(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】表示装置および表示装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20230707BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20230707BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20230707BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20230707BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20230707BHJP
【FI】
G09G5/00 X
G09G5/00 510H
G09G5/00 510A
G09G5/00 550C
G09G5/37 320
B60K35/00 Z
G06F3/0488
G06F3/04817
(21)【出願番号】P 2020059009
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2022-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】大河平 隆
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-119931(JP,A)
【文献】特開2017-199101(JP,A)
【文献】特開2010-176030(JP,A)
【文献】特開2013-228972(JP,A)
【文献】特開2019-156148(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0278478(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0131416(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
B60K 35/00
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示およびタッチ検出それぞれを行う複数の電極を有するパネル部と、
前記画像表示に関する異常が検出されない場合には、第1モードで前記パネル部を制御し、前記異常が検出された場合には、第2モードで前記パネル部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1モードでは、車載システムから取得した第1画像データを前記パネル部に表示するとともに、前記パネル部から取得したタッチ検出信号に基づいてタッチ位置を算出し、前記タッチ位置を前記車載システムへ出力し、
前記第2モードでは、予め記憶された第2画像データを前記パネル部に表示するとともに、前記パネル部から取得したタッチ検出信号に基づいてタッチの有無を判定し、前記タッチがされた場合に、所定の処理の実行命令を前記車載システムへ出力
し、
前記車載システムから取得した前記第1画像データが異常である場合、または、前記車載システムとの間の通信が異常である場合、前記第2モードで前記パネル部を制御する、表示装置。
【請求項2】
前記第2画像データは、前記所定の処理を記号化したアイコン画像データを含み、
前記制御部は、
前記第2モードでは、前記アイコン画像データを前記パネル部における表示領域の一部に表示するとともに、前記複数の電極のうち、少なくとも前記一部の前記表示領域に対応する電極の前記タッチ検出信号に基づいて前記タッチの有無を判定する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第2モードでは、前記複数の電極のうち、前記一部の前記表示領域に対応する電極から前記タッチ検出信号を取得し、取得した前記タッチ検出信号に基づいて前記タッチの有無を判定する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2モードでは、前記複数の電極それぞれから前記タッチ検出信号を取得し、取得した前記タッチ検出信号のうち、前記一部の前記表示領域に対応する電極の前記タッチ検出信号を選択し、選択した前記タッチ検出信号に基づいて前記タッチの有無を判定する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の電極は、
前記画像表示および前記タッチ検出において共用される電極である、請求項1~4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数の電極は、
前記画像表示に用いられる第1電極と、前記タッチ検出に用いられる第2電極とがそれぞれ独立して配置される、請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
画像表示およびタッチ検出それぞれを行う複数の電極を有するパネル部を備える表示装置の制御方法であって、
前記画像表示に関する異常が検出されない場合には、第1モードで前記パネル部を制御し、前記異常が検出された場合には、第2モードで前記パネル部を制御し、
前記第1モードでは、車載システムから取得した第1画像データを前記パネル部に表示するとともに、前記パネル部から取得したタッチ検出信号に基づいてタッチ位置を算出し、前記タッチ位置を前記車載システムへ出力し、
前記第2モードでは、予め記憶された第2画像データを前記パネル部に表示するとともに、前記パネル部から取得したタッチ検出信号に基づいてタッチの有無を判定し、前記タッチがされた場合に、所定の処理の実行命令を前記車載システムへ出力
し、
前記車載システムから取得した前記第1画像データが異常である場合、または、前記車載システムとの間の通信が異常である場合、前記第2モードで前記パネル部を制御する、表示装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置および表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の表示装置と、それらの表示装置に画像情報を出力する映像出力装置と、車両信号生成装置とを含む車載システムが知られている。この種の車載システムでは、複数の表示装置のいずれかが故障した場合に、車両信号生成装置が正常な表示装置に対して表示装置の故障を通知し、例えば、運転に最低限必要な保安情報を正常な表示装置に表示させる技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、複数の表示装置を前提としており、例えば、表示装置が1つである場合には、保安情報を表示できないため乗員が困惑するおそれがあった。
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、画像表示に異常が発生した場合であっても、乗員に安心感を与えることができる表示装置および表示装置の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の表示装置は、パネル部と、制御部とを備える。前記パネル部は、画像表示およびタッチ検出それぞれを行う複数の電極を有する。前記制御部は、前記画像表示に関する異常が検出されない場合には、第1モードで前記パネル部を制御し、前記異常が検出された場合には、第2モードで前記パネル部を制御する。また、前記制御部は、前記第1モードでは、車載システムから取得した第1画像データを前記パネル部に表示するとともに、前記パネル部から取得したタッチ検出信号に基づいてタッチ位置を算出し、前記タッチ位置を前記車載システムへ出力し、前記第2モードでは、予め記憶された第2画像データを前記パネル部に表示するとともに、前記パネル部から取得したタッチ検出信号に基づいてタッチの有無を判定し、前記タッチがされた場合に、所定の処理の実行命令を前記車載システムへ出力し、前記車載システムから取得した前記第1画像データが異常である場合、または、前記車載システムとの間の通信が異常である場合、前記第2モードで前記パネル部を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る表示装置および表示装置の制御方法によれば、画像表示に異常が発生した場合であっても、乗員に安心感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る表示システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、通常モードにおける表示システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、特定モードにおける表示システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、パネル部における第2画像データの画面例を示す図である。
【
図6】
図6は、パネル部における第2画像データの画面例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る表示システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図11】
図11は、第3の実施形態に係る表示システムの構成例を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、第3の実施形態に係る特定モードにおける表示システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図13】
図13は、変形例に係る車載装置の構成例を示す図である。
【
図14】
図14は、変形例に係る表示システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本開示に係る表示装置および表示装置の制御方法の実施形態について説明する。
【0010】
また、以下では、第1の実施形態から第3の実施形態について順次説明する。なお、第1および第2の実施形態は、表示装置がインセル型の場合であり、第3の実施形態は、表示装置がアウトセル型の場合である。
【0011】
<第1の実施形態>
まず、
図1を用いて、第1の実施形態に係る表示装置1を含む表示システムSについて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る表示システムSの構成例を示すブロック図である。表示システムSは、自動車等の車両に搭載されたシステムであり、CAN(Controller Area Network)等のバスBを介して各種の周辺機器100に接続される。なお、表示装置1、ホスト10および周辺機器100は互いに無線で接続されてもよく、有線で接続されてもよい。無線で接続される場合、第5世代移動通信システム(5G)等で使用されるUWB(Ultra Wide Band)や、他の周波数帯による無線通信を行うことができる。
【0012】
周辺機器100は、カメラや、車速センサ等の車両の情報を検出するセンサや、車両の制御に関するECU(Electronic Control Unit)等を含む。周辺機器100は、表示システムSに対して各種情報を出力したり、表示システムSからの命令に従って各処理を実行する。
【0013】
なお、以下では、周辺機器100およびホスト10それぞれを車載システムと称したり、周辺機器100およびホスト10を一体化して車載システムと称したりする。つまり、表示装置1以外の他機器を車載システムと総称する場合がある。
【0014】
表示システムSは、表示装置1と、ホスト10とを備える。ホスト10は、例えば、制御装置11を備える。制御装置11は、たとえばCPUであり、ホストCPUとも呼ばれる。制御装置11は、画像データ(第1画像データ)と、制御データとを表示装置1へ出力し、表示装置1を制御する。
【0015】
第1画像データは、制御装置11によって生成される画像データや、周辺機器から入力される画像データである。第1画像データは、例えば、ナビゲーションに関する画像データや、テレビ等のエンタテイメント関連の画像データである。
【0016】
制御データは、表示装置1を制御するためのデータである。具体的には、制御データは、第1画像データの表示タイミングやタッチ検出のタイミング等の情報を含む。
【0017】
表示装置1は、制御部2と、記憶部3と、パネル部4とを備える。制御部2は、パネル制御部20と、第1駆動部21と、第2駆動部22と、データ検出部23とを備える。記憶部3は、画像情報31と、モード情報32とを記憶する。
【0018】
パネル部4は、たとえば、ナビゲーションに関する画面等が表示される車室内のセンターディスプレイなどとして利用される。また、パネル部4は、インセル型のIPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置であり、画像表示とともにタッチ検出が可能である。
【0019】
具体的には、パネル部4は、画像表示およびタッチ検出において共用される複数の電極41を有する。より具体的には、インセル型のタッチディスプレイであるパネル部4は、1つの単位フレーム期間を複数の表示期間と複数のタッチ検出期間とに時分割し、それぞれの期間を交互に配置する。また、1つの画面を複数のタッチ検出領域530a~530d(
図7参照)に分け、タッチ検出期間ごとに異なるタッチ検出領域でタッチを検出することで、単位フレーム期間で1画面分のタッチ検出を実行する。なお、各タッチ検出領域は、スキャンブロックとも呼ばれる。
【0020】
また、パネル部4は、例えば、電極41をキャパシタとして構成してかかるキャパシタの静電容量の変化によりタッチ検出を行う、いわゆる静電容量方式を採用可能である。また、静電容量方式のパネル部4は、自己容量方式として構成されてもよく、相互容量方式として構成されてもよい。
【0021】
ここで、表示装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびI/F等がバスにより相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0022】
CPUは、実施形態に係る表示装置1を制御する演算装置であり、制御部2の機能(パネル制御部20~データ検出部23)を実行する。なお、制御部2の各機能(パネル制御部20~データ検出部23)の詳細については後述する。
【0023】
ROMは、記憶部3に対応し、CPUによる処理を実現するプログラム等を記憶する。RAMは、記憶部3に対応し、CPUによる処理に必要なデータを記憶する。I/Fは、データを送受信するためのインターフェースである。
【0024】
実施形態に係る表示装置1で実行される各種処理を実行するためのプログラムは、ROM等に予め組み込んで提供される。なお、実施形態に係る表示装置1で実行されるプログラムは、表示装置1にインストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでコンピュータで読み取り可能な記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ)に記憶されて提供するように構成してもよい。
【0025】
図1に示すように、記憶部3には、画像情報31およびモード情報32が記憶される。画像情報31は、予め記憶部3に記憶された画像データ(第2画像データ)であり、具体的には、OSD(On-Screen Display)データである。なお、画像情報31には、アイコン画像データ31a(
図6参照)や、アイコン画像データ31aに関連するテキストデータ31b等が含まれるが、かかる点の詳細については後述する。
【0026】
モード情報32は、制御部2の動作モードに関するプログラムが含まれる情報である。
図2は、モード情報32の一例を示す図である。なお、
図2では、モード情報32を模式的に示している。
【0027】
図2に示すように、モード情報32には、通常モードM1(第1モード)および特定モードM2(第2モード)の2つの動作モードが存在する。制御部2は、制御装置11から取得する第1画像データの表示に関する異常の有無に基づいて、いずれかの動作モードを選択する。なお、第1画像データの表示に関する異常とは、例えば、制御装置11から出力された第1画像データを示す信号の異常や、ホスト10および表示装置1の間の通信異常、パネル部4の表示異常等がある。
【0028】
第1画像データの表示に関する異常の検出処理は、制御部2が行ってもよく、他の外部装置によって行われてもよい。また、パネル部4の表示異常は、パネル部4の表示領域の部分的な異常であってもよく、領域全体の異常であってもよい。パネル部4の表示異常は、例えば、電極41に接続される信号線の不良や、パネル制御部20の回路不良等により検出可能である。
【0029】
第1の実施形態では、第1画像データの表示に関する異常が、制御装置11から出力された第1画像データを示す信号の異常や、パネル部4の表示異常である場合の動作について説明し、第2の実施形態では、ホスト10および表示装置1の間の通信異常(遮断)である場合の動作について説明する。つまり、第1の実施形態では、ホスト10および表示装置1の間の通信は正常であることとする。
【0030】
制御部2は、第1画像データの表示に関する異常が検出されない場合には、動作モードとして通常モードM1を選択し、通常モードM1でパネル部4を制御する。また、制御部2は、第1画像データの表示に関する異常が検出された場合には、動作モードとして特定モードM2を選択し、特定モードM2でパネル部4を制御する。なお、通常モードM1における動作シーケンスや、特定モードM2における動作シーケンスについては、
図3および
図4で後述する。
【0031】
制御部2の各機能(パネル制御部20~データ検出部23)について説明する。
【0032】
パネル制御部20は、制御装置11から取得する各種データに従って、パネル部4における画像表示やタッチ検出を制御する。具体的には、パネル制御部20は、第1駆動部21および第2駆動部22それぞれの駆動タイミングや、データ検出部23によるデータ検出タイミング(タッチ検出タイミング)等を制御する。
【0033】
また、詳細は後述するが、パネル制御部20は、動作モードが通常モードM1である場合には、制御装置11から第1画像データを取得して、パネル部4に表示する。また、パネル制御部20は、動作モードが特定モードM2である場合には、自己の記憶部3に記憶された画像情報の第2画像データを読み出し、パネル部4に表示する。
【0034】
そして、パネル制御部20は、パネル部4の表示領域のうち、第2画像データの表示位置の情報を記憶部3に記憶する。なお、パネル制御部20は、第2画像データの表示位置の情報をデータ検出部23へ通知するようにしてもよい。
【0035】
第1駆動部21は、まず、パネル制御部20の制御に従って基準クロック信号を生成する。つづいて、パネル制御部20から画像データ(第1画像データまたは第2画像データ)を取得するとともに、第1画像データを映像信号に変換する。この映像信号は、基準クロック信号に同期させる。そして、第1駆動部21は、パネル制御部20から通知された駆動タイミング(表示期間)で映像信号をパネル部4の電極41へ出力することで、表示期間においてパネル部4の電極41を画像データの表示のために駆動する。
【0036】
また、第1駆動部21は、生成した基準クロック信号を第2駆動部22へ出力する。
【0037】
第2駆動部22は、パネル制御部20の制御に従って、予め定められた固定電圧である基準電圧に基づいてタッチ駆動信号TXを生成する。このタッチ駆動信号TXは、基準クロック信号に同期させる。なお、タッチ駆動信号TXは、矩形波であってもよく、正弦波であってもよい。
【0038】
そして、第2駆動部22は、タッチ検出期間にはタッチ駆動信号TXをパネル部4の電極41へ出力し、表示期間には基準電圧の信号をパネル部4の電極41へ出力することで、タッチ検出期間においてパネル部4の電極41をタッチ検出のために駆動する。
【0039】
データ検出部23は、タッチ駆動信号TXが供給された複数の電極41それぞれから、タッチ駆動信号TXに基づくタッチ検出信号RXを受信し、タッチ検出信号RXに基づいて検出値を算出する。かかる検出値は、パネル制御部20へ出力され、パネル制御部20においてタッチ判定に用いられる。
【0040】
具体的には、データ検出部23は、各電極41から受信したタッチ検出信号RXを積分し、タッチ駆動信号TXのパルスのタイミングごとに、積分値と基準値との差を検出値として算出する。例えば、1つのタッチ検出期間に3パルスのタッチ駆動信号TXが各電極41に出力された場合、1つのタッチ検出期間に各電極41から3つのタッチ検出信号RXが得られるため、検出値の数(積分値の数)は、3つとなる。
【0041】
つまり、1つのタッチ検出期間に1つの電極41から受信したタッチ検出信号RXに関して、1つのタッチ検出期間のタッチ駆動信号TXのパルスの数と等しい数の検出値が得られる。換言すれば、それぞれの検出値は、電極41の静電容量と基準静電容量との差分値である。タッチによる電極41の静電容量の変化量が大きいほど、検出値は大きくなる。タッチがなく、電極41の静電容量の変化量がゼロであれば、検出値はゼロである。
【0042】
なお、データ検出部23は、動作モードが通常モードである場合には、複数の電極41すべてからタッチ検出信号RXを受信し、複数の電極41すべての検出値を算出する。一方、データ検出部23は、動作モードが特定モードである場合には、第2画像データの表示位置に対応する一部の電極41についてのみタッチ検出信号RXを受信し、かかる一部の電極41の検出値を算出する。
【0043】
なお、第2画像データがスキャンブロック単位で表示され、一部の電極41の検出値をスキャンブロック単位で算出してもよい。また、データ検出部23は、複数の電極41すべてからタッチ検出信号RXを受信し、第2画像データの表示位置に対応する一部の電極41についてのみ検出値を算出するようにしてもよい。
【0044】
そして、パネル制御部20は、第2駆動部22から検出値を取得し、1つのタッチ検出期間から得られた複数の検出値の総和を算出する。つまり、パネル制御部20は、1つのタッチ検出期間毎に1つの検出値の総和を算出する。
【0045】
そして、パネル制御部20は、算出した検出値の総和と、所定のタッチ検出閾値とを比較し、検出値の総和がタッチ検出閾値以上である場合には、対応する電極41の位置にタッチ有りと判定する。
【0046】
また、パネル制御部20は、タッチ有りと判定した電極41の位置に基づいて、パネル部4の表示領域にけるタッチ位置を検出する。パネル制御部20は、検出したタッチ位置の情報に基づいてタッチ位置の座標データを導出し、座標データを制御装置11へ出力する。
【0047】
なお、パネル制御部20は、動作モードが通常モードである場合には、検出値の総和に基づいてタッチの有無およびタッチ位置の検出を行うが、動作モードが特定モードである場合には、検出値の総和に基づいてタッチの有無のみ検出する。つまり、パネル制御部20は、動作モードが特定モードである場合には、タッチ位置の検出を行わない。
【0048】
また、パネル制御部20は、特定モードにおいてタッチ有りと判定した場合、第2画像データに割り当てられた命令コードをホスト10へ出力する。
【0049】
次に、
図3および
図4を用いて、通常モードM1および特定モードM2それぞれの動作モードにおける表示システムSの動作例について説明する。
図3は、通常モードM1における表示システムSの動作例を示すシーケンス図である。
図4は、特定モードM2における表示システムSの動作例を示すシーケンス図である。
【0050】
まず、
図3を用いて、通常モードM1における表示システムSの動作例について説明する。
図3に示すように、まず、ホスト10は、第1画像データを生成し、表示装置1へ送信する(ステップS101)。
【0051】
つづいて、表示装置1のパネル制御部20は、第1画像データを受信し、第1画像データに基づいて、パネル部4に表示するための画像表示データを生成する(ステップS102)。
【0052】
つづいて、第1駆動部21は、パネル制御部20から画像表示データを取得し、画像表示データに基づく映像信号により、パネル部4の電極41を駆動することで(ステップS103)、パネル部4の表示領域に第1画像データを表示する(ステップS104)。
【0053】
また、ホスト10は、第1画像データの送信に合わせて、タッチ機能を制御する制御信号を表示装置1へ送信する(ステップS105)。パネル制御部20は、受信した制御信号(制御データ)に基づいて、第1画像データの表示タイミングに合わせて、第2駆動部22を制御することで、パネル部4の電極を駆動する(ステップS106)。つまり、第2駆動部22は、パネル制御部20の制御に従ってタッチ駆動信号TXを生成し、タッチ駆動信号TXを複数の電極41それぞれへ供給する。これにより、第1画像データを表示しつつ、タッチ検出が可能な状態となる。
【0054】
そして、パネル部4は、タッチ駆動信号TXが供給された電極41に対するユーザの操作に応じたタッチ検出信号RXをデータ検出部23へ出力する(ステップS107)。つづいて、データ検出部23は、パネル部4における複数の電極41すべてからタッチ検出信号RXを取得する(ステップS108)。
【0055】
つづいて、データ検出部23は、複数の電極41それぞれについて、タッチ検出信号RXに基づいて検出値を算出する(ステップS109)。つづいて、パネル制御部20は、検出値に基づいてタッチの有無およびタッチ位置を算出し、タッチの有無およびタッチ位置の情報をホスト10へ送信する(ステップS110)。具体的には、パネル制御部20は、検出値が閾値以上となる電極41に対応する位置をタッチ位置(タッチ有り)として検出する。
【0056】
つづいて、ホスト10は、受信したタッチ位置の情報に基づいて、第1画像データにおける特定位置へのタッチの有無およびタッチ位置を確定する(ステップS111)。なお、特定位置とは、第1画像データにおける表示ボタン等の領域であり、ユーザである乗員が操作可能な領域である。
【0057】
つづいて、ホスト10は、タッチされた特定位置に割り振られた命令コードに基づき命令を実行する(ステップS112)。なお、ホスト10は、命令コードに周辺機器100への命令が含まれる場合には、かかる命令を実行する旨を示す命令実行を該当する周辺機器100へ送信する(ステップS113)。そして、周辺機器100は、命令実行に基づいて命令を実行する(ステップS114)。
【0058】
次に、
図4を用いて特定モードM2における表示システムSの動作例について説明する。なお、
図4では、ステップS201よりも以前に特定モードM2に切り替わっていることとする。
図4に示すように、まず、パネル制御部20は、記憶部3から第2画像データである画像情報31を読み出す(ステップS201)。つまり、特定モードM2では、ホスト10から第1画像データを取得するのではなく、自装置に予め記憶された第2画像データを読み出す。
【0059】
つづいて、表示装置1のパネル制御部20は、第2画像データに基づいて、パネル部4に表示するための画像表示データを生成する(ステップS202)。
【0060】
つづいて、第1駆動部21は、パネル制御部20から画像表示データを取得し、画像表示データに基づく映像信号により、パネル部4の電極41を駆動することで(ステップS203)、パネル部4の表示領域に第2画像データを表示する(ステップS204)。
【0061】
また、パネル制御部20は、第2画像データの表示タイミングを取得し(ステップS205)、かかる表示タイミングに合わせて、第2駆動部22を制御することで、パネル部4の電極を駆動する(ステップS206)。つまり、第2駆動部22は、パネル制御部20の制御に従ってタッチ駆動信号TXを生成し、タッチ駆動信号TXを複数の電極41それぞれへ供給する。これにより、第2画像データを表示しつつ、タッチ検出が可能な状態となる。
【0062】
そして、パネル部4は、タッチ駆動信号TXが供給された電極41に対するユーザの操作に応じたタッチ検出信号RXをデータ検出部23へ出力する(ステップS207)。つづいて、データ検出部23は、パネル部4の表示領域のうち、第2画像データの表示位置に対応する一部の電極41からタッチ検出信号RXを取得する(ステップS208)。
【0063】
つづいて、データ検出部23は、一部の電極41それぞれについて、タッチ検出信号RXに基づいて検出値を算出する(ステップS209)。つづいて、パネル制御部20は、検出値に基づいてタッチの有無を判定する(ステップS210)。具体的には、パネル制御部20は、検出値が閾値以上となった場合に、タッチがされた(タッチ有り)と判定する。つまり、特定モードでは、タッチの有無のみを判定し、タッチ位置の算出を行わない。
【0064】
つづいて、パネル制御部20は、タッチされたと判定した場合、第2画像データに割り振られた命令コードをホスト10へ送信する(テップS211)。そして、ホスト10は、受信した命令コードに基づいて命令を実行する(ステップS212)。なお、ホスト10は、命令コードに周辺機器100への命令が含まれる場合には、かかる命令を実行する旨を示す命令実行を該当する周辺機器100へ送信する(ステップS213)。そして、周辺機器100は、命令実行に基づいて命令を実行する(ステップS214)。
【0065】
このように、第1の実施形態に係る表示装置1によれば、第1画像データの表示異常が発生した場合であっても、予め記憶している第2画像データを表示してユーザのタッチを受け付けて処理実行の命令を行う。これにより、乗員は、表示装置1の画像異常が発生した場合であっても、特定モードにより所定の処理を実行させるための操作を行うことができるため、表示装置1の異常に困惑することを回避できる。すなわち、実施形態に係る表示装置1の制御方法によれば、表示装置1の画像異常が発生した場合であっても、乗員に安心感を与えることができる。
【0066】
なお、表示装置1は、第1画像データの異常である場合には、第2画像データをパネル部4の任意の表示位置に表示可能であるが、例えば、パネル部4(電極41等)の故障により、特定位置の表示領域が異常である場合には、かかる表示領域以外の表示位置に第2画像データを表示するようにする。
【0067】
次に、
図5および
図6を用いて、パネル部4における第2画像データの画面例について説明する。
図5および
図6は、パネル部4における第2画像データの画面例を示す図である。なお、
図5および
図6に示す画面500は、パネル部4における表示領域に相当する。
【0068】
図5に示すように、第2画像データは、画面500において、アイコン画像データ31として所定の表示位置に表示される。アイコン画像データ31とは、ホスト10や周辺機器100等の車載システムが実行する所定の処理を記号化した情報である。
図5に示す例では、「販売店に電話」という処理を記号化したアイコン画像データ31が表示される。
【0069】
そして、表示装置1は、アイコン画像データ31の表示位置に対応する領域の電極41を駆動することで、アイコン画像データ31へのタッチ操作を可能とする。つまり、表示装置1は、アイコン画像データ31をパネル部4における表示領域の一部に表示するとともに、複数の電極41のうち、少なくとも一部の電極41に対応する電極41のタッチ検出信号RXに基づいてタッチの有無を判定する。
【0070】
なお、受信するタッチ検出信号RXは、複数の電極41すべてであってもよく、アイコン画像データ31に対応する一部の電極41のみでもよい。具体的には、表示装置1は、複数の電極41すべてのタッチ検出信号RXを受信し、受信したタッチ検出信号RXのうち、アイコン画像データ31の表示位置に対応する一部の電極41のタッチ検出信号RXのみを選択的に用いてタッチの有無を判定してもよい。あるいは、表示装置1は、アイコン画像データ31の表示位置に対応する一部の電極41のタッチ検出信号RXのみを受信することで、タッチの有無を判定してもよい。
【0071】
なお、表示装置1は、アイコン画像データ31の表示位置に対応する領域以外の電極41を駆動しない(タッチ駆動信号TXを出力しない)ようにすることで、アイコン画像データ31以外の領域についてはタッチ操作を不可としてもよい。あるいは、表示装置1は、複数の電極41すべてにタッチ駆動信号TXを出力し、アイコン画像データ31の表示位置に対応する電極41のみからタッチ検出信号RXを受信するようにしてもよい。
【0072】
そして、「販売店に電話」というアイコン画像データ31がユーザによってタッチされた場合、周辺機器100(電話機)が販売店へ電話する処理を実行するとともに、ホスト10が車内のマイクやスピーカをオンする処理を実行する。
【0073】
なお、
図5では、第2画像データとしてアイコン画像データ31のみを表示する場合を示したが、例えば、
図6に示すように、アイコン画像データ31に関連するテキストデータ31bを併せて表示してもよい。
図6に示す例では、テキストデータ31bとして、販売店の電話番号を表示する。
【0074】
なお、表示装置1は、テキストデータ31bについてはタッチ操作が不要であるため、テキストデータ31bの表示位置に対応する領域の電極41を駆動しないようにする。
【0075】
また、アイコン画像データ31aは、タッチ操作を受け付けるため、タッチ検出領域に対応した表示位置および表示サイズで表示されることが好ましい。タッチ検出領域とは、1つの画面を複数の電極41の境界に沿って複数の領域に分割した領域である。つまり、各タッチ検出領域には、少なくとも1以上の電極41が含まれ、隣り合うタッチ検出領域の境界は、隣り合う電極41の境界に相当する。このタッチ検出領域は、1つのタッチ検出期間でタッチ検出信号を読み出す単位であるスキャンブロックとも呼ばれる。
【0076】
ここで、
図7~
図9を用いて、画面500の分割例について説明する。
図7~
図9は、画面500の分割例を示す図である。例えば、
図7に示すように、表示装置1は、画面500を4つのタッチ検出領域530a~530dに分割する。
【0077】
そして、表示装置1は、4つのタッチ検出領域530a~530dのうち、任意のタッチ検出領域530cにアイコン画像データ31を表示する。なお、アイコン画像データ31は、各タッチ検出領域530a~530dの領域サイズに合致する表示サイズの情報として予め記憶部3に記憶されている。
【0078】
これにより、表示装置1は、アイコン画像データ31の表示位置のみを決定し、表示サイズの調整処理を省くことができる。そして、制御部2は、アイコン画像データ31が表示されたタッチ検出領域530cの電極41を駆動することで、タッチ検出領域530cをタッチ可能領域510とする。
【0079】
一方、タッチ検出領域530c以外のタッチ検出領域530a,530b,530dの電極41は駆動しないようにすることで、タッチ検出領域530a,530b,530dをタッチ不可領域520とする。また、
図8に示すように、タッチ不可領域520には、タッチ操作が不要なテキストデータ31bを表示する。
【0080】
なお、
図7および
図8では、アイコン画像データ31aを1つのタッチ検出領域530cに表示する場合を示したが、これに限らず、例えば、アイコン画像データ31aを複数のタッチ検出領域に表示してもよい。かかる点について、
図9を用いて説明する。
【0081】
図9に示すように、制御部2は、隣り合う2つのタッチ検出領域530c,530dにアイコン画像データ31aを表示してもよい。かかる場合、アイコン画像データ31aは、1つのタッチ検出領域に合わせた表示サイズで記憶されているため、2つのタッチ検出領域530c,530dの領域サイズに合わせて表示サイズを拡大する。
【0082】
そして、制御部2は、アイコン画像データ31が表示された2つのタッチ検出領域530c,530dの電極41を駆動することで、2つのタッチ検出領域530c,530dをタッチ可能領域510とする。
【0083】
一方、タッチ検出領域530c,530d以外のタッチ検出領域530a,530bの電極41は駆動しないようにすることで、タッチ検出領域530a,530bをタッチ不可領域520とする。
【0084】
なお、
図7~
図9では、4つのタッチ検出領域530a~530dそれぞれが上下方向に延在するとともに、左右方向に並ぶ分割例を示したが、例えば、4つのタッチ検出領域それぞれが左右方向に延在するとともに、上下方向に並ぶように分割されてもよい。
【0085】
また、分割数も4つに限定されず、3つ以下でも、5つ以上でもよい。また、画面500を上下および左右それぞれの方向に分割されてもよい。また、各タッチ検出領域は同じ領域サイズである場合に限らず、1つの画面500における各タッチ検出領域の領域サイズが異なってもよい。
【0086】
このように本実施の形態では、動作モードが特定モードである場合には、画面500を複数の領域に分割され、そのうち予め定められたタッチ可能領域におけるタッチの有無を検出できれば、タッチ位置座標の算出を行う必要がないので、演算処理の負荷を軽減することができる。また、本実施の形態において、タッチ検出領域にアイコン画像データを表示する場合には、アイコン画像に対応するタッチ検出領域におけるタッチの有無を検出できればタッチ位置座標の算出は不要であるため、演算処理の負荷をさらに軽減することができる。
【0087】
<第2の実施形態>
次に、
図10を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、画像表示の異常が、表示装置1およびホスト10の間の通信異常である点が第1の実施形態と異なる。なお、第2の実施形態に関して、各装置の機能構成や、通常モードM1における動作は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。ここでは、第2の実施形態と第1の実施形態との相違点である特定モードM2における動作例について、
図10を用いて説明する。
【0088】
図10は、第2の実施形態に係る表示システムSの動作例を示す図である。
図4に示すように、まず、パネル制御部20は、記憶部3から第2画像データである画像情報31を読み出す(ステップS301)。つまり、特定モードM2では、ホスト10から第1画像データを取得するのではなく、自装置に予め記憶された第2画像データを読み出す。
【0089】
つづいて、表示装置1のパネル制御部20は、第2画像データに基づいて、パネル部4に表示するための画像表示データを生成する(ステップS302)。
【0090】
つづいて、第1駆動部21は、パネル制御部20から画像表示データを取得し、画像表示データに基づいて、パネル部4の電極41を駆動することで(ステップS303)、パネル部4の表示領域に第2画像データを表示する(ステップS304)。
【0091】
また、パネル制御部20は、第2画像データの表示タイミングを取得し(ステップS305)、かかる表示タイミングに合わせて、第2駆動部22を制御することで、パネル部4の電極を駆動する(ステップS306)。つまり、第2駆動部22は、パネル制御部20の制御に従ってタッチ駆動信号TXを生成し、タッチ駆動信号TXを複数の電極41それぞれへ供給する。これにより、第2画像データを表示しつつ、タッチ検出が可能な状態となる。
【0092】
そして、パネル部4は、ユーザの操作に応じたタッチ検出信号RXをデータ検出部23へ出力する(ステップS307)。つづいて、データ検出部23は、パネル部4の表示領域のうち、第2画像データの表示位置に対応する一部の電極41からタッチ検出信号RXを取得する(ステップS308)。
【0093】
つづいて、データ検出部23は、一部の電極41それぞれについて、タッチ検出信号RXに基づいて検出値を算出する(ステップS309)。つづいて、パネル制御部20は、検出値に基づいてタッチの有無を判定する(ステップS310)。具体的には、パネル制御部20は、検出値が閾値以上となった場合に、タッチがされた(有)と判定する。つまり、特定モードでは、タッチの有無のみを判定し、タッチ位置の算出を行わない。
【0094】
つづいて、パネル制御部20は、タッチされたと判定した場合、第2画像データに割り振られた命令コードを周辺機器100へ直接送信する(テップS311)。そして、周辺機器100は、受信した命令コードに基づいて命令を実行する(ステップS312)。
【0095】
つまり、ステップS311に示すように、第2の実施形態では、表示装置1およびホスト10の間で通信異常が発生しているため、ホスト10に命令コードを送信するのではなく、周辺機器100へ送信する。
【0096】
このように、第2の実施形態に係る表示装置1によれば、ホスト10との間で通信異常が発生した場合であっても、ホスト10を介さずに所定の処理を実行できるため、乗員が表示装置1の異常に困惑することを回避できる。すなわち、実施形態に係る表示装置1の制御方法によれば、表示装置1の画像異常が発生した場合であっても、乗員に安心感を与えることができる。
【0097】
<第3の実施形態>
次に、
図11および
図12を用いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、パネル部4がアウトセル型である点が、パネル部4がインセル型である第1の実施形態と異なる。
【0098】
図11は、第3の実施形態に係る表示システムSの構成例を示すブロック図である。アウトセル型の場合、パネル部4は、画像表示を行うための表示電極41aと、タッチ検出を行うためのタッチ電極41bとがそれぞれ独立して配置される。換言すれば、パネル部4は、画像表示を行う表示パネルと、タッチ検出を行うタッチパネルとが独立して積層される。
【0099】
また、第3の実施形態に係る制御部2は、第1の実施形態に係るパネル制御部20に代えて、表示制御部20aおよびタッチ制御部20bを備える。表示制御部20aは、第1駆動部21を制御する。また、タッチ制御部20bは、第2駆動部22を制御する。つまり、第3の実施形態では、パネル制御部20の機能のうち、第1駆動部21を制御する機能を表示制御部20aが担い、第2駆動部22を制御する機能をタッチ制御部20bが担う。
【0100】
すなわち、第1の実施形態では、第1駆動部21の制御と、第2駆動部22の制御とをパネル制御部20が連携して行っていたが、第3の実施形態では、第1駆動部21の制御と、第2駆動部22の制御とを表示制御部20aとタッチ制御部20bとが独立して行う。
【0101】
次に、
図12を用いて特定モードM2における表示システムSの動作例について説明する。
図12は、第3の実施形態に係る特定モードM2における表示システムSの動作例を示すシーケンス図である。なお、
図12では、制御部2を「表示制御部20a」、「タッチ制御部20b」および「その他」で区分けしている。「その他」は、第1駆動部21、第2駆動部22およびデータ検出部23を含む。
【0102】
図12に示すように、まず、表示制御部20aは、記憶部3から第2画像データである画像情報31を読み出す(ステップS401)。
【0103】
つづいて、表示制御部20aは、第2画像データに基づいて、パネル部4に表示するための画像表示データを生成し、第1駆動部21を制御する(ステップS402)。
【0104】
つづいて、第1駆動部21は、表示制御部20aの制御に従って、パネル部4の表示電極41aを駆動することで(ステップS403)、パネル部4の表示領域に第2画像データを表示する(ステップS404)。
【0105】
また、タッチ制御部20bは、表示制御部20aから第2画像データの表示タイミングを取得し、かかる表示タイミングに合わせて、第2駆動部22を制御する(ステップS405)ことで、パネル部4のタッチ電極41bを駆動する(ステップS406)。つまり、第2駆動部22は、タッチ制御部20bの制御に従ってタッチ駆動信号TXを生成し、タッチ駆動信号TXを複数のタッチ電極41bそれぞれへ供給する。これにより、表示電極41aによって第2画像データを表示しつつ、タッチ電極41bによってタッチ検出が可能な状態となる。
【0106】
そして、パネル部4は、ユーザの操作に応じたタッチ検出信号RXをデータ検出部23へ出力する(ステップS407)。つづいて、データ検出部23は、すべてのタッチ電極41bそれぞれからタッチ検出信号RXを取得する(ステップS408)。
【0107】
つづいて、データ検出部23は、すべてのタッチ電極41bそれぞれについて、タッチ検出信号RXに基づいて検出値を算出する(ステップS409)。つづいて、タッチ制御部20bは、不要な検出値である第2画像データの表示位置以外の領域に対応するタッチ電極40bの検出値を除いた検出値に基づいてタッチの有無を判定する(ステップS410)。
【0108】
つまり、データ検出部23は、特定モードでは、複数のタッチ電極41bそれぞれからタッチ検出信号RXを取得し、かかるタッチ検出信号のうち、第2画像データに対応する一部の表示領域に対応するタッチ電極41bのタッチ検出信号RXを選択し、選択したタッチ検出信号RXに基づいてタッチの有無を判定する。これにより、アウトセル型であっても、第2画像データに対するタッチの有無を高精度に判定することができる。
【0109】
つづいて、タッチ制御部20bは、タッチされたと判定した場合、第2画像データに割り振られた命令コードをホスト10へ送信する(テップS411)。そして、ホスト10は、受信した命令コードに基づいて命令を実行する(ステップS412)。なお、ホスト10は、命令コードに周辺機器100への命令が含まれる場合には、かかる命令を実行する旨を示す命令実行を該当する周辺機器100へ送信する(ステップS413)。そして、周辺機器100は、命令実行に基づいて命令を実行する(ステップS414)。
【0110】
上述したように、第1~第3の実施形態に係る表示装置1は、パネル部4と、制御部2とを備える。パネル部4は、画像表示およびタッチ検出それぞれを行う複数の電極41(表示電極41aおよびタッチ電極41b含む)を有する。制御部2は、画像表示に関する異常が検出されない場合には、第1モード(通常モードM1)でパネル部4を制御し、異常が検出された場合には、第2モード(特定モードM2)でパネル部4を制御する。また、制御部2は、第1モードでは、車載システム(ホスト10や周辺機器100)から取得した第1画像データをパネル部4に表示するとともに、パネル部4から取得したタッチ検出信号RXに基づいてタッチ位置を算出し、タッチ位置を車載システムへ出力し、第2モードでは、予め記憶された第2画像データをパネル部4に表示するとともに、パネル部4から取得したタッチ検出信号RXに基づいてタッチの有無を判定し、タッチがされた場合に、所定の処理の実行命令を車載システムへ出力する。これにより、画像表示に異常が発生した場合であっても、乗員に安心感を与えることができる。
【0111】
また、上述したように、第1~第3の実施形態に係る表示システムSは、表示装置1と、ホスト10とを備える。表示装置1は、パネル部4と、制御部2とを備える。パネル部4は、画像表示およびタッチ検出それぞれを行う複数の電極41(表示電極41aおよびタッチ電極41b含む)を有する。制御部2は、画像表示に関する異常が検出されない場合には、第1モード(通常モードM1)でパネル部4を制御し、異常が検出された場合には、第2モード(特定モードM2)でパネル部4を制御する。また、制御部2は、第1モードでは、車載システム(ホスト10や周辺機器100)から取得した第1画像データをパネル部4に表示するとともに、パネル部4から取得したタッチ検出信号RXに基づいてタッチ位置を算出し、タッチ位置を車載システムへ出力し、第2モードでは、予め記憶された第2画像データをパネル部4に表示するとともに、パネル部4から取得したタッチ検出信号RXに基づいてタッチの有無を判定し、タッチがされた場合に、所定の処理の実行命令を車載システムへ出力する。これにより、画像表示に異常が発生した場合であっても、乗員に安心感を与えることができる。
【0112】
<変形例>
なお、上述した実施形態以外にも、製品形態に応じて、例えば、
図13および
図14に示すような構成を採用することが可能である。
図13は、変形例に係る車載装置200の構成例を示す図である。
図14は、変形例に係る表示システムSの構成例を示す図である。
【0113】
例えば、
図13に示すように、ホスト10および表示装置1を一体化した車載装置200として構成されてもよい。また、
図14に示すように、表示装置1は、メータと共用されてもよい。具体的には、表示装置1のパネル部4は、第1画像データや第2画像データが表示される画像領域400と、メータが表示されるメータ領域410を有する。
【0114】
また、上述した実施形態に係る画面例以外にも、例えば、
図15に示すような画面例を採用することが可能である。
図15は、変形例に係る画面例を示す図である。
図15に示すように、アイコン画像データ31aと併せて、2次元バーコード等の情報コード31cを表示してもよい。かかる情報コード31cには、アイコン画像データ31aに関連する情報(販売店の電話番号や住所等の詳細)が埋め込まれる。なお、情報コード31cは、2次元バーコードに限定されず、情報を埋め込み可能であれば任意のコードを採用可能である。
【0115】
このように、情報コード31cを併せて表示することで、アイコン画像データ31aへのタッチ操作を介して販売店へ連絡する場合以外に、情報コード31cを介して乗員の端末から販売店へ連絡することができる。つまり、画像表示の異常時における乗員の対処に冗長性をもたせることができる。
【0116】
なお、上述した実施の形態における、上記各種処理を実行するためのプログラムは、上記複数の機能部の各々を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、例えば、CPU(プロセッサ回路)がROMまたはHDDから情報処理プログラムを読み出して実行することにより、上述した複数の機能部の各々がRAM(主記憶)上にロードされ、上述した複数の機能部の各々がRAM(主記憶)上に生成されるようになっている。なお、上述した複数の機能部の各々の一部または全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現することも可能である。
【0117】
なお、上記には、実施の形態を説明したが、上記実施の形態は、例として提示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施の形態は、本開示の範囲または要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0118】
(付記)
ホストと周辺機器とを備える車載システムと、表示装置とを備えた表示システムであって、
前記表示装置は、
画像表示およびタッチ検出それぞれを行う複数の電極を有するパネル部と、
前記画像表示に関する異常が検出されない場合には、第1モードで前記パネル部を制御し、前記異常が検出された場合には、第2モードで前記パネル部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1モードでは、車載システムから取得した第1画像データを前記パネル部に表示するとともに、前記パネル部から取得したタッチ検出信号に基づいてタッチ位置を算出し、前記タッチ位置を前記車載システムへ出力し、
前記第2モードでは、予め記憶された第2画像データを前記パネル部に表示するとともに、前記パネル部から取得したタッチ検出信号に基づいてタッチの有無を判定し、前記タッチがされた場合に、所定の処理の実行命令を前記車載システムへ出力する、
表示システム。
【符号の説明】
【0119】
1 表示装置
2 制御部
3 記憶部
4 パネル部
10 ホスト
11 制御装置
20 パネル制御部
21 第1駆動部
22 第2駆動部
23 データ検出部
31 画像情報
32 モード情報
41 電極
100 周辺機器
200 車載装置
S 表示システム