(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】チアミン化合物、製造方法及びその医薬組成物
(51)【国際特許分類】
C07F 9/6512 20060101AFI20230706BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20230706BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
C07F9/6512 CSP
A61K31/675
A61P25/28
(21)【出願番号】P 2021531390
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(86)【国際出願番号】 CN2019120942
(87)【国際公開番号】W WO2020108478
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】201811435584.X
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521235073
【氏名又は名称】上海日馨医▲薬▼科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲チョン▼春玖
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲ファン▼
【審査官】安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】特公昭39-021526(JP,B1)
【文献】特公昭40-001396(JP,B1)
【文献】英国特許第01264580(GB,B)
【文献】中国特許出願公開第109111478(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103772432(CN,A)
【文献】国際公開第2020/108481(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/108480(WO,A1)
【文献】Takamine Kenkyusho Nenpo,1961年,13,24-7
【文献】Takamine Kenkyusho Nenpo,1961年,13,20-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)又は式(2)で示される構造を有し、
【化1】
式(1)で示される構造は、
R
1
が水素原子であり、R
2
がメチル基又はエチル基であり、R
3
がメチル基である構造であるか;あるいは、
R
1
がメチル基であり、R
2
がメチル基であり、R
3
がビニル基である構造であり、
式(2)で示される構造は、R
4
及びR
5
が水素原子であり、R
6
がn-プロピル基である構造である、チアミン系化合物。
【請求項2】
下記式(1a)で示されるチアミンリン酸と式(1b)又は(2b)で示される酸塩化物を反応させてチアミン系化合物を得、
【化2】
ただし、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は請求項
1で定義される基であるチアミン系化合物の製造方法。
【請求項3】
請求項
1に記載のチアミン系化合物又はチアミン系化合物の塩を含む、医薬組成物。
【請求項4】
神経変性疾患を予防又は治療するための、請求項
3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
アルツハイマー病を予防又は治療するための、請求項
4に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬品化学分野に属し、具体的には、チアミン化合物、製造方法及びその医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(老人性認知症、Alzheimer’s disease、AD)は臨床上主に認知及び行動障害を症状とする進行性神経変性疾患であり、最も一般的な老年期の痴呆性疾患であり、認識障害や記憶機能が激しく衰えることが主な症状である。主な病態生理学的特徴は脳内のβ-アミロイド(β-amyloid、Aβ)の沈着による老人斑形成、タウタンパク質の過剰リン酸化による神経原線維変化、脳の糖代謝障害、ニューロン/シナプスの喪失である。経過が長く、患者のセルフケア能力が悪いため、家庭や社会に深刻な精神的・経済的負担が与えられる。しかし、世界中で疾患の進行を防ぐ又は遅らせる薬物はまだ見られず、従来市販されているAD治療薬は特定の症状を治療する薬物で、認知及び機能上の症状を一定期間緩和又は改善できるが、病状の悪化を防ぎ又は遅らせることはできない。
【0003】
ベンフォチアミンがグリコーゲン合成酵素キナーゼ-3(Glycogensynthasekinase-3、GSK-3)の活性を阻害することで、脳内のβ-アミロイド(β-amyloid、Aβ)沈着及びタウタンパク質のリン酸化を低下させ、アルツハイマー病の病理学的損傷の発生を軽減できることが既に関連の研究により判明した。それに伴い、ベンフォチアミンの合成方法や結晶形、及びアルツハイマー病治療薬におけるその用途が次第に研究及び報告されている。しかし、他のモノホスホチアミン化合物に関して関連の研究と報告はまだなかった。
【発明の概要】
【0004】
本発明の特定の実施形態は新規なチアミン化合物、製造方法及びその医薬組成物に関する技術案を提供し、
【0005】
チアミン化合物であって、次の式(1)又は式(2)に示す構造を有し、
【0006】
【0007】
式中、R1、R2、R3、R4、R5又はR6はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、アミノ基、置換アミノ基、エステル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、チオール基、炭化水素チオール基、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、アシル基又はアミド基である、チアミン系化合物。
【0008】
任意選択で、前記チアミン化合物の構造は式(1)であり、前記R1及びR2は水素原子であり、R3はベンジル基又は1,5ジフルオロフェニル基である。
【0009】
任意選択で、前記R1、R2、R3、R4、R5又はR6はそれぞれ独立して水素原子又はC1-C18鎖状炭化水素基である。
【0010】
任意選択で、前記チアミン化合物の構造は式(1)であり、R1又はR2はそれぞれ独立して水素原子、メチル基又はエチル基であり、R3はC1-C10鎖状炭化水素基である。
【0011】
任意選択で、前記チアミン化合物の構造は式(1)であり、前記R1は水素原子であり、R2はメチル基であり、R3はメチル基又はエチル基である。
【0012】
任意選択で、前記チアミン化合物の構造は式(1)であり、前記R1はメチル基であり、R2はメチル基であり、R3はビニル基である。
【0013】
任意選択で、前記チアミン化合物の構造は式(2)であり、前記R5は水素原子であり、R4はn-プロピル基である。
【0014】
前記チアミン化合物の製造方法であって、式(1a)に示すチアミンリン酸と式(1b)又は(2b)に示すカルボン酸塩化物を反応させて生成物を得、
【0015】
【0016】
ただし、R1、R2、R3、R4、R5又はR6はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、アミノ基、置換アミノ基、エステル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、チオール基、炭化水素チオール基、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、アシル基又はアミド基である、チアミン系化合物。
【0017】
医薬組成物であって、前記任意のチアミン化合物及びその異性体又はチアミン化合物及びその異性体の塩を含む。
【0018】
任意選択で、前記医薬組成物は神経変性疾患を予防及び治療する薬物を製造するために使用される。
【0019】
任意選択で、前記医薬組成物はアルツハイマー病又は老化を予防及び治療する薬物を製造するために使用される。
【0020】
従来技術と比べ、本発明の実施形態に係る一連の式(1)又は式(2)のチアミン化合物は、Aβ40及び/又はAβ42に阻害効果があり、さらに、前記チアミン化合物の構造は式(1)であり、前記R1が水素原子で、R2がメチル基で、R3がメチル基又はエチル基であり、又は前記R1がメチル基で、R2がメチル基で、R3がビニル基もしくはn-ブチル基であり、あるいは前記チアミン化合物の構造は式(2)であり、前記R4及びR5が水素原子で、R6がn-プロピル基である場合に、Aβ40及びAβ42阻害効果が優れる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態のチアミン化合物は、次の式(1)又は式(2)に示す構造を有し、
【0022】
【0023】
式中、R1、R2、R3、R4、R5又はR6はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、アミノ基、置換アミノ基、エステル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、チオール基、炭化水素チオール基、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、アシル基又はアミド基である、チアミン系化合物。
【0024】
本発明の特定の実施形態では、前記置換基は直鎖、分岐鎖又は環状炭化水素基を含み、前記炭化水素基はアルキル基であってもよいし、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であってもよく、いくつかの実施例では、前記炭化水素基はアルキル基で、具体例はメチル基、エチル基、ビニル基、プロペニル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、1-エチルプロピル基、1-メチルブチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、1-メチルペンチル基、1-エチルブチル基、シクロヘキシル基、2-ヘプチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基などであり、いくつかの実施例では、前記炭化水素基はアリール基で、具体例はフェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、ベンジル基、2-フェネチル基などである。
【0025】
本発明の特定の実施形態では、前記置換炭化水素基は前記炭化水素基のハロゲン原子置換、ニトロ置換、シアノ置換、スルホン酸置換、炭化水素オキシ置換、アミノ置換、カルボキシ置換、ヒドロキシ置換、メルカプト置換などを含み、具体例はメトキシエチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などである。
【0026】
本発明の特定の実施形態では、前記炭化水素オキシ基は直鎖、分岐鎖又は環状炭化水素オキシ基を含み、具体例はメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、イソブトキシ基、ペントキシ基、1-エチルプロポキシ基、1-メチルブトキシ基、シクロペントキシ基、ヘキシロキシ基、1-メチルペントキシ基、1-エチルブトキシ基、シクロヘキシロキシ基、2-ヘプトキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、ノニロキシ基、デシロキシ基、ウンデシロキシ基、ドデシロキシ基、トリデシロキシ基、テトラデシロキシ基、ペンタデシロキシ基、ヘキサデシロキシ基、ヘプタデシロキシ基、オクタデシロキシ基、ノナデシロキシ基、イコシロキシ基、ヘンイコシロキシ基、ドコシロキシ基、トリコシロキシ基、フェノキシ基、2-メチルフェノキシ基、3-メチルフェノキシ基、4-メチルフェノキシ基、1-ナフトキシ基、2-ナフトキシ基、ベンジロキシ基、2-フェニルエトキシ基などである。
【0027】
本発明の特定の実施形態では、前記置換炭化水素オキシ基は前記炭化水素オキシ基のハロゲン原子置換、ニトロ置換、シアノ置換、スルホン酸置換、炭化水素オキシ置換、アミノ置換、カルボキシ置換、ヒドロキシ置換、メルカプト置換などを含み、具体例はメトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、ブトキシエトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基などである。
【0028】
本発明の特定の実施形態では、前記炭化水素チオール基は直鎖、分岐鎖又は環状炭化水素チオール基を含み、具体例はメチルチオール基、エチルチオール基、n-プロピルチオール基、イソプロピルチオール基、n-ブチルチオール基、tert-ブチルチオール基、イソブチルチオール基、ペンチルチオール基、1-エチルプロピルチオール基、1-メチルブチルチオール基、シクロペンチルチオール基、ヘキシルチオール基、1-メチルペンチルチオール基、1-エチルブチルチオール基、シクロヘキシルチオール基、2-ヘプチルチオール基、ヘプチルチオール基、オクチルチオール基、ノニルチオール基、デシルチオール基、ウンデシルチオール基、ドデシルチオール基、トリデシルチオール基、テトラデシルチオール基、ペンタデシルチオール基、ヘキサデシルチオール基、ヘプタデシルチオール基、オクタデシルチオール基、ノナデシルチオール基、イコシルチオール基、ヘンイコシルチオール基、ドコシルチオール基、トリコシルチオール基、フェニルチオール基、2-メチルフェニルチオール基、3-メチルフェニルチオール基、4-メチルフェニルチオール基、1-ナフチルチオール基、2-ナフチルチオール基、ベンジルチオール基、2-フェニルエチルチオール基などである。
【0029】
本発明の特定の実施形態では、前記置換炭化水素チオール基は前記炭化水素チオール基のハロゲン原子置換、ニトロ置換、シアノ置換、スルホン酸置換、チオール置換、アミノ置換、カルボキシ置換、ヒドロキシ置換、メルカプト置換などを含み、具体例はメトキシエチルチオール基、エトキシエチルチオール基、ブトキシエチルチオール基、トリフルオロメチルチオール基、ペンタフルオロエチルチオール基などである。
【0030】
本発明の特定の実施形態では、前記アシル基は様々な炭化水素アシル基又は様々な置換炭化水素アシル基を含み、前記置換はハロゲン原子置換、ニトロ置換、シアノ置換、スルホン酸置換、アミノ置換、カルボキシ置換、ヒドロキシ置換、メルカプト置換などを含み、具体例はメタノイル基、エタノイル基、n-プロパノイル基、イソプロパノイル基、n-ブタノイル基、tert-ブタノイル基、イソブタノイル基、ペンタノイル基、1-エチルプロパノイル基、1-メチルブタノイル基、シクロペンタノイル基、ヘキサノイル基、1-メチルペンタノイル基、1-エチルブタノイル基、シクロヘキサノイル基、2-ヘプタノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、ヘプタデカノイル基、オクタデカノイル基、ノナデカノイル基、アリールアシル基、イコサノイル基、ヘンイコサノイル基、ドコサノイル基、トリコサノイル基、ベンゾイル基、2-メチルベンゾイル基、3-メチルベンゾイル基、4-メチルベンゾイル基、1-ナフトイル基、2-ナフトイル基、ベンジルメタノイル基、2-フェニルエタノイル基、メトキシエタノイル基、エトキシエタノイル基、ブトキシエタノイル基、トリフルオロエタノイル基などである。
【0031】
本発明の特定の実施形態では、前記エステル基は様々な炭化水素エステル基又は様々な置換炭化水素エステル基を含み、前記置換はハロゲン原子置換、ニトロ置換、シアノ置換、スルホン酸置換、アミノ置換、カルボキシ置換、ヒドロキシ置換、メルカプト置換などを含み、具体例はメチルエステル基、エチルエステル基、n-プロピルエステル基、イソプロピルエステル基、n-ブチルエステル基、tert-ブチルエステル基、イソブチルエステル基、ペンチルエステル基、1-エチルプロピルエステル基、1-メチルブチルエステル基、シクロペンチルエステル基、ヘキシルエステル基、1-メチルペンチルエステル基、1-エチルブチルエステル基、シクロヘキシルエステル基、2-ヘプチルエステル基、ヘプチルエステル基、オクチルエステル基、ノニルエステル基、デシルエステル基、ウンデシルエステル基、ドデシルエステル基、トリデシルエステル基、テトラデシルエステル基、ペンタデシルエステル基、ヘキサデシルエステル基、ヘプタデシルエステル基、オクタデシルエステル基、ノナデシルエステル基、アリールエステル基、イコシルエステル基、ヘンイコシルエステル基、ドコシルエステル基、トリコシルエステル基、ベンジルエステル基、2-メチルベンジルエステル基、3-メチルベンジルエステル基、4-メチルベンジルエステル基、1-ナフチルメチルエステル基、2-ナフチルメチルエステル基、ベンジルメチルエステル基、2-フェネチルエステル基、メトキシエチルエステル基、エトキシエチルエステル基、ブトキシエチルエステル基、トリフルオロエチルエステル基などである。
【0032】
本発明の特定の実施形態では、前記置換アミノ基は様々な炭化水素置換アミノ基又は様々な置換炭化水素置換アミノ基を含み、前記置換はハロゲン原子置換、ニトロ置換、シアノ置換、スルホン酸置換、アミノ置換、カルボキシ置換、ヒドロキシ置換、メルカプト置換などを含み、具体例はメチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、1-エチルプロピルアミノ基、1-メチルブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、1-メチルペンチルアミノ基、1-エチルブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、2-ヘプチルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ウンデシルアミノ基、ドデシルアミノ基、トリデシルアミノ基、テトラデシルアミノ基、ペンタデシルアミノ基、ヘキサデシルアミノ基、ヘプタデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、ノナデシルアミノ基、アリールアミノ基、イコシルアミノ基、ヘンイコシルアミノ基、ドコシルアミノ基、トリコシルアミノ基、ベンジルアミノ基、2-メチルベンジルアミノ基、3-メチルベンジルアミノ基、4-メチルベンジルアミノ基、1-ナフチルメチルアミノ基、2-ナフチルメチルアミノ基、ベンジルメチルアミノ基、2-フェネチルアミノ基、メトキシエチルアミノ基、エトキシエチルアミノ基、ブトキシエチルアミノ基、トリフルオロエチルアミノ基などである。
【0033】
本発明の特定の実施形態では、前記アミド基は様々な炭化水素アミド基又は様々な置換炭化水素アミド基を含み、前記置換はハロゲン原子置換、ニトロ置換、シアノ置換、スルホン酸置換、アミド置換、カルボキシ置換、ヒドロキシ置換、メルカプト置換などを含み、具体例はホルムアミド基、アセトアミド基、n-プロピオンアミド基、イソプロピオンアミド基、n-ブタンアミド基、tert-ブタンアミド基、イソブタンアミド基、バレラミド基、1-エチルプロピオンアミド基、1-メチルブタンアミド基、シクロペンタンアミド基、ヘキサンアミド基、1-メチルバレラミド基、1-エチルブタンアミド基、シクロヘキサンアミド基、2-ヘプタンアミド基、ヘプタンアミド基、オクタンアミド基、ノナンアミド基、デカンアミド基、ウンデカンアミド基、ドデカンアミド基、トリデカンアミド基、テトラデカンアミド基、ペンタデカンアミド基、ヘキサデカンアミド基、ヘプタデカンアミド基、オクタデカンアミド基、ノナデカンアミド基、アリールアミド基、イコサンアミド基、ヘンイコサンアミド基、ドコサンアミド基、トリコサンアミド基、メチルベンゼンアミド基、2-メチルメチルベンゼンアミド基、3-メチルメチルベンゼンアミド基、4-メチルメチルベンゼンアミド基、1-メチルナフタレンアミド基、2-メチルナフタレンアミド基、メチルベンゼンメチルアミド基、2-エチルベンゼンアミド基、メトキシアセトアミド基、エトキシアセトアミド基、ブトキシアセトアミド基、トリフルオロアセトアミド基などである。
【0034】
本発明の特定の実施形態では、前記チアミン化合物の構造は式(1)であり、前記R1及びR2は水素原子であり、R3はベンジル基又は1,5ジフルオロフェニル基である。
【0035】
本発明の特定の実施形態では、前記R1、R2、R3、R4又はR5、R6はそれぞれ独立して水素原子又はC1-C18鎖状炭化水素基であり、好ましくは、前記チアミン化合物の構造は式(1)であり、R1又はR2はそれぞれ独立して水素原子又はC1-C4鎖状炭化水素基であり、さらに、R1又はR2はそれぞれ独立して水素原子、メチル基又はエチル基であり、R3はC1-C10鎖状炭化水素基であり、Aβ40及びAβ42に対する阻害効果を考慮すると、より好ましくは、前記R1は水素原子であり、R2はメチル基であり、R3はメチル基もしくはエチル基であり、又は前記R1はメチル基であり、R2はメチル基であり、R3はビニル基であり、あるいは好ましくは、前記チアミン化合物の構造は式(2)であり、前記R4及びR5は水素原子であり、R6はn-プロピル基である。
【0036】
さらに本発明は、式(1a)に示すチアミンリン酸と式(1b)又は(2b)に示すカルボン酸塩化物を反応させて生成物を得る前記チアミン化合物の製造方法を提供し。
【0037】
【0038】
ただし、R1、R2、R3、R4又はR5、R6はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、アミノ基、置換アミノ基、エステル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、チオール基、炭化水素チオール基、炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、置換炭化水素オキシ基、アシル基又はアミド基である、チアミン系化合物。
【0039】
本発明のチアミン化合物の製造方法に係る特定の実施形態では、実験条件は具体的に従来技術(例えば、特許EP2918593A1)に記載の実験条件及び方法を参照し、チアミンリン酸と塩化ベンゾイルを反応させてベンフォチアミンを製造する。具体的に言えば、例えば、式(1a)のチアミンリン酸を水に溶解し、30%水酸化ナトリウム溶液を滴加し、pHを10~12に調整し、攪拌して溶解させる。0~15℃で式(1b)のカルボン酸塩化物の溶液を滴加し、滴加しながらpHを10~12に調整する。滴加完了後30分間~3時間反応させ、次に反応物に対する抽出など精製を経て前記チアミン化合物を得る。式(1b)のカルボン酸塩化物によって、一般には所望により反応条件の選択又は調整が可能であり、例えば、式(1b)のカルボン酸塩化物の溶液の調製の溶媒選択、抽出溶媒の選択などである。
【0040】
さらに、本発明は医薬組成物を提供し、前記医薬組成物は前記チアミン化合物及びその異性体又はチアミン化合物及びその異性体の塩を含み、好ましくは神経変性疾患を予防及び治療する薬物を製造するための、より好ましくはアルツハイマー病又は老化を予防及び治療する薬物を製造するための医薬組成物である。前記塩は医学的に許容される塩であり、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などである。前記組成物は通常の手順より錠剤、粉末剤、スプレー剤、水系注射剤、粉末注射剤、経直腸坐剤又は皮膚テープ剤(経皮投与用)として製剤化されてもよい。
【0041】
(実施例)
【0042】
本発明に係る測定の説明:
【0043】
プロトン核磁気共鳴(1H NMR):NMR化学シフト(δ)はppm単位で示す。NMR測定ではBrukeRAVANCE-500核磁気共鳴装置を用い、測定溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、重水素化メタノール(CD3OD)、重水素化水(D2O)などであり、内部標準物質はテトラメチルシラン(TMS)であった。
【0044】
質量分析(MS):MS測定ではアジレント(ESI)質量分析計(提供:アジレント、型番:アジレント6110)を用いた。
【0045】
1.生物学的試験:
【0046】
試験材料及び方法:
【0047】
(1)BCAタンパク質濃度測定キットは碧云天社(beyotime biotechnology)より購入し、Aβ40及びAβ42検出キットはwako社より購入し、細胞培養用試薬は全てGibico社より購入した。
【0048】
(2)HEK293APP/sw過剰発現細胞培養:48ウェルプレートにおいてDMEM液体培地(組成:10%FBS、100μg/mLのG418(Geneticin、ジェネティシン)、マイシリン)を用いて細胞を培養し、細胞密度が70%になったら、4mMの試料保存溶液(試料をDMEM液体培地に溶解して調製した)をDMEM液体培地で400μMに希釈し、各ウェルに500μLを加え、24時間培養した。
【0049】
(3)液体培地上清にBCA試薬を加えて室温で30分間インキュベートした後、マイクロプレートリーダーにおいてOD 570nmにて各ウェルの吸光度を測定しタンパク質標準曲線から総タンパク質濃度を算出した。同時に上清に対してAβ40及びAβ42濃度を測定し、コーティング済み96ウェルプレートに上清液を加えて4℃で一晩インキュベートし、試薬を除去し洗浄した後HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)標識抗体を加えて4℃で2時間インキュベートし、試薬を除去し洗浄した後TMB発色試薬を加えて室温で30分間インキュベートし、次に停止液を加えて反応を停止させ、マイクロプレートリーダーにおいてOD 450nmにて各ウェルの吸光度を測定しAβ40及びAβ42標準曲線からAβ40及びAβ42の濃度をそれぞれ算出し、最後に総タンパク質濃度によりAβ40及びAβ42の濃度を調整して最終濃度を得た。
【0050】
次の実施例において、合成された化合物は分子式で表す化合物に準拠し、英語表記及び日本語訳は参考として添えられる。
【0051】
(実施例1)
【0052】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)butanethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオブタノアート(1-1)」の合成:
【0053】
【0054】
6.6gのチアミンリン酸を8.0gの水に溶解し、攪拌して溶解させた。水酸化ナトリウム溶液(30%)を滴加してpHを10~12に調整した。30分間攪拌して、再びpHを測定し、pHを調整して10~12と安定的で変わらないと、1時間攪拌した。10℃以下に保持して2.3gの式1-bのジクロロメタン溶液を滴加した。分液し、無水硫酸ナトリウムでジクロロメタン相を乾燥し、遠心乾燥してジクロロメタンを除去し、黄色の油性液体に2mLのメタノールを加えて清澄化させ、そして30mLの酢酸エチルを加えて攪拌し、固体が析出したら、濾過し、フィルターケーキを45℃でオーブン乾燥して生成物1-1を得た。
【0055】
前記生成物1-1に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-1で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0056】
MS m/z(ESI):433.2[M+1]
【0057】
1H NMR(DMSO-d6)δ 7.84(s,1H),7.81(s,1H),4.47(s,2H),3.78-3.82(m,2H),2.51-2.61(m,2H),2.43-2.41(m,2H),2.39(s,3H),2.13(s,3H),1.45-1.50(m,2H),0.82-0.85(m,3H)。
【0058】
(実施例2)
【0059】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)decanethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオデカノアート(1-2)」の合成:
【0060】
【0061】
6.6gのチアミンリン酸を10.0gの水に溶解し、攪拌して溶解させた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を滴加してpHを10~12に調整し、次に30分間攪拌して、再びpHを測定し、pHを調整して10~12と安定的で変わらないと、1時間攪拌し、そして10℃以下に保持して3.6gの式1-2bのテトラヒドロフラン溶液を滴加し、滴加完了後30分間反応させ、pHを7~8に調整して、酢酸エチルを加えて2回、そしてn-ヘプタンで1回抽出して分液し、pHを7に調整して、n-ヘプタンで1回抽出して分液し、ジクロロメタンを加えてpHを調整し、乳化しないと分液して乾燥し、遠心乾燥してジクロロメタンを除去して、生成物1-2を得た。
【0062】
前記生成物1-2に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-2で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0063】
MS m/z(ESI):517.2[M+1]
【0064】
1H NMR(DMSO-d6)δ 7.99(s,1H),7.81(s,1H),4.47(s,2H),3.82-3.81(m,2H),2.59-2.51(m,2H),2.43-2.42(m,5H),2.41(s,3H),1.45-1.44(m,2H),1.28-1.22(m,12H),0.87-0.84(m,3H)。
【0065】
(実施例3)
【0066】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)dodecanethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオドデカノアート(1-3)」の合成:
【0067】
【0068】
6.1gのチアミンリン酸を12.8gの水に溶解し、攪拌して溶解させた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を滴加してpHを10~12に調整し、次に30分間攪拌して、再びpHを測定し、pHを調整して10~12と安定的で変わらないと、30分間攪拌し、そして10℃以下に保持して式1-3bのテトラヒドロフラン溶液を滴加し、滴加しながら水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを10~12に保持し、滴加完了後、保温して1時間反応させた。酢酸エチルを加えて2回抽出して、有機相を除去し、31%塩酸でpHを4~5に調整して、ジクロロメタンで生成物を抽出し、無水硫酸ナトリウムでジクロロメタン相を乾燥し、濾過し、40℃で濾液を濃縮して、生成物1-3を得た。
【0069】
前記生成物1-3に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-3で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0070】
MS m/z(ESI):545.2[M+1]
【0071】
1H NMR(DMSO-d6):δ 8.03(s,1H),7.83(s,1H),4.48(s,2H),3.83-3.81(m,2H),2.59(s,2H),2.43-2.40(m,5H),2.14(s,3H),1.45-1.43(m,2H),1.23-1.21(m,16H),0.85(t,3H)。
【0072】
(実施例4)
【0073】
(E)-S-((Z)-2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)2-methylbut-2-enethioate「(E)-S-((Z)-2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオ2-メチル-2-ブテン酸エステル(1-4)」の合成:
【0074】
【0075】
3.0gの2-メチル-2-ブテン酸を30mLのジクロロメタンに加え、そして0.5gのジメチルホルムアミド及び7.2gの塩化チオニルを加え、60℃に加熱して1時間還流させ、減圧下で蒸留して塩化チオニル及びジクロロメタンを除去して、式1-4bのカルボン酸塩化物を得、そして30mLのジクロロメタンを加えて待機し、8.3gのチアミンリン酸を18.0g水に溶解し、攪拌して溶解させた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を滴加してpHを10~12に調整し、次に30分間攪拌して、再びpHを測定し、pHを調整して10~12と安定的で変わらないと、30分間攪拌し、そして10℃以下に保持して前記カルボン酸塩化物溶液を滴加し、滴加しながら水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを10~12に保持し、滴加完了後10℃で保温して1時間反応させ、蒸留してジクロロメタンを除去し、水相に対し31%塩酸でpHを4~5に調整し、生成物が析出せず、アセトンで2回洗浄し、生成物が析出したら、濾過し、フィルターケーキに対し酢酸エチルで1回、そしてメタノールで2回パルプ化して濾過し、フィルターケーキを45℃でオーブン乾燥して、生成物1-4を得た。
【0076】
前記生成物1-4に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-4で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0077】
MS m/z(ESI):445.1[M+1]
【0078】
1H NMR(DMSO-d6):δ 7.89(s,1H),7.80(s,1H),6.65(d,1H),4.44(d,2H),3.80-3.76(m,2H),2.59(d,2H),2.37(s,3H),2.14(s,3H),1.80-1.78(m,3H),1.72-1.69(m,3H)。
【0079】
(実施例5)
【0080】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)2-methylbutanethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオ2-メチルブタノアート(1-5)」の合成:
【0081】
【0082】
6.6gのチアミンリン酸を10.0gの水に溶解し、攪拌して溶解させた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を滴加してpHを10~12に調整し、次に30分間攪拌して、再びpHを測定し、pHを調整して10~12と安定的で変わらないと、1時間攪拌し、そして10℃以下に保持して2.3gの式1-5bのジクロロメタン溶液を滴加し、滴加完了後1時間反応させ、pHを7に調整して、50mLのジクロロメタンを加えて分液し、水相に対しpHを2.5に調整し、固体が析出したら、濾過し、酢酸エチルで1時間パルプ化し、濾過し、フィルターケーキを45℃でオーブン乾燥して生成物1-5を得た。
【0083】
MS m/z(ESI):447.1[M+1]
【0084】
1H NMR(DMSO-d6)δ 7.96(s,1H),7.77(s,1H),4.47(s,2H),3.81-3.77(m,2H),2.60-2.53(m,2H),2.47-2.46(m,1H),2.41(s,3H),2.14(s,3H),1.54-1.51(m,1H),1.37-1.36(m,1H),1.03-1.00(m,3H),0.84-0.79(m,3H)。
【0085】
(実施例6)
【0086】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)2-methylpropanethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオ2-メチルプロパノアート(1-6)」の合成:
【0087】
【0088】
実施例5の合成経路を用い、ただし原料化合物1-5bは化合物1-6bに変更し、生成物1-6を得た。
【0089】
前記生成物1-6に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-6で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0090】
MS m/z(ESI):433.0[M+1]
【0091】
1H NMR(DMSO-d6)δ 7.95(s,1H),7.76(s,1H),4.46(s,2H),3.80-3.76(m,2H),2.62-2.58(m,3H),2.40(s,3H),2.14(s,3H),1.05-1.02(m,6H)。
【0092】
(実施例7)
【0093】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)octanethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオオクタノアート(1-7)」の合成:
【0094】
【0095】
実施例2の合成経路を用い、ただし原料化合物1-2bは化合物1-7bに変更し、生成物1-7を得た。
【0096】
前記生成物1-7に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-7で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0097】
MS m/z(ESI):489.1[M+1]
【0098】
1H NMR(DMSO-d6)δ 7.97(s,1H),7.81(s,1H),4.47(s,2H),3.81-3.78(m,2H),2.60-2.51(m,2H),2.44-2.41(m,1H),2.40(s,3H),2.20-2.17(m,1H),2.13(s,3H),1.47-1.43(m,2H),1.25-1.22(m,8H),0.87-0.84(m,3H)。
【0099】
(実施例8)
【0100】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)3-phenylpropanethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオ3-フェニルプロパノアート(1-8)」の合成:
【0101】
【0102】
6.6gのチアミンリン酸を8.8gの水に溶解し、攪拌して溶解させた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を滴加してpHを10~12に調整し、次に1時間攪拌して、再びpHを測定し、pHを調整して10~12と安定的で変わらないと、10℃以下に保持して式1-8bのジクロロメタン溶液を滴加し、滴加完了後、保温して1時間反応させ、そして減圧下で蒸留してジクロロメタンを除去し、水相に対しpHを4に調整し、固体が析出したら、濾過し、フィルターケーキに対し酢酸エチルでパルプ化し濾過して、生成物1-8を得た。
【0103】
前記生成物1-8に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-8で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0104】
MS m/z(ESI):495.1[M+1]
【0105】
1H NMR(DMSO-d6)δ 7.92(s,1H),7.81(s,1H),7.29-7.18(m,7H),4.43(s,2H),3.76-3.75(m,2H),2.75(m,4H),2.57(s,2H),2.37(s,3H),2.11(s,3H)。
【0106】
(実施例9)
【0107】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)hex-5-enethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオ5-ヘキセン酸エステル(1-9)」の合成:
【0108】
【0109】
3.3gのチアミンリン酸を4.4gの水に溶解し、攪拌して溶解させた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を滴加してpHを10~12に調整し、次に1時間攪拌して、再びpHを測定し、pHを調整して10~12と安定的で変わらないと、10℃以下に保持して式1-9bのカルボン酸塩化物のテトラヒドロフラン溶液を滴加し、滴加完了後、保温して30分間反応させ、pHを7~8に調整して、ジクロロメタンを加えて抽出そして分液し、水相に対しpHを4に調整し、攪拌して晶析させ、濾過し、水で30分間パルプ化し、濾過して生成物1-9を得た。
【0110】
前記生成物1-9に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-9で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0111】
MS m/z(ESI):459.1[M+1]
【0112】
1H NMR(DMSO-d6)δ 7.90(d,1H),7.80(d,1H),5.79-5.72(m,1H),5.10-5.00(m,2H),4.45(s,2H),3.8-3.76(m,2H),2.60(s,2H),2.45-2.42(m,2H),2.36(s,3H),2.12(s,3H),2.00-1.96(m,2H),1.57-1.53(m,2H)。
【0113】
(実施例10)
【0114】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)2-(2,6-difluorophenyl)ethanethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)-2-(2,6-ジフルオロフェニル)チオエタノアート(1-10)」の合成:
【0115】
【0116】
1.7gの2,6-ジフルオロフェニル酢酸、2.4gの塩化チオニル、0.2gのジメチルホルムアミド及び30mLのジクロロメタンを100mL一ツ口フラスコに加え、50℃で加熱して3時間還流させ、ジクロロメタンを全部蒸発させた後、テトラヒドロフランを加えて溶解して式1-10bのテトラヒドロフラン溶液を得、2.7gのチアミンリン酸を4gの水に溶解し、攪拌して溶解させた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を滴加してpHを10~12に調整し、次に30分間攪拌して、再びpHを測定し、pHを調整して10~12と安定的で変わらないと、1時間攪拌し、そして0℃以下に保持して1.9gの式1-10bのテトラヒドロフラン溶液を滴加して、pHを10~12に調整し、滴加完了後1時間反応させ、水相に対しpHを3~4に調整し、固体が析出したら、濾過してフィルターケーキを得、フィルターケーキに対しメタノールと水でパルプ化し、濾過した後、フィルターケーキを45℃でオーブン乾燥して生成物1-10を得た。
【0117】
前記生成物1-10に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-10で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0118】
MS m/z(ESI):517.0[M+1]
【0119】
1H NMR(DMSO-d6)δ 7.85(s,1H),7.76(s,1H),7.47-7.40(m,1H),7.13(t,2H),4.43(s,2H),3.87(s,2H),3.90-3.76(m,2H),2.60(s,2H),2.34(s,3H),2.11(s,3H)。
【0120】
(実施例11)
【0121】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)2,2-dimethylbut-3-enethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオ-2,2-ジメチル-3-ブテン酸エステル(1-11)」の合成:
【0122】
【0123】
実施例9の合成経路を用い、ただし原料化合物1-9bは化合物1-11bに変更し、生成物1-11を得た。
【0124】
前記生成物1-11に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-11で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0125】
MS m/z(ESI):459.1[M+1]
【0126】
1H NMR(DMSO-d6)δ 7.96(s,1H),7.74(s,1H),5.87-5.81(m,1H),5.20-5.17(m,2H),4.46(s,2H),3.78-3.74(m,2H),2.55-2.54(m,2H),2.40(s,3H),2.14(s,3H),1.17-1.15(m,6H)。
【0127】
(実施例12)
【0128】
(E)-S-((Z)-2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)hex-2-enethioate「(E)-S-((Z)-2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオ2-ヘキセン酸エステル(1-12)」の合成:
【0129】
【0130】
実施例4の合成経路を用い、ただし原料化合物1-4bは化合物1-12bに変更し、生成物1-12を得た。
【0131】
前記生成物1-12に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-12で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0132】
MS m/z(ESI):459.1[M+1]
【0133】
1H NMR(DMSO-d6):δ 7.94(s,1H),7.82(s,1H),6.77-6.71(m,1H),6.06(d,1H),4.45(d,2H),3.81-3.77(m,2H),2.62(d,2H),2.38(s,3H),2.17-2.14(m,5H),1.15-1.14(m,2H),0.90(t,3H)。
【0134】
(実施例13)
【0135】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)2-ethylhexanethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオ2-エチルヘキサノアート(1-13)」の合成:
【0136】
【0137】
1.4gの2-エチルヘキサン酸、5.0gの塩化チオニル、0.1mLのジメチルホルムアミド及び20mLのジクロロメタンを50mL一ツ口フラスコに加え、55℃で加熱して2時間還流させ、ジクロロメタンを全部蒸発させた後、ジクロロメタンを加えて溶解して式1-13bのジクロロメタン溶液を得、3.0gのチアミンリン酸を6.0gの水に溶解し、攪拌して溶解させた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を滴加してpHを10~12に調整し、次に30分間攪拌して、再びpHを測定し、pHを調整して10~12と安定的で変わらないと、1時間攪拌し、そして0℃以下に保持して1.44gの1-13bのジクロロメタン溶液を滴加して、pHを10~12に調整し、滴加完了後30分間反応させ、反応液に対しpHを中性に調整して、酢酸エチルで1回抽出し、水相に対しpHを3~4に調整し、油性の固体が析出したら、ジクロロメタンで抽出し、抽出後ジクロロメタンに無水硫酸ナトリウムを加えて水を除去し、遠心乾燥し、メタノールで固体を溶解し、メチルtert-ブチルエーテルを加えて5時間攪拌した後、固体が析出したら、濾過しフィルターケーキを45℃でオーブン乾燥して生成物1-13を得た。
【0138】
前記生成物1-13に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-13で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0139】
MS m/z(ESI):489.0[M+1]
【0140】
1H NMR(DMSO-d6):δ 7.97(s,1H),7.78(s,1H),4.47(d,2H),3.76-3.75(m,2H),2.59(d,2H),2.37(s,3H),2.26(d,1H),2.13(s,3H),1.46-1.16(m,8H),0.84-0.79(m,6H)。
【0141】
(実施例14)
【0142】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)2-methylpentanethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオ-2-メチルペンタノアート(1-14)」の合成:
【0143】
【0144】
2.3gの2-メチルペンタン酸、4.8gの塩化チオニル、0.2gのジメチルホルムアミド及び60mLのジクロロメタンを100mL一ツ口フラスコに加え、60℃で加熱して3時間還流させ、ジクロロメタンを全部蒸発させた後、テトラヒドロフランを加えて溶解して式1-14bのテトラヒドロフラン溶液を得、5.5gのチアミンリン酸を8.0gの水に溶解し、攪拌して溶解させた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を滴加してpHを10~12に調整し、次に30分間攪拌して、再びpHを測定し、pHを調整して10~12と安定的で変わらないと、1時間攪拌し、そして0℃以下に保持して2.7gの式1-14bのテトラヒドロフラン溶液を滴加して、pHを10~12に調整し、滴加完了後1時間反応させ、水相に対しpHを7に調整して、酢酸エチルで2回抽出し、そして水相に対しpHを3~4に調整して、ジクロロメタンで2回抽出し、無水硫酸マグネシウムで有機相を乾燥して遠心乾燥し、さらにメタノールと酢酸エチルで再結晶させ、濾過し、フィルターケーキを45℃でオーブン乾燥して生成物1-14を得た。
【0145】
前記生成物1-14に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-14で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0146】
MS m/z(ESI):461.0[M+1]
【0147】
1H NMR(DMSO-d6)δ 7.97(s,1H),7.76(s,1H),4.47(s,2H),3.77(d,2H),2.54(s,2H),2.52(s,1H),2.41(s,3H),2.14(s,3H),1.52-1.45(m,1H),1.28-1.21(m,3H),1.00(d,3H),0.84(t,3H)。
【0148】
(実施例15)
【0149】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)2-methylhexanethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオ-2-メチルヘキサノアート(1-15)」の合成:
【0150】
【0151】
実施例14の合成経路を用い、ただし原料化合物1-14bは化合物1-15bに変更し、生成物1-15を得た。
【0152】
前記生成物1-15に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-15で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0153】
MS m/z(ESI):475.0[M+1]
【0154】
1H NMR(DMSO-d6)δ 7.95(s,1H),7.76(s,1H),4.46(s,2H),3.80-3.76(m,2H),2.60(s,2H),2.41(s,3H),2.13(s,3H),1.51-1.49(m,1H),1.26-1.16(m,6H),1.00(s,3H),0.86(s,3H)。
【0155】
(実施例16)
【0156】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)2,2-dimethylbutanethioate、「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオ2,2-ジメチルブタノアート(1-16)」の合成:
【0157】
【0158】
実施例4の合成経路を用い、ただし原料化合物1-4bは化合物1-16bに変更し、生成物1-16を得た。
【0159】
前記生成物1-16に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-16で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0160】
MS m/z(ESI):461.0[M+1]
【0161】
1H NMR(DMSO-d6):δ 7.87(s,1H),7.72(s,1H),4.45(d,2H),3.78-3.74(m,2H),2.64(d,2H),2.38(s,3H),2.13(s,3H),1.48-1.44(m,2H),1.04(s,6H),0.76(t,3H)。
【0162】
(実施例17)
【0163】
(Z)-S-(2-(N-((4-amino-2-methylpyrimidin-5-yl)methyl)formamido)-5-(phosphonooxy)pent-2-en-3-yl)2,2-dimethylhexanethioate「(Z)-S-(2-(N-((4-アミノ-2-メチルピリミジン-5-イル)メチル)ホルムアミド)-5-(ホスホノオキシ)ペント-2-エン-3-イル)チオ2,2-ジメチルヘキサノアート(1-17)」の合成:
【0164】
【0165】
1.0gの2,2-ジメチルヘキサン酸を30mLのジクロロメタンに加え、そして0.3gのジメチルホルムアミド及び1.7gの塩化チオニルを加え、50℃に加熱して2時間還流させ、減圧下で蒸留して塩化チオニル及びジクロロメタンを除去して式1-17bのカルボン酸塩化物を得、そして10mLのテトラヒドロフランを加えて待機し、2.2gのチアミンリン酸を4.4gの水に溶解し、攪拌して溶解させた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を滴加してpHを10~12に調整し、次に30分間攪拌して、再びpHを測定し、pHを調整して10~12と安定的で変わらないと、30分間攪拌し、10℃以下に保持して前記溶液を滴加し、滴加しながら水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを10~12に保持し、滴加完了後5~10℃で保温して30分間反応させ、31%塩酸でpHを4~5に調整して、ジクロロメタンで2回抽出し、無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥し、減圧下で濃縮乾固した後、残留物にn-ヘプタンを加えてパルプ化し、生成物が析出したら、濾過し、フィルターケーキに対しn-ヘプタンで1回洗浄し、50℃で8時間真空乾燥して、生成物1-17を得た。
【0166】
前記生成物1-17に対しプロトン核磁気共鳴(1H NMR)及び質量分析(MS)測定を行い、結果を次に示し、前記生成物1-17で試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0167】
MS m/z(ESI):489.0[M+1]
【0168】
1H NMR(DMSO-d6):δ 8.04(s,1H),7.78(s,1H),4.48(d,2H),3.84-3.80(m,2H),2.57(d,2H),2.44(s,3H),2.15(s,3H),1.42-1.41(m,2H),1.24-1.16(m,4H),1.04(s,6H),0.87-0.83(m,3H)。
【0169】
(比較例1)
【0170】
試料保存溶液を加えず、培地をブランク対照として、生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0171】
(比較例2)
【0172】
ベンフォチアミンで試料保存溶液を調製して生物学的試験を行い、結果を表1に示す。
【0173】
【0174】
上記の実験結果を比較例1のブランクと比べると、前記化合物のいずれもAβ42及び/又はAβ40に阻害効果がある。比較例2のベンフォチアミンと比べると、実施例11のAβ40含有量は比較例2の含有量と大差はないものの、Aβ42含有量が低下していることから、Aβ42に対する阻害効果がより優れることが示される。比較例2のベンフォチアミンと比べると、実施例5、6そして実施例12、とりわけ実施例12でAβ40及びAβ42がいずれも明らかに低下していることから、Aβ40及びAβ42に対するその阻害効果が大幅に向上していることが示される。
【0175】
上記で本発明を開示しているが、本発明はこれに限定されない。当業者であれば、本発明の趣旨と範囲を逸脱せず様々な変更や補正を行うことができ、本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって限定された範囲に準拠する。