(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】HST及び変速装置
(51)【国際特許分類】
F16H 39/14 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
F16H39/14
(21)【出願番号】P 2019108395
(22)【出願日】2019-06-11
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000125853
【氏名又は名称】株式会社 神崎高級工機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】小和田 七洋
(72)【発明者】
【氏名】岩木 浩二
(72)【発明者】
【氏名】笹原 謙悟
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-16223(JP,A)
【文献】米国特許第3810519(US,A)
【文献】国際公開第2004/104448(WO,A1)
【文献】中国実用新案第206682275(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ軸と、前記ポンプ軸に相対回転不能に支持されたポンプ本体と、前記ポンプ本体の容量を画するポンプ側斜板と、前記ポンプ側斜板の背面を支持するポンプ側斜板ホルダと、モータ軸と、前記モータ軸に相対回転不能に支持されたモータ本体と、前記モータ本体の容量を画するモータ側斜板と、前記モータ側斜板の背面を支持するモータ側斜板ホルダと、前記ポンプ本体及び前記モータ本体が直接又は間接的に摺接され且つ両者を流体接続する油路が形成されたセンターセクションと、互いに対して対向する内表面によって前記センターセクション、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダを狭持するメインプレート及びサブプレートとを備え、
前記メインプレート及び前記サブプレートが対向する方向に沿って視た際に、前記メインプレートには、前記センターセクション、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダの設置空間並びに前記サブプレートよりも、面方向外方へ延びる延在領域が設けられていることを特徴とするHST。
【請求項2】
前記ポンプ本体及び前記モータ本体は同軸上で前記センターセクションの厚み方向一方側及び他方側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のHST。
【請求項3】
前記ポンプ本体は前記センターセクションの厚み方向一方側に配置され、前記モータ本体は前記センターセクションの厚み方向他方側において軸線が前記ポンプ本体の軸線とは異なる位置で平行となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のHST。
【請求項4】
前記メインプレート及び前記サブプレートの少なくとも一方の内表面には、前記ポンプ側斜板ホルダが係入されるポンプ側凹部及び前記モータ側斜板ホルダが係入されるモータ側凹部が設けられており、
前記ポンプ側凹部及び前記モータ側凹部は、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダが厚み方向に関し前記センターセクションから離間する方向へ移動すること、又は、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダが厚み方向に関し前記センターセクションに近接する方向へ移動することを防止するように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のHST。
【請求項5】
前記メインプレート及び前記サブプレートの少なくとも一方の内表面には、前記センターセクションが厚み方向移動不能に係入されるセンターセクション用凹部が設けられていることを特徴とする請求項2から4の何れかに記載のHST。
【請求項6】
前記ポンプ本体及び前記モータ本体は互いに対して平行な状態で前記センターセクションの厚み方向一方側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のHST。
【請求項7】
前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダを一体的に有する共通斜板ホルダを備えていることを特徴とする請求項6に記載のHST。
【請求項8】
前記メインプレート及び前記サブプレートの少なくとも一方の内表面には、前記センターセクション、前記ポンプ軸、前記ポンプ本体、前記ポンプ側斜板、前記モータ軸、前記モータ本体、前記モータ側斜板及び前記共通斜板ホルダが組み立てられてなるHSTプリアッセンブリが前記ポンプ軸の軸線方向に移動することを防止するように、前記共通斜板ホルダ及び前記センターセクションの少なくとも一方が係入される係入凹部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のHST。
【請求項9】
前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダの少なくとも一方は、対応する斜板が揺動軸線回り揺動可能となるように、当該対応する斜板の背面を支持し、
前記メインプレートには、前記ポンプ側斜板及び前記モータ側斜板のうち揺動軸線回り揺動可能に支持された可動斜板を、対応する揺動軸線回りに揺動させる油圧サーボ機構が設けられていることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のHST。
【請求項10】
前記油圧サーボ機構は、前記メインプレートに押動方向往復動可能に収容され、押動方向に沿った移動に応じて前記可動斜板を揺動軸線回りに揺動させるように前記可動斜板に連結ロッドを介して作動連結された押動ピストンと、供給される圧油によって前記押動ピストンを押動方向一方側及び他方側へそれぞれ押動可能なように前記メインプレートに形成された第1及び第2作動油室と、切替方向位置に応じて前記第1及び第2作動油室に対する圧油給排を切り替える切替スプールと、前記メインプレートに切替方向に平行な操作方向往復動可能に収容され、連結ピンを介して前記切替スプールに連結された操作ピストンと、供給される圧油によって前記操作ピストンを操作方向一方側及び他方側へそれぞれ押動可能なように前記メインプレートに形成された第1及び第2操作油室と、前記第1及び第2操作油室に対する圧油給排を切り替える操作弁とを備え、
前記メインプレートには、前記切替スプールの切替方向位置を手動変更可能な手動操作機構が設けられていることを特徴とする請求項9に記載のHST。
【請求項11】
駆動源から作動的に入力される回転動力を変速する変速装置であって、
ミッションケースと、前記駆動源に作動連結された状態で前記ミッションケースに軸線回り回転自在に支持された入力側伝動軸と、前記ミッションケース内において前記入力側伝動軸に相対回転不能に支持された入力側伝動ギヤと、前記ミッションケースに軸線回り回転自在に支持された出力側伝動軸と、前記ミッションケース内において前記出力側伝動軸に相対回転不能に支持された出力側伝動ギヤと、HSTとを備え、
前記HSTは、ポンプ軸と、前記ポンプ軸に相対回転不能に支持されたポンプ本体と、前記ポンプ本体の容量を画するポンプ側斜板と、前記ポンプ側斜板の背面を支持し且つ前記ポンプ軸が貫通する貫通孔が設けられたポンプ側斜板ホルダと、前記ポンプ軸のうち前記ポンプ側斜板ホルダから前記ポンプ本体とは反対側へ延びる部分に相対回転不能に支持されたポンプ側伝動ギヤと、モータ軸と、前記モータ軸に相対回転不能に支持されたモータ本体と、前記モータ本体の容量を画するモータ側斜板と、前記モータ側斜板の背面を支持し且つ前記モータ軸が貫通する貫通孔が設けられたモータ側斜板ホルダと、前記モータ軸のうち前記モータ側斜板ホルダから前記モータ本体とは反対側へ延びる部分に相対回転不能に支持されたモータ側伝動ギヤと、前記ポンプ本体及び前記モータ本体を流体接続する油路が形成されたセンターセクションと、互いに対して対向する内表面によって前記センターセクション、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダを狭持するメインプレート及びサブプレートとを備え、
前記ミッションケースは、周壁と、前記周壁に設けられた開口とを有しており、前記開口は、前記HSTの組立状態において、前記HSTにおける前記メインプレート以外の構成部材の挿通を許容する大きさとされており、
前記メインプレートは、前記メインプレート以外の前記HSTの構成部材が前記開口を介して前記ミッションケース内に収容された状態で、前記ミッションケースの周壁の外表面に脱着可能とされており、
前記ポンプ側伝動ギヤ及び前記モータ側伝動ギヤは、前記メインプレートを前記ミッションケースの周壁の外表面に装着させた状態において、それぞれ、前記入力側伝動ギヤ及び前記出力側伝動ギヤに噛合することを特徴とする変速装置。
【請求項12】
前記メインプレートには、一端部が外表面に開口して前記HSTの作動油補給用の油を導入する為のインレットポートを形成する供給油路が設けられており、前記供給油路に導入された油の一部が、前記ポンプ側斜板ホルダを介して前記ポンプ軸の軸線孔及び前記モータ側斜板ホルダを介して前記モータ軸の軸線孔にそれぞれ導入され、前記軸線孔を介して被潤滑部位へ供給されることを特徴とする請求項11に記載の変速装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体的に接続された油圧ポンプ及び油圧モータを有するHST(静油圧式無段変速機構(HST))、並びに、前記HSTを備えた変速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無段変速可能なHSTは、コンバインやトラクタ等の作業車輌における走行系変速装置の一部又は全部として好適に利用されている。
【0003】
下記特許文献1には、前方に配置されたエンジンから駆動輪となる後輪へ回転動力を変速伝達する変速装置であって、上方に開く開口が設けられたケーシングと、前記ケーシングに収容されたHSTとを備え、前記HSTの全構成部材が、前記開口を閉塞するカバーに支持されている変速装置が開示されている。
【0004】
前記特許文献1に記載の変速装置は、前記ケーシングを設置されている状態のままで、前記カバーを前記ケーシングから取り外すことにより、前記HSTの取り出しを行うことができる点において有用である。
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載の構成においては、前記HSTの全構成部材は前記カバーに片持ち状態で支持されており、支持安定性に欠けるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、センターセクション、ポンプ側斜板ホルダ及びモータ側斜板ホルダを含む構成部材の支持安定化を図りつつ、作業車輌におけるミッションケースに対して構成部材を分解することなく一体的に脱着可能なHSTの提供を第1の目的とする。
また、本発明は、駆動源から作動的に入力される回転動力を変速する変速装置であって、センターセクション、ポンプ側斜板ホルダ及びモータ側斜板ホルダを含むHST構成部材の支持安定化を図りつつ、ミッションケースの設置状態を維持したままで、前記ミッションケースに対して、前記HSTを分解することなく脱着可能な変速装置の提供を第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記第1の目的を達成する為に、本発明は、ポンプ軸と、前記ポンプ軸に相対回転不能に支持されたポンプ本体と、前記ポンプ本体の容量を画するポンプ側斜板と、前記ポンプ側斜板の背面を支持するポンプ側斜板ホルダと、モータ軸と、前記モータ軸に相対回転不能に支持されたモータ本体と、前記モータ本体の容量を画するモータ側斜板と、前記モータ側斜板の背面を支持するモータ側斜板ホルダと、前記ポンプ本体及び前記モータ本体が直接又は間接的に摺接され且つ両者を流体接続する油路が形成されたセンターセクションと、互いに対して対向する内表面によって前記センターセクション、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダを狭持するメインプレート及びサブプレートとを備え、前記メインプレート及び前記サブプレートが対向する方向に沿って視た際に、前記メインプレートには、前記センターセクション、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダの設置空間並びに前記サブプレートよりも、面方向外方へ延びる延在領域が設けられているHSTを提供する。
【0009】
一形態の第1例においては、前記HSTは、前記ポンプ本体及び前記モータ本体は同軸上で前記センターセクションの厚み方向一方側及び他方側に配置されているインライン式とされる。
一形態の第2例においては、前記ポンプ本体は前記センターセクションの厚み方向一方側に配置され、前記モータ本体は前記センターセクションの厚み方向他方側において軸線が前記ポンプ本体の軸線とは異なる位置で平行となるように配置される。
【0010】
前記一形態において、好ましくは、前記メインプレート及び前記サブプレートの少なくとも一方の内表面には、前記ポンプ側斜板ホルダが係入されるポンプ側凹部及び前記モータ側斜板ホルダが係入されるモータ側凹部が設けられる。
【0011】
前記ポンプ側凹部及び前記モータ側凹部は、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダが厚み方向に関し前記センターセクションから離間する方向へ移動すること、又は、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダが厚み方向に関し前記センターセクションに近接する方向へ移動することを防止するように構成される。
【0012】
前記一形態において、好ましくは、前記メインプレート及び前記サブプレートの少なくとも一方の内表面には、前記センターセクションが厚み方向移動不能に係入されるセンターセクション用凹部が設けられる。
【0013】
他形態においては、前記HSTは、前記ポンプ本体及び前記モータ本体が互いに対して平行で前記センターセクションの厚み方向一方側に配置されているパラレル式とされる。
【0014】
前記他形態に係るHSTは、好ましくは、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダを一体的に有する共通斜板ホルダを備え得る。
【0015】
より好ましくは、前記メインプレート及び前記サブプレートの少なくとも一方の内表面には、前記センターセクション、前記ポンプ軸、前記ポンプ本体、前記ポンプ側斜板、前記モータ軸、前記モータ本体、前記モータ側斜板及び前記共通斜板ホルダが組み立てられてなるHSTプリアッセンブリが前記ポンプ軸の軸線方向に移動することを防止するように、前記共通斜板ホルダ及び前記センターセクションの少なくとも一方が係入される係入凹部が設けられる。
【0016】
前記種々の構成において、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダの少なくとも一方は、対応する斜板が揺動軸線回り揺動可能となるように、当該対応する斜板の背面を支持するものとされる。
この場合、好ましくは、前記メインプレートには、前記ポンプ側斜板及び前記モータ側斜板のうち揺動軸線回り揺動可能に支持された可動斜板を、対応する揺動軸線回りに揺動させる油圧サーボ機構が設けられる。
【0017】
例えば、前記油圧サーボ機構は、前記メインプレートに押動方向往復動可能に収容され、押動方向に沿った移動に応じて前記可動斜板を揺動軸線回りに揺動させるように前記可動斜板に連結ロッドを介して作動連結された押動ピストンと、供給される圧油によって前記押動ピストンを押動方向一方側及び他方側へそれぞれ押動可能なように前記メインプレートに形成された第1及び第2作動油室と、切替方向位置に応じて前記第1及び第2作動油室に対する圧油給排を切り替える切替スプールと、前記メインプレートに切替方向に平行な操作方向往復動可能に収容され、連結ピンを介して前記切替スプールに連結された操作ピストンと、供給される圧油によって前記操作ピストンを操作方向一方側及び他方側へそれぞれ押動可能なように前記メインプレートに形成された第1及び第2操作油室と、前記第1及び第2操作油室に対する圧油給排を切り替える操作弁とを備えるものとされる。
この場合、好ましくは、前記メインプレートには、前記切替スプールの切替方向位置を手動変更可能な手動操作機構が設けられる。
【0018】
前記第2の目的を達成する為に、本発明は、駆動源から作動的に入力される回転動力を変速する変速装置であって、ミッションケースと、前記駆動源に作動連結された状態で前記ミッションケースに軸線回り回転自在に支持された入力側伝動軸と、前記ミッションケース内において前記入力側伝動軸に相対回転不能に支持された入力側伝動ギヤと、前記ミッションケースに軸線回り回転自在に支持された出力側伝動軸と、前記ミッションケース内において前記出力側伝動軸に相対回転不能に支持された出力側伝動ギヤと、HSTとを備えている変速装置を提供する。
【0019】
本発明に係る前記変速装置において、前記HSTは、ポンプ軸と、前記ポンプ軸に相対回転不能に支持されたポンプ本体と、前記ポンプ本体の容量を画するポンプ側斜板と、前記ポンプ側斜板の背面を支持し且つ前記ポンプ軸が貫通する貫通孔が設けられたポンプ側斜板ホルダと、前記ポンプ軸のうち前記ポンプ側斜板ホルダから前記ポンプ本体とは反対側へ延びる部分に相対回転不能に支持されたポンプ側伝動ギヤと、モータ軸と、前記モータ軸に相対回転不能に支持されたモータ本体と、前記モータ本体の容量を画するモータ側斜板と、前記モータ側斜板の背面を支持し且つ前記モータ軸が貫通する貫通孔が設けられたモータ側斜板ホルダと、前記モータ軸のうち前記モータ側斜板ホルダから前記モータ本体とは反対側へ延びる部分に相対回転不能に支持されたモータ側伝動ギヤと、前記ポンプ本体及び前記モータ本体を流体接続する油路が形成されたセンターセクションと、互いに対して対向する内表面によって前記センターセクション、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダを狭持するメインプレート及びサブプレートとを備えている。
【0020】
前記ミッションケースは、周壁と、前記周壁に設けられた開口とを有しており、前記開口は、前記HSTの組立状態において、前記HSTにおける前記メインプレート以外の構成部材の挿通を許容する大きさとされ、前記メインプレートは、前記メインプレート以外の前記HSTの構成部材が前記開口を介して前記ミッションケース内に収容された状態で、前記ミッションケースの周壁の外表面に脱着可能とされる。
前記ポンプ側伝動ギヤ及び前記モータ側伝動ギヤは、前記メインプレートを前記ミッションケースの周壁の外表面に装着させた状態において、それぞれ、前記入力側伝動ギヤ及び前記出力側伝動ギヤに噛合するように構成される。
【0021】
本発明に係る前記変速装置の一形態においては、前記メインプレートには、一端部が外表面に開口して前記HSTの作動油補給用の油を導入する為のインレットポートを形成する供給油路が設けられ、前記ポンプ側斜板ホルダ及び前記モータ側斜板ホルダには、前記供給油路に導入された油の一部を受け入れる油路が設けられ、前記ポンプ軸には、前記ポンプ側斜板ホルダの油路に導入された油の少なくとも一部を受け入れる軸線孔が設けられ、前記モータ軸には、前記モータ側斜板ホルダの油路に導入された油の少なくとも一部を受け入れる軸線孔が設けられる。
前記ポンプ軸の軸線孔及び前記モータ軸の軸線孔は、導入された油を被潤滑部位へ供給するように構成される。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るHSTによれば、センターセクション、ポンプ側斜板ホルダ及びモータ側斜板ホルダを含む構成部材の支持安定化を図りつつ、作業車輌におけるミッションケースに対して、構成部材を分解することなく一体的に脱着させることができる。
【0023】
また、本発明に係る変速装置によれば、センターセクション、ポンプ側斜板ホルダ及びモータ側斜板ホルダを含むHST構成部材の支持安定化を図りつつ、ミッションケースの設置状態を維持したままで、前記ミッションケースに対して、前記HSTを分解することなく脱着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態1に係るHSTを含む変速装置が適用された作業車輌の伝動模式図である。
【
図2】
図2は、前記変速装置におけるミッションケース及び前記HSTの分解斜視図である。
【
図6】
図6は、
図4におけるVI-VI線に沿った断面図である。
【
図7】
図7は、
図4におけるVII-VII線に沿った断面図である。
【
図8】
図8は、
図4におけるVIII-VIII線に沿った断面図である。
【
図9】
図9は、
図4におけるIX-IX線に沿った断面図である。
【
図12】
図12は、前記ミッションケースに装着された状態の前記HSTを前記ミッションケースの外方から見た正面図であり、
図2におけるXII部を断面で表している。
【
図15】
図15は、前記HSTを備えた他の変速装置が適用された作業車輌の伝動模式図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施の形態2に係るHSTの縦断面図であって、
図6に対応した縦断面図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施の形態3に係るHSTの縦断面図であって、
図6及び
図16に対応した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施の形態1
以下、本発明に係るHSTの一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施の形態に係るHST100Aを備えた変速装置10Aが適用された作業車輌1の伝動模式図を示す。
また、
図2に、前記変速装置10Aにおけるミッションケース20及び前記HST100Aの分解斜視図を示す。
さらに、
図3~
図5に、それぞれ、前記HST100Aの分解斜視図、横断平面図及び油圧回路図を示す。
【0026】
図3及び
図4等に示すように、前記HST100Aは、前記作業車輌1に備えられる駆動源5(
図1参照)から回転動力を作動的に入力するポンプ軸110と、前記ポンプ軸110に相対回転不能に支持されたポンプ本体115と、前記ポンプ本体115の容量を画するポンプ側斜板120と、前記ポンプ側斜板120の背面を支持するポンプ側斜板ホルダ125Aと、モータ軸130と、前記モータ軸130に相対回転不能に支持されたモータ本体135と、前記モータ本体135の容量を画するモータ側斜板140と、前記モータ側斜板140の背面を支持するモータ側斜板ホルダ145Aと、センターセクション150Aと、メインプレート160Aと、サブプレート170Aとを備えている。
【0027】
本実施の形態に係るHST100Aは、前記ポンプ本体115及び前記モータ本体135が、それぞれ、前記センターセクション150Aの厚み方向一方側及び他方側において同軸上に配置されたインライン式とされている。
【0028】
図6に、
図4におけるVI-VI線に沿った断面図を示す。
図4及び
図6に示すように、前記ポンプ本体115は、ポンプ側シリンダブロック116と、前記ポンプ側シリンダブロック116に軸線回り相対回転不能且つ軸線方向進退自在に収容されたポンプ側ピストン118とを有している。
【0029】
前記ポンプ側シリンダブロック116は、基端面が前記センターセクション150Aの厚み方向一方側の第1端面に直接又は間接的に当接された状態で、前記ポンプ軸110に相対回転不能に支持されている。
【0030】
前記ポンプ側斜板120は、前記ポンプ側シリンダブロック116の軸線回り一回転毎の前記ポンプ側ピストン118の進退量、即ち、ポンプ本体115の容量を画するように、前記ポンプ側ピストン118の先端部に係合されている。
【0031】
本実施の形態においては、前記ポンプ側斜板120は揺動軸線回り揺動可能な可動斜板とされており、前記ポンプ側斜板120の揺動軸線回りの揺動位置に応じて、前記ポンプ側ピストン118の進退量が変化して前記ポンプ本体115の容積が変動するようになっている。
【0032】
前記ポンプ側斜板ホルダ125Aは、前記ポンプ側斜板120の背面(前記ポンプ側ピストン118が係合される面とは軸線方向反対側の面)を支持するように配置されている。
【0033】
前述の通り、本実施の形態においては、前記ポンプ側斜板120は、揺動軸線回り揺動可能な可動斜板とされている。
従って、
図6に示すように、前記ポンプ側斜板ホルダ125Aは、前記ポンプ側斜板120が揺動軸線回りに揺動される際の当該ポンプ側斜板120の背面の揺動軌跡に沿った凹状支持面を有している。
【0034】
前記ポンプ軸110は、基端部及び先端部が前記センターセクション150A及び前記ポンプ側斜板ホルダ125Aにそれぞれ軸線回り回転自在に支持された状態で、中間部において前記ポンプ本体115を軸線回り相対回転不能に支持している。
なお、前記ポンプ側斜板120には、前記ポンプ軸110の貫通を許容する貫通孔が設けられている。
【0035】
図4及び
図6に示すように前記モータ本体135は、モータ側シリンダブロック136と、前記モータ側シリンダブロック136に軸線回り相対回転不能且つ軸線方向進退自在に収容されたモータ側ピストン138とを有している。
【0036】
前記モータ側シリンダブロック136は、基端面が前記センターセクション150Aの厚み方向他方側の第2端面に直接又は間接的に当接された状態で、前記ポンプ軸110と同軸上に配置された前記モータ軸130に相対回転不能に支持されている。
【0037】
前記モータ側斜板140は、前記モータ側シリンダブロック136の軸線回り一回転毎の前記モータ側ピストン138の進退量、即ち、モータ本体135の容量を画するように、前記モータ側ピストン138の先端部に係合されている。
【0038】
本実施の形態においては、前記モータ側斜板140は前記モータ軸130に対する傾斜角が固定された固定斜板とされており、前記モータ本体135の容積は固定されている。
【0039】
前記モータ側斜板ホルダ145Aは、前記モータ側斜板140の背面(前記モータ側ピストン138が係合される面とは軸線方向反対側の面)を支持するように配置されている。
【0040】
前述の通り、本実施の形態においては、前記モータ側斜板140は固定斜板とされている。
従って、
図6に示すように、前記モータ側斜板ホルダ145Aは、前記モータ側斜板140を所定傾斜角に固定する傾斜支持面を有している。
【0041】
前記モータ軸130は、前記ポンプ軸110と同軸上に配置されており、基端部及び先端部がそれぞれ前記センターセクション150A及び前記モータ側斜板ホルダ145Aに軸線回り回転自在に支持された状態で、中間部において前記モータ本体135を軸線回り相対回転不能に支持している。
なお、前記モータ側斜板140には、前記モータ軸130の貫通を許容する貫通孔が設けられている。
【0042】
図7に、
図4におけるVII-VII線に沿った断面図を示す。
図4及び
図7等に示すように、前記センターセクション150Aには、前記ポンプ本体115及び前記モータ本体135を流体接続する一対のHST作動油路151が形成されている。
【0043】
前記メインプレート160A及び前記サブプレート170Aは、互いに対して対向する内表面によって前記センターセクション150A、前記ポンプ側斜板ホルダ125A及び前記モータ側斜板ホルダ145Aを狭持するように構成されている。
【0044】
即ち、前記メインプレート160Aは、内表面が前記センターセクション150A、前記ポンプ側斜板ホルダ125A及び前記モータ側斜板ホルダ145Aにおける厚み方向(即ち、前記ポンプ軸110及び前記モータ軸130の軸線方向)とは直交する幅方向一方側の側面に当接状態で、ボルト等の締結部材190(
図3参照)によってこれらの部材に連結されている。
【0045】
前記サブプレート170Aは、当該サブプレート170Aの内表面と前記メインプレート160Aの内表面との間に前記センターセクション150A、前記ポンプ側斜板ホルダ125A及び前記モータ側斜板ホルダ145Aが配置された状態で、前記メインプレート160Aに対向配置されており、さらに、前記サブプレート170Aの内表面は前記センターセクション150A、前記ポンプ側斜板ホルダ125A及び前記モータ側斜板ホルダ145Aの幅方向他方側の側面に当接状態で、ボルト等の締結部材191(
図3参照)によってこれらの部材に連結されている。
【0046】
図3、
図4、
図6及び
図7等に示すように、前記メインプレート160A及び前記サブプレート170Aが対向する方向(即ち、前記メインフレーム160A及び前記サブプレート170Aに直交する方向)に沿って視た際に、前記メインプレート160Aには、前記センターセクション150A、前記ポンプ側斜板ホルダ125A及び前記モータ側斜板ホルダ145Aの設置空間並びに前記サブプレート170Aよりも、面方向外方へ延びる延在領域162が設けられている。
【0047】
斯かる構成を備えたHST100Aによれば、前記センターセクション150A、前記ポンプ側斜板ホルダ125A及び前記モータ側斜板ホルダ145Aが前記メインプレート160A及び前記サブプレート170Aによって両持ち支持されることになるので、構成部材の支持安定化を図ることができる。
【0048】
さらに、前記HST100Aが装着される前記ミッションケース20に、前記メインプレート160Aの延在領域162より小さく且つ前記センターセクション150A、前記ポンプ側斜板ホルダ125A及び前記モータ側斜板ホルダ145Aの設置空間並びに前記サブプレート170Aよりも大きい開口22(
図2参照)を設けることにより、前記HST100Aを分解すること無く、前記HST100Aを前記ミッションケース20に対して脱着させることが可能となる。
従って、前記HST100Aのメンテナンス作業及び部品交換作業の容易化を図ることができる。
【0049】
詳しくは、
図1及び
図2に示すように、前記変速装置10Aは、前記ミッションケース20と、前記駆動源5に作動連結された状態で前記ミッションケース20に軸線回り回転自在に支持された入力側伝動軸30と、前記ミッションケース20内において前記入力側伝動軸30に相対回転不能に支持された入力側伝動ギヤ32と、前記ミッションケース20に軸線回り回転自在に支持された出力側伝動軸35と、前記ミッションケース20内において前記出力側伝動軸35に相対回転不能に支持された出力側伝動ギヤ37と、前記HST100Aとを備えている。前記入力側伝動ギヤ32及び前記出力側伝動ギヤ37は、前記ミッションケース20の前半部において、軸方向に離間された状態で配置されている。
【0050】
前記HST100Aは、前記ミッションケース20に対して脱着可能で、且つ、前記ミッションケース20に装着された状態において、前記ポンプ軸110が前記入力側伝動軸30に作動連結され且つ前記モータ軸130が前記出力側伝動軸35に作動連結されるように構成されている。
【0051】
詳しくは、
図1~
図4等に示すように、前記HST100Aは、さらに、前記ポンプ軸110に相対回転不能に支持されたポンプ側伝動ギヤ112と、前記モータ軸130に相対回転不能に支持されたモータ側伝動ギヤ132とを有している。
【0052】
本実施の形態においては、前記ポンプ側伝動ギヤ112は、前記ポンプ軸110のうち前記ポンプ側斜板ホルダ125Aから前記ポンプ本体120とは反対側へ延びる部分に支持されており、前記モータ側伝動ギヤ132は、前記モータ軸の130うち前記モータ側斜板ホルダ145Aから前記モータ本体135とは反対側へ延びる部分に支持されている。
【0053】
図2に示すように、前記ミッションケース20は、その前半部において、周壁21と、前記周壁21に設けられた前記開口22とを有している。
【0054】
前記開口22は、前記HST100Aの組立状態において、前記HST100Aにおける前記メインプレート160A以外の構成部材の挿通を許容する大きさとされている。
【0055】
即ち、前記開口22は、前記センターセクション150A、前記ポンプ側斜板ホルダ125A及び前記モータ側斜板ホルダ145Aの設置空間並びに前記サブプレート170Aよりも大きいが、前記メインプレート160Aの延在領域162よりは小さくなるように構成されている。
【0056】
本実施の形態においては、前記開口22は、前記ミッションケース20が前記作業車輌1に装着された状態を基準にして側方に位置する、前記周壁21の側面に設けられている。
これに代えて、前記開口22を、前記周壁21の上面又は下面に設けることも可能である。
【0057】
図2及び
図3に示すように、前記メインプレート160Aの延在領域162にはボルト等の締結部材が挿通可能な締結孔163が形成されている。
【0058】
前記延在領域162は、前記メインプレート160A以外の前記HST100Aの構成部材が前記開口22を介して前記ミッションケース20内に収容された状態で、前記ミッションケース20の周壁21の外表面に当接され、且つ、前記締結孔163に挿通されるボルト等の締結部材を介して前記外表面に脱着可能に連結される。
【0059】
さらに、前記ポンプ側伝動ギヤ112及び前記モータ側伝動ギヤ132は、前記メインプレート160Aの延在領域162を前記ミッションケース20の周壁21の外表面に連結させた状態において、それぞれ、前記入力側伝動ギヤ32及び前記出力側伝動ギヤ37に噛合するように配置されている。
【0060】
図3及び
図4に示すように、本実施の形態においては、前記メインプレート160A及び前記サブプレート170Aの内表面には、前記センターセクション150Aが厚み方向移動不能に係入されるセンターセクション用凹部165、175が設けられている。
【0061】
斯かる構成を備えることにより、前記センターセクション150A、前記ポンプ軸110、前記ポンプ本体115、前記ポンプ側斜板120、前記ポンプ側斜板ホルダ125A、前記モータ軸130、前記モータ本体135、前記モータ側斜板140及び前記モータ側斜板ホルダ145Aが組み立てられてなるHSTプリアッセンブリの支持安定化を図ることができる。
【0062】
なお、本実施の形態においては、前記センターセクション用凹部165、175は、前記メインプレート160A及び前記サブプレート170Aの双方に設けられているが、何れか一方にのみ設けることも可能である。
【0063】
さらに、
図3及び
図4に示すように、本実施の形態においては、前記メインプレート160A及び前記サブプレート170Aの内表面には、前記ポンプ側斜板ホルダ125Aが係入されるポンプ側凹部166、176及び前記モータ側斜板ホルダ145Aが係入されるモータ側凹部167、177が設けられている。
【0064】
前記ポンプ側凹部166、176及び前記モータ側凹部167、177は、前記ポンプ側斜板ホルダ125A及び前記モータ側斜板ホルダ145Aが厚み方向(前記ポンプ軸110及び前記モータ軸130の軸線方向)に関し前記センターセクション150Aから離間する方向へ移動することを防止するように構成されている。
【0065】
図4に示すように、本実施の形態においては、前記ポンプ側凹部166、176は、前記ポンプ側斜板ホルダ125Aにおける前記センターセクション150Aとは反対側の端面に係合する段部166a、176aを有している。
【0066】
前記モータ側凹部167、177は、前記モータ側斜板ホルダ145Aにおける前記センターセクション150Aとは反対側の端面に係合する段部167a、177aを有している。
【0067】
斯かる構成を備えることにより、前記HSTプリアッセンブリのさらなる支持安定化を図ることができる。
【0068】
これに代えて、前記ポンプ側凹部166、176及び前記モータ側凹部167、177は、前記ポンプ側斜板ホルダ125A及び前記モータ側斜板ホルダ145Aが厚み方向に関し前記センターセクション150Aに近接する方向へ移動することを防止するように構成され得る。
【0069】
即ち、前記ポンプ側凹部166、176は、前記ポンプ側斜板ホルダ125Aにおける前記センターセクション150Aに近接する側の端面に係合する段部を有し、前記モータ側凹部167、177は、前記モータ側斜板ホルダ145Aにおける前記センターセクション150Aに近接する側の端面に係合する段部を有するように、構成され得る。
【0070】
本実施の形態においては、
図7に示すように、前記センターセクション用凹部165、175は前記センターセクション150Aの下面及び上面に係合する段部165a、165b、175a、175bを有している。
【0071】
図8及び
図9に、それぞれ、
図4におけるVIII-VIII線及びIX-IX線に沿った断面図を示す。
図8に示すように、本実施の形態においては、前記ポンプ側凹部166、176は、前記ポンプ側斜板ホルダ125Aの下面及び上面に係合する段部166b、176b、166c、176cを有している。
【0072】
同様に、
図9に示すように、前記モータ側凹部167、177は、前記モータ側斜板ホルダ145Aの下面及び上面に係合する段部167b、177b、167c、177cを有している。
【0073】
斯かる構成によれば、前記HSTプリアッセンブリのさらなる支持安定化を図ることができる。
【0074】
なお、本実施の形態においては、前記センターセクション用凹部165、175は、前記センターセクション150Aの下面に係合する段部165a、175a及び上面に係合する段部165b、175bを有しているが、これに代えて、下面及び上面の何れか一方に係合する段部のみを有するように変形することも可能である。
【0075】
また、前記ポンプ側凹部166、176及び前記モータ側凹部167、177は、対応する斜板ホルダの下面に係合する段部166b、176b、167b、177b及び上面に係合する段部166c、176c、167c、177cを有しているが、これに代えて、下面又は上面の何れか一方に係合する段部のみを有するように変形することも可能である。
【0076】
また、本実施の形態においては、前記メインフレーム160A及び前記サブフレーム170Aの双方に前記ポンプ側凹部166、176が設けられ、且つ、前記両フレーム160A、170Aに前記モータ側凹部167、177が設けられているが、前記ポンプ側凹部を前記メインフレーム160A及び前記サブフレーム170Aの一方にのみ設け、及び/又は、前記モータ側凹部を前記メインフレーム160A及び前記サブフレーム170Aの一方にのみ設けることも可能である。
【0077】
図4及び
図5に示すように、本実施の形態に係る前記HST100Aは、さらに、可動斜板(本実施の形態においては前記ポンプ側斜板120)を揺動させる為の力を生じさせる油圧サーボ機構200を有している。
【0078】
本実施の形態においては、前記油圧サーボ機構200は前記メインプレート160Aに設けられている。
【0079】
図10及び
図11に、それぞれ、
図4におけるX-X線及びXI-XI線に沿った断面図を示す。
【0080】
図4、
図5、
図10及び
図11に示すように、前記油圧サーボ機構200は、前記可動斜板(本実施の形態においては前記ポンプ側斜板120)によって容量が変動される油圧体(本実施の形態においては前記ポンプ本体115)の軸線及び前記揺動軸線の双方に対して直交する方向(以下、押動方向という)に往復動可能に前記メインプレート160Aに収容され、前記押動方向に沿った移動によって前記可動斜板が前記揺動軸線回りに揺動するように前記可動斜板に連結ロッド205を介して作動連結された押動ピストン210と、供給される圧油によって前記押動ピストン210を押動方向一方側及び他方側へそれぞれ押動可能なように前記メインプレート160Aに形成された第1及び第2作動油室215(1)、215(2)と、油圧源を前記第1作動油室215(1)に流体接続し且つ前記第2作動油室215(2)をドレンさせて前記第1作動油室215(1)に前記油圧源からの圧油を供給する第1作動位置、油圧源を前記第2作動油室215(2)に流体接続し且つ前記第1作動油室215(1)をドレンさせて前記第2作動油室215(2)に前記油圧源からの圧油を供給する第2作動位置、並びに、前記第1及び第2作動油室215(1)、215(2)を閉塞する閉塞位置を選択的に取り得る切替スプール220と、前記切替スプール220に連結ピン225を介して連結された状態で前記メインプレート160Aに往復動可能に収容された操作ピストン230であって、前記切替スプール220を第1作動位置、閉塞位置及び第2作動位置にそれぞれ位置させる第1操作位置、保持位置及び第2操作位置を取り得る操作ピストン230と、供給される圧油によって前記操作ピストン230を第1及び第2操作位置へ向けてそれぞれ押動可能なように前記メインプレート160Aに形成された第1及び第2操作油室235(1)、235(2)と、油圧源を前記第1操作油室235(1)に流体接続し且つ前記第2操作油室235(2)をドレンさせて前記第1操作油室235(1)に前記油圧源からの圧油を供給して前記操作ピストン230を第1操作位置に位置させる第1位置、油圧源を前記第2操作油室235(2)に流体接続し且つ前記第1操作油室をドレンさせて前記第2操作油室235(2)に前記油圧源からの圧油を供給して前記操作ピストン230を第2操作位置に位置させる第2位置、並びに、前記第1及び第2操作油室235(1)、235(2)を閉塞して、前記操作ピストン230を保持位置に位置させる閉塞位置を選択的に取り得る操作弁250とを備えている。
【0081】
本実施の形態においては、前記切替スプール220は、押動ピストン210に形成された軸線孔内に収容されており、前記切替スプールが往復動する方向(切替方向)と前記押動ピストンが往復動する押動方向とは同一とされている。
本実施の形態においては、前記操作弁250は、前記作業車輌1に備えられる制御装置によって作動制御される電磁弁とされている。
【0082】
図5及び
図10に示すように、本実施の形態においては、前記第1操作油室235(1)には前記操作ピストン230を第1操作位置へ向けて付勢する第1バネ240(1)が配設され、前記第2操作油室235(2)には前記操作ピストン230を第2操作位置へ向けて付勢する第2バネ240(2)が配設されている。
【0083】
前記第1及び第2バネ240(1)、240(2)は、前記第1及び第2操作油室235(1)、235(2)の双方に圧油が作用しない状態においては、前記操作ピストン230を保持位置に位置させるように、付勢力が設定されている。
【0084】
前記HST100Aは、さらに、前記切替スプール220を手動で移動させる手動操作機構260を有している。
【0085】
詳しくは、
図4に示すように、前記操作ピストン230が往復動する方向(操作方向)及び前記切替スプールが往復動する方向(切替方向)は互いに対して平行とされており、前記連結ピン225は、前記操作ピストン230の操作方向に沿った移動に応じて前記切替スプール220が切替方向に沿って移動するように、基端部が前記切替スプール220に係合され且つ先端部が前記操作ピストン230に係合されている。
【0086】
本実施の形態においては、前記手動操作機構260は前記メインプレート160Aに設けられている。
詳しくは、前記手動操作機構260は、前記連結ピン225と平行で且つ先端部が外方へ延在された状態で前記メインプレート160Aに軸線回り回転自在に支持された操作軸265と、基端部が前記操作軸265に軸線回り相対回転不能に連結され且つ先端部が前記連結ピン225に連結された連結アーム270とを有している。
【0087】
前記操作軸265を人為操作によって軸線回りに回転させることによって、前記連結アーム270及び前記連結ピン225を介して、前記切替スプール220が切替方向に移動する。
【0088】
前記手動操作機構260を備えることにより、前記操作弁250を介して油圧の作用によって前記切替スプール220を移動させる態様に加えて、前記操作軸265への人為操作によって前記切替スプール220を移動させる態様を備えることができる。
【0089】
従って、何らかのトラブルによって、前記操作弁250を電気的に位置制御する制御構造及び前記操作弁250を手動的に位置制御する前記手動操作機構の一方が故障した場合であっても、他方によって前記操作ピストン230の位置制御を行うことができる。
【0090】
次に、前記HST100Aにおける油路について説明する。
図12に、前記ミッションケース20に装着された状態の前記HST100Aを前記ミッションケース20の外方から視た正面図である。なお、
図12においては、
図2におけるXXII部を断面で表している。
また、
図13に、
図12におけるXIII-XIII線に沿った断面図を示す。
さらに、
図14に、
図4におけるXIV-XIV線に沿った断面図を示す。
【0091】
図2、
図5及び
図13に示すように、前記メインプレート160Aには、一端部が外表面に開口してインレットポート310Pを形成する供給油路310と、前記供給油路310の油圧を設定するチャージリリーフ弁315と、前記チャージリリーフ弁315のリリーフ油を受け入れる潤滑油路320と、前記潤滑油路320の油圧を設定する潤滑リリーフ弁325とが設けられている。
【0092】
図5に示すように、本実施の形態においては、前記作業車輌1の駆動源によって駆動される補助ポンプ9から配管305を介して前記インレットポート310Pに圧油が供給されるようになっている。
【0093】
図5及び
図14に示すように、前記供給油路310は、圧油流れ方向下流側がチャージ供給油路311及びサーボ供給油路312に分岐されている。
【0094】
図7に示すように、前記チャージ供給油路311は、圧油流れ方向下流側が前記センターセクション150Aとの当接面に開口してメインプレート側チャージポート311Pを形成している。
【0095】
本実施の形態においては、前述の通り、前記メインプレート160Aには、前記センターセクション150Aが厚み方向移動不能に係入されるセンターセクション用凹部165が形成されており、前記メインプレート側チャージポート311Pは、前記センターセクション用凹部165の底面に設けられている。
【0096】
図5及び
図7に示すように、前記センターセクション150Aには、前記一対のHST作動油路151に加えて、一端部が外表面に開口してセンターセクション側チャージポート153Pを形成するチャージ油路153が設けられている。
【0097】
前記チャージ油路153の圧油流れ方向下流側は2方向に分岐されており、チェック弁154を介して前記一対のHST作動油路151に流体接続されている。
【0098】
図5に示すように、本実施の形態においては、前記チェック弁154は高圧リリーフ機能付きとされており、一方のHST作動油路151が異常高圧となると、当該一方のHST作動油路151の圧油が他方のHST作動油路151へリリーフされるようになっている。
【0099】
前記サーボ供給油路312は、前記操作弁250及び前記切替スプール220に圧油を供給するように構成されている。
【0100】
図8及び
図9に示すように、前記ミッションケース20は、前半部分において油を貯留可能とされており、その油面OLは、前記HST100Aを前記ミッションケース20に装着した際に前記ポンプ本体115や前記モータ本体135の回転抵抗とならないように下位に設定されている。そのため、前記HST100Aに対して強制潤滑がなされるよう、
図5等に示すように、前記潤滑油路320は、ポンプ側潤滑油路321及びモータ側潤滑油路322を有している。
【0101】
前記ポンプ側潤滑油路321は、
図4、
図5及び
図8等に示すように、前記ポンプ側斜板ホルダ125Aに形成された潤滑油路126及び前記ポンプ軸110に形成された軸線孔111を介して、軸受やピストンシューなどの所定潤滑部位に連通されている。
【0102】
前記モータ側潤滑油路322は、
図4、
図5及び
図9等に示すように、前記モータ側斜板ホルダ145Aに形成された潤滑油路146及び前記モータ軸130に形成された軸線孔131を介して、軸受やピストンシューなどの所定潤滑部位に連通されている。
【0103】
なお、
図7における符号330は、前記HST作動油路151の圧力を計測する為に、一端部が前記HST作動油路151に連通され且つ他端部が前記メインプレート160Aの外表面に開口されて取出ポートを形成する圧油取出油路であり、
図12における符号332は、前記取出ポートを閉塞するプラグである。
【0104】
ここで、前記変速装置10Aについて説明する。
図1に示すように、本実施の形態においては、前記変速装置10Aは、前記出力側伝動軸35の回転動力を多段変速する多段変速機構40と、前記多段変速機構40の出力を左右一対の主駆動車軸80に差動伝達する差動機構45と、前記主駆動車軸80に制動力を付加する走行ブレーキ機構50と、前記多段変速機構40の出力を副駆動輪へ向けて出力可能な副駆動輪用動力取出機構55とを有している。
【0105】
前記変速装置10Aは、さらに、作業装置等の外部機器に向けて回転動力を出力可能なPTO軸90と、前記入力側伝動軸30に作動連結されたPTO伝動軸92と、前記入力側伝動軸30から前記PTO軸90へ至るPTO伝動経路に介挿されたPTOブレーキ機構94及びPTO変速機構96とを有している。
【0106】
当然ながら、前記HST100Aは他の変速装置10Bにも適用可能である。
図15に、前記HST100Aを備えた他の変速装置10Bが適用された作業車輌1の伝動模式図を示す。
なお、図中、本実施の形態におけると同一部材には同一符号を付している。
【0107】
前記変速装置10Bは、前記多段変速機構40に代えて、遊星歯車機構60と、前後進切替機構65と、多段変速機構70とを有している。
【0108】
前記遊星歯車機構60は、サンギヤ61、遊星キャリヤ62及びインターナルギヤ63を含む遊星3要素を有しており、前記出力側伝動軸35を介して入力されるHST100Aの回転動力及び前記入力側伝動軸30を介して入力される前記駆動源5の回転動力を合成して、合成回転動力を出力するように構成されている。
【0109】
図示の構成においては、前記サンギヤ61に前記出力側伝動軸35を介して前記HST100Aの回転動力が入力され、前記インターナルギヤ63に前記入力側伝動軸30を介して前記駆動源5の回転動力が入力され、前記遊星キャリヤ62から合成回転動力が出力されている。
【0110】
実施の形態2
以下、本発明に係るHSTの他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図16に、本実施の形態に係るHST100Bが前記ミッションケース20に装着された状態を前記ミッションケース20の内側から視た縦断面図を示す。
また、
図17に、
図16におけるXVII-XVII線に沿った断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1におけると同一部材は同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0111】
本実施の形態に係るHST100Bは、前記ポンプ本体115及び前記モータ本体135が互いに対して平行な状態でセンターセクション150Bの厚み方向一方側に並列配置されたパラレル式とされている点において、前記実施の形態1に係るHST100Aと相違している。
【0112】
具体的には、前記HST100Bは、センターセクション150Bと、ポンプ側斜板ホルダ125Bと、モータ側斜板ホルダ145Bと、前記ポンプ側斜板ホルダ125B及び前記モータ側斜板ホルダ145Bの双方が前記センターセクション150Bの厚み方向一方側に配置された状態で前記センターセクション150B、前記ポンプ側斜板ホルダ125B及び前記モータ側斜板ホルダ145Bを狭持するメインプレート160B及びサブプレート170Bと、前記センターセクション150B及び前記ポンプ側斜板ホルダ125Bによって軸線回り回転自在に支持された前記ポンプ軸110と、前記ポンプ軸110に相対回転不能に支持された前記ポンプ本体115と、前記ポンプ側斜板ホルダ125Bによって背面が支持された前記ポンプ側斜板120と、前記ポンプ軸110に対して平行な状態で前記センターセクション150B及び前記モータ側斜板ホルダ145Bによって軸線回り回転自在に支持された前記モータ軸130と、前記モータ軸130に相対回転不能に支持された前記モータ本体135と、前記モータ側斜板ホルダ145Bによって背面が支持された前記モータ側斜板140とを備えている。
【0113】
図16及び
図17に示すように、本実施の形態においては、前記ポンプ側斜板ホルダ125B及び前記モータ側斜板ホルダ145Bは単一の共通斜板ホルダ180によって形成されている。
【0114】
即ち、前記HST100Bは、前記ポンプ側斜板ホルダ125Bとして作用する部分及び前記モータ側斜板ホルダ145Bとして作用する部分を一体的に有する前記共通斜板ホルダ180を備えており、前記メインプレート及び前記サブプレートは、前記センターセクション及び前記共通斜板ホルダを狭持するように構成されている。
【0115】
前記実施の形態1における前記メインプレート160Aと同様に、前記メインプレート160B及び前記サブプレート170Bが対向する方向に沿って視た際に、前記メインプレート160Bには、前記センターセクション150B、前記ポンプ側斜板ホルダ125B及び前記モータ側斜板ホルダ145B(即ち、前記共通斜板ホルダ180)の設置空間並びに前記サブプレート170Bよりも、面方向外方へ延びる延在領域162が設けられている。
【0116】
前記メインプレート160B及び前記サブプレート170Bの内表面には、前記HSTプリアッセンブリが軸線方向に移動することを防止するように、前記共通斜板ホルダ180及び前記センターセクション150Bが係入される係入凹部が設けられている。
【0117】
本実施の形態においては、
図16及び
図17に示すように、前記メインプレート160Bの内表面には、前記係入凹部として、前記共通斜板ホルダ180における前記センターセクション150Bとは反対側の端面に係合する段部350aを形成する斜板ホルダ用凹部350と、前記センターセクション150Bにおける前記共通斜板ホルダ180とは反対側の端面に係合する段部355aを形成するセンターセクション用凹部355とが設けられている。
【0118】
また、前記サブプレート170Bの内表面には、前記係入凹部として、前記共通斜板ホルダ180における前記センターセクション150Bとは反対側の端面に係合する段部360aを形成する斜板ホルダ用凹部360と、前記センターセクション150Bにおける前記共通斜板ホルダ180とは反対側の端面に係合する段部365aを形成するセンターセクション用凹部365とが設けられている。
【0119】
斯かる構成を備えることにより、前記メインプレート160B及び前記サブプレート170Bによる前記HSTプリアッセンブリの支持安定化を図ることができる。
【0120】
実施の形態3
以下、本発明に係るHSTの他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図18に、本実施の形態に係るHST100Cが前記ミッションケース20に装着された状態を前記ミッションケース20の内側から視た縦断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1及び2におけると同一部材は同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0121】
本実施の形態に係るHST100Cは、前記ポンプ本体115及び前記モータ本体135がそれぞれセンターセクション150Cの厚み方向一方側及び他方側に配置されている点においては前記実施の形態1に係るHST100Aと共通するが、前記ポンプ本体115及び前記モータ本体130の軸線位置が異なっている点においては前記HST100Aと相違している。
【0122】
即ち、本実施の形態に係るHST100Cにおいては、前記ポンプ本体115はセンターセクション150Cの厚み方向一方側に配置されている一方で、前記モータ本体135は軸線が前記ポンプ本体115の軸線とは平行で且つ異なる位置に位置された状態で前記センターセクション150Cの厚み方向他方側に配置されている。
【0123】
具体的には、
図18に示すように、前記HST100Cは、センターセクション150Cと、ポンプ側斜板ホルダ125Cと、モータ側斜板ホルダ145Cと、前記ポンプ側斜板ホルダ125C及び前記モータ側斜板ホルダ145Cがそれぞれ前記センターセクション150Bの厚み方向一方側及び他方側に配置された状態で前記センターセクション150C、前記ポンプ側斜板ホルダ125C及び前記モータ側斜板ホルダ145Cを狭持するメインプレート160C及びサブプレート170Cと、前記センターセクション150C及び前記ポンプ側斜板ホルダ125Cによって軸線回り回転自在に支持された前記ポンプ軸110と、前記ポンプ軸110に相対回転不能に支持された前記ポンプ本体115と、前記ポンプ側斜板ホルダ125Cによって背面が支持された前記ポンプ側斜板120と、前記ポンプ軸110に対して平行で且つ軸線位置が異なるように前記センターセクション150C及び前記モータ側斜板ホルダ145Cによって軸線回り回転自在に支持された前記モータ軸130と、前記モータ軸130に相対回転不能に支持された前記モータ本体135と、前記モータ側斜板ホルダ145Bによって背面が支持された前記モータ側斜板140とを備えている。
【0124】
前記実施の形態1の前記メインプレート160A及び前記実施の形態2の前記メインプレート160Bと同様に、前記メインプレート160C及び前記サブプレート170Cが対向する方向に沿って視た際に、前記メインプレート160Cには、前記センターセクション150C、前記ポンプ側斜板ホルダ125C及び前記モータ側斜板ホルダ145Cの設置空間並びに前記サブプレート170Cよりも、面方向外方へ延びる延在領域162が設けられている。
【0125】
前記メインプレート160C及び前記サブプレート170Cの内表面にも、前記HSTプリアッセンブリが軸線方向に移動することを防止するように、前記ポンプ側斜板ホルダ125C、前記センターセクション150C及び前記モータ側斜板ホルダ145Cが係入される係入凹部が設けられる。
【0126】
前記センターセクション150C用の係入凹部は、前記センターセクション150Cの厚み方向一方側及び他方側の端面に係合する段部を有するように形成される。
【0127】
前記ポンプ側斜板ホルダ125C用の係入凹部は、前記ポンプ側斜板ホルダ125Cにおける前記センターセクション150Cとは反対側の端面に係合する段部を有するように形成される。
【0128】
前記モータ側斜板ホルダ145C用の係入凹部は、前記モータ側斜板ホルダ145Cにおける前記センターセクション150Cとは反対側の端面に係合する段部を有するように形成される。
【符号の説明】
【0129】
10A~10C 変速装置
20 ミッションケース
21 周壁
22 開口
30 入力側伝動軸
32 入力側伝動ギヤ
35 出力側伝動軸
37 出力側伝動ギヤ
100A~100C HST
110 ポンプ軸
112 ポンプ側伝動ギヤ
115 ポンプ本体
120 ポンプ側斜板
125A~125C ポンプ側斜板ホルダ
130 モータ軸
132 モータ側伝動ギヤ
135 モータ本体
140 モータ側斜板
145A~145C モータ側斜板ホルダ
150A~150C センターセクション
160A~160C メインプレート
162 延在領域
165 センターセクション用凹部
166 ポンプ側凹部
167 モータ側凹部
170A~170C サブプレート
175 センターセクション用凹部
176 ポンプ側凹部
177 モータ側凹部
180 共通斜板ホルダ
200 油圧サーボ機構
205 連結ロッド
210 押動ピストン
215(1)、215(2) 第1及び第2作動油室
220 切替スプール
225 連結ピン
230 操作ピストン
235(1)、235(2) 第1及び第2操作油室
250 操作弁
260 手動操作機構
350、355、360、365 係入凹部