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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】汚染を低下させるための粒状鉱物の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/25 20060101AFI20230706BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20230706BHJP
   A61K 33/06 20060101ALI20230706BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20230706BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20230706BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20230706BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20230706BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20230706BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230706BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
A61K8/25
A61K8/02
A61K33/06
A61P17/02
A61P17/16
A61Q5/02
A61Q5/12
A61Q17/00
A61Q19/00
A61Q19/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019544678
(86)(22)【出願日】2018-02-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 EP2018053947
(87)【国際公開番号】W WO2018150002
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-02-12
(31)【優先権主張番号】17305177.2
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】319006807
【氏名又は名称】イメルテック ソシエテ パル アクシオン サンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】パジ ロール
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/136993(WO,A1)
【文献】特開平09-183617(JP,A)
【文献】特開2017-036281(JP,A)
【文献】特表2005-529946(JP,A)
【文献】米国特許第5253660(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0074136(KR,A)
【文献】特開2005-336056(JP,A)
【文献】UV Protector Essence Base SPF40/PA+++, Dr.Ci:Labo, 2015年4月, Mintel GNPD [online],[検索日 2022.10.24], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID:3137675
【文献】Color Control CC Milk SPF50+PA+++, Kao, 2016年4月, Mintel GNPD [online],[検索日 2022.10.24], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID:3923073
【文献】Super Moisture Balm, Clarins, 2016年10月, Mintel GNPD [online],[検索日 2022.10.24], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID:4381999
【文献】Anti-Dark Spots & Pollution Whitening Serum SPF30, Garnier, 2015年10月, Mintel GNPD [online],[検索日 2022.10.24], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID:3468807
【文献】Urban Active Shield Skin Reinforcer Fluid SPF30/PA+++, Helena Rubinstein, 2016年6月, Mintel GNPD [on,[検索日 2022.10.24], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID:4000205
【文献】Total 10 Action + Protection All-In-One Whitening Day Cream SPF30PA+++, L'Oreal, 2014年7月, Mintel G,[検索日 2022.10.24], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID:2548061
【文献】Skin Balance Daily Nourishing Lotion, Piramal Healthcare, 2013年8月, Mintel GNPD [online],[検索日 2022.10.24], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID:2139792
【文献】Age Defense Creme, Amorepacific, 2012年8月, Mintel GNPD [online],[検索日 2022.10.24], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID:1865727
【文献】Oxygenating Night Cream Anti-Wrinkle Night Cream, Elemis, 2016年12月, Mintel GNPD [online],[検索日 2022.10.24], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID:4483671
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 31/33-33/44
A61P 17/00-17/18
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物の製造のための、抗汚染剤としての粒状鉱物の使用であって、粒状鉱物が、ケイソウ土であり、かつ、0.5μmから100μmの範囲のd 50 を有する、前記使用。
【請求項2】
皮膚および/またはケラチン物質を汚染から保護するための、粒状鉱物を含む組成物であって、粒状鉱物が、ケイソウ土であり、かつ、0.5μmから100μmの範囲のd 50 を有する、皮膚および/またはケラチン物質への適用のための前記組成物。
【請求項3】
粒状鉱物が、粒状鉱物100gあたり20mL以上の油吸収容量を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
粒状鉱物が、粒状鉱物100gあたり40mL以上の水吸収容量を有する、請求項2又は3に記載の組成物。
【請求項5】
粒状鉱物が、粒状鉱物100gあたり30mL以上の皮脂吸収容量を有する、請求項2~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物が、化粧品組成物である、請求項2~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
粒状鉱物が、汚染物を吸収し、および/または汚染物の皮膚への侵入を低下させ、または予防する、請求項2~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物が、エマルジョン、ゲル、ローションまたはクリームの形態である、請求項2~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物が、0.5質量%から60質量%の粒状鉱物を含む、請求項2~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
乾燥したおよび/または損傷した皮膚の治療用である、請求項2~5及び7~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
請求項2~10のいずれか1項に記載の組成物を製造する方法であって、ケイソウ土を液状担体と組み合わせることを含み、粒状鉱物が、0.5μmから100μmの範囲のd 50 を有する、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、皮膚および/またはケラチン物質への適用に適した、および/またはそれが意図された組成物における抗汚染剤としての、1種または複数の粒状鉱物の使用に関する。本発明は、さらに、少なくとも1種の粒状鉱物を含む組成物を皮膚および/またはケラチン物質に適用することによって、皮膚および/またはケラチン物質を汚染から保護する方法に関する。本発明は、粒状鉱物を含む組成物、治療方法で用いられる粒状鉱物を含む組成物、および前記組成物を製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
汚染は、皮膚ならびに/または毛髪および爪などのケラチン物質に対して悪影響を有することが知られている。例えば、汚染は、皮膚中のビタミンEの量を低下させ、皮膚細胞の呼吸を低下させ、落屑を増加させ、皮脂分泌を増大させ、および皮膚の老化および弾力/ハリの喪失を加速させ得る。都市に住んでいる人口が増加するにつれて、増加する個人は高レベルの汚染に暴露され、従って、汚染のマイナス効果の危険な状態にある。従って、皮膚を汚染から保護できる製品に対して、消費者からの興味が増大している。皮膚および/またはケラチン物質への適用のための天然の非化学製品に対する興味がやはり増大している。従って、皮膚および/またはケラチン物質を汚染から保護するための改良されたおよび/または代わりの組成物を提供するのが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の第一の態様によると、皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物における抗汚染剤としての粒状鉱物の使用が提供される。
ある実施形態において、該粒状鉱物および/または組成物は、汚染を吸収し、および/または汚染の皮膚中への侵入を低下させ、または防止する。
ある実施形態において、該粒状鉱物および/または組成物は、細胞の呼吸を増加させ、および/または落屑を低下させ、および/または皮膚の老化を阻害し、および/または皮膚のハリおよび/または弾力の喪失を低下させ、および/または皮脂の分泌を低下させ、および/または皮膚中のビタミンEレベルを増大させる。
ある実施形態において、該使用は化粧用とすることができる。ある実施形態において、該使用は治療用とすることができる。かくして、本発明のさらなる態様において、治療組成物における抗汚染剤として用いられる、粒状鉱物を含む組成物が提供される。
本発明の第二の態様によると、皮膚および/またはケラチン物質を汚染から保護する方法であって、粒状鉱物を含む組成物を皮膚および/またはケラチン物質に適用することを含む方法が提供される。
ある実施形態において、該粒状鉱物および/または組成物は汚染を吸収し、および/または汚染の皮膚中への侵入を低下させ、または防止する。
ある実施形態において、該粒状鉱物および/または組成物は、細胞の呼吸を増加させ、および/または落屑を低下させ、および/または皮膚の老化を阻害し、および/または皮膚のハリおよび/または弾力の喪失を低下させ、および/または皮脂の分泌を低下させ、および/または皮膚中のビタミンEレベルを増大させる。
ある実施形態において、該方法は化粧用とすることができる。ある実施形態において、該方法は治療用とすることができる。かくして、本発明のさらなる態様において、治療方法における抗汚染剤として用いられる、粒状鉱物を含む組成物が提供される。
【0004】
本発明の第三の態様によると、粒状鉱物を含む組成物が提供される。該組成物は、皮膚および/またはケラチン物質への適用に適しており、および/またはそれが意図される。粒状鉱物は抗汚染剤である。
ある実施形態において、該組成物は化粧品組成物である。ある実施形態において、該組成物は、治療的使用に適しているか、および/またはそれが意図された治療剤組成物である。
【0005】
本発明の第四の態様によると、本明細書中に記載されたいずれかの態様または実施形態による組成物を製造する方法が提供される。該方法は、例えば、粒状鉱物を液状担体と組み合わせることを含むことができる。
【0006】
本発明のいずれかの態様のある実施形態は、以下の利点のうちの1または複数を提供することができ。
・抗汚染効果;
-汚染からの遮蔽
-汚染の吸収
-汚染の皮膚への侵入の防止/低下
・細胞呼吸(例えば、皮膚細胞呼吸)の増加;
・落屑の低下;
・皮膚の老化の阻害;
・皮膚のハリおよび/または弾力の喪失の低下;
・皮脂の分泌の低下;
・ビタミンEレベルの増大;
・天然添加物の提供。
【0007】
本発明の記載した態様のいずれかの特定の1または複数に関連して提供された詳細、例および選択物を、ここにさらに記載し、それらは本発明の全ての態様に等しく適用されるであろう。その全ての可能な変形における本明細書中に記載された実施形態、例および選択物のいずれの組合せも、本明細書中においてそうでないことが示されているのでなければ、またはそうでないことが文脈上明瞭に反駁されているのでなければ、本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、タバコ抽出物がいずれの鉱物を通しても濾過されない場合と比較した、タバコ抽出物がタルク1を通して濾過される場合(試験は2回反復)の、細胞生存%対タバコ抽出物希釈(%)を示す。
図2図2は、タバコ抽出物がいずれの鉱物を通しても濾過されない場合と比較した、タバコ抽出物がタルク1またはパーライトを通して濾過される場合の、細胞生存%対タバコ抽出物希釈(%)を示す。
図3図3は、タバコ抽出物がいずれの鉱物を通しても濾過されない場合と比較した、タバコ抽出物がタルク1またはカオリンを通して濾過される場合の、細胞生存%対タバコ抽出物希釈(%)を示す。
図4図4は、タバコ抽出物がいずれの鉱物を通しても濾過されない場合と比較した、タバコ抽出物がタルク1またはタルク2を通して濾過される場合の、細胞生存%対タバコ抽出物希釈(%)を示す。
図5図5は、タバコ抽出物がいずれの鉱物を通しても濾過されない場合と比較した、タバコ抽出物がタルク1またはDE1を通して濾過される場合の、細胞生存%対タバコ抽出物希釈(%)を示す。
図6図6は、タバコ抽出物がいずれの鉱物を通しても濾過されない場合と比較した、タバコ抽出物がタルク1またはDE2を通して濾過される場合の、細胞生存%対タバコ抽出物希釈(%)を示す。
図7図7は、タバコの煙に暴露されず、その表面に試験試料が適用されなかった(頂部パネル)またはタルク1を含有する試験試料がその表面に適用された(底部パネル)、皮膚生検材料の顕微鏡像を示す。
図8図8は、タバコの煙に暴露されなかった(第一の欄)、または双方の皮膚生検材料がその表面に適用されたタルク1を含有する試験試料を有した10本のタバコ(第二の欄)、または皮膚生検材料がその表面に適用された試験試料を有しなかった10本のタバコ(第三の欄)のタバコの煙に暴露された皮膚生検材料の顕微鏡像を示す。頂部像は20倍の倍率であって、底部像は40倍の倍率である。
図9図9は、皮膚生検材料が、その表面に適用されたDE2を含有する試験試料を有した場合の、10本のタバコの煙に暴露された皮膚生検材料の顕微鏡像を示す。頂部像は20倍の倍率であって、底部像は40倍の倍率である。
図10図10は、皮膚生検材料が、その表面に適用された合成ケイ酸カルシウムを含有する試験試料を有した場合の、10本のタバコの煙に暴露された皮膚生検材料の顕微鏡像を示す。頂部像は20倍の倍率であって、底部像は40倍の倍率である。
図11図11は、皮膚生検材料が、その表面に適用されたPCCを含有する試験試料を有した、10本のタバコの煙に暴露された皮膚生検材料の顕微鏡像を示す。頂部像は20倍であって、底部像は40倍である。
図12図12は、皮膚生検材料が、その表面に適用されたDE3を含有する試験試料を有した、10本のタバコの煙に暴露された皮膚生検材料の顕微鏡像を示す。頂部像は20倍であって、底部像は40倍である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書中において、皮膚および/またはケラチン物質への適用に適した、および/またはそれが意図された組成物における抗汚染剤としての粒状鉱物の使用が提供される。さらに、本明細書中において、皮膚および/またはケラチン物質を汚染から保護する方法であって、粒状鉱物を含む組成物を皮膚および/またはケラチン物質に適用することを含む方法が提供される。
【0010】
用語「抗汚染剤」は、本明細書中で用いる場合、皮膚および/またはケラチン物質に対する1種または複数の汚染物質の1または複数の有害効果を低下させ、および/または防止する剤を意味する。表現「皮膚および/またはケラチン物質を汚染から保護する」は、本明細書中で用いる場合、皮膚に対する1種または複数の汚染物質の1または複数の有害効果が低下され、または防止されることを意味する。用語「汚染物質」とは、本明細書中で用いる場合、皮膚に対して悪影響を有する物質をいい、例えば、炭素粒状物、揮発性有機化合物、多環芳香族炭化水素、重金属(例えば、ヒ素、カドミウム、クロム、水銀、ネオジム、ニッケル、鉛、アンチモン、ビスマス)などの空気汚染物質、10μm以下の直径を有する微粒子を含む大気粒子物質(PM10)、2.5μm以下の直径を有する微粒子(PM2.5)および100ナノメートル以下の直径を有する超微粒子、および毒性ガス(例えば、NO2、一酸化炭素、SO2、O3)、化学製品(例えば、殺虫剤)、およびフリーラジカルを含む。用語「汚染物質」は、UV放射線を含まない。
【0011】
理論に拘束されるつもりはないが、粒状鉱物は、汚染物質に対する遮蔽物として作用すると考えられる。かくして、ある実施形態において、粒状鉱物は1種または複数の汚染物質を吸収する。ある実施形態において、粒状鉱物は、1種または複数の汚染物質の皮膚への侵入を低下させ、または防止する。ある実施形態において、粒状鉱物は、全ての汚染物質の皮膚への侵入を低下させ、または防止する。
ある実施形態において、粒状鉱物は、皮膚上の炭素粒子の量を少なくとも約30質量%低下させる。例えば、粒状鉱物は、皮膚上の炭素粒子の量を、少なくとも約35質量%、または少なくとも約40質量%、または少なくとも約45質量%、または少なくとも約50質量%、または少なくとも約55質量%、または少なくとも約60質量%、または少なくとも約65質量%、または少なくとも約70質量%低下させることができる。これは、例えば、粒状鉱物を含む組成物が適用されていない皮膚上の炭素粒子の量と比較する、またはそれが粒状鉱物を含まないことを除いて同一の組成物が適用された皮膚上の炭素粒子の量と比較することができる。これは、例えば、カメラおよび拡大レンズを用い、皮膚の表面の炭素粒子の数を観察することによって決定することができる。
【0012】
ある実施形態において、粒状鉱物および/または組成物は、以下の効果のうちの1または複数を有することができる:
-細胞呼吸の増加;
-落屑の低下または予防;
-皮膚の老化の低下または防止;
-皮膚のハリおよび/または弾力の喪失の低下または防止;
-皮脂の分泌の低下または防止;
-ビタミンEの増大。
【0013】
上記した効果のうちの1または複数が得られる場合、当該増加または低下は、例えば、粒状鉱物を含む組成物の適用前の皮膚との比較において決定することができる。別法として、当該増加または低下は、粒状鉱物を含む組成物が適用されていない、またはそれが粒状鉱物を含まないことを除いて同一である組成物が適用された皮膚との比較において決定することができる。
【0014】
各効果は、例えば、目視によって観察することができるか、または当業者に知られた方法によって測定することができる。本明細書中に開示された組成物および医薬組成物の特性(例えば、抗汚染効果)は、イン・ビボ、またはイン・ビトロ、またはエクス・ビボで決定することができる。例えば、皮膚に対する汚染の効果は、例えば、生物学的マーカーを測定することによって、皮膚生検材料を用いて測定することができる。例えば、細胞呼吸は、消費されたグルコースおよび/または酸素の量を決定することによって、または細胞によって生産された二酸化炭素の量を測定することによって、測定することができる。皮膚中のビタミンEの量は、例えば、血液中のビタミンEの量を測定することによって、推測することができる。皮膚の老化は、例えば、ここに引用してその内容を援用する「Anti-aging cosmetics and its efficacy assessment methods(老化化粧品およびその効力の評価方法)」、Xiang Li, 2015 Global Conference on Polymer and Composite Materials, IOP Conf. Series: Materials Science and Engineering 87 (2015) 012043に記載された方法のうちの1または複数によって測定することができる。皮膚のハリおよび/または弾力は、例えば、圧力の適用に対する皮膚の応答を決定することによって測定することができる。皮脂分泌は、例えば、皮脂計を用いて測定することができる。
【0015】
ある実施形態において、該組成物は、局所適用のためのものである。換言すれば、該組成物は、例えば、皮膚、頭皮、まつ毛、眉毛、爪および粘膜を含めた、皮膚および/またはケラチン物質への適用のためのものである。
ある実施形態において、該使用および/または方法は、化粧用途、および/または方法であり、粒状物質を含む組成物は化粧品組成物である。
ある実施形態において、該使用または方法は、各々、治療的使用または治療方法であって、粒状物質を含む組成物は、治療的使用/方法に適した、および/またはそれが意図された医薬組成物である。本発明の文脈における用語「医薬組成物」は、(治療上有効量の)粒状鉱物および1種または複数の医薬上許容される担体および/または賦形剤および/または希釈剤を含む組成物を意味する。
ある実施形態において、該組成物は、健康な皮膚への適用に適した、および/またはそれが意図されている。ある実施形態において、該組成物は、乾燥したまたは損傷した皮膚への適用に適しているか、および/またはそれが意図されている。
ある実施形態において、皮膚および/またはケラチン物質の汚染からの保護は、例えば、1または複数の医学的状態を治療し、または予防することができる。例えば、皮膚および/またはケラチン物質の汚染からの保護は、アトピー性皮膚炎、狼瘡、ざ瘡、乾癬、酒さ、湿疹、蕁麻疹および皮膚がんなどの1または複数の皮膚状態を治療し、または予防することができる。
【0016】
本明細書中で用いられる表現「治療するまたは予防する」および類似の用語とは、広く行われている医学的プラクティスに従って利用できる試験のいずれかに従って判断して、予防的および治癒的介護を含めた、障害を除去し、もしくは回避し、またはその兆候を軽減することが意図された全ての適用をいう。特定の結果を達成するために合理的な予測により狙うが、常にはそのように行わない介入は、表現「治療するまたは予防する」に含まれる。障害の進行を遅延させ、または停止させることに成功する介入は、表現「治療するまたは予防する」に含まれる。
【0017】
投与される組成物の量は、対象の要件に依存して変化させることができる。治療的および非治療的適用の双方のためには、投与される組成物の量は、所望の結果、対象の要件および遭遇する汚染のレベルに依存して変化させることができる。
特定の状況のための適切な量/投与量の決定は、当該技術分野内のものである。例えば、治療的適用では、当該技術分野の医師または獣医は、必要とされる医薬組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。合計日量/投与量は、もし望まれるならば、当該日の間に、分割し、少しずつ投与することができる。
【0018】
一般に、本発明による組成物中の活性剤の適切な日用量は、所望の効果、例えば、治療効果を生じさせるのに、および/または汚染を吸収するのに、および/または皮膚中への汚染の侵入を予防するのに有効な最低の用量である量となろう。広い範囲の用量が、組成物の非毒性のために、用いることができると考えられる。当業者であれば、適切な用量または投与量は、典型的には、対象の間で変化し、汚染のタイプおよび/または組成物の投与の開始時の対象の健康状態の重症度などの因子に依存することを理解するであろう。例えば、該組成物は、当該日を通じて適切な間隔で別々に投与される2または3以上のサブ用量として投与することができ、単位投与形態にてそのように投与してもよい。
【0019】
ある実施形態において、対象はヒトである。他の実施形態において、対象は、非ヒト霊長類(例えば、類人猿、サルおよびキツネザル)などのヒト以外の哺乳動物、ネコまたはイヌなどの伴侶動物、イヌ、ウマおよびポニーなどの使役およびスポーツ用動物、ブタ、ヒツジ、ヤギ、シカ、雄牛および畜牛などの農場動物、およびげっ歯類(例えば、ウサギ、ラット、マウス、ハムスター、アレチネズミまたはモルモット)などの実験室動物である。
ある実施形態において、該組成物は、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、モイスチャライザー(例えば、ハンド、ボディおよび/もしくはフットモイスチャライザー)、アイクリーム、クレンザー(例えば、シャワーおよび/または浴場で用いられる液状石鹸などのフェイスもしくはボディクレンザー)、プライマー、リップスレイブ、メーキャップ製品(例えば、ファウンデーション、コンシーラー、CCクリーム、BBクリーム、フェイスもしくはボディパウダー(例えば、プレスドもしくはルースパウダー)、ブロンザー、ハイライター、ブラッシャー、アイシャドウ、マスカラ、リップスティック、ハイライター、アイライナー、眉毛アプリケーター)、ハンドサニタイザーおよびヘアスプレーのうちの1種または複数である。
ある実施形態において、該組成物は、例えば、エリキシル、シロップ、懸濁液、スプレー、エマルジョン、ローション、ゲル、クリームおよび溶液の形態である液状製剤である。例えば、ある実施形態において、該組成物は、ゲル、クリーム、ローションまたはエマルジョンの形態である。技術および処方は、一般には、Remington, The Science and Practice of Pharmacy, Mack Publishing Co., Easton, PA, 最新版に見出すことができる。
【0020】
該組成物または医薬組成物は、さらに、他の生物学的に活性な剤を含んでよい。例えば、該組成物または医薬組成物は、さらに、皮膚の老化、または皮膚のハリおよび/または弾力の喪失または落屑を阻害し、または低下させるのに適した生物学的に活性な剤、細胞呼吸を増加させるのに適した生物学的に活性な剤、皮脂分泌を低下させ、または予防するのに適した生物学的に活性な剤、および/または皮膚中のビタミンEを増大させるための生物学的に活性な剤を含むことができる。例えば、該組成物または医薬組成物は、さらに、アトピー性皮膚炎、狼瘡、ざ瘡、乾癬、酒さ、湿疹、蕁麻疹および皮膚がんなどの1もしくは複数の皮膚状態を治療し、および/または予防するのに適した1種もしくは複数の生物学的に活性な剤を含むことができる。例えば、該組成物または医薬組成物は、さらに、1種または複数のビタミン、ミネラル、皮膚補充剤、皮膚回復剤、皮膚柔軟化剤、皮膚無痛化剤および日焼け止め作用剤(sunscreen actives)を含んでよい。
該組成物は、さらに、例えば、投与の態様および剤形の性質に依存して、吸収剤、賦形剤、希釈剤、担体、補助剤、賦形剤、ビヒクル、保存剤、充填剤、水和剤、バインダー、着色剤、崩壊剤、湿潤剤、エモリエント、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香味剤、香料剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗酸化剤、洗浄剤、剥離剤、滑沢剤、テキスチャー増強剤、コーティング剤、カプセル化剤、フィルム形成剤、増粘剤および分散剤から選択される成分を含有することができる。さらなる成分のうちの1種または複数(例えば、全て)は、皮膚および/またはケラチン物質に適用された場合に、それらがいずれの有害な効果も有しない点で皮膚適合性であり得る。
【0021】
また、本明細書中において、皮膚および/またはケラチン物質への適用に適した、および/またはそれが意図された組成物を製造する方法が提供される。該組成物は、例えば、本明細書中に開示された態様または実施形態のいずれか1または複数に従うことができる。
該方法は、粒状鉱物を液状担体と組み合わせることを含む。ある実施形態において、粒状鉱物は、当業者に知られたいずれの技術によっても、混合および/またはブレンディングによって液状担体と組み合わせることができる。
汚染を吸収し、および/または汚染の皮膚中への侵入を低下させ、もしくは予防するのに適したいずれの粒状鉱物も本発明で用いることができる。
粒状鉱物は、例えば、任意の有効量(細胞呼吸の増加、落屑の低下もしくは予防、皮膚老化の低下もしくは予防、皮膚のハリおよび/もしくは弾力の喪失の低下もしくは予防、皮脂の分泌の低下もしくは予防、またはビタミンEの増大などの所望の目的を達成するのに十分な量)で用いることができる。粒状鉱物は、例えば、約0.5質量%から約60質量%の範囲の量にて、皮膚および/またはケラチン物質への適用のために組成物中に存在させることができる。例えば、粒状鉱物は、約1質量%から約55質量%、または約1質量%から約50質量%、または約2質量%から約45質量%、または約3質量%から約40質量%、または約4質量%から約35質量%、または約5質量%から約30質量%の範囲の量で、組成物に存在させることができる。
【0022】
ある実施形態において、鉱物はシリカベース鉱物またはシリケートベース鉱物である。シリカベース鉱物は、50質量%を超えるシリカ(SiO2)を含む鉱物である。シリケートベース鉱物は、50質量%を超える、シリケートイオン(例えば、オルトシリケートイオン(SiO4 4-)または他のシリケートイオン([SiO2+n2n-))を含む化合物を含む鉱物である。例えば、シリカベース鉱物は、60質量%を超える、または70質量%を超える、または80質量%を超える、または90質量%を超えるシリカを含む鉱物とすることができる。例えば、シリケートベース鉱物は、60質量%を超える、または70質量%を超える、または80質量%を超える、または90質量%を超える、シリケートイオンを含む化合物を含む鉱物とすることができる。
ある実施形態において、鉱物は天然由来(天然鉱物由来)である。ある実施形態において、鉱物は合成のものである。「天然由来」は、鉱物が天然に生じるか、または天然に生じる鉱物から作成される、のいずれかを意味する。天然に生じるか、または天然に生じる鉱物から作成されるいずれの鉱物も合成のものではない。鉱物が天然由来である場合、いくつかの鉱物不純物は粉砕物を不可避的に汚染するであろう。しかしながら、一般には、鉱物は、5質量%未満、好ましくは1質量%未満の他の鉱物不純物を含有するといってもよい。
【0023】
シリカベース鉱物は、天然由来シリカベース鉱物および合成シリカベース鉱物を共に含む。天然由来シリカベース鉱物は、例えば、遊離シリカ、天然ガラス、ケイソウ土またはそれらの混合物を含む。
遊離シリカは、例えば、石英、リンケイ石、クリストバライト、蛋白石、石英ガラス、コーサイト、スティショバイトおよび玉髄を含む。
(普通、火山ガラスという)天然ガラスは、ケイ酸質マグマまたは溶岩の迅速な冷却によって形成される。例えば、パーライト、浮石、軽石、シラス、黒曜石、および松脂岩を含めたいくつかのタイプの天然ガラスが知られている。加工に先立ち、パーライトは、色が灰色から緑色であって、それを小さな真珠様マスに破壊する豊富な球状クラックを伴い得る。浮石は、軽量ガラス状の有孔質岩石である。黒曜石は、色は灰色であって、ガラス状の光沢および特徴的な貝殻状破面を伴い得る。松脂岩は、ワックス状の樹脂光沢を有することができ、茶色、緑色、または灰色であり得る。パーライトおよび浮石などの火山ガラスは、塊状鉱床にて生じ、広い商業的用途が見出される。しばしば、「タフト」という火山灰は、連結形態である場合、ガラス状形態であり得る小さな粒子または断片を含む。
【0024】
本明細書中で用いる場合、用語天然ガラスは火山灰を含む。天然ガラスは流紋岩に対して化学的に同等であり得る。粗面岩、石英安山岩、安山岩、ラタイト、および玄武岩と化学的に同等な天然ガラスが知られているが、あまり普通ではないであろう。用語「黒曜石」、一般には、シリカが豊富な多数の天然ガラスに適用される。黒曜石ガラスは、それらのシリカ含有量に従って下位カテゴリに分類することができ、(典型的には、約73質量%のSiO2を含有する)流紋岩状黒曜石が最も普通である。
【0025】
パーライト、例えば、約72から約75%のSiO2、約12から約14%のAl23、約0.5から約0.2%のFe23、約3から約5%のNa2O、約4から約5%のK2O、約0.4から約1.5%のCaO(質量%)、および少量の他の金属元素を含有し得る水和天然ガラスである。パーライトは、化学的に結合した水の(約2から約5質量%などの)より高い含有量、ガラス状の真珠光沢の存在、および特徴的な同心円もしくは弓形タマネギ皮様(すなわち、真珠状)破面によって他の天然ガラスから区別できる。パーライトは、膨張させることもでき、または膨張させないこともできる。パーライト製品は、ミリングおよび熱膨張によって調製することができ、高い多孔性、低い嵩密度、および化学的不活性などの固有の物理的特性を保有し得る。粉砕された膨張パーライトについての平均粒子サイズは、5から200μmの範囲であり、細孔体積は2から10L/mgの範囲であり、メジアン細孔サイズは5から20μmである。
【0026】
浮石は、(例えば、約1mmまでのサイズを持つ細孔または小胞を有する)メソ多孔性構造によって特徴付けられる天然ガラスである。浮石の多孔性は、それに、極めて低い見掛けの密度を与え、多くの場合において、それを水の表面に浮かせる。最も商業的な浮石は、約60質量%から約70質量%のSiO2を含有する。浮石は、ミリングおよび分級によって加工することができ、生成物は、軽量骨材として、また、研磨剤、吸着材、および充填剤として用いることもできる。膨張させていない浮石および熱膨張させた浮石は、濾過成分として用いることもできる。
【0027】
ケイソウ土生成物は、珪藻植物のケイ酸質骨格(フラスチュール)の形態である、生物起源シリカ(すなわち、生きた生物によって生産され、またはもたらされたシリカ)が豊富な沈殿物として一般的には知られている、(「DE」または「珪藻岩」または「キーゼルグール」とも呼ばれる)ケイソウ土から得ることができる。珪藻植物は、一般には、生きた珪藻植物において、丸剤容器のようにかなりかみ合った2つのバルブを含む、多彩な複雑な構造の装飾的なケイ酸質骨格を保有する珪藻綱の、多様な微視的で、単細胞の黄金藻または藻様植物である。ケイソウ土は、水中珪藻植物の遺骸からのものであってよく、従って、ケイソウ土沈殿物は、現在または以前の水体いずれかの近くで見出すことができる。これらの沈殿物は、一般には、源:真水および塩水に基づいて2つのカテゴリに分けられる。真水のケイソウ土は、一般には、乾燥した湖床から採掘され、低い結晶性シリカ含有量および高い鉄含有量を有するとして特徴付けることができる。対照的に、塩水ケイソウ土は、一般には、外洋域から抽出され、高い結晶性シリカ含有量および低い鉄含有量を有するとして特徴付けることができる。
【0028】
ケイソウ土は、主として、珪藻植物として知られた水生単細胞藻のシリカ微化石から構成される。ケイソウ土は、典型的には、約60から95%のシリカ、1から12%のアルミナおよび0.5から8%の鉄酸化物の範囲の化学的組成を有する。それは、また、少量の、酸化カルシウム、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ナトリウムおよび酸化カリウムなどの他の化合物を含有し得る。ケイソウ土は、例えば、80から90%までのボイドを含有する高度に多孔性の構造を有し、広く種々の形状およびサイズの粒子からなる。1つの実施形態において、天然ケイソウ土は、他の物質と混合された約90%のSiO2を含む。もう1つの実施形態において、粗製ケイソウ土は、約90%のSiO2と、限定されるものではないが、Al、Fe、Ca、およびMg酸化物などの種々の金属酸化物とを含む。
【0029】
ケイソウ土出発物質は、現在当業者に知られている、または後に発見される種々の適切な形態のいずれを有することもできる。1つの実施形態において、少なくとも1種の天然ケイソウ土は未加工である(例えば、化学的および/または物理的修飾プロセスに付されていない)。理論に拘束されるつもりはないが、クレイおよび有機物などの天然ケイソウ土中の不純物は、いくつかの実施形態において、より高いカチオン交換容量を供し得る。ケイソウ土は、例えば、約5から約200μmの範囲の平均粒子サイズを有することができる。ケイソウ土は、例えば、1から80m2/gの範囲の表面積を有し得る。ケイソウ土は、例えば、2から10L/mgの範囲の細孔体積を有し得るが、メジアン細孔サイズは1から20μmである。
【0030】
鉱物がケイソウ土である場合、鉱物は低いクリストバライト含有量を有し得る。例えば、クリストバライト含有量は、約2質量%未満であり得る。例えば、クリストバライト含有量は、約1質量%未満であり得る。例えば、クリストバライト含有量は、約0.5質量%未満であり得る。例えば、クリストバライト含有量は、約0.1質量%未満であり得る。クリストバライト含有量は、ここに引用してその内容を援用する、WO 2010/042614に記載された具体的な方法を含めた、現在当業者に知られている、または後に発見されるいずれの適切な測定技術によって測定することもできる。
鉱物がケイソウ土である場合、鉱物は少なくとも1種の金属、例えば、少なくとも1種の可溶性金属を含むことができる。本明細書中で用いる場合、用語「可溶性金属」とは、少なくとも1種の液体に溶解することができるいずれの金属もいう。可溶性金属は当業者に知られており、限定されるものではないが、鉄、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、ニッケル、カドミウム、および水銀を含む。ケイソウ土を含むフィルター助剤を用いて少なくとも1種の液体を濾過する場合、少なくとも1種の金属はケイソウ土フィルター助剤から分離され、液体中に入ることができる。現在当業者に知られている、または後に発見されるものを含めた、ケイソウ土生成物中の少なくとも1種の可溶性金属のレベルを測定するためのいずれの適切なプロトコルまたは試験を用いることもできる。例えば、醸造産業は、ケイソウ土フィルター助剤のBSIを測定するための少なくとも1つのプロトコルを開発している。BSI、またはビール可溶性鉄とは、ビールなどの液体の存在下で分離するケイソウ土を含むフィルター助剤の、百万当たりの部の単位で測定することができる鉄含有量をいう。欧州醸造条約(EBC)の方法は、液状フタル酸水素カリウムをフィルター助剤と接触させ、次いで、鉄含有量について液体を分析する。より具体的には、EBC方法は、例えば、2時間の合計接触時間にて、所与の量のフィルター助剤物質と共に、抽出剤としてのフタル酸水素カリウム(KHP、KHC844)の10g/L溶液を用いる。次いで、抽出物を、フェロジン(FERROZINE)方法によって鉄濃度について分析する。ある実施形態において、ケイソウ土は、約30ppmと等しいまたはそれ未満の各可溶性金属または全可溶性金属を含む。例えば、ケイソウ土は、約25ppmと等しいまたはそれ未満の、または約20ppmと等しいまたはそれ未満の、または約20ppmと等しいまたはそれ未満の、または約15ppmと等しいまたはそれ未満の、または約10ppmと等しいまたはそれ未満の、または約5ppmと等しいまたはそれ未満の、または約2ppmと等しいまたはそれ未満の各可溶性金属または全可溶性金属を含むことができる。ある実施形態において、ケイソウ土は、独立して、約30ppmと等しいまたはそれ未満の、ヒ素、カドミウム、コバルト、クロム、水銀、ネオジム、ニッケル、鉛およびアンチモンの各々を含む。例えば、ケイソウ土は、独立して、約25ppmと等しいまたはそれ未満の、または約20ppmと等しいまたはそれ未満の、または約20ppmと等しいまたはそれ未満の、または約15ppmと等しいまたはそれ未満の、または約10ppmと等しいまたはそれ未満の、または約5ppmと等しいまたはそれ未満の、または約2ppmと等しいまたはそれ未満のこれらの金属の各々を含むことができる。
【0031】
鉱物がケイソウ土である場合、鉱物はフィルター助剤組成物で用いるのに適切な透過度を有することができる。透過度は、現在当業者に知られている、または後に発見されるいずれの適切な測定技術によって測定することもできる。透過度は、一般には、多孔床1cm高の透過度によって測定して、かつ1気圧の適用された圧力差下で1cm3/秒の流速にて1mPa・秒の粘度を有する流体を流動させる1cm2断面にて、ダルシー単位またはダルシーで測定される。透過度を測定するための原理は、ダルシー則(例えば、J. Bear, "The Equation of Motion of a Homogeneous Fluid: Derivations of Darcy's Law," in Dynamics of Fluids in Porous Media 161-177(第二版1988)参照)から多孔性媒体について、従前に導かれている。デバイスおよび方法のアレイは、透過度に相関し得て存在する。透過度を測定するのに有用な1つの例示的な方法において、特別に構築されたデバイスは、水中の濾過媒体の懸濁液からセプタム上にフィルターケーキを形成するように設計されており;特定の体積の水が、既知の断面積のフィルターケーキの測定された厚みを通って流動するのに必要な時間が測定される。かくして、実施形態において、本明細書中に記載された生成物は、少なくとも1.0Da、好ましくは少なくとも3.0Daの透過度を有することができる。
【0032】
合成シリカベース鉱物は、例えば、ヒュームドシリカ、シリカヒューム、沈降シリカおよびシリカゲルを含む。ある実施形態において、シリカベース鉱物は合成シリカではない。
シリケートベース鉱物は、天然由来シリケートベース鉱物および合成シリケートベース鉱物を共に含む。天然由来シリケートベース鉱物は、例えば、オルトシリケート(例えば、紅柱石、ムライト)、ソロシリケート、シクロシリケート(例えば、ベントナイト、トルマリン)、イノシリケート(例えば、鉄珪輝石(ferrolsilite)、珪灰色石)、フィロシリケート(例えば、クリストライト、ハロイサイト、カオリナイト、モンモリロナイト、バーミキュライト、タルクおよびパイロフィライトなどのクレイ、マイカ)およびテクトシリケート(例えば、長石)を含む。シリケートベース鉱物は、例えば、これらのシリケートのいずれかの1種または複数とすることができる。例えば、シリケートベース鉱物は、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムまたはそれらの組合せとすることができる。
【0033】
天然由来シリケートベース鉱物は、天然に生じる鉱物から作成される鉱物も含む。例えば、ケイ酸カルシウムは、酸化カルシウムを天然に生じるシリカもしくはシリケートベース鉱物と反応させることによって作成することができる。例えば、ケイ酸カルシウムは、酸化カルシウムをケイソウ土と反応させることによって作成することができる。酸化カルシウムをケイソウ土と反応させることによって作成されるケイ酸カルシウムは、例えば、珪藻植物タイプの鉱物構造を有し得る。ケイ酸カルシウムは、例えば、約5.5mL/gと等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約6.0mL/gと等しいまたはそれよりも大きい細孔体積を有し得る。
【0034】
1つの実施形態において、鉱物は、採鉱または抽出に続いて最小の加工を受ける。さらなる実施形態において、鉱物は、少なくとも1つの物理的修飾プロセスに付される。当業者であれば、現在知られているか、または後に発見され得る、使用に適した物理的修飾プロセスを容易に知るであろう;適切な物理的修飾プロセスは、限定されるものではないが、ミリング、乾燥、および空気分級を含む。なおもう1つの実施形態において、鉱物は、少なくとも1つの化学的修飾プロセスに付される。当業者であれば、現在知られており、または後に発見され得る、本発明で用いるのに適切な化学的修飾プロセスを容易に知るであろう;適切な化学的修飾プロセスは、限定されるものではないが、シラン処理およびか焼を含む。
1つの実施形態において、粒状鉱物は炭酸塩、例えば、(重質炭酸カルシウム(GCC)および沈降炭酸カルシウム(PCC)を含めた)炭酸カルシウムである。
【0035】
本発明は、天然由来シリカもしくはシリケートベース鉱物の点で議論されがちである。ある実施形態において、粒状鉱物は、タルク、パーライト、カオリン、ケイソウ土およびそれらの組合せの1種または複数から選択される。例えば、本発明は、天然ガラス(例えば、パーライト)、ケイソウ土または天然由来ケイ酸カルシウムの点で議論されがちである。例えば、ある実施形態において、鉱物はケイソウ土である。例えば、ある実施形態において、鉱物はパーライトである。ある実施形態において、パーライトは膨張させ分級された(例えば、軽く分級された)パーライトとすることができる。膨張され分級された(例えば、軽く分級された)パーライトは、例えば、約45から約75μm、例えば、約50から約70μmの範囲のd50を有することができる。ある実施形態において、パーライトは、膨張させ粉砕されたパーライトとすることができる。膨張され粉砕されたパーライトは、例えば、約20から約60μm、例えば、約30から約50μmの範囲のd50を有することができる。しかしながら、本発明は、そのような実施形態に限定されないと解釈されるべきである。
【0036】
本明細書中に開示された複合材料は、一定の粒子サイズを有する。粒子サイズは、現在当業者に知られている、または後に発見されるいずれの適切な測定技術によって測定することもできる。そうでないことが述べられているのでなければ、粒子サイズ、および粒子サイズ分布(「psd」)などの粒子サイズ特性は、0.12μmから704μmの範囲の粒子サイズにわたる粒子サイズ分布を決定することができる、Leeds and Northrup Microtrac X100 レーザー粒子サイズアナライザー(Leeds and Northrup, North Wales, Pennsylvania, USA)を用いて測定される。所与の粒子のサイズは、球相当径または「esd」としても知られた、懸濁液を通って沈積する同等直径の球の直径換算で表される。メジアン粒子サイズ、またはd50値は、粒子の50質量%がそのd50値未満のesdを有する値である。d10値は、粒子の10質量%がそのd10値未満のesdを有する値である。d90値は、粒子の90質量%がそのd90値未満のesdを有する値である。
【0037】
粒状鉱物は、例えば、約0.05から約50μmの範囲のd10を有することができる。例えば、鉱物は、約0.1から約45μm、例えば、約0.2から約40μm、例えば、約0.3から約35μm、例えば、約0.4から約30μm、例えば、約0.5から約25μm、例えば、約1から約20μm、例えば、約2から約15μm、例えば、約5から約10μmの範囲のd10を有することができる。
粒状鉱物は、例えば、約0.5から約100μmの範囲のd50を有することができる。例えば、鉱物は、約0.5から約98μm、例えば、約0.5から約95、例えば、約0.5から約90μm、例えば、約1から約85μm、例えば、約1から約80μm、例えば、約1から約75μm、例えば、約1から約70μmの範囲のd50を有することができる。例えば、鉱物は、約2から約65μm、例えば、約2から約60μm、例えば、約2から約55μmの範囲のd50を有することができる。例えば、鉱物は、約5から約50μm、例えば、約5から約45μm、例えば、約5から約40μm、または約5から約35μm、または約5から約30μm、または約5から約25μm、または約5から約20μm、または約5から約15μm、または約5から約10μmの範囲のd50を有することができる。
【0038】
粒状鉱物は、例えば、約1から約200μmの範囲のd90を有することができる。例えば、鉱物は、約2から約190μm、例えば、約2から約180μm、例えば、約3から約170μm、例えば、約3から約160μm、例えば、約4から約150μm、例えば、約5から約140μm、例えば、約6から約130μm、例えば、約6から約120μm、例えば、約7から約110μm、例えば、約7から約100μm、例えば、約8から約90μm、例えば、約8から約80μm、例えば、約9から約70μm、例えば、約9から約60μm、例えば、約10から約50μm、例えば、約10から約40μm、例えば、約15から約30μm、例えば、約20から約25μmの範囲のd90を有することができる。
粒状鉱物は、例えば、少なくとも約1のラメラリティ指標を有することができる。例えば、粒状鉱物は、少なくとも約1.5、または少なくとも約2、または少なくとも約2.5、または少なくとも約3のラメラリティ指標を有することができる。例えば、粒状鉱物は約1から約20、または約1から約15、または約1から約10、または約1から約5の範囲のラメラリティ指標を有することができる。
【0039】
本明細書中で用いる場合、用語「ラメラリティ指標」は、以下の比率:
【数1】

(式中、「d50レーザー」は、上記したレーザー粒子サイズアナライザーを用いて得られた平均粒子サイズ(d50)の値であって、「d50sedi」は、以下に記載するように、セディグラフ(標準ISO 13317-3)を用いて沈積によって得られたメジアン直径の値である)
によって定義される。この指標は、その最小寸法に対する粒子の最大寸法の平均比と相関することを示す、G. Baudet and J. P. Rona, Ind. Min. Mines et Carr. Les techn. June, July 1990, p p 55-61による論文を参照することができる。
【0040】
先に言及された沈積技術において、タルク粒状物質について本明細書中で言及された粒子サイズ特性は、「Micromeritics Sedigraph 5100単位」として本明細書中で言及され、ストークスの法則の適用に基づいた、Micromeritics Instruments Corporation, Norcross, Georgia, USA (www.micromeritics.com)によって供給されたSedigraph 5100マシーンを用いて、水性媒体中での十分に分散された状態における粒状物質の沈積によってよく知られた方法で測定されるものである。そのようなマシーンは、所与のe.s.d値未満の、「球相当径」(e.s.d)と当該技術分野で言われる、サイズを有する粒子の質量による累積パーセントの測定およびプロットを提供する。平均粒子サイズd50sediは、そのd50値未満の球相当径を有する粒子の50質量%がある粒子e.s.dのこのように決定された値である。d95sedi値は、粒子の95質量%がそのd95sedi値未満のesdを有する値である。粒子サイズ特性は、ISO 13317-3、またはそれと同等ないずれかの方法に従って決定することができる。
【0041】
粒状鉱物は、例えば、約0.1μmから約40μmの範囲のd50sedi(本明細書中に記載されたセディグラフによって測定されたd50)を有することができる。例えば、粒状鉱物は、約0.2μmから約35μm、または約0.3μmから約30μm、または約0.4μmから約25μm、または約0.5μmから約20μmの範囲のd50sediを有することができる。例えば、粒状鉱物は、約0.1μmから約15μm、または約0.2μmから約12μm、または約0.5μmから約10μm、または約0.5μmから約8μm、または約0.5μmから約5μmの範囲のd50sediを有することができる。
【0042】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約1μmから約50μm、例えば、約5μmから約40μm、例えば、約10μmから約30μm、例えば、約10μmから約25μmの範囲のd50を有するタルクである。
ある実施形態において、粒状鉱物は、約1μmから約20μm、例えば、約5μmから約15μm、例えば、約6μmから約14μm、例えば、約7μmから約13μm、例えば、約8μmから約12μm、例えば、約9μmから約11μmの範囲のd50を有するタルクである。
ある実施形態において、粒状鉱物は、少なくとも約5μm、または少なくとも約6μmのd50を有するタルクである。例えば、粒状鉱物は、少なくとも約7μm、または少なくとも約8μm、または少なくとも約9μm、または少なくとも約10μmのd50を有するタルクとすることができる。ある実施形態において、粒状鉱物は、約10μmから約50μm、例えば、約10μmから約40μm、例えば、約10μmから約35μm、例えば、約15μmから約35μm、例えば、約15μmから約30μm、または約20μmから約30μm、または約20μmから約25μm、または約15μmから約25μm、または約15μmから約20μmの範囲のd50を有するタルクである。
【0043】
ある実施形態において、粒状鉱物は、少なくとも約1のラメラリティ指標を有するタルクである。例えば、粒状鉱物は、少なくとも約1.5、または少なくとも約2、または少なくとも約2.5のラメラリティ指標を有するタルクとすることができる。例えば、粒状鉱物は、約1から約20、または約1から約15、または約1から約10、または約1から約5の範囲のラメラリティ指標を有するタルクとすることができる。
ある実施形態において、粒状鉱物は、少なくとも約1μmのd50sedi(本明細書中に記載されたセディグラフによって測定されたd50)を有するタルクである。例えば、粒状鉱物は、少なくとも約1.5μm、または少なくとも約2μm、または少なくとも約2.5μmのd50sediを有するタルクとすることができる。例えば、粒状鉱物は、約1μmから約20μm、または約1.5μmから約15μm、または約2μmから約12.5μm、または約2.5μmから約10μm、または約2.5μmから約7.5μm、または約2.5μmから約5μmの範囲のd50sediを有するタルクとすることができる。
【0044】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約0.05μmから約10μm、例えば、約0.5μmから約9μm、例えば、約1μmから約8μm、例えば、約2μmから約7μm、例えば、約3μmから約6μmの範囲のd10を有するタルクである。
ある実施形態において、粒状鉱物は、約30μmから約100μm、例えば、約30μmから約90μm、例えば、約40μmから約80μm、例えば、約50μmから約70μm、例えば、約55μmから約65μmの範囲のd90を有するタルクである。
【0045】
ある実施形態において、粒状鉱物は、タルク粒状物の合計質量に対して約20%未満のアルミニウム含有量を有するタルクである。アルミニウム含有量は、X線蛍光分光分析(XFS)によって決定できるように、Al23含有量として計算される。ある実施形態において、タルク粒状物は、約15質量%未満、または約10質量%未満、または約8.0質量%未満、または約6.0質量%未満、または5.0質量%未満、または約4.0質量%未満、または約3.0質量%未満、または約2.0質量%未満、または約1.5質量%未満、または約1.0質量%未満、または約0.75質量%未満のアルミニウム含有量を有する。ある実施形態において、タルク粒状物は、少なくとも約0.10質量%、例えば、少なくとも約0.20質量%、または少なくとも約0.40質量%のアルミニウム含有量を有する。
【0046】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約1μmから約40μm、例えば、約2μmから約35μm、例えば、約5μmから約30μm、例えば、約10μmから約25μm、例えば、約15μmから約20μmの範囲のd50を有するパーライトである。パーライトは、例えば、粉砕されたパーライトとすることができる。
ある実施形態において、粒状鉱物は、約0.5μmから約10μm、または約0.5μmから約9μm、または約0.5μmから約8μm、または約0.75μmから約7μm、または約0.75μmから約6μm、または約1μmから約5μmの範囲のd50を有するカオリンである。
ある実施形態において、粒状鉱物は、約1μmから約30μm、例えば、約2μmから約25μm、例えば、約5μmから約20μm、例えば、約10μmから約15μmの範囲のd50を有するケイソウ土である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約1μmから約20μm、または約2μmから約15μmの範囲のd50を有するケイソウ土である。
ある実施形態において、鉱物は、油および/または皮脂および/または水などの物質を吸収することが可能である。ある実施形態において、鉱物は、油または皮脂または水を含む懸濁液または溶液中にある物質を吸収することが可能である。
【0047】
ある実施形態において、鉱物は、約10mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約20mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい油吸収容量を有する。ある実施形態において、鉱物は、約40mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい油吸収容量を有する。例えば、鉱物は、約50mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約60mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約70mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約80mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約90mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約100mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約110mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約120mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約130mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約140mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約150mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約160mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約170mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約180mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約190mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約200mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約210mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい油吸収容量を有することができる。
【0048】
ある実施形態において、鉱物は、約40mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい水吸収容量を有する。例えば、鉱物は、約50mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約60mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約70mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約80mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約90mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約100mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約110mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約120mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約130mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約140mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約150mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約160mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約170mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約180mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約190mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約200mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約210mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約220mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約230mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約240mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約250mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約260mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい水吸収容量を有することができる。
【0049】
ある実施形態において、鉱物は、約20mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約30mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい皮脂吸収容量を有する。ある実施形態において、鉱物は、約40mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい皮脂吸収容量を有する。例えば、鉱物は、約50mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約60mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約70mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約80mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約90mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約100mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約110mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約120mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約130mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約140mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約150mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約160mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約170mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約180mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約190mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約200mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約210mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約220mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい皮脂吸収容量を有することができる。
【0050】
ある実施形態において、鉱物は、約10から約800mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有することができる。ある実施形態において、鉱物は、約40から約800mL/100g鉱物、例えば、約60から約750mL/100g鉱物、例えば、約80から約700mL/100g鉱物、例えば、約100から約650mL/100g鉱物、例えば、約120から約600mL/100g鉱物、例えば、約140から約550mL/100g鉱物、例えば、約160から約500mL/100g鉱物、例えば、約180から約450mL/100g鉱物、例えば、約200から約400mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有することができる。
【0051】
ある実施形態において、鉱物は、約40から約800mL/100g鉱物、例えば、約60から約750mL/100g鉱物、例えば、約80から約700mL/100g鉱物、例えば、約100から約650mL/100g鉱物、例えば、約120から約600mL/100g鉱物、例えば、約140から約550mL/100g鉱物、例えば、約160から約500mL/100g鉱物、例えば、約180から約450mL/100g鉱物、例えば、約200から約400mL/100g鉱物の範囲の水吸収容量を有することができる。
ある実施形態において、鉱物は、約20から約800mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有することができる。ある実施形態において、鉱物は、約40から約800mL/100g鉱物、例えば、約60から約750mL/100g鉱物、例えば、約80から約700mL/100g鉱物、例えば、約100から約650mL/100g鉱物、例えば、約120から約600mL/100g鉱物、例えば、約140から約550mL/100g鉱物、例えば、約160から約500mL/100g鉱物、例えば、約180から約450mL/100g鉱物、例えば、約200から約400mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有することができる。
【0052】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約50mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい油吸収容量を有するタルクである。ある実施形態において、粒状鉱物は、約10mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物、例えば、約20mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するタルクである。ある実施形態において、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するタルクである。例えば、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約90mL/100g鉱物、例えば、約45mL/100g鉱物から約80mL/100g鉱物、例えば、約50mL/100g鉱物から約70mL/100g鉱物、例えば、約55mL/100g鉱物から約60mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するタルクとすることができる。
ある実施形態において、粒状鉱物は、約60mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい皮脂吸収容量を有するタルクである。ある実施形態において、粒状鉱物は、約20mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するタルクである。ある実施形態において、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するタルクである。例えば、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約90mL/100g鉱物、例えば、約45mL/100g鉱物から約80mL/100g鉱物、例えば、約50mL/100g鉱物から約70mL/100g鉱物、例えば、約55mL/100g鉱物から約60mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するタルクとすることができる。
【0053】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の水吸収容量を有するタルクである。例えば、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約90mL/100g鉱物、例えば、約45mL/100g鉱物から約80mL/100g鉱物、例えば、約50mL/100g鉱物から約70mL/100g鉱物、例えば、約55mL/100g鉱物から約60mL/100g鉱物の範囲の水吸収容量を有するタルクとすることができる。
ある実施形態において、粒状鉱物は、約120mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい油吸収容量を有するパーライトである。ある実施形態において、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物、例えば、約50mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するパーライトである。ある実施形態において、粒状鉱物は、約100mL/100g鉱物から約200mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するパーライトである。例えば、粒状鉱物は、約110mL/100g鉱物から約190mL/100g鉱物、例えば、約120mL/100g鉱物から約180mL/100g鉱物、例えば、約130mL/100g鉱物から約170mL/100g鉱物、例えば、約140mL/100g鉱物から約160mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するパーライトとすることができる。
【0054】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約140mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい皮脂吸収容量を有するパーライトである。ある実施形態において、粒状鉱物は、約50mL/100g鉱物から約400mL/100g鉱物、例えば、約60mL/100g鉱物から約350mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するパーライトである。ある実施形態において、粒状鉱物は、約100mL/100g鉱物から約200mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するパーライトである。例えば、粒状鉱物は、約110mL/100g鉱物から約190mL/100g鉱物、例えば、約120mL/100g鉱物から約180mL/100g鉱物、例えば、約130mL/100g鉱物から約170mL/100g鉱物、例えば、約140mL/100g鉱物から約160mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するパーライトとすることができる。
【0055】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約150mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物の範囲の水吸収容量を有するパーライトである。例えば、パーライト鉱物は、約180mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物、例えば、約200mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物、例えば、約210mL/100g鉱物から約290mL/100g鉱物、例えば、約220mL/100g鉱物から約280mL/100g鉱物、例えば、約230mL/100g鉱物から約270mL/100g鉱物、例えば、約240mL/100g鉱物から約260mL/100g鉱物の範囲の水吸収容量を有するパーライトとすることができる。
【0056】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約50mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい油吸収容量を有するカオリンである。ある実施形態において、粒状鉱物は、約20mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物、例えば、約30mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するカオリンである。ある実施形態において、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するカオリンである。例えば、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約90mL/100g鉱物、例えば、約45mL/100g鉱物から約80mL/100g鉱物、例えば、約50mL/100g鉱物から約70mL/100g鉱物、例えば、約50mL/100g鉱物から約60mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するカオリンとすることができる。
ある実施形態において、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の水吸収容量を有するカオリンである。例えば、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約90mL/100g鉱物、例えば、約45mL/100g鉱物から約80mL/100g鉱物、例えば、約45mL/100g鉱物から約70mL/100g鉱物、例えば、約50mL/100g鉱物から約60mL/100g鉱物の範囲の水吸収容量を有するカオリンとすることができる。
【0057】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約60mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい皮脂吸収容量を有するカオリンである。ある実施形態において、粒状鉱物は、約30mL/100g鉱物から約120mL/100g鉱物、例えば、約40mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するカオリンである。ある実施形態において、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約150mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するカオリンである。例えば、粒状鉱物は、約45mL/100g鉱物から約120mL/100g鉱物、例えば、約50mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物、例えば、約60mL/100g鉱物から約90mL/100g鉱物、例えば、約70mL/100g鉱物から約80mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するカオリンとすることができる。
【0058】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約100mL/100gと等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約120mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい油吸収容量を有するケイソウ土である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物、例えば、約40mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するケイソウ土である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約70mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するケイソウ土である。例えば、粒状鉱物は、約75mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するケイソウ土とすることができる。例えば、粒状鉱物は、約150mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物、例えば、約150mL/100g鉱物から約250mL/100g鉱物、例えば、約160mL/100g鉱物から約240mL/100g鉱物、例えば、約170mL/100g鉱物から約230mL/100g鉱物、例えば、約180mL/100g鉱物から約220mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するケイソウ土とすることができる。
【0059】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約140mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい皮脂吸収容量を有するケイソウ土である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約50mL/100g鉱物から約320mL/100g鉱物、例えば、約60mL/100g鉱物から約310mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するケイソウ土である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約70mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するケイソウ土である。例えば、粒状鉱物は、約75mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するケイソウ土とすることができる。例えば、粒状鉱物は、約150mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物、例えば、約150mL/100g鉱物から約250mL/100g鉱物、例えば、約160mL/100g鉱物から約240mL/100g鉱物、例えば、約170mL/100g鉱物から約230mL/100g鉱物、例えば、約180mL/100g鉱物から約220mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するケイソウ土とすることができる。
【0060】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約70mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物の範囲の水吸収容量を有するケイソウ土である。例えば、粒状鉱物は、約75mL/100g鉱物から約120mL/100g鉱物、例えば、約80mL/100g鉱物から約110mL/100g鉱物の範囲の水吸収容量を有するケイソウ土とすることができる。例えば、粒状鉱物は、約150mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物、例えば、約200mL/100g鉱物から約300mL/100g鉱物、例えば、約210mL/100g鉱物から約290mL/100g鉱物、例えば、約220mL/100g鉱物から約280mL/100g鉱物、例えば、約230mL/100g鉱物から約280mL/100g鉱物、例えば、約240mL/100g鉱物から約280mL/100g鉱物、例えば、約250mL/100g鉱物から約280mL/100g鉱物の範囲の水吸収容量を有するケイソウ土とすることができる。
【0061】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約80mL/100gと等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約100mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい油吸収容量を有する炭酸カルシウム(例えば、PCC)である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約30mL/100g鉱物から約150mL/100g鉱物、例えば、約40mL/100g鉱物から約130mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有する炭酸カルシウム(例えば、PCC)である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約50mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有する炭酸カルシウム(例えば、PCC)である。例えば、粒状鉱物は、約75mL/100g鉱物から約100mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有する炭酸カルシウム(例えば、PCC)とすることができる。
【0062】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約90mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい皮脂吸収容量を有する炭酸カルシウム(例えば、PCC)である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約40mL/100g鉱物から約150mL/100g鉱物、例えば、約50mL/100g鉱物から約140mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有する炭酸カルシウム(例えば、PCC)である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約60mL/100g鉱物から約130mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有する炭酸カルシウム(例えば、PCC)である。例えば、粒状鉱物は、約70mL/100g鉱物から約120mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有する炭酸カルシウム(例えば、PCC)とすることができる。例えば、粒状鉱物は、約80mL/100g鉱物から約110mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有する炭酸カルシウム(例えば、PCC)とすることができる。
【0063】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約280mL/100gと等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約300mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい油吸収容量を有するケイ酸カルシウム(例えば、合成ケイ酸カルシウム)である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約200mL/100g鉱物から約500mL/100g鉱物、例えば、約250mL/100g鉱物から約450mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するケイ酸カルシウム(例えば、合成ケイ酸カルシウム)である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約300mL/100g鉱物から約400mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するケイ酸カルシウム(例えば、合成ケイ酸カルシウム)である。例えば、粒状鉱物は、約250mL/100g鉱物から約350mL/100g鉱物の範囲の油吸収容量を有するケイ酸カルシウム(例えば、合成ケイ酸カルシウム)とすることができる。
【0064】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約280mL/100gと等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約300mL/100g鉱物と等しいまたはそれよりも大きい皮脂吸収容量を有するケイ酸カルシウム(例えば、合成ケイ酸カルシウム)である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約200mL/100g鉱物から約500mL/100g鉱物、例えば、約250mL/100g鉱物から約450mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するケイ酸カルシウム(例えば、合成ケイ酸カルシウム)である。ある実施形態において、粒状鉱物は、約300mL/100g鉱物から約400mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するケイ酸カルシウム(例えば、合成ケイ酸カルシウム)である。例えば、粒状鉱物は、約250mL/100g鉱物から約350mL/100g鉱物の範囲の皮脂吸収容量を有するケイ酸カルシウム(例えば、合成ケイ酸カルシウム)とすることができる。
【0065】
皮脂吸収容量、油吸収容量および水吸収容量は、容器中へ鉱物の試料(例えば、100から300mLのセラミックまたはガラス皿中へ1から10グラム)を秤量し、皮脂、油または水いずれかを鉱物に滴下添加する(例えば、1秒当たり約1滴)ことによって決定される。試料は、各滴が鉱物試料の乾燥部分に落下するように、液体の添加の間に撹拌する。試料粒子が水で湿潤状態になると、それらは合体し、ペーストの小さな塊を形成する。これらの塊は、最小の撹拌を用い、かつ混合中に圧力を用いないように注意を払って、塊全体に分布するよう保たれるべきである。液体の吸収が進むにつれ、ペーストの塊は、撹拌されると、ボールを形成するより大きい塊を形成する。この時点に到達すると、添加する液体の速度および量を減少させて、最終点を過ぎないことを確認する。この時点で液体を添加する場合、それは乾燥した試料ではなくボールに当たるべきである。これらのボールをかき混ぜて、水の表面を残りの乾燥した試料と接触させる。乾燥した試料が湿潤し、それを拾い上げると、ペースト塊は、カセロール側面および底部に塗抹される傾向がある。これは終点である。用いた水および100gの鉱物試料当たり液体(皮脂/油/水)のmLの合計量を計算する。油は、例えば、亜麻仁油とすることができる。皮脂は、例えば、人工皮脂、例えば、Gerhardt L., Fabrication, Characterisation and Tribological Investigation of Artificial Skin Surface Lipid Films. Tribol let. 2009, 34, 81-93に記載された人工皮脂とすることができる。
【0066】
試料の油吸収は、ASTM-D1483-95に従って、質量ベースで決定することができる。質量パーセントで表した油吸収は、以下のように計算することができる:
【数2】
【0067】
ある実施形態において、粒状鉱物は、それが、皮膚および/またはケラチン物質への適用に適した、および/またはそれが意図された組成物に配合される前は、自由流動顆粒物の形態である。「自由流動」は、鉱物が自由に移動することができる、例えば、鉱物が連続流で移動することができる(例えば、「注がれる」)ことを意味する。「顆粒物」は、鉱物が粒子または粒(1を超えるより小さな粒子から形成された粒子)の形態であることを意味する。
【0068】
鉱物が「自由流動顆粒物」の形態であるか否かは、そのベースフローエネルギー(base flow energy)(BFE)によって決定することができる。例えば、鉱物は、それが、約1200mJと等しいまたはそれ未満のBFEを有した場合、「自由流動顆粒物」であると考えることができる。例えば、鉱物は、それが、約1100mJと等しいまたはそれ未満の、例えば、約1000mJと等しいまたはそれ未満の、例えば、約800mJと等しいまたはそれ未満の、例えば、約700mJと等しいまたはそれ未満の、例えば、約600mJと等しいまたはそれ未満のBFEを有した場合、「自由流動性」であると考えることができる。
【0069】
ある実施形態において、鉱物は、比較的高い油および/または水含有量においても自由流動顆粒物の形態である。例えば、鉱物は、少なくとも約140g/100g鉱物の液体(例えば、有機酸および/または油および/または水)含有量において自由流動顆粒物の形態であり得る。例えば、鉱物は、少なくとも約150g/100g鉱物、例えば、少なくとも約160g/100g鉱物、例えば、少なくとも約170g/100g鉱物、例えば、少なくとも約180g/100g鉱物、例えば、少なくとも約190g/100g鉱物、例えば、少なくとも約200g/100g鉱物、例えば、少なくとも約210g/100g鉱物、例えば、少なくとも約220g/100g鉱物、例えば、少なくとも約230g/100g鉱物、例えば、少なくとも約240g/100g鉱物、例えば、少なくとも約250g/100g鉱物、例えば、少なくとも約260g/100g鉱物、例えば、少なくとも約270g/100g鉱物、例えば、少なくとも約280g/100g鉱物、例えば、少なくとも約290g/100g鉱物、例えば、少なくとも約300g/100g鉱物の液体含有量において自由流動顆粒物の形態であり得る。例えば、鉱物は、約140から約600g/100g鉱物、例えば、約150から約550g/100g鉱物、例えば、約160から約500g/100g鉱物の範囲の液体含有量において自由流動顆粒物の形態であり得る。
【0070】
ある実施形態において、鉱物が200g/100g鉱物の液体含有量を有する場合、鉱物は、約1200mJと等しいまたはそれ未満のベースフローエネルギー(BFE)を有する。例えば、鉱物が、200g/100g鉱物の液体含有量を有する場合、約1100mJと等しいまたはそれ未満の、例えば、鉱物が200g/100g鉱物の液体含有量を有する場合、約1000mJと等しいまたはそれ未満の、例えば、鉱物が200g/100g鉱物の液体含有量を有する場合、約900mJと等しいまたはそれ未満の、例えば、鉱物が200g/100g鉱物の液体含有量を有する場合、約800mJと等しいまたはそれ未満のBFEを有し得る。例えば、鉱物が200g/100g鉱物の液体含有量を有する場合、約200から約1200mJの、例えば、鉱物が200g/100g鉱物の液体含有量を有する場合、約300から約1100mJの、例えば、鉱物が200g/100g鉱物の液体含有量を有する場合、約400から約1000mJの、例えば、鉱物が200g/100g鉱物の液体含有量を有する場合、約400から約800mJの範囲のBFEを有し得る。
【0071】
ある実施形態において、鉱物が150g/100g鉱物の水含有量を有する場合、約1200mJと等しいまたはそれ未満のベースフローエネルギー(BFE)を有する。例えば、鉱物が150g/100g鉱物の水含有量を有する場合、約1100mJと等しいまたはそれ未満の、例えば、鉱物が150g/100g鉱物の水含有量を有する場合、約1000mJと等しいまたはそれ未満の、例えば、鉱物が150g/100g鉱物の水含有量を有する場合、約900mJと等しいまたはそれ未満の、例えば、鉱物が150g/100g鉱物の水含有量を有する場合、約800mJと等しいまたはそれ未満のBFEを有し得る。例えば、鉱物が150g/100g鉱物の水含有量を有する場合、約200から約1200mJの、例えば、鉱物が150g/100g鉱物の水含有量を有する場合、約300から約1100mJの、例えば、鉱物が150g/100g鉱物の水含有量を有する場合、約400から約1000mJの、例えば、鉱物が150g/100g鉱物の水含有量を有する場合、約400から約800mJの範囲のBFEを有し得る。
【0072】
ベースフローエネルギーは、フリーマン・パウダー・レオメーター(Freeman Powder Rheometer)モデルFT3を用いて測定される。FT3レオメーターは、ブレードを螺旋通路に沿って粉末試料を通じて下方に駆動させる。ブレードが粉末を通って強制的に下方に移動するにつれて、それにかけられた力が測定される。行われた測定の基礎を形成するのはこのデータである。ブレードが試料を通って取る螺旋通路は、回転および軸方向速度の組合せによって決定される。粉末塊内の各粒子は、移動させられるまで休止の状態にあり、ブレードがそこを移動するにつれて再度休止となる。粉末変位量のパターンは、実質的に定常状態であり、流れを観察するのを可能とし、一般には、結果として、測定された力のスムーズな直線状または対数プロファイルが得られる。これらの力は、連続したプロセスである、ブレードのすぐ回りのゾーン中の粉末の剪断および粒子間結合の破壊を開始させるのに必要なものである。
【0073】
ベースフローエネルギーは、所与の流動パターンおよび流動速度において、一定体積の空気調節された粉末を変位させるのに必要なエネルギーである。試料は、試料容器中への160mlの粉末を測定し、質量を記録することによって調製される。次いで、コンディショニングサイクルを試料に対して行い、体積を再度チェックし、試験を行う前に必要である場合、160mlに調整する。BFE試験は、5℃の負の上向き螺旋通路において100mm/秒のブレード先端速度での標準コンディショニングサイクル、続いての、100mm/秒に設定された下向き横方向先端速度および10°の負の螺旋での試験サイクルからなる。
顆粒状物質の充填体の比細孔体積は、例えば、少なくとも約3cc/g、または少なくとも約4cc/g、または少なくとも約5cc/gとすることができる。典型的には、本発明の生成物は、0.1μmよりも小さいか、または100μmよりも大きい細孔において、細孔体積を、あったとしてもほとんど有しない。細孔体積の大部分、例えば、細孔体積の少なくとも70%は、1μmよりも大きい、および100μmよりも小さな細孔中のものであり得る。細孔体積の少なくとも40%は、10μmよりも大きくて100μmよりも小さな細孔中のものであり得る。細孔体積は、CE Instrumentsの型式[Pascal 240]の水銀多孔度計を用いて水銀多孔度測定によって測定することができる。該方法は、引き続いて水銀で満たされる、膨張計に設置された試料の排気を含む。圧力を充填された膨張計に印加し、水銀は、まず、顆粒と粒子の中空ボイドとの間の粒子内細孔に、次いで、試験下にある試料内の顆粒の細孔に侵入する。侵入した水銀の体積は、精密容量電極によって決定され、細孔直径は、ウォッシュバーン(Washburn)方程式に従って、印加圧力から計算される。多孔度測定についての接触角は140°であり、圧力は、典型的には、0.012MPaから200MPaであった。顆粒状物質の充填体の平均細孔直径は、5~15μmのオーダー、例えば、約10μmとすることができる。典型的には、(粒子内細孔および顆粒で形成された中空ボイドを排除した)顆粒の平均細孔直径は、1~3μmのオーダー、例えば、約2μmである。鉱物は、例えば、特に、鉱物がケイソウ土である場合に記載された細孔体積を有し得る。
【0074】
ある実施形態において、粒状鉱物は、約1m2/gと等しいまたはそれよりも大きい表面積を有する。例えば、鉱物は、約2m2/gと等しいまたはそれよりも大きい、または約5m2/gと等しいまたはそれよりも大きい、または約10m2/gと等しいまたはそれよりも大きい、または約20m2/gと等しいまたはそれよりも大きい、または約30m2/gと等しいまたはそれよりも大きい、または約40m2/gと等しいまたはそれよりも大きい、または約50m2/gと等しいまたはそれよりも大きい、または約60m2/gと等しいまたはそれよりも大きい、または約70m2/gと等しいまたはそれよりも大きい表面積を有することができる。例えば、鉱物は、約1m2/gから約100m2/g、または約2m2/gから約90m2/g、または約5m2/gから約80m2/gの範囲の表面積を有することができる。
【0075】
試料の表面積は、表面を完全に被覆する単分子層を形成するような前記粒子の前記表面に吸着された窒素の量によって、BET法に従って決定することができる(BET法、AFNOR標準X11-621および622またはISO 9277に従った測定)。ある実施形態において、比表面は、ISO 9277、またはそれと同等な任意の方法に従って決定される。
ある実施形態において、粒状鉱物は、約80と等しいまたはそれよりも大きいL白色度値を有する。例えば、粒状鉱物は、約82と等しいまたはそれよりも大きい、または約84と等しいまたはそれよりも大きい、または約85と等しいまたはそれよりも大きい、または約86と等しいまたはそれよりも大きい、または約88と等しいまたはそれよりも大きい、または約90と等しいまたはそれよりも大きい、または約92と等しいまたはそれよりも大きい、または約94と等しいまたはそれよりも大きいL白色度値を有することができる。例えば、粒状鉱物は、約80から約100、または約82から約98、または約84から約96、または約85から約95の範囲のL白色度値を有することができる。
【0076】
L、aおよびbは、後の例に記載されたように、Spectro/plus分光光度計(Colour and Appearance Technology, Inc., Princeton, New Jersey)に収集されたHunterスケールを用いて決定することができる。
ある実施形態において、粒状鉱物は、噴霧乾燥することができる(すなわち、噴霧乾燥プロセスの生成物)。噴霧乾燥された鉱物生成物は、例えば、ミリング、乾燥、空気分級、シラン処理およびか焼などの1または複数の物理的もしくは化学的修飾プロセスによって処理することができる。
噴霧乾燥された鉱物は、例えば、実質的に球状の顆粒を含むことができる。例えば、約50質量%を超える噴霧乾燥された鉱物、例えば、約60質量%を超える、例えば、約70質量%を超える、例えば、約80質量%を超える、例えば、約90%を超える噴霧乾燥された鉱物は、実質的に球状の顆粒を含むことができる。例えば、各実質的に球状の顆粒は、中空コアによって囲まれた鉱物シェルを有することができる。生成物は、例えば、上記した物理的もしくは化学的修飾プロセスのいずれかの後に、例えば、か焼の後に、実質的に同一の形態を有し得る。
【0077】
噴霧乾燥された鉱物は、例えば、さらに、例えば、噴霧乾燥されて、噴霧乾燥された顆粒の形成を促進する懸濁液に含まれ得るバインダーを含むことができる。生成物に伴って残存する、または生成物中に残存するバインダーを、「永久バインダー」ということができる。永久バインダーの例は、架橋されたアルジネート、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂およびスチレン-ブタジエンポリマーである。バインダーは、例えば、約10質量%と等しいまたはそれ未満の、例えば、約8質量%と等しいまたはそれ未満の、例えば、約6質量%と等しいまたはそれ未満の、例えば、約5質量%と等しいまたはそれ未満の、例えば、約4質量%と等しいまたはそれ未満の、例えば、約3質量%と等しいまたはそれ未満の、例えば、約2質量%と等しいまたはそれ未満の、例えば、約1質量%と等しいまたはそれ未満の量にて、噴霧乾燥された鉱物に存在させることができる。
【0078】
噴霧乾燥プロセスは、均一な、または実質的に均一な噴霧乾燥された顆粒を生じさせることができ、その場合、顆粒物の直径は上記範囲となろう。d90/d10比によって特徴付けられる、粒子サイズ分布曲線の峻度は、典型的には、少なくとも5、好ましくは少なくとも8である。いくつかの実施形態において、噴霧乾燥された顆粒物は、本質的に単分散とすることができる。ある実施形態において、鉱物を噴霧乾燥することは、鉱物の油および/または水吸収特性を改良することができる。
噴霧乾燥は、高温ガスを用いて迅速に乾燥することによって、液体またはスラリーから乾燥粉末を生じさせる方法である。本明細書中に記載された方法は、鉱物の粒子を含む懸濁液が噴霧乾燥される工程を含むことができる。鉱物顆粒物は回収される。回収された顆粒物は熱処理(本明細書中においては、「か焼」ともいう)することができる。
【0079】
例えば、本明細書中に記載された方法は、鉱物(例えば、本明細書中に記載された鉱物)の粒子、液状媒体およびバインダーを含む懸濁液を噴霧乾燥し、噴霧乾燥された鉱物顆粒物を回収することを含むことができる。鉱物出発物質および/または噴霧乾燥された鉱物顆粒物は、本明細書中に記載された特徴のいずれか1または複数を有することができる。例えば、噴霧乾燥された鉱物顆粒物は、噴霧乾燥工程前の鉱物の皮脂および/または油および/または水吸収容量と比較して、増大した皮脂および/または油および/または水吸収容量を有することができる。
【0080】
噴霧乾燥されるべき懸濁液は、典型的には、液状媒体および固形分を含む水性懸濁液である。液状媒体は、典型的には、水である。
懸濁液は、さらに、バインダーを含むことができる。バインダーは、無機質または有機質であってよく、例えば、ラテックスタイプのバインダーとして、固体成分を含むことができる。バインダーを懸濁液に含めて、噴霧乾燥された顆粒の形成を促進することができる。
実施形態において、バインダーは仮バインダー(temporary binder)とすることができる。「仮バインダー」とは、生成物に残存することが意図されていないが、鉱物の粒子を一緒に結合し、最初の形成後に噴霧乾燥体を支持するように働くバインダーを意味し、これは、次いで、熱処理などの、構造的剛性を噴霧乾燥体に付与することが意図された工程を含めた、1または複数のさらなる処理工程に付すことができる。そのような仮バインダーは、かくして、熱的に一過性であり、すなわち、バインダー物質を蒸発させ、または燃やすことができる十分な熱の印加に際して、噴霧乾燥体から除去される。適切な仮バインダーの例は、澱粉、炭水化物、糖、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ラテックス、ゼラチン、ワックス、セルロース、デキストリン、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、塩素化炭化水素、ガム、小麦粉、カゼイン、アルジネート、タンパク質、ビチューメン、アクリル、エポキシ樹脂、および尿素である。本発明の実施形態において、仮バインダーは、ポリビニルアルコールバインダーまたはラテックスバインダーとすることができる。懸濁液中の仮バインダーの量は、固形物ベースで、10質量%まで、例えば、2~10質量%の範囲とすることができる。バインダーが仮バインダーである場合、噴霧乾燥された顆粒物は、構造的剛性を噴霧乾燥体に付与するための工程である、熱処理、またはか焼に付すことができる。熱処理工程において、仮バインダーは噴霧乾燥体から除去され、または実質的に除去される。
【0081】
もう1つの実施形態において、バインダーは永久バインダーとすることができる。「永久バインダー」とは、生成物中に残存し、高温か焼工程の必要性なくして噴霧乾燥体に対して構造的強度を供することが意図されたバインダーを意味する。永久バインダーの例は、架橋されたアルジネート、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂およびスチレン-ブタジエンポリマーである。用いるべき具体的永久バインダーを選択して、バインダーが、濾過されるべき液体に有意に可溶性であることなく、骨材に構造的支持を供することを確実とすることができる。例えば、水に不溶性であるバインダーは、ビール濾過で用いられるフィルター媒体で用いるのに適しているであろう。
【0082】
永久バインダーは、例えば、架橋性とすることもできる。そのような架橋性バインダーを用いる場合、噴霧乾燥体が形成されて、架橋を行う後に、さらなる化学的または低温熱処理(例えば、200℃未満)が必要であり得る。適切な架橋性バインダーの例は、Wacker ChemieからのVinnapas AN214などの、酢酸ビニルおよびアクリル酸エステルのコポリマーである。本発明で用いる永久バインダーは、性質が有機性である場合、熱的に一過性であり得ることは認識されるべきである。しかしながら、仮バインダーと、熱的に一過性である永久バインダーとの間の区別は、か焼処理の必要性なくして、永久バインダーが、噴霧乾燥工程の間に生じた凝集された構造を固定することができることである。
【0083】
熱的に一過性でない他の永久バインダーを用いてもよい。そのようなバインダーは無機系である。例として、セメント、ポゾラン物質、シリケート、水ガラス、石膏、ベントナイト、およびボレートが挙げられる。また、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムまたはアルミン酸リチウムなどのアルミン酸アルカリ金属バインダー、およびアルミン酸カルシウムおよびアルミン酸マグネシウムなどのアルミン酸アルカリ土類金属バインダーを含めた、アルミネートバインダーも含まれる。永久バインダーを用いる利点は、か焼工程を回避することができることである。
【0084】
懸濁液の固形分は、1種または複数の任意の追加の無機成分および1種または複数の任意の有機固体成分と共に、粒状鉱物成分を含む。
懸濁液の無機固形物含有量は、後により詳細に考察する用いるべき噴霧乾燥方法、および望まれる噴霧乾燥顆粒のサイズに依存する。しかしながら、典型的には、噴霧乾燥に適した粘度を有するためには、懸濁液は、懸濁液の質量に対して、少なくとも5%、例えば、少なくとも10%、例えば、少なくとも15質量%の無機固形物含有量を有するべきであり、懸濁液の質量に対して、30%までの、または25%までのまたは20%までの無機固形物含有量を有することができる。典型的には、固形物含有量は、懸濁液の質量に対して、15~25質量%の範囲となるであろう。
任意の無機成分は、本明細書中に記載された鉱物に加えて1種もしくは複数の粒状無機鉱物;および/または1種もしくは複数の適切な融剤を含むことができる。任意の有機固形物成分は、有機バインダーの固形物成分とすることができる。
懸濁液中の無機固形物の合計質量に対して、少量の、例えば、20%以下、例えば、懸濁液に存在する無機固形物の合計質量に対して、10%以下、または5%以下の追加の無機鉱物成分を、噴霧乾燥される懸濁液に含めることができる。この結果、例えば、その外側壁において、追加の無機鉱物成分を含めた噴霧乾燥された顆粒がもたらされるであろう。これは、噴霧乾燥された顆粒の特性、例えば、強度および/または透過度を調整するのに用いることができる。
【0085】
融剤は、噴霧乾燥される懸濁液の任意の追加成分である。融剤は、噴霧乾燥された顆粒がか焼されるべき場合に(いわゆる「融解か焼」)必要となり得る。か焼の間における少なくとも1種の融剤の存在は、噴霧乾燥体の壁中の鉱物粒子が一緒に焼結されるべき温度を低下させることができる。
融剤として適切な剤は、現在当業者に知られている、または後に発見され得るいずれかのものである。1つの実施形態において、融剤は炭酸ナトリウム(ソーダ灰、Na2CO3)である。もう1つの実施形態において、融剤は水酸化ナトリウム(NaOH)である。さらなる実施形態において、少なくとも1種の融剤は塩化ナトリウム(NaCl)である。なおもう1つの実施形態において、少なくとも1種の融剤は炭酸カリウム(K2CO3)である。なおさらなる実施形態において、少なくとも1種の融剤はホウ酸ナトリウム(Na247)である。
【0086】
1つの実施形態において、融剤は、IA族中の少なくとも種のアルカリ金属の少なくとも1種の塩である。もう1つの実施形態において、融剤は、少なくとも1種のアルカリ金属の少なくとも1種の塩である。さらなる実施形態において、少なくとも1種のアルカリ金属はナトリウムである。なおもう1つの実施形態において、少なくとも1種のアルカリ金属は、ナトリウムのそれよりも大きい原子半径を有するアルカリ金属から選択される。なおさらなる実施形態において、少なくとも1種のアルカリ金属はカリウムである。なおもう1つの実施形態において、少なくとも1種のアルカリ金属はルビジウムである。
【0087】
少なくとも1種の融剤は噴霧乾燥前に懸濁液に添加され;その結果、融剤は、その融解促進(fluxing)機能を提供することが容易に可能である位置において、噴霧乾燥された顆粒の壁内に位置する。
融剤は、懸濁液中の無機固形物の合計質量に対して、約8%未満の量にて、または約7%未満の量にて、または約6%未満の量にて、または約5%未満の量にて、または約4%未満の量にて、または約3%未満の量にて、または約2%未満の量にて懸濁液中に存在させることができる。もう1つの実施形態において、懸濁液は、懸濁液中の無機固形物の合計質量に対して、約0.5%から約10%の融剤を含有する。
【0088】
噴霧乾燥された顆粒が融解か焼されるいくつかの実施形態において、少なくとも1種の融剤は、化学的分解反応を受け得る。そのような化学的分解の1つの実施態様において、ナトリウムを含有する少なくとも1種の融剤は、少なくとも1種の供給物質に存在する珪藻植物シリカと結合して、ケイ酸ナトリウムを形成し、プロセスにおいて二酸化炭素ガスを追い出す。もう1つの実施形態において、少なくとも1種のアルカリ金属を含有する少なくとも1種の融剤は、少なくとも1種の供給物質に存在する珪藻植物シリカと結合して、少なくとも1種のケイ酸アルカリ金属を形成する。
懸濁液は、自体公知の方法で噴霧乾燥することができる。懸濁液は噴霧乾燥器の入口に供給でき、噴霧乾燥された物質はアトマイザーから排出される。
噴霧乾燥は、ノズルアトマイザーまたは噴流噴霧乾燥(fountain spray-drying)技術を用いて行うこともでき、そこでは、スラリーは、乾燥チャンバーのコーン(cone)から上方に噴霧される。これは、小滴が乾燥機の底部に戻り、より粗いより自由流動性の粉末を供する前に、小滴の完全な飛行アークの間に乾燥が起こることを可能とする。
【0089】
本発明で用いることができる噴霧乾燥器のもう1つのタイプは、「回転輪」または「回転円板」アトマイザーを使用するものである。適切な噴霧乾燥装置の1つの例は、Niro Minor噴霧乾燥器ユニットである。このマシーンは、直径が800mmの乾燥チャンバーを有し、600mmの円筒の高さは円錐形をベースにし、空気駆動円板型のアトマイザーが装着されている。アトマイザーは、30,000rpmの速度で運転することができる。乾燥は、300℃の入口空気温度を用いて行うことができる。スラリーは、ペリスタポンプを介して、必要な出口温度(典型的には、110から120℃)を維持するように選択された速度でアトマイザーに供給される。
噴霧乾燥の方法の1つの例において、350および400℃の間の入口温度および110および120の間の出口温度を用いた。
【0090】
懸濁液の無機固形物含有量は、後により詳細に考察する用いるべき噴霧乾燥方法、および望まれる噴霧乾燥顆粒のサイズに依存する。しかしながら、典型的には、懸濁液は、5から30質量%のオーダーの、例えば、15から25質量%のオーダーの無機固形物含有量を有するであろう。
本明細書中においてはか焼処理ともいう熱処理は、一緒に焼結すべき噴霧乾燥体の壁中に鉱物粒子を生じさせる適切な温度にて行うことができ、かくして、破砕に対して抵抗性である乾燥体がもたらされる。最高か焼温度は、例えば、少なくとも500℃、または少なくとも600℃、または少なくとも700℃、または少なくとも800℃、または少なくとも900℃とすることができる。噴霧乾燥体の微細な構造の破壊および被る追加のコストを回避するためには、最高か焼温度は、典型的には、1200℃未満、例えば、1100℃未満、または1000℃未満である。
【0091】
か焼の持続は、経験的には、望まれる成果に依存して決定することができる。しかしながら、典型的には、か焼は、ピーク温度における持続が4時間未満、または3時間未満、または2時間未満、または1時間未満となるように行うことができる。実施態様において、か焼は、該か焼が極めて迅速に行われる「フラッシュ(flash)」か焼によって行うことができる。か焼は、バッチプロセスで、または連続プロセスで行うことができる。適切な連続プロセスは回転管状炉を用いることができ、そこでは、未か焼供給物質を、適切な温度に維持された加熱ゾーンを連続的に通過させる。実施形態において、か焼は、か焼温度を、例えば、1分当たり1および50℃、例えば、1分当たり1から10℃の間の速度にて、最終の最高温度まで上昇させることによって行うことができ、次いで、例えば、1分当たり1から50℃、例えば、1分当たり5から20℃の速度で室温に冷却することができる。
か焼された噴霧乾燥顆粒物は、未か焼出発物質と実質的に同一の粒子サイズ分布を有する。
【0092】
ある実施形態において、粒状鉱物はバインダーと共に凝集(造粒)され、そこでは、1または複数のより小さい粒子が付着されて、より大きい粒子を形成する。バインダーは、例えば、噴霧乾燥でやはり用いることができる、本明細書中に記載されたバインダーのうちのいずれとすることもできる。例えば、バインダーはポリビニルアルコールとすることができる。例えば、バインダーが部分的にケン化することができる。例えば、バインダーは、約5cpsの粘度を有することができる。例えば、バインダーは、約80%と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約85%と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約88%の%加水分解を有することができる。例えば、バインダーは、Sekisuiから入手可能なCelvol 205E(登録商標)とすることができる。例えば、バインダーは、粒状鉱物の合計質量に対して、約10%と等しいまたはそれ未満の量で用いることができる。例えば、バインダーは、鉱物の合計質量に対して、約0.5から約8%、例えば、約1から約6%、例えば、約1から約5%、例えば、約1から約3%の範囲の量で用いることができる。例えば、バインダーは、約5質量%と等しいまたはそれ未満の、例えば、約4質量%と等しいまたはそれ未満の、例えば、約3質量%と等しいまたはそれ未満の量で用いることができる。
【0093】
ある実施形態において、粒状鉱物は、当業者に知られたいずれかの技術によって、混合および/またはブレンディングにより組み合わせることができる。鉱物は、例えば、Eirichミキサーもしくはフードミキサー(例えば、Hobartフードミキサーを用い、またはパンペレタイザーまたはドラムペレタイザーなどのようなペレタイザーを用い、鉱物をバインダーと混合することによって、例えば、凝集させることができる。鉱物は、例えば、噴霧乾燥によって凝集させることができる。鉱物は、例えば、バインダーを鉱物上に噴霧乾燥することによって凝集させることができる。例えば、3質量%のポリビニルアルコールの100g溶液を100gの鉱物(例えば、ケイソウ土)上に噴霧することができる。鉱物は、例えば、バインダーを鉱物上に現場で沈殿させることによって凝集させることができる。バインダーは、例えば、噴霧乾燥でやはり用いることができる、本明細書中に記載されたバインダーのいずれとすることもできる。ある実施形態において、バインダーは、例えば、沈殿したバインダーとすることができる。バインダーが、例えば、シリカバインダーとすることができる。例えば、バインダーはアルカリシリカバインダーとすることができる。例えば、バインダーは、ケイ酸ナトリウムおよび/またはケイ酸カリウムとすることができる。例えば、バインダーは、鉱物の合計質量に対して、約0.5から約8%、例えば、約1から約6%、例えば、約1から約5%、例えば、約1から約3%の範囲の量で用いることができる。例えば、バインダーは、約5質量%と等しいまたはそれ未満の、例えば、約4質量%と等しいまたはそれ未満の、例えば、約3質量%と等しいまたはそれ未満の量で用いることができる。
【0094】
凝集の前および/または後に、粒状鉱物は、少なくとも1回の分級工程に付すことができる。例えば、少なくとも1回の熱処理の前および/または後に、鉱物は、いくつかの実施形態においては、少なくとも1回の分級工程に付すことができる。いくつかの実施形態において、粒状鉱物の粒子サイズは、当該技術分野でよく知られたいくつかの技術のうちのいずれか1つを用いて適切なまたは望まれるサイズに調整される。いくつかの実施形態において、鉱物は、少なくとも1回の機械的分離に付されて、粉末サイズ分布を調整する。適切な機械的分離技術は当業者によく知られており、限定されるものではないが、ミリング、粉砕、ふるい分け、押出し、摩擦電気分離、液体分級、エージング、および空気分級を含む。
【0095】
粒状鉱物は、少なくとも1回の熱処理に付すことができる。適切な熱処理プロセスは当業者によく知られており、現在知られている、または後に発見され得るものを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1回の熱処理は、熱処理された鉱物組成物中の有機物および/または揮発物の量を減少させる。いくつかの実施形態において、少なくとも1回の熱処理は、少なくとも1回のか焼を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1回の熱処理は、少なくとも1回の融解か焼を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1回の熱処理は、少なくとも1回の焙焼を含む。
【0096】
か焼は、当業者に現在知られている、または後に発見されるいずれの適切なプロセスに従って行うこともできる。いくつかの実施形態において、か焼は、鉱物の融点未満の温度で行われる。いくつかの実施形態において、か焼は、約600℃から約1100℃の範囲の温度で行われる。いくつかの実施形態において、か焼温度は、約600℃から約700℃の範囲である。いくつかの実施形態において、か焼温度は、約700℃から約800℃の範囲である。いくつかの実施形態において、か焼温度は約800℃から約900℃の範囲である。いくつかの実施形態において、か焼温度は、約600℃、約700℃、約800℃、約900℃、約1000℃、および約1100℃からなる群から選択される。より低温における熱処理の結果、鉱物複合物の調製のための他のプロセスを上回るエネルギー削減をもたらすことができる。
【0097】
融解か焼は、少なくとも1種の融剤の存在下で少なくとも1回のか焼を行うことを含む。融解か焼は、当業者に現在知られている、または後に発見されるいずれの適切なプロセスに従って行うこともできる。いくつかの実施形態において、少なくとも1種の融剤は、融剤として作用できる、当業者に現在知られた、または後に発見されるいずれの物質でもある。いくつかの実施形態において、少なくとも1種の融剤は、少なくとも1種のアルカリ金属を含む塩である。いくつかの実施形態において、少なくとも1種の融剤は、炭酸塩、ケイ酸塩、塩化物、および水酸化物塩からなる群から選択される。他の実施形態において、少なくとも1種の融剤は、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウム塩からなる群から選択される。なおさらなる実施形態において、少なくとも1種の融剤は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、および炭酸セシウム塩からなる群から選択される。
【0098】
焙焼は、当業者に現在知られた、または後に発見されるいずれの適切なプロセスに従って行うこともできる。いくつかの実施態様において、焙焼は、鉱物(例えば、ケイソウ土および/または天然ガラス)中での結晶性鉱物(例えば、結晶性シリカ)の形成を回避するのを助ける、一般的にはより低い温度で行われるか焼プロセスである。いくつかの実施形態において、焙焼は、約450℃から約900℃の範囲の温度で行われる。いくつかの実施形態において、焙焼温度は、約500℃から約800℃の範囲である。いくつかの実施形態において、焙焼温度は、約600℃から約700℃の範囲である。いくつかの実施形態において、焙焼温度は約700℃から約900℃の範囲である。いくつかの実施形態において、焙焼温度は、約450℃、約500℃、約600℃、約700℃、約800℃、および約900℃からなる群から選択される。
いくつかの実施形態に従い、粒状鉱物は、少なくとも1回の熱処理に付し、続いて、熱処理された鉱物成分を少なくとも一種のバインダー(例えば、シリカバインダー)とで共凝集させることができる。
【実施例
【0099】
(例1)
タバコ煙に存在する化学成分を吸収し/保持する粒状鉱物の容量を測定するために、実験を行った。タバコ煙を粒状鉱物に通し、0.22μmフィルターで濾過して、生物学的汚染を妨げた。次いで、濾過された煙を液体中に通気する(「タバコ抽出物」)。
タバコ抽出物を、種々の濃度(純粋なタバコ抽出物(100%)、20%タバコ抽出物(1/5に希釈されたタバコ抽出物)、10%、2%および1%)にて、培養中の正常なヒト角化細胞(NHEK)と24時間接触させた。最後の3時間の間、(テトラゾリウムの塩を含有する)細胞増殖剤WST1を導入し、450nmにおける吸光度を測定した。黄色着色のレベルは、生きた細胞の数に比例する。結果は、y軸の(タバコ抽出物に接触させなかった細胞培養と比較した)生存%、およびx軸のタバコ抽出物の希釈を示すグラフとして提示した。値の分析は、GraphPad Prism5ソフトウェアを用いて行った。正弦進行分析は、特定の暴露時間後に、各抽出物(ベースライン(全ての死滅した細胞)および最大(全ての生細胞)の間の中途の応答を誘導するタバコ抽出物の濃度)についてEC50を見積もった。
以下の表1に示した鉱物を試験した。
【0100】
【表1】
結果を図1から6に示す。EC50結果は表2に示す。
【表2】
【0101】
(例2)
NativeSkin(登録商標)Plusヒト皮膚モデルを用いて、タバコ煙に暴露された皮膚に対する種々の鉱物の効果を試験した。皮膚モデルは、空気と接触した上皮表面を持つ滋養マトリックスに浸したヒト皮膚の生検材料である。シリコーンリングは、生成物の良好な適用を可能とし、配合物の横方向広がりを防止する。皮膚生検材料は、36歳の老齢の女性の腹壁形成術から得られ、フィッツパトリック(Fitzpatrick)スケールで3のフォトタイプに対応した。
【0102】
試験すべき試料を、等しい量のステンレス鋼スパチュラを用いて皮膚モデルの表面に適用した。次いで、皮膚モデルを、ミセラーウォーターに浸した綿棒で洗う前に10本のタバコ煙に暴露し、次いで、インキュベーター中に37℃にて24時間入れる前に乾燥した。タバコへの暴露前に、試料を皮膚上に均質に広げる。暴露の後、試料の詰まりが観察される。
次いで、皮膚生検材料をマトリックスから取り出し、2つの部分に切断し、第一の部分は、後に記載するようにパラフィン中への包埋および染色を意図したものであり、第二の部分は、将来の実験のために-80℃に保つものである。
【0103】
皮膚生検材料の第一の部分をホルマリン中で固定し、脱水し、次いで、パラフィン中に包埋した。皮膚切片は5μmの厚みを有していた。皮膚切片を、LEICA(登録商標)DFC280顕微鏡を用いて、皮膚の形態を分析するのを可能とするヘマトキシリンを用いて染色した。DNA損傷を検出するためのγH2AXを用いる染色も行い、DM5000B顕微鏡下で観察する。染色の各タイプについて、10の像が得られた。γH2AX染色の蛍光強度を、イメージJ分析を用いて定量し、溶解した細胞のパーセントと相関させた。
【0104】
3.0μmのd50(セディグラフ)、65ml/100gの油吸収、7.5m2/gのBET表面積および0.50g/cm3の軽打した嵩密度(ISO 787/110)を有するタルクを試験鉱物と混合し、次いで、この鉱物混合物をジメチルポリシロキサンベース(Innospec Performance Chemicalsから入手可能なDimethisil(登録商標)DM-200)と組み合わせることによって、試験試料を作成した。相対的な割合は、64.4質量%のタルク、27.6質量%の試験鉱物および8.0質量%のベースであった。
試験鉱物を表3に示す。タルク1は、他の試験試料中の他の試験鉱物と組み合わせて用いる同一のタルクであることを注記する。
【0105】
【表3】
ヘマトキシリンで染色した皮膚生検材料の像を以下の図7から12に示す。
タバコ煙に暴露しなかった皮膚生検材料は、試験試料を適用した、またはしなかったに拘わらず、通常の形態を有した。認識可能な差は観察されなかった。
10本のタバコの煙に暴露された皮膚生検材料では、試験試料を適用しなかった場合、皮膚層の極めて重要な組織破壊が観察された。
PCC、DE3および合成炭酸カルシウムを含有する試験試料を適用した場合、皮膚層のより小さな組織破壊が観察された。DE2を含有する試験試料を皮膚生検材料に適用した場合、組織破壊は観察されなかった。
γH2AX染色方法による溶解された細胞の定量の結果を表4に示す。いずれの試験試料も適用されなかった皮膚生検材料を、対照として用いた。
【0106】
【表4】
【0107】
以下の番号が付されたパラグラフは、本発明の特別な実施形態を規定する。
1.皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物における抗汚染剤としての粒状鉱物の使用。
2.該粒状鉱物がシリカもしくはシリケートベース鉱物である、パラグラフ1に記載の使用。
3.該粒状鉱物が天然鉱物に由来する、パラグラフ1または2に記載の使用。
4.該粒状鉱物が、炭酸カルシウム、タルク、パーライト、カオリン、ケイソウ土およびそれらの組合せから選択される、パラグラフ1から3までのいずれか1つに記載の使用。
5.該粒状鉱物が、約0.5μmから約100μm、例えば、約0.5μmから約50μm、例えば、約0.5μmから約30μmの範囲のd50を有する、パラグラフ1から4までのいずれか1つに記載の使用。
【0108】
6.該粒状鉱物が、約0.05μmから約50μmの範囲のd10を有する、パラグラフ1から5までのいずれか1つに記載の使用。
7.該粒状鉱物が、約1から約200μmの範囲のd90を有する、パラグラフ1から6までのいずれか1つに記載の使用。
8.該粒状鉱物が、約20mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約40mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約50mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約80mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい油吸収容量を有する、パラグラフ1から7までのいずれか1つに記載の使用。
9.該粒状鉱物が、約40mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、50mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約100mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい水吸収容量を有する、パラグラフ1から8までのいずれか1つに記載の使用。
10.該粒状鉱物が、約30mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約40mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい皮脂吸収容量を有する、パラグラフ1から9までのいずれか1つに記載の使用。
【0109】
11.該粒状鉱物が、約80と等しいまたはそれよりも大きいL白色度値を有する、パラグラフ1から10までのいずれか1つに記載の使用。
12.該使用が、化粧的または治療的使用である、パラグラフ1から11までのいずれか1つに記載の使用。
13.皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物が、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、モイスチャライザー、プライマーまたはクレンザーなどの化粧品組成物である、パラグラフ1から12までのいずれか1つに記載の使用。
14.皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物が、エマルジョン、ゲル、ローションまたはクリームの形態である、パラグラフ1から13までのいずれか1つに記載の使用。
15.皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物が、約0.5質量%から約60質量%の粒状鉱物を含む、パラグラフ1から14までのいずれか1つに記載の使用。
【0110】
16.該粒状鉱物が、汚染物を吸収し、および/または汚染物の皮膚中への侵入を低下させ、もしくは予防する、パラグラフ1から15までのいずれか1つに記載の使用。
17.皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物が、細胞呼吸を増加させ、および/または落屑を低下させ、および/または皮膚の老化を阻害し、および/または皮膚のハリおよび/または皮膚の弾力の喪失を低下させ、および/または皮脂の分泌を低下させ、および/または皮膚中のビタミンEレベルを増大させる、パラグラフ1から17までのいずれか1つに記載の使用。
18.皮膚および/またはケラチン物質を汚染から保護する方法であって、粒状鉱物を含む組成物を該皮膚および/ケラチン物質に適用することを含む方法。
19.該粒状鉱物がシリカベースまたはシリケートベース鉱物である、パラグラフ18に記載の方法。
20.該粒状鉱物が天然鉱物に由来する、パラグラフ18または19に記載の方法。
【0111】
21.該粒状鉱物が、炭酸カルシウム、タルク、パーライト、カオリン、ケイソウ土およびそれらの組合せから選択される、パラグラフ18から20までのいずれか1つに記載の方法。
22.該粒状鉱物が、約0.5μmから約100μm、例えば、約0.5μmから約50μm、例えば、約0.5μmから約30μmの範囲のd50を有する、パラグラフ18から21までのいずれか1つに記載の方法。
23.該粒状鉱物が、約0.05μmから約50μmの範囲のd10を有する、パラグラフ18から22までのいずれか1つに記載の方法。
24.該粒状鉱物が、約1から約200μmの範囲のd90を有する、パラグラフ18から23までのいずれか1つに記載の方法。
25.該粒状鉱物が、約20mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約40mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約50mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約80mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい油吸収容量を有する、パラグラフ18から24までのいずれか1つに記載の方法。
【0112】
26.該粒状鉱物が、約40mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約50mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約100mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい水吸収容量を有する、パラグラフ18から25までのいずれか1つに記載の方法。
27.該粒状鉱物が、約30mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい、例えば、約40mL/100g粒状鉱物と等しいまたはそれよりも大きい皮脂吸収容量を有する、パラグラフ18から26までのいずれか1つに記載の方法。
28.該粒状鉱物が、約80と等しいまたはそれよりも大きいL白色度値を有する、パラグラフ18から27までのいずれか1つに記載の方法。
29.該使用が化粧的もしくは治療的使用である、パラグラフ18から28までのいずれか1つに記載の方法。
30.皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物が、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、モイスチャライザー、プライマーまたはクレンザーなどの化粧品組成物である、パラグラフ18から29までのいずれか1つに記載の方法。
【0113】
31.皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物が、エマルジョン、ゲル、ローションまたはクリームの形態である、パラグラフ18から30までのいずれか1つに記載の方法。
32.皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物が、約0.5質量%から約60質量%の粒状鉱物を含む、パラグラフ18から31までのいずれか1つに記載の方法。
33.該粒状鉱物が、汚染物を吸収し、および/または汚染物の皮膚中への侵入を低下させ、または予防する、パラグラフ18から32までのいずれか1つに記載の方法。
34.皮膚および/またはケラチン物質への適用のための組成物が、細胞呼吸を増加させ、および/または落屑を低下させ、および/または皮膚の老化を阻害し、および/または皮膚のハリおよび/または皮膚の弾力の喪失を低下させ、および/または皮脂の分泌を低下させ、および/または皮膚中のビタミンEレベルを増大させる、パラグラフ18から33までのいずれか1つに記載の方法。
35.粒状鉱物を含む組成物であって、皮膚および/またはケラチン物質に適用して、該皮膚および/またはケラチン物質を汚染から保護することができる組成物。
【0114】
36.乾燥したおよび/または損傷した皮膚の治療用である、パラグラフ35に記載の組成物。
37.パラグラフ35または36に記載の組成物を製造する方法であって、粒状鉱物を液状担体と組み合わせることを含む方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12