(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】微多孔性モレキュラーシーブ触媒のか焼
(51)【国際特許分類】
B01J 29/44 20060101AFI20230705BHJP
B01J 29/46 20060101ALI20230705BHJP
B01J 37/02 20060101ALI20230705BHJP
B01J 37/08 20060101ALI20230705BHJP
C01B 39/38 20060101ALI20230705BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20230705BHJP
C07C 5/32 20060101ALN20230705BHJP
C07C 5/333 20060101ALN20230705BHJP
C07C 13/10 20060101ALN20230705BHJP
C07C 13/12 20060101ALN20230705BHJP
C07C 13/15 20060101ALN20230705BHJP
【FI】
B01J29/44 Z
B01J29/46 Z
B01J37/02 101D
B01J37/08
C01B39/38
C07B61/00 300
C07C5/32
C07C5/333
C07C13/10
C07C13/12
C07C13/15
(21)【出願番号】P 2021548511
(86)(22)【出願日】2019-10-10
(86)【国際出願番号】 US2019055538
(87)【国際公開番号】W WO2020091968
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-04-28
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509004675
【氏名又は名称】エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】イアチーノ ラリー エル
(72)【発明者】
【氏名】ベダード ジェレミー ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】バオ シャオイン
(72)【発明者】
【氏名】パレルモ アンドリュー ピー
(72)【発明者】
【氏名】ミッタル ニティッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ミリナ マリア
(72)【発明者】
【氏名】レヴィン ドロン
(72)【発明者】
【氏名】ガンサー ウィリアム アール
(72)【発明者】
【氏名】ライ ウェンイ エフ
(72)【発明者】
【氏名】ビューテル ティルマン ダブリュ
【審査官】佐藤 慶明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/078891(WO,A1)
【文献】特開平11-193252(JP,A)
【文献】特開平03-206060(JP,A)
【文献】特開昭61-157352(JP,A)
【文献】特開平05-317722(JP,A)
【文献】特開2012-110892(JP,A)
【文献】特開2009-256163(JP,A)
【文献】特開昭51-143625(JP,A)
【文献】特表2022-513397(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0121249(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
C01B 33/20 - 39/54
C07B 61/00
C07C 5/32
C07C 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)12以下の拘束係数を有する微多孔性結晶質メタロシリケート、(ii)結合剤、(iii)1族アルカリ金属もしくはそれらの化合物及び/又は2族アルカリ土類金属もしくはそれらの化合物、及び(iv)10族金属もしくはそれらの化合物を含み、(v)11族金属もしくはそれらの化合物を含んでもよい非環式アルカンの環式アルカンへの変換用触媒の製造方法であって、
前記10族金属又はそれらの化合物及び前記任意選択の11族金属又はそれらの化合物の添加の前に、成分(i)~(iii)を含む混合物をか焼する第1のか焼ステップと、前記10族金属又はそれらの化合物及び前記任意選択の11族金属又はそれらの化合物の添加の後に、か焼する第2のか焼ステップとを含み、
前記第1のか焼ステップは、500℃を超える第1の温度に加熱することを含み、前記第2のか焼ステップは、400℃を超える第2の温度に加熱することを含み、
第1のか焼ステップ後に得られたか焼物が、400℃での排気後に測定された2100cm
-1~1740cm
-1のシリカバンドの積分IRバンド面積により除算された150℃でのピリジンの吸着及び排気後に測定された1445cm
-1の積分IRバンド面積の0.06より大きいIRバンド強度比を示す、方法。
【請求項2】
前記触媒は、回転か焼炉又は固定床か焼炉中、空気雰囲下で、第1又は第2のか焼ステップによりか焼され、前記第1の温度が525℃を超え、前記第2の温度が450℃を超える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のか焼ステップが、非環式C5の環式C5化合物への転化が実施される工程装置を用いて少なくとも部分的に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記微多孔性結晶質メタロシリケートが、MWW、MFI、LTL、MOR、BEA、TON、MTW、MTT、FER、MRE、MFS、MEL、DDR、EUO、及びFAUからなる群より選択されるメタロシリケートフレームワーク型を含む、又は
前記微多孔性結晶質メタロシリケートが、ゼオライトベータ、モルデナイト、フォージャサイト、ゼオライトL、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-30、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35、ZSM-48、ZSM-50、ZSM-57、ZSM-58、MCM-22ファミリー材料、及びこれらの混合物からなる群より選択されるアルミノケイ酸塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記結合剤が、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルカリ金属珪酸塩、13族金属珪酸塩、炭化物、窒化物、アルミニウムリン酸塩、アルミニウムモリブデン酸塩、アルミン酸塩、表面不動態化アルミナ、又はこれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1族アルカリ金属の前記アルミノケイ酸塩のアルミニウムに対するモル比は少なくとも1であり、及び/又は前記2族アルカリ土類金属の前記アルミノケイ酸塩のアルミニウムに対するモル比は少なくとも1であり、前記1族アルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、及びこれらの2種以上の混合物からなる群より選択され、及び/又は前記2族アルカリ土類金属が、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記10族金属は白金であり、前記白金が、硝酸白金、塩化白金酸、塩化第一白金、白金アミン化合物、テトラアミン白金水酸化物、及びこれらの混合物からなる群より選択される化合物由来である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(i)12以下の拘束係数を有する微多孔性結晶質メタロシリケート、(ii)結合剤、(iii)1族アルカリ金属もしくはそれらの化合物及び/又は2族アルカリ土類金属もしくはそれらの化合物、(iv)10族金属もしくはそれらの化合物、及び(v)11族金属もしくはそれらの化合物を含む、非環式アルカンの環式アルカンへの変換用触媒の製造方法であって、
前記10族金属又はそれらの化合物及び前記11族金属又はそれらの化合物の添加の前に、成分(i)~(iii)を含む混合物をか焼する第1のか焼ステップと、前記10族金属又はそれらの化合物及び前記11族金属又はそれらの化合物の添加の後に、か焼する第2のか焼ステップとを含み、
前記第1のか焼ステップは、500℃を超える第1の温度に加熱することを含み、前記第2のか焼ステップは、
空気雰囲気下、400℃を超える第2の温度に加熱することを含み、
前記11族金属は銅及び/又は銀を含み、前記銅が、硝酸銅、亜硝酸銅、酢酸銅、水酸化銅、アセチルアセトン銅、炭酸銅、乳酸銅、硫酸銅、リン酸銅、塩化銅、又はこれらの混合物由来であり、前記銀が、硝酸銀、亜硝酸銀、酢酸銀、水酸化銀、アセチルアセトン銀、炭酸銀、乳酸銀、硫酸銀、リン酸銀、又はこれらの混合物由来である、方法。
【請求項9】
非環式アルカンの環式アルカンへの変換用触媒の製造方法であって、
(i)12、又は10、又は8、又は6以下の拘束係数を有する微多孔性結晶質メタロシリケート、(ii)結合剤、(iii)1族アルカリ金属もしくはそれらの化合物及び/又は2族アルカリ土類金属もしくはそれらの化合物、及び(iv)10族金属もしくはそれらの化合物を用意することであって、(v)11族金属もしくはそれらの化合物を用意してもよく;
前記10族金属又はそれらの化合物及び前記任意選択の11族金属又はそれらの化合物の添加の前に、第1のか焼ステップで成分(i)~(iii)を含む混合物をか焼すること;
前記10族金属又はそれらの化合物を添加して第2のか焼ステップでか焼することであって、前記触媒が、前記任意選択の11族金属もしくはそれらの化合物を含む場合は、前記任意選択の11族金属もしくはそれらの化合物の添加の前に第2のか焼ステップでか焼すること;
前記触媒が、前記任意選択の11族金属もしくはそれらの化合物を含む場合は、前記任意選択の11族金属又はそれらの化合物を添加し、その後、第3のか焼ステップでか焼することを含み、
か焼が、前記第1のか焼ステップで500℃を超える温度に加熱することを含み、及び前記第2のか焼ステップで400℃を超える温度に加熱することを含み、及び前記第3のか焼ステップで500℃を超える温度に加熱することを含み、
第1のか焼ステップ後に得られたか焼物が、400℃での排気後に測定された2100cm
-1~1740cm
-1のシリカバンドの積分IRバンド面積により除算された150℃でのピリジンの吸着及び排気後に測定された1445cm
-1の積分IRバンド面積の0.06より大きいIRバンド強度比を示す、方法。
【請求項10】
前記第1のか焼ステップが525℃を超える温度で行われ、前記第2のか焼ステップが425℃を超える温度で行われ、前記第3のか焼ステップが550℃を超える温度で行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
非環式アルカンの環式アルカンへの変換用触媒の製造方法であって、
(i)12、又は10、又は8、又は6以下の拘束係数を有する微多孔性結晶質メタロシリケート、(ii)結合剤、(iii)1族アルカリ金属もしくはそれらの化合物及び/又は2族アルカリ土類金属もしくはそれらの化合物、(iv)10族金属もしくはそれらの化合物、(v)11族金属もしくはそれらの化合物を用意すること;
前記10族金属又はそれらの化合物及び前記11族金属又はそれらの化合物の添加の前に、第1のか焼ステップで成分(i)~(iii)を含む混合物をか焼すること;
前記10族金属又はそれらの化合物を添加して第2のか焼ステップでか焼することであって、前記11族金属もしくはそれらの化合物の添加の前に第2のか焼ステップでか焼すること;
前記11族金属又はそれらの化合物を添加し、その後、第3のか焼ステップでか焼することを含み、
か焼が、前記第1のか焼ステップで500℃を超える温度に加熱することを含み、及び前記第2のか焼ステップで400℃を超える温度に加熱することを含み、及び前記第3のか焼ステップで500℃を超える温度に加熱することを含み、
前記11族金属は銅及び/又は銀を含み、前記銅が、硝酸銅、亜硝酸銅、酢酸銅、水酸化銅、アセチルアセトン銅、炭酸銅、乳酸銅、硫酸銅、リン酸銅、塩化銅、又はこれらの混合物由来であり、前記銀が、硝酸銀、亜硝酸銀、酢酸銀、水酸化銀、アセチルアセトン銀、炭酸銀、乳酸銀、硫酸銀、リン酸銀、又はこれらの混合物由来である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2018年10月30日に出願の米国特許仮出願第62/752,549号に対する優先権を主張する。この特許の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、全体として、微多孔性モレキュラーシーブ及びそれを作製する方法に関し、及び更に具体的には、非環式アルカンの環式アルカンへの変換に有用なゼオライト及びゼオライト触媒配合物に関する。
【背景技術】
【0003】
微多孔性モレキュラーシーブは、三次元的に相互連結したシリカ四面体のネットワークを有する結晶質珪酸塩である。シリカ原子の一部は、アルミニウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、スズ、鉄、銅、銀、及び/又は亜鉛などの他の元素により置き換えられて微多孔性結晶質メタロシリケートを形成し得る。天然の水和水は、加熱によりこのネットワークから除去され、特定の大きさの分子を選択的に吸着する均一の空洞が生成される。微多孔性結晶質メタロシリケートの1つの特定の用途は、非環式アルカン、特にC4-C10アルカン、最も好ましくは、5炭素(C5)炭化水素の環化におけるものである。商業的用途の場合には、微多孔性結晶質メタロシリケート結晶は、商業的反応器中で使用できる触媒中に配合される必要がある。触媒を形成するために、微多孔性結晶質メタロシリケートは通常、不活性結合剤と混合され、いくつかの使用可能な形態にされる。目的の物理的形態には、押出物、ウオッシュコーティングされたチューブ及び一体構造物、及び流動可能粒子が挙げられる。
触媒配合物は、触媒活性、選択性、及び劣化に対して好ましい効果を有するべきであり、少なくとも悪影響は最小限にとどめるべきである。従って、これらの目的を実現し得る配合微多孔性結晶質メタロシリケート触媒を得ることが望ましいであろう。
本出願は、2017年5月3日出願の米国特許出願第62/500,814号に関し、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】流動床反応器及びペンタンなどの化合物を環式オレフィンに変換するための例示的工程及び条件、ならびにその工程で使用した触媒の回復の概略図である。
【発明の概要】
【0005】
12、又は10、又は8、又は6以下の拘束係数を有する微多孔性結晶質メタロシリケート、結合剤、1族アルカリ金属もしくはそれらの化合物及び/又は2族アルカリ土類金属もしくはそれらの化合物、10族金属もしくはそれらの化合物、及び、任意選択で11族金属もしくはそれらの化合物を含む(又はそれらからなる、又はそれらから基本的になる)触媒であり;触媒は、10族金属又はそれらの化合物及び任意選択で11族金属又はそれらの化合物の添加の前に、第1のか焼ステップでか焼され;触媒は、10族金属又はそれらの化合物及び任意選択で11族金属又はそれらの化合物の添加の後に、第2のか焼ステップでか焼され;第1のか焼ステップは、500℃を超える温度に触媒を加熱することを含み、及び第2のか焼ステップは、400℃を超える温度に触媒を加熱することを含むことが記載される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に記載される非常に厳格なか焼(calcination)、又は単に「か焼」(calcining)では、配合触媒の活性を最大化するために、2つの別個のステップが必要になることを発見した。厳格さは、か焼温度及びか焼時間の組み合わせで定義される。理由は、これらが動力学効果を有すると想定されるためである。第1の非常に厳格なか焼ステップは、微多孔性結晶質メタロシリケートが結合剤と混合される触媒の配合後に必要になる。この第1のか焼ステップは、限定されないが、有機構造指向剤の微多孔性結晶質メタロシリケートからの除去、結合剤の固化、及び微多孔性結晶質メタロシリケート中のシラノール欠陥の生成などの複数の目的を達成する。10族金属又はそれらの化合物、及び任意選択で11族金属又はそれらの化合物の添加後、第2の高度に厳格なか焼ステップが必要になる。この第2のか焼ステップは、限定されないが、金属塩の分解及び金属(単数又は複数)の好ましいアンカー部位への移動などの複数の目的を達成する。下記の少なくとも2つの競合効果が存在することを想定すると、最大限の厳格さが望ましい:(1)金属が結合剤から、環化のために金属がより活性になる微多孔性結晶質メタロシリケート結晶の内部に移動可能な配合触媒の結合材部分上に、少なくとも一部の10族金属が、最初に存在し、(2)10族金属が微多孔性結晶質メタロシリケート結晶それ自体内のシラノール欠陥上及び/又は他のアンカー部位に固定され、これらのシラノール部位はより高度の厳格さでアニーリングされ得る。
従って、いずれの実施形態においても、本明細書で記載の本発明は、(i)12、又は10、又は8、又は6以下の拘束係数を有する微多孔性結晶質メタロシリケート、(ii)結合剤、(iii)1族アルカリ金属もしくはそれらの化合物及び/又は2族アルカリ土類金属もしくはそれらの化合物、(iv)10族金属もしくはそれらの化合物、及び、(v)任意選択で11族金属もしくはそれらの化合物を含む(又はそれらからなる、又はそれらから基本的になる)触媒であり;及び触媒は、10族金属又はそれらの化合物及び任意選択の11族金属又はそれらの化合物の添加の前に、第1のか焼ステップでか焼され;触媒は、10族金属又はそれらの化合物及び任意選択の11族金属又はそれらの化合物の添加の後に、第2のか焼ステップでか焼され;第1のか焼ステップは、500℃を超える温度に触媒を加熱することを含み、及び第2のか焼ステップは、任意選択の11族金属が存在しない場合は、400℃を超える温度に触媒を加熱することを含み、任意選択の11族金属が存在する場合は、500℃を超える温度に触媒を加熱することを含む。
【0007】
本明細書で使用される場合、「族」は、Hawley’s Condensed Chemical Dictionary,Thirteenth Edition(1997 John Wiley & Sons,Inc.)におけるような、元素の周期表の族を意味する。
【0008】
本明細書で使用される場合、「拘束係数」は、微多孔性モレキュラーシーブ(例えば、ゼオライト、アルミノケイ酸塩)が異なる大きさの分子の制御されたアクセスをその内部構造に対し与える程度の尺度である。例えば、内部構造への極めて制限されたアクセス及び内部構造からの極めて制限された出口を与えるモレキュラーシーブは、高い拘束係数値を有し、この種のモレキュラーシーブは通常、小さい寸法、例えば、5Å未満の細孔を有する。他方では、内部モレキュラーシーブ構造体に対して比較的自由なアクセスを与えるモレキュラーシーブは、低い拘束係数値を有し、通常大きな細孔を有する。
拘束係数の測定は、大気加圧下で、等重量のn-ヘキサン及び3-メチルペンタン混合物を、約1グラム以下の小さいモレキュラーシーブ触媒試料上を連続的に通過させることにより実施される。ペレット又は押出物の形態の触媒の試料は、荒砂程度の粒径に粉砕されてガラス管に充填される。測定に先だって、触媒は、538℃(1000°F)の空気流で少なくとも15分間処理される。その後、触媒はヘリウムでフラッシングされ、温度が288℃(550°F)~510℃(950°F)に調節されて、10%~60%の全転化率が得られる。炭化水素の混合物を、4:1の総炭化水素モル比になるまでヘリウム希釈して、触媒上を1液空間速度(すなわち、1時間当たり触媒の体積当り1体積の液体炭化水素)で通過させる。通過20分後、最も好都合にはガスクロマトグラフィーにより、流出物試料を採取し、分析して、2種の炭化水素のそれぞれの残存する未変化物比率を測定する。次に、拘束係数が以下の式により計算される:拘束係数=Log10(n-ヘキサン残存比率)/Log10(3-メチルペンタン残存比率)
拘束係数は、2種の炭化水素のクラッキング速度定数の比率を近似する。本発明に好適する触媒は、約1~12の範囲の拘束係数を有するものである。いくつかの典型的な触媒の拘束係数(CI)値は下記である:エリオナイト(38);ZSM-5(8.3);ZSM-11(8.7);ZSM-12(2);ZSM-38(2);ZSM-38(4.5);合成モルデナイト(0.5);REY(0.4);非晶質アルミノケイ酸塩(0.6)。
【0009】
本明細書で使用される場合、モレキュラーシーブ触媒の「アルファ値」は、その触媒の分解活性の尺度である。接触分解活性は通常、ヘキサンのより低い沸点のC1~C5炭化水素への転化質量パーセントにより示され、一方、異性化活性は、ヘキサン異性体への転化質量パーセントにより示される。アルファ値は、共ゲル化により得られた、10%アルミナ、420m2/gの表面積、カチオン不含の、標準的非晶質アルミノケイ酸塩触媒と塩基交換溶液中で比較したときの触媒の接触分解活性の近似指標である。分解活性は、相対的速度定数、単位時間当たりのオキシド組成物の単位体積当たりのn-ヘキサン転化率として得られる。この高活性アルミノケイ酸塩触媒は、1として取得されるアルファ値を有する。試験の実験条件には、触媒を538℃の一定温度に加熱し、種々の流量で、その温度で固体触媒上にヘキサンを通過させて、10~10-3秒の接触時間を得る。試験した粒子は、大きさが、30メッシュより小さい、好ましくは12~28メッシュのサイズが必要である。いくつかの典型的な触媒のアルファ値は下記である:カチオン交換なしのZSM-5(38)、及びH+交換ZSM-5(450);カルシウムイオン交換合成フォージャサイト(1.1)、及びH(NH4)交換合成フォージャサイト(6,400)。
本明細書で「か焼」に言及する場合、この特徴、作用又は工程は、一定期間内に行うことができる、すなわち、「か焼」される触媒又は成分は、特定の温度、又は特定の範囲内の温度、一定のもしくは範囲内の種々の温度に、一定期間曝露される。その時間は、20分、又は30分、又は1時間、又は2時間、又は6時間、又は8時間、又は10時間の範囲内で変化し得る。か焼は、空気雰囲気(大気由来の直接的な、又は別の方法で提供される酸素/窒素)下、又は酸素含量を調節した雰囲気下で、回転か焼炉又は固定床か焼炉中で行われてもよい。
【0010】
上述のいずれの実施形態においても、第1のか焼ステップは、500、525、もしくは550℃を超える温度で、又は500、もしくは525、もしくは550、もしくは575℃から600、もしくは650、もしくは700、もしくは800℃までの範囲内で行われ、及び第2のか焼ステップは、400、もしくは425、もしくは450、もしくは475℃を超える温度で、又は400、もしくは425、もしくは450、もしくは475、もしくは500、もしくは550℃から650、もしくは700、もしくは750、もしくは800、もしくは850、もしくは900、もしくは1000℃までの範囲内の温度で行われる。
【0011】
商業的に利用可能な触媒として使用されるために、微多孔性メタロシリケートは、いくつかの結合剤、好ましくは、加熱による化学反応及び物理的変化に耐え、及び更に微多孔性メタロシリケートのために剛性構造体を提供できる材料と混合される。従って、いずれの実施形態においても、結合剤は、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルカリ金属珪酸塩、13族金属珪酸塩、炭化物、窒化物、アルミニウムリン酸塩、アルミニウムモリブデン酸塩、アルミン酸塩、表面不動態化アルミナ、及びこれらの混合物から選択される。いずれの実施形態においても、触媒は、押出物(円筒形、葉状、非対称葉状、らせん葉状)、スプレー乾燥粒子、油滴粒子、混練粒子、球状粒子、及び/又はウオッシュコーティング基材(この基材は押出物、球状粒子、発泡体、微晶石及び/又は一体構造物であり得る)の内の1種又は複数の形状に成形される。
本明細書で有用な触媒組成物には、結晶質アルミノケイ酸塩、結晶質フェロケイ酸塩、又は他の金属含有結晶質珪酸塩(例えば、金属又は金属含有化合物が結晶質珪酸塩構造体内に分散されているもので、結晶質フレームワークの一部であっても、そうでなくてもよい)などの微多孔性結晶質メタロシリケートが含まれる。本明細書の触媒組成物として有用な微多孔性結晶質メタロシリケートフレームワーク型には、限定されないが、MWW、MFI、LTL、MOR、BEA、TON、MTW、MTT、FER、MRE、MFS、MEL、DDR、EUO、及びFAUが挙げられる。
本明細書に用いるために特に好適な微多孔性メタロシリケートには、MWW、MFI、LTL、MOR、BEA、TON、MTW、MTT、FER、MRE、MFS、MEL、DDR、EUO、及びFAUフレームワーク型のものが挙げられ(例えば、ゼオライトベータ、モルデナイト、フォージャサイト、ゼオライトL、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35、ZSM-48、ZSM-50、ZSM-57、ZSM-58、及びMCM-22ファミリー材料)、これらには、元素周期表の8、11及び13族由来の1種又は複数の金属(好ましくは、Fe、Cu、Ag、Au、B、Al、Ga、及び/又はInの内の1種又は複数)が合成中、又は結晶化後含浸中に結晶構造中に組み込まれる。メタロシリケートは、1種又は複数の金属が存在し、例えば、フェロケイ酸塩と呼ばれる得る材料は、また小量のアルミニウムもおそらく含むであろう。
微多孔性結晶質メタロシリケートは好ましくは、3~12の範囲の拘束係数を有する。
3~12の拘束係数を有する本明細書で有用なアルミノケイ酸塩は、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35、ZSM-48、ZSM-50、ZSM-57、ZSM-58、MCM-22ファミリー材料及びこれらの2種以上の混合物を含み、これらからなる群より選択される。3~12の範囲の拘束係数を有する微多孔性結晶質アルミノケイ酸塩は、ZSM-5であるのが好ましい。ZSM-5は米国特許第3,702,886号に記載されている。ZSM-11は米国特許第3,709,979号に記載されている。ZSM-22は米国特許第5,336,478号に記載されている。ZSM-23は米国特許第4,076,842号に記載されている。ZSM-35は米国特許第4,016,245号に記載されている。ZSM-48は米国特許第4,375,573号に記載されている。ZSM-50は米国特許第4,640,829号、及びZSM-57は、米国特許第4,873,067号に記載されている。ZSM-58は米国特許第4,698,217号に記載されている。
MCM-22ファミリーアルミノケイ酸塩は、MCM-22、PSH-3、SSZ-25、MCM-36、MCM-49、MCM-56、ERB-1、EMM-10、EMM-10-P、EMM-12、EMM-13、UZM-8、UZM-8HS、ITQ-1、ITQ-2、ITQ-30及びこれらの2種以上の混合物からなる群より選択される。
MCM-22ファミリーのアルミノケイ酸塩としては、米国特許第4,954,325号に記載されているMCM-22、米国特許第4,439,409号に記載されているPSH-3、米国特許第4,826,667号に記載されているSSZ-25、EP0293032に記載されているERB-1、米国特許第6,077,498号に記載されているITQ-1及びWO97/17290に記載されているITQ-2、米国特許第5,250,277号に記載されているMCM-36、米国特許第5,236,575号に記載されているMCM-49、米国特許5,362,697に記載されているMCM-56及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。MCM-22型に含められるべき関連ゼオライトは、米国特許第6,756,030号に記載されているUZM-8及び米国特許第7,713,513号に記載されているUZM-8HSであり、これらの両方は同様に、MCM-22ファミリーのモレキュラーシーブとして使用するのに適している。
【0012】
1つ又は複数の実施形態では、結晶質メタロシリケートは、25より大きい、もしくは50より大きい、もしくは100より大きい、もしくは400より大きい、もしくは1,000より大きい、又は100~2,000、もしくは100~1,500、もしくは50~2,000、もしくは50~1,200の範囲のSi/Mモル比(Mは8、11又は13族金属)を有する。
1つ又は複数の実施形態では、多孔性結晶質メタロシリケートは、25より大きい、もしくは50より大きい、もしくは100より大きい、もしくは400より大きい、もしくは1,000より大きい、又は25~2,000、もしくは50~1,500、もしくは100~1,000、もしくは100~800、もしくは200~600、もしくは300~600の範囲のSiO2/Al2O3モル比を有する結晶質アルミノケイ酸塩である。
【0013】
10族金属は、ニッケル、パラジウム及び白金からなる群より選択され、好ましくは白金である。前記触媒組成物の10族金属含量は、触媒組成物の質量を基準にして、少なくとも0.005質量%である。10族金属含量は、触媒組成物の質量を基準にして、0.005質量%~10質量%、又は0.005質量%~最大1.5質量%の範囲である。
任意選択で、10族金属は、元素周期表の8、9、及び11族及びGa、In、Zn、Cu、Re、Mo、W、La、Fe、Ag、Pd、Rh、Pr、Laなどの希土類金属、及び/又はこれらの金属の酸化物、硫化物、窒化物、及び/又は炭化物から選択される追加の金属と組み合わせて存在する。代わりに又は追加して、10族金属は、1族アルカリ金属及び/又は2族アルカリ土類金属と組み合わせて存在する。
好ましい9族金属はRhであり、この金属は、10族金属と合金を形成し得る。好ましくは、Rhの10族金属に対するモル比は、0.1~5の範囲である。
通常、希土類金属は、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、及びこれらの混合物又は組み合わせからなる群より選択される。好ましくは、希土類金属の10族金属に対するモル比は、1~10の範囲である。希土類金属は、微多孔性結晶質モレキュラーシーブの合成の間に、又は合成後に、任意の好適な希土類金属化合物として触媒組成物に添加し得る。
好ましい追加の金属は、11族金属である。通常、11族金属は、Cu、Ag、Au、及びこれらの内の2種以上の混合物からなる群より選択され、好ましくはCu又はAgである。触媒組成物の11族金属含量は、11族金属の10族金属に対するモル比が、触媒組成物中のそれぞれのモル量を基準にして、少なくとも0.01となるような量である。11族金属の10族金属に対するモル比が、触媒組成物中のそれぞれのモル量を基準にして、少なくとも0.1~10又は0.5~5の範囲にあるのが好ましい。11族金属は、微多孔性結晶質モレキュラーシーブの合成の間に、又はその後に、任意の好適な11族金属化合物として、触媒組成物に添加し得る。
【0014】
1つ又は複数の実施形態では、触媒組成物は、25未満の、好ましくは15未満のアルファ値(10族金属、好ましくは白金の添加の前に測定して)を有する。
一般に、1族アルカリ金属及び/又は2族アルカリ土類金属は、酸化物として存在する。1族アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、及びこれらの内の2つ以上の混合物を含む、又はこれらからなる群より選択され、好ましくはナトリウムである。2族アルカリ土類金属は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、及びこれらの内の2つ以上の混合物を含む、又はこれらからなる群より選択される。
1つ又は複数の実施形態では、前記1族アルカリ金属のアルミニウムに対するモル比は、少なくとも0.5、又は少なくとも1、又は少なくとも1~最大3、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3である。1つ又は複数の実施形態では、前記2族アルカリ土類金属のアルミニウムに対するモル比は、少なくとも0.5、又は少なくとも1、又は少なくとも1~最大3、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3である。
有用な触媒組成物は、結晶質アルミノケイ酸塩を含み、これは、任意選択で、1種、2種、又は3種以上の追加の金属もしくは金属化合物との組み合わせである。好ましい組み合わせには、MFI銀ケイ酸塩上の白金、銅ケイ酸塩MFI上の白金、ZSM-5上の銀と共に白金、及びZSM-5上の銅と共に白金を含む。
【0015】
いずれの実施形態においても、微多孔性結晶質メタロシリケートは、MWW、MFI、LTL、MOR、BEA、TON、MTW、MTT、FER、MRE、MFS、MEL、DDR、EUO、及びFAUからなる群より選択されるメタロシリケートフレームワーク型を含む。
いずれの実施形態においても、微多孔性結晶質メタロシリケートは、ゼオライトベータ、モルデナイト、フォージャサイト、ゼオライトL、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-30、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35、ZSM-48、ZSM-50、ZSM-57、ZSM-58、MCM-22ファミリー材料、及びこれらの混合物からなる群より選択されるアルミノケイ酸塩である。
いずれの実施形態においても、1族アルカリ金属のアルミニウムに対するモル比は、少なくとも1であり、及び/又は2族アルカリ土類金属のアルミニウムに対するモル比は、少なくとも1であり、1族アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、及びこれらの2種以上の混合物からなる群より選択され、及び/又は2族アルカリ土類金属は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びこれらの混合物からなる群より選択される。
いずれの実施形態においても、触媒は、14未満の、又は16、17、18、又は20、又は25のアルファ値(10族金属の添加の前に、及び/又は任意選択の11族金属の添加の前に測定して)を有する。いずれの実施形態においても、10族金属は白金であり、白金は、硝酸白金、塩化白金酸、塩化第一白金、白金アミン化合物、テトラアミン白金水酸化物、及びこれらの混合物からなる群より選択される化合物由来である。
いずれの実施形態においても、任意選択の11族金属は銅であり、銅は、硝酸銅、亜硝酸銅、酢酸銅、水酸化銅、アセチルアセトン銅、炭酸銅、乳酸銅、硫酸銅、リン酸銅、塩化銅、及びこれらの混合物からなる群より選択される化合物由来であり、及び/又は11族金属は銀であり、銀は、硝酸銀、亜硝酸銀、酢酸銀、水酸化銀、アセチルアセトン銀、炭酸銀、乳酸銀、硫酸銀、リン酸銀、及びこれらの混合物からなる群より選択される化合物由来である。
【0016】
本明細書で記載の炭化水素転化工程の間に、通常、反応の間の触媒材料上の炭素質又はコークス物質の蓄積及び/又は金属の凝集に起因して、触媒の活性は徐々に低下して、失活触媒を形成する。現在では、炭化水素転化工程の間の金属凝集による失活は、コークス形成による失活よりも遅い速度で起こることが明らかになっている。従って、いずれの実施形態においても、ほとんどの微多孔性メタロシリケートと同様に、触媒は、定期的に回復及び/又は再生される。これは、触媒の触媒機能から離れた容器中で、又は非環式C5の環式C5化合物への転化のように触媒の一次触媒機能と同じ容器中で実施され得る。
従って、好都合にも、回復サイクルが実施されて、典型的には、少なくとも一部の漸増的に堆積したコークス物質を触媒組成物から除去することにより、回復した又は実質的に回復した触媒活性を有する回復触媒を生成する。回復触媒は、好ましくは、失活の前の触媒の活性の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%まで回復した活性を有する。回復触媒はまた、好ましくは、回復した又は実質的に回復した触媒選択性、例えば、失活の前の触媒の選択性の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%まで回復した選択性を有する。本明細書で使用される場合、「漸増的に堆積したコークス」は、転化サイクル中に触媒上に堆積したコークスの量を意味する。通常、触媒組成物が1質量%を超えて漸増的に堆積したコークス、例えば、5質量%を超えて堆積したコークス、又は10質量%を超えて漸増的に堆積したコークスを含む場合に、回復サイクルが実施される。これに関しては、参照により本明細書に組み込まれる、2017年5月2日出願の米国特許出願第62/500,795号に、より詳細に記載されている。
【0017】
いずれの実施形態においても、本明細書で記載のか焼は、非環式C5の環式C5化合物への転化が実施される工程装置を用いて少なくとも部分的に実施される。更に、いずれの実施形態においても、第2の高温か焼は、
図1の左端の回復容器中で実施され得る。好ましくは、触媒在庫を反応器から
図1に示すようなバッチ式回復容器を通って循環させる。場合によっては、新しい触媒を循環触媒に加え、循環触媒と混合した新しい触媒を用いて第2の高温か焼を実施し得る。あるいは、場合により、循環触媒を停止し、新しい触媒のバッチのみの第2のか焼ステップに供することも可能である。
いずれの実施形態においても、本明細書で記載の触媒は、非環式C5と組み合わせて、シクロペンタジエンを含む環式C5化合物が形成される。いずれの実施形態においても、非環式C5の転化条件は、少なくとも、450~650℃の温度を含み、任意選択のH
2共フィードの非環式C5供給原料に対するモル比率は、0.01~3の範囲であり、任意選択の軽質炭化水素共フードの非環式C5供給原料に対するモル比率は0.01~5の範囲であり、非環式C5供給原料は、反応器入口で21~689kPa-a(3psia~100psia)の範囲の分圧を有し、及び非環式C5供給原料は、1hr
-1~50hr
-1の範囲の毎時重量空間速度を有する。
いずれの実施形態においても、好適な炭化水素転化工程は、広範囲の反応器構成で行うことができる。特に好ましい反応器構成としては、対流加熱管(米国特許第9,926,242号に記載);燃焼管(米国特許第9,914,678号に記載);ライザー反応器(米国特許出願公開第2017/0121252号に記載);循環流動床又は向流を備えた循環固定床(米国特許第9,908,825号に記載);サイクル(cyclic)流動床反応器又はサイクル固定床反応器(米国特許出願公開第2017/0121251号に記載);及び/又は電気加熱反応器が挙げられる。加えて、好適な炭化水素転化工程は、単一反応ゾーン又は複数の反応ゾーン、例えば、断熱反応ゾーンとこれに続く非断熱反応ゾーン(米国特許第9,873,647号に記載)中で実施できる。
いずれの実施形態においても、非環式C5転化は、放射加熱管状反応器、対流加熱管状反応器、周期的再加熱固定床反応器、循環流動床反応器、放射加熱流動床反応器、対流加熱流動床反応器、断熱反応器及び/又は電気加熱反応器から選択される1つ又は複数の反応器中で行われる。好適な反応器の例を、
図1に示す。
物品は、本明細書で記載の環式C5化合物から形成できる。いずれの実施形態においても、物品は、環式C5化合物の二重結合含有化合物とのディールスアルダー反応から得られる。いずれの実施形態においても、環式C5化合物は、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロペンタン、置換ノルボルネン、シクロペンタジエンのディールスアルダー反応誘導体、環状オレフィンコポリマー、環式オレフィンポリマー、ポリシクロペンテン、不飽和ポリエステル樹脂、炭化水素樹脂粘着性付与剤、配合エポキシ樹脂、ポリジシクロペンタジエン、ノルボルネン又は置換ノルボルネン又はジシクロペンタジエンのメタセシス高分子、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。いずれの実施形態においても、物品は、風力タービンブレード、ガラスせんい又は炭素繊維含有複合材料、配合接着剤、エチリデンノルボルネン、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、アルコール、可塑剤、発泡剤、溶媒、オクタンエンハンサー、ガソリン、及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【実施例】
【0018】
実施例パート1:第2ステップか焼の影響
実施例1.0:空気中350℃、Ag/Ptで3時間か焼した比較例。8,800gの脱イオン水、600gの50%NaOH溶液、26gの43%アルミン酸ナトリウム溶液、730gのn-プロピルアミン(n-PA)100%溶液、20gのZSM-5種結晶、及び3,190gのSipernat(商標)-340シリカを容器中で混合して、約22%の固形物を含む混合物を調製し、その後、オートクレーブ中に装填した。混合物は以下のモル組成を有していた(各成分は±5%以下で測定):
SiO2/Al2O3 470
H2O/SiO2 10.7
OH/SiO2 0.16
Na/SiO2 0.16
n-PA/Si 0.25
混合物を混合し、99℃、350rpmで48時間反応させた。得られた反応スラリーを取り出し、容器に貯蔵した。合成されたままの材料のXRDパターンは、ZSM-5形態の典型的な純相を示した。合成したままの材料のSEMは、この材料が約0.3ミクロンの均一の結晶サイズを有する結晶の混合物から構成されていることを示す。合成したままの結晶は、約450のSiO2/Al2O3モル比及び約0.18%のNaを有していた。
ナトリウム型のゼオライトの一部を用いて、65質量%ゼオライト/35質量%シリカの粒子を調製した。65質量部のゼオライトを35質量部のシリカと混和した。シリカとしては、Ultrasil(商標)シリカ及びLudox(商標)HS-40を同様に調達した。十分な水を加えて、約62質量%固形物の混和混合物を生成した。材料を1.59mm(1/16インチ)の円柱に押し出した。乾燥後、試料を窒素中で482℃に加熱し、3時間保持することにより、第1のか焼ステップに供した。その後、雰囲気を4段階で少しずつ増やして、1.1、2.1、4.2、及び8.4%の酸素に徐々に変更した。各ステップの後に30分保持した。温度を537℃に上昇させ、酸素含量を16.8%に増大させ、材料を537℃で6時間保持し、冷却した。これにより、触媒合成の第1のか焼ステップを完了した。
一部分の40gに硝酸銀を含浸し、121℃で4時間乾燥した。次にそれに、硝酸テトラアミン白金を含浸し、121℃で4時間乾燥した。含浸した押出物を121℃で乾燥した後、第2のか焼ステップに供し、触媒を350℃で3時間か焼した。XRFの結果、触媒は、約0.21質量%のAg及び約0.33質量%のPtを含んでいた。ゼオライトは、5~10のアルファ値、及び3~5の拘束係数を有する。これら両方は、Ag及び/又はPtを含めないで計算した。
【0019】
実施例1.1:実施例1.0の材料の一部を電気マッフル炉のセラミック皿中に入れて、空気中でその部分を更にか焼することにより、第2のか焼ステップの一部として追加のか焼に供した。試料を周囲温度でオーブン中に置き、5℃/分で425℃の温度に加熱し、その温度で4.0時間保持し、その後、オーブンを切り、室温又は約23℃まで冷却した。
【0020】
実施例1.2:実施例1.0の材料の一部を電気マッフル炉のセラミック皿中に入れて、空気中でその部分を更にか焼することにより、第2のか焼ステップの一部として追加のか焼に供した。試料を周囲温度でオーブン中に置き、5℃/分で500℃の温度に加熱し、その温度で4.0時間保持し、その後、オーブンを切り、23℃まで冷却した。
【0021】
実施例1.3:実施例1.0の材料の一部を電気マッフル炉のセラミック皿中に入れて、空気中でその部分を更にか焼することにより、第2のか焼ステップの一部として追加のか焼に供した。試料を周囲温度でオーブン中に置き、5℃/分で575℃の温度に加熱し、その温度で4.0時間保持し、その後、オーブンを切り、23℃まで冷却した。
【0022】
実施例1.4:実施例1.0の材料の一部を電気マッフル炉のセラミック皿中に入れて、空気中でその部分を更にか焼することにより、第2のか焼ステップの一部として追加のか焼に供した。試料を周囲温度でオーブン中に置き、5℃/分で650℃の温度に加熱し、その温度で4.0時間保持し、その後、オーブンを切り、23℃まで冷却した。
【0023】
実施例1.5:実施例1.0の材料の一部を電気マッフル炉のセラミック皿中に入れて、空気中でその部分を更にか焼することにより、第2のか焼ステップの一部として追加のか焼に供した。試料を周囲温度でオーブン中に置き、5℃/分で725℃の温度に加熱し、その温度で4.0時間保持し、その後、オーブンを切り、23℃まで冷却した。
【0024】
実施例2.0:空気中350℃、Cu/Ptで3時間か焼した比較例。8,800gの脱イオン水、600gの50%NaOH溶液、26gの43%アルミン酸ナトリウム溶液、730gのn-プロピルアミン100%溶液、20gのZSM-5種結晶、及び3,190gのSipernat(商標)-340シリカを容器中で混合して、約22%の固形物を含む混合物を調製し、その後、オートクレーブ中に装填した。混合物は以下のモル組成を有していた(各成分は±5%以下で測定):
SiO2/Al2O3 470
H2O/SiO2 10.7
OH/SiO2 0.16
Na/SiO2 0.16
n-PA/Si 0.25
混合物を混合し、99℃、350rpmで72時間反応させた。得られた反応スラリーを取り出し、18.9L(5-gal)のペール缶に貯蔵した。合成されたままの材料のXRDパターンは、ZSM-5形態の典型的な純相を示した。材料は、約0.5~1ミクロンサイズの結晶の混合物から構成された。合成したままの結晶は、約467のSiO2/Al2O3モル比及び約0.25質量%のNaを有していた。
ナトリウム型のゼオライトの一部を用いて、65質量%ゼオライト/35質量%シリカの粒子を調製した。65質量部のゼオライトを35質量部のシリカと混和した。シリカとしては、Aerosil(商標)200及びLudox(商標)LSを同様に調達した。十分な水を加えて、約66質量%固形物の混和混合物を生成した。材料を1.59mm(1/16インチ)の円柱に押し出した。乾燥後、試料を窒素中で482℃に加熱し、3時間保持することにより、第1のか焼ステップに供した。その後、雰囲気を4段階で少しずつ増やして、1.1、2.1、4.2、及び8.4%の酸素に徐々に変更した。各ステップの後に30分保持した。温度を538℃に上昇させ、酸素含量16.8%に増大させ、材料を538℃で6時間保持し、冷却した。これにより、触媒合成の第1のか焼ステップを完了した。
一部分の130gに硝酸銅を含浸し、121℃で4時間乾燥した。次にそれに、硝酸テトラアミン白金を含浸し、121℃で4時間乾燥した。含浸した押出物を121℃で乾燥した後、第2のか焼ステップに供し、触媒を350℃で3時間か焼した。XRFの結果、触媒は、約0.27質量%のCu及び約0.30質量%のPtを含んでいた。ゼオライトは、5~10のアルファ値、及び3~5の拘束係数を有する。これら両方は、Cu及び/又はPtを含めないで計算した。
【0025】
実施例2.1:実施例2.0の材料の一部を電気マッフル炉のセラミック皿中に入れて、空気中で更にか焼することにより、第2のか焼ステップの一部として追加のか焼に供した。試料を周囲温度でオーブン中に置き、5℃/分で600℃の温度に加熱し、その温度で4.0時間保持し、その後、オーブンを切り、23℃まで冷却した。
【0026】
実施例2.2:実施例2.0の材料の一部を電気マッフル炉のセラミック皿中に入れて、空気中で更にか焼することにより、第2のか焼ステップの一部として追加のか焼に供した。試料を周囲温度でオーブン中に置き、5℃/分で650℃の温度に加熱し、その温度で4.0時間保持し、その後、オーブンを切り、23℃まで冷却した。
【0027】
実施例2.3:実施例2.0の材料の一部を電気マッフル炉のセラミック皿中に入れて、空気中で更にか焼することにより、第2のか焼ステップの一部として追加のか焼に供した。試料を周囲温度でオーブン中に置き、5℃/分で700℃の温度に加熱し、その温度で4.0時間保持し、その後、オーブンを切り、23℃まで冷却した。
【0028】
実施例2.4:実施例2.0の材料の一部を電気マッフル炉のセラミック皿中に入れて、空気中で更にか焼することにより、第2のか焼ステップの一部として追加のか焼に供した。試料を周囲温度でオーブン中に置き、5℃/分で750℃の温度に加熱し、その温度で4.0時間保持し、その後、オーブンを切り、23℃まで冷却した。
【0029】
実施例3.0:空気中538℃、Ag/Ptで3時間か焼した比較例。ナトリウム型の比較例1のゼオライトを用いて、65質量%ゼオライト/35質量%シリカの粒子を調製した。65質量部のゼオライトを35質量部のシリカと混和した。シリカとしては、Ultrasil(商標)シリカ及びLudox(商標)HS-40を同様に調達した。十分な水を加えて、約63質量%固形物の混和混合物を生成した。材料を1.59mm(1/16インチ)の円柱に押し出した。乾燥後、試料を窒素中で482℃に加熱し、3時間保持することにより、第1のか焼ステップに供した。その後、雰囲気を4段階で少しずつ増やして、1.1、2.1、4.2、及び8.4%の酸素に徐々に変更した。各ステップの後に30分保持した。温度を538℃に上昇させ、酸素含量16.8%に増大させ、材料を538℃で6時間保持し、冷却した。これにより、触媒合成の第1のか焼ステップを完了した。
一部分の110gに硝酸銀を含浸し、121℃で4時間乾燥した。次にそれに、硝酸テトラアミン白金を含浸し、121℃で4時間乾燥した。含浸した押出物を121℃で乾燥した後、第2のか焼ステップに供し、触媒を538℃で3時間か焼した。XRFの結果、触媒は、約0.13質量%のAg及び約0.31質量%のPtを含んでいた。ゼオライトは、5~10のアルファ値、及び3~5の拘束係数を有する。これら両方は、Ag及び/又はPtを含めないで計算した。
【0030】
実施例3.1:実施例3.0の材料の一部を電気マッフル炉のセラミック皿中に入れて、空気中で更にか焼することにより、第2のか焼ステップの一部として追加のか焼に供した。試料を周囲温度でオーブン中に置き、5℃/分で600℃の温度に加熱し、その温度で5.0時間保持し、その後、オーブンを切り、23℃まで冷却した。
【0031】
実施例1.0~3.1で調製された触媒のそれぞれの一部の、n-ペンタンからシクロペンタジエンを含む環式C5への転化の性能を評価した。触媒(0.25g、粉砕し、20~40メッシュでふるった)を高純度SiC(40~60メッシュ)と物理的に混合し、9mm ID、13mm OD、483mm長さの石英反応器中に装填した。SiCの量を触媒床の全長が152mmになるように調節した。触媒床を石英ウールで所定位置に保持し、反応器隙間に粗いSiC粒子を充填した。反応器を装置上に載せて、加圧試験を実施し、リークのないことを確証した。
触媒をヘリウム(145mL/分、207kPag(30psig)、250℃)下で1時間乾燥した後、H
2(270mL/分、207kPag(30psig)、500℃)下で4時間還元した。その後、n-ペンタン、H
2、及び残部ヘリウムの供給原料、22.8kPa-a(3.3psia)C
5H
12、1.0モルH
2:C
5H
12、及び合計207kPag(30psig)の条件で、触媒の性能を試験した。触媒を、575℃、n-ペンタンWHSV=30h
-1で試験した。
生成物の8時間平均収率(C%)を下表1に示す。cC5合計は、シクロペンタジエン、シクロペンテン及びシクロペンタンの合計である。
【表1】
【0032】
実施例3.2~3.9:触媒性能試験の前に、実施例3.0の材料の一部を反応器中で更にか焼することにより、第2のか焼ステップの一部として追加のか焼に供した。触媒(各試料の0.25gを粉砕し、20~40メッシュに通師)を高純度SiC(40~60メッシュ)と物理的に混合し、9mm ID、13mm OD、483mm長さの石英反応器中に装填した。SiCの量を触媒床の全長が152mmになるように調節した。触媒床を石英ウールで所定位置に保持し、反応器隙間に粗いSiC粒子を充填した。反応器を装置上に載せて、加圧試験を実施し、リークのないことを確証した。246標準mL/分の流量の207kPag(30psig)のヘリウム中、10℃/分で触媒を周囲温度からTemp
C(表に示す4種の温度)に加熱した。その後、207kPag(30psig)で312標準mL/分の流量の10モル%の酸素、90モル%のヘリウム中、触媒をTime
C(表に示す2種の持続時間)の間、所定の温度で保持した。
触媒をヘリウム(145mL/分、207kPag(30psig))下で500℃に冷却した後、H
2(270mL/分、207kPag(30psig)、500℃)下で4時間還元した。その後、n-ペンタン、H
2、及び残部ヘリウムの供給原料、22.8kPa-a(3.3psia)C
5H
12、1.0モルH
2:C
5H
12、及び合計207kPag(30psig)の条件で、触媒の性能を試験した。触媒を、575℃、n-ペンタンWHSV=30h
-1で試験した。
生成物の8時間平均収率(C%)を下表2に示す。cC5合計は、シクロペンタジエン、シクロペンテン及びシクロペンタンの合計である。
【表2】
【0033】
実施例パート2:第1ステップか焼の影響
本明細書に記載されるような触媒で使用されるZSM-5結晶などの本明細書で記載の微多孔性ゼオライトは、有機アミン(例えば、n-プロピルアミン)などの有機構造指向剤(OSDA)を用いて合成される。これまでに、第1のか焼ステップでの微多孔性結晶質メタロシリケート触媒からOSDAを除去する方法が、非環式C5の環化のための工程で使用される完成触媒の性能に影響を与えることが明らかになった。理論に束縛されることを望むものではないが、ゼオライト結晶内のシラノール部位の濃度を最大化するようにするOSDAの除去は、シラノール部位上での高Pt分散を達成するために好都合であると考えられている。液相抽出又はオゾン又はNOxなどの強力な酸化剤の使用によるなどのシラノールを維持しながらOSDAを除去する他の手段が存在し得る。次の実施例は、本明細書で記載の第1のステップか焼工程に類似の、このような除去のために手段がどのように実施できるかを実証する。
【0034】
実施例1:ZSM-5の合成
脱イオン水、50%NaOH溶液、43%アルミン酸ナトリウム溶液、n-プロピルアミン100%溶液、ZSM-5種結晶、及びUltrasil(商標)シリカを含む22%固形物の混合物を混合後、オートクレーブ中に装填した。混合物は以下のモル組成を有していた(各成分は±5%以下で測定):
SiO2/Al2O3 470
H2O/SiO2 10.73
OH/SiO2 0.16
Na/SiO2 0.16
n-PA/Si 0.25
混合物を混合し、99℃(210°F)、185rpmで72時間反応させた。得られた反応スラリーを取り出し、113.6L(30-gal)のペール缶に貯蔵した。得られたスラリーは綿状に固まり、デカントし、次いで濾過/一晩洗浄した後、乾燥した。生成物ゼオライトは、1ミクロンのサイズの別個の結晶から構成された。得られたZSM-5結晶は、固形分%を修正後で約0.48質量%のNa含量、約3のNa/Al(モル比)、及び5.29質量%の炭素含量であった。
【0035】
実施例2:ZSM-5の合成
脱イオン水、50%NaOH溶液、43%アルミン酸ナトリウム溶液、n-プロピルアミン100%溶液、ZSM-5種結晶、及びUltrasil(商標)シリカを含む20%固形物の混合物をオートクレーブ中に装填した。反応混合物は以下のモル組成を有していた(各成分は±5%以下で測定):
SiO2/Al2O3 470
H2O/SiO2 12.3
OH/SiO2 0.16
Na/SiO2 0.16
n-PA/Si 0.25
混合物を混合し、110℃(220°F)、75rpmで40時間反応させた。結晶化の完了後、116℃(240°F)でフラッシングすることにより、母液中の残留n-PAを除去した。その後、綿状に固まらせ、デカンテーションを行うために、得られたスラリーをデカンターに移した。次に、綿状に固まったスラリーを濾過、洗浄して、乾燥した。合成されたままの材料のXRDパターンは、ZSM-5形態の典型的な純相を示した。合成したままの材料のSEMは、この材料が約0.5ミクロンの結晶サイズの個別の結晶の混合物から構成されていることを示した。得られたZSM-5結晶は、固形分%を修正後で約0.49質量%のNa含量、約2.54のNa/Al(モル比)、及び1.84質量%の炭素含量であった。
【0036】
実施例3:ZSM-5のハイブリッドか焼
窒素中、482℃(900°F)で9時間か焼することにより、実施例1で調製したZSM-5結晶の試料を第1のか焼ステップに供した。その後、雰囲気を4段階で少しずつ増やして、1.1、2.1、4.2、及び8.4%の酸素に徐々に変更した。各ステップの後に30分保持した。温度を538℃(1000°F)に上昇させ、酸素含量16.8%に増大させて、材料を538℃(1000°F)で6時間保持し、冷却した。か焼ゼオライト上の炭素含量は、0.05%未満であった。
【0037】
実施例4:ZSM-5の窒素か焼
窒素流中で、触媒温度を(149℃)300°F/分で室温から482℃(900°F)に昇温し、その後、1時間保持することにより、実施例1で調製したZSM-5結晶の試料を第1のか焼ステップに供した。か焼ゼオライト上の炭素含量は、0.05%未満であった。
【0038】
実施例5:ZSM-5の窒素か焼
窒素流中で、触媒温度を(149℃)300°F/分で室温から482℃(900°F)に昇温し、その後、1時間保持することにより、実施例1で調製したZSM-5結晶の試料を第6のか焼ステップに供した。か焼ゼオライト上の炭素含量は、0.059%であった。
【0039】
実施例6:ZSM-5の空気か焼
450℃(842°F)に予備加熱した環状炉中に触媒を挿入し、その後、連続空気流中、この温度で0.75時間保持することにより、実施例1で調製したZSM-5結晶の試料を第1のか焼ステップに供した。か焼ゼオライト上の炭素含量は、0.05%未満であった。
【0040】
実施例7:ZSM-5の空気か焼
550℃(1022°F)に予備加熱した環状炉中に触媒を挿入し、その後、連続空気流中、この温度で0.75時間保持することにより、実施例1で調製したZSM-5結晶の試料を第1のか焼ステップに供した。か焼ゼオライト上の炭素含量は、0.06%であった。
【0041】
実施例8:ZSM-5の空気か焼
600℃(1112°F)に予備加熱した環状炉中に触媒を挿入し、その後、連続空気流中、この温度で0.75時間保持することにより、実施例1で調製したZSM-5結晶の試料を第1のか焼ステップに供した。か焼ゼオライト上の炭素含量は、0.05%未満であった。
【0042】
実施例9:ZSM-5の空気か焼
650℃(1202°F)に予備加熱した環状炉中に触媒を挿入し、その後、連続空気流中、この温度で0.75時間保持することにより、実施例1で調製したZSM-5結晶の試料を第1のか焼ステップに供した。か焼ゼオライト上の炭素含量は、0.05%未満であった。
【0043】
実施例10:ZSM-5の空気か焼
700℃(1292°F)に予備加熱した環状炉中に触媒を挿入し、その後、連続空気流中、この温度で0.75時間保持することにより、実施例1で調製したZSM-5結晶の試料を第1のか焼ステップに供した。か焼ゼオライト上の炭素含量は、0.05%未満であった。
【0044】
実施例11:か焼ZSM-5上への0.5%Ptの含浸
実施例3、4、5、7、及び10で調製したか焼結晶の試料に、ZSM-5結晶の質量を基準に、0.5%のPtを目標にして、硝酸テトラアミン白金を用いてPtを含浸した。含浸後、試料を121℃(250°F)で乾燥した後、349℃(660°F)で3時間か焼することにより、第2のか焼ステップに供した。XRF分析は、下記の表3のNa及びPt濃度を示した。
【表3】
【0045】
実施例12:n-ペンタンの転化
実施例11で調製された触媒の試料の、n-ペンタンからCPDへの転化の性能を評価した。触媒(0.25g、粉砕し、20~40メッシュでふるった)を高純度SiC(40~60メッシュ)と物理的に混合し、9mm ID、13mm OD、483mm(19”)長さの石英反応器中に装填した。SiCの量を触媒床の全長が152mm(6”)になるように調節した。触媒床を石英ウールで所定位置に保持し、反応器隙間に粗いSiC粒子を充填した。反応器を装置上に載せて、加圧試験を実施し、リークのないことを確証した。
触媒をヘリウム(145mL/分、207kPag(30psig)、250℃)下で1時間乾燥した後、H
2(270mL/分、207kPag(30psig)、500℃)下で4時間還元した。その後、n-ペンタン、H
2、及び残部ヘリウムの供給原料、22.8kPa-a(3.3psia)C
5H
12、1.0モルH
2:C
5H
12、及び合計207kPag(30psig)の条件で、触媒の性能を試験した。触媒を、575℃、n-ペンタンWHSV=15h
-1で試験した。
反応の30時間後、触媒をH
2(275mL/分、207kPag(30psig)、575℃)に30分間、その後、ヘリウム(260mL/分、207kPag(30psig)、475℃)に20分間曝露した。その後、触媒を、0.5~4%の漸増O
2濃度を含むO
2/He混合物(195ml/分、310kPag(45psig)、475℃)中で合計5時間にわたり回復させた(0.5%O
2で1時間、0.75%O
2で20分、1.0%O
2で20分、1.5%O
2で20分、2.0%O
2で20分、3.0%O
2で20分、及び4%O
2で2時間20分、)。回復後、触媒をヘリウム(270mL/分、207kPag(30psig)、500℃)に30分間曝露し、その後、次の反応サイクルの開始前に以前言及した条件で還元した。
サイクル3の間に測定された環式C5生成物(CPD、シクロペンテン及びシクロペンタン)の15時間平均収率(C%)を下記の表4に示す。
【表4】
高温で、短時間の空気か焼により調製された試料は、より長く、低い温度でのか焼を用いて調製した材料より高い環式C5収率を有する。
【0046】
実施例13:ZSM-5シラノール含量のキャラクタリゼーション
下記のFTIR分光法を使用して、実施例7~10で調製されたZSM-5結晶の試料のシラノール含量を分析した。
吸着ピリジンの赤外線(IR)測定のために、試料をメノウ乳鉢で粉砕し、薄い自己支持型ウェハに加圧成形した。約24~32MPa(約240~320バール)に相当する1.5~2メートルトンの範囲の圧力が型に印加された。ウェハ比重量は、25~40mg/cm2の範囲であった。CaF2ウインドウを備えたIR透過セル中に試料を入れた。約10-6torrの圧力下、400℃で2時間排気することにより、試料をインサイツ前処理した。その後、試料を150℃で約10torrのピリジンの蒸気圧に30分間曝露し、続けて、約10-5torrの圧力下、150℃で30分排気した。IRスペクトルの収集のために、IRキュベットをBruker Vertex(商標)70 FTIR分光計に移した。2cm-1の解像度で512回の走査を蓄積してスペクトルを室温で取得した。
シラノール含量のキャラクタリゼーションのために、約1445cm-1のピリジンバンドを積分し、400℃での排気後に測定されたシリカオーバートーン及び結合バンドの積分面積で除算した。積分したシリカバンド強度を、約2100cm-1(シリカバンドの高振動数側)と約1740cm-1(シリカバンドの低周波数側)で生ずるスペクトル極小点の間で評価した。
【0047】
実施例14:シラノール含量のキャラクタリゼーション
実施例7、8、9、及び10に記載のZSM-5に結晶のシラノール含量を実施例13で記載のIR試験を用いて分析した。特定の理論に束縛されるものではないが、1445cm
-1のピリジンバンドは、シラノール結合ピリジンに帰属でき、シラノール含量の評価のために選択された。表3は、400℃排気後の積分シリカバンド面積で除算した1445cm
-1のバンドの積分面積を記載している。
【表5】
1445cm
-1のシリカ正規化バンド面積は、より低い温度(550℃)又はより高い温度(700℃)でか焼した試料に比べて、600℃及び650℃の中間か焼温度でより大きかったことがわかる。か焼温度の上昇に伴うシラノール基の縮合に起因して、シラノール基含量の連続的減少が予測されることから、これは、意外な結果であった。
【0048】
流動可能粒子
限定されないが、上述したものなどのゼオライト結晶は、流動可能粒子に形成され得ることが意図されている。OSDA除去は、粒子に成形の前後で実施可能であるが、メタライゼーションの前に実施されるのが好ましい。このような材料は、ナトリウムゼオライト結晶の解凝集により形成し得る。その後、ナトリウムゼオライト結晶は、水性スラリーを形成する、シリカ、アルミナ、チタニア又はジルコニア及びカオリン及びベントナイトのような粘土などの無機材料の混合物であるマトリックス材料と混合され得る。マトリックスは、解膠され得る。結合剤中のいずれの表面酸性度も、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はリン源のスプレー乾燥スラリーへの添加により、最小化又は制御される。スラリーは、スプレー乾燥などにより乾燥され、その後、例えば、直径200ミクロン未満の流動性粉末を形成し得る。任意選択で、アルミナの酸性度は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属源による、含浸などの後処理により制御し得る。その後、流動可能粒子は、白金、白金と銀又は白金と銅などの所望の金属源で処理して、金属含有配合ナトリウムZSM-5を形成できる。
【0049】
本明細書で使用される場合、触媒に関し、「から基本的になる(consisting essentially of)」は、触媒が指定されていない少量の成分を含み得るが、任意のその他の成分を含まないこと、又は、非環式アルカン類の環式アルカン類への転化に対する触媒活性に、分析的に有意な、最終生成物又は全速度の±1、2、又は5質量%などの程度で影響するはずの、指定されない任意の他の重要なか焼ステップからは作製されないことを意味する。
任意の優先権文書及び/又は試験手順を含む本明細書で記載の全ての文書は、このような実施が許容される全ての司法管区域のために、それらがこの内容に矛盾しない程度に本明細書に参照により組み込まれる。上述の一般的記述及び特定の実施形態から明らかなように、本発明の種々の実施形態が示され、記述されてきたが、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、さまざまな修正が可能である。
次に、本発明の好ましい態様を示す。
1. (i)12以下の拘束係数を有する微多孔性結晶質メタロシリケート、(ii)結合剤、(iii)1族アルカリ金属もしくはそれらの化合物及び/又は2族アルカリ土類金属もしくはそれらの化合物、及び(iv)10族金属もしくはそれらの化合物を含み、(v)11族金属もしくはそれらの化合物を含んでもよい触媒であって、前記触媒は、前記10族金属又はそれらの化合物の添加の前であって、前記11族金属又はそれらの化合物の添加の前であってもよい、第1のか焼ステップでか焼され、前記第1のか焼ステップは、500℃を超える温度に前記触媒を加熱することを含み、及び前記触媒は、前記10族金属又はそれらの化合物の添加の後であって、前記11族金属又はそれらの化合物の添加の後であってもよい、第2のか焼ステップでか焼され、前記第2のか焼ステップは、400℃を超える温度に前記触媒を加熱することを含む、触媒。
2. 前記触媒は、回転か焼炉又は固定床か焼炉中、空気雰囲下で、第1又は第2のか焼ステップによりか焼される、上記1に記載の触媒。
3. 前記第1の温度が525℃を超え、前記第2の温度が450℃を超える、上記1又は2に記載の触媒。
4. 前記触媒が、500℃~800℃で加熱され、その後、この温度で0.5~1時間にわたり連続空気(酸素/窒素)流中で保持されることにより、前記第1又は第2のか焼ステップでか焼される、上記1~3のいずれか1項に記載の触媒。
5. 前記第2のか焼ステップが、非環式C5の環式C5化合物への転化が実施される工程装置と連携して少なくとも部分的に実施される、上記1~4のいずれか1項に記載の触媒。
6. 前記か焼触媒が、400℃での排気後に測定された2100cm
-1
~1740cm
-1
のシリカバンドの積分IRバンド面積により除算された150℃でのピリジンの吸着及び排気後に測定された1445cm
-1
の積分IRバンド面積の約0.06より大きいIRバンド強度比を示す、上記1~5のいずれか1項に記載の触媒。
7. 前記触媒が、押出物(円筒形、葉状、非対称葉状、らせん葉状)、スプレー乾燥粒子、油滴粒子、混練粒子、球状粒子、及び/又はウオッシュコーティング基材の内の1種又は複数の形状に成形され、前記基材が押出物、球状粒子、発泡体、微晶石及び/又は一体構造物であり得る、上記1~6のいずれか1項に記載の触媒。
8. 前記微多孔性結晶質メタロシリケートが、MWW、MFI、LTL、MOR、BEA、TON、MTW、MTT、FER、MRE、MFS、MEL、DDR、EUO、及びFAUからなる群より選択されるメタロシリケートフレームワーク型を含む、上記1~7のいずれか1項に記載の触媒。
9. 前記微多孔性結晶質メタロシリケートが、ゼオライトベータ、モルデナイト、フォージャサイト、ゼオライトL、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-30、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35、ZSM-48、ZSM-50、ZSM-57、ZSM-58、MCM-22ファミリー材料、及びこれらの混合物からなる群より選択されるアルミノケイ酸塩である、上記1~8のいずれか1項に記載の触媒。
10. 前記結合剤が、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルカリ金属珪酸塩、13族金属珪酸塩、炭化物、窒化物、アルミニウムリン酸塩、アルミニウムモリブデン酸塩、アルミン酸塩、表面不動態化アルミナ、及びこれらの混合物から選択される、上記1~9のいずれか1項に記載の触媒。
11. 前記1族アルカリ金属のアルミニウムに対するモル比は少なくとも1であり、及び/又は前記2族アルカリ土類金属のアルミニウムに対するモル比は少なくとも1であり、前記1族アルカリ金属が、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、及びこれらの2種以上の混合物からなる群より選択され、及び/又は前記2族アルカリ土類金属が、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム及びこれらの混合物からなる群より選択される、上記1~10のいずれか1項に記載の触媒。
12. 前記触媒が、14未満のアルファ値を有する、上記1~11のいずれか1項に記載の触媒。
13. 前記10族金属は白金であり、前記白金が、硝酸白金、塩化白金酸、塩化第一白金、白金アミン化合物、テトラアミン白金水酸化物、及びこれらの混合物からなる群より選択される化合物由来である、上記1~12のいずれか1項に記載の触媒。
14. 前記任意選択の11族金属は銅であり、前記銅が、硝酸銅、亜硝酸銅、酢酸銅、水酸化銅、アセチルアセトン銅、炭酸銅、乳酸銅、硫酸銅、リン酸銅、塩化銅、及びこれらの混合物からなる群より選択される化合物由来であり、及び/又は前記11族金属は銀であり、前記銀が、硝酸銀、亜硝酸銀、酢酸銀、水酸化銀、アセチルアセトン銀、炭酸銀、乳酸銀、硫酸銀、リン酸銀、及びこれらの混合物からなる群より選択される化合物由来である、上記1~13のいずれか1項に記載の触媒。
15. 前記触媒が、非環式C5と組み合わせされて、シクロペンタジエンを含む環式C5化合物を形成する、上記1~14のいずれか1項に記載の触媒。
16. 前記非環式C5の転化条件が、少なくとも、450~650℃の温度を含み、前記任意選択のH
2
共フィードの非環式C5供給原料に対するモル比率が0.01~3の範囲であり、前記任意選択の軽質炭化水素共フードの前記非環式C5供給原料に対するモル比率が0.01~5の範囲であり、前記非環式C5供給原料が、反応器入口で21~689kPa-a(3psia~100psia)の範囲の分圧を有し、及び前記非環式C5供給原料が、1hr
-1
~50hr
-1
の範囲の毎時重量空間速度を有する、上記15に記載の触媒。
17. 前記非環式C5転化が、放射加熱管状反応器、対流加熱管状反応器、周期的再加熱固定床反応器、循環流動床反応器、放射加熱流動床反応器、対流加熱流動床反応器、断熱反応器及び/又は電気加熱反応器から選択される1つ又は複数の反応器中で行われる、上記15に記載の触媒。
18. 前記触媒が、定期的に回復及び/又は再生される、上記1~17のいずれか1項に記載の触媒。
19. 前記環式C5化合物の二重結合含有化合物とのディールスアルダー反応から得られる、上記14に記載の環式C5化合物から形成される物品。
20. 前記環式C5化合物が、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロペンタン、置換ノルボルネン、シクロペンタジエンのディールスアルダー(共役ジエン+置換ジエン)反応誘導体、環状オレフィンコポリマー、環式オレフィンポリマー、ポリシクロペンテン、不飽和ポリエステル樹脂、炭化水素樹脂粘着性付与剤、配合エポキシ樹脂、ポリジシクロペンタジエン、ノルボルネン又は置換ノルボルネン又はジシクロペンタジエンのメタセシス高分子、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、上記18に記載の物品。
21. 前記物品が、風力タービンブレード、ガラス繊維又は炭素繊維含有複合材料、配合接着剤、エチリデンノルボルネン、EPDMゴム、アルコール、可塑剤、発泡剤、溶媒、オクタンエンハンサー、ガソリン、及びこれらの混合物からなる群より選択される、上記18に記載の物品。
22. (i)12、又は10、又は8、又は6以下の拘束係数を有する微多孔性結晶質メタロシリケート、(ii)結合剤、(iii)1族アルカリ金属もしくはそれらの化合物及び/又は2族アルカリ土類金属もしくはそれらの化合物、及び(iv)10族金属もしくはそれらの化合物を用意することであって、(v)11族金属もしくはそれらの化合物を用意してもよく;前記10族金属又はそれらの化合物及び前記任意選択の11族金属又はそれらの化合物の添加の前に、第1のか焼ステップで材料の組み合わせをか焼すること;前記10族金属又はそれらの化合物を添加し、その後、前記任意選択の11族金属の添加の前に第2のか焼ステップでか焼すること;前記任意選択の11族金属又はそれらの化合物を添加し、その後、第3のか焼ステップでか焼することを含む、触媒の製造方法であって、か焼が、前記第1のか焼ステップで500℃を超える温度に前記結晶を加熱することを含み、及び前記第2のか焼ステップで400℃を超える温度に前記結晶を加熱することを含み、及び前記第3のか焼ステップで500℃を超える温度に前記触媒を加熱することを含む、方法。
23. 前記第1のか焼ステップが525℃を超える温度で行われ、前記第2のか焼ステップが425℃を超える温度で行われ、前記第3のか焼ステップが550℃を超える温度で行われる、上記22に記載の方法。
24. 前記触媒が、500℃~800℃で加熱されることにより前記か焼ステップのいずれでか焼され、その後、連続空気(酸素/窒素)流中でこの温度で0.5~1時間にわたり保持される、上記22又は23に記載の方法。