(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】記録装置および記録方法
(51)【国際特許分類】
G11B 20/10 20060101AFI20230707BHJP
G11B 27/00 20060101ALI20230707BHJP
H04N 5/775 20060101ALI20230707BHJP
H04N 19/156 20140101ALI20230707BHJP
H04N 19/136 20140101ALI20230707BHJP
【FI】
G11B20/10 311
G11B27/00 D
H04N5/775
H04N19/156
H04N19/136
(21)【出願番号】P 2020524417
(86)(22)【出願日】2019-09-13
(86)【国際出願番号】 JP2019036000
(87)【国際公開番号】W WO2020059644
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】P 2018176327
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中谷 徳夫
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-174623(JP,A)
【文献】特開2002-007074(JP,A)
【文献】特開2002-057948(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0304758(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0318323(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 20/10 - 20/16
G11B 27/00 - 27/06
H04N 5/76 - 5/956
H04N 19/00 - 19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化ストリームを記録媒体に記録する記録装置であって、
前記符号化ストリームを取得する取得部と、
取得された前記符号化ストリームをデコードするデコーダと、
取得された前記符号化ストリームが前記デコーダによりデコードできない符号化ストリームである場合に前記符号化ストリームを前記記録媒体に記録する第一制御、または、取得された前記符号化ストリームが前記デコーダによりデコードできない符号化ストリームである場合に前記符号化ストリームを記録しない第二制御、を予め定められた設定に応じて選択的に行う制御部と、を備え
、
前記制御部は、前記符号化ストリームをデコードする処理に要求される処理速度に関する要求処理能力が前記デコーダの処理能力を超えている場合に、前記符号化ストリームを前記デコーダがデコードできないと判定する
記録装置。
【請求項2】
前記符号化ストリームは、映像ストリームを含み、
前記要求処理能力は、解像度が所定の解像度以上である前記映像ストリームをデコードする処理に要求される処理能力である
請求項
1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記予め定められた設定が前記第二制御を行うことを示す場合において、前記映像ストリームが、前記所定の解像度以上である第一映像ストリーム、および、前記所定の解像度未満である第二映像ストリームを含む場合、前記第一映像ストリームを記録せず、前記第二映像ストリームを前記記録媒体に記録する
請求項
2に記載の記録装置。
【請求項4】
さらに、
前記予め定められた設定を記憶しているメモリと、
ユーザの入力を受け付ける受付部と、
前記入力に応じて前記メモリが記憶している前記予め定められた設定を、前記第一制御を行うことを示す第一設定、または、前記第二制御を行うことを示す第二設定に更新する更新部と、を備え、
前記制御部は、前記取得部が前記符号化ストリームを取得したときにおいて前記メモリに記憶されている前記予め定められた設定に応じて、前記第一制御または前記第二制御を選択的に行う
請求項1から
3のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項5】
さらに、前記記録媒体に記録された1以上の前記符号化ストリームの一覧を生成し、前記一覧を表示装置に出力する出力部を備え、
前記一覧では、前記デコーダがデコードできない特定の符号化ストリームを示す第一表示の表示態様は、他の符号化ストリームを示す第二表示の表示態様と異なり、前記特定の符号化ストリームが前記記録装置で再生できないことを示す
請求項1から
4のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項6】
符号化ストリームをデコードするデコーダを備え、かつ、符号化ストリームを記録媒体に記録する記録装置が行う記録方法であって、
前記符号化ストリームを取得し、
取得した前記符号化ストリームが前記デコーダによりデコードできない符号化ストリームである場合に前記符号化ストリームを前記記録媒体に記録する第一制御、または、取得された前記符号化ストリームが前記デコーダによりデコードできない符号化ストリームである場合に前記符号化ストリームを記録しない第二制御、を予め定められた設定に応じて選択的に行
い、
前記符号化ストリームをデコードする処理に要求される処理速度に関する要求処理能力が前記デコーダの処理能力を超えている場合に、前記符号化ストリームを前記デコーダがデコードできないと判定する
記録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、記録装置および記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、入力されるビデオデータのコピープロテクト信号がコピー許可からコピー禁止に変化したことを検出し、変化が検出された時、ビデオデータの記録を停止するビデオデータ記録装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、記録装置のデコーダがデコードできないビデオデータのような符号化ストリームが、記録装置に入力されることが想定されていない。このため、入力された符号化ストリームが、記録装置のデコーダにおいてデコードできない符号化ストリームである場合に、当該符号化ストリームを記録するか、または、記録しないかを適切に選択することができない。
【0005】
本開示は、デコードできない符号化ストリームを記録媒体に記録する、または、記録しないを適切に選択することができる記録装置および記録方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における記録装置は、符号化ストリームを記録媒体に記録する記録装置であって、前記符号化ストリームを取得する取得部と、取得された前記符号化ストリームをデコードするデコーダと、取得された前記符号化ストリームが前記デコーダによりデコードできない符号化ストリームである場合に前記符号化ストリームを前記記録媒体に記録する第一制御、または、取得された前記符号化ストリームが前記デコーダによりデコードできない符号化ストリームである場合に前記符号化ストリームを記録しない第二制御、を予め定められた設定に応じて選択的に行う制御部と、を備える。
【0007】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示における記録装置および記録方法は、デコードできない符号化ストリームを記録媒体に記録する、または、記録しないを適切に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る映像システムの概略を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る記録装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る記録装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、4Kおよび8Kの映像ストリームが混在している映像ストリームを録画する場合の制御について説明するための図である。
【
図5】
図5は、記録装置における設定を変更するためのGUIの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、録画一覧を含むGUIの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る記録装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示における記録装置は、符号化ストリームを記録媒体に記録する記録装置であって、前記符号化ストリームを取得する取得部と、取得された前記符号化ストリームをデコードするデコーダと、取得された前記符号化ストリームが前記デコーダによりデコードできない符号化ストリームである場合に前記符号化ストリームを前記記録媒体に記録する第一制御、または、取得された前記符号化ストリームが前記デコーダによりデコードできない符号化ストリームである場合に前記符号化ストリームを記録しない第二制御、を予め定められた設定に応じて選択的に行う制御部と、を備える。
【0011】
これによれば、デコーダがデコードできない符号化ストリームであっても記録することが設定により定められている場合には第一制御が行われ、当該符号化ストリームを記録しないことが設定により定められている場合には第二制御が行われる。このため、デコーダによりデコードできない符号化ストリームを記録媒体に記録するか、または、デコーダによりデコードできない符号化ストリームを記録しないかを、適切に選択することができる。
【0012】
例えばユーザが別の機器で再生するためにデコーダによりデコードできない符号化ストリームを記録する設定をしている場合には当該符号化ストリームを記録媒体に記録しておくことができ、ユーザがデコーダによりデコードできない符号化ストリームを記録しない設定をしている場合には記録装置では再生できない符号化ストリームを記録しないことができるため記録媒体の記録容量を節約することができる。
【0013】
また、前記制御部は、前記符号化ストリームをデコードする処理に要求される処理速度に関する要求処理能力が前記デコーダの処理能力を超えている場合に、前記符号化ストリームを前記デコーダがデコードできないと判定してもよい。
【0014】
このため、取得された符号化ストリームがデコーダの処理速度よりも速い処理速度でデコードすることを要求する符号化ストリームである場合に、当該符号化ストリームに対して第一制御を行うか、当該符号化ストリームに対して第二制御を行うかを、予め定められた設定に応じて、適切に選択することができる。
【0015】
また、前記符号化ストリームは、映像ストリームを含み、前記要求処理能力は、解像度が所定の解像度以上である前記映像ストリームをデコードする処理に要求される処理能力であってもよい。
【0016】
これによれば、デコーダがデコードできない符号化ストリームの判定を、符号化ストリームに含まれる映像ストリームの解像度を用いて行うため、当該判定を容易に行うことができる。
【0017】
また、前記制御部は、前記予め定められた設定が前記第二制御を行うことを示す場合において、前記映像ストリームが、前記所定の解像度以上である第一映像ストリーム、および、前記所定の解像度未満である第二映像ストリームを含む場合、前記第一映像ストリームを記録せず、前記第二映像ストリームを前記記録媒体に記録してもよい。
【0018】
このため、第一映像ストリームおよび第二映像ストリームが混在する映像ストリームが取得された場合において第二制御が行われる場合、第一映像ストリームおよび第二映像ストリームのうち第二映像ストリームのみを記録媒体に記録することができる。
【0019】
また、さらに、前記予め定められた設定を記憶しているメモリと、ユーザの入力を受け付ける受付部と、前記入力に応じて前記メモリが記憶している前記予め定められた設定を、前記第一制御を行うことを示す第一設定、または、前記第二制御を行うことを示す第二設定に更新する更新部と、を備え、前記制御部は、前記取得部が前記符号化ストリームを取得したときにおいて前記メモリに記憶されている前記予め定められた設定に応じて、前記第一制御または前記第二制御を選択的に行ってもよい。
【0020】
このため、ユーザにより選択された設定に応じて、第一制御または第二制御を選択的に行うことができるため、第一制御を行うか、第二制御を行うかを適切に選択することができる。
【0021】
また、さらに、前記記録媒体に記録された1以上の前記符号化ストリームの一覧を生成し、前記一覧を表示装置に出力する出力部を備え、前記一覧では、前記デコーダがデコードできない特定の符号化ストリームを示す第一表示の表示態様は、他の符号化ストリームを示す第二表示の表示態様と異なり、前記特定の符号化ストリームが前記記録装置で再生できないことを示してもよい。
【0022】
これによれば、デコーダがデコードできない場合であっても、記録媒体に記録された特定の符号化ストリームを示す第一表示の表示態様を再生できないことを示す表示態様で表示する。このため、ユーザは、一覧において当該記録装置が再生できない符号化ストリームを容易に判別することができる。
【0023】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0024】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0025】
(実施の形態)
以下、
図1~
図7を用いて、実施の形態を説明する。
【0026】
[1.構成]
図1は、実施の形態に係る映像システムの概略を示す図である。
【0027】
図1に示すように、映像システム1は、放送波を受信するアンテナ200と、アンテナ200により受信された放送波から得られた符号化ストリームを記録する記録装置100と、記録装置100から出力された映像を表示する表示装置300とを備える。符号化ストリームには、例えば、映像ストリームおよび音声ストリームが含まれている。
【0028】
アンテナ200は、例えば、高度BS/CSデジタル放送における放送波を受信するためのアンテナである。なお、アンテナ200は、上記の放送に限らずに、地上デジタル放送における放送波を受信するアンテナであってもよい。
【0029】
記録装置100は、リアルタイムに得られた符号化ストリームを記録媒体に記録する装置である。記録媒体は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)であってもよいし、SSD(Solid Stated Drive)などの不揮発性メモリであってもよいし、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクであってもよい。また、記録装置100は、符号化ストリームを映像信号にデコードし、得られた映像信号を表示装置300に出力してもよい。記録装置100は、放送波から得られた符号化ストリームをデコードしてもよいし、記録媒体に記録されている符号化ストリームをデコードしてもよい。記録装置100は、例えば、BDレコーダ、DVDレコーダ、HDDレコーダなどである。
【0030】
表示装置300は、記録装置100から出力された映像信号により示される映像を表示する。表示装置300は、例えば、TV(Television)、ディスプレイなどである。
【0031】
図2は、実施の形態に係る記録装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0032】
図2に示すように、記録装置100は、チューナ101と、制御回路102と、メインメモリ103と、記憶装置104と、光ディスクドライブ105と、入力IF106と、出力IF107とを備える。
【0033】
チューナ101は、アンテナ200により受信したデジタル放送の放送波(符号化ストリーム)を制御回路102に出力する。
【0034】
制御回路102は、符号化ストリームに対して所定の処理を実行する処理回路である。制御回路102は、記録装置100の機能を実現するための処理回路である。制御回路102は、所定の制御プログラムを実行するCPUなどの汎用のプロセッサにより実現されていてもよいし、専用回路により実現されていてもよい。つまり、記録装置100の機能は、ソフトウェアにより実現されていてもよいし、ハードウェアにより実現されていてもよい。
【0035】
メインメモリ103は、制御回路102がプログラムを実行するときに使用するワークエリアとして用いられる揮発性の記憶領域である。メインメモリ103は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。なお、メインメモリ103は、制御回路102に含まれていてもよい。
【0036】
記憶装置104は、所定の制御プログラムを記憶している。また、記憶装置104は、符号化ストリームを記録するための記録媒体であってもよい。所定の制御プログラムを記憶している記憶領域と、符号化ストリームを記録するための記憶領域とは、互いに異なる領域である。記憶装置104は、複数の記録媒体を有していてもよい。
【0037】
光ディスクドライブ105は、光ディスクから符号化ストリームなどの情報を読み出す、または、光ディスクに符号化ストリームなどの情報を書き出す機器である。
【0038】
入力IF106は、人からの入力を受け付けるためのインタフェースである。入力IF106は、例えば、リモコンからの赤外線などの無線通信による入力を受け付けるインタフェースである。また、入力IF106は、上記に限らずに、マウス、タッチパッド、タッチパネル、トラックボールなどのポインティングデバイスであってもよいし、キーボードであってもよい。また、入力IF106は、無線通信に限らずに、有線通信によりユーザからの入力を受け付けるインタフェースであってもよい。
【0039】
出力IF107は、表示装置300に映像信号を出力するためのインタフェースである。出力IF107は、例えば、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)である。
【0040】
図3は、実施の形態に係る記録装置の機能構成の一例を示す図である。
【0041】
図3に示すように、記録装置100は、機能構成として、取得部110と、制御部120と、記録部130と、メモリ140と、デコーダ150と、出力部160と、受付部170と、更新部180とを備える。
【0042】
取得部110は、符号化ストリームを取得する。取得部110は、例えば、放送波から符号化ストリームを取得してもよい。取得部110は、例えば、チューナ101、制御回路102、メインメモリ103、記憶装置104などにより実現される。
【0043】
制御部120は、取得部110に取得された符号化ストリームがデコーダ150によりデコードできない符号化ストリームである場合に記録部130を用いて符号化ストリームを記録媒体131に記録する第一制御、または、取得された符号化ストリームがデコーダ150によりデコードできない符号化ストリームである場合に符号化ストリームを記録しない第二制御、を予め定められた設定に応じて選択的に行う。
【0044】
制御部120は、予め定められた設定を、例えば、メモリ140から読み出すことで取得する。つまり、制御部120は、取得部110が符号化ストリームを取得したときにおいてメモリ140に記憶されている予め定められた設定に応じて、第一制御または第二制御を選択的に行う。
【0045】
制御部120は、デコーダ150がデコードできる符号化ストリームであるか否かの判定を、符号化ストリームをデコードする処理に要求される処理速度に関する要求処理能力に応じて行う。制御部120は、要求処理能力がデコーダ150の処理能力を超えている場合に、符号化ストリームをデコーダ150がデコードできないと判定する。要求処理能力は、例えば、解像度が所定の解像度(例えば8K)以上である映像ストリームをデコードする処理に要求される処理能力である。つまり、制御部120は、例えば、符号化ストリームに含まれる映像ストリームの解像度が所定の解像度以上である場合、デコーダ150が当該映像ストリームを含む符号化ストリームをデコードできないと判定する。
【0046】
制御部120は、符号化ストリームの映像ストリームを解析することで、当該映像ストリームの解像度を検出し、検出した解像度に基づいてデコーダ150がデコードできる符号化ストリームであるか否かを判定する。制御部120は、映像ストリームを構成するパケットのペイロードに含まれるIピクチャまたはIRAP(Intra Random Access Point)を解析して映像ストリームの解像度を検出してもよいし、映像ストリームを構成するパケットのヘッダを参照することで解像度を検出してもよい。もしくは、制御部120は、制御情報であるMMT-SIなどに含まれる解像度情報から解像度を検出してもよい。解像度情報は、例えば、映像コンポーネントディスクリプタなどに記載されている。
【0047】
制御部120は、予め定められた設定が第二制御を行うことを示す場合において、映像ストリームが、所定の解像度以上である第一映像ストリーム(例えば、8Kの映像ストリーム)、および、所定の解像度未満である第二映像ストリーム(例えば、2Kおよび4Kの映像ストリーム)を含む場合、第一映像ストリームを記録せず、第二映像ストリームを、記録部130を用いて記録媒体131に記録する。例えば、
図4に示すように、4Kの映像ストリーム401、403と、8Kの映像ストリーム402とが混在している映像ストリーム400を録画する場合を例に説明する。映像ストリーム400は、4Kの映像ストリーム401、8Kの映像ストリーム402および4Kの映像ストリーム403の順で構成されている。
【0048】
制御部120は、第一制御においては、4Kの映像ストリームも8Kの映像ストリームも両方とも記録するため、映像ストリーム400の始めから録画を開始し、映像ストリーム400の終わりで録画を停止する。つまり、録画した映像ストリームは、4Kの映像ストリーム401、403および8Kの映像ストリーム402を含む。
【0049】
制御部120は、第二制御においては、4Kの映像ストリームを録画し、8Kの映像ストリームを録画しない。このため、制御部120は、4Kの映像ストリーム401の始めから録画を開始し、4Kの映像ストリーム401の終わり(つまり、8Kの映像ストリーム402の始め)で録画を一時停止する。そして、制御部120は、4Kの映像ストリーム403の始め(つまり、8Kの映像ストリーム402の終わり)で録画を再開し、4Kの映像ストリーム403の終わりで録画を停止する。つまり、録画した映像ストリームは、4Kの映像ストリーム401、403を含み、8Kの映像ストリーム402を含まない。
【0050】
また、制御部120は、ユーザからの入力を受け付けるためのGUI(Graphicaluser interface)を生成してもよい。GUIは、メモリ140に予め記憶されている設定を変更するためのものであってもよいし、記録媒体131に記録されている符号化ストリームを記録装置100において再生(デコード)するためのものであってもよい。制御部120は、例えば、記録媒体131に記録された1以上の符号化ストリームの一覧を生成し、当該一覧を含むGUIを表示装置300に出力してもよい。なお、一覧は、GUIに含まれていなくてもよく、表および文字列で構成される情報であってもよい。制御部120は、ユーザからの入力および所定のプログラムに応じて、GUIを生成する。
【0051】
なお、制御部120は、例えば、制御回路102、メインメモリ103、記憶装置104などにより実現される。
【0052】
記録部130は、制御部120の制御に応じて符号化ストリームを記録媒体131に記録する処理部である。記録部130は、第一制御の場合、取得部110において取得された符号化ストリームを記録媒体131に記録し、第二制御の場合、取得部110において取得された符号化ストリームのうち所定の解像度以上の映像ストリームを含む符号化ストリームを除く符号化ストリームを記録する。記録部130は、制御回路102、メインメモリ103、記憶装置104、光ディスクドライブ105などにより実現される。なお、記録媒体131は、上述したように、例えば、HDD(Hard Disk Drive)であってもよいし、SSD(Solid Stated Drive)などの不揮発性メモリであってもよいし、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、UltraHD BD、DVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクであってもよい。
【0053】
メモリ140は、予め定められた設定を記憶している。メモリ140は、予め定められた設定として、制御部120が第一制御を行うことを示す第一設定、および、制御部120が第二制御を行うことを示す第二設定のいずれかを記憶している。メモリ140は、例えば、記憶装置104などにより実現される。
【0054】
デコーダ150は、取得部110により取得された符号化ストリームをデコードし、デコードすることで得られた映像信号を出力部160に出力する。符号化ストリームは、デコーダ150の処理能力に応じて、デコーダ150がデコードできる符号化ストリームと、デコーダ150ができない符号化ストリームとを含む。本実施の形態では、デコーダ150がデコードできない符号化ストリームは、所定の解像度以上(つまり8K)の映像ストリームを有する符号化ストリームである。デコーダ150は、例えば、制御回路102、メインメモリ103などにより実現される。
【0055】
出力部160は、デコーダ150によりデコードされた映像信号、または、制御部120により生成されたGUIを表示装置300に出力する。出力部160は、例えば、制御回路102、メインメモリ103、記憶装置104および出力IF107などにより実現される。
【0056】
受付部170は、ユーザからの入力を受け付ける処理部である。受付部170は、例えば、リモコンの所定のボタンに対するユーザからの入力を示す入力信号を受け付けてもよいし、出力部160から出力しているGUIへのリモコンからの入力を示す入力信号を受け付けてもよい。受付部170は、例えば、制御回路102、メインメモリ103、記憶装置104および入力IF106などにより実現される。
【0057】
更新部180は、受付部170により受け付けられた入力に応じてメモリ140が記憶している予め定められた設定を、第一設定または第二設定に更新する。更新部180は、例えば、制御回路102、メインメモリ103および記憶装置104などにより実現される。
【0058】
ここで、
図5を用いて、GUI301、303の具体例について説明する。
【0059】
図5は、記録装置における設定を変更するためのGUIの一例を示す図である。
【0060】
GUI301は、記録設定を変更するためのGUIの一例である。例えば、GUI301が表示装置300に表示されている状態において、ユーザは、リモコンなどの入力装置を操作することにより、「8K番組記録設定」ボタン302を選択して、決定したとする。この決定を示す入力が受付部170により受け付けられると、制御部120は、GUI303を出力する。これにより、表示装置300にはGUI303が表示される。GUI303には、「8K番組記録設定」ウィンドウ304が表示され、「8K番組記録設定」ウィンドウ304には、「録画する」ボタン305、および、「録画しない」ボタン306が表示されている。ユーザにより「録画する」ボタン305が選択されて決定されると、受付部170は、第一設定を示す入力を受け付けたこととなり、更新部180は、メモリ140における設定を「第一設定」に更新する。一方で、ユーザにより「録画しない」ボタン306が選択されて決定されると、受付部170は、第二設定を示す入力を受け付けたこととなり、更新部180は、メモリ140における設定を「第二設定」に更新する。
【0061】
なお、デコーダ150がデコードできない符号化ストリームを記録媒体131に記録した場合、ユーザは、記録媒体131に記録された符号化ストリームをデコードできる再生機器に入力することで再生させることができる。この場合、記録媒体131は、UltraHD BDなどの4Kコンテンツを記録した光ディスクが再生可能な再生機器で再生させることで、符号化ストリームを再生させることができる。また、記録媒体131は、外付けのHDD、SSDなどのような外付けのストレージであってもよく、符号化ストリームを記録した外付けのストレージを再生機器に接続することで、再生機器で外付けのストレージに記録した符号化ストリームを再生させてもよい。また、記録装置100がLAN(Local Area Network)などのネットワークを介して再生機器と接続されている場合には、再生機器は、記録装置100からネットワークを介して符号化ストリームを取得することで、当該符号化ストリームを再生してもよい。
【0062】
また、
図6を用いて、一覧を含むGUI307の具体例について説明する。
【0063】
図6は、録画一覧を含むGUIの一例を示す図である。
【0064】
GUI307は、記録媒体131に記録されている符号化ストリームを記録装置100において再生(デコード)するためのGUIの一例である。例えば、GUI307に含まれる録画一覧では、連続ドラマAが8Kの映像ストリームを含む符号化ストリームであることが「8K」の表示により示されており、ドキュメントCが4Kの映像ストリームを含む符号化ストリームであることが「4K」の表示により示されており、ニュースBおよび情報番組Dが2Kの映像ストリームを含む符号化ストリームであることが「8K」および「4K」の表示がないことにより示されている。また、当該録画一覧では、表示308により連続ドラマAが記録装置100において再生できないことが示されている。つまり、録画一覧では、デコーダ150がデコードできない特定の符号化ストリーム(例えば8Kの映像ストリームを含む符号化ストリーム)を示す第一表示の表示態様は、他の符号化ストリーム(例えば2Kおよび4Kの映像ストリームを含む符号化ストリーム)を示す第二表示の表示態様と異なり、特定の符号化ストリームが記録装置100で再生できないことを示す。
【0065】
なお、第一表示の表示態様は表示308を表示させることとし、第二表示の表示態様は表示308を表示させないこととしたが、これに限らずに、第一表示をグレーアウトさせた表示とし、第二表示を黒字または白字での表示とするように、文字または周囲の背景の色を第一表示および第二表示で表示態様を異ならせてもよい。また、第一表示を表示させずに、第二表示を表示させてもよい。また、第一表示および第二表示のうち一方を枠で囲む表示としてもよい。
【0066】
[2.動作]
以上のように構成された記録装置100について、その動作を以下説明する。
【0067】
図7は、実施の形態に係る記録装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0068】
記録装置100では、取得部110が符号化ストリームを取得する(S1)。
【0069】
次に、制御部120は、取得部110により取得された符号化ストリームのIピクチャまたはIRAPを検出する(S2)。これにより、制御部120は、符号化ストリームを構成するGOP(Group Of Picture)単位で処理を行う。IピクチャまたはIRAPは、1つのGOPを構成する複数のピクチャのうち、先頭に配置される(最初に複合される)ピクチャである。
【0070】
制御部120は、符号化ストリームを解析する(S3)。
【0071】
制御部120は、符号化ストリームに含まれる映像ストリームが所定の解像度(例えば8K)以上であるか否かを判定する(S4)。
【0072】
制御部120は、所定の解像度以上であると判定した場合(S4でYes)、メモリ140に記憶されている設定が、所定の解像度以上の映像ストリームを録画する設定(第一設定)であるか否かを判定する(S5)。つまり、制御部120は、メモリ140に記憶されている設定が、第一設定であるか第二設定であるかを判定する。
【0073】
制御部120は、メモリ140に記憶されている設定が所定の解像度以上の映像ストリームを録画する第一設定である場合(S5でYes)、取得したGOPを、記録部130を用いて記録媒体131に記録する(S6)。なお、制御部120は、ステップS4において、所定の解像度未満であると判定した場合(S4でNo)にも、ステップS6を実行する。
【0074】
制御部120は、メモリ140に記憶されている設定が所定の解像度以上の映像ストリームを録画しない第二設定である場合(S5でNo)、取得したGOPを記録しないで、ステップS1に戻る。
【0075】
ステップS6の後で、制御部120は、記録媒体131に記録しているデータの管理情報を更新する(S7)。管理情報は、記録しているデータにおいて、記録したGOPの提示時刻(PTS)、記録媒体131における記録位置などを示す情報である。なお、制御部120は、管理情報に記録したGOPの復号時刻(DTS)も合わせて記録してもよい。
【0076】
次に、制御部120は、符号化ストリームの記録の停止要求があるか否かを判定する(S8)。制御部120は、例えば、予約録画により符号化ストリームの記録を行っている場合には現在時刻が予約録画の終了時刻である場合に、停止要求があると判定する。また、制御部120は、受付部170がユーザによるリモコンなどの入力装置から録画停止を示す入力信号を受け付けた場合に、停止要求があると判定してもよい。
【0077】
制御部120は、停止要求があると判定した場合(S8でYes)、記録部130による記録を停止する(S9)。
【0078】
制御部120は、停止要求がないと判定した場合(S8でNo)、ステップS1に戻る。
【0079】
[3.効果等]
以上のように、本実施の形態に係る記録装置100は、取得部110と、デコーダ150と、制御部120とを備える。取得部110は、符号化ストリームを取得する。デコーダ150は、取得された符号化ストリームをデコードする。制御部120は、第一制御または第二制御、を予め定められた設定に応じて選択的に行う。第一制御は、取得された符号化ストリームがデコーダ150によりデコードできない符号化ストリームである場合に符号化ストリームを記録媒体131に記録する制御である。第二制御は、取得された符号化ストリームがデコーダによりデコードできない符号化ストリームである場合に符号化ストリームを記録しない制御である。
【0080】
これによれば、デコーダ150がデコードできない符号化ストリームであっても記録することが設定により定められている場合には第一制御が行われ、当該符号化ストリームを記録しないことが設定により定められている場合には第二制御が行われる。このため、デコーダ150によりデコードできない符号化ストリームを記録媒体131に記録する第一制御を行うか、または、デコーダ150によりデコードできない符号化ストリームを記録しない第二制御を行うかを、適切に選択することができる。
【0081】
例えばユーザが別の機器で再生するためにデコーダ150によりデコードできない符号化ストリームを記録する設定をしている場合には当該符号化ストリームを記録媒体131に記録しておくことができ、ユーザがデコーダによりデコードできない符号化ストリームを記録しない設定をしている場合には記録装置100では再生できない符号化ストリームを記録しないことができる。このため記録媒体131の記録容量を節約することができる。
【0082】
また、本実施の形態に係る記録装置100において、制御部120は、符号化ストリームをデコードする処理に要求される処理速度に関する要求処理能力がデコーダ150の処理能力を超えている場合に、符号化ストリームをデコーダ150がデコードできないと判定する。
【0083】
このため、取得された符号化ストリームがデコーダ150の処理速度よりも速い処理速度でデコードすることを要求する符号化ストリームである場合に、当該符号化ストリームに対して第一制御を行うか、または、当該符号化ストリームに対して第二制御を行うかを、予め定められた設定に応じて、適切に選択することができる。
【0084】
また、本実施の形態に係る記録装置100において、符号化ストリームは、映像ストリームを含む。要求処理能力は、解像度が所定の解像度以上である映像ストリームをデコードする処理に要求される処理能力である。
【0085】
これによれば、デコーダ150がデコードできない符号化ストリームの判定を、符号化ストリームに含まれる映像ストリームの解像度を用いて行うため、当該判定を容易に行うことができる。
【0086】
また、本実施の形態に係る記録装置100において、制御部120は、予め定められた設定が第二制御を行うことを示す場合において、映像ストリームが、所定の解像度以上である第一映像ストリーム、および、所定の解像度未満である第二映像ストリームを含む場合、第一映像ストリームを記録せず、第二映像ストリームを記録媒体131に記録する。
【0087】
このため、第一映像ストリームおよび第二映像ストリームが混在する映像ストリームが取得された場合において第二制御が行われる場合、第一映像ストリームおよび第二映像ストリームのうち第二映像ストリームのみを記録媒体131に記録することができる。
【0088】
また、本実施の形態に係る記録装置100は、さらに、メモリ140と、受付部170と、更新部180とを備える。メモリ140は、予め定められた設定を記憶している。受付部170は、ユーザの入力を受け付ける。更新部180は、入力に応じてメモリ140が記憶している予め定められた設定を、第一制御を行うことを示す第一設定、または、第二制御を行うことを示す第二設定に更新する。制御部120は、取得部110が符号化ストリームを取得したときにおいてメモリ140に記憶されている予め定められた設定に応じて、第一制御または第二制御を選択的に行う。
【0089】
このため、ユーザにより選択された設定に応じて、第一制御または第二制御を選択的に行うことができるため、第一制御を行うか、または、第二制御を行うかを適切に選択することができる。
【0090】
また、本実施の形態に係る記録装置100は、さらに、出力部160を備える。出力部160は、記録媒体131に記録された1以上の符号化ストリームの一覧を生成し、一覧を表示装置300に出力する。一覧では、デコーダ150がデコードできない特定の符号化ストリームを示す第一表示の表示態様は、他の符号化ストリームを示す第二表示の表示態様と異なり、特定の符号化ストリームが記録装置100で再生できないことを示す。
【0091】
これによれば、デコーダ150がデコードできない場合であっても、記録媒体131に記録された特定の符号化ストリームを示す第一表示の表示態様を再生できないことを示す表示態様で表示する。このため、ユーザは、一覧において当該記録装置100が再生できない符号化ストリームを容易に判別することができる。
【0092】
[4.その他]
上記実施の形態に係る記録装置100では、取得部110は、アンテナ200が受信した放送波から符号化ストリームを取得するとしたが、これに限らずに、インターネットなどの通信ネットワークを介して符号化ストリームを取得してもよい。
【0093】
上記実施の形態に係る記録装置100では、制御部120は、デコーダ150がデコードできない符号化ストリームを、当該符号化ストリームの解像度を用いて判定しているが、これに限らない。
【0094】
例えば、制御部120は、符号化ストリームのフレームレートを用いて判定してもい。この場合、制御部120は、所定のフレームレート以上の映像ストリームを含む符号化ストリームをデコーダ150においてデコードできないと判定してもよい。
【0095】
また、制御部120は、符号化ストリームの単位時間当たりの情報量を用いて判定してもよい。この場合、制御部120は、単位時間当たりの情報量が所定の情報量以上の符号化ストリームをデコーダ150においてデコードできないと判定してもよい。
【0096】
また、制御部120は、デコーダ150が対応していない規格の符号化ストリームである場合に、当該符号化ストリームをデコーダ150においてデコードできないと判定してもよい。
【0097】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0098】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0099】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本開示は、デコードできない符号化ストリームを記録媒体に記録する、または、記録しないを適切に選択することができる記録装置、記録方法などに適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 映像システム
100 記録装置
101 チューナ
102 制御回路
103 メインメモリ
104 記憶装置
105 光ディスクドライブ
106 入力IF
107 出力IF
110 取得部
120 制御部
130 記録部
131 記録媒体
140 メモリ
150 デコーダ
160 出力部
170 受付部
180 更新部
200 アンテナ
300 表示装置
301、303、307 GUI
400 映像ストリーム
401、403 4Kの映像ストリーム
402 8Kの映像ストリーム