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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】粒状物質の装填装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 1/28 20060101AFI20230706BHJP
   F16J 15/10 20060101ALI20230706BHJP
   B65G 69/18 20060101ALN20230706BHJP
【FI】
B65B1/28
F16J15/10 U
B65G69/18
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020555135
(86)(22)【出願日】2019-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2019058922
(87)【国際公開番号】W WO2019197390
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】18167205.6
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】319006807
【氏名又は名称】イメルテック ソシエテ パル アクシオン サンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ホイヤー トーマス
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06019147(US,A)
【文献】特表2001-517186(JP,A)
【文献】特開2001-072027(JP,A)
【文献】実開昭62-165201(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/28
F16J 15/10
B65G 69/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状物質を装填する装填装置(1)であって、第1の開口部(3)及び第2の開口部(4)を備えた本体(2)を有し、ガスケット(5)が前記第1の開口部(3)のところに配置されており、
前記本体(2)は、排出管(8)に取り付けられており、かつ、前記装填装置(1)の内側に設けられた2つの頂部側開口部(14b,14c)及び前記装填装置(1)の外側に設けられた底部側開口部(14a)を備えたT継手(14)を有しており、前記底部側開口部(14a)は、前記排出管(8)に取り付けられている、装填装置(1)。
【請求項2】
エレメント(6)をさらに有し、前記ガスケット(5)は、前記本体(2)と前記エレメント(6)との間に配置されている、請求項1記載の装填装置(1)。
【請求項3】
前記本体(2)は、リップ(7)を有し、前記リップは、前記第1の開口部(3)の周りに境界部を形成している、請求項記載の装填装置(1)。
【請求項4】
前記エレメント(6)は、好ましくは前記リップ(7)を介して前記本体(2)に取り付けられている、請求項記載の装填装置(1)。
【請求項5】
前記ガスケット(5)は、可撓性であり、オプションとして、ゴム、シリコーン、コルク、ネオプレン、ニトリルゴム及び/又はポリテトラフルオロエチレンから成る、請求項1~4のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【請求項6】
記装填装置(1)は、前記排出管(8)を介して排出ユニット(9)に取り付けられている、請求項1~5のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【請求項7】
前記T継手(14)は、リップ(7)の下で前記本体(2)の上半分に配置され、前記リップ(7)は、前記第1の開口部(3)の周りに境界部を形成している、請求項記載の装填装置(1)。
【請求項8】
前記T継手(14)の頂部側区分は、前記2つの開口部(14b,14c)が前記本体(2)の側壁に差し向けられた状態で前記本体(2)に取り付けられている、請求項記載の装填装置(1)。
【請求項9】
スパイク(11)が前記第1の開口部(3)から突き出ている、請求項1~のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【請求項10】
第2の容器(13)が前記第2の開口部(4)の周りで前記本体(2)に固定可能であり、オプションとして、前記第2の容器(13)は、混合装置である、請求項1~のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【請求項11】
前記混合装置は、コンクリート吹き付け型混合装置である、請求項10記載の装填装置(1)。
【請求項12】
前記粒状物質は、石灰シリケート、珪酸カルシウム、ポートランドセメント、砂、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化カルシウムジルコニア、炭化物、窒化物、硼化物、シリケート、黒鉛、非晶質炭素、炭化珪素、珪酸アルミニウム、酸化クロム、又はこれらの組み合わせの中から選択される、請求項1~11のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【請求項13】
混合装置であって、請求項1~12のうちいずれか一に記載の装填装置(1)を備えている、混合装置。
【請求項14】
粒状物質を装填する方法であって、
a)請求項1~12のうちいずれか一に記載の前記装填装置(1)の前記第1の開口部(3)上に粒状物質の入った第1の容器(12)を配置するステップと、
b)前記粒状物質を前記装填装置の前記第2の開口部(4)に取り付けられている第2の容器(13)中に移送するステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状物質を装填する装填装置であって、第1の開口部及び第2の開口部を備えた本体を有し、ガスケットが第1の開口部のところに配置されていることを特徴とする装填装置に関する。本発明はまた、本発明に係る装填装置を備える混合装置及び本発明に係る装填装置を用いて粒状物質を装填する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートは、広範な用途、特に建築業で用いられており、典型的には、水と粒状物質、例えばセメント粉末や骨材と混合することによって作られる。コンクリートは、使用直前に現場にて大型ミキサ内で混合されるのが慣例である。コンクリートを混合するには、一般に、粒状物質を容器、例えば袋又はサックからミキサに移送することが必要である。このような現場での粒状物質のこの移送は、ある特定の難題をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
粒状物質をミキサ中に移送する際、粒状物質を収容した袋又はサックは、内容物を放出するには、ミキサまで操られて開かれる必要がある。粒状物質を移送する現行の方法は、必然的に、空中浮揚の粒状物質(飛塵)を生じさせ、それにより物質が損失するとともに周囲環境の汚染が生じる。また、粒状物質をこのように移送することで、オペレータが粉塵を吸い込む場合がある。
【0004】
したがって、粒状物質を移送する際の既知の欠点のうちの1つ又は2つ以上に取り組む手立てを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
第1の観点によれば、粒状物質を装填する装填装置であって、第1の開口部及び第2の開口部を備えた本体を有し、ガスケットが第1の開口部のところに配置されていることを特徴とする装填装置が提供される。
【0006】
第2の観点によれば、第1の観点にかかる装填装置を備えた混合装置が提供される。
【0007】
第3の観点によれば、粒状物質を装填する方法であって、
a)第1の観点による装填装置の第1の開口部上に粒状物質の入った第1の容器を配置するステップと、
b)粒状物質を装填装置の第2の開口部に取り付けられている第2の容器中に移送するステップと、を含むことを特徴とする方法が提供される。
【0008】
本発明の幾つかの実施形態は、粒状物質を移送する際に以下の利点のうちの1つ又は2つ以上を提供することができる。
・所望の効率、
・所望の使いやすさ、
・所望の安全性、
・粒状物質の所望の封じ込め、
・所望の環境影響。
【0009】
本発明の上述の観点のうちの任意特定の1つ又は2つ以上に提供される細部、実施例及び好適例は、本発明の全ての観点に均等に当てはまる。本明細書において説明する実施形態、実施例及び好適例について考えられるあらゆる変形例の任意の組み合わせは、別段の指定がなければ又は文脈上明らかな矛盾がない場合、本発明に含まれる。
以下の図を参照して本発明にさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る装填装置の実施例を示す図である。
図2】本体に設けられたリップを介するエレメント、ガスケット及び本体の組み合わせを示す図である。
図3】第1の開口部のところに第1の容器を備えるとともに第2の開口部のところに第2の容器を備えた装填装置を示す図である。
図4】装填装置及び排出管に取り付けられたT継手の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解されるように、以下の説明及び図の参照は、本発明の例示の実施形態に関しており、特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではない。
【0012】
本発明は、特許請求の範囲に記載された粒状物質を装填する装填装置を提供する。装填装置は、第1の開口部及び第2の開口部を備えた本体を有し、ガスケットが第1の開口部のところに配置されている。装填装置は、第1の容器から第2の容器への粒状物質の移送を助ける。例えば、装填装置は、第1の容器と第2の容器との間に配置されるのが良い。ある特定の実施形態では、装填装置により、粒状物質の入った第1の容器を第1の開口部のところに配置するとともに第2の容器を第2の開口部のところに配置することができる。第1の容器内の粒状物質を次に装填装置経由で第2の容器に移送することができる。
【0013】
ある特定の実施形態では、粒状物質は、石灰シリケート、珪酸カルシウム、ポートランドセメント、砂、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化カルシウムジルコニア、炭化物、窒化物、硼化物、シリケート、黒鉛、非晶質炭素、炭化珪素、珪酸アルミニウム、酸化クロム、又はこれらの組み合わせの中から選択されるのが良い。ある特定の実施形態では、粒状物質は、5μm未満、4.5μm未満、4.0μm未満、3.5μm未満、3.0μm未満、2.5μm未満、2.0μm未満、又は1.5μm未満の平均粒径d50を有するのが良い。粒径は、当業者にすでに知られており又は後で案出される任意適当な測定技術によって測定されるのが良い。別段の指定がなければ、粒径及び粒径特性、例えば流動分布(“psd”)は、リーズ・アンド・ノースラップ・マイクロトラック(Leeds and Northrup Microtrac)X100レーザ粒径分析装置(米国ペンシルベニア州ノースウェールズ所在のリーズ・アンド・ノースラップ(Leeds and Northrup))を用いて測定され、この分析装置は、0.12μmから704μmまでの粒径範囲にわたって粒径分布を測定することができる。所与の分子のサイズは、懸濁液中を沈降する相当直径の球の直径で表される(これは、相当球直径又は“esd”とも呼ばれている)。平均粒径又はd50値は、粒子の50重量%がd50値未満のesdを表す値である。
【0014】
ある特定の実施形態では、第1の容器は、可撓性容器、例えば袋であるのが良い。袋は、プラスチック又は布で作られているのが良い。袋は、一方の側が開口していても良く又は全ての側が封止されていても良い。第1の容器は、寸法が様々であって良い。例えば、第1の開口部のところに配置される第1の直径の表面は、最高900mmまでの直径を有するのが良く、それにより、ガスケットは、装入中における粉塵発生を阻止する締まり嵌め(タイトフィット)状態を呈することができる。ある特定の実施形態では、第2の容器は、混合装置、例えばコンクリート混合装置、コンクリート吹き付け型混合装置、パドル型強力ミキサ又は自由落下型ミキサであるのが良い。ある特定の実施形態では、混合装置は、第2の開口部周りで本体に対して固定可能である。混合装置は、ボルト付きナット又はねじによって第2の開口部に固定されるのが良い。ある特定の実施形態では、混合装置は、装填装置から取り外し可能である。このように、単一の装填装置を幾つかの互いに異なる混合装置と併用することができる。
【0015】
ある特定の実施形態では、第1の開口部は、第1の平面内にあり、第2の開口部は、第2の平面内にあり、第1の平面と第2の平面は、互いに対して25°未満の角度をなしていても良くかつ/あるいは平行であっても良い。ある特定の実施形態では、第1の開口部の表面積及び/又は周長は、第2の開口部よりも小さくても良く、等しいサイズのものであっても良く、又は第2の開口部よりも大きくても良い。第1の開口部及び第2の開口部は、第1の容器から第2の容器への粒状物質の自由流れを可能にするよう配置されているのが良い。第1及び第2の開口部の形状は、互いに別個独立に、円形、長円形、又は多角形、例えば三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、十一角形、又は十二角形であって良い。
【0016】
ある特定の実施形態では、第1の開口部のところに配置されるガスケットは、可撓性であるのが良い。ガスケットは、第1の開口部の周囲を形成するよう本体に直接取り付けられるのが良い。ある特定の実施形態では、ガスケットは、第1の開口部ところでの本体と第1の容器との間の空間を埋める。ガスケットは、本体と第1の容器との間にシールを形成することができる。ガスケットの可撓性は、種々の寸法及び/又は形状の第1の容器に対応するのに適していると見なされる。ある特定の実施形態では、ガスケットは、ゴム、シリコーン、コルク、ネオプレン、ニトリルゴム及び/又はポリテトラフルオロエチレンから成る。ある特定の実施形態では、ガスケットは、内側半径が約150mm、約200mm、約250mm、又は約300mmのリングであって良い。ある特定の実施形態では、ガスケットは、内側直径が約500mmのリングであるのが良い。ある特定の実施形態では、ガスケットは、外側半径が約250mm、約300mm、又は約350mmのリングであるのが良い。ガスケットは、装填装置の本体の半径と同一の寸法を備えた外側半径を有するのが良い。ある特定の実施形態では、ガスケットは、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、又は約5mmの厚さを有するのが良い。
【0017】
ある特定の実施形態では、本体は、円筒形又は円錐形であるのが良い。ある特定の実施形態では、本体は、アルミニウム、錬鉄、鋳鉄、鋼、ステンレス鋼、炭素繊維、繊維強化プラスチック及び/又は木材から成る。ある特定の実施形態では、本体は、高さ、すなわち第1の開口部と第2の開口部との間の最も短い距離が約300mm、約350mm、約400mm、約450mm、約500mm、約550mm、又は約600mmである。
【0018】
ある特定の実施形態では、第1の開口部は、別のエレメント又は要素を有し、ガスケットは、本体とこのエレメントの間に配置される。ある特定の実施形態では、本体は、リップを有し、このリップは、第1の開口部の周りに境界部を形成し、エレメントは、リップを介して本体に取り付けられるのが良い。例えば、エレメントは、ボルト付きナット又はねじによって本体のリップに取り付けられる。ある特定の実施例では、エレメント及びリップは、リングであり、このエレメントは、リップの外側半径と同一であり、又はこれよりも最大5mmまで小さく又は大きく、もしくは最大10mmまで小さく又は大きい外側半径を有する。ある特定の実施例では、エレメントは、リップの内側半径と同一であり、又はこれよりも最大5mmまで小さく又は大きく、もしくは最大10mmまで小さく又は大きい内側半径を有する。ある特定の実施形態では、ガスケットは、本体とエレメントとの間から第1の開口部中に突き出ている。ある特定の実施形態では、ガスケットの少なくとも80mm2、少なくとも90mm2、少なくとも100mm2、少なくとも110mm2又は120mm2の面積分が本体とエレメントとの間から第1の開口部中に突き出る。
【0019】
ある特定の実施形態では、本体は、排出管に取り付けられている。理論に束縛されるわけではないが、空中浮揚の粒状物質が第1の容器から第2の容器への粒状物質の移送中に装填装置内に収容されると考えられる。これは、第1の容器とガスケットとの間で第1の開口部のところに形成されたシールによって助けられるのが良い。排出管を本体に取り付けることによって、空中浮揚粒状物質を別の場所に移すことができる。
【0020】
ある特定の実施形態では、装填装置の本体は、排出管を介して排出ユニットに取り付けられている。排出管は、約1メートル、約2メートル、約3メートル、約4メートル、約5メートル、約7メートル、約10メートル、約15メートル、約20メートル、又は約30メートルの長さを有するのが良い。ある特定の実施形態では、排出ユニットは、ダストフィルタを有する。ある特定の実施形態では、排出ユニットは、別の場所への空中浮揚粒状物質の移動を助ける少なくとも10kPa、少なくとも15kPa、少なくとも20kPa、又は少なくとも25kPaの真空圧を生じさせる。
【0021】
ある特定の実施形態では、排出管は、本体のリップの下に位置するT継手に取り付けられている。ある特定の実施形態では、本体のリップの下のT継手は、本体の上半分内に存在する。例えば、本体のリップの下のT継手は、本体の上3分の1又は本体の上4分の1内に存在する。ある特定の実施形態では、リップの最も近くに位置するT継手表面は、リップよりも20mm下に、又はリップよりも25mm下に、リップよりも30mm下に、リップよりも35mm下に、リップよりも40mm下に、リップよりも45mm下に、リップよりも50mm下に、リップよりも55mm下に、リップよりも60mm下に、リップよりも65mm下に、リップよりも70mm下に、又はリップよりも75mm下に位置決めされる。
【0022】
本明細書において開示されるT継手は、1つの開口部を備えた底部側区分を有し、この底部側区分は、2つの開口部を備えたT継手の頂部側区分に取り付けられるとともにこれに対して垂直である。T継手の頂部側区分の2つの開口部は、端と端を付き合わせた状態で互いに連結されている。T継手の頂部側区分は、装填装置の内側に位置決めされている。ある特定の実施形態では、T継手の頂部側区分の開口部は、本体の側壁の方へ差し向けられている。ある特定の実施形態では、T継手の頂部側区分の2つの開口部のどれも装填装置の中心の方へ差し向けられてはいない。ある特定の実施形態では、T継手の頂部側区分及び底部側区分は、円筒形かつ/あるいは円錐形である。
【0023】
ある特定の実施形態では、T継手は、T継手の底部側開口部が本体の外側に位置し、T継手の頂部側開口部が本体の内側に位置した状態で装填装置の本体に取り付けられている。ある特定の実施形態では、T継手の底部側開口部は、T継手の頂部側区分の2つの開口部が装填装置の本体内に位置した状態で排出管に取り付けられている。ある特定の実施形態では、T継手の頂部側区分は、溶接、ねじ止め、又はボルト付きナットの使用によって装填装置の本体に固定されている。ある特定の実施形態では、T継手の底部側区分は、例えば傍心ロック又はねじロックを用いたクランプ装置を用いて排出管に取り付けられている。
【0024】
ある特定の実施形態では、T継手の底部側開口部は、約90mm、約100mm、約110mm、約120mm、約130mm、約140mm、約150mm、約160mm、約170mm、又は約180mmの直径を有する。ある特定の実施形態では、T継手の頂部側開口部は、互いに別個独立に、約90mm、約100mm、約110mm、約120mm、約130mm、約140mm、約150mm、約160mm、約170mm、又は約180mmの直径を有する。ある特定の実施形態では、T継手の頂部側区分から垂直に突き出たT継手の底部側区分は、約140mm、約130mm、約120mm、約110mm、約100mm、約90mm、又は約80mmの長さを有する。ある特定の実施形態では、T継手の頂部側区分の2つの開口部相互間の距離は、約350mm、約340mm、約330mm、約320mm、約310mm、約300mm、約290mm、約280mm、約270mm、約260mm、約250mm、又は約240mmである。ある特定の実施形態では、頂部側開口部は両方共、約160mmの直径を有し、底部側開口部は、約100mmの直径を有し、底部側の突出区分は、約140mmの長さを有し、T継手の頂部側区分の2つの開口部相互間の区分は、約320mmである。
【0025】
ある特定の実施例では、T継手により、主として、空中浮揚微粒子を排出管経由で排出することができるということが観察された。理論に束縛されるわけではないが、T継手の形状及び位置決め具合により、大きな重い粒子を装填装置内に残した状態で細かい空中浮揚の塵粒を排出することができるということが考えられる。ある特定の実施形態では、粒径が100μm未満、90μm未満、80μm未満、70μm未満、60μm未満、50μm未満、又は40μm未満の粒状物質は、T継手及び排出管を経て排出される。ある特定の実施形態では、粒径が100μm超の粒状物質は、装填装置内に残る。ある特定の実施形態では、T継手にはフィルタがない。
【0026】
ある特定の実施形態では、T継手の頂部側区分は、本体の上半分内でリップの下において装填装置の本体の内側に配置され、T継手の頂部側区分は、装填装置の内側にあり、T継手の頂部側区分の2つの開口部は、本体の側壁の方へ差し向けられる。
【0027】
ある特定の実施形態では、排出ユニット内に集められた粒状物質は、再利用される。
【0028】
ある特定の実施形態では、スパイクが第1の開口部から突き出ている。スパイクは、2つ又は3つ以上の箇所で本体に取り付けられるのが良い。ある特定の実施例では、スパイクは、オペレータが未開封状態の第1の容器を装填装置の第1の開口部上に直接配置することができることによって粒状物質の移送を容易にするのを助けることができる。ある特定の実施例では、スパイクは、第1の開口部のところでのその配置時に第1の容器を穴あけし、それにより内容物が装填装置に入るようにする。第1の容器は、フォークリフトトラックの助けにより装填装置の第1の開口部上に位置決めされるのが良い。第1の容器が第1の開口部上にいったん配置されると、装填装置の位置及び形状は、第1の容器への都合の良い接近を阻止することができ、それによりオペレータが手及び/又は腕を装填装置中に差し込むのを止めさせる。これは、手及び/又は腕を装填装置及び/又は第2の容器中に差し込むことによって受ける場合のある潜在的な外傷からオペレータを守るのに役立ち得る。
【0029】
ある特定の実施形態では、装填装置は、以下の作用効果のうちの1つ又は2つ以上有することができ、すなわち、
‐空中浮揚粒状物質の封じ込め、
‐第1の容器から第2の容器への粒状物質の安全な移送、
‐粒状物質の環境に優しい使用、
‐再使用可能な装置の提供、
‐種々の寸法及び形状を備えた互いに異なる第1の容器及び/又は第2の容器に適合可能な融通性のある装置の提供、
‐手及び腕が挟まれるリスクの発生の阻止、
‐人が空中浮揚の粒状物質にさらされる恐れがなくなる、
‐空中浮揚粒状物質の選択的な排出が行われる。
【0030】
実施例
図1は、装填装置1の一実施例を示しており、本体2は、第1の開口部3及び第2の開口部4(図示せず)を有する。本体は、ボルト付きナット10(図示せず)によりエレメント6に取り付けられ、これらボルト付きナット相互間にガスケット3が固定されている。
【0031】
図1に示された実施例は、排出管8及び排出ユニット9をさらに有し、本体2は、排出管8を介して排出ユニット9に取り付けられている。スパイク11もまた、図1の実施例に存在し、このスパイクは、第1の開口部3から突き出ている。
【0032】
図2は、エレメント6、ガスケット5及び本体2の組立体の一実施例を示している。エレメント6は、ボルト付きナット10(図示せず)によりリップ7を介して本体2に取り付けられており、これらボルト付きナット相互間にはガスケット5が固定されている。
【0033】
図3は、装填装置1の一実施例を示しており、第1の容器12が装填装置の第1の開口部(図示せず)のところに配置され、第2の容器13が装填装置の第2の開口部(図示せず)に取り付けられている。
【0034】
図4は、装填装置1の断面の一部を上から見た図であり、T継手14が装填装置1及び排出管8に取り付けられている。T継手14の頂部側区分は、装填装置1の内側に位置した状態で本体2に取り付けられている。T継手の頂部側区分の2つの開口部14b,14cは、装填装置1の中心から遠ざかる方向に差し向けられている。T継手の底部側開口部14aは、排出管8に取り付けられている。
【0035】
番号が付与された実施態様に関する疑いをなくすため、本願は、以下の番号が付与された実施態様項に記載された主題に関する。
【0036】
〔実施態様項1〕
粒状物質を装填する装填装置(1)であって、第1の開口部(3)及び第2の開口部(4)を備えた本体(2)を有し、ガスケット(5)が上記第1の開口部(3)のところに配置されていることを特徴とする装填装置(1)。
【0037】
〔実施態様項2〕
エレメント(6)をさらに有し、上記ガスケット(5)は、上記本体(2)と上記エレメント(6)との間に配置されていることを特徴とする実施態様項1記載の装填装置(1)。
【0038】
〔実施態様項3〕
上記本体(2)は、リップ(7)を有し、上記リップは、上記第1の開口部(3)の周りに境界部を形成していることを特徴とする実施態様項1又は2記載の装填装置(1)。
【0039】
〔実施態様項4〕
上記エレメント(6)は、好ましくは上記リップ(7)を介して上記本体(2)に取り付けられていることを特徴とする実施態様項1~3のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【0040】
〔実施態様項5〕
上記ガスケット(5)は、可撓性であることを特徴とする実施態様項1~4のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【0041】
〔実施態様項6〕
上記ガスケット(5)は、ゴム、シリコーン、コルク、ネオプレン、ニトリルゴム及び/又はポリテトラフルオロエチレンから成ることを特徴とする実施態様項1~5のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【0042】
〔実施態様項7〕
上記第1の開口部(3)は、第1の平面内にあり、上記第2の開口部(4)は、第2の平面内にあり、上記第1の平面と上記第2の平面は、互いに対して25°未満の角度をなしていることを特徴とする実施態様項1~6のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【0043】
〔実施態様項8〕
上記本体(2)の一部は、円筒形又は円錐形であることを特徴とする実施態様項1~7のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【0044】
〔実施態様項9〕
上記本体(2)は、アルミニウム、錬鉄、鋳鉄、鋼、ステンレス鋼、炭素繊維、繊維強化プラスチック及び/又は木材から成ることを特徴とする実施態様項1~8のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【0045】
〔実施態様項10〕
上記本体(2)は、排出管(8)に取り付けられていることを特徴とする実施態様項1~9のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【0046】
〔実施態様項11〕
上記装填装置(1)は、上記排出管(8)を介して排出ユニット(9)に取り付けられていることを特徴とする実施態様項1~10のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【0047】
〔実施態様項12〕
上記装填装置(1)の内側に設けられた2つの頂部側開口部(14b,14c)及び上記装填装置(1)の外側に設けられた底部側開口部(14a)を備えたT継手(14)を有し、上記底部側開口部(14a)は、上記排出管(8)に取り付けられていることを特徴とする実施態様項10又は11記載の装填装置(1)。
【0048】
〔実施態様項13〕
上記T継手(14)は、リップ(7)の下で上記本体(2)の上半分に配置され、上記リップ(7)は、上記第1の開口部(3)の周りに境界部を形成していることを特徴とする実施態様項12記載の装填装置(1)。
【0049】
〔実施態様項14〕
上記T継手(14)の頂部側区分は、上記2つの開口部(14b,14c)が上記本体(2)の側壁に差し向けられた状態で上記本体(2)に取り付けられていることを特徴とする実施態様項12又は13記載の装填装置(1)。
【0050】
〔実施態様項15〕
スパイク(11)が上記第1の開口部(3)から突き出ていることを特徴とする実施態様項1~14のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【0051】
〔実施態様項16〕
上記スパイク(11)は、上記本体(2)に取り付けられていることを特徴とする実施態様項1~15のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【0052】
〔実施態様項17〕
第2の容器(13)が上記第2の開口部(4)の周りで上記本体(2)に固定可能であることを特徴とする実施態様項1~16のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【0053】
〔実施態様項18〕
上記第2の容器(13)は、混合装置であることを特徴とする実施態様項17記載の装填装置(1)。
【0054】
〔実施態様項19〕
上記混合装置は、コンクリート吹き付け型混合装置であることを特徴とする実施態様項18記載の装填装置(1)。
【0055】
〔実施態様項20〕
上記粒状物質は、石灰シリケート、珪酸カルシウム、ポートランドセメント、砂、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化カルシウムジルコニア、炭化物、窒化物、硼化物、シリケート、黒鉛、非晶質炭素、炭化珪素、珪酸アルミニウム、酸化クロム、又はこれらの組み合わせの中から選択されることを特徴とする実施態様項1~19のうちいずれか一に記載の装填装置(1)。
【0056】
〔実施態様項21〕
混合装置であって、実施態様項1~20のうちいずれか一に記載の装填装置(1)を備えていることを特徴とする混合装置。
【0057】
〔実施態様項22〕
粒状物質を装填する方法であって、
a)実施態様項1~20のうちいずれか一に記載の上記装填装置(1)の上記第1の開口部(3)上に粒状物質の入った第1の容器(12)を配置するステップと、
b)上記粒状物質を上記装填装置の上記第2の開口部(4)に取り付けられている第2の容器(13)中に移送するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【0058】
〔実施態様項23〕
上記第1の容器(12)は、袋であることを特徴とする実施態様項22記載の方法。
【0059】
〔実施態様項24〕
上記第2の容器(13)は、混合装置であることを特徴とする実施態様項22又は23記載の方法。
【符号の説明】
【0060】
1 装填装置
2 本体
3 第1の開口部
4 第2の開口部
5 ガスケット
6 エレメント
7 リップ
8 排出管
9 排出ユニット
10 ボルト付きナット
11 スパイク
12 第1の容器
13 第2の容器
14 T継手
14a 底部側開口部
14b,14c 頂部側開口部
図1
図2
図3
図4