(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】清掃具収納ケース
(51)【国際特許分類】
A47L 13/51 20060101AFI20230707BHJP
A47L 13/20 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
A47L13/51
A47L13/20 A
(21)【出願番号】P 2019138769
(22)【出願日】2019-07-29
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】591276396
【氏名又は名称】株式会社サニクリーン
(73)【特許権者】
【識別番号】000133928
【氏名又は名称】株式会社テラモト
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 基
(72)【発明者】
【氏名】今井 直毅
(72)【発明者】
【氏名】江本 久夫
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-202018(JP,A)
【文献】特開2018-175017(JP,A)
【文献】特開2012-245292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/51
A47L 13/20
A47G 25/12
A47G 29/00 - 29/30
B43K 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の柄および当該柄の先端に回動可能に取り付けられた清掃ヘッドを備えた柄付き清掃具を収納するための清掃具収納ケースであって、
底板部と、床面に載置され、平面視において上記底板部を囲む台座部と、上記底板部の周縁部から上方に延びて上端が開口し、上記清掃ヘッドを収納する収納筒部と、を備え、
上記底板部には、平面視における上記収納筒部の中央から上方に突出する突出部が設けられて
おり、
上記収納筒部は、上方に向かうにつれて拡がるように傾斜しており、
上記突出部は、複数の側面を有する先細りの正多角錐状であり、
上記収納筒部は、平面視において上記複数の側面とそれぞれ正対する位置にある複数の傾斜平面を有する、清掃具収納ケース。
【請求項2】
上記底板部および上記台座部を含むベース体と、上記収納筒部を含む筒状体と、からなる、請求項
1に記載の清掃具収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柄付き清掃具の棒状の柄が起立した姿勢で清掃ヘッドを収納する清掃具収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
床面清掃に使用する柄付き清掃具を収納するための清掃具収納ケースとして、たとえば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された清掃具収納ケースは、床面に載置される環状の台座部と、この台座部の内周側に配置された有底筒状の収納容器と、を備えており、柄付きモップ(柄付き清掃具の一例)を収納するものである。上記収納容器の上端は開口しており、当該収納容器の上端の適所から上方に延びるハンドル保持部を有する。柄付きモップの収納時には、モップヘッド(清掃ヘッド)が収納容器に収容され、ハンドル保持部は、棒状のハンドル(柄)の中間部を保持している。清掃具収納ケースは、柄が傾斜状に起立した姿勢で当該モップヘッドを収納する。
【0003】
上記構成の清掃具収納ケースによれば、場所を取らずに柄付きモップ(柄付き清掃具)を起立姿勢で収納することができる。その一方、モップヘッド(清掃ヘッド)を収納容器に収める際、柄(ハンドル)を所定のハンドル保持部に預けるように位置合わせする必要があり、収納時の作業性において改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、柄付き清掃具の収納を行いやすくし、使い勝手の良い清掃具収納ケースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明によって提供される清掃具収納ケースは、棒状の柄および当該柄の先端に回動可能に取り付けられた清掃ヘッドを備えた柄付き清掃具を収納するための清掃具収納ケースであって、底板部と、床面に載置され、平面視において上記底板部を囲む台座部と、上記底板部の周縁部から上方に延びて上端が開口し、上記清掃ヘッドを収納する収納筒部と、を備え、上記底板部には、平面視における上記収納筒部の中央から上方に突出する突出部が設けられている。
【0008】
好ましい実施の形態においては、上記突出部は、先細りの正多角錐状または円錐状である。
【0009】
好ましい実施の形態においては、上記収納筒部は、上方に向かうにつれて拡がるように傾斜している。
【0010】
好ましい実施の形態においては、上記突出部は、複数の側面を有する正多角錐状であり、上記収納筒部は、平面視において上記複数の側面とそれぞれ正対する位置にある複数の傾斜平面を有する。
【0011】
好ましい実施の形態においては、上記底板部および上記台座部を含むベース体と、上記収納筒部を含む筒状体と、からなる。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る清掃具収納ケースの一例を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示した清掃具収納ケースの正面図である。
【
図3】
図1に示した清掃具収納ケースの平面図である。
【
図5】突出部の側面と収納筒部の傾斜平面との位置関係を説明するための模式図である。
【
図7】
図1に示した清掃具収納ケースの使用状態の一例を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
図1~
図4は、本発明に係る清掃具収納ケースの一例を示す。本実施形態の清掃具収納ケースA1は、たとえば柄付き清掃具の一例である柄付きモップを起立姿勢で収納するものであり、ベース体1および筒状体2からなる。
【0016】
図3、
図4に示すように、ベース体1は、床面に載置される部材であり、底板部11および台座部12を含む。底板部11は、平板状であり、平面視においてベース体1の中央に位置する。本実施形態において、底板部11は、平面視において略矩形状である。底板部11には、上方に突出する突出部110が設けられている。突出部110は、平面視における筒状体2の中央に配置される。
【0017】
本実施形態において、突出部110は、先細りの正多角錐状とされている。正多角錐は、底面が正多角形で側面が合同な二等辺三角形であるが、正多角錐状の突出部110については、頂点が存在せずに先端が丸みを帯びた形状である場合や、先端が底面と平行な平面で切断した多角錐台形状である場合を含む。図示した例では、突出部110は、正四角錐状であり、複数(4つ)の側面111を有する。
【0018】
台座部12は、平面視において底板部11を囲んでいる。本実施形態において、台座部12は、略矩形環状をなす。
図4の縦断面図に表れているように、台座部12は、平板状ではなく適宜隆起する形状とされており、外周縁が床面に接触する部分である。台座部12の内側縁は、支持部121とされている。
【0019】
支持部121は、筒状体2を直接支持しており、筒状である。支持部121は、底板部11の形状に対応しており、略四角筒状である。支持部121は、上方に向かうにつれて拡がるように少し傾斜している。支持部121のうち突出部110を挟んで向かい合う2つの傾斜板部には、一対の爪部122が設けられている。詳細な図示説明は省略するが、一対の爪部122の周囲の適所にはスリットが形成されており、これら爪部122は互いに離間する方向に弾性的に変位させることが可能である。上記構成のベース体1は、たとえば合成樹脂材料によって一体形成されたものである。
【0020】
筒状体2は、後述する柄付きモップのモップヘッドを収納するものである。本実施形態において、筒状体2は、接続筒部21および主要筒部22を含む。接続筒部21は、ベース体1の支持部121に嵌挿される部分である。接続筒部21は、略四角筒状である。接続筒部21は、支持部121に対応する形状とされており、上方に向かうにつれて拡がるように少し傾斜している。接続筒部21は、複数(4つ)の傾斜平面211を有する。
【0021】
本実施形態において、接続筒部21のうち突出部110を挟んで向かい合う2つの傾斜板部には、一対の係止孔212が形成されている。
図4に示すように、一対の係止孔212には、支持部121(ベース体1)の爪部122が係合している。このようにして、ベース体1と筒状体2とは、一体的に組み付けられている。
【0022】
主要筒部22は、接続筒部21の上端につながり、略四角筒状とされている。主要筒部22は、上方に向かうにつれて拡がるように傾斜しており、上端が開口している。主要筒部22は、複数(4つ)の傾斜平面221を有する。
【0023】
図3に示すように、接続筒部21の複数(4つ)の傾斜平面211および主要筒部22の複数(4つ)の傾斜平面221は、平面視において突出部110の複数(4つ)の側面111とそれぞれ正対する位置にある。ここで、「傾斜平面211,221が側面111とそれぞれ正対する位置にある」とは、
図5において模式的に示すように、4つずつの傾斜平面211,221を構成する接続筒部21および主要筒部22と、4つの側面111を構成する突出部110とが、平面視において回転方向の位置が一致する状態である。なお、上記の回転方向の位置が「一致する」状態とは、当該回転方向の位置が一致するように設計されるが、製作上の許容差等により当該回転方向の位置に多少のずれが生じる場合を含む。
【0024】
上記の接続筒部21および主要筒部22は、本発明で言う収納筒部の一例に相当する。上記構成のベース体1は、たとえば合成樹脂材料によって一体形成されたものである。
【0025】
図6は、清掃具収納ケースA1に収納される柄付きモップの一例を示す。同図に示した柄付きモップB1は、棒状の柄5と、モップヘッド6とを備える。モップヘッド6は、柄5の先端に回動可能に取り付けられている。
【0026】
モップヘッド6は、本発明で言う清掃ヘッドの一例であり、ヘッド本体61およびモップ62を有する。ヘッド本体61は、所定方向に延びる帯板状である。ヘッド本体61の長手方向中央が柄5の先端に連結される。ヘッド本体61には、モップ62が装着される。モップ62は、床面を払拭するための払拭材を有し、ヘッド本体61に着脱可能に装着される。当該払拭材は、たとえば多数の線状材からなる房状とされている。図中において、モップ62は仮想線で表す。
【0027】
図6(a)は、柄付きモップB1を使用するときの状態を示し、柄5の延びる方向とモップヘッド6の長手方向とが略直角である。
図6(b)は、柄付きモップB1を収納するときの状態を示し、モップヘッド6の長手方向が柄5の延びる方向に沿っている。柄付きモップB1は、
図6(a)、(b)のいずれの状態においても柄5およびモップヘッド6の相対回動が適宜制限されており、ロックされた状態にある。
【0028】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0029】
本実施形態の清掃具収納ケースA1において、底板部11には突出部110が設けられている。突出部110は、平面視における筒状体2の中央に配置されている。このような構成によれば、柄付きモップB1のモップヘッド6を筒状体2内に収納する際、
図7に示すように、モップヘッド6の下端付近が突出部110と筒状体2の側面部分との間に収まる。これにより、柄付きモップB1は、筒状体2の上端開口からモップヘッド6を差し込むだけで、柄5が起立した状態で収納される。清掃具収納ケースA1を用いれば、柄付きモップB1を収納しやすく、使い勝手が良い。
【0030】
本実施形態では、筒状体2(接続筒部21および主要筒部22)は、上方に向かうにつれて拡がるように傾斜している。また、突出部110は先細りの正四角錐状(正多角錐状)とされており、複数の側面111を有する。接続筒部21の複数の傾斜平面211および主要筒部22の複数の傾斜平面221は、突出部110の複数の側面111とそれぞれ正対する位置にある。このような構成によれば、モップヘッド6を筒状体2内に収納する際、当該モップヘッド6は傾斜平面221および傾斜平面211にガイドされる。そして、モップヘッド6の下端付近が、側面111と傾斜平面211ないし傾斜平面221との間に適切に収まる。
【0031】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係る清掃具収納ケースの各部の具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【0032】
上記実施形態において、突出部110が正四角錐状である場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。突出部110が正三角錐状、あるいは正五角錐状や正六角錐状などの正多角錐状であってもよい。使い勝手を考慮すると、突出部110を構成する正多角錐状の角数は、6以下であるのが好ましい。筒状体2(接続筒部21や主要筒部22)については、突出部110の正多角錐状の角数に対応する略多角筒状とされる。また、突出部110は円錐状であってもよく、この場合、筒状体2は円筒または円筒に近似する形状とされる。
【0033】
上記実施形態では、ベース体1が底板部11および台座部12を含み、筒状体2が接続筒部21および主要筒部22(収納筒部)と含む構成としたが、これに限定されない。たとえば、筒状体が底板部および収納筒部を含み、ベース体が台座部を含む構成としてもよい。また、上記実施形態では清掃具収納ケースA1をベース体1と筒状体2の2部材から構成したが、清掃具収納ケースを単一の部材により構成してもよい。
【0034】
上記実施形態において、清掃具収納ケースA1に収納される柄付き清掃具として柄付きモップB1を例に挙げて説明したが、本発明の清掃具収納ケースに収納される柄付き清掃具としては、様々な種類のものを適用することが可能である。清掃具収納ケースに収納される柄付き清掃具の他の例として、柄付き箒を挙げることができ、当該柄付き箒の清掃ヘッドは、たとえばヘッド本体に多数の掃毛が植設された構成とされる。また、柄付き清掃具が柄付きモップである場合においても、ヘッド本体に装着されるモップとして、上記実施形態で示した房状の払拭材を有する構成の他にも、シート状の払拭材を有する構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
A1 清掃具収納ケース
B1 柄付きモップ(柄付き清掃具)
1 ベース体
11 底板部
110 突出部
111 側面
12 台座部
121 支持部
122 爪部
2 筒状体
21 接続筒部(収納筒部)
211 傾斜平面
212 係止孔
22 主要筒部(収納筒部)
221 傾斜平面
5 柄
6 モップヘッド(清掃ヘッド)
61 ヘッド本体
62 モップ