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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】給油所システム
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/08 20100101AFI20230706BHJP
   B67D 7/32 20100101ALI20230706BHJP
【FI】
B67D7/08 Z
B67D7/32 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021103962
(22)【出願日】2021-06-23
(65)【公開番号】P2023003041
(43)【公開日】2023-01-11
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000151346
【氏名又は名称】株式会社タツノ
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】田中 和則
(72)【発明者】
【氏名】大平 毅
(72)【発明者】
【氏名】栗原 孝司
(72)【発明者】
【氏名】北見 圭司
(72)【発明者】
【氏名】鍵川 奨
(72)【発明者】
【氏名】望月 健一
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-135681(JP,A)
【文献】特開2021-031112(JP,A)
【文献】特開2021-095212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 7/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の給油装置と、該複数の給油装置の統括的な給油許可制御を行う給油許可装置を備えた給油所システムにおいて、
前記給油許可装置は、
前記複数の給油装置のいずれかの給油装置からの給油設定情報を表示する表示部と、該表示部での表示に基づいて操作を行う操作部とを有する卓上給油許可端末と、
前記複数の給油装置のいずれかの給油装置と前記卓上給油許可端末からの出力を受けて該給油装置へ給油許可信号を出力する給油許可制御装置とを備え
さらに、前記給油許可制御装置からの出力を受けて前記給油設定が行われた前記給油装置を含む所定範囲内に電波を発信する電波発信手段と、
該電波発信手段から電波を受信すると前記給油装置を給油可能状態にする可搬式給油許可端末を備えることを特徴とする給油所システム
【請求項2】
前記卓上給油許可端末の通信が途絶えた場合には、前記給油許可制御装置は、前記複数の給油装置のいずれかの給油装置と前記可搬式給油許可端末からの出力を受けて該給油装置へ給油許可信号を出力することを特徴とする請求項に記載の給油所システム。
【請求項3】
前記給油許可制御装置は、第1の給油許可制御装置と第2の給油許可制御装置とで構成され、一方の給油許可制御装置の通信が途絶えた場合には他方の給油許可制御装置に動作が切り替わることを特徴とする請求項1又に記載の給油所システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油所システムに関し、特に、セルフサービス給油所の営業の継続性を可能とする給油所システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人件費削減等の目的で給油作業、窓拭き等のサービス作業、及び給油料金の精算作業を顧客自身が行うセルフサービス方式の給油所が急増している。このようなセルフサービス方式の給油所では、事務所内に給油許可装置(セルフサービスコンソール:SSC)が設置されて給油所作業員が待機しており、顧客の操作により給油装置から給油要求があった場合、当該給油エリアの安全を目視確認した後に給油許可装置を操作し、給油許可信号を出力して車両へ給油できるようになっている。
【0003】
一方、セルフサービス方式の給油所において、セルフサービスの給油に不慣れな顧客に対して屋外の給油装置の近傍で説明を行う場合には、給油所作業員は事務所内に設置された給油許可装置を操作できないので、給油要求のあった顧客を待たせることになる。
【0004】
そこで、本出願人は、特許文献1において、複数台の給油装置と、該給油装置を制御する給油許可装置及びPOS端末を有するセルフ給油管理システムにおいて、携帯端末による無線で給油許可信号を出力することで、給油装置による給油を許可することが可能な給油管理システムを提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-100289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の発明は有効であるが、給油許可装置が何らかの原因で故障すると、給油装置へ給油許可を出力することができず、給油装置の制御が不能となってセルフサービス給油所の営業が続行できなくなる可能性がある。ここで、故障に備えて給油許可装置を二重化することも考えられるが、2倍の設置スペースを必要とすると共に、デスク上での給油所作業員の業務効率の悪化も懸念される。
【0007】
そこで、本発明は、給油許可装置の設置スペースの増加や、デスク上での給油所作業員の業務効率の低下を回避しながら、セルフサービス給油所の営業継続性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、複数の給油装置と、該複数の給油装置の統括的な給油許可制御を行う給油許可装置を備えた給油所システムにおいて、前記給油許可装置は、前記複数の給油装置のいずれかの給油装置からの給油設定情報を表示する表示部と、該表示部での表示に基づいて操作を行う操作部とを有する卓上給油許可端末と、前記複数の給油装置のいずれかの給油装置と前記卓上給油許可端末からの出力を受けて該給油装置へ給油許可信号を出力する給油許可制御装置とを備え、さらに、前記給油許可制御装置からの出力を受けて前記給油設定が行われた前記給油装置を含む所定範囲内に電波を発信する電波発信手段と、該電波発信手段から電波を受信すると前記給油装置を給油可能状態にする可搬式給油許可端末を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、給油許可装置の機能を卓上給油許可端末と給油許可制御装置とに分けることで、給油許可装置自体の省スペース化を図ることができる。また、デスク上での給油所作業員の業務効率の低下を回避することもできる。さらに、前記給油許可制御装置からの出力を受けて前記給油設定が行われた前記給油装置を含む所定範囲内に電波を発信する電波発信手段と、該電波発信手段から電波を受信すると前記給油装置を給油可能状態にする可搬式給油許可端末を設けることで、顧客の安全を確実に確認することができる。
【0011】
上記給油所システムにおいて、前記卓上給油許可端末の通信が途絶えた場合には、前記給油許可制御装置は、前記複数の給油装置のいずれかの給油装置と前記可搬式給油許可端末からの出力を受けて該給油装置へ給油許可信号を出力することができ、これによって、卓上給油許可端末が故障したような場合でも業務を中断することなく給油所の営業を継続することができる。
【0012】
上記給油所システムにおいて、前記給油許可制御装置は、第1の給油許可制御装置と第2の給油許可制御装置とで構成され、一方の給油許可制御装置の通信が途絶えた場合には他方の給油許可制御装置に動作が切り替わるようにすることができ、これによって、一方の給油許可制御装置が故障したような場合でも給油所作業員に負担を掛けることなく営業を継続することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、給油許可装置の設置スペースの増加や、デスク上での給油所作業員の業務効率の低下を回避しながら、セルフサービス給油所の営業継続性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る給油所システムの一実施の形態を示す全体構成図である。
図2図1に示す給油所システムの各機器の配置及びビーコンの通信範囲を示す概略図である。
図3図1に示す給油所システムの主な機器のブロック図である。
図4図1に示す給油所システムの動作を示すフローチャートである。
図5図1に示す給油所システムにおいて、卓上給油許可装置の通信が途絶えた場合の動作を示すフローチャートである。
図6図1に示す給油所システムにおいて、2つの給油許可制御装置の一方の通信が途絶えた場合の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1及び図2は、本発明に係る給油所システムの一実施の形態を示し、この給油所システム1は、複数の給油装置2(2A、2B)と、事務所10内に配置されるPOS端末(以下「POS」という。)3及び卓上SSC(セルフサービスコンソール、給油許可端末)4と、前記卓上SSC4の通信が途絶えた場合に載置台6に載置される可搬式SSC5(5A~5C)と、給油装置2及び載置台6の各々の所定の通信範囲B1~B3内に電波を発信するビーコン(不図示)と、給油所作業員が携帯する可搬式SSC5(5A~5C)と、給油許可制御装置7(7A、7B)等で構成される。各給油装置2の表裏には、給油エリアA1~A4が設けられる。また、同図においてビーコンの通信範囲を示すB1~B3は、各ビーコンのIDでもある。尚、ビーコン以外の電波発信手段を用いることもできる。給油エリアA1~A4、載置台6に載置されたエリアA5に対応するビーコンID(通信範囲)を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
図3に示すように、給油装置2は、POS3に給油設定データを出力するデータ入出力装置2aと、給油許可信号が入力されることで給油装置2を給油可能な状態に制御する給油制御装置2bと、表示器や、通常の給油装置に設けられる給油系統等を備える。
【0019】
POS3は、給油毎の売上げ管理や、日報及び月報の管理、給油許可管理等を行うものであって、既存の店内に設置されるPOSでも、クラウドに情報を集約するものでもどちらでもよい。
【0020】
卓上SSC4は、給油許可制御装置7と共に、給油装置2の給油制御装置2bに給油許可信号を出力するために設けられ、給油設定情報を表示する表示部と、この表示部で操作を行う操作部として機能するタッチパネル4aと、タッチパネル4aの表示部を制御する表示制御手段4bと、卓上SSC4又は可搬式SSC5(5A~5C)のいずれが親機として機能しているかを報知する報知手段4cを備える。尚、タッチパネル4a以外の表示部及び表示制御手段4bを用いることもできる。この卓上SSC4から直接、又は可搬式SSC5(5A~5C)から給油許可信号を受けた際に、卓上SSC4から給油許可制御装置7を経由して給油装置2の給油制御装置2bに給油許可信号を出力する。後述するように、卓上SSC4の通信が途絶えた場合には、卓上SSC4に代えて可搬式SSC5Aが機能する。
【0021】
可搬式SSC5(5A~5C)は、給油設定がされた給油装置2から給油要求信号が入力された際に、給油設定がされた給油装置2及び載置台6の近傍のビーコンの通信範囲B1~B3内に限り給油許可信号を出力可能に構成される。ビーコンの通信範囲B3とは、可搬式SSC5(5A~5C)が載置台6に載置されているエリアA5である。これにより、給油所作業員が給油を行う顧客の安全確認を遵守することができる。可搬式SSC5(5A~5C)は、事務所10内で卓上SSC4の代替用として用いられ、可搬式SSC5B、5Cは屋外で用いられる。可搬式SSC5(5A~5C)は、卓上SSC4又は可搬式SSC5(5A~5C)のいずれが親機として動作しているかを報知する報知手段5aを備える。
【0022】
載置台6は、可搬式SSC5(5A~5C)を載置するために備えられ、可搬式SSC5Aが載置されているか否かを検出するためのセンサ6aを備える。可搬式SSC5Aは、載置台6に置かれてセンサ6aがその状態を検知したり、載置台6で充電されていることを検知された場合、すなわち給油エリアの安全を確認できる位置に存在する場合のみ親機の役目を果たす。また、可搬式SSC5(5A~5C)は載置台6に置かれていると、無線通信機能から有線通信機能に切り替わり、通信の確実性が向上する。
【0023】
給油許可制御装置7は、第1の給油許可制御装置7Aと第2の給油許可制御装置7Bとで構成され、一方の給油許可制御装置の通信が途絶えた場合には他方の給油許可制御装置に動作が切り替わる。第1の給油許可制御装置7Aは、給油装置2の給油制御装置2bとデータ通信するための第1データ通信手段7aと、卓上SSC4とデータ通信するための第2データ通信手段7fと、各種データを記憶する記憶手段7bと、給油許可を行う給油許可手段7dと、いずれの給油許可制御装置7A又は7Bが親機として動作しているかを報知する報知手段7eと、装置全体のデータを制御するデータ制御手段7cとを備える。第2の給油許可制御装置7Bも第1の給油許可制御装置7Aと同様の構成を有する。
【0024】
図1に示すように、卓上SSC4と給油許可制御装置7(7A、7B)は、HUB8を介してイーサネット(登録商標)で接続される。また、これらの機器とWi-Fiアクセスポイント9及び可搬式SSC5Aもイーサネットで接続される。一方、卓上SSC4等は、Wi-Fiアクセスポイント9を介して可搬式SSC5A及び可搬式SSC5B、5CとWi-Fiで通信される。さらに、給油装置2及びPOS3と給油許可制御装置7とはSS業界標準のプロトコルでLAN(SS-LAN)接続される。
【0025】
次に、上記構成を有する給油所システム1の通常時の動作について、図4を中心に参照しながら説明する。尚、以下のフローチャートにおいて、ルートが分岐するステップにおいては、下方向がYes、横方向がNoに対応する。また、給油許可制御装置7は、第1の給油許可制御装置7A又は第2の給油許可制御装置7Bのいずれかが動作しているものとする。
【0026】
データ入出力装置2aのステップS1において、顧客による給油設定が終了すると(ステップS1;Yes)、POS3に給油設定データを出力し(ステップS2)、データ入出力装置2aの動作を終了する。
【0027】
ステップS11において、データ入出力装置2aから給油設定データが入力されると(ステップS11;Yes)、POS3は給油設定データを給油許可制御装置7に出力する(ステップS12)。
【0028】
給油装置2のステップS21において、顧客がノズル掛けから給油ノズルを外してノズルSW(スイッチ)がONになると(ステップS21;Yes)、給油要求信号を給油許可制御装置7に出力する(ステップS22)。
【0029】
ステップS31において、POS3から給油設定データが入力され(ステップS31;Yes)、ステップS32において、給油装置2から給油要求信号が入力されると(ステップS32;Yes)、給油許可制御装置7は卓上SSC4及び可搬式SSC5(5A~5C)に給油要求表示信号を出力する(ステップS33)。
【0030】
ステップS41において、給油許可制御装置7から給油要求表示信号が入力された卓上SSC4は(ステップS41;Yes)、タッチパネル4aの表示部に給油要求があった旨を表示する(ステップS42)。また、ステップS51において、給油許可制御装置7から給油要求表示信号が入力された可搬式SSC5(5A~5C)は(ステップS51;Yes)、表示部に給油要求があった旨を表示する(ステップS52)。
【0031】
給油所作業員が事務所10内で顧客の安全を確認して卓上SSC4の給油許可釦を押下するか、給油許可要求のあった給油装置2の給油エリア(例えばA4)に対応するビーコンの通信範囲B1又はB2内、又は載置台6の近傍のビーコンの通信範囲B3において(ステップS53;Yes)、給油所作業員が給油エリアA4の顧客の安全を確認して可搬式SSC5の給油許可釦を押下すると、卓上SSC4又は可搬式SSC5(5A~5C)は給油許可信号を給油許可制御装置7に出力する(ステップS43又はS54)。
【0032】
ステップS34において、卓上SSC4又は可搬式SSC5(5A~5C)から給油許可信号が入力された給油許可制御装置7は(ステップS34;Yes)、給油設定データ及び給油許可信号を給油装置2に出力し(ステップS35)、動作を終了する。
【0033】
ステップS23において、給油設定データ及び給油許可信号が入力された給油装置2は、給油制御装置2bにより、給油許可制御装置7から入力された給油設定データの下で給油可能な状態となり、表示器(不図示)にリセット信号を送信することで前回なされた給油に関する情報の帰零(リセット)を行い、給油ポンプを駆動する(ステップS24)。
【0034】
給油ポンプがONになることで給油ノズルより燃料油が吐出され、これにより流量パルス信号が表示器に出力され(ステップS25;Yes)、表示器において給油量の表示(計数表示)がなされる(ステップS26)。尚、流量パルス信号が出力されない場合には(ステップS25;No)、ノズルSWがOFFでない限り(ステップS27;No)、すなわち給油が中止又は終了するまで流量パルス信号の出力を待つ。
【0035】
ステップS27において、顧客が給油ノズルをノズル掛けに戻すことでノズルSWがOFFになると(ステップS27;Yes)、給油ポンプを停止し(ステップS28)、POS3に給油データを出力し(ステップS29)、給油装置2の動作を終了する。
【0036】
ステップS13で給油装置2から給油データが入力されたPOS3は(ステップS13;Yes)、売上げ管理のために入力された給油データを保存し(ステップS14)、動作を終了する。
【0037】
次に、卓上SSC4が故障するなどして卓上SSC4の通信が途絶えた場合の動作について、図5を中心に参照しながら説明する。尚、給油許可制御装置7は、第1の給油許可制御装置7Aが動作しているものとする。
【0038】
第1の給油許可制御装置7Aは、卓上SSC4がソケットを切断するか、上位機器としてレーン情報不達を検知すると通信切断を検知する。可搬式SSC5(5A~5C)に第1の給油許可制御装置7Aから卓上SSC4に通信切断が発生した旨の信号を送信して入力されると、可搬式SSC5(5A~5C)には卓上へ設置する旨の指示が表示される。
【0039】
図2に示すように、可搬式SSC5Aを事務所10内の載置台6に載置すると、可搬式SSC5Aが固定式SSCとして動作する。可搬式SSC5Aから第1の給油許可制御装置7Aに、可搬式SSC5Aが固定式SSCとして設置された旨の信号が入力されると、第1の給油許可制御装置7Aは可搬式SSC5B(5C)に、可搬式SSC5Aが固定式SSCとして設置された旨の信号を送信する。また、卓上SSC4の報知手段4c及び可搬式SSC5Aの報知手段5aは、可搬式SSC5Aが固定式SSCとして設置された旨を報知する。第1の給油許可制御装置7Aから可搬式SSC5Aが固定式SSCとして設置された旨の信号が入力されると、可搬式SSC5B(5C)に対する卓上へ設置する旨の指示がクリアされる。以後、卓上SSC4が復帰するまで、この状態で給油所システム1全体が動作する。
【0040】
上記の状態から、卓上SSC4が故障から回復するなどして卓上SSC4が通信を開始すると、卓上SSC4から第1の給油許可制御装置7Aへ卓上SSC4の通信が開始された旨の信号が送信され、これを受けた第1の給油許可制御装置7Aは、卓上SSC4の通信が復帰した旨を検知し、その旨を可搬式SSC5A及び可搬式SSC5B(5C)に伝える。この信号を受けた可搬式SSC5Aは、可搬式SSCとして通常動作に戻る。また、卓上SSC4の通信が復帰した旨の信号を受けた可搬式SSC5B(5C)は、これまでと同様に動作する。以上のように、給油所システム1は卓上SSC4の故障前の通常動作に戻る。これによって、卓上SSC4が故障したような場合でも、業務を中断することなく給油所の営業を続けることができる。
【0041】
次に、第1の給油許可制御装置7Aが動作している際に、第1の給油許可制御装置7Aが故障するなどして第1の給油許可制御装置7Aの通信が途絶えた場合の動作について、図6を中心に参照しながら説明する。
【0042】
第1の給油許可制御装置7AがSS-LANにおいて各機器に対してポーリングを行っている際に、第1の給油許可制御装置7Aが故障するなどして第1の給油許可制御装置7Aの通信が途絶えると、ポーリングが不達となった第2の給油許可制御装置7Bは第1の給油許可制御装置7Aの通信切断を検知し、第1の給油許可制御装置7Aに代わってSS-LANにおいて各機器に対してポーリングを行う。また、第2の給油許可制御装置7Bの報知手段7eは、第2の給油許可制御装置7Bが親機となったことを報知する。卓上SSC4は第2の給油許可制御装置7Bに対して通信を開始し、可搬式SSC5(5A~5C)は、対象の給油許可制御装置7を第1の給油許可制御装置7Aから第2の給油許可制御装置7Bに切り替えた上で通信を開始する。以後、この状態で給油所システム1全体が動作する。
【0043】
上記の状態から第1の給油許可制御装置7Aが故障から回復しても、第2の給油許可制御装置7Bはポーリングを継続し、第1の給油許可制御装置7Aはポーリングを検知してもポーリングを行わない。
【0044】
上記の状態から第2の給油許可制御装置7Bが故障するなどして第2の給油許可制御装置7Bの通信が途絶えると、ポーリングが不達となった第1の給油許可制御装置7Aは第2の給油許可制御装置7Bの通信切断を検知し、第2の給油許可制御装置7Bに代わってポーリングを行い、以後給油所システム1は上述と同様の動作を行う。これによって、第1の給油許可制御装置7A又は第2の給油許可制御装置7Bの一方が故障したような場合でも、給油所作業員に負担を掛けることなく給油所の営業を継続できる。
【0045】
尚、図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術範囲を限定する趣旨の記述ではない。
【符号の説明】
【0046】
1 給油所システム
2(2A、2B) 給油装置
2a データ入出力装置
2b 給油制御装置
3 POS
4 卓上SSC
5(5A~5C) 可搬式SSC
6 載置台
7(7A、7B) 給油許可制御装置
8 HUB
9 Wi-Fiアクセスポイント
10 事務所
図1
図2
図3
図4
図5
図6