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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-05
(45)【発行日】2023-07-13
(54)【発明の名称】パネルおよびそれを含む床カバー材
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20230706BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20230706BHJP
   E04F 13/10 20060101ALI20230706BHJP
   E04F 15/04 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
E04F15/02 G
E04F13/08 M
E04F13/10 B
E04F15/04 F
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2021544687
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 NL2019050055
(87)【国際公開番号】W WO2020159353
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】520250741
【氏名又は名称】アイ4エフ・ライセンシング・エヌヴィ
【氏名又は名称原語表記】I4F LICENSING NV
【住所又は居所原語表記】INDUSTRIEDIJK 19, 2300 TURNHOUT, BELGIUM
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ペッラ,アントニオ・ジュゼッペ
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-507968(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01380710(EP,A2)
【文献】国際公開第2012/126046(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/029255(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0167744(US,A1)
【文献】特開2000-145104(JP,A)
【文献】特表2010-514964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00-15/22
E04F 13/08
E04F 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルであって、複数の該パネルを含む床カバー材を構築するために使用されるように
構成され、
第1延出領域を備える第1側部と、第2延出領域を備える第2側部とを有するコアであ
って、前記第1側部は、前記第2側部に対して反対側に配置され、前記第1延出領域は第
1連結外形を含み、前記第2延出領域は、前記第1連結外形に対して相補的な第2連結外
形を含む、コアを含み、
前記第1連結外形は、前記コアの第1内側フランクから離れてかつ該第1内側フランク
と平行に走る上向き舌部を含み、前記コアの前記第1内側フランクと前記上向き舌部との
間のクリアランスが上向き溝を形成し、
前記第2連結外形は、前記コアの第2内側フランクから離れてかつ該第2内側フランク
と平行に走る下向き舌部を含み、前記コアの前記第2内側フランクと前記下向き舌部との
間のクリアランスが下向き溝を形成し、
前記上向き舌部は、湾曲部と、前記上向き溝の底部から前記湾曲部まで延出した上向き
フランクと、前記湾曲部から延出し、前記パネルの外側辺を形成する下向きフランクとを
含み、
前記下向きフランクは第1ロック要素を備え、
前記第2内側フランクは第2ロック要素を備え、前記第1ロック要素は、前記パネルと
、隣接配置されるさらなるパネルとを相互にロックするために、さらなるパネルの前記第
2ロック要素と共作用するように構成される、パネルにおいて、
前記湾曲部の最も外側の点が、前記上向き舌部の中心点よりも前記第1内側フランクか
ら遠くに位置し、
前記第1ロック要素および前記第2ロック要素は相補的な構造であり、前記第1ロック
要素は、膨らみなどの突出要素であり、前記第2ロック要素は、該突出要素を受容するた
めの凹部であり、または、前記第2ロック要素は、膨らみなどの突出要素であり、前記第
1ロック要素は、該突出要素を受容するための凹部であり、
前記上向き舌部の前記下向きフランクは突出部を含み、該突出部内に前記第1ロック要
素が配置され、前記第2内側フランクは突出部を含み、該突出部内に前記第2ロック要素
が配置されることを特徴とする、パネル。
【請求項2】
前記上向き舌部は、前記上向きフランクの始点と前記下向きフランク上の外側の点との
間の前記パネルと平行な方向の距離に対応する幅を有し、
前記パネルと平行な方向の前記始点と前記湾曲部の前記最も外側の点との間の距離が、
前記上向き舌部の前記幅のx倍に等しく、xは0.5以上である、請求項1に記載のパネ
ル。
【請求項3】
前記上向きフランクは、前記始点から延出した第1フランク部と、前記第1フランク部
と前記湾曲部との間に延在する第2フランク部とを含み、前記第1フランク部と前記第2
フランク部は、接続点にて接続される、請求項に記載のパネル。
【請求項4】
前記第1フランク部の傾きが、少なくとも前記接続点では前記第2フランク部の傾きと
異なる、請求項3に記載のパネル。
【請求項5】
前記始点と前記接続点との間の距離が、前記上向き舌部の前記幅のy倍であり、yは0
と0.3の間の範囲内にある、請求項4に記載のパネル。
【請求項6】
前記第1フランク部は本質的に平らである、請求項3~5のいずれか一項に記載のパネ
ル。
【請求項7】
前記第2フランク部は本質的に平らである、請求項3~6のいずれか一項に記載のパネ
ル。
【請求項8】
前記パネルの法線に対する前記第1フランク部の角度が、前記パネルの線に対する前記第2フランク部の角度よりも小さい、請求項3~7のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項9】
前記第1フランク部の少なくとも一部は湾曲している、請求項3~5のいずれか一項に
記載のパネル。
【請求項10】
前記第1内側フランクは、前記第1フランクに接続された湾曲部を含み、前記パネルは、さらに、外向きに延出した唇部を含み、前記第1内側フランクの前記湾曲部が該唇部まで延出し、該唇部は、前記上向き溝の方を向いた第1ロック表面を画定し、
前記下向き舌部は、前記パネルのさらなる外側辺を形成する上向きフランクを含み、
前記下向き舌部の前記上向きフランクは、第2ロック表面を画定する突出辺を含み、
前記第1ロック表面および前記第2ロック表面は、隣接するパネルの前記第2連結外形
が、前記パネルの前記第1連結外形に連結され、前記第1ロック表面と前記第2ロック表
面が互いに当接するとき、隣接するパネルの上方移動をロックするように構成される、請
求項9に記載のパネル。
【請求項11】
前記第2フランク部は、前記始点を越えて内向きに延出した膨らみを含む、請求項3~
10のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項12】
xは0.6と1の間の範囲内にある、請求項2又は請求項2に直接又は間接的に従属す
る請求項3~11のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項13】
前記下向きフランクは、前記パネルの法線と実質的に平行に延出している、請求項12
に記載のパネル。
【請求項14】
前記下向きフランクは、前記パネルの法線に対して内向きに傾斜するように延出している、請求項12に記載のパネル。
【請求項15】
前記下向きフランクの傾きが、前記パネルの線に対して0度と30度の間の範囲内にある、請求項14に記載のパネル。
【請求項16】
xは0.5と0.7の間の範囲内にあり、前記下向きフランクは、前記パネルの線に対して外向きに傾斜するように延出している、請求項2又は請求項2に直接又は間接的に従属する請求項3~11のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項17】
前記下向きフランクの傾きが、前記パネルの線に対して0度と30度の間の範囲内にある、請求項16に記載のパネル。
【請求項18】
前記下向きフランクは、前記第1ロック要素を除けば、本質的に平らである、請求項1
~17のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項19】
前記第1ロック要素は、前記下向きフランクに対して内向きに延出した凹部を含み、該
凹部は、底部と、該底部から前記下向きフランクの外側部まで延出した側壁とを有し、前
記第1ロック要素は、さらに、前記底部から前記下向きフランクの前記外側部の方へ延出
した突出部を含み、
前記第2ロック要素は、前記第2内側フランクの外側部から基部まで外向きに延出した
側壁と、前記基部から前記第2内側フランクに対して内向きに延出した凹部とを含む突出
部を含み、
前記第2ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部によって、二つの
対向配置された副突出部に分割され、
前記第1ロック要素の前記凹部は、前記第1ロック要素の前記突出部によって、二つの
対向配置された副凹部に分割され、
前記第1ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部に受容されるよう
に構成され、
前記第2ロック要素の各副突出部は、前記第1ロック要素のそれぞれの副凹部に受容さ
れるように構成される、請求項1に記載のパネル。
【請求項20】
前記第1ロック要素の前記突出部は、前記第1ロック要素の前記凹部内に全体が配置さ
れ、前記第2ロック要素の前記凹部は、前記第2ロック要素の前記突出部内に全体が配置
される、請求項19に記載のパネル。
【請求項21】
前記第2ロック要素は、前記第2内側フランクに対して内向きに延出した凹部を含み、
該凹部は、底部と、該底部から前記第2内側フランクの外側部まで延出した側壁とを有し
、前記第2ロック要素は、さらに、前記底部から前記第2内側フランクの前記外側部の方
へ延出した突出部を含み、
前記第1ロック要素は、前記下向きフランクの外側部から基部まで外向きに延出した側
壁と、前記基部から前記下向きフランクに対して内向きに延出した凹部とを含む突出部を
含み、
前記第1ロック要素の前記突出部は、前記第1ロック要素の前記凹部によって、二つの
対向配置された副突出部に分割され、
前記第2ロック要素の前記凹部は、前記第2ロック要素の前記突出部によって、二つの
対向配置された副凹部に分割され、
前記第2ロック要素の前記突出部は、前記第1ロック要素の前記凹部に受容されるよう
に構成され、
前記第1ロック要素の各副突出部は、前記第2ロック要素のそれぞれの副凹部に受容さ
れるように構成される、請求項1に記載のパネル。
【請求項22】
前記第2ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部内に全体が配置さ
れ、前記第1ロック要素の前記凹部は、前記第1ロック要素の前記突出部内に全体が配置
される、請求項21に記載のパネル。
【請求項23】
前記下向き舌部は、接続部と、前記下向き溝の底部から前記接続部まで延出した下向き
フランクと、前記接続部から延出し、前記パネルのさらなる辺を形成する上向きフランク
とを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項24】
前記第1内側フランクは第3ロック要素を含み、前記下向き舌部の前記上向きフランク
は、前記第3ロック要素と共作用するように構成された第4ロック要素を含む、請求項2
3に記載の床パネル。
【請求項25】
前記第3ロック要素は、前記第1内側フランクに対して内向きに延出した凹部を含み、
該凹部は、底部と、該底部から前記第1内側フランクの外側部まで延出した側壁とを有し
、前記第3ロック要素は、さらに、前記底部から前記第1内側フランクの前記外側部の方
へ延出した突出部を含み、
前記第4ロック要素は、前記下向き舌部の前記上向きフランクの外側部から基部まで外
向きに延出した側壁と、前記基部から前記下向き舌部の前記上向きフランクに対して内向
きに延出した凹部とを含む突出部を含み、
前記第4ロック要素の前記突出部は、前記第4ロック要素の前記凹部によって、二つの
対向配置された副突出部に分割され、
前記第3ロック要素の前記凹部は、前記第3ロック要素の前記突出部によって、二つの
対向配置された副凹部に分割され、
前記第3ロック要素の前記突出部は、前記第4ロック要素の前記凹部に受容されるよう
に構成され、
前記第4ロック要素の各副突出部は、前記第3ロック要素のそれぞれの副凹部に受容さ
れるように構成される、請求項24に記載の床パネル。
【請求項26】
前記第4ロック要素は、前記下向き舌部の前記上向きフランクに対して内向きに延出し
た凹部を含み、該凹部は、底部と、該底部から前記下向き舌部の前記上向きフランクの外
側部まで延出した側壁とを有し、前記第4ロック要素は、さらに、前記底部から前記下向
き舌部の前記上向きフランクの前記外側部の方へ延出した突出部を含み、
前記第3ロック要素は、前記第1内側フランクの外側部から基部まで外向きに延出した
側壁と、前記基部から前記第1内側フランクに対して内向きに延出した凹部とを含む突出
部を含み、
前記第3ロック要素の前記突出部は、前記第3ロック要素の前記凹部によって、二つの
対向配置された副突出部に分割され、
前記第4ロック要素の前記凹部は、前記第4ロック要素の前記突出部によって、二つの
対向配置された副凹部に分割され、
前記第4ロック要素の前記突出部は、前記第3ロック要素の前記凹部に受容されるよう
に構成され、
前記第3ロック要素の各副突出部は、前記第4ロック要素のそれぞれの副凹部に受容さ
れるように構成される、請求項24に記載の床パネル。
【請求項27】
前記第1内側フランクは突出部を含み、該突出部内または該突出部上に前記第3ロック
要素が配置され、前記下向き舌部の前記上向きフランクは突出部を含み、該突出部内また
は該突出部上に前記第4ロック要素が配置される、請求項25又は26に記載のパネル。
【請求項28】
前記上向き舌部の前記湾曲部は、前記下向きフランクの少なくとも一部を越えて外向き
に膨らんでいる、請求項1~27のいずれか一項に記載の床パネル。
【請求項29】
前記パネルは積層床パネルであり、前記コアは、中密度繊維板(MDF)または高密度
繊維板(HDF)の少なくとも一方から作られる、請求項1~28のいずれか一項に記載
のパネル。
【請求項30】
さらに、前記上向きフランクと前記湾曲部との間に前記パネルの法線と平行な方向の段
を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項31】
前記パネルは、装飾層を含む頂側部と、底側部とを含み、前記上向き舌部は、前記頂側
部の方を向いている、請求項1~30のいずれか一項に記載のパネル。
【請求項32】
請求項1~31のいずれか一項において定められた複数のパネルを含む床カバー材にお
いて、該複数のパネルのうちの所与のパネルの前記第1連結外形は、該所与のパネルに隣
接配置される該複数のパネルのうちの別のパネルの前記第2連結外形に連結される、床カ
バー材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルおよびそれを含む床カバー材に関する。また、本発明は、複数の当該パネルを使用することによって構築される、壁カバー材などのその他のカバー材に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の連結されたパネルを含む床カバー材が技術的に知られている。請求項1の前提部によって定められるパネルの一例が、欧州特許第3031998号明細書から知られている。このパネルの連結外形を図1に示す。
【0003】
既知のパネル1は、第1延出領域3を備える第1側部と、第2延出領域4を備える第2側部とを有するコア2を含む。ここで、前記第1側部は前記第2側部に対して反対側に配置されていることに留意する。したがって、図1は、第1パネル1の前記第1側部と、第1パネル1に連結しようとする、隣接配置された同一の第2パネル1'の前記第2側部とを描写している。
【0004】
第1延出領域3は第1連結外形5を含み、第2延出領域4は、第1連結外形5に対して相補的な第2連結外形6を含む。パネル1、1'は、相補的な連結外形5、6を用いて互いに連結されることができる。
【0005】
典型的には、図1に示すタイプのパネルは、当該パネルの全ての側部に連結外形を含む。当該パネルは典型的には矩形を有するため、当該パネルの長辺と当該パネルの短辺とは区別されることができる。
【0006】
さらに、異なるタイプのパネルが技術的に知られている。これらのタイプは、パネルの連結の仕方に基づいて区別されることができる。例えば、新しいパネルおよび床に配置済みのパネルの実質的に垂直方向の移動によってパネル同士が連結されることができるドロップアンドロック(drop‐and‐lock)タイプのパネルが知られている。別のタイプは、アングルツーアングル(angle‐to‐angle)パネルと呼ばれ、一列のパネルを、床に対して角度を付けた連結状態に保ってから、下向きに傾けて、前記床に配置済みの一列のパネルとの最終的な連結を達成する。
【0007】
ここで図1に戻ると、第1連結外形5は、コア2の第1内側フランク8から離れてかつ当該第1内側フランク8と平行に走る上向き舌部7を含む。コア2の第1内側フランク8と上向き舌部7との間のクリアランスが上向き溝9を形成する。第2連結外形6は、コア2の第2内側フランク11から離れてかつ当該第2内側フランク11と平行に走る下向き舌部10を含む。コア2の第2内側フランク11と下向き舌部10との間のクリアランスが下向き溝12を形成する。
【0008】
上向き舌部は、湾曲部13と、上向き溝9の底部15から湾曲部13まで延出した上向きフランク14と、湾曲部13から延出し、パネル1の外側辺を形成する下向きフランク16とを含む。ここで、図1では、下向きフランク16が、第1部分16Aおよび第2部分16Bを含み、第2部分16Bが、膨らみの形をした第1連結要素17を備えることに留意する。
【0009】
上向き舌部7の幅は、上向きフランク14の始点Sと下向きフランク16上の外側の点Oとの間の距離として画定されることができる。ここで、当該外側の点は、前記第1側部上のパネル1の最も外側の点として画定されることができる。
【0010】
前記既知のパネルでは、第2内側フランク11は、凹部の形をした第2連結要素18を備える。第1連結要素17は、パネル1と、パネル1'などの隣接配置されたさらなるパネルとを相互にロックするために、パネル1'の第2連結要素18と共作用するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】欧州特許第3031998号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述のタイプのどの床パネルにも関連する既知の問題は、熱および湿気などの変化する環境状態による前記パネルの膨張および収縮に関連している。これらの変化する状態の結果、前記床カバー材は、隣接し合う床パネル間で、特にそれらの短辺において、隙間を生じ始めることがある。これらの隙間は、概して、前記第1連結要素および前記第2連結要素によって提供される前記ロックの係合解除によって生じる。
【0013】
本発明の一つの目的は、前記第1連結要素と前記第2連結要素の前記ロックの係合解除を起こしにくいパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、前記湾曲部の最も外側の点が、前記上向き舌部の中心点よりも前記第1内側フランクから遠くに位置することを特徴とする請求項1によって定められる前記パネルによって達成される。
【0015】
典型的には、前記パネルは、底側部および頂側部をもつ本質的に平らな形状を有する。前記底側部は、前記パネルを載置しようとする下地床またはその他の支持表面上に載置しようとする前記パネルの側部を表す。前記頂側部には、装飾層が存在してよい。
【0016】
本発明の文脈の範囲内では、下向き舌部または上向き舌部などの言い回しは、それぞれ、前記下地床に対して上方または下方に延出した舌部に限定されるものと解釈すべきではない。そうではなく、下向きおよび上向きという言い回しは、反対方向に延出した舌部同士を区別するために使用されているに過ぎない。本発明は、特に、前記第1延出領域が前記底側部から延出し、前記第2延出領域が前記頂側部から延出したパネルに関するが、本発明は、その逆の構成も包含する。以下では、前記第1延出領域が前記底側部から延出した構成について述べる。その他の構成は、明示的に言及しないが、そこから容易に導き出すことができる。
【0017】
前記上向き舌部の前記湾曲部は、概して、凸状の湾曲部である。このとき、前記最も外側の点は、前記パネルの法線に沿って見たときの前記湾曲部の最も突出した点でありかつ前記上向き舌部の最も突出した点である。
【0018】
図1に示す前記既知のパネルと比較すると、本発明の前記パネルは、前記最も外側の点が、前記既知のパネルの前記最も外側の点よりも当該パネルの前記辺寄りにあることを特徴とする。この配置の効果は、前記既知のパネルと比較して、隣接し合うパネルの前記第1連結要素と前記第2連結要素との間の連結が、熱および/または湿気の影響で解かれる可能性が低くなることである。
【0019】
前記上向き舌部の幅は、前記上向きフランクの始点と前記下向きフランク上の前記外側の点との間の前記パネルと平行な方向の距離に対応するものとして画定されることができる。このとき、前記上向き舌部の前記中心点は、前記始点に対して前記幅の半分に位置する。
【0020】
一例として、前記パネルと平行な方向の前記始点と前記湾曲部の前記最も外側の点との間の距離は、前記上向き舌部の前記幅のx倍に等しくてよく、xは0.5以上である。
【0021】
前記第1延出領域が前記パネルの前記底側部から延出しているときは、前記湾曲部の前記最も外側の点は、前記湾曲部の頂部に対応してよい。あるいは、前記第1延出領域が前記パネルの前記頂側部から延出しているときは、前記湾曲部の前記最も外側の点は、前記湾曲部の底部に対応してよい。
【0022】
前記上向きフランクは、前記始点から延出した第1フランク部と、当該第1フランク部と前記湾曲部との間に延在する第2フランク部とを含んでよい。前記第1フランク部の傾きは、少なくとも前記第1フランク部と前記第2フランク部が接続された接続点では、前記第2フランク部の傾きと異なってよい。一例として、前記始点と前記接続点の間の距離は、前記上向き舌部の前記幅のy倍でよく、yは0と0.3の間の範囲内にある。
【0023】
前記第1フランク部および/または前記第2フランク部は本質的に平らであることができる。しかしながら、これらのフランク部は、それぞれ、隣接するパネルとの連結のための一つまたは複数の連結要素を、分離してかつ個々に、備えてよい。このような場合、前記下向き舌部の(一つまたは複数の)フランク部は、前記一つまたは複数の連結要素と共作用するための相補的な連結要素を備えてよい。これらの連結要素は、相補的な形状の凹部および突起として形作られてよい。
【0024】
前記パネルの法線に対する前記第1フランク部の角度は、前記パネルの前記法線に対する前記第2フランク部の角度よりも小さくてよい。換言すれば、前記第1フランク部は、前記第2フランク部よりも急勾配であってよい。
【0025】
前記第1フランク部は湾曲していてもよい。例えば、前記第1内側フランクは、前記第1フランク部に接続された湾曲部を含んでよい。このとき、前記パネルは、さらに、外向きに延出した唇部を含んでよく、前記第1内側フランクの前記湾曲部が当該唇部まで延出し、当該唇部は、前記上向き溝の方を向いた第1ロック表面を画定する。前記下向き舌部は、前記パネルのさらなる外側辺を形成する上向きフランクを含む。この上向きフランクは、第2ロック表面を画定する突出辺を含んでよい。前記第1ロック表面および前記第2ロック表面は、隣接するパネルの前記第2連結外形が前記パネルの前記第1連結外形に連結され、前記第1ロック表面と前記第2ロック表面が互いに当接するとき、この隣接するパネルの上方移動をロックするように構成されてよい。
【0026】
前記第2フランク部は、前記始点を越えて内向きに延出した膨らみを含んでよい。当該膨らみは、前記第1フランク部とともに空間を画定し、当該空間には、さらなるロックを達成するために、隣接するパネルの前記第2連結外形の前記下向き舌部の内側部上に配置された突出要素が受容されることができる。
【0027】
一部の実施形態では、xは、0.5と1の間、より好ましくは0.65と0.85の間の範囲内にあってよい。この場合、前記下向きフランクは、前記パネルの法線と実質的に平行に延出していてよい。あるいは、前記下向きフランクは、前記法線に対して内向きに傾斜するように延出していてよい。ここで、前記湾曲部との前記下向きフランクの接続点は、前記下向きフランクが、前記パネルが配置されているまたは配置されることになる前記表面に接触する点よりも外側に配置されてよい。一例として、前記下向きフランクの傾きは、前記パネルの前記法線に対して0度から30度の間の範囲内にあってよい。
【0028】
その他の実施形態では、xは、0.5と0.7の間の範囲内にあってよい。これらの実施形態では、前記下向きフランクは、前記パネルの前記法線に対して外向きに傾斜するように延出していてよい。ここで、前記下向きフランクが、前記パネルが配置されているまたは配置されることになる前記表面に接触する点は、前記湾曲部との前記下向きフランクの接続点よりも外側に配置されてよい。前記下向きフランクの前記傾きは、前記パネルの前記法線に対して0度と30度の間の範囲内にあってよい。
【0029】
前記下向きフランクは、前記第1ロック要素を除けば、本質的に平らでよい。
【0030】
前記第1ロック要素と前記第2ロック要素は、相補的な構造でよい。例えば、前記第1ロック要素は、膨らみなどの突出要素でよく、前記第2ロック要素は、当該突出要素を受容するための凹部でよく、または、前記第2ロック要素が、膨らみなどの突出要素でもよく、前記第1ロック要素が、当該突出要素を受容するための凹部でもよい。
【0031】
前記第1ロック要素は、前記下向きフランクに対して内向きに延出した凹部を含んでよく、当該凹部は、底部と、当該底部から前記下向きフランクの外側部まで延出した側壁とを有する。前記第1ロック要素は、さらに、前記底部から前記下向きフランクの前記外側部の方へ延出した突出部を含んでよい。
【0032】
前記第2ロック要素は、前記第2内側フランクの外側部から基部まで外向きに延出した側壁と、前記基部から前記第2内側フランクに対して内向きに延出した凹部とを含む突出部を含んでよい。
【0033】
前記第2ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部により、二つの対向配置された副突出部に分割され、前記第1ロック要素の前記凹部は、前記第1ロック要素の前記突出部によって、二つの対向配置された副凹部に分割される。
【0034】
特に前記湾曲部の前記最も外側の点の前記位置決めと組み合わされたとき、前記第1ロック要素と前記第2ロック要素のこの組み合わせは、膨らみと凹部の上述の組み合わせと比較して、特に効率的なロックを提供する。より具体的には、1)前記第1ロック要素の前記突出部と前記第2ロック要素の前記凹部との間のロック機能、2)前記第2ロック要素の第1副突出部と前記第1ロック要素の対応する第1副凹部との間のロック機能、および3)前記第2ロック要素の第2副突出部と前記第1ロック要素の対応する第2副凹部との間のロック機能という三重のロック機能が得られる。
【0035】
好ましい一実施形態では、前記第1ロック要素の前記突出部は、前記第1ロック要素の前記凹部内に全体が配置され、前記第2ロック要素の前記凹部は、前記第2ロック要素の前記突出部内に全体が配置される。より好ましくは、前記第1ロック要素の前記突出部は、前記第1ロック要素の前記凹部の深さの20パーセントと90パーセントの間、より好ましくは50パーセントと90パーセントの間の範囲内に延出していてよく、前記第2ロック要素の前記凹部は、前記第2ロック要素の前記突出部の長さの20パーセントと90パーセントの間、より好ましくは50パーセント90パーセントの間の範囲内に延出していてよい。
【0036】
第1ロック要素と第2ロック要素の上述の組み合わせは逆にしてもよい。そのような場合、前記第2ロック要素は、前記第2内側フランクに対して内向きに延出した凹部を含んでよい。この凹部は、底部と、当該底部から前記第2内側フランクの外側部まで延出した側壁とを有する。このとき、前記第2ロック要素は、さらに、前記底部から前記第2内側フランクの前記外側部の方へ延出した突出部を含んでよい。この場合、前記第1ロック要素は、前記下向きフランクの外側部から基部まで外向きに延出した側壁と、前記基部から前記下向きフランクに対して内向きに延出した凹部とを含む突出部を含んでよい。
【0037】
前記第1ロック要素の前記突出部は、前記第1ロック要素の前記凹部によって、二つの対向配置された副突出部に分割され、前記第2ロック要素の前記凹部は、前記第2ロック要素の前記突出部によって、二つの対向配置された副凹部に分割される。
【0038】
前記第2ロック要素の前記突出部は、前記第1ロック要素の前記凹部内に受容されるように構成されることができ、前記第1ロック要素の各副突出部は、前記第2ロック要素のそれぞれの副凹部内に受容されるように構成されることができる。
【0039】
前記第2ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部内に全体が配置されることができ、前記第1ロック要素の前記凹部は、前記第1ロック要素の前記突出部内に全体が配置されることができる。より好ましくは、前記第2ロック要素の前記突出部は、前記第2ロック要素の前記凹部の深さの20パーセントと90パーセントの間、より好ましくは50パーセントと90パーセントの間の範囲内で延出していることができ、前記第1ロック要素の前記凹部は、前記第1ロック要素の前記突出部の長さの20パーセントと90パーセントの間、より好ましくは50パーセントと90パーセントの間の範囲内で延出していることができる。
【0040】
前記上向き舌部の前記下向きフランクは、前記第1ロック要素が配置される突出部を含んでよく、前記第2内側フランクは、前記第2ロック要素が配置される突出部を含んでよい。例えば、前記下向きフランクは、突出部がなければ本質的に平らなフランクに、当該突出部を含んでよい。前記下向きフランクにおける前記突出部を、上記の第1ロック要素、より具体的には、突出部が配置される前記凹部を有する前記第1ロック要素と組み合わせることにより、結果的に、前記凹部が、前記下向きフランクの前記突出部の外側端から内向きに延出することになるだろう。
【0041】
前記下向き舌部は、接続部と、前記下向き溝の底部から前記接続部まで延出した下向きフランクと、前記接続部から延出し、前記パネルのさらなる辺を形成する上向きフランクとを含んでよい。
【0042】
前記第1内側フランクは第3ロック要素を含んでよく、前記下向き舌部の前記上向きフランクは、前記第3連結要素と共作用するように構成された第4ロック要素を含んでよい。前記第3ロック要素および前記第4ロック要素は、前記第1ロック要素および前記第2ロック要素と同様に構成されることができる。前記第3ロック要素および前記第4ロック要素を使用すると、隣接し合うパネル間でさらなるロックが達成されることができる。
【0043】
前記第3ロック要素および前記第4ロック要素の第1構成では、前記第3ロック要素は、前記第1内側フランクに対して内向きに延出した凹部を含んでよく、当該凹部は、底部と、当該底部から前記第1内側フランクの外側部まで延出した側壁とを有する。前記第3ロック要素は、さらに、前記底部から前記第1内側フランクの前記外側部の方へ延出した突出部を含んでよい。
【0044】
前記第4ロック要素は、前記下向き舌部の前記上向きフランクの外側部から基部まで外向きに延出した側壁と、前記基部から前記下向き舌部の前記上向きフランクに対して内向きに延出した凹部とを含む突出部を含んでよい。前記第4ロック要素の前記突出部は、前記第4ロック要素の前記凹部により、二つの対向配置された副突出部に分割されてよい。前記第3ロック要素の前記凹部は、前記第3ロック要素の前記突出部により、二つの対向配置された副凹部に分割されてよい。
【0045】
前記第3ロック要素の前記突出部は、前記第4ロック要素の前記凹部に受容されるように構成されてよく、前記第4ロック要素の各副突出部は、前記第3ロック要素のそれぞれの副凹部に受容されるように構成されてよい。このようにして、上記のように三重のロック機能が達成されることができる。
【0046】
前記第3ロック要素の前記突出部は、好ましくは前記第3ロック要素の前記凹部に全体が受容される。同様に、前記第4ロック要素の前記凹部は、好ましくは前記第4ロック要素の前記突出部に全体が受容される。より好ましくは、前記第3ロック要素の前記突出部は、前記第3ロック要素の前記凹部の深さの20パーセントと90パーセントの間、より好ましくは50パーセントと90パーセントの間の範囲内に延出していてよく、前記第4ロック要素の前記凹部は、前記第4ロック要素の前記突出部の長さの20パーセントと90パーセントの間、より好ましくは50パーセントと90パーセントの間の範囲内に延出している。
【0047】
前記第3ロック要素および前記第4ロック要素の第2構成では、前記第4ロック要素は、前記下向き舌部の前記上向きフランクに対して内向きに延出した凹部を含んでよく、当該凹部は、底部と、当該底部から前記下向き舌部の前記上向きフランクの外側部まで延出した側壁とを有する。このとき、前記第4ロック要素は、さらに、前記底部から前記下向き舌部の前記上向きフランクの前記外側部の方へ延出した突出部を含んでよい。
【0048】
前記第3ロック要素は、前記第1内側フランクの外側部から基部まで外向きに延出した側壁と、前記基部から前記第1内側フランクに対して内向きに延出した凹部とを含む突出部を含んでよい。
【0049】
前記第3ロック要素の前記突出部は、前記第3ロック要素の前記凹部によって、二つの対向配置された副突出部に分割されてよい。前記第4ロック要素の前記凹部は、前記第4ロック要素の前記突出部によって、二つの対向配置された副凹部に分割されてよい。
【0050】
前記第4ロック要素の前記突出部は、前記第3ロック要素の前記凹部に受容されるように構成されることができ、前記第3ロック要素の各副突出部は、前記第4ロック要素のそれぞれの副凹部に受容されるように構成されることができる。このようにして、上述したように三重のロック機能が達成されることができる。
【0051】
前記第4ロック要素の前記突出部は、好ましくは前記第4ロック要素の前記凹部に全体が受容される。同様に、前記第3ロック要素の前記凹部は、好ましくは前記第3ロック要素の前記突出部に全体が受容される。より好ましくは、前記第4ロック要素の前記突出部は、前記第4ロック要素の前記凹部の深さの20パーセントと90パーセントの間、より好ましくは50パーセントと90パーセントの間の範囲内で延出していてよく、前記第3ロック要素の前記凹部は、前記第3ロック要素の前記突出部の長さの20パーセントと90パーセントの間、より好ましくは50パーセントと90パーセントの間の範囲内で延出していてよい。
【0052】
前記第1内側フランクは突出部を含んでよく、当該突出部内または当該突出部上に前記第3ロック要素が配置され、前記下向き舌部の前記上向きフランクは突出部を含んでよく、当該突出部内または当該突出部上に前記第4ロック要素が配置される。
【0053】
前記上向き舌部の前記湾曲部は、前記下向きフランクの少なくとも一部を越えて外向きに膨らんでよい。この膨らみは、相補的な形状の下向き溝とともに、隣接し合うパネル間のさらなるロックを形成してよい。
【0054】
前記パネルは、その前記コアが中密度繊維板(MDF)または高密度繊維板(HDF)の少なくとも一方から作られた積層床パネルでよい。しかしながら、本発明は、その他の材料を排除せず、堅木材パネル、無垢材パネル、またはPVC系パネルに等しく関連している。さらに、前記パネルは、壁または天井などのその他の基材のカバー材のために等しく使用されてよい。
【0055】
前記パネルは、さらに、前記上向きフランクと前記湾曲部との間に前記パネルの法線と平行な方向の段を含んでよい。このような段は、相補的な形状の下向き溝と組み合わされたとき、前記パネルの頂側表面と平行な方向にさらなるロックを提供してよい。
【0056】
第2態様によれば、本発明は、上記に定められた複数のパネルを含む床カバー材を提供し、当該複数のパネルのうちの所与のパネルの前記第1連結外形は、当該所与のパネルに隣接配置される当該複数のパネルのうちの別のパネルの前記第2連結外形に連結される。
【0057】
次に、添付の図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1図1は、既知の床パネルに関する第1連結外形および第2連結外形を示す。
図2A図2Aから図2Bは、それぞれ、本発明に係る床パネルの斜視図および前記長辺上の前記連結外形を示す対応する横断面を示す。
図2B図2Aから図2Bは、それぞれ、本発明に係る床パネルの斜視図および前記長辺上の前記連結外形を示す対応する横断面を示す。
図3図3は、図2の前記床パネルの前記第1連結外形および前記第2連結外形の詳細図を示す。
図4A図4Aは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。
図4B図4Bは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。
図4C図4Cは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。
図4D図4Dは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。
図4E図4Eは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。
図4F図4Fは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。
図4G図4Gは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。
図4H図4Hは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。
図4I図4Iは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。
図4J図4Jは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。
図4K図4Kは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。
図4L図4Lは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。
図5A図5Aおよび図5Bは、本発明に係るロック要素に関する二つの異なる構成を示す。
図5B図5Aおよび図5Bは、本発明に係るロック要素に関する二つの異なる構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図2は、本発明に係る床パネル100の斜視図および対応する横断面を示す。
【0060】
図1における前記既知のパネルと同様に、本発明のパネル100は、第1延出領域103を備える第1側部と、第2延出領域104を備える第2側部とを有するコア102を含む。
【0061】
図示のように、前記第1側部は、前記第2側部に対して反対側に配置されている。さらに、第1延出領域103は第1連結外形105を含み、第2延出領域104は、第1連結外形105に対して相補的な第2連結外形106を含む。一つのパネル100の第1連結外形105を、隣接するパネル100の第2連結外形106に連結することによって、同一のパネル100同士が互いに連結されることができる。
【0062】
図2に示すパネル100は、パネル100の全ての側部上に連結外形を含む。例えば、矢印105'によって示す、前記短辺上の前記連結外形は、第1連結外形105と同様に構成されることができる。同様に、矢印106'で示す、反対側の前記短辺上の前記連結外形は、第2連結外形106と同様に構成されることができる。
【0063】
ここで図3の詳細図を参照すると、第1連結外形105は、コア102の第1内側フランク108から離れてかつ第1内側フランク108と平行に走る上向き舌部107を含む。コア102の第1内側フランク108と上向き舌部107との間のクリアランスが、上向き溝109を画定する。ここでは隣接するパネル100'の一部として示されているが、第1連結外形105に対して反対側ではあるがパネル100に等しく適用される第2連結外形106は、コア102の第2内側フランク111から離れてかつ第2内側フランク111と平行に走る下向き舌部110を含む。コア102の第2内側フランク111と下向き舌部110との間のクリアランスが、下向き溝112を画定する。
【0064】
上向き舌部107は、湾曲部113と、上向き溝109の底部115から湾曲部113まで延出した上向きフランク114と、湾曲部113から延出し、パネル110の外側辺を形成する下向きフランク116とを含む。下向きフランク116は、膨らみの形をした第1連結要素117を含む。
【0065】
上向き舌部117の幅wは、上向きフランク14の始点Sと下向きフランク116上の外側の点Oとの間の距離として画定されることができる。ここで、当該外側の点は、前記第1側部上のパネル100の最も外側の点として画定することができる。
【0066】
第2内側フランク111は、凹部の形をした第2連結要素118を備える。所与のパネルの第1連結要素117は、パネル100、100'を相互にロックするために、隣接するパネルの第2連結要素118と共作用するように構成される。
【0067】
図3に示すように、上向き舌部107の最も外側の点Uは、始点Sから距離dだけ離れている。本発明によれば、xで示され、d/wに等しいdとwとの間の比は、0.5以上である。上向き舌部107の前記構成と、前記第1ロック要素および前記第2ロック要素の前記設置との前記組み合わせによって、熱および湿気の影響で、隣接配置されて結合されたパネルの前記第1ロック要素と前記第2ロック要素が外れる可能性が低くなる。
【0068】
さらに、下向き溝112は、上向き舌部107が下向き溝112に受容されることができるように、上向き舌部107に対して実質的に相補的に形作られている。同様に、下向き舌部110は、下向き舌部110が上向き溝109に受容されることができるように、上向き溝109に対して実質的に相補的に形作られている。
【0069】
上向きフランク114は、始点Sから延出した第1フランク部114Aと、第1フランク部114Aと湾曲部113との間に延在する第2フランク部114Bとを含む。図3の実施形態では本質的に平らであるフランク部114A、114B同士は、接続点Cにて接続されている。さらに、始点Sと接続点Cとの間の距離は、上向き舌部107の幅dのおよそ0.15倍である。
【0070】
パネル100の法線Nに対する第1フランク部114Aの角度a1は、パネル100の前記法線に対する第2フランク部114Bの角度a2よりも小さい。
【0071】
下向きフランク116は、パネル100の法線Nと実質的に平行に延出し、第1ロック要素117を除けば、本質的に平らである。
【0072】
下向き舌部110は、接続部119と、下向き溝112の底部121から接続部119まで延出した下向きフランク120と、接続部119から延出し、パネル100のさらなる辺を形成しかつパネル100'のさらなる辺を形成する上向きフランク122とを含む。
【0073】
図3では、第1内側フランク108は、第1内側フランク部108Aおよび第2内側フランク部108Bを含み、当該部分108A、108Bは、本質的に平らである。さらに、第1内側フランク部108Aと第1フランク部114Aとの間には、上向き溝109の前記底部を形成する平らな領域108Cが存在する。
【0074】
図4Aから図4Lは、本発明に係る前記第1連結外形および前記第2連結外形の多様な実施形態を示す。図4Aから4Lのそれぞれにおいて、前記第1連結外形および前記第2連結外形は、取り外された状態(左側)および結合状態(右側)で示されている。さらに、図4Aに示す前記実施形態は、図3に示す前記実施形態に対応している。
【0075】
図4Bの前記実施形態では、第1内側フランク部108Aは、第1フランク部108Bに直接接続されている。さらに、第1内側フランク部108Aは湾曲している。また、第1内側フランク108上には第3ロック要素123が設けられている。下向き舌部110の上向きフランク122上には、相補的に形作られた第4ロック要素124が設けられている。前記連結した構成に示すように、第3ロック要素および第4ロック要素123、124は、隣接し合うパネル100、100'間にさらなる連結部を提供する。
【0076】
図4Cに示す前記実施形態では、図4Aでは内向きに傾斜している下向きフランク116を除けば、図4Aの前記実施形態と同様である。より具体的には、下向きフランク116は、パネル100の法線Nに対して約15度の角度a3にある。下向きフランク116に対して相補的に形作られた第2内側フランク111を有することによって、第2内側フランク111が、少なくとも部分的に上向き舌部107の下にカチッと嵌まることにより、隣接し合うパネル間にさらなるロックが提供される。
【0077】
しかしながら、本発明は、図4Dに示す前記実施形態などのその他の実施形態を排除しない。この実施形態では、下向きフランク116は外向きに傾斜している。より具体的には、下向きフランク116は、パネル100の法線Nに対して約15度の角度a4にある。図4Cに示す前記実施形態と同様に、第2内側フランク111は、下向きフランク116に対して相補的な形状に形作られている。
【0078】
図4Eに示す前記実施形態では、第1フランク部114Aと第1内側フランク部108Aの両方が湾曲している。外向きに延出した唇部125が設けられ、当該唇部125まで、第1内側フランク部108Aが延出している。唇部125は、上向き溝109の方を向いた第1ロック表面126を画定する。下向き舌部110は、パネル100のさらなる外側辺を形成する上向きフランク122を含む。この実施形態では、下向き舌部110の上向きフランク122は、第2ロック表面128を画定する突出辺127を含む。前記右側の前記連結状態に示すように、ロック表面126、128は互いに当接し、パネル100に対してパネル100'の上方移動をロックする。
【0079】
図4Fに示す前記実施形態では、第2フランク部114Bは、始点Sを越えて内向きに延出した膨らみ114Cを含む。より具体的には、第1フランク部114Aは、この実施形態では非常に小さく、膨らみ114Cの一部とみなされることもできる。
【0080】
始点Sを越えて延出した膨らみ114Cを有することにより、下向き舌部110の辺129によって係合されることができ、それによってパネル100に対してパネル100'の上方移動のさらなるロックを提供する空洞が形成される。
【0081】
図4Gに示すように、同様の膨らみ130が、上向き舌部107の他方の側に設けられることができる。より具体的には、上向き舌部107の湾曲部113は、下向きフランク116の少なくとも一部を越えて外向きに膨らんでよい。下向き溝112に適切な空洞131を設けることにより、パネル100、100'間の垂直方向の移動に対するさらなるロックを得ることができる。
【0082】
図4Hに示す前記実施形態では、上向きフランク114、より具体的には第2フランク部114Bと湾曲部113との間に、パネル100の法線と平行な方向の段132が見える。下向き溝112には同様の段133が見える。段132、133はともに、パネル100、100'の頂側表面と平行でありかつ互いに離れる方向へのパネル100、100'の相互の移動に対してさらなるロックを提供する。
【0083】
図4Iの前記実施形態には、第1ロック要素117および第2ロック要素118に関する特定の構成が示されている。この構成は、図5Aにより詳細に示されている。ここで、第1ロック要素117は、下向きフランク116に対して内向きに延出した凹部200を含む。凹部200は、底部201と、底部201から下向きフランク116の外側部まで延出した側壁202とを含む。第1ロック要素117は、さらに、底部201から下向きフランク116の前記外側部の方へ延出した突出部203を含む。図示のように、突出部203は、凹部200内に全体が配置されている。
【0084】
第2ロック要素118は、第2内側フランク111の外側部から基部302まで外向きに延出した側壁301と、基部302から第2内側フランク111に対して内向きに延出した凹部303とを含む突出部300を含む。図示のように、凹部303は、突出部300内に全体が配置されている。
【0085】
突出部300は、凹部303によって、対向配置された副突出部300A、300Bに分割される。また、凹部200は、突出部203によって、対向配置された副凹部200A、200Bに分割される。
【0086】
図5Aおよび図4Iに前記連結状態で示すように、突出部203は凹部303に受容され、各副突出部300A、300Bは、それぞれの副凹部200A、200Bに受容される。このようにして、第1ロック要素および第2ロック要素117、118によって三重のロック機能が得られる。
【0087】
図5Bは、図5Aの第1ロック要素117および第2ロック要素118が、それぞれ、各突出部117A、118A内または各突出部117A、118A上に配置された構成を示す。図示のように、底部201は、下向きフランク116の残りの部分と実質的に一直線にある。
【0088】
図4Jおよび図4Kは、異なるように形作られた上向き舌部107および上向き溝109をもつ実施形態を示す。より具体的には、図4Jに示す前記実施形態は、第1フランク部114Aおよび第1内側フランク部108Aが両方とも湾曲している。その結果、下向き舌部110は、実質的に丸い形状を用いて具現化されることができ、下向き舌部110に対するより良好な力の分布が可能になる。しかしながら、その他の構成は排除されない。例えば、図4Kの前記実施形態では、第1フランク部114Aは実質的に垂直である。上向き溝109の底部115は、内側フランク部108Aと第1フランク部114Aを接続する傾斜部134を含む。
【0089】
図4Lに示す前記実施形態は、前記第1連結外形および前記第2連結外形の位置を逆にすることができることを示す。より具体的には、この実施形態の前記第1連結外形は、図2Bに示す前記横断面に対して右手側に配置されている。この実施形態では、第1フランク部114Aは、始点Sの近くで湾曲している。第1内側フランク部108Aと第1フランク部114Aの間には、平らな底部領域115を特定することができる。さらに、第1内側フランク部108Aは、パネル100の法線に対して傾斜しているが、第1内側フランク部108Bは実質的に垂直であり、第3ロック要素123を備えている。下向き舌部110の上向きフランク122上には、相補的に形作られた第4ロック要素124が設けられている。
【0090】
上記の説明において、本発明を、その詳細な実施形態を用いて解説した。しかしながら、本発明はこれらの実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定められる本発明の範囲から逸脱することなく、図示の前記実施形態に対する様々な修正を実施することができる。
【符号の説明】
【0091】
1、1' パネル
2 コア
3 第1延出領域
4 第2延出領域
5 第1連結外形
6 第2連結外形
7 上向き舌部
8 第1内側フランク
9 上向き溝
10 下向き舌部
11 第2内側フランク
12 下向き溝
13 上向き舌部の湾曲部
14 上向きフランク
15 溝の底部
16 下向きフランク
16A 下向きフランクの第1部分
16B 下向きフランクの第2部分
17 第1連結要素
18 第2連結要素
100、100' パネル
102 コア
103 第1延出領域
104 第2延出領域
105、105' 第1連結外形
106、106' 第2連結外形
107 上向き舌部
108 第1内側フランク
108A 第1内側フランク部
108B 第1内側フランク部
109 上向き溝
110 下向き舌部
111 第2内側フランク
112 下向き溝
113 上向き舌部の湾曲部
114 上向きフランク
114A 第1フランク部
114B 第2フランク部
114C 膨らみ
115 溝の底部
116 下向きフランク
117 第1連結要素
118 第2連結要素
119 接続部
120 下向きフランク
121 下向き溝の底部
122 上向きフランク
123 第3ロック要素
124 第4ロック要素
125 唇部
126 第1ロック表面
127 突出辺
128 第2ロック表面
129 辺
130 膨らみ
131 下向き溝の空洞
132 段
133 段
134 傾斜部
200 凹部
200A、200B 副凹部
201 底部
202 側壁
203 突出部
300 突出部
300A、300B 副突出部
301 側壁
302 基部
303 凹部
U 上向き舌部の最も外側の点
C 接続点
S 始点
O 外側の点
a1、a2、a3、a4 角度
N 法線
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図5A
図5B