(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】スイッチ装置、電池式照明器具及び電動自転車
(51)【国際特許分類】
H05B 45/30 20200101AFI20230707BHJP
H01H 9/16 20060101ALI20230707BHJP
H01H 9/54 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
H05B45/30
H01H9/16 B
H01H9/54 C
(21)【出願番号】P 2019157898
(22)【出願日】2019-08-30
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】井戸 滋
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-078166(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0258695(US,A1)
【文献】中国実用新案第212278507(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
H01H 9/16
H01H 9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子と第2端子とを電気的に接続する第1配線路と、
第3端子と第4端子とを電気的に接続する第2配線路と、
前記第1端子と前記第3端子との間に接続された電源回路と、
前記第2端子と前記第4端子との間に接続され、前記第2端子と前記第4端子との導通及び非導通を開閉により切り替えるスイッチと、
前記スイッチに並列に接続された光源と、
前記スイッチの開閉状態を判定する判定部と、
前記電源回路を制御する制御部とを備え、
前記電源回路は、定電流を出力する定電流制御モードと、定電圧を出力する定電圧制御モードとを有し、
前記制御部は、前記光源が点灯している場合に前記電源回路を前記定電流制御モードで動作させ、前記光源が消灯している場合に前記電源回路を前記定電圧制御モードで動作させる
スイッチ装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記第1配線路と前記第2配線路との間に印加される電圧を検出することで、前記スイッチの開閉状態を判定する
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記定電圧の電圧値は、前記光源が点灯している場合に前記第2端子と前記第4端子との間に印加されている電圧の電圧値未満である
請求項1又は2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記判定部によって前記スイッチが閉じられたと判定された場合に、前記電源回路を前記定電圧制御モードで動作させる
請求項1~3のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記電源回路は、
前記定電流を出力する定電流源と、
前記定電圧を出力する定電圧源とを含み、
前記定電圧源の出力インピーダンスは、前記光源が点灯している場合に前記第2端子と前記第4端子との間に印加されている電圧の電圧値を、前記光源が点灯している場合に前記光源に流れる電流の電流値で割った値以上である
請求項1~4のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記定電圧源は、抵抗分圧回路を含む
請求項5に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のスイッチ装置と、
電池を着脱可能に保持し、保持した電池からの電力を受ける受電部と、
照明光を出射する発光部とを備え、
前記電源回路は、前記受電部が受けた電力に基づいて前記定電流又は前記定電圧を生成して出力し、
前記スイッチは、前記発光部の点灯及び消灯を切り替える操作スイッチである
電池式照明器具。
【請求項8】
さらに、前記受電部に保持される電池の残量を検知する残量検知部を備え、
前記制御部は、前記残量検知部によって検知された残量に基づいて、前記光源の点灯及び消灯を制御する
請求項7に記載の電池式照明器具。
【請求項9】
電動アシスト機能を有する電動自転車であって、
請求項1~6のいずれか1項に記載のスイッチ装置を備える
電動自転車。
【請求項10】
前記スイッチは、前記電動自転車の前照灯の点灯及び消灯を切り替える操作スイッチである
請求項9に記載の電動自転車。
【請求項11】
前記光源は、前記電動自転車の前照灯である
請求項9又は10に記載の電動自転車。
【請求項12】
前記スイッチは、前記電動アシスト機能のオン及びオフを切り替える操作スイッチである
請求項9に記載の電動自転車。
【請求項13】
前記光源は、前記電動自転車の尾灯である
請求項12に記載の電動自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置、電池式照明器具及び電動自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、表示器付遠隔操作用スイッチが開示されている。特許文献1では、LED(Light Emitting Diode)素子及び抵抗器の直列回路にスイッチが並列接続された回路ブロックが複数直列に接続されている。各回路ブロックの抵抗器の抵抗値は、対応する回路ブロック内のスイッチ状態による当該回路ブロックの両端の電圧の変化幅が所定電圧の2のn乗倍になるように選定されている。これにより、各回路ブロックに含まれるスイッチの開閉状態を検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の表示器付遠隔操作用スイッチでは、スイッチ操作によってLED素子を消灯した場合、回路ブロックに電流が流れ続ける。このため、消費電力を低減することができない。
【0005】
そこで、本発明は、消費電力を低減することができる簡易な構成のスイッチ装置、並びに、当該スイッチ装置を備える電池式照明器具及び電動自転車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るスイッチ装置は、第1端子と第2端子とを電気的に接続する第1配線路と、第3端子と第4端子とを電気的に接続する第2配線路と、前記第1端子と前記第3端子との間に接続された電源回路と、前記第2端子と前記第4端子との間に接続され、前記第2端子と前記第4端子との導通及び非導通を開閉により切り替えるスイッチと、前記スイッチに並列に接続された光源と、前記スイッチの開閉状態を判定する判定部と、前記電源回路を制御する制御部とを備え、前記電源回路は、定電流を出力する定電流制御モードと、定電圧を出力する定電圧制御モードとを有し、前記制御部は、前記光源が点灯している場合に前記電源回路を前記定電流制御モードで動作させ、前記光源が消灯している場合に前記電源回路を前記定電圧制御モードで動作させる。
【0007】
また、本発明の一態様に係る電池式照明器具は、前記スイッチ装置と、電池を着脱可能に保持し、保持した電池からの電力を受ける受電部と、照明光を出射する発光部とを備え、前記電源回路は、前記受電部が受けた電力に基づいて前記定電流又は前記定電圧を生成して出力し、前記スイッチは、前記発光部の点灯及び消灯を切り替える操作スイッチである。
【0008】
また、本発明の一態様に係る電動自転車は、電動アシスト機能を有する電動自転車であって、前記スイッチ装置を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、消費電力を低減することができる簡易な構成のスイッチ装置などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係るスイッチ装置の回路図である。
【
図2A】
図2Aは、実施の形態1に係るスイッチ装置の点灯モードにおいて、スイッチがオフ状態である場合に流れる電流の経路を示す回路図である。
【
図2B】
図2Bは、実施の形態1に係るスイッチ装置の点灯モードにおいて、スイッチがオン状態である場合に流れる電流の経路を示す回路図である。
【
図2C】
図2Cは、実施の形態1に係るスイッチ装置の消灯モードにおいて、スイッチがオフ状態である場合に流れる電流の経路を示す回路図である。
【
図2D】
図2Dは、実施の形態1に係るスイッチ装置の消灯モードにおいて、スイッチがオン状態である場合に流れる電流の経路を示す回路図である。
【
図3】
図3は、実施の形態2に係る電池式照明器具の前方側の外観斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態2に係る電池式照明器具の後方側の外観斜視図である。
【
図5】
図5は、実施の形態2に係る電池式照明器具の断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態2に係る電池式照明器具が備えるスイッチ装置の回路図である。
【
図7】
図7は、実施の形態3に係る電動自転車の側面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態3に係る電動自転車が備えるスイッチ装置の回路図である。
【
図9】
図9は、実施の形態3の変形例に係る電動自転車が備えるスイッチ装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置、電池式照明器具及び電動自転車について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0013】
(実施の形態1)
[構成]
まず、実施の形態1に係るスイッチ装置の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係るスイッチ装置1の回路図である。
【0014】
本実施の形態に係るスイッチ装置1は、スイッチ30の開閉状態を検出し、検出した開閉状態に応じて所定の制御を行う。スイッチ30の開閉状態には、スイッチ30が開いている開(オープン)状態と、スイッチ30が閉じている閉(クローズ)状態とが含まれる。
【0015】
開状態は、スイッチ30の両端間が非導通になる状態である。開状態は、オフ状態(すなわち、スイッチ30がオフされた状態)とも記載される。
【0016】
閉状態は、スイッチ30の両端間が導通している状態(すなわち、短絡状態)である。閉状態は、オン状態(すなわち、スイッチ30がオンされた状態)とも記載される。
【0017】
図1に示されるように、スイッチ装置1は、一対の配線路10と、電源回路20と、スイッチ30と、光源40と、MCU(Micro Controller Unit)50とを備える。
【0018】
一対の配線路10は、電源回路20から供給される電力を光源40に供給する。また、一対の配線路10は、スイッチ30の開閉状態を検出するために用いられる。つまり、一対の配線路10は、電力の供給線として機能し、かつ、スイッチ30の開閉状態の検出線として機能する。
図1に示されるように、一対の配線路10は、第1配線路11と、第2配線路12とを含む。
【0019】
第1配線路11は、第1端子11aと第2端子11bとを電気的に接続している。第1配線路11は、例えば1本のリード線(導線)であり、第1端子11a及び第2端子11bはそれぞれ、リード線の一端と他端とである。第1配線路11(すなわち、第1端子11aと第2端子11bとの間)には、電気的な分岐が設けられていない。
【0020】
第2配線路12は、第3端子12aと第4端子12bとを電気的に接続している。第2配線路12は、第1配線路11と同様に、例えば1本のリード線であり、第3端子12a及び第4端子12bはそれぞれ、リード線の一端と他端とである。第2配線路12(すなわち、第3端子12aと第4端子12bとの間)には、電気的な分岐が設けられていない。本実施の形態では、第2配線路12は、接地(すなわち、グランドに接続)されている。
【0021】
なお、第1配線路11又は第2配線路12は、基板に設けられた導電性の配線パターンであってもよい。第1配線路11又は第2配線路12は、複数本のリード線であってもよく、あるいは、1本以上のリード線と配線パターンとの組み合わせで実現されてもよい。
【0022】
電源回路20は、第1端子11aと第3端子12aとの間に接続されている。電源回路20は、一対の配線路10を介して所定の直流電力を光源40に供給する。
【0023】
本実施の形態では、電源回路20は、動作モードとして、定電流を出力する定電流制御モードと、定電圧を出力する定電圧制御モードとを有する。定電流制御モードでは、電源回路20は、定電流を第1端子11aに供給する。定電圧制御モードでは、電源回路20は、定電圧を第1端子11aと第3端子12aとの間に供給する。
【0024】
例えば、電源回路20は、電源電圧Vccを利用して定電流又は定電圧を生成して出力する。電源電圧Vccは、一次電池若しくは二次電池などの電池、又は、外部電源から供給される電圧である。
図1に示されるように、電源回路20は、定電流源21と、定電圧源22とを含む。
【0025】
定電流源21は、定電流制御モードで動作し、定電流を出力する。具体的には、定電流源21は、電源電圧Vccを利用して定電流Iccを生成し、生成した定電流Iccを第1端子11aに出力する。例えば、定電流源21は、1つ以上のトランジスタを用いて構成されている。定電流源21は、例えばカレントミラー回路であるが、これに限らない。
【0026】
定電圧源22は、定電圧制御モードで動作し、定電圧を出力する。具体的には、定電圧源22は、電源電圧Vccを利用して定電圧を生成し、生成した定電圧を第1端子11a及び第3端子12a間に出力する。例えば、定電圧源22は、抵抗分圧回路を含む。具体的には、
図1に示されるように、定電圧源22は、互いに直列に接続された抵抗R1及びR2を含む。抵抗R1の一端は、電源電圧Vccを供給する電源に接続され、抵抗R1の他端は、第1端子11aに接続されている。抵抗R2の一端は、第1端子11a及び抵抗R1の他端に接続され、抵抗R2の他端は、グランドに接続されている。電源電圧Vccの電圧値をV
cc、抵抗R1の抵抗値をR
1、抵抗R2の抵抗値をR
2とした場合、第1端子11a及び第3端子12a間に供給される定電圧の電圧値は、V
cc×R
2/(R
1+R
2)で表される。
【0027】
本実施の形態では、定電圧源22が生成する定電圧の電圧値は、光源40が点灯している場合に第2端子11bと第4端子12bとの間に印加されている電圧の電圧値VF未満である。つまり、抵抗R1の抵抗値R1、及び、抵抗R2の抵抗値R2は、定電圧の電圧値<VFを満たすような値に設定されている。
【0028】
また、定電圧源22の出力インピーダンスは、光源40が点灯している場合に第2端子11bと第4端子12bとの間に印加されている電圧の電圧値V
Fを、光源40が点灯している場合に光源40に流れる電流の電流値I
Fで割った値以上である。つまり、出力インピーダンスをZとした場合、Z≧V
F/I
Fを満たしている。なお、
図1に示されるスイッチ装置1では、定電圧源22の出力インピーダンスは、抵抗R1の抵抗値R
1である。すなわち、Z=R
1≧V
F/I
Fを満たしている。
【0029】
本実施の形態では、定電流源21の駆動(オン)及び停止(オフ)がMCU50によって制御される。定電流源21が動作している場合、電源回路20は、定電流制御モードで動作し、定電流Iccを第1端子11aに供給する。定電流源21が定電流Iccを出力している場合には、定電圧源22は動作しない。定電流源21が停止している場合、電源回路20は、定電圧制御モードで動作し、定電圧を第1端子11a及び第3端子12a間に供給する。すなわち、定電流源21が停止している場合、定電圧源22が動作している。このように、電源回路20の動作モードは、MCU50(具体的には、制御部52)によって切り替えられる。
【0030】
スイッチ30は、第2端子11bと第4端子12bとの間に接続され、第2端子11bと第4端子12bとの導通及び非導通を開閉により切り替える。具体的には、スイッチ30が開状態(オフ状態)である場合、第2端子11bと第4端子12bとが非導通である。スイッチ30が閉状態(オン状態)である場合、第2端子11bと第4端子12bとが導通している。
【0031】
スイッチ30は、例えば、外部から操作される操作スイッチである。例えば、スイッチ30は、光源40とは異なる他の装置の動作のオン及びオフを切り替えるために、ユーザによって操作される。他の装置は、例えば発光装置である。あるいは、スイッチ30は、光源40の点灯及び消灯を切り替えるスイッチであってもよい。
【0032】
本実施の形態では、スイッチ30のオン及びオフによって、第1配線路11の第1端子11aの電位が変化する。具体的には、スイッチ30がオンされた場合には、第2端子11bと第4端子12bとが短絡されるので、第1端子11aは、第1配線路11及び第2配線路12を介してグランドに接続される。したがって、第1端子11aの電位は0Vになる。一方で、スイッチ30がオフである場合には、第1端子11aの電位は、定電圧の電圧値又は定電流Iccに基づいた値になる。したがって、第1端子11aの電位を検出することにより、スイッチ30の開閉状態(オンオフ)を検出することができる。
【0033】
光源40は、スイッチ30に並列に接続されている。
図1に示される例では、光源40は、スイッチ30に直接的に並列に接続されている。なお、光源40は、スイッチ30に間接的に並列に接続されていてもよい。すなわち、光源40は、スイッチ30に他の回路素子を介して並列に接続されていてもよい。例えば、光源40又はスイッチ30には1つ以上の抵抗素子が直列に接続されていてもよい。この場合において、光源40と1つ以上の抵抗素子との直列回路がスイッチ30に並列に接続されていてもよい。あるいは、光源40は、スイッチ30と1つ以上の抵抗素子との直列回路に並列に接続されていてもよい。
【0034】
光源40は、例えば1つ以上のLED素子を含む。LED素子は、例えば白色光を発する白色LED素子であるが、青色光を発する青色LED素子又は赤色光を発する赤色LED素子などであってもよい。また、光源40は、半導体レーザ素子又は有機EL(ElectroLuminescence)素子などのLED素子以外の固体発光素子を含んでもよい。光源40は、例えば照明又は表示などの目的に用いられる。
【0035】
MCU50は、スイッチ装置1の動作を制御する。MCU50は、具体的には、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを含んでいる。
【0036】
図1に示されるように、MCU50は、ON/OFF端子と、VDET端子と、GND端子とを有する。ON/OFF端子は、電源回路20の定電流源21のオン及びオフを切り替える信号を出力するための端子である。VDET端子は、第1配線路11の第1端子11aに接続されており、第1端子11aの電位の変動を入力信号として取得する。GND端子は、グランドに接続されている。
【0037】
また、
図1に示されるように、MCU50は、判定部51と、制御部52とを含んでいる。なお、判定部51及び制御部52が実行する機能は、例えばプロセッサがプログラムを実行することでソフトウェア的に実現されるが、専用のハードウェアで実現されてもよい。
【0038】
判定部51は、スイッチ30の開閉状態を判定する。具体的には、判定部51は、第1配線路11と第2配線路12との間に印加される電圧を検出することで、スイッチ30の開閉状態を判定する。第1配線路11と第2配線路12との間に印加される電圧は、抵抗R2の両端間に生じる電圧であり、第1端子11aの電位に相当する。判定部51は、VDET端子に入力される信号に基づいて第1端子11aの電位の変動を取得し、取得した電位の変動に基づいてスイッチ30の開閉状態を判定する。詳細な動作については、後で説明する。
【0039】
制御部52は、電源回路20を制御する。具体的には、制御部52は、電源回路20の動作モードを制御する。より具体的には、制御部52は、光源40が点灯している場合に電源回路20を定電流制御モードで動作させる。また、制御部52は、光源40が消灯している場合に電源回路20を定電圧制御モードで動作させる。
【0040】
本実施の形態では、制御部52は、定電流源21のオン及びオフを切り替える信号を生成し、ON/OFF端子から出力する。例えば、電源回路20を定電流制御モードで動作させる場合は、制御部52は、定電流源21をオンさせる信号を生成して出力する。また、電源回路20を定電圧制御モードで動作させる場合は、制御部52は、定電流源21をオフさせる信号を生成して出力する。
【0041】
また、制御部52は、判定部51による判定結果に基づいて、電源回路20の動作モードを制御する。具体的には、制御部52は、判定部51によってスイッチ30が閉じられた(オンされた)と判定された場合に、電源回路20を定電圧制御モードで動作させる。
【0042】
[動作]
続いて、本実施の形態に係るスイッチ装置1の動作について、
図2A~
図2Dを用いて説明する。
【0043】
図2A~
図2Dはそれぞれ、本実施の形態に係るスイッチ装置1において、電源回路20の動作モードと、スイッチ30の開閉状態との組み合わせ毎の電流の経路を示す回路図である。
【0044】
スイッチ装置1では、スイッチ30の操作は、光源40が点灯状態であるか消灯状態であるかに依存せずに、例えばユーザによって自由に行われる。このため、スイッチ装置1が取りうる動作状態は、スイッチ30のオン及びオフの各々と、光源40の点灯及び消灯の各々とを組み合わせた4つのモードが存在する。
【0045】
<第1モード(光源:点灯、スイッチ:オフ)>
図2Aは、点灯モードにおいてスイッチ30がオフ状態である場合(第1モード)の電流の経路を示している。
図2Aでは、太線の矢印で電流の経路を示している。これは、後述する
図2Bも同様である。
【0046】
図2Aに示されるように、光源40を点灯させる点灯モードでは、MCU50が定電流源21をオンさせることにより、定電流Iccを発生させて光源40に流すことで、光源40を点灯させる。定電流Iccは、スイッチ30がオフ状態であるので、第1端子11a、第1配線路11、第2端子11b、光源40、第4端子12b、第2配線路12、第3端子12aの順に流れてグランドに至る。
【0047】
光源40が例えば順方向電圧V
fの1つのLED素子である場合、第1配線路11と第2配線路12との間の電圧、すなわち、第1端子11aの電位V
dは、順方向電圧V
fと同等になる。一例として、定電流Iccの大きさが5mAであり、順方向電圧V
fの電圧値が1.5V以上2.0V以下とすることができる。
図2Aに示される例では光源40が1つのLED素子であるので、光源40が点灯している場合に第2端子11bと第4端子12bとの間に印加されている電圧の電圧値V
Fは、順方向電圧V
fになる。光源40が直列接続されたN個のLED素子(Nは2以上の自然数)である場合、電圧値V
Fは、N×V
fになる。
【0048】
<第2モード(光源:点灯、スイッチ:オン)>
図2Bは、点灯モードにおいてスイッチ30がオン状態である場合(第2モード)の電流の経路を示している。
【0049】
図2Bに示されるように、点灯モードにおいてスイッチ30がオンされた場合、第2端子11bと第4端子12bとが短絡されるので、第1配線路11及び第1端子11aはグランドに接続される。したがって、第1端子11aの電位V
dは0Vになる。
【0050】
定電流Iccは、光源40を流れずにスイッチ30を流れるので、光源40は消灯される。つまり、本実施の形態では、スイッチ30のオン操作によって光源40を消灯させることができる。なお、スイッチ30のオフ操作は、光源40の点灯及び消灯には直接的には関与しない。つまり、スイッチ30をオフしたとしても、光源40は直ちに点灯する訳ではない。
【0051】
このように、点灯モードにおいてスイッチ30がオンされることにより、スイッチ装置1の動作モードは、消灯モードに移行する。例えば、スイッチ装置1の動作モードは、
図2Dに示される第4モードに移行する。詳細については後述するが、スイッチ30がオンされて光源40が消灯した場合に速やかに第4モードに移行することにより、スイッチ装置1の消費電力を削減することができる。
【0052】
<第3モード(光源:消灯、スイッチ:オフ)>
図2Cは、消灯モードにおいてスイッチ30がオフ状態である場合(第3モード)の電流の経路を示している。
図2Cでは、細線の矢印で電流の経路を示している。これは、後述する
図2Dも同様であり、第1モード及び第2モードの場合に流れる電流量よりも、第3モード及び第4モードの場合に流れる電流量が少ないことを意味している。
【0053】
図2Cに示されるように、光源40が消灯している消灯モードでは、MCU50が定電流源21をオフさせることにより、定電圧源22を動作させる。具体的には、電源電圧Vccを抵抗分圧することで生成された定電圧が第1端子11a及び第3端子12a間に印加される。
【0054】
このときの定電圧の電圧値は、光源40が点灯している場合に第2端子11bと第4端子12bとの間に印加されている電圧の電圧値VF未満である。具体的には、定電圧の電圧値は、光源40の順方向電圧Vf未満である。例えば、定電圧の電圧値、すなわち、第1端子11aの電位Vdは、1Vである。第1端子11aの電位Vdが順方向電圧Vf未満であるので、光源40に電流が流れない。したがって、光源40は消灯されたままである。
【0055】
電源電圧Vccから流れる電流は、抵抗R1及びR2を通ってグランドに流れる。このため、抵抗R1及びR2の抵抗値を大きな値にすることで、流れる電流の電流値を小さくすることができる。これにより、光源40の消灯時における電力消費を抑制することができる。
【0056】
<第4モード(光源:消灯、スイッチ:オン)>
図2Dは、消灯モードにおいてスイッチ30がオン状態である場合(第4モード)の電流の経路を示している。
【0057】
図2Dに示されるように、光源40が消灯している消灯モードにおいてスイッチ30がオンされた場合、第2端子11bと第4端子12bとが短絡されるので、第1配線路11及び第1端子11aはグランドに接続される。したがって、第1端子11aの電位V
dは0Vになる。
【0058】
電源電圧Vccから流れる電流は、抵抗R1、第1配線路11、スイッチ30及び第2配線路12を通ってグランドに流れる。このため、抵抗R1の抵抗値を大きな値にすることで、流れる電流の電流値を小さくすることができる。なお、スイッチに流れる電流の最小値は、スイッチ接点の接触不良を防止するために設定される。例えば、一般的な小型のタクトスイッチを使用する場合、抵抗R1の抵抗値は、スイッチ30がオンされた場合に流れる電流が10μA以上1mA以下になるように設定されている。これにより、光源40の消灯時における電力消費を抑制することができる。
【0059】
[スイッチの開閉状態の検出]
続いて、スイッチ装置1によるスイッチ30の開閉状態の検出について説明する。
【0060】
上述したように、本実施の形態では、MCU50の判定部51が第1端子11aの電位V
dに基づいて、スイッチ30の開閉状態を検出する。例えば、スイッチ30がオン状態である場合、
図2B及び
図2Dに示されるように、第1端子11aの電位V
dは0Vになる。スイッチ30がオフ状態である場合、
図2A及び
図2Cに示されるように、第1端子11aの電位V
dは、光源40の順方向電圧V
f、又は、V
f未満で0Vより大きい値になる。
【0061】
このように、光源40が点灯及び消灯のいずれの状態であっても、スイッチ30のオン及びオフの操作によって電位Vdが変化する。したがって、判定部51は、第1端子11aの電位Vdに基づいて、スイッチ30の開閉状態(オンオフ)を検知することができる。
【0062】
なお、光源40が点灯している間にスイッチ30がオンされた場合、
図2Bに示される第2モードになるが、制御部52は、電源回路20の動作モードを
図2Dに示される第4モードに速やかに移行させる。具体的には、制御部52は、電源回路20の動作モードを定電流制御モードから定電圧制御モードに移行することにより、スイッチ装置1内を流れる電流量を低減し、消費電力を低減することができる。
【0063】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係るスイッチ装置1は、第1端子11aと第2端子11bとを電気的に接続する第1配線路11と、第3端子12aと第4端子12bとを電気的に接続する第2配線路12と、第1端子11aと第3端子12aとの間に接続された電源回路20と、第2端子11bと第4端子12bとの間に接続され、第2端子11bと第4端子12bとの導通及び非導通を開閉により切り替えるスイッチ30と、スイッチ30に並列に接続された光源40と、スイッチ30の開閉状態を判定する判定部51と、電源回路20を制御する制御部52とを備える。電源回路20は、定電流を出力する定電流制御モードと、定電圧を出力する定電圧制御モードとを有する。制御部52は、光源40が点灯している場合に電源回路20を定電流制御モードで動作させ、光源40が消灯している場合に電源回路20を定電圧制御モードで動作させる。
【0064】
これにより、光源40が消灯している場合には電源回路20を定電圧制御モードで動作させることができるので、スイッチ装置1内を流れる電流の電流値を小さくすることができ、消費電力を低減することができる。
【0065】
また、例えば、判定部51は、第1配線路11と第2配線路12との間に印加される電圧を検出することで、スイッチ30の開閉状態を判定する。
【0066】
これにより、スイッチ30の開閉状態を検出する専用の構成を設けなくても、第1配線路11と第2配線路12との電圧を検出すればよく、簡単な構成でスイッチ30の開閉状態を検出することができる。
【0067】
また、例えば、定電圧の電圧値は、光源40が点灯している場合に第2端子11bと第4端子12bとの間に印加されている電圧の電圧値未満である。
【0068】
これにより、定電圧制御モードで電源回路20を動作させている間に、光源40に電流が流れないようにすることができるので、光源40を消灯させたままにすることができる。
【0069】
また、例えば、制御部52は、判定部51によってスイッチ30が閉じられたと判定された場合に、電源回路20を定電圧制御モードで動作させる。
【0070】
これにより、定電流制御モード(第2モード)から定電圧制御モード(第4モード)に移行させることで、スイッチ装置1内を流れる電流量を低減することができ、消費電力を低減することができる。
【0071】
また、例えば、電源回路20は、定電流を出力する定電流源21と、定電圧を出力する定電圧源22とを含む。定電圧源22の出力インピーダンスは、光源40が点灯している場合に第2端子11bと第4端子12bとの間に印加されている電圧の電圧値を、光源40が点灯している場合に光源40に流れる電流の電流値で割った値以上である。
【0072】
これにより、定電圧モードで動作させた場合に、光源40に電圧値VF以上の電圧が印加されないようにすることができる。したがって、光源40を消灯させたままにすることができる。
【0073】
また、例えば、定電圧源22は、抵抗分圧回路を含む。
【0074】
これにより、簡単な構成で定電圧源22を構成することができる。
【0075】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。
【0076】
実施の形態2では、実施の形態1に係るスイッチ装置1と同様のスイッチ装置を備える電池式照明器具について説明する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0077】
[構成]
図3~
図5はそれぞれ、本実施の形態に係る電池式照明器具100の前方側の外観斜視図、後方側の外観斜視図、及び、断面図である。なお、前方側とは照明光の出射側を意味し、後方側とはその反対側を意味する。また、
図4は、本体筐体102の上部カバー102aを外した状態の電池式照明器具100を図示している。
【0078】
図3~
図5に示されるように、電池式照明器具100は、さらに、本体筐体102と、透光カバー103と、スイッチカバー104と、電池保持部105と、反射部材106と、保持部材107と、発光部108とを備える。本実施の形態に係る電池式照明器具100は、
図6に示されるスイッチ装置101を備える。
図6は、本実施の形態に係る電池式照明器具100が備えるスイッチ装置101の回路図である。
【0079】
スイッチ装置101は、発光部108の点灯及び消灯を切り替えるための操作スイッチ(スイッチ30)を含む装置である。本実施の形態に係るスイッチ装置101は、
図6に示されるように、一対の配線路10、光源基板120及びスイッチ基板130を備える。一対の配線路10は、光源基板120とスイッチ基板130とを電気的に接続している。スイッチ装置101の具体的な構成については、
図6を用いて後で説明する。
【0080】
本体筐体102は、電池式照明器具100の外郭筐体の主たる部分である。本体筐体102と、透光カバー103と、スイッチカバー104とによって電池式照明器具100の外郭筐体が構成されている。本体筐体102は、スイッチ装置101及び発光部108などの電気的な構成要素を収容する。本体筐体102は、例えば、絶縁性の樹脂材料などを用いて形成されている。
【0081】
図3に示されるように、本体筐体102は、上部カバー102aと、下部カバー102bとを有する。上部カバー102aは、下部カバー102bに対して着脱自在に取り付けられている。
図4に示されるように、上部カバー102aを取り外すことにより、電池保持部105が露出し、電池190を電池保持部105に保持させることができる。
図4に示される例では、2本の乾電池が直列に接続されて、電池保持部105に保持されている。
【0082】
透光カバー103は、発光部108から出射された照明光を透光させる透光性の部材である。透光カバー103は、例えばアクリルなどの透明樹脂材料又はガラスなどを用いて形成されている。透光カバー103には、照明光を散乱させる光散乱粒子が内部に分散されていてもよく、あるいは、表面に微小凹凸などの光散乱構造が形成されていてもよい。透光カバー103は、例えば、上部カバー102aと下部カバー102bとに挟まれて、反射部材106に係止されることで固定されている。
【0083】
スイッチカバー104は、本体筐体102の後端部に設けられている。スイッチカバー104は、
図5に示されるように、スイッチ30と接触し、又は、接触可能な位置に位置している。本体筐体102の後端側から前方に向けて押下された場合に、スイッチカバー104の押下部分が変形又は変位することにより、スイッチ30をオンすることができる。なお、スイッチ30は、ユーザがスイッチカバー104を押下している場合にのみオンされる。ユーザがスイッチカバー104から指を離してスイッチカバー104を押下するのを止めた場合、スイッチカバー104は元に戻り、スイッチ30がオフされる。
【0084】
スイッチカバー104は、例えば、可撓性及び透光性を有する樹脂材料を用いて形成されている。
図5には示されていないが、スイッチカバー104は、光源40(
図6を参照)からの光を透過させる。スイッチカバー104には、照明光を散乱させる光散乱粒子が内部に分散されていてもよく、あるいは、表面に微小凹凸などの光散乱構造が形成されていてもよい。スイッチカバー104は、例えば、上部カバー102aと下部カバー102bとに挟まれて、保持部材107に係止されることで固定されている。
【0085】
電池保持部105は、電池190を着脱可能に保持し、保持した電池190からの電力を受ける受電部の一例である。電池保持部105は、絶縁性の樹脂材料などを用いて形成された収容部と、導電性の金属材料などを用いて形成された導電部とを有する。導電部は、例えば、光源基板120の基板121に電気的に接続されている。
【0086】
反射部材106は、発光部108が出射する照明光を透光カバー103に向けて反射する。本実施の形態では、発光部108は、前後方向に直交する方向(具体的には上下方向)に光軸が一致するように設けられている。反射部材106は、発光部108から下向きに出射された照明光を前方に向けて反射する。反射部材106は、例えば、アルミニウムなどの金属材料を用いて形成されていてもよく、あるいは、樹脂材料を用いて形成された樹脂成形品の表面にアルミニウムなどの金属反射膜が形成された部材であってもよい。反射部材106は、白色の樹脂材料であってもよい。反射部材106は、例えば電池保持部105の収容部に係止されて固定されている。
【0087】
保持部材107は、スイッチ30が設けられた基板131を保持する部材である。保持部材107は、例えば、絶縁性の樹脂材料を用いて形成されている。保持部材107は、電池保持部105の収容部に係止されて固定されている。
【0088】
発光部108は、照明光を出射する。発光部108は、電池式照明器具100の光源であり、スイッチ30によって点灯及び消灯が制御される。発光部108は、例えば、白色光を照明光として出射するLED素子を含む。なお、発光部108は、半導体レーザ素子又は有機EL素子などの固体発光素子を含んでもよい。あるいは、発光部108は、白熱電球又は放電ランプなどであってもよい。本実施の形態では、発光部108と光源40とは異なっている。言い換えれば、電池式照明器具100は、2つの光源を備えている。
【0089】
なお、電池式照明器具100を構成する各部品の形状、大きさ及び固定方法などは、上述した例に限定されない。電池式照明器具100は、細長い棒状の照明器具(例えば、ペンライト)であってもよく、あるいは、中央部分から前方端にかけて径大きくなる円筒状の照明器具(例えば、一般的な懐中電灯)であってもよい。
【0090】
また、例えば、電池式照明器具100は、スイッチ装置101と、受電部の一例である電池保持部105と、発光部108とを備えていればよく、他の構成要素を備えていなくてもよい。例えば、電池式照明器具100は、本体筐体102、透光カバー103、スイッチカバー104、反射部材106及び保持部材107の少なくとも1つを備えなくてもよい。
【0091】
[回路構成]
続いて、電池式照明器具100が備えるスイッチ装置101の回路構成について、
図6を用いて説明する。
【0092】
図6に示されるように、スイッチ装置101は、電池190に電気的に接続されている。スイッチ装置101は、電池190から供給される直流電力を用いて、スイッチ30の開閉状態の検出、光源40の点灯及び発光部108の点灯を行う。電池190は、例えば直列接続された複数の一次電池であるが、これに限定されない。電池190は、二次電池であってもよい。
【0093】
スイッチ装置101は、一対の配線路10と、光源基板120と、スイッチ基板130とを備える。一対の配線路10は、実施の形態1に係る一対の配線路10と同じである。スイッチ基板130は、スイッチ30及び光源40を備える。スイッチ30及び光源40は、実施の形態1に係るスイッチ30及び光源40と同じである。
【0094】
光源基板120は、
図5に示される基板121を備える。基板121は、回路素子を実装するための基板である。基板121は、例えばプリント配線基板であり、金属などの導電性の配線パターンが設けられている。基板121は、例えば電池保持部105に固定されている。
【0095】
基板121に実装された複数の回路素子は、当該配線パターンによって電気的に接続され、スイッチ装置101の電気回路の一部を構成する。具体的には、
図6に示されるように、光源基板120は、定電流源21と、定電圧源22と、MCU150と、制御電源回路160と、点灯部170と、残量検知部180とを備える。
【0096】
定電流源21は、2つのトランジスタQ1及びQ2と、2つの抵抗R3及びR4とを備える。2つのトランジスタQ1及びQ2はそれぞれ、pnp型のバイポーラトランジスタである。トランジスタQ1のベースとトランジスタQ2のエミッタとが互いに接続され、抵抗R4を介して電池190に接続されている。トランジスタQ2のベースとトランジスタQ1のコレクタとが互いに接続され、抵抗R3を介してMCU150のSIGN端子に接続されている。トランジスタQ1のエミッタは、電池190に接続されている。トランジスタQ2のコレクタは、定電流源21の出力端子であり、第1配線路11に接続されている。定電流源21は、MCU150のSIGN端子から供給される制御信号に基づいて、オン及びオフが制御される。
【0097】
定電流源21は、抵抗R4による電圧降下がトランジスタQ1のベース-エミッタ間電圧になるようにトランジスタQ2で制御する回路である。MCU150のSIGN端子から供給される制御信号の信号レベルがローレベルである場合に、トランジスタQ2がオンすることで、定電流が流れる。MCU150のSIGN端子から供給される制御信号の信号レベルがハイレベルである場合に、トランジスタQ2がオフされ、定電流が流れない。
【0098】
なお、2つのトランジスタQ1及びQ2は、npn型のバイポーラトランジスタであってもよく、あるいは、電界効果トランジスタ(FET)であってもよい。抵抗R3及びR4の値を調整することにより、定電流源21は、所望の電流値の定電流を第1配線路11に流すことができる。なお、
図6に示される定電流源21の回路構成は一例に過ぎず、定電流を生成して流すことができれば、これに限らない。
【0099】
定電圧源22は、
図6に示されるように、抵抗R1と抵抗R2との抵抗分圧回路を含んでいる。定電圧源22は、実施の形態1に係る定電圧源22と同じである。
【0100】
MCU150は、スイッチ装置101の動作を制御するマイコンである。MCU150は、実施の形態1に係るMCU50に相当する。
図6には示されていないが、MCU150は、判定部51と、制御部52とを含んでいる。MCU150の具体的な動作については、後で説明する。
【0101】
MCU150は、SIGN端子と、VSW端子と、LIGHT端子と、VBAT端子とを有する。また、MCU150は、制御電源回路160と接続される端子(図中の上側の端子)、及び、電池190の負極(グランド)に接続された端子(図中の下側の端子、グランド端子)を有する。
【0102】
SIGN端子は、実施の形態1に係るON/OFF端子に相当する。具体的には、SIGN端子は、定電流源21のオン及びオフを制御する制御信号を出力する。
【0103】
VSW端子は、実施の形態1に係るVDET端子に相当する。具体的には、VSW端子は、定電流源21の出力端子(トランジスタQ2のコレクタ)、定電圧源22の2つの抵抗R1及びR2の接続部分、及び、第1配線路11の第1端子11aに接続されている。VSW端子には、第1端子11aの電位Vdの変動を表す信号が入力される。MCU150は、VSW端子に入力された信号に基づいてスイッチ30の開閉状態の判定を行う。具体的な開閉状態の判定処理は、実施の形態1と同じである。
【0104】
LIGHT端子は、点灯部170に接続されている。LIGHT端子は、発光部108の点灯及び消灯を制御する点灯制御信号を出力する端子である。
【0105】
VBAT端子は、残量検知部180に接続されている。VBAT端子には、電池190の残量に応じて変化する残量信号が入力される。
【0106】
制御電源回路160は、電池190から供給される電力に基づいて、MCU150の駆動用の電力を生成してMCU150に供給する。制御電源回路160は、例えば、集積回路を用いて形成されている。
【0107】
点灯部170は、発光部108と、発光部108を点灯させる点灯回路とを含んでいる。具体的には、
図6に示されるように、点灯部170は、発光部108と、抵抗R5と、トランジスタQ3とを含む。
【0108】
トランジスタQ3は、スイッチング素子の一例であり、例えばpnp型のバイポーラトランジスタである。トランジスタQ3のベースは、MCU150のLIGHT端子に抵抗R6を介して接続されている。トランジスタQ3のエミッタは、発光部108の一端(例えばLED素子のカソード)に接続されている。トランジスタQ3のコレクタは、グランド(電池190の負極側)に接続されている。抵抗R5と発光部108とは直列に接続されている。なお、トランジスタQ3は、npn型のバイポーラトランジスタであってもよく、あるいは、FETであってもよい。
【0109】
LIGHT端子から出力される点灯制御信号に基づいて、トランジスタQ3のオン及びオフが切り替えられることにより、発光部108に電流が流れ、発光部108が点灯して照明光を出射する。具体的には、トランジスタQ3がオンである場合に、発光部108が点灯して照明光を出射する。トランジスタQ3がオフである場合に、発光部108が消灯する。
【0110】
残量検知部180は、電池190の残量を検知する。具体的には、
図6に示されるように、残量検知部180は、抵抗R7と抵抗R8との抵抗分圧回路を含んでいる。抵抗R7及び抵抗R8は、互いに直列に接続されている。抵抗R7及び抵抗R8の直列回路が電池190に並列に接続されている。抵抗R7と抵抗R8との接続部分は、MCU150のVBAT端子に接続されている。
【0111】
電池190の残量が低下した場合、抵抗R7と抵抗R8との接続部分の電位、すなわち、VBAT端子の電位が低下する。MCU150は、VBAT端子の電位の低下を検出することにより、電池190の残量が閾値を下回ったか否かを判定することができる。
【0112】
[動作]
続いて、本実施の形態に係るスイッチ装置101の動作について説明する。具体的には、MCU150の動作について説明する。
【0113】
本実施の形態では、MCU150は、スイッチ30のオン及びオフの操作に基づいて発光部108の点灯及び消灯を制御する。具体的には、MCU150は、スイッチ30がオンされる度に、発光部108の状態を点灯と消灯とで切り替える。
【0114】
また、MCU150は、VBAT端子に入力された電池190の残量を示す信号に基づいて光源40の点灯及び消灯を制御する。具体的には、MCU150は、電池190の残量が閾値を下回った場合に、光源40を点灯させる。より具体的には、MCU150は、電池190の残量が閾値を下回った場合には、SIGN端子から制御信号を出力することで、定電流源21を動作させて定電流を生成して出力させる。定電流は、
図2Aに示される第1モードと同様に、第1配線路11、光源40及び第2配線路12を順に流れることにより、光源40が点灯する。
【0115】
電池190の残量が閾値以上である場合、MCU150は、光源40を消灯状態で維持する。具体的には、電池190の残量が閾値以上である場合、定電流源21を動作させずに、定電圧源22を動作させる。これにより、
図2Cに示される第3モードと同様に、光源40には電流が流れず、消灯したままになる。
【0116】
このように、本実施の形態では、光源40は、電池190の残量を示すインジケータとして機能する。具体的には、電池190の残量が少ない場合に光源40が点灯し、ユーザに電池190の残量が少ないことを知らせることができる。
【0117】
なお、スイッチ30がオンされた場合は、
図2B及び
図2Dに示される第2モード及び第4モードのように、光源40は消灯する。本実施の形態では、光源40から発せられた光は、スイッチカバー104を介して出射されるので、スイッチ30がオンされている期間は、スイッチカバー104を押す指などによってスイッチカバー104が覆われた状態になる。このため、スイッチ30がオンされている期間に光源40をインジケータとして機能させる必要がないので、光源40を消灯させることで、消費電力を低減することができる。
【0118】
スイッチカバー104から指が離れ、スイッチ30がオフされた場合で、電池190の残量が少ないときには、MCU150は、再び定電流源21を動作させることにより、光源40を点灯させることができる。このように、スイッチ30がオンされている期間のみ光源40を消灯させることができるので、電池190の残量の通知機能を充分に発揮させながら、消費電力を低減することができる。
【0119】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る電池式照明器具100は、スイッチ装置101と、電池190を着脱可能に保持し、保持した電池190からの電力を受ける受電部の一例である電池保持部105と、照明光を出射する発光部108とを備える。電源回路20は、電池保持部105が受けた電力に基づいて定電流又は定電圧を生成して出力する。スイッチ30は、発光部108の点灯及び消灯を切り替える操作スイッチである。
【0120】
これにより、発光部108の点灯及び消灯をスイッチ30によって切り替えることができる。また、光源40が消灯している場合には電源回路20を定電圧制御モードで動作させることができるので、スイッチ装置101内を流れる電流の電流値を小さくすることができ、消費電力を低減することができる。
【0121】
また、例えば、電池式照明器具100は、さらに、電池保持部105に保持される電池の残量を検知する残量検知部180を備える。制御部52は、残量検知部180によって検知された残量に基づいて、光源40の点灯及び消灯を制御する。
【0122】
これにより、電池190の残量をユーザに知らせることができるので、ユーザに電池交換などの対処を行わせることができる。
【0123】
なお、本実施の形態において、スイッチカバー104が押下された後、スイッチカバー104を押下するのを止めたとしても、スイッチ30はオン状態を維持してもよい。2回目のスイッチカバー104が押下されたときに、スイッチ30はオフされてもよい。この場合、MCU150は、スイッチ30がオンされている期間において発光部108を点灯させ、スイッチ30がオフされている期間において発光部108を消灯してもよい。あるいは、MCU150は、スイッチ30がオフされている期間において発光部108を点灯させ、スイッチ30がオンされている期間において発光部108を消灯してもよい。
【0124】
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3について説明する。
【0125】
実施の形態3では、実施の形態1に係るスイッチ装置1と同様のスイッチ装置を備える電動自転車について説明する。以下では、実施の形態1及び2との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0126】
[構成]
図7は、本実施の形態に係る電動自転車200の側面図である。電動自転車200は、電動アシスト機能を有する電動自転車である。電動アシスト機能とは、電動自転車200に乗った人物によるペダルへの踏力に基づいて電動自転車200の前進を補助する機能である。
図7に示されるように、電動自転車200は、モータユニット202と、バッテリー290とを備える。
【0127】
モータユニット202は、バッテリー290から供給される電力に基づいて駆動する電動モータ(図示せず)を有する。電動モータは、電動自転車200に乗った人物によるペダルへの踏力に基づいてクランク軸を回転させるトルクを発生させる。モータユニット202は、例えば、電動自転車200の中央部に設けられており、クランク軸を含んでいる。
【0128】
バッテリー290は、モータユニット202の駆動用の電力を貯める蓄電池である。バッテリー290は、例えば二次電池であるが、キャパシタなどであってもよい。バッテリー290に貯められた電力は、前照灯270及び尾灯340の点灯などにも用いられる。バッテリー290は、例えば、電動自転車200のサドルを支持する立パイプに取り付けられている。
【0129】
図6に示されるように、電動自転車200は、さらに、スイッチ30と、前照灯270と、尾灯340とを備える。また、電動自転車200は、
図8に示されるスイッチ装置201を備える。スイッチ30は、スイッチ装置201に含まれている。スイッチ装置201の具体的な回路構成については、
図8を用いて後で説明する。
【0130】
本実施の形態では、スイッチ30は、電動自転車200の前照灯270の点灯及び消灯を切り替える操作スイッチである。例えば、スイッチ30がオフされている期間に、前照灯270が点灯する。スイッチ30がオンされている期間に、前照灯270が消灯する。スイッチ30は、例えば、ハンドルに取り付けられている。なお、スイッチ30の取り付け位置は、特に限定されない。例えば、スイッチ30は、電動自転車200のメインフレーム又は立パイプに取り付けられていてもよい。なお、スイッチ30は、例えば、ユーザが押し続けなくてもオン又はオフされた状態を維持することができる。
【0131】
前照灯270は、電動自転車200の前方を照明する発光部である。前照灯270は、例えば白色の照明光を前方の路面に向けて出射する。前照灯270は、スイッチ30に並列に接続された光源の一例でもある。前照灯270は、例えば、電動自転車200の前輪を支持するフォークに取り付けられている。なお、前照灯270の取り付け位置は、特に限定されない。例えば、前照灯270は、ハンドルに取り付けられていてもよい。
【0132】
尾灯340は、電動自転車200の後方に向けて光を発する発光部である。尾灯340は、電動自転車200の存在を他者に知らせる機能を有する。尾灯340は、例えば、電動自転車200の後輪の泥除けなどに取り付けられている。なお、尾灯340の取り付け位置は、特に限定されない。例えば、尾灯340は、縦パイプ又はサドルのシートポストに取り付けられていてもよい。
【0133】
[回路構成]
続いて、電動自転車200が備えるスイッチ装置201の回路構成について、
図8を用いて説明する。
【0134】
図8は、本実施の形態に係る電動自転車200が備えるスイッチ装置201の回路図である。
図8に示されるように、スイッチ装置201は、バッテリー290に電気的に接続されている。スイッチ装置201は、バッテリー290から供給される直流電力を用いて、スイッチ30の開閉状態の検出、光源240の点灯及び前照灯270の点灯を行う。
【0135】
スイッチ装置201は、電源基板220と、スイッチ基板230と、前照灯270とを備える。本実施の形態では、電源基板220と、スイッチ基板230と、前照灯270とは、電動自転車200の互いに異なる部位に取り付けられており、互いに離れている。例えば、電源基板220は、
図7に示されるモータユニット202に設けられている。また、スイッチ基板230は、電動自転車200のハンドルに設けられている。前照灯270は、電動自転車200のフォークに取り付けられている。
【0136】
本実施の形態に係るスイッチ装置201は、電動自転車200の異なる部位に取り付けられた電源基板220、スイッチ基板230及び前照灯270を接続するため、一対の配線路210と、一対の配線路215とを備える。
【0137】
一対の配線路210は、実施の形態1に係る一対の配線路10と同じである。一対の配線路210は、電源基板220と、スイッチ基板230とを電気的に接続している。具体的には、一対の配線路210は、第1端子11aと第2端子11bとを接続する第1配線路11と、第3端子12aと第4端子12bとを接続する第2配線路12とを含んでいる。第1端子11aと第3端子12aとは、電源基板220に接続されている。第2端子11bと第4端子12bとは、スイッチ基板230に接続されている。
【0138】
一対の配線路215は、スイッチ基板230と、前照灯270とを電気的に接続している。一対の配線路215は、一対の配線路210と同様の構成を有する。具体的には、一対の配線路215は、第5端子16aと第6端子16bとを接続する第3配線路16と、第7端子17aと第8端子17bとを接続する第4配線路17とを含んでいる。第5端子16aと第7端子17aとは、スイッチ基板230に接続されている。第6端子16bと第8端子17bとは、前照灯270に接続されている。第3配線路16及び第4配線路17はそれぞれ、第1配線路11及び第2配線路12と同様である。
【0139】
なお、例えば、前照灯270がハンドルに取り付けられている場合など、スイッチ基板230と前照灯270とが一体的に構成されていてもよい。この場合、スイッチ装置201は、一対の配線路215を備えなくてもよい。また、バッテリー290の負極側に接続された第2配線路12及び第4配線路17の少なくとも一方は、電動自転車200の金属製のフレームであってもよい。
【0140】
電源基板220は、
図8に示されるように、定電流源21と、定電圧源22と、MCU250と、制御電源回路260とを備える。定電流源21及び定電圧源22は、実施の形態2と同じである。
【0141】
MCU250は、スイッチ装置201の動作を制御するマイコンである。MCU250は、実施の形態1に係るMCU50に相当する。
図8には示されていないが、MCU250は、判定部51と、制御部52とを含んでいる。MCU250の具体的な動作については、後で説明する。
【0142】
MCU250は、LIGHT端子と、ADIN端子とを有する。LIGHT端子及びADIN端子はそれぞれ、実施の形態2に係るMCU150のSIGN端子及びVSW端子と同じである。
【0143】
制御電源回路260は、バッテリー290から供給される電力に基づいて、MCU250の駆動用の電力を生成してMCU250に供給する。制御電源回路260は、例えば、集積回路を用いて形成されている。
【0144】
スイッチ基板230は、
図8に示されるように、スイッチ30と、光源240とを備える。光源240は、スイッチ30に並列に接続された光源の一例であり、例えば、複数のLED11及びLED12と、複数の抵抗R11~R13とを含んでいる。
【0145】
複数のLED11及びLED12とは、互いに直列に接続されており、かつ、抵抗R11に直列に接続されている。LED11及びLED12に抵抗R11が直列に接続されていることで、LED11及びLED12に流れる電流量を抵抗R11によって調整することができる。
【0146】
抵抗R12及びR13はそれぞれ、LED11及びLED12の各々に対応しており、1つずつ並列に接続されている。例えば、抵抗R12及びR13は、対応するLEDに等しい値の抵抗値を有する。これにより、一部のみのLEDが発光するのを抑制することができるので、光源240を点灯させるために必要な電圧を大きくすることができる。このため、光源240が消灯している場合(
図2Cに示される場合に相当)において、定電圧源22の出力電圧の電圧値(具体的には、第1端子11aの電位V
d)を大きくしたとしても、光源240に電流が流れないようにすることができ、光源240を消灯状態で保つことができる。つまり、定電圧源22の出力電圧の電圧値を大きくすることができるので、スイッチ30のオンオフの判定のS/Nを高めることができる。
【0147】
前照灯270は、例えば、
図8に示されるように、複数のLED21~LED23と、複数の抵抗R21~R23とを含んでいる。複数のLED21~LED23は、互いに直列に接続されている。抵抗R21~R23はそれぞれ、LED21~LED23の各々に対応しており、1つずつ並列に接続されている。抵抗R21~R23は、対応するLEDに等しい値の抵抗値を有する。
【0148】
これにより、光源240の場合と同様に、前照灯270が消灯している場合(
図2Cに示される場合に相当)において、定電圧源22の出力電圧の電圧値(具体的には、第1端子11aの電位V
d)を大きくしたとしても、前照灯270に電流が流れないようにすることができ、前照灯270を消灯状態で保つことができる。つまり、定電圧源22の出力電圧の電圧値を大きくすることができるので、スイッチ30のオンオフの判定のS/Nを高めることができる。
【0149】
本実施の形態では、光源240と前照灯270とは、互いに並列に接続されている。すなわち、スイッチ30のオンオフによって光源240と前照灯270とは連動して点灯及び消灯が切り替わる。具体的には、前照灯270が点灯している場合には、光源240も点灯し、前照灯270が消灯している場合には、光源240も消灯する。すなわち、光源240は、電動自転車200に乗る人物に対して、前照灯270の点灯及び消灯を通知するインジケータとして機能する。
【0150】
[動作]
続いて、本実施の形態に係るスイッチ装置201の動作について説明する。具体的には、MCU250の動作について説明する。
【0151】
本実施の形態では、MCU250は、スイッチ30のオン及びオフの操作に基づいて前照灯270の点灯及び消灯を制御する。具体的には、MCU250は、スイッチ30がオフされている期間において前照灯270を点灯させ、スイッチ30がオンされている期間において前照灯270を消灯する。
【0152】
例えば、MCU250は、スイッチ30がオフされている場合には、LIGHT端子から制御信号を出力することで、定電流源21を動作させて定電流を生成して出力させる。定電流は、光源240と前照灯270との両方に流れることにより、光源240及び前照灯270が点灯する。
【0153】
スイッチ30がオンされている場合、MCU150は、光源240及び前照灯270を消灯状態で維持する。具体的には、MCU250は、定電流源21を動作させずに、定電圧源22を動作させる。これにより、
図2Cに示される第3モードと同様に、光源240及び前照灯270には電流が流れず、消灯したままになる。
【0154】
このように、本実施の形態では、光源240は、前照灯270の点灯及び消灯を示すインジケータとして機能する。なお、スイッチ装置201は、光源240を備えなくてもよい。
【0155】
[変形例]
続いて、本実施の形態の変形例について説明する。本実施の形態では、前照灯270がスイッチ30に並列に接続された光源の一例であり、かつ、スイッチ30のオンオフによって前照灯270の点灯及び消灯が制御される場合を説明した。これに対して、本変形例では、尾灯340がスイッチに並列に接続された光源の一例である場合を説明する。以下では、実施の形態との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0156】
図9は、本変形例に係るスイッチ装置301の回路図である。
図9に示されるように、スイッチ装置301は、電源基板220と、スイッチ330と、尾灯340とを備える。本変形例では、電源基板220と、スイッチ330と、尾灯340とは、電動自転車200の互いに異なる部位に取り付けられており、互いに離れている。例えば、電源基板220は、
図7に示されるモータユニット202に設けられている。また、スイッチ330は、電動自転車200の後輪の施錠装置(図示せず)に設けられている。尾灯340は、電動自転車200の後輪の泥除けに取り付けられている。
【0157】
本変形例に係るスイッチ装置301は、電動自転車200の異なる部位に取り付けられた電源基板220、スイッチ330及び尾灯340を接続するため、一対の配線路310と、一対の配線路315とを備える。
【0158】
一対の配線路310は、実施の形態1に係る一対の配線路10と同じである。一対の配線路310は、電源基板220と、スイッチ330とを電気的に接続している。具体的には、一対の配線路310は、第1端子11aと第2端子11bとを接続する第1配線路11と、第3端子12aと第4端子12bとを接続する第2配線路12とを含んでいる。第1端子11aと第3端子12aとは、電源基板220に接続されている。第2端子11bと第4端子12bとは、スイッチ330に接続されている。
【0159】
一対の配線路315は、スイッチ330と、尾灯340とを電気的に接続している。一対の配線路315は、一対の配線路310と同様の構成を有する。具体的には、一対の配線路315は、第5端子16aと第6端子16bとを接続する第3配線路16と、第7端子17aと第8端子17bとを接続する第4配線路17とを含んでいる。第5端子16aと第7端子17aとは、スイッチ330に接続されている。第6端子16bと第8端子17bとは、尾灯340に接続されている。
【0160】
なお、例えば、スイッチ330と尾灯340とが一体的に構成されていてもよい。この場合、スイッチ装置301は、一対の配線路315を備えなくてもよい。
【0161】
スイッチ330は、一対の配線路310と一対の配線路315との間に接続されている。スイッチ330は、実施の形態1~3に係るスイッチ30と同様である。
【0162】
本変形例では、スイッチ330は、電動自転車200の電動アシスト機能のオン及びオフを切り替える操作スイッチである。例えば、スイッチ30がオンされている期間に、電動アシスト機能がオンされる。スイッチ30がオフである期間には、電動アシスト機能がオフされる。あるいは、スイッチ30がオフされている期間に、電動アシスト機能がオンされ、スイッチ30がオンである期間には、電動アシスト機能がオフされてもよい。また、スイッチ330は、電動自転車200の解錠及び施錠機能を有してもよい。
【0163】
尾灯340は、ダイオードブリッジDBと、複数のLED31~LED33とを有する。ダイオードブリッジDBは、一対の配線路315間に接続されており、スイッチ330と並列に接続されている。ダイオードブリッジDBは、一対の配線路315間に流れる電流を全波整流し、複数のLED31~LED33に供給する。複数のLED31~LED33は、互いに直列に接続されている。
【0164】
[動作]
続いて、本実施の形態に係るスイッチ装置301の動作について説明する。具体的には、MCU250の動作について説明する。
【0165】
本実施の形態では、MCU250は、尾灯340を点灯させる場合には、定電流源21を動作させることにより、尾灯340に定電流を供給する。また、MCU250は、尾灯340を消灯させる場合には、定電圧源22を停止し、定電圧源22を動作させることにより、尾灯340に電流を供給しない。尾灯340の点灯及び消灯は、例えば、スイッチ330とは異なる別のスイッチ(図示せず)又は他の入力指示などに基づいて制御される。
【0166】
尾灯340が点灯している場合に、スイッチ330がオンされた場合、一対の配線路310が短絡されるので、定電流源21から供給される電流は、スイッチ330を介してグランドに流れる(
図2Bと同様)。つまり、尾灯340には電流が流れないので、尾灯340は消灯される。MCU250は、スイッチ330がオンされたことを検知することにより、定電流源21を停止し、定電圧源22を動作させることにより、大きな電流が流れることを抑制することができる。
【0167】
スイッチ330がオフされた場合、MCU250は、尾灯340を点灯させるために定電流源21を動作させてもよく、停止したままにしてもよい。つまり、スイッチ330がオンされた場合には、尾灯340は消灯されるが、尾灯340を点灯するか否かは、スイッチ330とは異なる別のスイッチなどに基づいて制御される。また、スイッチ330がオフされている場合であっても、尾灯340を消灯してもよい。
【0168】
[効果など]
以上のように、本実施の形態及び変形例に係る電動自転車200は、電動アシスト機能を有する電動自転車であって、スイッチ装置201又は301を備える。
【0169】
これにより、スイッチ装置201又は301を電動自転車200の各種機能のオン及びオフに利用することができる。例えば、スイッチ30は、電動自転車200の前照灯270の点灯及び消灯を切り替える操作スイッチである。また、例えば、光源40は、電動自転車200の前照灯270であってもよい。また、例えば、スイッチ330は、電動アシスト機能のオン及びオフを切り替える操作スイッチであってもよい。また、例えば、光源40は、電動自転車200の尾灯340であってもよい。
【0170】
これにより、スイッチ装置201又は301では、光源40(又は前照灯270若しくは尾灯340)が消灯している場合には、電源回路20を定電圧制御モードで動作させることができるので、スイッチ装置201又は301内を流れる電流の電流値を小さくすることができる。よって、電動自転車200の消費電力を低減することができる。
【0171】
(その他)
以上、本発明に係るスイッチ装置、電池式照明器具及び電動自転車について、上記の実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0172】
例えば、上記の実施の形態では、スイッチ装置の適用例として、電池式照明器具及び電動自転車について説明したが、これに限らない。スイッチ装置は、家電機器若しくは産業機械などの各種装置、又は、自動二輪車若しくは自動四輪車などの移動体などに適用することができる。
【0173】
また、例えば、判定部51は、第1配線路と第2配線路との間に印加される電圧を検出しなくてもよい。判定部51は、スイッチの開閉状態を示す情報を外部から取得することで、スイッチの開閉状態を判定してもよい。
【0174】
また、例えば、定電圧源22が抵抗分圧回路を含まなくてもよい。例えば、定電圧源22は、ツェナーダイオード又はトランジスタなどを含んでいてもよい。
【0175】
また、例えば、スイッチは、スイッチ装置が備える光源(例えば、実施の形態3における前照灯270)の点灯及び消灯を切り替える操作スイッチであってもよい。あるいは、スイッチ装置が備える光源とは異なる他の機能のオン及びオフを切り替える操作スイッチであってもよい。
【0176】
また、上記実施の形態において、判定部51及び制御部52などの構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0177】
また、判定部51及び制御部52などの構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0178】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0179】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0180】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0181】
1、101、201、301 スイッチ装置
11 第1配線路
11a 第1端子
11b 第2端子
12 第2配線路
12a 第3端子
12b 第4端子
20 電源回路
21 定電流源
22 定電圧源
30、330 スイッチ
40、240 光源
51 判定部
52 制御部
100 電池式照明器具
105 電池保持部(受電部)
108 発光部
180 残量検知部
190 電池
200 電動自転車
270 前照灯
290 バッテリー
340 尾灯