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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-06
(45)【発行日】2023-07-14
(54)【発明の名称】ジョイント装置の止水機能回復方法
(51)【国際特許分類】
   E01C 11/02 20060101AFI20230707BHJP
   E01D 19/06 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
E01C11/02 A
E01C11/02 C
E01D19/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019199953
(22)【出願日】2019-11-01
(65)【公開番号】P2021071031
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】508001431
【氏名又は名称】西日本高速道路メンテナンス九州株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】517181081
【氏名又は名称】ライノジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503208378
【氏名又は名称】ビルドメンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 文彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(72)【発明者】
【氏名】石飛 愼二
【審査官】佐久間 友梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-309032(JP,A)
【文献】特開2018-111988(JP,A)
【文献】特開2011-174222(JP,A)
【文献】特開2014-070482(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0090771(US,A1)
【文献】特開2009-235829(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0321432(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 1/00-17/00
E01D 1/00-24/00
E04B 1/62-1/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
橋梁や高架道路等の道路基盤の継ぎ目に形成され前記道路基盤の伸び縮みを吸収するジョイント装置の止水機能回復方法であって、
前記ジョイント装置において前記伸び縮みを吸収するために形成された溝部を跨ぐように、ポリウレア又はポリウレタンを主成分とする伸び率が200~600%のシート体を貼着する貼着工程を備えることを特徴とするジョイント装置の止水機能回復方法。
【請求項2】
前記貼着工程において、前記シート体を粘着剤により貼着することを特徴とする請求項1に記載のジョイント装置の止水機能回復方法。
【請求項3】
前記貼着工程の前工程として、前記溝部の前後に形成されたコンクリート部、又は前記ジョイント装置の前後にある前記道路基盤に対し、道路の幅方向に延びる切欠部を形成する切欠工程を備え、
前記貼着工程において、前記シート体の前後方向の端部を前記切欠部に収めることを特徴とする請求項1又は2に記載のジョイント装置の止水機能回復方法。
【請求項4】
前記貼着工程の前工程として、前記溝部を跨ぐように緩衝用シートを貼着する溝部保護工程を備えることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一つに記載のジョイント装置の止水機能回復方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁や高架道路等の道路基盤の継ぎ目に形成され前記道路基盤の伸び縮みを吸収するジョイント装置の止水機能回復方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
橋梁や高架道路等の道路基盤の継ぎ目には、温度変化による道路基盤の伸縮を吸収する目的や、雨水が橋梁等の内部に浸入することを防ぐために、ジョイント装置が設置される。
ジョイント装置は、ジョイント本体に伸び縮みを吸収するために形成された溝部があり、溝部内部に止水材が嵌め込まれるように施工されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
ジョイント本体の少なくとも上部は、金属製の壁部同士が離間するとともに相対向して溝部となっている。
また、ジョイント本体は平面視で波型となっており、ジョイント部全体としては平面視略櫛歯状である。
【0004】
この溝部の遊間部の幅は、例えば冬は約70mm程度であるところ、夏には道路基盤が熱で膨張した結果、遊間部の幅は約30mm程度まで狭くなる。
【0005】
逆の言い方をすれば、遊間部の幅が広くなる冬はジョイント本体内に施工された止水材には張力が掛かっており、これは止水材がジョイント本体の壁部から引き剥がされる方向にはたらく力となる。
【0006】
このようにジョイント装置の止水材には力が掛かっており、ジョイント装置を長年使用することで止水材が劣化してしまい、その結果として止水材が破断したり、止水材がジョイント本体から剥がれたりする。
止水材が破断等すると、雨水が橋梁の内部に浸入して錆が生じ橋梁の耐久年数が著しく低下してしまう。
【0007】
この対策として、従来は定期的なメンテナンスにおいて、コンクリート部又は道路基盤を切断しジョイント部の大部分を取り替えていた。
しかし、そのような交換方法は非常に無駄が多く、コスト面だけでなく環境面においても好ましくない。
【0008】
そこで本出願人のうちの一社は、過去にジョイント装置の補修方法について特許出願を行っている(特許文献3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2006-29069号公報
【文献】特開2014-218819号公報
【文献】特開2018-204265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、本出願人は、創意工夫を重ねることにより特許文献3に記載の発明とは異なる、簡易な方法でジョイント装置の止水機能を回復させる方法を得た。
【0011】
本発明の目的とするところは、簡易にジョイント装置の止水機能を回復させることができるジョイント装置の止水機能回復方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のジョイント装置(200)の止水機能回復方法は、
橋梁や高架道路等の道路基盤(1)の継ぎ目に形成され前記道路基盤(1)の伸び縮みを吸収するジョイント装置(200)の止水機能回復方法であって、
前記ジョイント装置(200)において前記伸び縮みを吸収するために形成された溝部(201)を跨ぐように、ポリウレア又はポリウレタンを主成分とする伸び率が200~600%のシート体(100)を貼着する貼着工程を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に記載のジョイント装置(200)の止水機能回復方法は、
前記貼着工程において、前記シート体(100)を粘着剤(103)により貼着することを特徴とする。
【0014】
また、請求項3に記載のジョイント装置(200)の止水機能回復方法は、
前記貼着工程の前工程として、前記溝部(201)の前後に形成されたコンクリート部(202)、又は前記ジョイント装置(200)の前後にある前記道路基盤(1)に対し、道路の幅方向に延びる切欠部(K)を形成する切欠工程を備え、
前記貼着工程において、前記シート体(100)の前後方向の端部を前記切欠部(K)に収めることを特徴とする。
【0015】
また、請求項4に記載のジョイント装置(200)の止水機能回復方法は、
前記貼着工程の前工程として、前記溝部(201)を跨ぐように緩衝用シート(204)を貼着する溝部保護工程を備えることを特徴とする。
【0016】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ジョイント装置において伸び縮みを吸収するために形成された溝部を跨ぐように、ポリウレア又はポリウレタンを主成分とする伸び率が200~600%のシートを貼着する貼着工程を備えるので、止水機能が低下したジョイント装置の止水機能を容易に回復させることができる。
また、車がシートの上を走行してもシートの強度や耐摩耗性が高いので、シートが損傷し難い。よって、ジョイント装置の止水機能を維持可能である。
【0018】
また、本発明によれば、貼着工程において、シート体を粘着剤により貼着するので、ジョイント装置の溝部が伸び縮みしたときに、シート体の変形に追従する。すなわち、接着剤である場合とは異なり、粘着剤自体がシート体の変形に追従するので、粘着切れが発生しにくい。
また、ジョイント装置の伸び縮みと同様に、車がシート体の上を走行して水平方向の力が加わって変位しても粘着剤を使用しているのでシート体が元の状態に戻る。
【0019】
また、本発明によれば、道路の幅方向に延びる切欠部を形成する切欠工程を備え、貼着工程において、シート体の前後方向の端部を切欠部に収めるので、車がシートの上を走行するときのシート端部の損傷を低減可能である。
【0020】
また、本発明によれば、貼着工程の前工程として、溝部を跨ぐように緩衝用シートを貼着する溝部保護工程を備えるので、溝部を構成する鋼材を十分に保護可能である。
【0021】
なお、本発明のジョイント装置の止水機能回復方法のように、ジョイント装置の溝部を跨ぐようにポリウレア又はポリウレタンを主成分とする伸び率が200~600%のシートを貼着する貼着工程を備える点は、上述した特許文献1から3には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係るシート体を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るジョイント装置の止水機能回復方法の施工対象箇所を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係るジョイント装置の止水機能回復方法の施工対象箇所を示す断面図である。
図4】本発明の実施形態に係るジョイント装置の止水機能回復方法の対象となる各種ジョイント装置を示す。
図5】本発明の実施形態に係るジョイント装置の止水機能回復方法の対象となるジョイント装置の平面図を示す。
図6】本発明の実施形態に係るジョイント装置の止水機能回復方法の対象となるジョイント装置の平面図を示す。
図7】本発明の実施形態に係るジョイント装置の止水機能回復方法における切欠工程を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係るジョイント装置の止水機能回復方法におけるシール材の充填を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係るジョイント装置の止水機能回復方法における端部継ぎ目処理工程(シート防水法)を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係るジョイント装置の止水機能回復方法における端部継ぎ目処理工程(接着剤充填法)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1から図9を参照して、本発明の実施形態に係るシート及びシートを使用したジョイント装置200の止水機能回復方法を説明する。
まずはシート体100について説明する。
【0024】
このシート体100は、図1に示すようにシート基材101と、粘着層103と、シート基材101と粘着層103との接着性を上げるためのプライマー層102からなる。
なお、粘着層103の他面には離型紙104が貼付されている。
【0025】
シート基材101は、ポリウレア又はポリウレタンを主成分とするシートであり、ポリウレアを主成分とすることが好ましい。
ここでポリウレアは、イソシアネートに対してポリアミン含有率が80%から100%配合された樹脂からなる素材である。
シート基材101の製作は、吹付・ローラー・流し込みなどの方法で成型し、シート状にする。
【0026】
シート基材101の厚みは0.8~5mmである。好ましくは、0.8~3mmで、さらに好ましくは、1~2mmである。
シート基材101の伸び率は200~600%である。好ましくは、250~500%で、さらに好ましくは300~400%である。
【0027】
シート基材101の引張強さは10~35MPaである。好ましくは、12~30MPaで、さらに好ましくは、12~25MPaである。
シート基材101の引裂き抵抗は35~130N/mである。好ましくは、50~120N/mで、さらに好ましくは、70~110N/mである。
【0028】
プライマー層102は、エポキシ樹脂系、合成ゴム樹脂系、合成樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系から1つ選ばれる。
【0029】
粘着層(粘着剤)103は、ゴム系、アクリル系、シリコーン系から選ばれる。好ましいのはアクリル系である。
粘着層103の厚みは0.3~3mmである。好ましくは、0.5~2mmで、さらに好ましくは、0.8~2mmである。
この粘着層103の90度剥離力は10~50N/cmである。好ましくは、15~50N/cmで、さらに好ましくは、20~50N/cmである。
【0030】
粘着層103のT型剥離力は10~60N/cmである。好ましくは、10~40N/cm、さらに好ましくは、15~30N/cmである。
粘着層103のせん断剥離力は20~140N/cmである。好ましくは、50~140N/cmで、さらに好ましくは、80~140N/cmである。
粘着層103の引張接着力は15~140N/cmである。好ましくは、30~100N/cmで、さらに好ましくは、40/cm~80N/cmである。
【0031】
離型紙104は、紙やプラスチックフィルム等の基材の表面にシリコーン処理されたものが使われる。
離型紙104の基材として、クラフト紙、グラシン紙、PEラミ上質紙、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、ポリプロピレン等がある。
【0032】
次に、このようなシート体100を使用したジョイント装置200の止水機能回復方法を説明する。
図2及び図3に示すように、施工範囲は橋梁伸縮装置面2及び高欄3のジョイント箇所であり、単純に説明するとジョイント装置200から連続する地覆部2(道路基盤1)及び高欄3における溝部201をシート体100で覆う。
このジョイント装置200の止水機能回復方法は、切欠工程と、下地調整工程と、溝部保護工程と、貼着工程と、端部継ぎ目処理工程と、からなる。
【0033】
止水機能回復の対象のジョイント装置200として、大別すると簡易鋼製ジョイント(図4(a),図4(b))、鋼製フィンガージョイント(図4(c),図4(d))、埋設ジョイント(弾性合材)がある。
この後、主に図5及び図6を参照して説明する。
【0034】
切欠工程では、まず施工面位置を決めて墨出しする。
シート体100端部を道路基盤1やジョイント装置200の上面と平滑にしタイヤ等の引っ掻きによる損傷を防ぐ事を目的として、電動ダイヤモンド刃研削機でシート体100端部が配置される箇所に沿ってシート体100の厚みを基準として、道路の幅方向に延びる切欠部Kを設ける(図7参照)。
詳しくは、切欠部Kは断面略直角三角形に切り欠かれてなり、その最大深さがシート体100の厚さと略等しい。
【0035】
施工面の下地の汚れ、付着物、劣化層や凸起部を集塵機付電動研磨機で削り取り、平滑にする。
そして、エアブロア又は圧縮空気でホコリ等を除去する。
【0036】
簡易鋼製ジョイントの場合、溝部201の前後に形成されたコンクリート部202に対して切欠部Kを設ける。
一方、鋼製フィンガージョイントの場合には、ジョイント装置200の前後にある道路基盤1(アスファルト)に対して切欠部Kを設ける。
ここでいう前後方向とは道路基盤1が延びる方向である。
なお、高欄3には車の通行が無いので切欠部Kを設ける必要は無い。
【0037】
次に、下地調整工程では、粘着層103の強化とシート体100の接着性を高める目的でプライマー処理を行う。
素材は、エポキシ樹脂系、クロロプレーン系、ポリウレタン系、合成樹脂系の中から1種類を選定する。
刷毛またはローラーを用いて施工面全体に塗布する。塗布量は0.1~0.3kg/m程度である。
【0038】
次に、図8に示すように溝部201において破損・消耗している既設シール材の上にシール材203を充填する。シール材の素材は、シリコン、変性シリコン、ウレタン、ポリウレタン、アクリルの中から選ぶ。
【0039】
そして、ジョイント装置200の状態によっては溝部保護工程を行う。詳しくは、図5及び図6に示すようにシート体100の貼着の前に溝部201を構成する鋼材205を保護するように緩衝用シート204で溝部201を前後に跨いで貼る。この緩衝用シート204の厚みや幅はジョイント装置200の形状により適宜選択されるが、緩衝用シート204の面積は後述する貼着工程におけるシート体100の面積よりも小さい。図5及び図6においてはシール材203を省略している。
なお、高欄3には緩衝用シートの施工を行わなくてよい。
【0040】
そして、貼着工程として、施工面にシート体100を設置して位置等を確認し、シート体100の離型紙104を隅部から剥がし設置位置に沿って貼り付け作業を行う。
空気が入らないよう貼付手前から徐々に押え付けながらシート体100を貼る。
そして、シート体100の前後方向の端部を切欠部Kに収める。つまり、溝部保護工程の有無に関わらず、溝部201をシート体100により上方から覆う。
そして、貼り付けた後は、プレートコンパクター等の転圧機で接着促進を行う。
【0041】
ここで、一枚のシート体100を貼着して施工が完了することはない。つまり複数のシート体100を並べて貼着することとなるが、その継ぎ目の処理について説明する。
【0042】
その端部継ぎ目処理工程では、図9に示すように継ぎ目になる箇所に厚さ0.4mmのシート体100を事前に貼り付けておく。
そして、クロロプレーン系接着剤を塗布する。
最後に、シート体100を貼着する。
この方法をシート防水法と呼ぶ。
【0043】
以上のように構成されたジョイント装置200の止水機能回復方法によれば、ジョイント装置200において伸び縮みを吸収するために形成された溝部201を跨ぐように、ポリウレア又はポリウレタンを主成分とする伸び率が200~600%のシートを貼着する貼着工程を備えるので、止水機能が低下したジョイント装置200の止水機能を容易に回復させることができる。
また、車がシートの上を走行してもシートの強度や耐摩耗性が高いので、シートが損傷し難い。よって、ジョイント装置200の止水機能を維持可能である。
【0044】
また、貼着工程において、シート体100を粘着剤により貼着するので、ジョイント装置200の溝部201が伸び縮みしたときに、シート体100の変形に追従する。すなわち、接着剤である場合とは異なり、粘着剤自体がシート体100の変形に追従するので、粘着切れが発生しにくい。
また、ジョイント装置200の伸び縮みと同様に、車がシート体100の上を走行して水平方向の力が加わって変位しても粘着剤を使用しているのでシート体100が元の状態に戻る。
【0045】
さらに、道路の幅方向に延びる切欠部Kを形成する切欠工程を備え、貼着工程において、シートの前後方向の端部を切欠部Kに収めるので、車がシートの上を走行するときのシート端部の損傷を低減可能である。
【0046】
また、貼着工程の前工程として、溝部201を跨ぐように緩衝用シート204を貼着する溝部保護工程を備えるので、溝部201を構成する鋼材205を十分に保護可能である。
【0047】
なお、本実施形態の端部継ぎ目処理工程においてシート防水法に代えて、接着剤充填法を用いてもよい。
端部継ぎ目処理工程(接着剤充填法)では、図10に示すようにシート体100の端部上面にマスキングテープ10を貼って養生する。
次に、貼り付けたシート体100の継ぎ目の端部に2液ウレタン系接着剤20を塗布する。
そして、繋ぎのシート体100を接着剤とシート体100に接合するように貼り付ける。
最後に、マスキングテープ10を剥がす。
【0048】
また、貼着工程において、シート体100を粘着剤により貼着するとしたが、これに限られるものではなく、接着剤により貼着してもよい。
【0049】
また、貼着工程の前工程として、切欠工程を備えたが、シート体100の端部処理はこれに限られるものではない。
【符号の説明】
【0050】
1 道路基盤(アスファルト)
2 橋梁伸縮装置面
3 高欄
10 マスキングテープ
20 接着剤
100 シート体
101 シート基材
102 プライマー層
103 粘着層(粘着剤)
104 離型紙
200 ジョイント装置
201 溝部
202 コンクリート部
203 シール材
204 緩衝用シート
205 鋼材
K 切欠部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10