(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-04
(45)【発行日】2023-07-12
(54)【発明の名称】マルチリソースアップリンクサウンディングおよびアンテナサブセット送信
(51)【国際特許分類】
H04W 72/20 20230101AFI20230705BHJP
H04W 72/1268 20230101ALI20230705BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20230705BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20230705BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20230705BHJP
【FI】
H04W72/20
H04W72/1268
H04W8/22
H04W16/28 130
H04L27/26 114
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022015283
(22)【出願日】2022-02-03
(62)【分割の表示】P 2019569490の分割
【原出願日】2018-06-15
【審査請求日】2022-03-02
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン, ロバート マーク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルナーソン, ニクラス
(72)【発明者】
【氏名】ファクサー, セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン, アンドレアス
【審査官】田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02940885(EP,A2)
【文献】国際公開第2016/095110(WO,A1)
【文献】特表2018-504027(JP,A)
【文献】LG Electronics,On SRS design and related operations [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #89 R1-1707618, [検索日: 2022年12月14日],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1707618.zip>,2017年05月06日
【文献】Ericsson,UL beam management details [online],3GPP TSG-RAN WG1 #89 R1-1708677, [検索日: 2022年12月14日],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1708677.zip>,2017年05月06日
【文献】Nokia, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,SRS transmission for beam management [online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #89 R1-1708912, [検索日: 2022年12月14日],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1708912.zip>,2017年05月06日
【文献】Ericsson,UL MIMO procedures for codebook based transmission [online],3GPP TSG-RAN WG1 #89ah-NR R1-1711008, [検索日: 2022年12月14日],インターネット <URL: https://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1706/Docs/R1-1711008.zip>,2017年06月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04L 27/26
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)(50)において、前記UE(50)における異なるアンテナサブセットにおいて送信する方法(900)であって、
前記UE(50)がいくつかの異なったサウンディング参照信号(SRS)リソースを送信できることの指示を送信すること(902)であって、前記SRSリソースのそれぞれは少なくとも1つのSRSポートを含む、指示を送信すること(902)と、
前記UE(50)が複数のSRSリソースを同時に送信することが可能であることを指示する能力情報を送信することと、
各リストが前記UEによって同時には送信できないSRSリソースセットを含む、SRSリソースの複数のリストである、SRSの設定を受信することと、
少なくとも1つのSRSリソースの指示を受信すること(906)と、
指示された前記少なくとも1つのSRSリソースと関連付けられた前記UEのアンテナにおいて物理チャネルを送信すること(908)と、を含む、方法(900)。
【請求項2】
前記能力情報は、前記UE(50)が同時に送信できるのはどのSRSリソースかを指示する、請求項1に記載の方法(900)。
【請求項3】
前記方法(900)は、前記UE(50)における異なるアンテナサブセットにおいてマルチ入力マルチ出力(MIMO)レイヤを送信することをさらに含み、
前記方法(900)は、異なるSRSリソースに対応するアンテナポート間の相対位相を前記アンテナポートにおける送信の間に前記UE(50)が制御できないことの指示を送信することをさらに含み、
前記少なくとも1つのSRSリソースの指示を受信すること(906)は、複数のSRSリソースの指示を受信することをさらに含み、
前記物理チャネルを送信すること(908)は、指示された前記SRSリソースのそれぞれと関連付けられた異なるMIMOレイヤを送信することを含む、請求項1または2に記載の方法(900)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのSRSリソースのそれぞれに対応する少なくとも1つのプリコーダの指示を受信することと、
指示された少なくとも1つのSRSリソースと関連付けられた前記UE(50)のアンテナにおける指示された前記プリコーダを使用して前記物理チャネルを送信することと、をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法(900)。
【請求項5】
各SRSリソースインジケータに対応す
る複数のSRSリソース
の送信電力を調整するこ
とをさらに含み、
前記複数のSRSリソースのそれぞれの前記送信電力は、
前記複数のSRSリソースの他のSRSリソースの送信電力を調整する電力制御コマンドと異なっている電力制御コマンドによって調整される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(900)。
【請求項6】
パラメータのセットはそれぞれのSRSリソースインジケータと関連付けられ、前記方法は、前記送信電力を判定するために前記パラメータのセットを使用することを含み、パラメータのそれぞれのセットは、他のSRSリソースインジケータと関連付けられたパラメータのセットと異なっている、請求項5に記載の方法(900)。
【請求項7】
複数のSRSリソースは前記UE(50)に対して指示され、前記方法(900)は、
指示された前記複数
のSRSリソース内に含まれる全てのSRSポートの位相を連帯的に調整するプリコーダを使用して、
指示された前記複数
のSRSリソースに対応する複数のアンテナサブセットにおいて前記物理チャネルを送信することをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法(900)。
【請求項8】
無線ネットワークのネットワークノード(30)において、ユーザ機器(UE)(50)における異なるアンテナサブセットにおいて前記UE(50)からの送信を受信する方法(1100)であって、
前記UE(50)がいくつかの異なったサウンディング参照信号(SRS)リソースを送信できることの指示を受信することであって、前記SRSリソースのそれぞれは少なくとも1つのSRSポートを含む、指示を受信することと、
前記UE(50)が複数のSRSリソースを同時に送信することが可能であることを指示する能力情報を受信することと、
前記UE(50)にSRS送信要求を送ることであって、前記SRS送信要求は、前記UE(50)が同時に送信できないSRSリソースを送信するように前記UE(50)に命令することを回避するように前記ネットワークノード(30)によって構成される、SRS送信要求を送ることと、
前記UEから送信されたSRSリソースを受信することと、
受信した前記SRSリソースに基づいて少なくとも1つのSRSリソースを選択することと、
選択された前記少なくとも1つのSRSリソースの指示を前記UE(50)に送信することと、
指示された前記少なくとも1つのSRSリソースと関連付けられた前記UE(50)のアンテナにおいて前記UE(50)によって送信される物理チャネルを受信することと、を含む、方法(1100)。
【請求項9】
前記能力情報は、前記UE(50)が同時に送信できるのはどのSRSリソースかを指示する、請求項8に記載の方法(1100)。
【請求項10】
前記方法(1100)は、前記UE(50)における異なるアンテナサブセットにおいて送信されるMIMOレイヤを受信することをさらに含み、
前記方法(1100)は、異なるSRSリソースに対応するアンテナポート間の相対位相を前記アンテナポートにおける送信の間に前記UE(50)が制御できないことの指示を受信することをさらに含み、
前記少なくとも1つのSRSリソースの指示を送信することは、複数のSRSリソースを送信することを含み、
受信した前記物理チャネルは、指示された前記SRSリソースのそれぞれと関連付けられた異なるレイヤによって受信される、請求項8または9に記載の方法(1100)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのSRSリソースのそれぞれに対応する少なくとも1つのプリコーダの指示を送信することと、
指示された前記プリコーダを使用して送信された物理チャネルを受信することと、をさらに含む、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法(1100)。
【請求項12】
前記UE(50)に対する複数のSRSリソースインジケータのそれぞれに対応する電力制御コマンドを前記UE(50)に送信することで、他のSRSリソースインジケータに対応する送信電力を調整する電力制御コマンドと異なっている電力制御コマンドによって前記SRSリソースインジケータのそれぞれに対応する送信電力を調整することをさらに含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法(1100)。
【請求項13】
複数のSRSリソースは前記UE(50)に対して指示され、前記方法(1100)は、
指示された前記複数
のSRSリソース内に含まれる全てのSRSポートの位相を連帯的に調整するプリコーダを使用して、
指示された前記複数
のSRSリソースに対応する複数のアンテナサブセットにおいて送信される前記物理チャネルを受信することをさらに含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法(1100)。
【請求項14】
ユーザ機器(UE)(50)における異なるアンテナサブセットにおいて送信するように適合されたUE(50)であって、
前記UE(50)がいくつかの異なったサウンディング参照信号(SRS)リソースを送信できることの指示を送信することであって、前記SRSリソースのそれぞれは少なくとも1つのSRSポートを含む、指示を送信すること、
前記UE(50)が複数のSRSリソースを同時に送信することが可能であることを指示する能力情報を送信すること、
各リストが前記UEによって同時には送信できないSRSリソースセットを含む、SRSリソースの複数のリストである、SRSの設定を受信すること、
少なくとも1つのSRSリソースの指示を受信すること、および
指示された前記少なくとも1つのSRSリソースと関連付けられた前記UE(50)のアンテナにおいて物理チャネルを送信すること、を行うように適合された、UE(50)。
【請求項15】
ユーザ機器(UE)(50)における異なるアンテナサブセットにおいて前記UE(50)からの送信を受信するように適合された、無線ネットワークのネットワークノード(30)であって、
前記UE(50)がいくつかの異なったサウンディング参照信号(SRS)リソースを送信できることの指示を受信することであって、前記SRSリソースのそれぞれは少なくとも1つのSRSポートを含む、指示を受信すること、
前記UE(50)が複数のSRSリソースを同時に送信することが可能であることを指示する能力情報を受信すること、
前記UE(50)にSRS送信要求を送ることであって、前記SRS送信要求は、前記UE(50)が同時に送信できないSRSリソースを送信するように前記UE(50)に命令することを回避するように前記ネットワークノード(30)によって構成される、送信要求を送ること、
前記UEから送信されたSRSリソースを受信すること、
受信した前記SRSリソースに基づいて少なくとも1つのSRSリソースを選択すること、
選択された前記少なくとも1つのSRSリソースの指示を前記UE(50)に送信すること、および
指示された前記少なくとも1つのSRSリソースと関連付けられた前記UE(50)のアンテナにおいて前記UE(50)によって送信される物理チャネルを受信すること、を行うように適合された、ネットワークノード(30)。
【請求項16】
ユーザ機器(UE)(50)における異なるアンテナサブセットにおいて送信するように適合されたUE(50)であって、
送受信回路(56)と、
前記送受信回路(56)に動作可能に結合される処理回路(52)と、
前記処理回路(52)に結合されるメモリ(64)であって、前記処理回路(52)による実行のための命令を記憶することによって、前記処理回路(52)は前記送受信回路(56)に、
前記UE(50)が、いくつかの異なったサウンディング参照信号(SRS)リソースであって、前記SRSリソースのそれぞれは少なくとも1つのSRSポートを含む、SRSリソースを送信できることの指示を送信すること、
前記UE(50)が複数のSRSリソースを同時に送信することが可能であることを指示する能力情報を送信すること、
各リストが前記UEによって同時には送信できないSRSリソースセットを含む、SRSリソースの複数のリストである、SRSの設定を受信すること、
少なくとも1つのSRSリソースの指示を受信すること、および
指示された前記少なくとも1つのSRSリソースと関連付けられた前記UE(50)のアンテナにおいて物理チャネルを送信すること、
を行わせるように制御するように設定された、メモリ(64)と、を含む、UE(50)。
【請求項17】
ユーザ機器(UE)(50)の異なるアンテナサブセットにおける前記UE(50)からの送信を受信するように適合された、無線ネットワークのネットワークノード(30)であって、
送受信回路(36)と、
前記送受信回路(36)に動作可能に結合される処理回路(32)と、
前記処理回路(32)に結合されるメモリ(44)であって、前記処理回路(32)による実行のための命令を記憶することによって、前記処理回路(32)は前記送受信回路(36)に、
前記UE(50)が、いくつかの異なったサウンディング参照信号(SRS)リソースであって、前記SRSリソースのそれぞれは少なくとも1つのSRSポートを含む、SRSリソースを送信できることの指示を受信すること、
前記UE(50)が複数のSRSリソースを同時に送信することが可能であることを指示する能力情報を受信すること、
前記UE(50)にSRS送信要求を送ることであって、前記SRS送信要求は、前記UE(50)が同時に送信できないSRSリソースを送信するように前記UE(50)に命令することを回避するように前記ネットワークノード(30)によって構成される、SRS送信要求を送ること、
前記UEから送信されたSRSリソースを受信すること、
受信した前記SRSリソースに基づいて少なくとも1つのSRSリソースを選択すること、
選択された前記少なくとも1つのSRSリソースの指示を前記UE(50)に送信すること、および
指示された前記少なくとも1つのSRSリソースと関連付けられた前記UE(50)のアンテナにおいて前記UE(50)によって送信される物理チャネルを受信すること、
を行わせるように制御するように設定された、メモリ(44)と、を含む、ネットワークノード(30)。
【請求項18】
ユーザ機器(UE)(50)におけるプロセッ
サに対するプログラム命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記プログラム命令は、前記UE(50)に、前記プログラム命令が前記プロセッ
サによって実行される時、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法(900)を実行させるように設定された、コンピュータプログラム。
【請求項19】
ネットワークノード(30)におけるプロセッ
サに対するプログラム命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記プログラム命令は、前記ネットワークノード(30)に、前記プログラム命令が前記プロセッ
サによって実行される時、請求項8から13のいずれか一項に記載の方法(1100)を実行させるように設定された、コンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項18または19に記載のコンピュータプログラム
が記憶された、非一時的なコンピュータ可読
記憶媒体(44、64)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、無線ネットワークに関し、より詳細には、無線デバイスにおける異なるアンテナサブセットにおいての送信および受信を含む、複数のアンテナを有する無線デバイスのためのアップリンクサウンディング参照信号に対する設定の使用およびシグナリングに関する。
【背景技術】
【0002】
5Gまたは「新無線」(NR)と称されることが多い、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のメンバによって現在開発中の次世代モバイル無線通信システムは、様々な使用事例および様々な配置シナリオをサポートするものになる。後者は、今日のLong-Term Evolution(LTE)システムと同様の低周波数(数百MHz)、および超高周波数(数十GHzのmm波)両方における配置を含む。
【0003】
LTEの場合のように、NRは、ダウンリンクにおいて(すなわち、ネットワークノード、gNB、eNB、または他の基地局から、ユーザ機器、すなわちUEまで)直交周波数分割多重(OFDM)を使用することになる。アップリンクにおいて(すなわち、UEからgNBまで)、離散フーリエ変換(DFT)-拡散OFDMおよびOFDMの両方がサポートされることになる。
【0004】
よって、基本のNR物理リソースは、
図1に示されるように、LTEにおけるものと同様の時間周波数グリッドとして見られ得、この場合、それぞれのリソースエレメントは、1つのOFDMシンボル間隔中の1つのOFDMサブキャリアに対応する。Δf=15kHzのサブキャリアスペーシングが
図1に示されているが、異なるサブキャリアスペーシング値がNRにおいてサポートされる。NRにおける(異なるヌメロロジーとも称される)サポートされるサブキャリアスペーシング値は、Δf=(15×2
α)kHzにより与えられ、ここでαは非負整数である。
【0005】
さらに、LTEにおけるリソース割り当ては、典型的には、リソースブロック(RB)に関して説明され、この場合、リソースブロックは、時間領域における1つのスロット(0.5ms)、および周波数領域における12の連続したサブキャリアに対応する。リソースブロックは、システム帯域幅の一端から0を始めとして、周波数領域において番号付けされる。NRについて、リソースブロックはまた、周波数においては12のサブキャリアであるが、時間領域においてはさらに検討されている。RBは、以下の論述では(区別なく)物理RB(PRB)とも称される。
【0006】
時間領域において、NRにおけるダウンリンク送信およびアップリンク送信は、
図2に示されるように、LTEと同様の等しいサイズのサブフレームに整理されることになる。NRにおいて、(15×2
α)kHzの参照ヌメロロジーに対するサブフレーム長は厳密には1/2
αmsである。
【0007】
ダウンリンク送信は動的にスケジューリングされ、すなわち、それぞれのサブフレームにおいて、gNBは、どのUEデータが送信されるべきか、および現在のダウンリンクサブフレームにおけるどのリソースブロックにおいてデータは送信されるのかについてのダウンリンク制御情報(DCI)を送信する。現時点での理解によると、この制御シグナリングは典型的には、NRにおけるそれぞれのサブフレームでの最初の1つまたは2つのOFDMシンボルにおいて送信されることになる。制御情報は、物理制御チャネル(PDCCH)上で伝達され、データは、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上で伝達される。UEは最初に、PDCCHを検出かつ復号し、PDCCHがうまく復号される場合、UEは、PDCCHにおける復号された制御情報に基づいて対応するPDSCHを復号する。それぞれのUEには、同じサービングセル内で一意であるC-RNTI(セル無線ネットワーク一時識別子)がアサインされる。UEに対するPDCCHのCRC(巡回冗長検査)ビットはUEのC-RNTIによってスクランブルがかけられるため、UEは、PDCCHのCRC(巡回冗長検査)ビットにスクランブルをかけるために使用されるC-RNTIを検査することによってそのPDCCHを認識する。
【0008】
アップリンクデータ送信はまた、PDCCHを使用して動的にスケジューリングされる。UEは最初に、PDCCHにおけるアップリンクグラントを復号した後、変調次数、符号化速度、アップリンクリソース割り当てなどを指定可能である、アップリンクグラントにおける復号された制御情報に基づいて、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上でデータを送信する。
【0009】
LTEにおいて、半永続的スケジューリング(SPS)はまた、アップリンクおよびダウンリンクの両方においてサポートされることによって、一連の周期的なデータ送信は単一のPDCCHによってアクティブ化または非アクティブ化される。SPSでは、アクティブ化後のデータ送信のために送信されるPDCCHはない。SPSにおいて、PDCCHのCRCは、UEがSPSをサポートする場合にUEに対して設定されるSPS-C-RNTIによってスクランブルがかけられる。
【0010】
PUSCHに加えて、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)はまた、HARQ(ハイブリッド自動再送要求)関連の肯定応答(ACK)、否定応答(NACK)、またはチャネル状態情報(CSI)フィードバックなどのアップリンク制御情報(UCI)を伝達するために、NRにおいてサポートされる。
【0011】
コードブックベースのプリコーディング
マルチアンテナ技法は、無線通信システムのデータ速度および信頼性を大幅に増大させることができる。性能は、送信機および受信機の両方が複数のアンテナを備える場合にとりわけ改善され、これによって、マルチ入力マルチ出力(MIMO)通信チャネルがもたらされる。このようなシステムおよび/または関連技法は、一般的にMIMOと称される。
【0012】
NR標準は現在指定されているが、NRにおけるコアコンポーネントは、MIMOアンテナ配置およびMIMO関連技法のサポートであると予想される。NRは、チャネル依存プリコーディングによって少なくとも4つのアンテナポートを使用する少なくとも4レイヤ空間多重化によってアップリンクMIMOをサポートすることが予期される。空間多重化モードは、有利なチャネル条件における高データ速度を目標とする。CP-OFDM(サイクリックプレフィックスOFDM)がアップリンクにおいて使用される場合の空間多重化動作の例示が
図3に提供される。
【0013】
見られるように、シンボルベクトルsを伝達する情報には、NT×rプリコーダ行列Wを乗じ、これは、(NTアンテナポートに対応する)NT次元ベクトル空間のサブスペースにおける送信エネルギーを分散させるのに役立つ。プリコーダ行列は典型的には、可能なプリコーダ行列のコードブックから選択され、かつ典型的には、所与の数のシンボルストリームについてのコードブックにおける一意のプリコーダ行列を指定する、送信プリコーダ行列インジケータ(TPMI)によって指示される。sにおけるrのシンボルは、それぞれレイヤに相当し、rは送信ランクと称される。このように、空間多重化は、複数のシンボルが同じ時間/周波数リソースエレメント(TFRE)上で同時に送信可能であるため、達成される。シンボルrの数は、典型的には、現在のチャネル特性に適合させるために適合される。
【0014】
LTEにおけるPUSCHに対する単なるDFT拡散OFDMとは対照的に、CP-OFDMはNRにおけるアップリンクMIMOに対してサポートされるため、NR MIMOコードブック設計は、LTEリリース10のアップリンクMIMOに対して必要とされたのと同じ程度の設計係数としてUEの電力増幅器のピーク対平均電力比(PAPR)の増大を気にする必要はない。従って、PAPRの増大が限定されたコードブック、およびPAPRの増大が比較的高いコードブックは両方共、NRアップリンクMIMOに適する可能性がある。その結果として、NRアップリンクMIMOに対する適したコードブックは、既存の3GPP技術仕様36.211の5.3.3A項に規定されるアップリンクMIMOコードブック、および3GPP技術仕様36.211の6.3.4.2.3項、および3GPP技術仕様36.213の7.2.4項におけるダウンリンクMIMOコードブックを含んでよい。
【0015】
サブキャリアn(または、代替的には、データTFRE数n)に対するある特定のTFREについての受信されたNR×1ベクトルynは、
yn=HnWsn+en、式1
によってモデル化される。ここで、enはランダムプロセスの実現として得られる雑音/干渉ベクトルである。プリコーダWは、広帯域プリコーダであり、これは、周波数上で一定である、または周波数選択的である。
【0016】
プリコーダ行列Wは、NRxNT MIMOチャネル行列Hnの特性をマッチさせることで、いわゆるチャネル依存プリコーディングが生じるように選定されることが多い。これはまた、一般に閉ループプリコーディングと称され、基本的に、送信エネルギーを部分空間に集中させることで、送信されるエネルギーの多くをUEに伝える意味で強力になるように努める。さらに、プリコーダ行列は、また、チャネルを直交させるように努めるために選択されてよく、これは、UEにおける適正な線形等化後に、レイヤ間干渉が低減されることを意味する。
【0017】
UEがプリコーダ行列Wを選択するための1つの方法例として可能なのは、仮定の等価チャネルのフロベニウスノルムを最大化するW
kを選択することである。
ここで、
は、場合によって、サウンディング参照シンボル(SRS)から導出されるチャネル推定であり、
W
kは、インデックスkの仮定のプリコーダ行列であり、
は、仮定の等価チャネルである。
【0018】
NRアップリンクに対する閉ループプリコーディングにおいて、送信ポイント(TRP)は、逆のリンク(アップリンク)におけるチャネル測定に基づいて、UEがこのアップリンクアンテナにおいて使用するべきであるTPMIをUEに送信する(「TRP」という用語は、特定のeNB、gNB、アクセスポイント、もしくは他の送信ポイントに、または1つもしくは複数の送信ポイントのためのコントローラに相当し得る)。gNodeB(gNB)は、UEが、チャネル測定を有効にするためにアップリンク送信に対して使用しようとする、UEアンテナ数に従ってSRSを送信するように設定する。大きな帯域幅をカバーすることになっている単一のプリコーダ(広帯域プリコーディング)はシグナリングされ得る。チャネルの周波数偏差、および、フィードバックの代わりの、1サブバンドごとに1つの、周波数選択プリコーディングレポート、例えば、いくつかのプリコーダおよび/またはいくつかのTPMIをマッチさせることも有益であり得る。
【0019】
TPMI以外の情報は、一般的に、SRSリソースインジケータ(SRI)のみならず、送信ランクインジケータ(TRI)などのアップリンクMIMO送信状態を判定するために使用される。これらのパラメータ、ならびに、変調符号化状態(MCS)、およびPUSCHが送信されるアップリンクリソースはまた、UEからのSRS送信から導出されるチャネル測定によって判定される。送信ランク、ひいては、空間多重化レイヤの数は、プリコーダWのカラムの数に反映される。効率的な性能にとって、チャネル特性にマッチする送信ランクが選択されることは重要である。
【0020】
CSI-RSリソース
LTEにおいて、UEは、クラスBのeMIMOタイプが使用される場合のダウンリンクチャネル状態情報(CSI)取得目的のための複数のチャネル状態情報参照シンボル(CSI-RS)リソースが設定可能である。CSI-RSリソースは、時間周波数リソースグリッドにおいてある特定の位置におけるある特定の数のCSI-RSを規定し、かつ、ある特定の準コロケーション(QCL)想定、および別の参照信号に向けた相対的な電力レベルと関連付け可能である。それぞれのCSI-RSリソースにおけるCSI-RSは、典型的には、異なる送信ビームを形成するように異なるプリコーディングウェイトによってプリコーディングされる。CSIレポート手順の一部として、UEは、CSI-RSリソースインジケータ(CRI)によって、好ましい送信ビームに対応する好ましいCSI-RSリソースを選択してよい。UEは次いで、プリコーダ検索を実行することによって、選択されたCSI-RSリソースのための適切なPMI、RI、および対応するCQIを判定する。よって、UEは最初に、最良のCSI-RSリソースを選択した後、選択されたCSI-RSリソース内のプリコーダコードブックを適用する。
【0021】
制御シグナリング
LTE制御シグナリングは、PDCCHまたはPUCCHにおいて、PUSCHにおける埋め込み、媒体アクセス制御(MAC)制御エレメント(MAC CE)において、または無線リソース制御(RRC)シグナリングにおいてといったものを含んで、さまざまなやり方で伝達可能である。これらの機構のそれぞれは、特定の種類の制御情報を伝達するためにカスタマイズされる。
【0022】
PDCCH、PUCCHにおいて伝達される、またはPUSCHに埋め込まれる(「上でピギーバックされる」)制御情報は、3GPP TS36.211、3GPP TS36.212、および3GPP TS36.213に説明されるようなダウンリンク制御情報(DCI)、アップリンク制御情報(UCI)などの物理レイヤ関連制御情報である。DCIは一般的に、機能を実行するために必要とされる情報を提供するある物理レイヤ機能を実行するようにUEに命令するために使用される。UCIは一般的に、CQI、PMI、RI、および/またはCRIを含む、HARQ-ACK、スケジューリング要求(SR)、チャネル状態情報(CSI)などの必要とされる情報をネットワークに提供する。UCIおよびDCIは、サブフレームごとに送信可能であるため、高速フェージング無線チャネルと共に変化する可能性があるものを含む、急速に変化するパラメータをサポートするように設計される。UCIおよびDCIは全てのサブフレームにおいて送信可能であるため、所与のセルに対応するUCIまたはDCIは、制御オーバーヘッドの量を限定するために、およそ数十ビットである傾向がある。
【0023】
MAC CEにおいて伝達される制御情報は、3GPP TS36.321に説明されるように、アップリンクおよびダウンリンク共有トランスポートチャネル(UL-SCHおよびDL-SCH)上のMACヘッダにおいて伝達される。MACヘッダは固定サイズを有さないため、MAC CEにおける制御情報は、必要とされる時に送られ得、必ずしも固定オーバーヘッドを表さない。また、MAC CEは、より大きい制御ペイロードを効率的に伝達可能であるが、これは、それらMAC CEが、リンク適合、HARQから有益であるUL-SCHまたはDL-SCHトランスポートチャネルにおいて伝達され、かつターボ符号化可能であるからである。MAC CEは、タイミングアドバンスを維持することまたはバッファ状態レポートなどのパラメータの固定セットを使用する繰り返しタスクを実行するために使用されるが、これらのタスクは一般的に、サブフレームごとのMAC CEの送信を必要としない。その結果として、PMI、CQI、RI、およびCRIなどの高速フェージング無線チャネルに関連しているチャネル状態情報は、リリース14までのLTEにおけるMAC CEでは伝達されない。
【0024】
マルチパネルUEアンテナアレイ
UEアンテナアレイを構築する時、一般的に、同じ電力レベルで所与の受信するTRPによって見られるように同じ角度カバレッジによるアンテナを有することは、困難である可能性がある。これは、NRによってサポートされるミリメートル波周波数においてとりわけ困難である可能性がある。さらに、小型のモバイルデバイスにおいて利用可能な限られた空間において接近してUEのアンテナおよび送信機(TX)チェーンの全てを設置することは難しい場合がある。1つの構築手法として、
図4に示されるように、UE TXチェーンが、1パネルごとに1つまたは複数の送信チェーンを有する「パネル」に分割されるモジュールアプローチを使用することがある。このようなマルチパネルのUEは一般的に、異なる方向を指し示すエレメントパターンのパネルを有するようにモデル化されるが、1パネル内のアンテナエレメントは、3GPP技術レポート38.802において論述されるように、一般に同じ方向を指し示すエレメントパターンを有する。異なるパネルにおける送信チェーンがUEにおいて分離可能であるため、1パネルにおけるアンテナエレメント間の較正および位相コヒーレンスを維持することよりも、異なるパネルにおけるアンテナエレメント間の較正および位相コヒーレンスを維持することの方が困難である場合がある。よって、パネル間の、周波数オフセット、タイミング不整合、および/または位相オフセットが存在し得る。異なるパネルのTXチェーンの間の位相コヒーレンスの態様はさらに以下に論じられる。
【0025】
図4における例は、合計8のアンテナエレメントを有する4パネルUEアレイを示す。それぞれのパネルは、独立したTXチェーンによって駆動される同様のアンテナパターンを有する2つのエレメントを含む。アンテナエレメントパターンは、おおよそ90度のビーム幅を有することで、4パネルによって共に全方向がカバーされる。「パネル」という用語は概念的に、例えば、別個の印刷回路基板上に実装されるように、物理的に異なった、分離されたアンテナグループを有するという概念に関するが、本明細書におけるこの概念の使用が、この物理的な意味で別個でありかつ異なったアンテナグループに限定されると理解されるべきではないことは、留意されたい。
【0026】
NRにおけるSRS送信
サウンディング参照信号(SRS)は、LTEにおけるさまざまな目的のために使用され、かつNRにおける同様の目的にサーブすることが予想される。SRSについての1つの主要な使用は、(どのMCS状態でUEが送信するべきかの判定を含む)アップリンクリンク適合、および/または周波数選択スケジューリングを有効にするためのチャネル品質推定を可能にする、アップリンクチャネル状態推定に対するものである。アップリンクMIMOの文脈において、これらSRSはまた、UEがこのアップリンクアンテナアレイにおける送信のためにSRSを使用する時、良好なアップリンクスループットおよび/またはSINRを提供するプリコーダならびにレイヤ数を判定するために使用可能である。さらなる使用には、電力制御およびアップリンクタイミングアドバンス調整が含まれる。
【0027】
LTE標準のリリース14に従って設計されるUEと違って、少なくともいくつかのNR UEは、複数のSRSリソースを送信することが可能であってよい。これは概念的には、ダウンリンクにおける複数のCSI-RSリソースの使用と同様であり、SRSリソースは1つまたは複数のSRSポートを含み、UEは、ビーム成形器および/またはプリコーダをSRSリソース内のSRSポートに適用可能であることで、これらリソースは、同じ有効アンテナパターンによって送信されるようにする。UEにおいて複数のSRSリソースを規定するための主要な動機は、UEにおけるアナログビーム形成をサポートすることであり、この場合、UEは、さまざまなビームパターンで送信できるが、一度に1つのみである。このようなアナログビーム形成は、特に、NRによってサポート可能であるより高い周波数において、比較的高い指向性を有することができる。
【0028】
以前のLTEアップリンクMIMOおよび送信ダイバーシチ設計は、高い指向性のビーム形成が異なるSRSポートにおいて使用可能であるため、単一のSRSリソースが十分である場合に重点を置いていない。NR UEが異なるビームにおいて送信する時、TRPによって受信される電力は、どのビームが使用されるかに応じて実質的に異なっている可能性がある。1つのアプローチは、単一のSRSリソースを有することであり得るが、送信に使用するためのビームがどれであるかをUEに指示することとすることができる。しかしながら、UEアンテナ設計はUEの間で広く変化し、かつUEアンテナパターンは非常に不規則である得るため、TRPがUEアップリンクプリコーディングまたはビーム形成を制御可能であるUEアンテナパターンの所定のセットを有することは実行不可能である。従って、NR UEは、それぞれのSRSリソース上の異なった有効アンテナパターンを使用して複数のSRSリソースにおいて送信することができることで、TRPは、UEによって使用される異なる有効アンテナパターンに対する複合チャネル特性および品質を判定することが可能になる。それぞれの有効アンテナパターンと対応するSRSリソースとのこの連係を仮定して、TRPはさらにまた、1つまたは複数の有効アンテナパターンのうちのどれが、1つまたは複数のSRSリソースインジケータ、すなわち「SRI」を通してPUSCH(または、他の物理チャネルもしくは信号)における送信に使用されるべきであるかをUEに指示することができる。
【0029】
UE実装形態に応じて、互いに対する送信チェーンの相対位相を維持することは可能であってよい。この場合、UEは、それぞれの送信チェーン上のビームを選択することによって、および送信チェーン間の異なるゲインおよび/または位相を使用して両方の送信チェーンの選択されたビーム上の同じ変調シンボルを送信することによって、適合アレイを形成することができる。制御された位相を有する複数のアンテナエレメントにおける共通の変調シンボルまたは信号のこの送信は、「コヒーレント」送信と標示可能である。LTEリリース10におけるコヒーレントなアップリンクMIMO送信のためのサポートは、アップリンク空間多重化のための相対的送信位相連続性に対する機能グループ指示によって指示され、ここで、UEは、コヒーレント送信をサポートするために経時的に送信チェーンの相対位相を適切に維持することができるかどうかを指示する。
【0030】
他のUEの実装形態では、送信チェーンの相対位相はあまり制御されていない恐れがあり、コヒーレント送信は使用されない場合がある。このような実装形態では、一度に送信チェーンのうちの1つにおいて送信すること、または、送信チェーンにおいて異なる変調シンボルを送信することが依然可能であってよい。後者の場合、それぞれの送信チェーンにおける変調シンボルは、空間多重化または「MIMO」レイヤを形成することができる。送信方式のこのクラスは、「非コヒーレント」送信と称される場合がある。このような非コヒーレント送信方式は、複数の送信チェーンによるLTEリリース10のUEによって使用され得るが、相対送信位相連続性をサポートしない。
【0031】
複数の送信チェーン上でのアナログビーム形成の使用例が
図5に表されている。ここで、それぞれの送信チェーンは、位相アレイによって生じたビームのセットの間で切り換え可能である電力増幅器を含む。送信チェーンは、それぞれ2つの送信チェーンの2つのセットにグループ化される。それぞれのセット内の送信チェーンは、同じビーム方向を有するが、異なるセットは異なる方向をカバーするビームを有してよい。例示のためにそれぞれの送信チェーンは4つのアナログビームのうちの1つを選択することができ、2つの送信チェーンのセットは、相対する方向を指し示すことが想定される。従って、送信チェーンのそれぞれのセットは、3GPP TR38.900および3GPP TR38.802において規定されるような「パネル」に対応することができるため、例示のために「パネル」という用語をここで使用する。
【0032】
図5において、有効アンテナパターン#0および#7は、第1のパネルおよび第2のパネルそれぞれにおける同時送信のために選択されることが想定される。しかしながら、アナログビーム形成の使用により、例えば、有効アンテナパターン#0および#1の同時送信は、1パネル内で選択されたアナログビームであるため、可能ではない。UEの実装形態は変化するものであるため、複数のSRSポートおよびリソースの使用に基づいてどの有効アンテナパターンがUEによって同時に送信可能であるかをTRPが判定できるようにするための機構が必要とされる。第2の問題は、コヒーレント送信が異なるSRSリソースと関連付けられたSRSポートの間で可能であるかどうかをどのように判定するかである。LTE UEの相対送信位相連続性は全ての送信チェーンに該当し、これは、マルチパネルのNR UEにとって過度の簡略化である場合があるが、これは、1パネル内のエレメントの間の位相コヒーレンスがパネル間よりも達成が容易である場合があるからである。
【0033】
電力制御
モバイルシステムにおいて、送信機、ダウンリンクにおける基地局、およびアップリンクにおける移動局の出力電力レベルを設定することは、一般に電力制御(PC)と称される。PCの目的は、容量の改善、カバレッジ、システム堅牢性の改善、および電力消費の低減を含む。
【0034】
LTEにおいて、PC機構は、(i)開ループ、(ii)閉ループ、および(iii)開/閉ループの組み合わせのグループに分類可能である。これらは、送信電力を判定するために何の入力が使用されるかという点で異なっている。開ループの場合、送信機は、受信機から送られるある信号を測定し、かつこれに基づいてこの出力電力を設定する。閉ループの場合、受信機は送信機からの信号を測定し、かつこれに基づいて送信機に送信電力制御(TPC)コマンドを送り、送信機はさらにまた、それに応じてこの送信電力を設定する。開/閉ループの組み合わせ方式では、両方の入力を使用して送信電力を設定する。
【0035】
端末と基地局との間の複数のチャネル、例えば、トラヒックチャネルおよび制御チャネルによるシステムにおいて、異なる電力制御原理は、異なるチャネルに適用され得る。異なる原理を使用することは、電力制御原理を個々のチャネルの必要性に適合させることにおいてより多くの自由度をもたらす。欠点は、いくつかの原理を維持する複雑さの増大である。
【0036】
例えば、LTEリリース10において、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)送信のためのUE送信電力の設定は、以下のように規定される。
PPUCCH=min{PCMAX,c’P0,PUCCH+PLDL+∇Format+δ}
ここで、PPUCCHは所与のサブフレームにおいて使用するための送信電力であり、PLDLはUEによって推定されるパスロスである。PUSCHについて、代わりに以下の式を使用するものがある。
PPUSCH,c=min{PCMAX,c-PPUCCH,P0,PUSCH+αPLDL+10log10M+∇MCS+δ}
式中、cはサービングセルを示し、PPUSCH,cは所与のサブフレームにおいて使用するための送信電力である。また、PLDLがUE送信に対する電力レベルを設定することの一部であることは留意されたい。このことから、UEによって行われるパスロス推定がPCの重要な役割を果たすことは明らかである。パスロスはさらには、ダウンリンク(DL)送信から推定されなければならず、典型的には、参照信号に対する測定によって行われる。
【発明の概要】
【0037】
NRはUEにおけるアナログビーム形成の使用を容易にするための複数のSRS送信をサポートするものになるが、どのUEのビームが同時に送信可能であるか、またはどれがコヒーレントに組み合わせ可能であるかを判定するための機構が依然規定されていない。
【0038】
詳細に後述されるいくつかの実施形態によると、UEは、いくつかの異なったSRSリソースを送信できることを指示し、ここでSRSリソースのそれぞれは、いくつかのSRSポートを含む。この指示は、例えば、良好な角度カバレッジのためにUEが必要とするのはどれだけのビームかを判定するために、および、同様の方向においてUEが送信できるのはどれだけのレイヤかを判定するために、ネットワークによって使用可能である。指示はまた、UEパネルから送信できるのはどれだけのレイヤかを判定するために使用可能である。
【0039】
いくつかの実施形態におけるUEはまた、SRSリソースのグループを指示し、ここで、1グループにおけるそれぞれのSRSは同時に送信されない恐れがあるが、異なるグループにおけるSRSリソースは同時に送信可能である。ネットワークは、この情報を使用して、UEが同時に送信できるのはどの送信チェーンであるかを判定することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、UEはさらにまた、PUSCHのためのプリコーディングを判定するために使用するべきである少なくとも1つのSRSリソースの指示を受信する。UEは、PUSCHを伝達するエレメントの仮想アレイを形成するために選択されたSRSリソースにおいてそれぞれのSRSポートに対して使用されるのと同じプリコーダまたはアナログビーム成形器を適用するものとする。この場合、仮想アレイは、指示されるSRSリソースと同じ数のPUSCHのための仮想アンテナを有する。いくつかの実施形態では、UEはさらに、仮想エレメントを組み合わせるために使用するものとするプリコーダを指示するTPMIを受信してよく、それによって、選択されたSRSリソース内のSRSポートに対応するPUSCHアンテナエレメントのコヒーレントな組み合わせが可能になる。
【0041】
最後に、これらの実施形態のいくつかにおけるUEは、選択されたSRSおよび/またはTPMIから判定されるプリコーディングおよび/またはアナログビーム形成を使用してPUSCHを送信する。
【0042】
本明細書に開示される技法のいくつかの態様によると、異なるアンテナサブセットにおいて送信するように適合されるUEは、UEがいくつかの異なったRSリソースを送信できることの指示を送信し、ここで、RSリソースのそれぞれは少なくとも1つのRSポートを含む。UEは、UEが複数のRSリソースにおいて同時に送信することが可能であることを指示する能力情報を送信すること、および/または第1のRS設定および第2のRS設定を受信する。この場合、第1のRS設定は、PUSCH送信に使用されるRSリソース指示に少なくとも対応するSRSリソースの第1のリストであり、第2のRS設定は、SRS送信に使用され得るRSリソースの第2のリストである。UEは、少なくとも1つのRSリソースの指示を受信し、かつ指示されたRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいて物理チャネルを送信する。
【0043】
いくつかの実施形態によると、UEにおいて、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいて送信する方法は、UEがいくつかの異なったRSリソースを送信できることの指示を送信することであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、送信することを含む。方法は、UEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を送信することを含む。方法はさらに、少なくとも1つのRSリソースの指示を受信することと、指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいて物理チャネルを送信することとを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、UEは、アンテナポートにおける送信の間に異なるSRSリソースに対応するアンテナポート間の相対位相を制御できないことを指示する。UEはさらにまた、複数のSRSリソースの指示を受信した後、SRSリソースのうちの1つに対応する1アンテナ上の1つの変調シンボルを、およびSRSリソースのもう一方のものに対応する異なるアンテナ上の異なる変調シンボルを送信することができる。このように、異なるアンテナサブセットにおける異なるMIMOレイヤによる非コヒーレントMIMO送信は、これらの送信チェーンの全てのコヒーレントな組み合わせをサポートしないUEにおいてサポート可能である。
【0045】
いくつかの関連の実施形態では、UEは複数のTPMIを受信し、ここで、それぞれのTPMIは複数のSRSリソースのうちの1つに相当し、SRSリソースのそれぞれにおけるそれぞれのSRSポートに対応する仮想PUSCHアンテナエレメントを組み合わせるために適用されるプリコーダを指示する。このように、コヒーレントMIMO送信はSRSリソースに対応する送信チェーン上で使用可能であるが、異なるMIMOレイヤによる非コヒーレントMIMO送信は異なるSRSリソースに対応する異なるアンテナサブセットに使用される。
【0046】
本明細書に説明される技法およびデバイスによって、アナログビーム形成および複数のTXチェーンによるUEは、全てのTXチェーンにおいて送信可能である。異なるアナログビームのコヒーレントな組み合わせをサポートするUEは、異なるアナログビーム上でMIMOレイヤを送信可能である。アナログビームのコヒーレントな組み合わせをサポートしないUEは、異なるアナログビーム上で異なるMIMOレイヤを送信できる。
【0047】
いくつかの実施形態によると、無線ネットワークのネットワークノードにおいて、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいてUEからの送信を受信する方法は、UEがいくつかの異なったRSリソースを送信できることの指示を受信することであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、受信することを含む。方法はまた、UEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を受信することと、受信した指示に基づいて少なくとも1つのRSリソースを選択することとを含む。方法はさらに、選択された少なくとも1つのRSリソースの指示をUEに送信することと、指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいてUEによって送信される物理チャネルを受信することとを含む。
【0048】
いくつかの実施形態によると、無線ネットワークのネットワークノードにおいて、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいてUEからの送信を受信する方法は、UEがいくつかの異なったRSリソースを送信できることの指示を受信することであって、RSリソースのそれぞれは少なくとも1つのRSポートを含む、受信することを含む。この方法はさらに、UEが複数のRSリソースにおいて同時に送信することが可能であることを示す能力情報を受信すること、および/または、UEに、第1のRS設定および第2のRS設定を送ることであって、第1のRS設定は、PUSCH送信に使用されるRSリソース指示に少なくとも対応するSRSリソースの第1のリストであり、第2のRS設定は、SRS送信に使用され得るRSリソースの第2のリストである、第1のRS設定および第2のRS設定を送ること、および/または、UEに送信要求を送ることであって、送信要求は、UEが同時に送信できないSRSリソースを送信するようにUEに命令することを回避するようにネットワークノードによって構成される、送信要求を送ることを含む。この方法は、またさらに、受信した指示に基づいて少なくとも1つのRSリソースを選択することと、選択された少なくとも1つのRSリソースの指示をUEに送信することと、指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいてUEによって送信される物理チャネルを受信することとを含む。
【0049】
いくつかの実施形態によると、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいて送信するように適合されるUEは、送受信回路と、送受信回路に動作可能に結合されるプロセッサと、処理回路に結合されるメモリであって、プロセッサによる実行のための命令を記憶することによって、プロセッサは送受信回路を制御するように設定される、メモリと、を含む。送受信回路は、UEが、いくつかの異なったRSリソースであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、RSリソースを送信できることの指示を送信するように、および、UEが同時に送信できるのはどのRSリソースであるかの指示を送信するように制御される。送受信回路はまた、少なくとも1つのRSリソースの指示を受信するように、および、指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいて物理チャネルを送信するように制御される。
【0050】
いくつかの実施形態によると、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいてUEからの送信を受信するように適合される無線ネットワークのネットワークノードは、送受信回路と、送受信回路に動作可能に結合されるプロセッサと、処理回路に結合されるメモリであって、プロセッサによる実行のための命令を記憶することによって、プロセッサは送受信回路を制御するように設定される、メモリと、を含む。送受信回路は、UEが、いくつかの異なったRSリソースであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、RSリソースを送信できることの指示を受信するように制御される。送受信回路はまた、UEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を受信するように、および、受信した指示に基づいて少なくとも1つのRSリソースを選択するように制御される。送受信回路は、選択された少なくとも1つのRSリソースの指示をUEに送信するように、および、指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいてUEによって送信される物理チャネルを受信するように制御される。
【0051】
さらなる実施形態は、装置、コンピュータプログラム製品、および、処理回路によって実行される時、上述される実施形態の動作を行うようにする命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体を含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図2】15kHzのサブキャリアスペーシングによるLTE時間領域構造を示す図である。
【
図3】NRにおけるプリコーディングされた空間多重化の送信構造を示す図である。
【
図4】例示の4パネル、8エレメントのUEアンテナアレイを示す図である。
【
図5】例示の、1パネルごとに4つの異なった有効アンテナパターンを有する2パネルを示す図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態による例示の技法を示すプロセスおよび信号フロー図である。
【
図7】1パネルごとに異なる数のSRSリソースをサポートするUEを示す図である。
【
図9】いくつかの実施形態による例示の方法を示すプロセスフロー図である。
【
図10】例示のネットワークノードを示す図である。
【
図11】いくつかの実施形態による別の例示の方法を示すプロセスフロー図である。
【
図12】28GHzにおける2つの単一ポートパネルにわたる、ランク1送信のための、異なる送信方式と異なるコードブックとの間の達成可能なチャネルゲインを示す図である。
【
図13】28GHzにおける2つの単一ポートパネルにわたる、ランク1送信のための、異なる送信方式と異なるコードブックとの間の達成可能なチャネルゲインを示す図である。
【
図14】28GHzにおける4つの単一ポートパネルにわたる、ランク1送信のための、異なる送信方式と異なるコードブックとの間の達成可能なチャネルゲインを示す図である。
【
図15】28GHzにおける4つの単一ポートパネルにわたる、ランク1送信のための、異なる送信方式と異なるコードブックとの間の達成可能なチャネルゲインを示す図である。
【
図17】例示のネットワークノードの機能表現を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
複数のSRIベースのPUSCH送信
上で論じられるように、UEは、複数のSRIを使用してPUSCHを送信するように命令されてよく、このような送信はコヒーレントにまたは非コヒーレントに行われてよい。TRPまたはgNBに対して所与のSRIをUEの有効アンテナパターンと関連付けるために、eNB(または、gNB、他の基地局、もしくはアクセスポイント)は、どれだけの有効アンテナパターンがUEによって必要とされるのか、さらにまた、同じ有効アンテナパターンを使用してUEが同時に送信しなければならないアンテナポートはどれだけかを知っているべきである。
【0054】
図6は、これらの問題点に対処するために本明細書に説明される技法のいくつかの実施形態を要約するフローチャートを示す。図において、本明細書の残りの部分にあるように、「UE」という用語は、複数のSRSリソースにおけるSRSの送信をサポートする任意の無線デバイスに言及すると理解されてよく、「TRP」という用語は、特定のeNB、gNB、アクセスポイント、もしくは他の送信ポイントに、または、1つまたは複数の送信ポイントのためのコントローラに相当し得る。同様に、NRにおける基地局を説明するために一般的に使用される「gNB」という用語は、ここでは、より一般的には、任意の基地局、アクセスポイント、または送信ポイントに言及すると理解されるべきである。
【0055】
図6に示される第1のステップにおいて、UEは、UEが使用したいSRSリソースはどれだけか、どれだけのSRSリソースが同時に送信可能であるか、および1SRSリソースごとのポートの数に関する情報を送信する(ブロック602)。これは、SRSリソースグループの数、1グループごとのSRSリソースの数、および1SRSリソースごとのSRSポートの数を示すことを含んでよい。いくつかの実施形態において、このステップは、どのSRSリソースがUEによって同時に送信され得るかの指示を含む。より詳細に後述されるいくつかの実施形態では、同時に送信可能であるSRSリソースは、SRSリソースグループの数、および1グループごとのSRSリソースの数に基づく固定マッピングを使用して判定可能である。他の実施形態では、より多くのパラメータを使用して、同時に送信され得るSRSリソースを識別する。一般的に、このステップは、より詳細に後述されるように、多くの異なるやり方で行われ得る。
【0056】
図6に示される次のステップにおいて、TRPは、第1のステップにおいて受信されるUE能力についての情報に基づいて、UEに使用されるべきSRSリソースを規定し、かつこの情報をUEにシグナリングする(ブロック604)。これは、UE能力における情報に基づいてSRSリソースおよび対応するSRIによってUEを設定することを含んでよい。
【0057】
UEがUL送信に対してスケジューリングされるべきである時はいつでも、TRPは、SRS送信要求をUEに送信することで、どのSRSリソースが送信されるべきであるかをUEに通知することから開始する(ブロック606)。SRSリソースの以前の設定に基づいて、UEは、それぞれのSRSリソースをある特定の送信チェーンのある特定のビームに直接マッピングすることができる。TRPは、UEが同時に送信できないSRSリソースを同時に送信するようにUEに命令することを回避するように、どのSRSリソースがUEによって同時に送信可能であるかの指示を使用してよい。
【0058】
次のステップでは、UEはSRSリソースを送信し(ブロック608)、TRPはこれらSRSリソースを測定し、かつこれからのUL送信に対して好ましいSRSリソースおよび対応するTPMIを判定する(ブロック610)。TRPはさらにまた、SRIおよびTPMIをUEにシグナリングし、UEはこれらをこれからのPUSCH送信に対して適用する(ブロック612)。破線による矢印およびテキストボックスがオプションの要素であり、これらが例証される方法の全ての実装形態または全ての事例に必ずしも現れるとは限らないことは、留意されたい。
【0059】
SRSリソースおよびPUSCH送信に対するUE能力
ここで、SRSリソースおよびPUSCH送信に対するUE能力を指示するための機構について説明する。これらの機構は、アナログビーム形成が、1「パネル」ごとに2つの送信チェーンの4つの送信チェーンにおいて使用され、パネルは異なる方向をカバーする場合の、
図5の例示の設定を通して理解可能である。当然ながら、ここでの機構は、任意の数の「パネル」、または、1セットごとに任意の数の送信チェーンを有する送信チェーンのセットをカバーするように一般化可能である。
【0060】
図5に示される例では、(1パネルにおけるそれぞれの送信チェーンが同じパネルにおける他の送信チェーンと同じ4つのビームボアサイトを使用すると仮定すると)1パネルごとに4つの一意のビームがあるため、UEはさらにまた、もたらし得る8つの一意のビームを有する。これらは、図において0~7の番号が付けられる。それぞれのビームがTRPによって異なる電力レベルにおいて受信可能であるため、TRPは、UEがもたらし得るこのビームの総数(またはより一般的には、有効アンテナパターン)について通知されるものとする。これを行うための1つのやり方は、UEがUE能力として8つのSRSリソースをサポートする(または、代替的には必要とする)可能性があることをUEがTRPに指示することである。一般的に、UE能力におけるSRSリソースの数は、1パネルごとに異なる数のビームがある事例に反映する可能性があり、この場合、SRSリソースの数は、それぞれのパネルに必要とされる全てのSRSリソースの単なる合計であり、すなわち、パネルごとの異なったビームの数が、パネルにおけるビームに対する十分な角度カバレッジを提供するために、生じ得る、または、すなわち、必要とされる可能性がある。場合によっては、UEは、パネル間で重複するビームを有する場合があるため、所与のビーム方向は1つのパネルにおいてのみ使用されてよく、UE能力におけるSRSリソースの総数は十分に重複しないビームの数である。
【0061】
この例を継続させるために、それぞれが、パネルのうちの1つにおける送信チェーンのそれぞれに対応する2つのSRSポートを有する8のSRSリソースがUEに対して設定されると想定する。TRPは、UEに全てのTXチェーンにおいて送信することを望む場合、どのSRSリソースがそれぞれのTXチェーンに対応するかを知らなければならない。これは、どのSRSリソースがUEによって同時に送信可能であるかによって同等に識別され得る。
【0062】
1パネルごとに単数のビームがUEによってサポートされる場合に適した実施形態では、どのSRSリソースが同時に送信可能であるかはそれぞれのパネルと関連付けられるSRSリソースの数に基づく規則によって判定される。2パネルの例では、インデックス0…N
b-1によるSRSリソースは、パネル#1上で暗黙的に送信されるが、インデックスN
b…2*N
b-1によるSRSリソースは、パネル#2のためのものであり、ここで、N
bは、1パネルごとのビーム数(または、同等に、SRSリソース)である(および、
図5の例ではN
b=4)。より一般的には、2つのパネルが同じ数のビームN
bを有する場合、2つのSRSリソースのインデックスk
1およびk
2は、
の場合、例えば、同じOFDMシンボルにおいて、同時に送信可能であるとTRPによって想定可能である。1ペア以上のSRSリソースが同時に送信される場合、規則
を使用して、全てのSRSリソースが同時に送信可能であるかどうかを判定し、ここで、k
iおよびk
jはペアリングされるi番目のSRSリソースインデックスおよびj番目のSRSリソースインデックスであり、同時に送信されるSRSリソースの全ての二つ一組の組み合わせは規則を満たすものでなければならない。共に送信できないSRSリソースは、「SRSリソースグループ」または「SRSリソースセット」と標示されてよく、数量N
bは代替的には、SRSリソースグループまたはセットにおけるSRSリソースの数として識別され得る。従って、例えば、SRSリソースインデックス0…N
b-1およびN
b…2*N
b-1は、第1のSRSリソースグループおよび第2のSRSリソースグループにおけるものとみなされ得る。
【0063】
どのSRSリソースが同時に送信可能であるか、またはアップリンク上で送信するどのSRSが、PUSCHがどのように送信されるかを指示するSRIに使用されるインデックス作成と同じではない場合があるかを判定するために、SRSリソースインデックス作成が使用される。これは、UEによって送信され得るSRSリソースのセットが、UEがいかなる所与の時点においてもPUSCH送信に対して設定されるSRSの数より一般的に大きいからである。UEが、送信できる全てのSRSリソースのサブセットを使用してPUSCHを送信するように設定することによって、可能なSRSリソースのセット全体ではなくサブセットをシグナリングするために使用されるSRIビットを少なくすることが可能である。従って、いくつかの実施形態では、UEは、PUSCH送信に使用されるSRSリソース指示(SRI)に対応するSRSリソースの第1のリスト、およびUEがSRSを送信してよいSRSリソースの第2のリストによって設定される。
【0064】
いくつかの実施形態では、1パネルごとのビームの数は異なっていてよい。パネルk(または同等には、SRSリソースグループk)がNb,kのビーム(または同等にはSRSリソース)を利用すると想定すると、SRSリソース0、…、Nb,1-1は、暗黙的にパネル#1と関連付けられ、かつ同時送信できないが、SRSリソースNb,1…、Nb,1+Nb,2-1は、パネル#2と関連付けられ、かつ同時に送信できないなどとなる。
【0065】
異なる数のビームがUEによってそれぞれのパネルに対してサポートされ得る場合に適した他の実施形態では、どのSRSリソースが同時に送信可能であるかは、パネルごとに設定可能である。それぞれのリストが同時に送信されない場合があるSRSリソースのセットを含むSRSリソースの複数のリストが構成される。SRSリソースの全ての他の組み合わせは、同時に送信可能である。これらのSRSリソースのそれぞれのリストは、同時に送信できないそれぞれのパネルにおけるビーム、例えば、それぞれのパネルに対して選択されるアナログビームに対応し得る。リストは、厳密に同じ長さである必要はない、または同時に送信できない同じ数のビームを識別しない場合があり、これによって、異なる数のビームをそれぞれのリスト、ひいてはそれぞれのパネルと関連付け可能になる。一実施形態では、インデックスlのそれぞれのリストは、長さNb,maxのビットマップを含み、リストlにおけるインデックスmのビットは、SRSリソースkに相当し、ここで、k=lNb,max+mであり、k、l、およびmはゼロの最小値による整数である。数量Nb,maxは、代替的には、それぞれのSRSリソースリストにおけるSRSリソースの最大数として識別されてよく、それぞれのSRSリソースリストは、「SRSリソースグループ」または「SRSリソースセット」として識別され得る。
【0066】
これらの後者の実施形態の使用の一例は、以下の
図7のUE設定を使用して示され得、ここで、パネル#1は4ビームをサポートするが、パネル#2は2ビームを有する。2つのリスト(それぞれのパネルに対して1つ)が必要とされることが考えられ、ここで、第1のリストおよび第2のリストは、それぞれ、{1111}および{1100}と表される。SRSリソースk∈{0、1、2、3}は同時に送信されない可能性があり、第1のリスト(およびパネル)と関連付けられることが考えられ、SRSリソースk∈{4、5}は、同時に送信されない可能性があり、第2のリスト(およびパネル)と関連付けられることが考えられる。
【0067】
先の実施形態の別形では、それぞれのリストはK
maxビットのビットマップを含み、ここで、K
maxはSRSリソースの総数であり、それぞれのビットはSRSリソースに対応する。
図7におけるUE設定について、どのリソースが同時に送信されない場合があるかを規定する2つのリストは、それぞれ、{111100}および{000011}で表されることになる。
【0068】
図7と関係がある先の実施形態のさらに他の別形では、リソースをシグナリングすることによって代わりに行われるシグナリングは、{4、2}をシグナリングすることによって同時に送信されない場合があるが、これは、SRSリソースk∈{0、1、2、3}が同時に送信できず、また、SRSリソースk∈{4、5}が同時に送信できないことを意味する。よって、このシグナリングの順序は重要である場合があり、個々のSRSリソースをタグ付けするために使用されてよく、シグナリング{4、2}は以下のリスト、
SRSリソースインデックス0:パネル1、パネル内ビーム0、
SRSリソースインデックス1:パネル1、パネル内ビーム1、
SRSリソースインデックス2:パネル1、パネル内ビーム2、
SRSリソースインデックス3:パネル1、パネル内ビーム3、
SRSリソースインデックス4:パネル1、パネル内ビーム0、
SRSリソースインデックス5:パネル1、パネル内ビーム1
に変換可能である。
【0069】
よって、ある特定のビームを指示するためのいずれのgNBシグナリングもこのインデックス作成を利用することが可能である。UE能力シグナリング{4、2}に基づいて、また、ビームマッピングへのSRSリソースインデックスを暗黙的に含意する。このマッピングによって、例えば、SRI∈{0、1、2、3}がパネル1に対応するのに対し、SRI∈{4、5}がパネル2に対応することが明確になる。より一般的な事例の{N1、N2、…、Nq}について、SRSリソースインデックス0、…、N1-1がパネル1からのN1ビームに対応し、次のN2 SRSリソースインデックスがパネル2からのN2ビームに対応するなどを含意することが考えられる。
【0070】
任意のSRSリソースが任意のパネルと関連付け可能である場合に適した他の実施形態では、所与の数のパネルに対するSRSリソース(または同等には、SRSリソースグループ、SRSリソースグループセット)の全ての可能な組み合わせのリストを使用して、SRSリソースのどの組み合わせが送信され得るかを識別する。可能とされるSRSリソース組み合わせのリストは、以下のように規定される組み合わせインデックスrとして生成される。
ここで、
は、共に送信され得るソートされたSRSリソースインデックスs
iを含有する長さN
Pのセットであり、それによって、(1≦s
i≦N
b,tot,s
i<s
i+1)であり、ここで、
は拡張された2項係数であり、これによって、一意のラベル
がもたらされ、ここで、N
pはSRSリソースリストの数(または同等には、パネル、SRSリソースセット、またはSRSグループの数)であり、N
b,totは、SRS送信に対して選択され得るUEに割り当てられるSRSリソースの総数である。明確にするために、ここで、SRSリソースインデックスs
iが1の最小値およびN
bの最大値を有するのに対し、他の実施形態がゼロから始まるSRSインデックスを有することは留意されたい。
【0071】
上で論じられるように、UL MIMO対応のUEは、このTxチェーンの一部または全ての間でコヒーレントに送信可能ではない場合があり、TRPはこの制限を知っているべきである。最も簡易な事例では、UEはこのTxチェーンの任意のグループの間でコヒーレントに送信できない。このようなUEは、送信チェーンの任意の組み合わせにおいてコヒーレントに送信できないことを指示することができる。一実施形態では、任意の送信チェーンにおいてコヒーレントに送信できないことのこの指示は、UL MIMO対応のUEが、Txチェーンの間の相対位相連続性をサポートできることを指示しない時に識別可能である。
【0072】
UEが1パネル内のTxチェーン上のコヒーレント送信をサポート可能であるが、パネルにわたってサポートされないという可能性もある。一実施形態では、このようなUEは、このSRSリソースのそれぞれにおけるものであるSRSポートに対応するPUSCH DMRSアンテナポートに加えて、異なるSRSリソースリスト(または同等には、異なるパネル、SRSリソースセット、もしくはSRSグループ)におけるものであるSRSリソースに対応するPUSCH DMRSアンテナポートをコヒーレントに送信可能であるかどうかを指示することによって、どのSRSリソースが連帯的にコヒーレントに送信可能であるかを指示する。このような指示は、異なるSRSリソースリスト(または同等には、異なるパネル、SRSリソースセット、もしくはSRSグループ)に対応する全てのSRSリソースの間の相対位相連続性をサポートすることとすることができる。
【0073】
他の事例では、UEはそのパネルのいくつかの間のみでコヒーレントに送信することが可能であってよい。従って、別の実施形態では、UEは、このSRSリソースのそれぞれにおけるものであるSRSリソースに対応するPUSCH DMRSアンテナポートに加えて、SRSリソースリストのサブセット(または同等には、パネルのサブセット、SRSリソースセット、もしくはSRSグループ)の中のSRSリソースに対応するPUSCH DMRSアンテナポートをコヒーレントに送信可能であることを指示する。このような指示は、SRSリソースのリストのセット(または同等には、異なるパネル、SRSリソースセット、もしくはSRSグループ)の間の相対位相連続性をサポートすることとすることができる。SRSリソースのリストのセットは、長さNpであるビットマップのコヒーレントなSRSリソースリストのビットマップによって識別可能であり、ここで、NPはSRSリソースリストの数(または同等には、パネル、SRSリソースセット、もしくはSRSグループの数)である。コヒーレントなSRSリソースリストのビットマップにおける「1」は、例えば、対応するSRSリソースリストにおけるSRSリソースと関連付けられたPUSCH DMRSポート全てが、ビットマップにおける「1」も有するコヒーレントなSRSリソースリストにおけるSRSリソースと関連付けられた他のDMRSポートによってコヒーレントに送信可能であることを指示する。コヒーレントなSRSリソースリストのビットマップにおける「0」は、対応するSRSリソースリストにおけるSRSリソースと関連付けられたPUSCH DMRSポート全てが、いずれの他のPUSCH DMRSポートによってもコヒーレントに送信できないことを指示する。
【0074】
いくつかの実施形態では、PUSCH送信をスケジューリングするULグラントを含むDCIフォーマットは、SRSリソースに対する指示されるUE能力に従ってディメンションされる。例えば、SRSリソースリストにおけるSRSリソースは、いくつかの実施形態によると、同時に送信できないため、SRSリソースリスト(または同等には、SRSリソースグループ)ごとに多くても1つのSRSリソースが、PUSCHをスケジューリングするDCIにおけるSRIの形式において指示可能である。従って、1つの実施形態では、SRI指示フィールドはN
Pサブフィールドを含み、この場合、それぞれのサブフィールドk=1、…、N
Pは
ビットを含む。それぞれのサブフィールドは、同時に送信できないN
b,kのSRSリソースを含むSRSリソースリスト(または同等には、SRSリソースグループ)と関連付けられる。ビットフィールドにおけるそれぞれのコードポイントは、リストにおけるSRSリソースを指示する、またはリストにおけるSRSリソースは使用されないことを指示する。
【0075】
アップリンクアンテナサブセット送信
UEが複数のSRIを使用して送信することができるように設定される時、SRSリソースは、異なるTxチェーン、ひいては、UEのアンテナのサブセットと関連付け可能である。SRSリソースに複数のSRSポートがある場合、TRPは、PUSCH送信のためにアンテナサブセットにおいて使用するためのプリコーダを識別するTPMIを判定するためにSRSポートを使用することができる。その結果として、それぞれのSRSリソース、およびオプションとして、それぞれのTPMIは、UEアンテナの異なるサブセットに対応することが考えられる。従って、一実施形態において、UEが1つのSRIによってシグナリングされる時、シグナリングされたSRSリソースと関連付けられたUEのアンテナに対するTPMIによって指示されるプリコーダを使用してPUSCHなどの物理チャネルを送信する。
【0076】
複数のSRIをサポートするいくつかの実施形態では、UEは、SRSリソースの組み合わせのそれぞれが同時に送信可能であり、かつ、同時に送信可能である複数のSRIがシグナリングされることをさらに指示する時、このアンテナの複数のサブセットにおいて同時に送信する。UEがSRSリソースに対応するアンテナにおいてPUSCHをさらにコヒーレントに送信可能であるいくつかの関連の実施形態では、UEは、シグナリングされる複数のSRIに対応する全てのアンテナにおけるPUSCHに対して適用するように単一のプリコーダまたはプリコーダ行列を識別する単一のTPMIがシグナリングされ得る。UEがさらに、SRSリソースに対応するアンテナにおけるPUSCHをコヒーレントに送信できない他の関連の実施形態では、UEは、シグナリングされたSRIに対応する異なるアンテナサブセットにおける、異なる変調シンボル、ひいては、異なるMIMOMレイヤを送信する。UEがコヒーレントに送信できない場合の同様の実施形態では、UEは、シグナリングされる複数のSRIのそれぞれに対応するアンテナのサブセットにおけるPUSCHに対して適用するように単一のプリコーダまたはプリコーダ行列を識別するそれぞれのSRSリソースに対して単一のTPMIがシグナリングされ得る。
【0077】
アップリンク電力制御
異なるパネルは異なる方向に指向可能であるため、これらが経験する伝搬環境は、潜在的にはかなり異なっている場合がある。また、これらはマルチTRP送信における異なるTRPに送信していることがあってよい。本発明のいくつかの実施形態では、UL電力制御はひいてはパネルに接続される。それ故に、
図7における先の実施形態に戻ると、アナログビーム形成は、「パネル」ごとに2つの送信チェーンがある4つの送信チェーンにおいて使用され、パネルは、UEがこの電力制御をパネルに接続してよい異なる方向をカバーする。それ故に、例えば、電力制御がCSI-RSに基づく場合、UEは、2つの異なるCSI-RSによって設定されてよく、さらにまた、CSI-RS
1からのパネル1からの電力制御をベースにしてよいのに対し、パネル2に対する電力制御はCSI-RS
2に基づく。このように、電力制御の開ループ部分はパネル特有のものになるが、これは、電力制御についてのパスロス推定がパネル特有であるからである。また、電力制御について、パラメータのセットは通常設定され(アルファ、P
0など)、さらにシグナリングされたUE能力に基づいてパネルごとに設定され得る。
【0078】
他の実施形態では、2つの別個の電力制御ループが使用されるが、パスロス推定は同じCSI-RSに基づく。さらに他の実施形態では、パスロスは代わりに、同期信号(SS)に基づく。
【0079】
いくつかの実施形態では、閉ループ電力制御は、1パネルごとにTPCコマンドを送信することによってパネルごとに行われる。このような場合、1パネルから送信されるSRSおよびPUSCH電力のどちらかまたは両方は、アップリンク電力測定に使用されてよく、SRSおよびPUSCHの両方はTPCコマンドによって制御されるこれらの送信電力を有してよい。従って、それぞれのパネルに対する電力制御コマンドは、SRSリソースと、およびいくつかの実施形態では、SRSリソースグループまたはリストと関連付けられてよい。
【0080】
パネルごとの電力制御によるいくつかの関連の実施形態では、UEは、複数のSRIを指示される時、電力制御コマンドのそれぞれに対応する電力レベルを使用して送信し、さらにはSRSリソースのそれぞれに対応する。SRSリソース、グループ、またはリストがUEアンテナのサブセットに対応することができるため、複数のSRIが指示される時、電力制御コマンドは、異なるアンテナサブセットにおいて同時に送信する時、異なるアンテナサブセットにおける電力を異なるように設定するために使用可能である。これは、TPMIと関連付けられたコードブックが単に単位となる大きさの重みを有する時にも、アンテナエレメントにおける異なる振幅重み付けを可能にするという利点を有することができる。このような均一でない重み付けされたアンテナアレイは、性能を改善することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、PHR(電力ヘッドルームレポート)はパネルごとにレポートされる。
【0082】
図8は、本開示の実施形態が実装可能である無線通信システム(例えば、セルラー通信システム)における無線デバイス50のブロック図を示す。無線デバイス50はUEであってよい。「UE」という用語は、本明細書において、この広範な意味で、任意の無線デバイスを意味するように使用される。そのように、「無線デバイス」および「UE」という用語は、本明細書において区別なく使用され得る。一般に、無線デバイス50はさらに、ターゲットデバイス、D2D UE、マシン型UE、もしくはマシンツーマシン(M2M)通信対応UE、UEに装着されたセンサ、iPAD、タブレット、携帯端末、スマートフォン、ラップトップ埋め込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、Universal Serial Bus(USB)ドングル、宅内機器(CPE)、IoT(モノのインターネット)対応デバイス、または、5Gおよび/またはNRネットワークと通信可能である任意の他のデバイスなどを表してよい。
【0083】
図8に示されるように、無線デバイス50は、1つまたは複数のプロセッサ62(例えば、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など)、および、コンピュータプログラム8、および、オプションとして、設定データ68を記憶するメモリ64を備える処理回路構成52を含む。無線デバイス50は、1つもしくは複数のアンテナ54に結合される、1つもしくは複数の送信機または受信機を含む送受信回路構成56も含む。いくつかの実施形態では、上述される無線デバイス50の機能性は、メモリ64に記憶され、かつプロセッサ62によって実行されるソフトウェア(例えば、コンピュータプログラム66)において完全にまたは部分的に実装され得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるコンピュータプログラム製品を含有するキャリアが提供される。キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、または、コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリなどの非一時的なコンピュータ可読媒体)のうちの1つである。
【0085】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、少なくとも1つのプロセッサによって実行される時、無線デバイス50の少なくとも1つのプロセッサに、本明細書に説明されるUE関連の技法のいずれかを実行させる命令を含む。
【0086】
無線デバイス50(例えば、UE)または同様の無線デバイスは、例えば、
図9に示される方法900を実行するように設定され得る。方法900は、UEがいくつかの異なったRSリソースを送信できることの指示を送信することであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、送信することを含み、これはブロック902に示されている。例示の方法900はさらに、ブロック904に示されるように、UEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を送信することと、ブロック906に示されるように、少なくとも1つのRSリソースの指示を受信することとを含む。UEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を送信することが、UE50が複数のリソースにおいて同時に送信することが可能であることを指示するUE送信能力情報の特定の例であることは留意されたい。
【0087】
例示の方法900には示されないが、上で論じられるように、UE50は、ネットワークから、第1のRS設定および第2のRS設定を受信してよく、例えば、この場合、第1のRS設定は、PUSCH送信に使用されるRSリソース指示に少なくとも対応するSRSリソースの第1のリストであり、第2のRS設定は、SRS送信に使用され得るRSリソースの第2のリストである。さまざまな実施形態において、このステップは、ブロック904に示されるステップ、または追加のステップの代替策であってよい。
【0088】
方法900は、またさらに、ブロック908に示されるように、指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいて物理チャネルを送信することを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、方法900はさらに、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいてMIMOレイヤを送信することを含む。これらの実施形態では、方法900はまた、異なるRSリソースに対応するアンテナポート間の相対位相をアンテナポートにおける送信の間にUEが制御できないことの指示を送信することを含む。少なくとも1つのRSリソースの指示を受信するステップは、複数のRSリソース、および複数のRSリソースのそれぞれに対応するプリコーダを受信することをさらに含む。物理チャネルを送信するステップは、指示されたRSリソースのそれぞれと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用することを含む。
【0090】
方法900はまた、少なくとも1つのRSリソースのそれぞれに対応する少なくとも1つのプリコーダの指示を受信することと、指示されたRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用して物理チャネルを送信することとを含んでよい。
【0091】
方法900は、複数のRSリソースの送信電力を調整することを含んでよい。この場合、RSリソースは同時に送信され、RSリソースのそれぞれの送信電力は、他のRSリソースを調整する電力制御コマンドと異なっている電力制御コマンドによって調整される。いくつかの実施形態では、方法900は、1つもしくは複数のRSリソースインジケータに対応するPUSCHの送信電力を調整すること、または、各RSリソースインジケータに対応する1つもしくは複数のSRSリソースの送信電力を調整すること、あるいはこれらの両方を含んでよく、この場合、1つもしくは複数のRSリソースインジケータのそれぞれ、または、各RSリソースインジケータのそれぞれに対応する送信電力は、1つもしくは複数のRSリソースインジケータ、または各RSリソースインジケータのその他に対応する送信電力を調整する電力制御コマンドと異なっている電力制御コマンドによって調整される。
【0092】
いくつかの実施形態では、複数のRSリソースはUEに対して指示され、方法900は、複数の指示されたRSリソース内に含まれる全てのRSポートの位相を連帯的に調整するプリコーダを使用して、複数の指示されたRSリソースに対応する複数のアンテナサブセットにおいて物理チャネルを送信することをさらに含む。
【0093】
図10は、本開示の実施形態が実装可能である無線通信システム(例えば、セルラー通信システム)における例示のネットワークノード30を示すブロック図である。ネットワークノード30は、例えば、eNBまたはgNBなどのネットワークアクセスポイントであってよい。示される例では、ネットワークノード30は、無線アクセスノード、送受信ポイント(TRP)、基地局、または無線ネットワーク内に通信を可能にする他の一般的な無線ノードであってよい。さまざまな実施形態では、ネットワークノード30は、例えば、ベーストランシーバ基地局、基地局コントローラ、ネットワークコントローラ、拡張もしくはエボルブドNodeB(eNB)、NodeB、gNB(NRまたは5Gをサポートするアクセスポイント)、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE)、中継ノード、アクセスポイント、無線アクセスポイント、リモートラジオユニット(RRU)、またはリモート無線ヘッド(RRH)を表すこともできる。これらの例のいくつかがUEと通信するための無線回路構成を含まず、これを行う1つまたは複数の他のネットワークノードとの通信インターフェース回路38を介して接続されることは、理解されるであろう。いくつかの実施形態では、ネットワークノード30は、無線デバイス50などの他のノード、または、ネットワークノード30のカバレッジエリア(例えば、セル)内の他のアクセスノードに無線アクセスを提供する。ここで説明されるネットワークノード30は、NRネットワークにおいて動作するように設定されるが、本明細書に論じられる技法を利用する他のネットワークまたは標準に適用可能であってよい。
【0094】
図10に示されるように、ネットワークノード30は、1つまたは複数のプロセッサ42(例えば、CPU、ASIC、および/またはFPGAなど)、および、コンピュータプログラム46、および、オプションとして、設定データ48を記憶するメモリ44を備える処理回路構成32を含む。ネットワークノード30は、コアネットワークまたは他のネットワークノードと通信するための通信インターフェース回路構成38を含んでよい。示されるネットワークノード30は、無線デバイス50などの無線デバイスと通信するために、1つもしくは複数のアンテナ34に結合される、1つまたは複数の送信機または受信機を含んでよい送受信回路構成36も含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるネットワークノード30の機能性は、例えば、メモリ44に記憶され、かつプロセッサ42によって実行されるソフトウェアにおいて完全にまたは部分的に実装され得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード30のメモリ44は、プロセッサ42の1つまたは複数によって実行される時、ネットワークノード30に、本明細書に説明される技法の1つまたは複数を実行させるように設定する命令を記憶する。
【0096】
ネットワークノード30は、単独で、または1つもしくは複数のネットワークノードと組み合わせて動作しようがしまいが、例えば、
図11に示される方法、およびこの別形を実行するように設定され得る。方法1100は、
図11に示されるように、UEがいくつかの異なったRSリソースを送信できることの指示を受信するステップを含み、ここで、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含み、このことはブロック1102に示されている。例示の方法1100は、ブロック1104に示されるように、UEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を受信することと、ブロック1106に示されるように、受信した指示に基づいて、少なくとも1つのRSリソースを選択することとをさらに含む。UEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示が、UEが複数のリソースにおいて同時に送信可能であることを指示するより一般的なUE能力情報の特定の例であることは理解されるであろう。
【0097】
例示の方法1100には示されないが、ネットワークノード30は、いくつかの実施形態では、第1のRS設定および第2のRS設定を送ってよく、この場合、第1のRS設定は、PUSCH送信に使用されるRSリソース指示に少なくとも対応するSRSリソースの第1のリストであり、第2のRS設定は、SRS送信に使用され得るRSリソースの第2のリストである。いくつかの実施形態では、ネットワークノード30は、UEに送信要求を送ってよく、ここで、送信要求は、例えば、UEによって提供される能力情報を使用して、UEが同時に送信できないSRSリソースを送信するようにUEに命令することを回避するようにネットワークノード30によって構成される。
【0098】
方法1100はまたさらに、ブロック1108に示されるように、選択された少なくとも1つのRSリソースの指示をUEに送信することと、ブロック1110に示されるように、指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいてUEによって送信される物理チャネルを受信することとを含む。
【0099】
方法1100はさらに、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいて送信されるMIMOレイヤを受信することと、異なるRSリソースに対応するアンテナポート間の相対位相をアンテナポートにおける送信の間にUEが制御できないことの指示を受信することとを含んでよい。少なくとも1つのRSリソースの指示を送信するステップは、複数のRSリソース、および複数のRSリソースのそれぞれに対応するプリコーダを送信することを含んでよい。受信した物理チャネルは、指示されたRSリソースのそれぞれと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用して送信され得る。
【0100】
方法1100は、少なくとも1つのRSリソースのそれぞれに対応する少なくとも1つのプリコーダの指示を受信することと、指示されたRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用して物理チャネルを送信することとをさらに含んでよい。
【0101】
方法1100は、UEの複数のRSリソースのそれぞれに対する電力制御コマンドをUEに送信することを含んでよく、ここで、RSリソースは同時に送信され、RSリソースのそれぞれの送信電力は、他のRSリソースを調整する電力制御コマンドと異なっている電力制御コマンドによって調整される。
【0102】
いくつかの実施形態では、複数のRSリソースはUEに対して指示され、方法1100は、複数の指示されたRSリソース内に含まれる全てのRSポートの位相を連帯的に調整するプリコーダを使用して、複数の指示されたRSリソースに対応する複数のアンテナサブセットにおいて送信される物理チャネルを受信することをさらに含む。
【0103】
本明細書に開示される独創的な技法および装置の他の実施形態は、無線デバイス50の少なくとも1つのプロセッサによって実行される時、無線デバイス50の少なくとも1つのプロセッサに、上述される方法の1つまたは複数を実行させる命令を含む、コンピュータプログラムおよびコンピュータプログラム製品を含む。同様に、実施形態は、ネットワークノードの少なくとも1つのプロセッサによって実行される時、ネットワークノード30の少なくとも1つのプロセッサに、ネットワークノード30について上述される方法の1つまたは複数を実行させる命令を含む、コンピュータプログラムおよびコンピュータプログラム製品を含む。
【0104】
以下に、上述されるさまざまな技法を補足するための追加の詳細についての文脈が示されている。
【0105】
RAN1#88およびRAN1#88bisなどからのUL-MIMOコードブック構造に対するいくつかの協定は、DCIによるUL-MIMOスケジューリングをNRがサポートすることを含む。このサポートは、先の時間インスタンスにおいてこのUEによって送信されたSRIの指示を含むことができる。それぞれの設定されたSRSリソースは、少なくとも1つのUL Txビーム/プリコーダと関連付けられ、単一のSRSリソースが設定される時に必要とされるSRIはない。UL-MIMOに対するサポートはまた、指示されるSRIにおいて設定されるSRSポートの数までである可能な値に対するTRI、および広帯域TPMIを含むことができる。TPMIを使用して、SRIによって選択されたSRSリソースにおけるSRSポートにわたる好ましいプリコーダを指示する。プリコーディング行列は、指示されるSRIにおいて設定されるSRSポートの数に左右される場合がある。このフィールドは、非コードブックベースUL-MIMO送信に使用されてよく、サブバンドTPMIはシグナリングされ得る。複数のSRSリソースの選択を指示するための複数のやり方があってよい。
【0106】
UEがUL周波数選択プリコーディングによって設定される時、サブバンドTPMIシグナリングがサポートされる場合、以下の代替策:1)サブバンドTPMIが、所与のPUSCH送信のための割り当てられたPRBに対してのみDCIを介してUEにシグナリングされること、または2)サブバンドTPMIが、所与のPUSCH送信に対する実際のRAにかかわらず、ULにおける全てのPRBに対してDCIを介してUEにシグナリングされること、のうちの1つがサポートされ得る。サブバンドTPMIは、2段コードブックがサポートされる場合のW2に対応し得る。広帯域TPMIはサブバンドTPMIと共に常にシグナリングされ得る。
【0107】
さらに、複数の方式、例えば、方式AおよびBに対する周波数選択プリコーディングをサポートするために使用されるXポートおよびYポートの所定の最小数ならびに規定があってよい。この協定に関して、方式Aは、送信ポートの数がX以上である時にCP-OFDMに対する周波数選択プリコーディングのサポートに関わる先の協定に関するコードブックベースUL送信である。方式Bは、送信ポートの数がY以上である時にCP-OFDMに対する周波数選択プリコーディングのサポートに関連している非コードブックベースUL送信である。
【0108】
NRにおけるコードブックベースUL送信方式と非コードブックベースUL送信方式との間の主な相違は、コードブックベースUL送信に対して、TPMIはUEにシグナリングされるが、非コードブックベースUL送信に対して、TPMIはシグナリングされないことである。別の相違は、コードブックベースUL送信に対して、電力増幅器(PA)は、SRSポートにわたって追加のプリコーディングを適用する時電力増幅器の利用を存続させるために複数のSRSポートにマッピングされることが意図されない(可能とされない)ことである。他方の非コードブックベースUL送信に対して、PAは、SRSポートにわたって適用されることになる追加のプリコーディングはないため、複数のSRSポートにマッピングされることが意図される(可能とされる)。
【0109】
いくつかの実施形態では、コードブックベースUL送信に対して、少なくとも1つのTPMIはUL送信に対するプリコーダを判定するためにUEに再びシグナリングされる。他の実施形態では、非コードブックベースUL送信に対して、UEに再びシグナリングされるTPMIはない。その代わりに、SRIが、UL送信に対するプリコーダを判定するためにUEに再びシグナリングされ得る。
【0110】
TPMIオーバーヘッドに対する主要な原動力は、広帯域または周波数選択TPMIがサポートされるかどうかである。TPMIオーバーヘッドは、PDCCHにおいて合理的に伝達されてよく、周波数選択プリコーディングからどのゲインが可能であり得るかについての上界が判定され得る。
【0111】
アップリンクおよびダウンリンクにおいてコードブックベース周波数選択プリコーディングをサポートするためのシグナリングは、根本的に異なっている。ダウンリンクにおいて、TPMIシグナリングは回避可能であるが、これは、UEがDMRSを測定することによって効果的なチャネルを判定できるからである。しかしながら、コードブックベースUL MIMOにおいて、UEはgNBによって所望されるプリコーディングを知っていなければならないため、TPMIによってシグナリングされなければならない。
【0112】
アップリンクプリコーディングとダウンリンクプリコーディングとの間の第2の相違は、UCIペイロードが多種多様なサイズであり得、UEが固定サイズによる少数のDCIフォーマットに対してのみ設定されることである。従って、DL MIMOに対するPMIは、多種多様なサイズを有することができるが、UL MIMOに対するTPMIは好ましくは、固定サイズを有するものとする。2段階DCIシグナリングが追加のオーバーヘッドを伝達することが可能であるが、このような2段階設計が、一般に、NR制御シグナリングをかなり複雑にする可能性があり、少なくともNRの第1のバージョンにおいて好ましくない場合があることは留意されたい。
【0113】
別の相違は、UCIが多種多様なPUCCHフォーマットおよびPUSCH上で伝達可能であることで、UCIをカバレッジ要件に従って適合させることが可能になることである。PDCCHは、異なるカバレッジ条件に対して可能とするように小型のおよびより大きいDCIフォーマットをサポートするが、柔軟性は大幅に低くなる。
【0114】
別の所見は、NR PDCCHがLTE PDCCHと同じカバレッジを有するものとすることで、フォーマットサイズを同様とするものとすることである。これは、NR UL MIMOに対するTPMIサイズに対する大まかな案内として使用可能である。6ビットまでが、4のTxプリコーディングおよびランク指示に使用され、5ビットが第2のトランスポートブロックのMCSに使用され、1ビットは新しいデータインジケータであることは留意されたい。従って、TPMI、SRI、およびRIの全てに対する合計11ビットは、UL MIMO動作に関するLTEに対するオーバーヘッドの一貫した量を有することになる。
【0115】
TPMI、SRI、およびRIの全てに対するおおよそ10のDCIビットがNR UL MIMOコードブック設計のための開始ポイントとして使用可能であることが認められる。
【0116】
広帯域およびサブバンドのTPMIの性能についてここで論述する。周波数選択TPMIに必要とされるビット数は、サブバンドの数に比例する傾向がある。この節では、ランク1サブバンドのTPMIベース送信の理想的なアレイゲインを広帯域送信を使用するものと比較した、本発明者によって得られる高レベルのシミュレーション結果が提示される。上界および下界の性能は、サブバンド補正行列のSVDおよび理想的な送信ダイバーシチ(TXD)方式に基づいて理想的な閉ループ(CL)MIMOによって評価される。性能比較について、リリース8のコードブックおよびコードブック例は、非定モジュラス要素によって評価された。ランク1プリコーディングが使用されるが、これは最大ゲインがどこにある傾向があるかであるため、サブバンドTPMIの利点に対する初期検査としての役割にサーブすることができるからである。
図12~
図15に示されるプロットは、単一リンクをモデル化するために3GPP評価想定によるシステムレベルのシミュレータから引き出されるチャネル実現を使用することによって得られる。従って、UE間干渉などのシステムレベルの懸念事項は性能比較において捕えられない。理想的なチャネル推定が使用される。その結果として、この結果は、周波数選択プリコーディングのゲインに関する上界とみなされ得る。マルチパネルが備えられたUEに対するシミュレーション結果が
図12~
図15に示される。2つ(4つ)のUEアンテナは、異なる角度から、すなわち、アジマスにおいて角度0度および180度(0度、90度、180度、および270度)で信号を送信するために2つ(4つ)の単一ポートパネルとして実装される。
【0117】
図12~
図13は、28GHzの周波数における10MHzのチャネル帯域幅による2つの1ポートパネル上のランク1送信に対する評価結果を示す。これらのシミュレーションにおいて、3つの異なるサブバンドサイズが比較され、すなわち、合計48PRBと想定すると、広帯域送信に加えてサブバンドごとに1PRBおよび12PRBであり、これは図において楕円でグループ化された異なる曲線で示されている。
【0118】
これらの結果から、0.4dBまでの最大(基本的には理論的な)ゲインが、広帯域送信にわたるサブバンドごとに1つのPRBによるサブバンドTPMIベース送信によって達成可能であることが認められる。4サブバンドなどのより現実的な数のサブバンドは、およそ0.15dBの中間ゲインを生じさせる。
【0119】
コードブックを比較すると、例示のコードブックがリリース8のコードブックより著しく性能が優れている傾向があり、およそ1.0dBの中間ゲインを有することが多いことが認められる。3ビットのオーバーヘッドを有する広帯域の例示のコードブックは、実際には、リリース8のコードブックが(サブバンドごとのTPMIで)より多くのビットを使用する時にもリリース8のコードブックより性能が優れている。例示のコードブックのゲインは、非定モジュラス要素のこの使用により大きいと予想されるため、非定モジュラス要素によるより大きいコードブックがリリース8の(定モジュラス)コードブックによるより多くのサブバンドを使用することより良好な性能のソリューションであり得ると結論付けられる。これは、とりわけ、異なるパネルの指向性がパネルからのgNBにおける広く変化する受信される電力レベルをもたらす可能性があるため、ミリメートル波の事例に当てはまる。
【0120】
図12および
図13は、周波数28GHzにおける2つの1ポートパネル上のランク1送信に対する異なる送信方式および異なるコードブックの間の達成可能なチャネルゲインに関する性能比較を示す。
【0121】
図14および
図15は、周波数28GHzにおける4つの1ポートパネル上のランク1送信に対する異なる送信方式および異なるコードブックの間の達成可能なチャネルゲインに関する性能比較を示す。4つの1ポートパネル上のランク1送信に対するシミュレーション結果が、
図14および
図15に提供される。これらの4つの1ポートパネルに対して同様の所見がなされ得る。とりわけ、周波数選択プリコーディングにおける実際的な数のサブバンドからのゲインは、さらにまた数十倍のdBになる。しかしながら、4ポートコードブックは2ポートコードブックより大きいため、2ポートサブバンドプリコーディングと同じゲインに達するための4ポートサブバンドプリコーディングに対するTPMIオーバーヘッドははるかに大きくなる。従って、サブバンドTPMIは2ポートよりも4ポートの方がより少ない動機となると思われる。
【0122】
現実的なチャネルにおける実際的な数のビットによるサブバンドTPMIからのゲインが少量である場合があることが認められる。例えば、28GHzにおける2ポートおよび4ポートの両方に対して、UMaにおいておよそ0.15~0.3dBの中間ゲインが認められる。また、コードブックサイズの増大および非定モジュラス要素の使用によって、マルチパネルUEにおけるサブバンドサイズを増大するよりも実質的に良好なゲインがもたらされ得ることが認められる。
【0123】
このコントリビューションにおいて提示されるシミュレーション結果に基づいて、いくつかの実施形態では、サブバンドTPMIが必要とされる場合がある。Xの値はUL MIMOサブバンドプリコーディングゲインによって判定されない場合がある。非定モジュラスによるコードブックは、UL MIMOに対するサブバンドTPMIの代替策とみなされ得る。
【0124】
UEのアンテナアレイトポロジは、アンテナエレメント放射パターン、偏波特性、アンテナエレメント分離、および指し示す方向に関して全くの任意であることが予想される。特により高い周波数におけるUE実装形態について、UE内の異なるアンテナ配置(それぞれのアンテナ配置、例えば、単一のアンテナエレメントまたはパネルが1つのベースバンドポートに接続されると想定される場合)は、例えば、異なる方向を指し示す放射パターン、アンテナ配置間の大きな分離、または直交偏波により、関連性が低いまたはないチャネルを経験することになることが予想される。これは、簡易なi.i.d.モデルが適切であると言っているのではない。むしろ、これらのさまざまなUE設定の現実的なチャネルおよびモデルによる評価は堅牢なコードブックを生じさせるために必要である。
【0125】
それ故に、多種多様なUEアンテナ設定およびチャネル条件において良好に機能することができるコードブックを作成することが所望されている。等しく間隔があけられたアンテナエレメントによる、アンテナエレメントの均一の線形アレイまたはサブアレイに基づくDL DFTベースコードブックは、UEにとって十分ではない場合がある。
【0126】
完全なUEアンテナ実装形態の自由度をサポートするために、NRコードブックが多種多様なUEアンテナ設定およびチャネル条件を考慮して設計されるべきであることが認められる。
【0127】
また、ULコードブック設計に対するいくつかの最適化が可能である。DFT-S-OFDMおよびCP-OFDMの両方がアップリンクに対してサポートされるべきであるため、波形の両方のセットに対するコードブックを設計することが可能である。多段階または一段階のコードブックは、チャネル条件、および許容可能であるULオーバーヘッドの量に従ってサポート可能である。コードブックを存続させるキュービックメトリック、または非定モジュラス要素によるキュービックメトリックは、ある潜在的な電力節約対性能のトレードオフなどを可能にするように設定可能である。従って、ベースラインとして簡易で堅牢な設計から始めること、およびコードブックを、それらの性能ゲイン、複雑さの利益、および使用事例が確立された後に1つずつ追加することが望ましい場合がある。
【0128】
最適化には、UL MIMOの使用事例に留意するべきである。UEにおける複数のTxチェーンの主要な目標は一般的に、SU-MIMOであるが、これは、エンドユーザが有することで利益を得ることができるより高いピーク速度を可能にするからである。システム能力ゲインは、アップリンクセクタ化および/またはMU-MIMOによるものである可能性がより高いが、これは、gNBがより多くの(恐らくはるかに多くの)受信アンテナを有する傾向があるからである。複数のTxアンテナがUE能力である場合に複数のTxアンテナに基づいてセルカバレッジを設定することができないため、複数のUEアンテナは、一般的に、レンジを増大させるための効果的なやり方ではない。従って、設計は、可能なDCIビットの中から最も「これに見合うだけの価値がある」ものを得ること、および簡易な方式を使用することに重点を置くべきである。
【0129】
多種多様なコードブックが、CP-OFDM対DFT-S-OFDM、CMの存続対非定モジュラス、一段階対多段階などについて設計可能であることが認められる。従って、ベースラインとして堅牢で簡易なコードブックの設計、およびこれらのゲイン、複雑さ、および使用事例に従って他のコードブックを加えることは優先されるべきである。
【0130】
8ポートSRSがサポートされることになるかどうかは依然未定である。上で論じられるように、UL MIMO設計は主にピーク速度が動機となっている。NRは、アップリンク上で15bps/Hzのピークスペクトル効率を必要とし、これは、それぞれが5/8の符号レートを有する4つの64のQAM MIMOレイヤを満たすことができる。従って、8のMIMOレイヤに対しても、少なくとも、NRの第1のリリースにおける8のSRSポートをサポートするためのコードブックに対しても必要性がないと思われる。前方互換性に留意するべきであるため、リリース15のNRが8のMIMOレイヤをサポートしない場合でも、リリース15における8のDMRSおよび8のSRSポートを有することが望ましい場合があることに留意されたい。4レイヤSU-MIMOが15bps/HzのNRピークスペクトル効率要件を満たすことができることが認められる。リリース15のNRは、SU-MIMO送信およびコードブックに対して多くても4レイヤをサポートすることができる。
【0131】
少なくともいくつかのUE実装形態において、UEにおける異なるアンテナが低い相関性を有することが予想されるという想定により、2段階コードブック(すなわち、LTEダウンリンクに対して規定されるように、W=W1W2構造である)は十分ではない恐れがあるが、これは、この構造が具体的には、別個の広帯域(および潜在的にはゆっくり変化する)およびサブバンド挙動に合わせられるからである。また、2のSRSポートコードブックは単に一段階のものになる。
【0132】
しかしながら、UE設定において、より多くのSRSポートによって、チャネルが十分な相関性を示す場合、これは、2段階コードブックによって行われるようにフィードバックを低減するために活用可能である。いくつかの実施形態では、ULコードブックは2段階構造を含んでよい。一段階コードブック構造が低いチャネル相関をハンドリングする必要がある可能性があることが認められる。いくつかの実施形態では、多段階コードブック構造(例えば、DLにおけるようにW=W1W2を使用する)は、チャネル相関がそのように可能である場合に、オーバーヘッドを低減するために使用され得る。
【0133】
RAN1#88bisによる2つの代替策は、TPMIが経時的に持続するかどうかについての根本的な含意を有する。代替策1において、サブバンドTPMIは、所与のPUSCH送信のために割り当てられたPRBのみに対してDCIを介してUEにシグナリングされ得る。代替策2において、サブバンドTPMIは、所与のPUSCH送信に対する実際のRAにかかわらず、ULにおける全てのPRBに対してDCIを介してUEにシグナリングされ得る。
【0134】
代替策1において、TPMIはPUSCH送信にのみ適用される。これは、サブフレーム間のTPMIの相互依存または蓄積がない、すなわち、TPMIが「単発」であることを意味する。TPMIを持続させることを可能にすることを使用して、例えば、長期の「W1」が短期の「W2」より少ない回数でシグナリングされる多段階コードブックにおいて、オーバーヘッドを低減することが可能である。同様に、異なるサブフレームにおける異なるTPMIは異なるサブバンドに適用可能である。しかしながら、オーバーヘッドが節約可能である場合またはどれくらい節約できるかは、チャネル特性、およびUEが行うPUSCH送信は何回かに左右される。
【0135】
さらに、TPMIは、SRSなどの他の信号ではなくPUSCHにのみ適用される。これは、TPMIによって制御されるSRSのプリコーディングを可能にする代替策2とは対照的である。eNBはTPMIを知っており、かつプリコーディングされないSRSまたはDMRSのどちらかを有するため、eNBは、プリコーディング後に複合チャネルを判定することができるようにするものとし、例えば、干渉推定または電力制御の観点からの利益はない。さらに、複数のSRSリソースを使用して、Txチェーンのビーム形成ゲインを追跡することができる。TPMIはSRSプリコーディングを制御することができる。最終的に、代替策2が帯域幅部分の外部に適用されるかどうかは不明確である。いくつかの実施形態では、RAN1#88bisによる代替策1の別形は、少なくとも広帯域TPMIおよび一段階コードブックに対してサポートされ、TPMIは、所与のPUSCH送信に対して割り当てられたPRB対してのみDCIを介してUEにシグナリングされる。
【0136】
いくつかの実施形態では、コードブックは、コードブックのサイズを最小化することでオーバーヘッドシグナリングを低減するために、プリコーダを組み合わせるポートのみを含有するコードブックベースUL送信に使用され得る(すなわち、これがSRIを介してハンドリングできるため、ポート選択のプリコーダはない)。
【0137】
NRは恐らくコードブックにおける限られた数のポートのみをサポートすることになるのに対し、SRSリソースの数はより柔軟になるため、ポート選択に対してコードブックの代わりにSRIを使用することは有利である可能性がある。SRIはTPMIオーバーヘッドを増大させることなくUE Txアンテナ選択に使用可能であることが認められる。いくつかの実施形態では、コードブックベースUL送信に対するコードブックは、プリコーダを組み合わせるポートのみを含有するものとする。
【0138】
アンテナパターン、向き、および偏波の挙動はUEにおいては大きく変化するものであるため、マルチパネルUEに対してモデルを具体的に開発することは実際的ではない場合がある。しかしながら、無相関のエレメントをサポートするコードブック設計は、多種多様なアンテナ設定にわたってゲインを提供可能である。従って、十分に堅牢な単一パネル設計は、マルチパネルの場合において使用可能である。堅牢な単一パネル設計がマルチパネル応用に使用可能であることが認められる。いくつかの実施形態では、ULコードブック設計は単一パネル動作を対象にし、マルチパネル動作は単一パネル設計によってサポートされ得る。
【0139】
パネルにおけるエレメントの空間特性がパネル間で異なっている可能性があるため、異なるSRSリソースにおける異なるパネルを送信することは当然のことである。しかしながら、より高いランクでより指向性のある送信をもたらすために、および/または複数の電力増幅器からの送信電力を組み合わせるために、複数のパネルにおいて同時に送信することも有益であり得る。その結果として、コードブックが適用可能であるポートは、SRSリソースをアグリゲートすることによって形成可能であるものとする。複数のSRIが指示される時、TPMIは指示されたリソースにおける全てのポートにわたって適用され、アグリゲートされたリソースに対応するコードブックが使用される。いくつかの実施形態において、TPMIは、複数のSRIによって指示されるアグリゲートされたSRSリソースに適用可能である。
【0140】
ULビーム管理についての概念は、各UEパネルに対するビーム(またはより正確には、有効アンテナパターン)を制御するためにNRに対して現在開発されている。ULビーム管理が、UEに、TRPがRSRP測定を行い、かつ最高のRSRP値によるSRSリソースに対応するSRIを再びシグナリングする、異なるUEパネルビームにおける異なるSRSリソースを送信させることによって行われることが予期される。マルチパネルUEが複数のパネルのそれぞれからの複数のビームのSRS送信に対してスケジューリングされる場合、TRPおよびUEは、SRSリソースの組み合わせが異なるパネルから同時に送信可能である相互の合意を有する必要がある。その他の場合、TRPは、SRSリソースが1パネルにおける異なる切り換えられたアナログビームに対応する時など、同時に送信可能でないSRSリソースを選択する可能性がある。これを解決するための1つのやり方は、SRSリソースグループにおけるリソースのうちの1つのみが一度に送信可能である場合にSRSリソースのグループを識別することである。SRSリソースグループのそれぞれからの1つのリソースは、他のグループからの他の選択されたSRSリソースのそれぞれと同時に送信可能である。SRSグループの数、およびどのSRSリソースがグループにあるかを知っていると仮定すると、TRPは、複数のSRIがシグナリングされる時にUEに送信するように指示することができるのはどのSRSリソースかを判定することができる。
【0141】
ここでのSRSリソースグループの概念がNRダウンリンクに対して規定されるDMRSポートグループ、およびSRSポートグループと同様の目的にサーブすることは留意されたい。SRIがSRSリソースに言及すると仮定すると、SRSアンテナポートグループは1つのSRSリソース内のある選択または下位区分を含意すると思われるため、「SRSリソースグループ」は意図される挙動を説明するためにより適切であると思われる。
【0142】
いくつかの実施形態では、SRSリソースグループは、UEが、一度にSRSリソースグループにおける1つのSRSリソースのみを送信することが可能であると想定できる場合に、および、UEが、複数のSRSリソースグループのそれぞれからの1つのSRSリソースを同時に送信可能である場合に、規定され得る。
【0143】
コードブックベースUL送信および非コードブックベースUL送信の規定、UL MIMOコードブックの設計、これらをサポートするのに利用可能であってよいTPMIオーバーヘッドの量、TPMIを持続させるべきであるかにかかわらず、周波数選択プリコーディングの利益、ならびにUL SU-MIMOおよびコードブックが設計されるものとするポートおよびレイヤの数を含む、さまざまなUL MIMOコードブック関連の問題点が考察されている。TPMI、SRI、およびRIの全てに対しておおよそ10のDCIビットがNR UL MIMOコードブック設計のための開始ポイントとして使用可能であり、かつ現実的なチャネルにおける実際的なビット数によるサブバンドTPMIからのゲインが少量であってよいことが認められる。例えば、28GHzにおける2ポートおよび4ポートの両方に対して、およそ0.15~0.3dBの中間ゲインがUMaに認められる。
【0144】
コードブックサイズを増大させることおよび非定モジュラス要素を使用することによって、マルチパネルUEにおけるサブバンドサイズを増大させるよりも実質的に良好なゲインがもたらされ得ることも認められている。完全なUEアンテナ実装形態の自由度をサポートするために、NRコードブックは、多種多様なUEアンテナ設定およびチャネル条件を考慮して設計されるべきである。多種多様なコードブックが、CP-OFDM対DFT-S-OFDM、CMの存続対非定モジュラス、一段階対多段階などについて設計可能であることが認められる。4レイヤSU-MIMOが15bps/HzのNRピークスペクトル効率要件を満たすことができることが認められる。一段階コードブック構造は低いチャネル相関をハンドリングする必要がある可能性がある。
【0145】
SRIがTPMIオーバーヘッドを増大させることなくUE Txアンテナ選択に使用可能であり、堅牢な単一パネル設計がマルチパネル応用において使用可能であることも認められる。
【0146】
いくつかの実施形態では、コードブックベースUL送信に対して、少なくともTPMIはUL送信のためのプリコーダを判定するためにUEに再びシグナリングされる。非コードブックベースUL送信に対して、TPMIはUEに再びシグナリングされない場合があり、その代わりに、SRIが、UL送信のためのプリコーダを判定するためにUEに再びシグナリングされることになる。サブバンドTPMIは場合によって使用され得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、Xの値はUL MIMOサブバンドプリコーディングゲインによって判定されない。非定モジュラスによるコードブックは、UL MIMOに対するサブバンドTPMIに対する代替策とみなされ得る。
【0148】
いくつかの実施形態において、ベースラインとして堅牢で簡易なコードブックの設計、および他のコードブックを、それらのゲイン、複雑さ、および使用事例に従って追加することは、優先され得る。リリース15のNRは、SU-MIMO送信およびコードブックに対して多くても4レイヤをサポートすることができる。(例えば、DLのようにW=W1W2を使用する)多段階コードブック構造は、チャネル相関がそのように可能である場合にオーバーヘッドを低減するために有用である可能性がある。
【0149】
いくつかの実施形態では、RAN1#88bisによる代替策1の別形は、少なくとも広帯域TPMIおよび一段階コードブックに対してサポートされ、TPMIは、所与のPUSCH送信のための割り当てられたPRBに対してのみDCIを介してUEにシグナリングされる。コードブックベースUL送信に対するコードブックは、場合によってプリコーダを組み合わせるポートのみを含有するものとする。
【0150】
ULコードブック設計は単一パネル動作を対象にし、マルチパネル動作は単一パネル設計によってサポートされ得る。
【0151】
TPMIは、複数のSRIによって指示されるアグリゲートされたSRSリソースに適用可能である。SRSリソースグループは、UEが、一度にSRSリソースグループにおける1つのSRSリソースのみを送信することが可能であると想定できる場合に、および、UEが、複数のSRSリソースグループのそれぞれからの1つのSRSリソースを同時に送信可能である場合に、規定され得る。
【0152】
図16は、本開示のいくつかの他の実施形態による無線デバイス50の概略的なブロック図である。ノードは、1つまたは複数のモジュールを含み、これらのそれぞれはソフトウェアにおいて実装される。モジュールは、本明細書に説明されるいくつかのUE関連の技法のいずれかによる無線デバイスの機能性を提供し、かつUEがいくつかの異なったRSリソースであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、RSリソースを送信できることの指示を送信するための、およびUEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を送信するための指示送信モジュール1602を含む。示された無線デバイス50は、少なくとも1つのRSリソースの指示を受信するための受信モジュール1604と、指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいて物理チャネルを送信するための物理チャネル送信モジュール1606とをさらに含む。
【0153】
同様に、
図17は、本開示のいくつかの他の実施形態によるネットワークノードの概略的なブロック図である。ノードは、1つまたは複数のモジュールを含み、モジュールのそれぞれはソフトウェアにおいて実装される。モジュールは、いくつかの実施形態に従って、ネットワークノードの機能性を提供し、かつUEがいくつかの異なったRSリソースであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、RSリソースを送信できることの指示を受信するための、およびUEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を受信するための指示受信モジュール1702と、受信した指示に基づいて少なくとも1つのRSリソースを選択するための選択モジュール1704とを含む。示されたネットワークノード30は、選択された少なくとも1つのRSリソースの指示をUEに送信するための送信モジュール1706と、指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいてUEによって送信される物理チャネルを受信するための物理チャネル受信モジュール1708とをさらに含む。
【0154】
特に、開示された発明の修正および他の実施形態について、前述の説明および関連の図面に提示される教示の利益を有する当業者は想到するであろう。従って、本発明が開示される具体的な実施形態に限定されるものではなく、修正および他の実施形態が本開示の範囲内に含まれることが意図されることは、理解されたい。具体的な用語が本明細書に用いられる場合があるが、これらは、一般的かつ記述的な意味でのみ使用され、限定を目的とするものではない。
【0155】
上に開示される技法および装置の実施形態は、限定はされないが、以下の実施例を含む。
【0156】
(a)UEにおいて、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいて送信する方法であって、
UEがいくつかの異なったRSリソースを送信できることの指示を送信することであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、送信することと、
UEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を送信することと、
少なくとも1つのRSリソースの指示を受信することと、
指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいて物理チャネルを送信することと、を含む、方法。
【0157】
(b)UEにおける異なるアンテナサブセットにおいてMIMOレイヤを送信することをさらに含み、
方法は、異なるRSリソースに対応するアンテナポート間の相対位相をアンテナポートにおける送信の間にUEが制御できないことの指示を送信することをさらに含み、
少なくとも1つのRSリソースの指示を受信するステップは、複数のRSリソース、および複数のRSリソースのそれぞれに対応するプリコーダを受信することをさらに含み、
物理チャネルを送信するステップは、指示されたRSリソースのそれぞれと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用することを含む、例示の実施形態(a)の方法。
【0158】
(c)少なくとも1つのRSリソースのそれぞれに対応する少なくとも1つのプリコーダの指示を受信することと、
指示されたRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用して物理チャネルを送信することと、をさらに含む、例示の実施形態(a)または(b)の方法。
【0159】
(d)複数のRSリソースの送信電力を調整することをさらに含み、RSリソースは同時に送信され、RSリソースのそれぞれの送信電力は、他のRSリソースを調整する電力制御コマンドと異なっている電力制御コマンドによって調整される、例示の実施形態(a)~(c)のいずれかの方法。
【0160】
(e)複数のRSリソースはUEに対して指示され、方法は、複数の指示されたRSリソース内に含まれる全てのRSポートの位相を連帯的に調整するプリコーダを使用して、複数の指示されたRSリソースに対応する複数のアンテナサブセットにおいて物理チャネルを送信することをさらに含む、例示の実施形態(a)~(d)のいずれかの方法。
【0161】
(f)無線ネットワークのネットワークノードにおいて、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいてUEからの送信を受信する方法であって、
UEがいくつかの異なったRSリソースを送信できることの指示を受信することであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、受信することと、
UEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を受信することと、
受信した指示に基づいて少なくとも1つのRSリソースを選択することと、
選択された少なくとも1つのRSリソースの指示をUEに送信することと、
指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいてUEによって送信される物理チャネルを受信することと、を含む、方法。
【0162】
(g)方法は、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいて送信されるMIMOレイヤを受信することをさらに含み、
方法は、異なるRSリソースに対応するアンテナポート間の相対位相をアンテナポートにおける送信の間にUEが制御できないことの指示を受信することをさらに含み、
少なくとも1つのRSリソースの指示を送信するステップは、複数のRSリソース、および複数のRSリソースのそれぞれに対応するプリコーダを送信することを含み、
受信した物理チャネルは、指示されたRSリソースのそれぞれと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用して送信される、例示の実施形態(f)の方法。
【0163】
(h)少なくとも1つのRSリソースのそれぞれに対応する少なくとも1つのプリコーダの指示を受信することと、
指示されたRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用して物理チャネルを送信することと、をさらに含む、例示の実施形態(f)または(g)の方法。
【0164】
(i)UEの複数のRSリソースのそれぞれに対する電力制御コマンドをUEに送信することをさらに含み、RSリソースは同時に送信され、RSリソースのそれぞれの送信電力は、他のRSリソースを調整する電力制御コマンドと異なっている電力制御コマンドによって調整される、例示の実施形態(f)~(h)のいずれかの方法。
【0165】
(j)複数のRSリソースはUEに対して指示され、方法は、複数の指示されたRSリソース内に含まれる全てのRSポートの位相を連帯的に調整するプリコーダを使用して、複数の指示されたRSリソースに対応する複数のアンテナサブセットにおいて送信される物理チャネルを受信することをさらに含む、例示の実施形態(f)~(i)のいずれかの方法。
【0166】
(k)UEにおける異なるアンテナサブセットにおいて送信するように適合されるUEであって、
UEがいくつかの異なったRSリソースを送信できることの指示を送信することであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、送信することと、
UEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を送信することと、
少なくとも1つのRSリソースの指示を受信することと、
指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいて物理チャネルを送信することとを行うように適合される、UE。
【0167】
(l)UEは、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいてMIMOレイヤを送信するようにさらに適合され、
UEは、異なるRSリソースに対応するアンテナポート間の相対位相をアンテナポートにおける送信の間にUEが制御できないことの指示を提供するように適合され、
UEは、複数のRSリソース、および複数のRSリソースのそれぞれに対応するプリコーダを受信するように適合され、
UEは、指示されたRSリソースのそれぞれと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用して物理チャネルを送信するように適合される、例示の実施形態(k)のUE。
【0168】
UEは、
(m)少なくとも1つのRSリソースのそれぞれに対応する少なくとも1つのプリコーダの指示を受信するように、および、
指示されたRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用して物理チャネルを送信するようにさらに適合される、例示の実施形態(k)または(l)のUE。
【0169】
(n)UEは、複数のRSリソースの送信電力を調整するようにさらに適合され、RSリソースは同時に送信され、RSリソースのそれぞれの送信電力は、他のRSリソースを調整する電力制御コマンドと異なっている電力制御コマンドによって調整される、例示の実施形態(k)~(m)のいずれかのUE。
【0170】
(o)複数のRSリソースはUEに対して指示され、UEは、複数の指示されたRSリソース内に含まれる全てのRSポートの位相を連帯的に調整するプリコーダを使用して、複数の指示されたRSリソースに対応する複数のアンテナサブセットにおいて物理チャネルを送信するようにさらに適合される、例示の実施形態(k)~(n)のいずれかのUE。
【0171】
(p)UEにおける異なるアンテナサブセットにおいてUEからの送信を受信するように適合される無線ネットワークのネットワークノードであって、
UEがいくつかの異なったRSリソースを送信できることの指示を受信することであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、受信することと、
UEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を受信することと、
受信した指示に基づいて少なくとも1つのRSリソースを選択することと、
選択された少なくとも1つのRSリソースの指示をUEに送信することと、
指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいてUEによって送信される物理チャネルを受信することとを行うように適合される、ネットワークノード。
【0172】
(q)ネットワークノードは、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいて送信されるMIMOレイヤを受信するように適合され、ネットワークノードは、
UEが、異なるRSリソースに対応するアンテナポート間の相対位相をアンテナポートにおける送信の間にUEが制御できないことの指示を受信するように、および、
複数のRSリソース、および複数のRSリソースのそれぞれに対応するプリコーダをUEに送信するように適合され、
受信したチャネルは、指示されたRSリソースのそれぞれと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用してUEによって送信される、例示の実施形態(p)のネットワークノード。
【0173】
(r)少なくとも1つのRSリソースのそれぞれに対応する少なくとも1つのプリコーダの指示を受信するように、および
指示されたRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用して物理チャネルを送信するようにさらに適合される、例示の実施形態(p)または(q)のネットワークノード。
【0174】
(s)ネットワークノードは、UEの複数のRSリソースのそれぞれに対する電力制御コマンドをUEに送信するようにさらに適合され、RSリソースは同時に送信され、RSリソースのそれぞれの送信電力は、他のRSリソースを調整する電力制御コマンドと異なっている電力制御コマンドによって調整される、例示の実施形態(p)~(r)のいずれかのネットワークノード。
【0175】
(t)複数のRSリソースはUEに対して指示され、受信した物理チャネルは、複数の指示されたRSリソース内に含まれる全てのRSポートの位相を連帯的に調整するプリコーダを使用して、複数の指示されたRSリソースに対応する複数のアンテナサブセットにおいてUEによって送信される、例示の実施形態(p)~(s)のいずれかのネットワークノード。
【0176】
(u)UEにおける異なるアンテナサブセットにおいて送信するように適合されるUEであって、
送受信回路と、
送受信回路に動作可能に結合されるプロセッサと、
処理回路に結合されるメモリであって、プロセッサによる実行のための命令を記憶することによって、プロセッサは送受信回路に、
UEが、いくつかの異なったRSリソースであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、RSリソースを送信できることの指示を送信するように、
UEが同時に送信できるのはどのRSリソースであるかの指示を送信するように、
少なくとも1つのRSリソースの指示を受信するように、および
指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいて物理チャネルを送信するように制御するように設定される、メモリと、を含む、UE。
【0177】
(v)プロセッサは、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいてMIMOレイヤを送信するように設定され、
プロセッサは、異なるRSリソースに対応するアンテナポート間の相対位相をアンテナポートにおける送信の間にUEが制御できないことの指示を送信するように設定され、
プロセッサは、複数のRSリソース、および複数のRSリソースのそれぞれに対応するプリコーダを受信するように設定され、および
プロセッサは、指示されたRSリソースのそれぞれと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用して物理チャネルを送信するように設定される、例示の実施形態(u)のUE。
【0178】
(w)プロセッサは、少なくとも1つのRSリソースのそれぞれに対応する少なくとも1つのプリコーダの指示を受信するように、および、
指示されたRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用して物理チャネルを送信するように設定される、例示の実施形態(u)または(v)のUE。
【0179】
(x)プロセッサは、複数のRSリソースの送信電力を調整するように設定され、RSリソースは同時に送信され、RSリソースのそれぞれの送信電力は、他のRSリソースを調整する電力制御コマンドと異なっている電力制御コマンドによって調整される、例示の実施形態(u)~(w)のいずれかのUE。
【0180】
(y)複数のRSリソースはUEに対して指示され、プロセッサは、複数の指示されたRSリソース内に含まれる全てのRSポートの位相を連帯的に調整するプリコーダを使用して、複数の指示されたRSリソースに対応する複数のアンテナサブセットにおいて物理チャネルを送信するようにさらに設定される、例示の実施形態(u)~(x)のいずれかのUE。
【0181】
(z)UEにおける異なるアンテナサブセットにおいてUEからの送信を受信するように適合される無線ネットワークのネットワークノードであって、
送受信回路と、
送受信回路に動作可能に結合されるプロセッサと、
処理回路に結合されるメモリであって、プロセッサによる実行のための命令を記憶することによって、プロセッサは送受信回路に、
UEがいくつかの異なったRSリソースを送信できることの指示を受信することであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、受信することと、
UEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を受信することと、
受信した指示に基づいて少なくとも1つのRSリソースを選択することと、
選択された少なくとも1つのRSリソースの指示をUEに送信することと、
指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいてUEによって送信される物理チャネルを受信することとを行わせるように制御するように設定される、メモリと、を含む、ネットワークノード。
【0182】
(aa)プロセッサは、UEにおける異なるアンテナサブセットにおいて送信されるMIMOレイヤを受信するように設定され、プロセッサは、
異なるRSリソースに対応するアンテナポート間の相対位相をアンテナポートにおける送信の間にUEが制御できないことの指示を受信するように、および、
複数のRSリソース、および複数のRSリソースのそれぞれに対応するプリコーダをUEに送信するように設定され、
受信したチャネルは、指示されたRSリソースのそれぞれと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用してUEによって送信される、例示の実施形態(z)のネットワークノード。
【0183】
(bb)プロセッサは、少なくとも1つのRSリソースのそれぞれに対応する少なくとも1つのプリコーダの指示を受信するように、および
指示されたRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおける指示されたプリコーダを使用して物理チャネルを送信するように設定される、例示の実施形態(z)または(aa)のネットワークノード。
【0184】
(cc)プロセッサは、UEの複数のRSリソースのそれぞれに対する電力制御コマンドをUEに送信するように設定され、RSリソースは同時に送信され、RSリソースのそれぞれの送信電力は、他のRSリソースを調整する電力制御コマンドと異なっている電力制御コマンドによって調整される、例示の実施形態(z)~(bb)のいずれかのネットワークノード。
【0185】
(dd)複数のRSリソースはUEに対して指示され、受信した物理チャネルは、複数の指示されたRSリソース内に含まれる全てのRSポートの位相を連帯的に調整するプリコーダを使用して、複数の指示されたRSリソースに対応する複数のアンテナサブセットにおいてUEによって送信される、例示の実施形態(z)~(cc)のいずれかのネットワークノード。
【0186】
(ee)UEにおける異なるアンテナサブセットにおいて送信するように適合されるUEであって、
UEが、いくつかの異なったRSリソースであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、RSリソースを送信できることの指示を送信するための、およびUEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を送信するための指示送信モジュールと、
少なくとも1つのRSリソースの指示を受信するための受信モジュールと、
指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいて物理チャネルを送信するための物理チャネル送信モジュールと、を含む、UE。
【0187】
(ff)UEにおける異なるアンテナサブセットにおいてUEからの送信を受信するように適合される無線ネットワークのネットワークノードであって、
UEが、いくつかの異なったRSリソースであって、RSリソースのそれぞれはいくつかのRSポートを含む、RSリソースを送信できることの指示を受信するための、およびUEが同時に送信できるのはどのRSリソースかの指示を受信するための指示受信モジュールと、
受信した指示に基づいて少なくとも1つのRSリソースを選択するための選択モジュールと、
選択された少なくとも1つのRSリソースの指示をUEに送信するための送信モジュールと、
指示された少なくとも1つのRSリソースと関連付けられたUEのアンテナにおいてUEによって送信される物理チャネルを受信するための物理チャネル受信モジュールと、を含む、ネットワークノード。