の外部に位置し得る。
【0177】
前述したように、本発明のタッチディスプレイ装置100は、ゲートラインGLを介して供給されるスキャン信号SCANによってゲートラインGLとタッチ電極TEとの間に形成された寄生キャパシタンスCgcによって共通電圧Vcomの歪みが発生する場合、タッチラインTLに電気的に接続されたり、ゲートラインGLに重畳する領域に形成された共通電圧フィードバックラインFLを介してこれを検出し、歪んだ共通電圧Vcomを補償できる補償共通電圧Vcom_compを供給することによって、共通電圧Vcomの歪みによる映像のエラーを防止できる。
【0178】
以上の説明および添付した図は、本発明の技術的思想を例示的に説明したことに過ぎないものであって、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で様々な修正および変形が可能である。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであって、このような実施例により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護の範囲は、特許請求の範囲により解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術的思想は、本発明の権利の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0179】
100:タッチディスプレイ装置
110:ディスプレイパネル
120:ゲート駆動回路
130:データ駆動回路
140:タイミングコントローラ
150:マイクロコントロールユニット
160:タッチ駆動回路
162:共通電圧補償回路
170:ノイズ遮断回路