(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20230707BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20230707BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20230707BHJP
H05B 47/115 20200101ALI20230707BHJP
【FI】
H04Q9/00 301C
G06Q10/06
H05B47/16
H05B47/115
(21)【出願番号】P 2021520666
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(86)【国際出願番号】 JP2020017388
(87)【国際公開番号】W WO2020235289
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2019095447
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 昌史
(72)【発明者】
【氏名】石井 誠
(72)【発明者】
【氏名】三宅 利幸
(72)【発明者】
【氏名】北村 常弘
(72)【発明者】
【氏名】井藤 好克
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-184375(JP,A)
【文献】特開2010-255900(JP,A)
【文献】特開2012-191707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
G06Q 10/06
H05B 47/16
H05B 47/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間において区分された複数のゾーンの各々を管理する管理システムであって、
前記空間の利用者に関連する属性情報を取得する属性情報取得部と、
前記空間に設置された静的設備及び動的設備の設置場所を含む前記空間のレイアウト情報を取得するレイアウト情報取得部と、
前記空間における人の在不在を管理する在不在管理部と、
前記属性情報、前記レイアウト情報及び前記在不在管理部による
前記空間における人の在不在の管理結果に基づいて、前記空間に対して前記複数のゾーンを設定するゾーン設定部と、を備える、
管理システム。
【請求項2】
前記利用者の予定に関連するスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得部を、更に備え、
前記在不在管理部は、前記スケジュール情報に基づいて所定時間における前記利用者の在不在を予測し、
前記所定時間における前記利用者の在不在の予測結果を前記管理結果とする、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記ゾーン設定部は、前記複数のゾーンを設定した後、新たな複数のゾーンを再度設定する、
請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記在不在管理部は、前記複数のゾーンのそれぞれにおける人の出入りを管理しており、
前記ゾーン設定部は、少なくとも前記在不在管理部による人の出入りの管理結果を用いて、前記新たな複数のゾーンを設定する、
請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記複数のゾーンのうち前記利用者が利用するゾーンの環境に基づいた前記利用者に関連する利用者関連情報を取得する関連情報取得部と、
前記利用者関連情報に基づいて前記利用者に関連する前記属性情報を更新する更新部と、を更に備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記ゾーン設定部が設定した前記複数のゾーンに関するゾーン情報を前記利用者に通知する通知部を、更に備える、
請求項1~5のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記通知部は、前記空間における静的設備及び前記動的設備の設置場所を表す前記空間のレイアウトに、前記ゾーン設定部が設定した前記複数のゾーンを重畳して表示部に表示させる、
請求項6に記載の管理システム。
【請求項8】
前記ゾーン設定部が設定した前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに設けられた前記動的設備の制御に用いる目標環境を設定する目標環境設定部と、
前記複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに設けられた前記動的設備の目標環境に基づいて当該ゾーンに設けられた前記動的設備を制御するゾーン環境制御部と、を更に備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項9】
前記複数のゾーンのうち少なくとも1つのゾーンは、使用不可である未使用ゾーンである、
請求項1~8のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項10】
空間において区分された複数のゾーンの各々を管理する管理システムで用いられる管理方法であって、
前記空間の利用者に関連する属性情報を取得する属性情報取得ステップと、
前記空間に設置された静的設備及び動的設備の設置場所を含む前記空間のレイアウト情報を取得するレイアウト情報取得ステップと、
前記空間における人の在不在を管理する在不在管理ステップと、
前記属性情報、前記レイアウト情報及び前記在不在管理ステップによる
前記空間における人の在不在の管理結果に基づいて、前記空間に対して前記複数のゾーンを設定するゾーン設定ステップと、を含む、
管理方法。
【請求項11】
コンピュータに、請求項10に記載の管理方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に管理システム、管理方法及びプログラムに関し、より詳細には空間において区分された複数のゾーンを管理する管理システム、管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有人エリアの人員が単数か複数かにより無人エリアの照明器具の出力を調整することで、より作業性或いは居住性に貢献できる照明システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の照明システムでは、各エリアの照明手段の出力が、有人エリアから、その周囲の第1の無人エリア、さらにその外側の第2の無人エリアへの順序で減少するように設計され、対応する有人エリア内での人数が単数である場合よりも複数である場合の方が第1の無人エリア内の照明手段の出力が大きくなるように設計されている。
【0004】
この管理システムにおいて、空間の利用状況に応じて複数のゾーンを設定、管理することが望まれている。特許文献1では、空間の一部である有人エリアの人員の数に応じて、人エリアから、その周囲の第1の無人エリア、さらにその外側の第2の無人エリアへの順序で、各エリアの照明手段の出力を変更することができる。しかしながら、特許文献1では、空間の利用状況に応じて複数のゾーンを設定していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、空間の利用状況に応じて複数のゾーンを設定、管理することができる管理システム、管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
本開示の一態様に係る管理システムは、空間において区分された複数のゾーンの各々を管理する。前記管理システムは、属性情報取得部と、レイアウト情報取得部と、在不在管理部と、ゾーン設定部と、を備える。前記属性情報取得部は、前記空間の利用者に関連する属性情報を取得する。前記レイアウト情報取得部は、前記空間に設置された静的設備及び動的設備の設置場所を含む前記空間のレイアウト情報を取得する。前記在不在管理部は前記空間における人の在不在を管理する。前記ゾーン設定部は、前記属性情報、前記レイアウト情報及び前記在不在管理部による前記空間における人の在不在の管理結果に基づいて、前記空間に対して前記複数のゾーンを設定する。
【0008】
本開示の一態様に係る管理方法は、空間において区分された複数のゾーンの各々を管理する管理システムで用いられる。前記管理方法は、属性情報取得ステップと、レイアウト情報取得ステップと、在不在管理ステップと、ゾーン設定ステップと、を含む。前記属性情報取得ステップは、前記空間の利用者に関連する属性情報を取得する。前記レイアウト情報取得ステップは、前記空間に設置された静的設備及び動的設備の設置場所を含む前記空間のレイアウト情報を取得する。前記在不在管理ステップは、前記空間における人の在不在を管理する。前記ゾーン設定ステップは、前記属性情報、前記レイアウト情報及び前記在不在管理ステップによる前記空間における人の在不在の管理結果に基づいて、前記空間に対して前記複数のゾーンを設定する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、前記管理方法を実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係るゾーン管理装置の構成を説明する図である。
【
図2】
図2は、同上のゾーン管理装置を備える機器制御システムの構成を説明する図である。
【
図3】
図3は、同上のゾーン管理装置が出力したゾーン情報に基づいて表示部に表示される画像の一例を説明する図である。
【
図4】
図4は、人の在不在の予測時における同上のゾーン管理装置の動作を説明する図である。
【
図5】
図5は、ゾーンの再設定を行う際における同上のゾーン管理装置の動作を説明する図である。
【
図6】
図6は、属性情報を更新する際における同上のゾーン管理装置の動作を説明する図である。
【
図7】
図7は、同上のゾーン管理装置によりゾーンが変更された具体例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。以下の実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(実施形態)
以下、本実施形態に係る管理システム1について、
図1~
図7を用いて説明する。
【0013】
(1)概要
本実施形態に係る機器制御システム2は、
図2に示すように、管理システム1としてのゾーン管理装置10と、位置情報システム3と、中継装置20と、複数の照明機器50と、複数の空調機器60と、通知装置70と、を備える。ゾーン管理装置10は、インターネット等のネットワークNT1を介して、中継装置20及びフロアF1を使用する利用者の情報端末80と通信可能に構成されている。ここで、情報端末80は、例えばスマートフォン、タブレット端末等である。
【0014】
位置情報システム3は、
図2に示すように、複数の受信機30と、複数のタグ40と、を備える。複数の受信機30の各々は、中継装置20と通信可能に構成されている。これにより、複数の受信機30の各々は、ゾーン管理装置10と通信可能となる。
【0015】
複数の受信機30は、施設に設けられたフロアF1に備えられる。フロアF1は、複数のゾーン(ここでは、3つのゾーンR1、R2、R3)を含む。言い換えると、フロアF1は、複数のゾーンに区分けされている。さらに、各ゾーンは、少なくとも1つの制御領域(ここでは、2つ又は3つの領域)を有している。本実施形態では、ゾーンR1は3つの制御領域R11,R12,R13を、ゾーンR2は2つの制御領域R21,R22を、ゾーンR3は2つの制御領域R31,R32を、それぞれ有している。各制御領域は、1つ以上の検知領域を有している。例えば、制御領域R11は、2つの検知領域D11,D12を有している。制御領域R21は、2つの検知領域D21,D22を有している。制御領域R31は、2つの検知領域D31,D32を有している。各検知領域に受信機30が設けられている。つまり、検知領域が受信機30の検知範囲となる。ここで、施設は、オフィスビル又は事務所である。また、ゾーンR1は、作業等において集中力を高めたいユーザが使用するためのゾーンである。ゾーンR2は、リラックスしたいユーザが使用するためのゾーンである。ゾーンR3は、他のユーザとコミュニケーションをとりたいユーザが使用するためのゾーンである。以下、ゾーンR1を集中ゾーン、ゾーンR2をリラックスゾーン、ゾーンR3をコミュニケーションゾーンという場合もある。
【0016】
ゾーンR1~R3のそれぞれには、1つ以上の照明機器50及び1つ以上の空調機器60が設けられている。具体的には、ゾーンR1~R3のそれぞれについて、当該ゾーンに含まれる検知領域ごとに1つ以上の照明機器50(図示例では、1つの照明機器50)及び1つ以上の空調機器60(図示例では、1つの空調機器60)が設けられている。
【0017】
複数のタグ40のそれぞれは、受信機30と通信可能である。タグ40は、ユーザに所持される。ユーザが検知領域内に進入すると、当該検知領域に設けられた受信機30と通信を行う。受信機30は、タグ40から情報(例えば、タグ40の識別子)を受信すると、タグ40の識別子(タグ識別子)を含む情報であってユーザを検知したことを表す検知位置情報を、中継装置20及びネットワークNT1を介して、ゾーン管理装置10に送信する。各受信機30は、対応する検知領域に存在するタグ40と定期的に通信を行い、通信を行う度に、検知位置情報をゾーン管理装置10に送信する。
【0018】
ゾーン管理装置10は、フロアF1(空間)において区分された複数のゾーン(ここでは、ゾーンR1~R3)の各々を管理する。ゾーン管理装置10は、フロアF1の利用者に関連する属性情報、フロアF1に設置された静的設備及び動的設備の設置場所を含むフロアF1のレイアウト情報を取得する。ここで、静的設備は、什器であり、例えば机、椅子等である。動的設備は、例えば照明機器50及び空調機器60である。
【0019】
さらに、ゾーン管理装置10は、フロアF1における人の在不在を管理する。ゾーン管理装置10は、属性情報、レイアウト情報及びフロアF1における人の在不在の管理結果に基づいて、フロアF1に対して複数のゾーン(ゾーンR1~R3)を設定する。
図2は、ゾーンR1~R3の設定の一例を示す。
【0020】
ゾーン管理装置10は、複数のゾーンに関するゾーン情報を利用者に通知する。具体的には、ゾーン管理装置10は、フロアF1における静的設備及び動的設備の設置場所を表すフロアF1のレイアウトの画像に、複数のゾーンを重畳して通知装置70及び情報端末80に表示させる。
【0021】
さらに、ゾーン管理装置10は、複数の照明機器50のそれぞれに対して、当該照明機器50が属するゾーンに応じた制御を行う。ゾーン管理装置10は、複数の空調機器60のそれぞれに対して、当該空調機器60が属するゾーンに応じた制御を行う。
【0022】
通知装置70は、中継装置20と通信可能に構成されている。これにより、通知装置70は、ゾーン管理装置10と通信可能となる。通知装置70は、フロアF1の出入口に設置されている。通知装置70は、ゾーン管理装置10が設定した複数のゾーン(ゾーンR1~R3)を、フロアF1における静的設備及び動的設備の設置場所を表すレイアウトの画像に、重畳して表示部71で表示する。
【0023】
情報端末80は、ゾーン管理装置10と通信可能に構成されている。情報端末80は、ゾーン管理装置10が設定した複数のゾーン(ゾーンR1~R3)を、フロアF1における静的設備及び動的設備の設置場所を表すレイアウトの画像に、重畳して表示部81で表示する。
【0024】
(2)構成
(2-1)ゾーン管理装置
ここでは、ゾーン管理装置10の構成について、説明する。
【0025】
ゾーン管理装置10は、
図1に示すように、通信部11、記憶部12及び制御部13を備える。ゾーン管理装置10は、フロアF1(空間)において区分された複数のゾーンの各々を管理する。
【0026】
ゾーン管理装置10は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部13として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0027】
通信部11は、中継装置20、及び情報端末80と通信を行うための通信インタフェースを有している。
【0028】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のいずれかの記憶デバイスで構成されている。
【0029】
記憶部12は、利用者ごとに、当該利用者に関する属性情報を記憶する。属性情報は、静的情報と、動的情報のうち少なくとも一方を含む。静的情報は、環境等の外部の要因(例えば、フロアの温度、明るさ、業務の質、量等)によって変化しない情報である。動的情報は、環境等の外部の要因によって変化する情報である。静的情報は、例えば、対応する利用者の性別、年齢を含む。動的情報は、例えば、対応する利用者についての環境に関する情報(例えば、暑がり、寒がり、所望する明るさ等)、作業に関する情報(例えば、集中作業を中心に行うこと等)を含む。属性情報は、さらに、当該利用者のタグ40のタグ識別子を含む。
【0030】
記憶部12は、フロアF1に設置された静的設備(机及び椅子)及び動的設備(照明機器50及び空調機器60)の設置場所を含むフロアF1のレイアウト情報を記憶する。
【0031】
記憶部12は、利用者ごとに、当該利用者の予定に関連するスケジュール情報を記憶する。スケジュール情報は、対応する利用者の所定期間の行動、例えば会議予定、作業内容、業務時間帯、外出時間帯等を含む。
【0032】
制御部13は、
図1に示すように、属性情報取得部101、レイアウト情報取得部102、スケジュール情報取得部103、在不在管理部104、ゾーン設定部105、関連情報取得部106、更新部107、目標環境設定部108、ゾーン環境制御部109及び通知部110を備える。
【0033】
属性情報取得部101は、フロアF1を使用する複数の利用者にそれぞれ対応する複数の属性情報を取得する。具体的には、属性情報取得部101は、利用者ごとに、当該利用者に対応する属性情報を記憶部12から取得する。
【0034】
レイアウト情報取得部102は、レイアウト情報を記憶部12から取得する。
【0035】
スケジュール情報取得部103は、フロアF1を使用する複数の利用者にそれぞれ対応する複数のスケジュール情報を取得する。具体的には、スケジュール情報取得部103は、利用者ごとに、当該利用者に対応するスケジュール情報を記憶部12から取得する。
【0036】
在不在管理部104は、フロアF1における人の在不在を管理する。具体的には、在不在管理部104は、フロアF1における人の在不在の予測、及び複数のゾーン(ゾーンR1~R3)のそれぞれにおける人の出入りを管理する。
【0037】
在不在管理部104は、スケジュール情報取得部103が取得した複数の利用者にそれぞれ対応する複数のスケジュール情報に基づいて、所定時間における複数の利用者の各々の在不在を予測し、予測結果を管理結果とする。例えば、在不在管理部104は、時間帯ごとにおける複数の利用者の各々の在不在を予測する。具体的には、在不在管理部104は、スケジュール情報に外出時間帯が含まれている場合には、外出時間帯には対応する利用者は不在であると予測する。在不在管理部104は、スケジュール情報に会議予定が含まれている場合には、会議が行われる予定の時間帯には対応する利用者は在室していると予測する。
【0038】
在不在管理部104は、各受信機30から受け取った検知位置情報を基に、各ゾーンでの人の出入りを管理する。具体的には、在不在管理部104は、各受信機30から受け取った検知位置情報に含まれるタグ識別子を基に、各ゾーンに存在する人の数を管理する。
【0039】
ゾーン設定部105は、レイアウト情報、利用者ごとの属性情報、及び在不在管理部104の管理結果に基づいて、フロアF1に対して複数のゾーン(ゾーンR1~R3)を設定する。
【0040】
ゾーン設定部105は、在不在管理部104が複数の利用者の各々の在不在を予測した場合には、レイアウト情報、利用者ごとの属性情報、及び在不在管理部104の管理結果に基づいて、始業時間(例えば、午前9:00)でのフロアF1に対して複数のゾーン(ゾーンR1~R3)を設定する。このとき、ゾーン設定部105は、複数の利用者のうち、集中作業を中心に行うことを含む属性情報に対応する利用者の数に応じて、集中ゾーンであるゾーンR1を設定する。言い換えると、ゾーン設定部105は、複数の利用者に対する、集中作業を中心に行うことを含む属性情報に対応する利用者の割合に応じて、集中ゾーンであるゾーンR1を設定する。例えば、ゾーン設定部105は、複数の利用者に対する、集中作業を中心に行うことを含む属性情報に対応する利用者の割合が0.6である場合には、フロアF1の総収容人数のうち60%に当たる人数が利用可能なエリアをゾーンR1として設定する。
【0041】
または、ゾーン設定部105は、フロアF1の総収容人数のうち60+α%に当たる人数が利用可能なエリアをゾーンR1として設定する。ここで、αは所定の値である。この場合、集中作業を中心に行うことを含む属性情報に対応するすべての利用者は、確実にゾーンR1(集中ゾーン)を利用することができる。
【0042】
ゾーン設定部105は、当日に行われる会議において、最も参加人数が多い会議に応じてコミュニケーションゾーンであるゾーンR3を設定する。ゾーン設定部105は、フロアF1のうちゾーンR1,R3を除く残りのエリアをリラックスゾーンであるゾーンR2として設定する。
【0043】
さらに、ゾーン設定部105は、複数のゾーンを設定した後、新たな複数のゾーンを再度設定する。例えば、ゾーン設定部105は、在不在管理部104の予測に基づいて複数のゾーンを設定した後、新たな複数のゾーンを再度設定する。ゾーン設定部105は、昼休み等において、新たな複数のゾーンを再度設定する。在不在管理部104は各受信機30から送信された検知位置情報に基づいて各ゾーンに存在する人の数を定期的に管理しているので、ゾーン設定部105は、少なくとも直近の管理結果に基づいて新たな複数のゾーンを再度設定する。例えば、ゾーン設定部105は、直近の管理結果で得られるゾーンR1に存在する利用者の数に応じて、新たな集中ゾーンであるゾーンR1を再度設定する。また、ゾーン設定部105は、再設定後において行われる会議のうち最も人数の多い会議に応じて、新たなコミュニケーションゾーンであるゾーンR3を再度設定する。ゾーン設定部105は、フロアF1のうち再設定されたゾーンR1,R3を除く残りのエリアを新たなリラックスゾーンであるゾーンR2として再度設定する。
【0044】
なお、ゾーン設定部105は、直近の管理結果で得られるゾーンR1に存在する利用者の数に応じて新たな集中ゾーンを、直近の管理結果で得られるゾーンR2に存在する利用者の数に応じて新たなリラックスゾーンを、再度設定してもよい。この場合、ゾーン設定部105は、ゾーン設定部105は、フロアF1のうち再設定されたゾーンR1,R2を除く残りのエリアを新たなコミュニケーションとして再度設定する。
【0045】
また、ゾーン設定部105は、複数のゾーンの再設定を適宜繰り返してもよい。
【0046】
関連情報取得部106は、複数のゾーンのうち利用者が使用するゾーンの環境に基づいた当該利用者に関連する利用者関連情報を取得する。例えば、関連情報取得部106は、複数のゾーンのうち利用者が使用しているゾーンにおける気温に関する情報(例えば、暑い、寒い等)を含む利用者関連情報を、利用者の情報端末80から取得する。また、関連情報取得部106は、複数のゾーンのうち利用者が使用しているゾーンにおける照明機器50の明るさに関する情報(例えば、明るすぎる、暗すぎる等)を含む利用者関連情報を、利用者の情報端末80から取得する。
【0047】
更新部107は、関連情報取得部106が取得した利用者関連情報に基づいて、対応する利用者の属性情報を更新する。
【0048】
例えば、関連情報取得部106が気温に関する情報を含む利用者関連情報を受け取ると、更新部107は、気温に関する情報に応じた情報を、対応する利用者の属性情報に含めるように、当該属性情報を更新する。例えば、関連情報取得部106が気温に関する情報として“寒い”を含む利用者関連情報を受け取ると、更新部107は、対応する利用者の属性情報に含まれる環境に関する情報に“寒がり”を含めるように当該利用者の属性情報を更新する。
【0049】
また、関連情報取得部106が明るさに関する情報を含む利用者関連情報を受け取ると、更新部107は、明るさに関する情報に応じた情報を、対応する利用者の属性情報に含めるように、当該属性情報を更新する。例えば、関連情報取得部106明るさに関する情報として“明るすぎる”を含む利用者関連情報を受け取ると、更新部107は、対応する利用者の属性情報に含まれる環境に関する情報に所望する明るさは“暗め”を含めるように当該利用者の属性情報を更新する。
【0050】
目標環境設定部108は、ゾーン設定部105が設定した複数のゾーンのそれぞれについて、レイアウト情報、利用者ごとの属性情報、及び在不在管理部104の管理結果に基づいて、当該ゾーンに設けられた動的設備の制御に用いる目標環境を設定する。
【0051】
目標環境設定部108は、レイアウト情報を基に、ゾーンごとに、当該ゾーンに含まれる1つ以上の照明機器50及び1つ以上の空調機器60を特定する。
【0052】
目標環境設定部108は、在不在管理部104の管理結果、つまり予測結果又は検知位置情報に基づいた管理結果に基づいて、各ゾーンに存在する人の数を求める。目標環境設定部108は、ゾーンごとに、当該ゾーンに存在する人数、当該ゾーンに存在する利用者の属性情報に基づいて、当該ゾーンの照明機器50の設定照度、及び空調機器60の設定温度をそれぞれ目標環境として求める。
【0053】
例えば、集中ゾーンであるゾーンR1における照明機器50の設定照度は、700~1000luxが好ましい。リラックスゾーンであるゾーンR2における照明機器50の設定照度は、200~400luxが好ましい。さらに、コミュニケーションゾーンであるゾーンR3における照明機器50の設定照度は、400~700luxが好ましい。
【0054】
目標環境設定部108は、設定照度800luxを基準値として、ゾーンR1に存在する利用者のうち、所望する明るさを“明るめ”とする情報を含む属性情報に対応する利用者の割合に応じて、ゾーンR1における照明機器50の設定照度を求める。例えば、割合が0.6以上である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR1における照明機器50の設定照度を、設定照度800luxより高い値、例えば、900luxとする。割合が0.4以下である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR1における照明機器50の設定照度を、設定照度800luxより低い値、例えば、700luxとする。割合が0.4~0.6である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR1における照明機器50の設定照度を、800luxとする。
【0055】
目標環境設定部108は、設定照度300luxを基準値として、ゾーンR2に存在する利用者のうち、所望する明るさを“明るめ”とする情報を含む属性情報に対応する利用者の割合に応じて、ゾーンR2における照明機器50の設定照度を求める。例えば、割合が0.6以上である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR2における照明機器50の設定照度を、設定照度300luxより高い値、例えば、400luxとする。割合が0.4以下である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR2における照明機器50の設定照度を、設定照度300luxより低い値、例えば、200luxとする。割合が0.4~0.6である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR1における照明機器50の設定照度を、300luxとする。
【0056】
目標環境設定部108は、設定照度500luxを基準値として、ゾーンR3に存在する利用者のうち、所望する明るさを“明るめ”とする情報を含む属性情報に対応する利用者の割合に応じて、ゾーンR3における照明機器50の設定照度を求める。例えば、割合が0.6以上である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR3における照明機器50の設定照度を、設定照度500luxより高い値、例えば、600luxとする。割合が0.4以下である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR3における照明機器50の設定照度を、設定照度500luxより低い値、例えば、400luxとする。割合が0.4~0.6である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR3における照明機器50の設定照度を、500luxとする。
【0057】
また、例えば、集中ゾーンであるゾーンR1における空調機器60の設定温度は、22度が好ましい。リラックスゾーンであるゾーンR2における空調機器60の設定温度は、25度が好ましい。さらに、コミュニケーションゾーンであるゾーンR3における照明機器50の照度は、24度が好ましい。
【0058】
目標環境設定部108は、設定温度22度を基準値として、ゾーンR1に存在する利用者のうち、環境に関する情報として“寒がり”を含む属性情報に対応する利用者の割合に応じて、ゾーンR1における空調機器60の設定温度を求める。例えば、割合が0.6以上である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR1における空調機器60の設定温度を、設定照度22度より高い値、例えば、22.5度とする。割合が0.4以下である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR1における空調機器60の設定温度を、設定温度22度より低い値、例えば、21.5度とする。割合が0.4~0.6である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR1における空調機器60の設定温度を、22度とする。
【0059】
目標環境設定部108は、設定温度25度を基準値として、ゾーンR2に存在する利用者のうち、環境に関する情報として“寒がり”を含む属性情報に対応する利用者の割合に応じて、ゾーンR2における空調機器60の設定温度を求める。例えば、割合が0.6以上である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR2における空調機器60の設定温度を、設定照度25度より高い値、例えば、25.5度とする。割合が0.4以下である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR2における空調機器60の設定温度を、設定温度25度より低い値、例えば、24.5度とする。割合が0.4~0.6である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR2における空調機器60の設定温度を、25度とする。
【0060】
目標環境設定部108は、設定温度24度を基準値として、ゾーンR3に存在する利用者のうち、環境に関する情報として“寒がり”を含む属性情報に対応する利用者の割合に応じて、ゾーンR3における空調機器60の設定温度を求める。例えば、割合が0.6以上である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR3における空調機器60の設定温度を、設定照度24度より高い値、例えば、24.5度とする。割合が0.4以下である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR3における空調機器60の設定温度を、設定温度24度より低い値、例えば、23.5度とする。割合が0.4~0.6である場合には、目標環境設定部108は、ゾーンR3における空調機器60の設定温度を、24度とする。
【0061】
なお、ゾーン設定部105が複数のゾーンの再設定を行った場合には、目標環境設定部108は、各受信機30から受け取った検知位置情報に含まれるタグ識別子に対応する属性情報を記憶部12から取得する。目標環境設定部108は、取得した属性情報を基に各ゾーン(ゾーンR1~R3)の動的設備の目標環境を設定する。
【0062】
また、目標環境設定部108は、各ゾーン(ゾーンR1~R3)の動的設備の目標環境を設定する際に、属性情報に含まれる環境に関する情報を用いる構成としたが、この構成に限定されない。目標環境設定部108は、属性情報に含まれる対応する利用者の性別、年齢を用いて、各ゾーン(ゾーンR1~R3)の動的設備の目標環境を設定してもよい。例えば、目標環境設定部108は、設定対象の空調機器60が設けられたゾーンにおいて、男性の数が女性の数よりも多い場合には当該ゾーンの動的設備に対して基準値よりも大きい値を目標環境(設定温度)として設定する。目標環境設定部108は、設定対象の空調機器60が設けられたゾーンにおいて、男性の数が女性の数よりも少ない場合には当該ゾーンの動的設備に対して基準値よりも小さい値を目標環境として設定する。目標環境設定部108は、設定対象の空調機器60が設けられたゾーンにおいて、男性の数と女性の数とが同一である場合には当該ゾーンの動的設備に対して基準値を目標環境として設定する。また、目標環境設定部108は、設定対象の照明機器50が設けられたゾーンにおいて、年齢が40代以上の利用者の数が30代以下の利用者の数よりも多い場合には当該ゾーンの照明機器50に対して基準値よりも大きい値を目標環境(設定照度)として設定する。目標環境設定部108は、設定対象の照明機器50が設けられたゾーンにおいて、年齢が40代以上の利用者の数が30代以下の利用者の数よりも少ない場合には当該ゾーンの照明機器50に対して基準値よりも小さい値を目標環境として設定する。目標環境設定部108は、設定対象の照明機器50が設けられたゾーンにおいて、年齢が40代以上の利用者の数と30代以下の利用者の数とが同一である場合には当該ゾーンの照明機器50に対して基準値を目標環境として設定する。
【0063】
ゾーン環境制御部109は、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに設けられた動的設備の目標環境に基づいて当該ゾーンに設けられた動的設備を制御する。具体的には、ゾーン環境制御部109は、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに設けられた照明機器50の設定照度に基づいて当該ゾーンに設けられた照明機器50を制御する。ゾーン環境制御部109は、複数のゾーンのそれぞれについて、当該ゾーンに設けられた空調機器60の設定温度に基づいて当該ゾーンに設けられた空調機器60を制御する。例えば、ゾーン環境制御部109は、各照明機器50に対して、当該照明機器50が属するゾーンに応じて設定した設定照度に基づく照明用制御情報を、中継装置20を介して送信する。ゾーン環境制御部109は、各空調機器60に対して、当該空調機器60が属するゾーンに応じて設定した設定温度に基づく空調用制御情報を、中継装置20を介して送信する。
【0064】
ゾーン環境制御部109は、ゾーン設定部105が始業時間でのフロアF1に対して複数のゾーン(ゾーンR1~R3)を設定した場合には、始業時間となる時刻に各照明機器50に照明用制御情報を送信する。ゾーン環境制御部109は、ゾーン設定部105が始業時間でのフロアF1に対して複数のゾーン(ゾーンR1~R3)を設定した場合には、始業時間となる時刻に各空調機器60に空調用制御情報を送信する。
【0065】
なお、ゾーン環境制御部109は、ゾーン設定部105が始業時間でのフロアF1に対して複数のゾーン(ゾーンR1~R3)を設定した場合には、始業時間よりも所定時間前の時刻に各照明機器50に照明用制御情報を送信してもよい。同様に、ゾーン環境制御部109は、ゾーン設定部105が始業時間でのフロアF1に対して複数のゾーン(ゾーンR1~R3)を設定した場合には、始業時間よりも所定時間前の時刻に各空調機器60に空調用制御情報を送信してもよい。
【0066】
通知部110は、ゾーン設定部105が設定した複数のゾーン(ゾーンR1~R3)に関するゾーン情報を利用者に通知する。具体的には、通知部110は、フロアF1における静的設備及び動的設備の設置場所を表すフロアF1のレイアウトの画像に、複数のゾーンと、ゾーンごとに設定した設定照度及び設定温度を含む設定情報とを重畳して通知装置70の表示部71及び情報端末80の表示部81に表示させるための情報を、ゾーン情報として送信する。
【0067】
(2-2)中継装置
中継装置20は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが中継装置20としての機能を実現する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0068】
中継装置20は、ネットワークNT1を介してゾーン管理装置10と通信可能に構成されている。中継装置20は、さらに、複数の受信機30、複数の照明機器50及び複数の空調機器60と通信可能に構成されている。
【0069】
中継装置20は、複数の受信機30の各々から受け取った検知位置情報を、ゾーン管理装置に送信する。
【0070】
中継装置20は、複数の照明機器50のそれぞれに対応する照明用制御情報を、ゾーン管理装置10から受け取ると、受け取った照明用制御情報を対応する照明機器50に送信する。中継装置20は、複数の空調機器60のそれぞれに対応する空調用制御情報を、ゾーン管理装置10から受け取ると、受け取った空調用制御情報を対応する空調機器60に送信する。
【0071】
なお、本実施形態では、中継装置20は、フロアF1に設置される構成としているが、この構成に限定されない。中継装置20は、施設内に設置されていればよい。
【0072】
(2-3)情報端末
情報端末80は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが情報端末80としての機能を実現する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0073】
情報端末80は、ゾーン管理装置10とネットワークNT1を介して通信可能に構成されている。
【0074】
情報端末80は、表示部81を備える。情報端末80は、ゾーン管理装置10から受け取ったゾーン情報に基づいて、フロアF1のレイアウトの画像に、複数のゾーンと、ゾーンごとに設定した設定照度及び設定温度を含む設定情報とを重畳した重畳画像G1を表示部81に表示する。
【0075】
図3に、重畳画像G1の一例を示す。重畳画像G1は、複数の机、複数の椅子、複数の照明機器50、複数の空調機器60のそれぞれのレイアウトを示すレイアウト画像G10と、ゾーン設定部105が設定したゾーンR1~R3のそれぞれに対応するゾーン画像G11,G12,G13とを含む。さらに、重畳画像G1は、ゾーンR1~R3のそれぞれに含まれる1つ以上の照明機器50及び1つ以上の空調機器60に対して設定された設定照度及び設定温度を含む設定情報を表示する設定画像G21~G23を含む。設定画像G21~G23に含まれる設定情報の各々と、ゾーンR1~R3との対応関係が識別できるように表示される。例えば、
図3では、設定画像G21~G23は、対応するゾーン画像から噴出されたように識別できる吹き出し形状で表示される。
【0076】
(2-4)通知装置
通知装置70は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが通知装置70としての機能を実現する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0077】
通知装置70は、ゾーン管理装置10とネットワークNT1を介して通信可能に構成されている。
【0078】
通知装置70は、表示部71を備える。通知装置70は、ゾーン管理装置10から受け取ったゾーン情報に基づいて、フロアF1のレイアウトの画像に、複数のゾーンと、ゾーンごとに設定した設定照度及び設定温度を含む設定情報とを重畳した重畳画像を自装置の表示部71に表示する。
【0079】
通知装置70が表示する重畳画像は、例えば情報端末80が表示する重畳画像G1と同一である。
【0080】
(3)動作
(3-1)予測時の動作
ここでは、ゾーン管理装置10が利用者の在不在を予測した場合におけるゾーン管理装置10の動作について、
図4を用いて説明する。
【0081】
属性情報取得部101は、利用者ごとに、当該利用者に対応する属性情報を記憶部12から取得する(ステップS1)。
【0082】
レイアウト情報取得部102は、レイアウト情報を記憶部12から取得する(ステップS2)。
【0083】
スケジュール情報取得部103は、利用者ごとに、当該利用者に対応するスケジュール情報を記憶部12から取得する(ステップS3)。
【0084】
在不在管理部104は、予測処理を行う(ステップS4)。具体的には、在不在管理部104は、スケジュール情報取得部103が取得した複数の利用者にそれぞれ対応する複数のスケジュール情報に基づいて、所定時間における複数の利用者の各々の在不在を予測し、予測結果を管理結果とする。
【0085】
ゾーン設定部105は、レイアウト情報、利用者ごとの属性情報、及び在不在管理部104の管理結果(予測結果)に基づいて、フロアF1に対して複数のゾーン(ゾーンR1~R3)を設定する(ステップS5)。例えば、ゾーン設定部105は、レイアウト情報、利用者ごとの属性情報、及び在不在管理部104の管理結果に基づいて、始業時間(例えば、午前9:00)でのフロアF1に対して複数のゾーン(ゾーンR1~R3)を設定する。
【0086】
通知部110は、ゾーン設定部105が設定した複数のゾーン(ゾーンR1~R3)に関するゾーン情報を利用者に通知する(ステップS6)。具体的には、通知部110は、フロアF1のレイアウトの画像に、複数のゾーンと、ゾーンごとに対応する設定情報とを重畳して通知装置70及び情報端末80に表示させるためのゾーン情報を送信する。
【0087】
目標環境設定部108は、複数のゾーンのそれぞれについて、レイアウト情報、利用者ごとの属性情報、及び在不在管理部104の管理結果(予測結果)に基づいて、当該ゾーンに設けられた動的設備の制御に用いる目標環境を設定する(ステップS7)。具体的には、目標環境設定部108は、ゾーンごとに、当該ゾーンに存在する人数、当該ゾーンに存在する利用者の属性情報に基づいて、当該ゾーンの照明機器50の設定照度及び空調機器60の設定温度をそれぞれ目標環境として設定する。
【0088】
ゾーン環境制御部109は、始業時間となる時刻に各照明機器50及び各空調機器60の制御を開始する(ステップS8)。例えば、ゾーン環境制御部109は、始業時間となる時刻に、照明機器50ごとに当該照明機器50に設定された設定照度に基づく照明用制御情報を、空調機器60ことに当該空調機器60に設定された設定温度に基づく空調用制御情報を、それぞれ送信する。
【0089】
(3-2)ゾーンの再設定時の動作
ここでは、ゾーン管理装置10が利用者の在不在を予測した場合におけるゾーン管理装置10の動作について、
図5を用いて説明する。
【0090】
在不在管理部104は、管理処理を行う(ステップS11)。具体的には、在不在管理部104は、各受信機30から受け取った検知位置情報を基に、各ゾーンでの人の出入りを管理する。例えば、在不在管理部104は、各受信機30から受け取った検知位置情報に含まれるタグ識別子を基に、各ゾーンに存在する人の数を管理する。
【0091】
属性情報取得部101は、ゾーンの再設定時において、利用者ごとに、当該利用者に対応する属性情報を記憶部12から取得する(ステップS12)。
【0092】
レイアウト情報取得部102は、ゾーンの再設定時において、レイアウト情報を記憶部12から取得する(ステップS13)。
【0093】
さらに、ゾーン設定部105は、ゾーンの再設定時において、少なくとも直近の管理結果に基づいて新たな複数のゾーンを再度設定する(ステップS14)。例えば、ゾーン設定部105は、直近の管理結果で得られるゾーンR1に存在する利用者の数に応じて、新たな集中ゾーンとしてのゾーンR1を再度設定する。また、ゾーン設定部105は、再設定後において行われる会議のうち最も人数の多い会議に応じて、新たなコミュニケーションゾーンとしてのゾーンR3を再度設定する。ゾーン設定部105は、フロアF1のうち再設定されたゾーンR1,R3を除く残りのエリアを新たなリラックスゾーンとしてゾーンR2を再度設定する。
【0094】
通知部110は、ゾーン設定部105が再設定した新たな複数のゾーンに関するゾーン情報を利用者に通知する(ステップS15)。具体的には、通知部110は、フロアF1のレイアウトの画像に、新たな複数のゾーンと、新たなゾーンごとに対応する設定情報とを重畳して通知装置70及び情報端末80に表示させるためのゾーン情報を送信する。
【0095】
目標環境設定部108は、新たな複数のゾーンのそれぞれについて、レイアウト情報、利用者ごとの属性情報、及び在不在管理部104の管理結果に基づいて、当該ゾーンに設けられた動的設備の制御に用いる目標環境を設定する(ステップS16)。具体的には、目標環境設定部108は、新たなゾーンごとに、当該新たなゾーンに存在する人数、当該ゾーンに存在する利用者の属性情報に基づいて、当該新たなゾーンの照明機器50の設定照度及び空調機器60の設定温度をそれぞれ目標環境として設定する。
【0096】
ゾーン環境制御部109は、各照明機器50及び各空調機器60の制御を開始する(ステップS17)。例えば、ゾーン環境制御部109は、照明機器50ごとに当該照明機器50に設定された設定照度に基づく照明用制御情報を、空調機器60ことに当該空調機器60に設定された設定温度に基づく空調用制御情報を、それぞれ送信する。
【0097】
(3-3)更新処理
ここでは、ゾーン管理装置10が属性情報を更新する動作について、
図6を用いて説明する。
【0098】
関連情報取得部106は、複数のゾーンのうち利用者が使用しているゾーンにおける気温に関する情報、及び照明機器50の明るさに関する情報のうち少なくとも一方を含む利用者関連情報を、利用者の情報端末80から取得する(ステップS21)。
【0099】
更新部107は、関連情報取得部106が取得した利用者関連情報に基づいて、対応する利用者の属性情報を更新する(ステップS22)。
【0100】
(4)具体例
ここでは、ゾーンの変更(再設定)について、具体例を用いて説明する。
【0101】
ここでは、フロアF1において、
図2に示すように、3つのゾーンR1~R3が設定されていることを前提とする。
【0102】
この場合、ゾーン設定部105は、少なくとも直近の管理結果に基づいて新たな複数のゾーンを再度設定する。例えば、ゾーン設定部105は、直近の管理結果で得られるゾーンR1に存在する利用者の数に応じて、新たな集中ゾーンとしてのゾーンR1を再度設定する。また、ゾーン設定部105は、再設定後において行われる会議のうち最も人数の多い会議に応じて、新たなコミュニケーションゾーンとしてのゾーンR3を再度設定する。
【0103】
例えば、直近の管理結果で得られるゾーンR1に存在する利用者の数に基づいて、ゾーン設定部105は、
図2に示すゾーンR1と同一の領域を集中ゾーンとする。つまり、ゾーン設定部105は、ゾーンR1について変更は行わない。再設定後において行われる会議のうち最も人数が多い会議と、
図2に示すゾーンR3を設定した場合に用いた会議とで人数の変動がある、つまり人数が減少したとする。この場合、ゾーン設定部105は、
図2に示すゾーンR3のエリアよりも小さいエリアを新たなコミュニケーションゾーン(ゾーンR3a)を再度設定する(
図7参照)。ゾーン設定部105は、フロアF1のうち再設定されたゾーンR1,R3aを除く残りのエリアを新たなリラックスゾーン(ゾーンR2a)として設定する(
図7参照)。
【0104】
(5)利点
以上説明したように、本実施形態のゾーン管理装置10は、フロアF1(空間)における人の在不在を管理し、管理結果、フロアF1のレイアウト情報及び利用者ごとの属性情報に基づいて、フロアF1に対して複数のゾーンを設定している。
【0105】
例えば、ゾーン管理装置10は、始業時刻前に、複数の利用者にそれぞれ対応する複数のスケジュール情報に基づいて、所定時間における複数の利用者の各々の在不在を予測する。ゾーン管理装置10は、予測結果(管理結果)、レイアウト情報、利用者ごとの属性情報を用いて、集中作業を中心に行うことを含む属性情報に対応する利用者が利用する集中ゾーン(ゾーンR1)を設定する。また、当日の会議の状況に応じて、コミュニケーションゾーン(ゾーンR3)を設定する。ゾーン管理装置10は、当日、フロアF1に在室する利用者の数を予測することで、当日のフロアF1の利用状況を予測することができる。そのため、ゾーン管理装置10は、予測したフロアF1の利用状況に応じて、複数のゾーンの設定、管理を行うことができる。
【0106】
また、ゾーン管理装置10は、複数のゾーンが設定された後において、各ゾーンでの利用者の出入りを管理し、管理結果に基づいて、新たな複数のゾーンを再度設定する。これにより、複数のゾーンを設定した後、その後の利用者の移動により各ゾーンでの利用状況、つまりフロアF1の利用状況の変化に応じた適切な新たな複数のゾーンを設定、管理することができる。
【0107】
また、ゾーン管理装置10は、利用者関連情報に基づいて、対応する利用者の属性情報を更新する。これにより、利用者の属性を適切な内容とすることができる。その結果、ゾーン管理装置10は、利用者が利用するゾーンの動的設備に対して適切な制御を行うことができる。
【0108】
(6)変形例
(6-1)変形例1
上記実施形態では、ゾーン管理装置10は、フロアF1を、集中ゾーン、リラックスゾーン、コミュニケーションゾーンに区分する構成としたが、この構成に限定されない。
【0109】
フロアF1を区分された複数のゾーンにおいて、いずれの利用者も使用することができない未使用ゾーンが含まれてもよい。言い換えると、複数のゾーンのうち少なくとも1つのゾーンは、使用不可である未使用ゾーンであってもよい。
【0110】
例えば、スケジュール情報は、対応する利用者の休暇情報を含む。ゾーン設定部105は、各利用者の休暇情報に基づいて、当日にフロアF1を使用する利用者の総数と、フロアF1の収容人数とに基づいて、未使用ゾーンを設定する。具体的には、ゾーン設定部105は、当日にフロアF1を使用する利用者の総数が80人であり、フロアF1の収容人数が150人であるとすると、例えば、100人分のエリアを未使用ゾーンとして設定する。
【0111】
(6-2)変形例2
上記実施形態では、機器制御システム2は、フロアF1における利用者の在不在を管理するために、位置情報システム3を用いる構成としたが、この構成に限定されない。
【0112】
機器制御システム2は、フロアF1における利用者の在不在を管理するために、利用者の顔認証を用いてもよいし、利用者の入退出を管理する入退出管理システムの管理結果を用いてもよい。または、機器制御システム2は、位置情報システム3、顔認証及び入退出管理システムのうち少なくとも2つを用いてもよい。
【0113】
(6-3)変形例3
上記実施形態では、ゾーン管理装置10は、位置情報システム3における受信機30とタグ40との通信により、利用者の出入りを管理する構成としたが、この構成に限定されない。
【0114】
ゾーン管理装置10は、受信機30と、利用者の情報端末80との間に通信により、利用者の出入りを管理してもよい。
【0115】
(6-4)変形例4
上記実施形態において、スケジュール情報取得部103は、利用者の情報端末80から当該利用者のスケジュール情報を取得してもよい。または、スケジュール情報取得部103は、各利用者のスケジュールを管理するスケジュール管理システムから各利用者のスケジュール情報を取得してもよい。または、スケジュール情報取得部103は、設備の予約を管理する設備予約システムから各設備を利用する利用者の情報を取得してもよい。
【0116】
(6-5)変形例5
上記実施形態において、照明機器50及び空調機器60を動的設備の一例として説明したが、動的設備は、照明機器50及び空調機器60に限定されない。
【0117】
動的設備は、照明機器、空調機器、アロマディフューザ及びスピーカのうち少なくとも1つであればよい。
【0118】
動的設備をアロマディフューザとする場合、ゾーン管理装置10は、ゾーンの種別に応じてアロマディフューザが発生する香付の気流の強弱を制御する、又はアロマディフューザが発生する香を変更するよう制御する。また、動的設備をスピーカとする場合、ゾーン管理装置10は、ゾーンの種別に応じてスピーカから出力する音量を制御する、又はスピーカから出力する音(例えば、音楽)を変更するよう制御する。
【0119】
(6-6)変形例6
上記実施形態では、ゾーン管理装置10の関連情報取得部106は、利用者関連情報を、情報端末80から取得する構成としたが、この構成に限定されない。
【0120】
関連情報取得部106は、利用者関連情報を、AIスピーカ(スマートスピーカ)、カメラ、心拍、脳波から取得してもよい。
【0121】
例えば、AIスピーカを用いる場合、AIスピーカは、ゾーンごと(例えば、制御領域ごと)に設置される。各AIスピーカは、対応するゾーンの利用者の音声により利用者関連情報を受け付ける。各AIスピーカは、取得した利用者関連情報を、ゾーン管理装置10に送信する。
【0122】
また、カメラを用いる場合、カメラは、ゾーンごと(例えば、制御領域ごと)に設置される。各カメラは、対応するゾーンの利用者の顔を撮影し、撮影した画像をゾーン管理装置10に送信する。関連情報取得部106は、画像に含まれる利用者の顔色、汗の有無等から、カメラが設置されたゾーン、つまり利用者が使用するゾーンの環境に基づいた当該利用者に関連する利用者関連情報を取得する。例えば、汗をかいている場合には、対応するゾーンでは利用者は暑いと感じていると判断し、暑いことを表す情報を含む利用者関連情報を取得する。
【0123】
心拍又は脳波を用いる場合、関連情報取得部106は、利用者に装着されたウェアラブル端末、スマートウォッチ等によって測定された心拍又は脳波を取得する。関連情報取得部106は、取得した心拍又は脳波に基づいて、利用しているゾーンが利用者にとって快適な環境であるか否かを判断し、その結果を利用者関連情報として取得する。
【0124】
(6-7)変形例7
上記実施形態では、ゾーン管理装置10は、ゾーン情報を、通知装置70及び情報端末80に通知する構成としたが、この構成に限定されない。ゾーン管理装置10は、ゾーン情報を、通知装置70及び情報端末80のうち少なくとも一方に通知する構成であればよい。
【0125】
(6-8)変形例8
上記実施形態において、ゾーン管理装置10は、施設内に設けられてもよい。例えば、ゾーン管理装置10は、中継装置20、各受信機30、各照明機器50及び各空調機器60と専用線で接続されてもよい。
【0126】
また、ゾーン管理装置10は、施設内に設けられる場合、中継装置20と一体であってもよい。または、ゾーン管理装置10は、施設内に設けられる場合、通知装置70と一体であってもよい。または、ゾーン管理装置10は、施設内に設けられる場合、中継装置20及び通知装置70と一体であってもよい。
【0127】
(6-9)変形例9
上記実施形態において、ゾーン管理装置10は、フロアF1(空間)を3つのゾーンに区分けする構成としたが、この構成に限定されない。ゾーン管理装置10は、フロアF1を2つ以上のゾーンに区分けする構成であればよい。
【0128】
(6-10)変形例10
上記実施形態において、通知部110は、フロアF1のレイアウトの画像に、複数のゾーンと、ゾーンごとに設定した設定照度及び設定温度を含む設定情報とを重畳して通知装置70の表示部71及び情報端末80の表示部81に表示させる構成とした。しかしながら、この構成に限定されない。
【0129】
通知部110は、各ゾーン(ゾーンR1~R3)の配置を音声で利用者に通知してもよい。
【0130】
(6-11)変形例11
上記実施形態において、目標環境設定部108は、空調機器60に対して目標環境として設定温度を設定する構成としたが、この構成に限定されない。
【0131】
目標環境設定部108は、空調機器60に対して目標環境として設定湿度を設定してもよいし、設定温度及び設定湿度の双方を設定してもよい。
【0132】
(6-12)変形例12
上記実施形態において、施設のフロアF1を空間の一例として説明した。しかしながら、空間は、施設のフロアF1に限定されない。
【0133】
例えば、空間は、移動体内の空間であってもよい。例えば、空間は、新幹線等の車両内であってもよい。この場合、新幹線の利用者が当該利用者の情報端末を用いて座席の予約をした場合、ゾーン管理装置10は、当該利用者に対応する属性情報を取得する。また、ゾーン管理装置10は、新幹線に関するレイアウト情報、予約の状況を含む予約情報を取得して、取得したレイアウト情報、ゾーン設定対象の新幹線の予約情報、及び属性情報を基に、ゾーンの設定及び管理を行う。ここで、予約情報が、スケジュール情報及び在不在の管理結果の双方に対応する。
【0134】
(6-13)変形例13
上記実施形態において、利用者の性別、年齢を静的情報に含まれるデータの一例とした。しかしながら、静的情報に含まれるデータは、利用者の性別、年齢に限定されない。静的情報は、対応する利用者の職種、役職、身体的特徴(例えば、身長、体重等)及び身体上の障害の有無を含んでもよい。要は、静的情報は、対応する利用者の性別、年齢、職種、役職、身体的特徴及び身体上の障害の有無のうち少なくとも1つのデータを含む。この場合、ゾーン管理装置10は、静的情報に含まれる、対応する利用者の性別、年齢、職種、役職、身体的特徴及び身体上の障害の有無のうち1つ又は2つ以上のデータを用いて、ゾーン設定及び環境目標の設定のうち少なくとも一方を行う。
【0135】
同様に、対応する利用者についての環境に関する情報(例えば、暑がり、寒がり、所望する明るさ等)、作業に関する情報(例えば、集中作業を中心に行うこと等)を動的情報に含まれるデータの一例とした。しかしながら、動的情報に含まれるデータは、利用者についての環境に関する情報、作業に関する情報に限定されない。動的情報は、対応する利用者の健康状態(例えば、1週間以内の健康状態、当日の体調等)、病歴(例えば、1ヶ月以内の病歴)、睡眠状態(例えば、1ヶ月以内の睡眠時間の平均時間)、労働時間(例えば、1ヶ月以内の労働時間の合計時間又は平均時間)、笑顔量(例えば、1ヶ月以内の笑顔量の平均)を含んでもよい。動的情報は、更に、フロアF1における暴露温度(例えば、1ヶ月以内の暴露温度)、二酸化炭素の量(例えば、1ヶ月以内の二酸化炭素の量の平均)、対応する利用者の体温(例えば、1ヶ月以内の体温の平均値)、血糖値(例えば、1ヶ月以内の血糖値の平均値)、血中酸素濃度(例えば、1ヶ月以内の血中酸素濃度の平均値)を含んでもよい。要は、動的情報は、対応する利用者についての環境に関する情報、作業に関する情報、健康状態、病歴、睡眠状態、労働時間、笑顔量、体温、血糖値、血中酸素濃度、フロアF1での暴露温度及び二酸化炭素の量のうち少なくとも1つのデータを含む。この場合、ゾーン管理装置10は、動的情報に含まれる、対応する利用者についての環境に関する情報、作業に関する情報、健康状態、病歴、睡眠状態、労働時間、笑顔量、体温、血糖値、血中酸素濃度、フロアF1での暴露温度及び二酸化炭素の量のうち1つ又は2つ以上のデータを用いて、ゾーン設定及び環境目標の設定のうち少なくとも一方を行う。
【0136】
また、利用者についての環境に関する情報は、所望する設定温度を含んでもよい。作業に関する情報は、活動量(例えば、1ヶ月以内の活動量の平均値)、コミュニケーション時間(例えば、1ヶ月以内のコミュニケーション時間の平均時間)、集中時間(例えば、1ヶ月以内の集中時間の平均時間)、当日の予定(業務スケジュール)を含んでもよい。この場合、ゾーン管理装置10は、利用者についての環境に関する情報を用いてゾーン設定及び環境目標の設定のうち少なくとも一方を行う場合において、複数のデータが当該情報に含まれるとき、例えば当該情報に所望する設定温度、明るさが含まれるときには、当該複数のデータのうち少なくとも1つのデータを用いる。ゾーン管理装置10は、利用者についての作業に関する情報を用いてゾーン設定及び環境目標の設定のうち少なくとも一方を行う場合において、複数のデータが当該情報に含まれるとき、例えば活動量、コミュニケーション時間、集中時間及び当日の予定が当該情報に含まれるときには、当該複数のデータのうち少なくとも1つのデータを用いる。
【0137】
また、ゾーン管理装置10は、静的情報に含まれる1つ以上のデータ及び動的情報に含まれる1つ上のデータを組み合わせて、ゾーン設定及び環境目標の設定のうち少なくとも一方を行ってもよい。
【0138】
(6-14)変形例14
上記実施形態において、利用者の属性情報に保存期間を設定してもよい。例えば、“暑い”、“寒い”は、当該利用者の周辺環境と、その環境に退位する心理反応であり、時々刻々と変化するフロアF1の温度環境では時間が経過するほどその情報(“暑い”、“寒い”といった情報)の意味が薄らいでしまう。そこで、目標環境設定部108では、目標環境を設定する際に、所定期間(例えば、2~3時間)以上の保持期間を経過した場合には、その属性情報を制御に用いる対象から除外してもよい。
【0139】
(その他の変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、管理システム1と同様の機能は、管理方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る管理方法は、空間(フロアF1)において区分された複数のゾーン(例えば、ゾーンR1~R3)の各々を管理する管理システムで用いられる。管理方法は、属性情報取得ステップと、レイアウト情報取得ステップと、在不在管理ステップと、ゾーン設定ステップと、を含む。属性情報取得ステップは、空間の利用者に関連する属性情報を取得する。レイアウト情報取得ステップは、空間に設置された静的設備(例えば、机、椅子)及び動的設備(例えば、照明機器50、空調機器60)の設置場所を含む空間のレイアウト情報を取得する。在不在管理ステップは、空間における人の在不在を管理する。ゾーン設定ステップは、属性情報、レイアウト情報及び在不在管理ステップによる管理結果に基づいて、空間に対して複数のゾーンを設定する。一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムを、上述した管理方法として機能させるためのプログラムである。
【0140】
本開示における管理システム1又は管理方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における管理システム1又は管理方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0141】
コンピュータシステムである管理システム1は、1又は複数のコンピュータで構成されるシステムであってもよい。例えば、管理システム1の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
【0142】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の管理システム(1)は、空間(フロアF1)において区分された複数のゾーン(R1~R3)の各々を管理する。管理システム(1)は、属性情報取得部(101)と、レイアウト情報取得部(102)と、在不在管理部(104)と、ゾーン設定部(105)と、を備える。属性情報取得部(101)は、空間の利用者に関連する属性情報を取得する。レイアウト情報取得部(102)は、空間に設置された静的設備(机、椅子)及び動的設備(照明機器50、空調機器60)の設置場所を含む空間のレイアウト情報を取得する。在不在管理部(104)は、空間における人の在不在を管理する。ゾーン設定部(105)は、属性情報、レイアウト情報及び在不在管理部(104)による管理結果に基づいて、空間に対して複数のゾーン(R1~R3)を設定する。
【0143】
この構成によると、空間の利用状況に応じて複数のゾーン(R1~R3)を設定、管理することができる。
【0144】
第2の態様の管理システム(1)は、第1の態様において、利用者の予定に関連するスケジュール情報を取得するスケジュール情報取得部(103)を、更に備える。在不在管理部(104)は、スケジュール情報に基づいて所定時間における利用者の在不在を予測し、予測結果を管理結果とする。
【0145】
この構成によると、予測した空間の利用状況に応じて、複数のゾーン(R1~R3)の設定、管理を行うことができる。
【0146】
第3の態様の管理システム(1)では、第1又は第2の態様において、ゾーン設定部(105)は、複数のゾーン(R1~R3)を設定した後、新たな複数のゾーンを再度設定する。
【0147】
この構成によると、複数のゾーン(R1~R3)を適宜変更することができる。
【0148】
第4の態様の管理システム(1)では、第3の態様において、在不在管理部(104)は、複数のゾーン(R1~R3)のそれぞれにおける人の出入りを管理する。ゾーン設定部(105)は、少なくとも在不在管理部(104)による人の出入りの管理結果を用いて、新たな複数のゾーンを設定する。
【0149】
この構成によると、各ゾーンでの利用状況、つまり空間の利用状況の変化に応じた適切な新たな複数のゾーンを設定、管理することができる。
【0150】
第5の態様の管理システム(1)は、第1~第4のいずれかの態様において、関連情報取得部(106)と、更新部(107)と、を更に備える。関連情報取得部(106)は、複数のゾーン(R1~R3)のうち利用者が利用するゾーンの環境に基づいた利用者に関連する利用者関連情報を取得する。更新部(107)は、利用者関連情報に基づいて当該利用者に関連する属性情報を更新する。
【0151】
この構成によると、利用者の属性を適切な内容とすることができる。
【0152】
第6の態様の管理システム(1)は、第1~第5のいずれかの態様において、通知部(110)を、更に備える。通知部(110)は、ゾーン設定部(105)が設定した複数のゾーン(R1~R3)に関するゾーン情報を利用者に通知する。
【0153】
この構成によると、利用者は、自身が利用を所望するゾーンを知ることができる。
【0154】
第7の態様の管理システム(1)では、第6の態様において、通知部(110)は、空間における静的設備及び動的設備の設置場所を表す空間のレイアウトに、ゾーン設定部(105)が設定した複数のゾーン(R1~R3)を重畳して表示部(例えば、表示部71,81)に表示させる。
【0155】
この構成によると、利用者は、自身が利用を所望するゾーンの位置を容易に知ることができる。
【0156】
第8の態様の管理システム(1)は、第1~第7のいずれかの態様において、目標環境設定部(108)と、ゾーン環境制御部(109)と、を更に備える。目標環境設定部(108)は、ゾーン設定部(105)が設定した複数のゾーン(R1~R3)のそれぞれについて、当該ゾーンに設けられた動的設備の制御に用いる目標環境(例えば、設定照度、設定温度)を設定する。ゾーン環境制御部(109)は、複数のゾーン(R1~R3)のそれぞれについて、当該ゾーンに設けられた動的設備の目標環境に基づいて当該ゾーンに設けられた動的設備を制御する。
【0157】
この構成によると、当該ゾーンの動的設備に対して適切な制御を行うことができる。
【0158】
第9の態様の管理システム(1)では、第1~第8のいずれかの態様において、複数のゾーンのうち少なくとも1つのゾーンは、使用不可である未使用ゾーンである。
【0159】
この構成のよると、空間を利用する利用者の総数に応じて、使用可能な1つ以上のゾーンを設定することができる。
【0160】
第10の態様の管理方法は、空間(フロアF1)において区分された複数のゾーン(R1~R3)の各々を管理する管理システムで用いられる。管理方法は、属性情報取得ステップと、レイアウト情報取得ステップと、在不在管理ステップと、ゾーン設定ステップと、を含む。属性情報取得ステップは、空間の利用者に関連する属性情報を取得する。レイアウト情報取得ステップは、空間に設置された静的設備(机、椅子)及び動的設備(照明機器50、空調機器60)の設置場所を含む空間のレイアウト情報を取得する。在不在管理ステップは、空間における人の在不在を管理する。ゾーン設定ステップは、属性情報、レイアウト情報及び在不在管理ステップによる管理結果に基づいて、空間に対して複数のゾーン(R1~R3)を設定する。
【0161】
この管理方法によると、空間の利用状況に応じて複数のゾーン(R1~R3)を設定、管理することができる。
【0162】
第11の態様のプログラムは、コンピュータに、第10の態様の管理方法を実行させるためのプログラムである。
【0163】
このプログラムによると、空間の利用状況に応じて複数のゾーン(R1~R3)を設定、管理することができる。
【符号の説明】
【0164】
1 管理システム
10 ゾーン管理装置
50 照明機器(動的設備)
60 空調機器(動的設備)
71,81 表示部
101 属性情報取得部
102 レイアウト情報取得部
103 スケジュール情報取得部
104 在不在管理部
105 ゾーン設定部
106 関連情報取得部
107 更新部
108 目標環境設定部
109 ゾーン環境制御部
110 通知部
R1,R2,R3,R2a,R3a ゾーン
F1 フロア(空間)