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特許7308453設定用通信装置、通信システム、情報端末の制御方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】設定用通信装置、通信システム、情報端末の制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20230707BHJP
   H05B 47/195 20200101ALI20230707BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/195
H04Q9/00 311P
H04Q9/00 331A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019188923
(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公開番号】P2020077624
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2018210596
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】松山 哲大
(72)【発明者】
【氏名】椙山 剛
(72)【発明者】
【氏名】福原 真煕
(72)【発明者】
【氏名】大槻 顕
(72)【発明者】
【氏名】東江 麻祐
(72)【発明者】
【氏名】新屋敷 泰史
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-195227(JP,A)
【文献】特開2018-028249(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0370272(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、
設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、
前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部とを備え
前記第1通信部は、2.4GHz帯または5GHz帯の周波数を用いた前記第1通信方式で通信を行い、
前記第2通信部は、赤外線を用いた前記第2通信方式で通信を行い、
前記第3通信部は、920MHz帯の特定小電力無線を用いた前記第3通信方式で通信を行う
設定用通信装置。
【請求項2】
情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、
設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、
前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部とを備え、
前記第1通信部は、2.4GHz帯または5GHz帯の周波数を用いた前記第1通信方式で通信を行い、
前記第2通信部は、赤外線を用いた前記第2通信方式で通信を行い、
前記第3通信部は、有線を用いた前記第3通信方式で通信を行う
定用通信装置。
【請求項3】
情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、
設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、
前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部とを備え、
前記第2通信部は、前記第2通信方式を用いて、前記機器端末の通信設定に関する設定情報の通信を前記機器端末と行う
定用通信装置。
【請求項4】
情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、
設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、
前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部とを備え、
前記第3通信部は、前記第3通信方式を用いて、前記機器端末の通信設定または制御設定に関する設定情報の通信を前記機器端末と行う
定用通信装置。
【請求項5】
前記機器端末は、照明機器、照明コントローラ、空調機器、空調コントローラおよび人感センサの少なくとも1つである
請求項1~のいずれか1項に記載の設定用通信装置。
【請求項6】
さらに、所定の操作を受け付ける操作入力部を備え、
前記第2通信部および前記第3通信部の少なくとも一方は、前記操作入力部が所定の操作を受け付けた後、前記機器端末と通信する
請求項1~のいずれか1項に記載の設定用通信装置。
【請求項7】
情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、
設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、
前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部と、
定の操作を受け付ける操作入力部を備え、
前記第2通信部および前記第3通信部の少なくとも一方は、前記操作入力部が所定の操作を受け付けた後、前記第1通信部が前記情報端末から送信された所定の情報を受信した場合に、前記機器端末と通信する
定用通信装置。
【請求項8】
前記所定の情報は、前記操作入力部が前記所定の操作を受け付けたことを前記第1通信部が前記情報端末に通知することで、前記情報端末から前記第1通信部に送信される
請求項に記載の設定用通信装置。
【請求項9】
さらに、前記第1通信部を介して前記情報端末から取得した情報を記憶する記憶部を備える
請求項1~のいずれか1項に記載の設定用通信装置。
【請求項10】
前記第1通信部を介して取得した情報は、前記機器端末の通信設定または制御設定に関する設定情報を含む
請求項に記載の設定用通信装置。
【請求項11】
情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、
設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、
前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部とを備え、
前記第1通信方式、前記第2通信方式および前記第3通信方式にて送受信されるそれぞれの通信情報に含まれる前記機器端末の制御コマンドは、共通性を有する
定用通信装置。
【請求項12】
情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、
設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、
前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部とを備え、
前記第1通信方式の通信プロトコルに基づいて作成される前記機器端末の制御コマンドは、前記第2通信方式または前記第3通信方式のそれぞれの通信プロトコルに基づいて作成される前記機器端末の制御コマンドと同じコマンドを含む
定用通信装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の設定用通信装置と、
前記機器端末と、
前記情報端末と
を備える通信システム。
【請求項14】
請求項1~12のいずれか1項に記載の設定用通信装置と通信する情報端末の制御方法であって、
前記機器端末の通信設定または制御設定に関する設定情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得した前記設定情報を記憶する記憶ステップと
を含む情報端末の制御方法。
【請求項15】
さらに、前記記憶ステップにて記憶した前記設定情報を、前記第1通信方式を用いて前記設定用通信装置に送信するステップを含む
請求項14に記載の情報端末の制御方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載の情報端末の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機器端末の通信設定等を行う設定用通信装置、この設定用通信装置を備える通信システム、情報端末の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明システムの制御設定を行うための設定用通信装置が知られている。この種の設定用通信装置の一例として、特許文献1には、照明システムが備える機器端末(照明機器端末)の制御設定を行う設定用通信装置(外部設定器)が開示されている。この照明システムでは、上記設定用通信装置を用いて、機器端末の制御データの変更を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-102183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
機器端末の多種多様化が進むなか、同じ設定用通信装置を用いて各種各様の機器端末に制御設定等を行いたいという要望がある。しかしながら、特許文献1に開示された設定用通信装置では、設定用通信装置にて予め定められた設定しか行うことができず、各機器端末に応じた設定を行い難いという問題がある。
【0005】
そこで、本開示は、機器端末に応じた設定を簡易に行うことができる設定用通信装置および通信システムを提供することを目的とする。また、本開示は、設定用通信装置を用いて、機器端末に応じた設定を簡易に行うことができる情報端末の制御方法およびプログラムを提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の設定用通信装置の一態様は、情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部とを備え、前記第1通信部は、2.4GHz帯または5GHz帯の周波数を用いた前記第1通信方式で通信を行い、前記第2通信部は、赤外線を用いた前記第2通信方式で通信を行い、前記第3通信部は、920MHz帯の特定小電力無線を用いた前記第3通信方式で通信を行う。
本開示の設定用通信装置の一態様は、情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部とを備え、前記第1通信部は、2.4GHz帯または5GHz帯の周波数を用いた前記第1通信方式で通信を行い、前記第2通信部は、赤外線を用いた前記第2通信方式で通信を行い、前記第3通信部は、有線を用いた前記第3通信方式で通信を行う。
本開示の設定用通信装置の一態様は、情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部とを備え、前記第2通信部は、前記第2通信方式を用いて、前記機器端末の通信設定に関する設定情報の通信を前記機器端末と行う。
本開示の設定用通信装置の一態様は、情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部とを備え、前記第3通信部は、前記第3通信方式を用いて、前記機器端末の通信設定または制御設定に関する設定情報の通信を前記機器端末と行う。
本開示の設定用通信装置の一態様は、情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部と、所定の操作を受け付ける操作入力部とを備え、前記第2通信部および前記第3通信部の少なくとも一方は、前記操作入力部が所定の操作を受け付けた後、前記第1通信部が前記情報端末から送信された所定の情報を受信した場合に、前記機器端末と通信する。
本開示の設定用通信装置の一態様は、情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部とを備え、前記第1通信方式、前記第2通信方式および前記第3通信方式にて送受信されるそれぞれの通信情報に含まれる前記機器端末の制御コマンドは、共通性を有する。
本開示の設定用通信装置の一態様は、情報端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、設備システムに含まれる機器端末と前記第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部と、前記機器端末と前記第1通信方式および前記第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部とを備え、前記第1通信方式の通信プロトコルに基づいて作成される前記機器端末の制御コマンドは、前記第2通信方式または前記第3通信方式のそれぞれの通信プロトコルに基づいて作成される前記機器端末の制御コマンドと同じコマンドを含む。
【0007】
本開示の通信システムの一態様は、上記設定用通信装置と、上記機器端末と、上記情報端末とを備える。
【0008】
本開示の情報端末の制御方法の一態様は、上記設定用通信装置と通信する情報端末の制御方法であって、上記機器端末の通信設定または制御設定に関する設定情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにて取得した前記設定情報を記憶する記憶ステップとを含む。
【0009】
本開示のプログラムの一態様は、上記情報端末の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る設定用通信装置等は、機器端末に応じた設定を簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態の第1実施例に係る通信システムが備える機器端末、設定用通信装置および情報端末を示す概略図である。
図2図2は、実施の形態の第1実施例に係る通信システムが備える機器端末、設定用通信装置および情報端末を示すブロック構成図である。
図3図3は、実施の形態の情報端末を示す概略図である。
図4図4は、実施の形態の設定用通信装置の外観を示す図である。
図5図5は、実施の形態の設定用通信装置にて送受信される通信情報の構造を示す概念図である。
図6図6は、実施の形態の第1実施例に係る情報端末の制御方法を示すフローチャートである。
図7図7は、実施の形態の第1実施例に係る通信システムの動作を示すシーケンス図である。
図8図8は、実施の形態の第1実施例に係る情報端末に表示される画像を示す図である。
図9図9は、実施の形態の第1実施例に係る情報端末に表示される画像の他の例を示す図である。
図10図10は、実施の形態の第2実施例に係る通信システムが備える機器端末、設定用通信装置および情報端末を示す概略図である。
図11図11は、実施の形態の第2実施例に係る通信システムが備える機器端末、設定用通信装置および情報端末を示すブロック構成図である。
図12図12は、実施の形態の第2実施例に係る通信システムの動作を示すシーケンス図である。
図13図13は、実施の形態の第2実施例に係る情報端末に表示される画像を示す図である。
図14図14は、実施の形態の第3実施例に係る通信システムが備える機器端末、設定用通信装置および情報端末を示す概略図である。
図15図15は、実施の形態の第3実施例に係る通信システムが備える機器端末、設定用通信装置および情報端末を示すブロック構成図である。
図16図16は、実施の形態の情報端末に表示される画像の一例を示す図である。
図17図17は、実施の形態の情報端末に表示される画像の一例を示す図である。
図18図18は、図17の情報端末の画面に表示されるマークを示す図である。
図19図19は、実施の形態の情報端末に表示される画像の一例を示す図である。
図20図20は、実施の形態の情報端末に表示される画像の一例を示す図である。
図21図21は、実施の形態の情報端末に表示される画像の一例を示す図である。
図22図22は、実施の形態の情報端末に表示される画像の一例を示す図である。
図23図23は、実施の形態の情報端末に表示される画像の一例を示す図である。
図24図24は、実施の形態の情報端末に表示される画像の一例を示す図である。
図25図25は、実施の形態に係る設定用通信装置の外観を示す斜視図である。
図26図26は、実施の形態に係る設定用通信装置を示す六面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
前述したように従来の設定用通信装置では、設定用通信装置にて予め定められた設定しか行うことができず、各機器端末に応じた設定を行い難い。それを解決するため、本実施の形態の通信システムは、各機器端末に応じた設定の編集をスマートフォンなどの情報端末で行い、情報端末にて編集された設定情報を、各機器端末の通信方式に適応した設定用通信装置を用いて各機器端末に送信する形態を有している。この通信システムは、多くの実施例を取り得るが、本実施の形態では多くの実施例のうち、以下に示す第1実施例、第2実施例および第3実施例を例に挙げて説明する。
【0013】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の一形態に係る実現形態を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。本開示の実現形態は、現行の独立請求項に限定されるものではなく、他の独立請求項によっても表現され得る。
【0014】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0015】
(実施の形態)
[1.第1実施例に係る通信システムの概略構成]
まず、実施の形態の第1実施例に係る通信システムの概略構成について、図1および図2を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、第1実施例に係る通信システム1が備える機器端末30a、30b、30c、設定用通信装置20および情報端末10を示す概略図である。図2は、通信システム1が備える機器端末30a~30c、設定用通信装置20および情報端末10を示すブロック構成図である。
【0017】
図1および図2に示すように、第1実施例の通信システム1は、情報端末10と、設定用通信装置20と、設備システム5とを備える。設備システム5は、複数の機器端末30a、30b、30cと、管理装置40とを備える。
【0018】
機器端末30a~30cは、他の機器と通信可能な電気機器であり、例えば、照明機器、照明コントローラ、空調機器、空調コントローラ、人感センサまたは調光センサである。第1実施例では、機器端末30aおよび30bが照明機器であり、機器端末30cが照明コントローラである例について説明する。なお、図1では、3台の機器端末30a~30cが建物の造営材(天井など)50に設置されているが、実際には100台以上の機器端末が設置されることがある。
【0019】
管理装置40は、機器端末30a~30cの作動制御を行うための管理サーバである。管理装置40は、各機器端末30a~30cと有線によって接続されている。なお、管理装置40は、機器端末の台数に応じて、建物内に複数設けられていてもよい。機器端末30cが照明コントローラである場合、機器端末30cは各機器端末30a、30bに無線で接続可能であってもよい。
【0020】
情報端末10は、例えば、タブレット端末やスマートフォンである。情報端末10は、機器端末30a~30cの通信設定または制御設定に関する設定情報を編集する携帯端末である。
【0021】
通信設定は、例えば、通信を行うために必要な識別情報を設定するアドレス設定、機器端末30aと他の機器端末30cとの紐づけを行うペアリング設定、アドレス設定によって設定されたアドレスと建物内における機器端末30a~30cのレイアウト情報とを関連付けるマッピング設定である。制御設定は、例えば、機器端末30aの調光、調色、点灯、消灯の制御、スケジュール制御、および、群制御(グループ制御)に関する設定である。
【0022】
情報端末10には、設定情報を編集するためのアプリケーションソフトが格納されている。情報端末10を使用するユーザは、アプリケーションソフトを用いて設定情報を編集することで、各種の機器端末に応じた設定情報の編集を簡易に行うことができる。
【0023】
設定用通信装置20は、情報端末10にて編集された設定情報を、各機器端末30a~30cに対応した通信方式を用いて、各機器端末30a~30cに送信する設定器(機器設定装置)である。
【0024】
例えば設定用通信装置20は、第1通信方式の通信c1の一例である2.4GHz帯または5GHz帯の周波数を用いた無線通信にて、情報端末10で編集された設定情報を情報端末10から受信する。また、設定用通信装置20は、第2通信方式の通信c2の一例である赤外線通信にて、上記設定情報を各機器端末30a~30cに送信する。
【0025】
具体的にはユーザは、情報端末10と設定用通信装置20との距離が50cm以内となるように、片手で情報端末10を所持し、もう片手で設定用通信装置20を所持する。そして、ユーザは、情報端末10および設定用通信装置20の両方を見ながら設定用通信装置20を指で操作し、情報端末10から取り込んだ上記設定情報を機器端末30a~30cのそれぞれに送信する。この設定用通信装置20によれば、機器端末30a~30cの通信設定または制御設定を簡易に行うことができる。
【0026】
[2.第1実施例に係る機器端末、設定用通信装置、情報端末の各構成]
次に、第1実施例に係る機器端末30a~30c、設定用通信装置20、情報端末10の各構成について詳しく説明する。
【0027】
前述したように、例えば、機器端末30a、30bは照明機器であり、機器端末30cは照明コントローラである。なお、ここでは機器端末30a~30cのうち、機器端末30aを例に挙げて説明する。
【0028】
機器端末30aは、光源である出力部38と、機器制御部35と、機器通信部31とを備えている。出力部38および機器通信部31のそれぞれは、機器制御部35に接続されている。
【0029】
機器通信部31は、赤外線モジュールおよび無線モジュールを有している。機器通信部31は、赤外線を用いた通信c2で、設定用通信装置20と通信可能である。また、機器通信部31は、第3通信方式の通信c3の一例である920MHz帯の特定小電力無線で、設定用通信装置20と通信可能である。機器通信部31は、設定用通信装置20から送信された通信設定または制御設定に関する設定情報を受信する。
【0030】
機器制御部35は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、および、メモリに格納されたプログラムなどによって構成されている。機器制御部35のメモリには、自身の通信アドレスが保存されている。通信アドレスは、例えば、機器端末30aのMACアドレス(Media Access Control address)であってもよい。
【0031】
機器制御部35は、機器端末30aの各種設定が行われる際に、機器通信部31で受信した設定情報を取得する。例えば、機器端末30aにアドレス設定が行われる際、機器端末30aは、設定用通信装置20から送信された管理アドレスを取得する。管理アドレスは、機器端末30a~30cを管理するために割り当てられたアドレスであり、例えば、簡易な数字またはアルファベットで構成される。機器制御部35は、上記設定情報に基づいて出力部38を制御する。
【0032】
出力部38は、例えば、白色光、赤色光、緑色光または青色光を発する複数の発光ダイオードを有している。出力部38は、機器制御部35によって調光制御および調色制御される。
【0033】
図3は、情報端末10を示す概略図である。
【0034】
情報端末10は、機器端末30aの通信設定または制御設定などの設定情報を編集する。情報端末10は、通信部11、制御部15、表示入力部17を備えている。通信部11および表示入力部17のそれぞれは、制御部15に接続されている。
【0035】
通信部11は、無線モジュールを有している。通信部11は、第1通信方式の通信c1にて設定用通信装置20と通信可能である。第1通信方式とは、例えば、IEEE802.15.1にて規格化された2.4GHz帯または5GHz帯の周波数を用いた通信方式である。なお、通信部11は、設定用通信装置20とは無線で通信するが、機器端末30a~30cとは無線で通信しない。
【0036】
表示入力部17は、例えば、タッチパネルである。表示入力部17は、機器端末30aのレイアウト情報、機器端末30aの管理アドレスに関する情報、および、機器端末30aの動作情報等を表示および入力するユーザインターフェースである。ユーザは、表示入力部17を用いて、各機器端末30aの管理アドレス等の設定情報を編集することができる。例えば、ユーザは、図3の(a)に示すように、機器端末30aには「0001」という管理アドレスを割り当て、機器端末30bには、「0002」という管理アドレスを割り当てることができる。情報端末10にて編集された設定情報は、制御部15のメモリに記憶される。
【0037】
制御部15は、CPU、メモリおよびメモリに格納されたプログラムなどによって構成されている。制御部15のメモリには、設定情報を編集するためのアプリケーションソフトが格納されている。このアプリケーションソフトは、アプリケーションソフトの提供元によって適宜バージョンアップされる。ユーザは、このアプリケーションソフトを用いることで、多種多様な機器端末に応じた設定情報の編集を簡易に行うことができる。
【0038】
制御部15は、機器端末30aの各種設定が行われる際に、通信部11および設定用通信装置20を介して機器端末30aに通信設定または制御設定に関する設定情報を送信する。例えば、機器端末30aにアドレス設定が行われる際、情報端末10は、表示入力部17によって編集され、メモリに記憶された管理アドレスを送信する。
【0039】
表示入力部17には、図3の(b)に示すように、情報端末10および設定用通信装置20の間の通信c1を開始するための通信開始キー17aが設けられている。情報端末10は、表示入力部17を介して通信を開始するための操作を受け付けることで、設定用通信装置20と通信確立する。
【0040】
制御部15は、通信確立された状態にて、設定用通信装置20がユーザから所定の操作を受け付けたか否かを監視する。設定用通信装置20は、所定の操作を受け付けた場合に、操作入力を受け付けたことを示す受付信号を、情報端末10に送信する。情報端末10は、受付信号を受信すると、すなわち設定用通信装置20が所定の操作を受け付けると、メモリに記憶された設定情報を設定用通信装置20に送信する。具体的には、制御部15は、通信設定に関する設定情報として、管理アドレスを設定用通信装置20に送信する。
【0041】
設定用通信装置20は、情報端末10にて編集された設定情報を、機器端末30aに対応した通信方式を用いて、機器端末30aに送信する。なお、設定用通信装置20は、上記設定情報を機器端末30aに転送するための中継器としての機能も備えている。
【0042】
図4は、設定用通信装置20の外観を示す図である。
【0043】
設定用通信装置20は、第1通信部21と、第2通信部22と、第3通信部23と、装置制御部25と、記憶部26と、操作入力部27とを備える。第1通信部21、第2通信部22、第3通信部23、記憶部26、操作入力部27のそれぞれは、装置制御部25に接続されている。
【0044】
第1通信部21は、無線モジュールを有している。第1通信部21は、情報端末10と第1通信方式で通信c1を行うことが可能である。
【0045】
第2通信部22は、赤外線LEDなどの発信器を有している。第2通信部22は、機器端末30aと第2通信方式で通信c2を行うことが可能である。具体的には、第2通信部22は、機器端末30aと、機器端末30aの通信設定または制御設定に関する情報通信を行う。第2通信方式の通信c2は、指向性を有する赤外線通信であるので、ユーザは第2通信部22を機器端末30aに向けた状態で通信することで、機器端末30aのみに必要な情報を伝達することができる。
【0046】
第3通信部23は、無線モジュールを有している。第3通信部23は、各機器端末30aと第3通信方式で通信c3を行うことが可能である。なお、第3通信方式の通信c3は、設定用通信装置20および機器端末30aが相手の通信アドレスを互いに保有している場合に通信確立される。
【0047】
操作入力部27は、設定用通信装置20の筐体の表面に設けられている。操作入力部27は、例えば、1つの操作キーによって構成されている。
【0048】
記憶部26は、第1通信部21を介して情報端末10から取得した情報を記憶する。この情報は、情報端末10にて編集された上記設定情報を含む。また、記憶部26には、設定用通信装置20の自身の通信アドレスが保存されている。この通信アドレスは、設定用通信装置20のMACアドレスであってもよい。
【0049】
装置制御部25は、CPU、メモリおよびメモリに格納されたプログラムなどによって構成されている。
【0050】
装置制御部25は、機器端末30aの各種設定が行われる際に、情報端末10から送信された設定情報を受け取り、瞬時に、受け取った設定情報を機器端末30aに転送する。例えば、機器端末30aにアドレス設定が行われる際、装置制御部25は、情報端末10から受け取った管理アドレスを機器端末30aに送信する。
【0051】
具体的には、装置制御部25は、操作入力部27がユーザから所定の操作を受け付けた後、前述した受付信号を、第1通信部21を介して情報端末10に送信する。情報端末10は、受付信号を受信すると、メモリに記憶された設定情報を設定用通信装置20に送信する。そして装置制御部25は、第1通信部21を介して受信した設定情報を、第2通信部22を介して機器端末30aに送信する。
【0052】
なお、上記では装置制御部25が上記受付信号を情報端末10に送信する例を示したがそれに限られない。例えば、情報端末10が設定用通信装置20に対して第1通信方式を用いて定期的にチェックを行い、設定用通信装置20が所定の操作を受け付けたか否かを確認してもよい。
【0053】
すなわち、第2通信部22は、操作入力部27が所定の操作を受け付けた後であって、第1通信部21が情報端末10から送信された所定の情報を受信した場合に、機器端末30aと通信する。所定の情報とは、機器端末30aの通信設定または制御設定に関する設定情報である。この所定の情報は、操作入力部27が所定の操作を受け付けたことを第1通信部21が情報端末10に通知することで、情報端末10から第1通信部21に送信される。
【0054】
また、装置制御部25は、設定用通信装置20から管理アドレスを送信する際に、設定用通信装置20の通信アドレスを同時に送信する。それに対し、機器端末30aは、自身の通信アドレスを設定用通信装置20に返信する。これにより、設定用通信装置20および機器端末30aが相手の通信アドレスを互いに保有する状態となり、設定用通信装置20および機器端末30aが第3通信方式による通信c3で通信確立される。
【0055】
このように、第1実施例の設定用通信装置20は、情報端末10と第1通信方式で通信する第1通信部21と、設備システム5に含まれる機器端末30aと第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部22と、機器端末30aと第1通信方式および第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部23とを備えている。
【0056】
これによれば、設定用通信装置20は、情報端末10から第1通信方式にて受信した情報を、第2通信方式にて機器端末30aに送信することができる。また、設定用通信装置20は、第3通信方式にて機器端末30aと情報通信をすることができる。例えば、この設定用通信装置20によれば、情報端末10にて編集された通信設定および制御設定に関する設定情報を、第1通信方式にて受け取り、第2通信方式にて機器端末30aに送信することが可能となる。また、その後、第3通信方式にて上記設定情報を簡易に変更することが可能となる。これにより、機器端末30aに応じた設定を簡易に行うことができる。
【0057】
また、設定用通信装置20にて送受信される通信情報は、以下に示す特徴を有している。
【0058】
図5は、設定用通信装置20にて送受信される通信情報の構造を示す概念図である。
【0059】
図5には、第1通信方式にて送受信される通信情報ic1、第2通信方式にて送受信される通信情報ic2、第3通信方式にて送受信される通信情報ic3が示されている。この図に示されるように、各通信情報ic1、ic2、ic3に含まれる機器端末30aの制御コマンドは、共通性を有する。具体的には、第1通信方式の通信プロトコルに基づいて作成される機器端末30aの制御コマンドは、第2通信方式または第3通信方式のそれぞれの通信プロトコルに基づいて作成される機器端末30aの制御コマンドと同じコマンドを含んでいる。このように各通信情報ic1、ic2、ic3に含まれる機器端末30aの制御コマンドを共通化することで、異なる通信方式の間で行われるコマンドの変換プロセスを省略することができる。
【0060】
[3.第1実施例に係る情報端末の制御方法]
次に、機器端末30aに通信設定等が行われる際の情報端末10の制御方法について、図6を参照しながら説明する。
【0061】
図6は、第1実施例に係る情報端末10の制御方法を示すフローチャートである。
【0062】
まず、情報端末10は、設定用通信装置20と通信確立する(ステップS10)。具体的に情報端末10は、通信開始キー17a(図3の(b)参照)による操作を受け付けることで、設定用通信装置20と通信確立する。情報端末10は、設定用通信装置20と通信確立した状態にて、設定用通信装置20が所定の操作を受け付けたか否かを監視する。
【0063】
一方で、情報端末10は、機器端末30aに設定すべき設定情報を取得する(ステップS20)。この設定情報は、機器端末30aの通信設定または制御設定に関する設定情報である。これらの設定情報は、表示入力部17を用いて入力される。情報端末10には、例えば通信設定に関する設定情報として、図3の(a)に示すように、機器端末30aの管理アドレスが入力される。
【0064】
次に、情報端末10は、取得した設定情報を記憶する(ステップS30)。具体的には、情報端末10は、ステップS20にて取得した設定情報を制御部15のメモリに記憶する。
【0065】
次に、情報端末10は、設定用通信装置20と通信確立された状態にて、設定用通信装置20が所定の操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS40)。具体的に情報端末10は、前述した受付信号を受信したか否かによって、所定の操作を受け付けたか否かを判断する。設定用通信装置20が所定の操作を受け付けていない場合は(S40にてNo)、ステップS40に戻る。
【0066】
設定用通信装置20が所定の操作を受け付けた場合は(S40にてYes)、情報端末10に記憶した設定情報を設定用通信装置20に送信する(ステップS50)。具体的には、情報端末10は、アドレス設定に関する情報として、管理アドレスを設定用通信装置20に送信する。以降、ステップS10~S50が繰り返されることで、複数の機器端末に対する通信設定等が行われる。
【0067】
[4.第1実施例に係る通信システムの動作]
上記では、通信システム1が備える情報端末10の制御方法について説明したが、以下では、通信システム1の全体の動作について説明する。
【0068】
図7は、第1実施例に係る通信システム1の動作を示すシーケンス図である。図8は、情報端末10に表示される画像を示す図である。
【0069】
通信システム1は、情報端末10、設定用通信装置20および複数の機器端末30a、30bを備えている。情報端末10は、設定用通信装置20と通信確立し、設定用通信装置20が所定の操作を受け付けたか否かを監視する状態となっている。
【0070】
まず、情報端末10の表示入力部17に、図8の(a)に示すように、設定用通信装置20に対する操作入力を促す画面が表示される。実際にはユーザに促す画面として、設定用通信装置20を、通信設定等の設定対象である機器端末に向け、その後、設定用通信装置20の操作入力部27を押すように促す画面が表示される。この画面を見たユーザは、図1の(a)に示すように、情報端末10および設定用通信装置20を、設定対象である機器端末30aの下に移動させる。
【0071】
次に、設定用通信装置20の操作入力部27が押されると、操作入力部27が操作されたことを示す受付信号が情報端末10に送信される(通信c1)。情報端末10は、受付信号を受け付けると、機器端末30aに関する設定情報(例えば機器端末30aの管理アドレスおよびレイアウト情報)を設定用通信装置20に送信する(通信c1)。
【0072】
設定用通信装置20は、この設定情報を受け付けると、図8の(b)に示すように設定情報を機器端末30aに送信する(通信c2)。そして、機器端末30aは、受け付けた設定情報を機器制御部35のメモリに記憶する。また、機器端末30aは、設定情報を受け付けた場合、点滅等の動作を行うことで、設定情報を受け付けたことを外部に報知する。これにより、機器端末30aに対する管理アドレスの設定が終了する。
【0073】
次に、ユーザは、図1の(b)に示すように、情報端末10および設定用通信装置20を、次の設定対象である機器端末30bの下に移動させる。ユーザは、これらの操作を繰り返すことで、複数の機器端末30a、30bに通信設定等を行うことができる。
【0074】
なお、設定用通信装置20は、上記設定情報を機器端末30aに送信するときに、自身の通信アドレスを送信してもよい。例えば、設定用通信装置20が自身の通信用のアドレスを機器端末30aに送信し(通信c2)、また、機器端末30aが機器端末30aの通信アドレスを設定用通信装置20に返信することで(通信c3)、その後は、設定用通信装置20と機器端末30aとが第3通信方式による通信c3で互いに通信可能となる。
【0075】
また、設定用通信装置20は、設定情報を受け取ったことを示す受領情報を機器端末30aから受信し(通信c3)、その受領情報を情報端末10に送信してもよい(通信c1)。情報端末10は、表示入力部17に受領情報を表示することで、設定情報が機器端末30aに送信できたことを報知することができる。
【0076】
また、情報端末10に格納されるアプリケーションソフトは、設定情報を送信した後に管理アドレスを自動的にインクリメントする機能、例えば、次に通信設定する管理アドレスを「0001」から「0002」に自動で変更する機能を有していてもよい。これにより、管理アドレスの編集入力を省力化することができる。
【0077】
また、情報端末10は、設定情報を設定対象と異なる機器端末に設定した場合に、それを取り消すための機能を有していてもよい。図9に、間違った設定を取り消すための一例を示す。
【0078】
図9は、第1実施例に係る情報端末10に表示される画像の他の例を示す図である。ユーザは、図9の(a)に示すように「設定やり直し」キーを押した後、図9の(b)に示すように「取り消し」キーを押すことで、既に行った設定を取り消すことができる。
【0079】
[5.効果等]
本実施の形態に係る設定用通信装置20は、情報端末10と第1通信方式で通信する第1通信部21と、設備システム5に含まれる機器端末30aと第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部22と、機器端末30aと第1通信方式および第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部23とを備えている。
【0080】
これによれば、設定用通信装置20は、情報端末10から第1通信方式にて受信した情報を、第2通信方式にて機器端末30aに送信することができる。また、設定用通信装置20は、第3通信方式にて機器端末30aと情報通信をすることができる。例えば、この設定用通信装置20によれば、情報端末10にて編集された通信設定および制御設定に関する設定情報を、第1通信方式にて受け取り、第2通信方式にて機器端末30aに送信することが可能となる。また、その後、第3通信方式にて上記設定情報を簡易に変更することが可能となる。これにより、機器端末30aに応じた設定を簡易に行うことができる。
【0081】
また、第1通信部21は、無線を用いた第1通信方式で通信c1を行ってもよい。
【0082】
これによれば、情報端末10および設定用通信装置20を通信する際の利便性が向上する。これにより、機器端末30aに応じた設定を簡易に行うことができる。
【0083】
また、第1通信部21は、2.4GHz帯または5GHz帯の周波数を用いた第1通信方式で通信c1を行い、第2通信部22は、赤外線を用いた第2通信方式で通信c2を行い、第3通信部23は、920MHz帯の特定小電力無線を用いた第3通信方式で通信c3を行ってもよい。
【0084】
例えば、第1通信部21にて2.4GHz帯または5GHz帯の周波数を用いた通信c1を行うことで、情報端末10および設定用通信装置20の間で情報を交換する際の利便性を向上することができる。また、第2通信部22にて赤外線を用いた通信c2を行うことで、送信すべき情報を機器端末30aに的確に送信することができる。また、第3通信部23にて920MHz帯の特定小電力無線を用いることで、電力消費量を削減することができる。
【0085】
また、第2通信部22は、第2通信方式を用いて、機器端末30aの通信設定に関する設定情報の通信を機器端末30aと行ってもよい。
【0086】
このように設定用通信装置20の第2通信部22が第2通信方式の通信c2を行うことで、機器端末30aの通信設定を簡易に行うことができる。
【0087】
また、第3通信部23は、第3通信方式を用いて、機器端末30aの通信設定または制御設定に関する設定情報の通信を機器端末30aと行ってもよい。
【0088】
このように設定用通信装置20の第3通信部23が第3通信方式の通信c3を行うことで、機器端末30aの通信設定または制御設定を簡易に行うことができる。
【0089】
また、機器端末30aは、照明機器、照明コントローラ、空調機器、空調コントローラおよび人感センサの少なくとも1つであってもよい。
【0090】
これによれば、設定用通信装置20を用いて、照明機器、照明コントローラ、空調機器、空調コントローラおよび人感センサの各機器端末に応じた設定を簡易に行うことができる。
【0091】
また、設定用通信装置20は、さらに、所定の操作を受け付ける操作入力部27を備え、第2通信部22および第3通信部23の少なくとも一方は、操作入力部27が所定の操作を受け付けた後、機器端末30aと通信してもよい。
【0092】
これによれば、設定用通信装置20の所定の操作によって、機器端末30aに応じた設定を簡易に行うことができる。
【0093】
また、設定用通信装置20は、さらに、所定の操作を受け付ける操作入力部27を備え、第2通信部22および第3通信部23の少なくとも一方は、操作入力部27が所定の操作を受け付けた後、第1通信部21が情報端末10から送信された所定の情報を受信した場合に、機器端末30aと通信してもよい。
【0094】
これによれば、設定用通信装置20および情報端末10を用いて、機器端末30aに応じた設定を簡易に行うことができる。
【0095】
また、上記所定の情報は、操作入力部27が所定の操作を受け付けたことを第1通信部21が情報端末10に通知することで、情報端末10から第1通信部21に送信されてもよい。
【0096】
これによれば、設定用通信装置20および情報端末10を用いて、機器端末30aに応じた設定を確実に行うことができる。
【0097】
また、設定用通信装置20は、さらに、第1通信部21を介して情報端末10から取得した情報を記憶する記憶部26を備えていてもよい。
【0098】
これによれば、機器端末30aへ設定する設定情報を簡易に書き込んだり読み出したりすることができる。
【0099】
また、第1通信部21を介して取得した情報は、機器端末30aの通信設定または制御設定に関する設定情報を含んでいてもよい。
【0100】
これによれば、機器端末30aの通信設定または制御設定に関する設定情報を簡易に書き込んだり読み出したりすることができる。
【0101】
また、第1通信方式、第2通信方式および第3通信方式にて送受信されるそれぞれの通信情報ic1、ic2、ic3に含まれる機器端末の制御コマンドは、共通性を有していてもよい。
【0102】
これによれば、異なる通信方式の間で行われるコマンドの変換プロセスを省略することができ、機器端末30aの制御設定を簡易に行うことができる。
【0103】
また、第1通信方式の通信プロトコルに基づいて作成される機器端末30aの制御コマンドは、第2通信方式または第3通信方式のそれぞれの通信プロトコルに基づいて作成される機器端末30aの制御コマンドと同じコマンドを含んでいてもよい。
【0104】
これによれば、異なる通信方式の間で行われるコマンドの変換プロセスを省略することができ、機器端末30aの制御設定を簡易に行うことができる。
【0105】
本実施の形態に係る通信システム1は、上記設定用通信装置20と、機器端末30aと、情報端末10とを備える。
【0106】
これによれば、機器端末30aに応じた設定を簡易に行うことができる通信システム1を提供することができる。
【0107】
また、本実施の形態に係る情報端末10の制御方法は、上記設定用通信装置20と通信する情報端末10の制御方法であって、機器端末30aの通信設定または制御設定に関する設定情報を取得する取得ステップと、取得ステップにて取得した設定情報を記憶する記憶ステップとを含む。
【0108】
このように、情報端末10に上記設定情報が記憶されることで、機器端末30aから上記設定情報を読み出して編集することができる。
【0109】
また、情報端末10の制御方法は、さらに、記憶ステップにて記憶した設定情報を、第1通信方式を用いて設定用通信装置20に送信するステップを含んでいてもよい。
【0110】
このように、設定情報を設定用通信装置20に送信することで、設定用通信装置20を用いて、機器端末30aに応じた設定を簡易に行うことができる。
【0111】
また、本実施の形態に係るプログラムは、上記情報端末10の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを含む。
【0112】
このプログラムを用いて情報端末10の制御方法を実行することで、設定用通信装置20を用いて、機器端末30aに応じた設定を簡易に行うことができる。
【0113】
[6.第2実施例に係る通信システムの構成]
次に、実施の形態の第2実施例に係る通信システムの構成について、図10および図11を参照しながら説明する。第2実施例では、人感センサである機器端末30cに通信設定等を行う例について説明する。
【0114】
図10は、第2実施例に係る通信システム1が備える機器端末30a、30b、30c、設定用通信装置20および情報端末10を示す概略図である。図11は、通信システム1が備える機器端末30a~30c、設定用通信装置20および情報端末10を示すブロック構成図である。
【0115】
図10および図11に示すように、第2実施例の通信システム1は、情報端末10と、設定用通信装置20と、設備システム5とを備える。設備システム5は、複数の機器端末30a~30cと、管理装置40とを備える。
【0116】
管理装置40は、各機器端末30a~30cと有線によって接続されている。機器端末30cは、各機器端末30a、30bに無線通信c4で接続可能である。
【0117】
機器端末30cは、人を検出し、照明機器である機器端末30a、30bを調光制御する機能を有している。機器端末30cは、人を検知する入力部37と、機器制御部35と、機器通信部31とを備えている。入力部37および機器通信部31のそれぞれは、機器制御部35に接続されている。
【0118】
機器端末30cの機器通信部31は、設定用通信装置20から送信された通信設定または制御設定に関する設定情報を受信する。
【0119】
入力部37は、人を検出するための検出部である。入力部37は、例えば、画像センサ、赤外線センサまたは熱センサである。
【0120】
機器端末30cの機器制御部35は、入力部37に入力された情報に基づいて、機器端末30a、30bを制御する。また、上記機器制御部35は、機器通信部31にて受信した設定情報に基づいて、機器端末30cの通信設定等を行う。具体的に上記機器制御部35は、例えば、機器端末30cと、機器端末30a、30bとのペアリング設定が行われる際、設定用通信装置20から送信されたペアリング指示信号を取得する。これにより上記機器制御部35は、機器端末30cと機器端末30a~30cとのペアリング設定を開始する。
【0121】
情報端末10は、機器端末30a~30cの通信設定または制御設定に関する設定情報を編集する携帯端末である。情報端末10の制御部15は、機器端末30cの各種設定が行われる際に、通信部11および設定用通信装置20を介して機器端末30cに、通信設定または制御設定に関する設定情報を送信する。例えば、ペアリング設定が行われる際、情報端末10は、ペアリング指示信号を機器端末30cに送信する。
【0122】
設定用通信装置20は、情報端末10にて編集された設定情報を、機器端末30cに対応した通信方式を用いて機器端末30cに送信する設定器である。
【0123】
第1通信部21は、情報端末10と第1通信方式で通信c1を行うことが可能である。第2通信部22は、機器端末30cと第2通信方式で通信c2を行うことが可能である。第3通信部23は、機器端末30cと第3通信方式で通信c3を行うことが可能である。
【0124】
装置制御部25は、機器端末30cの各種設定が行われる際に、情報端末10から送信された設定情報を受け取り、瞬時に、受け取った設定情報を機器端末30cに転送する。例えば、機器端末30cにペアリング設定が行われる際、装置制御部25は、情報端末10から受け取ったペアリング指示信号を機器端末30cに送信する。
【0125】
具体的には、装置制御部25は、操作入力部27がユーザから所定の操作を受け付けた後、前述した受付信号を、第1通信部21を介して情報端末10に送信する。情報端末10は、受付信号を受信すると、メモリに記憶された設定情報を設定用通信装置20に送信する。そして装置制御部25は、第1通信部21を介して受信した設定情報を、第2通信部22を介して機器端末30cに送信する。
【0126】
次に、第2実施例の通信システム1の動作について説明する。
【0127】
図12は、第2実施例に係る通信システム1の動作を示すシーケンス図である。図13は、情報端末10に表示される画像を示す図である。
【0128】
通信システム1は、情報端末10、設定用通信装置20および複数の機器端末30a~30cを備えている。情報端末10は、設定用通信装置20と通信確立し、設定用通信装置20が所定の操作を受け付けたか否かを監視する状態となっている。
【0129】
まず、情報端末10の表示入力部17に、図13の(a)に示すように、設定用通信装置20に対する操作入力を促す画面が表示される。具体的にはユーザに促す画面として、設定用通信装置20を、通信設定等の設定対象である機器端末に向け、その後、設定用通信装置20の操作入力部27を押すように促す画面が表示される。この画面を見たユーザは、図12に示すように、情報端末10および設定用通信装置20を、設定対象である機器端末30cの下に移動させる。
【0130】
次に、設定用通信装置20の操作入力部27が押されると、操作入力部27が操作されたことを示す受付信号が情報端末10に送信される(通信c1)。情報端末10は、受付信号を受け付けると、機器端末30cに関する設定情報(例えばペアリング準備情報)を設定用通信装置20に送信する(通信c1)。
【0131】
設定用通信装置20は、この設定情報を受け付けると、設定情報を機器端末30cに送信する(通信c2)。そして、機器端末30cは、図13の(b)に示すように、受け付けた設定情報に基づいて機器端末30a、30bから通信アドレスを収集する(無線通信c4)。機器端末30a、30bは、通信アドレスを収集する指示を受け付けると、各自の通信アドレスを機器端末30cに返信する。機器端末30cは、返信された通信アドレスを設定用通信装置20に送信する(通信c3)。さらに設定用通信装置20は、受信した機器端末30a、30bの通信アドレスを情報端末10に転送する(通信c1)。これにより、図13の(c)に示すように、情報端末10の画面に、機器端末30cと通信可能な機器端末が表示される。
【0132】
この画面にてユーザは、機器端末30cとペアリングさせるべき機器端末を選択する。機器端末を選択すると、情報端末10の表示入力部17に、設定用通信装置20に対する操作入力を促す画面が再び表示される。ここで設定用通信装置20の操作入力部27が押されると、操作入力部27が操作されたことを示す受付信号が情報端末10に送信される(通信c1)。情報端末10は、受付信号を受け付けると、機器端末30cに関する設定情報(例えばペアリング指示情報)を設定用通信装置20に送信する(通信c1)。設定用通信装置20は、この設定情報を受け付けると、設定情報を機器端末30cに送信する(通信c2)。
【0133】
そして、機器端末30cは、図13の(e)に示すように、受け付けた設定情報に基づいて機器端末30a、30bとのペアリングを実行する(無線通信c4)。ペアリングが終了すると、機器端末30cは、ペアリングが終了したことを通知する終了信号を設定用通信装置20に送信し(通信c3)、設定用通信装置20は、受信した終了信号を情報端末10に転送する(通信c1)。これにより、図13の(f)に示すように、情報端末10に、ペアリング設定が終了したことが表示される。
【0134】
このように、実施例2の設定用通信装置20は、情報端末10と第1通信方式で通信する第1通信部21と、設備システム5に含まれる機器端末30cと第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部22と、機器端末30cと第1通信方式および第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部23とを備えている。
【0135】
例えば、この設定用通信装置20によれば、情報端末10にて編集された通信設定および制御設定に関する設定情報を、第1通信方式にて受け取り、第2通信方式にて機器端末30cに送信することが可能となる。また、その後において、第3通信方式にて上記設定情報を簡易に変更することが可能となる。これにより、機器端末30cに応じた設定を簡易に行うことができる。
【0136】
[7.第3実施例に係る通信システムの構成]
次に、実施の形態の第3実施例に係る通信システムの概略構成について、図14および図15を参照しながら説明する。第3実施例では、第2実施例で示した機器端末30cの代わりに、機器端末30dに制御設定等を行う例について説明する。機器端末30dは、例えば壁スイッチである。
【0137】
図14は、第3実施例に係る通信システム1が備える機器端末30a、30b、30d、設定用通信装置20および情報端末10を示す概略図である。図15は、通信システム1が備える機器端末30a、30b、30d、設定用通信装置20および情報端末10を示すブロック構成図である。
【0138】
図14および図15に示すように、第3実施例の通信システム1は、情報端末10と、設定用通信装置20と、設備システム5とを備える。設備システム5は、複数の機器端末30a、30b、30dと、管理装置40とを備える。
【0139】
管理装置40は、各機器端末30a、30b、30dと有線によって接続されている。機器端末30dは、各機器端末30a、30bと有線で接続されている。また、機器端末30dは、設定用通信装置20と2線式の有線で接続されている。
【0140】
機器端末30dは、機器端末30a、30bの電源をオンオフするスイッチである。機器端末30dは、電源のオンオフを切り替える入力部37と、機器制御部35と、機器通信部31とを備えている。入力部37および機器通信部31のそれぞれは、機器制御部35に接続されている。
【0141】
機器端末30dの機器通信部31は、設定用通信装置20から送信された制御設定等に関する設定情報を受信する。入力部37は、例えば、スナップスイッチまたは切り替えボタンである。機器端末30dの機器制御部35は、入力部37に入力された情報に基づいて、機器端末30a、30bを制御する。また、上記機器制御部35は、機器通信部31にて受信した設定情報に基づいて機器端末30dの制御設定等を行う。
【0142】
情報端末10は、機器端末30a、30b、30dの制御設定に関する設定情報を編集する携帯端末である。情報端末10の制御部15は、機器端末30dの各種設定が行われる際に、通信部11および設定用通信装置20を介して機器端末30dに制御設定等に関する設定情報を送信する。
【0143】
設定用通信装置20は、情報端末10にて編集された設定情報を、機器端末30dに対応した通信方式を用いて機器端末30dに送信する設定器である。
【0144】
第1通信部21は、情報端末10と第1通信方式で通信c1を行うことが可能である。第2通信部22は、赤外線送信部22aおよび赤外線受信部22bを有し、機器端末30dと第2通信方式で通信c2を行うことが可能である。第3通信部23は、無線通信部23aおよび有線通信部23bを有し、機器端末30cと第3通信方式で通信c3を行うことが可能である。第3実施例の第3通信部23は、無線および有線の両方のモジュールを有している。
【0145】
装置制御部25は、機器端末30dの各種設定が行われる際に、情報端末10から送信された設定情報を受け取り、瞬時に、受け取った設定情報を機器端末30dに転送する。例えば、機器端末30dに制御設定が行われる際、装置制御部25は、情報端末10から受け取った制御設定信号を機器端末30dに送信する。
【0146】
具体的には、装置制御部25は、操作入力部27がユーザから所定の操作を受け付けた後、前述した受付信号を、第1通信部21を介して情報端末10に送信する。情報端末10は、受付信号を受信すると、メモリに記憶された設定情報を設定用通信装置20に送信する。そして装置制御部25は、第1通信部21を介して受信した設定情報を、第2通信部22を介して機器端末30dに送信する。
【0147】
このように、実施例3の設定用通信装置20は、情報端末10と第1通信方式で通信する第1通信部21と、設備システム5に含まれる機器端末30dと第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する第2通信部22と、機器端末30dと第1通信方式および第2通信方式のいずれとも異なる第3通信方式で通信する第3通信部23とを備えている。
【0148】
例えば、この設定用通信装置20によれば、情報端末10にて編集された通信設定および制御設定に関する設定情報を、第1通信方式にて受け取り、第2通信方式にて機器端末30cに送信することが可能となる。また、その後において、第3通信方式(有線)にて上記設定情報を簡易に変更することが可能となる。これにより、機器端末30dに応じた設定を簡易に行うことができる。
【0149】
また、第1通信部21は、2.4GHz帯または5GHz帯の周波数を用いた第1通信方式で通信を行い、第2通信部22は、赤外線を用いた第2通信方式で通信を行い、第3通信部23は、有線を用いた第3通信方式で通信を行ってもよい。
【0150】
例えば、第1通信部21にて2.4GHz帯または5GHz帯の周波数を用いた通信c1を行うことで、情報端末10および設定用通信装置20の間で情報を交換する際の利便性を向上することができる。また、第2通信部22にて赤外線を用いた通信c2を行うことで、送信すべき情報を機器端末30dに的確に送信することができる。また、第3通信部23にて有線通信を行うことで、ノイズの影響を受けにくくなり、送信すべき情報を機器端末30dに的確に送信することができる。
【0151】
(情報端末に表示される画像の例)
次に、情報端末10に表示される画像の例について、図16図24を用いながら説明する。なお、図16図24では、設定用通信装置20を設定器として、情報端末10をスマートフォンとして、機器端末30cを調光センサとして、機器端末30a、30bを照明器具として表記している。
【0152】
まず、情報端末(スマートフォン)10と設定用通信装置(設定器)20との通信確立を行う場面について説明する。
【0153】
図16は、情報端末10に表示される画像の一例を示す図である。図16は、図8の画像が表示される前に、情報端末10に表示される画像である。なお、図16の(c)に示すホーム画面は、図8の画像の後にも表示され得る。
【0154】
スマートフォンのアプリケーションソフトが起動されると、通信I/F(インターフェース)である設定器の電源を確認し、電源が入っていない場合は電源を入れることをユーザに促す画像が表示される。設定器の電源が入っている状態で、スマートフォンにて「接続設定を開始する」を選択する入力を受け付けると、スマートフォンの通信c1(例えばBluetooth(登録商標))がオンになっているか否かをユーザに確認させる画像が表示される。スマートフォンの通信c1がオンになっている状態で、所定の操作を受け付けると、図16の(a)に示すように、設定器の番号(またはアドレス、名称)が表示される。そして、スマートフォンに表示された設定器の番号の中から、スマートフォンに接続すべき設定器を選択する。これにより、スマートフォンと設定器とが第1通信方式により通信確立する。
【0155】
スマートフォンと設定器との通信が確立されると、図16の(b)に示すように、スマートフォンに「データ保存・管理」という画像が表示される。ここで「データを新規作成」を選択する入力を受け付けると、図16の(c)に示すホーム画面が表示される。また、図16(b)で「直前のデータを使用」を選択する入力を受け付けると、直前に使用した設定データを適用した後に、図16の(c)に示すホーム画面が表示される。また、図16(b)で「スマートフォン本体から」や「設定器から」を選択する入力を受け付けると、スマートフォン本体や設定器に保存された設定データを選択させる画面を表示させ、選択された設定データを適用した後に、図16の(c)に示すホーム画面が表示される。なお、保存されている設定データが1つしかない場合には、設定データを選択させる画面を省略してもよい。
【0156】
次に、ホーム画面から設定用通信装置(設定器)20に関する情報を示す場面について説明する。
【0157】
図17は、情報端末10に表示される画像の一例を示す図である。図18は、図17の情報端末10の画面に表示されるマークを示す図である。図17および図18は、図8の画像が表示される前に、情報端末10に表示される画像である。なお、図17および図18に示すホーム画面は、図8の画像の後にも表示され得る。
【0158】
スマートフォンと設定器とが通信確立されている場合において、図17の(a)に示す「設定器との接続状態:接続済」を選択する入力を受け付けると、スマートフォンの画面には、設定器の電池残量およびアプリケーションソフトのソフトウェアバージョンに関する情報が表示される。これにより、ユーザは設定器の電池残量およびソフトウェアバージョンに関する情報を知ることができる。また、スマートフォンと設定器とが接続中であるときは、図18に示すように「設定器との接続状態:接続済」の文字の横に、電池残量を示すマークが表示されるので、ユーザはこのマークによっても設定器の電池残量に関する情報を知ることができる。なお、ユーザが設定器の置かれている場所を把握していない場合は、例えば、設定器の画面にて「設定器を探す」を選択する入力を受け付けると、設定器から「ピピー」という電子音が複数回鳴動される。これにより、ユーザは設定器の置かれている場所を知ることができる。
【0159】
スマートフォンと設定器とが通信確立されていない場合において、図17の(b)に示す「設定器との接続状態:未接続」を選択する入力を受け付けると、スマートフォンの画面に「接続」アイコンが表示される。画面上の「接続」アイコンが押圧されると、再度、スマートフォンと設定器との接続が試行される。
【0160】
次に、ホーム画面からデータの保存および機器端末の保守を行う場面について説明する。
【0161】
図19および図20は、情報端末10に表示される画像の一例を示す図である。図19および図20は、図8の画像が表示される前に、情報端末10に表示される画像である。なお、図19の(a)に示すホーム画面は、図8の画像の後にも表示され得る。
【0162】
スマートフォンにて図19の(a)に示す「データ保存・管理」を選択する入力を受け付けると、図19の(b)に示すように「データ保存・管理」の画面に移行する。この画面にて「設定器から」を選択する入力を受け付けると、設定器からデータを読み出すメニューへ移行し、「設定器へ」を選択する入力を受け付けると、設定器へデータを保存するメニューへ移行する。
【0163】
一方、スマートフォンにて図19の(a)に示す「保守」を選択する入力を受け付けると、スマートフォンの画面には、図19の(c)に示すように照明器具等の保守を行うための画面が表示される。例えばこの画面上において「器具動作確認」を選択する入力を受け付けると、照明器具の明るさを変えることができるスライドバーが表示される。ユーザは、スライダーバーを使って照明器具の動作確認を行うことができる。
【0164】
また図19の(c)において、「器具初期化」を選択する入力を受け付けると、照明器具の設定を工場出荷時に戻すための画面が表示される。「無線出力停止」を選択する入力を受け付けると、調光センサの無線出力を一時的に停止するための画面が表示される。「調光センサデータ復旧」を選択する入力を受け付けると、調光センサの設定データを保存状態に復旧するための画面が表示される。「設定モード解除」を選択する入力を受け付けると、調光センサの設定モードを解除するための画面が表示される。「無線ペアリング強制消去」を選択する入力を受け付けると、無線ペアリングを強制消去するための画面が表示される。
【0165】
また、図19の(c)および図20の(a)に示す保守画面にて「機器番号チェック」を選択する入力を受け付けると、図20の(b)に示すように、調光センサ番号および調光回路番号の状態を確認するための画面が表示される。図20の(b)にて「空きチェック」を選択する入力を受け付けると、図20の(c)に示すように、調光センサ番号および調光回路番号のそれぞれについて、未使用の番号の数および未使用番号が表示される。図20の(b)にて「重複チェック」を選択する入力を受け付けると、図20の(d)に示すように、重複している調光回路の数、重複している調光回路の番号、および、その調光回路に含まれる調光センサ番号が表示される。
【0166】
次に、機器端末30c(調光センサ)の通信設定を行う場面について説明する。
【0167】
図21および図22は、情報端末10に表示される画像の一例を示す図である。なお、図21は、図8の画像が表示される前に、情報端末10に表示される画像である。なお、図21の(a)に示すホーム画面は、図8の画像の後にも表示され得る。
【0168】
スマートフォンにて、図21の(a)に示す「調光センサ設定」を選択する入力を受け付けると、スマートフォンには、図21の(b)に示すように、設定器の「通信」ボタン(操作入力部)の操作入力を促す画像が表示される。「通信」ボタンが押圧されると、設定器は、赤外線を用いた通信c2により調光センサと通信する。「通信」ボタンは、例えば操作入力部27である。
【0169】
スマートフォンの画面には、図21の(c)に示すように、調光センサと照明器具との通信c4に使用される周波数が表示される。スマートフォンにて「OK」を選択する入力を受け付けると、図21の(d)に示す画面が表示される。図21の(d)の画面中の「無線ペアリング設定」を選択する入力を受け付けると、図21の(e)に示す調光回路IDの選択に入る。この画面にて例えば「調光回路ID 1」を選択する入力を受け付けると、図21の(f)に示すように、「調光回路ID 1」に対応する照明器具の設定を変更する画像が表示される。
【0170】
ここで図22の(a)に示すように「調光回路ID変更」を選択する入力を受け付けると、図22の(b)に示すように、複数の照明器具の識別番号が行列状に並ぶ画像が表示される。この画面上にて「調光回路ID 1」に対応する照明器具が選択され、「登録する」を選択する入力を受け付けると、「調光回路ID 1」に対応する照明器具が登録される。
【0171】
一方、図22の(a)に示す「追加」を選択する入力を受け付けると、図22の(c)に示すペアリングの設定画面に入る。この設定画面にて「確実設定(赤外あり)」を選択する入力を受け付けると、スマートフォンには、図22の(d)に示すように、設定器の「通信」ボタンの操作入力を促す画像が表示される。「通信」ボタンが押圧されると、設定器は、赤外線を用いた通信c2により照明器具と通信する。
【0172】
ペアリングすべき複数の照明器具に対してこれらの操作を順次行い、操作が全て終了すると、図22の(d)に示す「終了」というアイコンが表示され、「終了」を選択する入力を受け付けると、図22の(e)に示すように「調光回路ID 1」に対応する照明器具の識別番号が表示される。そしてスマートフォンにて「ペアリング実行」を選択する入力を受け付けると、調光センサと照明器具とのペアリングが実行される。
【0173】
次に、照明器具を調光制御するための制御アドレス設定を行う場面について説明する。例えば、照明器具の調光制御を有線通信のシステムで行う場合は、調光センサおよび照明器具のペアリング設定を行うとともに、有線通信における制御アドレス設定を行う必要がある。なお、有線通信は、例えば多重伝送方式による照明器具等の負荷の制御形態であって、2つの信号線を用いてアドレスの送受信を行いながら負荷を制御する形態等を用いることができる。
【0174】
図23は、情報端末10に表示される画像の一例を示す図である。
【0175】
図23の(a)に示すように、スマートフォンにて「制御アドレス設定」を選択する入力を受け付けると、図23の(b)に示すように、制御アドレスの設定を行うための画面が表示される。制御アドレスの設定を行うべき系統1の「調光制御」のスライドバーがオンに切り替えられると、図23の(c)に示すように、系統1の制御アドレスの書き込み画面が表示される。ここで、図23の(d)に示すように「00-2」という制御アドレスが書き込まれ、「設定」を選択する入力を受け付けると、系統1の制御アドレスの設定入力が終了する。なおその際、他の調光回路またはターミナルユニットと重複しない制御アドレスを書き込む必要がある。次に、図23の(e)に示す「設定内容を送信」を選択する入力を受け付けると、スマートフォンにて設定入力された制御アドレスが、照明器具および管理装置40に設定される。
【0176】
次に、機器端末(照明器具)30aの照度制御設定を行う場面について説明する。
【0177】
図24は、情報端末10に表示される画像の一例を示す図である。
【0178】
まず、図24の(a)に示すように「照度制御設定」を選択する入力を受け付けると、スマートフォンは、図24の(b)に示すように調光センサとペアリングしている照明器具の情報を取得する。そして、図24の(c)に示すように「点灯開始」を選択する入力を受け付けると、調光センサとペアリングしている照明器具が点灯する。図24の(d)には、照明器具が何ルクスで点灯しているかが表示されている。そして「OK」を選択する入力を受け付けると、図24の(e)に示すように照度を調整するための画面が表示される。この画面上で、目標とする照度、および、上限下限の調光率を調整入力することが可能である。図24の(e)に示すように「設定内容を送信」を選択する入力を受け付けると、スマートフォンにて設定入力したこれらの照度制御設定が、照明器具および管理装置40に設定される。
【0179】
(その他の形態)
以上、設定用通信装置、通信システム、情報端末の制御方法およびプログラムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0180】
本実施の形態の第2通信方式は、赤外線通信に限られず、レーザ光またはNFC(Near Field Communication)など1対1で対応をとることが可能な通信方式であってもよい。
【0181】
また、設定用通信装置は、図25および図26に示す外観を有していてもよい。
【0182】
また、上記実施の形態のフローチャートで説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
【0183】
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0184】
また、制御部などの構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、制御部などの構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0185】
また、本開示の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0186】
例えば、本開示は、上記実施の形態の情報端末が行う処理をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。このようなプログラムには、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯端末にインストールされるアプリケーションプログラムが含まれる。また、本開示は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【符号の説明】
【0187】
1 通信システム
5 設備システム
10 情報端末
20 設定用通信装置
21 第1通信部
22 第2通信部
23 第3通信部
26 記憶部
27 操作入力部
30a、30b、30c、30d 機器端末
c1 第1通信方式の通信
c2 第2通信方式の通信
c3 第3通信方式の通信
c4 無線通信
ic1、ic2、ic3 通信情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図25
図26