(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】自動体外式除細動器保管函の統合管理システム
(51)【国際特許分類】
A61N 1/39 20060101AFI20230706BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20230706BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20230706BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20230706BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20230706BHJP
【FI】
A61N1/39
H05K5/03 B
H05K5/02 L
H05K7/20 H
G16Y20/20
(21)【出願番号】P 2021500158
(86)(22)【出願日】2020-10-19
(86)【国際出願番号】 KR2020014250
(87)【国際公開番号】W WO2022071622
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2021-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2020-0126831
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520504367
【氏名又は名称】ルシエム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LUCM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】2022, 282, Hagui-ro, Dongan-gu, Anyang-si Gyeonggi-do 14056 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ナム,スン ミン
【審査官】永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-225835(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0095570(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第109089204(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/39
H05K 5/03
H05K 5/02
H05K 7/20
G16Y 20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動体外式除細動器を収納するための自動体外式除細動器収納スペースを提供するものであって、前記自動体外式除細動器収納スペース内の温度及び湿度を調節可能な少なくとも一つの自動体外式除細動器収納ユニットを備える自動体外式除細動器保管函;
少なくとも一つの前記自動体外式除細動器収納ユニットのそれぞれの前記自動体外式除細動器収納スペースに配置され、前記自動体外式除細動器と通信可能に無線で接続され、前記自動体外式除細動器の状態に関するデータを収集し、前記データをサーバーに送信する少なくとも一つのIoT(Internet of Things)端末
;
少なくとも一つの前記IoT端末から受信したデータを保存し処理して少なくとも一つの前記自動体外式除細動器保管函を統合的に管理するサーバー;
及び
前記少なくとも一つのIoT端末から前記データを受信して前記データを前記サーバーに伝達する統合レシーバーを含み、
前記IoT端末は、
収集された前記データを暗号化して暗号化データに変換し、変換された前記暗号化データを前記統合レシーバーに送信し、
前記統合レシーバーは、受信した前記暗号化データを解読して非暗号化データに変換し、前記非暗号化データを前記サーバーに伝達し、
前記自動体外式除細動器収納ユニットは、
前記自動体外式除細動器収納スペースを提供する収納ユニット本体;
前記収納ユニット本体に組付けられ前記自動体外式除細動器収納スペース内の湿度を調節する湿度調節用ファン;
前記収納ユニット本体に接続され、前記自動体外式除細動器収納スペース内の温度を調節する温度調節用電熱線;及び
前記収納ユニット本体の内部に設けられ、前記自動体外式除細動器が前記自動体外式除細動器収納空間から取り外されたか否かを検知する自動体外式除細動器取り外し有無検知センサー;を含み、
前記IoT端末は、
前記自動体外式除細動器収納ユニットと通信可能に接続され、前記自動体外式除細動器収納スペースの温度及び湿度に対するデータを収集して前記統合レシーバーに送信し、
前記自動体外式除細動器保管函は、
室外に配置され、前記自動体外式除細動器収納ユニットを雪、雨及び風などの外部環境から保護することができるように、前記自動体外式除細動器収納ユニットを受け入れるための収納ユニット受入スペースを提供する自動体外式除細動器収納ユニット保管タワーをさらに含み、
前記自動体外式除細動器収納ユニット保管タワーは、
前記収納ユニット受入スペースを提供するタワー本体;及び
前記タワー本体に結合し、前記収納ユニット受入スペースを開閉させるドア;を含み、
前記タワー本体には、前記収納ユニット受入スペースの入り口を囲むように配置され、前記ドアが閉じた際に、前記ドアの一方の側に接触して前記収納ユニット受入スペースへの漏水を防止する第1漏水防止部が備えられ、
前記自動体外式除細動器収納ユニットの収納ユニット本体には、前記自動体外式除細動器収納スペースの入り口を囲むように配置され、前記ドアが閉じた際に、前記ドアの内側に備えられる漏水防止プレートと接触して、前記自動体外式除細動器収納スペースへの漏水を防止する第2漏水防止部が備えられることを特徴とする、自動体外式除細動器保管函の統合管理システム。
【請求項2】
前記IoT端末が収集する前記自動体外式除細動器の状態に関するデータは、
前記自動体外式除細動器が、予め決められた周期にしたがって定期的に行う自己診断に対するデータであることを特徴とする、請求項
1に記載の自動体外式除細動器保管函の統合管理システム。
【請求項3】
前記自動体外式除細動器収納ユニットは
、
前記収納ユニット本体の内部に備えられ、警報を鳴らすサイレン;
前記湿度調節用ファン、前記温度調節用電熱線、前記自動体外式除細動器取り外し有無検知センサー及び前記サイレンに電源を供給する電源供給部;及び
前記湿度調節用ファン、前記温度調節用電熱線、前記自動体外式除細動器取り外し有無検知センサー、前記サイレン及び前記電源供給部の作動を制御する制御部;をさらに含み、
前記IoT端末は、
前記自動体外式除細動器脱着有無検知センサーから前記自動体外式除細動器の取り外しの有無に対するデータを収集して前記統合レシーバーに送信することを特徴とする、請求項
1または2に記載の自動体外式除細動器保管函の統合管理システム。
【請求項4】
前記タワー本体の一方の側に備えられる緊急呼び出しボタン;及び
前記タワー本体の一方の側に備えられ、前記ドアの開閉の有無を検知するドア開閉有無検知センサー;をさらに含み、
前記IoT端末は、
前記自動体外式除細動器収納ユニット保管タワーと通信可能に接続され、前記ドアの開閉の有無、前記自動体外式除細動器の取り外しの有無、及び前記緊急呼び出しボタンの作動の有無の中から選択された少なくとも一つを含むデータを収集して前記統合レシーバーに送信することを特徴とする、請求項
1または2に記載の自動体外式除細動器保管函の統合管理システム。
【請求項5】
前記収納ユニット本体を前記自動体外式除細動器収納ユニット受入スペースからスライド動作によって引き込み及び引き出し可能にするように、前記収納ユニット本体の側面に備えられるスライド移動レールと、
前記収納ユニット本体について、引き込まれた状態にて固定可能にする固定ブラケットとを、さらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の自動体外式除細動器保管函の統合管理システム。
【請求項6】
前記温度調節用電熱線は、
前記収納ユニット本体の内部に配置される内部配置電熱線部と、
前記収納ユニット本体の外部を囲むように配置される外部配置電熱線部とを含み、
前記内部配置電熱線部と前記外部配置電熱線部とは、前記収納ユニット本体の背面に備えられた電熱線通過孔を通じて、互いにつながっていることを特徴とする、請求項1または2に記載の自動体外式除細動器保管函の統合管理システム。
【請求項7】
前記収納ユニット本体の内部には、前記内部配置電熱線部をカバーする電熱線カバープレートが備えられることを特徴とする、請求項6に記載の自動体外式除細動器保管函の統合管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator、AED)保管函の統合管理システムに関するものであり、より詳細には、自動体外式除細動器保管函を遠隔でリアルタイムにて、より効率よく管理することができる自動体外式除細動器保管函の統合管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ターミナルや地下鉄の待合室、遊園地などのように人が多く集まる大衆(多衆)利用施設及び公共の場には、事故が発生した場合に救急処置を行うことができる救急用品や救急処置装備が収納された緊急救助函(箱)が多数配置される。
【0003】
また、救急処置用品の他にも、心臓に電気ショックを与えることができる自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator、AED)を配置して、心停止などによる緊急事態の発生の際に、心臓に電気ショックを与えることができるように、備えている。
【0004】
しかし、緊急装備である自動体外式除細動器は、電源の供給を受けるためにバッテリーを内蔵しており、バッテリーは、天候による環境変化要因に伴い変化量を予測することができず、かつ、自然放電により、一定時間が経過すると使用できなくなり、緊急事態の発生時に人の命を守ることができない場合がある。したがって、自動体外式除細動器の自然放電を防止するためには、自動体外式除細動器のバッテリーの残量を継続的にチェックしなければならないという不便さがあった。
【0005】
また、自動体外式除細動器は、パッドのゲルが乾くと、人体にパッドを付着させることができなくなるので、パッドのゲルが乾かずにベストの状態を維持することができるように、保管函の温度及び湿度を適切な条件に維持する技術が必ず必要である。
【0006】
従来は、自動体外式除細動器のバッテリーの残量及びパッドを管理するために、自動体外式除細動器の配置の日付を用いて、一定期間の有効期限を設定した後、その有効期限に合わせて、バッテリーとパッドの交換も行い、手書きでもって自動体外式除細動器の状態の点検も行ってきた。
【0007】
特に、自動体外式除細動器を長時間保管しつつも安定的に使用することができるようにするためには、自動体外式除細動器の状態を毎月点検しなければならないのであるが、自動体外式除細動器の設置日付を用いて一定期間の有効期限を定めた後、その期限に合わせて交換する方式では、その管理量が多くて管理が難しいのが実情である。さらには、自動体外式除細動器の大衆利用施設及び共同住宅での設置義務付け関連法案が施行されるに伴って、急速に増加する自動体外式除細動器の設置場所をいちいち探し出して点検するには、なおさら難しい問題があった。
【0008】
また、公共の場に設置されるため、人の往来がまばらな深夜や早朝の時間に、高価な医療装備の盗難事故が発生することで、必要な際に装備を使用することができないという問題が発生するだけでなく、高価な装備である自動体外式除細動器の盗難による、金銭的な損害及び緊急事態に備えることができないという問題点もあった。
【0009】
これに関連し、近年では、市区町管轄の保健所及び設置機関の管理責任者などの管制センターにて、公共の場に設置された自動体外式除細動器の位置及び保管情報をリアルタイムでモニタリングし、緊急事態の発生時に救助要求まで行えるようにする緊急救助システムが求められていた。
【0010】
しかし、現時点での緊急救助システムは、自動体外式除細動器の保管位置と、バッテリー及びパッドの管理期限、盗難及び紛失などに対してのみ周期的に通報する程度に過ぎず、実質的に管轄保健所の管理担当者がいちいち保管函を探し出して確認及び管理しなければならないシステムであるため、より一層効率の良い管理プラットフォームが求められる。特に、救急医療に関する法律によって緊急装備を毎月1回以上点検しなければならない義務があるので、なおさら、その管理効率を高めることができなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題は、公共の場に配置された少なくとも一つの自動体外式除細動器保管函と通信して、自動体外式除細動器が正常作動するか否か、自動体外式除細動器についてのバッテリーの状態及びパッドの状態、自動体外式除細動器収納スペースの温度、湿度、及び衝撃の有無、自動体外式除細動器保管函のドア開閉の有無、自動体外式除細動器の脱着の有無、及び、緊急呼び出しボタンの動作の有無などをモニタリングすることにより、少なくとも一つの自動体外式除細動器保管函を統合して管理することができるので、自動体外式除細動器保管函の管理効率を向上させ、且つ、管理コストを削減することができる自動体外式除細動器保管函の統合管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一側面によれば、自動体外式除細動器を収納するための自動体外式除細動器収納スペースを提供するものであって、前記自動体外式除細動器収納スペース内の温度及び湿度を調節可能な少なくとも一つの自動体外式除細動器収納ユニット;少なくとも一つの前記自動体外式除細動器収納ユニットのそれぞれにおける前記自動体外式除細動器収納スペースに配置され、前記自動体外式除細動器と通信可能に無線で接続され、前記自動体外式除細動器の状態に関するデータを収集し、前記データをサーバーに送信する、少なくとも一つのIoT(Internet of Things)端末;及び、少なくとも一つの前記IoT端末から受信したデータを保存し処理して、少なくとも一つの前記自動体外式除細動器保管函を統合的に管理するサーバー;を含むことを特徴とする、自動体外式除細動器保管函の統合管理システムが提供されうる。
【0013】
前記少なくとも一つのIoT端末から前記データを受信して、前記データを前記サーバーに伝達する統合レシーバーをさらに含み、前記IoT端末は、収集された前記データを暗号化して暗号化データに変換し、変換された前記暗号化データを前記統合レシーバーに送信するのであり、前記統合レシーバーは、受信した前記暗号化データを解読して非暗号化データに変換し、前記非暗号化データを前記サーバーに伝達することができる。前記IoT端末が収集する前記自動体外式除細動器の状態に関するデータは、前記自動体外式除細動器が、予め決められた周期に基づいて定期的に行う自己診断に対するデータでありうる。
【0014】
前記自動体外式除細動器収納ユニットは、前記自動体外式除細動器収納スペースを提供する収納ユニット本体;前記収納ユニット本体に組付けられ、前記自動体外式除細動器収納スペース内の湿度を調節する湿度調節用ファン;及び前記収納ユニット本体に組付けられ、前記自動体外式除細動器収納スペース内の温度を調節する温度調節用電熱線;を含み、前記IoT端末は、前記自動体外式除細動器収納ユニットと通信可能に接続され、前記自動体外式除細動器収納スペースの温度及び湿度に対するデータを収集して前記統合レシーバーに送信することができる。
【0015】
前記自動体外式除細動器収納ユニットは、(1)前記収納ユニット本体の内部に設けられ、前記自動体外式除細動器が前記自動体外式除細動器収納空間から取り外されたか否かを検知する自動体外式除細動器取り外し有無検知センサー;(2)前記収納ユニット本体の内部に備えられ、警報を鳴らすサイレン;(3)前記湿度調節用ファン、前記温度調節用電熱線、前記自動体外式除細動器取り外し有無検知センサー、及び前記サイレンに電源を供給する電源供給部;及び、(4)前記湿度調節用ファン、前記温度調節用熱線、前記自動体外式除細動器脱着有無検知センサー、前記サイレン及び前記電源供給部の作動を制御する制御部;をさらに含み、前記IoT端末は、前記自動体外式除細動器取り外し有無検知センサーから前記自動体外式除細動器の取り外し有無に対するデータを収集して前記統合レシーバーに送信することができる。
【0016】
前記温度調節用電熱線は、前記収納ユニット本体の内部に配置される内部配置電熱線部;及び、前記内部配置電熱線部から前記収納ユニット本体の外部へと延び、前記収納ユニット本体の外部を囲むように配置される外部配置電熱線部;を含むことができる。
【0017】
前記自動体外式除細動器保管函は、室外に配置され、前記自動体外式除細動器収納ユニットを雪、雨及び風などの外部環境から保護することができるように、前記自動体外式除細動器収納ユニットを受け入れるための収納ユニット受入スペースを提供する自動体外式除細動器収納ユニット保管タワーをさらに含むことができる。
【0018】
前記自動体外式除細動器収納ユニット保管タワーは、(1)前記収納ユニット受入スペースを提供するタワー本体;(2)前記タワー本体に組付けられ、前記収納ユニット受入スペースを開閉させるドア;(3)前記タワー本体の一方の側に備えられる緊急呼び出しボタン;及び(4)前記タワー本体の一側に備えられ、前記ドアの開閉有無を検知するドア開閉有無検知センサー;をさらに含み、前記IoT端末は、前記自動体外式除細動器収納ユニット保管タワーと通信可能に接続され、前記ドアの開閉の有無、前記自動体外式除細動器の取り外しの有無、及び前記緊急呼び出しボタンの作動の有無の中から選択された少なくとも一つを含むデータを収集して前記統合レシーバーに送信することができる。
【0019】
前記自動体外式除細動器保管函において、前記自動体外式除細動器収納ユニット保管タワーの前記タワー本体には、前記収納ユニット受入スペースの入り口を囲むように配置され、前記ドアが閉じた際に、前記ドアの一方の側に接触して前記収納ユニット受入スペースへの漏水を防止する第1漏水防止部が備えられ、前記自動体外式除細動器収納ユニットの前記収納ユニット本体には、前記自動体外式除細動器収納スペースの入り口を囲むように配置され、前記ドアが閉じた際に、前記ドアの内側に備えられる漏水防止プレートと接触して、前記自動体外式除細動器収納スペースへの漏水を防止する第2漏水防止部が備えられうる。
【0020】
前記自動体外式除細動器収納ユニットは、前記収納ユニット本体の側面に組付けられ、前記収納ユニット本体を前記収納ユニット受入スペースからスライド動作によって引き込み及び引き出しが可能に、前記タワー本体の一方の側に接続させるスライド移動レール;及び、前記収納ユニット本体の上部に備えられ、前記収納ユニット本体が前記収納ユニット受入スペースに引き込まれた際に、前記収納ユニット本体を前記タワー本体に固定させる固定ブラケット;を含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施形態は、公共の場に配置された少なくとも一つの自動体外式除細動器保管函と通信して、自動体外式除細動器が正常に作動するか否か、自動体外式除細動器のバッテリー状態及びパッド状態、自動体外式除細動器収納スペースの温度、湿度、及び衝撃の有無、自動体外式除細動器保管函のドア開閉の有無、自動体外式除細動器の取り外しの有無、及び緊急呼び出しボタンの動作の有無などをモニタリングすることにより、少なくとも一つの自動体外式除細動器保管函を統合して管理することができるので、自動体外式除細動器保管函について、管理効率を向上させ、且つ管理コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る自動体外式除細動器保管函の統合管理システムを概略的に示す構成図である。
【
図2】自動体外式除細動器及びIoT端末についての端末系統の認証作業を概略的に示すフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施形態に係る屋外型自動体外式除細動器保管函を示す斜視図であって、自動体外式除細動器収納ユニットが収納ユニット受入スペースから引き出された状態を示す図である。
【
図4】
図3における自動体外式除細動器収納ユニットの部分を拡大して示す図であって、自動体外式除細動器収納ユニットが収納ユニット受入スペースに引き込まれた状態を示す図である。
【
図5】
図4における自動体外式除細動器収納ユニットの正面側の部分を示す斜視図である。
【
図6】
図5における自動体外式除細動器収納ユニットの背面側の部分を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明と本発明の動作上の利点及び本発明の実施によって達成される目的を十分に理解するためには、本発明の好適な実施形態を例示する添付図面、及び添付図面に記載された内容を参照しなければならない。
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明することにより、本発明を詳細に説明する。各図面に提示された同一の参照符号は、同じ部材を示す。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る、自動体外式除細動器保管函の統合管理システムを概略的に示す構成図であり、
図2は、自動体外式除細動器及びIoT端末の端末系統認証作業を概略的に示すフローチャートであり、
図3は、本発明の一実施形態に係る屋外型自動体外式除細動器保管函を示す斜視図であって、自動体外式除細動器収納ユニットが収納ユニット受入スペースから引き出された状態を示す図であり、
図4は、
図3の自動体外式除細動器収納ユニット部分を拡大して示す図であって、自動体外式除細動器収納ユニットが収納ユニット受入スペースに引き込まれた状態を示す図であり、
図5は、
図4の自動体外式除細動器収納ユニットの正面側の部分を示す斜視図であり、
図6は、
図5の自動体外式除細動器収納ユニットの背面側の部分を示す斜視図である。
【0026】
これらの図に示すように、本発明の一実施形態に係る自動体外式除細動器保管函の統合管理システムは、自動体外式除細動器収納ユニット300及び自動体外式除細動器収納ユニット保管タワー500を備える自動体外式除細動器保管函1と、IoT(Internet of Things)端末700と、統合レシーバー800と、サーバー900とを含む。
【0027】
図1に詳細に示すように、自動体外式除細動器100が単独で配置される場合(a)と、自動体外式除細動器100が自動体外式除細動器収納ユニット300に収納された状態で配置される場合(b)と、自動体外式除細動器100が自動体外式除細動器収納ユニット300に収納され、さらに自動体外式除細動器収納ユニット300が自動体外式除細動器収納ユニット保管タワー500に収納された状態で配置される場合(c)とがあり得る。
【0028】
一般に、(a)と(b)の場合は室内に設置される場合であり、(c)の場合は室外に設置される場合である。
【0029】
以下では、室外に設置される(c)の場合を基準に説明する。したがって、自動体外式除細動器保管函1は、屋外型の自動体外式除細動器保管函1であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、室内に設置される(a)と(b)の場合にも、構成要素における若干の違いはあるが、基本的な管理方法は類似する。
【0030】
自動体外式除細動器収納ユニット300は、自動体外式除細動器を収納するための自動体外式除細動器収納スペースS1を提供する役割を果たすのであり、自動体外式除細動器収納スペースS1内の温度及び湿度を調節することができるように備えられることにより、室外に配置される自動体外式除細動器を保管するための最適の温度及び湿度に調節して、自動体外式除細動器をベストコンディションにて保管することができるようにする。
【0031】
このような自動体外式除細動器収納ユニット300は、収納ユニット本体310と、スライド移動レール320と、固定ブラケット330と、湿度調節用ファン340と、温度調節用電熱線350と、自動体外式除細動器取り外し有無検知センサー360と、サイレン370と、電源供給部380と、制御部(図示せず)とを含む。
【0032】
収納ユニット本体310は、自動体外式除細動器収納スペースS1を提供する役割を果たす。
【0033】
スライド移動レール320は、収納ユニット本体310の側面に組付けられ、収納ユニット本体310を、収納ユニット受入スペースS2からスライド動作によって引き込み及び引き出しが可能に、タワー本体510の一方の側に接続させる役割を果たす。
【0034】
普段は、収納ユニット本体310が収納ユニット受入スペースS2に引き込まれた状態で固定されているが、自動体外式除細動器収納ユニット300を簡便且つ容易に維持保守するためにスライド移動レール320を備えることにより、自動体外式除細動器収納ユニット300を収納ユニット受入スペースS2から簡単に引き出すことができる。
【0035】
固定ブラケット330は、収納ユニット本体310の上部に備えられ、収納ユニット本体310が収納ユニット受入スペースS2に引き込まれた際に、すなわち、自動体外式除細動器収納ユニット300の維持保守が不要な平常時に、収納ユニット本体310が収納ユニット受入スペースS2に引き込まれた状態にて収納ユニット本体310をタワー本体510に固定させる役割を果たす。
【0036】
湿度調節用ファン340は、収納ユニット本体310に組付けられ、自動体外式除細動器収納スペースS1内の湿度を調節する役割を果たすのであり、
図3及び
図4に詳細に示されているように、収納ユニット本体310の内部に配置され、ファン排気口313(
図5参照)を通じて空気を循環させることにより、自動体外式除細動器収納スペースS1内の湿度を調節する。
【0037】
温度調節用熱線350は、収納ユニット本体310に組付けられ、自動体外式除細動器収納スペースS1内の温度を調節する役割を果たすのであり、収納ユニット本体310の内部に配置される内部配置電熱線部351と、内部配置電熱線部351から収納ユニット本体310の外部へと延びて収納ユニット本体310の外部を囲むように配置される外部配置電熱線部352とを含む。
【0038】
本実施形態では、
図4~
図6に詳細に示されているように、内部配置電熱線部351は、渦巻状に配置されており、電熱線通過孔312(
図6参照)を通過して外部配置電熱線部352に接続され、収納ユニット本体310の内部と外部にて同時に熱を加えることにより、自動体外式除細動器収納スペースS1内の温度をより効率よく調節することができる。
【0039】
ここで、内部配置電熱線部351の一方の側には、電熱線カバープレート311(
図5参照)が備えられるのであり、電熱線カバープレート311は、自動体外式除細動器に密着して、温度をより効率よく伝達する役割を果たす。したがって、電熱線カバープレート311を備えることにより、自動体外式除細動器の保管温度をより効果的に調節することができる。
【0040】
このような電熱線カバープレート311は、熱伝導率を極大化しつつ磁性の影響を防ぐために、アルミニウム材質で備えられ得る。このようであると、腐食に強いという利点もある。
【0041】
自動体外式除細動器脱着有無検知センサー360は、収納ユニット本体310の内部に備えられ、自動体外式除細動器が自動体外式除細動器収納スペースS1から取り外されたか否かを検知する役割を果たすのであり、自動体外式除細動器の取り外しの有無が検知されると、後述するIoT端末700にデータを伝送する。
【0042】
サイレン370は、収納ユニット本体310の内部に備えられて、警報を鳴らす役割を果たすのであり、電源供給部380は、湿度調節用ファン340、温度調節用電熱線350、自動体外式除細動器取り外し有無検知センサー360、及びサイレン370に電源を供給する役割を果たす。
【0043】
制御部(図示せず)は、湿度調節用ファン340、温度調節用熱線350、自動体外式除細動器取り外し有無検知センサー360、サイレン370、及び電源供給部380の作動を制御する役割を果たす。
【0044】
本発明によれば、自動体外式除細動器収納ユニット300だけでなく、後述する自動体外式除細動器収納ユニット保管タワー500をそれぞれ備えることで、二重保管構造によって自動体外式除細動器を保管することにより、室外に配置される自動体外式除細動器を雪、雨及び風などの外部環境から、より効果的に保護して、自動体外式除細動器をベストコンディションに保管することができる。
【0045】
一方、自動体外式除細動器収納ユニット保管タワー500は、室外に配置されるのであり、自動体外式除細動器収納ユニット300を雪、雨及び風などの外部環境から保護することができるように、自動体外式除細動器収納ユニット300を受け入れるための収納ユニット受入スペースS2(
図4参照)を提供する役割を果たす。
【0046】
このような自動体外式除細動器収納ユニット保管タワー500は、タワー本体510と、ドア520と、緊急呼び出しボタン530と、警光灯540と、ドア開閉有無検知センサー(図示せず)とを含む。
【0047】
タワー本体510は、収納ユニット受入スペースS2を提供する役割を果たすのであり、本実施形態では、
図3に詳細に示されているように、収納ユニット受入スペースS2が上部に備えられ、下部には、追加の装備などを配置することができるスペースが備えられた。
【0048】
ドア520は、タワー本体510に組付けられ、収納ユニット受入スペースS2を開閉させる役割を果たす。
【0049】
本発明によれば、自動体外式除細動器収納ユニット300と自動体外式除細動器収納ユニット保管タワー500に、以下で説明する二重構造の漏水防止部を備えることにより、自動体外式除細動器収納ユニット300の自動体外式除細動器収納スペースS1を、雪及び雨による漏水から、より効果的に保護することができる。
【0050】
まず、タワー本体510には、収納ユニット受入スペースS2の入り口を囲むように配置され、ドア520が閉じられた際に、ドア520の一方の側と接触して、収納ユニット受入スペースS2への漏水を防止する第1漏水防止部515が備えられる。
【0051】
そして、自動体外式除細動器収納ユニット300の収納ユニット本体310には、自動体外式除細動器収納スペースS1の入り口を取り囲むように配置され、ドア520が閉じられた際、ドア520の内側に備えられる漏水防止プレート521と接触することで、自動体外式除細動器収納スペースS1への漏水を防止する第2漏水防止部315が備えられる。
【0052】
すなわち、ドア520と第1漏水防止部515との接触によってタワー本体510の収納ユニット受入スペースS2への漏水を1次的に防止し、ドア520の内側に備えられる漏水防止プレート521と第2漏水防止部315との接触によって自動体外式除細動器収納スペースS1への漏水を2次的に防止するので、二重構造の漏水防止部によって自動体外式除細動器収納ユニット300を雪及び雨による漏水から、より効果的に保護することができる。
【0053】
また、タワー本体510の収納ユニット受入スペースS2の内部に自動体外式除細動器収納ユニット300を配置する二重構造によって、タワー本体510と収納ユニット本体310との間に空気層が形成されうるので、自動体外式除細動器収納スペースS1内の温度をより効果的に調節することができるという利点がある。
【0054】
図3に詳細に示されているように、タワー本体510の下部両側には、一対の、吸気ファン517及び吸気口518が備えられており、
図4に詳細に示されているように、タワー本体510の上部には、排気ファン519及び排気口(図示せず)が備えられている。このように備えられていることから、タワー本体510内の空気の流れを調節することにより、収納ユニット受入スペースS2内の湿度をより効果的に調節することができるので、さらには、自動体外式除細動器収納スペースS1内の湿度をより効果的に調節することができるという利点がある。
【0055】
吸気口518及び排気口(図示せず)には、雨水の流入を遮断することができるように、傾斜した構造の遮断幕が形成されており、吸気ファン517と吸気口518との間には、粒子状物質遮断用フィルター(図示せず)が、追加されて備えられうる。
【0056】
したがって、このような構造の自動体外式除細動器収納ユニット保管タワー500を備えることにより、温度及び湿度をより効果的に調節することができるのであり、雨水などの流入を効果的に防止することができる。
【0057】
緊急呼び出しボタン530は、タワー本体510の一方の側に備えられ、緊急事態の発生時に緊急呼び出しボタン530を押すと、サーバーへと信号が送信されるのであり、このような信号に応じて、救急車を含む医療サポートスタッフが時間内に到着できるように、出動要求を行うことができるであろう。
【0058】
ドア開閉有無検知センサー(図示せず)は、タワー本体510の一方の側に備えられて、ドア520の開閉の有無を検知する役割を果たすのであり、ドアの開閉の有無が検知されると、後述するIoT端末700にデータを伝送する。
【0059】
一方、IoT(Internet of Things)端末700は、自動体外式除細動器収納ユニット300の自動体外式除細動器収納スペースS1に配置されるのであり、自動体外式除細動器と通信可能に無線で接続され、自動体外式除細動器の状態に関するデータを収集し、収集したデータをサーバーに送信する役割を果たす。
【0060】
このようなIoT端末700は、ブルートゥース(登録商標)(bluetooth)または赤外線通信(IrDA)などの近距離無線接続方式によって自動体外式除細動器100と通信可能に接続されうるのであり、さらに自動体外式除細動器収納ユニット300及び自動体外式除細動器収納ユニット保管タワー500とも、通信可能に接続されうる。
【0061】
ここで、IoT端末700が収集する自動体外式除細動器の状態に関するデータは、自動体外式除細動器が、予め決められた周期にしたがって定期的に行う自己診断に対するデータであってもよい。
【0062】
IoT端末700が収集するデータは、自動体外式除細動器の正常作動の有無、自動体外式除細動器のバッテリーの状態、自動体外式除細動器収納スペースの温度及び湿度、ドアの開閉の有無、自動体外式除細動器の取り外しの有無、及び、緊急呼び出しボタンの作動の有無の中から選択された少なくとも一つを含むことができるのであり、状況に応じて重要なデータを優先的に収集することもできるであろう。
【0063】
また、データの種類に応じて、リアルタイムで連続的に収集するか、或いは一定の周期にしたがって周期的にデータを収集することもできる。
【0064】
このようにIoT端末700によって収集されたデータは、サーバー900に伝送され、少なくとも一つの自動体外式除細動器保管函を統合管理するのに使用される。
【0065】
本実施形態において、IoT端末700が通信可能に接続される対象に応じて、IoT端末700が収集するデータが互いに異なり得る。
【0066】
例えば、IoT端末700が自動体外式除細動器100と通信可能に接続された場合には、自動体外式除細動器の正常作動の有無及び自動体外式除細動器のバッテリーの状態に関するデータを得ることができるのであり、IoT端末700が自動体外式除細動器収納ユニット300と通信可能に接続された場合には、自動体外式除細動器収納スペースの温度及び湿度、自動体外式除細動器の取り外しの有無に関するデータを得ることができるのであり、IoT端末700が自動体外式除細動器収納ユニット保管タワー500と通信可能に接続された場合には、ドアの開閉の有無及び緊急呼び出しボタンの作動の有無に関するデータを得ることができる。
【0067】
一方、統合レシーバー800は、少なくとも一つのIoT端末700からデータを受信してデータをサーバー900に伝達する役割を果たすのであり、一般的に、IoT端末700と統合レシーバー800は、遠距離通信によって各種データを送受信するため、IoT端末700と統合レーバ800との間では、セキュリティのためにデータを暗号化して送受信する作業が行われる。
【0068】
これについて詳しく説明すると、IoT端末700が収集したデータを暗号化して暗号化データに変換し、変換された暗号化データを統合レシーバー800に送信し、統合レシーバー800は、受信した暗号化データを解読して非暗号化データに変換し、非暗号化データをサーバー900に伝達する。IoT端末700と統合レシーバー800との間の通信方式には、IoT通信である、LTE-M(KT)、NB-IoT(KT)、ROLA(SKT)を始めとして、PSTN(public switched telephone network)、無線インターネット(Wi-Fi)、イーサネット(Ethernet)などが利用できる。
【0069】
一方、サーバー900は、少なくとも一つのIoT端末700から受信したデータを保存し処理して、少なくとも一つの自動体外式除細動器保管函を統合的に管理する役割を果たす。
【0070】
図1に詳細に示されているように、管理者は、PCまたはモバイルデバイスを用いて、接続の場所に対する制限なしに簡単にサーバー900に接続することができる。
【0071】
ここで、サーバー900は、クラウド型のサーバーシステムでありうるのであり、管理者は、管理プラットフォームを通じてリアルタイムでモニタリングすることができるので、多数の自動体外式除細動器保管函を簡便かつ効率的に統合管理することができる。
【0072】
例えば、自動体外式除細動器保管函から自動体外式除細動器保管函のドア開閉有無が検知されるか或いは自動体外式除細動器の脱着有無が検知されると、これに対するデータがIoT端末700に伝達され、さらにサーバー900に伝達される。そして、伝達されたデータは、サーバー900で保存及び処理され、管理プラットフォームを通じて管理者にショートメッセージサービス(SMS;文字サービス)、電子メール(E-mail)、または種々のソーシャルネットワークサービス(SNS)などの方式を用いて、リアルタイムで管理者に伝達する。
【0073】
また、自動体外式除細動器のバッテリーの残量及びパッドの有効期限をモニタリングして管理し、定期的にチェックリストを作成することにより、自動体外式除細動器の交換時期を効率よく管理することができる。
【0074】
そして、緊急呼び出しボタンの作動の有無に関するデータを受信する場合に一定の条件が満足されると、例えば、自動体外式除細動器保管函のドアが開かれて、自動体外式除細動器の取り外しが検知されるのであり、自動体外式除細動器の使用及び緊急呼び出しボタンの作動が検知されると、実際に緊急事態が発生したと判断して、救急車を含む医療サポートスタッフが時間内に到着できるように、出動要求をすることができるであろう。
【0075】
以下では、
図1を参照して、前述した構成を持つ自動体外式除細動器保管函の統合管理システムの動作について説明する。
【0076】
まず、自動体外式除細動器100は、例えば、毎日定められた時間に1回自己診断を行うなどの方式で、予め決定された周期にしたがって定期的に自己診断を行い、自動体外式除細動器の状態に関するデータをIoT端末700に伝達する。
【0077】
自動体外式除細動器の状態に関するデータの種類は、自動体外式除細動器のシリアル番号、自動体外式除細動器の製造年月日、自己診断の実行時期、自動体外式除細動器の正常動作の有無、高電圧回路のエラーの有無、バッテリーの不足の有無、インピーダンス回路のエラーの有無、心電図回路のエラーの有無、バッテリーの警告の有無、システムエラーの有無、バッテリーの残量レベル(モデルごとに異なる)、パッドの正常動作の有無(モデルごとに異なる)などがあり、場合によっては必要なその他のデータが追加されうる。
【0078】
IoT端末700は、自動体外式除細動器収納ユニット200の内部に配置されるので、自動体外式除細動器100から近い距離に配置されるため、このようなデータは、自動体外式除細動器100からIoT端末700に伝送される際に、ブルートゥース(登録商標)(bluetooth)または赤外線通信(IrDA)などの近距離無線接続方式によって伝送されることが有利である。
【0079】
一方、自動体外式除細動器収納ユニット300と自動体外式除細動器収納ユニット保管タワー500とは、自動体外式除細動器100と同様に、IoT端末700に通信可能に接続されており、自動体外式除細動器収納スペースの温度及び湿度、外部からの衝撃発生の有無、ドアの開閉の有無、自動体外式除細動器の取り外しの有無、通信エラー、点検モードの作動の有無、及び緊急呼び出しボタンの作動の有無などのデータをIoT端末700に送信することができ、場合によっては必要なその他のデータをさらに送信することができるであろう。
【0080】
次に、IoT端末700は、自動体外式除細動器100、自動体外式除細動器収納ユニット300及び自動体外式除細動器収納ユニット保管タワー500から収集したデータを統合レシーバー800に送信するのであるが、一般的に、統合レシーバー800は、サーバー800の近くに位置するので、IoT端末700と統合レシーバー800との間では物理的な距離が遠い。
【0081】
したがって、近距離無線通信ではなく、遠距離通信を利用する。通信方式は、IoT通信である、LTE-M(KT)、NB-IoT(KT)、ROLA(SKT)を始めとして、PSTN(public switched telephone network)、無線インターネット(Wi-Fi)、イーサネット(Ethernet)などが利用されうるであろう。
【0082】
ここで、送信されるデータは、前述した自動体外式除細動器の状態に関するデータを始めとして、IoT端末のシリアル番号、通信の種類、接点ポート(port)の接続状態、通信の強さ、システムエラーのコードなどのデータが送信されうるのであり、場合によっては必要なその他のデータが追加されうるであろう。
【0083】
IoT端末700と統合レシーバー800とは、遠距離通信によって各種データを送受信するため、セキュリティのためにデータの暗号化が必要である。
【0084】
したがって、IoT端末700は、収集したデータを暗号化して暗号化データに変換し、変換された暗号化データを統合レシーバー800に送信するのであり、統合レシーバー800は、受信した暗号化データを解読して非暗号化データに変換し、変換された非暗号化データをサーバー900に伝達する。
【0085】
その後、サーバー900では、管理プラットフォームを通じて管理者がリアルタイムでモニタリングすることができるので、多数の自動体外式除細動器保管函を簡便かつ効率的に統合管理することができる。
【0086】
このように、本実施形態によれば、公共の場に配置された少なくとも一つの自動体外式除細動器保管函と通信して、自動体外式除細動器の正常作動の有無、自動体外式除細動器のバッテリーの状態、自動体外式除細動器収納スペースの温度及び湿度、自動体外式除細動器保管函のドア開閉の有無、自動体外式除細動器の取り外しの有無などをモニタリングすることにより、少なくとも一つの自動体外式除細動器保管函を統合して管理することができるので、自動体外式除細動器保管函についての管理効率を向上させ且つ管理コストを削減することができる。
【0087】
このように、本発明は、記載された実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく、様々な修正及び変形を行いうるということは、当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明である。したがって、それらの修正例または変形例も、本発明の特許請求の範囲に属するといわなければならないであろう。