(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】ソーラーモジュール
(51)【国際特許分類】
H02S 40/34 20140101AFI20230706BHJP
H02S 50/00 20140101ALI20230706BHJP
【FI】
H02S40/34
H02S50/00
(21)【出願番号】P 2019567127
(86)(22)【出願日】2019-01-24
(86)【国際出願番号】 JP2019002158
(87)【国際公開番号】W WO2019146665
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2021-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2018010198
(32)【優先日】2018-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】508276121
【氏名又は名称】CEF株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090985
【氏名又は名称】村田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 宏之
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202205778(CN,U)
【文献】国際公開第2016/052607(WO,A1)
【文献】特開2007-095819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0380584(US,A1)
【文献】特開昭62-054972(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105763152(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0182532(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0366010(US,A1)
【文献】特表2012-516568(JP,A)
【文献】国際公開第2009/098729(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0346898(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 40/32-40/34
H02S 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のソーラーストリングを配置してなるソーラーアレイと、前記ソーラーアレイのDC電力をAC電力に変換して利用機器に供給するためのパワーコンディショナを有するソーラー発電サイトにおける前記ソーラーストリングを構成するソーラーモジュールであって、
前記ソーラーモジュールは、複数のソーラーセルを配列して構成され、
前記ソーラーセルの配列を単板状に支持する外枠を有し、
前記ソーラーモジュールの太陽光照射面とは反対側で前記外枠に設置した1又は複数の 付加機能収容部材を有し、
前記付加機能収容部材は、前記ソーラーストリング内のソーラーモジュールの出力端子同士を接続して前記ソーラーアレイを構成する他のソーラーストリングの出力端子に接続するための端子接続部と、前記ソーラーストリング毎の発電情報を検出する発電情報センサと、
気圧センサと温度センサと湿度センサと照度(受光量)センサと仰角センサと水平角センサと加速度センサとGPSとからなる環境パラメータ検知センサ群で構成され
る環境情報センサ
と、前記発電情報センサと前記環境情報センサの検出情報を符号化してソーラーモジュールの監視と制御を行うセンターサイトに送出するセンサデータ演算ユニットからなるセンサ収容部を備えると共に、
前記GPSが検知する前記ソーラーモジュールの位置情報を当該モジュール自身のIDと共にワイヤレス発信する発信回路とアンテナおよびバッテリを搭載してなることを特徴とするソーラーモジュール。
【請求項2】
前記端子接続部には他のソーラーモジュールからの電流の流入を阻止する逆流防止ダイオードと当該ソーラーモジュールをその機能劣化に応じて前記ソーラーストリングの出力ラインから切り離すためのバイパスダイオードを有することを特徴とする請求項1に記載のソーラーモジュール。
【請求項3】
前記センサ収容部に収容される発電情報センサは、電流センサと電圧センサで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のソーラーモジュール。
【請求項4】
前記付加機能収容部材にオプティマイザ収容部を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のソーラーモジュール。
【請求項5】
前記付加機能収容部材は、前記端子接続部と前記センサ収容部を収納する単一の箱体であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のソーラーモジュール。
【請求項6】
前記オプティマイザ収容部は、前記端子接続部と前記センサ収容部と共に前記付加機能 収容部材に収納されることを特徴とする請求項4に記載のソーラーモジュール。
【請求項7】
前記オプティマイザ収容部は、前記端子接続部と前記センサ収容部とは異なる付加機能収容部材に収納されることを特徴とする請求項4に記載のソーラーモジュール。
【請求項8】
前記付加機能収容部材は、前記ソーラーモジュールの外枠に固定されることを特徴とする請求項1に記載のソーラーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーモジュールに係り、特にソーラー発電サイトを構成するソーラーモジュール個々の稼働状態を自身の稼働特性変化や設置環境の変化に対応させて管理し、ソーラー発電システム全体の高効率運用を可能としたソーラーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ソーラー発電(太陽光発電、Photo Voltaic:PV)システムは、多数のソーラーセル(solar cell、太陽電池セル)を直列接続したソーラーモジュール(ソーラーパネルとも称する)を並列接続して一枚の施工単位としたユニットすなわちソーラーストリングを発電サイトに展開敷設して構成される。多数のソーラーストリングを並べた状態をソーラーアレイとも称する。発電サイトは、戸建て家屋や集合住宅の屋根などを使用する小規模システムから、所謂メガソーラーとも称する大規模システムまで多様な発電容量の種々のシステムが知られている。
【0003】
ソーラーストリングの発電出力は入射する光強度や外気温度等の環境条件、ソーラーモジュール自身の温度等に大きく左右される。ソーラーストリングを構成する一つのソーラーモジュールの不具合(発電能力の低下、破損など)が原因で所定の出力が得られない場合には、当該モジュールをストリングから切り離して、残ったソーラーモジュールで発電を継続することで大幅な発電量の低下なく発電を継続することができる。そのためにはモジュールの状態を監視し、異常が検知された場合はその内容を解析し、異常発生モジュールの切り離しなど、最適な対応を行う必要がある。なお、説明の都合上、上記の用語を単にストリング、モジュール、セルのように略記する場合もある。
【0004】
太陽光発電システムの診断技術等に関連する従来技術を開示したものとしては特許文献1、特許文献2、特許文献3などを挙げることができる。特許文献1は、ソーラーアレイやソーラーストリングの端子とアース間に入力された測定信号に応答する観測信号の時間や観測信号波形を測定することにより、故障位置や故障種類を容易に特定する故障診断方法を開示する。
【0005】
特許文献2は、設置されたソーラーアレイに入力信号を印加して実測部で実測信号を得ると共に、ソーラーアレイの故障箇所を仮定した上で設置環境における当該アレイを模して決定した仮想モデルに対して同一の入力信号を印加してシミュレートして疑似出力信号を得る。そして、実測信号と疑似出力信号とを比較して、その比較結果から適合率を算出し、適合率が所定の値以上であれば、仮定した故障箇所がソーラーアレイの故障箇所であると推定する方法を開示する。
【0006】
特許文献3は、切換部と検査実施部と制御部とを備えた検査ユニットを有し、複数のストリングとパワーコンディショナ間のケーブル接点を常時閉から開に切換え可能とし、検査実施部はストリングに対し入力信号を印加可能であると共に、該ストリングからの応答である出力信号を実測可能とした。制御部は検査開始条件が満たされると切換部を切換え動作させてから検査実施部に検査を実施させ、入力信号と出力信号とを検査データとして比較してストリングの故障その他の不具合の有無を判別し検査結果を得る。そして、所定時間経過後に新たに1つの不具合を検知した場合には故障と判定し、所定時間経過後に新たに複数断線を検知した場合には盗難と判定するソーラーアレイの検査装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2009- 21341号公報
【文献】特開2011- 35000号公報
【文献】特開2013-251581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の太陽光発電システムにおけるモジュール異常の監視・診断は、基本的には出力端で測定する電流と電圧を監視して行うものであるので、ソーラーモジュールを例えば10枚前後直列に接続したソーラーストリングの異常状態(発電能力の劣化や機能停止すなわち故障)の検出はできるが、ストリングを構成する個々のモジュールの異常や故障の種類を特定することは容易ではない。
【0009】
ソーラーモジュールの稼働状態を常に監視して、その発電性能と故障診断を行うことは、発電システムを構成するモジュールの故障や発電性能の劣化による出力低下、外的原因(敷設環境の変化)による出力の低下や停止に対処するために要する発電システムの運用停止時間を短縮して、発電システム全体としての発電能力と運用効率をより大きくするために必要不可欠である。
【0010】
本発明の目的は、ソーラーモジュールそれぞれの発電状況と敷設した立地の環境に関わる各種情報に基づいた劣化傾向や故障原因の解析を行い、その解析結果によってモジュール毎の切り離しを可能とし、あるいは故意や自然災害による衝撃や破損などの突発的な事象を検知したり、ソーラーモジュールの稼働履歴の解析データを蓄積することで当該モジュールの交換時期を予測できるソーラーモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、ソーラーモジュールのそれぞれに当該モジュール毎の発電データの検出機能と共に、ストリングが敷設されているサイトの立地におけるソーラーモジュールの設置角度や温度などのデータ、および当該サイトにおける種々の環境データを検出する複数のセンサを設けた。本発明の代表的な構成は次のとおりである。
【0012】
(1)、多数のソーラーストリングを配置してなるソーラーアレイと、前記ソーラーアレイのDC電力をAC電力に変換して利用機器に供給するためのパワーコンディショナを有するソーラー発電サイトにおける前記ソーラーストリングを構成するソーラーモジュールであって、前記ソーラーモジュールは、複数のソーラーセルを配列して構成され、前記ソーラーセルの配列を単板状に支持する外枠を有し、前記ソーラーモジュールの太陽光照射面とは反対側で前記外枠に設置した1又は複数の付加機能収容部材を有し、前記付加機能収容部材は、前記ソーラーストリング内のソーラーモジュールの出力端子同士を接続して前記ソーラーアレイを構成する他のソーラーストリングの出力端子に接続するための端子接続部と、前記ソーラーストリング毎の発電情報を検出する発電情報センサと環境情報を検出する環境情報センサとからなるセンサ収容部を備える。
【0013】
(2)、(1)に記載の前記端子接続部には他のソーラーモジュールからの電流の流入を阻止する逆流防止ダイオードと当該ソーラーモジュールをその機能劣化に応じて前記ソーラーストリングの出力ラインから切り離すためのバイパスダイオードを有する。
【0014】
(3)、(1)又は(2)に記載の前記センサ収容部に収容される発電情報センサは、電流計と電圧計で構成される。
【0015】
(4)、(1)乃至(3)の何れかにおける前記センサ収容部に収容される環境情報センサは、気圧センサ、温度センサ、湿度センサ、照度(受光量)センサ、仰角センサ、水平角センサ、加速度センサなどであり、必要に応じてGPSを含む環境パラメータ検知センサ群で構成される。
【0016】
(5)、(1)乃至(4)の何れかにおける前記付加機能収容部材にオプティマイザ収容部を有する。
【0017】
(6)、(1)乃至(4)の何れかにおける前記付加機能収容部材は、前記端子接続部と前記センサ収容部を収納する単一の箱体である。
【0018】
(7)、(5)における前記オプティマイザ収容部は、前記端子接続部と前記センサ収容部と共に前記付加機能収容部材に収納される。
【0019】
(8)、(5)における前記オプティマイザ収容部は、前記端子接続部と前記センサ収容部とは異なる付加機能収容部材に収納される。
【0020】
(9)、(6)における前記端子接続部と前記センサ収容部は、異なる付加機能収容部材に収納される。
【0021】
(10)、(1)における前記付加機能収容部材は、前記ソーラーモジュールの外枠に固定されている。
【0022】
なお、本発明は上記の構成および後述する実施の対応に記載される構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲を逸脱することなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。本発明は、ソーラーモジュールに各種センサを設置する点が最大の特徴である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ソーラーモジュールの発電能力の変化を検出するセンサはもとより、太陽光発電サイトの立地(設置場所)に特有の外的条件の変化(環境変化)を検出する種々のセンサを設けることで、ソーラーモジュールの段階での稼働状態を監視し、診断し、故障と診断されたソーラーモジュールは必要に応じてソーラーストリングから切り離せるようにした。さらに、故意や自然災害によるモジュールの破壊や不具合をモジュール毎に特定して、所要の対応をすることができる。
【0024】
これにより、発電能力が設定された値を下回ったソーラーモジュールのみをソーラーストリングからきりはなすことで、正常なソーラーモジュールを継続して発電に使用でき、ソーラーストリングの稼働効率、ひいてはソーラーアレイ全体の高効率稼働が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発電に係るソーラーモジュールの1実施例の説明図で、同図(a)は受光面の平面図、同図(b)は同図(a)のA-A線に沿った断面図と要部拡大断面図である。
【
図2】本発電に係るソーラーモジュールの裏面に設けられる付加機能収容部材の取り付け構造例を説明する部分図である。
【
図3】
図2に示した付加機能収容部材に収容される付加機能の配置例を説明する模式図である。
【
図4】本発明に係るソーラーモジュールを用いたソーラー発電システムの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施例の図面を参照して本発明に係るソーラーモジュールの好ましい実施形態について詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
図1は本発電に係るソーラーモジュールの1実施例の説明図で、同図(a)は受光面(太陽光照射面)の平面図、同図(b)は同図(a)のA-A線に沿った断面図と要部拡大断面図である。ソーラー発電サイトは
図4で後述するように、多数のソーラーストリングを配置してなるソーラーアレイと、ソーラーアレイのDC電力をAC電力に変換して利用機器あるいは系統に供給するためのパワーコンディショナを有する。
【0028】
図2は本発電に係るソーラーモジュールの裏面に設けられる付加機能収容部材の取り付け構造例を説明する部分図、
図3は
図2に示した付加機能収容部材に収容される付加機能の配置例を説明する模式図、そして、
図4は本発明に係るソーラーモジュールを用いたソーラー発電システムの概略説明図である。
【0029】
ソーラー発電サイトにおける前記ソーラーストリングは複数のソーラーモジュール1で構成される。ソーラーモジュールは、複数のソーラーセル5を配列したセルアレイ2で構成される。ソーラーモジュール1は、ソーラーセル5の配列を単板状に支持する外枠を有する。
図1(a)に示したソーラーモジュール1は平面視が矩形であり、一対の第1フレーム7と一対の第2フレーム8とで構成される。
図1では、第1フレーム7は短辺、第2フレーム8は長辺である。
【0030】
セルアレイ2は、
図1(b)に拡大図を示したように透明な強化ガラスを好適とするフロントパネル3とバックパネル4の間に封止材6で封止されたソーラーセル5で構成される。
【0031】
図1(b)に示したように、ソーラーモジュール1の太陽光照射面とは反対側(裏面)には前記外枠に取り付けた付加機能収容部材9を有している。この構成例では、付加機能収容部材9は一個であるが、収容する内容を異ならせて独立した他の付加機能収容部材をさらに1又は複数配置することもできるが、ここでは一個として説明する。付加機能収容部材9からは発電出力を取り出す出力線12、およびモニタ/制御線13が引き出されている。
【0032】
図2に示した付加機能収容部材9は、ブラケット10で第1フレーム7の内側にネジ11で固定されている。図中、符号12は電力出力線、13はモニタ/制御線を示す。
【0033】
図3において、付加機能収容部材9は、ソーラーストリング内のソーラーモジュール1の出力端子同士を接続して
ソーラーアレイを構成する他のソーラーストリングの出力端子に接続するための端子接続部14と、ソーラーストリング毎の発電情報を検出する発電情報センサや各種の環境情報を検出する複数の環境情報センサ18a~18j・・・からなるセンサ収容部16を備える。
【0034】
また、端子接続部14には、他のソーラーモジュールからの電流の流入を阻止する逆流防止ダイオードD1と当該ソーラーモジュールをその機能劣化に応じてソーラーストリングの出力ラインから切り離すためのバイパスダイオードD2を有する。
【0035】
ちなみに、センサ収容部16に設置されるセンサは、例えば、気圧センサ18a、温度センサ18b、湿度センサ18c、照度センサ(受光量センサ)18d、仰角センサ18e、水平角センサ18f、加速度センサ(振動センサ)18g、電流センサ18h、電圧センサ18iである。また、GPS18jを設置するのが望ましい。GPS18jに、あるいはセンサ収容部16に発信回路とアンテナおよびバッテリを搭載し、ソーラーモジュールの位置情報をモジュール自身のIDと共にワイヤレス発信させることもできる。
【0036】
なお、センサ収容部16に収容される発電情報センサは、電流センサ(電流計)18hと電圧センサ(電圧計)18iで構成される。また、ソーラーモジュールの温度を検出するセンサや振動を検出する加速度計などのセンサのため、
【0037】
センサ収容部16にはセンサデータ演算ユニット19を有し、センサ18a~18iの検出データ、必要に応じてGPS18jのデータを符号化し、モニタ/制御線13に送出する。モニタ/制御線13は
図4に示すセンターサイト22に転送され、ソーラーモジュールの監視と制御に使用され、かつ運用履歴として格納される。このデータに基づいてソーラーモジュールの劣化程度や交換時期の判定をすることができる。なお、これらのデータの転送は所謂出力線12を用いたPLCで行うのが望ましい。
【0038】
この構成例では、付加機能収容部材9にオプティマイザ収容部15を有する。オプティマイザ17は、変動の大きいソーラー発電の出力を最適化して安定した発電電力を得るための手段である。センサ群18で取得したデータをオプティマイザ17の参考データに使用することもできる。
【0039】
オプティマイザはソーラーアレイの出力に設置するのが一般的であるが、この構成例ではソーラーモジュール1の出力端に設けて、ソーラーモジュール毎に最適発電出力を得るようにしている。また、ストリング毎に設置してもよい。したがって、オプティマイザ17を付加機能収容部材9に収容せずに、従来のようにソーラーアレイの出力に設置してもよく、あるいはソーラーストリング毎に設置してもよい。
【0040】
付加機能収容部材9は、端子接続部14とセンサ収容部16を収納する単一の箱体とし、あるいは端子接続部14とセンサ収容部16を別個の箱体に収容して外枠に取り付けてもよい。さらに、オプティマイザ収容部16を単独の箱体としてもよいが、この構成例では端子接続部14とセンサ収容部16及びオプティマイザ収容部15を一個の箱体としてある。
【0041】
図4に示したように、ソーラーモジュール1の出力電圧はDC30V~60V程度であり、これをオプティマイザ17でDC800V程度に昇圧する。オプティマイザ17のDC出力はパワーコンディショナ21でAC100VあるいはAC200Vに変換されて家電などの負荷に使用し、あるいは系統に送電する。
【0042】
本発明に係るソーラーモジュール1に設置されるセンサ群18で取得したデータはオプティマイザで参照したり、発電サイトに併設あるいはリモートにあるセンターサイト22に転送されて監視や運用プロセスに利用される。
【0043】
以上説明した本発明の実施形態によれば、ソーラーモジュールの発電能力の変化を検出するセンサと共に、太陽光発電サイトの立地に特有の環境条件の変化を検出する種々のセンサを設けることで、ソーラーモジュールの段階での稼働状態を監視し、診断し、交換時期を予測し、故障と診断されたソーラーモジュールはソーラーストリングから切り離せるようにした。さらに、故意や自然災害によるモジュールの破壊や不具合をモジュール毎に特定して所要の対応をすることができる。
【0044】
このように、発電能力が設定された値を下回ったソーラーモジュールあるいは破損などで使用不可となったソーラーモジュールのみをソーラーストリングから切り離すことで、正常なソーラーモジュールを継続して発電に使用でき、ソーラーストリングの稼働効率を向上させ、ソーラー発電サイト全体の高効率稼働を実現することができる。GPSを搭載したことの追加的効用として、ソーラーモジュールの盗難が発生した場合の追跡も可能である。
【符号の説明】
【0045】
1・・ソーラーモジュール
2・・セルアレイ
3・・フロントパネル
4・・バックパネル
5・・ソーラーセル
6・・封止材
7・・第1フレーム
8・・第2フレーム
9・・付加機能収容部材
10・・ブラケット
11・・ネジ
12・・出力線
13・・モニタ/制御線
14・・端子接続部
15・・オプティマイザ収容部
16・・センサ収容部
17・・オプティマイザ
18・・センサ群(18a、・・・)
19・・センサデータ演算ユニット
21・・パワーコンディショナ
22・・センターサイト