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特許7307950単位磁石を含む磁石構造を備えるロータと、同心巻線を備えるステータと、を有する電磁モータまたは発電機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】単位磁石を含む磁石構造を備えるロータと、同心巻線を備えるステータと、を有する電磁モータまたは発電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/2796 20220101AFI20230706BHJP
【FI】
H02K1/2796
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019551662
(86)(22)【出願日】2018-03-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 FR2018000062
(87)【国際公開番号】W WO2018172633
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-10
(31)【優先権主張番号】1700295
(32)【優先日】2017-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1701268
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514325376
【氏名又は名称】ホワイロット
(74)【代理人】
【識別番号】100086461
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 和則
(72)【発明者】
【氏名】ラヴォー、ロマン
【審査官】島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-215291(JP,A)
【文献】特開2012-143078(JP,A)
【文献】特開2013-243886(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02773023(EP,A1)
【文献】特開2010-110096(JP,A)
【文献】特開2011-114993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁モータまたは発電機であって、少なくとも1つのロータ(3)および少なくとも1つのステータ(1、2)を有し、前記少なくとも1つのロータ(3)は、中央シャフトの周りを回転する永久磁石(12)を有し、前記少なくとも1つのステータ(1、2)は巻線(5)を有し、前記少なくとも1つのロータ(3)は磁極を形成する磁石構造体(12)を有し、前記磁石構造体(12)が、前記少なくとも1つのロータ(3)の前記中央シャフトに対し同心に、互いに隣接して直接配置される、電磁モータまたは発電機において、
-各前記磁石構造体(12)は20個を超える単位磁石(15)で構成され、前記単位磁石(15)が、前記単位磁石を分離する樹脂(16)によって結合され、
-カバーディスク(17)が、前記少なくとも1つのロータ(3)の2つの対向する軸方向面のそれぞれの上に軸方向に配置され、前記カバーディスク(17)は複合材料で形成され、前記カバーディスク(17)および前記磁石構造体(12)は、前記少なくとも1つのロータ(3)の外側輪郭を画定する、繊維強化複合材料の外側被覆層に被覆され、
-前記少なくとも1つのステータ(1、2)は、それぞれのパッド(4)の周りに巻線(5)が巻き付く、一連のパッド(4)からなる同心の巻線(5)を有し、前記パッド(4)は互いに強固に固定され、前記磁石構造体(12)は、内側繊維強化複合材料層内に個別に被覆され、そして
-前記外側被覆層および前記カバーディスク(17)が繊維で補強され、前記外側被覆層の繊維と前記カバーディスク(17)の繊維は、異なる方向に配向されている、
ことを特徴とする電磁モータまたは発電機。
【請求項2】
電磁モータまたは発電機であって、少なくとも1つのロータ(3)および少なくとも1つのステータ(1、2)を有し、前記少なくとも1つのロータ(3)は、中央シャフトの周りを回転する永久磁石(12)を有し、前記少なくとも1つのステータ(1、2)は巻線(5)を有し、前記少なくとも1つのロータ(3)は磁極を形成する磁石構造体(12)を有し、前記磁石構造体(12)が、前記少なくとも1つのロータ(3)の前記中央シャフトに対し同心に、互いに隣接して直接配置される、電磁モータまたは発電機において、
-各前記磁石構造体(12)は20個を超える単位磁石(15)で構成され、前記単位磁石(15)が、メッシュ構造の1つのメッシュによって画定されるそれぞれのハウジングにそれぞれ挿入され、
-カバーディスク(17)が、前記少なくとも1つのロータ(3)の2つの対向する軸方向面のそれぞれの上に軸方向に配置され、前記カバーディスク(17)は複合材料で形成され、前記カバーディスク(17)および前記磁石構造体(12)は、前記少なくとも1つのロータ(3)の外側輪郭を画定する、繊維強化複合材料の外側被覆層に被覆され、
-前記少なくとも1つのステータ(1、2)は、それぞれのパッド(4)の周りに巻線(5)が巻き付く、一連のパッド(4)からなる同心の巻線(5)を有し、前記パッド(4)は互いに強固に固定され、そして
-前記外側被覆層および前記カバーディスク(17)が繊維で補強され、前記外側被覆層の繊維と前記カバーディスク(17)の繊維は、異なる方向に配向されている、
ことを特徴とする電磁モータまたは発電機。
【請求項3】
複合材料で作られるフレット(13)が、前記少なくとも1つのロータ(3)の外周で前記磁石構造体(12)を円周方向に取り囲み、前記外側被覆層は前記フレット(13)も被覆する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のモータまたは発電機。
【請求項4】
前記フレット(13)は、前記中央シャフトと同心のハブ(19)と、前記ハブ(19)と前記フレット(13)の間に延びる枝部(14)と、を含む複合材料から作られるアーマチュア(18)の一部であり、それぞれの前記枝部(14)は2つの隣接する前記磁石構造体(12)を分離する、ことを特徴とする請求項に記載のモータまたは発電機。
【請求項5】
前記少なくとも1つのステータ(1、2)の前記パッド(4)が鉄製である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のモータまたは発電機。
【請求項6】
前記パッド(4)はそれぞれ、厚さ部分(11、11´)で結合される第1および第2の四角形の面(8)を有し、一方の、前記パッド(4)の前記第1の四角形の面(8)と、他方の、前記パッド(4)の前記第2の四角形の面(8)は、前記モータまたは発電機の前記少なくとも1つのステータ(1、2)の取り付け位置において、それぞれの径方向の平面に整列し、前記巻線(5)は前記厚さ部分(11、11´)の周りに巻かれる、ことを特徴とする請求項5に記載のモータまたは発電機。
【請求項7】
一方の、前記第1の四角形の面(8)と他方の、前記第2の四角形の面(8)はそれぞれ端と端を接して配置され、前記パッド(4)は前記中央シャフトに同心のリングを形成する、ことを特徴とする。請求項6に記載のモータまたは発電機。
【請求項8】
径方向平面に延在するノッチ(10)が、前記パッド(4)の周りの前記巻線(5)を収納するため、各前記パッド(4)の前記厚さ部分(11、11´)を取り囲む、ことを特徴とする請求項7に記載のモータまたは発電機。
【請求項9】
それぞれの前記パッド(4)は、メタルシートの重なりから構成される、ことを特徴とする請求項5に記載のモータまたは発電機。
【請求項10】
それぞれの前記パッド(4)は、当該パッドを通る中央タップ(7)を有し、取り外し可能な固定手段が、それぞれの前記パッド(4)を、前記パッド(4)に対して適用される支持リングに個々に固定し、またはそれぞれの前記パッド(4)は、恒久的または取り外し可能な固定手段によって、当該パッドに隣接する2つのパッド(4)に固定される、ことを特徴とする請求項5に記載のモータまたは発電機。
【請求項11】
2つの前記ステータ(1,2)に囲まれた少なくとも1つの前記ロータ(3)を有し、前記2つのステータ(1,2)は、前記少なくとも1つのロータ(3)をそれらの間に挟み込む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のモータまたは発電機。
【請求項12】
磁束が軸方向である、ことを特徴とする請求項11に記載のモータまたは発電機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単位磁石を含む磁石構造を備える少なくとも1つのロータと、同心巻線を備える少なくとも1つのステータとを有する電磁モータまたは発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、有利には、しかし限定されないがロータの高速な回転で高出力を供給する電磁モータに用途があり、それは本発明によるロータの特定の特性と、それと相互作用するステータの特定の特性の結果として得られる。そのようなモータまたは発電機は、例えば、完全電気自動車またはハイブリッド自動車の電磁モータとして使用することができる。
【0003】
有利には、しかし限定されないが、モータまたは電磁発電機は、2つのステータが側面にある少なくとも1つのロータから構成されることができ、それによりこれらの要素は、同じシャフト上の少なくとも1つのギャップによって、互いに対して重ね合わせ、そして分離されうる。
【0004】
高速回転の用途では、軸方向モータの質量とサイズを縮小することで可能になる、最適な性能を得るためのコンパクトなシステムだけでなく、システムおよびステータの信頼性を改善するために、回転部品、即ちロータの非常に良好な機械的強度も必要である。
【0005】
高速回転の用途では、最適なパフォーマンスを得るために損失を減らす必要がある。自動車用途では、小型化がますます求められている。そのためには、軸方向モータの質量とサイズの削減により可能となるコンパクトなシステムを実現することだけでなく、システムの信頼性を向上させるために、回転部品の非常に良好な機械的強度を実現することが重要である。
【0006】
軸方向磁束電磁機械の場合、ロータは、厚さ部分で接続された2つの円形面を備えたディスク形状の本体を有し、ディスクは外側リングと回転シャフト用の空洞を画定する内周の間で画定される。
【0007】
少なくとも2つの永久磁石が、支持面と呼ばれる、本体の2つの円形面の少なくとも1つの面に取り付けられる。ステータに関連付けられるように設計された単一のエアギャップを有するロータの場合、ボディの単一の円形面のみが磁石を保持するが、それぞれのステータと2つのエアギャップがあるロータの場合、2つの面が磁石を保持する。
【0008】
磁石はそれぞれ、保持手段によって面またはそれぞれの面に保持され、同じ面上の少なくとも2つの磁石の間に間隔が残されている。
【0009】
ステータまたは各ステータは、巻線を担持する歯からなる巻線要素を担持し、歯はその両側がノッチで囲まれ、それにより良好な導電体である金属線が歯に巻かれて各巻線を形成する。
【0010】
単一のまたは複数の一連の巻線に電力が供給されると、モータの出力軸に固定されたロータは、磁場から生じるトルクを受ける。発生した磁束は、軸方向磁束を持つ電磁機械用の軸方向磁束と、径方向磁束を持つ機械用の径方向磁束である。
【0011】
高出力モータの場合、ロータは高速で回転する。高速回転モータの主な欠点は、ロータの1つまたは複数の磁石が脱落する可能性が高く、ロータが少なくとも部分的に破損することである。このようなモータのロータは、高速回転に対する耐久性が必要とされる。
【0012】
EP-B-1,203,436(特許文献1)は、機械のシャフトに配置され、そして繊維または布地で強化されたプラスチック材料に埋め込まれた永久磁石を備える、ディスク形状のコアレスロータと、そしてロータの両側のそれぞれのステータと、を有する軸方向磁束の電磁機械を記載している。
【0013】
永久磁石は、それらを囲む繊維強化または布地強化プラスチック材料にそれぞれ確実に係合するように組み立てられる。この機械シャフトの2つのフランジを備えた機械のシャフトは、プラスチック材料のみで安定してロータに取り付けられる。プラスチック材料は、永久磁石および機械シャフトと共に、寸法的に安定した組立体を形成する。
【0014】
したがって、この従来技術文書は、ロータとその回転シャフトから成る組立体をプラスチック材料で一体に形成することを提案している。しかしながら、そのような組立体は、ロータとそのシャフトとの間の応力を受け、それが組立体の破壊につながる可能性があることが知られている。したがって、このような設計は組立体を脆弱にする。
【0015】
さらに、この従来技術文書では、ロータに使用される大きな磁石のため、ロータは大量の熱を放散する。この放散により、複合材料カバーディスクの形状の軸方向保持手段の使用が妨げられ、そして熱の放散は、この被覆および磁石の経年劣化を加速して、被覆の挙動に影響を及ぼす可能性がある。
【0016】
US-A-2011/0285237(特許文献2)は、軸方向エアギャップモータを開示している。この文書の目的は、ロータの製造工程を簡素化すると同時に、このロータに搭載された永久磁石がロータの組立、インストール、および作動中に移動または緩むのを防ぐことである。磁石は、磁石を囲む成形部品からなる一体化構造に収容される。
【0017】
成形部品には、磁石を分離する溝があり、その中に、ロータ本体のリブが導入され、それにより成形部品の軸方向の動きを防止する。成形部品の径方向の保持は、成形部品の内側および外側の同心要素によって行われる。
【0018】
この従来技術の文書は、成形部品に収容された磁石を主題としており、互いに分離されている磁石に関する教示はない。さらに、リブは、成形部品に作用することによってのみ磁石を保持するため、ロータ内の磁石を直接保持しない。
【0019】
これらの2つの従来技術文書によれば、ロータにおいて、磁化力の唯一の改善は、ますます高価になる永久磁石の使用による。従来技術の技術革新の努力は、モータまたは発電機のステータ部分に関し、その結果、ますます複雑な、従ってますます高価で、組み立てが難しいステータの設計となっている。
【0020】
EP-A-1780878(特許文献3)は、複数の単位磁石からなる3次元磁石構造体を開示しており、その磁石構造体は、その最小寸法を構成する厚さ部分を有し、その磁石構造体は少なくとも1つのメッシュ構造体を備え、そのメッシュ構造体はそれぞれの単位磁石のハウジングをそれぞれ画定するメッシュからなり、各ハウジングは、内部に単位磁石を導入するのにちょうど十分な内部寸法を有し、そしてメッシュ構造体は繊維強化絶縁材料から作られる。
【0021】
しかしながら、そのような磁石構造体は、磁石構造体がロータによって担持されるとき、高速回転に耐えることができない。
【0022】
FR-A-2996378(特許文献4)は、単位磁石を含む磁石構造体を開示している。これらの単位磁石は、単位磁石間に保持要素を介在させることなく、樹脂により接着されている。そのような配置は、回転中に磁石を失うことなく高速回転に耐えることができない。
【0023】
本発明の根底にある課題は、一方で放出される熱の量が少なく、ロータ損失が少ないロータ部分を有することができ、他方でロータ部分に加えられた変更を考慮するように特に適合されているステータ部分を有することのできる、軸方向磁束モータまたは発電機を設計することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【文献】EP-B-1,203,436
【文献】US-A-2011/0285237
【文献】EP-A-1780878
【文献】FR-A-2996378
【発明の概要】
【0025】
この目的のために、本発明は、電磁モータまたは発電機であって、少なくとも1つのロータおよび少なくとも1つのステータを有し、その少なくとも1つのロータは、中央シャフトの周りを回転する永久磁石を有し、上記少なくとも1つのステータは巻線を有する電磁モータまたは発電機において、上記少なくとも1つのロータが、磁極を形成する磁石構造体を有し、各磁石構造体は複数の単位磁石で構成され、カバーディスクが、少なくとも1つのロータの2つの対向する軸方向面のそれぞれの上に軸方向に配置され、カバーディスクは複合材料で形成され、カバーディスクおよび磁石構造体は、少なくとも1つのロータの外側輪郭を画定する、複合材料の外側被覆層に被覆され、そして少なくとも1つのステータは、それぞれのパッドの周りに巻き付く巻線を備える、一連のパッドからなる同心の巻線を有し、パッドは互いに固定されている、ことを特徴とする電磁モータまたは発電機、に関する。
【0026】
本発明の主な目的の1つは、大きなサイズの1つ以上の磁石を複数の小さな磁石で置き換えることである。したがって、多数の小さな磁石によって磁束が発生し、磁石の数は少なくとも20であり、1磁極あたり100を超えることさえある。従来技術のロータは1~10個の磁石を備えることができたが、本発明は各磁石構造体にさらに多くの小さな寸法の磁石を提供する。
【0027】
ロータが例えば5~10個以上を搭載できる磁石構造体と、ロータが例えば数百個を搭載できる、はるかに多数の単位磁石と、を混同すべきではない。本発明による小さな単位磁石は、ロボットによってそれぞれのセルに挿入することができる。
【0028】
これにより、他の利点の中でも特に、高速で回転でき、鉄を含まないロータを得ることができ、これにより、ロータの損失が制限される。
【0029】
本発明によれば、複数の単位磁石は、ロータの全体的な曲げに抵抗性があり、一方で、発生する損失が少ないために熱をほとんど生成せず、それにより単位磁石によって放散される熱が、対応する一個の大きな磁石によって放散される熱よりも小さい、磁石構造体をもたらすことが発見された。
【0030】
磁石構造体は、単位磁石とメッシュを被覆する非導電性複合材料層を含む。さらに、その機械的強度は高く、被覆は特に、何らかの手段によって互いに対して所定の位置に保持された単位磁石の配置に、複合材料を注入することにより、簡単に実施できる。
【0031】
このようなロータでは、鉄の歯を備える1つまたは2つのステータを同心の巻き線に関連付けることが有利であり、これは容易に実現できる。
【0032】
本発明は、電磁モータおよび発電機の多くの製造業者が従うアプローチの反対を達成する。ますます複雑で設計が困難な巻線の設計により、イノベーションの努力をステータに集中することは周知である。
【0033】
逆に、本発明の進歩的アプローチは主に、鉄を含まずそして複合材で被覆され、それぞれが複数の磁石で作られた磁石構造体を含む、ロータに向けられている。これにより、1つまたは複数のステータに同心の巻線を使用できるようになったが、このような同心巻線は、最新の従来技術で採用されているような単一部品の永久磁石を使用しては何の満足も与えなかった。
【0034】
この種の複合材料ロータと、鉄の歯またはパッドを備えた少なくとも1つの鉄製ステータ、およびステータの同心巻線の組み合わせを使用すると、使用するモータまたは発電機の電力に関して、そしてモータまたは発電機の製造の容易さと機械的強度に関して相乗効果が得られることがわかっている。
【0035】
例えば、サマリウム-コバルト合金(Sm-Co)、アルミニウム合金、ニッケルおよびコバルト合金、ハードフェライト、ネオジム-鉄―ホウ素材料から選択された異なるタイプの材料を個々の磁石に使用することが可能である。重要なことは、これらの材料が長さに比べて小さい幅または小さい径のパッドに加工できることである。
【0036】
有利には、磁極を形成するそれぞれの磁石構造体が20個を超える単位磁石を有し、単位磁石は、単位磁石を分離する樹脂によって結合され、またはメッシュ構造のメッシュ要素の1つによって画定される、それぞれのハウジングにそれぞれ挿入される。
【0037】
有利には複合材料から作られるメッシュは、単位磁石を所定の位置に保持し、これがロータの強度に寄与する。本発明のセル内に配置された磁石を備えるロータは、磁石を保持し、軸方向または径方向の力および高速回転での遠心力の影響を低減することを可能にする、強固な固定手段によりロータの損失を低減するように設計される。
【0038】
US-A-2011/0285237(特許文献2)によって示された従来技術と比較して、本発明によるロータは、互いに直接結合されていない磁石との使用に適し、一方従来技術文書では、磁石は支持構造を形成する成形部品内に収容される。したがって、本発明は、ロータ上の任意のタイプの磁石配置に適した解決策を提供する。
【0039】
従来技術の成形部品は、いくつかのリブによって押圧されるため、局所的に破損する場合がある。これは、機械的強度の強さで知られているセル構造の場合には当てはまらない。セル構造はハニカム形状にすることができるが、重要なことは、セルが小さな磁石を受容することである。
【0040】
磁石の形状と、複合材料の被覆のみで作られた磁石保持手段の組み合わせにより、ロータの損失、したがって、加熱を減少させ、そして磁石の減磁のリスクを最小限に抑えることが可能になる。
【0041】
有利には、磁石構造体は、内側複合材料層内に個別に被覆され、磁石構造体は、少なくとも1つのロータの中央シャフトに対し同心に、互いに隣接して直接配置され、または磁石構造体は、中央シャフトと同心円状に配向され、外側被覆層の部分により満たされる空間を磁石構造体の間に残す。
【0042】
したがって、ロータの強度に寄与する少なくとも2つの連続した被覆、単位磁石も囲む磁石構造体に対する被覆、および、磁石構造体の組み合わせに対する被覆が存在し得る。
【0043】
有利には、少なくとも外側被覆層およびカバーディスクが繊維で補強されている。繊維の存在は、ロータの機械的強度を高める。
【0044】
有利には、外側被覆層の繊維とカバーディスクの繊維は、異なる方向に向けられている。カバーディスクにより、磁石の軸方向の保持力を強化できる。複合材料のカバーディスクは、磁石によって生成される熱放散に耐久性がないため、従来技術では頻繁には使用されなかった。
【0045】
本発明は、従来技術のコンパクトな磁石を置き換える多数の単位磁石を使用するため、熱放散が少なく、カバーディスクを軸方向保持手段として使用することができ、それにより、これらのディスクは有利にも磁石とロータ本体との間の軸方向の保持手段を置き換え、それは必要な場合、ロータに搭載された固定手段による追加の固定手段を実現するために、磁石またはその被覆の修正を必要とする。
【0046】
有利には、外側被覆層およびカバーディスクは、複数の方向に配向された繊維で強化されている。
【0047】
有利には、複合材料で作られるフレットが、少なくとも1つのロータの外周で磁石構造体を円周方向に取り囲み、外側被覆層はフレットも被覆する。
【0048】
フレットは、必要に応じて、外側複合材料被覆層によって保証される保持に加えて、磁石の径方向の保持に貢献する。
【0049】
有利には、フレットは、中央シャフトと同心のハブと、ハブとフレットの間に延びる枝部と、を含む複合材料から作られるアーマチュアの一部であり、それぞれの枝部は2つの隣接する磁石構造体を分離する。この実施形態は単に選択肢である。磁石構造体に対する保持作用は枝部によってはほとんどまたは全く提供されず、枝部は主にロータの残りの部分の上にフレットを保持する機能を果たす。
【0050】
有利には、少なくとも1つのステータのパッドはそれぞれ、厚さ部分で結合される第1および第2の面を有するユニットであり、一方の、パッドの第1の面と、他方の、パッドの第2の面は、モータまたは発電機の少なくとも1つのステータの取り付け位置において、それぞれの径方向の平面に整列し、巻線は厚さ部分の周りに巻かれる。
【0051】
有利には、少なくとも1つのステータのパッドは鉄製である。
有利には、パッドはそれぞれ、厚さ部分で結合される第1および第2の四角形の面を有し、一方の、パッドの第1の四角形の面と、他方の、パッドの第2の四角形の面は、モータまたは発電機の少なくとも1つのステータの取り付け位置において、それぞれの径方向の平面に整列し、巻線は厚さ部分の周りに巻かれる。
【0052】
有利には、一方の、第1の四角形の面と他方の、第2の四角形の面はそれぞれ端と端を接して配置され、パッドは中央シャフトに同心のリングを形成する。
【0053】
有利には、径方向平面に延在するノッチが、パッドの周りの巻線を収納するため、各パッドの厚さ部分を取り囲む。
【0054】
有利には、それぞれのパッドは、金属シートの重なりから構成される。
【0055】
有利には、それぞれのパッドは、当該パッドを通る中央タップを有し、取り外し可能な固定手段が、それぞれのパッドを、パッドに対して適用される支持リングに個々に固定し、またはそれぞれのパッドは、恒久的または取り外し可能な固定手段によって、当該パッドに隣接する2つのパッドに固定される。
【0056】
有利には、モータまたは発電機は、2つのステータに囲まれた少なくとも1つのロータを有し、2つのステータは、少なくとも1つのロータをそれらの間に挟み込む。
【0057】
有利には、磁束は軸方向である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
本発明の他の特徴、目的、および利点は、以下の詳細な説明を読み、非限定的な例として与えられた添付の図面を参照することにより明らかになるであろう:
図1】2つのステータの間に組み込まれたロータの斜視概略図であり、ロータとステータは、互いに間隔をあけて示され、本発明の一実施形態による電磁モータまたは発電機にとって適切なロータとステータの特性をそれぞれ有し、磁極を形成する磁石構造体は単位磁石から構成される。
図2】本発明の一実施形態による電磁モータまたは発電機の一部を形成するステータの斜視概略図であり、四角形の断面の1つのパッドがステータの残りの部分から間隔を空けて示され、ステータは、単位パッドの周りに巻かれた巻線を有し、各パッドは互いに結合されていない場合、互いに独立している。
図3-3bis】図3は、本発明の一実施形態による電磁モータまたは発電機の一部を形成するステータの、図2とは別の角度からの斜視概略図であり、巻線がそれぞれ巻かれるパッドから間隔を空けて2つの巻線が示されている。図3bisは、図3の2つのパッドの隣接する縁部の拡大図である。
図4】本発明の一実施形態による電磁モータまたは発電機の分解斜視概略図であり、ロータは、磁極を形成する複数の単位磁石を有する磁石構造体を互いから分離する、枝部によって相互接続された内側ハブおよび外側フレットを有する、複合材料のアーマチュアを含む。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図面は例として与えられており、本発明を限定するものではない。それらは、本発明の理解を容易にすることを意図した原理の概略図を構成し、必ずしも実際の用途の規模ではない。特に、異なる部分の寸法は、現実を表していない。
【0060】
すべての図を参照すると、本発明は、少なくとも1つのロータ3および少なくとも1つのステータ1、2を有する電磁モータまたは発電機に関する。そのロータ3または各ロータ3は、永久磁石12を備え、そして中央シャフトの周りを回転する。一方1つまたは複数のステータ、有利には2つのステータ1、2がそれらの間に巻線5を備えるロータ3を挟み込む。
【0061】
図1には、2つのステータ1、2に囲まれるロータ3が示されており、2つのステータ1、2はそれらの間に少なくとも1つのロータ3を挟んでいる。これは本発明を限定するものではない。有利には、モータまたは発電機は磁束の流れが軸方向である。
【0062】
本発明によるすべての図を参照すると、各ロータ3は、磁極を形成する磁石構造体12を備え、各磁石構造体12は、複数の単位磁石15から構成される。
【0063】
これは、別個の磁極を形成する磁石構造体12があるが、各磁石構造体12は、図4において参照番号15で参照される単位磁石を含む、複数の単位磁石を有することを意味し、ここで参照番号15は任意の単位磁石を示す。したがって、いくつかの磁石構造体12があり得るが、これらの磁石構造体12は、本発明の意味において複数の単位磁石15に匹敵するものではない。
【0064】
図1には、ロータ3と2つのステータ1,2のセットが示されている。最初のステータには、各パッド4をディスク状の支持部材に固定するタップ7が見える。
【0065】
図2には、他のパッドから分離されたパッド4を有するステータが示される。図1~3では、ステータ当たり1つのパッド4のみが参照番号4で示されているが、このパッド4について述べられているのは、図1~3に示されている他のすべてのパッドに関するものである。同じことが巻線5、タップ7、側縁6、第1面8およびノッチ10についても適用される。
【0066】
巻線5は、組み立て前にパッド4に取り付けられ、その後、それらの側縁6によってパッド4と接触させられ、そしてタップ7を通るねじタイプの固定手段により、または第1面8、および/または、第1面8の反対側で図2では見えない、それらの間の第2面、へのそれぞれの接着または溶接によって保持される。
【0067】
図3では、第2のステータ2に関して、巻線は、隣接する2つのパッド4の厚さ部分11、11´の中で、ワイヤを側縁部の間に通すことにより、ノッチ10を介して磁気回路9に直接取り付けられる。2つの隣接するパッド4のノッチ10は、互いに向かい合い、互いに補完する。
【0068】
図4では、ロータ3がアーマチュア18を備える、非限定的な実施形態におけるロータ3の分解図が示される。ただ1つの単位磁石またはピン磁石がこの図4では参照番号15で示される。参照番号12は、多数の単位磁石15を含む単一の磁石構造体を示す。参照番号16は、単位磁石15用の被覆樹脂を示し、それは接着結合も保証する。アーマチュア18は枝部14を含み、そのうちの1つのみが参照番号14で示され、ハブ19をフレット13に接続し、回転シャフトの通路は20で示される。磁石構造体12の軸方向保持のためのカバーディスクは参照番号17で示される。
【0069】
単位磁石15は、磁石構造体12の厚さ部分11、11´に従って伸長する長さを有する細長いピンの形態であり得る。細長いピンは、円筒形または、磁石構造体12の作業面に向けられた少なくとも1つの平坦な長手方向面を有する多面体、でありうる。これは、電磁モータまたは発電機の巻線5に対向する面である。
【0070】
各細長いピンは、ほぼその長さに従って伸長する磁力線を有し、単位磁石は、互いに電気的に絶縁されるように、互いに距離を置いて磁石構造体12に配置されている。
【0071】
各ピンの長さは、円筒形ピンの平らな長手方向面の直径、または多面体形ピンの縦面の2つの頂点を接続する、より大きな対角線の長さより大きくてもよい。六角形のような規則的な長手方向の面では、すべての対角線は同等である。これにより、例えば、ピンの形態の各単位磁石15を、ハニカムの空洞の中のそれぞれの空間に単位磁石15の保持メッシュとして挿入することが可能になる。
【0072】
加えて、磁石構造体12の全作業面に対するピンの長手面の表面の比率は、より小さくてもよく、これは、単位磁石が磁石構造体12の全作業面積の内の非常に小さなスペースしか保持しないことを示す。これにより、ピンの長手方向の側に非常に多くのピンを配置できる。
【0073】
各磁石構造体12は、複合材料の層に被覆されながら全体を形成することができる。磁石構造体12は、中央シャフトに対して径方向の平面内に多角形の表面を有するブロックの形態でありうる。
【0074】
別の実施形態では、例えばリング状の、磁石上部構造体12と呼ばれる、中央シャフトと同心の単一の磁石構造体12が存在することが可能であり、この上部構造体は、各々が複数の単位磁石5を有する磁石構造体12から構成され、それにより磁石構造体12は磁石上部構造体12と同じく、個々に被覆される。
【0075】
磁石構造体12を軸方向に保持するために、ロータ3の2つの対向する軸方向面のそれぞれにカバーディスク17を軸方向に配置することができる。したがって、カバーディスク17がこの機能を果たすため、例えば、枝部14に、磁石構造体12によって担持される相補的な軸方向保持手段と協働する軸方向保持手段を提供することにより、磁石構造体12の軸方向保持手段を設ける必要はない。
【0076】
カバーディスク17は複合材料から構成されてもよい。カバーディスク17および磁石構造体12は、少なくとも1つのロータ3の外側輪郭を画定する外側複合材料被覆層に被覆されてもよい。したがって、いくつかの重なり合う被覆、例えば単位磁石を、有利には接着剤および/または複合材料のメッシュを使用して被覆し、次いで各磁石構造体12を内側被覆層で被覆し、その後適切な場合には、フレット13、枝部14、およびハブ19を備えたアーマチュア18を、磁石構造体12とカバーディスク17の複合材料層と共に外側被覆により被覆する。
【0077】
ステータ1、2は、各パッド4の周りに巻線5が巻かれた一連のパッド4からなる同心巻線5を備え、パッド4はそれらの間で固定されている。そのような巻線5は製造が容易である。
【0078】
前述のように、磁極を形成する各磁石構造体12は20個を超える単位磁石15を含むことができ、これは単位磁石15が磁石構造体12に対して比較的小さく、磁石構造体12と類似していないことを示している。限定されないが、本発明によるモータまたは発電機用の中型のロータ3の場合、本発明の文脈における単位磁石15は4mmの寸法を有してもよい。
【0079】
単位磁石15は、単位磁石を保持しながら分離し、さらに、複合材料メッシュ構造の1つのメッシュによって画定されるそれぞれのハウジングの中に単位磁石を挿入できる、樹脂16によって磁石構造体12の中で互いに結合される。
【0080】
したがって、磁石構造体12は、それぞれの単位磁石のハウジングまたはセルを画定するメッシュ要素を有する少なくとも1つのメッシュ構造を備えることができる。各ハウジングは、内部に単位磁石を導入するのにちょうど十分な内部寸法を持つことができ、一方でハウジングと単位磁石との間に繊維で強化された樹脂16で満たされた空間を残し、それによりメッシュ構造は繊維で強化された絶縁材料で作られ、空間は、各単位磁石のより良いフレーミングのため可能な限り小さくされている。
【0081】
これにより、例えばロータ3の一部を形成する1つまたは複数の磁石構造体12による高速の運動、例えば高速回転においても、単位磁石15をそれぞれのハウジング内で保持することを確実にすることが可能になる。しかし本発明はこの構成に限定されない。メッシュはハニカムであってもよいが、本発明はこの構成に限定されない。
【0082】
前述のように、磁石構造体12は、有利には繊維で強化された複合材料層で個別に被覆されてもよく、その場合、磁石構造体12は、少なくとも1つのロータの、中央シャフトに同心に、互いに隣接して直接配置される。
【0083】
別の実施形態では、磁石構造体12は、中央シャフトと同心円状に配置され、一方で外側被覆層の一部で満たされる、またはアーマチュア18の枝部14によって占有される、空間をそれらの間に残す。
【0084】
少なくとも外側被覆層およびカバーディスク17は、繊維で強化されていてもよい。これは、磁石構造体12を個々に取り囲む各内側被覆層の場合にも当てはまりうる。
【0085】
外側被覆層の繊維およびカバーディスク17の繊維は、異なる方向に向いていてもよい。
【0086】
限定するものではないが、複合材料のフレット13は、少なくとも1つのロータ3の外周において、磁石構造体12を円周方向に取り囲むことができ、それにより外側被覆層はフレット13も被覆する。それにより磁石12の径方向保持が確保される。
【0087】
図4に示されるような1つの特定の選択肢としての実施形態では、フレット13は、中央シャフトと同心のハブ19を含む、複合材料のアーマチュア18の一部であってもよい。この実施形態では、枝部14は、ハブ19とフレット13との間に延在することができ、各枝部14は、2つの隣接する磁石構造体12を分離するが、磁石構造体12を保持する手段を有さない。これにより設計が簡素化される。
【0088】
実際、磁石構造体12の、または単一の磁石構造体12の場合の磁石上部構造体12の軸方向の保持は、カバーディスク17によって提供される。磁石構造体12の径方向保持は、フレット13によって2次的に提供することができる。一般に、磁石構造体12または磁石上部構造12の円周方向、径方向、および軸方向の保持を実行するのは外側被覆層である。
【0089】
したがって、アーマチュア18は、円盤形状の部分中空で、ロータ3の回転シャフト用の通路20を内部に画定するハブ19を形成する内周と、アーマチュア18の外側リングを形成するフレット13と、の間で本質的に径方向に延在し、または径方向に傾斜する枝部14を有する。
【0090】
枝部14は、プロペラブレードのようにロータ3の回転軸に対して傾斜していてもよく、支持中心から遠ざかるにつれて広がる幅を有してもよい。
【0091】
この実施形態では、アーマチュア18は、単位磁石15を軸方向に保持し、ロータ3を一体化する手段として、少なくとも1つの面がカバーディスク17で覆われうる。これはそれぞれのカバーディスク17により2つの対向する面において実行可能である。
【0092】
特に図2に示されるように、ステータ1、2のパッド4はそれぞれ、厚さ部分11、11 ´で接合された対向する第1と第2の面8を有することができる。これらの第1および第2の面8は四角形であり、各面について、ロータ3の保持シャフトに最も近い円弧状の内側と、各面について、円弧状の外側を有し、内側の弧は外側の弧より小さい。
【0093】
一方のパッド4の第1の四角形の面8と他方のパッド4の第2の四角形の面は、モータまたは発電機のステータ1、2の取り付け位置でそれぞれの径方向平面に整列させることができ、それにより巻線5は、各パッド4の厚さ部分11、11´の周りに巻かれる。パッド4は鉄から形成され、または鉄を含むことができる。
【0094】
パッド4のそれぞれは、図3bisに示されるように、厚さ部分11、11´で結合される第1および第2の四角形の面8を有してもよい。図2および図3に示すように、モータまたは発電機の少なくとも1つのステータ1、2の組立位置では、一方のパッド4の第1の四角形の面8と他方のパッド4の第2の四角形の面8は、それぞれの径方向平面内で整列しうる。
【0095】
次いで、巻線5を各パッド4の厚さ部分11、11´の周りに巻き付けることができる。組立は連続したリングを形成し、パッド4は、当該パッド4の対向する側に分離される2つのパッドに隣接する。
【0096】
したがって、一方の第1の四角形の表面と他方の第2の四角形の表面はそれぞれ端と端が接しており、それによりパッド4は中央シャフトと同心のリングを形成する。
【0097】
図3および3bisを参照すると、径方向の平面に延びるノッチ10は、パッド4の周りに巻線5を収容するために各パッド4の厚さ部分11、11´を取り囲むことができる。このノッチ10は、その厚さ部分11、11´の中央部分でパッド4の全周に延在する。各パッド4は、シートメタルの重なりで構成することができる。
【0098】
パッド4を固定する2つのモードが交替で使用できる。図1および図2に示される第1のモードでは、各パッド4はそれを通る中央タップ7を有し、それにより、取り外し可能な締結手段が、各パッド4を、パッド4に対して適用される支持リングに個別に固定する。
【0099】
図示されていない第2のモードでは、各パッド4は、それに隣接する2つのパッド4に恒久的または取り外し可能な締結手段によって固定されてもよい。この結合は、接着、溶接、または機械的固定手段の使用により行うことができる。
図1
図2
図3-3bis】
図4