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<図1>
  • -玩具銃及びトリガー機構 図1
  • -玩具銃及びトリガー機構 図2A
  • -玩具銃及びトリガー機構 図2B
  • -玩具銃及びトリガー機構 図3
  • -玩具銃及びトリガー機構 図4
  • -玩具銃及びトリガー機構 図5
  • -玩具銃及びトリガー機構 図6
  • -玩具銃及びトリガー機構 図7
  • -玩具銃及びトリガー機構 図8
  • -玩具銃及びトリガー機構 図9
  • -玩具銃及びトリガー機構 図10
  • -玩具銃及びトリガー機構 図11
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】玩具銃及びトリガー機構
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/18 20060101AFI20230706BHJP
   F41A 19/00 20060101ALI20230706BHJP
   F41B 11/00 20130101ALI20230706BHJP
   A63H 5/00 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
A63H33/18 A
F41A19/00
F41B11/00
A63H5/00 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019173578
(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公開番号】P2021049086
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】592153584
【氏名又は名称】株式会社東京マルイ
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 茂
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-168594(JP,A)
【文献】実開昭61-161595(JP,U)
【文献】実開昭52-094986(JP,U)
【文献】米国特許第5595165(US,A)
【文献】特開2006-300462(JP,A)
【文献】特開平11-344298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
F41A 19/00
F41B 11/00
A63F 13/245
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指をかける指掛け部を下側に備え、押圧部を上側に備え、回転軸を中心に揺動するトリガーと、
前記押圧部に押圧されて前方にスライドするスライダと、
前記スライダを後方に付勢する第1付勢部と、
前記スライダの前方へのスライドによりオフからオンへと切り替わるスイッチと、
前記押圧部の前方への移動に伴い一定距離だけ前方移動した後、前記押圧部の付勢力から解放されるシアーと、
前記シアーを後方に付勢する第2付勢部と、
前記押圧部の付勢力から解放された前記シアーが、前記第2付勢部によって後方に付勢されたことにより衝突する面を有するスイッチホルダと、
前記スイッチのオンに伴い、弾を発射する発射機構と、
を備えた玩具銃。
【請求項2】
前記スイッチホルダは、前記スライダの前方へのスライドに伴なって前方移動した前記シアーの後部が上方にせり上がるように形成された上方付勢部を備え、
前記スライダは、前記シアーの後部が上方にせり上がることによって、前記スライダから前方への付勢力が解除された際に、前記シアーの後部を下方から支持する支持部を備えた請求項1に記載の玩具銃。
【請求項3】
前記第2付勢部は、前記シアーの後部が下方に移動すべく前記シアーに対して付勢力を加え、
前記スイッチホルダは、
前記指掛け部を指で引く力が弱まり、前記スライダが前記第1付勢部による付勢力を受けて後方にスライドし、前記支持部と前記シアーの後端との係合が解除された際に、前記第2付勢部の付勢力によって下方に移動した前記シアーの後端の下面と衝突する衝突部を有する請求項2に記載の玩具銃。
【請求項4】
前記シアーは、側方に突出した前側ボスおよび後側ボスを備え、
前記スイッチホルダは、
前記前側ボスを前後移動可能に収容する第1収容部と、
前記後側ボスを斜め方向に移動可能に収容する略三角形の第2収容部と、
を備えた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の玩具銃。
【請求項5】
上側に押圧部を有し回転軸を中心に揺動するトリガーと、
前記押圧部に後端面を押圧されることにより前方にスライドするスライダと、
前記スライダを後方に付勢する第1付勢部と、
前記スライダのスライドによりオフからオンへと切り替わるスイッチと、
前記スライダと係合し、前記スライダの前方へのスライドに伴なって一定距離だけ前方移動した後、前記スライダとの係合が解除されるシアーと、
前記シアーを後方に付勢する第2付勢部と、
を備えたトリガー機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具銃及びトリガー機構に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、玩具銃のトリガーに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2016/151764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、トリガーの操作に伴ってクリック感やクリック音を意図的に発生させることはできなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明にかかる玩具銃は、
指をかける指掛け部を下側に備え、押圧部を上側に備え、回転軸を中心に揺動するトリガーと、
前記押圧部に押圧されて前方にスライドするスライダと、
前記スライダを後方に付勢する第1付勢部と、
前記スライダの前方へのスライドによりオフからオンへと切り替わるスイッチと、
前記押圧部の前方への移動に伴い一定距離だけ前方移動した後、前記押圧部の付勢力から解放されるシアーと、
前記シアーを後方に付勢する第2付勢部と、
前記押圧部の付勢力から解放された前記シアーが、前記第2付勢部によって後方に付勢されたことにより衝突する面を有するスイッチホルダと、
前記スイッチのオンに伴い、弾を発射する発射機構と、
を備えた。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明にかかるトリガー機構は、
上部に押圧部を有し回転軸を中心に揺動するトリガーと、
前記押圧部に後端面を押圧されることにより前方にスライドするスライダと、
前記スライダを後方に付勢する第1付勢部と、
前記スライダのスライドによりオフからオンへと切り替わるスイッチと、
前記スライダと係合し、前記スライダの前方へのスライドに伴なって一定距離だけ前方移動した後、前記スライダとの係合が解除されるシアーと、
前記シアーを後方に付勢する第2付勢部と、
を備えた。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トリガーの操作に伴ってクリック感やクリック音を意図的に発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る玩具銃の概略構成を示す図である。
図2A】本発明の実施形態に係るトリガーユニットの部品を示す分解図である。
図2B】本発明の実施形態に係るトリガーユニットの部品を示す分解図である。
図3】本発明の実施形態に係るトリガーユニットのスライダ、シアーおよび右側スイッチホルダの詳しい形状を示す分解図である。
図4】本発明の実施形態に係るトリガーユニットのスライダ、シアーおよび右側スイッチホルダの詳しい形状を示す分解図である。
図5】本発明の実施形態に係るトリガーユニットの内部構成を説明する図である。
図6】本発明の実施形態に係るトリガーユニットの内部構成を説明する図である。
図7】本発明の実施形態に係るトリガーユニットの内部構成を説明する図である。
図8】本発明の実施形態に係るトリガーユニットの内部構成を説明する図である。
図9】本発明の実施形態に係るトリガーユニットの内部構成を説明する図である。
図10】本発明の実施形態に係るトリガーユニットの内部構成を説明する図である。
図11】本発明の実施形態に係るトリガーユニットの内部構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての玩具銃100について、図1を用いて説明する。図1は、玩具銃100の全体構成を簡略表示した図である。玩具銃100は、トリガーユニット101と発射機構102とを含み、トリガーユニット101に対する操作に応じてBB弾を発射する。
【0012】
図1に示すように、トリガーユニット101は、トリガー110と、スライダ120と、スイッチ130と、シアー140と、右側スイッチホルダ150と左側スイッチホルダ160と、回転軸170とトーションスプリング180とを含む。
【0013】
トリガー110は、指をかける指掛け部111を下側に備え、押圧部としての爪部112を上側に備え、回転軸170を中心に揺動する。つまり、指掛け部111を後方に引くことにより、爪部112は、前方に移動する。トリガー110は、トーションスプリング180の弾性力によって、常に図中反時計回りに付勢されている。つまり、指掛け部111は前方に付勢されており、爪部112は後方に付勢されている。
【0014】
スライダ120は、トーションスプリング180の弾性力に抗って指掛け部111を後方に引くことにより前方に移動した爪部112によって、後端面を押圧されて前方にスライド移動する。
【0015】
スイッチ130は、スライダ120の前方へのスライドによりオフからオンへと切り替わる。発射機構102は、スイッチ130のオンに伴い、BB弾を発射する。
【0016】
シアー140は、図1では大部分が隠れているが、爪部112の前方への移動に伴い一定距離だけ前方移動した後、爪部112からの付勢力から解放される。具体的には、スライダ120と係合し、スライダ120から受けた前方への付勢力により一定距離だけ前方移動した後、スライダ120との係合が解除される機構となっている。
【0017】
そして、爪部112からの付勢力から解放されたシアー140が、若干後方に移動し、右側スイッチホルダ150の一部と衝突することにより、クリック音およびクリック感が発生する。
【0018】
右側スイッチホルダ150と左側スイッチホルダ160が組み合わされることによりトリガー110、スライダ120、スイッチ130およびシアー140が所定の位置に保持される。
【0019】
なお、シアー140が衝突する対象は、右側スイッチホルダ150に限定されるものではなく、他の部材でもよい。
【0020】
図2A図2Bは、トリガー機構としてのトリガーユニット101の組立図である。図2A図2Bに示すように、トリガーユニット101は、図1に示した構成の他、内部に、スライダ120を後方に付勢する付勢部としてのスライダスプリング201と、シアー140を後方に付勢する付勢部としてのシアースプリング202を含んでいる。各構成は判別しやすいようにハッチングが施されており、以降の図面でも必要に応じて同様のハッチングを施している。
【0021】
右側スイッチホルダ150と左側スイッチホルダ160は、それぞれ2つのボスを有し、スイッチ130に設けられた孔に挿入することにより、スイッチ130をしっかりと固定する。また、左側スイッチホルダ160は、凹部261を有しており、スライダ120の左側側面から左に突出した突出部221を前後方向に移動可能に収容する。突出部221は、スライダスプリング201に当接し、スライダスプリング201から後方への付勢力を受ける。
【0022】
スライダ120は、右側に突き出たL字部222を備えており、L字部222がシアー140と係合する。
【0023】
シアー140はその右側面において右側に突出する後側ボス241および前側ボス242を備えており、それぞれ、右側スイッチホルダ150に設けられた開口部251、252に対して挿入される。開口部251は、後側ボス241を斜め方向に移動可能に収容する略三角形の収容部として機能する。後側ボス241が前方に移動すると、開口部251の前方の面に沿って後側ボス241が上方に移動する。一方、開口部252は前側ボス242を前後移動可能に収容する収容部として機能する。つまり、開口部252は水平に横長に開口されており、前側ボス242は前後には移動可能だが、上下には移動できないように規制している。シアー140がスライダ120から前方に向けて付勢されると、開口部251の前方の面に沿って後側ボス241が徐々に上方に移動するが、前側ボス242は開口部252に規制されて高さ方向には移動しないため、結果としてシアー140が前のめりに傾斜する。
【0024】
シアー140は、前側ボス242の上方に板状部243を有する。板状部243は、前後方向に対して直角をなす平面を有しており、その平面にシアースプリング202が当接する。これにより、シアースプリング202は、シアー140に対し、前側ボス242を中心に図2Aにおいて反時計回りに回転させるような力を与える。シアー140は、左側面であって、前側ボス242の逆側の位置にも前側ボス244を有しており、左側スイッチホルダ160に設けられた開口262に前後移動可能に挿入される。
【0025】
図3図4は、スライダ120、シアー140および右側スイッチホルダ150の詳しい形状を示す分解図である。
【0026】
図3に示すスライダ120のL字部222の前面322は、図4に示すシアー140の端面441と接して、シアー140を前方に押す。シアー140の後側ボス241は、開口部251に挿入されるが、シアー140が前方に移動すると、開口部251内部の前側斜面351に沿って上方に移動する。一方、前側ボス242は、開口部252の中を水平に前方移動する。これにより、シアー140は後側が前側よりも高くなり、前方に傾斜する。つまり、右側スイッチホルダ150は、スライダ120の前方へのスライドに伴なって前方移動したシアー140の後部が上方にせり上がるように形成された上方付勢部として前側斜面351を備える。
【0027】
シアー140の後部が上方に引き上げられることにより、端面441は前面322に接しながら徐々に上方に移動して、前面322から離脱する。このとき、ユーザは、クリック感を得られる。これにより、L字部222の垂直部321の上面と、シアー140の下向面442が接触し、垂直部321がシアー140を下から支持する形になる。つまり、シアー140の後端が上方にせり上がることによって、スライダ120からシアー140に対する前方への付勢力が解除された際に、シアー140の後部を下方から支持する支持部として、垂直部321が機能する。スライダ120からシアー140に対する前方への付勢力が解除されると、シアー140は、シアースプリング202の付勢力を受けて後方に若干移動する。これにより、前側ボス242が、開口部252の後端面に当接し、クリック音を発生させる。つまり、開口部252の内部の後側面は、爪部からの付勢力から解放されたシアー140が、後方に付勢されたことにより衝突する面である。
【0028】
一方、トリガー110に対してユーザの指から与えられる力が弱まると、トリガー110は、トーションスプリング180の弾性力によりもとの位置に戻ろうとする。このとき、スライダ120はスライダスプリング201の力で後方にスライドするため、シアー140の下向面442と垂直部321の上面との係合が解除され、シアー140の後部は下方からの支持力を失う。そうすると、シアー140の上方に突き出た板状部243を付勢しているシアースプリング202の付勢力により、シアー140は図4において時計回りに回動する。つまり、シアースプリング202は、シアー140の後端が下方に移動すべくシアー140に対して付勢力を加える。これにより、シアー140の底面443が、右側スイッチホルダ150に設けられた衝突部としてのプレート452の上面に衝突してクリック音を発生させる。
【0029】
図5図6は、トリガーユニット101の部分透過斜視図である。図5では、右側スイッチホルダ150を透過させて、スライダ120、シアー140、シアースプリング202、スイッチ130、および回転軸170のみを示している。一方、図6では、左側スイッチホルダ160を透過させて逆側からスライダ120、シアー140、シアースプリング202、スイッチ130、および回転軸170の配置を示している。
【0030】
図5図6は、いずれも正常時(トリガーを操作されていない状態)を示しており、この状態で、シアー140はシアースプリング202の付勢力により後部が下方に傾いて、プレート452に触れていることが分かる。また、シアー140とスライダ120との当接位置501が図5に示される。
【0031】
また図6に示されているように、スライダ120の左側面から突出した2つのリブ621、622が、左側スイッチホルダ160に設けられたリブの間にはまり込むことにより、スライダ120が正確に水平を保ちながらスライドする構成となっている。
【0032】
次に、図7図11を用いて、トリガーユニット101の内部の動きについて詳細に説明する。図7~9は、正常時のスライダ120およびシアー140の状態を示す図である。図10以降は、トリガー110を引いた状態でのスライダ120およびシアー140の位置の変化を説明する図である。これらの図は断面図ではないが、部品の違いが分かりやすいようにハッチングを施している。
【0033】
図7は、左側スイッチホルダ160とスライダ120とスライダスプリング201とトリガー110とスイッチ130とを取り出して、それらの位置関係を示した内部構成図である。左側の図は右側から見た図であり、右側の図は、左側から見た図である。スライダ120の突出部221は左側スイッチホルダ160に設けられたスリットにはまり込み、スライダスプリング201により後方に付勢されている。スライダ120の上面はスイッチ130の下面に近接しており、スライダ120の上方前側に設けられた傾斜面721が、スイッチ130下面に設けられた押込ピン731に接するほど近い位置に配置される。
【0034】
図8は、右側スイッチホルダ150とシアー140とシアースプリング202とトリガー110とスイッチ130とを取り出して、それらの位置関係を示した内部構成図である。左側の図は左側から見た図であり、右側の図は、右側から見た図である。図8をみると、正常時においてシアー140がシアースプリング202を受けて、後側に若干傾斜していることや、前側ボス242が開口部252の内部の後側面に当接していることが分かる。さらに開口部251が、傾斜面を前方に持つ直角三角形の形状となっていることが分かる。
【0035】
図9は、右側スイッチホルダ150と左側スイッチホルダ160とスライダ120とシアー140とシアースプリング202とトリガー110とスイッチ130とを取り出して、それらの位置関係を示した内部構成図である。左側の図は左側から見た図であり、真ん中の図は、右側から見た図であり、右側の図は、後方から見た図である。右側の図を見れば分かるとおり、スライダ120とシアー140は、後方から見ると一部が重なった状態で隣接して配置されている。
【0036】
図10は、図7の左側の図から、トリガー110が引かれた状態を示している。トリガー110が引かれるとスライダ120が押され、前方にスライドしたスライダ120の傾斜面721がスイッチ130の押込ピン731を押す。これにより、発射機構102に含まれるモーターが稼働し、弾を発射することができる。
【0037】
スライダ120の前方にはスライダスプリング201が設けられているのでトリガー110を戻すと自然に定位置に戻りスイッチも解放される。弾を撃つだけの機能ならこの動作で完結しているが、ここにシアー140を配置することでクリック感を生んでいる。シアー140とスライダ120は重なり合って配置されており各パーツのリブをとおして勘合している。
【0038】
図11は、発射機構102とトーションスプリング180と右側スイッチホルダ150とスライダ120とシアースプリング202とトリガー110とスイッチ130とを取り出して、それらの位置関係のトリガー可動時の変化を示す図である。それぞれ左図は、左側から見た図、右図は、右側から見た図である。
【0039】
[正常時]
トリガー110が引かれるとそれに伴いスライダ120が前進し、スライダ120に押されてシアー140も前進する。図11上段はシアー140がスライダ120から解放される直前、スライダ120がスイッチ130を押す直前の状態を示している。
【0040】
しかしシアー140は後側ボス241が右側スイッチホルダ150の開口部251の傾斜面に沿って移動することにより、前傾状態となる。
【0041】
[トリガー押し込み時]
トリガー110をさらに引き込むとスライダ120がさらに前進しスイッチ130を押しモーター、ギアが稼働する。それと同時にシアー140の後部が上方向に移動することでスライダ120との係合から解放される(図11中段)。
【0042】
その時、シアースプリング202の力で一気に解放されるので、ユーザはクリック感を感じることができる。本構成によりスライダ120がスイッチ130を押すタイミングとシアー140が解放されクリック感を生むタイミングを合わせることができる。この状態で解放されたシアー140は正常位置には戻らずスライダ120のL字部(リブ)に乗った状態で保持される。
【0043】
[トリガーリターン時]
シアー140がスライダ120のL字部(リブ)に乗った状態からトリガー110を戻していくと(トリガーから指を離すのではなく指をかけたままゆっくりと戻した状態)、スライダ120がスイッチ130から離れ通電がカットされる状態になる(図11下段)。
【0044】
この直後にスライダ120のL字部(リブ)に乗ったシアー140はシアースプリング202の作用で正常位置に戻り、ここでさらにクリック感を感じるように構成されている。スイッチ130を切る時もタイミングを合わせクリック感を感じるように設計されている。この後、トリガー110、スライダ120、シアー140は正常位置(図11上段)に戻る。その際、シアー140の底面443が、右側スイッチホルダ150に設けられたプレート452の上面に衝突してクリック音を発生させる。
【0045】
ユーザは、最初はトリガー110は重く感じる。これは、スライダスプリング201とシアースプリング202の2つのスプリングによる弾性力を感じるからである。その後、さらにトリガー110を押し込むと、パチンとしたクリック感の直後に弾が発射され、トリガー110が軽くなる。クリック感の直後に弾が発射されるのは、シアー140がスライダ120から外れた位置から少しスライダ120が前進した位置にスイッチ130の押込ピンがあるからである。
【0046】
トリガー110に対して加える指の力を緩めると、トリガー110はトーションスプリング180の力で戻り、スライダ120も連れて後方に戻る。そして、スイッチ130の押込ピンを押さなくなる瞬間と同じタイミングで、スライダ120の上に載っていたシアー140が下方に落ちる。シアー140の中心軸よりも上側にシアースプリング202が配置されているので、シアースプリング202から下向きの力を受けて、シアー140の後部が下方に移動する。そして、スライダ120がスイッチ130から離れる瞬間に、シアー140の下面が、右側スイッチホルダ150のプレートにぶつかる。
【0047】
以上の構成により、電動ガンにおいて、スイッチ130のOFFからONの瞬間のクリック感と、OFFからONの瞬間のクリック感の両方を提供することができる。
【0048】
なお、上記構成では、スライダ120がトリガー110からの押圧力をシアー140に伝えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、トリガー110からの押圧力を直接シアー140に伝える構成でもよい。
【0049】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11