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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】端子及びレセプタクルコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/02 20060101AFI20230706BHJP
   H01R 13/05 20060101ALI20230706BHJP
   H01R 13/6471 20110101ALI20230706BHJP
   H01R 13/41 20060101ALI20230706BHJP
   H01R 12/51 20110101ALN20230706BHJP
   H01R 33/76 20060101ALN20230706BHJP
【FI】
H01R4/02 Z
H01R13/05 A
H01R13/6471
H01R13/41
H01R12/51
H01R33/76 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021191656
(22)【出願日】2021-11-26
(65)【公開番号】P2022084567
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】202011347224.1
(32)【優先日】2020-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】タン ヒエン フィー
(72)【発明者】
【氏名】チャン ユエ ティン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ヤオ ティン
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/245153(WO,A1)
【文献】特表2007-501498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 3/00- 4/22
H01R 12/00-12/91
H01R 13/00-13/08
H01R 13/15-13/72
H01R 24/00-24/86
H01R 33/00-33/975
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだ付け部と、該はんだ付け部の対向する2つの端部にそれぞれ位置し上方に延在する第1の端部及び第2の端部を有するはんだ付け部分と、
前記第1の端部から上方に延在する直立アームと、
屈曲アームであって、前記第2の端部から上方に延在する当接部分と、前記直立アームから離れるように、前記当接部分から上方に屈曲しかつ傾斜して延在する下部屈曲部分と、最初に前記直立アームから離れるように、前記下部屈曲部分から延在し、次に、背面に屈曲し前記直立アームに近接して上方に傾斜して延在する弾性屈曲部分と、該弾性屈曲部分から上方に屈曲かつ延在する上部屈曲部分と、該上部屈曲部分から上方に延在する接触部分とを有する屈曲アームと、
屈曲アームの当接部分の2つの側縁のそれぞれに形成され、前記2つの側縁が前記はんだ付け部分に接続され、該はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出している肩部と、
を備える端子であって、
該端子は、絶縁ハウジングに形成された端子溝に収容され、前記はんだ付け部分は、前記端子溝が有する位置決め溝部であって、前記絶縁ハウジングの底面と上面を貫通する位置決め溝部に収容され、前記肩部は、前記位置決め溝部の側壁面に形成された段差部に対して圧接して位置決めされる、端子
【請求項2】
前記肩部が、前記直立アームの2つの側縁のそれぞれに形成され、前記2つの側縁が前記はんだ付け部分に接続され、前記肩部が、前記はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出する、請求項1に記載の端子。
【請求項3】
前記接触部分が前記直立アームの上方に位置し、前記接触部分が押下され下方に移動すると、前記上部屈曲部分が前記直立アームに接触する、請求項1に記載の端子。
【請求項4】
前記直立アームの先端が、前記屈曲アームから離れるように傾斜して上方に延在し、前記上部屈曲部分が押下されたときに、該上部屈曲部分を圧接させる傾斜端部を形成する、請求項に記載の端子。
【請求項5】
前記傾斜端部の幅が前記上部屈曲部分の幅よりも広い、請求項に記載の端子。
【請求項6】
前記はんだ付け部が、下向きのはんだ面を有し、錫玉ではんだ付けするために使用される、請求項1に記載の端子。
【請求項7】
絶縁ハウジングが、
底面と、該底面と対向する上面と、複数の端子溝であって、各端子溝が、前記底面と前記上面を貫通する位置決め溝部と、該位置決め溝部から横方向に延在し前記上面を貫通した収容溝部と、を有する複数の端子溝と、を有し、前記位置決め溝部を画定する壁面が、互いに向かい合い互いに離間した2つの第1の側壁面と、該2つの第1の側壁面のそれぞれの一辺を接続する第2の側壁面と、前記2つの第1の側壁面を接続し、前記第2の側壁面と向かい合い、該第2の側壁面から離間した第3の側壁面と、を備え、前記2つの第1の側壁面の少なくとも一方が段差部を形成し、該段差部は、前記2つの第1の側壁面の少なくとも一方が前記底面に近接した位置で突出しており、前記第3の側壁面の高さが、前記第2の側壁面の高さよりも低く、その結果、前記位置決め溝部と前記収容溝部とが互いに連通し、該収容溝部を画定する壁面が、前記上面に向かい合い前記第3の側壁面に接続された底壁面を備え、該底壁面が、該底壁面が前記第3の側壁面に隣接する位置で突出部を形成する、絶縁ハウジングと、
前記複数の端子溝にそれぞれ収容される複数の端子であって、各端子が、前記底面に隣接したはんだ付け部分と、屈曲アームであって、該屈曲アームが、前記はんだ付け部分の一端から上方に延在し、前記第3の側壁面に隣接する当接部分と、該当接部分から前記収容溝部に向かって屈曲しかつ上方に傾斜して延在し、前記突出部に近接する下部屈曲部分と、最初に前記第2の側壁面から離れるように前記下部屈曲部分から延在し、次に、背面に屈曲し前記第2の側壁面に近接して上方に傾斜して延在する弾性屈曲部分と、該弾性屈曲部分から屈曲しかつ上方に延在する上部屈曲部分と、該上部屈曲部分から上方に延在する接触部分と、を有する屈曲アームと、該屈曲アームの当接部分の2つの側縁のそれぞれに形成され、前記はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出している肩部と、を備え、前記はんだ付け部分は、前記位置決め溝部に収容され、前記肩部が、対応する段差部に対して圧接して位置決めされる、複数の端子と、を備えるレセプタクルコネクタ。
【請求項8】
各端子が、前記はんだ付け部分の他端から上方に延在し前記第2の側壁面に隣接する、直立アームをさらに備える、請求項に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項9】
前記はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出した肩部が、前記はんだ付け部分に接続された前記直立アームの2つの側縁のそれぞれに形成され、
前記直立アームの肩部が、対応する段差部に対して圧接して位置決めされる、
請求項に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項10】
前記2つの第1の側壁面それぞれが1つの段差部を形成し、該段差部は、前記2つの第1の側壁面のそれぞれが前記底面に近接した位置で突出しており、
前記はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出した肩部が、前記はんだ付け部分に接続された前記直立アームの2つの側縁のそれぞれに形成され、
前記直立アームの肩部が、対応する段差部に対して圧接して位置決めされる、
請求項に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項11】
各端子の前記当接部分が前記第3の側壁面に対して当接し、各端子の前記直立アームが前記第2の側壁面に対して当接し、その結果、各端子に予圧力がかかる、請求項に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項12】
前記直立アームの先端が、前記屈曲アームから離れるように傾斜して上方に延在し、前記上部屈曲部分が押下されたときに該上部屈曲部分を圧接させる傾斜端部を形成する、請求項に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項13】
前記傾斜端部の幅が前記上部屈曲部分の幅よりも広い、請求項12に記載のレセプタクルコネクタ。
【請求項14】
前記はんだ付け部が、下向きのはんだ面を有し、錫玉ではんだ付けするために使用される、請求項に記載のレセプタクルコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子及びレセプタクルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、板ばね式接続ピンを開示しており、板ばね式接続ピンは、垂直方向に延在する支持ピンと、支持ピンから所定の間隔で離間した板ばねと、支持ピン及び板ばねを接続するブリッジとを有する。支持ピンは、支持ピンの上端に位置し屈曲したリップ部と、支持ピンの下端に位置する第1のベース部と、リップ部に近接し2つの側面に向かってそれぞれ突出した係止突出部とを有する。板ばねは、リップ部に対して直交する方向に延在する上部プローブ部と、第1のベース部の高さと同じ高さに設けられた第2のベース部と、上部プローブ部と第2のベース部との間に設けられたV字部と、V字部の上端と上部プローブ部の下端とを接続する上部屈曲部と、V字部の下端と第2のベース部の上端とを接続する下部屈曲部とを有する。ブリッジは、第1のベース部の下端と第2のベース部の下端とで屈曲して第1のベース部と第2のベース部とを接続し、板ばね式接続ピンの下部プローブとして機能する。板ばね式接続ピンは、係止突出部によって絶縁ハウジングの内部に係合され、支持ピンの位置を固定するのに役立つ。
【0003】
板ばね式接続ピンを絶縁ハウジングに設けると、係止突出部の位置が第1のベース部の位置及び第2のベース部の位置よりも高く、かつリップ部に近接するため、板ばね式接続ピンの位置決めが安定せず、嵌合した導電性パッドで板ばねの上部プローブ部を押下したとき、上部プローブ部が揺れやすくなり、電気的接続の安定性に影響を与える。
【0004】
さらに、電気コネクタは、ロープロファイルに対応し、かつ高速伝送のための電気的要件に適合可能である必要があり、また端子と電気コネクタとが信号を伝送する際の信号品位(SIと略す)をいかに高めるかも改善が必要な課題のひとつである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2019/245153号
【発明の概要】
【0006】
したがって、本開示は、前述の問題を解決し得る端子を提供することを目的とする。
【0007】
よって、いくつかの実施形態では、本開示の端子は、はんだ付け部分と、直立アームと、屈曲アームとを備える。はんだ付け部分は、対向する2つの端部にそれぞれ位置し上方に延在する第1の端部及び第2の端部を有する。直立アームは、第1の端部から上方に延在する。屈曲アームは、第2の端部から上方に延在する当接部分と、直立アームから離れるように当接部分から上方に屈曲しかつ傾斜して延在する下部屈曲部分と、最初に直立アームから離れるように下部屈曲部分から延在し、次に、背面に屈曲し直立アームに近接して上方に傾斜して延在する弾性屈曲部分と、弾性屈曲部分から上方に屈曲しかつ延在する上部屈曲部分と、上部屈曲部分から上方に延在する接触部分とを有する。肩部は、直立アーム及び屈曲アームの少なくとも一方のそれぞれの、2つの側縁の少なくとも1つの側縁のそれぞれに形成され、2つの側縁は、はんだ付け部分に接続され、肩部は、はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出している。
【0008】
いくつかの実施形態では、肩部が、直立アーム及び屈曲アームの少なくとも一方のそれぞれの、2つの側縁のそれぞれに形成され、2つの側縁がはんだ付け部分に接続され、肩部が、はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出する。
【0009】
いくつかの実施形態では、肩部が、直立アーム及び屈曲アームのそれぞれの、2つの側縁の少なくとも1つの側縁のそれぞれに形成され、2つの側縁がはんだ付け部分に接続され、肩部が、はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出する。
【0010】
いくつかの実施形態では、肩部が、直立アーム及び屈曲アームのそれぞれの、2つの側縁のそれぞれに形成され、2つの側縁がはんだ付け部分に接続され、肩部が、はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出する。
【0011】
いくつかの実施形態では、接触部分が直立アームの上方に位置し、接触部分が押下され下方に移動すると、上部屈曲部分が直立アームに接触する。
【0012】
いくつかの実施形態では、直立アームの先端が、屈曲アームから離れるように傾斜して上方に延在し、上部屈曲部分が押下されたときに、上部屈曲部分を圧接させる傾斜端部を形成する。
【0013】
いくつかの実施形態では、傾斜端部の幅が上部屈曲部分の幅よりも広い。
【0014】
いくつかの実施形態では、はんだ付け部分は、第1の端部と第2の端部とを接続するはんだ付け部をさらに有し、はんだ付け部は、下向きのはんだ面を有し、錫玉ではんだ付けするために使用される。
【0015】
本開示は、前述の問題を解決し得るレセプタクルコネクタを提供することを別の目的とする。
【0016】
よって、いくつかの実施形態では、本開示のレセプタクルコネクタは、絶縁ハウジングと複数の端子とを備える。絶縁ハウジングは、底面と、前記底面と対向する上面と、複数の端子溝とを有し、各端子溝は、底面及び上面を貫通する位置決め溝部と、位置決め溝部から横方向に延在し、上面を貫通する収容溝部とを有する。そして、位置決め溝部を画定する壁面は、互いに向かい合い互いに離間した2つの第1の側壁面と、2つの第1の側壁面のそれぞれの一辺を接続する第2の側壁面と、2つの第1の側壁面を接続し、第2の側壁面と向かい合い第2の側壁面から離間した第3の側壁面とを備える。2つの第1の側壁面の少なくとも一方は、段差部を形成し、該段差部は、2つの第1の側壁面の少なくとも一方が底面に近接した位置で突出しており、第3の側壁面の高さは、第2の側壁面の高さよりも低く、その結果、位置決め溝部と収容溝部とは互いに連通している。収容溝部を画定する壁面は、上面と向かい合い、第3の側壁面と接続した底壁面を備え、底壁面は、底壁面が第3の側壁面と隣接する位置に突出部を形成する。複数の端子が、複数の端子溝にそれぞれ設けられる。各端子は、底面に隣接したはんだ付け部分と屈曲アームとを備え、屈曲アームは、はんだ付け部分の一端から上方に延在し、第3の側壁面に隣接する当接部分と、当接部分から収容溝部に向かって屈曲しかつ上方に傾斜して延在し、突出部に近接する下部屈曲部分と、最初に第2の側壁面から離れるように下部屈曲部分から延在し、次に、背面に屈曲し第2の側壁面に近接して上方に傾斜して延在する弾性屈曲部分と、弾性屈曲部分から屈曲しかつ上方に延在する上部屈曲部分と、上部屈曲部分から上方に延在する接触部分とを有する。はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出した肩部が、はんだ付け部分に接続した当接部分の2つの側縁の少なくとも1つの側縁のそれぞれに形成され、肩部は、対応する段差部に対して圧接して位置決めされる。
【0017】
いくつかの実施形態では、2つの第1の側壁面それぞれが1つの段差部を形成し、該段差部が、2つの第1の側壁面のそれぞれが底面に近接した位置で突出し、はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出した肩部が、はんだ付け部分に接続された当接部分の2つの側縁のそれぞれに形成され、肩部が、対応する段差部に対してそれぞれ圧接して位置決めされる。
【0018】
いくつかの実施形態では、各端子は、はんだ付け部分の他端から上方に延在し、第2の側壁面に隣接する直立アームをさらに備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出した肩部が、はんだ付け部分に接続された直立アームの2つの側縁の少なくとも1つの側縁のそれぞれに形成され、直立アームの肩部が、対応する段差部に対して圧接して位置決めされる。
【0020】
いくつかの実施形態では、2つの第1の側壁面それぞれが1つの段差部を形成し、該段差部は、2つの第1の側壁面のそれぞれが底面に近接した位置で突出しており、はんだ付け部分の対応する側縁に対して突出した肩部が、はんだ付け部分に接続された直立アームの2つの側縁のそれぞれに形成され、直立アームの肩部が、対応する段差部に対して圧接して位置決めされる。
【0021】
いくつかの実施形態では、各端子の当接部分が第3の側壁面に対して当接し、各端子の直立アームが第2の側壁面に対して当接し、その結果、各端子に予圧力がかかる。
【0022】
いくつかの実施形態では、直立アームの先端が、屈曲アームから離れるように傾斜して上方に延在し、上部屈曲部分が押下されたときに、上部屈曲部分を圧接させる傾斜端部を形成する。
【0023】
いくつかの実施形態では、傾斜端部の幅が上部屈曲部分の幅よりも広い。
【0024】
いくつかの実施形態では、はんだ付け部が、下向きのはんだ面を有し、錫玉ではんだ付けするために使用される。
【0025】
いくつかの実施形態では、本開示のレセプタクルコネクタは、絶縁ハウジングと複数の端子とを備える。絶縁ハウジングは、第1の端子提供部と、第2の端子提供部と、第1の端子提供部と第2の端子提供部との間に位置するアイソレーション部とを有し、第1の端子提供部と、第2の端子提供部と、アイソレーション部とは第1の方向に分布している。複数の端子が、第1の端子提供部と、第2の端子提供部と、アイソレーション部とに分布して設けられる。第1の端子提供部に設けられた端子及び第2の端子提供部に設けられた端子は、それぞれ複数の端子群を備え、各端子群は、第1の方向に対して直交する第2の方向に沿って並んで配置される4つの端子によって構成され、4つの端子のうち中央に位置する2つの端子は信号端子として機能し、4つの端子のうち外側に位置する2つの端子は、それぞれ第1のグランド端子として機能し、アイソレーション部に設けられた端子は、第2のグランド端子として機能する。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の端子提供部に設けられた端子及び第2の端子提供部に設けられた端子がそれぞれ、第1の方向に分布した複数の端子列として配置され、各端子列の端子が、第2の方向に沿って配置され、各端子列は、端子群が第2の方向に沿って互いに離間して配置され、隣接する端子列の端子群の位置は第1の方向に交互に配置されており、アイソレーション部に設けられた第2のグランド端子を2列に分け、第2のグランド端子の一方の列は第1の端子提供部に隣接し、第2のグランド端子の他方の列は第2の端子提供部に隣接し、2列の第2のグランド端子の位置は第1の方向に交互に配置され、それぞれが、対応する第2のグランド端子の近傍にある端子群の信号端子から一定の距離で離間されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、各端子列が、第3のグランド端子として機能する1つの端子をさらに有し、隣接する端子列の第3のグランド端子は、第2の方向に対向する2つの端部側にそれぞれ位置し、それぞれが同一端子列の端子群から離間して配置されている。
【0028】
本開示は、少なくとも、当該端子を絶縁ハウジングに設けると、端子は、良好な安定した位置決め効果を有し、良好な信号品位性能を有するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示の他の特徴及び効果は、以下の添付図面を参照した実施形態において明らかになるであろう。
【0030】
図1】本開示のレセプタクルコネクタの、第1の実施形態の斜視図である。
図2図1を別の角度から見た斜視図である。
図3】第1の実施形態の平面図である。
図4】第1の実施形態の分解斜視図である。
図5】第1の実施形態の絶縁ハウジングの平面図である。
図6図5の部分拡大図である。
図7】第1の実施形態の端子の斜視図である。
図8】第1の実施形態の端子を別の角度から見た斜視図である。
図9図3のIX-IX線に沿った部分断面図である。
図10図3のX-X線に沿った部分断面図である。
図11図3のXI-XI線に沿った部分断面図である。
図12】本開示のレセプタクルコネクタの第2の実施形態の部分斜視図である。
図13】第2の実施形態の部分斜視分解図である。
図14図13を別の角度から見た斜視分解図である。
図15図12のXV-XV線に沿った部分断面図である。
【符号の説明】
【0031】
100 レセプタクルコネクタ
1 絶縁ハウジング
11 底面
12 上面
13 端子溝
131 位置決め溝部
131a 第1の側壁面
131b 第2の側壁面
131c 第3の側壁面
131d 段差部
132 収容溝部
132a 底壁面
132b 突出部
2 端子
21 はんだ付け部分
211 第1の端部
212 第2の端部
213 はんだ付け部
213a はんだ面
22 直立アーム
221 傾斜端部
23 屈曲アーム
231 当接部分
232 下部屈曲部分
233 弾性屈曲部分
234 上部屈曲部分
235 接触部分
24 肩部
3 錫球
A1 第1の端子提供部
A2 第2の端子提供部
A3 アイソレーション部
D1 第1の方向
D2 第2の方向
G1 第1のグランド端子
G2 第2のグランド端子
G3 第3のグランド端子
S 信号端子
TG 端子群
TR 端子列
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示を詳細に説明する前に、以下の説明では、同様の構成要素は同一の参照番号で示されていることに留意されたい。
【0033】
図1図4を参照すると、本開示のレセプタクルコネクタ100の第1の実施形態は、絶縁性ハウジング1と、絶縁性ハウジング1に設けられた複数の端子2とを含む。
【0034】
図3に示すように、絶縁性ハウジング1は、第1の端子提供部A1と、第2の端子提供部A2と、第1の端子提供部A1と第2の端子提供部A2との間に位置するアイソレーション部A3とを有し、第1の端子提供部A1と、第2の端子提供部A2と、アイソレーション部A3とは第1の方向D1に分布している。
【0035】
複数の端子2は、第1の端子提供部A1と、第2の端子提供部A2と、アイソレーション部A3とに分布して設けられる。第1の端子提供部A1に設けられた端子2及び第2の端子提供部A2に設けられた端子2は、それぞれ複数の端子群TGを含み、各端子群TGは、第1の方向D1に対して直交する第2の方向D2に沿って並んで配置される4つの端子2によって構成され、4つの端子2のうち中央に位置する2つの端子2は信号端子Sとして機能し、4つの端子2のうち外側に位置する2つの端子2は、それぞれ第1のグランド端子G1として機能する。アイソレーション部A3に設けられた端子2は、第2のグランド端子G2として機能する。
【0036】
本実施形態では、第1の端子提供部A1に設けられた端子2及び第2の端子提供部A2に設けられた端子2はそれぞれ、第1の方向D1に分布した複数の端子列TRとして配置され、各端子列TRの端子2は第2の方向D2に沿って配置されており、各端子列TRは、端子群TGは第2の方向D2に沿って互いに離間して配置され、隣接する端子列TRの端子群TGの位置は第1の方向D1に交互に配置されている。各端子列TRは、第3のグランド端子G3として機能する1つの端子2をさらに有し、隣接する端子列TRの第3のグランド端子G3は、第2の方向D2に対向する2つの端部側にそれぞれ位置し、それぞれは同一端子列TRの端子群TGから離間して配置されている。特に、第1の端子提供部A1及び第2の端子提供部A2のそれぞれには、4つの端子列TRが設けられており、各端子列TRは、4つの端子群TG及び1つの第3のグランド端子G3を有する。隣接する端子列TRの端子群TGは、第1の方向D1に交互に配置することにより、隣接する端子列TRの信号端子Sは、第1の方向D1に交互に配置され、その結果、一方の隣接する端子列TRの信号端子Sが、他方の隣接する端子列TRの端子群TG間の空き領域に第1の方向D1に整列する。端子群TGの2つの第1のグランド端子G1は、第1の方向D1において隣接する端子列TRの隣接する2つの端子群TGにそれぞれ、対応し、隣接する信号端子Sと隣接する端子列TRの第1のグランド端子G1との間にそれぞれ対応して位置する。図3に示す方向に基づいて、隣接する端子列TRの端子群TGが、第1の方向D1に交互に配置されているので、隣接する端子列TRのうち一方の端子列TRが、最も外側に位置する一方の端子列TRの端子群TGを、隣接する端子列TRのうち他方の端子列TRに対して左側及び右側のいずれか一方に突出させることによって、隣接する端子列TRに対して外側に突出した最も外側の端子群TGの信号端子Sと第1のグランド端子G1とは、その間に対応する隣接する端子列TRの第1のグランド端子G1を有さない。そこで、各端子列TRの第3のグランド端子G3を、対応する信号端子Sと外側に突出した隣接する端子列TRの第1のグランド端子G1との間に設け、各端子群TGが隣接する端子列TRの2つのグランド端子に対応できるようにすることで、各端子群TGの2つの信号端子Sのバランスが崩れることを回避している。
【0037】
本実施形態では、第1の端子提供部A1に設けられた端子2及び第2の端子提供部A2に設けられた端子2が、それぞれ信号の送信及び信号の受信に用いられ、第1の端子提供部A1及び第2の端子提供部A2は、アイソレーション部A3によって互いにアイソレーションされているので、より良好な近端クロストークのアイソレーション度合を有することができる。アイソレーション部A3に設けられた第2のグランド端子G2は、クロストークブロックとして機能するように用いられる。特に、アイソレーション部A3に設けられた第2のグランド端子G2を2列に分け、第2のグランド端子G2の一方の列を第1の端子提供部A1に隣接させ、第2のグランド端子G2の他方の列を第2の端子提供部A2に隣接させ、2列の第2のグランド端子G2の位置を第1の方向D1に交互に配置し、それぞれを、対応する第2のグランド端子G2の近傍にある端子群TGの信号端子Sから一定の距離で離間する。したがって、第2のグランド端子G2は、対応する信号端子Sから離れており、その結果、本来設計された対応する信号端子Sの信号品位性能に影響を与えることを回避する。
【0038】
図5図6及び図9を参照すると、絶縁性ハウジング1は、底面11と、底面11と対向する上面12と、複数の端子溝13とを有する。各端子溝13は、1つの端子2を収容するために用いられ、底面11及び上面12を貫通する位置決め溝部131と、位置決め溝部131から横方向に延在し、上面12を貫通する収容溝部132とを有する。そして、位置決め溝部131を画定する壁面は、互いに向かい合い互いに離間した2つの第1の側壁面131aと、2つの第1の側壁面131aのそれぞれの一辺を接続する第2の側壁面131bと、2つの第1の側壁面131aを接続し、第2の側壁面131bと向かい合い第2の側壁面131bから離間した第3の側壁面131cとを含む。2つの第1の側壁面131aの少なくとも一方は、段差部131dを形成し、該段差部は、2つの第1の側壁面131aの少なくとも一方が底面11に近接した位置で突出しており、本実施形態では、2つの第1の側壁面131aはそれぞれ、底面11に近接した位置で突出する段差部131dを形成する。第3の側壁面131cの高さは、第2の側壁面131bの高さよりも低く、その結果、位置決め溝部131と収容溝部132とは互いに連通している。収容溝部132を画定する壁面は、上面12と向かい合い、第3の側壁面131cと接続した底壁面132aを含み、底壁面132aは、底壁面132aが第3の側壁面131cと隣接する位置に突出部132bを形成する。本実施形態では、同一の端子群TG(図3参照)を収容するために用いられる4つの端子溝13の収容溝部132は、互いに連通している。
【0039】
図7図9を参照すると、各端子2は、はんだ付け部分21と、直立アーム22と、屈曲アーム23とを含む。はんだ付け部分21は、はんだ付け部213と、はんだ付け部213の対向する2つの端部にそれぞれ位置し上方に延在する第1の端部211と第2の端部212とを有する。はんだ付け部213は、下向きのはんだ面213aを有し、錫玉3ではんだ付けするために使用される。直立アーム22は、第1の端部211から上方に延在する。屈曲アーム23は、第2の端部212から上方に延在する当接部分231と、直立アーム22から離れるように、当接部分231から上方に屈曲しかつ傾斜して延在する下部屈曲部分232と、最初に、直立アーム22から離れるように、下部屈曲部分232から延在し、次に、背面に屈曲し直立アーム22に近接して上方に傾斜して延在する弾性屈曲部分233と、弾性屈曲部分233から上方に屈曲しかつ延在する上部屈曲部分234と、上部屈曲部分234から上方に延在する接触部分235とを有する。
【0040】
肩部24は、直立アーム22及び屈曲アーム23の少なくとも一方の、2つの側縁の少なくとも1つのそれぞれに形成され、2つの側縁は、はんだ付け部分21に接続され、肩部24は、はんだ付け部分21の対応する側縁に対して突出しており、本実施形態では、直立アーム22及び屈曲アーム23のそれぞれのはんだ付け部分21に接続された2つの側縁は、はんだ付け部分21の対応する側縁に対して突出した肩部24を形成しており、屈曲アーム23の肩部24は、当接部分231とはんだ付け部分21とが接続される場所に位置する。端子2が対応する端子溝13に設けられると、はんだ付け部分21は底面11に隣接し、当接部分231は第3の側壁面131cに対して当接し、直立アーム22は第2の側壁面131bに対して当接し、その結果、端子2に予圧力がかかり、直立アーム22の2つの肩部24は、2つの段差部131dに対してそれぞれ圧接し(図10参照)、屈曲アーム23の2つの肩部24も、2つの段差部131dに対してそれぞれ圧接し(図11参照)、その結果、端子2が端子溝13内にしっかりと位置決めされる。さらに、肩部24が当接部分231に形成されているので、当接部分231の幅が広くなり、インピーダンスが下がり、その結果、信号品位性能を向上することができる。
【0041】
接触部分235は直立アーム22の上方に位置し、接触部分235が押下され下方に移動すると、上部屈曲部分234が直立アーム22に接触する。本実施形態では、直立アーム22の先端は、屈曲アーム23から離れるように傾斜して上方に延在し、上部屈曲部分234が押下されたときに上部屈曲部分234を圧接させる傾斜端部221を形成する。傾斜端部221の幅が上部屈曲部分234の幅よりも広いことにより、上部屈曲部分234が傾斜端部221に実際に接触して、電気的接続を形成することを保証する。
【0042】
弾性屈曲部分233が収容溝部132に入り、下部屈曲部分232が突出部132bに近接した状態で、接触部分235が押下されると、接触部分235も弾性屈曲部分233を移動させ、突出部132bが下部屈曲部分232を支持することで、弾性屈曲部分233が底壁面132aに接近又は接触することを回避でき、したがって、弾性屈曲部分233が絶縁性ハウジング1(プラスチック)に接近又は接触することにより弾性屈曲部分233の移動速度が遅くなることを回避することができる。
【0043】
図12図15を参照すると、本開示のレセプタクルコネクタ100の第2の実施形態は、第2の実施形態では、各端子2が直立アーム22を有さず、かつはんだ付け部分21が直立アーム22と接続された第1の端部211を有さない点で、第1の実施形態と異なるが、他の構成は全て第1の実施形態と同一であり、ここでは繰り返し説明しない。
【0044】
しかし、上記説明は、本開示の実施形態のみに関するものであり、本開示の実施範囲を限定することを意図したものではなく、特許請求の範囲や本明細書の内容にしたがって行われる単純な等価変更や修正も、なお本開示の範囲に含まれる。
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