(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】リモート相談窓口システムおよび顧客端末プログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/523 20060101AFI20230706BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230706BHJP
【FI】
H04M3/523
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022160674
(22)【出願日】2022-10-05
【審査請求日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2021165110
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521351708
【氏名又は名称】ジャパンロッソ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100145126
【氏名又は名称】金丸 清隆
(72)【発明者】
【氏名】大居 由人
(72)【発明者】
【氏名】坂口 広樹
【審査官】西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-013947(JP,A)
【文献】特開2021-005852(JP,A)
【文献】特開2002-108794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Z99/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して相互にアクセス可能な顧客端末、複数のオペレータ端末、および管理サーバを備え、
前記管理サーバは、
複数の前記オペレータ端末のそれぞれを複数の相談ルームのいずれかに割り当てる相談ルーム管理部と、
相談開始ボタンを含む相談受付ページを前記顧客端末に配信するウェブページ配信部と、
前記相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態を前記顧客端末に配信する情報配信部と、
前記顧客端末において前記相談開始ボタンが押下された場合に、該顧客端末を複数の前記相談ルームのいずれかに割り当てる着信制御部と、を備え、
前記顧客端末は、
待機中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記相談開始ボタンを受付状態とし、
待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記相談開始ボタンを混雑状態とし、
待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が0の場合に、前記相談開始ボタンを受付不可状態と
し、
前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記着信制御部に送信し、
前記顧客端末および前記オペレータ端末は、同一の前記相談ルームに割り当てられた端末間で通話接続する機能を有する
ことを特徴とす
るリモート相談窓口システム。
【請求項2】
前記情報配信部は、前記相談ルームへの割り当てを待機している前記顧客端末の数である待機人数を前記顧客端末に配信し、
前記顧客端末は、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記待機人数を前記相談受付ページに表示する
ことを特徴とする請求項
1記載のリモート相談窓口システム。
【請求項3】
前記情報配信部は、前記相談ルームへの割り当てを待機している前記顧客端末の数である待機人数、および過去の通話接続時間から求めた平均通話時間を前記顧客端末に配信し、
前記顧客端末は、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記待機人数および前記平均通話時間から求めた予想待機時間を前記相談受付ページに表示する
ことを特徴とする請求項
1記載のリモート相談窓口システム。
【請求項4】
前記顧客端末は、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記着信制御部に待機順の繰り上げを要求する割込ボタンを前記相談受付ページに表示する
ことを特徴とする請求項
1記載のリモート相談窓口システム。
【請求項5】
ネットワークを介して相互にアクセス可能な顧客端末、複数のオペレータ端末、および管理サーバを備え、
前記管理サーバは、
複数の前記オペレータ端末のそれぞれを複数の相談ルームのいずれかに割り当てる相談ルーム管理部と、
相談開始ボタンを含む相談受付ページを前記顧客端末に配信するウェブページ配信部と、
前記相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態と、前記相談ルームごとに設定されたオペレータ属性
とを前記顧客端末に配信する情報配信部と、
前記顧客端末において前記相談開始ボタンが押下された場合に、該顧客端末を複数の前記相談ルームのいずれかに割り当てる着信制御部と、を備え、
前記顧客端末は、
該顧客端末が保持する顧客属性に対応する前記オペレータ属性が設定された前記相談ルームの前記オペレータ状態に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替え
、
前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記着信制御部に送信し、
前記顧客端末および前記オペレータ端末は、同一の前記相談ルームに割り当てられた端末間で通話接続する機能を有し、
前記オペレータ属性はオペレータ位置であり、
前記顧客属性は測位システムで測位した前記顧客端末の位置である
ことを特徴とす
るリモート相談窓口システム。
【請求項6】
ネットワークを介して相互にアクセス可能な顧客端末、複数のオペレータ端末、および管理サーバを備え、
前記管理サーバは、
複数の前記オペレータ端末のそれぞれを複数の相談ルームのいずれかに割り当てる相談ルーム管理部と、
相談開始ボタンを含む相談受付ページを前記顧客端末に配信するウェブページ配信部と、
前記相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態と、前記相談ルームごとに設定されたオペレータ属性
とを前記顧客端末に配信する情報配信部と、
前記顧客端末において前記相談開始ボタンが押下された場合に、該顧客端末を複数の前記相談ルームのいずれかに割り当てる着信制御部と、を備え、
前記顧客端末は、
該顧客端末が保持する顧客属性に対応する前記オペレータ属性が設定された前記相談ルームの前記オペレータ状態に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替え
、
前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記着信制御部に送信し、
前記顧客端末および前記オペレータ端末は、同一の前記相談ルームに割り当てられた端末間で通話接続する機能を有し、
前記オペレータ属性はオペレータ対応言語であり、
前記顧客属性は前記顧客端末のウェブブラウザに設定された優先言語である
ことを特徴とす
るリモート相談窓口システム。
【請求項7】
ネットワークを介して相互にアクセス可能な顧客端末、複数のオペレータ端末、および管理サーバを備え、
前記管理サーバは、
複数の前記オペレータ端末のそれぞれを複数の相談ルームのいずれかに割り当てる相談ルーム管理部と、
相談開始ボタンを含む相談受付ページを前記顧客端末に配信するウェブページ配信部と、
前記相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態と、リモート相談の受付時間
とを前記顧客端末に配信する情報配信部と、
前記顧客端末において前記相談開始ボタンが押下された場合に、該顧客端末を複数の前記相談ルームのいずれかに割り当てる着信制御部と、を備え、
前記顧客端末は、
前記受付時間に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替え
、
前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記着信制御部に送信し、
前記顧客端末および前記オペレータ端末は、同一の前記相談ルームに割り当てられた端末間で通話接続する機能を有する
ことを特徴とす
るリモート相談窓口システム。
【請求項8】
前記情報配信部は、前記相談ルームごとに設定されたオペレータタイムゾーンを前記顧客端末に配信し、
前記顧客端末は、該顧客端末が保持する顧客タイムゾーン、前記オペレータタイムゾーン、および前記受付時間に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替える
ことを特徴とする請求項
7記載のリモート相談窓口システム。
【請求項9】
前記相談受付ページは、複数の組織の前記相談開始ボタンを含み、
前記情報配信部は、複数の前記組織のそれぞれの評価値を前記顧客端末に配信
し、
前記顧客端末は、前記評価値に基づき定めた順序で、前記相談開始ボタンを前記相談受付ページに表示する
ことを特徴とする請求項1
~8のいずれかに記載のリモート相談窓口システム。
【請求項10】
前記相談受付ページは、複数の組織の前記相談開始ボタンを含み、
前記情報配信部は、複数の前記組織のそれぞれの相談料を前記顧客端末に配信
し、
前記顧客端末は、前記相談受付ページに前記組織ごとに前記相談料を表示する
ことを特徴とする請求項1
~8のいずれかに記載のリモート相談窓口システム。
【請求項11】
前記相談受付ページは、前記顧客端末のカメラをオフにして通話接続するカメラオフボタンを含む
ことを特徴とする請求項1
~8のいずれかに記載のリモート相談窓口システム。
【請求項12】
顧客端末とオペレータ端末との間で通話接続するシステムにおいて、管理サーバから相談開始ボタンを含む相談受付ページとともに配信されて前記顧客端末で実行されるプログラムであって、
前記管理サーバから、相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態を取得する処理と、
待機中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記相談開始ボタンを受付状態とし、
待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記相談開始ボタンを混雑状態とし、
待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が0の場合に、前記相談開始ボタンを受付不可状態とする処理
と、
前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記管理サーバに送信する処理と、を前記顧客端末に実行させる
ことを特徴とす
る顧客端末プログラム。
【請求項13】
前記管理サーバから、前記相談ルームへの割り当てを待機している前記顧客端末の数である待機人数を取得する処理と、
待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記待機人数を前記相談受付ページに表示する処理と、を前記顧客端末に実行させる
ことを特徴とする請求項
12記載の顧客端末プログラム。
【請求項14】
前記管理サーバから、前記相談ルームへの割り当てを待機している前記顧客端末の数である待機人数、および過去の通話接続時間から求めた平均通話時間を取得する処理と、
待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記待機人数および前記平均通話時間から求めた予想待機時間を前記相談受付ページに表示する処理と、を前記顧客端末に実行させる
ことを特徴とする請求項
12記載の顧客端末プログラム。
【請求項15】
待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記管理サーバに待機順の繰り上げを要求する割込ボタンを前記相談受付ページに表示する処理を前記顧客端末に実行させる
ことを特徴とする請求項
12記載の顧客端末プログラム。
【請求項16】
顧客端末とオペレータ端末との間で通話接続するシステムにおいて、管理サーバから相談開始ボタンを含む相談受付ページとともに配信されて前記顧客端末で実行されるプログラムであって、
前記管理サーバから、相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態を取得する処理と、
前記管理サーバから、前記相談ルームごとに設定されたオペレータ属性を取得する処理と、
前記顧客端末が保持する顧客属性に対応する前記オペレータ属性が設定された前記相談ルームの前記オペレータ状態に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替える処理と、
前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記管理サーバに送信する処理と、を前記顧客端末に実行させ、
前記オペレータ属性はオペレータ位置であり、
前記顧客属性は測位システムで測位した前記顧客端末の位置である
ことを特徴とす
る顧客端末プログラム。
【請求項17】
顧客端末とオペレータ端末との間で通話接続するシステムにおいて、管理サーバから相談開始ボタンを含む相談受付ページとともに配信されて前記顧客端末で実行されるプログラムであって、
前記管理サーバから、相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態を取得する処理と、
前記管理サーバから、前記相談ルームごとに設定されたオペレータ属性を取得する処理と、
前記顧客端末が保持する顧客属性に対応する前記オペレータ属性が設定された前記相談ルームの前記オペレータ状態に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替える処理と、
前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記管理サーバに送信する処理と、を前記顧客端末に実行させ、
前記オペレータ属性はオペレータ対応言語であり、
前記顧客属性は前記顧客端末のウェブブラウザに設定された優先言語である
ことを特徴とす
る顧客端末プログラム。
【請求項18】
顧客端末とオペレータ端末との間で通話接続するシステムにおいて、管理サーバから相談開始ボタンを含む相談受付ページとともに配信されて前記顧客端末で実行されるプログラムであって、
前記管理サーバから、相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態を取得する処理と、
前記管理サーバから、リモート相談の受付時間を取得する処理と、
前記受付時間に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替える処理と、
前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記管理サーバに送信する処理と、を前記顧客端末に実行させる
ことを特徴とす
る顧客端末プログラム。
【請求項19】
前記管理サーバから、前記相談ルームごとに設定されたオペレータタイムゾーンを取得する処理と、
前記顧客端末が保持する顧客タイムゾーン、前記オペレータタイムゾーン、および前記受付時間に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替える処理と、を前記顧客端末に実行させる
ことを特徴とする請求項
18記載の顧客端末プログラム。
【請求項20】
前記相談受付ページは、複数の組織の前記相談開始ボタンを含み、
前記管理サーバから、複数の前記組織のそれぞれの評価値を取得する処理と、
前記評価値に基づき定めた順序で、前記相談開始ボタンを前記相談受付ページに表示する処理と、を前記顧客端末に実行させる
ことを特徴とする請求項
12~19のいずれかに記載の顧客端末プログラム。
【請求項21】
前記相談受付ページは、複数の組織の前記相談開始ボタンを含み、
前記管理サーバから、複数の前記組織のそれぞれの相談料を取得する処理と、
前記相談受付ページに前記組織ごとに前記相談料を表示する処理と、を前記顧客端末に実行させる
ことを特徴とする請求項
12~19のいずれかに記載の顧客端末プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモート相談窓口システムおよび顧客端末プログラムに関する。さらに詳しくは、本発明は、ウェブサイトに設置したボタンからリモート相談を開始できるリモート相談窓口システム、ならびにリモート相談窓口システムを実現する顧客端末プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介して顧客がパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの端末から商品やサービスの相談を行えるようにしたリモート相談システムは知られている。
【0003】
従来のリモート相談は以下の4ステップからなっている。
(1)顧客が専用フォームから希望の日時で予約を行う仮予約ステップ。
(2)予約が確定次第、顧客にURLを共有する予約確定ステップ。
(3)顧客の端末に利用するウェブ会議ツールをインストールする事前準備ステップ。
(4)相談当日に顧客がURLをクリックしてリモート相談を開始する相談ステップ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のリモート相談では、顧客が事前に相談の予約を行い、予約が確定したときには相談を行うためのURLを共有する必要があり、さらに利用するウェブ会議ツールを端末にインストールしておく必要もあり、相談当日には事前に共有されたURLをクリックして相談を開始するという煩雑な工程を要するという課題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、ウェブサイトに設置したボタンからリモート相談を開始できるリモート相談窓口システム、ならびにリモート相談窓口システムを実現する顧客端末プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(リモート相談窓口システム)
第1態様のリモート相談窓口システムは、ネットワークを介して相互にアクセス可能な顧客端末、複数のオペレータ端末、および管理サーバを備え、前記管理サーバは、複数の前記オペレータ端末のそれぞれを複数の相談ルームのいずれかに割り当てる相談ルーム管理部と、相談開始ボタンを含む相談受付ページを前記顧客端末に配信するウェブページ配信部と、前記相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態を前記顧客端末に配信する情報配信部と、前記顧客端末において前記相談開始ボタンが押下された場合に、該顧客端末を複数の前記相談ルームのいずれかに割り当てる着信制御部と、を備え、前記顧客端末は、待機中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記相談開始ボタンを受付状態とし、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記相談開始ボタンを混雑状態とし、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が0の場合に、前記相談開始ボタンを受付不可状態とし、前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記着信制御部に送信し、前記顧客端末および前記オペレータ端末は、同一の前記相談ルームに割り当てられた端末間で通話接続する機能を有することを特徴とする。
第2態様のリモート相談窓口システムは、第1態様において、前記情報配信部は、前記相談ルームへの割り当てを待機している前記顧客端末の数である待機人数を前記顧客端末に配信し、前記顧客端末は、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記待機人数を前記相談受付ページに表示することを特徴とする。
第3態様のリモート相談窓口システムは、第1または第2態様において、前記情報配信部は、前記相談ルームへの割り当てを待機している前記顧客端末の数である待機人数、および過去の通話接続時間から求めた平均通話時間を前記顧客端末に配信し、前記顧客端末は、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記待機人数および前記平均通話時間から求めた予想待機時間を前記相談受付ページに表示することを特徴とする。
第4態様のリモート相談窓口システムは、第1~第3態様のいずれかにおいて、前記顧客端末は、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記着信制御部に待機順の繰り上げを要求する割込ボタンを前記相談受付ページに表示することを特徴とする。
第5態様のリモート相談窓口システムは、ネットワークを介して相互にアクセス可能な顧客端末、複数のオペレータ端末、および管理サーバを備え、前記管理サーバは、複数の前記オペレータ端末のそれぞれを複数の相談ルームのいずれかに割り当てる相談ルーム管理部と、相談開始ボタンを含む相談受付ページを前記顧客端末に配信するウェブページ配信部と、前記相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態と、前記相談ルームごとに設定されたオペレータ属性とを前記顧客端末に配信する情報配信部と、前記顧客端末において前記相談開始ボタンが押下された場合に、該顧客端末を複数の前記相談ルームのいずれかに割り当てる着信制御部と、を備え、前記顧客端末は、該顧客端末が保持する顧客属性に対応する前記オペレータ属性が設定された前記相談ルームの前記オペレータ状態に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替え、前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記着信制御部に送信し、前記顧客端末および前記オペレータ端末は、同一の前記相談ルームに割り当てられた端末間で通話接続する機能を有し、前記オペレータ属性はオペレータ位置であり、前記顧客属性は測位システムで測位した前記顧客端末の位置であることを特徴とする。
第6態様のリモート相談窓口システムは、ネットワークを介して相互にアクセス可能な顧客端末、複数のオペレータ端末、および管理サーバを備え、前記管理サーバは、複数の前記オペレータ端末のそれぞれを複数の相談ルームのいずれかに割り当てる相談ルーム管理部と、相談開始ボタンを含む相談受付ページを前記顧客端末に配信するウェブページ配信部と、前記相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態と、前記相談ルームごとに設定されたオペレータ属性とを前記顧客端末に配信する情報配信部と、前記顧客端末において前記相談開始ボタンが押下された場合に、該顧客端末を複数の前記相談ルームのいずれかに割り当てる着信制御部と、を備え、前記顧客端末は、該顧客端末が保持する顧客属性に対応する前記オペレータ属性が設定された前記相談ルームの前記オペレータ状態に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替え、前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記着信制御部に送信し、前記顧客端末および前記オペレータ端末は、同一の前記相談ルームに割り当てられた端末間で通話接続する機能を有し、前記オペレータ属性はオペレータ対応言語であり、前記顧客属性は前記顧客端末のウェブブラウザに設定された優先言語であることを特徴とする。
第7態様のリモート相談窓口システムは、ネットワークを介して相互にアクセス可能な顧客端末、複数のオペレータ端末、および管理サーバを備え、前記管理サーバは、複数の前記オペレータ端末のそれぞれを複数の相談ルームのいずれかに割り当てる相談ルーム管理部と、相談開始ボタンを含む相談受付ページを前記顧客端末に配信するウェブページ配信部と、前記相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態と、リモート相談の受付時間とを前記顧客端末に配信する情報配信部と、前記顧客端末において前記相談開始ボタンが押下された場合に、該顧客端末を複数の前記相談ルームのいずれかに割り当てる着信制御部と、を備え、前記顧客端末は、前記受付時間に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替え、前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記着信制御部に送信し、前記顧客端末および前記オペレータ端末は、同一の前記相談ルームに割り当てられた端末間で通話接続する機能を有することを特徴とする。
第8態様のリモート相談窓口システムは、第7態様において、前記情報配信部は、前記相談ルームごとに設定されたオペレータタイムゾーンを前記顧客端末に配信し、前記顧客端末は、該顧客端末が保持する顧客タイムゾーン、前記オペレータタイムゾーン、および前記受付時間に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替えることを特徴とする。
第9態様のリモート相談窓口システムは、第1~第8態様のいずれかにおいて、前記相談受付ページは、複数の組織の前記相談開始ボタンを含み、前記情報配信部は、複数の前記組織のそれぞれの評価値を前記顧客端末に配信し、前記顧客端末は、前記評価値に基づき定めた順序で、前記相談開始ボタンを前記相談受付ページに表示することを特徴とする。
第10態様のリモート相談窓口システムは、第1~第8態様のいずれかにおいて、前記相談受付ページは、複数の組織の前記相談開始ボタンを含み、前記情報配信部は、複数の前記組織のそれぞれの相談料を前記顧客端末に配信し、前記顧客端末は、前記相談受付ページに前記組織ごとに前記相談料を表示することを特徴とする。
第11態様のリモート相談窓口システムは、第1~第10態様のいずれかにおいて、前記相談受付ページは、前記顧客端末のカメラをオフにして通話接続するカメラオフボタンを含むことを特徴とする。
(顧客端末プログラム)
第12態様の顧客端末プログラムは、顧客端末とオペレータ端末との間で通話接続するシステムにおいて、管理サーバから相談開始ボタンを含む相談受付ページとともに配信されて前記顧客端末で実行されるプログラムであって、前記管理サーバから、相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態を取得する処理と、待機中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記相談開始ボタンを受付状態とし、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記相談開始ボタンを混雑状態とし、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が0の場合に、前記相談開始ボタンを受付不可状態とする処理と、前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記管理サーバに送信する処理と、を前記顧客端末に実行させることを特徴とする。
第13態様の顧客端末プログラムは、第12態様において、前記管理サーバから、前記相談ルームへの割り当てを待機している前記顧客端末の数である待機人数を取得する処理と、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記待機人数を前記相談受付ページに表示する処理と、を前記顧客端末に実行させることを特徴とする。
第14態様の顧客端末プログラムは、第12または第13態様において、前記管理サーバから、前記相談ルームへの割り当てを待機している前記顧客端末の数である待機人数、および過去の通話接続時間から求めた平均通話時間を取得する処理と、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記待機人数および前記平均通話時間から求めた予想待機時間を前記相談受付ページに表示する処理と、を前記顧客端末に実行させることを特徴とする。
第15態様の顧客端末プログラムは、第12~第14態様のいずれかにおいて、待機中の前記相談ルームの数が0であり、通話中の前記相談ルームの数が1つ以上の場合に、前記管理サーバに待機順の繰り上げを要求する割込ボタンを前記相談受付ページに表示する処理を前記顧客端末に実行させることを特徴とする。
第16態様の顧客端末プログラムは、顧客端末とオペレータ端末との間で通話接続するシステムにおいて、管理サーバから相談開始ボタンを含む相談受付ページとともに配信されて前記顧客端末で実行されるプログラムであって、前記管理サーバから、相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態を取得する処理と、前記管理サーバから、前記相談ルームごとに設定されたオペレータ属性を取得する処理と、前記顧客端末が保持する顧客属性に対応する前記オペレータ属性が設定された前記相談ルームの前記オペレータ状態に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替える処理と、前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記管理サーバに送信する処理と、を前記顧客端末に実行させ、前記オペレータ属性はオペレータ位置であり、前記顧客属性は測位システムで測位した前記顧客端末の位置であることを特徴とする。
第17態様の顧客端末プログラムは、顧客端末とオペレータ端末との間で通話接続するシステムにおいて、管理サーバから相談開始ボタンを含む相談受付ページとともに配信されて前記顧客端末で実行されるプログラムであって、前記管理サーバから、相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態を取得する処理と、前記管理サーバから、前記相談ルームごとに設定されたオペレータ属性を取得する処理と、前記顧客端末が保持する顧客属性に対応する前記オペレータ属性が設定された前記相談ルームの前記オペレータ状態に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替える処理と、前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記管理サーバに送信する処理と、を前記顧客端末に実行させ、前記オペレータ属性はオペレータ対応言語であり、前記顧客属性は前記顧客端末のウェブブラウザに設定された優先言語であることを特徴とする。
第18態様の顧客端末プログラムは、顧客端末とオペレータ端末との間で通話接続するシステムにおいて、管理サーバから相談開始ボタンを含む相談受付ページとともに配信されて前記顧客端末で実行されるプログラムであって、前記管理サーバから、相談ルームに割り当てられた前記オペレータ端末が待機中か否かを示すオペレータ状態を取得する処理と、前記管理サーバから、リモート相談の受付時間を取得する処理と、前記受付時間に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替える処理と、前記オペレータ状態に基づき、待機中の前記相談ルームへの通話要求を、前記管理サーバに送信する処理と、を前記顧客端末に実行させることを特徴とする。
第19態様の顧客端末プログラムは、第18態様において、前記管理サーバから、前記相談ルームごとに設定されたオペレータタイムゾーンを取得する処理と、前記顧客端末が保持する顧客タイムゾーン、前記オペレータタイムゾーン、および前記受付時間に基づき、前記相談開始ボタンの表示態様を切り替える処理と、を前記顧客端末に実行させることを特徴とする。
第20態様の顧客端末プログラムは、第12~第19態様のいずれかにおいて、前記相談受付ページは、複数の組織の前記相談開始ボタンを含み、前記管理サーバから、複数の前記組織のそれぞれの評価値を取得する処理と、前記評価値に基づき定めた順序で、前記相談開始ボタンを前記相談受付ページに表示する処理と、を前記顧客端末に実行させることを特徴とする。
第21態様の顧客端末プログラムは、第12~第19態様のいずれかにおいて、前記相談受付ページは、複数の組織の前記相談開始ボタンを含み、前記管理サーバから、複数の前記組織のそれぞれの相談料を取得する処理と、前記相談受付ページに前記組織ごとに前記相談料を表示する処理と、を前記顧客端末に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
第1または第12態様によれば、相談開始ボタンを受付状態とすることで、顧客がすぐにリモート相談を開始できることを認識できる。相談開始ボタンを混雑状態とすることで、顧客がリモート相談開始までに待ち時間を要することを認識できる。相談開始ボタンを受付不可状態とすることで、顧客を無駄に待たせることを防止できる。
第2または第13態様によれば、相談受付ページに待機人数が表示されるので、顧客が待ち時間を予測でき、通話待機中の顧客のストレスを軽減できる。
第3または第14態様によれば、相談受付ページに予想待機時間が表示されるので、顧客がリモート相談開始のタイミングを認識でき、通話待機中の顧客のストレスを軽減できる。
第4または第15態様によれば、割込ボタンを押下した顧客の待機順を繰り上げるので、その顧客のリモート相談を早期に開始できる。
第5、第6、第16または第17態様によれば、顧客の属性に適したオペレータが相談対応するので、顧客に対して適切な情報を提供できる。
第7または第18態様によれば、受付時間の内外で相談開始ボタンの表示態様が切り替わるので、受付時間外に顧客を無駄に待たせることを防止できる。
第8または第19態様によれば、オペレータが複数のタイムゾーンにわたって分散配置されていても、また、顧客が地球規模で種々の位置からアクセスしても、受付時間の内外を正しく判断できる。
第9または第20態様によれば、複数の組織が表示されるポータルサイトにおいて、組織の評価値に基づいた順序で相談開始ボタンが表示されるので、顧客が優良な組織を選択しやすい。
第10または第21態様によれば、複数の組織が表示されるポータルサイトにおいて、組織ごとに相談料が表示されるので、顧客が相談料を基準に組織を選択できる。
第11態様によれば、カメラオフボタンを押下した場合には、顧客端末のカメラがオフの状態でリモート相談が開始されるので、自身の姿をオペレータに見られたくない顧客でも安心してリモート相談を受けられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係るリモート相談窓口システムの構成図である。
【
図2】相談受付ページの一例の画面イメージである。
【
図4】リモート相談窓口システムのセキュリティの一例を示す図である。
【
図5】従来のリモート相談システムのセキュリティを示す図である。
【
図6】リモート相談窓口システムの相談受付の一例を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係るリモート相談システムの全体構成図である。
【
図8】第1実施形態に係るリモート相談システムの機能ブロック図である。
【
図9】管理サーバに記憶されるデータの実体関連図である。
【
図10】オペレータを相談ルームに割り当てる処理を示すシーケンス図である。
【
図11】オペレータが離席および復帰する処理を示すシーケンス図である。
【
図12】オペレータがログアウトする処理を示すシーケンス図である。
【
図13】顧客が相談受付ページを閲覧する処理を示すシーケンス図である。
【
図14】相談開始ボタンの表示態様を切り替える処理を示すシーケンス図である。
【
図15】空き有りの場合の着信制御処理を示すシーケンス図である。
【
図16】空き無しの場合の着信制御処理を示すシーケンス図である。
【
図17】顧客端末とオペレータ端末との間で通話接続する処理を示すシーケンス図である。
【
図19】ルーム選択画面の一例の画面イメージである。
【
図20】オペレータ待機画面の一例の画面イメージである。
【
図22】第3実施形態における相談受付ページの一例の画面イメージである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔概要〕
つぎに、一実施形態に係るリモート相談窓口システムの概要を説明する。
リモート相談窓口システム10は、インターネットを介して顧客端末30とオペレータ端末20とを接続して商品やサービスの相談を行うシステムである。リモート相談窓口システム10は、オペレータ端末20を相談ルームに割り当てるオペレータ接続手段と、顧客端末30からウェブサイトまたはSNSに設置されたリンクボタンから相談受付窓口に接続する顧客接続手段と、顧客接続手段で相談受付窓口に接続された顧客端末30を接続中のオペレータ端末20の中から一のオペレータ端末20に振り分ける自動コール振り分け手段と、を有する。
【0010】
リモート相談窓口システム10は、様々な企業がデジタル技術を用いたビジネススタイルの変化を求められるなか、予約不要な本システムが、DX(Digital Transformation)時代への新たな扉を開くことができる。
【0011】
従来のリモート相談は以下の4ステップからなっている。
(1)顧客が専用フォームから希望の日時で予約を行う仮予約ステップ。
(2)予約が確定次第、顧客にURLを共有する予約確定ステップ。
(3)顧客の端末に利用するウェブ会議ツールをインストールする事前準備ステップ。
(4)相談当日に顧客がURLをクリックしてリモート相談を開始する相談ステップ。
【0012】
本願発明者らは、お客様の「いま聞きたい」を解決するために、リモート相談の受付を1ステップで行うことが可能な受付窓口を開発した。商談までがスムーズな企業が選ばれる時代に、お客様に選ばれるのは「品質」よりも「タイミング」である。本システムは従来の受付システムを進化させた新しいツールで、もうお客様を待たせることがなくなる。
【0013】
図1は、リモート相談窓口システムの一実施形態を示す構成図である。
【0014】
図1において、20はオペレータ端末であり、30は顧客端末である。オペレータ端末20はインターネットに接続可能な端末であり、マイクロフォンなどの音声入力手段と、カメラなどの撮像手段と、ヘッドホンまたはスピーカなどの音声出力手段と、液晶ディスプレイなどの映像出力手段と、を有する。オペレータ端末20は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などを用いることができる。
【0015】
顧客端末30は、インターネットに接続可能な端末であり、マイクロフォンなどの音声入力手段と、カメラなどの撮像手段と、ヘッドホンまたはスピーカなどの音声出力手段と、液晶ディスプレイなどの映像出力手段と、を有する。顧客端末30は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などを用いることができる。
【0016】
図2に示すように、リモート相談窓口システム10は、リモート相談窓口を設置した会社のホームページなどのウェブサイトまたはSNS(相談受付ページ50)に、相談受付窓口にアクセスするためのリンクボタン(相談開始ボタン51)を設置する。顧客は、顧客端末30に表示された相談受付ページ50から「オンライン相談受付」と表示された相談開始ボタン51をクリックするだけで、相談受付窓口にアクセスすることができる。
【0017】
リモート相談窓口システム10は、オペレータがオペレータ端末20から相談窓口にアクセスすることができ、どのパーソナルコンピュータや端末でもリモート受付が可能になっている。本システムは、オペレータが専用の端末を使用する必要がなく、スペースフリーで、全国の支店やテレワーク中のスタッフでも相談対応が可能である。
【0018】
図1の例において、リモート相談窓口システム10は、AルームからFルームまで6つの相談ルームを備えており、顧客端末30からの相談を受け付けると所定の順序で各相談ルームにコールを行う自動コール振り分けシステム11を備えている。自動コール振り分けシステム11により、全国の支店やテレワーク中のスタッフでも相談の受付が可能となる。全国どこでも空いているオペレータ端末20に自動で振り分けするので、お客様を待たせることがない。また、空いているオペレータ端末20に自動で振り分けが行われるため、店舗間でのスタッフの助け合いが可能になり、大切なお客様を待たせず対応することができる。
【0019】
リモート相談窓口システム10は、オペレータ端末20に振り分けを音で知らせてくれるコール機能を搭載しているから、オペレータが待機中に他の仕事をしていても気付くことができる。オペレータは、待機中に他の仕事をしていても、もう一台のウィンドウを立ち上げておけば、コール音で知らせてくれるので突然の問い合わせにもしっかり対応することができる。オペレータのスタッフを副業として確保できるので、人件費を削減できるのみならず、スタッフも効率よく働くことができる。
【0020】
図3は、リモート相談窓口システム10の通話画面90の一例を示す図である。この通話画面90は、リモート相談窓口を設置した会社のサービスに合わせてカスタマイズが可能である。また、通話画面90に表示するロゴ、ルーム背景、サブドメイン、受付画面の変更も可能である。リモート相談窓口システム10は、通話画面90を他社と差別化できるから顧客満足度がアップし、成約率もアップさせることができる。サービスのイメージに合わせた背景選択などが自由自在であり、自社オリジナルのオンライン会議システムとして利用可能となる。
【0021】
図4に示すように、リモート相談窓口システム10は、エンドツーエンド暗号化でセキュリティが万全となり、オペレータ端末20と顧客端末30との間の全ての通信の機密性が確保されている。ルーム参加者同士が直接つながるため、商談において最も安全性の高い通信方法となる。一方、
図5に示すように、一般的なウェブ会議ツールは、サーバまたは仲介者も暗号化したデータを複合する鍵を持っている。リモート相談窓口システム10では、暗号化したデータを複合する鍵を持っているのはユーザーであるオペレータと顧客のみである。
【0022】
以上の構成により、リモート相談窓口システム10は、即対応可能なリモート受付であり、面倒なURL共有や入力が不要になる。相談受付ページ50に設置した相談開始ボタン51からワンクリックでの接続が可能である。通常のリモート相談は4ステップもの工程が必要であるが、リモート相談窓口システム10は、顧客もオペレータもアプリのインストールが不要であり、相談受付ページ50に設置した相談開始ボタン51からワンクリックアクセスするだけで、その場ですぐにオペレータと繋がることができる。初回相談のハードルを下げることで新規のお客様を逃がさない。パソコン操作が苦手なお客様や高齢者の方でも、誰でも簡単に接続できる。リモート相談窓口システム10は、設定不要で押せばつながる誰でも気軽に使えるシステムである。
【0023】
また、リモート相談窓口システム10は、商談や会議に必須の機能である画面やファイルの共有、チャット機能を備えている。受付時間の管理として、休業日や営業時間の設定が可能である。テンプレート型ホームページのレンタルも可能で、自社サービスのスタイルにあったホームページを提案することもできる。自社で受付業務ができる人材がいないとお困りの場合でも、提携しているオンラインビデオ通話専用のコールセンターの紹介が可能になる。
【0024】
また、リモート相談窓口システム10は、パソコンやタブレットで受付画面を開いて店舗に設置することにより、簡単にリモートで受付することができるから、店舗などでの無人受付が可能になる。いつでもどこからでもお客様とオンラインで話ができるから、いつ来るかわからないお客様を現地で待つ必要がなくなる。例えば、ホテルのフロントや駐車場の受付、住宅の展示会場などに設置することができる。
【0025】
次に、リモート相談窓口システム10を利用するまでの流れについて、
図6に基づいて説明する。
【0026】
図6に示す例において、札幌、東京、大阪のそれぞれの支部にある3台のパソコンを相談ルームに割り当て、リモート受付窓口を立ち上げると、待機状態になる。
【0027】
リモート相談窓口を設置した会社の相談受付ページ50から、お客様がリモート相談を受け付ける相談開始ボタン51をクリックすると、リモート相談窓口システム10がコール振り分けを行い、即座にAのルームを立ち上げたオペレータ端末20に着信が入る。このとき、Aのルームのオペレータが忙しくて出られなかった場合、所定時間経過後にBのルームを立ち上げたオペレータ端末20に着信が移動する。
【0028】
例えば、AルームとCルームが通話中の場合は、空いているBルームに着信が入る。相談ルームの数は3ルームに限られず、任意のルーム数を設定することができる。
【0029】
オペレータは、どのパソコンでも、すぐにリモート相談窓口としてスタンバイすることができる。専用パソコンにインストールする必要もなく、テレワーク中でも国外にいても、インターネットなどのネットワークに接続可能なパソコンなどの端末があれば、対応可能となる。自動コール振り分けシステムにより、空いているスタッフ同士の助け合いで、大切なお客様を待たせることがなくなる。
【0030】
リモート相談窓口の相談を受け付ける相談開始ボタン51は、リモート相談窓口を設置した会社のホームページに設置するのはもちろんのこと、タブレット型端末を店舗に置いて、その端末の画面に表示させることにより、無人店舗での受付も可能になる。
【0031】
本システムは、パソコン前に常駐するスタッフの手配や、専用パソコン設置場所の確保、高額なシステム導入費用が必要であった従来のリモート相談システムの課題を解決するために開発したものである。
【0032】
〔第1実施形態〕
つぎに、本発明の第1実施形態に係るリモート相談窓口システム10を説明する。
図7に示すように、リモート相談窓口システム10は管理サーバ1を有する。管理サーバ1は、CPU、メモリなどで構成されたコンピュータである。管理サーバ1は、物理的には、1台のサーバ装置で構成されてもよいし、複数台のサーバ装置を組み合わせて構成されてもよい。管理サーバ1はインターネットなどのネットワーク2に接続されている。
【0033】
後述のごとく、管理サーバ1は各種の機能を有する。コンピュータに管理サーバプログラムをインストールすることで、管理サーバ1としての機能が実現する。管理サーバプログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(非一過性のものを含む)に記憶してもよい。
【0034】
ネットワーク2には複数のオペレータ端末20が接続されている。オペレータ端末20はネットワーク2を介して管理サーバ1にアクセスできる。オペレータ端末20は、CPU、メモリなどで構成されたコンピュータである。また、オペレータ端末20はウェブブラウザを実行できる。
【0035】
オペレータ端末20はリモートで相談対応を行うオペレータが直接操作するものである。すなわち、オペレータはリモート相談において商品またはサービスの説明を行う。オペレータは一の組織に属している。組織は商品またはサービスを提供する企業などである。一の組織には複数のオペレータが属している。各オペレータがそれぞれのオペレータ端末20を操作する。
【0036】
ネットワーク2には顧客端末30が接続されている。顧客端末30はネットワーク2を介して管理サーバ1およびオペレータ端末20にアクセスできる。顧客端末30は、CPU、メモリなどで構成されたコンピュータである。また、顧客端末30はウェブブラウザを実行できる。顧客端末30の数は特に限定されないが、通常、複数である。顧客端末30はリモートで相談を受けたい顧客が直接操作するものである。
【0037】
図8に示すように、管理サーバ1は、記憶部41、相談ルーム管理部42、ウェブページ配信部43、情報配信部44、および着信制御部45を有する。これらは、ハードウエアで構成されてもよいし、ソフトウエアをコンピュータにインストールすることにより実現してもよい。
【0038】
図9に示すように、記憶部41には組織情報、ルーム情報、および通話情報が記憶されている。
【0039】
組織情報は組織に関する情報である。通常、リモート相談窓口システム10は複数の組織が利用するため、記憶部41には組織の数だけ複数の組織情報が記憶されている。組織情報は、組織ID、相談受付ページURL、コール設定、受付時間、および通話情報IDを含む。「組織ID」は組織を一意に識別する識別子である。「相談受付ページURL」はリモート相談を受け付けるウェブページ(相談受付ページ50)のURL(Uniform Resource Locator)である。「相談受付ページURL」は、相談受付ページ50のURLの全てでもよいし、一部でもよい。例えば、全ての組織の相談受付ページ50の本体ドメインを共通とし、組織ごとにサブドメインを割り当てる場合には、「相談受付ページURL」としてサブドメインのみを記憶してもよい。「コール設定」は顧客端末30から管理サーバ1への通話要求の設定である。「コール設定」はコール時間上限、コール回数上限、およびルーム選択順を含むことができる。「受付時間」はリモート相談を受付可能な時間である。「受付時間」はリモート相談を受付可能な時間帯(開始時刻および終了時刻)および曜日を含むことができる。
【0040】
ルーム情報は相談ルームに関する情報である。一の組織は複数の相談ルームを有する。記憶部41には相談ルームの数だけ複数のルーム情報が記憶されている。ルーム情報は、ルームID、組織ID、およびオペレータ状態を含む。「ルームID」は相談ルームを一意に識別する識別子である。「組織ID」は相談ルームが属する組織IDである。「オペレータ状態」は相談ルームに割り当てられたオペレータ端末20が待機中か否かを示す情報である。「オペレータ状態」は、例えば、待機中、通話中、離席中、およびオフラインの4つの状態のいずれかをとることができる。「待機中」はオペレータ端末20が顧客端末30からの着信を待っている状態である。「通話中」はオペレータ端末20が顧客端末30と通話接続している状態である。「離席中」はオペレータ端末20が離席中の状態(顧客端末30からの着信に応答できない状態)である。「オフライン」は相談ルームにオペレータ端末20が割り当てられていない状態である。
【0041】
通話情報は組織ごとの通話に関する情報である。通話情報は、通話情報ID、待機人数、および平均通話時間を含む。「通話情報ID」は通話情報を一意に識別する識別子である。「待機人数」は現時点で相談ルームへの割り当てを待機している顧客端末30の数である。「平均通話時間」はその組織の過去の通話接続時間から求めたリモート相談1回あたりの平均的な通話時間である。
【0042】
組織情報、ルーム情報、および通話情報には、前記のデータのほか、他のデータが含まれてもよい。また、記憶部41には他の情報が記憶されてもよい。
【0043】
図8に示すように、相談ルーム管理部42は、複数のオペレータ端末20のそれぞれを、組織が有する複数の相談ルームのいずれかに割り当てる。
【0044】
ウェブページ配信部43は、顧客端末30からの要求に応じて、相談受付ページ50を顧客端末30に配信する。
図2に示すように、相談受付ページ50は相談開始ボタン51を含むウェブページである。ウェブページはHTML(Hyper Text Markup Language)、XML(Extensible Markup Language)などのマークアップ言語で記述されている。
【0045】
また、ウェブページ配信部43は、相談受付ページ50とともに顧客端末プログラムを顧客端末30に配信する。顧客端末プログラムは、例えば、ジャバスクリプト(JavaScript(登録商標))で記述される。顧客端末プログラムにより顧客端末30のウェブブラウザの動作を制御できる。
【0046】
情報配信部44は、記憶部41に記憶された各種の情報を顧客端末30に配信する。すなわち、情報配信部44は、組織情報、ルーム情報、および通話情報の全部または一部を顧客端末30に配信する。
【0047】
着信制御部45は、顧客端末30において相談開始ボタン51が押下された場合に、その顧客端末30を複数の相談ルームのいずれかに割り当てる。
【0048】
オペレータ端末20は通話部21を有する。通話部21は顧客端末30と通話接続し、顧客端末30との間でビデオ通話または音声通話を行う。好ましくは、通話部21はウェブブラウザ上で動作するプログラムで実現される。
【0049】
顧客端末30は、通話部31、情報取得部32、および表示制御部33を有する。これらは、管理サーバ1から配信された顧客端末プログラムを顧客端末30のウェブブラウザで動作させることにより実現される。
【0050】
通話部31はオペレータ端末20と通話接続し、オペレータ端末20との間でビデオ通話または音声通話を行う。情報取得部32は管理サーバ1の情報配信部44から各種の情報を取得する。表示制御部33は相談受付ページ50の表示、特に相談開始ボタン51の表示態様を制御する。
【0051】
つぎに、オペレータを相談ルームに割り当てる処理を説明する。
図10に示すように、オペレータは、オペレータ端末20のウェブブラウザを通してオペレータ専用サイトにアクセスし、ログインなどの操作を行う(ステップ1)。管理サーバ1の相談ルーム管理部42はルーム選択画面をオペレータ端末20に配信する。オペレータ端末20にはルーム選択画面が表示される。
【0052】
図19に示すように、ルーム選択画面60には、オペレータが属する組織が有する相談ルームの一覧表が表示される。この一覧表には、記憶部41から取得したルーム情報が表示される。図示の例では、オペレータが属する組織が5つの相談ルームを有する。一覧表には相談ルームごとにオペレータ状態が表示されている。
【0053】
オペレータ状態が「オフライン」、すなわち、オペレータ端末20が割り当てられていない相談ルームには、入室ボタン61が表示される。オペレータは入室する相談ルームを選択し、それに対応する入室ボタン61を押下する。
【0054】
一覧表は表示名入力欄62を有してもよい。表示名入力欄62に入力した表示名は、顧客端末30との通話接続の際に、通話画面90に表示される名前である。表示名入力欄62にオペレータの氏名を入力すれば、顧客にオペレータの氏名を通知できる。
【0055】
図10に示すように、オペレータはルーム選択画面60において一の相談ルームを選択し、入室ボタン61を押下する(ステップ2)。そうすると、オペレータ端末20から管理サーバ1の相談ルーム管理部42に、オペレータが選択した相談ルームのルームIDが通知される(ステップ2.1)。相談ルーム管理部42はルームIDに該当する相談ルームのオペレータ状態を「オフライン」から「待機中」に更新する(ステップ2.1.1)。
【0056】
また、管理サーバ1とオペレータ端末20との間でソケット通信を接続する(ステップ2.1.2.1)。この際、管理サーバ1はオペレータ端末20のIPアドレス(Internet Protocol address)を取得し、記憶する。
【0057】
以上の処理は、オペレータ端末20ごとに行われる。相談ルーム管理部42は、以上の処理を繰り返すことにより、複数のオペレータ端末20のそれぞれを複数の相談ルームのいずれかに割り当てる。なお、本実施形態ではオペレータが相談ルームを選択する構成としたが、これに代えて、相談ルーム管理部42がオペレータ端末20をオフラインの相談ルームのいずれかに自動的に割り当ててもよい。
【0058】
オペレータ端末20を相談ルームに割り当てた後、相談ルーム管理部42はオペレータ待機画面をオペレータ端末20に配信する。オペレータ端末20にはオペレータ待機画面が表示される(ステップ2.1.2.2)。
【0059】
図20に示すように、オペレータ待機画面70は、待機ボタン71、離席ボタン72、およびログアウトボタン73を有する。オペレータは各ボタンを押下して、自身の状態を切り替えることができる。
【0060】
図11に示すように、待機中のオペレータは、オペレータ端末20から離れる際に、離席ボタン72を押下する(ステップ3)。そうすると、オペレータ端末20から管理サーバ1の相談ルーム管理部42に離席状態が通知される(ステップ3.1)。相談ルーム管理部42は該当の相談ルームのオペレータ状態を「待機中」から「離席中」に更新する(ステップ3.1.1)。
【0061】
離席していたオペレータは、オペレータ端末20の前に戻ると、待機ボタン71を押下する(ステップ4)。そうすると、オペレータ端末20から相談ルーム管理部42に待機状態が通知される(ステップ4.1)。相談ルーム管理部42は該当の相談ルームのオペレータ状態を「離席中」から「待機中」に更新する(ステップ4.1.1)。
【0062】
図12に示すように、相談業務を終了するオペレータは、ログアウトボタン73を押下する(ステップ5)。そうすると、相談ルーム管理部42は該当の相談ルームのオペレータ状態を「オフライン」に更新する(ステップ5.1.1)。また、管理サーバ1とオペレータ端末20との間のソケット通信を切断する(ステップ5.2)。
【0063】
以上のように、管理サーバ1の相談ルーム管理部42はオペレータ状態を管理しており、記憶部41に記憶されたルーム情報は常に最新の状態に維持される。
【0064】
つぎに、顧客が相談受付ページ50を閲覧する処理を説明する。
図13に示すように、顧客は、顧客端末30のウェブブラウザを通して相談受付ページ50にアクセスする(ステップ6)。管理サーバ1のウェブページ配信部43は、顧客端末30に相談受付ページ50のソースおよび顧客端末プログラムを配信する(ステップ6.1.1)。以降、顧客端末30の主な機能は顧客端末プログラムにより実現される。
【0065】
つぎに、管理サーバ1と顧客端末30との間でソケット通信を接続する(ステップ6.2)。この際、必要であれば、管理サーバ1は顧客端末30のIPアドレスを取得し、記憶してもよい。その後、顧客端末30に相談受付ページ50(
図2参照)が表示される(ステップ6.3)。
【0066】
相談受付ページ50は相談開始ボタン51を含む。オペレータの状態によって相談開始ボタン51の表示態様を切り替えることが好ましい。
図14に示すように、顧客端末30の情報取得部32は管理サーバ1の情報配信部44に情報取得を要求する(ステップ6.4)。ここで、情報取得部32は相談受付ページ50のURLを情報配信部44に送信する。
【0067】
前述のごとく、記憶部41に記憶されている組織情報には相談受付ページURLが含まれている(
図9参照)。情報配信部44は受信したURLに基づき、顧客端末30がいずれの組織の相談受付ページ50にアクセスしているか判断する。そして、情報配信部44はその組織に紐付けられている情報を顧客端末30に配信し、情報取得部32はその情報を取得する(ステップ6.4.1)。
【0068】
情報配信部44は情報取得部32からの要求に応じて情報配信してもよいし、情報取得部32からの要求がなくても自動的に情報配信してもよい。例えば、オペレータ状態が変化したタイミングなど、配信する情報が更新された場合に、情報配信部44から情報取得部32に更新後の情報を配信すればよい。そうすれば、顧客端末30が保持している情報を最新の状態に維持できる。
【0069】
情報配信部44から配信される情報には、顧客端末30が後の処理で必要となる情報が含まれていればよい。本実施形態では、組織情報としてコール設定および受付時間、ルーム情報として組織が有する全ての相談ルームのオペレータ状態、および通話情報として待機人数および平均通話時間が顧客端末30に配信されるとする。
【0070】
顧客端末30の表示制御部33は、現在時刻と受付時間とを比較し、受付時間内であるか、受付時間外であるかを判断する。現在時刻と受付時間との比較は、現在時刻と受付可能な時間帯との比較、および、現在の曜日と受付可能な曜日との比較を組み合わせてもよい。
【0071】
現在時刻が「受付時間内」である場合、表示制御部33は、オペレータ状態に基づき、相談開始ボタン51の表示態様を切り替える。ここで、相談開始ボタン51の「表示態様」とは、相談開始ボタン51に表示される文字列、色、形状のほか、相談開始ボタン51の有効無効、表示有無などを意味する。オペレータの状態により相談開始ボタン51の表示態様を切り替えることで、顧客がすぐにリモート相談を開始できるか判断できる。
【0072】
表示制御部33はオペレータ状態に基づき、空き有り、空き無し、および不在のいずれの状態であるかを判断する。ここで、「空き有り」とはオペレータ状態が待機中の相談ルームの数が1つ以上の場合をいう。「空き無し」とはオペレータ状態が待機中の相談ルームの数が0であり、通話中の相談ルームの数が1つ以上の場合をいう。「不在」とはオペレータ状態が待機中の相談ルームの数が0であり、通話中の相談ルームの数が0の場合をいう。すなわち、「不在」は全ての相談ルームが離席中またはオフラインの状態である。
【0073】
「空き有り」の場合、表示制御部33は相談開始ボタン51を受付状態とする(ステップ6.5)。受付状態では、相談開始ボタン51に表示される文字列を「リモート相談受付中」などとし、顧客にリモート相談の受付が可能であることを表示する。また、相談開始ボタン51を有効化(押下できる状態に設定)する。相談開始ボタン51を受付状態とすることで、顧客がすぐにリモート相談を開始できることを認識できる。
【0074】
「空き無し」の場合、表示制御部33は相談開始ボタン51を混雑状態とする(ステップ6.6)。混雑状態では、相談開始ボタン51に表示される文字列を「ただいま混み合っています」などとし、顧客にリモート相談を受けるまでに待ち時間が発生することを表示する。また、相談開始ボタン51を有効化する。相談開始ボタン51を混雑状態とすることで、顧客がリモート相談開始までに待ち時間を要することを認識できる。
【0075】
「空き無し」の場合、表示制御部33は相談受付ページ50に待機人数を表示してもよい(ステップ6.7)。待機人数は相談開始ボタン51に表示してもよいし、相談開始ボタン51外に表示してもよい。相談受付ページ50に待機人数を表示すれば、顧客が待ち時間を予測でき、通話待機中の顧客のストレスを軽減できる。
【0076】
また、表示制御部33は相談受付ページ50に予想待機時間を表示してもよい(ステップ6.7)。予想待機時間は相談開始ボタン51に表示してもよいし、相談開始ボタン51外に表示してもよい。また、待機人数と予想待機時間の両方を表示してもよいし、いずれか一方を表示してもよい。相談受付ページ50に予想待機時間を表示すれば、顧客がリモート相談開始のタイミングを認識でき、通話待機中の顧客のストレスを軽減できる。
【0077】
予想待機時間は待機人数および平均通話時間から求めることができる。予想待機時間は、例えば、以下の式で求めることができる。
[予想待機時間]=[平均行列長さ]×[平均通話時間]
[平均行列長さ]=[利用率]/(1-[利用率])
[利用率]=平均通話時間/[窓口数]
窓口数:オフラインを除く相談ルーム数
【0078】
表示制御部33は相談受付ページ50に、相談開始ボタン51とは別に割込ボタンを表示してもよい。相談開始ボタン51を押下した顧客は待ち行列の一番後ろに追加される。これに対して割込ボタンを押下した顧客は待機順が繰り上がり、例えば、待ち行列の一番前に追加される。割込ボタンが押下された場合、顧客端末30の通話部31は管理サーバ1の着信制御部45に待機順の繰り上げを要求する。割込ボタンを押下した顧客の待機順を繰り上げるので、その顧客のリモート相談を早期に開始できる。なお、割込ボタンを押下した顧客には追加料金がかかる設定としてもよい。
【0079】
「不在」の場合、表示制御部33は相談開始ボタン51を受付不可状態とする(ステップ6.8)。受付不可状態では、相談開始ボタン51に表示される文字列を「ただいま受付できません」などとし、顧客にリモート相談を受付できないことを表示する。また、相談開始ボタン51を無効化(押下できない状態に設定)する。これに代えて、相談開始ボタン51を非表示にしてもよい。
【0080】
現在時刻と受付時間とを比較した結果、「受付時間外」である場合、表示制御部33は相談開始ボタン51を受付時間外状態とする(ステップ6.9)。受付時間外状態では、相談開始ボタン51に表示される文字列を「受付時間外です」などとし、顧客に受付時間外であることを表示する。また、相談開始ボタン51を無効化する。これに代えて、相談開始ボタン51を非表示にしてもよい。このように、表示制御部33は、受付時間に基づき、相談開始ボタン51の表示態様を切り替える。
【0081】
「不在」または「受付時間外」であるにも関わらず、相談受付ページ50に何らの表示も行わないと、顧客が相談開始ボタン51を押下してしまう。この場合、顧客はリモート相談が開始されることを期待しながら待たされた挙げ句、リモート相談を行うことができない。相談開始ボタン51を受付不可状態または受付時間外状態とすることで、顧客を無駄に待たせることを防止できる。
【0082】
つぎに、顧客が相談開始ボタン51を押下した際の着信制御処理を説明する。
着信制御処理は、「空き有り」の場合と、「空き無し」の場合とで異なる。「空き有り」の場合は、
図15に示す処理が行われる。
【0083】
顧客は相談受付ページ50の相談開始ボタン51を押下する(ステップ7)。そうすると、顧客端末30の通話部31は管理サーバ1の着信制御部45に通話要求を送信する(ステップ7.1)。
【0084】
なお、相談開始ボタン51が押下された後、顧客端末30にカメラ、マイクなどの設定画面を表示してもよい。顧客は設定画面においてカメラON/OFFの切り替え、マイク、スピーカの確認などができる。この場合、設定画面に通話ボタンを設置し、顧客が通話ボタンを押下すると、通話部31が通話要求を送信する。
【0085】
相談受付ページ50に、相談開始ボタン51とは別に、顧客端末30のカメラをオフにして通話接続するカメラオフボタンを設置してもよい。カメラオフボタンを押下した場合には、顧客端末30のカメラがオフの状態でリモート相談が開始される。そのため、自身の姿をオペレータに見られたくない顧客でも安心してリモート相談を受けられる。
【0086】
顧客端末30はルーム情報を有している。通話部31は、ルーム情報に含まれるオペレータ状態に基づき、オペレータが待機中の相談ルームを特定できる。通話部31は通話要求とともに、待機中の相談ルームのルームIDを着信制御部45に送信する。すなわち、通話部31は、着信制御部45に対して、待機中の相談ルームへの通話要求を送信する。
【0087】
着信制御部45は、通話部31から受信したルームIDに基づき相談ルームを特定し、その相談ルームに割り当てられたオペレータ端末20に対して着信通知する(ステップ7.1.1)。そうすると、オペレータ端末20に着信画面が表示される。
【0088】
図21に示すように、着信画面80は、オペレータに着信を通知する画面である。着信画面80は入室許可ボタン81およびスキップボタン82を有する。オペレータが入室許可ボタン81を押下すると、着信に応答して、顧客とのリモート相談を開始できる。オペレータがスキップボタン82を押下すると、着信を拒否できる。
【0089】
図15に示すように、通話部31は管理サーバ1から取得したコール設定に従って通話要求する。コール設定にはコール時間上限が含まれる。オペレータが着信画面80で入室許可ボタン81を押下しない限り、通話部31はコール時間上限まで待機する。通話要求からの経過時間がコール時間上限に達すると、通話部31は別の相談ルームのルームIDを指定して、着信制御部45に通話要求を送信する。すなわち、待機中の相談ルームが複数存在する場合、いずれかのオペレータが着信に応答するまで、通話部31は複数の相談ルームに対して順に通話を要求する。この際、通話部31は、コール設定に含まれるルーム選択順に従い、相談ルームを選択する。例えば、ルーム選択順をランダムに設定しておけば、特定の相談ルームに通話要求が集中することを防止できる。
【0090】
コール設定にはコール回数上限が含まれる。コール回数上限は通話部31が相談ルームに対して通話を要求する回数の上限である。通話部31が複数の相談ルームに対して順に通話を要求し、コール回数上限に達した場合には、着信制御部45への通話要求を終了する。
【0091】
なお、複数の相談ルームに対して順に通話要求するのに代えて、複数の相談ルームに対して同時に通話要求してもよい。この場合、最も早く入室許可ボタン81を押下したオペレータが顧客とのリモート相談を開始できる。また、顧客端末30が着信要求する相談ルームを制御するのに代えて、管理サーバ1が着信通知するオペレータ端末20を制御してもよい。
【0092】
「空き無し」の場合は、
図16に示す処理が行われる。
顧客は相談受付ページ50の相談開始ボタン51を押下する(ステップ8)。そうすると、通話部31は着信制御部45に通話要求を送信する(ステップ8.1)。着信制御部45は記憶部41に記憶されている待機人数に1を加算する(ステップ8.1.1)。また、顧客端末30には待機画面が表示される。
【0093】
管理サーバ1の情報配信部44はルーム情報を定期的にまたは不定期で顧客端末30に配信する(ステップ9)。特に、いずれかの相談ルームのオペレータ状態が待機中に更新された場合に、情報配信部44から顧客端末30にルーム情報が配信される。顧客端末30の通話部31はルーム情報に基づき「空き有り」になったか否かを判断する。「空き有り」になった場合、顧客端末30、管理サーバ1、およびオペレータ端末20は、前述の「空き有り」の場合の処理を実行する。
【0094】
いずれかのオペレータが入室許可ボタン81を押下すると、そのオペレータの相談ルームに顧客端末30が割り当てられる。以上のように、着信制御部45は、顧客端末30において相談開始ボタン51が押下された場合に、その顧客端末30を複数の相談ルームのいずれかに割り当てる。本実施形態では、待機中の相談ルームに優先的に通話要求するので、顧客端末30とオペレータ端末20とのマッチングが短時間で行われ、顧客の待ち時間を短くできる。
【0095】
つぎに、オペレータが入室許可ボタン81を押下した際の処理を説明する。
図17に示すように、オペレータは着信画面80の入室許可ボタン81を押下する(ステップ10)。そうすると、オペレータ端末20は管理サーバ1の着信制御部45に接続開始を通知する(ステップ10.1)。着信制御部45は該当の相談ルームのオペレータ状態を待機中から通話中に更新する(ステップ10.1.1)。また、顧客が相談開始ボタン51を押下した時点において「空き無し」であった場合には、着信制御部45は待機人数から1を減算する(ステップ10.1.2)。
【0096】
管理サーバ1の着信制御部45は顧客端末30の通話部31に通話開始を通知する(ステップ10.1.3)。ここで、着信制御部45は通話部31に対して、オペレータ端末20のIPアドレスを通知する。顧客端末30には通話画面90(
図3参照)が表示される(ステップ10.1.3.1)。
【0097】
顧客端末30はオペレータ端末20との間でビデオおよび/または音声による通話接続を確立する(ステップ10.1.3.2)。ここで、顧客端末30はオペレータ端末20との間でP2P(Peer to Peer)接続を確立することが好ましい。顧客端末30は、着信制御部45から通知されたオペレータ端末20のIPアドレスに基づき、オペレータ端末20との間でP2P接続を確立する。通話接続が確立された後、オペレータ端末20にも通話画面90(
図3参照)が表示される。
【0098】
なお、管理サーバ1からオペレータ端末20に顧客端末30のIPアドレスを通知し、オペレータ端末20から顧客端末30にP2P接続をしてもよい。
【0099】
以上のように、顧客端末30およびオペレータ端末20は、同一の相談ルームに割り当てられた端末間で通話接続する。以降、顧客とオペレータはビデオおよび/または音声による通話が可能であり、リモート相談が可能になる。
【0100】
図18に示すように、リモート相談が終了すると、オペレータは通話終了ボタンを押下する(ステップ11)。オペレータ端末20は管理サーバ1の着信制御部45に通話終了を通知する(ステップ11.1)。なお、顧客が通話終了ボタンを押下し、顧客端末30が着信制御部45に通話終了を通知してもよい。
【0101】
顧客端末30とオペレータ端末20との間の通話接続が切断され、顧客端末30には通話終了画面が表示される(ステップ11.1.1.1)。
【0102】
管理サーバ1の着信制御部45は、該当の相談ルームのオペレータ状態を通話中から待機中に更新する(ステップ11.1.2)。また、着信制御部45は、今回の通話時間と過去の通話時間とから平均通話時間を計算し、記憶部41に記憶された平均通話時間を更新する(ステップ11.1.3)。オペレータ端末20にはオペレータ待機画面70(
図20参照)が表示される。
【0103】
〔第2実施形態〕
つぎに、本発明の第2実施形態に係るリモート相談窓口システム10を説明する。
オペレータおよび顧客の属性に基づいて相談開始ボタン51の表示態様を切り替えてもよい。「属性」はオペレータまたは顧客が有する特徴または性質である。「属性」の具体例として、地理的な位置、タイムゾーン、言語などが挙げられる。
【0104】
前述のごとく、管理サーバ1の記憶部41には相談ルームごとにルーム情報が記憶されている。ルーム情報はオペレータ属性を含んでもよい。「オペレータ属性」は相談ルームごとに設定されたオペレータの属性である。「オペレータ属性」はオペレータ位置、オペレータタイムゾーン、オペレータ対応言語などを含むことができる。オペレータ位置として、オペレータが属する国、地域などを設定できる。例えば、リモート相談の対象となる商品またはサービスに地域性がある場合には、オペレータが得意とする国、地域などをオペレータ位置として設定できる。オペレータタイムゾーンはオペレータが属するタイムゾーンである。オペレータ対応言語はオペレータが対応可能な言語である。オペレータ対応言語として複数の言語を設定可能としてもよい。
【0105】
オペレータ属性の設定は例えばつぎの手順で行われる。すなわち、
図10に示すように、オペレータは、ログイン後、入室する相談ルームを選択する(ステップ2)。この際、オペレータはルーム選択画面60(
図19参照)においてオペレータ属性を入力する。管理サーバ1の相談ルーム管理部42は入力されたオペレータ属性を記憶部41に記憶する。
【0106】
顧客端末30は顧客属性を保持する。「顧客属性」は顧客位置、顧客タイムゾーン、顧客言語などを含むことができる。顧客位置として、GPS(Global Positioning System)などの測位システムで測位した顧客端末30の位置を用いることができる。顧客タイムゾーンとして顧客端末30のOS(Operating System)に設定されたタイムゾーンを用いることができる。顧客言語として顧客端末30のウェブブラウザに設定された優先言語を用いることができる。
【0107】
本実施形態では、以下の処理により、相談開始ボタン51の表示態様を切り替える。
図14に示すように、顧客端末30の情報取得部32は管理サーバ1の情報配信部44に情報取得を要求する(ステップ6.4)。情報配信部44は組織情報、ルーム情報および通話情報を顧客端末30に配信し、情報取得部32はそれらの情報を取得する(ステップ6.4.1)。ここで、ルーム情報にはオペレータ属性が含まれている。
【0108】
つぎに、顧客端末30の表示制御部33は受付時間の内外を判断する。ここで、受付時間はオペレータがリモート相談を受付可能な時間である。オペレータが複数のタイムゾーンにわたって分散して配置されている場合には、世界標準時で考えるとオペレータごとに受付時間が異なる。また、相談受付ページ50へのアクセスには地理的な制限がないから、顧客がオペレータと同じタイムゾーンに属しているとは限らない。
【0109】
そこで、表示制御部33は、顧客タイムゾーン、オペレータタイムゾーン、および受付時間に基づき、受付時間の内外を判断する。例えば、表示制御部33はオペレータタイムゾーンに基づき相談ルームごとに受付時間を世界標準時に変換する。また、表示制御部33は顧客タイムゾーンに基づき、顧客端末30の現在時刻を世界標準時に変換する。表示制御部33は変換後の時刻を基準として、受付時間内の相談ルームの数が1つ以上の場合に受付時間内と判断し、受付時間内の相談ルームの数が0の場合に受付時間外と判断する。このようにすれば、オペレータが複数のタイムゾーンにわたって分散配置されていても、また、顧客が地球規模で種々の位置からアクセスしても、受付時間の内外を正しく判断できる。
【0110】
「受付時間外」である場合、表示制御部33は相談開始ボタン51を受付時間外状態とする(ステップ6.9)。このように、表示制御部33は、受付時間の内外で、相談開始ボタン51の表示態様を切り替える。
【0111】
「受付時間内」である場合、表示制御部33は、顧客属性、オペレータ属性、およびオペレータ状態に基づき、相談開始ボタン51の表示態様を切り替える。すなわち、表示制御部33は、まず、複数の相談ルームの中から、顧客属性に対応するオペレータ属性が設定された相談ルームを絞り込む。
【0112】
例えば、属性としてタイムゾーンを用いる場合、顧客タイムゾーンおよびオペレータタイムゾーンを考慮して、受付時間内の相談ルームを絞り込む。属性として地理的な位置を採用する場合、顧客位置を含むオペレータ位置(国、地域など)が設定された相談ルームを絞り込む。属性として言語を用いる場合、顧客言語と同一の言語がオペレータ対応言語として設定された相談ルームを絞り込む。必要に応じて、複数の属性を組み合わせて、相談ルームを絞り込んでもよい。
【0113】
表示制御部33は、絞り込み後の相談ルームのオペレータ状態に基づき、空き有り、空き無し、および不在のいずれの状態であるかを判断する。そして、「空き有り」の場合、表示制御部33は相談開始ボタン51を受付状態とする(ステップ6.5)。「空き無し」の場合、表示制御部33は相談開始ボタン51を混雑状態とする(ステップ6.6)。「不在」の場合、表示制御部33は相談開始ボタン51を受付不可状態とする(ステップ6.8)。このように、表示制御部33は、オペレータ状態に加えて属性に基づき、相談開始ボタン51の表示態様を切り替える。
【0114】
本実施形態では、「空き有り」の場合に、顧客が相談開始ボタン51を押下すると、以下の処理を行う。
図15に示すように、顧客は相談受付ページ50の相談開始ボタン51を押下する(ステップ7)。そうすると、顧客端末30の通話部31は管理サーバ1の着信制御部45に通話要求を送信する(ステップ7.1)。
【0115】
顧客端末30はルーム情報を有している。通話部31は、顧客属性に対応するオペレータ属性が設定された相談ルームを絞り込んだうえで、それらの相談ルームのルーム情報に含まれるオペレータ状態に基づき、オペレータが待機中の相談ルームを特定する。。通話部31は通話要求とともに、待機中の相談ルームのルームIDを着信制御部45に送信する。
【0116】
通話部31はコール設定に従って通話要求する。通話要求からの経過時間がコール時間上限に達すると、通話部31は絞り込み後の相談ルームの中から別の相談ルームのルームIDを指定して、着信制御部45に通話要求を送信する。この際、通話部31は、コール設定に含まれるルーム選択順に従い、相談ルームを選択する。通話部31が複数の相談ルームに対して順に通話を要求し、コール回数上限に達した場合には、着信制御部45への通話要求を終了する。
【0117】
図17に示すように、いずれかのオペレータが入室許可ボタン81を押下すると、そのオペレータ端末20と顧客端末30の間で通話接続が確立され、リモート相談が開始される。本実施形態では、顧客属性に対応するオペレータ属性が設定された相談ルームに対して通話要求するので、顧客の属性に適したオペレータが相談対応することになる。そのため、顧客に対して適切な情報を提供できる。
【0118】
〔第3実施形態〕
つぎに、本発明の第3実施形態に係るリモート相談窓口システム10を説明する。
図22に示すように、相談受付ページ50は、複数の組織の相談開始ボタン51を有してもよい。図示の例では、相談受付ページ50は、顧客が複数の企業を比較しながら、所望の企業を選択できるポータルサイトである。
【0119】
相談受付ページ50は組織の検索機能を有してもよい。例えば、業種、カテゴリ、地域を選択して検索ボタンを押下すると、該当する組織のみが相談受付ページ50に表示される。
【0120】
相談受付ページ50には組織ごとに相談開始ボタン51が表示される。顧客は所望の企業の相談開始ボタン51を押下することで、リモート相談を受けられる。第1実施形態と同様に、各組織のオペレータ状態に基づき、相談開始ボタン51の表示態様を切り替えてもよい。また、この際、「不在」または「受付時間外」の組織は、相談開始ボタン51のみを非表示にしてもよいし、その組織自体を検索結果として表示しないようにしてもよい。
【0121】
相談受付ページ50における組織の表示順を、その組織の評価値に基づき定めた順序としてもよい。例えば、評価値が高い順に組織を表示する。評価値として、相談回数、顧客満足度などを採用できる。相談回数は管理サーバ1で計数できる。顧客満足度は、例えば、リモート相談終了後に顧客端末30に表示される通話終了画面においてアンケート入力を依頼し、アンケート結果から求めることができる。評価値は組織情報の一部として記憶部41に記憶される。
【0122】
顧客が顧客端末30を通して相談受付ページ50にアクセスすると、顧客端末30の情報取得部32は管理サーバ1の情報配信部44に組織情報を要求する(
図14:ステップ6.4)。情報配信部44は相談受付ページ50に表示されている複数の組織のそれぞれの評価値を顧客端末30に配信し、情報取得部32はその評価値を取得する(ステップ6.4.1)。顧客端末30の表示制御部33は、取得した評価値に基づき定めた順序で、組織(相談開始ボタン51)を相談受付ページ50に表示する。
【0123】
複数の組織が表示されるポータルサイトにおいて、組織の評価値に基づいた順序で相談開始ボタン51が表示されるので、顧客が優良な組織を選択しやすい。また、組織は顧客に選ばれるよう評価値を上げる努力をするので、リモート相談の全体的な質が向上する。
【0124】
相談受付ページ50に複数の組織のそれぞれの相談料を表示してもよい。相談料はオペレータが設定し、組織情報の一部として記憶部41に記憶される。顧客が顧客端末30を通して相談受付ページ50にアクセスすると、顧客端末30の情報取得部32は管理サーバ1の情報配信部44に組織情報を要求する(
図14:ステップ6.4)。情報配信部44は相談受付ページ50に表示されている複数の組織のそれぞれの相談料を顧客端末30に配信し、情報取得部32はその相談料を取得する(ステップ6.4.1)。顧客端末30の表示制御部33は、相談受付ページ50に組織ごとに相談料を表示する。また、表示制御部33は相談料に基づき、昇順または降順で、組織(相談開始ボタン51)を表示してもよい。
【0125】
複数の組織が表示されるポータルサイトにおいて、組織ごとに相談料が表示されるので、顧客が相談料を基準に組織を選択できる。例えば、顧客からのリモート相談の依頼が少ない場合、組織は相談料を低く設定してもよい。これにより、組織はリモート相談の機会が獲得しやすくなる。
【符号の説明】
【0126】
10 リモート相談窓口システム
1 管理サーバ
2 ネットワーク
20 オペレータ端末
30 顧客端末
41 記憶部
42 相談ルーム管理部
43 ウェブページ配信部
44 情報配信部
45 着信制御部
50 相談受付ページ
51 相談開始ボタン