IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルエムエス・カンパニー・リミテッドの特許一覧

特許7307972光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット
<>
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図1
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図2
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図3
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図4
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図5
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図6
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図7a
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図7b
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図8a
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図8b
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図8c
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図8d
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図8e
  • 特許-光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】光学フィルム及びこれを含むバックライトユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230706BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20230706BHJP
   F21V 5/02 20060101ALI20230706BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20230706BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20230706BHJP
   G02B 5/04 20060101ALI20230706BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20230706BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230706BHJP
【FI】
F21S2/00 431
F21S2/00 443
F21V5/00 530
F21V5/02 100
F21V5/02 300
G02B5/02 C
G02B6/00 331
G02B5/04 A
F21Y103:00
F21Y115:10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021181325
(22)【出願日】2021-11-05
(65)【公開番号】P2022075647
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】10-2020-0147831
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509179087
【氏名又は名称】エルエムエス・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LMS Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジンワン
(72)【発明者】
【氏名】チョ スシク
(72)【発明者】
【氏名】リ ウジョン
(72)【発明者】
【氏名】パク チャング
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/157461(WO,A1)
【文献】特開2020-119677(JP,A)
【文献】特開2007-264393(JP,A)
【文献】特開2015-152797(JP,A)
【文献】中国実用新案第202221012(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0070627(US,A1)
【文献】特開2011-060455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/00
G02B 5/00
G02B 6/00
F21Y 103/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトユニットにおいて、
光源と、
前記光源から放出された光をガイドし、第1方向に向けるように配置された導光板と
前記導光板の上に配置された光学フィルムと、を含み、前記光学フィルムは、
前記第1方向と垂直な第2方向に沿って並んで配列された第1プリズム構造を含む第1プリズムシートと
前記第1プリズムシートの上に配置され、前記第2方向と鋭角を形成する第3方向に沿って並んで配列された第2プリズム構造を含む第2プリズムシートと
前記第1プリズムシート及び前記第2プリズムシート間に配置され、前記第1プリズムシートと前記第2プリズムシートとを接着する接着層と、を含み、
前記第1プリズムシートの前記第1プリズム構造はそれぞれ、前記第1方向に向けて突出された頂点を含む非対称な三角柱形状であり、
前記第2プリズムシートの前記第2プリズム構造はそれぞれ、前記第1方向に向けて突出された頂点を含む正三角柱形状である、バックライトユニット。
【請求項2】
前記光学フィルムの下面は、前記導光板と接触配置された、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項3】
前記第2方向を向く前記第1プリズム構造のうち一つの頂点線に対して、前記第3方向を向く第2プリズム構造のうち一つの頂点線の角度は、15度以内である、請求項に記載のバックライトユニット。
【請求項4】
前記第1プリズム構造のうち一つの第1プリズム構造で、前記導光板と並んで配置された一面の長さを第1辺、前記第1辺と指定された第1角度を形成し、傾いた一面の長さを第2辺、及び前記第1辺と指定された第2角度を形成し、傾いた一面の長さを第3辺と定義し、
前記光源は、複数のプリズム構造のうち縁部に位置した前記第1プリズム構造の第2辺と隣接配置された、請求項に記載のバックライトユニット。
【請求項5】
前記第2辺と前記第3辺とが形成する角度は、第3角度と定義し、
前記第1角度、前記第2角度及び前記第3角度はそれぞれ、90度以下の鋭角を形成する、請求項に記載のバックライトユニット。
【請求項6】
前記第1辺、前記第2辺及び前記第3辺のうち、前記第1辺が最長の長さを有し、
前記第1角度、前記第2角度及び前記第3角度のうち、前記第3角度の値が最も大きい、請求項に記載のバックライトユニット。
【請求項7】
前記プリズム構造の前記第2角度によって形成された前記第3辺を含んだ面は、前記導光板を介して伝達された光を集光して、前記第2プリズムシートに出射する光出射面を形成する、請求項に記載のバックライトユニット。
【請求項8】
第1プリズムシートは、第1ベースフィルム、及び前記第1ベースフィルムの上面に配置され、前記第1プリズム構造が複数配列された第1プリズムパターン層を含み、
前記第1ベースフィルムは、透光性材料を含み、前記第1プリズムパターン層は、レジンを含む、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項9】
前記第1プリズムシートの前記第1プリズム構造のそれぞれの頂点線は、前記光源の長さ方向と並んだ方向に延長形成された、請求項に記載のバックライトユニット。
【請求項10】
前記第1プリズムシートの前記第1プリズム構造のそれぞれの頂点線は、前記光源の長さ方向に対して、指定された角度程度チルトされて延長され、
前記指定された角度は、10度以内である、請求項に記載のバックライトユニット。
【請求項11】
前記光学フィルムは、
前記第2プリズムシートの上面に配置され、前記第1プリズムシート及び前記第2プリズムシートによって集光された光を、均一に拡散するための拡散シートをさらに含む、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項12】
前記光学フィルムは、
前記第1プリズムシートの下面に配置され、前記導光板と、吸着を防止するための吸着防止層とをさらに含む、請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項13】
前記吸着防止層は、前記導光板に向けて突出された複数の突起を含み、
前記複数の突起の高さは、5~10μmである、請求項12に記載のバックライトユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な実施形態は、光学フィルム及びこれを含むバックライトユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、LCD(liquid crystal display)は、電子装置の画面全体に光を均一に照射するバックライトユニットを含むことができる。バックライトユニットは、光源、導光板、拡散シート、光学フィルムを含むことができる。光源から出射された光は、導光板を介して上部に伝達され、上部に伝達された光は、拡散シートを通して拡散された後、上部に備えられた光学フィルムを介して、液晶パネルに伝達することができる。場合によって、バックライトユニットは、光学フィルムの上部に追加的な拡散シートをさらに備えてもよい。一般的な光学フィルムは、複数の拡散及び集光シートを積層することにより、光源の点光源を面光源に変換するように構成することができる。
【0003】
最近、開発されているディスプレイ装置は、徐々に厚さが薄くなっており、これにより、バックライトユニットも、薄型で制作されることが求められる。バックライトユニットでは、比較的厚い厚さを持つ拡散シートを除去するための開発が進められている。しかし、単純にバックライトユニットの厚さを減らすために、拡散シートを除去する場合は、輝度の不均一による信頼性の問題が生じ、不十分な拡散によって視野角が狭くなる問題が発生することがある。したがって、バックライトユニットを薄型化するとともに、十分に輝度及び視野角の補完ができる構造の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0064377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バックライトユニットにおいて、相対的に厚い厚さを有する拡散シートを除去するための開発が進められている。しかし、単純にバックライトユニットの厚さを減らすために拡散シートを除去する場合には、輝度の不均一による信頼性の問題が生じ、不十分な拡散によって視野角が狭くなる問題が発生することがある。したがって、バックライトユニットを薄型化すると共に、十分に輝度及び視野角の補完ができる構造の開発が必要である。
【0006】
本開示の様々な実施形態によると、導光板及び拡散フィルム間に拡散シートを除き、積層された複数のプリズムシートを含んでいる拡散フィルムを実現して、バックライトユニットのスリム化、輝度の改善及び視野角の確保を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の様々な実施形態によるバックライトユニットは、光源と、該光源から放出された光をガイドし、第1方向を向くように配置された導光板(light guide plate)と、該導光板の上(over)に配置された光学フィルムとを含むことができる。前記光学フィルムは、前記第1方向と垂直な第2方向に沿って並んで配列された第1プリズム構造を含む第1プリズムシート、及び前記第1プリズムシートの上(over)に配置され、前記第2方向と鋭角を形成する第3方向に沿って並んで配列された第2プリズム構造を含む第2プリズムシートを含むことができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の様々な実施形態による光学フィルム、及び、これを含むバックライトユニットにおいて、第1プリズムシート及び第2プリズムシートが積層された光学フィルムを提供し、第1プリズムシートの第1プリズム構造と、第2プリズムシートの第2プリズム構造との配列を変えて、輝度を改善することができる。
【0009】
本開示の様々な実施形態による光学フィルム、及び、これを含むバックライトユニットにおいて、第1プリズムシート及び第2プリズムシートが積層された光学フィルムを提供し、導光板と光学フィルムとの間に、拡散シートを除いて、光学フィルム及び/又はバックライトユニットのスリム化を実現することができる。
【0010】
本開示の様々な実施形態による光学フィルム、及び、これを含むバックライトユニットにおいて、第1プリズムシート及び第2プリズムシートが積層された光学フィルムを提供し、第1プリズムシート又は第2プリズムシートのプリズム構造を、非対称な三角柱形状に作ることにより、液晶パネルへ向かう光の集光を改善することができる。
【0011】
本開示で得られる効果は、以上で言及した効果に限定されず、言及していないまた他の効果は、以下の記載から本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の様々な実施形態による液晶表示装置の分解斜視図である。
図2】本開示の一実施形態によるバックライトユニットの一部分を示した断面図である。
図3】本開示の他の実施形態によるバックライトユニットの一部分を示した断面図である。
図4】本開示のまた他の実施形態によるバックライトユニットの一部分を示した断面図である。
図5】本開示の様々な実施形態による光学フィルムの第1プリズムシートの斜視図である。
図6図5の第1プリズムシートの一領域の拡大断面図である。
図7a】一般的な光学フィルムの構造を用いた輝度の角(angle)分布図である。
図7b】本開示の様々な実施形態による光学フィルムの構造を用いた輝度の角 (angle)分布図である。
図8a】本開示の様々な実施形態のための、第1プリズムシート 及び第2プリズムシート間のチルドされた程度に応じた輝度の角(angle) 分布図を、実験ケース別に示した図面である。
図8b】本開示の様々な実施形態のための、第1プリズムシート 及び第2プリズムシート間のチルドされた程度に応じた輝度の角(angle) 分布図を、実験ケース別に示した図面である。
図8c】本開示の様々な実施形態のための、第1プリズムシート 及び第2プリズムシート間のチルドされた程度に応じた輝度の角(angle) 分布図を、実験ケース別に示した図面である。
図8d】本開示の様々な実施形態のための、第1プリズムシート 及び第2プリズムシート間のチルドされた程度に応じた輝度の角(angle) 分布図を、実験ケース別に示した図面である。
図8e】本開示の様々な実施形態のための、第1プリズムシート 及び第2プリズムシート間のチルドされた程度に応じた輝度の角(angle) 分布図を、実験ケース別に示した図面である。
図9】本開示の様々な実施形態によるバックライトユニットの一部分を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本文書の様々な実施形態及びこれに使用された用語は、本文書に記載されている技術的特徴を、特定の実施形態に限定しようとするものではなく、当該実施形態の多様な変更、均等物、又は代替物を含むものと理解されるべきである。図面の説明に関連して、類似の又は関連の構成要素については、同様の参照符号が使用できる。アイテムに対応する名詞の単数形は、関連の文脈上、特に断りのない限り、一個又は複数個の前記アイテムを含むことができる。
【0014】
様々な実施形態によると、前述の構成要素それぞれの構成要素(例えば、モジュール又はプログラム)は、単数又は複数のオブジェクトを含んでもよく、複数のオブジェクトのうち一部は、他の構成要素に分離配置されてもよい。様々な実施形態によると、前述の当該構成要素のうち一つ以上の構成要素又は動作が省略されても、又は一つ以上の他の構成要素又は動作が追加されてもよい。代替的に又は追加的に、複数の構成要素(例えば、モジュールまたはプログラム)は、一つの構成要素に統合されることができる。このような場合には、統合された構成要素は、前記複数の構成要素それぞれの構成要素の一つ以上の機能を、前記統合前に、前記複数の構成要素のうち当該構成要素によって実行されるものと同一又は類似に行うことができる。様々な実施形態によると、モジュール、プログラム又は他の構成要素によって実行される動作は、順次に、並列に、繰り返しに、又はヒューリスティックに実行されるか、前記動作のうち一つ以上が異なる順序で実行されるか、省略されるか、又は一つ以上の他の動作が追加されることがある。
【0015】
以下、添付の図面を参照して様々な実施形態について説明する。本実施形態を説明するにおいて、同一の構成については、同一の名称及び同一の符号が使用され、これによる付加的な説明は、省略することにする。また、本発明の実施形態を説明することにおいて、同一の機能を有する構成要素については、同一の名称及び同一の符号を使うだけで、実質的には、従来と全く同じではないことをあらかじめ言う。
【0016】
様々な実施形態によると、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載されている特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を、予め排除しないものと理解されるべきである。
【0017】
図1は、本開示の様々な実施形態による液晶表示装置1の分解斜視図である。
【0018】
図2は、本開示の一実施形態によるバックライトユニット10の一部分を示した断面図である。図3は、本開示の他の実施形態によるバックライトユニット10の一部分を示した断面図である。図4は、本開示のまた他の実施形態によるバックライトユニット10の一部分を示した断面図である。
【0019】
図1を参照すると、液晶表示装置(又はLCD(liquid crystal display)装置))1は、バックライトユニット10と、液晶パネル20とを含むことができる。様々な実施形態によると、バックライトユニット10は、光を液晶パネル20に照射するように、液晶パネル20の背面(-Z方向を向く面)に向けて配置することができる。バックライトユニット10は、光源110、反射板120、導光板130、プリズムシート210、220、及び/又は保護シート170を含むことができる。
【0020】
様々な実施形態によると、光源110から放出された光は、導光板130によって面光源の形態で変換されることができる。光源110は、エッジ型又は直下型であり得る。一実施形態によると、光源110は、LED(light emitting diode)、又は蛍光灯を使用することができる。
【0021】
様々な実施形態によると、反射板120は、導光板130の背面(-Z軸方向を向く面)に向けて配置することができる。反射板120は、導光板130の背面に向けて出射された光を、導光板130に向けて反射して入射させることにより、光の損失を最小化することができる。
【0022】
様々な実施形態によると、プリズムシート210、220は、表面に形成された光学パターンを用いて入射された光を集光した後、液晶パネル20へ出射することができる。プリズムシート210、220は、透光性ベースフィルムと、前記ベースフィルムの上面(+Z軸方向を向く面)に形成された光学パターン層とを含むことができる。前記光学パターン層は、面方向の輝度の向上のために、指定された角度の傾斜面が形成された三角アレイ(array)形態の パターンであり得る。
【0023】
様々な実施形態によると、保護シート170は、プリズムシート210、220の上面(+Z軸方向を向く面)に備えられて、プリズムシート210、220の光学パターン層を保護し、プリズムシート210、220から集光された光を、液晶パネル20に伝達することができる。
【0024】
様々な実施形態によると、液晶パネル20は、光源110から照射された光を、電気信号に応じて、所定のパターンで屈折させることができる。前記屈折された光は、液晶パネル20の前面に配置されたカラーフィルタと偏光フィルタとを通過して、画面を構成することができる。
【0025】
図2から図4を参照すると、一実施形態によるバックライトユニット10は、光源110、反射板120、導光板130、及び光学フィルム200を含むことができる。一実施形態によると、光学フィルム200は、プリズムシート210、220を含むことができる。他の実施形態によると、光学フィルム200は、プリズムシート210、220及び拡散シート250を含むことができる。図2から図4のバックライトユニット10の構造は、図1のバックライトユニット10の構造と一部又は全部が同一であり得る。
【0026】
図1及び図2を参照すると、導光板130の上(over)に、光学フィルム200が積層配置され、光学フィルム200は、第1プリズムシート210と、第2プリズムシート220とを含むことができる。光学フィルム200は、導光板130の上に第1プリズムシート210、及び第2プリズムシート220がこの順に積層されることができる。
【0027】
様々な実施形態によると、第1プリズムシート210は、透光性の第1ベースフィルム211と、第1ベースフィルム211の第1方向(+Z軸方向)を向く面(上面)に形成された第1プリズムパターン層212を含むことができる。第2プリズムシート220は、透光性の第2ベースフィルム221と、第2ベースフィルム221の第1方向(+Z軸方向)を向く面(上面)に形成された第2プリズムパターン層222とを含むことができる。
【0028】
様々な実施形態によると、第1プリズムパターン層212で、複数の第1プリズム構造213は、互いに並んで配列されることができる。一実施形態によると、各々の第1プリズム構造213は、第1方向(+Z軸方向)と垂直な第2方向(Y軸方向)に延長された構造であり得る。例えば、第1プリズム構造213それぞれの頂点線P1は、第2方向(Y軸方向)に向けるように延長形成されることができる。一実施形態によると、一つの第1プリズム構造213は、三角柱形状であってもよく、矩形状の底面が、第1ベースフィルム211と対面するように配置されることができる。
【0029】
様々な実施形態によると、第2プリズムパターン層222で、複数の第2プリズム構造223は、互いに並んで配列されることができる。一実施形態によると、各々の第2プリズム構造223は、第2方向(Y軸方向)と鋭角を形成する第3方向に延長された構造であり得る。第2プリズム構造223それぞれの頂点線P2は、第2方向(Y軸方向)と並行せず、チルトされるように延長形成されることができる。例えば、 第2プリズム構造223の頂点線P2は、第1プリズム構造213の頂点線P1に基づいて、指定された角度程度チルドされて位置することができる。前記指定された角度は、約+15度以内又は-15度以内であり得る。
【0030】
一実施形態によると、一つの第2プリズム構造223は、三角柱形状であってもよく、矩形状の底面が、第1ベースフィルム221と対面するように配置されることができる。
【0031】
本開示の一実施形態によると、第1プリズムシート210及び第2プリズムシート220は、光源110から照射され、導光板130によってガイドされて伝達された光を集光することができる。互いに異なる方向のプリズムパターンを含む光学フィルム200の構造は、導光板130間に位置していた拡散シートが除外されることにより、拡散シートの厚さ(例えば、50~ 150μm)程度スリム化された光学フィルム200及び/又はバックライトユニット10を提供することができる。
【0032】
図3を参照すると、導光板130の上(over)に、光学フィルム200が積層配置され、光学フィルム200は、第1プリズムシート210、接着層240及び第2プリズムシート220を含むことができる。光学フィルム200は、 導光板130の上に、第1プリズムシート210、接着層240及び第2プリズムシート220が、順次に積層されることができる。
【0033】
図3の第1プリズムシート210及び第2プリズムシート220の構造は、図2の第1プリズムシート210及び第2プリズムシート220の構造と一部又は全部が同一であり得る。
【0034】
様々な実施形態によると、第1プリズムシート210及び第2プリズムシート220は、接着層240によって接着されることができる。例えば、接着層240は、減圧性接着剤(PSA:pressure sensitive adhesive)を含んでもよく、前記接着剤は、第1プリズムシート210の第1方向(+Z軸方向)を向く面(上面)又は第2プリズムシート220の-Z軸を向く面(下面)に塗布されることができる。これにより、光学フィルム200は、第1プリズムシート210及び第2プリズムシート220が、接着層240によって一体化された複合シートを構成することができる。
【0035】
図4を参照すると、導光板130の上(over)に、光学フィルム200が積層配置され、光学フィルム200は、第1プリズムシート210、第2プリズムシート220、及び拡散シート250を含むことができる。光学フィルム200は、導光板130の上に、第1プリズムシート210、第2プリズムシート220、及び拡散シート250が順次に積層されることができる。一実施形態によると、第1プリズムシート210と、第2プリズムシート220との間には、接着層(図示せず)が配置され、第1プリズムシート210及び第2プリズムシート220が一体化されて、構成されることができる。
【0036】
図4の第1プリズムシート210及び第2プリズムシート220の構造は、図2の第1プリズムシート210及び第2プリズムシート220の構造と一部又は全部が同一であり得る。
【0037】
様々な実施形態によると、拡散シート250は、光源110から照射され、導光板130によってガイドされて、第1プリズムシート210及び第2プリズムシート220によって集光された光を、均一に拡散することができる。拡散シート250は、光拡散剤ビーズ(beeds)が添加されている硬化性樹脂(例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステルアクリレート、及びラジカル発生型モノマーのうち少なくとも一つを選択して単独又は混合されたものである)溶液を塗布して製造することができる。拡散シート250は、前記光拡散剤ビーズによって光拡散を引き起こすことができる。一実施形態によると、拡散シート250は、均一又は不均一なサイズの形状(例えば、球状)の突起パターン(又は突出部)が形成されて、光の拡散を促進することができる。
【0038】
様々な実施形態によると、拡散シート250は、接着層(図示せず)によって、第2プリズムシート220と接着することができる。例えば、接着層は、減圧性接着剤(PSA:pressure sensitive adhesive)を含むことができる。これにより、光学フィルム200は、第1プリズムシート210、第2プリズムシート220、及び拡散シート250が、接着層240によって一体化された複合シートを構成できる。
【0039】
図5は、本開示の様々な実施形態による光学フィルム200の第1プリズムシート210の斜視図である。図6は、図5の第1プリズムシート210の一領域Sの拡大断面図である。
【0040】
様々な実施形態による光学フィルム200は、第1プリズムシート210及び第2プリズムシート(例えば、図1から図4の第2のプリズムシート220)を含むことができる。図5及び図6を参照すると、第1プリズムシート210の構造は、図2から図4の第1プリズムシート210の構造と一部又は全部が同一であり得る。
【0041】
様々な実施形態によると、第1プリズムシート210は、第1ベースフィルム310と、第1ベースフィルム310の第1方向(+Z)を向く面(上面)に形成された第1プリズムパターン層320とを含むことができる。第1ベースフィルム310は、透明なPETであってもよく、 第1プリズムパターン層320は、UVレジンであってもよい。第1ベースフィルム310は、プレート形状で提供され、第1プリズムパターン層320は、複数のプリズム構造313が、一方向に沿って配列された構造であってもよい。
【0042】
様々な実施形態によると、各々のプリズム構造313の形状は、同一の三角柱形状であり得る。
【0043】
様々な実施形態によると、一つのプリズム構造313の断面を見るとき、非対称な三角形の構造を形成することができる。図6を参照して、一つのプリズム構造313で、第1ベースフィルム310と対面(又は接触)する一面の長さを第1辺(L1)、第1辺(L1)と指定された第1角度(θ1)を形成し、傾いた一面の長さを第2辺(L2)及び第1辺(L1)と指定された第2角度(θ2)を形成し、傾いた一面の長さを第3辺(L3)と定義することができる。第2辺(L2)と第3辺(L3)とが形成する角度は、第3角度(θ3)と定義することができる。一実施形態によると、光源110は、複数のプリズム構造313のうち縁部に位置したプリズム構造313_1の第2辺(L2)と近くてもよい。
【0044】
図示した実施形態において、前記定義に基づいて、第1辺(L1)、第2辺(L2)及び第3辺(L3)は、互いに異なる長さを有してもよい。第1辺(L1)、第2辺(L2)及び第3辺(L3)のうち第1辺(L1)が最長の長さを有することができ、例えば、約40~50μmであり得る。また他の例として、第1辺(L1)は、約46μmであり得る。ただし、各辺の長さは、図示された実施形態に限定されず、光を集光できる効率的なプリズム構造のために様々に設計変形されることができる。
【0045】
一実施形態によると、第1角度(θ1)、第2角度(θ2)及び第3角度(θ3)は、互いに異なる角度を有してもよい。例えば、 第1角度(θ1)、第2角度(θ2)及び第3角度(θ3)はそれぞれ、90度以下の鋭角を有することができる。一実施形態によると、第1角度(θ1)、第2角度(θ2)及び第3角度(θ3)のうち第3角度(θ3)の値が最も大きいことがある。例えば、第3角度(θ3)は、約80度であってもよく、第1角度(θ1)は、約55度であってもよく、第2角度(θ2)は、約45度であってもよい。図示された実施形態において、プリズム構造313の第1角度(θ1)によって形成された第2辺(L2)を含んでいる面は、導光板130を介して伝達された光(入射光)が、第3辺(L3)に向けて屈折されるように形成された光屈折面又は光反射面であり得る。プリズム構造313の第2角度(θ2)によって形成された第3辺(L3)を含んでいる面は、導光板130を介して伝達された光を集光して、第2プリズムシート220に出射する光出射面であり得る。例えば、プリズム構造313によって全反射されていない光(T1)は、液晶パネル(例えば、図1の液晶パネル20)(又は図1の第2プリズムシート220)に向けて進行することができる。また他の例として、全反射された光(T2)は、再び導光板130を通過し、反射された後、第1プリズムシート210に再入射することができる
【0046】
一実施形態によると、プリズム構造313の第2角度(θ2)を調整して設計することにより、液晶パネルへ向かう光出射面を制御して、別途の拡散シートなしで、光の方向を液晶パネル20(又は第2プリズムシート220)を向くように変更することができ、これによる高輝度のための光学フィルム200を実現することができる。
【0047】
一実施形態によると、プリズム構造313の頂点線(P1)は、光源110の長さ方向と並んだ方向に延長形成されることができる。例えば、光源110は、Y軸方向に沿って延長配置された構造で、導光板130に向けて光を伝達することができる。プリズム構造313の頂点線(P1)は、Y軸方向に沿って延長形成されることができる。一実施形態によると、プリズム構造313の高さ、例えば、第1辺(L1)と頂点線(P1)の頂点(P11)との間の距離は、第1辺(L1)の長さより小さいことがある。また他の例として、第1辺(L1)と 頂点(P11)との間の距離は、第1辺(L1)の半分の長さよりも大きいことがある。プリズム構造313の高さは、約20~30μmであってもよく、他の例として、約27μmであってもよい。
【0048】
他の実施形態によると、プリズム構造313の頂点線(P1)は、光源110と並んだ方向に形成されず、光源の配列方向と同一面上でチルトされるように配置されることができる。例えば、光源110は、Y軸方向に沿って延長配置された構造で、導光板130に向けてX軸方向に光を伝達することができる。プリズム構造313の頂点線(P1)は、光源を見て並んで、Y軸方向に基づいて、X軸方向に沿って指定された角度(θ)ほどチルトされて延長形成されることができる。例えば、プリズム構造313の頂点線(P1)は、Y軸方向で指定された角度(θ)ほど回転したY′軸方向と並んで配列されることができる。前記指定された角度は、約10度以内であり得る。また他の例として、前記指定された角度は、約2度以内であり得る。一般に、光源及び/又は導光板から伝達された光が、光学フィルムを通過しながら、モアレ(moire)現象が発生することができ、これは、ユーザの視野を妨害することができる。モアレ(moire)現象に応じたモアレ模様(moire fringe)とは、周期性を有する複数の構造物が、同一方向に、又は交差した方向に互いに重畳される場合、重畳される前より大きな周期を有する形態(例えば、波状模様の形態)と定義することができる。前記モアレ現象は、LCパネル(panel)のピクセルとプリズムパターンによっても現れることができる。例えば、導光板130と第1プリズムシート210との間のモアレ現象が発生することができ、本開示による光学フィルム200は、光軸方向(X軸方向)と第1プリズムシート210のプリズム構造313を指定された角度でチルトさせることにより、モアレ現象を防止することができる。また他の例として、プリズムシート(例えば、第1プリズムシート210と第2プリズムシート220)間の積層配列によってモアレ現象が発生することができ、本開示による光学フィルム200は、第1プリズムシート210と第2プリズムシート220を指定された角度でチルトさせることにより、モアレ現象を防止することができる。
【0049】
再び図1図4を参照すると、第2プリズムシート(例えば、図1から図4の第2プリズムシート220)は、第2ベースフィルム221と、第2ベースフィルム221の第1方向(+Z)を向く面(上面)に形成された第2プリズムパターン層222を含むことができる。第2ベースフィルム221は、透明なPETであってもよく、第2プリズムパターン層222は、UVレジンであってもよい。第2ベースフィルム221は、プレート形状で提供され、第2プリズムパターン層222は、複数のプリズム構造が一方向に沿って配列された構造であり得る。
【0050】
様々な実施形態によると、第2プリズムシート220それぞれのプリズム構造の形状は、同一の正三角柱形状であり得る。
【0051】
図7aは、一般的な光学フィルムの構造を用いた輝度の角(angle)分布図である。図7bは、本開示の様々な実施形態による光学フィルムの構造を用いた輝度の角(angle)分布図である。
【0052】
一般的な光学フィルムは、導光板、拡散シート、第1プリズムシート、及び第2プリズムシートが順次に積層配置されることができる。図7aを参照すると、第1-1分布図(f10)は、光源から提供された光をガイドさせた導光板の輝度の角分布を意味し、第1-2分布図(f20)は、導光板から伝達された光を拡散させた拡散シートの輝度の角分布を意味し、第1-3分布図(f30)は、拡散シートから伝達された光を1次集光した第1プリズムシートの輝度の角分布を意味し、第1-4分布図(f40)は、第1プリズムシートから伝達された光を2次集光した第2プリズムシートの輝度の角分布を意味する。角(angle)分布図において、中心に光が集中されるほど、光学フィルムの輝度が上昇することができる。
【0053】
本開示による光学フィルムは、導光板、第1プリズムシート、及び第2プリズムシートが順次に積層配置されることができる。本開示による光学フィルムは、一般的な光学フィルムと異なって、導光板と第1プリズムシートとの間に、拡散シートが除外されることができる。前記光学フィルムは、図1から図6の光学フィルム200の構造と一部又は全部が同一であり得る。
【0054】
図7bを参照すると、第2-1分布図(f100)は、光源から提供された光をガイドさせた導光板の輝度の角分布を意味し、第2-2分布図(f200)は、導光板から伝達された光を、1次集光した第1プリズムシートの輝度の角分布を意味し、第2-3分布図(f300)は、第1プリズムシートから伝達された光を、2次集光した第2プリズムシートの輝度の角分布を意味する。
【0055】
図示された実施形態によると、一般的な光学フィルムと異なって、本開示の光学フィルムにおいて、輝度が改善されることが確認できる。例えば、第1-3分布図(f30)と第2-2分布図(f200)とを比較する場合は、第2-2分布図(f200)で光が分散されず、中心の近くにより集中されることが確認できる。また他の例として、第1-4分布図(f40)と第2-3分布図(f300)とを比較する場合には、第2-3分布図(f300)で光が中心により集中されることが確認できる。
【0056】
本開示による光学フィルム及び/又はバックライトユニットは、導光板とプリズムシートとの間の拡散シートを除去することにより、スリム化を実現することができる。また、拡散シートが除去されるにもかかわらず、第1プリズムシートの構造と第2プリズムシートの構造、第1プリズムシートと第2プリズムシートとの間の配置関係によって、全体的な輝度の改善を提供することができる。
【0057】
図8aから図8eは、本開示の様々な実施形態のための、第1プリズムシート210及び第2プリズムシート220間のチルトされた程度に応じた輝度の角(angle)分布図を、実験ケース別に示した図面である。
【0058】
様々な実施形態によると、バックライトユニット(例えば、図1のバックライトユニット10)は、光源110、導光板、第1プリズムシート210及び第2プリズムシート220を含むことができる。図8aから図8eの実験例による、バックライトユニット10の構造は、図1から図6のバックライトユニット10の構造と一部又は全部が同一であり得る。
【0059】
図8aを参照して実験例1によると、光源110は、Y軸方向に沿って延長配置され、第1プリズムシート210を構成する複数のプリズム構造の配列(例えば、頂点線の配列)は、光源110と並んでY軸方向に沿って延長配置されることができる。第2プリズムシート220を構成する複数のプリズム構造の配列(例えば、頂点線の配列)は、第1プリズムシート210を構成する複数のプリズム構造の配列と指定された角度、例えば、約6.5度、チルトされた方向に沿って延長配置されることができる。
【0060】
前記実験例1によって、輝度の角(angle)分布図を参照すると、第1プリズムシート210と第2プリズムシート220とを通過した光が、分散されず、中心に集中されることが確認できる。前記実験例1は、レファレンスケースとして輝度100%に設定されることができる。
【0061】
図8bを参照して実験例2によると、光源110は、Y軸方向に沿って延長配置され、第1プリズムシート210を構成する複数のプリズム構造の配列(例えば、頂点線の配列)は、光源110と並んでY軸方向に沿って延長配置されることができる。第2プリズムシート220を構成する複数のプリズム構造の配列(例えば、頂点線の配列)は、第1プリズムシート210を構成する複数のプリズム構造の配列と指定された角度、例えば、約10度、チルトされた方向に沿って延長配置されることができる。
【0062】
前記実験例2によって、輝度の角(angle)分布図を参照すると、第1プリズムシート210と第2プリズムシート220とを通過した光が、中心に集中されるものの、実験例1よりその程度が低いことが確認できる。前記実験例2は、レファレンス実験例対比測定された輝度の相対値は、約98.6%である。
【0063】
図8cを参照して実験例3によると、光源110は、Y軸方向に沿って延長配置され、第1プリズムシート210を構成する複数のプリズム構造の配列(例えば、頂点線の配列)は、光源110と並んでY軸方向に沿って延長配置されることができる。第2プリズムシート220を構成する複数のプリズム構造の配列(例えば、頂点線の配列)は、第1プリズムシート210を構成する複数のプリズム構造の配列と並んでY軸方向に沿って延長配置されることができる。
【0064】
前記実験例3によって、輝度の角(angle)分布図を参照すると、第1プリズムシート210と第2プリズムシート220とを通過した光が、分散されず、中心に集中されることが確認できる。前記実験例3は、レファレンス実験例対比測定された輝度の相対値は、約101.7%である。
【0065】
図8dを参照して実験例4によると、光源110は、Y軸方向に沿って延長配置され、第1プリズムシート210を構成する複数のプリズム構造の配列(例えば、頂点線の配列)は、光源110と並んでY軸方向に沿って延長配置されることができる。第2プリズムシート220を構成する複数のプリズム構造の配列(例えば、頂点線の配列)は、第1プリズムシート210を構成する複数のプリズム構造の配列と指定された角度、例えば、45度、チルトされた方向に沿って延長配置されることができる。
【0066】
前記実験例4によって、輝度の角(angle)分布図を参照すると、第1プリズムシート210と第2プリズムシート220とを通過した光が、分散されず、中心に集中されるものの、実験例1よりその程度が低いことが確認できる。前記実験例4は、レファレンス実験例対比測定された輝度の相対値は、約60.6%である。
【0067】
図8eを参照して実験例5によると、光源110は、Y軸方向に沿って延長配置され、第1プリズムシート210を構成する複数のプリズム構造の配列(例えば、頂点線の配列)は、光源110と並んでY軸方向に沿って延長配置されることができる。第2プリズムシート220を構成する複数のプリズム構造の配列(例えば、頂点線の配列)は、第1プリズムシート210を構成する複数のプリズム構造の配列と垂直なX軸方向に沿って延長配置されることができる。
【0068】
前記実験例5によって、輝度の角(angle)分布図を参照すると、第1プリズムシート210と第2プリズムシート220とを通過した光が、分散せず、中心に集中されるものの、実験例1よりもその程度が低いことが確認できる。前記実験例5は、レファレンス実験例対比測定された輝度の相対値は、約30.3%である。
【0069】
図示された実験例を見てみると、第1プリズムシート210の複数のプリズム構造の配列と、第2プリズムシート220の複数のプリズム構造の配列とが、指定された角度ほどチルトされる場合に限って、輝度が改善されることが確認できる。実験例1から実験例3において、バックライトユニットに有利な輝度性能が維持できるが、実験例3では、LCDパネルでモアレ(moire)が発生することができる。これにより、前記指定された角度は、0度を除いた約+15度以内又は-15度以内、例えば、約+10度以内又は-10以内で有利な輝度性能を確認することができる。
【0070】
図9は、本開示の様々な実施形態によるバックライトユニットの一部分を示した断面図である。
【0071】
図9を参照すると、導光板(例えば、図1の導光板130)の上に、光学フィルム200が積層配置され、光学フィルム200は、第1プリズムシート210、第2プリズムシート220、接着層240、及び吸着防止層280を含むことができる。一実施形態によると、光学フィルム200は、導光板130の上に吸着防止層280、第1プリズムシート210、接着層240及び第2プリズムシート220が順次に積層されることができる。
【0072】
図9の第1プリズムシート210、第2プリズムシート220及び接着層240の構造は、図2及び/又は図3の第1プリズムシート210、第2プリズムシート220及び接着層240の構造と一部又は全部が同一であり得る。
【0073】
様々な実施形態によると、第1プリズムシート210の下面(-Z軸方向を向く面)には、吸着防止層280が配置されることができる。吸着防止層280は、-Z軸方向に向ける複数の突起281が形成されたパターンを備えることができる。一実施形態によると、複数の突起281はそれぞれ、半球形の構造又は円柱の構造で形成され、高さは約5~10μmであり得る。他の実施形態によると、複数の突起281は、互いに離隔形成されることができ、例えば、吸着防止層の一面に基づいて、複数の突起281のフィルファクター(fill factor)は、約3~10%であり得る。また他の例として、前記フィルファクターは、約5%であり得る。
【0074】
様々な実施形態によると、吸着防止層280は、UVレジンであってもよく、ヘイズ(haze)5%以下の値に形成されることができる。例えば、吸着防止層280は、第1プリズムシート210と導光板(例えば、図1の導光板130)との間の吸着を防止するための層であって、前記吸着防止のための最小限のヘイズ値を有するように実現することができる。また、吸着防止層280は、輝度性能を改善するために一定以下のヘイズ値を有するように実現することができる。以下の表1を参照すると、吸着防止層280のヘイズ値の輝度及び吸着状態を確認することができる。
【表1】
【0075】
本開示による、吸着防止層280は、導光板130と接触配置された場合、吸着を防止するにことにより、導光板130から光学フィルム200に伝達される光の透過率を上昇し、輝度を改善することができる。
【0076】
本開示の様々な実施形態によるバックライトユニット(例えば、図1の10)は、光源(例えば、図1の110)と、該光源から放出された光をガイドし、第1方向を向くように配置された導光板(light guide plate)(例えば、図1の130)と、該導光板の上(over)に配置された光学フィルム(例えば、図2の200)とを含むことができる。前記光学フィルムは、前記第1方向と垂直な第2方向に沿って並んで配列された第1プリズム構造(例えば、図2の213)を含む第1プリズムシート(例えば、図2の210)、及び前記第1プリズムシートの上(over)に配置され、前記第2方向と鋭角を形成する第3方向に沿って並んで配列された第2プリズム構造(例えば、図2の223)を含む第2プリズムシート(例えば、図2の220)を含むことができる。
【0077】
様々な実施形態によると、前記光学フィルムは、前記第1プリズムシート及び前記第2プリズムシート間に配置され、前記第1プリズムシートと前記第2プリズムシートとを接着する接着層(例えば、図3の240)をさらに含むことができる。
【0078】
様々な実施形態によると、前記光学フィルムの下面は、前記導光板と接触配置されることができる。
【0079】
様々な実施形態によると、前記第2方向を向く前記第1プリズム構造のうち一つの頂点線に対して、前記第3方向を向く第2プリズム構造のうち一つの頂点線の角度は、15度以内であり得る。
【0080】
様々な実施形態によると、前記第1プリズムシートの前記第1プリズム構造はそれぞれ、非対称な三角柱形状であり、前記第2プリズムシートの前記第2プリズム構造はそれぞれ、正三角柱形状であり得る。
【0081】
様々な実施形態によると、前記第1プリズム構造のうち一つの第1プリズム構造において、前記導光板と並んで配置された一面の長さを第1辺、前記第1辺と指定された第1角度を形成し、傾いた一面の長さを第2辺、及び前記第1辺と指定された第2角度を形成し、傾いた一面の長さを第3辺と定義することができる。前記光源は、複数のプリズム構造のうち縁部に位置したプリズム構造の第2辺と隣接配置されることができる。
【0082】
様々な実施形態によると、前記第2辺と前記第3辺が形成する角度は、第3角度と定義し、前記第1角度、前記第2角度及び前記第3角度はそれぞれ、90度以下の鋭角を形成することができる。
【0083】
様々な実施形態によると、前記第1辺、前記第2辺及び前記第3辺のうち、前記第1辺が最長の長さを有し、前記第1角度、前記第2角度及び前記第3角度のうち、前記第3角度の値が最も大きいことがある。
【0084】
様々な実施形態によると、前記プリズム構造の前記第2角度によって形成された前記第3辺を含んでいる面は、前記導光板を介して伝達された光を集光して、前記第2プリズムシートに出射される光出射面を形成することができる。
【0085】
様々な実施形態によると、第1プリズムシートは、第1ベースフィルム、及び該第1ベースフィルムの上面に配置され、前記複数の第1プリズム構造が配列された第1プリズムパターン層を含み、前記第1ベースフィルムは、透光性材料を含み、前記第1プリズムパターン層は、レジンを含むことができる。
【0086】
様々な実施形態によると、前記第1プリズムシートの前記第1プリズム構造のそれぞれの頂点線は、前記光源の長さ方向と並んだ方向に延長形成されることができる。
【0087】
様々な実施形態によると、前記第1プリズムシートの前記第1プリズム構造のそれぞれの頂点線は、前記光源の長さ方向に対して、指定された角度程度チルトされて延長され、前記指定された角度は、10度以内であり得る。
【0088】
様々な実施形態によると、前記光学フィルムは、前記第2プリズムシートの上面に配置され、前記第1プリズムシート及び前記第2プリズムシートによって集光された光を均一に拡散するための拡散シート(例えば、図4の250)をさらに含むことができる。
【0089】
様々な実施形態によると、前記光学フィルムは、前記第1プリズムシートの下面に配置され、前記導光板と、吸着を防止するための吸着防止層(例えば、図9の280)とを、さらに含むことができる。
【0090】
様々な実施形態によると、前記吸着防止層は、前記導光板に向けて突出された複数の突起を含み、前記複数の突起の高さは、5~10μmであり得る。
【0091】
以上で説明した本開示の様々な実施形態の光学フィルム、及び、これを含むバックライトユニットは、前述の実施形態及び図面によって限定されるものではなく、本開示の技術的範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であることは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【符号の説明】
【0092】
10 バックライトユニット
110 光源
130 導光板
200 光学フィルム
210 第1プリズムシート
220 第2プリズムシート
213 第1プリズム構造
223 第2プリズム構造
240 接着層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図8c
図8d
図8e
図9