(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 5/00 20060101AFI20230706BHJP
B66B 7/00 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
B66B5/00 D
B66B7/00 F
(21)【出願番号】P 2022126069
(22)【出願日】2022-08-08
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114421
【氏名又は名称】薬丸 誠一
(72)【発明者】
【氏名】金子 元樹
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-110362(JP,A)
【文献】特開2017-7819(JP,A)
【文献】特開2010-202350(JP,A)
【文献】特開2014-218327(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102536107(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路のピット内に設けられる梯子装置として、
最下階の乗場出入口の下方に設けられる梯子と、
梯子とは別体の紐状部材と、
乗場出入口の上部に設けられ、使用時において紐状部材を乗場出入口の床面よりも下方に垂れる部分を有するように吊下げ支持する支持部とを備える
エレベータ。
【請求項2】
ピットは、壁面から乗場出入口の下縁に沿って突出する横長突出部を備え、
梯子は、横長突出部の下方空間に設けられ、
紐状部材は、支持部に吊下げ支持された状態において横長突出部の先端から下方にかつ梯子の正面に垂れる部分を有する
請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
支持部は、乗場出入口の三方枠の上枠部材のうち、昇降路に面する面又は乗場出入口に面する面、又は、昇降路に面する面のうち、上枠部材の近傍、のいずれかの箇所に設けられる
請求項1に記載のエレベータ。
【請求項4】
紐状部材は、端末係合部を備え、
支持部は、凹部と、凹部内において端末係合部を脱着可能に係止する係止体とを備える
請求項1又は請求項3に記載のエレベータ。
【請求項5】
紐状部材は、適宜の箇所に1つ又は複数の拡大部又は環状部を備える
請求項1又は請求項2に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が昇降路のピットに出入りする際に用いられる梯子装置を備えるエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
昇降路のピット(主として最下階の乗場出入口の床面から昇降路の底面までの部分)内には、梯子が設けられる。梯子は、作業者がピット内で据付作業、保守作業、点検作業等の作業を行うにあたり、乗場出入口からピット内に降りるために用いられる。
【0003】
梯子は、ピット内において乗場出入口の下方に設けられ、かごの可動領域に進出しないよう薄型である必要がある。このため、梯子から昇降路の中心側に突出するように手すりを設けることはできない。しかし、手すりがないと(特に、乗場出入口の床面よりも上方に突出する部分がないと)、安全を十分に確保することができない。
【0004】
そこで、従来より、各種の梯子装置が提案されている。特許文献1,2に記載された梯子装置は、梯子を折り畳み式とし、上部に手すりを設けるものである。特許文献3に記載された梯子装置は、梯子を伸縮式とし、上部に手すりを設けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-192253号公報
【文献】特開2014-1071号公報
【文献】特開2010-275112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記各特許文献に記載された梯子装置は、構造が複雑であり、取り扱いが面倒であるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造でかつ簡単に使用することができる梯子装置を備えるエレベータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るエレベータは、
昇降路のピット内に設けられる梯子装置として、
最下階の乗場出入口の下方に設けられる梯子と、
梯子とは別体の紐状部材と、
乗場出入口の上部に設けられ、使用時において紐状部材を乗場出入口の床面よりも下方に垂れる部分を有するように吊下げ支持する支持部とを備える
エレベータである。
【0009】
ここで、本発明に係るエレベータの一態様として、
ピットは、壁面から乗場出入口の下縁に沿って突出する横長突出部を備え、
梯子は、横長突出部の下方空間に設けられ、
紐状部材は、支持部に吊下げ支持された状態において横長突出部の先端から下方にかつ梯子の正面に垂れる部分を有する
との構成を採用することができる。
【0010】
また、本発明に係るエレベータの他態様として、
支持部は、乗場出入口の三方枠の上枠部材のうち、昇降路に面する面又は乗場出入口に面する面、又は、昇降路に面する面のうち、上枠部材の近傍、のいずれかの箇所に設けられる
との構成を採用することができる。
【0011】
また、本発明に係るエレベータの別の態様として、
紐状部材は、端末係合部を備え、
支持部は、凹部と、凹部内において端末係合部を脱着可能に係止する係止体とを備える
との構成を採用することができる。
【0012】
また、本発明に係るエレベータのさらに別の態様として、
紐状部材は、適宜の箇所に1つ又は複数の拡大部又は環状部を備える
との構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、梯子とは別体の紐状部材を設け、使用に際しては、紐状部材を支持部に装着して垂らし、作業者が梯子を昇降する際の手掴み部とする。使用しないときは、紐状部材を取り外しておくだけである。このため、本発明によれば、簡単な構造でかつ簡単に使用することができる梯子装置を備えるエレベータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るエレベータの斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るエレベータの最下階側の一部断面側面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る梯子装置の正面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る梯子装置の側面図である。
【
図5】
図5(a)は、梯子装置の支持部付近の縦断面図である。
図5(b)は、支持部の正面図である。
図5(c)は、支持部に紐状部材を係止した状態の縦断面図である。
【
図6】
図6(a)は、実施形態2に係る梯子装置の支持部付近の縦断面図である。
図6(b)は、支持部に紐状部材を係止した状態の縦断面図である。
【
図7】
図7(a)は、実施形態3に係る梯子装置の支持部付近の縦断面図である。
図7(b)は、支持部に紐状部材を係止した状態の縦断面図である。
【
図8】
図8(a)は、実施形態4に係る梯子装置の支持部付近の縦断面図である。
図8(b)は、支持部に紐状部材を係止した状態の縦断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態5に係る梯子装置の正面図である。
【
図10】
図10は、実施形態6に係る梯子装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<全体構成>
以下、本発明に係る実施形態として、昇降路のピット内に梯子装置を備えるエレベータの各実施形態について説明するが、まずはこれに先立ち、エレベータの全体構成について説明する。
【0016】
図1及び
図2に示すように、エレベータ1は、昇降路2と、かご3とを備える。昇降路2は、階層を有する建物内において上下方向に延びる。かご3は、駆動機構の駆動により、昇降路2内を昇降し、駆動機構の駆動停止により、指定された階床に停止する。
【0017】
各階床の乗場20は、三方枠21と、乗場ドア22と、敷居23とを備える。三方枠21は、壁面に形成され、枠内がかご3の開口に対応した大きさの開口(乗場出入口)となる。乗場ドア22は、敷居23の上を横方向に移動して乗場出入口を開閉して人の乗り降りを可能とする。乗場ドア22は、通常は閉となっており、階床に停止したかご3のかごドア30の開閉動作に従動して開閉される。また、乗場ドア22は、作業者が据付作業、保守作業、点検作業等の作業を行う際、作業者により開かれる。敷居23は、乗場出入口の下縁に沿って、かつ、両端が乗場出入口の下縁よりも左右に広がるように、昇降路2の壁面に取り付けられる。より詳しくは、敷居23は、昇降路2の壁面に取り付けられるチャンネル鋼、エッチ鋼、アングル鋼等の鋼材からなるベース24の上面に取り付けられ、敷居23の荷重は、ベース24で受けられる。
【0018】
昇降路2は、下部にピット2Aを有する。ピット2Aの底面は、最下階の乗場出入口の床面よりも下に位置する。乗場出入口の床面からピット2Aの底面までの距離(深さ)は、一例として、1.5m以上である。また、当該深さは、一例として、3m未満である。
【0019】
エレベータ1は、梯子装置4を備える。梯子装置4は、作業者がピット2Aに出入りする際に用いられる。
【0020】
<梯子装置4の実施形態1>
図3及び
図4に示すにように、梯子装置4は、梯子40と、紐状部材41と、支持部42とを備える。梯子40は、ピット2A内において乗場出入口の下方に設けられ、ピット2Aの壁面に取り付けられる。より詳しくは、乗場20の敷居23(及びベース24)がピット2Aの壁面から突出して横長突出部(オーバーハング部)を形成するが、梯子40は、横長突出部23(,24)の下方空間に設けられる。紐状部材41は、梯子40とは別体に設けられる。支持部42は、乗場出入口の上部に設けられ、使用時において紐状部材41を乗場出入口の床面よりも下方に垂れる部分を有するように吊下げ支持する。
【0021】
梯子40は、(たとえば金属製であり、溶接等の接合方法により一体化される)側柱40aと、ステップ40bと、脚40cとを備える。側柱40aは、左右に間隔を有して一対設けられる。側柱40aは、ピット2Aの壁面と所定間隔を有して壁面に沿ってかつ上下方向に沿って設けられる。ステップ40bは、一対の側柱40a,40a間に横架されかつ上下方向に適宜の間隔を有して設けられる。脚40cは、側柱40aから後方にかつ上下方向に適宜の間隔を有して設けられ、梯子40をピット2Aの壁面に固定する。
【0022】
紐状部材41は、ロープ、紐、ワイヤ、チェーン、ケーブル、コード、ストランド等の可撓性を有する線材である。紐状部材41は、上端部が乗場出入口の上部に位置し、下端部が乗場出入口の床面よりも下方に位置する長さを有する。好ましくは、紐状部材41は、下端部が梯子40の上端よりも下方、より好ましくは梯子40の上下方向中間よりも下方であって、梯子40の下端(ないしピット2Aの底面)よりも上方に位置する長さを有する。これにより、紐状部材41は、横長突出部23(,24)の先端から下方に垂れる部分を有する。
【0023】
支持部42は、乗場出入口を縁取る三方枠21のうち、上辺部である上枠部材21Aに設けられる。そして、支持部42は、梯子40の左右の幅線の延長線間に設けられる。これにより、紐状部材41は、梯子40の正面に垂れる部分を有する。好ましくは、支持部42は、梯子40の幅方向中間線の延長線上又はこの近傍に設けられる。これにより、紐状部材41は、梯子40の幅方向中間部に位置する。
【0024】
図5に示すように、支持部42は、三方枠21の上枠部材21Aのうち、昇降路2に面する面(昇降路2側の縦面)に設けられる。支持部42は、凹部42aと、係止体42bとを備える。凹部42aは、面から所定深さで窪み、内部空間を有する。係止体42bは、凹部42a内で両端が支持された状態で配置されるたとえば軸体である。紐状部材41の上端部は、外れ止め付きフック、カラビナ等の端末係合部となっており、係止体42bは、凹部42a内において紐状部材41の端末係合部41aを脱着可能に係止する。
【0025】
本実施形態に係るエレベータ1の構成は、以上のとおりである。次に、梯子装置4の使用方法について説明する。なお、前提として、作業者は、かご3を最下階以外の箇所に移動させ、最下階の乗場出入口における昇降路2内を開放した後、特殊な鍵を用いて乗場20側から乗場ドア22の錠を解錠し、乗場ドア22を開放する。
【0026】
作業者は、紐状部材41を携行しており、紐状部材41の端末係合部41aを支持部42の係止体42bに係止し、紐状部材41を支持部42に装着して垂らす。そして、作業者は、紐状部材41を掴んで身の安全を確保しながら、梯子40を使ってピット2A内に降り、作業を行う。また、作業者は、作業を終えて梯子40を昇るときも、紐状部材41を手掴み部として利用する。使用後、作業者は、紐状部材41を取り外し、持ち帰る。
【0027】
以上のとおり、本実施形態に係る梯子装置4によれば、梯子40とは別体の紐状部材41を設け、使用に際しては、紐状部材41を支持部42に装着して垂らし、作業者が梯子40を昇降する際の手掴み部とする。使用しないときは、紐状部材41を取り外しておくだけである。このため、本実施形態に係る梯子装置4によれば、簡単な構造でかつ簡単に使用することができる。
【0028】
また、本実施形態に係る梯子装置4によれば、支持部42は、三方枠21の上枠部材21Aのうち、昇降路2に面する面、すなわち、乗客の目に付かない箇所に設けられる。このため、本実施形態に係る梯子装置4によれば、一般的なエレベータと何ら変わらない外観の乗場20を提供することができる。
【0029】
また、本実施形態に係る梯子装置4によれば、支持部42は、三方枠21の上枠部材21Aのうち、昇降路2に面する面から突出しないように設けられる。このため、本実施形態に係る梯子装置4によれば、支持部42がエレベータ1の構成要素の何らかの可動部と意図せず接触するのを防止することができる。
【0030】
<梯子装置4の実施形態2>
図6に示すように、実施形態2に係る梯子装置4が実施形態1に係る梯子装置4と異なる点は、支持部42の形成箇所である。本実施形態において、支持部42は、三方枠21の上枠部材21Aのうち、乗場出入口に面する面(下面)に設けられる。これにより、支持部42に吊下げ支持される紐状部材41の斜度は、実施形態1に係る紐状部材41の斜度よりも増す。このため、紐状部材41を使用する際の安定度を増すことができる。
【0031】
実施形態2に係る梯子装置4のその他の構成については、実施形態1に係る梯子装置4の構成と同じである。同じ点については、実施形態1についての記載と同様であるとして、記載を省略する。そして、実施形態2に係る梯子装置4も、実施形態1に係る梯子装置4が奏する上記作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0032】
<梯子装置4の実施形態3>
図7に示すように、実施形態3に係る梯子装置4が実施形態1に係る梯子装置4と異なる点は、支持部42の形成箇所である。本実施形態において、支持部42は、昇降路2に面する面のうち、三方枠21の上枠部材21Aの近傍に設けられる。より詳しくは、
図3に示すように、三方枠21の上枠部材21Aの上縁に沿って、かつ、両端が乗場出入口の上縁よりも左右に広がるように、横長の板状のフレーム25が昇降路2の壁面に取り付けられ、フレーム25にドアレール26が取り付けられ、乗場ドア22は、ローラを備えるドアハンガ22aがドアレール26上を転動することにより、横方向に移動可能となるが、
図7に示すように、支持部42は、昇降路2に面する面(フレーム25の表面)のうち、三方枠21の上枠部材21A及びドアレール26間の箇所に設けられる。この場合、支持部42の凹部42aは、昇降路2の壁面2aに形成された凹部に沿って窪むフレーム25の凹部で構成される。あるいは、壁面2aの凹部の箇所に対応するフレーム25の箇所に開口部が形成されることにより、支持部42の凹部42aは、壁面2aの凹部で構成されるものであってもよい。
【0033】
実施形態3に係る梯子装置4のその他の構成については、実施形態1に係る梯子装置4の構成と同じである。同じ点については、実施形態1についての記載と同様であるとして、記載を省略する。そして、実施形態3に係る梯子装置4も、実施形態1に係る梯子装置4が奏する上記作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0034】
<梯子装置4の実施形態4>
図8に示すように、実施形態4に係る梯子装置4が実施形態1に係る梯子装置4と異なる点は、支持部42の形成箇所及び形態である。本実施形態において、支持部42は、実施形態3と同様、昇降路2に面する面(フレーム25の表面)のうち、三方枠21の上枠部材21Aの近傍に設けられる。しかし、支持部42は、凹部42aを備えず、係止体42bは、両端がフレーム25の表面に溶接等の接合手段により接合され、フレーム25の表面から突出する。このため、係止体42bは、エレベータ1の構成要素の何らかの可動部と接触しない領域(たとえば、左右のドアハンガ22a,22a間の空間部)に設けられる。
【0035】
実施形態4に係る梯子装置4のその他の構成については、実施形態1及び実施形態3に係る梯子装置4の構成と同じである。同じ点については、実施形態1についての記載と同様であるとして、記載を省略する。そして、実施形態4に係る梯子装置4も、実施形態1に係る梯子装置4が奏する上記作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0036】
<梯子装置4の実施形態5>
図9に示すように、実施形態5に係る梯子装置4が実施形態1に係る梯子装置4と異なる点は、紐状部材41に関する点である。本実施形態において、紐状部材41は、たとえば、紐状部材41の結び目や、紐状部材41の本体とは別部材で構成される拡大部41bを備える。拡大部41bは、所定の間隔を有して複数設けられる。あるいは、拡大部41bは、必要な箇所にのみ設けられるものであってもよい。拡大部41bを設けることにより、作業者は、紐状部材41をしっかりと掴むことができる。
【0037】
実施形態5に係る梯子装置4のその他の構成については、実施形態1に係る梯子装置4の構成と同じである。同じ点については、実施形態1についての記載と同様であるとして、記載を省略する。そして、実施形態5に係る梯子装置4も、実施形態1に係る梯子装置4が奏する上記作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0038】
<梯子装置4の実施形態6>
図10に示すように、実施形態6に係る梯子装置4が実施形態1に係る梯子装置4と異なる点は、紐状部材41に関する点である。本実施形態において、紐状部材41は、たとえば、紐状部材41を環状に結んだものや、紐状部材41の本体とは別部材で構成される環状部41cを備える。環状部41cは、連続して複数設けられる。あるいは、環状部41cは、所定の間隔を有して複数設けられるものや、必要な箇所にのみ設けられるものであってもよい。環状部41cを設けることによっても、作業者は、紐状部材41をしっかりと掴むことができる。
【0039】
実施形態6に係る梯子装置4のその他の構成については、実施形態1に係る梯子装置4の構成と同じである。同じ点については、実施形態1についての記載と同様であるとして、記載を省略する。そして、実施形態6に係る梯子装置4も、実施形態1に係る梯子装置4が奏する上記作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0041】
上記実施形態においては、支持部42の係止体42bは、軸体である。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。係止体は、リング等、各種の剛体を用いることができる。
【0042】
また、上記実施形態においては、紐状部材41は、下端部が乗場出入口の床面よりも下方に位置する長さを有し、乗場出入口の床面よりも下方に垂れる部分を有する。この部分を有することにより、紐状部材41は安定する。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。安全上問題ないようであれば、紐状部材は、下端部が乗場出入口の床面よりも上方に位置する又は下端部が床面上に位置する長さを有し、乗場出入口の床面よりも下方に垂れる部分を有さないものであってもよい。
【0043】
また、物理的に干渉するものでない限り、以上に記載した技術要素を他の実施形態ないし例に適用すること、以上に記載した技術要素を他の実施形態ないし例に係る技術要素と置換すること、以上に記載した技術要素同士を組み合わせること等は、当然に可能であり、これは、本発明が当然に意図するところである。たとえば、実施形態4に係る支持部42は、突出する形態であるが、この支持部42が実施形態1~3、5、6にも適用可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0044】
1…エレベータ、2…昇降路、2A…ピット、2a…昇降路の壁、20…乗場、20a…乗場の壁、21…三方枠、21A…上枠部材、22…乗場ドア、22a…ドアハンガ、23…敷居(横長突出部)、24…ベース(横長突出部)、25…フレーム、26…ドアレール、3…かご、30…かごドア、4…梯子装置、40…梯子、40a…側柱、40b…ステップ、40c…脚、41…紐状部材、41a…端末係合部(フック)、41b…拡大部、41c…環状部、42…支持部、42a…凹部、42b…係止体
【要約】
【課題】簡単な構造でかつ簡単に使用することができる梯子装置を備えるエレベータを提供する。
【解決手段】エレベータは、昇降路のピット2A内に設けられる梯子装置4として、最下階の乗場出入口の下方に設けられる梯子40と、梯子40とは別体の紐状部材41と、乗場出入口の上部に設けられ、使用時において紐状部材41を乗場出入口の床面よりも下方に垂れる部分を有するように吊下げ支持する支持部42とを備える。
【選択図】
図3