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特許7308053オーダー管理装置、オーダー管理システム、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】オーダー管理装置、オーダー管理システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20230706BHJP
【FI】
G07G1/12 301E
G07G1/12 361C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019047291
(22)【出願日】2019-03-14
(65)【公開番号】P2020149457
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 浩志
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-193669(JP,A)
【文献】特開2015-153092(JP,A)
【文献】特開2001-222614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分類ごとに商品の注文を受け付ける入力端末の各々から商品の注文を受け付け、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた警告閾値以上となった場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御する注文制御部と、
注文が抑制された分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定められた解除閾値未満になった場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品についての前記抑制を解除するように制御する制御解除部と、を含み、
前記分類は、上位の階層と下位の階層とを含む複数の階層からなる階層構造を持つように構成されており、
前記注文制御部は、
注文された商品が属する下位の階層の分類を含む、上位の階層の分類について、商品の未処理数が、当該上位の階層の分類について予め定められた警告閾値を超えた場合に、前記入力端末の各々に対し、当該上位の階層の分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御し、
注文された商品が属する下位の階層の分類を含む、上位の階層の分類について、商品の未処理数が、当該上位の階層の分類について予め定められた警告閾値を超えず、かつ、注文された商品の下位の階層の分類に含まれる商品の未処理数が、当該下位の階層の分類について予め定められた警告閾値を超えた場合に、前記入力端末の各々に対し、当該下位の階層の分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御する、オーダー管理装置。
【請求項2】
分類ごとに商品の注文を受け付ける入力端末の各々から商品の注文を受け付け、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた警告閾値以上となった場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御する注文制御部と、
注文が抑制された分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定められた解除閾値未満になった場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品についての前記抑制を解除するように制御する制御解除部と、を含み、
前記注文制御部は、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた上限値を超えた場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品の注文を禁止するように制御する、オーダー管理装置。
【請求項3】
前記分類ごとの前記解除閾値には、当該分類の前記警告閾値より低い値を定める請求項1または請求項2に記載のオーダー管理装置。
【請求項4】
前記商品の処理に関する情報を入力として、前記上限値、前記警告閾値、および前記解除閾値を調整するように予め学習した学習済みモデルに基づいて、前記上限値、前記警告閾値、および前記解除閾値の各々の値を調整する請求項2に記載のオーダー管理装置。
【請求項5】
分類ごとに商品の注文を受け付ける入力端末であって、
商品の注文をオーダー管理装置に送信する通信部と、
オーダー管理装置により、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた警告閾値以上となった場合に、当該分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御された場合に、
予め定められた分類および人数の組み合わせごとの注文数の上限に基づいて、当該分類に含まれる商品について、設定された人数に応じた注文数の上限を決定し、前記決定された注文数の上限を表示し、前記決定した上限まで注文できるように設定する要求制御部と、
を含む入力端末。
【請求項6】
分類ごとに商品の注文を受け付ける入力端末と、
前記入力端末の各々から商品の注文を受け付け、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた警告閾値以上となった場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御する注文制御部、および注文が抑制された分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定められた解除閾値未満になった場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品についての前記抑制を解除するように制御する制御解除部、を含み、前記分類は、上位の階層と下位の階層とを含む複数の階層からなる階層構造を持つように構成されており、前記注文制御部は、注文された商品が属する下位の階層の分類を含む、上位の階層の分類について、商品の未処理数が、当該上位の階層の分類について予め定められた警告閾値を超えた場合に、前記入力端末の各々に対し、当該上位の階層の分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御し、注文された商品が属する下位の階層の分類を含む、上位の階層の分類について、商品の未処理数が、当該上位の階層の分類について予め定められた警告閾値を超えず、かつ、注文された商品の下位の階層の分類に含まれる商品の未処理数が、当該下位の階層の分類について予め定められた警告閾値を超えた場合に、前記入力端末の各々に対し、当該下位の階層の分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御する、オーダー管理装置と、
を含むオーダー管理システム。
【請求項7】
分類ごとに商品の注文を受け付ける入力端末と、
前記入力端末の各々から商品の注文を受け付け、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた警告閾値以上となった場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御する注文制御部、および注文が抑制された分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定められた解除閾値未満になった場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品についての前記抑制を解除するように制御する制御解除部、を含み、前記注文制御部は、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた上限値を超えた場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品の注文を禁止するように制御する、オーダー管理装置と、
を含むオーダー管理システム。
【請求項8】
前記入力端末は、前記抑制された分類がある場合に、予め定められた分類および人数の組み合わせごとの注文数の上限に基づいて、当該分類に含まれる商品について、前記入力端末に設定された人数に応じた注文数の上限を決定し、前記決定された注文数の上限を表示し、前記決定した上限まで注文できるように設定する請求項6または請求項7に記載のオーダー管理システム。
【請求項9】
前記注文制御部は、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた上限値を超えた場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品の注文を禁止するように制御し、
前記入力端末は、前記禁止された分類がある場合に、当該分類に含まれる商品についての注文を不可とする旨を表示し、注文を禁止するように設定する請求項6~請求項8の何れか1項に記載のオーダー管理システム。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のオーダー管理装置の各部として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、請求項5に記載の入力端末の各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーダー管理装置、オーダー管理システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店、特に、居酒屋や焼き肉店のように、注文回数が比較的多い飲食店において、いわゆるテーブルトップオーダリングシステムが導入されている。テーブルトップオーダリングシステムは、客が操作し、客自身で注文を入力する入力端末と、複数の出力装置(プリンタ・ディスプレイ)と、これらを制御するオーダー管理装置から構成される。
【0003】
テーブルトップオーダリングシステムに関する技術としては、例えば、特許文献1の技術がある。特許文献1では、顧客の注文を入力する注文端末(入力端末)は、入力モードとして、店員が操作するスタッフモードと顧客が操作する顧客モードとのいずれかで動作する。注文端末は、スタッフモードで入力された少なくとも卓番を含む顧客の初期情報のみを管理端末に送信する。管理端末で新規オーダーが受け付けられると、新規オーダーとして受け付けられたことを契機として、自動的に入力モードがスタッフモードから顧客モードに移行して注文入力が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-137840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
テーブルトップオーダリングシステムでは、従業員が入力端末を使用して、注文入力を行う場合と違って、最低でも1組の客が1台の入力端末を利用し、それぞれの入力端末で直接注文入力を行うため、使用される入力端末の数が多い。そのため、開店直後やピーク時には、各テーブルからの注文入力が重ってしまい、厨房でさばききれない量の注文が一度に入力され、料理提供が遅れてしまうという問題がある。
【0006】
この状況を防ぐ方法として、例えば、一定数以上の注文が入力された場合、入力端末からの注文入力を受け付けなくすることが考えられる。しかし、単純に、上限値で注文入力を止めてしまった場合、客毎の注文入力状況に差異が発生し、座席についているにもかかわらず、注文入力ができない客が発生してしまうという問題が発生する。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みて成されたものであり、客に対する商品の提供が遅れる場合に、客に対して公平に商品が提供される状態を維持できるオーダー管理装置、オーダー管理システム、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るオーダー管理装置は、分類ごとに商品の注文を受け付ける入力端末の各々から商品の注文を受け付け、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた警告閾値以上となった場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御する注文制御部と、注文が抑制された分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定められた解除閾値未満になった場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品についての前記抑制を解除するように制御する制御解除部と、を含んで構成される。
【0009】
この発明によれば、客に対する商品の提供が遅れる場合に、客に対して公平に商品が提供される状態を維持できる。
【0010】
また、本発明のオーダー管理装置において、前記分類ごとの前記解除閾値には、当該分類の前記警告閾値より低い値を定めるようにしてもよい。
【0011】
この発明によれば、店舗の未処理数に余裕が生じるまで注文数を抑制することができる。
【0012】
また、本発明のオーダー管理装置において、前記分類は、上位の階層と下位の階層とを含む複数の階層からなる階層構造を持つように構成されており、前記注文制御部は、注文された商品が属する下位の階層の分類を含む、上位の階層の分類について、商品の未処理数が、当該上位の階層の分類について予め定められた警告閾値を超えた場合に、前記入力端末の各々に対し、当該上位の階層の分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御し、注文された商品が属する下位の階層の分類を含む、上位の階層の分類について、商品の未処理数が、当該上位の階層の分類について予め定められた閾値を超えず、かつ、注文された商品の下位の階層の分類に含まれる商品の未処理数が、当該下位の階層の分類について予め定められた警告閾値を超えた場合に、前記入力端末の各々に対し、当該下位の階層の分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御するようにしてもよい。
【0013】
この発明によれば、店舗によって定めた分類の階層ごとの処理力に応じて、客に対して公平に商品の提供を行うことができる。
【0014】
また、本発明のオーダー管理装置において、前記注文制御部は、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた上限値を超えた場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品の注文を禁止するように制御するようにしてもよい。
【0015】
この発明によれば、店舗の提供可能な処理量を超えた場合に、商品の注文を禁止できる。
【0016】
また、本発明のオーダー管理装置において、前記商品の処理に関する情報を入力として、前記上限値、前記警告閾値、および前記解除閾値を調整するように予め学習した学習済みモデルに基づいて、前記上限値、前記警告閾値、および前記解除閾値の各々の値を調整するようにしてもよい。
【0017】
この発明によれば、店舗の提供可能な処理量を、適切な値に調整できる。
【0018】
また、本発明の入力端末は、分類ごとに商品の注文を受け付ける入力端末であって、商品の注文をオーダー管理装置に送信する通信部と、オーダー管理装置により、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた警告閾値以上となった場合に、当該分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御された場合に、予め定められた分類および人数の組み合わせごとの注文数の上限に基づいて、当該分類に含まれる商品について、設定された人数に応じた注文数の上限を決定し、前記決定された注文数の上限を表示し、前記決定した上限まで注文できるように設定する要求制御部と、を含んで構成される。
【0019】
この発明によれば、客に対する商品の提供が遅れる場合に、客に対して公平に商品が提供される状態を維持できる。
【0020】
また、本発明のオーダー管理システムは、分類ごとに商品の注文を受け付ける入力端末と、前記入力端末の各々から商品の注文を受け付け、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた警告閾値以上となった場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御する注文制御部、および注文が抑制された分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定められた解除閾値未満になった場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品についての前記抑制を解除するように制御する制御解除部、を含むオーダー管理装置と、を含んで構成される。
【0021】
この発明によれば、客に対する商品の提供が遅れる場合に、客に対して公平に商品が提供される状態を維持できる。
【0022】
また、本発明のオーダー管理システムにおいて、前記入力端末は、前記抑制された分類がある場合に、当該分類に含まれる商品について、前記入力端末に設定された人数に応じた注文数の上限を決定し、前記決定された注文数の上限を表示し、前記決定した上限まで注文できるように設定するようにしてもよい。
【0023】
この発明によれば、客に対する商品の提供が遅れる場合に、客に対して公平に商品が提供される状態を維持できる。
【0024】
また、本発明のオーダー管理システムにおいて、前記注文制御部は、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた上限値を超えた場合に、前記入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品の注文を禁止するように制御し、前記入力端末は、前記禁止された分類がある場合に、当該分類に含まれる商品についての注文を不可とする旨を表示し、注文を禁止するように設定するようにしてもよい。
【0025】
この発明によれば、客に対する商品の提供が遅れる場合に、客に対して公平に商品が提供される状態を維持できる。
【0026】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、本発明のオーダー管理装置の各部として機能させるためのプログラムである。
【0027】
この発明によれば、客に対する商品の提供が遅れる場合に、客に対して公平に商品が提供される状態を維持できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、客に対する商品の提供が遅れる場合に、客に対して公平に商品が提供される状態を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態に係る注文管理システムの一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る入力端末の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係るオーダー管理装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係る入力端末の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図5】本実施形態に係るオーダー管理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図6】オーダー管理装置の閾値テーブルの一例を示す図である。
図7】本実施形態のオーダー管理装置の作用を説明するためのフローチャートである。
図8】入力端末の閾値テーブルの一例を示す図である。
図9】本実施形態の入力端末の要求制御部の作用を説明するためのフローチャートである。
図10】本実施形態の入力端末の表示制御部の作用を説明するためのフローチャートである。
図11】注文画面の一例を示す図である。
図12】注文画面で分類「一品」の商品の注文を不可に表示した場合の一例を示す図である。
図13】注文画面で選択した分類で注文可能な上限数を表示した場合の一例を示す図である。
図14】分類を2階層としたオーダー管理装置の閾値テーブルの一例を示す図である。
図15】サブ分類「うどん・そば類」の注文を抑制するように制御した場合の入力端末の注文画面の一例を示す図である。
図16】サブ分類「うどん・そば類」の注文を禁止するように制御した場合の入力端末の注文画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0031】
まず、本発明の実施の形態の概要を説明する。本実施形態では、上記課題を解決するために、入力端末から商品(飲食物)の注文があった場合に、まだ調理を行っていない未調理の商品の数(未調理数)が、一定の警告閾値に達した場合、注文の受付を抑制する制御を行う。例えば、(1)入力端末(1組の客)ごとに、一定数の注文可能な商品の上限を設け、注文入力を抑制する。(2)入力端末の各々に設定された客数に応じて、注文可能な商品の上限値を設け、注文入力を抑制する。
【0032】
以下、本発明の実施の形態の構成について説明する。
【0033】
本発明の実施の形態に係る注文管理システムの構成について説明する。図1に示すように、本発明の実施の形態に係る注文管理システム10は、機能的には図1に示すように、複数の入力端末20、オーダー管理装置22、印刷装置24、調理管理装置26、配膳管理装置27、及び会計装置28の各々は、Wi-Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)といった店舗内のルータを介してネットワークNに接続される。ネットワークNには、LTEなどの無線通信によりインターネット等を介して接続してもよい。
【0034】
本実施形態に係る入力端末20は、店舗の卓ごとに設置された商品の注文が可能なタブレット端末である。入力端末20には、注文入力のためのアプリケーション・プログラムが予めインストールされている。入力端末20では、注文画面から商品の分類を選択すると、分類ごとの商品が表示され、当該分類の商品をタッチすることにより注文の入力を行う。入力端末20は、商品を注文する注文情報を、ネットワークNを介してオーダー管理装置22に送信する。また、入力端末20は注文モードと管理モードを有しており、管理モードでは、来客の人数を設定する等の操作が行える。
【0035】
本実施形態に係るオーダー管理装置22は、ネットワークNを介して入力端末20と接続される。また、オーダー管理装置22は、印刷装置24、調理管理装置26、配膳管理装置27、および会計装置28の各々とも接続される。
【0036】
前提として、オーダー管理装置22で管理する店舗のオーダー管理の工程は大きく分けて、注文、調理、および配膳の3つの工程があり、注文された商品が調理され、配膳まで行われることでオーダーが完了することになる。
【0037】
オーダー管理装置22は、入力情報を受信して、来客の商品の注文情報を管理するとともに、注文の未調理数に応じて注文を抑制や停止を行うように制御する。入力情報は、入力端末20から送信される商品の注文情報、調理管理装置26から送信される商品の調理完了情報、または配膳管理装置27から送信される配膳完了情報のいずれかを含む。
【0038】
印刷装置24は、来客の注文情報に応じた伝票を印刷する。調理管理装置26は、来客の注文情報により示され、注文対象とされた商品および個数を示す注文内容を表示させる。また、調理管理装置26は、店舗のオーダーの状況を表示する。調理管理装置26は、商品の調理の完了の操作を受け付け、調理完了情報をオーダー管理装置22に送信する。配膳管理装置27は、店舗のオーダーの状況を表示する。配膳管理装置27は、従業員の配膳完了の操作を受け付け、配膳完了情報をオーダー管理装置22に送信する。会計装置28は、来客毎に生成される伝票情報に基づいて会計処理を行う。会計装置28には、例えば、POSレジスタ等が適用される。
【0039】
図2は、本実施形態に係る入力端末20の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0040】
図2に示すように、本実施形態に係る入力端末20は、制御部31と、記憶部32と、表示部33と、操作部34と、通信部35と、を備えている。
【0041】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)31A、ROM(Read Only Memory)31B、RAM(Random Access Memory)31C、および入出力インターフェース(I/O)31Dを備えており、これら各部がバスを介して各々接続されている。
【0042】
I/O31Dには、記憶部32と、表示部33と、操作部34と、通信部35と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O31Dを介して、CPU31Aと相互に通信可能とされる。
【0043】
制御部31は、入力端末20の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、入力端末20の全体的な動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。
【0044】
記憶部32としては、例えば、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部32には、本実施形態に係る注文入力処理を実行するための注文入力プログラム32Aが記憶される。また、記憶部32には、閾値テーブル32Bが記憶される。なお、注文入力プログラム32Aは、ROM31Bに記憶されていてもよい。
【0045】
表示部33には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部33は、客が入力端末20の操作を行うためのタッチパネルを表示面と一体的に有している。操作部34には、電源ボタンや各種の操作ボタン等が設けられる。通信部35は、ネットワークN1に接続されており、オーダー管理装置22とネットワークNを介して通信を行う。本実施形態の場合、通信部35とネットワークNとは無線通信を介して接続される。
【0046】
なお、本実施形態では、入力端末20の一例として、店舗専用のタブレット端末を例示して説明するが、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末装置等に、入力端末20としての機能を持たせてもよい。入力端末20は、客が直接操作して注文画面から商品を選んで注文する。
【0047】
本実施形態に係る入力端末20のCPU31Aは、記憶部32に記憶されている注文入力プログラム32AをRAM31Cに書き込んで実行することにより、図4に示す各部として機能する。
【0048】
図3は、本実施形態に係るオーダー管理装置22の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0049】
図3に示すように、本実施形態に係るオーダー管理装置22は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、操作部14と、通信部15と、を備えている。
【0050】
制御部11は、CPU11A、ROM11B、RAM11C、およびI/O11Dを備えており、これら各部がバスを介して各々接続されている。
【0051】
I/O11Dには、記憶部12と、表示部13と、操作部14と、通信部15と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O11Dを介して、CPU11Aと相互に通信可能とされる。
【0052】
制御部11は、オーダー管理装置22の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、オーダー管理装置22の全体的な動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部11の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部11の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0053】
記憶部12としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部12には、本実施形態に係る各種処理を実行するための注文管理プログラム12Aが記憶される。なお、この注文管理プログラム12Aは、ROM11Bに記憶されていてもよい。また、記憶部12には、閾値テーブル12Bが記憶される。
【0054】
注文管理プログラム12Aは、例えば、オーダー管理装置22に予めインストールされていてもよい。また、注文管理プログラム12Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布し、オーダー管理装置22に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0055】
表示部13には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機ELディスプレイ等が用いられる。
【0056】
操作部14には、オーダー管理装置22の操作者から各種の指示を受け付けるための操作キー群が設けられている。
【0057】
通信部15は、ネットワークNに接続されており、オーダー管理装置22、印刷装置24、調理管理装置26、および会計装置28の各々とネットワークN1を介して通信を行う。また、通信部15は、ルータ(図示省略)とも接続され、ルータを介してインターネット等の外部ネットワークとも接続されている。
【0058】
本実施形態に係るオーダー管理装置22のCPU11Aは、記憶部12に記憶されている注文管理プログラム12AをRAM11Cに書き込んで実行することにより、図5に示す各部として機能する。
【0059】
図4は、本実施形態に係る入力端末20の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0060】
図4に示すように、本実施形態に係る入力端末20のCPU31Aは、要求制御部50、表示制御部52として機能する。入力端末20の具体的な機能は作用の説明において後述する。
【0061】
図5は、本実施形態に係るオーダー管理装置22の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0062】
図5に示すように、本実施形態に係るオーダー管理装置22のCPU11Aは、オーダー管理部60、注文制御部62、制御解除部64として機能する。オーダー管理装置22は、下記に説明する閾値テーブル12Bに基づいて各種処理を行うが、具体的な機能は作用の説明において後述する。
【0063】
図6は、オーダー管理装置22の閾値テーブル12Bの一例を示す図である。図6に示すように、閾値テーブル12Bは、商品の分類ごとに、未調理数の上限値、警告閾値、および解除閾値の各種閾値を設定したテーブルである。上限値とは、店舗の調理場でそれ以上は対応が不可能な未調理の商品の数であり、当該分類の上限となる未調理数の値である。上限値に達した場合には当該分類の注文が停止される。警告閾値とは、当該分類の未調理数が支障を生じる警告の域に達したことを示す値である。警告閾値に達すると、当該分類の注文が抑制される。解除閾値とは、注文を抑制するように制御された分類について、抑制を解除する未調理数の値である。例えば分類「一品」については、上限値が100、警告閾値が50、解除閾値が30と設定されている。解除閾値は、警告閾値よりも小さい値とする。解除閾値を、警告閾値よりも小さい値とすることで、店舗の調理場の未処理数に余裕が生じるまで注文数を抑制することができる。なお、各分類には具体的な商品が対応付けられている。また、上限値、警告閾値、および解除閾値の各種値は、店舗の調理場の従業員数に応じて任意に定めることができる。各種値の設定は、例えば、調理に時間がかかる商品の分類(一品や揚げ物等)は大きな値を設定し、調理に時間のかからない商品の分類(串やドリンク等)は小さな値を設定すればよい。
【0064】
次に、注文管理システム10の作用について説明する。まずオーダー管理装置22の作用について説明する。図7は、本実施形態のオーダー管理装置22の作用を説明するためのフローチャートである。は以下の処理で、制御情報である“入力禁止要求”、“入力禁止要求”、および“抑制解除要求”のいずれかを入力端末20に送信する。また、制御情報には制御対象とする分類の情報が含まれる。
【0065】
ステップS100で、オーダー管理部60が、入力情報を受信したか否かを判定し、受信指定していればステップS102へ移行し、受信していなければ当該ステップS100を繰り返す。入力情報は、注文情報、調理完了情報、または配膳完了情報のいずれかである。
【0066】
ステップS102で、オーダー管理部60が、受信した入力情報が注文情報か否かを判定し、注文情報であればステップS108へ移行し、注文情報でなければステップS104へ移行する。
【0067】
ステップS104で、オーダー管理部60が、受信した入力情報が調理完了情報か否かを判定し、調理完了情報であればステップS112へ移行し、調理完了情報でなければ配膳完了情報を受信したと判断し、ステップS106へ移行する。
【0068】
ステップS106で、オーダー管理部60が、受信した入力情報が配膳完了情報であるとして、配膳完了処理をする。
配膳完了処理とは、例えば、配膳が完了した商品のチェックし、印刷装置24、調理管理装置26、に通知する等の処理である。具体的な配膳完了処理の内容は本実施形態の処理とは直接関係しないため省略する。
【0069】
ステップS108で、オーダー管理部60が、注文処理を行う。注文処理とは、例えば、じて、注文された商品を記録し、注文内容に応じて、印刷装置24、調理管理装置26、配膳管理装置27、及び会計装置28に通知する等の処理である。具体的な注文処理の内容は本実施形態の処理とは直接関係しないため省略する。
【0070】
ステップS110で、注文制御部62が、注文処理の対象になった商品の分類の未調理数の数を、注文数分だけプラスにカウントする。例えば、分類「一品」の商品が3つ注文された場合は、分類「一品」の未調理数を3カウントアップする。例えば、分類「一品」の商品が2つ注文され、分類「サラダ」の商品が1つ注文された場合は、分類「一品」の未調理数を2カウントアップし、分類「サラダ」の未調理数を1カウントアップする。
【0071】
ステップS112で、オーダー管理部60が、調理完了処理を行う。調理完了処理とは、例えば、調理が完了した商品について、調理が完了した旨を記録し、必要に応じて、印刷装置24、調理管理装置26、配膳管理装置27、及び会計装置28に通知する等の処理である。具体的な調理完了処理の内容は本実施形態の処理とは直接関係しないため省略する。
【0072】
ステップS114で、注文制御部62が、調理完了処理の対象になった商品の分類の未調理数の数を、調理完了数分だけマイナスにカウントする。例えば、分類「一品」の商品が3つ調理完了した場合は、分類「一品」の未調理数を3カウントダウンする。例えば、分類「一品」の商品が2つ調理完了し、分類「サラダ」の商品が1つ調理完了した場合は、分類「一品」の未調理数を2カウントダウンし、分類「サラダ」の未調理数を1カウントダウンする。
【0073】
ステップS116で、注文制御部62が、各分類の未調理数を参照する。
【0074】
ステップS118で、注文制御部62が、未調理数が上限値以上の分類があるか否かを判定し、上限値以上の分類がある場合にはステップS120へ移行し、上限値以上の分類がない場合にはステップS122へ移行する。
【0075】
ステップS120で、注文制御部62が、未調理数が上限値以上の分類について、制御情報として“入力禁止要求”を入力端末20に送信する。
【0076】
ステップS122で、注文制御部62が、未調理数が警告閾値以上の分類があるか否かを判定し、警告閾値以上の分類がある場合にはステップS124へ移行し、警告閾値以上の分類がない場合にはステップS125へ移行する。
【0077】
ステップS124で、注文制御部62が、未調理数が警告閾値以上の分類について、制御情報として“入力抑制要求”を入力端末20に送信する。
【0078】
ステップS125で、制御解除部64が、“入力抑制要求”がされた分類があるか否かを判定し、ある場合にはステップS126へ移行し、ない場合には処理を終了する。
【0079】
ステップS126で、制御解除部64が、未調理数が解除閾値未満の分類があるか否かを判定し、解除閾値未満の分類がある場合にはステップS128へ移行し、解除閾値未満の分類がない場合には処理を終了する。
【0080】
ステップS128で、制御解除部64が、未調理数が解除閾値未満となった分類について、制御情報として“抑制解除要求”を入力端末20に送信する。
【0081】
なお、上述したオーダー管理装置22の作用のフローチャートでは、入力禁止を解除するための指令を送信していないが、“抑制解除要求”の制御情報により、入力抑制と共に入力禁止も解除すればよい。このように、いったん入力禁止とした場合には、調理場の対応がすぐにオーバーフローしてしまうことを想定して、未調理数が落ち着くまで入力禁止にしておくことで、調理場のオーバーフローを回避できる。なお、入力禁止を別個に解除する場合には、禁止解除閾値を設ければよい。禁止解除閾値を設ける場合には、上記ステップS118からステップS122へ移行する間に、入力禁止の解除の判定する処理ステップと、入力禁止を解除する処理ステップを設ければよい。
【0082】
次に、入力端末20の作用について説明する。入力端末20の作用は、要求制御部50と、表示制御部52とのそれぞれについて説明する。
【0083】
作用について説明する前に、要求制御部50の制御で用いる閾値テーブル32Bについて説明する。図8は、入力端末20の閾値テーブル32Bの一例を示す図である。図8に示すように、閾値テーブル32Bは、商品の分類と入力端末22に設定された来客の人数の組み合わせごとに、規定数を設定したテーブルである。人数設定がある場合は、例えば、分類「一品」について来客の人数が二人のときには、規定数が2と定められている。そのため、分類「一品」の商品の注文数が抑制された場合には、当該入力端末20で注文できる「一品」の商品数を2つまでに制御する。人数設定の定めがない場合は、例えば、分類「サラダ」について規定数が2と定められている。
【0084】
図9は、本実施形態の入力端末20の要求制御部50の作用を説明するためのフローチャートである。
【0085】
ステップS200で、要求制御部50が、制御情報を受信したか否かを判定し、受信指定していればステップS202へ移行し、受信していなければ当該ステップS200を繰り返す。
【0086】
ステップS202で、要求制御部50が、制御情報が“入力禁止要求”であるかを判定し、“入力禁止要求”であればステップS206へ移行し、制御情報が”入力禁止要求”でなければステップS204へ移行する。
【0087】
ステップS204で、要求制御部50が、制御情報が“入力抑制要求”であるかを判定し、“入力抑制要求”であればステップS208へ移行し、制御情報が”入力抑制要求”でなければステップS214へ移行する。
【0088】
ステップS206で、要求制御部50が、“入力禁止要求”がされた分類について、入力端末20の注文操作を禁止に設定する。例えば、当該分類の規定数を0に設定すると注文操作を禁止にするように入力端末20の注文管理プログラム12Aに定めておけばよい。
【0089】
ステップS208で、要求制御部50が、“入力抑制要求”がされた分類について入力端末20に人数設定があるかを判定し、人数設定があればステップS210へ移行し、人数設定があればステップS212へ移行する。
【0090】
ステップS210で、要求制御部50が、入力端末20に設定された人数設定に対応する閾値テーブル32Bの当該分類の規定数を、当該入力端末20の注文操作における当該分類の商品で注文できる上限数として設定する。
【0091】
ステップS212で、要求制御部50が、閾値テーブル32Bの当該分類の規定数を、当該入力端末20の当該分類の商品の注文上限数に設定する。
【0092】
ステップS214で、要求制御部50が、制御情報が“抑制解除要求”であるとして、抑制解除要求がされた分類についての注文の制限を解除する。例えば、当該分類の規定数を9999に設定すると注文操作の制限を解除にするように入力端末20の注文管理プログラム12Aに定めておけばよい。なお、本実施形態では、人数値に合わせた規定数を予め設定する方法を例示したが、規定値に単純に人数値を掛けて規定数を設定する方法とすることも可能である。
【0093】
図10は、本実施形態の入力端末20の表示制御部52の作用を説明するためのフローチャートである。
【0094】
ステップS300で、表示制御部52が、入力端末20のメニューの注文画面で分類の選択を受け付け、選択された分類の注文画面を表示する。図11は、注文画面の一例を示す図である。図11に示すように、注文画面は分類ごとに商品をタッチして注文できるようになっている。図11では分類「一品」を選択し、商品一覧を表示している。
【0095】
ステップS302で、表示制御部52が、注文画面で選択された分類について注文操作が禁止に設定されているか否かを判定し、注文操作が禁止されていればステップS304へ移行し、注文操作が禁止されていなければステップS306へ移行する。
【0096】
ステップS304で、表示制御部52が、注文画面で選択した分類の商品の注文を不可に表示する。注文を不可とする表示は、例えば、注文画面の商品の選択領域をグレーする等の表示とする。図12は、注文画面で分類「一品」の商品の注文を不可に表示した場合の一例を示す図である。図12に示すように、注文画面の各商品の領域がグレーに表示され、注文できないことを客に対して提示する。図12の例では各商品の領域のグレー表示に加えて、「厨房が混み合っています。一品料理はこれ以上注文できません。」という注文できない旨の表示をしている。
【0097】
ステップS306で、表示制御部52が、注文画面で選択された分類について注文操作が抑制されているか否かを判定し、抑制されていればステップS308へ移行し、抑制されていなければステップS310へ移行する。
【0098】
ステップS308で、表示制御部52が、当該分類の注文可能な上限数を表示する。図13は、注文画面で選択した分類で注文可能な上限数を表示した場合の一例を示す図である。図13の例では「一品料理はあと3品まで注文できます。」という注文可能な上限数がある旨の表示をしている。
【0099】
ステップS310で、表示制御部52が、注文画面に表示中の当該分類の商品の注文を受け付ける。
【0100】
ステップS312で、表示制御部52が、注文数が当該分類に設定された規定数を超えているか否かを判定し、規定数を超えていればステップS304へ移行し、規定数を超えていなければステップS314へ移行する。
【0101】
ステップS314で、表示制御部52が、注文画面で選択した分類の選択が終了したか否かを判定し、終了した場合には処理を終了し、終了していない場合にはステップS310に戻って注文を受け付ける。注文画面で選択した分類が終了する場合とは、例えば、注文確認ボタンを押下したり、別の分類のボタンを押下した場合である。
【0102】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る注文管理システムによれば、分類ごとに商品の注文を受け付ける入力端末の各々から商品の注文を受け付け、注文された商品の分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定めた警告閾値以上となった場合に、入力端末の各々に対し、当該分類に含まれる商品の注文を抑制するように制御する。また、注文が抑制された分類に含まれる商品の未処理数が、当該分類について予め定められた解除閾値未満になった場合に、当該分類に含まれる商品についての抑制を解除するように制御する。これにより、店舗の未処理数に応じて、商品の注文数を適切に制御できる。また、入力端末に設定された人数に応じた注文数の上限を決定し、決定された注文数の上限を表示し、決定した上限まで注文できるように設定する。これにより、客に対する商品の提供が遅れる場合に、客に対して公平に商品が提供される状態を維持できる。
【0103】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0104】
例えば、上述した実施の形態では、分類を一階層とする場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、複数の階層の分類を設けて、分類の階層ごとに注文を抑制するように制御してもよい。図14は、分類を2階層としたオーダー管理装置22の閾値テーブル12Bの一例を示す図である。図14では、大分類とサブ分類に分け、それぞれについて上限値、警告閾値、および解除閾値を設定している。図14の例では、大分類「一品」とサブ分類「焼き物類」、「うどん・そば類」に分けている。入力端末20の閾値テーブル32Bも同様に大分類、およびサブ分類が設定される。オーダー管理装置22における大分類についての抑制、の制御は上述した実施形態と同様である。一方で、サブ分類については、大分類「一品」については上限値も警告閾値のいずれも超えていなかったとしても、サブ分類について上限値または警告閾値を超えていれば、当該サブ分類について注文を抑制または停止するように制御する。例えば、サブ分類「うどん・そば類」の商品(うどん)の未調理数が40である場合は、警告閾値が35を超えているため、サブ分類「うどん・そば類」についての注文を抑制するように制御する。入力端末のつまり、大分類とサブ分類とは、それぞれ別個に注文の抑制および停止を制御する。図15は、サブ分類「うどん・そば類」の注文を抑制するように制御した場合の入力端末20の注文画面の一例を示す図である。図15に示すように、「うどん・そば類」の商品の領域に重畳するように、「うどん・そば類はあと3品まで注文できます。」という注文に制限がある旨の表示をしている。図16は、サブ分類「うどん・そば類」の注文を禁止するように制御した場合の入力端末20の注文画面の一例を示す図である。図16に示すように、「うどん・そば類」の商品の領域だけをグレー表示することに加えて、「うどん・そば類」の商品の領域に重畳するように、「うどん・そば類は注文できません。」という注文できない旨の表示をしている。このように分類を上位の階層と、下位の階層とを含む複数の階層からなる階層構造を持つように構成し、それぞれの階層ごとに、注文の抑制および停止を制御する。これにより、店舗によって定めた分類の階層ごとの処理力に応じて、客に対して公平に商品の提供を行うことができる。また、大分類およびサブ分類の2階層の分類の場合を例に説明したが、3階層以上の分類の場合でも同様である。
【0105】
また、上述した実施の形態では、分類ごとに上限値、警告閾値、および解除閾値を一意に定めておく場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、曜日や時間帯で調理場の人数が異なってくるのであれば、人数に応じた閾値を設定したほうが良い場合も考えられる。そのため、調理場の人数が3~5人、6~10人の場合等で、それぞれの人数帯の閾値テーブル12Bを設けるようにしてもよい。これにより、店舗のスタッフのキャパシティに応じて、客に対して公平に商品の提供を行うことができる。
【0106】
また、深層学習等の手法を用いて、様々な変数に応じて、自動的に上限値、警告閾値、および解除閾値を調整するようにしてもよい。例えば、商品の処理に関する情報(調理場の人数、調理場のスタッフのレベル、商品の平均的な調理完了時間等)を、学習済みモデルの入力として、上限値、警告閾値、および解除閾値を調整する。これにより、店舗の状況に応じて、客に対して公平に商品の提供を行うことができる。モデルの学習は、時系列に記録した商品の処理に関する情報と、時系列に記録した上限値、警告閾値、および解除閾値の設定値の情報とに基づいて、CNN等のニューラルネットワークモデルの重みパラメータを学習するようにすればよい。
【符号の説明】
【0107】
N ネットワーク
11 制御部
12 記憶部
12A 注文管理プログラム
12B 閾値テーブル
13 表示部
14 操作部
15 通信部
20 入力端末
22 オーダー管理装置
24 印刷装置
26 調理管理装置
27 配膳管理装置
28 会計装置
31 制御部
32 記憶部
32A 注文入力プログラム
32B 閾値テーブル
33 表示部
34 操作部
35 通信部
50 要求制御部
52 表示制御部
60 オーダー管理部
62 注文制御部
64 制御解除部
100 注文管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16